説明

ネットワーク機器接続装置およびネットワーク機器接続方法

【課題】ネットワーク機器の接続設定に関する設定変更の作業にかかる労力を軽減する。
【解決手段】FCスイッチ100が、現時点で接続されているネットワーク機器からデータを受信した場合には、接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているネットワーク機器のWWPNとを対応付けた接続機器管理リストに基づいて、受信したデータに設定されているWWPNを接続設定で用いているWWPNに変換する一方、現時点で接続されているネットワーク機器にデータを送信する場合には、接続機器管理情報に基づいて、送信するデータに設定されているWWPNを現時点で接続されているネットワーク機器のWWPNに変換した上でデータを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報を用いてネットワーク機器間の接続設定を行うネットワーク機器接続装置およびネットワーク機器接続方法に関し、特に、故障等でネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる機器識別情報の設定変更を不要にして、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができるネットワーク機器接続装置およびネットワーク機器接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、SAN(Storage Area Network)においては、複数のサーバと複数のストレージとが一つのネットワークに接続されるため、サーバとストレージ間のアクセスを制限するためのセキュリティ設定が行われる。このセキュリティ設定には、サーバやストレージ、FCスイッチ等の各FCネットワーク機器のFC(Fibre Channel)ポートに固有にあらかじめ設定されているWWN(World Wide Name)が用いられる。このWWNには、機器を識別するWWNN(World Wide Node Name)と、FCポートを識別するWWPN(World Wide Port Name)とがある。
【0003】
例えば、サーバとストレージを中継するFCスイッチでは、ゾーニングと呼ばれる設定が行われる。このゾーニング設定とは、WWNを利用して、サーバのHBA(Host Bus Adaptor)のFCポートとストレージのFCポートとをゾーンと呼ばれるグループに分け、ゾーンを越えるアクセスを制限する設定である。
【0004】
また、サーバでは、ターゲット・バインディングと呼ばれる設定が行われる。このターゲット・バインディング設定とは、ストレージのターゲットIDとストレージのWWNとを対応付けて定義し、SCSIプロトコルをFCプロトコルにマッピングする設定である。
【0005】
また、ストレージでは、ホスト・アフィニティと呼ばれる設定が行われる。このホスト・アフィニティとは、サーバのHBAとストレージとを、それぞれのWWNを用いて対応付けて定義し、定義されていないWWNを持つサーバからのアクセスを拒否する設定である。
【0006】
ところで、通常、SANには多数のFCネットワーク機器が接続されるものである。そのため、上述したセキュリティ設定を行う際には、膨大な数のWWNを各FCネットワーク機器に設定する必要があり、多大な労力が必要となる。これは、初期構築の際だけに限られず、例えば故障等の理由で一部のFCネットワーク機器の入れ替えを行う場合でも同様である。この場合は、入れ替えを行うFCネットワーク機器に関連する全てのFCネットワーク機器に対してWWNの設定変更を行う必要があり、同じく多大な労力が必要となる。
【0007】
このようなセキュリティ設定を含め、SANの構築作業においては、作業にかかる多大な労力や時間が課題となっており、これらを軽減させるためのさまざまな技術が考案されている。例えば、特許文献1では、SANを構成するFCネットワーク機器の機器情報をあらかじめ入力し、それらの情報を基にして作成した仮想的なネットワークの構成画像を画面に表示することによって、視覚的に確認しながら、SANの設計を容易に行うことを可能とする装置が開示されている。
【0008】
【特許文献1】国際公開第03/085894号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来の技術においても、最終的には、関連する全てのFCネットワーク機器の設定変更を行う必要があり、労力の軽減や時間の短縮を行う上で限界があるという問題がある。
【0010】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、故障等でネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる機器識別情報の設定変更を不要にして、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができるネットワーク機器接続装置およびネットワーク機器接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報を用いてネットワーク機器間の接続設定を行うネットワーク機器接続装置であって、前記接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報とを対応付けた接続機器管理情報を記憶する接続機器管理情報記憶手段と、現時点で接続されているネットワーク機器からデータを受信した場合に、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報に基づいて、該受信したデータに設定されている機器識別情報を接続設定で用いている機器識別情報に変換するデータ受信手段と、現時点で接続されているネットワーク機器にデータを送信する場合に、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報に基づいて、該送信するデータに設定されている機器識別情報を現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報に変換した上で該データを送信するデータ送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、ネットワーク機器が接続された場合に、該接続されたネットワーク機器の機器識別情報を取得して前記接続機器管理情報記憶手段に登録する接続機器管理情報登録手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、利用者からの指示に基づいて、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報の機器識別情報の対応付けを変更する接続機器管理情報変更手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報にWWN(World Wide Name)を用いることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報を用いてネットワーク機器間の接続設定を行うネットワーク機器接続方法であって、現時点で接続されているネットワーク機器からデータを受信した場合に、前記接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報とを対応付けた接続機器管理情報に基づいて、該受信したデータに設定されている機器識別情報を接続設定で用いている機器識別情報に変換するデータ受信工程と、現時点で接続されているネットワーク機器にデータを送信する場合に、前記接続機器管理情報に基づいて、該送信するデータに設定されている機器識別情報を現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報に変換した上で該データを送信するデータ送信工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、現時点で接続されているネットワーク機器からデータを受信した場合には、接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報とを対応付けた接続機器管理情報に基づいて、受信したデータに設定されている機器識別情報を接続設定で用いている機器識別情報に変換する一方、現時点で接続されているネットワーク機器にデータを送信する場合には、接続機器管理情報に基づいて、送信するデータに設定されている機器識別情報を現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報に変換した上でデータを送信するよう構成したので、故障等でネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる機器識別情報の設定変更を不要することが可能となり、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、ネットワーク機器が接続された場合に、接続されたネットワーク機器の機器識別情報を取得して前記接続機器管理情報記憶手段に登録するよう構成したので、接続機器管理情報を自動的に生成することが可能となり、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、利用者からの指示に基づいて、接続機器管理情報の機器識別情報の対応付けを変更するよう構成したので、故障等でネットワーク機器の入れ替えを行う場合でも、新たに接続されたネットワーク機器にそれまで接続されていた機器識別情報を対応付けて、ネットワーク機器の接続設定で用いられている機器識別情報を継続して使用することが可能となり、故障等でネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる機器識別情報の設定変更を不要にすることが可能となり、この結果、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報にWWN(World Wide Name)を用いるよう構成したので、SANにおいて、故障等でストレージやサーバの入れ替えを行う場合でも、FCスイッチに設定されるゾーニング設定や、サーバに設定されるターゲット・バインディング設定など、WWNNやWWPNを用いて行われる各種設定の設定変更を不要とすることが可能となり、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るネットワーク機器接続装置およびネットワーク機器接続方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、本発明をFCスイッチに適用した場合を中心に説明する。また、本実施例では、ターゲット・バインディング設定およびゾーニング設定にWWPNを用いた場合を説明する。
【実施例】
【0021】
まず、本実施例に係るFCスイッチの概念について説明する。図1は、本実施例に係るFCスイッチの概念を説明するための説明図である。同図は、サーバ10と、ストレージ20と、FCスイッチ100とから構成されるSANを示している。
【0022】
そして、同図に示す「状態1」では、FCスイッチ100は、サーバ10とストレージ20との間を中継するように接続されており、具体的には、FCスイッチ100のFCポート1と、サーバ10のHBAのFCポート(FCポートは図示せず)とが接続され、FCスイッチ100のFCポート2と、ストレージ20のCA(Channel Adapter)1のFCポート(FCポートは図示せず)とが接続されている。
【0023】
また、サーバ10のHBAのFCポートと、ストレージ20のCA1のFCポートには、それぞれ固有のWWPNが設定されており、サーバ10のHBAのFCポートには「WWPN0」が、ストレージ20のCA1のFCポートには「WWPN1」が、それぞれ設定されている。
【0024】
そして、かかるWWPNを用いて、サーバ10においては、サーバ10のHBAのFCポートと、ストレージ20のCA1のFCポートとの接続を許可するように、CA1のFCポートをOSが識別するための情報としての「TARGET1」と「WWPN1」とを対応付けたターゲット・バインディング設定が行われており、FCスイッチ100においては、サーバ10のHBAと、ストレージ20のCA1とが同じゾーンに属するように、「WWPN0」と「WWPN1」とを対応付けたゾーニング設定が行われている。
【0025】
ここで、FCスイッチ100には、自身に接続されているFCネットワーク機器の入れ替えが行われた場合に備え、現時点で接続されているFCネットワーク機器のWWPNと、SAN構築時点に行われた接続設定で用いられているWWPNとを対応付けた接続機器管理リストが記憶されている。例えば、同図に示す「状態1」が、まだFCネットワーク機器の入れ替えが行われていない状態であるとすると、現時点で接続されているFCネットワーク機器のWWPNと、SAN構築時点で行われた接続設定で用いられているWWPNとは同じであるので、FCポート1に接続されているサーバ10のHBAのFCポートのWWPNである「WWPN0」には「WWPN0」が対応付けられて記憶され、FCポート2に接続されているストレージ20のCA1のFCポートのWWPNである「WWPN1」には「WWPN1」が対応付けられて記憶されている。
【0026】
このようなSANにおいて、例えば、ストレージ20のCA1に故障が発生したため、図1の「状態2」に示すように、接続FCスイッチ100のFCポート2の接続先を、ディスク1に接続されたCA1のFCポート(FCポートは図示せず)から、ディスク2に接続されたCA2のFCポート(FCポートは図示せず)に変更したとする。
【0027】
この接続先変更に伴い、利用者(例えば、ネットワーク管理者等)は、例えばSANのネットワーク管理端末等から、FCスイッチ100に記憶されている接続機器管理リストを変更する。例えば、ストレージ20のCA2のFCポートのWWPNが「WWPN2」であったとすると、利用者は、接続機器管理リストにおいて「WWPN1」(CA1のFCポートのWWPN)に対応付けられているWWPNを、「WWPN1」から「WWPN2」(CA2のFCポートのWWPN)に変更する。
【0028】
これにより、サーバ10のターゲット・バインディング設定およびFCスイッチ100のゾーニング設定を変更しなくとも、サーバ10とストレージ20との間でデータの送受信を行うことができる。
【0029】
例えば、図1に示す「状態2」の状態で、ストレージ20のCA1のFCポートに対するアクセス要求(FCフレーム)がサーバ10から送信されたとする。ここで送信されたアクセス要求には、その送信先として、ストレージ20のCA1のFCポートのWWPNである「WWPN1」が設定されている。この時、FCスイッチ100は、記憶している接続機器管理リストに基づいて、受信したアクセス要求に含まれているWWPNを、この時点でFCスイッチ100に接続されているストレージ20のCA2のFCポートのWWPNである「WWPN2」に変換する。そして、FCスイッチ100は、WWPN変換後のアクセス要求をストレージ20に対して送信する。
【0030】
そして、FCスイッチ100は、ストレージ20のCA2のFCポートからアクセス応答(FCパケット)を受信した場合は、そのアクセス要求に送信元として設定されているストレージ20のCA2のFCポートのWWPNである「WWPN2」を、接続機器管理リストに基づいて「WWPN1」に変換する。そして、FCスイッチ100は、WWPN変換後のアクセス応答をサーバ10に対して送信する(アクセス応答は図示せず)。
【0031】
このように、本実施例に係るFCスイッチ100は、現時点で接続されているFCネットワーク機器からデータを受信した場合には、接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているFCネットワーク機器のWWPNとを対応付けた接続機器管理リストに基づいて、受信したデータに設定されているWWPNを接続設定で用いているWWPNに変換する一方、現時点で接続されているFCネットワーク機器にデータを送信する場合には、接続機器管理情報に基づいて、送信するデータに設定されているWWPNを現時点で接続されているFCネットワーク機器のWWPNに変換した上でデータを送信するので、故障等でFCネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となるWWPNの設定変更を不要することが可能となり、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができる。
【0032】
なお、ここでは説明の便宜上、サーバ10、ストレージ20およびFCスイッチ100には一つまたは二つのFCポートのみを示したが、サーバ10、ストレージ20およびFCスイッチ100は、一つまたは二つ以上のFCポートを備えていてもよい。そして、ここでは1台のサーバおよび1台のストレージのみを示したが、FCスイッチ100には、複数のサーバ10や複数のストレージが接続されていてもよい。
【0033】
次に、本実施例に係るFCスイッチ100の構成について説明する。図2は、本実施例に係るFCスイッチ100の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このFCスイッチ100は、FCポート1101〜110nと、接続機器管理リスト120と、管理リスト登録処理部130と、管理リスト変更処理部140と、WWN変換処理部150とを有する。
【0034】
FCポート1101〜110nは、サーバ10やストレージ20等をFCスイッチ100に接続するための接続ポートである。
【0035】
接続機器管理リスト120は、接続設定を行った際に接続されていたFCネットワーク機器の機器識別情報と現時点で接続されているFCネットワーク機器の機器識別情報とを対応付けた接続機器管理情報を記憶する記憶部である。図3は、接続機器管理リスト120の一例を示す図である。同図に示すように、具体的には、この接続機器管理リスト120は、シリアル番号と、マップド番号と、WWN(WWNNおよびWWPN)と、機器情報と(これらWWNと機器情報とを合わせて、機器識別情報と呼ぶ)を対応付けた接続機器管理情報を記憶する。
【0036】
ここで、シリアル番号は、FCネットワーク機器のWWPNごとに付与された通番である。また、マップド番号は、後述するWWN変換処理部150によるWWN変換処理で用いられる番号であり、初期値としてはシリアル番号と同じ値が設定され、故障等によってFCネットワーク機器が撤去された場合などには、後述する管理リスト変更処理部140による機器無効化処理で、当該FCネットワーク機器のWWPNが無効になったことを示す値(図3に示す例ではnull値)が設定され、また、後述する管理リスト変更処理部140によるマッピング変更処理で、無効となっていたWWPNを割り当てた場合には、割り当てたWWPNのシリアル番号が設定される。また、機器情報は、FCネットワーク機器のベンダー名と、装置名と、モデル名である。なお、接続機器管理リスト120は、ネームサービスのDBに統合されていていても良い。
【0037】
図2に戻って、管理リスト登録処理部130は、FCネットワーク機器がFCスイッチ100に接続された場合に、接続されたFCネットワーク機器の機器識別情報を取得して接続機器管理リスト120に登録する処理部である。
【0038】
具体的には、この管理リスト登録処理部130は、SANの構築時またはFCネットワーク機器の追加時にFCスイッチ100にFCネットワーク機器が接続されると、接続されたFCネットワーク機器から機器識別情報(WWNおよび機器情報)とを取得し、シリアル番号とマップド番号を付加した上で接続機器管理リスト120に登録する。この時、シリアル番号には、その時点で登録されている最後のシリアル番号に続く通番が設定され、マップド番号には、シリアル番号と同じ番号が設定される。
【0039】
このように、管理リスト登録処理部130が、FCネットワーク機器が接続された場合に、接続されたFCネットワーク機器の機器識別情報を取得して接続機器管理リスト120に登録することによって、接続機器管理リスト120を自動的に生成することが可能となり、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができる。
【0040】
なお、かかる管理リスト登録処理部130の処理手順については、図5を用いて後に説明する。
【0041】
管理リスト変更処理部140は、利用者の指示に基づいて、機器識別情報の無効化(機器無効化処理)と、機器識別情報の対応付けの変更(マッピング変更処理)を行う処理部である。管理リスト変更処理部140は、例えば操作パネルや管理ネットワークに接続された管理端末、SANに接続された管理端末等、利用者からの入力を取得するための手段とのインターフェースを有しており、利用者からの指示に応じて、接続機器管理リスト120に登録された機器識別情報の変更に関する処理を行うものである。
【0042】
具体的には、この管理リスト変更処理部140は、利用者から機器識別情報の無効化を指示されると、その際に利用者から指定されるシリアル番号に基づいて、接続機器管理リスト120を参照し、当該シリアル番号に対応する機器識別情報(WWNおよび機器情報)を取得する。
【0043】
そして、管理リスト変更処理部140は、取得した機器識別情報に一致するFCネットワーク機器の情報が、FCスイッチ100が保持しているネームサービス情報に存在するか否かを確認し、存在していなかった場合は、当該機器識別情報のFCネットワーク機器がFCスイッチ100に接続されていないと判断し、この機器識別情報を無効化する。なお、ここで用いるネームサービス情報は、FCスイッチ100に接続されている全てのFCネットワーク機器の機器情報(機器識別情報を含む)が設定されており、FCスイッチ100のネームサービス機能によって、FCスイッチ100に接続されているFCネットワーク機器が変更された場合に、最新の状態に合わせて随時更新されるものである。
【0044】
すなわち、管理リスト変更処理部140は、接続機器管理リスト120に記憶された接続機器管理情報のうち、利用者から指定されたシリアル番号に対応する接続機器管理情報に対して、そのマップド番号にnull値を設定する。
【0045】
ここで、管理リスト変更処理部140が、利用者からの指示に基づいて、SANから取り外されたFCネットワーク機器の機器識別情報を無効化することによって、故障等によってFCネットワーク機器を撤去した場合に、当該FCネットワーク機器の機器識別情報を、新たに接続されるFCネットワーク機器に割り当てることが可能となる。
【0046】
一方、管理リスト変更処理部140は、利用者から機器識別情報の無効化を指示されると、その際に利用者から指定される変更元の機器識別情報のシリアル番号に基づいて、当該機器識別情報とWWNNが一致するもの、または、ベンダー名が一致するもの、または、装置名が一致するもの、または、モデル名が一致するものを接続機器管理リスト120に記憶された接続機器管理情報から抽出し、変更先の機器識別情報の候補として、利用者に通知する。
【0047】
ここで、管理リスト変更処理部140が、利用者からの指示に基づいて、ネットワークに新たに接続されたFCネットワーク機器に対して対応付ける機器識別情報の候補を接続機器管理リスト120により記憶された接続機器管理情報から抽出して利用者に通知することによって、利用者が、機器識別情報の対応付けを変更する際に、SANに接続された多数のFCネットワーク機器の中から変更先に適するFCネットワーク機器を探す労力を軽減することができる。
【0048】
そして、利用者が、通知した機器識別情報の中から変更先の機器識別情報を指定すると、管理リスト変更処理部140は、接続機器管理リスト120に記憶された接続機器管理情報を参照し、変更先の機器識別情報に対応するマップド番号がnull値であり、かつ、変更先の機器識別情報に対応するシリアル番号をマップド番号とした接続機器管理情報が接続機器管理リスト120に登録されていないことを確認した場合には、この機器識別情報を変更先としてマッピングが可能であると判断し、変更元として指定された機器識別情報のマッピング変更を行う。
【0049】
すなわち、管理リスト変更処理部140は、接続機器管理リスト120に記憶された接続機器管理情報のうち、利用者から指定された変更元の機器識別情報に対応する接続機器管理情報に対して、そのマップド番号に、マッピングが可能と判断した変更先の機器識別情報のシリアル番号を設定する。
【0050】
ここで、管理リスト変更処理部140が、利用者からの指示に基づいて、ネットワークに新たに接続されたFCネットワーク機器に対して、無効化されている機器識別情報を対応付けることによって、故障等で撤去されたFCネットワーク機器の機器識別情報を再利用することが可能となり、FCネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる機器識別情報の設定変更を不要にして、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができる。
【0051】
このように、管理リスト変更処理部140が、利用者からの指示に基づいて、接続機器管理リスト120により記憶された接続機器管理情報の機器識別情報の対応付けを変更することによって、故障等でFCネットワーク機器の入れ替えを行う場合でも、新たに接続されたFCネットワーク機器にそれまで接続されていた機器識別情報を対応付けて、FCネットワーク機器の接続設定で用いられている機器識別情報を継続して使用することが可能となり、故障等でFCネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる機器識別情報の設定変更を不要にすることが可能となり、この結果、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができる。
【0052】
なお、かかる管理リスト変更処理部140による機器無効化処理およびマッピング変更処理の処理手順については、図6および図7を用いて後に説明する。
【0053】
ここで、上述した管理リスト登録処理部130による機器情報の登録と、管理リスト変更処理部140による機器無効化処理およびマッピング処理とによって更新される接続機器管理リスト120を具体的な例を用いて説明する。図4は、機器情報の登録、機器無効化処理およびマッピング処理による接続機器管理リスト120の更新を説明するための図である。
【0054】
例えば、図4に示す「状態1」のように、接続機器管理リスト120に、シリアル番号が「0」、マップド番号が「0」、WWNNが「WWNN0」、WWPNが「WWPN0」、機器情報が「ベンダー名0,装置名0,モデル名0」である接続機器管理情報と、シリアル番号が「1」、マップド番号が「1」、WWNNが「WWNN1」、WWPNが「WWPN1」、機器情報が「ベンダー名1,装置名1,モデル名1」である接続機器管理情報とがそれぞれ登録されていたとする。
【0055】
ここで、WWPNが「WWPN1」であるFCネットワーク機器に故障が発生したため、代わりとなる、WWNNが「WWNN1」、WWPNが「WWPN2」、機器情報が「ベンダー名0,装置名0,モデル名0」であるFCネットワーク機器を、FCスイッチ100に接続したとする。すると、管理リスト登録処理部130によって、接続機器管理リスト120には、図4に示す「状態2」のように、新たに、シリアル番号が「2」、マップド番号が「2」、WWNNが「WWNN1」、WWPNが「WWPN2」、機器情報が「ベンダー名2,装置名2,モデル名2」である接続機器管理情報が登録される。
【0056】
そして、利用者によって、故障した「WWPN1」のFCネットワーク機器に対する機器無効化処理が行われたとする。すると、管理リスト変更処理部140によって、接続機器管理リスト120に登録されている「WWPN1」のFCネットワーク機器の接続機器管理情報に対して、図4の「状態3」に示すように、そのマップド番号にnull値が設定される。
【0057】
さらに、利用者によって、新たに接続された、WWPNが「WWPN2」であるFCネットワーク機器のWWPN(変更元)を、故障したFCネットワーク機器のWWPN(変更先)である「WWPN1」に変更するマッピング変更処理が行われたとする。すると、管理リスト変更処理部140によって、接続機器管理リスト120に登録されているWWPNが「WWPN2」の接続機器管理情報に対して、図4に示す「状態4」のように、そのマップド番号に、WWPNが「WWPN1」の接続機器管理情報のシリアル番号である「1」が設定される。
【0058】
このように、FCネットワーク機器の入れ替えが発生した場合に、利用者の指示に基づいて、接続機器管理リスト120に登録されている機器識別情報の対応付けを変更することによって、それまで接続されていたFCネットワーク機器の機器識別情報を、新たに接続したFCネットワーク機器の識別情報として扱うことが可能となり、機器識別情報を用いて行われている設定変更を不要とすることができる。
【0059】
図2に戻って、WWN変換処理部150は、FCスイッチ100に接続されているFCネットワーク機器との間でデータを送受信する際に、接続機器管理リスト120に記憶された接続機器管理情報に基づいて、送受信するデータに含まれるWWN(WWNNおよびWWPN)を、接続設定で用いられているWWNに変換した上でデータを送受信する処理部である。
【0060】
具体的には、このWWN変換処理部150は、FCスイッチ100がFCフレームを送受信する際に、接続機器管理リスト120に記憶された接続機器管理情報のうち、送受信するFCフレームに設定されているWWN(WWNNおよびWWPN)に一致する接続機器管理情報を取得する。
【0061】
ここで、取得した接続機器管理情報のシリアル番号とマップド番号とが同じである場合には、WWN変換処理部150は、FCフレームのWWNの変換は行わず、シリアル番号とマップド番号とが同じでなかった場合には、当該接続機器管理情報のマップド番号がnull値であるか否かを確認する。
【0062】
ここで、マップド番号がnull値でなかった場合には、WWN変換処理部150は、当該マップド番号に設定されている番号とシリアル番号とが一致する接続機器管理情報を接続機器管理リスト120から取得し、取得した接続機器管理情報のWWNをFCフレームに設定して、送受信を行う。
【0063】
一方、マップド番号がnull値であった場合には、WWN変換処理部150は、当該接続機器管理情報のシリアル番号に設定されている番号とマップド番号とが一致する接続機器管理情報を接続機器管理リスト120から取得し、取得した接続機器管理情報のWWNをFCフレームに設定して、送受信を行う。
【0064】
このように、WWN変換処理部150が、接続されているFCネットワーク機器との間でデータを送受信する際に、接続機器管理リスト120により記憶されている接続機器管理情報に基づいて、送受信するFCフレームに設定されているWWNを、接続設定で用いられているWWNに変換した上で該データを送受信するので、故障等でFCネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる機器識別情報の設定変更を不要することが可能となり、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができる。
【0065】
なお、かかるWWN変換処理部150によるWWN変換処理の処理手順については、図8および図9を用いて後に説明する。
【0066】
次に、管理リスト登録処理部130の処理手順について説明する。図5は、管理リスト登録処理部130の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、管理リスト登録処理部130は、SUNの構築時またはFCネットワーク機器の追加時など、FCスイッチ100にFCネットワーク機器が接続されると(ステップS101)、接続されたFCネットワーク機器の機器識別情報を取得する(ステップS102)。
【0067】
そして、管理リスト登録処理部130は、取得した機器識別情報に一致する機器が接続機器管理リスト120にすでに登録されているか否かを確認し、登録されていなかった場合は(ステップS103,No)、当該機器識別情報を接続機器管理リスト120に登録する(ステップS104)。
【0068】
一方、取得した機器識別情報に一致する機器が接続機器管理リスト120にすでに登録されていた場合は(ステップS103,Yes)、管理リスト登録処理部130は、接続機器管理リスト120への登録を行わず、処理を終了する。
【0069】
次に、管理リスト変更処理部140による機器無効化処理の処理手順について説明する。図6は、管理リスト変更処理部140による機器無効化処理の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、管理リスト変更処理部140は、利用者から、無効化するFCネットワーク機器のシリアル番号が指定されると(ステップS201)、指定されたシリアル番号に対応するFCネットワーク機器の機器識別情報を、FCスイッチ100が保持しているネームサービス情報から取得する(ステップS202)。
【0070】
ここで、ネームサービス情報に当該FCネットワーク機器の機器識別情報が存在していなかった場合は(ステップS203,Yes)、管理リスト変更処理部140は、接続機器管理リスト120に記憶されている接続機器管理情報のうち、シリアル番号が利用者から指定されたシリアル番号と一致するものに対して、マップド番号にnull値を設定する。これにより、利用者から指定されたシリアル番号に対応するFCネットワーク機器が無効化される(ステップS204)。
【0071】
一方、ネームサービス情報に当該FCネットワーク機器の情報が存在していた場合は(ステップS203,No)、管理リスト変更処理部140は、FCネットワーク機器の無効化が不可であることを利用者に通知する(ステップS205)。
【0072】
次に、管理リスト変更処理部140によるマッピング変更処理の処理手順について説明する。図7は、管理リスト変更処理部140によるマッピング変更処理の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、管理リスト変更処理部140は、利用者から、マッピングを行う変更元のFCネットワーク機器のシリアル番号が指定されると(ステップS301)、当該FCネットワーク機器に適した変更先のFCネットワーク機器の機器識別情報を接続機器管理リスト120から抽出し、利用者に通知する(ステップS302)。
【0073】
そして、利用者が、通知した機器識別情報の中から変更先のFCネットワーク機器を指定すると(ステップS303)、管理リスト変更処理部140は、そのFCネットワーク機器がマッピング可能であるか否かを判定し、マッピング変更が可能である場合は(ステップS304,Yes)、変更元のFCネットワーク機器のマップド番号を、変更先のFCネットワーク機器のシリアル番号に変更する(ステップS305)。
【0074】
一方、マッピング変更が可能でなかった場合は(ステップS304,No)、管理リスト変更処理部140は、マッピング変更が不可であることを利用者に通知する(ステップS306)。
【0075】
次に、WWN変換処理部150の処理手順について説明する。図8は、WWN変換処理部150の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、FCスイッチ100がFCフレームを送受信する際に(ステップS401,Yes)、WWN変換処理部150は、送受信するFCフレームにWWN(WWNNおよびWWPN)が設定されているか否かを確認し、設定されていた場合は(ステップS402,Yes)、当該FCフレームに対してWWN変換処理を行う(ステップS403)。
【0076】
次に、図7で示したWWN変換処理の処理手順について説明する。図9は、図8で示したWWN変換処理の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、このWWN変換処理では、WWN変換処理部150は、まず、FCフレームに設定されているWWNと一致する接続機器管理情報が接続機器管理リスト120に登録されているか否かを確認する。
【0077】
ここで、当該WWNと一致する接続機器管理情報が登録されていた場合は(ステップS501,Yes)、WWN変換処理部150は、当該接続機器管理情報のシリアル番号とマップド番号とが同じであるか否かを確認し、同じであった場合は(ステップS502,No)、WWN変換処理を終了する。
【0078】
一方、シリアル番号とマップド番号とが同じでなかった場合は(ステップS502,Yes)、WWN変換処理部150は、当該接続機器管理情報のマップド番号がnull値であるか否かを確認し、null値でなかった場合には(ステップS503,Yes)、当該接続機器管理情報のマップド番号と一致するシリアル番号のデータが接続機器管理リスト120に登録されているか否かを確認する。
【0079】
そして、マップド番号と一致するシリアル番号のデータが登録されていた場合は(ステップS504,Yes)、WWN変換処理部150は、当該データのWWNをFCフレームに設定して、送受信を行う(ステップS505)。
【0080】
また、ステップS503に戻って、マップド番号がnull値であった場合は(ステップS503,No)、WWN変換処理部150は、当該接続機器管理情報のシリアル番号と一致するマップド番号のデータが接続機器管理リストに登録されているか否かを確認する。
【0081】
そして、シリアル番号と一致するマップド番号のデータが登録されていた場合は(ステップS506,Yes)、WWN変換処理部150は、当該データのWWNをFCフレームに設定して、送受信を行う(ステップS505)。
【0082】
なお、ステップS501で、FCフレームに設定されているWWNと一致する接続機器管理情報が接続機器管理リスト120に登録されていなかった場合や、ステップS504で、当該接続機器管理情報のマップド番号と一致するシリアル番号のデータが接続機器管理リスト120に登録されていなかった場合や、ステップS506で、当該接続機器管理情報のシリアル番号と一致するマップド番号のデータが接続機器管理リストに登録されていなかった場合には、WWN変換処理部150は、FCネットワーク機器のマッピングに矛盾が発生していると判断し、WWNを変換できないことを利用者に通知する等、所定の例外処理を行う(ステップS507)。
【0083】
上述してきたように、本実施例では、接続機器管理リスト120が、接続設定で用いているWWNと現時点で接続されているFCネットワーク機器のWWNとを対応付けた接続機器管理情報を記憶し、WWN変換処理部150が、現時点で接続されているFCネットワーク機器からデータを受信した場合には、接続設定で用いているWWNと現時点で接続されているFCネットワーク機器のWWNとを対応付けた接続機器管理リストに基づいて、受信したデータに設定されているWWNを、接続設定で用いているWWNに変換する一方、現時点で接続されているFCネットワーク機器にデータを送信する場合には、接続機器管理情報に基づいて、送信するデータに設定されているWWNを、現時点で接続されているFCネットワーク機器のWWNに変換した上でデータを送信することとしたので、故障等でFCネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる機器識別情報の設定変更を不要とすることが可能となり、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができる。
【0084】
また、本実施例では、FCネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報にWWN(World Wide Name)を用いることとしたので、SANにおいて、故障等でストレージやサーバの入れ替えを行う場合でも、FCスイッチに設定されるゾーニング設定や、サーバに設定されるターゲット・バインディング設定など、WWNNやWWPNを用いて行われる各種設定の設定変更を不要とすることが可能となり、設定変更の作業にかかる労力を軽減することができる。
【0085】
なお、本実施例では、ストレージ20のCAの接続変更を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばサーバ10のHBAのように、FCスイッチ100に接続される他の機器の接続変更を行う場合にも同様に適用することができる。
【0086】
また、本実施例では、FCスイッチに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ストレージにも同様に適用することができる。この場合は、ストレージ内に備えられたCAとアレイ・コントローラなどのモジュール間で、それぞれに設定されたWWNの変換を行う。
【0087】
(付記1)ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報を用いてネットワーク機器間の接続設定を行うネットワーク機器接続装置であって、
前記接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報とを対応付けた接続機器管理情報を記憶する接続機器管理情報記憶手段と、
現時点で接続されているネットワーク機器からデータを受信した場合に、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報に基づいて、該受信したデータに設定されている機器識別情報を接続設定で用いている機器識別情報に変換するデータ受信手段と、
現時点で接続されているネットワーク機器にデータを送信する場合に、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報に基づいて、該送信するデータに設定されている機器識別情報を現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報に変換した上で該データを送信するデータ送信手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク機器接続装置。
【0088】
(付記2)ネットワーク機器が接続された場合に、該接続されたネットワーク機器の機器識別情報を取得して前記接続機器管理情報記憶手段に登録する接続機器管理情報登録手段をさらに備えたことを特徴とする付記1に記載のネットワーク機器接続装置。
【0089】
(付記3)利用者からの指示に基づいて、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報の機器識別情報の対応付けを変更する接続機器管理情報変更手段をさらに備えたことを特徴とする付記1または2に記載のネットワーク機器接続装置。
【0090】
(付記4)前記接続機器管理情報変更手段は、利用者からの指示に基づいて、ネットワークから取り外されたネットワーク機器の機器識別情報を無効化することを特徴とする付記3に記載のネットワーク機器接続装置。
【0091】
(付記5)前記接続機器管理情報変更手段は、前記利用者からの指示に基づいて、ネットワークに新たに接続されたネットワーク機器に対して無効化されている機器識別情報を対応付けることを特徴とする付記4に記載のネットワーク機器接続装置。
【0092】
(付記6)前記接続機器管理情報変更手段は、前記利用者からの指示に基づいて、ネットワークに新たに接続されたネットワーク機器に対して対応付ける機器識別情報の候補を前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報から抽出して利用者に通知することを特徴とする付記5に記載のネットワーク機器接続装置。
【0093】
(付記7)ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報にWWN(World Wide Name)を用いることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載のネットワーク機器接続装置。
【0094】
(付記8)ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報を用いてネットワーク機器間の接続設定を行うネットワーク機器接続方法であって、
現時点で接続されているネットワーク機器からデータを受信した場合に、前記接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報とを対応付けた接続機器管理情報に基づいて、該受信したデータに設定されている機器識別情報を接続設定で用いている機器識別情報に変換するデータ受信工程と、
現時点で接続されているネットワーク機器にデータを送信する場合に、前記接続機器管理情報に基づいて、該送信するデータに設定されている機器識別情報を現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報に変換した上で該データを送信するデータ送信工程と、
を含んだことを特徴とするネットワーク機器接続方法。
【産業上の利用可能性】
【0095】
以上のように、本発明に係るネットワーク機器接続装置およびネットワーク機器接続方法は、ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報を用いてネットワーク機器間の接続設定を行う場合に有用であり、特に、故障等でネットワーク機器の入れ替えを行う場合に必要となる設定変更の作業にかかる労力を軽減したい場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本実施例に係るFCスイッチの概念を説明するための図である。
【図2】本実施例に係るFCスイッチの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】接続機器管理リストの一例を示す図である。
【図4】機器情報の登録、機器無効化処理およびマッピング変更処理による接続機器管理リストの更新を説明するための図である。
【図5】管理リスト登録処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】管理リスト変更処理部による機器無効化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】管理リスト変更処理部によるマッピング変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】WWN変換処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図8に示したWWN変換処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
10 サーバ
20 ストレージ
100 FCスイッチ
1101〜110n FCポート
120 接続機器管理リスト
130 管理リスト登録処理部
140 管理リスト変更処理部
150 WWN変換処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報を用いてネットワーク機器間の接続設定を行うネットワーク機器接続装置であって、
前記接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報とを対応付けた接続機器管理情報を記憶する接続機器管理情報記憶手段と、
現時点で接続されているネットワーク機器からデータを受信した場合に、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報に基づいて、該受信したデータに設定されている機器識別情報を接続設定で用いている機器識別情報に変換するデータ受信手段と、
現時点で接続されているネットワーク機器にデータを送信する場合に、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報に基づいて、該送信するデータに設定されている機器識別情報を現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報に変換した上で該データを送信するデータ送信手段と、
を備えたことを特徴とするネットワーク機器接続装置。
【請求項2】
ネットワーク機器が接続された場合に、該接続されたネットワーク機器の機器識別情報を取得して前記接続機器管理情報記憶手段に登録する接続機器管理情報登録手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク機器接続装置。
【請求項3】
利用者からの指示に基づいて、前記接続機器管理情報記憶手段により記憶された接続機器管理情報の機器識別情報の対応付けを変更する接続機器管理情報変更手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク機器接続装置。
【請求項4】
ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報にWWN(World Wide Name)を用いることを特徴とする請求項1、2または3のいずれか一つに記載のネットワーク機器接続装置。
【請求項5】
ネットワーク機器を一意に識別する機器識別情報を用いてネットワーク機器間の接続設定を行うネットワーク機器接続方法であって、
現時点で接続されているネットワーク機器からデータを受信した場合に、前記接続設定で用いている機器識別情報と現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報とを対応付けた接続機器管理情報に基づいて、該受信したデータに設定されている機器識別情報を接続設定で用いている機器識別情報に変換するデータ受信工程と、
現時点で接続されているネットワーク機器にデータを送信する場合に、前記接続機器管理情報に基づいて、該送信するデータに設定されている機器識別情報を現時点で接続されているネットワーク機器の機器識別情報に変換した上で該データを送信するデータ送信工程と、
を含んだことを特徴とするネットワーク機器接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−286759(P2007−286759A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111261(P2006−111261)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】