ハニカムセグメントの載置台,ハニカムセグメント接合装置及びハニカム構造体
【課題】 ハニカムセグメントの間からはみ出たスラリーによる不具合の発生が抑えられたハニカムセグメントの載置台及びハニカムセグメント接合装置を提供すること。
【解決手段】 本発明のハニカムセグメントの載置台2は、ハニカムセグメント5が載置される載置面20A,Bが、ハニカムセグメント5に当接する当接面部と、当接面部に隣接した位置でハニカムセグメントと当接しない非当接面部3と、を有することを特徴とする。
【解決手段】 本発明のハニカムセグメントの載置台2は、ハニカムセグメント5が載置される載置面20A,Bが、ハニカムセグメント5に当接する当接面部と、当接面部に隣接した位置でハニカムセグメントと当接しない非当接面部3と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムセグメントを接合するときに載置するハニカムセグメントの載置台及びハニカムセグメント接合装置ならびにハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関、ボイラー、化学反応機器、燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、排ガス中のスス等の微粒子(特にディーゼルエンジンからの排気ガス中の微粒子物質(PM))の捕集フィルタ(以下、DPFという)等には、セラミックス製のハニカム構造体が用いられている。
【0003】
セラミックス製のハニカム構造体は、一般に、多孔質のセラミックスよりなり、流体の流路となる複数のセルを隔壁で区画する隔壁部と、端面が市松模様状を呈するように隣接するセルが互いに反対側となる端部を封止するセラミックスよりなる封止部と、を有した構造となっている。そして、ハニカム構造体自身も、複数のセルが区画されたハニカムセグメントを、接合材で接合して形成されている。
【0004】
このハニカムセグメントの接合は、たとえば、特許文献1には、2つの多孔質ハニカムセグメントの接着面間に接合材層を介在させてハニカムセグメントに断面がV宇型の接合装置で押圧力を加えつつ振動を付与することにより行うことが開示されている。
【0005】
しかしながら、この方法では、接合終了まで振動と加圧力が伝達されるため、この伝達力は相互に接合しているハニカムセグメントに対して剥がす力として作用し、下部のハニカムセグメントを接合している接合材層が剥離し、ひいては部分的に接合強度の低下を招くという課題があった。
【0006】
この課題を解決すべく、特許文献2には、セグメントを所定の個数積載後、最外層に位置する多孔質ハニカムセグメントを介して全体に第一圧力で加圧するとともに、積層時にはこれらのハニカムセグメントの各々は積層時に第一圧力よりも弱い第二圧力で加圧することが開示されている。
【0007】
これらの特許文献には、ハニカムセグメントの外周面が接着装置に密着した状態で接合材を塗布することが記載されている。
【0008】
さらに、特許文献3には、ハニカムセグメントを接合するときに、ハニカムセグメントに設置済みのハニカムセグメントの位置ズレを起こさないように、少なくとも一部を加圧して所定位置に保持することが開示されている。さらに、特許文献3には、設置基準治具の表面に、摩擦抵抗により位置ズレを防ぐパッドを配置することが開示されている。
【0009】
しかしながら、これらの技術では、ハニカムセグメントを積層した状態では、ハニカムセグメントの重みや加重された圧力により、ハニカムセグメントの接合面間が圧縮されて、接合面から下方側に接合材が押し出されてはみ出るという問題があった。接合材がはみ出ると、ハニカムセグメントと接合装置との間に接合材が流れ込もうとするが、両者の間には接合材の逃げ場がなく、ハニカムセグメントの外周面に付着してハニカムセグメントが汚れ、その除去処理が必要となっていた。
【0010】
さらに、接合装置とハニカムセグメントとの隙間にはみ出た接合材が入り込むと、順次積載していくのが困難になることがあった。
【0011】
加えて、隙間に入り込んだ接合材がハニカムセグメントの位置の精度を低下させる。この状態でハニカムセグメントが接合すると、接合した二つのハニカムセグメントの間の接合材層は不均一となり、DPFとして使用しているときに熱応力が加わると、熱応力の集中をまねき、破損の原因となる。
【0012】
また、積層したハニカムセグメントの重量や接着途中の接合面の不安定さから、はみ出た接合材を接合装置とハニカムセグメントとの隙間から取り除くのが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−7455号公報
【特許文献2】特許第4382367
【特許文献3】国際公開2008/140095号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、ハニカムセグメントを接合材で接合するときに、ハニカムセグメントの間からはみ出たスラリーによる不具合の発生が抑えられたハニカムセグメントの載置台及びハニカムセグメント接合装置ならびにハニカム構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために本発明者等は、ハニカムセグメント接合装置においてハニカムセグメントを載置する載置台について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
【0016】
すなわち、本発明のハニカムセグメントの載置台は、ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布し、外周面に別のハニカムセグメントを貼り付けるときに、ハニカムセグメントが載置されるハニカムセグメントの載置台であって、ハニカムセグメントが載置される載置面が、ハニカムセグメントに当接する当接面部と、当接面部に隣接した位置でハニカムセグメントと当接しない非当接面部と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明のハニカムセグメント接合装置は、請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台と、ハニカムセグメントの載置台に載置されたハニカムセグメントの表面に、ハニカムセグメントを接合する接合材スラリーを塗布する塗布装置と、を有することを特徴とする。
【0018】
更に、本発明のハニカム構造体は、角柱形状のハニカムセグメントと、複数のハニカムセグメントの間に介在してハニカムセグメント同士を接合する接合材層と、を有するハニカム構造体であって、接合された二つの前記ハニカムセグメントの互いに対向する対向面間の距離が一定であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のハニカムセグメントの載置台は、ハニカムセグメントが載置される載置面が、ハニカムセグメントと当接する当接面部と、当接しない非当接面部と、を有している。すなわち、ハニカムセグメントと載置台の間の非当接面部に対応する部分には、隙間が形成されている。ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布したときに、過剰なスラリーがハニカムセグメントの外周面からはみ出て(流れ出して)も、この非当接部に対応した隙間に浸入し(流れ込み)、スラリーがハニカムセグメントに付着しない。この結果、過剰なスラリーがはみ出て(流れ出して)も、ハニカムセグメントに不具合を生じさせなくなる。
【0020】
本発明のハニカムセグメント接合装置は、この載置台を用いていることを特徴とするものであり、上記の載置台における効果と同様な効果を発揮する。
【0021】
本発明のハニカム構造体は、接合された二つのハニカムセグメント間の距離が一定となっており、二つのハニカムセグメントが高い位置精度で整列した状態で接合している。この結果、本発明のハニカム構造体は、ハニカムセグメントの位置精度が低下することに起因する不具合の発生が抑えられたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【図2】実施例1の載置台の載置面を示した図である。
【図3】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図4】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図5】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図6】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図7】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図8】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図9】ズレのないハニカムセグメントの接合体の部分断面図である。
【図10】ズレのあるハニカムセグメントの接合体の部分断面図である。
【図11】ズレのないハニカムセグメントの接合体の部分断面図である。
【図12】ズレのあるハニカムセグメントの接合体の部分断面図である。
【図13】実施例2のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【図14】実施例3のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【図15】実施例4のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【図16】実施例6のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(ハニカムセグメントの載置台)
本発明のハニカムセグメントの載置台は、ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布し、外周面に別のハニカムセグメントを貼り付けるときに、ハニカムセグメントが載置されるハニカムセグメントの載置台である。つまり、本発明のハニカムセグメントの載置台は、複数のハニカムセグメントを接合するときにハニカムセグメントを載置することに使用する。ハニカムセグメントの外周面に塗布されるスラリーは、ハニカムセグメントの接合材のスラリーであることが好ましい。
【0024】
そして、本発明のハニカムセグメントの載置台は、ハニカムセグメントが載置される載置面が、ハニカムセグメントに当接する当接面部と、当接面部に隣接した位置でハニカムセグメントと当接しない非当接面部と、を有する。なお、載置面とは、ハニカムセグメントを載置台に載置したときに、ハニカムセグメントがその上方側に位置するようになる面である。
【0025】
本発明のハニカムセグメントの載置台は、載置面が当接面部と、非当接面部とを有する。当接面部は、載置面上に載置されたハニカムセグメントと当接する部分である。当接面部は、載置面上に位置するハニカムセグメントを当接して、支持する。そして、非当接面部は、載置面を形成したときにハニカムセグメントと当接しない部分である。
【0026】
非当接面部は、載置面のハニカムセグメントと当接しない部分であることから、この非当接面部に対応する部分には、ハニカムセグメントとの間に隙間が形成される。ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布したときに、過剰なスラリーがハニカムセグメントの外周面からはみ出て(流れ出して)も、この非当接部に対応した隙間に浸入し(流れ込み)、スラリーがハニカムセグメントに付着しなくなっている。この結果、本発明のハニカムセグメントの載置台は、過剰なスラリーがはみ出て(流れ出して)も、ハニカムセグメントに不具合を生じさせなくなる。
【0027】
非当接面部は、載置面の表面からくぼんで形成されていることが好ましい。非当接面部が載置面の表面からくぼんで形成されたことで、過剰なスラリーがこのくぼみに浸入する(流れ込む)こととなり、ハニカムセグメントの外周から過剰なスラリーの除去が行われる。
【0028】
非当接面部は、ハニカムセグメントからスラリーがはみ出た(流れ出た)ときに、スラリーが浸入可能な(流れ込むことが可能な)位置に形成されていることが好ましい。スラリーが浸入可能な位置に非当接面部が形成されることで、過剰なスラリーがハニカムセグメントの外周からはみ出るように発生しても、ただちに非当接面部に浸入することとなり、ハニカムセグメントの外周から過剰なスラリーの除去を行うことができる。
【0029】
ここで、ハニカムセグメントからスラリーがはみ出た(流れ出た)ときに、スラリーが浸入可能な位置としては、たとえば、ハニカムセグメントの外周形状の角部に対応した位置(角部の鉛直下方)をあげることができる。この場合、はみ出たスラリーは、ハニカムセグメントの外周面を流動し(流れ)、ハニカムセグメントの角部に到達する。その後、しハニカムセグメントの角部から鉛直下方にスラリーが流れる。そして、この角部の下方に非当接面部が存在すると、スラリーが非当接面部に直ちに浸入する。更に、角部に対応した位置に非当接面部を形成すると、ハニカムセグメントを載置面に載置するときの位置決めに、この非当接面部を利用することができる。
【0030】
非当接面部は、載置台の表面に形成された溝条よりなることが好ましい。非当接面部が溝条であることで、載置面に簡単に非当接面部を形成できる。また、溝条の形成されていない部分を、当接面部とすることができる。
【0031】
溝条は、その形態が限定されるものではない。すなわち、溝条が直線状に伸びていても、波状に伸びていても、いずれでもよい。
【0032】
溝条は、ハニカムセグメントの軸方向に沿って伸びることが好ましい。ハニカムセグメントの軸方向に沿って溝条が伸びることで、溝条がハニカムセグメントの外周形状に対応することとなり、ハニカムセグメントの角部から流れ落ちた(洩れ落ちた)スラリーを、この溝条で受けることができる。
【0033】
溝条は、ハニカムセグメントの軸方向の長さの全長以上にわたって伸びていることが好ましい。全長にわたって溝条が形成されることで、ハニカムセグメントから流れ落ちた(洩れ落ちた)スラリーを、この溝条で確実に受けることができる。
【0034】
溝条は、その内部に流れ落ちたスラリーが載置面上にもどらない形状であれば、その断面形状(溝条ののびる方向に対して垂直な面での溝条内の空間の断面形状)が限定されるものではない。たとえば、凹字状,V字状,U字状等の形状をあげることができる。
【0035】
溝条は、凹字状の断面形状を有することが好ましい。ここで、凹字状の断面とは、溝条の空間の断面形状が方形状をなす形状を示し、溝条を区画する底面が載置面の表面と平行に形成され、かつ表面と底面との間の一対の側面が、表面及び底面に対して略垂直に形成されている形状を示す。溝条が凹字状の断面形状を有することで、載置面が傾斜していても、溝条は開口部よりも下方に位置する部分を有することから、溝条に流れ込んだスラリーが載置面の表面にあふれて戻ることが抑えられる。
【0036】
本発明において、この溝条の開口幅及び深さは限定されるものではなく、ハニカムセグメントに塗布されるスラリーの粘度や塗布量(はみ出て浸入するスラリー量)により決定できる。
【0037】
ハニカムセグメントが断面方形の角柱形状を有し、溝条の開口部には、載置台に載置されたハニカムセグメントの角が位置することが好ましい。ハニカムセグメントが角柱形状を有することで、ハニカムセグメントに塗布されたスラリーは、塗布面(外周面)の傾斜に沿って流動し、断面方形の角部から鉛直下方に流動する。そして、溝条の開口部にこの角(角部)が位置することで、ハニカムセグメントから流動したスラリーが溝条内に浸入する。つまり、ハニカムセグメントの外周面(スラリーの塗布面)からはみ出たスラリーが確実に溝条に浸入することで、流れ落ちたスラリーがハニカムセグメントの別の外周面に付着することが抑えられる。
【0038】
溝条は、ハニカムセグメントの軸方向に交差する方向に伸びることが好ましい。溝条が、ハニカムセグメントの軸方向に対して平行でなくても、ハニカムセグメントの外周面(スラリーの塗布面)からはみ出たスラリーを受けることができる。
【0039】
このとき、隣接する二つの溝条の間の当接面部の幅(二つの溝条の間隔)が短いほど、ハニカムセグメントから当接面部に流れ落ちたスラリーが溝条に直ぐに流れ落ちることとなる。つまり、確実にスラリーをハニカムセグメントの外周面から排除することができる。そして、当接面部の幅は短ければ短いほど好ましく、点接触または線接触であることが好ましい。
【0040】
溝条に隣接する当接面部は、ハニカムセグメントと点接触または線接触することが好ましい。
【0041】
当接面部と非当接面部は、交互に位置することが好ましい。当接面部と非当接面部が交互に位置することで、当接面部に流れ落ちたスラリーが非当接面部に確実に導かれるようになる。
【0042】
載置面は、網により形成されていることが好ましい。載置面が網により形成されることで、網を形成する部材が当接面部となり、網の目の部分が非当接面部となる。この場合、網の目を通過することで、スラリーが載置面から取り除かれる。
【0043】
載置面は、凹凸形状をなすように形成されていることが好ましい。凹凸形状の凸の部分が当接面部となり、凹の部分が非当接面部となる。
【0044】
本発明のハニカムセグメントの載置台において、載置面は、水平方向に広がっていても、傾斜していても、いずれでもよい。載置面が傾斜している時には、ハニカムセグメントの下方に面する外周面を、別の載置面で支持することが好ましい。すなわち、ハニカムセグメントの載置台は、二つの載置面が直交してもうけられていることが好ましい。
【0045】
(ハニカムセグメント接合装置)
本発明のハニカムセグメント接合装置は、上記のハニカムセグメントの載置台を用いてなる接合装置である。すなわち、本発明のハニカムセグメント接合装置は、請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台と、ハニカムセグメントの載置台に載置されたハニカムセグメントの表面に、ハニカムセグメントを接合する接合材スラリーを塗布する塗布手段と、を有する。
【0046】
本発明のハニカムセグメント接合装置は、上記のハニカムセグメントの載置台を用いてなる接合装置であることから、上記の載置台により得られる効果を発揮できる。
【0047】
塗布手段は、ハニカムセグメントの載置台に載置されたハニカムセグメントの表面に、ハニカムセグメントを接合する接合材スラリーを塗布することができる手段であれば、限定されるものではなく、ヘラ、ハケ、ローラー、スプレー等の手段をあげることができる。
【0048】
ハニカムセグメントの載置台の非当接面部内に浸入した接合材スラリーを回収する回収装置を有することが好ましい。回収手段を有することで、接合材スラリーを回収できるようになり、より載置台からスラリーを取り除くことができる。さらに、回収手段でスラリーを回収することで、回収したスラリーを再利用できる。
【0049】
(ハニカム構造体)
本発明のハニカム構造体は、角柱形状のハニカムセグメントと、複数のハニカムセグメントの間に介在してハニカムセグメント同士を接合する接合材層と、を有する。すなわち、本発明のハニカム構造体は、複数のハニカムセグメントを接合してなる。
【0050】
そして、本発明のハニカム構造体は、接合された二つのハニカムセグメントの互いに対向する対向面間の距離が一定である。ハニカムセグメントが角柱形状であることから、対向面は平面(凹凸の形成されていない)となっている。そして、二つのハニカムセグメントの対向面間の距離が一定であることから、二つのハニカムセグメントを接合する接合材層の厚さも一定となる。つまり、接合材層の厚さが一定であることから、ハニカム構造体に熱応力が生じても、接合材層に部分的な集中が生じなくなっている。この結果、本発明のハニカム構造体は、たとえばDPFとして使用したときに、破損が生じにくくなっている。
【0051】
ここで、ハニカムセグメント自身の形状の歪み(ハニカムセグメントを焼成して製造することにより発生する形状の歪み)が存在して対向面に凹凸(湾曲)が存在する場合には、対向面間の距離は、対向面の端部を結ぶ線(面)の距離で代用することができる。
【0052】
本発明のハニカム構造体は、隣接する二つのハニカムセグメントの互いに対向する対向面に対して垂直な方向に広がる表面の一方同士が、同一平面上に位置することが好ましい。隣接する二つのハニカムセグメントの互いに対向する対向面に対して垂直な方向に広がる表面の一方同士が同一平面上に位置することで、ハニカム構造体に熱応力が付与されてハニカムセグメントが変形したときに、それぞれのハニカムセグメントが接合材層に加える応力が一定となり、接合材層の損傷が抑えられる。
【0053】
本発明のハニカム構造体は、請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台、請求項14〜15のいずれかに記載のハニカムセグメント接合装置のいずれかを用いて製造されたことが好ましい。上記したように、本発明のハニカムセグメントの載置台及びハニカムセグメント接合装置は、はみ出した接合材スラリーによるハニカムセグメントの位置精度の低下が抑えられる効果を発揮するものであり、これらを用いて製造することで、本発明のハニカム構造体が対向面間の距離を一定にすることができる。
【0054】
本発明のハニカム構造体においてハニカムセグメントの角柱形状は、特に限定されるものではなく、多角形の角柱形状であればよい。より好ましくは、断面四角形の四角柱形状であり、断面正方形で有ることがより好ましい。
【0055】
本発明のハニカム構造体において、ハニカムセグメント,接合材層のそれぞれの材質は特に限定されるものではなく、ハニカム構造体の製造に用いられている材質を用いることができる。
【0056】
ハニカムセグメントを形成する材質としては、炭化ケイ素,チタン酸アルミニウム,窒化珪素,コーディエライトより選ばれる一種であることが好ましく、炭化ケイ素であることがより好ましい。なお、各種の元素が添加(ドープ)されていても、表面に酸化被膜を形成していてもよい。
【0057】
接合材層についても、接合材スラリーから形成することができ、接合材スラリーについても、SiC系スラリーを用いることが好ましい。
【実施例】
【0058】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0059】
本発明の実施例として、ハニカムセグメントの載置台及び接合装置を製造した。
【0060】
(実施例1)
(接合装置)
本実施例のハニカムセグメント接合装置1は、断面正方形状のハニカムセグメントを接合する接合装置であって、ハニカムセグメントの載置台2,塗布手段(図示せず)を有する。本実施例のハニカムセグメント接合装置1を、図1〜2に示した。なお、図1〜2は、載置台2にハニカムセグメントを載置したときに、ハニカムセグメントの端面側から見た正面図である。
【0061】
本実施例のハニカムセグメントの載置台2は、二つの載置面20A,20Bが直交した状態で、V字状(L字状)をなすようにもうけられている。それぞれの載置面20A,20Bは、湾曲していない広がった平面状をなしている。また、それぞれの載置面20A,20Bは、図2に示したように、水平方向に対して、45度の角度をなすようにもうけられている。
【0062】
二つの載置面20A,20Bのそれぞれには、等間隔で、溝条3(30,3A−1,3A−2,3A−3・・・,3B−1,3B−2,3B−3・・・)が開口している。この溝条3は、ハニカムセグメント5を載置したときに、ハニカムセグメント5の軸方向に平行に設けられている。二つの載置面20A,20Bの交差する部分には、溝条30が形成されている。そして、載置面20Aには、溝条3の幅方向に、溝条30から等間隔で、溝条3(3A−1,3A−2,3A−3・・・)がもうけられている。載置面20Bにおいても同様に溝条3(3B−1,3B−2,3B−3・・・)がもうけられている。この溝条3は、載置台2の載置面20上に、断面方形のハニカムセグメント5を載置したときに、ハニカムセグメント5の角が溝条3の開口部上に位置するようにもうけられている。
【0063】
溝条3は、断面凹字状に形成されている。本実施例において、溝条3は、開口部の開口幅が10mm、深さが10mmの断面凹字状の形状に形成されている。また、本実施例においては、一辺が36mmの断面正方形のハニカムセグメントを接合するときに、溝条3の間隔(溝条3の開口部の中央部の間隔)は27mmであった。
【0064】
二つの載置面20A,20Bのそれぞれにおいては、ハニカムセグメント5を載置したときに、溝条3が形成されていない部分4,4がハニカムセグメント5の外周面と当接する。
【0065】
塗布手段(図示せず)は、ヘラが用いられた。
【0066】
また、本実施例のハニカムセグメント接合装置1は、溝条3内に浸入したスラリーを回収するスラリー回収装置(図示せず)がもうけられている。このスラリー回収装置は、溝条3の一方の端部にスラリーの粘度を低下させるための溶媒(水)を供給する水供給部と、溝条3を流れて溝条3に流れ落ちたスラリーを含む水を回収する水回収部と、を有する。
【0067】
(ハニカムセグメントの接合)
実施例のハニカムセグメント接合装置1を用いてハニカムセグメント5の接合を行った。接合されたハニカムセグメントは、従来公知の炭化ケイ素焼結体よりなる断面正方形状のハニカムセグメント5である。また、ハニカムセグメントの接合に用いられるスラリー(接合材スラリー)についても、従来公知のSiC系の接合材スラリーを用いた。
【0068】
まず、実施例のハニカムセグメント接合装置1のハニカムセグメントの載置台2の二つの載置面20A,20Bが交差する角部にハニカムセグメント5Aを載置する。このとき、ハニカムセグメント5Aの二つの外周面5Aa,5Abのそれぞれは、対向する二つの載置面20A,20Bと密着して支持されている。(図3)
そして、ハニカムセグメント5Aの外周面5Acに、塗布手段を用いて所定の塗布厚さで接合材スラリー6を塗布する。(図4)接合材スラリー6が塗布されたハニカムセグメント5Aの外周面5Acは、載置面20A側が下方側に傾斜している。そして、接合材スラリー6も流動性を有しており、塗布された外周面5Ac上をわずかに流動する。
【0069】
つづいて、接合材スラリー6が塗布されたハニカムセグメント5Aの外周面5Acに、別のハニカムセグメント5Bの外周面5Bbを押しつけて、両者5A,5Bを接合する。このとき、ハニカムセグメント5Aの外周面5Acに塗布されている接合材スラリー6は、両者5A,5Bの間から押し出されてはみ出る。押し出されてはみ出た接合材スラリー6は、載置面20Aに開口した溝条3A−1内に浸入し(滴下し)、載置面20Aの表面上から取り除かれる。(図5)
次に、ハニカムセグメント5Aの外周面5Adに、塗布手段を用いて所定の塗布厚さで接合材スラリー6を塗布する。(図6)接合材スラリー6が塗布されたハニカムセグメント5Aの外周面5Adは、載置面20B側が下方側に傾斜している。そして、接合材スラリー6も流動性を有しており、塗布された外周面5Ad上を若干流れる。
【0070】
つづいて、接合材スラリー6が塗布されたハニカムセグメント5Aの外周面5Adに、別のハニカムセグメント5Cの外周面5Caを押しつけて、両者5A,5Cを接合する。このとき、ハニカムセグメント5Aの外周面5Adに塗布されている接合材スラリー6は、両者5A,5Cの間から押し出されてはみ出る。押し出された接合材スラリー6は、載置面20Bに開口した溝条3B−1内に浸入し(滴下し)、載置面20Bの表面上から取り除かれる。(図7)
そして、5D,5Eの順序でハニカムセグメント5の接合を順番に行い、4×4のハニカムセグメント5の接合体7が製造された。(図8)
また、本実施例においては、ハニカムセグメント5の接合においては、溝条3(30,3A−1,3A−2,3A−3・・・,3B−1,3B−2,3B−3・・・)に流れ落ちた接合材スラリー6は、回収手段により回収された。
【0071】
本実施例においては、ハニカムセグメント5の外周面に接合材スラリー6を塗布したときに、過剰な接合材スラリー6がハニカムセグメント5の外周面(塗布面)から押し出されてはみ出ても(滴下しても)、溝条3内に浸入するため、接合材スラリー6がハニカムセグメント5の塗布面以外の表面に付着しなかった。このように、本実施例により製造されたハニカムセグメントの接合体7は、接合時にハニカムセグメント5の所定の外周面以外の面に接合材スラリー6が付着しなくなっており、その製造時に接合材スラリー6が付着することによる不具合の発生が抑えられた。
【0072】
特に、本実施例においては、ハニカムセグメント5の間の過剰な接合材スラリー6は、溝条3内に浸入するようにハニカムセグメント5の間から押し出される。換言すると、ハニカムセグメント5の接合時に、積極的に接合材スラリー6を押し出すことで、所望の間隔とすることができる。つまり、ハニカムセグメント5の位置(相対位置)の決定に、接合材スラリー6の影響を排除することができる。すなわち、ハニカムセグメント5を、高い精度で接合することができる。より具体的には、図9に断面(部分断面)を示したように、接合材スラリー6により接合されたハニカムセグメント5,5の対向面の距離が一定(対向面が平行)であった。また、接合されたハニカムセグメント5,5の対向面に垂直な面が同一平面をなしていた。ハニカムセグメント5の間隔のバラツキを抑えられた。
【0073】
特に、本実施例においては、所定の外周面以外の外周面(たとえば、5Aa,5Ab)に接合材スラリー6が付着しないため、ハニカムセグメント5を接合するときに、ハニカムセグメント5の位置のズレが生じなくなっている。つまり、高い位置精度でハニカムセグメント5の接合を行うことができた。
【0074】
(比較例)
本比較例では、ハニカムセグメントの載置台の載置面20A,20Bに溝条3が形成していない(それぞれの載置面20A,20Bが凹凸のない平面状となっている)こと以外は、実施例1において用いられたハニカムセグメントの接合装置を用いてハニカムセグメントの製造を行った。
【0075】
本比較例では、実施例1の時と同様にしてハニカムセグメントの接合を行ったが、ハニカムセグメント5の外周面に接合材スラリー6を塗布したときに、過剰な接合材スラリー6がハニカムセグメント5の外周面(塗布面)から押し出されてはみ出た。そして、はみ出たスラリー6は、ハニカムセグメント5と当接する載置面20A,20Bの間に浸入してハニカムセグメント5の外周面に付着した。そして、この付着したスラリー6がハニカムセグメント5の位置ズレを生じさせ、この位置ズレが生じた状態でスラリー6が固化した。このように、本比較例において製造されたハニカムセグメントの接合体は、接合時にハニカムセグメント5の外周面に接合材スラリー6が付着して、ハニカムセグメント5の位置精度の低下を生じさせた。より具体的には、図10に断面(部分断面)を示したように、接合材スラリー6により接合されたハニカムセグメント5,5の対向面の距離にバラツキ(対向面にそって広がる平面が交差する状態)があった。また、接合されたハニカムセグメント5,5の対向面に垂直な面も同一平面に位置しなくなっていた。
【0076】
(評価)
実施例1及び比較例のハニカムセグメントの接合体7の評価として、押し抜き試験を施した。
【0077】
実施例及び比較例の接合体7は、合計16個のハニカムセグメント5を4×4の配置で接合している。つまり、ハニカムセグメント5の位置ズレが生じない状態(実施例)であれば、接合材スラリー6の厚さが一定であり、軸方向に垂直な断面が正方形をなしている。これに対し、ハニカムセグメント5の位置ズレが生じた状態(比較例)では、軸方向に垂直な断面が正方形をなしていない。
【0078】
より具体的には、図11,12に示したように、ハニカムセグメントの接合体7の外形において、最も長い辺の長さをL,ハニカムセグメント5の外形の一辺の長さをl(一定数),接合材スラリー6から形成される接合材層の厚さをa(一定数),ハニカムセグメントの積層数をn(たとえば、実施例では4)としたときに、
ズレなし : L=nl+(n−1)a
ズレ有り : L≠nl+(n−1)a
(L>nl+(n−1)a)
と、定義し、実施例の接合体7はズレなし,比較例の接合体7はズレ有りとした。
【0079】
押し抜き試験は、ハニカムセグメントの接合体7に、JASO M 505−87に規定の耐熱衝撃テストの後、万能試験機を用いてハニカムセグメントの抜け落ちを確認した。この押し抜き試験は、サンプル数が16個で行われた。押し抜き試験の試験結果を表1に示した。
【0080】
【表1】
【0081】
表1に示したように、実施例の接合体7ではハニカムセグメント5のズレが16個のサンプルのいずれにおいても見られなかった。対して、比較例の接合体7ではハニカムセグメント5のズレが16個のサンプルの全てにおいて確認された。
【0082】
すなわち、実施例の接合装置1を用いて製造されたハニカムセグメントの接合体7は、ハニカムセグメントの位置精度の低下が抑えられたことで、高い耐久性能を発揮できることが確認できた。
【0083】
(実施例2)
本実施例は、図13に示したように、載置台2の直交する二つの載置面20A,20Bが、水平方向と垂直方向とに沿って広がること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。なお、図13においては、載置台2の直交する二つの載置面20A,20B近傍を模式的に示した。
【0084】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを溝条3に排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【0085】
(実施例3)
本実施例は、図14に示したように、溝条3の断面形状が異なること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。なお、図14においては、載置台2の載置面20Aに開口した溝条3を模式的に断面で示した。
【0086】
本実施例の溝条3は、図14に示したように、溝内に角部がない断面U字状である。
【0087】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを溝条3に排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【0088】
(実施例4)
本実施例は、図15に示したように、載置台2の載置面20が、波状に形成されていること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。なお、図15においては、載置台2の載置面20Aの波状の形状を模式的に断面で示した。
【0089】
本実施例の載置面20は、図15に示したように、載置面20上にハニカムセグメント5の軸方向に垂直な方向に沿って波が進むようにもうけられている。この載置面20においては、波の頂点がハニカムセグメント5と当接(線接触)する。また、それ以外の部分が、実施例1の溝条3と同様に機能する。
【0090】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【0091】
(実施例5)
本実施例は、載置台2の載置面20が、網状に形成されていること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。
【0092】
本実施例の載置面20は、網により形成されている。載置面20は、網を形成する部材がハニカムセグメント5と当接・支持し、網の目の部分が実施例1の溝条3と同様に機能する。
【0093】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【0094】
(実施例6)
本実施例は、図16に示したように、載置台2の載置面20が、凹凸状に形成されていること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。なお、図16においては、載置台2の載置面20Aの凹凸形状を模式的に示した。
【0095】
本実施例の載置面20は、図16に示したように、凸となる部分が略円柱状に形成されている。この載置面20は、略円柱状の凸となる部材がハニカムセグメント5と当接・支持し、それ以外の部分が実施例1の溝条3と同様に機能する。
【0096】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムセグメントを接合するときに載置するハニカムセグメントの載置台及びハニカムセグメント接合装置ならびにハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関、ボイラー、化学反応機器、燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、排ガス中のスス等の微粒子(特にディーゼルエンジンからの排気ガス中の微粒子物質(PM))の捕集フィルタ(以下、DPFという)等には、セラミックス製のハニカム構造体が用いられている。
【0003】
セラミックス製のハニカム構造体は、一般に、多孔質のセラミックスよりなり、流体の流路となる複数のセルを隔壁で区画する隔壁部と、端面が市松模様状を呈するように隣接するセルが互いに反対側となる端部を封止するセラミックスよりなる封止部と、を有した構造となっている。そして、ハニカム構造体自身も、複数のセルが区画されたハニカムセグメントを、接合材で接合して形成されている。
【0004】
このハニカムセグメントの接合は、たとえば、特許文献1には、2つの多孔質ハニカムセグメントの接着面間に接合材層を介在させてハニカムセグメントに断面がV宇型の接合装置で押圧力を加えつつ振動を付与することにより行うことが開示されている。
【0005】
しかしながら、この方法では、接合終了まで振動と加圧力が伝達されるため、この伝達力は相互に接合しているハニカムセグメントに対して剥がす力として作用し、下部のハニカムセグメントを接合している接合材層が剥離し、ひいては部分的に接合強度の低下を招くという課題があった。
【0006】
この課題を解決すべく、特許文献2には、セグメントを所定の個数積載後、最外層に位置する多孔質ハニカムセグメントを介して全体に第一圧力で加圧するとともに、積層時にはこれらのハニカムセグメントの各々は積層時に第一圧力よりも弱い第二圧力で加圧することが開示されている。
【0007】
これらの特許文献には、ハニカムセグメントの外周面が接着装置に密着した状態で接合材を塗布することが記載されている。
【0008】
さらに、特許文献3には、ハニカムセグメントを接合するときに、ハニカムセグメントに設置済みのハニカムセグメントの位置ズレを起こさないように、少なくとも一部を加圧して所定位置に保持することが開示されている。さらに、特許文献3には、設置基準治具の表面に、摩擦抵抗により位置ズレを防ぐパッドを配置することが開示されている。
【0009】
しかしながら、これらの技術では、ハニカムセグメントを積層した状態では、ハニカムセグメントの重みや加重された圧力により、ハニカムセグメントの接合面間が圧縮されて、接合面から下方側に接合材が押し出されてはみ出るという問題があった。接合材がはみ出ると、ハニカムセグメントと接合装置との間に接合材が流れ込もうとするが、両者の間には接合材の逃げ場がなく、ハニカムセグメントの外周面に付着してハニカムセグメントが汚れ、その除去処理が必要となっていた。
【0010】
さらに、接合装置とハニカムセグメントとの隙間にはみ出た接合材が入り込むと、順次積載していくのが困難になることがあった。
【0011】
加えて、隙間に入り込んだ接合材がハニカムセグメントの位置の精度を低下させる。この状態でハニカムセグメントが接合すると、接合した二つのハニカムセグメントの間の接合材層は不均一となり、DPFとして使用しているときに熱応力が加わると、熱応力の集中をまねき、破損の原因となる。
【0012】
また、積層したハニカムセグメントの重量や接着途中の接合面の不安定さから、はみ出た接合材を接合装置とハニカムセグメントとの隙間から取り除くのが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−7455号公報
【特許文献2】特許第4382367
【特許文献3】国際公開2008/140095号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、ハニカムセグメントを接合材で接合するときに、ハニカムセグメントの間からはみ出たスラリーによる不具合の発生が抑えられたハニカムセグメントの載置台及びハニカムセグメント接合装置ならびにハニカム構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために本発明者等は、ハニカムセグメント接合装置においてハニカムセグメントを載置する載置台について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
【0016】
すなわち、本発明のハニカムセグメントの載置台は、ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布し、外周面に別のハニカムセグメントを貼り付けるときに、ハニカムセグメントが載置されるハニカムセグメントの載置台であって、ハニカムセグメントが載置される載置面が、ハニカムセグメントに当接する当接面部と、当接面部に隣接した位置でハニカムセグメントと当接しない非当接面部と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明のハニカムセグメント接合装置は、請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台と、ハニカムセグメントの載置台に載置されたハニカムセグメントの表面に、ハニカムセグメントを接合する接合材スラリーを塗布する塗布装置と、を有することを特徴とする。
【0018】
更に、本発明のハニカム構造体は、角柱形状のハニカムセグメントと、複数のハニカムセグメントの間に介在してハニカムセグメント同士を接合する接合材層と、を有するハニカム構造体であって、接合された二つの前記ハニカムセグメントの互いに対向する対向面間の距離が一定であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のハニカムセグメントの載置台は、ハニカムセグメントが載置される載置面が、ハニカムセグメントと当接する当接面部と、当接しない非当接面部と、を有している。すなわち、ハニカムセグメントと載置台の間の非当接面部に対応する部分には、隙間が形成されている。ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布したときに、過剰なスラリーがハニカムセグメントの外周面からはみ出て(流れ出して)も、この非当接部に対応した隙間に浸入し(流れ込み)、スラリーがハニカムセグメントに付着しない。この結果、過剰なスラリーがはみ出て(流れ出して)も、ハニカムセグメントに不具合を生じさせなくなる。
【0020】
本発明のハニカムセグメント接合装置は、この載置台を用いていることを特徴とするものであり、上記の載置台における効果と同様な効果を発揮する。
【0021】
本発明のハニカム構造体は、接合された二つのハニカムセグメント間の距離が一定となっており、二つのハニカムセグメントが高い位置精度で整列した状態で接合している。この結果、本発明のハニカム構造体は、ハニカムセグメントの位置精度が低下することに起因する不具合の発生が抑えられたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【図2】実施例1の載置台の載置面を示した図である。
【図3】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図4】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図5】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図6】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図7】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図8】実施例1の接合装置によりハニカムセグメントを接合するときの状態を示した図である。
【図9】ズレのないハニカムセグメントの接合体の部分断面図である。
【図10】ズレのあるハニカムセグメントの接合体の部分断面図である。
【図11】ズレのないハニカムセグメントの接合体の部分断面図である。
【図12】ズレのあるハニカムセグメントの接合体の部分断面図である。
【図13】実施例2のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【図14】実施例3のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【図15】実施例4のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【図16】実施例6のハニカムセグメント接合装置の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(ハニカムセグメントの載置台)
本発明のハニカムセグメントの載置台は、ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布し、外周面に別のハニカムセグメントを貼り付けるときに、ハニカムセグメントが載置されるハニカムセグメントの載置台である。つまり、本発明のハニカムセグメントの載置台は、複数のハニカムセグメントを接合するときにハニカムセグメントを載置することに使用する。ハニカムセグメントの外周面に塗布されるスラリーは、ハニカムセグメントの接合材のスラリーであることが好ましい。
【0024】
そして、本発明のハニカムセグメントの載置台は、ハニカムセグメントが載置される載置面が、ハニカムセグメントに当接する当接面部と、当接面部に隣接した位置でハニカムセグメントと当接しない非当接面部と、を有する。なお、載置面とは、ハニカムセグメントを載置台に載置したときに、ハニカムセグメントがその上方側に位置するようになる面である。
【0025】
本発明のハニカムセグメントの載置台は、載置面が当接面部と、非当接面部とを有する。当接面部は、載置面上に載置されたハニカムセグメントと当接する部分である。当接面部は、載置面上に位置するハニカムセグメントを当接して、支持する。そして、非当接面部は、載置面を形成したときにハニカムセグメントと当接しない部分である。
【0026】
非当接面部は、載置面のハニカムセグメントと当接しない部分であることから、この非当接面部に対応する部分には、ハニカムセグメントとの間に隙間が形成される。ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布したときに、過剰なスラリーがハニカムセグメントの外周面からはみ出て(流れ出して)も、この非当接部に対応した隙間に浸入し(流れ込み)、スラリーがハニカムセグメントに付着しなくなっている。この結果、本発明のハニカムセグメントの載置台は、過剰なスラリーがはみ出て(流れ出して)も、ハニカムセグメントに不具合を生じさせなくなる。
【0027】
非当接面部は、載置面の表面からくぼんで形成されていることが好ましい。非当接面部が載置面の表面からくぼんで形成されたことで、過剰なスラリーがこのくぼみに浸入する(流れ込む)こととなり、ハニカムセグメントの外周から過剰なスラリーの除去が行われる。
【0028】
非当接面部は、ハニカムセグメントからスラリーがはみ出た(流れ出た)ときに、スラリーが浸入可能な(流れ込むことが可能な)位置に形成されていることが好ましい。スラリーが浸入可能な位置に非当接面部が形成されることで、過剰なスラリーがハニカムセグメントの外周からはみ出るように発生しても、ただちに非当接面部に浸入することとなり、ハニカムセグメントの外周から過剰なスラリーの除去を行うことができる。
【0029】
ここで、ハニカムセグメントからスラリーがはみ出た(流れ出た)ときに、スラリーが浸入可能な位置としては、たとえば、ハニカムセグメントの外周形状の角部に対応した位置(角部の鉛直下方)をあげることができる。この場合、はみ出たスラリーは、ハニカムセグメントの外周面を流動し(流れ)、ハニカムセグメントの角部に到達する。その後、しハニカムセグメントの角部から鉛直下方にスラリーが流れる。そして、この角部の下方に非当接面部が存在すると、スラリーが非当接面部に直ちに浸入する。更に、角部に対応した位置に非当接面部を形成すると、ハニカムセグメントを載置面に載置するときの位置決めに、この非当接面部を利用することができる。
【0030】
非当接面部は、載置台の表面に形成された溝条よりなることが好ましい。非当接面部が溝条であることで、載置面に簡単に非当接面部を形成できる。また、溝条の形成されていない部分を、当接面部とすることができる。
【0031】
溝条は、その形態が限定されるものではない。すなわち、溝条が直線状に伸びていても、波状に伸びていても、いずれでもよい。
【0032】
溝条は、ハニカムセグメントの軸方向に沿って伸びることが好ましい。ハニカムセグメントの軸方向に沿って溝条が伸びることで、溝条がハニカムセグメントの外周形状に対応することとなり、ハニカムセグメントの角部から流れ落ちた(洩れ落ちた)スラリーを、この溝条で受けることができる。
【0033】
溝条は、ハニカムセグメントの軸方向の長さの全長以上にわたって伸びていることが好ましい。全長にわたって溝条が形成されることで、ハニカムセグメントから流れ落ちた(洩れ落ちた)スラリーを、この溝条で確実に受けることができる。
【0034】
溝条は、その内部に流れ落ちたスラリーが載置面上にもどらない形状であれば、その断面形状(溝条ののびる方向に対して垂直な面での溝条内の空間の断面形状)が限定されるものではない。たとえば、凹字状,V字状,U字状等の形状をあげることができる。
【0035】
溝条は、凹字状の断面形状を有することが好ましい。ここで、凹字状の断面とは、溝条の空間の断面形状が方形状をなす形状を示し、溝条を区画する底面が載置面の表面と平行に形成され、かつ表面と底面との間の一対の側面が、表面及び底面に対して略垂直に形成されている形状を示す。溝条が凹字状の断面形状を有することで、載置面が傾斜していても、溝条は開口部よりも下方に位置する部分を有することから、溝条に流れ込んだスラリーが載置面の表面にあふれて戻ることが抑えられる。
【0036】
本発明において、この溝条の開口幅及び深さは限定されるものではなく、ハニカムセグメントに塗布されるスラリーの粘度や塗布量(はみ出て浸入するスラリー量)により決定できる。
【0037】
ハニカムセグメントが断面方形の角柱形状を有し、溝条の開口部には、載置台に載置されたハニカムセグメントの角が位置することが好ましい。ハニカムセグメントが角柱形状を有することで、ハニカムセグメントに塗布されたスラリーは、塗布面(外周面)の傾斜に沿って流動し、断面方形の角部から鉛直下方に流動する。そして、溝条の開口部にこの角(角部)が位置することで、ハニカムセグメントから流動したスラリーが溝条内に浸入する。つまり、ハニカムセグメントの外周面(スラリーの塗布面)からはみ出たスラリーが確実に溝条に浸入することで、流れ落ちたスラリーがハニカムセグメントの別の外周面に付着することが抑えられる。
【0038】
溝条は、ハニカムセグメントの軸方向に交差する方向に伸びることが好ましい。溝条が、ハニカムセグメントの軸方向に対して平行でなくても、ハニカムセグメントの外周面(スラリーの塗布面)からはみ出たスラリーを受けることができる。
【0039】
このとき、隣接する二つの溝条の間の当接面部の幅(二つの溝条の間隔)が短いほど、ハニカムセグメントから当接面部に流れ落ちたスラリーが溝条に直ぐに流れ落ちることとなる。つまり、確実にスラリーをハニカムセグメントの外周面から排除することができる。そして、当接面部の幅は短ければ短いほど好ましく、点接触または線接触であることが好ましい。
【0040】
溝条に隣接する当接面部は、ハニカムセグメントと点接触または線接触することが好ましい。
【0041】
当接面部と非当接面部は、交互に位置することが好ましい。当接面部と非当接面部が交互に位置することで、当接面部に流れ落ちたスラリーが非当接面部に確実に導かれるようになる。
【0042】
載置面は、網により形成されていることが好ましい。載置面が網により形成されることで、網を形成する部材が当接面部となり、網の目の部分が非当接面部となる。この場合、網の目を通過することで、スラリーが載置面から取り除かれる。
【0043】
載置面は、凹凸形状をなすように形成されていることが好ましい。凹凸形状の凸の部分が当接面部となり、凹の部分が非当接面部となる。
【0044】
本発明のハニカムセグメントの載置台において、載置面は、水平方向に広がっていても、傾斜していても、いずれでもよい。載置面が傾斜している時には、ハニカムセグメントの下方に面する外周面を、別の載置面で支持することが好ましい。すなわち、ハニカムセグメントの載置台は、二つの載置面が直交してもうけられていることが好ましい。
【0045】
(ハニカムセグメント接合装置)
本発明のハニカムセグメント接合装置は、上記のハニカムセグメントの載置台を用いてなる接合装置である。すなわち、本発明のハニカムセグメント接合装置は、請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台と、ハニカムセグメントの載置台に載置されたハニカムセグメントの表面に、ハニカムセグメントを接合する接合材スラリーを塗布する塗布手段と、を有する。
【0046】
本発明のハニカムセグメント接合装置は、上記のハニカムセグメントの載置台を用いてなる接合装置であることから、上記の載置台により得られる効果を発揮できる。
【0047】
塗布手段は、ハニカムセグメントの載置台に載置されたハニカムセグメントの表面に、ハニカムセグメントを接合する接合材スラリーを塗布することができる手段であれば、限定されるものではなく、ヘラ、ハケ、ローラー、スプレー等の手段をあげることができる。
【0048】
ハニカムセグメントの載置台の非当接面部内に浸入した接合材スラリーを回収する回収装置を有することが好ましい。回収手段を有することで、接合材スラリーを回収できるようになり、より載置台からスラリーを取り除くことができる。さらに、回収手段でスラリーを回収することで、回収したスラリーを再利用できる。
【0049】
(ハニカム構造体)
本発明のハニカム構造体は、角柱形状のハニカムセグメントと、複数のハニカムセグメントの間に介在してハニカムセグメント同士を接合する接合材層と、を有する。すなわち、本発明のハニカム構造体は、複数のハニカムセグメントを接合してなる。
【0050】
そして、本発明のハニカム構造体は、接合された二つのハニカムセグメントの互いに対向する対向面間の距離が一定である。ハニカムセグメントが角柱形状であることから、対向面は平面(凹凸の形成されていない)となっている。そして、二つのハニカムセグメントの対向面間の距離が一定であることから、二つのハニカムセグメントを接合する接合材層の厚さも一定となる。つまり、接合材層の厚さが一定であることから、ハニカム構造体に熱応力が生じても、接合材層に部分的な集中が生じなくなっている。この結果、本発明のハニカム構造体は、たとえばDPFとして使用したときに、破損が生じにくくなっている。
【0051】
ここで、ハニカムセグメント自身の形状の歪み(ハニカムセグメントを焼成して製造することにより発生する形状の歪み)が存在して対向面に凹凸(湾曲)が存在する場合には、対向面間の距離は、対向面の端部を結ぶ線(面)の距離で代用することができる。
【0052】
本発明のハニカム構造体は、隣接する二つのハニカムセグメントの互いに対向する対向面に対して垂直な方向に広がる表面の一方同士が、同一平面上に位置することが好ましい。隣接する二つのハニカムセグメントの互いに対向する対向面に対して垂直な方向に広がる表面の一方同士が同一平面上に位置することで、ハニカム構造体に熱応力が付与されてハニカムセグメントが変形したときに、それぞれのハニカムセグメントが接合材層に加える応力が一定となり、接合材層の損傷が抑えられる。
【0053】
本発明のハニカム構造体は、請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台、請求項14〜15のいずれかに記載のハニカムセグメント接合装置のいずれかを用いて製造されたことが好ましい。上記したように、本発明のハニカムセグメントの載置台及びハニカムセグメント接合装置は、はみ出した接合材スラリーによるハニカムセグメントの位置精度の低下が抑えられる効果を発揮するものであり、これらを用いて製造することで、本発明のハニカム構造体が対向面間の距離を一定にすることができる。
【0054】
本発明のハニカム構造体においてハニカムセグメントの角柱形状は、特に限定されるものではなく、多角形の角柱形状であればよい。より好ましくは、断面四角形の四角柱形状であり、断面正方形で有ることがより好ましい。
【0055】
本発明のハニカム構造体において、ハニカムセグメント,接合材層のそれぞれの材質は特に限定されるものではなく、ハニカム構造体の製造に用いられている材質を用いることができる。
【0056】
ハニカムセグメントを形成する材質としては、炭化ケイ素,チタン酸アルミニウム,窒化珪素,コーディエライトより選ばれる一種であることが好ましく、炭化ケイ素であることがより好ましい。なお、各種の元素が添加(ドープ)されていても、表面に酸化被膜を形成していてもよい。
【0057】
接合材層についても、接合材スラリーから形成することができ、接合材スラリーについても、SiC系スラリーを用いることが好ましい。
【実施例】
【0058】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0059】
本発明の実施例として、ハニカムセグメントの載置台及び接合装置を製造した。
【0060】
(実施例1)
(接合装置)
本実施例のハニカムセグメント接合装置1は、断面正方形状のハニカムセグメントを接合する接合装置であって、ハニカムセグメントの載置台2,塗布手段(図示せず)を有する。本実施例のハニカムセグメント接合装置1を、図1〜2に示した。なお、図1〜2は、載置台2にハニカムセグメントを載置したときに、ハニカムセグメントの端面側から見た正面図である。
【0061】
本実施例のハニカムセグメントの載置台2は、二つの載置面20A,20Bが直交した状態で、V字状(L字状)をなすようにもうけられている。それぞれの載置面20A,20Bは、湾曲していない広がった平面状をなしている。また、それぞれの載置面20A,20Bは、図2に示したように、水平方向に対して、45度の角度をなすようにもうけられている。
【0062】
二つの載置面20A,20Bのそれぞれには、等間隔で、溝条3(30,3A−1,3A−2,3A−3・・・,3B−1,3B−2,3B−3・・・)が開口している。この溝条3は、ハニカムセグメント5を載置したときに、ハニカムセグメント5の軸方向に平行に設けられている。二つの載置面20A,20Bの交差する部分には、溝条30が形成されている。そして、載置面20Aには、溝条3の幅方向に、溝条30から等間隔で、溝条3(3A−1,3A−2,3A−3・・・)がもうけられている。載置面20Bにおいても同様に溝条3(3B−1,3B−2,3B−3・・・)がもうけられている。この溝条3は、載置台2の載置面20上に、断面方形のハニカムセグメント5を載置したときに、ハニカムセグメント5の角が溝条3の開口部上に位置するようにもうけられている。
【0063】
溝条3は、断面凹字状に形成されている。本実施例において、溝条3は、開口部の開口幅が10mm、深さが10mmの断面凹字状の形状に形成されている。また、本実施例においては、一辺が36mmの断面正方形のハニカムセグメントを接合するときに、溝条3の間隔(溝条3の開口部の中央部の間隔)は27mmであった。
【0064】
二つの載置面20A,20Bのそれぞれにおいては、ハニカムセグメント5を載置したときに、溝条3が形成されていない部分4,4がハニカムセグメント5の外周面と当接する。
【0065】
塗布手段(図示せず)は、ヘラが用いられた。
【0066】
また、本実施例のハニカムセグメント接合装置1は、溝条3内に浸入したスラリーを回収するスラリー回収装置(図示せず)がもうけられている。このスラリー回収装置は、溝条3の一方の端部にスラリーの粘度を低下させるための溶媒(水)を供給する水供給部と、溝条3を流れて溝条3に流れ落ちたスラリーを含む水を回収する水回収部と、を有する。
【0067】
(ハニカムセグメントの接合)
実施例のハニカムセグメント接合装置1を用いてハニカムセグメント5の接合を行った。接合されたハニカムセグメントは、従来公知の炭化ケイ素焼結体よりなる断面正方形状のハニカムセグメント5である。また、ハニカムセグメントの接合に用いられるスラリー(接合材スラリー)についても、従来公知のSiC系の接合材スラリーを用いた。
【0068】
まず、実施例のハニカムセグメント接合装置1のハニカムセグメントの載置台2の二つの載置面20A,20Bが交差する角部にハニカムセグメント5Aを載置する。このとき、ハニカムセグメント5Aの二つの外周面5Aa,5Abのそれぞれは、対向する二つの載置面20A,20Bと密着して支持されている。(図3)
そして、ハニカムセグメント5Aの外周面5Acに、塗布手段を用いて所定の塗布厚さで接合材スラリー6を塗布する。(図4)接合材スラリー6が塗布されたハニカムセグメント5Aの外周面5Acは、載置面20A側が下方側に傾斜している。そして、接合材スラリー6も流動性を有しており、塗布された外周面5Ac上をわずかに流動する。
【0069】
つづいて、接合材スラリー6が塗布されたハニカムセグメント5Aの外周面5Acに、別のハニカムセグメント5Bの外周面5Bbを押しつけて、両者5A,5Bを接合する。このとき、ハニカムセグメント5Aの外周面5Acに塗布されている接合材スラリー6は、両者5A,5Bの間から押し出されてはみ出る。押し出されてはみ出た接合材スラリー6は、載置面20Aに開口した溝条3A−1内に浸入し(滴下し)、載置面20Aの表面上から取り除かれる。(図5)
次に、ハニカムセグメント5Aの外周面5Adに、塗布手段を用いて所定の塗布厚さで接合材スラリー6を塗布する。(図6)接合材スラリー6が塗布されたハニカムセグメント5Aの外周面5Adは、載置面20B側が下方側に傾斜している。そして、接合材スラリー6も流動性を有しており、塗布された外周面5Ad上を若干流れる。
【0070】
つづいて、接合材スラリー6が塗布されたハニカムセグメント5Aの外周面5Adに、別のハニカムセグメント5Cの外周面5Caを押しつけて、両者5A,5Cを接合する。このとき、ハニカムセグメント5Aの外周面5Adに塗布されている接合材スラリー6は、両者5A,5Cの間から押し出されてはみ出る。押し出された接合材スラリー6は、載置面20Bに開口した溝条3B−1内に浸入し(滴下し)、載置面20Bの表面上から取り除かれる。(図7)
そして、5D,5Eの順序でハニカムセグメント5の接合を順番に行い、4×4のハニカムセグメント5の接合体7が製造された。(図8)
また、本実施例においては、ハニカムセグメント5の接合においては、溝条3(30,3A−1,3A−2,3A−3・・・,3B−1,3B−2,3B−3・・・)に流れ落ちた接合材スラリー6は、回収手段により回収された。
【0071】
本実施例においては、ハニカムセグメント5の外周面に接合材スラリー6を塗布したときに、過剰な接合材スラリー6がハニカムセグメント5の外周面(塗布面)から押し出されてはみ出ても(滴下しても)、溝条3内に浸入するため、接合材スラリー6がハニカムセグメント5の塗布面以外の表面に付着しなかった。このように、本実施例により製造されたハニカムセグメントの接合体7は、接合時にハニカムセグメント5の所定の外周面以外の面に接合材スラリー6が付着しなくなっており、その製造時に接合材スラリー6が付着することによる不具合の発生が抑えられた。
【0072】
特に、本実施例においては、ハニカムセグメント5の間の過剰な接合材スラリー6は、溝条3内に浸入するようにハニカムセグメント5の間から押し出される。換言すると、ハニカムセグメント5の接合時に、積極的に接合材スラリー6を押し出すことで、所望の間隔とすることができる。つまり、ハニカムセグメント5の位置(相対位置)の決定に、接合材スラリー6の影響を排除することができる。すなわち、ハニカムセグメント5を、高い精度で接合することができる。より具体的には、図9に断面(部分断面)を示したように、接合材スラリー6により接合されたハニカムセグメント5,5の対向面の距離が一定(対向面が平行)であった。また、接合されたハニカムセグメント5,5の対向面に垂直な面が同一平面をなしていた。ハニカムセグメント5の間隔のバラツキを抑えられた。
【0073】
特に、本実施例においては、所定の外周面以外の外周面(たとえば、5Aa,5Ab)に接合材スラリー6が付着しないため、ハニカムセグメント5を接合するときに、ハニカムセグメント5の位置のズレが生じなくなっている。つまり、高い位置精度でハニカムセグメント5の接合を行うことができた。
【0074】
(比較例)
本比較例では、ハニカムセグメントの載置台の載置面20A,20Bに溝条3が形成していない(それぞれの載置面20A,20Bが凹凸のない平面状となっている)こと以外は、実施例1において用いられたハニカムセグメントの接合装置を用いてハニカムセグメントの製造を行った。
【0075】
本比較例では、実施例1の時と同様にしてハニカムセグメントの接合を行ったが、ハニカムセグメント5の外周面に接合材スラリー6を塗布したときに、過剰な接合材スラリー6がハニカムセグメント5の外周面(塗布面)から押し出されてはみ出た。そして、はみ出たスラリー6は、ハニカムセグメント5と当接する載置面20A,20Bの間に浸入してハニカムセグメント5の外周面に付着した。そして、この付着したスラリー6がハニカムセグメント5の位置ズレを生じさせ、この位置ズレが生じた状態でスラリー6が固化した。このように、本比較例において製造されたハニカムセグメントの接合体は、接合時にハニカムセグメント5の外周面に接合材スラリー6が付着して、ハニカムセグメント5の位置精度の低下を生じさせた。より具体的には、図10に断面(部分断面)を示したように、接合材スラリー6により接合されたハニカムセグメント5,5の対向面の距離にバラツキ(対向面にそって広がる平面が交差する状態)があった。また、接合されたハニカムセグメント5,5の対向面に垂直な面も同一平面に位置しなくなっていた。
【0076】
(評価)
実施例1及び比較例のハニカムセグメントの接合体7の評価として、押し抜き試験を施した。
【0077】
実施例及び比較例の接合体7は、合計16個のハニカムセグメント5を4×4の配置で接合している。つまり、ハニカムセグメント5の位置ズレが生じない状態(実施例)であれば、接合材スラリー6の厚さが一定であり、軸方向に垂直な断面が正方形をなしている。これに対し、ハニカムセグメント5の位置ズレが生じた状態(比較例)では、軸方向に垂直な断面が正方形をなしていない。
【0078】
より具体的には、図11,12に示したように、ハニカムセグメントの接合体7の外形において、最も長い辺の長さをL,ハニカムセグメント5の外形の一辺の長さをl(一定数),接合材スラリー6から形成される接合材層の厚さをa(一定数),ハニカムセグメントの積層数をn(たとえば、実施例では4)としたときに、
ズレなし : L=nl+(n−1)a
ズレ有り : L≠nl+(n−1)a
(L>nl+(n−1)a)
と、定義し、実施例の接合体7はズレなし,比較例の接合体7はズレ有りとした。
【0079】
押し抜き試験は、ハニカムセグメントの接合体7に、JASO M 505−87に規定の耐熱衝撃テストの後、万能試験機を用いてハニカムセグメントの抜け落ちを確認した。この押し抜き試験は、サンプル数が16個で行われた。押し抜き試験の試験結果を表1に示した。
【0080】
【表1】
【0081】
表1に示したように、実施例の接合体7ではハニカムセグメント5のズレが16個のサンプルのいずれにおいても見られなかった。対して、比較例の接合体7ではハニカムセグメント5のズレが16個のサンプルの全てにおいて確認された。
【0082】
すなわち、実施例の接合装置1を用いて製造されたハニカムセグメントの接合体7は、ハニカムセグメントの位置精度の低下が抑えられたことで、高い耐久性能を発揮できることが確認できた。
【0083】
(実施例2)
本実施例は、図13に示したように、載置台2の直交する二つの載置面20A,20Bが、水平方向と垂直方向とに沿って広がること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。なお、図13においては、載置台2の直交する二つの載置面20A,20B近傍を模式的に示した。
【0084】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを溝条3に排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【0085】
(実施例3)
本実施例は、図14に示したように、溝条3の断面形状が異なること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。なお、図14においては、載置台2の載置面20Aに開口した溝条3を模式的に断面で示した。
【0086】
本実施例の溝条3は、図14に示したように、溝内に角部がない断面U字状である。
【0087】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを溝条3に排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【0088】
(実施例4)
本実施例は、図15に示したように、載置台2の載置面20が、波状に形成されていること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。なお、図15においては、載置台2の載置面20Aの波状の形状を模式的に断面で示した。
【0089】
本実施例の載置面20は、図15に示したように、載置面20上にハニカムセグメント5の軸方向に垂直な方向に沿って波が進むようにもうけられている。この載置面20においては、波の頂点がハニカムセグメント5と当接(線接触)する。また、それ以外の部分が、実施例1の溝条3と同様に機能する。
【0090】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【0091】
(実施例5)
本実施例は、載置台2の載置面20が、網状に形成されていること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。
【0092】
本実施例の載置面20は、網により形成されている。載置面20は、網を形成する部材がハニカムセグメント5と当接・支持し、網の目の部分が実施例1の溝条3と同様に機能する。
【0093】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【0094】
(実施例6)
本実施例は、図16に示したように、載置台2の載置面20が、凹凸状に形成されていること以外は、実施例1と同様な構成のハニカムセグメントの載置台及び接合装置である。なお、図16においては、載置台2の載置面20Aの凹凸形状を模式的に示した。
【0095】
本実施例の載置面20は、図16に示したように、凸となる部分が略円柱状に形成されている。この載置面20は、略円柱状の凸となる部材がハニカムセグメント5と当接・支持し、それ以外の部分が実施例1の溝条3と同様に機能する。
【0096】
本実施例においても、実施例1と同様に、余分な接合材スラリーを排出する。そして、本実施例においても実施例1と同様な効果を発揮した。また、製造されたハニカム構造体においても、実施例1の時と同様な効果を発揮した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布し、該外周面に別のハニカムセグメントを貼り付けるときに、該ハニカムセグメントが載置されるハニカムセグメントの載置台であって、
該ハニカムセグメントが載置される載置面が、
該ハニカムセグメントに当接する当接面部と、
該当接面部に隣接した位置で該ハニカムセグメントと当接しない非当接面部と、
を有することを特徴とするハニカムセグメントの載置台。
【請求項2】
前記非当接面部は、前記載置面の表面からくぼんで形成されている請求項1記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項3】
前記非当接面部は、前記ハニカムセグメントから前記スラリーが流れ落ちたときに、該スラリーが流れ落ちる位置に形成されている請求項1〜2のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項4】
前記非当接面部は、前記載置台の前記表面に形成された溝条よりなる請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項5】
前記溝条は、前記ハニカムセグメントの軸方向に沿って伸びる請求項4記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項6】
前記溝条は、凹字状の断面形状を有する請求項5記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項7】
前記ハニカムセグメントが断面方形の角柱形状を有し、
前記溝条の開口部には、前記載置台に載置された該ハニカムセグメントの角が位置する請求項4〜6のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項8】
前記溝条は、前記ハニカムセグメントの軸方向に交差する方向に伸びる請求項4記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項9】
前記溝条に隣接する前記当接面部は、前記ハニカムセグメントと点接触または線接触する請求項8記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項10】
前記当接面部と前記非当接面部は、交互に位置する請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項11】
前記載置面は、網により形成されている請求項10記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項12】
前記載置面は、凹凸形状をなすように形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項13】
前記ハニカムセグメントの載置台は、二つの前記載置面が直交してもうけられている請求項1〜12のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台と、
該ハニカムセグメントの載置台に載置されたハニカムセグメントの表面に、ハニカムセグメントを接合する接合材スラリーを塗布する塗布手段と、
を有することを特徴とするハニカムセグメント接合装置。
【請求項15】
前記ハニカムセグメントの載置台の前記非当接面部内に浸入した前記接合材スラリーを回収する回収手段を有する請求項14記載のハニカムセグメント接合装置。
【請求項16】
角柱形状のハニカムセグメントと、複数の該ハニカムセグメントの間に介在して該ハニカムセグメント同士を接合する接合材層と、を有するハニカム構造体であって、
接合された二つの該ハニカムセグメントの互いに対向する対向面間の距離が一定であることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項17】
接合された二つの前記ハニカムセグメントの前記対向面に対して垂直な方向に広がる表面の一方同士が、同一平面上に位置する請求項16記載のハニカム構造体。
【請求項18】
請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台、請求項14〜15のいずれかに記載のハニカムセグメント接合装置のいずれかを用いて製造された請求項16〜17のいずれかに記載のハニカム構造体。
【請求項1】
ハニカムセグメントの外周面にスラリーを塗布し、該外周面に別のハニカムセグメントを貼り付けるときに、該ハニカムセグメントが載置されるハニカムセグメントの載置台であって、
該ハニカムセグメントが載置される載置面が、
該ハニカムセグメントに当接する当接面部と、
該当接面部に隣接した位置で該ハニカムセグメントと当接しない非当接面部と、
を有することを特徴とするハニカムセグメントの載置台。
【請求項2】
前記非当接面部は、前記載置面の表面からくぼんで形成されている請求項1記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項3】
前記非当接面部は、前記ハニカムセグメントから前記スラリーが流れ落ちたときに、該スラリーが流れ落ちる位置に形成されている請求項1〜2のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項4】
前記非当接面部は、前記載置台の前記表面に形成された溝条よりなる請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項5】
前記溝条は、前記ハニカムセグメントの軸方向に沿って伸びる請求項4記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項6】
前記溝条は、凹字状の断面形状を有する請求項5記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項7】
前記ハニカムセグメントが断面方形の角柱形状を有し、
前記溝条の開口部には、前記載置台に載置された該ハニカムセグメントの角が位置する請求項4〜6のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項8】
前記溝条は、前記ハニカムセグメントの軸方向に交差する方向に伸びる請求項4記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項9】
前記溝条に隣接する前記当接面部は、前記ハニカムセグメントと点接触または線接触する請求項8記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項10】
前記当接面部と前記非当接面部は、交互に位置する請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項11】
前記載置面は、網により形成されている請求項10記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項12】
前記載置面は、凹凸形状をなすように形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項13】
前記ハニカムセグメントの載置台は、二つの前記載置面が直交してもうけられている請求項1〜12のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台と、
該ハニカムセグメントの載置台に載置されたハニカムセグメントの表面に、ハニカムセグメントを接合する接合材スラリーを塗布する塗布手段と、
を有することを特徴とするハニカムセグメント接合装置。
【請求項15】
前記ハニカムセグメントの載置台の前記非当接面部内に浸入した前記接合材スラリーを回収する回収手段を有する請求項14記載のハニカムセグメント接合装置。
【請求項16】
角柱形状のハニカムセグメントと、複数の該ハニカムセグメントの間に介在して該ハニカムセグメント同士を接合する接合材層と、を有するハニカム構造体であって、
接合された二つの該ハニカムセグメントの互いに対向する対向面間の距離が一定であることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項17】
接合された二つの前記ハニカムセグメントの前記対向面に対して垂直な方向に広がる表面の一方同士が、同一平面上に位置する請求項16記載のハニカム構造体。
【請求項18】
請求項1〜13のいずれかに記載のハニカムセグメントの載置台、請求項14〜15のいずれかに記載のハニカムセグメント接合装置のいずれかを用いて製造された請求項16〜17のいずれかに記載のハニカム構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−76930(P2012−76930A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220488(P2010−220488)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000220767)東京窯業株式会社 (211)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000220767)東京窯業株式会社 (211)
【Fターム(参考)】
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