ハイブリッドチラー
【課題】 フリークーリング機能を構築する観点から熱交換器の熱交換面積をより大きくして熱交換効率及び省エネルギ性を高めるとともに、大型化する不具合を解消し、散水ノズル等を利用した本来の冷却能力を十分に確保する。
【解決手段】 第二冷却系M2における熱交換器3を、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dの組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a,3b,3c,3dの一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの各熱交換盤部3a,3b,3c,3dにより区画される四つの空間Sab,Sbc,Scd,Sdaにおける相対向する位置関係にある任意の二つの空間Sab,Scdをケーシング5の送風入口6に連通させ、かつ他の二つの空間Sbc,Sdaをケーシング5の送風出口7に連通させる。
【解決手段】 第二冷却系M2における熱交換器3を、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dの組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a,3b,3c,3dの一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの各熱交換盤部3a,3b,3c,3dにより区画される四つの空間Sab,Sbc,Scd,Sdaにおける相対向する位置関係にある任意の二つの空間Sab,Scdをケーシング5の送風入口6に連通させ、かつ他の二つの空間Sbc,Sdaをケーシング5の送風出口7に連通させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気と冷却液の熱交換を行うフリークーリング機能を備えるハイブリッドチラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外気の低温環境を直接利用するフリークーリング機能を備えるハイブリッドチラーは、特許文献1で開示される冷却装置及び特許文献2で開示される冷却装置が知られている。
【0003】
前者の冷却装置は、冷却効率を高めることを目的として、送風装置を備えた冷却塔内に、冷却水を冷却する冷却水コイルと冷凍機の冷媒を冷却するコンデンサコイルとを同じプレートフィンチューブ型熱交換器内に配管した熱交換ユニットを設け、外気温度が低いときは冷凍機の運転を停止して熱交換ユニット内に冷却水のみを通し、外気温度が高いときは冷凍機を運転して冷却水を冷凍機の蒸発器にのみ通して熱交換ユニット内に冷凍機の冷媒のみを通し、外気温度によって冷却水と冷媒のいずれか一方を冷却塔で冷却する構成を備えたものであり、また、後者の冷却装置は、同様に冷却効率を高めることを目的として、伝熱パイプに被冷却流体を通し、ファンによって伝熱パイプを冷却する冷却塔において、被冷却流体が通過する伝熱パイプにフィンを設けたラジエターを冷却塔の外側部に設け、圧縮機、コンデンサ、膨張弁、蒸発器からなり、冷媒を圧縮、膨張を繰り返し運転するチラーを設け、コンデンサは、伝熱パイプにフィンを設けたフィン付コンデンサに設けてラジエターの内側に配置し、冷却塔のファンによってラジエターとコンデンサに送風し、冷却すべき機器から戻る被冷却流体をラジエターからチラーの蒸発器を通して冷却し、冷却すべき機器に送り出すことができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−234055号公報
【特許文献2】特開2000−266447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1及び2で開示される冷却装置(ハイブリッドチラー)をはじめ、従来におけるこの種のハイブリッドチラーは次のような問題点があった。
【0006】
第一に、外気の低温環境をそのまま利用するフリークーリング機能を備えるため、外気と冷却液を熱交換する熱交換器の熱交換面積をできるだけ大きくして熱交換効率(冷却効率)を高めることが望ましいが、従来の冷却装置は、熱交換器における熱交換面積をより大きくする側面からは必ずしも十分であるとは言えず、フリークーリング機能を担う熱交換器の熱交換効率及び省エネルギ性を高める観点からは更なる改善の余地があった。
【0007】
第二に、外気が十分な低温環境にない場合、通常、熱交換器に対する送風方向の上流側に散水し、この散水したミストが蒸発する際の潜熱を利用することにより冷却能力をより高めているが、この際に使用する散水ノズル(散水機構)の適切な配設スペースを確保しにくい。即ち、散水ノズルから散水されるミストを、熱交換器のより広い範囲に拡散させるには、散水ノズルを、熱交換器からある程度離れた上流側の位置に配することが望ましいが、熱交換器の上流側には適切な配設スペースが存在しないため、散水ノズルを設ける際には、別途、配設スペースを確保する必要があり、装置全体の大型化を招くとともに、散水ノズルを用いた本来の冷却能力を十分に確保できない虞れもある。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したハイブリッドチラーの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するため、冷却液Lを冷却する冷却装置2を用いた第一冷却系M1と、送風ファン4により送風される外気Wと冷却液Lの熱交換を行う熱交換器3を有する第二冷却系M2と、少なくとも第一冷却系M1又は第二冷却系M2を用いて冷却液Lを冷却する制御を行う制御系Mcとを備えてなるハイブリッドチラー1を構成するに際して、第二冷却系M2における熱交換器3を、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dの組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a,3b,3c,3dの一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの各熱交換盤部3a,3b,3c,3dにより区画される四つの空間Sab,Sbc,Scd,Sdaにおける相対向する位置関係にある任意の二つの空間Sab,Scdをケーシング5の送風入口6に連通させ、かつ他の二つの空間Sbc,Sdaをケーシング5の送風出口7に連通させてなることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dは、平面視又は側面視においてX形に配設することができる。一方、冷却装置2は、凝縮器8を有する冷凍サイクルCにより構成し、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dを、送風ファン4の送風方向Fwにおける上流側から凝縮器8に対面させて配設することができる。また、凝縮器8は、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成し、中央の山折部Ex,Eyを対向させて配設するとともに、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dを、二つの凝縮ユニット部8x,8yにおける山折部Ex,Eyの両側位置にそれぞれ配設することができる。他方、送風ファン4は、送風出口7に連通する二つの空間Sbc,Sdaに対して共用する位置に配設することができる。さらに、送風入口6を設けるに際しては、ケーシング5の側面パネル部5s,5tに側面送風入口6s,6tを設けるとともに、上面パネル部5uに上面送風入口6su,6tuを設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
このような構成を有する本発明に係るハイブリッドチラー1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0012】
(1) 第二冷却系M2における熱交換器3を、四つの熱交換盤部3a…の組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a…の一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの各熱交換盤部3a…により区画される四つの空間Sab…における相対向する位置関係にある任意の二つの空間Sab…をケーシング5の送風入口6に連通させ、かつ他の二つの空間Sbc…をケーシング5の送風出口7に連通させてなるため、フリークーリング機能を構築する観点から熱交換器3の熱交換面積を可及的に大きくすることができ、ハイブリッドチラー1の熱交換効率、更には省エネルギ性をより高めることができる。
【0013】
(2) 四つの熱交換盤部3a…により区画される四つの空間Sab…が形成されるため、熱交換器3に対する送風方向Fwの上流側に十分な配設スペースを確保できる。これにより、例えば、散水ノズル(散水機構)を配設するに際しても、別途、配設スペースを確保することなく、散水によるミストをより広い範囲に拡散できる最適位置を選定できる。したがって、ハイブリッドチラー1が大型化する不具合を回避できるとともに、散水ノズル等の付属機構を利用した本来の冷却能力を十分に確保できる。
【0014】
(3) 好適な態様により、各熱交換盤部3a…は、平面視又は側面視においてX形に配設できるため、送風入口6の位置をケーシング5の側面パネル部に選定した場合であっても、送風出口7の向きや数量を、使用環境等に対応させて柔軟に選定(設定)することができる。また、各熱交換盤部3a…を、平面視又は側面視においてケーシング5の対角線位置に配設できるため、ハイブリッドチラー1の小型化にも寄与できる。
【0015】
(4) 好適な態様により、冷却装置2を、凝縮器8を有する冷凍サイクルCにより構成し、各熱交換盤部3a…を、送風ファン4の送風方向Fwにおける上流側から凝縮器8に対面させて配設すれば、凝縮器8及び各熱交換盤部3a…を配設する際のデッドスペースが無くなり、全体の小型化に寄与できるとともに、送風ファン4の共用化を容易に実現できる。加えて、通常、熱交換盤部3a…の温度は、凝縮器8の温度よりも低くなるため、送風方向Fwを考慮すれば、より効率的な熱交換を行わせることができる。
【0016】
(5) 好適な態様により、凝縮器8を、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成し、中央の山折部Ex,Eyを対向させて配設するとともに、四つの熱交換盤部3a…を、二つの凝縮ユニット部8x,8yにおける山折部Ex,Eyの両側位置にそれぞれ配設すれば、組付性、更には組付時の機械的剛性を高めることができるとともに、凝縮器8及び熱交換器3に係わる位置決めも容易かつ正確に行うことができる。
【0017】
(6) 好適な態様により、送風ファン4を、送風出口7に連通する二つの空間Sbc,Sdaに対して共用する位置に配設すれば、基本的には一台の送風ファン4で足りるため、全体の小型化,コストダウン及び省電力化に寄与できる。
【0018】
(7) 好適な態様により、送風入口6を設けるに際し、ケーシング5の側面パネル部5s,5tに側面送風入口6s,6tを設けるとともに、上面パネル部5uに上面送風入口6su,6tuを設ければ、送風入口6の全体の面積をより大きくできるとともに、外気Wの流入方向の選択が可能になるため、ハイブリッドチラー1の最適な設置態様を選択できる。例えば、上面送風入口6su,6tuのみを選択すれば、複数台のハイブリッドチラー1…を隙間無く並べて連結使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好適実施形態に係るハイブリッドチラーの主要部を明示する模式的斜視図、
【図2】同ハイブリッドチラーの主要部を明示する模式的断面平面図、
【図3】同ハイブリッドチラーに備える熱交換盤部の一部破断正面図、
【図4】同ハイブリッドチラーに備える熱交換盤部の下部一部を拡大及び破断して示す側面図、
【図5】同ハイブリッドチラーの送風経路を明示する模式的斜視図、
【図6】同ハイブリッドチラーの系統回路図、
【図7】同ハイブリッドチラーの動作を示すフローチャート、
【図8】同ハイブリッドチラーの優位性を説明するための原理図、
【図9】同ハイブリッドチラーを複数台使用する場合の接続系統図、
【図10】本発明の変更実施形態に係るハイブリッドチラーの主要部を明示する模式的側面図、
【図11】本発明の他の変更実施形態に係るハイブリッドチラーの主要部を明示する模式的正面図、
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
まず、本実施形態に係るハイブリッドチラー1の全体構造について、図1〜図6及び図8を参照して説明する。
【0022】
ハイブリッドチラー1は、図1に示すように、全体を直方体状に形成したケーシング5を備え、このケーシング5の上部内部は熱交換室Rcとして構成し、下部内部は収納室Riとして構成する。そして、熱交換室Rcの内部には、第一冷却系M1の凝縮器8と第二冷却系M2の熱交換器3を配設する。この場合、凝縮器8は、図6に示すように、冷媒が循環する冷凍サイクルCの一部となり、この冷凍サイクルCは第一冷却系M1における冷却装置2を構成する。一方、熱交換器3は、図6に示すように、外気Wと冷却液Lの熱交換を行う第二冷却系M2を構成する。冷却装置2(第一冷却系M1)及び第二冷却系M2は、いずれも後述する冷却液Lを冷却する機能を備え、特に、第二冷却系M2はフリークーリング機能を有している。
【0023】
また、凝縮器8は、図2に示すように、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成し、中央の山折部Ex,Eyを対向させて配設する。したがって、平面視による凝縮器8の全体形状はX形となる。一方の凝縮ユニット部8xは、一般的な凝縮器構造、即ち、冷媒を通す冷媒管をジグザグ形状に湾曲形成した冷媒管ユニットの外周面に多数の放熱用フィンを付設し、冷媒管ユニットの中央をくの字形に折曲させた形態を有している。他方の凝縮ユニット部8yも凝縮ユニット部8xと同様に構成し、二つの凝縮ユニット部8xと8yは並列接続により使用する。
【0024】
一方、熱交換器3は、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dの組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a,3b,3c,3dの一辺側を近接させることによりX形に配設する。したがって、図2に示すように、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dは、二つの凝縮ユニット部8xと8yにおける山折部Ex,Eyの両側位置にそれぞれ対面させて配設する。なお、X形とは厳密なX形状を意味するものではなく、X形に類似し、本発明の作用及び効果を奏することができる各種形状を含む概念である。この場合、各熱交換盤部3a…は、各凝縮ユニット部8x,8yに対して後述する送風ファン4の送風方向Fwにおける上流側に配する。このように、各熱交換盤部3a…を、送風ファン4の送風方向Fwにおける上流側から凝縮器8(凝縮ユニット部8x,8y)に対面させれば、凝縮器8及び各熱交換盤部3a…を配設する際のデッドスペースが無くなり、全体の小型化に寄与できるとともに、送風ファン4の共用化を容易に実現できる。加えて、通常、熱交換盤部3a…の温度は、凝縮器8の温度よりも低くなるため、送風方向Fwを考慮すれば、より効率的な熱交換を行わせることができる。
【0025】
一つの熱交換盤部3aは、図3及び図4に示すように、冷却液Lを通す冷却液管11をジグザグ形状に湾曲形成した1パスPpを複数パス(例示は5パス)用意し、順次配列させた複数のパスPp…の外周面に多数の放熱用フィン12…を付設して単位熱交換盤部Csを構成するとともに、図3に示すように、二つの単位熱交換盤部Cs,Csを上下に連結し、熱交換盤部3aとして構成する。この場合、1パスPpは、図4に示すように、自然落下により内部の冷却液Lが流出する際に、冷却液Lが内部に残存しないように、冷却液管11の上側に位置する流出口11eから下側に位置する流入口11iまで、全ての部位で下降傾斜又は水平となるように考慮する。他の熱交換盤部3b,3c及び3dも、熱交換盤部3aと同様に構成する。
【0026】
また、各単位熱交換盤部Csは、流入側ヘッダ部13iと流出側ヘッダ部13eを備え、各パスPp…の流入口11i…を流入側ヘッダ部13iに接続するとともに、各パスPp…の流出口11e…を流出側ヘッダ部13eに接続する。なお、上下に配する各単位熱交換盤部Cs…における流入側ヘッダ部13i…と流出側ヘッダ部13e…の形態は異ならせている。この場合、上側の単位熱交換盤部Csにおける流入側ヘッダ部13i及び流出側ヘッダ部13eと、下側の単位熱交換盤部Csにおける流入側ヘッダ部13i及び流出側ヘッダ部13eは相互に接続するとともに、上側の単位熱交換盤部Csにおける流出側ヘッダ部13eの上端には電磁開閉弁等を用いた凍結防止用の給気弁14を接続し、かつ流入側ヘッダ部13iの上端は終端となるように閉塞構成とする。そして、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dにおける流入側ヘッダ部13i…同士及び流出側ヘッダ部13e…同士は並列に接続する。
【0027】
二つの凝縮ユニット部8xと8y及び各凝縮ユニット部8xと8yに取付けた四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dは、図1に示すように、熱交換室Rcの底面を構成する底面パネル部Rcdの上に一体に設置(固定)する。この際、凝縮器8は、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成し、中央の山折部Ex,Eyを対向させて配設するとともに、四つの熱交換盤部3a…を、二つの凝縮ユニット部8x,8yにおける山折部Ex,Eyの両側位置にそれぞれ配設するため、組付性、更には組付時の機械的剛性を高めることができるとともに、凝縮器8及び熱交換器3に係わる位置決めも容易かつ正確に行うことができる。
【0028】
この場合、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dは、図2に示すように、平面視において、ケーシング5の対角線位置に配設する。このように、各熱交換盤部3a…は、平面視においてケーシング5の対角線位置に配設できるため、ハイブリッドチラー1の小型化に寄与できる。そして、四つの各熱交換盤部3a,3b,3c,3dにより区画される四つの空間Sab,Sbc,Scd,Sdaにおける相対向する位置関係にある二つの空間Sab,Scdは送風入口側とし、この空間Sab,Scdに臨むケーシング5の左右両側に位置する側面パネル部5s,5tに、外気Wが流入する側面送風入口6s,6tをそれぞれ形成する。
【0029】
さらに、ケーシング5の上面パネル部5uの中央には送風出口7を形成するとともに、この送風出口7の両側に、上面送風入口6su,6tuをそれぞれ形成する。この場合、送風出口7は、残りの二つの空間Sbc,Sdaに対して上方から連通する。このように、送風入口6は、側面パネル部5s,5tの側面送風入口6s,6tと上面パネル部5uの上面送風入口6su,6tuの計四つの開口により構成されるため、送風入口6の全体の面積をより大きくできるとともに、外気Wの流入方向の選択が可能になるため、ハイブリッドチラー1の最適な設置態様を選択できる。例えば、上面送風入口6su,6tuのみを選択すれば、複数台のハイブリッドチラー1…を隙間無く並べて連結使用することができる(図9参照)。
【0030】
一方、送風出口7の内側には空冷用の送風ファン4を配設する。これにより、送風ファン4は、送風出口7に連通する二つの空間Sbc,Sdaに対して共用される。このように、送風ファン4を、送風出口7に連通する二つの空間Sbc,Sdaに対して共用する位置に配設すれば、基本的には一台の送風ファン4で足りるため、全体の小型化,コストダウン及び省電力化に寄与できる。したがって、このような送風経路を構築するため、図5に示すように、凝縮ユニット部8xと8yの上端に、三角形状の水平仕切プレート15s,15tを取付けることにより、二つの空間Sab,Scdの上方を覆うとともに、送風入口6s,6t側に位置する水平仕切プレート15s,15tの端辺から垂直仕切プレート16s,16tを上方に起立し、垂直仕切プレート16sの上端を上面パネル部5uにおける送風出口7と上面送風入口6su間の内面に当接させ、かつ垂直仕切プレート16tの上端を上面パネル部5uにおける送風出口7と上面送風入口6tu間の内面に当接させることにより、空間を仕切れば、側面送風入口6s,6tは、空間Sab,Scdに対してそれぞれ側方から連通するとともに、上面送風入口6su,6tuは、空間Sab,Scdに対してそれぞれ上方から連通し、水平仕切プレート15s,15t及び垂直仕切プレート16s,16tにより送風出口7側(空間Sbc,Sda側)から遮断される。図5の白抜矢印は送風方向Fwを示している。
【0031】
他方、送風入口6に臨む空間Sab,Scd内における底面パネル部Rcdの上には、散水機構18を構成する散水ノズル18s,18tを、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dに対して適度に離れた位置であって、送風方向Fwの上流側に配設する。各散水ノズル18s,18tは、斜め上方に散水できるように、熱交換盤部3a,3b,3c,3dに向けて配設し、特に、より広い範囲に拡散できる最適位置を選定する。散水機構18は、各散水ノズル18s,18tからの散水により冷却能力をより高める機能を備える。即ち、散水によるミストの水温及び蒸発時の潜熱の利用により送風がより冷却される。
【0032】
ところで、本実施形態に係るハイブリッドチラー1は、X形に構成した熱交換器3を備えているため、次のような利点(優位性)を有している。図8(as)〜(ds)は、従来技術を含む様々な形態の熱交換器3,3r…を示している。同図(as)は、X形に配した熱交換器3を備える本実施形態、同図(bs)は、前述した特許文献2に開示される二つの熱交換器3rを両側に平行に配した最も一般的な平行対峙形態、同図(cs)は、同図(bs)の形態に対して残りの端辺に更に二つの熱交換器3rを追加した枠形態、同図(ds)は、前述した特許文献1に開示される二つの熱交換器3rをV形に配した形態をそれぞれ示している。また、表示した数値は、各熱交換器3,3r…の面積比率を示している。これより明らかなように、同図(as)に示す本実施形態に係るX形態の面積を「1.0」とした場合、同図(bs)に示す平行対峙形態の面積は「0.7」,同図(ds)に示すV形態の面積は「0.8」となり、これらの面積比率はX形態と比較して20〜30〔%〕程度小さくなる。一方、同図(cs)に示す枠形態の面積は「1.3」となり、X形態に対して面積比率は30〔%〕程度大きくなるが、他方において、次のような問題を生じる。
【0033】
即ち、この種のハイブリッドチラー1では、熱交換器3,3r…から適度に離れた上流側の位置(適正位置)に、散水機構18における散水ノズル18s,18tを配設する必要がある。図8(am)〜(dm)は、上述した同図(as)〜(ds)に示した形態に、散水ノズル18s,18tを付設する場合を示している。これより明らかなように、同図(as)に示す本実施形態に係るX形態と同図(ds)に示すV形態は、いずれも形態を変更することなく適正位置を確保できる。また、同図(bs)に示す平行対峙形態も、熱交換器3rの位置を変更すれば、面積比率を変更することなく適正位置を確保できる。しかし、同図(cs)に示す枠形態の場合、適正位置を確保するには、熱交換器3rの位置を変更する必要があるとともに、その大きさもサイズダウンする必要があり、面積比率は「0.8」程度まで小さくなる。しかも、散水ノズル18s…は計四カ所に配設する必要が生じるなど、実用上の観点からは採用できない。結局、本実施形態に係るX形の熱交換器3(凝縮器8)が、十分な熱交換面積を確保し、かつ散水ノズル18s,18tの適正位置を確保する観点から最も望ましい形態となる。
【0034】
他方、図6は、本実施形態に係るハイブリッドチラー1の全体系統回路を示す。なお、図6において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にした。
【0035】
図6において、1はハイブリッドチラーを示すとともに、50はこのハイブリッドチラー1に接続することにより当該ハイブリッドチラー1から供給される冷却液Lにより冷却される工作機械等の被冷却部を示す。また、ハイブリッドチラー1において、M1は第一冷却系、M2はフリークーリング機能を有する第二冷却系をそれぞれ示す。
【0036】
第一冷却系M1は、前述した凝縮器8を含む冷凍サイクルCを用いた冷却装置2により構成し、この冷凍サイクルCは冷媒Kが循環する一般的な冷凍サイクルにより構成可能である。22は圧縮機であり、この圧縮機22の吐出口は凝縮器8の冷媒入口に接続するとともに、圧縮機22の戻り口は冷媒Kと冷却液Lの熱交換を行う冷却器(熱交換器)23における一次側23fの冷媒出口に接続する。また、冷却器23における一次側23fの冷媒入口は電子膨張弁24を介して凝縮器8の冷媒出口に接続する。これにより、冷媒Kが循環する冷凍サイクルCが構成される。なお、25は制御弁25vを接続したホットガスバイパス回路であり、圧縮機22の吐出口と電子膨張弁24の冷媒出口間に接続する。22iは圧縮機インバータを示す。
【0037】
さらに、冷却器23における二次側23sの冷却液入口は、圧送ポンプ29を介して冷却液タンク21の第二冷却液槽21sに接続するとともに、冷却器23における二次側23sの冷却液出口は、被冷却部50が接続される冷却液供給口27sに接続する。また、被冷却部50が接続される冷却液戻り口27rは冷却液タンク21の第一冷却液槽21fに接続する。冷却液タンク21は、仕切壁21pにより第一冷却液槽21fと第二冷却液槽21sに区画され、第一冷却液槽21f内における冷却液Lの上澄液が仕切壁21pの上端縁を乗り越えて第二冷却液槽21sに進入する構造を有する。なお、28は冷却液供給口27sと冷却液戻り口27r間に接続した開閉弁を示す。
【0038】
他方、第二冷却系M2は、前述した熱交換器3を備え、この熱交換器3の冷却液流入口は、循環ポンプ26を介して冷却液タンク21の第一冷却液槽21fに接続するとともに、熱交換器3の冷却液流出口は、冷却液タンク21の第二冷却液槽21sに接続する。また、18は散水機構を示し、前述した散水ノズル18s,18tは、電磁開閉弁等を用いた散水バルブ31を介して水道管側に接続する。
【0039】
一方、41は制御系Mcの主要部を構成するコントローラであり、このコントローラ41は、ハイブリッドチラー1の全体の制御を司る機能を備える。コントローラ41には、冷却液Lの設定温度Ts(例えば、20〔℃〕)等の各種設定項目が設定されている。また、コントローラ41の制御出力ポートには、少なくとも前述した圧縮機インバータ22iを接続するとともに、送風ファン4,電子膨張弁24,循環ポンプ26,圧送ポンプ29,制御弁25v,給気弁14及び散水バルブ31を接続する。さらに、コントローラ41の入力ポートには、外気乾球温度センサ42t,外気湿球温度センサ42w,チラー出口温度センサ43,戻り温度センサ44及び熱交換器出口温度センサ45を接続する。これにより、外気乾球温度センサ42tからは外気乾球温度となる外気Wの温度(外気温度)Ttが検出され、外気湿球温度センサ42wからは外気湿球温度Thが検出され、チラー出口温度センサ43からはチラー出口温度Teが検出され、戻り温度センサ44からは戻り液温度Trが検出され、それぞれコントローラ41に付与される。コントローラ41は、CPU及び各種メモリ等を含むコンピュータ機能を備え、少なくともハイブリッドチラー1に係わる温度制御(シーケンス制御)を実行する。したがって、コントローラ41には、温度制御を実現するための制御プログラムを格納するとともに、少なくとも外気温度Ttが冷却液Lの設定温度Tsよりも低いときに第二冷却系M2により冷却液Lを冷却する制御を行う制御機能を備えている。
【0040】
ハイブリッドチラー1は、このような系統回路を備えるため、前述したケーシング5の収納部Riには、凝縮器8を除く冷凍サイクルC(第一冷却系M1)の構成部品類及び熱交換器3を除く循環ポンプ26等の第二冷却系M2における構成部品類を配設するとともに、被冷却部50に冷却液Lを供給するための上述した冷却液タンク21及び圧送ポンプ29等を配設する。
【0041】
次に、本実施形態に係るハイブリッドチラー1の動作について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0042】
まず、ハイブリッドチラー1の電源ONにより圧送ポンプ29が運転を開始する(ステップS1)。圧送ポンプ29の運転により、冷却液タンク21における第二冷却液槽21s内の冷却液Lは、圧送ポンプ29,冷却器23の二次側23s,冷却液供給口27sを経て、被冷却部50に供給される。これにより、被冷却部50は冷却液Lにより冷却されるとともに、熱交換により温められた冷却水Lは、冷却液戻り口27rを介して冷却液タンク21における第一冷却液槽21f内に戻される。
【0043】
一方、コントローラ41は、チラー出口温度Te,戻り液温度Tr,外気温度Tt,湿球温度Thを監視する。この際、チラー出口温度Teが、予め設定された冷却液Lの設定温度Tsよりも高く、かつ戻り液温度Trが外気温度Tt以下であれば、通常のチラー運転制御(冷却装置2の制御)を行い、チラー出口温度Teが設定温度Tsになるようにフィードバック制御する(ステップS2,S3,S4)。
【0044】
この際、チラー出口温度Teが設定温度Tsよりも高く、かつ外気温度Ttが戻り液温度Trよりも低いときは、チラー運転制御を行うことなく、循環ポンプ26に対する運転制御を行う(ステップS3,S5)。循環ポンプ26の運転により、冷却液タンク21における第一冷却液槽21f内の冷却液Lは、循環ポンプ26,熱交換器3を経て、冷却液タンク21における第二冷却液槽21s内に戻される。循環ポンプ26の運転制御中に、チラー出口温度Teが設定温度Ts以下になれば、循環ポンプ26の運転を停止する(ステップS6,S7,S8)。
【0045】
他方、循環ポンプ26の運転制御中において、チラー出口温度Teが設定温度Tsよりも高ければ、送風ファン4に対する運転制御を行う(ステップS6,S10)。この際、チラー出口温度Teが設定温度Ts以下になれば、送風ファン4の運転を停止する(ステップS11,S12,S13)。また、送風ファン4の運転制御中において、チラー出口温度Teが設定温度Tsよりも高く、かつ外気温度Ttが外気湿球温度Thよりも高いときは、散水バルブ31を開側に切換え、散水ノズル18s,18tから散水する(ステップS11,S14,S15)。これにより、散水によるミストの水温及び蒸発する際の潜熱を利用して冷却能力がより高められる。散水バルブ31が開側に切換えられている際に、チラー出口温度Teが設定温度Ts以下になれば、散水バルブ31を閉側に切換える(ステップS16,S17)。
【0046】
さらに、散水バルブ31が開側においてチラー出口温度Teが設定温度Tsよりも高くなり、或いは散水バルブ31が閉側において外気温度Ttが湿球温度Th以下になれば、圧縮機22の運転制御を行う(ステップS14,S16,S18)。この際、チラー出口温度Teが設定温度Ts以下になれば、圧縮機22の運転を停止する(ステップS19,S20,S21)。なお、循環ポンプ26、送風ファン4、圧縮機22のそれぞれの運転中に、ハイブリッドチラー1が電源OFFになれば全動作が停止する(ステップS7,S12,S20,S9)。
【0047】
よって、このような本実施形態に係るハイブリッドチラー1によれば、第二冷却系M2における熱交換器3を、四つの熱交換盤部3a…の組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a…の一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの各熱交換盤部3a…により区画される四つの空間Sab…における相対向する位置関係にある任意の二つの空間Sab…をケーシング5の送風入口6に連通させ、かつ他の二つの空間Sbc…をケーシング5の送風出口7に連通させてなるため、フリークーリング機能を構築する観点から熱交換器3の熱交換面積を可及的に大きくすることができ、ハイブリッドチラー1の熱交換効率、更には省エネルギ性をより高めることができる。また、四つの熱交換盤部3a…により区画される四つの空間Sab…が形成されるため、熱交換器3に対する送風方向Fwの上流側には十分な配設スペースを確保できる。これにより、散水ノズル18s,18tを配設するに際しても、別途、配設スペースを確保することなく、散水によるミストをより広い範囲に拡散できる最適位置を選定できる。したがって、ハイブリッドチラー1が大型化する不具合を回避できるとともに、散水ノズル18s,18t等の付属機構を利用した本来の冷却能力を十分に確保できる。
【0048】
次に、本発明の変更実施形態に係るハイブリッドチラー1について、図9〜図11を参照して説明する。
【0049】
図9は、複数台(例示は3台)のハイブリッドチラー1…を連結して使用する例を示す。本実施形態に係るハイブリッドチラー1は、例えば、一台の工作機械等の被冷却部50に使用することを想定しているため、被冷却部50が大型設備等になった場合、一台のハイブリッドチラー1では能力不足になる。したがって、この場合には、複数のハイブリッドチラー1…を連結して使用することができる。連結する場合、被冷却部50に供給する冷却液Lは、複数のハイブリッドチラー1…から供給される冷却液L…を合流して使用するとともに、被冷却部50から戻された冷却液L…は、複数のハイブリッドチラー1…に対して分流させることから分流量が偏る場合が考えられる。そこで、複数のハイブリッドチラー1…を連結して使用する際には、各ハイブリッドチラー1…の冷却液戻り口27r…に接続される配管に、電動バルブ61…をそれぞれ接続するとともに、各ハイブリッドチラー1…における冷却液タンク21…に水位センサ62…を付設し、各冷却液タンク21…における冷却液L…の水位を検出するとともに、各コントローラ41…間において相互通信可能に構成することにより、各コントローラ41…により、各冷却液タンク21…における冷却液L…の水位が均等になるように各電動バルブ61…を駆動制御することができる。
【0050】
図10に示す変更実施形態は、送風ファン4の配設形態を変更したものである。図1に示した実施形態は、直方体状に形成したケーシング5の内部に送風ファン4を配設した場合を示したが、図10に示す変更実施形態は、ケーシング5の外部、即ち、ケーシング5の上面パネル部5uの上に風洞部71を付設し、この風洞部71の内部に送風ファン4eを配設したものである。したがって、この変更実施形態では、送風ファン4eを含む風洞部71を、ボルト等の着脱手段72を介して上面パネル部5uに取付けることができるため、必要により送風ファン4eを含む風洞部71を上面パネル部5uから取外し、例えば、建物の壁面に取付けるとともに、壁面の風洞部71と上面パネル部5u間を別途のダクトにより接続する施工も可能になるなど、送風ファン4eの配設位置や送風方向を柔軟に設定することができる。
【0051】
図11に示す変更実施形態は、熱交換器3及び蒸発器8の取付形態を変更したものである。即ち、図1に示した実施形態は、熱交換器3(及び蒸発器8)を平面視においてX形となるように構成したが、図11に示す変更実施形態は、熱交換器3(及び蒸発器8)を側面視(正面視を含む)においてX形となるように構成したものであり、いわば垂直設置を水平設置に変更したものである。したがって、この変更実施形態は、図1に示した実施形態に対して、一対の側面パネル部5s,5tに側面送風入口6s,6tをそれぞれ設ける点は同じになるものの、図1に示した送風出口7を、正面パネル部5f及び後面パネル部5rの双方に、送風出口7a及び7bとして設けることができる。これにより、上面パネル部5uは開口の無い平坦な面として構成でき、上面パネル部5uからの埃等の内部侵入を回避できる。この場合、一方側にのみ送風ファンを配設すれば、図1に示した実施形態と同じになるが、図11の変更実施形態では、二つの送風ファン4a,4bをそれぞれ両側に配設することが可能となるため、送風Fwの一方側への偏りが無くなる。
【0052】
このように、各熱交換盤部3a…は、平面視又は側面視においてX形に配設できるため、送風入口6の位置をケーシング5の側面パネル部に選定した場合であっても、送風出口7の向きや数量を、使用環境等に対応させて柔軟に選定(設定)することができる。また、各熱交換盤部3a…は、側面視においてもケーシング5の対角線位置に配設できるため、ハイブリッドチラー1の小型化に寄与できる。
【0053】
以上、好適実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0054】
例えば、各熱交換盤部3a…を、平面視又は側面視においてケーシング5の対角線位置に配設する場合を示したが、対角線位置以外の位置に配設する場合を排除するものではない。また、冷却装置2は、冷凍サイクルCにより構成した場合を示したが、ペルチェ素子を利用したサーモモジュール等の他の冷却系により構成する場合を排除するものではない。したがって、サーモモジュールを利用する場合には、凝縮器8は不要となる。さらに、熱交換盤部3a…を凝縮器8に重ね合わせ又は近接させて配設する場合を示したが、離間して配設する場合を排除するものではない。一方、凝縮器8は、くの字形に折曲させた二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成した場合を示したが、熱交換盤部3a…の場合と同様に四つの凝縮ユニット部により構成してもよいし、連続する単体のユニットとして構成してもよい。同様に熱交換器3の場合も単体となる四つの熱交換器の組合わせにより構成する場合のみならず、くの字形に折曲させた単体の熱交換器の当該折曲部の両側を二つの熱交換盤部3a…として利用してもよいし、或いは一本の冷却液管を所謂一筆書き状に折曲してX形に形成した一つの熱交換器の四面をそれぞれ熱交換盤部3a…として利用してもよい。したがって、熱交換盤部とは、単一(一ブロック)の盤に対して複数の熱交換盤部エリアを区画する場合を含む概念である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係るハイブリッドチラーは、冷却液を循環させて冷却する必要のある工作機械等の各種被冷却部に接続して利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1:ハイブリッドチラー,2:冷却装置,3:熱交換器,3a:熱交換盤部,3b:熱交換盤部,3c:熱交換盤部,3d:熱交換盤部,4:送風ファン,5:ケーシング,
5s:側面パネル部,5t:側面パネル部,5u:上面パネル部,6:送風入口,6s:側面送風入口,6t:側面送風入口,6su:上面送風入口,6tu:上面送風入口,7:送風出口,8:凝縮器,8x:凝縮ユニット部,8y:凝縮ユニット部,L:冷却液,M1:第一冷却系,M2:第二冷却系,Mc:制御系,W:外気,Sab:各熱交換盤部により区画される空間,Sbc:各熱交換盤部により区画される空間,Scd:各熱交換盤部により区画される空間,Sda:各熱交換盤部により区画される空間,C:冷凍サイクル,Fw:送風方向,Ex:山折部,Ey:山折部
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気と冷却液の熱交換を行うフリークーリング機能を備えるハイブリッドチラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外気の低温環境を直接利用するフリークーリング機能を備えるハイブリッドチラーは、特許文献1で開示される冷却装置及び特許文献2で開示される冷却装置が知られている。
【0003】
前者の冷却装置は、冷却効率を高めることを目的として、送風装置を備えた冷却塔内に、冷却水を冷却する冷却水コイルと冷凍機の冷媒を冷却するコンデンサコイルとを同じプレートフィンチューブ型熱交換器内に配管した熱交換ユニットを設け、外気温度が低いときは冷凍機の運転を停止して熱交換ユニット内に冷却水のみを通し、外気温度が高いときは冷凍機を運転して冷却水を冷凍機の蒸発器にのみ通して熱交換ユニット内に冷凍機の冷媒のみを通し、外気温度によって冷却水と冷媒のいずれか一方を冷却塔で冷却する構成を備えたものであり、また、後者の冷却装置は、同様に冷却効率を高めることを目的として、伝熱パイプに被冷却流体を通し、ファンによって伝熱パイプを冷却する冷却塔において、被冷却流体が通過する伝熱パイプにフィンを設けたラジエターを冷却塔の外側部に設け、圧縮機、コンデンサ、膨張弁、蒸発器からなり、冷媒を圧縮、膨張を繰り返し運転するチラーを設け、コンデンサは、伝熱パイプにフィンを設けたフィン付コンデンサに設けてラジエターの内側に配置し、冷却塔のファンによってラジエターとコンデンサに送風し、冷却すべき機器から戻る被冷却流体をラジエターからチラーの蒸発器を通して冷却し、冷却すべき機器に送り出すことができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−234055号公報
【特許文献2】特開2000−266447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1及び2で開示される冷却装置(ハイブリッドチラー)をはじめ、従来におけるこの種のハイブリッドチラーは次のような問題点があった。
【0006】
第一に、外気の低温環境をそのまま利用するフリークーリング機能を備えるため、外気と冷却液を熱交換する熱交換器の熱交換面積をできるだけ大きくして熱交換効率(冷却効率)を高めることが望ましいが、従来の冷却装置は、熱交換器における熱交換面積をより大きくする側面からは必ずしも十分であるとは言えず、フリークーリング機能を担う熱交換器の熱交換効率及び省エネルギ性を高める観点からは更なる改善の余地があった。
【0007】
第二に、外気が十分な低温環境にない場合、通常、熱交換器に対する送風方向の上流側に散水し、この散水したミストが蒸発する際の潜熱を利用することにより冷却能力をより高めているが、この際に使用する散水ノズル(散水機構)の適切な配設スペースを確保しにくい。即ち、散水ノズルから散水されるミストを、熱交換器のより広い範囲に拡散させるには、散水ノズルを、熱交換器からある程度離れた上流側の位置に配することが望ましいが、熱交換器の上流側には適切な配設スペースが存在しないため、散水ノズルを設ける際には、別途、配設スペースを確保する必要があり、装置全体の大型化を招くとともに、散水ノズルを用いた本来の冷却能力を十分に確保できない虞れもある。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したハイブリッドチラーの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するため、冷却液Lを冷却する冷却装置2を用いた第一冷却系M1と、送風ファン4により送風される外気Wと冷却液Lの熱交換を行う熱交換器3を有する第二冷却系M2と、少なくとも第一冷却系M1又は第二冷却系M2を用いて冷却液Lを冷却する制御を行う制御系Mcとを備えてなるハイブリッドチラー1を構成するに際して、第二冷却系M2における熱交換器3を、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dの組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a,3b,3c,3dの一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの各熱交換盤部3a,3b,3c,3dにより区画される四つの空間Sab,Sbc,Scd,Sdaにおける相対向する位置関係にある任意の二つの空間Sab,Scdをケーシング5の送風入口6に連通させ、かつ他の二つの空間Sbc,Sdaをケーシング5の送風出口7に連通させてなることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dは、平面視又は側面視においてX形に配設することができる。一方、冷却装置2は、凝縮器8を有する冷凍サイクルCにより構成し、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dを、送風ファン4の送風方向Fwにおける上流側から凝縮器8に対面させて配設することができる。また、凝縮器8は、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成し、中央の山折部Ex,Eyを対向させて配設するとともに、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dを、二つの凝縮ユニット部8x,8yにおける山折部Ex,Eyの両側位置にそれぞれ配設することができる。他方、送風ファン4は、送風出口7に連通する二つの空間Sbc,Sdaに対して共用する位置に配設することができる。さらに、送風入口6を設けるに際しては、ケーシング5の側面パネル部5s,5tに側面送風入口6s,6tを設けるとともに、上面パネル部5uに上面送風入口6su,6tuを設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
このような構成を有する本発明に係るハイブリッドチラー1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0012】
(1) 第二冷却系M2における熱交換器3を、四つの熱交換盤部3a…の組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a…の一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの各熱交換盤部3a…により区画される四つの空間Sab…における相対向する位置関係にある任意の二つの空間Sab…をケーシング5の送風入口6に連通させ、かつ他の二つの空間Sbc…をケーシング5の送風出口7に連通させてなるため、フリークーリング機能を構築する観点から熱交換器3の熱交換面積を可及的に大きくすることができ、ハイブリッドチラー1の熱交換効率、更には省エネルギ性をより高めることができる。
【0013】
(2) 四つの熱交換盤部3a…により区画される四つの空間Sab…が形成されるため、熱交換器3に対する送風方向Fwの上流側に十分な配設スペースを確保できる。これにより、例えば、散水ノズル(散水機構)を配設するに際しても、別途、配設スペースを確保することなく、散水によるミストをより広い範囲に拡散できる最適位置を選定できる。したがって、ハイブリッドチラー1が大型化する不具合を回避できるとともに、散水ノズル等の付属機構を利用した本来の冷却能力を十分に確保できる。
【0014】
(3) 好適な態様により、各熱交換盤部3a…は、平面視又は側面視においてX形に配設できるため、送風入口6の位置をケーシング5の側面パネル部に選定した場合であっても、送風出口7の向きや数量を、使用環境等に対応させて柔軟に選定(設定)することができる。また、各熱交換盤部3a…を、平面視又は側面視においてケーシング5の対角線位置に配設できるため、ハイブリッドチラー1の小型化にも寄与できる。
【0015】
(4) 好適な態様により、冷却装置2を、凝縮器8を有する冷凍サイクルCにより構成し、各熱交換盤部3a…を、送風ファン4の送風方向Fwにおける上流側から凝縮器8に対面させて配設すれば、凝縮器8及び各熱交換盤部3a…を配設する際のデッドスペースが無くなり、全体の小型化に寄与できるとともに、送風ファン4の共用化を容易に実現できる。加えて、通常、熱交換盤部3a…の温度は、凝縮器8の温度よりも低くなるため、送風方向Fwを考慮すれば、より効率的な熱交換を行わせることができる。
【0016】
(5) 好適な態様により、凝縮器8を、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成し、中央の山折部Ex,Eyを対向させて配設するとともに、四つの熱交換盤部3a…を、二つの凝縮ユニット部8x,8yにおける山折部Ex,Eyの両側位置にそれぞれ配設すれば、組付性、更には組付時の機械的剛性を高めることができるとともに、凝縮器8及び熱交換器3に係わる位置決めも容易かつ正確に行うことができる。
【0017】
(6) 好適な態様により、送風ファン4を、送風出口7に連通する二つの空間Sbc,Sdaに対して共用する位置に配設すれば、基本的には一台の送風ファン4で足りるため、全体の小型化,コストダウン及び省電力化に寄与できる。
【0018】
(7) 好適な態様により、送風入口6を設けるに際し、ケーシング5の側面パネル部5s,5tに側面送風入口6s,6tを設けるとともに、上面パネル部5uに上面送風入口6su,6tuを設ければ、送風入口6の全体の面積をより大きくできるとともに、外気Wの流入方向の選択が可能になるため、ハイブリッドチラー1の最適な設置態様を選択できる。例えば、上面送風入口6su,6tuのみを選択すれば、複数台のハイブリッドチラー1…を隙間無く並べて連結使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好適実施形態に係るハイブリッドチラーの主要部を明示する模式的斜視図、
【図2】同ハイブリッドチラーの主要部を明示する模式的断面平面図、
【図3】同ハイブリッドチラーに備える熱交換盤部の一部破断正面図、
【図4】同ハイブリッドチラーに備える熱交換盤部の下部一部を拡大及び破断して示す側面図、
【図5】同ハイブリッドチラーの送風経路を明示する模式的斜視図、
【図6】同ハイブリッドチラーの系統回路図、
【図7】同ハイブリッドチラーの動作を示すフローチャート、
【図8】同ハイブリッドチラーの優位性を説明するための原理図、
【図9】同ハイブリッドチラーを複数台使用する場合の接続系統図、
【図10】本発明の変更実施形態に係るハイブリッドチラーの主要部を明示する模式的側面図、
【図11】本発明の他の変更実施形態に係るハイブリッドチラーの主要部を明示する模式的正面図、
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
まず、本実施形態に係るハイブリッドチラー1の全体構造について、図1〜図6及び図8を参照して説明する。
【0022】
ハイブリッドチラー1は、図1に示すように、全体を直方体状に形成したケーシング5を備え、このケーシング5の上部内部は熱交換室Rcとして構成し、下部内部は収納室Riとして構成する。そして、熱交換室Rcの内部には、第一冷却系M1の凝縮器8と第二冷却系M2の熱交換器3を配設する。この場合、凝縮器8は、図6に示すように、冷媒が循環する冷凍サイクルCの一部となり、この冷凍サイクルCは第一冷却系M1における冷却装置2を構成する。一方、熱交換器3は、図6に示すように、外気Wと冷却液Lの熱交換を行う第二冷却系M2を構成する。冷却装置2(第一冷却系M1)及び第二冷却系M2は、いずれも後述する冷却液Lを冷却する機能を備え、特に、第二冷却系M2はフリークーリング機能を有している。
【0023】
また、凝縮器8は、図2に示すように、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成し、中央の山折部Ex,Eyを対向させて配設する。したがって、平面視による凝縮器8の全体形状はX形となる。一方の凝縮ユニット部8xは、一般的な凝縮器構造、即ち、冷媒を通す冷媒管をジグザグ形状に湾曲形成した冷媒管ユニットの外周面に多数の放熱用フィンを付設し、冷媒管ユニットの中央をくの字形に折曲させた形態を有している。他方の凝縮ユニット部8yも凝縮ユニット部8xと同様に構成し、二つの凝縮ユニット部8xと8yは並列接続により使用する。
【0024】
一方、熱交換器3は、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dの組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a,3b,3c,3dの一辺側を近接させることによりX形に配設する。したがって、図2に示すように、四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dは、二つの凝縮ユニット部8xと8yにおける山折部Ex,Eyの両側位置にそれぞれ対面させて配設する。なお、X形とは厳密なX形状を意味するものではなく、X形に類似し、本発明の作用及び効果を奏することができる各種形状を含む概念である。この場合、各熱交換盤部3a…は、各凝縮ユニット部8x,8yに対して後述する送風ファン4の送風方向Fwにおける上流側に配する。このように、各熱交換盤部3a…を、送風ファン4の送風方向Fwにおける上流側から凝縮器8(凝縮ユニット部8x,8y)に対面させれば、凝縮器8及び各熱交換盤部3a…を配設する際のデッドスペースが無くなり、全体の小型化に寄与できるとともに、送風ファン4の共用化を容易に実現できる。加えて、通常、熱交換盤部3a…の温度は、凝縮器8の温度よりも低くなるため、送風方向Fwを考慮すれば、より効率的な熱交換を行わせることができる。
【0025】
一つの熱交換盤部3aは、図3及び図4に示すように、冷却液Lを通す冷却液管11をジグザグ形状に湾曲形成した1パスPpを複数パス(例示は5パス)用意し、順次配列させた複数のパスPp…の外周面に多数の放熱用フィン12…を付設して単位熱交換盤部Csを構成するとともに、図3に示すように、二つの単位熱交換盤部Cs,Csを上下に連結し、熱交換盤部3aとして構成する。この場合、1パスPpは、図4に示すように、自然落下により内部の冷却液Lが流出する際に、冷却液Lが内部に残存しないように、冷却液管11の上側に位置する流出口11eから下側に位置する流入口11iまで、全ての部位で下降傾斜又は水平となるように考慮する。他の熱交換盤部3b,3c及び3dも、熱交換盤部3aと同様に構成する。
【0026】
また、各単位熱交換盤部Csは、流入側ヘッダ部13iと流出側ヘッダ部13eを備え、各パスPp…の流入口11i…を流入側ヘッダ部13iに接続するとともに、各パスPp…の流出口11e…を流出側ヘッダ部13eに接続する。なお、上下に配する各単位熱交換盤部Cs…における流入側ヘッダ部13i…と流出側ヘッダ部13e…の形態は異ならせている。この場合、上側の単位熱交換盤部Csにおける流入側ヘッダ部13i及び流出側ヘッダ部13eと、下側の単位熱交換盤部Csにおける流入側ヘッダ部13i及び流出側ヘッダ部13eは相互に接続するとともに、上側の単位熱交換盤部Csにおける流出側ヘッダ部13eの上端には電磁開閉弁等を用いた凍結防止用の給気弁14を接続し、かつ流入側ヘッダ部13iの上端は終端となるように閉塞構成とする。そして、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dにおける流入側ヘッダ部13i…同士及び流出側ヘッダ部13e…同士は並列に接続する。
【0027】
二つの凝縮ユニット部8xと8y及び各凝縮ユニット部8xと8yに取付けた四つの熱交換盤部3a,3b,3c,3dは、図1に示すように、熱交換室Rcの底面を構成する底面パネル部Rcdの上に一体に設置(固定)する。この際、凝縮器8は、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成し、中央の山折部Ex,Eyを対向させて配設するとともに、四つの熱交換盤部3a…を、二つの凝縮ユニット部8x,8yにおける山折部Ex,Eyの両側位置にそれぞれ配設するため、組付性、更には組付時の機械的剛性を高めることができるとともに、凝縮器8及び熱交換器3に係わる位置決めも容易かつ正確に行うことができる。
【0028】
この場合、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dは、図2に示すように、平面視において、ケーシング5の対角線位置に配設する。このように、各熱交換盤部3a…は、平面視においてケーシング5の対角線位置に配設できるため、ハイブリッドチラー1の小型化に寄与できる。そして、四つの各熱交換盤部3a,3b,3c,3dにより区画される四つの空間Sab,Sbc,Scd,Sdaにおける相対向する位置関係にある二つの空間Sab,Scdは送風入口側とし、この空間Sab,Scdに臨むケーシング5の左右両側に位置する側面パネル部5s,5tに、外気Wが流入する側面送風入口6s,6tをそれぞれ形成する。
【0029】
さらに、ケーシング5の上面パネル部5uの中央には送風出口7を形成するとともに、この送風出口7の両側に、上面送風入口6su,6tuをそれぞれ形成する。この場合、送風出口7は、残りの二つの空間Sbc,Sdaに対して上方から連通する。このように、送風入口6は、側面パネル部5s,5tの側面送風入口6s,6tと上面パネル部5uの上面送風入口6su,6tuの計四つの開口により構成されるため、送風入口6の全体の面積をより大きくできるとともに、外気Wの流入方向の選択が可能になるため、ハイブリッドチラー1の最適な設置態様を選択できる。例えば、上面送風入口6su,6tuのみを選択すれば、複数台のハイブリッドチラー1…を隙間無く並べて連結使用することができる(図9参照)。
【0030】
一方、送風出口7の内側には空冷用の送風ファン4を配設する。これにより、送風ファン4は、送風出口7に連通する二つの空間Sbc,Sdaに対して共用される。このように、送風ファン4を、送風出口7に連通する二つの空間Sbc,Sdaに対して共用する位置に配設すれば、基本的には一台の送風ファン4で足りるため、全体の小型化,コストダウン及び省電力化に寄与できる。したがって、このような送風経路を構築するため、図5に示すように、凝縮ユニット部8xと8yの上端に、三角形状の水平仕切プレート15s,15tを取付けることにより、二つの空間Sab,Scdの上方を覆うとともに、送風入口6s,6t側に位置する水平仕切プレート15s,15tの端辺から垂直仕切プレート16s,16tを上方に起立し、垂直仕切プレート16sの上端を上面パネル部5uにおける送風出口7と上面送風入口6su間の内面に当接させ、かつ垂直仕切プレート16tの上端を上面パネル部5uにおける送風出口7と上面送風入口6tu間の内面に当接させることにより、空間を仕切れば、側面送風入口6s,6tは、空間Sab,Scdに対してそれぞれ側方から連通するとともに、上面送風入口6su,6tuは、空間Sab,Scdに対してそれぞれ上方から連通し、水平仕切プレート15s,15t及び垂直仕切プレート16s,16tにより送風出口7側(空間Sbc,Sda側)から遮断される。図5の白抜矢印は送風方向Fwを示している。
【0031】
他方、送風入口6に臨む空間Sab,Scd内における底面パネル部Rcdの上には、散水機構18を構成する散水ノズル18s,18tを、各熱交換盤部3a,3b,3c,3dに対して適度に離れた位置であって、送風方向Fwの上流側に配設する。各散水ノズル18s,18tは、斜め上方に散水できるように、熱交換盤部3a,3b,3c,3dに向けて配設し、特に、より広い範囲に拡散できる最適位置を選定する。散水機構18は、各散水ノズル18s,18tからの散水により冷却能力をより高める機能を備える。即ち、散水によるミストの水温及び蒸発時の潜熱の利用により送風がより冷却される。
【0032】
ところで、本実施形態に係るハイブリッドチラー1は、X形に構成した熱交換器3を備えているため、次のような利点(優位性)を有している。図8(as)〜(ds)は、従来技術を含む様々な形態の熱交換器3,3r…を示している。同図(as)は、X形に配した熱交換器3を備える本実施形態、同図(bs)は、前述した特許文献2に開示される二つの熱交換器3rを両側に平行に配した最も一般的な平行対峙形態、同図(cs)は、同図(bs)の形態に対して残りの端辺に更に二つの熱交換器3rを追加した枠形態、同図(ds)は、前述した特許文献1に開示される二つの熱交換器3rをV形に配した形態をそれぞれ示している。また、表示した数値は、各熱交換器3,3r…の面積比率を示している。これより明らかなように、同図(as)に示す本実施形態に係るX形態の面積を「1.0」とした場合、同図(bs)に示す平行対峙形態の面積は「0.7」,同図(ds)に示すV形態の面積は「0.8」となり、これらの面積比率はX形態と比較して20〜30〔%〕程度小さくなる。一方、同図(cs)に示す枠形態の面積は「1.3」となり、X形態に対して面積比率は30〔%〕程度大きくなるが、他方において、次のような問題を生じる。
【0033】
即ち、この種のハイブリッドチラー1では、熱交換器3,3r…から適度に離れた上流側の位置(適正位置)に、散水機構18における散水ノズル18s,18tを配設する必要がある。図8(am)〜(dm)は、上述した同図(as)〜(ds)に示した形態に、散水ノズル18s,18tを付設する場合を示している。これより明らかなように、同図(as)に示す本実施形態に係るX形態と同図(ds)に示すV形態は、いずれも形態を変更することなく適正位置を確保できる。また、同図(bs)に示す平行対峙形態も、熱交換器3rの位置を変更すれば、面積比率を変更することなく適正位置を確保できる。しかし、同図(cs)に示す枠形態の場合、適正位置を確保するには、熱交換器3rの位置を変更する必要があるとともに、その大きさもサイズダウンする必要があり、面積比率は「0.8」程度まで小さくなる。しかも、散水ノズル18s…は計四カ所に配設する必要が生じるなど、実用上の観点からは採用できない。結局、本実施形態に係るX形の熱交換器3(凝縮器8)が、十分な熱交換面積を確保し、かつ散水ノズル18s,18tの適正位置を確保する観点から最も望ましい形態となる。
【0034】
他方、図6は、本実施形態に係るハイブリッドチラー1の全体系統回路を示す。なお、図6において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にした。
【0035】
図6において、1はハイブリッドチラーを示すとともに、50はこのハイブリッドチラー1に接続することにより当該ハイブリッドチラー1から供給される冷却液Lにより冷却される工作機械等の被冷却部を示す。また、ハイブリッドチラー1において、M1は第一冷却系、M2はフリークーリング機能を有する第二冷却系をそれぞれ示す。
【0036】
第一冷却系M1は、前述した凝縮器8を含む冷凍サイクルCを用いた冷却装置2により構成し、この冷凍サイクルCは冷媒Kが循環する一般的な冷凍サイクルにより構成可能である。22は圧縮機であり、この圧縮機22の吐出口は凝縮器8の冷媒入口に接続するとともに、圧縮機22の戻り口は冷媒Kと冷却液Lの熱交換を行う冷却器(熱交換器)23における一次側23fの冷媒出口に接続する。また、冷却器23における一次側23fの冷媒入口は電子膨張弁24を介して凝縮器8の冷媒出口に接続する。これにより、冷媒Kが循環する冷凍サイクルCが構成される。なお、25は制御弁25vを接続したホットガスバイパス回路であり、圧縮機22の吐出口と電子膨張弁24の冷媒出口間に接続する。22iは圧縮機インバータを示す。
【0037】
さらに、冷却器23における二次側23sの冷却液入口は、圧送ポンプ29を介して冷却液タンク21の第二冷却液槽21sに接続するとともに、冷却器23における二次側23sの冷却液出口は、被冷却部50が接続される冷却液供給口27sに接続する。また、被冷却部50が接続される冷却液戻り口27rは冷却液タンク21の第一冷却液槽21fに接続する。冷却液タンク21は、仕切壁21pにより第一冷却液槽21fと第二冷却液槽21sに区画され、第一冷却液槽21f内における冷却液Lの上澄液が仕切壁21pの上端縁を乗り越えて第二冷却液槽21sに進入する構造を有する。なお、28は冷却液供給口27sと冷却液戻り口27r間に接続した開閉弁を示す。
【0038】
他方、第二冷却系M2は、前述した熱交換器3を備え、この熱交換器3の冷却液流入口は、循環ポンプ26を介して冷却液タンク21の第一冷却液槽21fに接続するとともに、熱交換器3の冷却液流出口は、冷却液タンク21の第二冷却液槽21sに接続する。また、18は散水機構を示し、前述した散水ノズル18s,18tは、電磁開閉弁等を用いた散水バルブ31を介して水道管側に接続する。
【0039】
一方、41は制御系Mcの主要部を構成するコントローラであり、このコントローラ41は、ハイブリッドチラー1の全体の制御を司る機能を備える。コントローラ41には、冷却液Lの設定温度Ts(例えば、20〔℃〕)等の各種設定項目が設定されている。また、コントローラ41の制御出力ポートには、少なくとも前述した圧縮機インバータ22iを接続するとともに、送風ファン4,電子膨張弁24,循環ポンプ26,圧送ポンプ29,制御弁25v,給気弁14及び散水バルブ31を接続する。さらに、コントローラ41の入力ポートには、外気乾球温度センサ42t,外気湿球温度センサ42w,チラー出口温度センサ43,戻り温度センサ44及び熱交換器出口温度センサ45を接続する。これにより、外気乾球温度センサ42tからは外気乾球温度となる外気Wの温度(外気温度)Ttが検出され、外気湿球温度センサ42wからは外気湿球温度Thが検出され、チラー出口温度センサ43からはチラー出口温度Teが検出され、戻り温度センサ44からは戻り液温度Trが検出され、それぞれコントローラ41に付与される。コントローラ41は、CPU及び各種メモリ等を含むコンピュータ機能を備え、少なくともハイブリッドチラー1に係わる温度制御(シーケンス制御)を実行する。したがって、コントローラ41には、温度制御を実現するための制御プログラムを格納するとともに、少なくとも外気温度Ttが冷却液Lの設定温度Tsよりも低いときに第二冷却系M2により冷却液Lを冷却する制御を行う制御機能を備えている。
【0040】
ハイブリッドチラー1は、このような系統回路を備えるため、前述したケーシング5の収納部Riには、凝縮器8を除く冷凍サイクルC(第一冷却系M1)の構成部品類及び熱交換器3を除く循環ポンプ26等の第二冷却系M2における構成部品類を配設するとともに、被冷却部50に冷却液Lを供給するための上述した冷却液タンク21及び圧送ポンプ29等を配設する。
【0041】
次に、本実施形態に係るハイブリッドチラー1の動作について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0042】
まず、ハイブリッドチラー1の電源ONにより圧送ポンプ29が運転を開始する(ステップS1)。圧送ポンプ29の運転により、冷却液タンク21における第二冷却液槽21s内の冷却液Lは、圧送ポンプ29,冷却器23の二次側23s,冷却液供給口27sを経て、被冷却部50に供給される。これにより、被冷却部50は冷却液Lにより冷却されるとともに、熱交換により温められた冷却水Lは、冷却液戻り口27rを介して冷却液タンク21における第一冷却液槽21f内に戻される。
【0043】
一方、コントローラ41は、チラー出口温度Te,戻り液温度Tr,外気温度Tt,湿球温度Thを監視する。この際、チラー出口温度Teが、予め設定された冷却液Lの設定温度Tsよりも高く、かつ戻り液温度Trが外気温度Tt以下であれば、通常のチラー運転制御(冷却装置2の制御)を行い、チラー出口温度Teが設定温度Tsになるようにフィードバック制御する(ステップS2,S3,S4)。
【0044】
この際、チラー出口温度Teが設定温度Tsよりも高く、かつ外気温度Ttが戻り液温度Trよりも低いときは、チラー運転制御を行うことなく、循環ポンプ26に対する運転制御を行う(ステップS3,S5)。循環ポンプ26の運転により、冷却液タンク21における第一冷却液槽21f内の冷却液Lは、循環ポンプ26,熱交換器3を経て、冷却液タンク21における第二冷却液槽21s内に戻される。循環ポンプ26の運転制御中に、チラー出口温度Teが設定温度Ts以下になれば、循環ポンプ26の運転を停止する(ステップS6,S7,S8)。
【0045】
他方、循環ポンプ26の運転制御中において、チラー出口温度Teが設定温度Tsよりも高ければ、送風ファン4に対する運転制御を行う(ステップS6,S10)。この際、チラー出口温度Teが設定温度Ts以下になれば、送風ファン4の運転を停止する(ステップS11,S12,S13)。また、送風ファン4の運転制御中において、チラー出口温度Teが設定温度Tsよりも高く、かつ外気温度Ttが外気湿球温度Thよりも高いときは、散水バルブ31を開側に切換え、散水ノズル18s,18tから散水する(ステップS11,S14,S15)。これにより、散水によるミストの水温及び蒸発する際の潜熱を利用して冷却能力がより高められる。散水バルブ31が開側に切換えられている際に、チラー出口温度Teが設定温度Ts以下になれば、散水バルブ31を閉側に切換える(ステップS16,S17)。
【0046】
さらに、散水バルブ31が開側においてチラー出口温度Teが設定温度Tsよりも高くなり、或いは散水バルブ31が閉側において外気温度Ttが湿球温度Th以下になれば、圧縮機22の運転制御を行う(ステップS14,S16,S18)。この際、チラー出口温度Teが設定温度Ts以下になれば、圧縮機22の運転を停止する(ステップS19,S20,S21)。なお、循環ポンプ26、送風ファン4、圧縮機22のそれぞれの運転中に、ハイブリッドチラー1が電源OFFになれば全動作が停止する(ステップS7,S12,S20,S9)。
【0047】
よって、このような本実施形態に係るハイブリッドチラー1によれば、第二冷却系M2における熱交換器3を、四つの熱交換盤部3a…の組合わせにより構成し、かつ各熱交換盤部3a…の一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの各熱交換盤部3a…により区画される四つの空間Sab…における相対向する位置関係にある任意の二つの空間Sab…をケーシング5の送風入口6に連通させ、かつ他の二つの空間Sbc…をケーシング5の送風出口7に連通させてなるため、フリークーリング機能を構築する観点から熱交換器3の熱交換面積を可及的に大きくすることができ、ハイブリッドチラー1の熱交換効率、更には省エネルギ性をより高めることができる。また、四つの熱交換盤部3a…により区画される四つの空間Sab…が形成されるため、熱交換器3に対する送風方向Fwの上流側には十分な配設スペースを確保できる。これにより、散水ノズル18s,18tを配設するに際しても、別途、配設スペースを確保することなく、散水によるミストをより広い範囲に拡散できる最適位置を選定できる。したがって、ハイブリッドチラー1が大型化する不具合を回避できるとともに、散水ノズル18s,18t等の付属機構を利用した本来の冷却能力を十分に確保できる。
【0048】
次に、本発明の変更実施形態に係るハイブリッドチラー1について、図9〜図11を参照して説明する。
【0049】
図9は、複数台(例示は3台)のハイブリッドチラー1…を連結して使用する例を示す。本実施形態に係るハイブリッドチラー1は、例えば、一台の工作機械等の被冷却部50に使用することを想定しているため、被冷却部50が大型設備等になった場合、一台のハイブリッドチラー1では能力不足になる。したがって、この場合には、複数のハイブリッドチラー1…を連結して使用することができる。連結する場合、被冷却部50に供給する冷却液Lは、複数のハイブリッドチラー1…から供給される冷却液L…を合流して使用するとともに、被冷却部50から戻された冷却液L…は、複数のハイブリッドチラー1…に対して分流させることから分流量が偏る場合が考えられる。そこで、複数のハイブリッドチラー1…を連結して使用する際には、各ハイブリッドチラー1…の冷却液戻り口27r…に接続される配管に、電動バルブ61…をそれぞれ接続するとともに、各ハイブリッドチラー1…における冷却液タンク21…に水位センサ62…を付設し、各冷却液タンク21…における冷却液L…の水位を検出するとともに、各コントローラ41…間において相互通信可能に構成することにより、各コントローラ41…により、各冷却液タンク21…における冷却液L…の水位が均等になるように各電動バルブ61…を駆動制御することができる。
【0050】
図10に示す変更実施形態は、送風ファン4の配設形態を変更したものである。図1に示した実施形態は、直方体状に形成したケーシング5の内部に送風ファン4を配設した場合を示したが、図10に示す変更実施形態は、ケーシング5の外部、即ち、ケーシング5の上面パネル部5uの上に風洞部71を付設し、この風洞部71の内部に送風ファン4eを配設したものである。したがって、この変更実施形態では、送風ファン4eを含む風洞部71を、ボルト等の着脱手段72を介して上面パネル部5uに取付けることができるため、必要により送風ファン4eを含む風洞部71を上面パネル部5uから取外し、例えば、建物の壁面に取付けるとともに、壁面の風洞部71と上面パネル部5u間を別途のダクトにより接続する施工も可能になるなど、送風ファン4eの配設位置や送風方向を柔軟に設定することができる。
【0051】
図11に示す変更実施形態は、熱交換器3及び蒸発器8の取付形態を変更したものである。即ち、図1に示した実施形態は、熱交換器3(及び蒸発器8)を平面視においてX形となるように構成したが、図11に示す変更実施形態は、熱交換器3(及び蒸発器8)を側面視(正面視を含む)においてX形となるように構成したものであり、いわば垂直設置を水平設置に変更したものである。したがって、この変更実施形態は、図1に示した実施形態に対して、一対の側面パネル部5s,5tに側面送風入口6s,6tをそれぞれ設ける点は同じになるものの、図1に示した送風出口7を、正面パネル部5f及び後面パネル部5rの双方に、送風出口7a及び7bとして設けることができる。これにより、上面パネル部5uは開口の無い平坦な面として構成でき、上面パネル部5uからの埃等の内部侵入を回避できる。この場合、一方側にのみ送風ファンを配設すれば、図1に示した実施形態と同じになるが、図11の変更実施形態では、二つの送風ファン4a,4bをそれぞれ両側に配設することが可能となるため、送風Fwの一方側への偏りが無くなる。
【0052】
このように、各熱交換盤部3a…は、平面視又は側面視においてX形に配設できるため、送風入口6の位置をケーシング5の側面パネル部に選定した場合であっても、送風出口7の向きや数量を、使用環境等に対応させて柔軟に選定(設定)することができる。また、各熱交換盤部3a…は、側面視においてもケーシング5の対角線位置に配設できるため、ハイブリッドチラー1の小型化に寄与できる。
【0053】
以上、好適実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0054】
例えば、各熱交換盤部3a…を、平面視又は側面視においてケーシング5の対角線位置に配設する場合を示したが、対角線位置以外の位置に配設する場合を排除するものではない。また、冷却装置2は、冷凍サイクルCにより構成した場合を示したが、ペルチェ素子を利用したサーモモジュール等の他の冷却系により構成する場合を排除するものではない。したがって、サーモモジュールを利用する場合には、凝縮器8は不要となる。さらに、熱交換盤部3a…を凝縮器8に重ね合わせ又は近接させて配設する場合を示したが、離間して配設する場合を排除するものではない。一方、凝縮器8は、くの字形に折曲させた二つの凝縮ユニット部8x,8yの組合わせにより構成した場合を示したが、熱交換盤部3a…の場合と同様に四つの凝縮ユニット部により構成してもよいし、連続する単体のユニットとして構成してもよい。同様に熱交換器3の場合も単体となる四つの熱交換器の組合わせにより構成する場合のみならず、くの字形に折曲させた単体の熱交換器の当該折曲部の両側を二つの熱交換盤部3a…として利用してもよいし、或いは一本の冷却液管を所謂一筆書き状に折曲してX形に形成した一つの熱交換器の四面をそれぞれ熱交換盤部3a…として利用してもよい。したがって、熱交換盤部とは、単一(一ブロック)の盤に対して複数の熱交換盤部エリアを区画する場合を含む概念である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係るハイブリッドチラーは、冷却液を循環させて冷却する必要のある工作機械等の各種被冷却部に接続して利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1:ハイブリッドチラー,2:冷却装置,3:熱交換器,3a:熱交換盤部,3b:熱交換盤部,3c:熱交換盤部,3d:熱交換盤部,4:送風ファン,5:ケーシング,
5s:側面パネル部,5t:側面パネル部,5u:上面パネル部,6:送風入口,6s:側面送風入口,6t:側面送風入口,6su:上面送風入口,6tu:上面送風入口,7:送風出口,8:凝縮器,8x:凝縮ユニット部,8y:凝縮ユニット部,L:冷却液,M1:第一冷却系,M2:第二冷却系,Mc:制御系,W:外気,Sab:各熱交換盤部により区画される空間,Sbc:各熱交換盤部により区画される空間,Scd:各熱交換盤部により区画される空間,Sda:各熱交換盤部により区画される空間,C:冷凍サイクル,Fw:送風方向,Ex:山折部,Ey:山折部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液を冷却する冷却装置を用いた第一冷却系と、送風ファンにより送風される外気と前記冷却液の熱交換を行う熱交換器を有する第二冷却系と、少なくとも前記第一冷却系又は前記第二冷却系を用いて前記冷却液を冷却する制御を行う制御系とを備えてなるハイブリッドチラーであって、前記第二冷却系における熱交換器を、四つの熱交換盤部の組合わせにより構成し、かつ前記各熱交換盤部の一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの前記各熱交換盤部により区画される四つの空間における相対向する位置関係にある任意の二つの前記空間をケーシングの送風入口に連通させ、かつ他の二つの前記空間を前記ケーシングの送風出口に連通させてなることを特徴とするハイブリッドチラー。
【請求項2】
前記各熱交換盤部は、平面視又は側面視において前記X形に配設することを特徴とする請求項1記載のハイブリッドチラー。
【請求項3】
前記冷却装置は、凝縮器を有する冷凍サイクルにより構成し、前記各熱交換盤部を、前記送風ファンの送風方向における上流側から前記凝縮器に対面させて配設することを特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッドチラー。
【請求項4】
前記凝縮器は、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部の組合わせにより構成し、中央の山折部を対向させて配設するとともに、四つの前記熱交換盤部を、二つの前記凝縮ユニット部における山折部の両側位置にそれぞれ配設することを特徴とする請求項3記載のハイブリッドチラー。
【請求項5】
前記送風ファンは、前記送風出口に連通する前記二つの空間に対して共用する位置に配設することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッドチラー。
【請求項6】
前記送風入口は、前記ケーシングの側面パネル部に設ける側面送風入口と上面パネル部に設ける第二送風入口を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハイブリッドチラー。
【請求項1】
冷却液を冷却する冷却装置を用いた第一冷却系と、送風ファンにより送風される外気と前記冷却液の熱交換を行う熱交換器を有する第二冷却系と、少なくとも前記第一冷却系又は前記第二冷却系を用いて前記冷却液を冷却する制御を行う制御系とを備えてなるハイブリッドチラーであって、前記第二冷却系における熱交換器を、四つの熱交換盤部の組合わせにより構成し、かつ前記各熱交換盤部の一辺側を近接させることにより、X形に配設するとともに、四つの前記各熱交換盤部により区画される四つの空間における相対向する位置関係にある任意の二つの前記空間をケーシングの送風入口に連通させ、かつ他の二つの前記空間を前記ケーシングの送風出口に連通させてなることを特徴とするハイブリッドチラー。
【請求項2】
前記各熱交換盤部は、平面視又は側面視において前記X形に配設することを特徴とする請求項1記載のハイブリッドチラー。
【請求項3】
前記冷却装置は、凝縮器を有する冷凍サイクルにより構成し、前記各熱交換盤部を、前記送風ファンの送風方向における上流側から前記凝縮器に対面させて配設することを特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッドチラー。
【請求項4】
前記凝縮器は、くの字形に折曲した二つの凝縮ユニット部の組合わせにより構成し、中央の山折部を対向させて配設するとともに、四つの前記熱交換盤部を、二つの前記凝縮ユニット部における山折部の両側位置にそれぞれ配設することを特徴とする請求項3記載のハイブリッドチラー。
【請求項5】
前記送風ファンは、前記送風出口に連通する前記二つの空間に対して共用する位置に配設することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッドチラー。
【請求項6】
前記送風入口は、前記ケーシングの側面パネル部に設ける側面送風入口と上面パネル部に設ける第二送風入口を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハイブリッドチラー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−93067(P2012−93067A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242805(P2010−242805)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】
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