説明

ノーマルモードヘリカルアンテナ、及びノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法

【課題】放射効率を向上させるとともに小型化しても放射効率の低下が少ないノーマルモードヘリカルアンテナを実現する。
【解決手段】導線を螺旋状に巻回することにより形成された第1のコイルと、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第2のコイルと、を備え、前記第1のコイルの中央部には給電点が設けられ、前記第1のコイル及び前記第2のコイルが、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が互いに平行になるように互いに面対称となる位置に配置され、前記第1のコイルの各端部が、前記各端部と面対称な位置にある前記第2のコイルの各端部とそれぞれ短絡されてなることを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユビキタス通信の小形無線タグや生体埋め込み用の小形無線センサーなどに用いられ、給電部に高周波電圧を印加することにより導体部より電波を空間に放射する機能を有し、アンテナの物理寸法が波長の数十分の1以下となるノーマルモードヘリカルアンテナ及びノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユビキタス通信においては、販売現場で扱われている商品などに、電波により識別される荷札(RFID;Radio Frequency IDentification)を貼り付け、商品の流通に役立てようとする試みが成されている。ここで重要になるのは、RFIDを如何に小形化してかつ電波に対する応答感度を高くできるかである。このため様々な小形アンテナが開発されている。
【0003】
この用途に適したアンテナとして、ノーマルモードヘリカルアンテナが利用されている(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。図1に示すように、ノーマルモードヘリカルアンテナ200の基本構造は、細い導線をコイル状に巻いた構造を有し、中央部で給電されたものである。
【0004】
また、折り返し構造を利用して放射効率を向上させた線状アンテナも開発されている。折り返し構造の基本構造として折り返しダイポールアンテナ210を図4に示す。半波長の長さを有する導線の中央で給電したアンテナ(半波長ダイポールアンテナ)120に近接して、同じ長さの無給電の導線を配置し、両端部を短絡した構成である。本構成によると、アンテナ入力インピーダンスを半波長ダイポールアンテナ120の4倍にできる特長がある。
【0005】
折り返し構造を適用したノーマルモードヘリカルアンテナ220として、図5の構成が開発されている(例えば非特許文献2参照)。図5では、導体板の上部のみにコイル100を構成した構造となっているが、導体板の下部に電気映像が生じ、上下に対称なコイル100が存在する構成と同等の電気性能を発揮する。すなわち、図4の2本の導線を1本と見なして、コイル状に巻いたものであると考えられる。非特許文献2では、入力インピーダンスが3〜4倍に増大したと述べられている。また、図5と同様の構造を用いた他の実施例として、非特許文献3の検討がある。この場合は帯域幅が広がったと報告されている。しかしこの構造では、2本の導線間の相互結合が強く作用し過ぎることにより、電波放射を得る為には適切とはいえないと考えられる。
【0006】
また、超小型アンテナの一つとしてメアンダラインアンテナに関する開発もなされている(例えば非特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2001−94333号公報
【非特許文献1】Klaus Finkenzeller著、ソフト工学研究所訳、「RFIDハンドブック」第2版、日刊工業新聞社、pp.12−13、2002
【非特許文献2】野口啓介、水澤丕雄、山口尚、奥村善久「折返しモノポールアンテナと2線式ヘリカルアンテナの放射特性比較」、1996年電子情報通信学会、通信ソサイエティ大会、B−91、1996
【非特許文献3】小椋好恵、浅川公男、前田忠彦「折り返しノーマルモードヘリカルアンテナの検討」、電子情報通信学会、信学技報、AP2004−137、pp.25−30、2004
【非特許文献4】滝口将人、山田吉英「0.1波長以下の超小形メアンダラインアンテナの電気特性」、信学論(B)、Vol.J87−B,No.9,pp.1336−1345、Sept.2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、様々な小型アンテナの開発がなされているが、その中でもノーマルモードヘリカルアンテナは、超小形アンテナで問題となる、小形化により発生する大きな容量性リアクタンスをコイルの誘導性リアクタンスにより打ち消し、純抵抗に近い入力インピーダンスを実現できるという特徴を有する。このためノーマルモードヘリカルアンテナは、RFIDや携帯電話機をはじめ、生体埋め込み用の小形無線センサーなどの各種小型機器への利用が期待されている。
【0008】
一方で、超小型アンテナでは、導体抵抗が放射抵抗より大きくなるため、放射効率が低下する。放射抵抗の低下は、例えば通信距離の縮小や通信品質の低下等の通信性能の低下をもたらし、ノーマルモードヘリカルアンテナの小型化を阻害する要因ともなる。
【0009】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、放射効率を向上させるとともに小型化しても放射効率の低下が少ないノーマルモードヘリカルアンテナ及びノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第1のコイルと、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第2のコイルと、を備え、前記第1のコイルの中央部には給電点が設けられ、前記第1のコイル及び前記第2のコイルが、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が互いに平行になるように互いに面対称となる位置に配置され、前記第1のコイルの各端部が、前記各端部と面対称な位置にある前記第2のコイルの各端部とそれぞれ短絡されてなることを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナに関する。
このような態様によれば、放射効率を向上させるとともに小型化しても放射効率の低下が少ないノーマルモードヘリカルアンテナを実現することができる。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のノーマルモードヘリカルアンテナであって、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各コイル長が略等しく、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各コイル長をLとし、当該アンテナでの動作波長をλとした場合に、L/λの値が0.05以下であることを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナに関する。
このように、L/λが0.05以下という超小型のノーマルモードヘリカルアンテナにおいても、本ノーマルモードヘリカルアンテナによれば、高い放射効率を維持することが可能となる。
【0012】
また請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のノーマルモードヘリカルアンテナであって、前記第2のコイルを複数備えることを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナに関する。
このような態様によれば、より高い放射効率を実現することができる。詳細は後述するが、第2のコイルをより多く備えることにより、より高い放射効率を実現することが可能となる。
【0013】
また請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のノーマルモードヘリカルアンテナであって、導体板を備え、前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が前記導体板と平行になるように、前記導体板と離間して配置されるとともに、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間隔、及び、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの少なくともいずれかと前記導体板との間隔を調整して、特定の周波数に自己共振するように設定されてなることを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナに関する。
【0014】
ここで自己共振するとは、入力インピーダンスの容量性リアクタンスと誘導性リアクタンスとが打ち消しあい、入力インピーダンスが純抵抗になる状態をいう。請求項4の態様によれば、周囲の環境による影響を受けにくく、自己共振周波数の変動が少ないノーマルモードヘリカルアンテナを実現することが可能となる。例えば、本ノーマルモードヘリカルアンテナを人体に近づけても、人体の誘電率による影響を導体板が遮断し、特定の周波数での自己共振が維持される。このことにより、例えば、本ノーマルモードヘリカルアンテナを機器に組み込む際にも、機器側の筐体や他の部品等の誘電率の影響を受けにくくなる。これにより、本ノーマルモードヘリカルアンテナは、きわめて高い汎用性をもって、様々な機器に組み込むことが可能となる。そしてそのため、同一規格のノーマルモードヘリカルアンテナの大量生産が可能となり、製造容易化、コスト低減などが可能となる。また、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が前記導体板と平行になるように、前記導体板と離間して配置されることにより、各コイルに内在する電流源及び磁流源のうちの磁流源からの放射が助長されることになる。これにより、導体板が近接することによる放射電界強度の低下が抑制され、高い放射強度を維持することができる。
【0015】
また請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のノーマルモードヘリカルアンテナであって、導体板を備え、前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が前記導体板と直交するように、前記導体板と離間して配置されるとともに、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間隔、及び、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの少なくともいずれかと前記導体板との間隔を調整して、特定の周波数に自己共振するように設定されてなることを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナに関する。
このような態様によっても、周囲の環境による影響を受けにくく、自己共振周波数の変動が少ないノーマルモードヘリカルアンテナを実現することが可能となる。これにより、本ノーマルモードヘリカルアンテナは、きわめて高い汎用性をもって、様々な機器に組み込むことが可能となる。そしてそのため、同一規格のノーマルモードヘリカルアンテナの大量生産が可能となり、製造容易化、コスト低減などが可能となる。また、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が前記導体板と直交するように、前記導体板と離間して配置されることにより、各コイルに内在する電流源及び磁流源のうちの電流源からの放射が助長されることになる。これにより、導体板が近接することによる放射電界強度の低下が抑制され、高い放射強度を維持することができる。
【0016】
また請求項6に記載の発明は、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第1のコイルと、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第2のコイルと、を備え、前記第1のコイルの中央部には給電点が設けられ、前記第1のコイル及び前記第2のコイルが、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が互いに平行になるように互いに面対称となる位置に配置され、前記第1のコイルの各端部が、前記各端部と面対称な位置にある前記第2のコイルの各端部とそれぞれ短絡されてなるノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法であって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間隔を調整して、特定の周波数に自己共振するように前記第1のコイルと前記第2のコイルとを設定することを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法に関する。
このような態様により、放射効率を向上させるとともに小型化しても放射効率の低下が少ないノーマルモードヘリカルアンテナを製造することができる。
【0017】
また請求項7に記載の発明は、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第1のコイルと、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第2のコイルと、導体板と、を備え、前記第1のコイルの中央部には給電点が設けられ、前記第1のコイル及び前記第2のコイルが、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が互いに平行になるように互いに面対称となる位置に配置されるとともに、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が前記導体板と平行になるように、前記導体板と離間して配置され、前記第1のコイルの各端部が、前記各端部と面対称な位置にある前記第2のコイルの各端部とそれぞれ短絡されてなるノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法であって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間隔、及び、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの少なくともいずれかと前記導体板との間隔を調整して、特定の周波数に自己共振するように前記第1のコイルと前記第2のコイルとを設定することを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法に関する。
このような態様によって、周囲の環境による影響を受けにくく、自己共振周波数の変動が少ないノーマルモードヘリカルアンテナを製造することが可能となる。
【0018】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0019】
放射効率を向上させるとともに小型化しても放射効率の低下が少ないノーマルモードヘリカルアンテナ及びノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態につき図面とともに説明する。
ノーマルモードヘリカルアンテナ200の基本構造を図1に示す。ノーマルモードヘリカルアンテナ200は、導線を螺旋状に巻回することにより形成されたコイル100の中央部に給電点110が設けられたものである。アンテナ長(コイル長)をL、直径をD、導線の直径をa、巻き数をNとしている。図1はN=10の状態を示す。ノーマルモードヘリカルアンテナ200の特徴は、超小形アンテナで問題となる、小形化により発生する大きな容量性リアクタンスをコイル100の誘導性リアクタンスにより打ち消し、純抵抗に近い入力インピーダンスを実現できることである。入力インピーダンスが純抵抗になる状態は、自己共振と呼ばれる。このためには、アンテナ長(L)、アンテナ直径(D)アンテナ巻き数(N)の関係を適切に選ぶ必要がある。
【0021】
L/λ(λは動作波長)、D/λとNの様々な組み合わせについて、入力インピーダンス値を電磁界シミュレータにより求め、自己共振が得られる組み合わせを求めたものを図2に示す。L/λは0.2から0.025まで変化させている。Nの値に応じて、L/λとD/λの関係が大きく影響されることがわかる。また、L/λ>0.1ではほぼD/λが一定になっている。L/λ<0.1では、L/λの減少に伴いD/λも小さくする必要のあることが分かる。
【0022】
次に、ノーマルモードヘリカルアンテナ200の入力インピーダンス(Zin)について計算した結果を図3に示す。図3には一例として、L/λ=0.025、N=10の場合を示す。周波数が900MHzの点で自己共振し、ノーマルモードヘリカルアンテナ200の入力インピーダンスが純抵抗成分(Rin)のみと成っていることが分かる。
【0023】
ここで、抵抗成分(Rin)の内訳は、放射抵抗Rrと、導体抵抗Rlであり、Rin=Rr+Rlの関係がある。放射抵抗Rrと導体抵抗Rlを切り分けるためには、計算において導体抵抗値を無限大にする。これによりRl=0とした計算結果を得ることができる。このときRin=Rrとなっている。
また、アンテナの放射効率ηは、次式で表される。

η=Rr/(Rr+Rl) …(1)
【0024】
このようにして求めた、ノーマルモードヘリカルアンテナ200についての放射抵抗Rr、導体抵抗Rl及び放射抵抗ηの値を表1に示す。
【0025】
[表1]
基本構造のノーマルモードヘリカルアンテナの主要電気定数

表1に示すように、基本構造のノーマルモードヘリカルアンテナ200では、導体抵抗Rlが放射抵抗Rrに比して約4.5倍も大きくなっていることが特徴である。すなわち、給電された電波は殆んど導体抵抗Rlにより熱損失として消費されてしまうことを意味している。このためアンテナの放射効率ηが−7.45dBと小さな値となっている。
【0026】
ここで、導体抵抗Rlは、次式で表される。

ここに、Laは導体の全長を表し、aは導体径を表す。また、δは導体の表皮厚と呼ばれ、次式で表される。

ここに、fは周波数で、μは透磁率であり、σは導電率を表す。
【0027】
式(2)において、図1の場合の諸元として、La=178.32mm、a=0.1665mmならびに導線に用いた銅の導電率σ=5.8×10(S/m)を代入すると、Rl=2.6684Ωとなる。この値は表1に示す値と良く対応しており、式(2)で導体抵抗Rlを評価できることが分かる。式(2)より、導体抵抗Rlの値は導体径aに反比例し、周波数fの平方根と導体全長Laに比例することが分かる。
【0028】
次に、上記ノーマルモードヘリカルアンテナ200を改良した、本実施の形態に係るノーマルモードヘリカルアンテナ230を図6に示す。以下、図6に示すノーマルモードヘリカルアンテナを、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230とも記す。並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第1のコイル100と、導線を螺旋状に巻回することにより形成された第2のコイル100とを備えており、第1のコイル100の中央部には給電点110が設けられている。そして、第1のコイル100及び第2のコイル100が、第1のコイル100及び第2のコイル100の各巻回軸が互いに平行になるように互いに面対称となる位置に配置され、第1のコイル100の各端部が、それら各端部と面対称な位置にある第2のコイル100の各端部とそれぞれ短絡されてなる。
【0029】
並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230では、図4に示した2本の導線を近接配置した折り返し構造と同様に、各コイル100に等しい電流が流れることが重要であるが、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の各コイル100の構造諸元を、図2に示した基本構造のノーマルモードヘリカルアンテナ200が自己共振する構造諸元と同じにすることにより、図6において矢印で示すように、2本のコイル100には等しい電流を実現することができる。
【0030】
次に、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230が自己共振する場合のアンテナ長さ(L/λ)、直径(D/λ)、巻き数(N)、及びアンテナ間隔(S/λ)の関係の一例を図7に示す。図7に示す結果は、図2に示したアンテナ長さ(L/λ)、直径(D/λ)及び巻き数(N)の関係の下に、自己共振が得られるアンテナ間隔(S/λ)を電磁界シミュレータの計算により求めたものである。このように、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、アンテナ長さ(L/λ)、直径(D/λ)、巻き数(N)、及びアンテナ間隔(S/λ)を適切に設定することにより、自己共振させることができる。
【0031】
図7を見ると、Nを変えても、L/λとS/λの関係に余り変化の無いことが分かる。またL/λとS/λの関係については、L/λの減少に伴いS/λも単調に減少させる必要の有ることが分かる。
【0032】
次に、L/λ=0.025、N=10としたときの、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の入力インピーダンス特性の計算結果を図8に示す。周波数が900MHzの点で自己共振し、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の入力インピーダンスが純抵抗成分のみと成っていることが分かる。
【0033】
また、その場合の放射抵抗Rr、導体抵抗Rlと放射効率 ηの計算結果を表2に示す。
[表2]
並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの主要電気定数

表2に示す各値を表1に示す各値と比較してみると、放射抵抗Rrは約4倍、導体抵抗Rlは約2倍になっていることがわかる。そのためアンテナ効率ηが約2倍に向上して、2.5dBの上昇が見られる。このように、本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230では、放射効率を向上させることができる。これにより、アンテナの通信距離の拡大を達成できるという利点を有する。
【0034】
次に、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230による放射抵抗Rrと導体抵抗Rlの値の変化を、様々なL/λについて求めたものを図9と図10に示す。図9及び図10にはそれぞれ、比較のために、基本構造のノーマルモードヘリカルアンテナ200における放射抵抗Rrと導体抵抗Rlとを記載してある。「Original」と記される方が基本構造のノーマルモードヘリカルアンテナ200の特性を示し、「folded」と記される方が並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の特性を示す。
【0035】
まず、図9において目に付くことは、放射抵抗Rrは、Nの値にほとんど依存せず、L/λによって決まる値であるということである。またL/λが小さくなるに従い、Rrも急激に減少することが分かる。また、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、基本構造ヘリカルアンテナ200に比べ、放射抵抗Rrが4倍に上昇することが示されている。すなわち、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、全てのL/λにおいて放射抵抗Rrが4倍になることが示されている。
【0036】
一方図10においては、導体抵抗RlがNに依存していることが示される。この理由は、Nにより、アンテナを構成する導線の長さ(La)が変化するためである。また、導体抵抗RlのL/λに対する変化を見ると、L/λが変化してもRlはほとんど一定の値を保っていることが分かる。また、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、基本構造ヘリカルアンテナ200に比べ、導体抵抗Rlが2倍に上昇することが示されている。すなわち、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、全てのL/λにおいて導体抵抗Rlが2倍になることが示されている。
【0037】
ところで、基本構造のノーマルモードヘリカルアンテナ200の放射抵抗Rrと導体抵抗Rlとを比較すると、図9及び図10に示されるように、L/λが0.05以下ではRr<Rlであることがわかる。つまりこの場合、放射効率ηが低下することを意味する。そして放射抵抗ηは、L/λが小さいほど、つまりノーマルモードヘリカルアンテナ200を小型化すればするほど、低下する。
【0038】
しかしながら、上述したように、本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230では、基本構造ノーマルモードヘリカルアンテナ200に対し、全てのL/λにおいて放射抵抗Rrが4倍になり、導体抵抗Rlが2倍になる。このため、本実施形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、小型化しても高い放射効率を維持可能である。特に、L/λの値が0.05以下となるほどに小型化した場合には、Rr<Rlとなるため、放射効率ηをほぼ2倍にまで向上させることが可能である。なお、もちろんRr>Rlとなる場合であっても、放射効率ηが向上することは言うまでもない。
【0039】
ところで、図6に示す並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230では、コイル100が2個用いられているが、図11に示すようにM(Mは自然数)個のコイル100を用いた場合には、主要な電気定数(入力インピーダンスの純抵抗成分Rin’、放射抵抗Rr’、導体抵抗Rl’、放射効率η’)は各々次式で表される。
Rr’=M× Rr …(4)
Rl’=M×Rl …(5)
η’=Rr’/(Rr’+Rl’)=M×Rr/(M×Rr+M×Rl)
…(6)
ここで、Rl’>Rr’とすると、Rin’は近似的に次式となる。
η’≒Rr’/Rl’=M×(Rr/Rl)=M×η …(7)
すなわち、コイル100をM個用いたノーマルモードヘリカルアンテナ230では、放射効率をM倍に向上でき、より高い放射効率を実現することができる。
【0040】
次に、図12に示すように、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230を導体板130に平行に近接させた構造について説明する。図12において、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230と導体板130の間隔をHで表している。
【0041】
ここで、一般的に、ノーマルモードヘリカルアンテナの電波放射に寄与する要素は、図13に示すように、短い直線部と小さなループ部の集合として考えることができる。電波放射に当って、直線部は微小な電流源として機能し、ループ部は微小な磁流源として機能する。
【0042】
導体板130が近接した際の電波放射に関しては、図12の配置においては電流源からの放射は導体により抑圧されるが、磁流源からの放射は導体により助長される。このため、導体板130が近接した場合でも並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230からの電波放射は保持されることになり、本アンテナの特長ともなっている。
【0043】
ところで、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の入力インピーダンスは導体板130の近接により少なからず影響を受けることが考えられる。以下において電波放射と入力インピーダンスの変化を具体的に説明する。
【0044】
まず、入力インピーダンスの変化において、主にリアクタンスの値が変化するため、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230のコイル100間の間隔(S)を変化させて対応できるかについて説明する。
【0045】
図14は、自己共振状態を保つために変化すべきコイル100の間隔(S)を、導体板130との間隔(H)をパラメータにして求めた結果である。「no ground plane」は、導体板130が存在しない時の自己共振のためのS/λの特性を示している。図14に示すように、Hが小さくなるに従い、S/λの調整量が大きくなる。また、S/λの調整量はアンテナ長(L/λ)が大きくなるに伴い大きくなる。結局、図14に従いS/λを調整することにより、導体板130との間隔(H)が様々に変化しても、柔軟に自己共振特性を達成できることになる。1例として、L/λ=0.025、N=10の場合において、自己共振を達成した際の入力インピーダンス特性を図15に示す。900MHzにおいてリアクタンスが零となり、900MHzで自己共振が達成されていることが示されている。
【0046】
次に、自己共振時における放射抵抗Rrと導体抵抗Rlとの関係を、図16、図17に示す。
【0047】
図16に示すように、放射抵抗Rrについて特徴的なことは、導体板130の近接により放射抵抗Rrが大きく減少するということである。また、Hの縮小とともに放射抵抗Rrが減少する。L/λへの依存性については、Hが1cmの時には放射抵抗Rrが4Ω以下に低下し、L/λの短縮とともに1Ω以下まで減少する。Hが0.5cmの時には放射抵抗Rrが2Ωから0.5Ωの値となる。Hが0.1cmの時には放射抵抗Rrが1Ω程度から0.5Ω以下の値となる。
【0048】
また図17に示すように、導体抵抗Rlについて特徴的なことは、導体抵抗Rlが4Ωから3.7Ωの幅に収まっており、導体抵抗Rlの変化が非常に小さいということである。導体抵抗Rlが変化する理由は、導体板130の近接により図14に示したように、コイル100の間隔(S/λ)が小さくなることにより、導線の全長が僅かに短縮するためである。
【0049】
次に、放射抵抗Rrと導体抵抗Rlの値から並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の放射効率ηを求めた結果を図18に示す。導体板130が存在しない際には、放射効率ηは0dBから−5dBの範囲に収まっているが、導体板130を並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230に近接させるにつれηが低下する。低下量は、Hが小さくなるほど増大するが、−10db程度に収まっている。H=0.1cmの際には、導体が存在しない場合に比べて、5dBから6dB程度の低下量となる。また、放射効率ηはアンテナ長(L/λ)の短縮とともに減少し、H=0.1cmの際には−6dBから−10dBに変化する。L/λへの依存性で注目すべき点は、L/λ=0.05以下になると、ηの減少率が増大することである。
【0050】
上記の結果は、導体板130が存在するときと存在しないときの放射電波の成分比較をすることによっても理解できる。図12に示すように、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230を導体板130に平行に近接させた場合の電波放射特性を図19と図20に示す。導体板130が存在しないときの放射特性が図19である。また導体板130がH=0.1cmで近接されたときの放射特性が図20である。
【0051】
図12において、電界放射のEq成分は電流源からの放射であり、Ef成分は磁流源からの放射に相当する。図19では、Eq成分がEf成分より10dB程度大きくなっており、電流源からの放射が主体となっていることが分かる。図20と図19を比較すると、Eq成分が10dB以上減少する一方、Ef成分が2dB程度増加していることが分かる。これは、導体板130が近接することにより電流源からの放射は抑圧されるものの、磁流源からの放射が助長されることを表している。このように、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230では、電流源と磁流源が存在するため、導体板130に近接しても磁流源からの放射が残り、ある程度の放射が保たれることが分かる。
【0052】
次に、導体板130に垂直に近接にしてノーマルモードヘリカルアンテナ230を配置した場合の構成を図21に示す。図21において、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230と導体板130の間隔をHで表している。
この場合も、入力インピーダンスの変化において、主にリアクタンスの値が変化するため、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230のコイル100間の間隔(S)を変化させて対応できるかについて説明する。
【0053】
図22は、自己共振状態を保つために変化すべきコイル100の間隔(S)を、導体板130との間隔(H)をパラメータにして求めた結果である。図14と比較すると、S/λの調整量が小さくなっており、図22に従いS/λを調整することにより、導体板130との間隔(H)が様々に変化しても、柔軟に自己共振特性を達成できることになる。このときの放射電界の特性を図23に示す。図20の特性と比較すると、磁流源放射は抑圧されるが、電流源放射は助長されていることが分かる。一方、電流源放射は、導体板130が存在しない場合の図19に等しい放射電界強度が達成されていることがわかる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、折り返しアンテナとして正しく動作すると、ノーマルモードヘリカルアンテナ200に比して、アンテナの導体抵抗Rlは2倍にしかならないが放射抵抗Rrは4倍に増大できるため、放射効率ηを約2倍に向上可能である。また、本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230を導体板130に近接配置した際には、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230が有する電流成分は放射に寄与しなくなるが、磁流成分は有効に放射に寄与するため、ある程度の放射が期待できる。また近接導体による入力インピーダンスの変化が小さい場合には、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の間隔を調整することにより、インピーダンスの補正を行うことも可能である。
【0055】
このように、本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230によれば、放射効率を大幅に向上させることが可能である。また従来のノーマルモードヘリカルアンテナ200に比べ、小型化した場合の放射効率の低下を抑制することができるため、特にL/λが0.05以下となるような超小型化を行う場合において、本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の効果が大きい。このため、本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230を用いることにより、アンテナのより一層の小型化が可能となる。
【0056】
また本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、M個のコイル100を用いることにより、放射抵抗RrをMに増大できる一方、導体抵抗RlはM倍にしかならないため、結果としてアンテナの放射効率を約M倍に向上できる。
【0057】
また本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230を導体板130に近接して配置した場合に、導体板130への近接によりアンテナの入力インピーダンスのリアクタンス成分が変化しても、各コイルの間隔Sや、コイルと導体板130との間隔Hを調整してリアクタンス成分を補償し、特定の周波数に自己共振するように設定することができ、アンテナの機能を効果的に発揮させることができる。
【0058】
並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の各コイルの巻回軸が導体板130に平行に配置される場合には、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の電流源放射は抑圧されるが、磁流源放射は助長され存続するため、放射強度の低下を抑制することができる。また、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の各コイルの巻回軸が導体板130と直交して配置される場合には、並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230の磁流源放射は抑圧されるが、電流源放射は助長されるため、導体板130が存在しない場合と同等の放射強度を達成できる。このように、本実施の形態に係る並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ230は、実際に使用する様々な状況に対応して、高いアンテナ効率を実現でき、アンテナの通信距離の拡大を達成できるという利点を有する。
【0059】
以上発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、導線にはエナメル線のような一般的な線材の他、プリント基板上にエッチング技術により形成された配線パターン、蒸着技術や薄膜形成技術、半導体プロセス技術により形成された配線パターン等、導体を線状又はパターン状に形成したもの一般が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】ノーマルモードヘリカルアンテナの基本構造を示す図である。
【図2】自己共振する場合のノーマルモードヘリカルアンテナの構造諸元を示す図である。
【図3】ノーマルモードヘリカルアンテナの入力インピーダンス特性を示す図である。
【図4】折り返しダイポールアンテナを示す図である。
【図5】2線式ヘリカルアンテナを示す図である。
【図6】並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナを示す図である。
【図7】自己共振する場合の並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの各コイルの間隔を示す図である。
【図8】並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの入力インピーダンス特性を示す図である。
【図9】並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの放射抵抗を示す図である。
【図10】並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの導体抵抗を示す図である。
【図11】M個のコイルを備える並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナを示す図である。
【図12】導体板に平行に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナを示す図である。
【図13】ヘリカルアンテナの放射要素を示す図である。
【図14】導体板に平行に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナにおいて自己共振するための各コイルの間隔を示す図である。
【図15】導体板に平行に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの入力インピーダンス特性を示す図である。
【図16】導体板に平行に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの放射抵抗を示す図である。
【図17】導体板に平行に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの導体抵抗を示す図である。
【図18】導体板に平行に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの放射効率を示す図である。
【図19】並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの放射特性を示す図である。
【図20】導体板に平行に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの放射特性を示す図である。
【図21】導体板に垂直に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナを示す図である。
【図22】導体板に垂直に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナにおいて自己共振するための各コイルの間隔を示す図である。
【図23】導体板に垂直に各コイルが配置される並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナの放射特性を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
100 コイル
110 給電点
120 半波長ダイポールアンテナ
130 導体板
200 ノーマルモードヘリカルアンテナ
210 折り返しダイポールアンテナ
220 2戦式ヘリカルアンテナ
230 並び配列ノーマルモードヘリカルアンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線を螺旋状に巻回することにより形成された第1のコイルと、
導線を螺旋状に巻回することにより形成された第2のコイルと、
を備え、
前記第1のコイルの中央部には給電点が設けられ、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルが、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が互いに平行になるように互いに面対称となる位置に配置され、
前記第1のコイルの各端部が、前記各端部と面対称な位置にある前記第2のコイルの各端部とそれぞれ短絡されてなる
ことを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のノーマルモードヘリカルアンテナであって、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各コイル長が略等しく、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各コイル長をLとし、当該アンテナでの動作波長をλとした場合に、L/λの値が0.05以下であることを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載のノーマルモードヘリカルアンテナであって、
前記第2のコイルを複数備えることを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナ。
【請求項4】
請求項1に記載のノーマルモードヘリカルアンテナであって、
導体板を備え、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が前記導体板と平行になるように、前記導体板と離間して配置されるとともに、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間隔、及び、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの少なくともいずれかと前記導体板との間隔を調整して、特定の周波数に自己共振するように設定されてなる
ことを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナ。
【請求項5】
請求項1に記載のノーマルモードヘリカルアンテナであって、
導体板を備え、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が前記導体板と直交するように、前記導体板と離間して配置されるとともに、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間隔、及び、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの少なくともいずれかと前記導体板との間隔を調整して、特定の周波数に自己共振するように設定されてなる
ことを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナ。
【請求項6】
導線を螺旋状に巻回することにより形成された第1のコイルと、
導線を螺旋状に巻回することにより形成された第2のコイルと、
を備え、
前記第1のコイルの中央部には給電点が設けられ、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルが、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が互いに平行になるように互いに面対称となる位置に配置され、
前記第1のコイルの各端部が、前記各端部と面対称な位置にある前記第2のコイルの各端部とそれぞれ短絡されてなるノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法であって、
前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間隔を調整して、特定の周波数に自己共振するように前記第1のコイルと前記第2のコイルとを設定する
ことを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法。
【請求項7】
導線を螺旋状に巻回することにより形成された第1のコイルと、
導線を螺旋状に巻回することにより形成された第2のコイルと、
導体板と、
を備え、
前記第1のコイルの中央部には給電点が設けられ、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルが、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が互いに平行になるように互いに面対称となる位置に配置されるとともに、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各巻回軸が前記導体板と平行になるように、前記導体板と離間して配置され、
前記第1のコイルの各端部が、前記各端部と面対称な位置にある前記第2のコイルの各端部とそれぞれ短絡されてなるノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法であって、
前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間隔、及び、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの少なくともいずれかと前記導体板との間隔を調整して、特定の周波数に自己共振するように前記第1のコイルと前記第2のコイルとを設定する
ことを特徴とするノーマルモードヘリカルアンテナの製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−340186(P2006−340186A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164311(P2005−164311)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(505054531)
【出願人】(505053970)
【出願人】(504385708)マイティカード株式会社 (11)