説明

ハイブリッド相ラテラルフロー・アッセイ

本発明は、液体サンプル中の検体の有無を決定するための1ステップアッセイを行うための装置及びかかる装置を用いた係る検体の有無を測定する方法に関する。開示された装置は、無孔性固体物質上に可逆的に固定された検体結合標識試薬を含み、ここで当該固体物質が、固定された検体結合試薬を有する乾燥多孔性担体と物理的に接触する。定量アッセイ装置も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年5月27日に出願された米国特許本出願第10/854,876号の一部係属出願であり、当該出願は、2004年3月23日に出願された米国仮特許出願第60/555,612号の優先権を主張する。両出願の全ては、本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
使用の容易さ、迅速さ、及び信頼性を有するラテラルフロー・イムノアッセイは、自己試験及び臨床設定において広く使用されている。ラテラルフロー・イムノアッセイは、おそらく、液体サンプル中で特定の検体の存在を検出するための迅速な医学的診断において使用される最も一般的な非電気的方法である。
【0003】
一般的な方法では、検体を含むと疑われている液体サンプルは、多孔性の担体にアプライされる。種々の多孔性の物質が一般的に多孔性担体に使用され、そして、孔の大きさ、流速、タンパク質結合の特異性、及び前処理などの点で異なりうる。実質的に、物理的な動き(例えば、液体の移動)及び化学反応の全ては、以下の順番で多孔性担体において行われる。
【0004】
第一に、試験される液体サンプルは、計測時間、例えば5秒間、又は計測体積、例えば2滴で、多孔性担体のサンプリング末端(「遠位末端」又は「濡れ末端」とも呼ばれる)における指定領域に導入される。当該領域から、液体サンプルは、多孔性担体中を乾燥末端(「遠位末端」とも呼ばれる)へと移動する。移動の開始時において、液体サンプルは、しばしば、多孔性担体に染み込まれた化学物質、例えばpH剤又は緩衝剤、界面活性剤、及び/又はブロッカーを用いることにより反応について最適化される。
【0005】
第二に、多孔性担体中を移動している間、サンプルは、多孔性担体中に可逆的に(一時的に)固定された試薬を可動化する。可動化されうる標識試薬が配置される領域は、しばしば「標識領域」と呼ばれるが、「可逆固定領域」又は「可動領域」と呼ばれることもあり、これらの用語は等価である。
【0006】
第三に、検体は可動化された標識試薬と反応する一方、当該液体サンプル及び可動化された標識試薬は、さらに多孔性担体中を検出領域に向かって移動して、ここで同じ検体を結合する試薬は、通常、線の形に固定又は不動化される(当該検出領域は、不可逆固定領域」、又は単に「固定領域」とも呼ばれうる)。検体が、液体サンプル中に存在する場合、可動化された標識試薬:検体:固定された試薬という形態の「サンドウィッチ」が形成され、そして得られた標識試薬の濃度は、検出領域において出現する目に見える線をもたらし、当該線は陽性の結果を指し示す。
【0007】
最後に、残りのサンプル液は、標識試薬の残りと共にさらに、対照領域に移動し、ここで第二の線が出現し、サンプルが検出及び対照領域を通過して進行し、そしてこのアッセイが正確な試験結果を提供したことを指し示す。サンプルの残り及び残余の標識試薬は、次に多孔性のシンクにへと移動する。多孔性担体(検出領域、対照領域、又はシンク以外)に残っている標識された試薬は、いくらかのバックグラウンドシグナルを発生する。幾つかの例では、移動方向が逆になる、いわゆる「逆流」が生じる。さらに、多孔性担体は、化学物質、例えば界面活性剤で前処理されうる。
【0008】
ラテラルフロー・イムノアッセイはまた、検体の競合的結合に基づいて機能しうる。これらの装置において、試験線が出現しないことは一般的に陽性の結果を指し示す。
【0009】
ラテラルフロー・イムノアッセイ装置の最も一般的な例は、妊娠試験である。これらの装置は、一般的に家で用いるため、ファイバー性又は多孔性の伸張部を備えるプラスチック製のハウジング内に提供され、当該装置は、尿サンプルをハウジング内に回収するため、尿流中に保持されうる。この様にして回収された尿サンプルは、次に標識試薬を含む多孔性担体へと移動し、そして上記一連の出来事が開始される。妊娠試験において検出される検体は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)であり、そして一般的に使用される試薬は、抗hCGモノクローナル又はポリクローナル抗体である。最も一般的な標識は、金又はラテックス粒子である。
【0010】
家で使用するために一般的に提供されるラテラルフロー・イムノアッセイ装置の別の既知の例は、排卵試験であり、検体は、黄体形成ホルモン(LH)であり、そして試薬は抗LHであり、そして装置の他の部分は妊娠試験と同様である。
【0011】
カセット試験として一般的に記載されるラテラルフロー・イムノアッセイの専門家用の形式は、繊維伸張の代わりに小さいハウジング及びサンプル・アプライ用の開口部を有する。サンプル開口部は多孔性担体の一部をあらわにしており、ここで、液体サンプルを多孔性担体に直接ピペットで分注することができる。
【0012】
ラテラルフロー・イムノアッセイ装置の低価格の形式は、ストリップ状の計深棒(dipstick)試験である。
【0013】
増えつづける検体に対する、特にカセット及び計深棒形式の様々な試験デザインが市場に存在し、当該方法が広く受け入れられていることを示す。
【発明の開示】
【0014】
発明の要約
本発明は、無孔性固体表面上に可逆的に試薬を固定すること及び多孔性媒質上/中に不可逆的に試薬を固定することを介して、既知の検体の全てに適用できる新たなアッセイを提供する。ここで、キャピラリーによらない液体移動は、サンプリングのモーメント力及び/又は重力により、無孔性固体表面上で達成されうる。無孔性表面の使用は、標識試薬を非特異的に結合する機会を低減し、それによりアプライされた液体サンプルによる迅速な可動化が促進される。多孔性媒体における増大された結合表面領域は、高い可逆固定を可能にし、そうして高いシグナル強度を許容する。最小数の装置構成要素を使用することにより、製造に係る複雑さ及び値段を低減し、そしてキャピラリーによらない液体移動手段は、アッセイ化学反応に寄与しない残りの液体体積を低減し、そして逆流を低減する。
【0015】
本発明は、定量性、計深棒、及び流れの途中の(midstream)試験装置デザインの改善を提供する。
【0016】
異なる検体、標識試薬、捕捉試薬、及び対照試薬との間の一般的な関係は、当業者に知られており、そして本発明の焦点ではない。
【0017】
一の態様では、本発明は、液体サンプル中の特定の検体の存在下で検出可能なシグナルを生成することができる被分析試験装置を包含する。当該装置は、無孔性固体表面及び多孔性担体を含むという点を特徴とする。無孔性固体表面は、可動領域又は標識領域とも呼ばれる指定された可逆固定領域において、可逆的に固定された標識試薬であって検体に対する標識試薬を含み、そして多孔性担体は、不可逆固定領域、又は単に固定領域とも呼ばれる指定の検出領域において検体に対する固定された試薬含む。装置中に入れられた液体サンプルは、無孔性固体表面から標識試薬を可動化し、そして標識試薬-サンプル混合物は、多孔性担体を介して検出領域に移動して、シグナルを生成することができる。
【0018】
可逆固定領域又は標識領域において可逆的に固定された試薬は、サンプルがアプライされた際に、当該試薬が表面から放出されそしてサンプルと混合するように、無孔性表面に軽く結合されている。
【0019】
対照的に、検出領域、固定領域、又は不可逆固定領域において固定された試薬は、アッセイの間中依然として適切な位置に残る様に設計されている。
【0020】
別の態様では、装置中に入れられた液体サンプルは、サンプリングのモーメント力及び/又は重力を用いることにより達成されるキャピラリーによらない液体移動により、サンプルが多孔性担体へと達するまで、可動領域を通して無孔性表面に沿って移動する。次に多孔性担体は、キャピラリー又はウィッキングにより、多孔性物質中に及び多孔性物質上に液体を引き込む。
【0021】
ハウジング又は無孔性固体表面の底面のいずれかがが、取り付けられた仰角機構(elevation mechanism)又は足を含むことは、本発明のさらなる実施態様であり、これらは、液体サンプルをアプライした後に、当該液体サンプルが重力の助けを借りて下流に流れ、当該装置を通して液体サンプルを引き込むような形式で当該装置を静置させる。
【0022】
別の実施態様では、当該装置は、検出領域又はさらに指定された対照領域において、分離された対照シグナルを生成して、適切な量の標識試薬が固定領域を通して通過したことを確認し、アッセイの完了及び/又は検体が存在する場合におけるシグナルを生成する装置の能力を指し示すことができる。
【0023】
別の実施態様では、可逆的に固定された標識試薬を有する無孔性担体及び固定された試薬を有する多孔性担体に加えて、当業者に知られているラテラル・フロー・アッセイ装置の多くの任意の態様を有しうる。これらの態様は、数ある中で、同じサンプル中で複数の検体の計測を許容する適合物を含む。
【0024】
別の実施態様では、当該装置は、互いに平行に配置された2個の無孔性の固体表面を含み、そのうちの少なくとも1つは、乾燥状態で可動領域に標識試薬を含む。好ましい実施態様では、第二の無孔性表面は、第一の無孔性表面よりも広くかつ長い大きさであり、その結果、第二無孔性表面が、第一無孔性表面上に配置される場合、第一無孔性表面の縁が、第二無孔性表面の縁を越えることがない。そうして、取り扱いの改善及び流れの途中のサンプルを適用する際、所望されない濡れを防ぐことを提供する。かかる装置デザインにおいて、サンプルは、大きい無孔性表面の開口部を通してサンプル受容領域上にとられる。
【0025】
代わりの好ましい実施態様において、装置に取り付けられた第二無孔性表面は、第一無孔性表面より広くかつ長い大きさであることはないが、多孔性表面と同じ幅であり、そして少なくとも多孔性表面の長さと同じ長さであり、そして無孔性表面を部分的に又は完全にカバーする多孔性表面より長いこともある。
【0026】
別の実施態様では、当該装置は、液体サンプルを取り入れるための開口部を備えるハウジング及びシグナルを観測するための窓を含む。好ましい実施態様では、ハウジングの少なくとも1の要素は、可動領域に乾燥状態の標識試薬を含む。
【0027】
ハウジング内の装置は、様々な取り扱い付属物に適合され、異なる試験適用、例えば家での使用、専門家による研究所での使用、及び患者側の使用などに設計され、ここで、最小のハウジングを有するデバイスは、異なる付属装置内に含められることはさらに好ましい。
【0028】
本発明はさらに、ストリップ形状の分析試験装置を含み、当該装置が、当該装置のサンプル受け取り末端において、互いに結合された、又は互いに連続した、又は互いに重なり合った2個の平行無孔性固体表面を含み、サンプル・リザーバーを形成することを特徴とする。
【0029】
一の実施態様では、リザーバーは、無孔性固体表面のいずれかの上に存在する開口部を含み、当該開口部は、サンプルを分注する手段、及びリザーバーから液体サンプルを放出するための換気の手段を提供する。
【0030】
一の実施態様では、当該装置は、多孔性担体から遠位にあり、かつ多孔性担体と流路でつながっているシンクをさらに含み、当該シンクは、サンプルが試験ストリップを横断した後に過剰量の液体サンプルを吸収することができる。
【0031】
本発明は、シンク用の蒸発開口部を含むハウジングを含むことを特徴とする、試験装置をさらに含む。
【0032】
本発明は、第二ハウジング又は付属装置に組み立てられるハウジングを含むことを特徴とする試験装置をさらに含む。
【0033】
本発明は、2個の平行無孔性固体表面を含み、ここで当該表面のうちの一つが、シンク領域の一部から除かれていて、そうして十分な蒸発を可能にすることを特徴とする、ストリップ形式の分析試験装置をさらに包含する。
【0034】
本発明は、流れの途中の試験の形式の試験ストリップであって、開口部を含む大きくされた固体表面を含み、当該大きくされた固体表面が、必要なサンプリング及び取り扱いステップにおいて所望されない濡れを防ぐ、前記ストリップを含む。
【0035】
本発明は、前述の態様に従った試験装置であって、検出領域の片方又は両方が透明であるか又は試験結果の観察を可能にする手段、例えば窓を含み、そして上記固体部分は、無孔性又は多孔性であれ全て、互いに既知の技術、例えば、超音波溶着、熱積層法、接着剤、又は機械的手段により接着されうるということを特徴とする前記試験装置を含む。
【0036】
別の態様では、本発明は、液体サンプル中の特定の検体の存在の1ステップ測定のための分析装置であって、
可逆固定領域に可逆的に固定された標識試薬であって、検体を結合して複合体を形成する試薬を含む無孔性固体表面の第一部品;及び
検体を結合する固定された試薬を検出領域に含む多孔性担体
を含み、
ここで当該多孔性担体が、当該無孔性固体表面と接触し、無孔性固体表面にアプライされた液体サンプルが、可逆的に固定された標識試薬を可動化し、この際、液体サンプル中の検体が、標識試薬に結合して、複合体を形成することを許容し、当該複合体が、液体サンプルと一緒に多孔性担体に又は多孔性担体へ流れ、ここで当該固定された試薬が、複合体を結合し、それにより検出可能なシグナルであって、検体の存在を指し示すシグナルを生成する
前記装置を含む。
【0037】
別の実施態様では、多孔性担体はさらに、固定された試薬が固定部位から隔てられておりかつ遠位である部位において、検体以外の薬剤を結合する固定された第二結合試薬を含む。ここで、固定された第二結合試薬の当該薬剤への結合は、固定された試薬の固定部位から隔てられておりかつ遠位である部位を、液体サンプルが通過したことを確認する検出可能なシグナルを発生する。別の実施態様では、当該装置は、隔てられた対照シグナルを、固定領域又はさらなる指定対照領域において生成することができて、固定領域を通して標識試薬の適切な量が通過したこと、及び/又は検体の存在下でシグナルを生成する装置の能力を確認することができる。
【0038】
別の実施態様では、当該装置は、多孔性サンプル・アプライ・メンバーをさらに含む。多孔性サンプル・アプライ・メンバーは、重なり合い、そして無孔性固体物質上に可逆的に固定された試薬と物理的に接触するか、又は重なり合い、そして多孔性担体の少なくとも一部と物理的に接触する。この一部は、重なり合い、無孔性固体物質上に可逆的に固定された試薬と接触する。
【0039】
他の実施態様では、当該装置は、可逆的に固定された標識試薬を有する無孔性担体、及び固定された試薬を有する多孔性担体に加えて、当業者に知られているラテラルフローアッセイの任意の多くの態様を有しうる。これらは、非限定的に、同じサンプル中の複数の検体の計測を許容する適合物を含む。
【0040】
別の実施態様では、可逆的な固定又は可動領域が、複数の標識試薬を含む。別の実施態様では、複数の標識試薬は、異なる検体を結合する。
【0041】
別の実施態様では、多孔性担体は、検出領域において固定された複数の結合試薬を含む。別の実施態様では、複数の固定結合試薬の各々は、空間的に区別される部位に位置し、そして各々は異なる検体と結合してシグナルを生成する。
【0042】
別の実施態様では、当該装置はさらに、複数の試験ストリップの集合体を含み、その各々のメンバーは、1以上の異なる検体の存在を同定する試薬を有する。
【0043】
別の実施態様では、当該装置は、第一無孔性表面よりも広くかつ長い大きさの無孔性固体物質の第二部品を含み、ここで無孔性固体物質の第二部品は、第一部品に平行に位置し、第二部品は、サンプルを導入する隙間を有し、そしてここで第二部品は、当該隙間が固定又は可動領域の上流に位置し、そうして第二部品が、第一無孔性表面が、流れの途中のサンプル・アプライの間、所望されない濡れから守られることを提供する。
【0044】
別の実施態様では、当該装置はさらに、可逆固定又は可動領域から近位にあるサンプル・リザーバーを含み、そして無孔性固体物質の第一部品の連続から形成されるか、又は無孔性固体物質の第二部品を、無孔性固体物質の第一部品と併置することから形成される。
【0045】
別の実施態様では、当該装置は、無孔性固体物質を含むハウジングをさらに含む。
【0046】
別の実施態様では、少なくとも1のハウジングの要素が、可逆的な固定領域又は可動領域を構成し、当該領域が、可逆的に固定された標識試薬を乾燥状態で含む。
【0047】
別の実施態様では、無孔性固体表面にアプライされる液体サンプルの、アプライ部位から可逆固定領域又は可動領域への、そして続いて多孔性担体への流れは、サンプル・アプライの動力学的力、例えば流れの途中のサンプル・アプライ、ピペッティング、又はふき取りにより提供される。
【0048】
本発明は、液体サンプル中の特定の検体の存在を1ステップ測定するための分析装置であって、以下の:
a) その表面上の可逆固定領域又は可動領域に、検体を結合する可逆的に固定された標識試薬を含む無孔性固体物質の第一部品;
b) 検出領域において、検体を結合する固定試薬を含む多孔性担体、ここで当該多孔性担体が、無孔性固体表面と接触し;そして
c) (a)及び(b)上に配置される無孔性固体物質の第二部品
を含む試験ストリップを含む前記装置を包含する。ここで、第一無孔性固体物質にアプライされた液体サンプルは、可逆的に固定された標識試薬を可動化し、その際液体サンプル中の検体が標識試薬を結合して複合体を形成することを許容し、サンプル液体と共に、多孔性担体へと流れこみ、ここで当該固定された試薬が複合体を結合し、それにより検体の存在を指し示す検出可能なシグナルを発生する。
【0049】
別の実施態様では、無孔性固体表面の第一部品上に可逆的に固定されるよりはむしろ、標識試薬は、無孔性物質の第一部品に面する無孔性固体表面の第二部品の表面上の可逆固定領域又は可動領域において可逆的に固定され、その結果、試験ストリップの集合体が正しい方向を向けられたときに、無孔性固体物質の第一部品が底の上に存在し、そして標識試薬が可逆的に第二部品の下側に可逆的に固定される。
【0050】
本発明の更なる実施態様では、検出領域は、多孔性担体の近位に配置され、そうして検出領域は無孔性可動領域に近い。
【0051】
別の態様では、本発明は、液体サンプル中の検体の1ステップの定量的計測用の装置であって、以下の:
a) 可逆固定領域又は可動領域において、検体を結合して複合体を形成する可逆的に固定された標識試薬を含む、無孔性固体表面の部品;及び
b) 多孔性物質のストリップ、
を含み、ここで当該ストリップは、結合試薬を含み、そして無孔性固体表面と接触し、ここで当該結合試薬は、液体サンプルの流れに平行な長軸方向を有する検出領域において多孔性の物質のストリップ上にアプライされそして固定化されており、そして液体サンプルが検出領域に入った位置から、バックグランドを超えてシグナルが検出される検出領域の最も遠い点の距離が、サンプル中に存在する検体の量を指し示す、上記装置を包含する。
【0052】
一の実施態様では、検出領域は、広さの限り、少なくとも1.5倍である。別の実施態様では、検出領域は、多孔性クロマトグラフィー物質の長さの少なくとも50%に渡って広がっている。別の実施態様では、検出領域は、多孔性物質の60%、70%、80%、90%又は全長に渡り広がっている。
【0053】
別の態様では、本発明は、検体を検出する方法を含み、当該方法は以下の:
a)当該検体について試験される液体サンプルを、本明細書中に記載される分析装置と接触させ、そして
b) 液体サンプルが当該装置の試験ストリップ集合体を移動することを許容し、その結果、可逆的に固定された標識試薬が可動化され、その結果当該装置の検出領域に運ばれ、ここで検体が液体サンプル中に存在する場合、検出可能なシグナルが発生し、当該シグナルが検体の存在を指し示す、
を含む。上記又は本明細書中のいたるところに記載された実施態様のいずれか又は全てを含む分析試験装置は、本明細書中に開示される分析方法に使用されうる。
【0054】
本明細書中で使用されるとき、「試験ストリップ」という用語は、その上に可逆的に固定された乾燥試薬が存在する無孔性固体表面及び当該無孔性固体物質と接触する検出領域を有する多孔性担体ストリップを指す。試験ストリップは、さらにシンク要素及び/又は第一無孔性固体物質及び多孔性担体の集合体上に重層された無孔性固体物質の第二部品を有しうる。「試験ストリップ」は、無孔性固体物質と接触する要素を受ける多孔性サンプルを含み、当該無孔性固体物質上で、可逆的に固定された試薬が存在する。さらに、「試験ストリップ」は、処理又は化学処理を通して無孔性及び多孔性の物理性質の両方を含む物質の一の部品、又は異なる物質を含む複数の部品から構成されうる。
【0055】
本明細書中に使用されるとき、「無孔性」という用語は、液体サンプルが通常の条件下で入り込むか又は通過することを許容しない表面を指す。無孔性表面は、通常のアッセイ条件下では液体サンプルを吸着せず、そして非クロマトグラフィー性である。無孔性表面は、好ましくは無反応性であり、湿気に対し不浸透性であり、そしてタンパク質結合性が低い。本明細書中で使用される無孔性表面について、存在するどの孔も、使用される最小の試薬より小さく及び/又はサンプルのどの構成要素より小さい。「より小さい」という用語は、装置の通常の又は最適作動条件において適用される液流条件下で、サンプルの最小の試薬又は構成要素が、認められる量でかかる孔を通過しないことを意味する。「無孔性」物質は、タンパク質低結合性、非吸水性の任意の固体物質、例えば、熱成形又は熱可塑性ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、フルオロポリマー、又はポリエステル、或いはその組合せ)又はガラス若しくは金属若しくはセラミック、又は当業者に周知の複合材料から作られうる。無孔性表面は、タンパク質低結合性の非吸水性物質、例えば、Teflon(登録商標)フルオロポリマー・レジン又はMylar(登録商標)ポリエステル・フィルムで被膜されたセルロースで表面被膜された任意の物質から作られうる。多孔性物質、例えば、ある多孔性プラスチック又はニトロセルロースは、表面を滑らかかつ不活性にする圧力又は化学処理をとおして無孔性にし、そして試薬及び液体は「無孔性物質」の表面を浸透できない。
【0056】
本明細書に使用されるとき、「多孔性」という用語は、多孔性担体ストリップについて使用されるとき、所定の免疫アッセイ装置についての最も大きい試薬又はサンプル構成要素が、当該装置についての通常の又は最適作動条件において適用される液流条件下で通過する孔を、当該物質が有するということを意味する。「多孔性」という用語は、当該物質の本体を通して液体の流れを許容し又は流れさせる孔を有する物質を指す。「多孔性」物質は、当該物質の本体を通した液体の流れを許容する限り、当該物質の外側表面を通した液体の流れを許容することができると理解されるべきである。様々な範囲及び許容範囲の孔サイズを有する多孔性物質は、当該技術分野に周知であり、そして例えばニトロセルロース、ガラスファイバー、多孔性プラスチック、例えばポリスチレンを含み、そして様々なクロマトグラフィー紙を数ある中で含む。
【0057】
本明細書中で使用されるとき、「オープン」という用語は、試験装置集合体の側面について使用されるとき、端が密封されていないか、又は他のものに接着されておらず、その結果空気又は液体が通りうることを意味する。こうして、「少なくとも3の側についてオープン」である集合体は、内部、外部、及び少なくとも1の側で未密封のオープン部位を有する。
【0058】
本明細書中に使用されるとき「オーバーラップ(重なり合う)」という用語は、集合体をある側から見た際に、1の物質、例えば物質のシートが他の物質の上部に広がっていることを意味する。オーバーラップは、完全なオーバーラップ、つまり上側の物質が、下側の物質の全当をカバーする、を必ずしも含む必要はないこともある。
【0059】
本明細書中に使用されるとき「当該多孔性担体の少なくとも1部」という用語は、オーバーラップに関して、例えば、サンプル受容メンバー又は要素により使用されるとき、サンプル受容メンバー又は要素が多孔性担体にオーバーラップするが、検出領域を見えなくすることはないということを意味する。
【0060】
本明細書に使用されるとき、「中に」という用語は、液体サンプル及び液体サンプル中に分散された物質が、多孔性物質の「中に」通過することに関して使用されるとき、サンプルが多孔性物質に浸透し、その結果液体サンプルが流れる多孔性物質の孔の中に運ばれることを意味する。「中に」という用語は、当該様式に置いて使用されるとき、サンプルが流入する多孔性物質の表面上を液体サンプルが同時に通過することを除くことはない。好ましい態様では、多孔性担体物質の表面上の液体の流れは、無孔性の裏打ち層及び/又は多孔性物質上に重層される更なる無孔性物質の存在により低減される。
【0061】
本明細書中に使用されるとき、「可逆固定」は、本明細書に記載されるアッセイ装置に適用されるとき、液体サンプルにより容易に可溶化又は分散される様式で、無孔性固体表面上に試薬を配置することを指す。容易に可溶化又は分散されるという用語により、少なくとも80%、そして好ましくは少なくとも90%、さらに100%の可逆的に固定された物質が、当該装置についての通常又は最適作動条件において適用される液流条件下で液体サンプルをアプライすることにより、液体中に可溶化又は分散される。
【0062】
本明細書において使用されるとき、「可逆固定領域」という用語は、標識試薬が可逆的に固定される無孔性固体物質上の離された領域を指す。可逆固定領域は、「可動領域」又は「標識」領域とも呼ばれる。
【0063】
「可動化」は、乾燥し、可逆的に固定された状態から、本明細書に記載されるアッセイデバイス中の多孔性担体に及び当該担体を通して流れることができる可動状態へと標識試薬を部分的に分散又は可溶化する事を意味する。「可動性」という用語は、標識試薬が、表面に関して横方向に移動すること、例えば当該試薬は液流中を移動するか又は液流と共に移動することを意味する。
【0064】
本明細書に使用されるとき、「近位」及び「遠位」という用語は、流れの方向、つまり試験ストリップ集合体の近位末端から遠位末端への液体サンプル流の方向に基づく。
【0065】
本明細書に使用されるとき、「検出領域」という用語は、本明細書中に記載される多孔性担体上の領域(単数又は複数)であって、1以上の分離された位置に固定された検体結合試薬を含む領域を指す。検出領域は、任意の対照領域(単数又は複数)の近位側に存在し、そしてシンクの近位側にある。本明細書に記載される定量的アッセイ実施態様において、検出領域は、多孔性担体物質の全長にまで拡大しうる。
【0066】
本明細書に使用されるとき、「接触する」という用語は、2個の物質間の直接的な接触を指すが、要素の間の接触又は要素間の液体の流れが存在する限り、本明細書に記載される物質の間の介在構造を使用することも含む。
【0067】
本明細書に使用されるとき、「固定された」という用語は、固定された試薬(可逆的に固定された試薬とは対照的に)に関して使用されるとき、当該試薬が、当該装置についての通常又は最適条件において適用される液流条件下で、液体サンプルの通過により認知されるほど可溶化又は置換されないということを意味する。「認知されるほど溶解又は置換されない」という用語は、多くの固定試薬が、通常のアッセイ条件下で液体サンプルの通過の際及び通過の後に、多孔性担体に結合されて残ることを意味する。
【0068】
本明細書に使用されるとき、「特異的に結合する」という用語は、1μM以下の解離定数で結合する試薬を意味する。検体を「特異的に結合する」という薬剤は、好ましくは、多くの無関係の分子の存在下で、検体を優先的に結合するであろう。結合試薬に関して、可逆的に固定された結合試薬及び固定結合試薬の両者が、特異的に及び実質的に排他的に関心の検体を結合することが一般的であろう。しかしながら、可逆的に固定された標識試薬及び固定された試薬は、必ずしも関心の被分析にのみ結合する特異性を有する必要はない。例えば、クラスのメンバーにより共有される構造類似性に基づいて、検体のクラスを結合する1の試薬及び関心の検体を結合する第二試薬を使うことができる。
【0069】
本明細書で使用されるとき、「位置的にはなれた」という用語は、所定の領域が、目で見て、分離していて重なり合っていないと区別される別の領域から十分に離されているということを意味する。一般的に、検出領域上の領域に関して、当該用語が使用されるとき、2個の領域は、それらが0.2mm以上、例えば0.2mm、0.3mm、0.5mm、1.0mmなどである場合、「位置的に離れている」。
【0070】
本明細書で使用されるとき、「より広い」及び「より長い」という用語は、物質の所定の部品、例えば、無孔性物質のシートが、幅及び長さの点で比較されるもう一方の部品よりも少なくとも1mm大きく、そして好ましくはそれ以上(例えば、2mm、3mmなど)であることを意味する。
【0071】
本明細書で使用されるとき、「流れの途中のサンプル・アプライ」という用語は、液体の流れ、例えば排尿の間の尿の流れの中にアッセイ装置を保持することにより液体サンプルをアプライすることを指す。
【0072】
本明細書で使用されるとき、「サンプル・リザーバー」という用語は、アッセイ装置が試験結果を提供することを許容するために少なくとも十分な量で、液体サンプルを保持することができる、本明細書に記載されるアッセイ装置の要素を指す。サンプル・リザーバーは、当該アッセイ装置の近位末端に一般的に位置し、その結果液体サンプルのリザーバーへの適用が、可逆固定領域又は可動領域の近くの無孔性固体表面に液体サンプルを適用することをもたらすであろう。
【0073】
本明細書で使用されるとき、「ハウジング」は、本明細書に記載されるアッセイ装置の少なくとも検出領域を囲う囲いである。-ハウジングは、サンプルを加えるため及び試験結果の観察のため、少なくとも1の隙間を有する。例えばシンクからの蒸発を許容する隙間が存在しうる。ハウジングが使用される場合、可逆的可動領域及び/又は固定領域の表面として提供することにより、ハウジングは、アッセイ装置における活性メンバーとなるということが好ましい。
【0074】
本明細書で使用されるとき、「バックグラウンドを越えて検出される」という用語は、得られたシグナルが、検体が存在しない状況でのアッセイの実行した際に得られるシグナル量よりも大きいということを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0075】
本発明は、無孔性固体表面及び多孔性担体を含むハイブリッド試験ストリップを含む新たなアッセイ・プラットフォームを提供する。アッセイ装置が機能する場合、液体サンプルの適用により容易に分散されるか又は可溶化されなければならない標識試薬を可逆固定するために無孔性物質を使用することは、かかる分散又は可溶化を頻繁に邪魔する非特異的相互作用を避ける。有用性の点で、粒子標識を使用するアッセイに制限されない一方、可逆固定に使用される物質の無孔性特徴は、可逆固定に一般的に使用される物質の孔の中にトラップされる粒子により引き起こされる問題を避け、そして多孔性媒質の増大した結合表面領域は、高い可逆固定を可能にし、その結果高いシグナル強度を可能にする。最小数の装置の構成要素を使用することが、製品の複雑さ及び値段を低減する。キャピラリーによらない液体移動を使用することは、アッセイの化学反応に寄与しないで残存する液体体積を低減し、そして逆流を低減することを意味する。本明細書に記載される装置は、1ステップの検体の検出によく適している。つまり、試験結果を得るために、装置に液体サンプルをアプライすることのみを必要とする。
【0076】
一の態様では、可逆固定領域は、液体サンプルが流入し(入口)、そしてそこから液体サンプルが流出する(出口)末端上でオープンであるばかりでなく、1以上の側面で、そして潜在的に上部でオープンである。この設計は、製造を比較的容易にする。こうして、密閉システムであるよりは、固定領域は、少なくとも3個の側面 (入口、出口、及び1の側面)でのみ、好ましくは4個の側面(入口、出口、及び両側)、及び潜在的に5の側面(入口、出口、両側、及び上部、つまり、可逆固定領域の上部上で第二表面を有さない)でオープンである。さらに、装置全体は、側面でオープンでありうるし、並びに、入口及び検出領域又は任意のシンクより後ろの部分でオープンでありうる。製造の容易さに加えて、装置の遠位末端がオープンであることは、その末端からの蒸発を許容し、液体の連続した流れを促進する。こうして、一の態様では、当該装置は3の側面(入口、出口、及び1の側面)、又は4の側面(入口、出口、及び両側)でオープンである。
【0077】
一の態様では、液体サンプル中の特異的検体の存在に依存して適切なシグナルを産生する一ステップ分析試験装置が提供される。当該装置は、無孔性固体表面及び当該表面に流路でつながった多孔性担体を含む。無孔性固体表面は、可逆的に固定された標識試薬であって、指定された可動領域に位置する検体に特異的に結合する可逆的に固定された標識試薬を含む。多孔性担体は、検体を特異的に結合し、検出領域に位置される固定された標識を含む。当該装置に入れられた液体サンプルは、標識された試薬の可動化を開始することができ、そして標識試薬+サンプル混合物は、多孔性担体を通して検出領域に移動できて、適切なシグナルを産生することができる。
【0078】
作動させる際に、標識試薬は、多孔性担体を通過する液体サンプルにより可動化されないが、サンプルが可動領域の無孔性表面を通過するとき、標識試薬は溶解するか、又は液体サンプル中に分散され、そして次に液体サンプルにより多孔性担体中又は上に運搬される。
【0079】
記載されるように、本明細書に記載される1ステップ・アッセイ装置は、本明細書に記載される装置に液体サンプルがアプライされる場合、これが、アッセイ結果を生成するために必要な全てである。しかしながら、装置は、サンプルを予め混合しそして実行前に複合体を標識するなどの、多ステップ・アッセイ・システムを許容する様に改変されうる。さらに、液体サンプルを当該装置にアプライした後に、液体の流れは実質的に連続である。つまり、流れは、流れが再開されるまでインキュベーションを許容するために、実質的に止められることはない。流速は、例えば、液体サンプルが無孔性固体物質から多孔性担体物質に移動するとき、変化しうるが、サンプルの流れを実質的に停止するように設計された障害は存在しない。
【0080】
このように設計された障害を含めないことは、単純化及び低価格製品を可能にし、そして結果を早くもたらしうるアッセイ・プラットフォームを提供する。このことは、試験性能に複雑さをあまり与えないであろう。
【0081】
一の態様では、可逆固定領域の表面は、実質的に滑らかであり、つまり、当該表面は、高い表面積を提供するか又は液流の強弱を変化させるために、又はそうした様式で溝が掘られていないし、又はエッチングもされていない。実質的に滑らかな無孔性表面は、溝又はエッチングを含む不規則な表面よりも、より効率的に標識試薬を放出する傾向がある。表面領域に関して、一の態様では、可逆的に標識された試薬により占められる無孔性表面領域は最小化される。他の配置は、この態様において、良好な結果を提供しうる一方、可逆的に固定された標識試薬の「フットプリント」を可能な限り小さく維持する。これは、標識試薬と、無孔性表面との非特異的相互作用を可能性を最小にし、そしてより濃縮された可動標識フロントを与えうる。多孔性担体物質のかなり近くの無孔性表面上に可逆的に固定された試薬を配置することは、利点でありうる。好ましくは、標識試薬は、可逆固定領域において凍結乾燥されうるか、又は吸引下で乾燥されうるが、標識試薬の風乾が最も好ましい。
【0082】
本明細書に記載される新規のハイブリッド相(無孔性/多孔性)の標識試薬固定/検出集合体に関与する装置及び方法は、当業者に周知の他のラテラルフローアッセイ装置の態様、例えば、可動性及び/又は固定対照試薬、競合的アッセイ形式などの態様を含みうる。
【0083】
本発明のこれらの及び別の態様では、装置は、開口部又は隙間を含む任意のハウジング内に含まれることがあり、アッセイを開始するために、当該ハウジングに液体サンプルが導入されうる。かかるハウジングは、知られており、そして一般的に水不浸透性の熱成形性又は熱可塑性物質から生成される。本明細書のいたるところで記載されるように、当該ハウジングは、幾つかの態様では当該装置の機能の重要な役割を果たしうる。
【0084】
本発明の別の態様は、計深棒試験用のリザーバー構造に関し、ここで当該試験ストリップは、多孔性担体を挟み込むストリップの各広い側面上に2個の平行固体層を含み、そして当該層は、一つになることにより、当該ストリップのサンプリング末端においてサンプル・リザーバーを形成する。
【0085】
本発明の別の態様は、流れの途中のサンプル充填用に設計される装置に関し、ここで当該試験装置は、サンプリング用の隙間を有する大きい外側表面を含む。大きい外側表面は、流れの途中のサンプリングの際に所望されない濡れから装置の乾燥部を保護し、そして改善された取り扱いの手段を提供する。サンプル・アプライ要素をカバーし、そして当該装置のサンプル・アプライ末端からの所望されない蒸発を妨げるか、又は当該装置がサンプル充填後に設置した際に、表面の損傷を避けるために、取り外し可能なキャップ又は隔壁が、場合により含まれる。
【0086】
本発明の別の態様では、当該装置は、競合型特異的結合アッセイを行うために改変されてもよい。競合アッセイ技術は、従来技術において広く知られている。具体的に、可動性試薬は、検出領域における結合についてサンプル中の試薬(例えば、hCG抗原)と競合し、その結果、検出可能な線が存在する場合、当該試験は、当該試薬(例えばhCG抗原)に対して陰性である。
【0087】
他の態様では、本発明の装置は、ハウジングを含みうる。ここで、ハウジングの少なくとも1の要素は、可動領域を含む無孔性固体表面の少なくとも一部であり、そして無孔性固体表面は多孔性担体と流路でつながっている。
【0088】
本明細書に記載されるこの態様又は他の態様に従って、ハウジングは、1つの部品又は複数の部品から作られうる。当該ハウジングは、任意の実用的な大きさ及び形であり、そして標識試薬に対して親和性の低い任意の無孔性及び非吸水性固体物質から作られ、水不浸透性熱成形又は熱か組成物質から一般的に生成される既知のハウジングを含む。本発明の別の態様では、当該ハウジングは、多孔性の物質、例えば重要な領域に置いて無孔性になるように処理された紙などの多孔性の物質から作られうる。多孔性ハウジングは、構造的な完全性を当該装置に加えることに加えて、過剰量のサンプルを有利に吸収するために使用することができるか、又はシンクとして使用することができる。
【0089】
別の態様では、本発明は、付属装置及びシェル・ハウジングに関し、ここで本明細書に記載される接近したハウジング中の装置は、付属装置又はシェル・ハウジングに含まれうる。
【0090】
一の態様では、本発明は、液体サンプル中の特異的検体の存在に依存して適切なシグナルを生成できる被分析試験装置を提供する。図1は、かかる装置の基本的な構成を示す。図1Aは、組み立てられた装置を示し、そして図1Bは組立前の装置を示す。当該装置は、無孔性固体表面(1)及び当該表面に取り付けられた多孔性担体(2)を含む。当該無孔性固体表面は、指定された可動領域(3)において検体に特異的な可逆的に固定された標識試薬を含み、そして当該多孔性担体は、指定された固定領域(4)において検体に対し可逆的に固定された試薬を含む。任意の対照領域(5)はまた、不可逆的に固定された試薬を含む。
【0091】
近位末端(6)、つまり、濡れ末端、又は当該装置のサンプリング末端、及び遠位末端(7)、つまり当該装置の乾燥末端が示される。
【0092】
近位末端から当該装置に導入される液体サンプルは、多孔性担体(2)を接触させる前に、可動領域(3)の可逆的に固定された標識試薬の移動を開始させ、そして標識試薬サンプル混合体は多孔性担体(2)を介して、インキュベーション領域(9)を通して固定領域に移動して、シグナルを生成し、そしてさらに任意の対照領域(5)へと移動して、対照シグナルを生成し、そして最終的にシンク領域(10)に移動する。
【0093】
無孔性表面(1)は、タンパク質結合性が低く、非吸水性の固体物質、例えば熱成形又は熱可塑性ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、フルオロポリマー、又はポリエステル、又は組合せ)又はガラス、金属、セラミック、又は当業者に周知の複合材料から作られうる。無孔性表面は、タンパク質結合性が低く、非吸水性の物質、例えばTeflon(登録商標)フルオロポリマー・レジン又はMylar(登録商標)ポリエステル・フィルムで被膜されたセルロースで被膜された表面である、任意の物質から作られうる。さらに、処理された表面性質が、通常のアッセイ条件下で液体サンプル及び/又はアッセイ試薬が表面に入り込むか又は通過することを許容しないかぎり、無孔性表面は、圧縮及び表面処理されうる任意の物質(多孔性又はそれ以外)を使用して作成されうる。
【0094】
多孔性担体(2)は、その流速、口径、タンパク質結合能、ブロッキングの要件、特異的検体及び標識についての適合性、厚さ及び裏打ち層に従って、様々な市販の多孔性物質から選ばれうる。これら全ては、当業者の知識の範囲内である。最も一般的な多孔性担体のタイプは、ニトロセルロース及び多孔性プラスチックである。非特異的結合を防ぐか又は、例えば、湿潤性質を助ける必要があるならば、多孔性担体は、ブロッキング試薬、例えばウシ血清アルブミン、又は界面活性剤で前処理されるか、或いは販売元から予め処理されたものとして得ることができる。
【0095】
可動領域(3)は、濡れた際に可動化される標識試薬で実質的に被膜される。被膜は、当業者に知られている多くの技術、例えばスプレー又は分注で行われうる。
【0096】
所望される場合、無孔性表面、多孔性表面、又はその両方が、アプライされた液体サンプルの流量特性を変更する試薬(例えば、非イオン性界面活性剤など)で処理されうる。
【0097】
固定領域(4)は、同じ特異的検体に対する未標識の捕捉試薬で実質的に被膜される。被膜は、当業者に知られる多くの技術、例えば、スプレー又は分注で行われうる。使用される方法に依存して、被膜は、固定された試薬の多孔性担体への浸透の程度の変化をもたらす。かかる浸透は、本明細書に記載される装置の機能に必要とされないか、又は決定的ではない。つまり、小さい領域に高濃度の固定された試薬を提供することは望ましいが、一般的にかかる浸透に悪影響は存在しない。捕捉剤を、固定領域に永久的に結合する最も一般的な方法は、試薬の水溶液を多孔性担体へ受動的に吸着させ(例えば分注/スプレー、インキュベーション)、そして乾燥させることである。
【0098】
場合により、多孔性担体の固定領域は、液流を低減し、そして免疫濃度を増加させるために、圧縮され、そうしてシグナル強度を増加させる。固定領域への多孔性担体の圧縮は、捕捉剤を適用と同時に又は前もって行われうる。
【0099】
多孔性担体(2)は、液体サンプル+標識試薬の混合物の移動を制御し、そして固定領域(4)と場合により対照領域(5)を含むという2個の基本的な機能を有する。
【0100】
検体(存在する場合)と標識試薬との間のインキュベーションは、可動領域(3)において部分的に行われ、そして可動領域と固定領域との間での移動を部分的に介して行われる。その結果、可動領域(3)と固定領域(4)との間のインキュベーション領域(9)を介した液体通過時間は、当該装置の感度に影響する。インキュベーション領域(9)の長さ及び多孔性担体の流速を調節することにより、装置の感受性が変更されうる。
【0101】
任意の対照領域(5)の後ろの多孔性担体の遠位の位置は、液体シンクとして機能する。
【0102】
好ましい実施態様では、当該装置は、無孔性固体表面(1)上にサンプル受け取り領域(8)を含み、濡れた際に即座に可動化されるサンプル処理試薬(例えば、界面活性剤、塩、pH剤、ブロッカー)、又は試験システムからブロックされる分子に対する結合剤を含む。処理薬剤は、追加的に又は代わりに、多孔性担体に適用されうる。
【0103】
好ましい実施態様では、当該装置はまた、無孔性担体上に任意の領域(13)及び任意の取り付け領域(21)を含み、これらは、製造及び組立目的のために使用されうる。任意の領域(13)は、多孔性担体中への液体の移動を促進するために湿潤剤、例えば、非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0104】
好ましい実施態様では、装置は、第一無孔性表面(1)に平行に取り付けられる第二の無孔性表面(11)を含み、これにより、サンプル・アプライを高めるか及び/又は任意のサンプル受け取り領域(8)から多孔性担体の近位末端(14)への液体サンプルの輸送が高められ、及び/又は多孔性担体(2)上の表面輸送が避けられ、そして液体サンプルの速すぎる乾燥が避けられ、及び/又は当該装置の頑丈さが改善される。
【0105】
好ましい実施態様では、第二無孔性表面(11)は、任意のサンプル・アプライ領域(8)に晒し、そして当該装置の近位末端においてサンプル・アプライへのガイダンスを作成するため、第一無孔性表面(1)より短い。
【0106】
好ましい実施態様では、第二無孔性表面(11)又は第一無孔性表面(1)は、本発明に従う装置の遠位末端(7)における表面より短い。そうして、液体シンク(10)の一部を大気に晒し、その結果、蒸発表面を作成し、シンク(10)の液体吸収能力を高め、そして液体サンプルの逆流を阻害する。
【0107】
好ましい実施態様では、第二無孔性表面(11)の内部表面(多孔性担体と繋がっている)はまた、第一無孔性表面(1)上の可動領域(3)と共に、又は第一表面の領域の代わりに可動領域(16)を含む。同じことは、第二無孔性表面(11)上のサンプル受け取り領域(15)と第一無孔性表面(1)上のサンプル受け取り領域(8)との間で可能である。第二無孔性表面が可動領域を有するとき、装置の作動の間、第二無孔性表面が第一無孔性表面の上に存在し、その結果、重力が、標識試薬の溶液への移動を手助けする。
【0108】
好ましい実施態様では、図1に示される試験装置は、様々な物質、例えば熱成形又は成形プラスチック物質から作られるハウジング内に組み立てられる。かかるハウジング物質及びデザインは、当業者に周知である。
【0109】
本発明の別の態様は、計深棒試験用のリザーバー構造に関し、ここで多孔性担体及び当該層を挟み込むストリップの各広い側面上で2個の平行固体層を含み、それは、互いに一緒になることで、当該ストリップのサンプリング末端においてサンプル・リザーバーを形成する。
【0110】
図2Aに示される様に、無孔性の両表面(1及び11)は、本発明に従った装置の近位末端(6)において互いに取り付けられるか、又は互いに連続するか又は互いに重なり合い、その結果当該サンプルについてリザーバー(17)を作成した。リザーバー(17)は、必要とされる量の液体サンプルを即座に回収でき、そうして、計測された時間の間、当該装置を液体サンプルに浸す必要性を取り除く。リザーバー(17)は、球根型から角張った型の多くの形状のいずれかに設計されうる:いくらかの変更を、図2B、2C、2D、及び2Eの側面図に示す。リザーバー(17)は、任意のサンプル受け取り領域(8)の物質と同様の物質を含みうる。
【0111】
好ましい実施態様では、リザーバー(17)は、無孔性固体表面のいずれかの上で開口部(18)を含み、開口部は、リザーバー(17)から液体サンプルを放出するサンプルの分注及び換気手段を提供する。
【0112】
別の態様は、流れの途中のサンプル回収に最適化された装置に関し、ここで、当該試験装置は、サンプリング開口部を伴う大きな表面を含む。当該大きな表面は、流れの途中のサンプリングの際の所望されない濡れから、当該装置の乾燥部を保護し、そして改良された取り扱いの方法を提供する。
【0113】
図3Aの集合装置として、及び組み立てられていない3Bの装置として図3に示されるように、第二無孔性表面は、第一無孔性表面(1)よりも広くかつ大きく(19)、そうして、改善された取り扱い、及び流れの途中のサンプル・アプライにおける所望されない濡れからの保護を提供する。係る装置設計において、サンプルは、大きな無孔性表面(19)上の開口部(20)を介してサンプル受け取り領域(8)にとられる。
【0114】
好ましい実施態様では、大きな第二無孔性表面(19)は、第一無孔性表面の遠位末端において、任意の取り付け領域(21)に取り付けられ、そして多孔性担体の上部表面上の多孔性担体(2)に取り付けられうる。任意のスペーサー(22)は、サンプル受け取り領域(8)を介した表面の間の距離を維持するために使用されうる。
【0115】
好ましい実施態様では、第三の層は、同じ様式において、通常の大きさの無孔性表面(図1及び2)を有する装置に取り付けられうる。
【0116】
別の態様では、ハウジングの少なくとも1の要素が、可動領域を含む無孔性固体表面の一部である、ハウジングに関する。この態様では、第一態様と同様に、当該固体表面は、多孔性担体と流路でつながっている。
【0117】
本発明に従ったハウジングは、1の部品又は複数の部品から作られうる。ハウジングは、実用的な大きさ及び形のいずれかであり、標識試薬に対して低い親和性の無孔性及び非吸水性固体物質から作られうる。例えば、水不透過性熱形成又は熱可塑物質から一般的に製造される既知のハウジングを含む。しかしながら、ハウジングの多孔性性質が、過剰量のアプライされたサンプルを吸収するために有利に使用できるか、又はシンクとして使用できるように、多孔性ハウジングを重要な領域で無孔性にすることがさらに可能である。
【0118】
図4Aの透視側面図において示されるハウジングを備える装置は、トップ(23)及びボトム(23)ハウジング・パーツ並びに多孔性担体(2)から構成される。両方又はいずれかの内部表面(25及び26)は、可動領域(3)を含む。液体サンプルを、取り込み開口部(27)を通して装置に入れる。装置に取り入れた過剰量の液体を、任意の排水開口部(28)を通して排水する。取り込み開口部(27)と可動領域(3)との間の内部表面(25及び26)は、サンプル受け取り領域である。任意の蒸発グリル(29)が、当該装置の遠位底末端上に存在して、シンクの機能を手助けする。多孔性媒質は、シンク容量を低減することなく短い装置設計を作成するために、それ自身(30)にわたり折りたたまれうる。
【0119】
図4Bは、上面からみた同一の装置を示し、そして図4Cは、下面から見た同一の装置を示す。図4Dは、透明側面図、任意の排水開口部(28)及び他の任意の構成要素、例えば、折りたたまれた多孔性の担体(30)又は蒸発グリル(29)を伴わない同じハウジングの透明側面図を示す。図4Dに可動領域(3)の代わりの配置が示される。
【0120】
別の態様は、本発明に従った、近接するハウジング又は言い換えると第一ハウジング中の装置が付属装置又はシェル・ハウジング、言い換えると第二ハウジング内に含まれうる、付属装置及びシェル・ハウジングに関する。
【0121】
図5は、近接ハウジング(図4)を伴う装置が、家で使用するための成形プラスチック・シェル(32)内に又は計深棒延長棒(34)上/内に、又は卓上試験装置(33)内に含まれるか、又はそのまま(31)使用されるアダプターの例を示す。アダプターは、これらの装置のいずれかの内側から、断面図において見られる例として付属物内の単純な容器スロット(35)により達成されうる。
【0122】
前述の装置の全てについて、シグナルの観察を可能にするため、シグナル生成領域の片側又は両側は、透明であるべきであり、又は試験結果の観察を可能にする手段(例えば窓)をふくむべきであり、そして無孔性又は多孔性の上記固体部分の全ては、超音波溶接、熱積層、接着剤、又は機械的な手段などの既知の技術により互いに取り付けられうる。
【実施例】
【0123】
1.無孔性固体表面物質:
無孔性固体表面は、様々な形態及び厚さのシート状の多種多様な物質、例えば、多くの販売元、例えばGeneral Electric、USAから市販されるポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカルボネート、ポリプロピレン、又はポリエステル、又はそれらの組合せから選ばれうる。
【0124】
2.多孔性担体:
多孔性担体は、多くの販売元、例えばWhatman,UK; Schleicher & Schuell, Germany and Porex, USAから利用できる多種多様のクロマトグラフ物質、例えばセルロース、ニトロセルロース、又は多孔性プラスチックから選ばれうる。非限定的な例は、例えば2〜8μmの孔サイズを有する親水性の多孔性ポリエチレンメンブラン、又はラテラル・フロー試験ニトロセルロース・メンブランを含む。
【0125】
3.標識物質:
標識は、当業者に一般的に知られている多種多様な物質、例えば金属、色素、ポリマー、酵素、及びフルオロフォアから選ばれうる。コロイド状金及びラテックス・ポリマー粒子は最も一般的である。
【0126】
コロイド状の金は、販売元、例えば、BBI, UKから得ることができる。金粒子は、米国特許第4,313,734号に従って製造されうる。例として、約40nmの直径のコロイド状金粒子が使用されうる。
【0127】
ポリマー粒子は、当業者に一般的に知られている多くの販売元、例えば、Bangs Laboratories, USAから得られうる。
【0128】
4.結合試薬:
結合試薬は、抗原、抗体、又は結合パートナー・アレンジメント(アビジン-ビオチン)であってもよい。抗体は、結合試薬として有用であり、そして当業者に知られている多くの販売元から得られるモノクローナル又はポリクローナル抗体であってもよい。代わりに、抗体は、当該技術分野に周知の方法に従って、所望の抗原に対して作られうる。
【0129】
妊娠検査試験の場合、hCGについての標識及び捕捉抗体は、例えばMedix, Finland(クローン・コード:5006〜6601)から得ることができる。
【0130】
標識抗体に対する対照抗体は、例えばDako, Denmark(コード:Z0109)から得ることができる。
【0131】
抗体(又は例えば抗体の抗原結合断片)が好ましい結合試薬である一方、結合試薬は、関心の検体に結合するか又は特異的に結合する任意の試薬から選ばれうる。こうして、アプタマーなどを含む核酸などの薬剤、並びに特異的結合パートナー、例えば、標的タンパク質に対する相補的結合ドメインを有するポリペプチド、例えばロイシン・ジッパー又はSH2ドメインは、記載される装置及び方法において使用するための候補である。
【0132】
5.抗体の標識への結合
抗体の標識への結合は、例えば米国特許第4,313,734号又は米国特許第5,571,726号に記載される当業者が一般的に行う方法である。金複合体は、電荷誘引、疎水誘引、又は硫黄結合を介して、抗体を金表面に数分間吸着することにより調製されうる。
【0133】
ポリマー複合体は、既知の方法、例えば、Bangs Laboratories TechNotes 204(マイクロスフィアへの吸着)、205(共有結合)、及び303(ラテラル・フロー試験)に従って、抗体を粒子に吸着又は共有結合することにより調製されうる。
【0134】
或いは、予め結合された抗体は、多くの販売元、例えばArista, USA, 及びBritish Biocell, UKから得ることができる。
【0135】
6.標識抗体の無孔性固体表面への可逆固定
可逆固定化溶液を、British Biocell, UKから得て、そして抗hCG抗体で被膜された40nmのコロイド状金を光学密度10で含んだ。所望される場合、トレハロースなどの可溶化剤(Sigma,T-5251)は、可逆固定化溶液に加えられうる。
【0136】
固体表面の1mm幅あたり1μlのこの溶液を、無孔性表面上の指定された可動領域(3)に与えた。乾燥を20%の相対湿度の下、室温で一晩行った。
【0137】
可動性の乾燥された試薬用の、安定化システム又は安定化緩衝液が知られており(例えば、Brooksら、1986を参照のこと)、そして(例えば、Surmodics, U.S.Aから)市販されている。かかる緩衝系の使用は、乾燥状態の標識試薬の安定性を高めることができ、そしてかかる試薬の可動化特徴を改善することができる。
【0138】
使用される無孔性表面物質は、200μmの厚さの透明なポリカーボネート・シートであった。シートを、様々な長さの5mm幅のストリップに切断した。
【0139】
7.未標識抗体の多孔性担体への固定:
5mg/mlのhCGのαサブユニットに対するモノクローナル抗体溶液を、多孔性担体の幅1mmあたり0.2μlで、指定の固定領域(4)に分注し、そして20%相対湿度で一晩乾燥した。
【0140】
抗マウス対照抗体を、同じプロトコルを用いて固定した。
所望される場合、多孔性メンバーは、界面活性剤又は他の湿潤剤、ブロッキング剤、又は最適化剤で処理されうる。
【0141】
8.集合体:
透明無孔性固体表面を、55mm×5mmの長方形の形に切断した。近位末端から10mm〜55mmで、耐水性両面透明粘着テープを使用して多孔性担体(5×45mm)をくっ付けた。第二無孔性固体表面を、5×60mmのストリップに切り、そして粘着テープを使用して、第一無孔性表面に平行な多孔性担体に接着させた。
【0142】
こうして、図1に示される構造を達成した。
【0143】
別の集合体形式において、透明無孔性固体表面を、121mm×5mmの長方形ストリップの形状にした。遠位末端〜45mmに、前述の集合体と同様の多孔性担体を、耐水性両面粘着テープを使用してくっ付けた。60〜61mmの間で、固体表面を二回90°折り曲げ、そして耐水性両面粘着テープを使用して多孔性担体にくっ付けた。
【0144】
こうして、図2Aに示される構造に類似の構造が達成された。
【0145】
別の集合体形式において、透明の無孔性固体表面を、70mm×5mmの長方形ストリップの形状に切った。近位末端から25mm〜70mmで、被膜された多孔性担体を、耐水性両面粘着テープを使用してくっ付けた。
【0146】
同じ物質から作られる第二透明無孔性固体表面を120mm×50mmの長方形に切った。近位末端から12〜15mmの間で、直径3mmの穴を長軸方向にあけた。多孔性担体上及び前述のストリップ構造の近位5mm上に両面テープを使用し、ストリップのサンプル受容領域が穴を介して晒されるように、長方形シートの下部にストリップ構造をくっ付けた。
【0147】
こうして、図3に示される構造を達成した。
【0148】
9.hCGについてのアッセイ
本明細書中に開示されるアッセイキットの機能及び感度を試験するため、凍結乾燥hCG標準(世界保健機構国際基準75/537に対して調製済)をPBS中に溶解した。20〜80μlの新たに調製されたhCG希釈液(20IU hCG/l、100IU/l、2000IU/l、及び20000IU/l)を、96個の個々の装置の各々について、装置のサンプル受容領域にピペットした(hCG希釈液のため総計384個の装置が使用される)。対照として、80μlのPBSを別の20個の装置にピペットした。
【0149】
PBS及び20IU hCG/lを有する全ての装置は、目に見える陽性シグナルを与えない。
100IU hCG/l以上を有する全ての装置は、目に見える陽性シグナルを与える。
本明細書中に記載される装置が、妊娠初期において妊娠診断に有効な感度を有することに留意すべきである。
【0150】
10.多孔性サンプル受容要素を含む装置
一の態様では、本明細書中に記載される無孔性/多孔性ハイブリッド相集合体を具現化した装置は、図6に示されるようにサンプル受容要素を含みうる。図を参照すると、一の実施態様では、集合体は、標識試薬(1)が可逆的に固定される無孔性表面(2)を含み、当該標識試薬(1)は、当該無孔性表面(2)に取り付けられた多孔性担体物質(3)に隣接している。多孔性のサンプル受容物質(4)、例えばフィルター紙、例えばWhatman紙又は多孔性プラスチック製物質又はラテラルフローアッセイ装置にサンプル・アプライパッド物質として一般的に使用される他の物質が、無孔性表面と重なり合うか又は境界を接するように配置される。サンプル受容要素及び可逆的に固定された試薬の配置に関して、幾つかの異なる配置を、図6のパネルA〜Dに示す。図6Aに示される様に、多孔性サンプル受容物質は、固定された標識試薬(1)と重なりうる。或いは、図6Bに示される様に、多孔性のサンプル受容要素(4)は、可逆的に固定された標識試薬(1)及び多孔性担体物質(3)の両者と重なりうる。図6Cに示される別の代替品では、標識試薬(1)は、無孔性表面(2)上に可逆的に固定され、多孔性担体物質(3)は、可逆的に固定された標識試薬(1)に重なり、そして多孔性サンプル受容要素(4)は、多孔性担体物質(3)と重なる。図6Dに記載されるさらに別の代替品では、標識試薬(1)は、一の側(上流側)で多孔性のサンプル受容要素(4)と、そしてもう一方の側(下流側)で多孔性担体物質(3)に隣接し、そして好ましくは境界を接し、又は接触して、無孔性表面(2)上に可逆的に固定される。
【0151】
11.定量アッセイ形式:
別の態様では、定量ラテラルフローアッセイが提供される。この態様では、液体サンプルの流れの垂直方向の比較的狭い別個の線上に捕捉剤を固定化するのではなく、不可逆的に固定された試薬は、液流の方向に平行及び縦方向の広い検出領域に適用される。例を図7に記載する。ここで検出領域は、不可逆的に固定された捕捉試薬を含む検出領域は、多孔性物質の長さに実質的に適用され、これは選択肢の一つである(本態様に従うと、検出領域の長さ、多孔性物質の全体の長さについて必要条件がないということに留意することが重要である。)。
【0152】
検出領域は、本明細書中に記載される定量アッセイ装置の検出領域にて使用される未標識試薬で被膜されるが、好ましくは、低い濃度でかつ広い領域に渡り、つまり、細い線上ではなく、被膜される。
【0153】
図7Bに示される様に、検出領域は、当該物質の全幅に渡っているか、或いは、図7A(a)に示される様に当該物質上の細長い領域(ストリップ)のみに渡っている。ここで、図7Aの配置が望ましい場合、例えば、膜の残りの部分(b)を、疎水性又は無孔性に作ることにより達成されうる。それにより、狭いストリップへ液体サンプルを流れさせる。この配置は、流れを増大し、そうして縦方向の(ストリップ様の)検出領域における免疫濃度を増加することができる。
【0154】
上で記載され、そして図7A〜7Dに記載される検出領域の配置は、本明細書中に記載されているものとして可逆的に固定された(可逆的に無孔性表面に固定される)標識試薬又は当業者に知られているものとして可逆的に固定された(例えば、糖、タンパク質、又はポリマーなどの艶出し剤の使用を通したクロマトグラフィー物質上に可逆固定されるか、又は特に検出領域に使用されるクロマトグラフィー物質より容易に粒子標識を放出するガラス・ファイバー・フィルター又は多孔性プラスチックなどの物質において可逆固定された)標識試薬を含むアッセイ装置中に含まれうる。粒子標識が好ましい一方で、当該態様に記載の装置は、本明細書中に記載される他の物と同様に、粒子標識の使用に制限されない。代替標識は、例えば、蛍光色素、酵素、アイソトープなどを含みうる。
【0155】
使用に際して、可逆的に固定された標識試薬(例えば検体に対する粒子標識抗体)を可動化する液体サンプルのアプライ後に、検体と複合体形成された標識試薬は、存在する場合、検出領域へと移動する。標識された試薬-検体複合体は、複合体が検出領域を越えて又は通して移動する際に、固定された検出試薬(例えば、検体を結合する第二抗体)によりトラップされよう。複合体は、最初に検出領域における近位の領域(当該領域は、複合体を運搬する液体サンプルと最初に接触する領域)において固定された検出試薬を結合する傾向を有し、検出可能なシグナルを与える。第一近位領域からどれだけ遠くにシグナルがバックグラウンドを越えて検出されるかに基づいて定量は達成される。つまり、近位の検出領域における固定された試薬が、結合に飽和されるので、未結合の複合体は、空いている固定された検出試薬と出会うまで検出領域に沿って移動しつづける。多くの検体が存在すればするほど、シグナルが検出される検出領域が遠くなる。これは、例えば図8において模式的に記載される。例として、サンプル中に存在するhCGに結合される金複合体形成抗hCGは、最初に近い捕捉抗体にトラップされ、そしてどれだけ遠くに着色シグナルが届くかが、サンプル中の検体の濃度に純粋に依存するであろう。
【0156】
解釈を手助けするために、定量態様の検出領域は、例えば、図7Cに示される様に目盛りをつけられるか、又は図7Dに示される様にカットオフ・ポイントを含みうる。或いは又はさらに、検出領域は、未標識結合試薬の連続平行線として配置され、各々の線は、小さい隙間により隔たれ、その結果、検出領域が目盛り付けされ、結合された標識を示す線の数に基づいて検体の定量を許容する。定量形式におけるアッセイは、当然に、他のラテラルフローアッセイ装置において使用される対照試薬領域を含みうる。
【0157】
本明細書中に記載される装置のさらなる態様は、定量結果を得るため能力を高める。例えば、本明細書中に記載されるリザーバーの設計は、サンプルの一定の体積を提供する。一定の体積は、均一のサンプリングを許容し、検体の信頼できる定量化を助ける。サンプルが一定の体積でない場合、定量は、よくて半定量的でありうる。対照的に、一定体積の計測は、真の定量化を許容する。
【0158】
さらに、無孔性表面は、サンプルのデッド・ボリュームを保持しないので、適用される実質的に全てのサンプル(例えば、サンプルの一定体積の実質的に全て)は、検体の検出が行われる多孔性担体物質に移される。液体サンプルのデッド・ボリュームが存在する場合、例えば多孔性のサンプル適用要素又は多孔性の複合体放出要素を含むキットでは、保持されそうして検体について計測されない液体サンプルの量は、本明細書中に記載されるリザーバーが使用される場合には生じない様式で、アッセイ間で変化しうる。本明細書中に記載される幾つかの実施態様において使用される無孔性物質の上部シートと下部シートとの間の空間も一定体積のリザーバーであるということ、つまり、当該装置が記載された様に無孔性表面をその表面上に折り曲げることにより形成されるリザーバーを有さなければならないわけではないということに留意すべきである。
【0159】
さらに、標識試薬が一次的に固定された無孔性の領域と組み合わせたリザーバー・デザインは、標識試薬を放出させるために一定の体積を提供し、かかる一定体積リザーバーを有さないアッセイでは得られない一定濃度の標識試薬をもたらす。このデザインはさらに、信頼できる定量結果を得る能力を高める。
【0160】
本明細書に記載されるリザーバー・デザインは、さらに、例えば垂直に液体に漬けることによりリザーバーを満たすことが、必ずしもアッセイを開始させないという点で、定量アッセイに関して更なる利点を提供する。一の態様では、例えば、リザーバーは、リザーバーが満たされ、そして当該デバイスが垂直の位置にあるとき、液体表面が多孔性担体ストリップ及び/又は可逆固定領域から分離するように設計されうる。この態様では、当該装置が水平に横たわらせたときにのみ、液体サンプルが可逆性の固定領域を通して移動し、そして多孔性担体ストリップに入る。こうして、かかるリザーバー・デザインは、タイミングが決定的である場合、当該アッセイのタイミングの密接な制御を可能にしうる。なぜなら、当該アッセイは、当該装置が横倒しにならない限り始まらないからである。
【0161】
hCGに加えて、他のホルモン(例えば、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、インスリン、膵臓グルカゴン、及びその断片ペプチド、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、アドレノコルチコイド・ホルモン、成長ホルモンなど)、タンパク質(例えば、ウイルス、真菌、又は細菌抗原、抗体、αフェトタンパク質、癌胎児性タンパク質、酵素、PSAなど)及び化学的検体、例えば臨床化学検体、及び薬剤(例えば、非限定的に乱用される薬剤、例えば、コカイン、ヘロイン、他の麻薬、及びステロイド)、及び薬剤代謝産物、トキシンなどを含む検体の計測が本明細書に記載される装置及び方法により含まれることが理解されるべきである。つまり、本明細書中に記載される装置は、当業者に適応され、かかる検体を液体サンプル中で同定するために特定の検体に対して特異的な結合試薬を与える。
【0162】
本明細書中に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物は、その全てを本明細書中に援用される。本発明が具体的に示され、そしてその好ましい実施態様について記載される一方、形態及び詳細において、添付される特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱することなく行われうるということが当業者により理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】図1は、本明細書中に記載される装置の一実施態様を示す。図1Aは、集合装置を示し、そして図1Bは集合していない装置を示す。
【図2】図2Aは、本発明の一態様に従った装置のサンプリング末端におけるリザーバーの実施態様を示す。図2B、2C、2D、及び2Eは、当該リザーバーの代わりの設計方法を示す。
【図3】図3は、拡大された無孔性表面を含む実施態様を示す。図3Aは、集合装置を示し、そして3Bは集合していない装置を示す。
【図4】図4Aは、本発明の1の態様に記載されるハウジングの構造の一の実施態様を示す。図4Bは、上面から見た同じハウジングを示し、そして図4Cは下から見た同じハウジングを示す。図4Dは、オプションの構成要素を有さず、そして標識試薬の代わりの配置を有するハウジングを示す。
【図5】図5は、本発明の幾つかの態様に記載される付属装置及びハウジングの例を示す。
【図6】図6は、本明細書中に記載される1ステップアッセイ装置であって、不可逆的に固定化された試薬を有する無孔性表面及び固定された試薬を有する多孔性物質に加えて、多孔性のサンプル受容部を含む装置の幾つかの形状の説明図を示す。可逆的に固定された試薬(1)は、無孔性表面(2)上に存在し、そして不可逆的に固定された試薬は、多孔性物質(3)に存在する。液体サンプルは液体サンプル受容部(4)により受容される。
【図7】図7A-7Dは、本発明の一の態様を具現化する定量的アッセイ装置の説明図を示す。(a)と標識された試験ストリップは、固定された検出試薬(検出領域)を含み、一方、(b)は当該試薬を含まない。
【図8】図8は、実施例11に記載される定量的アッセイの実施態様の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプル中の検体の存在の1ステップ測定用の分析装置であって、以下の:
可逆固定領域において可逆的に固定された標識試薬であって、当該検体に結合して複合体を形成する試薬を含む無孔性固体表面、及び
検出領域において固定された試薬であって、検体の存在下で上記複合体を結合して検出可能なシグナルを発生する試薬を含む多孔性担体
を含み、ここで当該多孔性担体が当該無孔性表面と接触する、試験ストリップを含む、前記分析装置。
【請求項2】
前記多孔性担体から遠位にあり、そして接触するシンクをさらに含み、ここで当該シンクが、液体サンプルが試験ストリップを横切った後に、過剰量の液体サンプルを吸収できる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
多孔性のサンプル・アプライメンバーをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記多孔性のサンプル・アプライメンバーが、前記無孔性の固体表面の少なくとも1部と接触する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記多孔性の担体が、検出領域から分離され、そして遠位にある対照部位をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記可逆固定領域が、複数の標識試薬を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の標識試薬の各々が、異なる検体に結合する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記多孔性の担体が、1以上の検出領域において、複数の固定された結合試薬を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の固定された結合試薬の各々が、位置的に離れた検出領域に位置し、そして各々が異なる検体を結合して、検出可能なシグナルを発生する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
複数の前記試験ストリップの集合をさらに含み、各々の集合が1以上の異なる検体の存在を同定する試薬を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が、無孔性固体表面の第二部品をさらに含み、当該表面は、当該無孔性固体物質の第二部品が前記第一無孔性表面上に配置される場合、第一無孔性表面の縁が、第二無孔性表面の縁を越えて伸張することがないような大きさにされ、
ここで無孔性固体表面の第二部品が当該第一無孔性表面に平行に位置し、当該第二部品がサンプルが導入される隙間を有し、
そしてここで、当該第二部品が、当該隙間が可逆固定領域の上流に位置し、そしてサンプル・アプライの間、第一無孔性表面が所望されない濡れからまもることを提供するように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記可逆固定領域から近位に存在し、かつ前記無孔性固体物質の連続から、又は第二部品無孔性固体表面を、第一無孔性固体表面に並べて置くことから形成される、サンプル・リザーバーをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
ハウジングをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ハウジングの少なくとも1の要素が、無孔性固体表面を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記多孔性担体から遠位に存在し、そして当該担体と接触するシンクをさらに含み、当該シンクが、当該液体サンプルが当該試験ストリップを横切った後に、過剰量の液体サンプルを吸収でき、ここで当該ハウジングが上記シンクから蒸発を許容する隙間を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジングが、サンプルがアプライされる隙間及び結果が観察される隙間を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記観察用の隙間が、無孔性透明物質によりカバーされる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記可逆固定領域が、少なくとも3の側面で開いている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記無孔性固体表面にアプライされる液体サンプルが、前記可逆的に固定された標識試薬を可動化し、その際、当該液体サンプル中の検体が前記標識試薬を結合して、複合体を形成することが許容され、当該複合体はサンプル液体と共に、前記多孔性担体に流れ、ここで上記固定された試薬が当該複合体を結合し、それにより上記サンプル中の検体の存在を指し示す検出可能なシグナルを生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記検出領域が、多孔性担体の近位末端に存在する、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記標識がコロイド、色素、ラテックス粒子、酵素、又はフルオロフォアである、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記無孔性固体表面が、ガラス、金属、セラミック、高表面密度プラスチック、ポリマー、又はフルオロポリマー・レジン、又はポリエステル・フィルムである、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記多孔性担体が、ニトロセルロース又は紙である、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
液体サンプル中における検体の存在の1ステップ測定用の分析装置であって、以下の:
a) 可逆固定領域において、前記検体を結合して複合体を形成する可逆的に固定された標識試薬を含む、無孔性固体表面の第一部品;
b) 検出領域において、上記複合体を結合する固定化された試薬を含む多孔性担体、ここで、当該多孔性担体が上記無孔性固体表面と接触し;そして
c) (a)及び(b)上に配置される無孔性の固体表面の第二部品
を含む試験ストリップを含む、前記分析装置。
【請求項25】
無孔性固体物質の第一部品上に可逆的に固定される代わりに、前記標識試薬が無孔性物質の第一部品に向き合う無孔性固体物質の第二部品の表面上の可逆固定領域に可逆的に固定され、その結果、無孔性固体物質の第一部品が底に位置し、そして標識試薬が可逆的に第二部品の底面上に可逆的に固定される、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
検体の検出方法であって、当該方法が以下の:
a) 当該検体について試験される液体サンプルを、請求項1の分析装置と接触させ;そして
b) 当該液体サンプルが上記試験ストリップに移動することを許容し、そうして、当該可逆的に固定された標識試薬は、サンプルにより可動化され、そして当該検出領域に流れ、ここで、検体が当該液体サンプル中に存在する場合、検出可能なシグナルが発生し、当該検体の存在を指し示す、
を含む、前記方法。
【請求項27】
検体の検出方法であって、当該方法が以下の:
a) 当該検体について試験される液体サンプルを、請求項24に記載の分析装置と接触させ;そして
b) 当該液体サンプルが上記試験ストリップに移動することを許容し、そうして、当該可逆的に固定された標識試薬は、サンプルにより可動化され、そして当該検出領域に流れ、ここで、検体が当該液体サンプル中に存在する場合、検出可能なシグナルが発生し、当該検体の存在を指し示す、
を含む、前記方法。
【請求項28】
液体サンプル中の検体の1ステップ定量計測用装置であって、当該装置が以下の:
a) 固定領域において可逆的に固定された標識試薬であって、上記検体を結合して複合体を形成する試薬を含む、無孔性固体表面の部品;及び
b) 結合試薬を含み、そして上記無孔性固体表面と接触する多孔性担体、ここで、当該結合試薬は、液体サンプルの流れに対し平行な長軸を有する検出領域にアプライされ、そして固定され、ここで当該液体サンプルが検体を含む場合、当該結合がシグナルをもたらし、そしてここで、上記液体サンプルが上記検出領域に侵入する点から、前記シグナルがバックグラウンドを越えて検出されるもっとも遠い検出領域における点への距離が、当該サンプル中に存在する検体の量を指し示す、
を含む、前記装置。
【請求項29】
前記検出領域が、検出領域が広い限り、少なくとも1.5倍である、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記検出領域が、前記多孔性担体の長さの少なくとも50%を超えて伸張する、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記検出領域が、前記多孔性担体の全長に渡り、広がっている、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
検体の検出方法が以下の:
a) 当該検体について試験される液体サンプルを、請求項28に記載の分析装置と接触させ;そして
b) 当該液体サンプルが上記試験ストリップに移動することを許容し、そうして、当該可逆的に固定された標識試薬が、サンプルにより可動化され、そして当該検出領域に流れ、ここで、検体が当該液体サンプル中に存在する場合、検出可能なシグナルが発生し、当該検体の存在又は量を指し示す、
を含む前記方法。
【請求項33】
液体サンプル中の検体の決定のための分析装置であって、以下の:
可逆固定領域において可逆的に固定された試薬であって、液体サンプルを通過させて可動化することができる試薬を含む無孔性固体表面;及び
検出領域において、検体の存在下又は非存在下において、検出できるシグナルを発生する固定された試薬を含む多孔性担体、ここで当該多孔性担体は、上記無孔性表面と接触する
を含む試験ストリップを含む、前記分析装置。
【請求項34】
液体サンプル中の検体の有無の1ステップ測定のための分析装置であって、以下の:
可逆固定領域に可逆的に固定された標識試薬であって、当該検出領域に存在する結合部位に対して検体と競合する試薬を含む、無孔性固体表面
検出領域において、前記標識試薬を結合する固定された試薬及び液体サンプル中の検体を含み、ここで、検体がないことが、検出可能なシグナルを生成し、ここで、当該多孔性担体が上記無孔性表面と接触している、多孔性担体
を含む試験ストリップを含む、前記装置。
【請求項35】
検体の検出方法であって、当該方法が以下の:
a) 当該検体について試験される液体サンプルを、請求項34の分析装置と接触させ;そして
b) 当該液体サンプルを試験ストリップに移動させ、その結果、前記可逆的に固定された標識試薬がサンプルにより可動化され、そして前記検出領域に流れ、ここで前記液体サンプル中に存在する検体が、検出領域の結合部位について前記標識試薬と競合し、そして検出可能なシグナルが当該検体が存在しないことを指し示す検出可能なシグナルが発生する、
を含む前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−530946(P2007−530946A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505102(P2007−505102)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/009521
【国際公開番号】WO2005/095967
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(591270970)クイデル コーポレイション (5)
【氏名又は名称原語表記】QUIDEL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】10165 McKellar Court, San Diego, California 92121, United States of America