説明

ノズル

【課題】食材等の洗浄・殺菌に用いられる殺菌水と、食材に残留した殺菌水を洗い流すための水道水とのように、供給された2液体を切換弁により切換えて、1液体のみを吐出することが可能なノズルを提供する。
【解決手段】異なる液体を供給するホースの連結が可能なように第1連結部71及び第2連結部72を設けた。そして、第1流路51及び第2流路52と、第3流路53との連通を切換弁60により切り替えられるようにした。また、第1、2流路51、52のそれぞれに逆止弁55を設けたので、それぞれを流通する液体が互いに逆流することを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解生成水等を用いて青果・野菜・鮮魚・精肉等の食材の洗浄及び殺菌を行うためのノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜、青果、鮮魚、精肉等の食材を、食塩水の有隔膜式電気分解により生成される次亜塩素酸水、或いは食塩水の無隔膜式電気分解により生成される次亜塩素酸ナトリウムの希釈水等の電解生成水を殺菌水として使用して、洗浄・殺菌を行うことが行われている。これらの殺菌水には、食材の洗浄・殺菌に用いる装置、器具における金属製部材の腐食の問題がある。また、野菜等の食材にあっては、食材に残留する殺菌水を水道水等で十分にすすぎ洗いする必要がある。
【0003】
特許文献1の食物洗浄装置においては、食物と食物を洗浄する洗浄液とを収容する洗浄槽が備えられている。この洗浄槽に遊離塩素を含む次亜塩素酸水を洗浄液として供給すると共に、その洗浄液に旋回流を発生させて、食物表面に物理的或いは化学的に付着している汚染物質を除去することが行われている。
【0004】
特許文献2の食物洗浄装置においては、次亜塩素酸水等の殺菌水が貯留した液面の近傍に位置するように、食材をネットコンベアーで搬送している。そして、食材の下側から、殺菌水の水流で、食材の周りの液体に攪拌作用を与えることにより、食材の外側へ向かって汚れを排出することが行われている。また、食材の上側の様々な角度から強い噴射液流を、食材とその周りの殺菌水の水面に当てることにより、食材に強固に付着した異物等を取り除くことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−28364号公報
【特許文献2】特開2003−235945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1、2の装置は、食材工場やスーパーマーケットのバックヤード等で設置されるものであって、大量の青果・野菜・鮮魚・精肉等の食材を洗浄・殺菌するために用いられている。しかし、食材等の洗浄・殺菌を小規模に行う現場においては、殺菌水が噴出すようにホースの先端を手で絞ったり、或いは殺菌水を吐出することが可能なノズルを用いたりして、殺菌水をかけながら食材を洗浄し殺菌することが行われている。その後、同様の方法で、残留した殺菌水の成分を除去するために、食材を水道水で洗浄することが行われている。
【0007】
このような現場において作業者は、それぞれにノズルが装着された2本のホースを、その都度持ち替えて、食材に殺菌水をかけたり水道水をかけたりしている。また、水道水による洗浄作業の途中でも、一旦ホースを持ち替えて洗浄・殺菌を行わなければならない場合があるため、作業が煩雑になると共に、2本のホースが交互に置かれた状態になって、作業環境の整理整頓状態が損なわれることがある。
【0008】
また、食材を洗浄・殺菌するための作業槽等の器具や装置を殺菌したり、それらが金属製である場合、それらの腐食を防ぐために水道水で装置等を洗浄したりすることが行われる。
【0009】
一方、このような作業のための専用ノズルは市販されていないので、庭園や家庭菜園等に散水するための汎用ノズルが用いられている。しかし、その汎用ノズルの金属部品は、殺菌水により酸化されて錆を発生し易いので、短期間で新品に交換しなければならないという無駄があった。この金属部品の腐食は、金属部品が殺菌水に直接晒される場合に限らず、殺菌水が霧状になって漂う作業環境にあるだけで起こり得る。
【0010】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、食材等の洗浄・殺菌に用いられる殺菌水と、食材に残留した殺菌水を洗い流すための水道水とのように、供給された2液体を切換弁により切換えて、1液体のみを吐出することが可能なノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を解決するために請求項1に記載のノズルの発明は、供給される2液体のうちの1液体をヘッド部から吐出するためのノズルであって、2液体のそれぞれが供給される第1流路及び第2流路と、前記ヘッド部へ前記2液体のうちの1液体を供給するための第3流路との間に切換弁が備えられたことを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、切換弁を操作することにより、供給される2液体のうちいずれかの液体を選択して吐出することができる。このため、従来技術のノズルを用いる場合と異なり、異なる種類の液体を吐出する都度、ホースが連結されたノズルを持ち替える必要がないので、作業が煩雑になることを防止することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のノズルにおいて、前記切換弁は、揺動可能に配置された切換流路により、前記第1流路及び第2流路のいずれかと第3流路との連通を切換えるようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のノズルにおいて、前記第1流路及び第2流路には、逆止弁が備えられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のノズルにおいて、前記ヘッド部へ連通する連通孔を開閉するために備えられた開閉弁は、チタン合金製のばねの付勢力により閉側に付勢されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、切換弁で選択的に切り換えることにより、供給された2液体のうちの1液体を吐出することが可能なノズルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態のノズルを示す正面図。
【図2】第1実施形態のノズルを示す左側面図。
【図3】図2のA−A矢視の一部断面図。
【図4】図3のB−B矢視の一部断面図。
【図5】第2実施形態の切換弁を示す断面図。
【図6】第3実施形態のノズルを示す一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜4を用いて説明する。
図1、2に示すように、本実施形態のノズル1は、基体部として、略角柱状の基体5と、その上部の取付座部5aに固定された上部基体3とを備えている。基体5の中央部よりやや上部に設けられている操作部6は、後述する切換弁60(図3参照)を操作するためのものであって、レバー6aを図示の位置とレバー位置6bとの間で揺動操作するようになっている。
【0018】
基体5の下部には図示しないボルトにより基体下部5bが固定されている。この基体下部5bの二ヶ所には、オーリングがそれぞれに装着された第1連結部71及び第2連結部72が設けられて、それぞれに図示しないホースの連結部が連結されるようになっている。本実施形態においては、第1連結部71には、殺菌水としての強酸性電解水の次亜塩素酸水を供給するホースが連結され、第2連結部72には、水道水を供給するホースが連結されるようになっている。
【0019】
上部基体3には、次亜塩素酸水又は水道水を吐出するためのヘッド部2が連結されている。このヘッド部2は、公知の吐水用のノズルヘッドが用いられて、シャワー状、ストレート状又は霧状に吐水状態を切換えられるようになっている。
【0020】
また、基体5の中部側面には支持板15が設けられると共に、その支持板15にステンレス製のピン16を介してレバー10が揺動自在に支持されている。このレバー10は背板10bと、その背板10bの両側端からそれぞれ直角方向に延在する側板10aとより形成されている。そして、レバー10の上端部の凹部13には溝部11が形成されている。この溝部11には、後述する開閉体4の軸体40(図3参照)が挿通されている。更に、溝部11を介在するように配置された受部12には、開閉体4の引張凸部4aが当接可能に配置されている。
【0021】
支持板15の上方において基体5に設けられた支持板17には、棒状体を略四辺形に形成したストッパー18が遥動自在に支持されている。このストッパー18は、レバー10が遥動操作された時、レバー10に形成されている突起部14に掛合されて、レバー10が戻る方向に遥動しないようにするためのものである。
【0022】
次に、図3、4を用いてノズル1の内部構造を説明する。
図3に示すように、第1、2連結部71、72が螺合された基体下部5bには、第1、2連結部71、72と共用される第1供給流路71a及び第2供給流路72aが形成されている。第1、2供給流路71a、72aのそれぞれと第1、2流路51、52のそれぞれとは逆止弁55を介して連結している。この逆止弁55は、弁体55a、チタン合金製のばね55b及び支持体55cを備えて、第1、2供給流路71a、72a側から第1、2流路51、52側への流れを許容し、その逆の流れを阻止するようになっている。
【0023】
第1流路51と第2流路52とは、それぞれが直角内方へ方向転換した略L字状に形成されると共に、第1流路51と第2流路52とが配置された面に直交する方向に形成された弁孔部56に連通している。蓋体54は、第1、2流路51、52のそれぞれの一部を形成するための孔の開口部を塞いでいる。そして、その弁孔部56には、円柱状の切換弁60が遥動自在に内挿されて、その外周面の円周方向の略半分に形成された角溝状の切換流路61が、図3に示すように第1流路51と第3流路53とを連通させたり、第2流路52と第3流路53とを連通させたりするようになっている。
【0024】
図4に示すように、弁孔部56は基体5を貫通して形成されている。弁孔部56に挿通された切換弁60は、その端部に止板体62が螺合されることにより、弁孔部56からの脱落が防止されている。
【0025】
第3流路53に供給された液体は、連通孔32を介して上部基体3の孔部31へ供給される。その孔部31は、連通孔34を介してヘッド部2へ連通するために形成された液体の流路であると共に、連通孔34を開閉するための開閉体4が作動するための作動孔でもある。孔部31の連通孔34側の端部は、テーパー状面の弁受部33となっている。また、弁受部33とは反対側の孔部31の端部は、ボルトで固定された蓋体3aにより塞がれている。蓋体3aには開閉体4の軸体40が案内される孔が形成されると共に、同じく軸体40がシール状態に挿通される孔を有するシール部46の一部が内嵌されている。
【0026】
本実施形態の開閉体4は、一端に前述の引張凸部4aが形成されると共に、他端にはテーパー状のシール面を有するフッ素ゴム製の弁体43を固着した支持部42が形成されている。また、支持部42寄りの軸体40には、半径方向に複数配置された図示しない支持板を介して案内リング41が形成されている。複数の支持板の間は液体の流通を許容する流通孔45となっている。
【0027】
孔部31の内部には、案内リング41とシール部46との間にチタン合金製の圧縮スプリングとしてのコイルばね44が配置されている。コイルばね44は、弁受部33に対して弁体43を常に押圧する付勢力を有している。
【0028】
なお、上記各部材の材質については、特に言及していないものは、耐薬品性に優れた合成樹脂の中から適宜選択して用いることができる。本実施形態においては、PVC樹脂(ポリ塩化ビニール)及びPPS樹脂(ポルフェニレンサルファイド)を選択して用いている。オーリングは、耐薬品性に優れたフッ素ゴム製のものを用いている。
【0029】
また、本実施形態では、第1流路51に殺菌水として次亜塩素酸水を供給するようにしたが、他の殺菌水として次亜塩素酸ナトリウムの希釈水を供給するようにしてもよい。そして、第2流路52に水道水を供給するようにしたが、殺菌水の残留物を洗い流すことに適した水道水以外の真水を供給するようにしてもよい。勿論、水道水を第1流路51に供給すると共に、殺菌水を第2流路52に供給するようにしてもよい。
【0030】
次に本実施形態のノズル1の操作及び作用について説明する。
図3に示す態様は、第1流路51と第3流路53とが切換弁60の切換流路61を介して連通しているので、第1連結部71から供給された殺菌水は孔部31内に供給されている。この時、開閉体4の弁体43はコイルばね44の付勢力を受けて弁受部33に押し付けられているので、孔部31の殺菌水は連通孔34を介してヘッド部2から吐出されることはない。
【0031】
そこで、レバー10のピン16よりも下方の部分をコイルばね44の付勢力に抗して基体5側へ押すことにより、凹部13の受部12を介して開閉体4の引張凸部4aを引張れば、弁体43を弁受部33から離反させることができる。この後、ストッパー18を揺動させて突起部14へ掛合させれば、レバー10を押すことを止めても、弁体43の弁受部33に対する離反状態を維持することができる。すると、殺菌水は流通孔45を通過して連通孔34へ流入することができる。更に、吐出状態を選択されてヘッド部2から吐出された殺菌水は、食材等にかけられて洗浄・殺菌に供される。
【0032】
次に、食材等又はそれらを収容する容器や装置等に付着している残留塩素を洗い流すためには、操作部6のレバー6aを遥動させることにより切換弁60を揺動させて、第2流路52と第3流路53とを連通させて、ヘッド部2から水道水を吐出するようにする。この時、コイルばね44と弁受部33との離反状態を維持したままで、レバー6aを操作してもよいが、一端ストッパー18を外して弁体43を弁受部33に押圧させて連通孔34への殺菌水の流入を遮断した後、操作を行うようにしてもよい。
【0033】
いずれの場合においても、切換弁60の揺動中において、一時的に切換流路61が第1流路51と第2流路52とを連通させることになるが、遊離塩素等が第2流路52中に逆流する形で流入した場合であっても、その流入は逆止弁55により阻止される。従って、微量であっても遊離塩素等が水道水に混入することは好ましくはないが、そのような混入は防止される。
【0034】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ノズル1の基体下部5bに第1連結部71と第2連結部72とを設けて、次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウムの希釈水等の洗浄・殺菌水を供給するホースと、水道水を供給するホースとを常時連結できるようにした。そして、切換弁60により切換えて、ヘッド部2から洗浄・殺菌水又は水道水を選択して吐出できるようにした。このため、野菜等の食材を洗浄・殺菌する場合、一つのノズル1を操作することにより、食材を洗浄・殺菌したり、食材及び装置に残留した遊離塩素等の残留物を洗い流したりすることを容易に行うことができる。
【0035】
(2)上記実施形態では、基体5の弁孔部56に円柱状の切換弁60を遥動自在に内挿して、その外周面に形成された切換流路61により、第1流路51と第3流路53とが連通されたり、第2流路52と第3流路53とが連通されたりするようになっている。この切換弁60の揺動は、操作部6のレバー6aの操作により行われる。このため、レバー6aの操作を簡単に行うことができるが、ノズル1を持って作業をするうちに誤って切換弁60を揺動させることを防止することが可能なノズル1を提供することができる。
【0036】
(3)上記実施形態では、第1流路51及び第2流路52のそれぞれに逆止弁55を設けた。このため、切換弁60による流路の切り替え中に、遊離塩素等が第1流路51から第2流路52中に逆流する形で流入した場合であっても、更なる供給側への流入を逆止弁55により阻止することができる。従って、殺菌水の遊離塩素等が水道水に混入することを防止することができるので、水道水の安全性を維持することができる。
【0037】
(4)上記実施形態では、弁受部33に対して弁体43を常に押圧状態とするために、孔部31中において、案内リング41とシール部46との間にチタン合金製のコイルばね44を配置した。このため、コイルばね44に異物が挟まれることを防止することができると共に、強酸性の次亜塩素酸水によりコイルばね44が腐食されること防止することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図5を用いて説明する。
【0039】
図5に示すように、本実施形態の切換弁80は、軸体82の中央部に弁体81が形成されると共に、軸体82の両端には止板体83が設けられている。これらの止板体83は、いずれも図示しないねじの螺合により軸体82の端部に固定されている。この止板体83の固定は、孔部85の両側の開口部を塞ぐための蓋体84の孔84aに軸体82を挿通させた後に行われる。蓋体84の基体5に対する固定は図示しないねじ部の螺合により行われている。
【0040】
また、孔部85の中央の第3流路53が対向する内面において、一部が露出するように球体86が設けられている。この球体86と支持体88との間にはばね87が配置されて、ばね87の付勢力により球体86の一部が常に孔部85内に露出するようになっている。
【0041】
そして、図5に示すように、第1流路51と第3流路53との連通状態から、第2流路52と第3流路53との連通状態への切換は、右側へ突出している止板体83を、その内面が蓋体84の外面に当接するまで押込むことにより行われる。この押込みの際、弁体81がばね87の付勢力に抗して球体86を押し下げるために生じる抵抗感がある。そして、弁体81が球体86を通り過ぎる時には、上昇する球体86が弁体81を左方に押すので、止板体83を押す抵抗感は急に軽くなる。このため、止板体83の押込み動作にはクリック感が伴う。また、球体86は、弁体81が球体86の左右のいずれかにある時、その反対側への弁体81の移動を阻止するようになっている。
【0042】
そして、この第2実施形態においては、第1実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(5)上記実施形態では、流路の切換が、孔部85中における弁体81の左右の移動により行われるようにした。弁体81の移動は、突出している止板体83を押込むことにより行うことができる。このため、片方の手でノズル1を持ちながら切換操作ができるので、他方の手で食材等を扱うことができる。
【0043】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を、第1、2実施形態と異なる部分を中心に図6を用いて説明する。
【0044】
図6に示すように、本実施形態においては、ねじりコイル状のばね90が支持板15のピン16に支持されている。このばね90は、一方の端部がレバー10の背板10bの裏面に掛止され、他方の端部が基体5の側面に形成された係合部91に係合されて、レバー10に対して時計回りの付勢力を作用させている。このため、第1実施形態のように、上部基体3の孔部31中にはコイルばね44が配置されないので、孔部31の長さが短くなっている。そして、ばね90の付勢力を受けるために、開閉体4の軸体40には押圧凸部4bが形成されている。
【0045】
そして、この第3実施形態においては、第1、2実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)上記実施形態では、レバー10と基体5との間にばね90を設けて、レバー10を介して開閉体4に付勢力を作用させるようにした。このため、簡単な構造のノズル1を提供することができる。
【0046】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ コイルばね44、ばね55b及びねじりコイルばね90としてチタン合金製のものを用いたが、ステンレス製のものを用いること。
・ 第1、2流路51、52を上部基体3の孔部31の中心方向に沿って配置したが、孔部31の中心方向に直交する方向或いはその他の方向に配置すること。
・ コイルばね44又はねじりコイル状のばね90を用いたが、蓋体3aとレバー10の上部との間に引張りコイルばねを配置すること。
・ 第1、2流路51、52のそれぞれに逆止弁55を設けたが、ノズル1には逆止弁55を設けずに、水道水の供給源に逆止弁を設けること。
・ 殺菌水として食塩水の無隔膜式電気分解により生成される次亜塩素酸ナトリウムの希釈水を用いるようにしたが、他の方法で得られる次亜塩素酸ナトリウムの希釈水を用いること。
・ ノズル1に対して殺菌水と水道水とを供給するようにしたが、脂質やたんぱく質系の汚れの洗浄に好適に用いられる水酸化ナトリウム水溶液と水道水とを供給するようにすること。
【0047】
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(イ) 前記切換弁は、切換流路が形成された移動体の移動により、前記第1流路及び第2流路のいずれかと第3流路との連通を切換えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のノズル。このように構成した場合、ノズルを持つ手で切換弁の操作を行うことができるので、他方の手で食材等を扱うことができる。
【符号の説明】
【0048】
1…ノズル、2…ヘッド部、32,34…連通孔、51…第1流路、52…第2流路、53…第3流路、55…逆止弁、55b,87,90…ばね、60,80…切換弁、61…切換流路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される2液体のうちの1液体をヘッド部から吐出するためのノズルであって、2液体のそれぞれが供給される第1流路及び第2流路と、前記ヘッド部へ前記2液体のうちの1液体を供給するための第3流路との間に切換弁が備えられたことを特徴とするノズル。
【請求項2】
前記切換弁は、揺動可能に配置された切換流路により、前記第1流路及び第2流路のいずれかと第3流路との連通を切換えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記第1流路及び第2流路には、逆止弁が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル。
【請求項4】
前記ヘッド部へ連通する連通孔を開閉するために備えられた開閉弁は、チタン合金製のばねの付勢力により閉側に付勢されていることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−147919(P2011−147919A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13432(P2010−13432)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(597014420)マツイ機器工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】