ハウスの防虫ネット付きの換気扇
【課題】 無農薬による野菜、葉菜、果物、花等の作物が重宝されている。また人々の健康、疾病の回復、我国の農業等を考慮した大局的な見地・地球環境等を念頭においた場合、無農薬栽培は不可欠である。よって、ハウス栽培においても、防虫ネットを利用した栽培方法が主流に成りつつあるが、防虫ネットの取付けに関する配慮に欠けること、また外気の吸込量の確保、また空気の置換に問題を残すこと等が考えられる。
【構成】 本発明は、ハウスの壁面に設けた換気扇の換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、立体形状枠には防虫ネットを開口部より被嵌し、防虫ネットで換気扇の吹出し側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。ハウスに設置した換気扇に防虫ネットの組付けの容易化、及びハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装が図れる。
【構成】 本発明は、ハウスの壁面に設けた換気扇の換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、立体形状枠には防虫ネットを開口部より被嵌し、防虫ネットで換気扇の吹出し側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。ハウスに設置した換気扇に防虫ネットの組付けの容易化、及びハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装が図れる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウスに分解したパーツの全部又はパーツの一部等を組付け可能としたハウスの防虫ネット付きの換気扇に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、無農薬又は減農薬による野菜、葉菜、果物、花等の作物の栽培(所謂、無農薬栽培(減農薬栽培)である)が重宝されている。その理由の一部として、この無農薬栽培は、人々の健康、疾病の回復及び/又は予防に有効であること、又は我国の農業等の維持を考慮した大局的な見地に有益であること、或いは人類の永久的なテーマである地球環境等を念頭においた場合において、必要不可欠であること等が考えられる。
【0003】
このような無農薬栽培を簡易かつ確実に行える手段が、ハウス栽培であって、しかも防虫ネットを利用した防虫ネット付きハウス栽培方法である。しかし、従来の防虫ネットは、シャッター(換気扇及び/又はシャッター枠体)より侵入する害虫を捕捉することで、この種の害虫防除又は駆除に要する農薬の使用量を微量にする減農薬栽培が主体であり、本来の無農薬栽培(一層の減農薬栽培(微農薬栽培))に至っていないのが現況であり、その改良が望まれている。
【0004】
上記のような状況に鑑み、本発明者は、この無農薬栽培に最適な防虫ネット付きハウス栽培方法、防虫ネット付きハウス栽培におけるシャッター、又はハウスのシャッターに取付ける防虫ネット、ハウスの防虫ネット又は防寒布付きシャッター等の発明を提案している。これらの提案を介して無農薬栽培と、この無農薬栽培に必要とする外気の吸込み量を確保することが可能となった。
【0005】
そして、防虫ネットと換気扇に関する一般的な文献としては、次に挙げる文献がある。文献(1)、文献(2)はハウスの防虫に対する防虫ネットであり、ネットの素材に関する発明である。文献(1)は特開平7−155072号の「施設園芸用ネット及びそれを展張したハウス」であり、紫外線領域の光線を遮蔽し、可視光線領域の光線を透過するプラスチックスから構成される発明である。また文献(2)は特開平6−169650号の「通気性の良好な園芸用プラスチックハウス」であり、プラスチックハウス全面に対し、透明合成繊維で編成した網目状シートに、低い融点を有しかつ高周波融着性を有する透明合成樹脂を付着させて通気孔を網目状に形成してなる被覆材を展張する発明である。しかし、この文献(1)、文献(2)は、単に防虫ネットの素材特性を利用してハウスの防虫を図るものであり、工場(壁面又は天井面等)設置の換気扇に防虫ネットを取付ける際に、簡易かつ取付け自在に行えるための構造ではない。従って、防虫ネットは利用しているが、本発明が意図する構成とは全く異なる。
【0006】
【特許文献1】特開平7−155072号
【特許文献2】特開平6−169650号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記文献(1)、文献(2)は、防虫ネットを利用したハウスと、このハウスを利用した栽培方法を意図した発明である。従って、この文献(1)、文献(2)は、本発明が意図するハウスに設置した換気扇(換気扇枠体)に防虫ネットの組付けの容易化を図る構成、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装を意図した構成、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇の構成とは考えられない。また文献(1)、文献(2)の構成では、換気扇に防虫ネットの枠体として利用する着想はなく、取付け・取外しの簡便化・容易化と、コストの削減化及び/又は汎用性の向上等に関する改良点とはなり得ない改良点がある。そして、本発明が意図するハウスに必要となる外気の吸込量及び/又は排気量を確保すること、この吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気を図りつつ、作物への直接送風及び過乾燥を回避し、葉面呼吸の確保を図ること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充を図ること等が困難視される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、ハウスに設置した換気扇(換気扇枠体、又はシャッター等)に防虫ネットの組付けの容易化を図ること、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装を図ること、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇を提供すること等を意図する。また請求項1の発明は、ハウスに必要となる外気の吸込量を確保すること、またこの吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気を図りつつ、作物への直接送風及び過乾燥を回避し、葉面呼吸の確保を図ること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充を図ること等を意図する。
【0009】
請求項1は、ハウスの壁面に設けた枠体と、この枠体に取付けられる換気扇と、この換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
前記換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、この立体形状枠には前記防虫ネットを前記開口部より被嵌し、この防虫ネットで前記換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0010】
請求項2の発明は、従来の換気扇又はハウスに設置した換気扇に防虫ネットの容易、かつワンタッチによる組付けを図ること、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装を図ること、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇を提供すること等を意図する。また請求項2の発明は、ハウスに必要となる外気の吸込量を確保し、またこの吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気を図りつつ、作物への直接送風及び/又は過乾燥を回避し、葉面呼吸の確保を図ること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充を図ること等を意図する。
【0011】
請求項2は、ハウスの壁面に設けた枠体と、この枠体に取付けられる換気扇と、この換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
前記換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、この立体形状枠には予め前記防虫ネットを前記開口部より被嵌し、この防虫ネットで前記換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる(防虫ネットの取付けが可能な)立体形状枠を提供すること等を意図する。
【0013】
請求項3は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、方形状、アーチ形状であって、前記防虫ネットに取付け用の開口部を形成する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる立体形状枠を提供すること等を意図する。
【0015】
請求項4は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠を、少なくとも四本の起立枠体と、この起立枠体に差渡し設けた四本の差渡し枠体で構成した方形状であって、この立体形状枠の起立枠体を前記換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる立体形状枠を提供すること等を意図する。
【0017】
請求項5は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、少なくとも四本の骨枠体で構成したアーチ形状であって、この立体形状枠の骨枠体を前記換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる立体形状枠及び/又は防虫ネットを提供すること等を意図する。
【0019】
請求項6は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠及び/又は防虫ネットを、現場において、換気扇に組付け可能な構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる構造であって、この防虫ネットを容易、確実に取付けできる換気扇を提供すること等を意図する。
【0021】
請求項7は、請求項1又は請求項2に記載の換気扇を、換気扇枠体と、この換気扇枠体に可動自在に架承した多数のシャッタープレートと、このシャッタープレートを連動する連動杆及びこの連動杆に設けたシャッタープレート支持板と、前記連動杆を作動する駆動部と、前記換気扇枠体に装備したファン及びこのファンを駆動するモータで構成したハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0022】
請求項8の発明は、請求項7の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な構造の換気扇を提供すること等を意図する。
【0023】
請求項8は、請求項7に記載の換気扇が、現場において、組立て可能な換気扇枠体、又は組立て可能なシャッタープレートを利用可能とする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明は、ハウスの壁面に設けた枠体と、枠体に取付けられる換気扇と、換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、立体形状枠には防虫ネットを開口部より被嵌し、防虫ネットで換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0025】
従って、請求項1は、ハウスに設置した換気扇(換気扇枠体)への防虫ネットの組付けの容易化が図れること、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装が図れること、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇を提供できること等の特徴がある。また請求項1は、ハウスに必要となる外気の吸込量を確保できること、またこの吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気が図れるとともに、作物への直接送風及び/又は過乾燥を回避し、葉面呼吸の確保が図れること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充が図れること等の実益がある。
【0026】
請求項2の発明は、ハウスの壁面に設けた枠体と、枠体に取付けられる換気扇と、換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、立体形状枠には予め防虫ネットを開口部より被嵌し、防虫ネットで換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0027】
従って、請求項2は、従来の換気扇又はハウスに設置した換気扇に防虫ネットの容易、かつワンタッチによる組付けが図れること、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装が図れること、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇を提供できること等の特徴がある。また請求項2の発明は、ハウスに必要となる外気の吸込量を確保し、またこの吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気が図れるとともに、作物への直接送風を回避し、過乾燥と葉面呼吸の確保が図れること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充が図れること等の実益がある。
【0028】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、方形状、アーチ形状であって、防虫ネットに取付け用の開口部を形成する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0029】
従って、請求項3は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる(防虫ネットの取付けが可能な)立体形状枠を提供できること等の特徴がある。
【0030】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠を、少なくとも四本の起立枠体と、起立枠体に差渡し設けた四本の差渡し枠体で構成した方形状であって、立体形状枠の起立枠体を換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0031】
従って、請求項4は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる(防虫ネットの取付けが可能な)立体形状枠を提供できること等の特徴を有する。
【0032】
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、少なくとも四本の骨枠体で構成したアーチ形状であって、立体形状枠の骨枠体を換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0033】
従って、請求項5は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる(防虫ネットの取付けが可能な)立体形状枠を提供できること等の特徴を有する。
【0034】
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠及び/又は防虫ネットを、現場において、換気扇に組付け可能な構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0035】
従って、請求項6は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる立体形状枠及び/又は防虫ネットを提供できること等の特徴がある。
【0036】
請求項7の発明は、請求項1又は請求項2に記載の換気扇を、換気扇枠体と、換気扇枠体に可動自在に架承した多数のシャッタープレートと、シャッタープレートを連動する連動杆及び連動杆に設けたシャッタープレート支持板と、連動杆を作動する駆動部と、換気扇枠体に装備したファン及びファンを駆動するモータで構成したハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0037】
従って、請求項7は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる構造であって、この防虫ネットを容易、確実に取付けできる換気扇を提供できること等の特徴がある。
【0038】
請求項8は、請求項7に記載の換気扇が、現場において、組立て可能な換気扇枠体、又は組立て可能なシャッタープレートを利用可能とする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0039】
従って、請求項8は、請求項7の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適な構造の換気扇を提供できること等の特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の図面の説明をすると、図1〜図5は本発明のハウスの吹出側に設置される防虫ネット付きの換気扇の第一の実施例を示したものであり、図1は全体の一部欠截の背面図、図2は全体の側面図、図3は全体の分解斜視図、図4は立体形状枠と換気扇枠体との上方隅部(一方隅部)の連結状態を示す拡大斜視図、図5は立体形状枠と換気扇枠体との下方隅部(他方隅部)の連結状態を示す拡大斜視図である。また図6〜図8は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第二の実施例を示したものであり、図6は全体の分解斜視図、図7は起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図、図8は図7の他の一例を示す要部の拡大側面図である。次に図9、図10は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第三の実施例を示したものであり、図9は全体の分解斜視図、図10は起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図である。さらに図11〜図13は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第四の実施例を示したものであり、図11は全体の斜視図、図12は起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図、図13は図12の他の一例を示す要部の拡大側面図である。図14は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第五の実施例を示した全体の斜視図である。また図15〜図17は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第六の実施例を示したものであり、図15は全体の斜視図、図16は起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図、図17は図16の他の一例を示す要部の拡大側面図である。図18は防虫ネットとこの防虫ネットを換気扇(換気扇枠体)に取付ける一例を示した拡大斜視図である。また図19−1は防虫ネットの他の一例を示した斜視図、図19−2は防虫ネットのさらに他の一例を示した斜視図である。
【0041】
図中1はビニールハウス、ガラスハウス等のハウスAの枠構成であり、この枠構成1は縦枠体100と横枠体101とで方形状に形成された、例えば、図例の如く、妻づら形態とする(ハウスAの壁面1cに略面一構造である)。尚、他の一例としては天井面に設けられる形態とする。そして、この枠構成1には換気扇2が設けられており、この換気扇2は換気扇枠体200と、この換気扇枠体200に設けた複数のシャッタープレート201と、このシャッタープレート201を同時に開閉する連動杆(図示せず)と、前記換気扇枠体200の隅部(四隅)に少なくとも対峙して設けた支持部材202に差渡して設けた支持杆202aと、この支持杆202aに架承した羽根車203と、この羽根車203を駆動するモータ204とで構成されており、この換気扇枠体200を前記枠構成1に嵌合及び/又は固止する。この換気扇2は、モータ204の回転で羽根車203が回転し、この羽根車203の風圧を介してシャッタープレート201を可動し、このシャッタープレート201を開放するとともに、ハウスA内の空気を排気する(吹出す)構造であり、このシャッタープレート201は連動杆を介して略同時に開閉する構造である。尚、このシャッタープレート201を支持するシャッタープレート支持板と、またシャッタープレート201とシャッタープレート支持板を駆動する連動杆は図示せず。そして、以上で説明したシャッタープレート201は風圧式であるが、これに限定されず、例えば、図示しないが、駆動式もあり得る。このシャッタープレート201の駆動式は、モータ及び/又は駆動連結杆(駆動部)を備えており、この駆動部の作用でシャッタープレート201を開閉する。
【0042】
尚、本発明では、前述の換気扇2は一例である。従って、例えば、図示しないが、ハウスAの吸込み側の換気扇の場合にも適用できる構造である。また換気扇2を構成する換気扇枠体200、シャッタープレート201等の部材は、原則として一体構造であるが、現場での組立て及び/又は分解構造もあり得る。この現場での組立て構造は、搬送の容易化、又は現場での部品交換と、この交換の容易化等が図れる。
【0043】
3は防虫ネット4支持用の立体形状枠であり、この立体形状枠3には、第一の実施例から第六の実施例等があり、原則として現場での立体形状枠3の換気扇2への取付け及び/又はこの立体形状枠3の組立て及び/又は分解である。この各実施例を順次説明する。 〔1〕第一の実施例を示した図3〜図5等の例では、少なくとも四本のチャンネル型金属材の起立枠体300(垂設枠体)と、起立枠体300に差渡し設けたチャンネル型金属材の差渡し枠体301で構成した方形状であって、立体形状枠の起立枠体300を換気扇枠体200に固止可能とする構成である。この換気扇枠体200への起立枠体300(立体形状枠3)の固止は、当該換気扇枠体200の開放側(ハウスA側)の端片200−1及び/又は支持部材202の開放側(ハウスA側)の端片202−1に、起立枠体300の適宜箇所にそれぞれ設けた一個又は数個の挾持片302(係止片)を挾持(係止)する方法である。この方法は、ワンタッチで簡易に、かつ工具等を要さず行えて重宝する。そして、吹出側に挾持することからガタ付きもなく、騒音の発生防止と、防虫ネット4の落下、剥離の危険性も略皆無にできる利点がある。この挾持片302は起立枠体300の一方の自由端のやや内方に半截卍形(卍形とする)とし、この卍形の隙間を前記換気扇枠体200の開放側の端片200−1及び/又は支持部材202の開放側の端片202−1に挾持するが、この説明及び/又は図示の例の逆の構造、即ち、前記換気扇枠体200及び/又は支持部材202に挾持片(図示せず)を設け、この挾持片(図示せず)を起立枠体300の自由端等の端片に挾持する構造である。尚、前記挾持の方法及び/又は方向は限定されないが、図示の例が前述の効果があり有益である。またこの挾持とともに、必要により、螺子止めによる固止と、この挾持と螺子止めの併用等があり得る。図中205は換気扇枠体200と羽根車203との間を塞ぐ板材である。また図中206は換気扇枠体200の表面側(ハウスAの外側)に設けたビニール係止用の器具である。尚、この例では、起立枠体300を差渡し枠体301に固止した構成を説明したが、この起立枠体300を差渡し枠体301に着脱自在にする構成も可能である。またこの差渡し枠体301は方形状の一体化構造、又は分割式による組立て構造の何れも可能である(以下、他の各実施例も同じ)。そして、この組立て構造は搬送時のコンパクト化、管理の容易化等に寄与できる。 〔2〕第二の実施例を示した図6〜図8の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、起立枠体300の他方の自由端に螺子杆303を、その一方の自由端のやや内方に螺子孔304を設け、この各起立枠体300の螺子杆303を、差渡し枠体301に設けた各ナット305(螺子部)にそれぞれ螺合し、この各起立枠体300と差渡し枠体301を一体にして立体形状枠3を形成する。そして、この立体形状枠3を構成する各起立枠体300の一方の自由端を、換気扇枠体200の隅部に設けた各筒体200−2にそれぞれ差込み、必要により止め螺子306をそれぞれ緊締することで、換気扇2に防虫ネット4用の立体形状枠3が固止される。このように、立体形状枠3を各部品に個別に分解可能とすることで、収容の容易化、小型化を図り、また取扱いの簡便化、搬送の効率化等に寄与できる特徴がある。その他は第一の実施例に準ずる。 〔3〕第三の実施例を示した図9、図10の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、各起立枠体300の他方の自由端を差渡し枠体301にそれぞれ枢支307し、この各起立枠体300を差渡し枠体301内に折畳み収容可能とし、収容の容易化、小型化を図り、また取扱いの簡便化、搬送の効率化等に寄与できる特徴がある(他の各例も略同じ)。その他は第一の実施例等に準ずる。図中3aは起立枠体300の他方の自由端に設けた切欠部で、この切欠部3aでスムーズな折畳みを図る。 〔4〕第四の実施例を示した図11〜図13の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、換気扇枠体200の隅部にそれぞれ起立枠体300を設け、この各起立枠体300に差渡し枠体301を螺子308止めする構成であり、螺子308を止め部材309を介して緊締し、この各起立枠体300と差渡し枠体301を一体にして立体形状枠3を形成する。またこの一体で立体形状枠3と換気扇2が固止される。このように、各起立枠体300を差渡し枠体301に螺子308止めする構成であり、組立ての容易化、迅速化を図り、また取扱い・搬送等の簡便化等に寄与できる特徴がある(他の各例も略同じ)。その他は第一の実施例等に準ずる。 〔5〕第五の実施例を示した図14の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、各起立枠体300をバネ材でアーチ形状に形成し、この各起立枠体300間に差渡し枠体301を設ける構成であり、この各起立枠体300の反揆を介して換気扇枠体200の隅部にそれぞれ係止する構成である。従って、組立て・取扱いの容易化、迅速化を図り、また工具を要さず組立てできる利点があり重宝すること等の特徴がある(他の各例も略同じ)。この取付け方法は、吹出方式の換気扇2では、風を各起立枠体300側から受けるので、離脱の虞がなく有益である。その他は第一の実施例等に準ずる。また各起立枠体300の脚部の取外しは自由である。 〔4〕第六の実施例を示した図15〜図17の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、換気扇枠体200の隅部にそれぞれ設けた隅係止片207(隅に限定されない。この換気扇枠体200の周辺であればよい)に、一本又は数本の各起立枠体300の脚部を嵌入する構成であり、組立ての容易化、迅速化を図り、また取扱い・搬送等の簡便化等に寄与できる特徴がある(他の各例も略同じ)。また必要により止具(図示せず)を採用する。尚、図17の例では、この隅係止片207に差渡し枠体301を同時に嵌入する構成である。その他は第一の実施例等に準ずる。また隅係止片207は緊締具208でその緊締度を調整可能とする。また隅係止片207からの各起立枠体300の脚部の取外しは自由であり、簡単に組立てと取外しができる特徴がある。また図示しないが、この起立枠体300及び/又は差渡し枠体301は折畳み方式、入れ子方式等を利用し、自由に伸縮又は収容可能とすることができる。これにより、前述の各特徴をより発揮できる。
【0044】
防虫ネット4の取付け方法は、この防虫ネット4が方形状の場合は、図18〜図19−2に示した各例が望ましいので、順次説明する。 〔10〕図18に示した例は、換気扇枠体200又は差渡し枠体301に設けたネット係止材5と、このネット係止材5に設けた係止溝500と、この係止溝500に圧入される弾性体501とで、立体形状枠3に被嵌した防虫ネット4の周辺を圧着する方式である。この圧着で防虫ネット4が換気扇2に取付けられる。この例では、密封性の向上、防音・冷暖房効果、又は益虫の逃避防止、騒音・内気・悪臭等の拡散防止に役立ち有益である。またこの弾性体501はバネ材でも可能である。 〔11〕図19−1に示した例は、防虫ネット4の周辺に袋部502を形成し、この袋部502に紐503を設け、この紐503で立体形状枠3に被嵌した防虫ネット4を緊締固止することで、防虫ネット4が換気扇2に取付けられる。また 〔12〕図19−2に示した例は、防虫ネット4の周辺に一方の面ファスナー504を形成し、この一方の面ファスナー504を、前記換気扇枠体200及び/又は差渡し枠体301に設けた他方の面ファスナー505に貼着する。この操作で防虫ネット4が換気扇2に取付けられる。尚、防虫ネット4の取外しは、前述の各例で示した貼着方法の逆の操作で容易に行えるので、説明は省略する。尚、図示しないが、前述の図14に示したアーチ形状の立体形状枠3の例では、防虫ネット4は立体形状枠3と相似形とする。そして、各形態の立体形状枠(図示せず)の例においても、同様に防虫ネット4と相似形とする。この防虫ネット4の他の例として、防虫ネット4を防寒シートに変更し、冬季等における寒さ対策と、防温、防音、防犯効果等を達成することも可能である。
【0045】
また換気扇2及び/又は防虫ネット4は、図示しない作物の種類及び/又は栽培・気候等の条件等により、ハウスAの壁面1cの所定高さに取付けられる。この取付け位置と、防虫ネット4等との形状及び/又は寸法等は相関関係を有する。そして、記述した内容で、換気扇2による十分な換気及び/又は外気の吸込みが図れない場合の悪影響を念のために説明する。例えば、〔イ〕 外気の吸込量の確保が図れない場合には、適正な温湿度管理ができず、例えば、7月〜8月において、外気に比し、略2〜5℃程度の温度(高温時が問題)及び/又は略2〜3%の相対温度の上昇が考えられる。〔ロ〕 吸込量が不足し、適正な温湿度管理ができないので、作物の生育不良、糖分の不足、果肉の不良、又は徒長の問題が発生する。〔ハ〕 ハウスA内空気の澱みの発生による作物の生育不良、糖分の不足等が考えられる。〔ニ〕 防虫ネット4の張装面積が増えることで、ハウスAの畝及び/又は作物を覆うような状態となり、光合成が図れないこと、及び収穫量が減少すること、またハウスAの内壁近傍を移動する人・機材の邪魔になり易いこと等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明のハウスの吹出側に設置される防虫ネット付きの換気扇の第一の実施例を示した全体の一部欠截の背面図
【図2】図2は第一の実施例を示した全体の側面図
【図3】図3は第一の実施例を示した全体の分解斜視図
【図4】図4は第一の実施例を示した立体形状枠と換気扇枠体との上方隅部の連結状態を示す拡大斜視図
【図5】図5は第一の実施例を示した立体形状枠と換気扇枠体との下方隅部の連結状態を示す拡大斜視図
【図6】図6は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第二の実施例を示した全体の分解斜視図
【図7】図7は第二の実施例を示した起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図
【図8】図8は図7の他の一例を示す要部の拡大側面図
【図9】図9は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第三の実施例を示した全体の分解斜視図
【図10】図10は第三の実施例を示した起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図である。
【図11】図11は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第四の実施例を示した全体の斜視図
【図12】図12は第四の実施例を示した起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図
【図13】図13は図12の他の一例を示す要部の拡大側面図
【図14】図14は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第五の実施例を示した全体の斜視図
【図15】図15は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第六の実施例を示した全体の斜視図
【図16】図16は第六の実施例を示した起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図
【図17】図17は図16の他の一例を示す要部の拡大側面図
【図18】図18は防虫ネットとこの防虫ネットを換気扇(換気扇枠体)に取付ける一例を示した拡大斜視図
【図19−1】図19−1は防虫ネットの他の一例を示した斜視図
【図19−2】図19−2は防虫ネットのさらに他の一例を示した斜視図
【符号の説明】
【0047】
A ハウス
1 枠構成
1c 壁面
100 縦枠体
101 横枠体
2 換気扇
200 換気扇枠体
200−1 端片
200−2 筒体
201 シャッタープレート
202 支持部材
202−1 端片
202a 支持杆
203 羽根車
204 モータ
205 板材
206 器具
207 隅係止片
208 緊締具
3 立体形状枠
3a 切欠部
300 起立枠体
301 差渡し枠体
302 挾持片
303 螺子杆
304 螺子孔
305 ナット
306 止め螺子
307 枢支
308 螺子
309 止め部材
4 防虫ネット
5 ネット係止材
500 係止溝
501 弾性体
502 袋部
503 紐
504 一方の面ファスナー
505 他方の面ファスナー
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウスに分解したパーツの全部又はパーツの一部等を組付け可能としたハウスの防虫ネット付きの換気扇に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、無農薬又は減農薬による野菜、葉菜、果物、花等の作物の栽培(所謂、無農薬栽培(減農薬栽培)である)が重宝されている。その理由の一部として、この無農薬栽培は、人々の健康、疾病の回復及び/又は予防に有効であること、又は我国の農業等の維持を考慮した大局的な見地に有益であること、或いは人類の永久的なテーマである地球環境等を念頭においた場合において、必要不可欠であること等が考えられる。
【0003】
このような無農薬栽培を簡易かつ確実に行える手段が、ハウス栽培であって、しかも防虫ネットを利用した防虫ネット付きハウス栽培方法である。しかし、従来の防虫ネットは、シャッター(換気扇及び/又はシャッター枠体)より侵入する害虫を捕捉することで、この種の害虫防除又は駆除に要する農薬の使用量を微量にする減農薬栽培が主体であり、本来の無農薬栽培(一層の減農薬栽培(微農薬栽培))に至っていないのが現況であり、その改良が望まれている。
【0004】
上記のような状況に鑑み、本発明者は、この無農薬栽培に最適な防虫ネット付きハウス栽培方法、防虫ネット付きハウス栽培におけるシャッター、又はハウスのシャッターに取付ける防虫ネット、ハウスの防虫ネット又は防寒布付きシャッター等の発明を提案している。これらの提案を介して無農薬栽培と、この無農薬栽培に必要とする外気の吸込み量を確保することが可能となった。
【0005】
そして、防虫ネットと換気扇に関する一般的な文献としては、次に挙げる文献がある。文献(1)、文献(2)はハウスの防虫に対する防虫ネットであり、ネットの素材に関する発明である。文献(1)は特開平7−155072号の「施設園芸用ネット及びそれを展張したハウス」であり、紫外線領域の光線を遮蔽し、可視光線領域の光線を透過するプラスチックスから構成される発明である。また文献(2)は特開平6−169650号の「通気性の良好な園芸用プラスチックハウス」であり、プラスチックハウス全面に対し、透明合成繊維で編成した網目状シートに、低い融点を有しかつ高周波融着性を有する透明合成樹脂を付着させて通気孔を網目状に形成してなる被覆材を展張する発明である。しかし、この文献(1)、文献(2)は、単に防虫ネットの素材特性を利用してハウスの防虫を図るものであり、工場(壁面又は天井面等)設置の換気扇に防虫ネットを取付ける際に、簡易かつ取付け自在に行えるための構造ではない。従って、防虫ネットは利用しているが、本発明が意図する構成とは全く異なる。
【0006】
【特許文献1】特開平7−155072号
【特許文献2】特開平6−169650号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記文献(1)、文献(2)は、防虫ネットを利用したハウスと、このハウスを利用した栽培方法を意図した発明である。従って、この文献(1)、文献(2)は、本発明が意図するハウスに設置した換気扇(換気扇枠体)に防虫ネットの組付けの容易化を図る構成、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装を意図した構成、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇の構成とは考えられない。また文献(1)、文献(2)の構成では、換気扇に防虫ネットの枠体として利用する着想はなく、取付け・取外しの簡便化・容易化と、コストの削減化及び/又は汎用性の向上等に関する改良点とはなり得ない改良点がある。そして、本発明が意図するハウスに必要となる外気の吸込量及び/又は排気量を確保すること、この吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気を図りつつ、作物への直接送風及び過乾燥を回避し、葉面呼吸の確保を図ること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充を図ること等が困難視される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、ハウスに設置した換気扇(換気扇枠体、又はシャッター等)に防虫ネットの組付けの容易化を図ること、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装を図ること、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇を提供すること等を意図する。また請求項1の発明は、ハウスに必要となる外気の吸込量を確保すること、またこの吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気を図りつつ、作物への直接送風及び過乾燥を回避し、葉面呼吸の確保を図ること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充を図ること等を意図する。
【0009】
請求項1は、ハウスの壁面に設けた枠体と、この枠体に取付けられる換気扇と、この換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
前記換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、この立体形状枠には前記防虫ネットを前記開口部より被嵌し、この防虫ネットで前記換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0010】
請求項2の発明は、従来の換気扇又はハウスに設置した換気扇に防虫ネットの容易、かつワンタッチによる組付けを図ること、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装を図ること、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇を提供すること等を意図する。また請求項2の発明は、ハウスに必要となる外気の吸込量を確保し、またこの吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気を図りつつ、作物への直接送風及び/又は過乾燥を回避し、葉面呼吸の確保を図ること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充を図ること等を意図する。
【0011】
請求項2は、ハウスの壁面に設けた枠体と、この枠体に取付けられる換気扇と、この換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
前記換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、この立体形状枠には予め前記防虫ネットを前記開口部より被嵌し、この防虫ネットで前記換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる(防虫ネットの取付けが可能な)立体形状枠を提供すること等を意図する。
【0013】
請求項3は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、方形状、アーチ形状であって、前記防虫ネットに取付け用の開口部を形成する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる立体形状枠を提供すること等を意図する。
【0015】
請求項4は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠を、少なくとも四本の起立枠体と、この起立枠体に差渡し設けた四本の差渡し枠体で構成した方形状であって、この立体形状枠の起立枠体を前記換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる立体形状枠を提供すること等を意図する。
【0017】
請求項5は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、少なくとも四本の骨枠体で構成したアーチ形状であって、この立体形状枠の骨枠体を前記換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる立体形状枠及び/又は防虫ネットを提供すること等を意図する。
【0019】
請求項6は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠及び/又は防虫ネットを、現場において、換気扇に組付け可能な構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる構造であって、この防虫ネットを容易、確実に取付けできる換気扇を提供すること等を意図する。
【0021】
請求項7は、請求項1又は請求項2に記載の換気扇を、換気扇枠体と、この換気扇枠体に可動自在に架承した多数のシャッタープレートと、このシャッタープレートを連動する連動杆及びこの連動杆に設けたシャッタープレート支持板と、前記連動杆を作動する駆動部と、前記換気扇枠体に装備したファン及びこのファンを駆動するモータで構成したハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0022】
請求項8の発明は、請求項7の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な構造の換気扇を提供すること等を意図する。
【0023】
請求項8は、請求項7に記載の換気扇が、現場において、組立て可能な換気扇枠体、又は組立て可能なシャッタープレートを利用可能とする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明は、ハウスの壁面に設けた枠体と、枠体に取付けられる換気扇と、換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、立体形状枠には防虫ネットを開口部より被嵌し、防虫ネットで換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0025】
従って、請求項1は、ハウスに設置した換気扇(換気扇枠体)への防虫ネットの組付けの容易化が図れること、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装が図れること、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇を提供できること等の特徴がある。また請求項1は、ハウスに必要となる外気の吸込量を確保できること、またこの吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気が図れるとともに、作物への直接送風及び/又は過乾燥を回避し、葉面呼吸の確保が図れること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充が図れること等の実益がある。
【0026】
請求項2の発明は、ハウスの壁面に設けた枠体と、枠体に取付けられる換気扇と、換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、立体形状枠には予め防虫ネットを開口部より被嵌し、防虫ネットで換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0027】
従って、請求項2は、従来の換気扇又はハウスに設置した換気扇に防虫ネットの容易、かつワンタッチによる組付けが図れること、またハウスの換気扇に防虫ネットの簡易な張装が図れること、又は防虫ネットの簡略化、低コスト化等が図れるハウスの防虫ネット付き換気扇を提供できること等の特徴がある。また請求項2の発明は、ハウスに必要となる外気の吸込量を確保し、またこの吸込んだ外気のハウス内の最適な箇所への送風及び/又はハウス内の空気のハウス外への排気が図れるとともに、作物への直接送風を回避し、過乾燥と葉面呼吸の確保が図れること、さらに温湿度管理の適正化及び/又は空気の置換を図り、作物の生育環境の確保と、収穫量の拡充が図れること等の実益がある。
【0028】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、方形状、アーチ形状であって、防虫ネットに取付け用の開口部を形成する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0029】
従って、請求項3は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる(防虫ネットの取付けが可能な)立体形状枠を提供できること等の特徴がある。
【0030】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠を、少なくとも四本の起立枠体と、起立枠体に差渡し設けた四本の差渡し枠体で構成した方形状であって、立体形状枠の起立枠体を換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0031】
従って、請求項4は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる(防虫ネットの取付けが可能な)立体形状枠を提供できること等の特徴を有する。
【0032】
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、少なくとも四本の骨枠体で構成したアーチ形状であって、立体形状枠の骨枠体を換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0033】
従って、請求項5は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる(防虫ネットの取付けが可能な)立体形状枠を提供できること等の特徴を有する。
【0034】
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠及び/又は防虫ネットを、現場において、換気扇に組付け可能な構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0035】
従って、請求項6は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる立体形状枠及び/又は防虫ネットを提供できること等の特徴がある。
【0036】
請求項7の発明は、請求項1又は請求項2に記載の換気扇を、換気扇枠体と、換気扇枠体に可動自在に架承した多数のシャッタープレートと、シャッタープレートを連動する連動杆及び連動杆に設けたシャッタープレート支持板と、連動杆を作動する駆動部と、換気扇枠体に装備したファン及びファンを駆動するモータで構成したハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0037】
従って、請求項7は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なハウスに設置等した換気扇に取付けできる構造であって、この防虫ネットを容易、確実に取付けできる換気扇を提供できること等の特徴がある。
【0038】
請求項8は、請求項7に記載の換気扇が、現場において、組立て可能な換気扇枠体、又は組立て可能なシャッタープレートを利用可能とする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇である。
【0039】
従って、請求項8は、請求項7の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適な構造の換気扇を提供できること等の特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の図面の説明をすると、図1〜図5は本発明のハウスの吹出側に設置される防虫ネット付きの換気扇の第一の実施例を示したものであり、図1は全体の一部欠截の背面図、図2は全体の側面図、図3は全体の分解斜視図、図4は立体形状枠と換気扇枠体との上方隅部(一方隅部)の連結状態を示す拡大斜視図、図5は立体形状枠と換気扇枠体との下方隅部(他方隅部)の連結状態を示す拡大斜視図である。また図6〜図8は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第二の実施例を示したものであり、図6は全体の分解斜視図、図7は起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図、図8は図7の他の一例を示す要部の拡大側面図である。次に図9、図10は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第三の実施例を示したものであり、図9は全体の分解斜視図、図10は起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図である。さらに図11〜図13は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第四の実施例を示したものであり、図11は全体の斜視図、図12は起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図、図13は図12の他の一例を示す要部の拡大側面図である。図14は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第五の実施例を示した全体の斜視図である。また図15〜図17は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第六の実施例を示したものであり、図15は全体の斜視図、図16は起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図、図17は図16の他の一例を示す要部の拡大側面図である。図18は防虫ネットとこの防虫ネットを換気扇(換気扇枠体)に取付ける一例を示した拡大斜視図である。また図19−1は防虫ネットの他の一例を示した斜視図、図19−2は防虫ネットのさらに他の一例を示した斜視図である。
【0041】
図中1はビニールハウス、ガラスハウス等のハウスAの枠構成であり、この枠構成1は縦枠体100と横枠体101とで方形状に形成された、例えば、図例の如く、妻づら形態とする(ハウスAの壁面1cに略面一構造である)。尚、他の一例としては天井面に設けられる形態とする。そして、この枠構成1には換気扇2が設けられており、この換気扇2は換気扇枠体200と、この換気扇枠体200に設けた複数のシャッタープレート201と、このシャッタープレート201を同時に開閉する連動杆(図示せず)と、前記換気扇枠体200の隅部(四隅)に少なくとも対峙して設けた支持部材202に差渡して設けた支持杆202aと、この支持杆202aに架承した羽根車203と、この羽根車203を駆動するモータ204とで構成されており、この換気扇枠体200を前記枠構成1に嵌合及び/又は固止する。この換気扇2は、モータ204の回転で羽根車203が回転し、この羽根車203の風圧を介してシャッタープレート201を可動し、このシャッタープレート201を開放するとともに、ハウスA内の空気を排気する(吹出す)構造であり、このシャッタープレート201は連動杆を介して略同時に開閉する構造である。尚、このシャッタープレート201を支持するシャッタープレート支持板と、またシャッタープレート201とシャッタープレート支持板を駆動する連動杆は図示せず。そして、以上で説明したシャッタープレート201は風圧式であるが、これに限定されず、例えば、図示しないが、駆動式もあり得る。このシャッタープレート201の駆動式は、モータ及び/又は駆動連結杆(駆動部)を備えており、この駆動部の作用でシャッタープレート201を開閉する。
【0042】
尚、本発明では、前述の換気扇2は一例である。従って、例えば、図示しないが、ハウスAの吸込み側の換気扇の場合にも適用できる構造である。また換気扇2を構成する換気扇枠体200、シャッタープレート201等の部材は、原則として一体構造であるが、現場での組立て及び/又は分解構造もあり得る。この現場での組立て構造は、搬送の容易化、又は現場での部品交換と、この交換の容易化等が図れる。
【0043】
3は防虫ネット4支持用の立体形状枠であり、この立体形状枠3には、第一の実施例から第六の実施例等があり、原則として現場での立体形状枠3の換気扇2への取付け及び/又はこの立体形状枠3の組立て及び/又は分解である。この各実施例を順次説明する。 〔1〕第一の実施例を示した図3〜図5等の例では、少なくとも四本のチャンネル型金属材の起立枠体300(垂設枠体)と、起立枠体300に差渡し設けたチャンネル型金属材の差渡し枠体301で構成した方形状であって、立体形状枠の起立枠体300を換気扇枠体200に固止可能とする構成である。この換気扇枠体200への起立枠体300(立体形状枠3)の固止は、当該換気扇枠体200の開放側(ハウスA側)の端片200−1及び/又は支持部材202の開放側(ハウスA側)の端片202−1に、起立枠体300の適宜箇所にそれぞれ設けた一個又は数個の挾持片302(係止片)を挾持(係止)する方法である。この方法は、ワンタッチで簡易に、かつ工具等を要さず行えて重宝する。そして、吹出側に挾持することからガタ付きもなく、騒音の発生防止と、防虫ネット4の落下、剥離の危険性も略皆無にできる利点がある。この挾持片302は起立枠体300の一方の自由端のやや内方に半截卍形(卍形とする)とし、この卍形の隙間を前記換気扇枠体200の開放側の端片200−1及び/又は支持部材202の開放側の端片202−1に挾持するが、この説明及び/又は図示の例の逆の構造、即ち、前記換気扇枠体200及び/又は支持部材202に挾持片(図示せず)を設け、この挾持片(図示せず)を起立枠体300の自由端等の端片に挾持する構造である。尚、前記挾持の方法及び/又は方向は限定されないが、図示の例が前述の効果があり有益である。またこの挾持とともに、必要により、螺子止めによる固止と、この挾持と螺子止めの併用等があり得る。図中205は換気扇枠体200と羽根車203との間を塞ぐ板材である。また図中206は換気扇枠体200の表面側(ハウスAの外側)に設けたビニール係止用の器具である。尚、この例では、起立枠体300を差渡し枠体301に固止した構成を説明したが、この起立枠体300を差渡し枠体301に着脱自在にする構成も可能である。またこの差渡し枠体301は方形状の一体化構造、又は分割式による組立て構造の何れも可能である(以下、他の各実施例も同じ)。そして、この組立て構造は搬送時のコンパクト化、管理の容易化等に寄与できる。 〔2〕第二の実施例を示した図6〜図8の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、起立枠体300の他方の自由端に螺子杆303を、その一方の自由端のやや内方に螺子孔304を設け、この各起立枠体300の螺子杆303を、差渡し枠体301に設けた各ナット305(螺子部)にそれぞれ螺合し、この各起立枠体300と差渡し枠体301を一体にして立体形状枠3を形成する。そして、この立体形状枠3を構成する各起立枠体300の一方の自由端を、換気扇枠体200の隅部に設けた各筒体200−2にそれぞれ差込み、必要により止め螺子306をそれぞれ緊締することで、換気扇2に防虫ネット4用の立体形状枠3が固止される。このように、立体形状枠3を各部品に個別に分解可能とすることで、収容の容易化、小型化を図り、また取扱いの簡便化、搬送の効率化等に寄与できる特徴がある。その他は第一の実施例に準ずる。 〔3〕第三の実施例を示した図9、図10の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、各起立枠体300の他方の自由端を差渡し枠体301にそれぞれ枢支307し、この各起立枠体300を差渡し枠体301内に折畳み収容可能とし、収容の容易化、小型化を図り、また取扱いの簡便化、搬送の効率化等に寄与できる特徴がある(他の各例も略同じ)。その他は第一の実施例等に準ずる。図中3aは起立枠体300の他方の自由端に設けた切欠部で、この切欠部3aでスムーズな折畳みを図る。 〔4〕第四の実施例を示した図11〜図13の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、換気扇枠体200の隅部にそれぞれ起立枠体300を設け、この各起立枠体300に差渡し枠体301を螺子308止めする構成であり、螺子308を止め部材309を介して緊締し、この各起立枠体300と差渡し枠体301を一体にして立体形状枠3を形成する。またこの一体で立体形状枠3と換気扇2が固止される。このように、各起立枠体300を差渡し枠体301に螺子308止めする構成であり、組立ての容易化、迅速化を図り、また取扱い・搬送等の簡便化等に寄与できる特徴がある(他の各例も略同じ)。その他は第一の実施例等に準ずる。 〔5〕第五の実施例を示した図14の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、各起立枠体300をバネ材でアーチ形状に形成し、この各起立枠体300間に差渡し枠体301を設ける構成であり、この各起立枠体300の反揆を介して換気扇枠体200の隅部にそれぞれ係止する構成である。従って、組立て・取扱いの容易化、迅速化を図り、また工具を要さず組立てできる利点があり重宝すること等の特徴がある(他の各例も略同じ)。この取付け方法は、吹出方式の換気扇2では、風を各起立枠体300側から受けるので、離脱の虞がなく有益である。その他は第一の実施例等に準ずる。また各起立枠体300の脚部の取外しは自由である。 〔4〕第六の実施例を示した図15〜図17の例では、基本的な構造は前述の第一の実施例に準ずるので、相違点を主体に説明すると、この例では、換気扇枠体200の隅部にそれぞれ設けた隅係止片207(隅に限定されない。この換気扇枠体200の周辺であればよい)に、一本又は数本の各起立枠体300の脚部を嵌入する構成であり、組立ての容易化、迅速化を図り、また取扱い・搬送等の簡便化等に寄与できる特徴がある(他の各例も略同じ)。また必要により止具(図示せず)を採用する。尚、図17の例では、この隅係止片207に差渡し枠体301を同時に嵌入する構成である。その他は第一の実施例等に準ずる。また隅係止片207は緊締具208でその緊締度を調整可能とする。また隅係止片207からの各起立枠体300の脚部の取外しは自由であり、簡単に組立てと取外しができる特徴がある。また図示しないが、この起立枠体300及び/又は差渡し枠体301は折畳み方式、入れ子方式等を利用し、自由に伸縮又は収容可能とすることができる。これにより、前述の各特徴をより発揮できる。
【0044】
防虫ネット4の取付け方法は、この防虫ネット4が方形状の場合は、図18〜図19−2に示した各例が望ましいので、順次説明する。 〔10〕図18に示した例は、換気扇枠体200又は差渡し枠体301に設けたネット係止材5と、このネット係止材5に設けた係止溝500と、この係止溝500に圧入される弾性体501とで、立体形状枠3に被嵌した防虫ネット4の周辺を圧着する方式である。この圧着で防虫ネット4が換気扇2に取付けられる。この例では、密封性の向上、防音・冷暖房効果、又は益虫の逃避防止、騒音・内気・悪臭等の拡散防止に役立ち有益である。またこの弾性体501はバネ材でも可能である。 〔11〕図19−1に示した例は、防虫ネット4の周辺に袋部502を形成し、この袋部502に紐503を設け、この紐503で立体形状枠3に被嵌した防虫ネット4を緊締固止することで、防虫ネット4が換気扇2に取付けられる。また 〔12〕図19−2に示した例は、防虫ネット4の周辺に一方の面ファスナー504を形成し、この一方の面ファスナー504を、前記換気扇枠体200及び/又は差渡し枠体301に設けた他方の面ファスナー505に貼着する。この操作で防虫ネット4が換気扇2に取付けられる。尚、防虫ネット4の取外しは、前述の各例で示した貼着方法の逆の操作で容易に行えるので、説明は省略する。尚、図示しないが、前述の図14に示したアーチ形状の立体形状枠3の例では、防虫ネット4は立体形状枠3と相似形とする。そして、各形態の立体形状枠(図示せず)の例においても、同様に防虫ネット4と相似形とする。この防虫ネット4の他の例として、防虫ネット4を防寒シートに変更し、冬季等における寒さ対策と、防温、防音、防犯効果等を達成することも可能である。
【0045】
また換気扇2及び/又は防虫ネット4は、図示しない作物の種類及び/又は栽培・気候等の条件等により、ハウスAの壁面1cの所定高さに取付けられる。この取付け位置と、防虫ネット4等との形状及び/又は寸法等は相関関係を有する。そして、記述した内容で、換気扇2による十分な換気及び/又は外気の吸込みが図れない場合の悪影響を念のために説明する。例えば、〔イ〕 外気の吸込量の確保が図れない場合には、適正な温湿度管理ができず、例えば、7月〜8月において、外気に比し、略2〜5℃程度の温度(高温時が問題)及び/又は略2〜3%の相対温度の上昇が考えられる。〔ロ〕 吸込量が不足し、適正な温湿度管理ができないので、作物の生育不良、糖分の不足、果肉の不良、又は徒長の問題が発生する。〔ハ〕 ハウスA内空気の澱みの発生による作物の生育不良、糖分の不足等が考えられる。〔ニ〕 防虫ネット4の張装面積が増えることで、ハウスAの畝及び/又は作物を覆うような状態となり、光合成が図れないこと、及び収穫量が減少すること、またハウスAの内壁近傍を移動する人・機材の邪魔になり易いこと等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明のハウスの吹出側に設置される防虫ネット付きの換気扇の第一の実施例を示した全体の一部欠截の背面図
【図2】図2は第一の実施例を示した全体の側面図
【図3】図3は第一の実施例を示した全体の分解斜視図
【図4】図4は第一の実施例を示した立体形状枠と換気扇枠体との上方隅部の連結状態を示す拡大斜視図
【図5】図5は第一の実施例を示した立体形状枠と換気扇枠体との下方隅部の連結状態を示す拡大斜視図
【図6】図6は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第二の実施例を示した全体の分解斜視図
【図7】図7は第二の実施例を示した起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図
【図8】図8は図7の他の一例を示す要部の拡大側面図
【図9】図9は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第三の実施例を示した全体の分解斜視図
【図10】図10は第三の実施例を示した起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図である。
【図11】図11は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第四の実施例を示した全体の斜視図
【図12】図12は第四の実施例を示した起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図
【図13】図13は図12の他の一例を示す要部の拡大側面図
【図14】図14は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第五の実施例を示した全体の斜視図
【図15】図15は本発明の防虫ネット付きの換気扇の第六の実施例を示した全体の斜視図
【図16】図16は第六の実施例を示した起立枠体と差渡し枠体及び/又は換気扇枠体との連結状態を示す拡大側面図
【図17】図17は図16の他の一例を示す要部の拡大側面図
【図18】図18は防虫ネットとこの防虫ネットを換気扇(換気扇枠体)に取付ける一例を示した拡大斜視図
【図19−1】図19−1は防虫ネットの他の一例を示した斜視図
【図19−2】図19−2は防虫ネットのさらに他の一例を示した斜視図
【符号の説明】
【0047】
A ハウス
1 枠構成
1c 壁面
100 縦枠体
101 横枠体
2 換気扇
200 換気扇枠体
200−1 端片
200−2 筒体
201 シャッタープレート
202 支持部材
202−1 端片
202a 支持杆
203 羽根車
204 モータ
205 板材
206 器具
207 隅係止片
208 緊締具
3 立体形状枠
3a 切欠部
300 起立枠体
301 差渡し枠体
302 挾持片
303 螺子杆
304 螺子孔
305 ナット
306 止め螺子
307 枢支
308 螺子
309 止め部材
4 防虫ネット
5 ネット係止材
500 係止溝
501 弾性体
502 袋部
503 紐
504 一方の面ファスナー
505 他方の面ファスナー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウスの壁面に設けた枠体と、この枠体に取付けられる換気扇と、この換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
前記換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、この立体形状枠には前記防虫ネットを前記開口部より被嵌し、この防虫ネットで前記換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項2】
ハウスの壁面に設けた枠体と、この枠体に取付けられる換気扇と、この換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
前記換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、この立体形状枠には予め前記防虫ネットを前記開口部より被嵌し、この防虫ネットで前記換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、方形状、アーチ形状であって、前記防虫ネットに取付け用の開口部を形成する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠は、少なくとも四本の起立枠体と、この起立枠体に差渡し設けた四本の差渡し枠体で構成した方形状であって、この立体形状枠の起立枠体を前記換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠は、少なくとも四本の骨枠体で構成したアーチ形状であって、この立体形状枠の骨枠体を前記換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠及び/又は防虫ネットは、現場において、換気扇に組付け可能な構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の換気扇は、換気扇枠体と、この換気扇枠体に可動自在に架承した多数のシャッタープレートと、このシャッタープレートを連動する連動杆及びこの連動杆に設けたシャッタープレート支持板と、前記連動杆を作動する駆動部と、前記換気扇枠体に装備したファン及びこのファンを駆動するモータで構成したハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項8】
請求項7に記載の換気扇は、現場において、組立て可能な換気扇枠体、又は組立て可能なシャッタープレートを利用可能とする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項1】
ハウスの壁面に設けた枠体と、この枠体に取付けられる換気扇と、この換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
前記換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、この立体形状枠には前記防虫ネットを前記開口部より被嵌し、この防虫ネットで前記換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項2】
ハウスの壁面に設けた枠体と、この枠体に取付けられる換気扇と、この換気扇を被覆する一面に開口部を有する防虫ネットで構成した防虫ネット付きの換気扇であって、
前記換気扇を構成する換気扇枠体に、防虫ネット支持用の立体形状枠を取付け、この立体形状枠には予め前記防虫ネットを前記開口部より被嵌し、この防虫ネットで前記換気扇の吹出し側、吸込み側等の開口を被嵌する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠が、方形状、アーチ形状であって、前記防虫ネットに取付け用の開口部を形成する構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠は、少なくとも四本の起立枠体と、この起立枠体に差渡し設けた四本の差渡し枠体で構成した方形状であって、この立体形状枠の起立枠体を前記換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠は、少なくとも四本の骨枠体で構成したアーチ形状であって、この立体形状枠の骨枠体を前記換気扇枠体に固止可能にする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の立体形状枠及び/又は防虫ネットは、現場において、換気扇に組付け可能な構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の換気扇は、換気扇枠体と、この換気扇枠体に可動自在に架承した多数のシャッタープレートと、このシャッタープレートを連動する連動杆及びこの連動杆に設けたシャッタープレート支持板と、前記連動杆を作動する駆動部と、前記換気扇枠体に装備したファン及びこのファンを駆動するモータで構成したハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【請求項8】
請求項7に記載の換気扇は、現場において、組立て可能な換気扇枠体、又は組立て可能なシャッタープレートを利用可能とする構成としたハウスの防虫ネット付きの換気扇。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19−1】
【図19−2】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19−1】
【図19−2】
【公開番号】特開2006−288256(P2006−288256A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112269(P2005−112269)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(391008294)フルタ電機株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(391008294)フルタ電機株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
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