説明

ハイドロフルオロカーボン希釈剤を用いた炭化水素ゴム接着剤の製造方法

炭化水素ゴム、希釈剤、および未反応モノマーを含むポリマースラリーから実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、(a)ポリマースラリーを炭化水素溶媒と接触させる工程と、(b)実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤を除去する工程とを備え、炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴム接着剤中のモノマーの重量分率が、炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴムスラリー中のモノマーの重量分率より少なく、希釈剤がハイドロフルオロカーボンを含む方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化水素ゴム接着剤に関し、炭化水素ゴム接着剤を、炭化水素ゴム、希釈剤、および1以上の未反応モノマーを含むポリマースラリーから製造する方法に関し、ポリマースラリーを炭化水素溶媒に接触させる工程と、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤、溶媒、または両者を除去する工程とを備え、炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴム接着剤中のモノマーの重量分率が、ポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準としたポリマースラリー中のモノマーの重量分率より低い。
特に、この発明は、ハイドロフルオロカーボン希釈剤、1以上のモノマー、および炭化水素ゴムからなる炭化水素ゴムスラリーを炭化水素溶媒に接触させ、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、少なくとも、希釈剤、炭化水素溶媒、または両者の一部を除去する事に関しており、ここで、炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴム接着剤中のモノマーの重量分率が、炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴムスラリー中のモノマーの重量分率より少ない。
【背景技術】
【0002】
イソオレフィンポリマー、特に炭化水素ゴムは、カチオン重合により製造される。例えば、Organic Chemistry(第6版、Morrison、Boyd著、Prentice−Hall社, 1084−1085ページ、Englewood Cliffs, New Jersey 1992年)、K. Matyjaszewski編、Cationic Polymerizations(Marcel Dekker社、 New York、1996年)が参照される。
炭化水素ゴムを製造する触媒系には、一般に2つの成分、すなわち開始剤とルイス酸が含まれている。ルイス酸の例には、AlClとBFが挙げられる。開始剤の例には、HCl、RCOOH(Rはアルキル基)、HOなどの、ブロンステッド酸が挙げられる。
重合反応中、一般に開始ステップと呼ばれる段階では、イソブチレンなどのイソオレフィンは、ルイス酸/開始剤のペアーと反応してカルベニウムイオンを生じる。開始ステップに次いで、一般に成長ステップと呼ばれる段階で、生成したカルベニウムイオンに別のモノマーユニットが付加して行く。これらのステップは、一般に希釈剤中、あるいは溶媒中で生じる。
【0003】
工業的には、炭化水素ゴムの製造には、メチルクロライドを希釈剤に用いたスラリー重合法が広く用いられている。一般に、スラリー重合法に用いられる希釈剤は、実質的にメチルクロライドからなる。
メチルクロライドは、反応に用いられるモノマーや塩化アルミニウム触媒を溶解する一方、重合反応で生成する炭化水素ゴムを溶解しないことなど、様々な理由により用いられている。また、メチルクロライドは凝固点が低く、−90℃以下の低温での重合も可能である。さらに、メチルクロライドの沸点は低いので、炭化水素ゴムポリマーから希釈剤を容易に分離することができる。
メチルクロライドを希釈剤に用いるスラリー重合法では、反応混合物中の炭化水素ゴムの濃度を、容積で約26%から36%にすることが好ましい。これに対し、炭化水素ゴムの少なくとも一部が溶媒中に溶解している溶液重合では、炭化水素ゴムの濃度は約8%から12%に過ぎない。
メチルクロライドを希釈剤に用いた反応混合物の粘度は相対的に低く、重合反応で生じた重合熱を、熱交換器により容易に除去することができる。
【0004】
スラリー重合法による炭化水素ゴムの生産に用いられる一般的な反応器には、容積が10から30リットルで、反応混合物がインペラー式ポンプで循環されて十分に混合される容器が用いられる。このような反応器の一例として、参照として本願に組み込まれる米国特許第5,417,930号に開示された、一定流速撹拌槽反応器(CFSTR)が挙げられる。
本願では、スラリー重合法での炭化水素ゴムの製造に適した反応器を、「反応器」または「ブチル反応器」と呼ぶことがある。
【0005】
製造された炭化水素ゴムから希釈剤の少なくとも一部が除去され、この炭化水素ゴムは、反応混合物から溶媒および炭化水素ゴムからなる中間媒体へ移行される。この中間媒体を炭化水素ゴム接着剤、あるいは単に接着剤と呼ぶ。しかし、反応混合物中の残存モノマーや不純物も、炭化水素ゴム接着剤中へ移される。
残存モノマーや不純物は、炭化水素ゴム製造の次工程に悪影響を及ぼすことが知られている。スラリー重合法でのプロセスの経済性、炭化水素ゴムの物性の改良、並びにコスト削減は、炭化水素ゴム接着剤から残存モノマーと不純物を除去することにより達成できることが知られている。
【0006】
この他の関連する技術には、米国特許第2,542,559号、米国特許第2,940,960号、米国特許第3,553,156号、米国特許第3,470,143号、米国特許第3,496, 135号、米国特許第3,726,843号、米国特許第4,623,712号、米国特許第4,857,633号、米国特許第5,264,536号、米国特許第5,624,878号、米国特許第5,527,870号、米国特許出願第2004/01 19196A1号、ロシア国特許第2209213号、ドイツ国特許第10061727A号、欧州特許第0149342A2号、国際公開パンフレットWO02/096964、国際公開パンフレットWO02/096964、国際公開パンフレットWO02/34794、国際公開パンフレットWO00/04061が含まれる。
【発明の概要】
【0007】
この発明のいくつかの実施形態は、炭化水素ゴム、希釈剤、および未反応モノマーを含むポリマースラリーから、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーを炭化水素溶媒と接触させる工程と、
(b)実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤を除去する工程とを備え、炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴム接着剤中のモノマーの重量分率が、炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴムスラリー中のモノマーの重量分率より少なく、希釈剤がハイドロフルオロカーボンを含む、炭化水素ゴム接着剤を製造する方法に関する。
【0008】
また、この発明は、炭化水素ゴム、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含まない希釈剤、および炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含むポリマースラリーから、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーをハイドロフルオロカーボン希釈剤、および炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む炭化水素ゴム接着剤を製造するために、少なくとも希釈剤およびハイドロフルオロカーボン希釈剤の一部を除去する工程とを備え、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい、炭化水素ゴム接着剤を製造する方法に関する。
【0009】
また別の実施形態では、この発明は、既存のカチオン重合スラリー法プラントを改良する方法であって、
(a)炭化水素ゴム、希釈剤、およびポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含む、カチオン重合スラリー法プラントからのポリマースラリーを、炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造するために、希釈剤の少なくとも一部を除去する工程とを備え、希釈剤がハイドロフルオロカーボンであり、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい、既存のカチオン重合スラリー法プラントを改良する方法に関する。
【0010】
また別の実施形態では、この発明は、既存のカチオン重合スラリー法プラントを改良する方法であって、
(a)炭化水素ゴム、実質的にハイドロフルオロカーボンを含まない希釈剤、ポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含む、カチオン重合スラリー法プラントからのポリマースラリーをハイドロフルオロカーボン希釈剤、および炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む炭化水素ゴム接着剤を製造するために、少なくとも希釈剤およびハイドロフルオロカーボン希釈剤の一部を除去する工程とを備え、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい、既存のカチオン重合スラリー法プラントを改良する方法に関する。
【0011】
また別の実施形態では、この発明は、炭化水素ゴム、希釈剤、ポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含むポリマースラリーから、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーを炭化水素溶媒と接触させる工程と、
(b)炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、希釈剤の少なくとも一部をポリマースラリーから除去する工程とを備え、希釈剤がハイドロフルオロカーボンを含み、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい炭化水素ゴム接着剤を製造する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】は、メチルクロライド(MeCl)、1,1,1,2テトラフルオロエタン(134a)、メチルクロライドまたは1,1−ジフルオロエタン(152a)の1:1混合液と、ヘキサンとからなる溶媒中に、ブチルゴムが溶解された系の、下限臨界共溶温度(LCST)と上限臨界共溶温度(UCST)を示す相平衡状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、請求項に係る発明を理解するための用語の定義と好ましい実施形態を含め、この発明の種々の実施形態、変更例、実施例を説明する。特許侵害の判断においては、発明の範囲は1または複数の請求項およびその均等な範囲、構成要件、数値限定が参酌される。
【0014】
この発明の明細書と特許請求の範囲では、「炭化水素ゴムポリマー」「炭化水素ゴム」「ゴム」という用語は同義で用い、ASTMDl566に定義されたエラストマーまたはポリマーのエラストマー組成物の意味で用いる。
好ましい実施形態では、炭化水素ゴムポリマーには、ポリイソブチレンホモポリマー、イソブチレン−イソプレン(ブチルゴム)共重合体、イソブチレンとパラ−メチルスチレン共重合体、星状に分岐したブチルゴムターポリマーなどが含まれる。
【0015】
触媒系という用語は、炭化水素ゴムポリマーの重合反応に触媒として作用するルイス酸またはその他の金属錯体、および少なくとも1の開始剤と任意の他の触媒化合物を包含する意味で用いられる。
【0016】
「適した重合条件」というときは、当業者の能力の範囲内で、所望のポリマーの製造に必要とされる反応条件と重合成分の性質に基づき、重合条件と成分を選択することを意味する。
炭化水素ゴムポリマーを製造するスラリー重合法には多数の変形列があり、また、所望の1以上の性質を備える炭化水素ゴムの製造に使用可能な重合成分も多様である。
【0017】
炭化水素ゴムポリマーの下流工程は、溶媒、好ましくは炭化水素溶媒および炭化水素ゴムを含む媒体を用いて行われる。この媒体は、本願では、炭化水素ゴム接着剤、ゴム接着剤、あるいは接着剤と呼ばれる。本願ではこれらの用語は同義で用いられ、また、溶媒に少なくとも一部が溶解可能な炭化水素ゴムと溶媒との混合物の意味で用いられる。
好ましくは、接着剤は、実質的に炭化水素溶媒に溶解した炭化水素ゴムポリマーからなる実質的に均一な溶液である。実質的に均一な溶液とは、少なくとも99wt%の溶質(例えば炭化水素ゴム)が溶媒(例えば炭化水素溶媒)に溶解した溶液を意味する。
【0018】
好ましくは、実質的にすべての炭化水素ゴム(すなわち99wt%を超える炭化水素ゴム)が 炭化水素溶媒に溶解しており、炭化水素ゴム接着剤は炭化水素ゴムと炭化水素溶媒に関し実質的に均一な溶液であり、これは少なくとも99wt%の炭化水素ゴムが溶媒に溶解していることを意味する。
本願では、「実質的に均一」または「均一」という用語が炭化水素ゴム接着剤(すなわち、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤)を記述するために用いられるときは、炭化水素ゴムと溶媒を意味する。
したがって、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤は、単一相である必要はないが、炭化水素溶媒に不溶な種々の不純物や他の成分を1wt%未満含んでいてもよい。
【0019】
「ポリマースラリー」という用語は、ガス、固体、液体およびこれらの混合物を含有するスラリー重合法後の反応生成物を意味する。
「ポリマースラリー」という用語はまた、希釈剤中に分散された炭化水素ゴムポリマーの意味でも用いられ、この場合、ポリマースラリーがスラリー重合法により直接得られた反応生成物であるか否かは問わない。
本願にいうポリマースラリーには、炭化水素ゴムポリマー、希釈剤、希釈剤の混合物、炭化水素溶媒、未反応モノマー、その他の種々の不純物と、スラリー重合法で用いられるオレフィン原料中や触媒系中に存在する成分が含まれる。触媒系あるいは触媒系成分は、重合後に残存する程度の量だけ存在する。
【0020】
本願では、希釈剤という用語は、モノマーおよび/または触媒は溶解するが、製造された炭化水素ゴムには極限られた溶解性を示すか、あるいは、好ましくは、炭化水素ゴムは実質的に不溶である希釈剤を意味する。
本願では、希釈剤の全量に対し、炭化水素ゴムの1wt%未満しか溶解しないとき、炭化水素ゴムは希釈剤に実質的に不溶であるという。
希釈剤というときには、2以上の希釈剤の混合物も含まれる。
希釈剤は、触媒系、モノマーなどの重合反応の混合物の構成成分の性質を変えることはないであろうが、スラリー重合反応中に、希釈剤と反応成分との間の相互作用は生じるであろう。
【0021】
本願では、この他に反応器という用語も用いられる。反応器という用語は、化学反応が行われる容器と定義される。本願では、周期律表における番号は、Chemical AND ENGINEERING NEWS,63(5),27(1985年)に従って用いる。
ポリマーという用語は、ホモポリマー、コポリマー、中間体ポリマー、ターポリマーなどの意味で用いる。また、特に断りのない限り、コポリマーという用語は少なくとも2種のモノマーから成るポリマーを意味する。
【0022】
ポリマーがモノマーから成るというときは、モノマーはポリマー中に重合された状態で存在するか、または、そのモノマーの誘導体の状態で存在することを意味する。
触媒成分が、その成分の中立で安定な状態からなるというときは、当業者であれば理解できるように、その成分のイオン化状態が、モノマーと反応してポリマーを生成する状態にあることを意味する。
【0023】
「アルキル」という用語は、炭素原子数が1から20のパラフィン系炭化水素基であって、対応するアルカンから1以上の水素を取り除いた誘導体を意味する。例えば、メチル基(CH)はメタン(CH)から誘導され、エチル基(CHCH)はエタン(CHCH)から誘導される。
【0024】
「アリール」という用語は、炭素原子数が5から20の炭化水素基であって、芳香族化合物の共役環を形成する炭化水素基を意味する。アリール基または置換基には、例えば、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどが含まれ、環状構造中に二重結合(「不飽和」)を交互に備える。すなわち、アリール基は芳香族化合物から1以上の水素を取り除いた誘導体である。
【0025】
「置換された官能基」という用語は、炭素数が1から20のアルキル、アルケン、アルキン、またはアリール基の水素原子の少なくとも1つを、少なくとも1つの置換基で置き換えることをいう。
置換基の例には、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素、沃素)、アミノ基、ニトロ基、スルホキシ基(スルホネート、またはアルキルスルホネート)、チオール基、アルキルチオール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、直鎖、分岐あるいは環状アルキル基、アルケン基、または炭素数が1から20のアルキン基が含まれる。
アルキル置換基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、三級ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基などが含まれる。
アルコキシ置換基の例には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、2級ブトキシ基、3級ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基が含まれる。
ハロアルキルという用語は、炭素数が1から20のアルキル基であって、少なくとも1つの水素原子が、少なくとも1つのハロゲンで置換されたものをいう。
【0026】
<モノマーとポリマー>
本願で用いられるモノマーには、スラリー重合法によってカチオン重合され、炭化水素ゴムポリマーを生成するオレフィンモノマーが含まれる。好ましいモノマーには、1以上のアルファオレフィン、二置換オレフィン、イソオレフィン、共役ジエン、非共役ジエン、スチレン、置換基を有するスチレン、および/またはビニルエーテルが含まれる。
スチレンは、その環上に、アルキル基、アリール基、ハライド基、アルコキシ基などの置換基を有することができる。
好ましくは、モノマーは炭素数が2から20、より好ましくは2から9、さらにより好ましくは3から9から成る。
好ましいオレフィンモノマーの例には、スチレン、パラ−アルキルスチレン、パラ−メチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、β−ピネン、ミルセン、6,6−ジメチルフルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ピペリレン、メチルビニルエーテル、 エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどが含まれる。モノマーには、2種以上のモノマーの組合せも含まれる。
スチレンブロックコポリマーを含むブロックコポリマーも、モノマーとして用いることができる。
モノマーとして用いることができる好ましいブロックコポリマーには、スチレン、パラ−メチルスチレン、アルファ−メチルスチレンなどと、イソプレン、ブタジエンなどのCからC30のジオレフィンとから成る、スチレンコポリマーが含まれる。
特に好ましいモノマーの組合せは、イソブチレン/パラ−メチルスチレンの組合せ、イソブチレン/イソプレンである。イソブチレンのホモポリマーも好ましい。このほかの本願で用いることができるモノマーは、Cationic Polymerization of Olefins、A Critical Inventory、Joseph Kennedy著(Wiley Interscience社、New York 1975年)に記載されている。
【0027】
本願に開示された製造プロセスは、種々のゴムポリマーを含むゴム接着剤の製造に適用可能である。
本願に適したゴムポリマーの例には、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、EPDMの製造に用いられる、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1−4ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどを含有するエチレンプロピレンゴム−非共役ジエンゴムが挙げられる。
この他の好ましいゴムポリマーには、イソブチレンとアルキルスチレンの共重合体、イソブチレンとイソプレンの共重合体がある。
【0028】
ひとつの実施形態では、ゴム接着剤は、イソブテンと、マルチオレフィンまたは共役ジエンモノマー成分などのとの、CからCのイソオレフィンモノマー成分からなるコモノマー混合物を反応させて製造されたブチルゴムポリマーからなる。
ブチルゴム中のイソオレフィン含有量は、全コモノマーに対し、好ましくは70から99.5wt%であり、好ましくは85から99.5wt%、より好ましくは92から99.5wt%である。
ブチルゴムポリマー中の共役ジエン成分の含有量は、好ましくは0.5から30wt%であり、より好ましくは0.5から15wt%、さらに好ましくは0.5から8wt%である。
からCのイソオレフィンは、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、および4−メチル−1−ペンテンの内の、少なくとも1種類以上である。
マルチオレフィンは、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1、3−ブタジエン、β−ピネン、ミルセン、6,6−ジメチルフルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ピペリレンなどの、CからC14の共役ジエンである。
好ましい実施形態では、ゴム接着剤は、85から99.5wt%のイソブチレンと0.5から15wt%のイソプレンの反応、または95から99.5wt%のイソブチレンと0.5から5wt%のイソプレンの反応により得られるブチルゴムポリマーから成る。
【0029】
また本願は、上記のモノマーを組み合わせて成るターポリマーおよび/またはテトラポリマーから成るゴム接着剤に関する。
好ましいターポリマーとテトラポリマーには、イソブチレン、イソプレン、ジビニルベンゼンから成るゴムポリマー、イソブチレン、パラ−アルキルスチレン(好ましくはパラメチルスチレン)、イソプレンから成るゴムポリマー、シクロペンタジエン、イソブチレン、パラ−アルキルスチレン(好ましくはパラメチルスチレン)から成るゴムポリマー、イソブチレン、シクロペンタジエン、イソプレンから成るゴムポリマー、シクロペンタジエン、イソブチレン、メチルシクロペンタジエンから成るゴムポリマー、イソブチレン、パラメチルスチレン、シクロペンタジエンから成るゴムポリマーが含まれる。
【0030】
<ルイス酸触媒>
ルイス酸触媒(共開始剤または触媒とも呼ぶ)は、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、錫、バナジウム、砒素、アンチモニー、ビスマスが含まれる、周期律表の第2,第5,第13,第14または第15族の金属またはメタロイドを含むルイス酸である。
ひとつの実施形態では、金属はアルミニウム、ホウ素、チタンであり、アルミニウムがより好ましい。本願で用いられるルイス酸触媒を例示すると、AlCl、AlBr (C−C10アルキル)AlCl、 (C−C10アルキル)AlCl、(C−C10アルキル)AlCl、BF、SnClと、TiClが挙げられる。好ましいルイス酸触媒には、AlCl、エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、およびメチルアルミニウムクロライドが含まれる。
メチルアルミノキサン(MAO)や、B(Cなどの特別に調製され、弱く配位するルイス酸も、本願のルイス酸触媒に適している。
【0031】
当業者であれば、前記のルイス酸の例は包括的なものではなく、例示であることが理解できよう。重合プロセスのためのルイス酸に関する詳細は、例えば国際特許出願PCT/US03/40903とPCT/US03/40340が参照される。
【0032】
<触媒開始剤>
この発明に用いられる開始剤は、適切な希釈剤中で選択されたルイス酸と組み合わされ、そこに在るオレフィンと急速に反応し、成長するポリマー鎖を生成させる錯体を形成することができる開始剤である。
その例として、HO、HCl、RCOOH(RはHまたはC−C20のアルキル基)、(CHCCl、CC(CHCl、(2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルハライドが挙げられる。さらに、弱く配位したルイス酸またはルイス酸塩で活性化されたメタロセンや他のシングルサイト触媒系を含む遷移金属錯体も、重合反応を開始させるために用いることができる。
【0033】
ひとつの実施形態では、開始剤は1以上のハロゲン化水素、CからC20のカルボン酸、CからC20のカルボン酸ハライド、CからC20のスルホン酸、CからC20のアルコール、フェノール、三級のCからC20のアルキルハライド、三級のCからC20のアリールアルキルハライド、三級のCからC20のアルキルエステル、三級のCからC20のアリールアルキルエステル、三級のCからC20のアルキルエーテル、三級のCからC20のアリールアルキルエーテル、CからC20のアリールハライド、CからC20のアルキルアリールハライド、および/またはCからC20のアリールアルキル酸ハライドから選択される。
上記の開始剤の例は包括的なものではなく、例示に過ぎない。重合反応における開始剤の詳細は、例えば国際出願番号PCT/US03/40903とPCT/US03/40340を参照されたい。
【0034】
<炭化水素ゴムポリマースラリーの生成>
この発明の炭化水素ゴムポリマースラリーは、連続またはバッチプロセスで製造される。さらに、このプロセスは、プラグフロー反応器、撹拌槽反応器、連続流撹拌槽反応器、移動ベルトまたはドラム反応器、ジェットまたはノズル反応器、チューブラー反応器、自動冷却ボイリングプール反応器、またはこれらの組合せにおいて行われる。
モノマー供給流、触媒、開始剤、および希釈剤を接触させる順序は、実施形態により異なる。炭化水素ゴムポリマースラリーが製造される温度は、−20℃未満、好ましくは−40℃未満、さらに好ましくは−50℃未満である。
重合プロセスの詳細は、例えば国際出願番号PCT/US03/40903とPCT/US03/40340を参照されたい。
【0035】
炭化水素ゴムポリマースラリーには、スラリー重合法により直接得られた反応生成物ではない炭化水素ゴムを、希釈剤中に分散した炭化水素ゴムも含まれる。
【0036】
<炭化水素ゴムスラリー>
上記のように、炭化水素ゴムポリマースラリーには、炭化水素ゴムポリマー、希釈剤、好ましくはハイドロフルオロカーボン希釈剤または希釈剤の混合物、未反応モノマー、種々の不純物、さらに、供給原料や触媒系に含まれるその他の成分が含まれる。
炭化水素ゴムポリマーはポリマースラリー中に、主に固形分として存在する。ひとつの実施形態では、ポリマースラリー中のゴムポリマーの濃度は、ポリマースラリーの全体積を基準として、約5vol%以上で、約75vol%以下である。この範囲内で、ポリマースラリー中のゴムポリマーの濃度は、約10vol%以上、好ましくは約15vol%以上、より好ましくは約20vol%以上である。またこの範囲内で、ポリマースラリー中のゴムポリマーの濃度は、約70vol%以下、好ましくは約65vol%以下、より好ましくは約60vol%以下である。
【0037】
<希釈剤>
この発明の製造方法では、ゴム接着剤の製造には、モノマー、触媒、およびその他の製造に関係する成分を溶解可能であり、炭化水素ゴムには限られた溶解性を示し、好ましくは、炭化水素ゴムは前記の定義に従い実質的に不溶な希釈剤であれば、いかなる希釈剤でも用いることができる。
好ましい希釈剤には、室温で101kPa−a(1atm)のとき気体となる、CからCの炭化水素が含まれる。より好ましい希釈剤には、メチルクロライド、クロロフルオロカーボンなどのクロロカーボンが含まれる。メチルクロライドは最も好ましい希釈剤である。ポリマースラリー中の希釈剤はハイドロフルオロカーボンを含み、あるいは、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤のみから成る。
【0038】
<炭化水素ゴム接着剤を生成する製造プロセス>
ひとつの実施形態では、ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、ゴムポリマースラリー中に、スラリー重合プロセスの間、存在する。別の実施形態では、ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、ゴムポリマースラリー中に、スラリー重合の後に添加される。
次に、ハイドロフルオロカーボン希釈剤を含むポリマースラリーを、C〜C10の炭化水素溶媒、好ましくはC〜Cの炭化水素溶媒に接触させる。
次に、炭化水素ゴムと炭化水素溶媒とを含み、実質的に均一な溶液状(すなわち、固形分の含有量が1wt%未満)の、単一液相の炭化水素ゴム接着剤を、所望の操業温度と圧力下で形成するために、過不足の無い量の希釈剤、炭化水素溶媒、または両者を、溶媒とポリマースラリーの混合物から除去する。
【0039】
ポリマースラリーは、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含有しない希釈剤からなる場合もある。ここで言う実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含有しない希釈剤とは、希釈剤の全量に対し、1wt%未満のハイドロフルオロカーボン希釈剤を含有する希釈剤と定義される。
ひとつの実施形態では、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含有しない希釈剤を含むポリマースラリーを、C〜C10の炭化水素溶媒、好ましくはC〜Cの炭化水素溶媒に接触させる。次に、組み合わされたポリマースラリーと溶媒を、ハイドロフルオロカーボン希釈剤に接触させる。
炭化水素ゴムと炭化水素溶媒とからなる均一な液状の、実質的に均一な単一液相のゴム接着剤を製造するために過不足のない量の、希釈剤、ハイドロフルオロカーボン希釈剤、炭化水素溶媒、あるいはこれらの組合せが、溶媒、ポリマースラリー、ハイドロフルオロカーボン希釈剤の混合物から除去される。
【0040】
ポリマースラリーに添加される炭化水素溶媒の量は、接着剤中の炭化水素ゴムの最終目標濃度に依存し、ゴム接着剤を製造する際に希釈剤とともに除去される分の溶媒の量も含まれる。ポリマースラリー中の希釈剤の量は、反応条件やその他の要因に依存し、スラリー重合プロセスの特性に依る。実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造するために必要な炭化水素溶媒の濃度と、ポリマースラリーから除去すべき希釈剤の量とが、ポリマースラリー中に存在するか、あるいは後でポリマースラリーに添加されるハイドロフルオロカーボン希釈剤の種類と濃度に影響されることが見出されたことは、予想外であった。
【0041】
適切に選択されたハイドロフルオロカーボン希釈剤を含むポリマースラリーは、ハイドロフルオロカーボン希釈剤を含まない希釈剤が用いられた同一ポリマースラリーと同一条件下で比較すると、実質的に均一な単一液相のゴム接着剤を製造するために、より多くの希釈剤、および/または、炭化水素溶媒を除去する必要がある。
すなわち、ハイドロフルオロカーボン希釈剤を含むポリマースラリーから均一ゴム接着剤を製造するとき、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含まない希釈剤を用いる場合と比較して、組み合わされたポリマースラリーと炭化水素溶媒の混合物から、より多くの希釈剤を除去する必要がある。
例えば、ハイドロフルオロカーボン希釈剤を含むポリマースラリーに所定量の炭化水素溶媒を加えた後、実質的に均一なゴム接着剤を製造するためには、希釈剤が実質的にメチルクロライドのみからなる場合と同一条件下で比較した場合、より多くの希釈剤を除去する必要がある。
実質的に均一なゴム接着剤を製造するために希釈剤を除去するとき、未反応のモノマーや、その他の揮発性の不純物も除去される。ハイドロフルオロカーボン希釈剤を適切に選択し、その希釈剤単独、またはメチルクロライド、および/またはその他の希釈剤と組み合わせて用いることにより、同一条件下で比較すると、ハイドロフルオロカーボン希釈剤を用いない場合(すなわち、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含まない希釈剤の場合)よりも、炭化水素ゴムの全量に対しモノマーや他の不純物の含有量が相対的に少ない、実質的に均一なゴム接着剤が製造される。
【0042】
ひとつの実施形態では、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造する製造プロセスは、炭化水素ゴムを含むポリマースラリー、希釈剤、および未反応モノマーを、炭化水素溶媒に接触させる工程と;実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤を除去する工程とを備え、炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした、炭化水素ゴム接着剤中のモノマーの重量分率が、炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした、炭化水素ゴムスラリー中のモノマーの重量分率より少ない。
【0043】
別の実施形態では、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造する製造プロセスは、炭化水素ゴムを含むポリマースラリー、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含まない希釈剤、および炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマーを、炭化水素溶媒に接触させる工程と;実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準として、当初のポリマースラリー中に在ったモノマーの重量分率よりも低い重量分率の未反応モノマーを有する、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤およびハイドロフルオロカーボン希釈剤を除去する工程とを備える。
ひとつの実施形態では、炭化水素溶媒をポリマースラリーに添加する前、炭化水素溶媒をポリマースラリーに添加した後、または、炭化水素溶媒をポリマースラリーに添加するのと同時に、ハイドロフルオロカーボン希釈剤をポリマースラリーに添加することができる。
また、ハイドロフルオロカーボン希釈剤、および/または、炭化水素溶媒を、小分けして、および/または漸増的に、ポリマースラリー、組み合わされたポリマースラリーと炭化水素溶媒の混合物、組み合わされたポリマースラリーとハイドロフルオロカーボン溶媒の混合物、または、これらを組み合わせたものに添加することもできる。
【0044】
従って、ひとつの実施形態では、希釈剤には、実質的に均一なゴム接着剤を製造するために必要な全ハイドロフルオロカーボン希釈剤量のごく一部が含まれており、ゴムの全量に対するモノマーの重量分率が、ゴム接着剤が製造されたポリマースラリー中のゴムの全量に対するモノマーの重量分率よりも少ないという目的に適合する炭化水素ゴム接着剤が得られるように、製造工程のある時点で追加量のハイドロフルオロカーボン希釈剤が添加される。
【0045】
実質的に均一なゴム接着剤を製造するために系外へ除去される希釈剤の量は、炭化水素ゴムスラリーの組成(すなわち、炭化水素ゴムと希釈剤の重量分率)、目的とする炭化水素ゴム接着剤の濃度(すなわち、炭化水素溶媒中の炭化水素ゴムポリマーの重量分率)、および、接着剤中の希釈剤の重量分率の関数で表わされ、炭化水素ゴムの相平衡挙動の温度依存性を示す、組成相平衡図に基づいて決められる。
実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤を除去するとは、相平衡図上において、所与の温度、所与の希釈剤組成、および所与の目的とする炭化水素ゴム接着剤濃度について境界線を画定する組成に対し、±15%、好ましくは±10%、より好ましくは±5%の範囲内の組成となるように、希釈剤を除去することを意味する。
【0046】
例として、ヘキサンベースのブチルゴム接着剤と、ハイドロフルオロカーボンとの組成相平衡図を、比較例のメチルクロライド系の組成相平衡図とともに、図1に示す。
【0047】
<ハイドロフルオロカーボン希釈剤の選択>
この発明のハイドロフルオロカーボン希釈剤は、少なくとも1つの炭素原子と、少なくとも1つの水素原子と、少なくとも1つのフッ素原子とを含む。好ましい実施形態では、ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、実質的に炭素と、水素と、フッ素とからなる。より好ましい実施形態では、ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、実質的に炭素と、水素と、フッ素とからなる飽和化合物である。ハイドロフルオロカーボン希釈剤には、複数のハイドロフルオロカーボン希釈剤の組合せ、1種類のみでの使用、あるいは、他の希釈剤や溶媒との組合せなどが含まれる。
【0048】
好ましくは、ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、25℃、圧力101kPa−a(1atm)のとき、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤の製造に用いられる炭化水素溶媒よりも高い蒸気圧(すなわち、低沸点)の気体となるものである。
好ましい実施形態では、ハイドロフルオロカーボンからなるハイドロフルオロカーボン希釈剤は、式:Cで表される。ここで、前式のxは1から10、または1から9、または1から8、または1から7、または1から6、または1から5、または1から4、または1から3の整数であり、2が最も好ましい。yは少なくとも1である。zは少なくとも1である。好ましい実施形態では、ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、少なくとも2つの炭素原子と少なくとも2つのフッ素原子とを含む。
【0049】
適切なハイドロフルオロカーボン希釈剤の例として、フルオロメタン;ジフルオロメタン;トリフルオロメタン;フルオロエタン;1,1−ジフルオロエタン;1,2−ジフルオロエタン;1,1,1−トリフルオロエタン;1,1,2−トリフルオロエタン;1,1,1,2−テトラフルオロエタン;1,1,2,2−テトラフルオロエタン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン;1,1,1−トリフルオロプロパン;1,1,2−トリフルオロプロパン;1,1,3−トリフルオロプロパン;1,2,2−トリフルオロプロパン;1,2,3−トリフルオロプロパン;1,1,1,2−テトラフルオロプロパン;1,1,1,3−テトラフルオロプロパン;1,1,2,2−テトラフルオロプロパン;1,1,2,3−テトラフルオロプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロプロパン;1,2,2,3−テトラフルオロプロパン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,2,2,3ペンタフルオロプロパン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン;1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン;1,1,1−トリフルオロブタン;1,1,2−トリフルオロブタン;1,1,3−トリフルオロブタン;1,1,4−トリフルオロブタン;1,2,2−トリフルオロブタン;1,2,3−トリフルオロブタン;1,3,3−トリフルオロブタン;2,2,3−トリフルオロブタン;1,1,1,2−テトラフルオロブタン;1,1,1,3−テトラフルオロブタン;1,1,1,4−テトラフルオロブタン;1,1,2,2−テトラフルオロブタン;1,1,2,3−テトラフルオロブタン;1,1,2,4−テトラフルオロブタン;1,1,3,3−テトラフルオロブタン;1,1,3,4−テトラフルオロブタン;1,1,4,4−テトラフルオロブタン;1,2,2,3−テトラフルオロブタン;1,2,2,4−テトラフルオロブタン;1,2,3,3−テトラフルオロブタン;1,2,3,4−テトラフルオロブタン;2,2,3,3−テトラフルオロブタン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン;1,1,1,3,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,4,4−ペンタフルオロブタン;1,1,2,2,3−ペンタフルオロブタン;1,1,2,2,4−ペンタフルオロブタン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロブタン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロブタン;1,1,3,3,4−ペンタフルオロブタン;1,2,2,3,3−ペンタフルオロブタン;1,2,2,3,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,2,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロブタン,1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,2,2,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,3,3,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,3,3,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,4,4 ,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4,4,4−ノナフルオロブタン;1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3−トリフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3−トリフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,2−トリフルオロシクロブタン;1,1,3−トリフルオロシクロブタン;1,2,3−トリフルオロシクロブタン;1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン;1,1,3,3−テトラフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロブタン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロブタン;およびこれらの混合物が挙げられる。
特に好ましいハイドロフルオロカ−ボン希釈剤は、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、および1,1,1,2−テトラフルオロエタンである。
【0050】
不飽和のハイドロフルオロカ−ボン希釈剤の例示として、1,1,2−トリフルオロエセン;1,1,2−トリフルオロプロペン;1,1,3−トリフルオロプロペン;1,2,3−トリフルオロプロペン;1,3,3−トリフルオロプロペン;2,3,3−トリフルオロプロペン;3,3,3−トリフルオロプロペン;1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,2,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,2,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,3,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;2,3,3−トリフルオロ−1−ブテン;2,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;2,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;3,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;3,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,3,4−テトラフルオロ−l −ブテン;1,1,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,3,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−l−ブテン;1,2,3,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1 ,2,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,2,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;2,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,1−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,2−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,3−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,4−トリフルオロ−2−ブテン;1,2,3−トリフルオロ−2−ブテン;1,2,4−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,2,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,2,3,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン; 1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン;およびこれらの混合物、およびこれらと前記の飽和ハイドロフルオロカ−ボン希釈剤との混合物が挙げられる。
【0051】
また、希釈剤は、1以上の上記のハイドロフルオロカーボン希釈剤と、1以上の、飽和または不飽和のアルカン、アルケン、アルキン、またはこれらの組合せのブレンド物から成る。アルカン、アルケン、アルキンの炭素数は、1から10、好ましくは1から5であり、1から3であることが最も好ましい。
【0052】
ひとつの実施形態では、希釈剤は、メチルクロライドとのブレンド物であり、混合物中に存在する希釈剤の全量に対し5から90wt%、または5から80wt%、または5から70wt%、または5から60wt%、または5から50wt%、または5から40wt%、または5から30wt%、または5から20wt%、または5から10wt%のメチルクロライドを含む。
【0053】
別の実施形態では、この発明のポリマースラリーは、実質的にメチルクロライドを含まないことが好ましく、ここで、実質的にメチルクロライドを含まないポリマースラリーとは、1wt%未満のメチルクロライドを含むポリマースラリーを意味する。
【0054】
別の実施形態では、ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、1以上の、二酸化炭素、窒素、水素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、キセノン、および/または他の不活性ガスから選択される希釈ガスと組み合わせて用いられる。好ましいガスは、二酸化炭素、および/または窒素である。
【0055】
ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、ポリマースラリー中に、炭化水素ゴムポリマースラリーに含まれる希釈剤の全量に対し、2wt%から100wt%の範囲で存在する。
この範囲内で、希釈剤は、好ましくは少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも10wt%、好ましくは少なくとも15wt%、好ましくは少なくとも20wt%、好ましくは少なくとも25wt%、好ましくは少なくとも30wt%、好ましくは少なくとも35wt%、好ましくは少なくとも40wt%、好ましくは少なくとも45wt%、好ましくは少なくとも50wt%、好ましくは少なくとも55wt%、好ましくは少なくとも60wt%、好ましくは少なくとも65wt%、好ましくは少なくとも70wt%、好ましくは少なくとも75wt%、好ましくは少なくとも80wt%、好ましくは少なくとも85wt%、好ましくは少なくとも90wt%含まれ、少なくとも95wt%であることが最も好ましい。
好ましくは実施形態では、ハイドロフルオロカーボン希釈剤は、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される。
【0056】
実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤の形成は、ポリマースラリー、組み合わされたポリマースラリーと炭化水素溶媒の混合物などの温度と圧力に影響される。従って、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造するプロセスには、特定の工程において、その構成成分の温度、および/または圧力を変えることが含まれる。
ひとつの実施形態では、この発明の製造プロセスには、ポリマースラリー、ハイドロフルオロカーボン希釈剤、炭化水素溶媒、またはこれらの組合せの、温度を上下させる操作が含まれる。
【0057】
<炭化水素溶媒>
この発明の製造プロセスの炭化水素溶媒は、使用される希釈剤より高い沸点のものであれば、いかなる炭化水素でも用いることができる。好ましくは、炭化水素溶媒は、C〜C10の炭化水素、または複数の炭化水素の組合せから成る。より好ましくは、炭化水素溶媒はC〜Cのアルカンから成る。
この発明で用いられる炭化水素溶媒は、ポリマースラリーと炭化水素溶媒とを接触させる温度と圧力において、炭化水素ゴムスラリー中の所定量の炭化水素ゴムが、ポリマースラリーに添加される量の炭化水素溶媒中に溶解するように選択される。
適切な炭化水素溶媒の非限定的例として、直鎖、分岐、または環状のC〜C10の炭化水素、好ましくはC〜Cの炭化水素が挙げられる。
適切な炭化水素溶媒の具体例には、ブタン,シクロブタン,イソブタン,n−ペンタン,シクロペンタン,n−ヘキサン,メチルシクロペンタン,イソヘキサン,2−メチルペンタン,3−メチルペンタン,2−メチルブタン,2,2−ジメチルブタン,2,3−ジメチルブタン,2−メチルヘキサン,3−メチルヘキサン,3−エチルペンタン,2,2−ジメチルペンタン,2,3−ジメチルペンタン,2,4−ジメチルペンタン,3,3−ジメチルペンタン,2−メチルヘプタン,3−エチルヘキサン,2,5−ジメチルヘキサン,2,2,4−トリメチルペンタン,オクタン,ヘプタン,ノナン,デカン,ドデカン,ウンデカン,1,1−ジメチルシクロペンタン,1,2−ジメチルシクロペンタン,1,3−ジメチルシクロペンタン,エチルシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,オルト−キシレン,パラ−キシレン,メタ−キシレン、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
好ましくは溶媒には、Ultra Low Benzeneタイプのヘキサン(ULBヘキサン)が含まれる。これは、n−ヘキサン,2−メチルペンタン,3−メチルペンタン,メチルシクロペンタン,およびシクロヘキサンなどのC6異性体からなる、好ましいグレードのヘキサンである。これらの異性体のULBヘキサン中の組成は、製造業者により異なる。
【0058】
<希釈剤の除去>
ひとつの実施形態では、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造するプロセスには、ポリマースラリーから希釈剤を除去して実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造する操作が含まれる。また、この希釈剤の除去操作には、炭化水素溶媒の少なくとも一部を除去する操作も含まれる。
希釈剤の除去は、好ましくは蒸留により行なわれ、組み合わされたポリマースラリーと溶媒の混合物を減圧下に置くか(例えば、加圧を解除するか、および/または、混合物を真空引きする)、および/または、系を加熱し、希釈剤の蒸気圧が炭化水素ゴムおよび炭化水素溶媒よりも低いことを利用して炭化水素ゴムから希釈剤を分離することにより、炭化水素ゴム接着剤を製造する。
上記のように、モノマー及びその他の揮発性の不純物も、希釈剤とともにゴムポリマーから除去される。
【0059】
すなわち、この発明のゴム接着剤は、ハイドロフルオロカーボン希釈剤を用いない点を除き同一の条件で製造されたゴム接着剤と比較して、ポリマースラリー中のゴムの全量に対するポリマースラリー中のモノマーの重量分率が、ゴム接着剤中の炭化水素ゴムの全量に対する炭化水素ゴム中のモノマーの重量分率よりも少ない点において、純度が高められている。
すなわち、この発明のゴム接着剤は、炭化水素接着剤の炭化水素ゴムに対する未反応モノマーと他の不純物の重量分率が、ゴム接着剤が製造されたポリマースラリー中の炭化水素ゴムに対するポリマースラリー中の未反応モノマーと他の不純物の重量分率より少ないことを特徴とする。
【0060】
実質的に均一なゴム接着剤を製造するために系外へ除去される希釈剤の量は、炭化水素ゴムスラリーの組成(すなわち、炭化水素ゴムと希釈剤の重量分率)、目的とする炭化水素ゴム接着剤の濃度(すなわち、炭化水素溶媒中の炭化水素ゴムポリマーの重量分率)、および、接着剤中の希釈剤の重量分率の関数で表わされ、炭化水素ゴムの相平衡挙動の温度依存性を示す、組成相平衡図に基づいて決められる。
実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤を除去するとは、相平衡図上において、所与の温度、所与の希釈剤組成、および所与の目的とする炭化水素ゴム接着剤濃度について境界線を画定する組成から、10%を超えない範囲で希釈剤を除去することを意味する。
【0061】
例として、ヘキサンベースのブチルゴム接着剤とハイドロフルオロカーボンからなる系の組成相平衡図を、比較例のメチルクロライド系の組成相平衡図とともに、図1に示す。
【0062】
ひとつの実施形態では、接着剤中の炭化水素ゴムの全量を基準とする炭化水素ゴム中の未反応モノマーの重量分率が、ポリマースラリー中の炭化水素ゴムの全量を基準とするポリマースラリー中の未反応モノマーの重量分率よりも、10%、好ましくは20%、より好ましくは40%少ない。
【0063】
別の実施形態では、接着剤中の炭化水素ゴムの全量を基準とする炭化水素ゴム中の未反応モノマーの重量分率が、ポリマースラリー中の炭化水素ゴムの全量を基準とするポリマースラリー中の未反応モノマーの重量分率よりも、90%、好ましくは80%、より好ましくは60%、さらに好ましくは40%、最も好ましくは20%少ない。
【0064】
好ましい実施形態では、炭化水素ゴム接着剤は、実質的に未反応モノマーを含まない。ここで、実質的に未反応モノマーを含まないとは、未反応モノマーも重量分率が約0.01重量分率以下であることを言う。
【0065】
ひとつの実施形態では、ポリマースラリーから分離されるか、その後の精製工程で分離・回収されたハイドロフルオロカーボン希釈剤、モノマーなどは、再使用されるか、製造工程の適切な工程、あるいは、炭化水素ゴムポリマースラリーの製造工程の適切な工程へ再循環される。すなわち、ポリマースラリーから除去されたハイドロフルオロカーボン希釈剤の少なくとも一部が、新たなポリマースラリーの少なくとも一部を製造するために再循環される。ポリマースラリーから除去された炭化水素溶媒の少なくとも一部も、新たなポリマースラリーを製造するために再循環される。ポリマースラリーから除去されたモノマーの少なくとも一部も、新たな炭化水素ゴムを製造するために再循環される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
この発明の製造プロセスは、種々の用途に用いられるポリマーの生産に適用することができる。この発明の製造プロセスにより製造された炭化水素ゴム接着剤は、モノマー残存量が少ないので、品質が改良されたゴム組成物を製造することができる。ゴムのガス透過性が低いことにより、これらのポリマーの主な用途である、タイヤのインナーチューブやインナーライナーに用いることができる。この特性は、エアークッション、空気バネ、エアーベローズ、アキュームレータバッグ、医薬品用密栓においても重要である。
この発明のポリマーの熱安定性がよいことにより、タイヤのゴム内袋、高温用ホース、高温物品を扱うコンベアーのベルトなどに用いることができる。また、このポリマーは、優れた振動減衰特性を示し、温度と振動数の両者について、広い範囲で優れた振動減衰特性と衝撃吸収特性を示す。また、ゴム成形品に用いることもでき、自動車用バンパー、排気装置、車体部品などに用いられる。
【0067】
この発明の製造プロセスで製造されたゴム接着剤は、タイヤのサイドウォールやトレッド用のコンパウンドに用いることができる。サイドウォールの場合、優れた耐オゾン性、耐クラック性、および優れた外観が付与される。この発明の製造プロセスで製造されたポリマーはブレンド物としても用いられる。適切に配合されたジエンゴムとのブレンド物は共連続相を示し、優れたサイドウォールとなる。この発明の製造プロセスで製造されたポリマーは、高性能タイヤの耐摩耗性や耐ローリング性を犠牲にすることなく、雨、雪、氷に対する耐スキッド特性を向上させることができる。
【0068】
熱可塑性樹脂とゴムポリマーのブレンド物も、これらのコンパウンドを強靭にするために用いられる。高密度ポリエチレンと、アイソタクチックポリプロピレンは、5から30wt%のポリイソブチレンで改良される場合がある。いくつかの用途では、この発明のポリマーにより、熱可塑性成形装置で加工可能な高弾性コンパウンドが提供される。また、この発明の製造プロセスで製造されたポリマーは、ポリアミドとブレンドされ、他の工業的用途に用いられる。
【0069】
また、この発明の製造プロセスで製造されたポリマーは、接着剤、コーキング剤、シーラント、光沢剤に用いることができる。また、ブチルゴム、SBR、天然ゴムの配合処方用の可塑剤に用いることができる。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の場合、ストレッチ包装用フィルムに粘着性を付与することができる。潤滑油の場合、分散剤に用いることができ、製陶や電線の場合、充填剤に用いることができる。
ある用途では、この発明の製造プロセスで製造されたポリマーは、チューイングガムや、医薬品用の密栓、あるいはペイント用のローラーに用いることができる。
【0070】
本願のいくつかの実施形態は、以下に関する。
1.炭化水素ゴム、希釈剤、および未反応モノマーを含むポリマースラリーから、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーを炭化水素溶媒と接触させる工程と、
(b)実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤を除去する工程とを備え、炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴム接着剤中のモノマーの重量分率が、炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴムスラリー中のモノマーの重量分率より少なく、希釈剤がハイドロフルオロカーボンを含む方法。
2.炭化水素ゴム、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含まない希釈剤、および炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含むポリマースラリーから、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーをハイドロフルオロカーボン希釈剤および炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む炭化水素ゴム接着剤を製造するために、少なくとも希釈剤およびハイドロフルオロカーボン希釈剤の一部を除去する工程とを備え、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい方法。
3.既存のカチオン重合スラリー法プラントを改良する方法であって、
(a)炭化水素ゴムと、希釈剤と、ポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマーとを含む、カチオン重合スラリー法プラントからのポリマースラリーを、炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造するために、希釈剤の少なくとも一部を除去する工程とを備え、希釈剤がハイドロフルオロカーボンであり、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい方法。
4.既存のカチオン重合スラリー法プラントを改良する方法であって、
(a)炭化水素ゴム、実質的にハイドロフルオロカーボンを含まない希釈剤、およびポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含む、カチオン重合スラリー法プラントからのポリマースラリーを、ハイドロフルオロカーボン希釈剤および炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む炭化水素ゴム接着剤を製造するために、少なくとも希釈剤およびハイドロフルオロカーボン希釈剤の一部を除去する工程とを備え、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい方法。
5.炭化水素ゴム、希釈剤、およびポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含むポリマースラリーから、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーを炭化水素溶媒と接触させる工程と、
(b)炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、希釈剤の少なくとも一部をポリマースラリーから除去する工程とを備え、希釈剤がハイドロフルオロカーボンを含み、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい方法。
6.ハイドロフルオロカーボンが、少なくとも1つの炭素原子と、少なくとも2つのフッ素原子とからなる、上記のいずれかの方法。
7.ハイドロフルオロカーボンが1,1−ジフルオロエタンである、上記のいずれかの方法。
8.ハイドロフルオロカーボンが1,1,1,2−テトラフルオロエタンである、上記のいずれかの方法。
9.ハイドロフルオロカーボンが実質的に水素と、炭素と、フッ素からなる、上記のいずれかの方法。
10.炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴム接着剤中の未反応モノマーの重量分率が、ポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準としたポリマースラリー中の未反応モノマーの重量分率より少ない、上記のいずれかの方法。
11.希釈剤がさらにメチルクロライドを含む、上記のいずれかの方法。
12.炭化水素ゴムが、イソブチレン、イソプレン、パラ−メチルスチレン、およびこれらの組み合わせによる、ポリマーおよび/またはコポリマーからなる、上記のいずれかの方法。
13.希釈剤が実質的にハイドロフルオロカーボンのみからなる、上記のいずれかの方法。
14.ポリマースラリーが、C〜Cのイソオレフィンポリマーを製造するためのカチオンスラリー重合法で製造される、上記のいずれかの方法。
15.ポリマースラリーが約10vol%以上の固形分を含む、上記のいずれかの方法。
16.ポリマースラリーを、約−20℃以下の温度で炭化水素溶媒と接触させる、上記のいずれかの方法。
17.炭化水素接着剤中の炭化水素ゴムの全重量を基準とした炭化水素接着剤中の未反応モノマーの重量分率が、ポリマースラリー中の炭化水素ゴムの全重量を基準としたポリマースラリー中の未反応モノマーの重量分率の80%未満である、上記のいずれかの方法。
18.炭化水素ゴム接着剤が実質的に未反応モノマーを含まない、上記のいずれかの方法。
19.ハイドロフルオロカーボン希釈剤が、25℃、ある力101.3kPa−aにおいて気体である、上記のいずれかの方法。
20.ハイドロフルオロカーボンが式Cで表され、xは1から10の整数であり、yは1以上であり、zは1以上である、上記のいずれかの方法。
21.ハイドロフルオロカーボンが、フルオロメタン;ジフルオロメタン;トリフルオロメタン;フルオロエタン;1,1−ジフルオロエタン;1,2−ジフルオロエタン;1,1,1−トリフルオロエタン;1,1,2−トリフルオロエタン;1,1,1,2−テトラフルオロエタン;1,1,2,2−テトラフルオロエタン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン;1,1,1−トリフルオロプロパン;1,1,2−トリフルオロプロパン;1,1,3−トリフルオロプロパン;1,2,2−トリフルオロプロパン;1,2,3−トリフルオロプロパン;1,1,1,2−テトラフルオロプロパン;1,1,1,3−テトラフルオロプロパン;1,1,2,2−テトラフルオロプロパン;1,1,2,3−テトラフルオロプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロプロパン;1,2,2,3−テトラフルオロプロパン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,2,2,3ペンタフルオロプロパン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン;1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン;1,1,1−トリフルオロブタン;1,1,2−トリフルオロブタン;1,1,3−トリフルオロブタン;1,1,4−トリフルオロブタン;1,2,2−トリフルオロブタン;1,2,3−トリフルオロブタン;1,3,3−トリフルオロブタン;2,2,3−トリフルオロブタン;1,1,1,2−テトラフルオロブタン;1,1,1,3−テトラフルオロブタン;1,1,1,4−テトラフルオロブタン;1,1,2,2−テトラフルオロブタン;1,1,2,3−テトラフルオロブタン;1,1,2,4−テトラフルオロブタン;1,1,3,3−テトラフルオロブタン;1,1,3,4−テトラフルオロブタン;1,1,4,4−テトラフルオロブタン;1,2,2,3−テトラフルオロブタン;1,2,2,4−テトラフルオロブタン;1,2,3,3−テトラフルオロブタン;1,2,3,4−テトラフルオロブタン;2,2,3,3−テトラフルオロブタン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン;1,1,1,3,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,4,4−ペンタフルオロブタン;1,1,2,2,3−ペンタフルオロブタン;1,1,2,2,4−ペンタフルオロブタン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロブタン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロブタン;1,1,3,3,4−ペンタフルオロブタン;1,2,2,3,3−ペンタフルオロブタン;1,2,2,3,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,2,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロブタン,1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,2,2,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,3,3,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,3,3,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,4,4 ,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4,4,4−ノナフルオロブタン;1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3−トリフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3−トリフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,2−トリフルオロシクロブタン;1,1,3−トリフルオロシクロブタン;1,2,3−トリフルオロシクロブタン;1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン;1,1,3,3−テトラフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロブタン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロブタン;1,1,2−トリフルオロエセン;1,1,2−トリフルオロプロペン;1,1,3−トリフルオロプロペン;1,2,3−トリフルオロプロペン;1,3,3−トリフルオロプロペン;2,3,3−トリフルオロプロペン;3,3,3−トリフルオロプロペン;1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,2,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,2,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,3,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;2,3,3−トリフルオロ−1−ブテン;2,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;2,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;3,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;3,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,3,4−テトラフルオロ−l −ブテン;1,1,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,3,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−l−ブテン;1,2,3,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1 ,2,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,2,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;2,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,1−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,2−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,3−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,4−トリフルオロ−2−ブテン;1,2,3−トリフルオロ−2−ブテン;1,2,4−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,2,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,2,3,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン; 1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン;およびこれらの混合物からなる群から選択される、上記のいずれかの方法。
22.炭化水素溶媒が、C〜C10の炭化水素からなる、上記のいずれかの方法。
23.炭化水素溶媒が、直鎖、分岐または環状のC〜Cの炭化水素からなる、上記のいずれかの方法。
24.炭化水素溶媒が、C〜Cのアルカンからなる、上記のいずれかの方法。
25.炭化水素溶媒が、ブタン,シクロブタン,イソブタン,n−ペンタン,シクロペンタン,n−ヘキサン,メチルシクロペンタン,イソヘキサン,2−メチルペンタン,3−メチルペンタン,2−メチルブタン,2,2−ジメチルブタン,2,3−ジメチルブタン,2−メチルヘキサン,3−メチルヘキサン,3−エチルペンタン,2,2−ジメチルペンタン,2,3−ジメチルペンタン,2,4−ジメチルペンタン,3,3−ジメチルペンタン,2−メチルヘプタン,3−エチルヘキサン,2,5−ジメチルヘキサン,2,2,4−トリメチルペンタン,オクタン,ヘプタン,ノナン,デカン,ドデカン,ウンデカン,1,1−ジメチルシクロペンタン,1,2−ジメチルシクロペンタン,1,3−ジメチルシクロペンタン,エチルシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,オルト−キシレン,パラ−キシレン,メタ−キシレン、およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される、上記のいずれかの方法。
26.炭化水素溶媒が、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、メチルシクロペンタン、および/またはシクロヘキサンの混合物である、上記のいずれかの方法。
27.さらに、
(c)少なくとも一部のハイドロフルオロカーボンをポリマースラリーから除去する工程と、
(d)除去されたハイドロフルオロカーボンの少なくとも一部を、新たなポリマースラリーを製造するために再循環する工程とを含む、上記のいずれかの方法。
28.さらに、
(c)少なくとも一部の炭化水素溶媒を除去する工程と、
(d)除去された炭化水素溶媒の少なくとも一部を、新たなポリマースラリーを製造するために再循環する工程とを含む、上記のいずれかの方法。
29.さらに、
(c)少なくとも一部のモノマーを除去する工程と、
(d)除去されたモノマーの少なくとも一部を、新たな炭化水素ゴムを製造するために再循環する工程とを含む、上記のいずれかの方法。
30.さらに、ポリマースラリー、またはポリマースラリーと炭化水素溶媒の混合物の、温度および/または圧力を調整する工程を含む、上記のいずれかの方法。
31.最終的混合物が実質的に均一な液相に保たれるように、最終的混合物の、温度と圧力、炭化水素溶媒の重量分率、および/または、希釈剤の重量分率を調整する工程を含む、上記のいずれかの方法。
32.上記のいずれかの方法で製造された炭化水素ゴム接着剤組成物。
【0071】
本願に引用された特許文献と特許出願、試験方法(ASTMなど)、およびその他の文献は、本願の開示内容に反しない範囲で、それが許される法域において、本願に参照として組み込まれる。
【0072】
本願に複数の上限値と下限値が記載されているときは、いずれかの下限値からいずれかの上限値までの範囲が考慮される。
【0073】
この発明について実施形態に基づき説明したが、当業者であれば、この発明の真髄から離れることなく、明細書に開示された事項に基づき、種々の変更、修正を行なうことが可能であろう。従って本願発明の範囲は実施形態に限定されず、当業者であればこの発明と均等と認められる範囲を含め、本願に開示された全ての新規で特許性のある事項が含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素ゴム、希釈剤、および未反応モノマーを含むポリマースラリーから、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーを炭化水素溶媒と接触させる工程と、
(b)実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、過不足の無い量の希釈剤を除去する工程とを備え、炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴム接着剤中のモノマーの重量分率が、炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴムスラリー中のモノマーの重量分率より少なく、希釈剤がハイドロフルオロカーボンを含む方法。
【請求項2】
炭化水素ゴム、実質的にハイドロフルオロカーボン希釈剤を含まない希釈剤、および炭化水素ゴムスラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含むポリマースラリーから、実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーをハイドロフルオロカーボン希釈剤および炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む炭化水素ゴム接着剤を製造するために、少なくとも希釈剤およびハイドロフルオロカーボン希釈剤の一部を除去する工程とを備え、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい方法。
【請求項3】
既存のカチオン重合スラリー法プラントを改良する方法であって、
(a)炭化水素ゴムと、希釈剤と、ポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマーとを含む、カチオン重合スラリー法プラントからのポリマースラリーを、炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤を製造するために、希釈剤の少なくとも一部を除去する工程とを備え、希釈剤がハイドロフルオロカーボンであり、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい方法。
【請求項4】
既存のカチオン重合スラリー法プラントを改良する方法であって、
(a)炭化水素ゴム、実質的にハイドロフルオロカーボンを含まない希釈剤、およびポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含む、カチオン重合スラリー法プラントからのポリマースラリーを、ハイドロフルオロカーボン希釈剤および炭化水素溶媒に接触させる工程と、
(b)実質的に均一な炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む炭化水素ゴム接着剤を製造するために、少なくとも希釈剤およびハイドロフルオロカーボン希釈剤の一部を除去する工程とを備え、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい方法。
【請求項5】
炭化水素ゴム、希釈剤、およびポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第1重量分率の未反応モノマー、を含むポリマースラリーから、実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造する方法であって、
(a)ポリマースラリーを炭化水素溶媒と接触させる工程と、
(b)炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした第2重量分率の未反応モノマーを含む実質的に均一な単一液相の炭化水素ゴム接着剤を製造するために、希釈剤の少なくとも一部をポリマースラリーから除去する工程とを備え、希釈剤がハイドロフルオロカーボンを含み、第1重量分率の方が第2重量分率より大きい方法。
【請求項6】
ハイドロフルオロカーボンが、少なくとも1つの炭素原子と、少なくとも2つのフッ素原子とからなる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ハイドロフルオロカーボンが1,1−ジフルオロエタンである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ハイドロフルオロカーボンが1,1,1,2−テトラフルオロエタンである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ハイドロフルオロカーボンが実質的に水素と、炭素と、フッ素からなる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
炭化水素ゴム接着剤中に在る炭化水素ゴムの全量を基準とした炭化水素ゴム接着剤中の未反応モノマーの重量分率が、ポリマースラリー中に在る炭化水素ゴムの全量を基準としたポリマースラリー中の未反応モノマーの重量分率より少ない、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
希釈剤がさらにメチルクロライドを含む、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
炭化水素ゴムが、イソブチレン、イソプレン、パラ−メチルスチレン、およびこれらの組み合わせによる、ポリマーおよび/またはコポリマーからなる、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
希釈剤が実質的にハイドロフルオロカーボンのみからなる、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ポリマースラリーが、C〜Cのイソオレフィンポリマーを製造するためのカチオンスラリー重合法で製造される、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ポリマースラリーが約10vol%以上の固形分を含む、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ポリマースラリーを、約−20℃以下の温度で炭化水素溶媒と接触させる、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
炭化水素接着剤中の炭化水素ゴムの全重量を基準とした炭化水素接着剤中の未反応モノマーの重量分率が、ポリマースラリー中の炭化水素ゴムの全重量を基準としたポリマースラリー中の未反応モノマーの重量分率の80%未満である、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
炭化水素ゴム接着剤が実質的に未反応モノマーを含まない、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ハイドロフルオロカーボン希釈剤が、25℃、ある力101.3kPa−aにおいて気体である、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
ハイドロフルオロカーボンが式Cで表され、xは1から10の整数であり、yは1以上であり、zは1以上である、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ハイドロフルオロカーボンが、フルオロメタン;ジフルオロメタン;トリフルオロメタン;フルオロエタン;1,1−ジフルオロエタン;1,2−ジフルオロエタン;1,1,1−トリフルオロエタン;1,1,2−トリフルオロエタン;1,1,1,2−テトラフルオロエタン;1,1,2,2−テトラフルオロエタン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン;1,1,1−トリフルオロプロパン;1,1,2−トリフルオロプロパン;1,1,3−トリフルオロプロパン;1,2,2−トリフルオロプロパン;1,2,3−トリフルオロプロパン;1,1,1,2−テトラフルオロプロパン;1,1,1,3−テトラフルオロプロパン;1,1,2,2−テトラフルオロプロパン;1,1,2,3−テトラフルオロプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロプロパン;1,2,2,3−テトラフルオロプロパン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,2,2,3ペンタフルオロプロパン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン;1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン;1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン;1,1,1−トリフルオロブタン;1,1,2−トリフルオロブタン;1,1,3−トリフルオロブタン;1,1,4−トリフルオロブタン;1,2,2−トリフルオロブタン;1,2,3−トリフルオロブタン;1,3,3−トリフルオロブタン;2,2,3−トリフルオロブタン;1,1,1,2−テトラフルオロブタン;1,1,1,3−テトラフルオロブタン;1,1,1,4−テトラフルオロブタン;1,1,2,2−テトラフルオロブタン;1,1,2,3−テトラフルオロブタン;1,1,2,4−テトラフルオロブタン;1,1,3,3−テトラフルオロブタン;1,1,3,4−テトラフルオロブタン;1,1,4,4−テトラフルオロブタン;1,2,2,3−テトラフルオロブタン;1,2,2,4−テトラフルオロブタン;1,2,3,3−テトラフルオロブタン;1,2,3,4−テトラフルオロブタン;2,2,3,3−テトラフルオロブタン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン;1,1,1,3,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,4,4−ペンタフルオロブタン;1,1,2,2,3−ペンタフルオロブタン;1,1,2,2,4−ペンタフルオロブタン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロブタン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロブタン;1,1,3,3,4−ペンタフルオロブタン;1,2,2,3,3−ペンタフルオロブタン;1,2,2,3,4−ペンタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,2,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロブタン,1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,2,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロブタン;1,2,2,3,3,4−ヘキサフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,3,3,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,3,3,4,4−ヘプタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,4,4 ,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブタン;1,1,1,2,2,3,4,4,4−ノナフルオロブタン;1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3−トリフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3−トリフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2−メチルプロパン;1,1,3,3−テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン;1,1,2−トリフルオロシクロブタン;1,1,3−トリフルオロシクロブタン;1,2,3−トリフルオロシクロブタン;1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン;1,1,3,3−テトラフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロブタン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン;1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロブタン;1,1,2−トリフルオロエセン;1,1,2−トリフルオロプロペン;1,1,3−トリフルオロプロペン;1,2,3−トリフルオロプロペン;1,3,3−トリフルオロプロペン;2,3,3−トリフルオロプロペン;3,3,3−トリフルオロプロペン;1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,2,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,2,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,3,3−トリフルオロ−1−ブテン;1,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;2,3,3−トリフルオロ−1−ブテン;2,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;2,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;3,3,4−トリフルオロ−1−ブテン;3,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,3,4−テトラフルオロ−l−ブテン;1,1,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,2,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,3,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−l−ブテン;1,2,3,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1 ,2,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,2,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;2,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン;1,1,1−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,2−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,3−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,4−トリフルオロ−2−ブテン;1,2,3−トリフルオロ−2−ブテン;1,2,4−トリフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,2,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,2,3,4−テトラフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン; 1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン;1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン;およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から請求項5および請求項10から請求項20の、いずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
炭化水素溶媒が、C〜C10の炭化水素からなる、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
炭化水素溶媒が、直鎖、分岐または環状のC〜Cの炭化水素からなる、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
炭化水素溶媒が、C〜Cのアルカンからなる、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
炭化水素溶媒が、ブタン,シクロブタン,イソブタン,n−ペンタン,シクロペンタン,n−ヘキサン,メチルシクロペンタン,イソヘキサン,2−メチルペンタン,3−メチルペンタン,2−メチルブタン,2,2−ジメチルブタン,2,3−ジメチルブタン,2−メチルヘキサン,3−メチルヘキサン,3−エチルペンタン,2,2−ジメチルペンタン,2,3−ジメチルペンタン,2,4−ジメチルペンタン,3,3−ジメチルペンタン,2−メチルヘプタン,3−エチルヘキサン,2,5−ジメチルヘキサン,2,2,4−トリメチルペンタン,オクタン,ヘプタン,ノナン,デカン,ドデカン,ウンデカン,1,1−ジメチルシクロペンタン,1,2−ジメチルシクロペンタン,1,3−ジメチルシクロペンタン,エチルシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,オルト−キシレン,パラ−キシレン,メタ−キシレン、およびこれらの組み合わせ、からなる群から選択される、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
炭化水素溶媒が、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、メチルシクロペンタン、および/またはシクロヘキサンの混合物である、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
さらに、
(c)少なくとも一部のハイドロフルオロカーボンをポリマースラリーから除去する工程と、
(d)除去されたハイドロフルオロカーボンの少なくとも一部を、新たなポリマースラリーを製造するために再循環する工程とを含む、請求項1から請求項26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
さらに、
(c)少なくとも一部の炭化水素溶媒を除去する工程と、
(d)除去された炭化水素溶媒の少なくとも一部を、新たなポリマースラリーを製造するために再循環する工程とを含む、請求項1から請求項27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
さらに、
(c)少なくとも一部のモノマーを除去する工程と、
(d)除去されたモノマーの少なくとも一部を、新たな炭化水素ゴムを製造するために再循環する工程とを含む、請求項1から請求項28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
さらに、ポリマースラリー、またはポリマースラリーと炭化水素溶媒の混合物の、温度および/または圧力を調整する工程を含む、請求項1から請求項29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
さらに、最終的混合物が実質的に均一な液相に保たれるように、最終的混合物の、温度、圧力、炭化水素溶媒の重量分率、および/または、希釈剤の重量分率を調整する工程を含む、請求項1から請求項29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
請求項1から請求項31のいずれか1項に記載の方法で製造された炭化水素ゴム接着剤組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2009−541575(P2009−541575A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518109(P2009−518109)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/011041
【国際公開番号】WO2008/002352
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】