説明

ハンチントン病及び多系統委縮症の処置のためのMIPO阻害剤

本発明は、多系統委縮症の処置のためのMPO阻害剤の使用に関する。本発明はまた、ハンチントン病の処置のためのMPO阻害剤の使用に関する。本発明はまた、神経保護のためのMPO阻害剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
新規な使用938
発明の分野
本発明は、多系統委縮症(MSA)の処置のための、ミエロペルオキシダーゼ(Myeloperoxidase)(MPO)阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の使用に関する。本発明はさらに、ハンチントン病(HD)の処置のための、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の使用に関する。本発明はまた、神経保護のための、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、主に多形核白血球(PMN)に見られるヘム含有酵素である。MPOは、哺乳動物ペルオキシダーゼの多様なタンパク質ファミリーの一員であり、このファミリーには、好酸球ペルオキシダーゼ、甲状腺ペルオキシダーゼ、唾液ペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、プロスタグランジンHシンターゼなども含まれる。成熟酵素は同一な半分ずつのダイマーである。半分の分子はそれぞれ共有結合で結合されたヘムを有し、これが特徴的なMPOの緑色の原因である特異なスペクトル特性を示す。MPOの2つの半分の部分を連結するジスルフィド架橋の切断は、インタクトな酵素と区別できないスペクトル特性及び触媒特性を示すヘミ−酵素を生じる。酵素は過酸化水素を使用して塩素を次亜塩素酸に酸化する。他のハライド及び(チオシアネートのような)擬ハライドもまたMPOに対する生理学的基質である。
【0003】
PMNは、感染に対抗するために特に重要なものである。これらの細胞はMPOを含み、十分に立証されている殺菌作用を有する。PMNは非特異的にファゴサイトーシスにより微生物を取り込み、それらをファゴソームと呼ばれる小胞に取り入れ、これがミエロペルオキシダーゼを含有する顆粒と融合してファゴリソソームを形成する。ファゴリソソームにおいて、ミエロペルオキシダーゼの酵素活性により次亜塩素酸(強力な殺菌性化合物)が形成される。次亜塩素酸はそれ自体酸化しており、そしてチオール及びチオエーテルと最も強く反応するが、またアミンをクロラミンに変換し、芳香族アミノ酸を塩素化する。マクロファージは、大きな食細胞であり、これはPMNのように、微生物を貪食することができる。マクロファージは、過酸化水素を生成することができ、そして活性化するとミエロペルオキシダーゼも産生する。MPO及び過酸化水素はまた、細胞の外側に放出され得、ここでクロリドとの反応が隣接組織に損傷を引き起こし得る。
【0004】
ミエロペルオキシダーゼ活性と疾患との関係は、神経炎症(neuroinflammatory)応答を伴う神経系疾患(多発性硬化症、アルツハイマー病、及びパーキンソン病を含む)に関与している。
【0005】
MPO陽性細胞は、循環中及び炎症を有している組織において多く存在する。より詳細には、MPOを含有するマクロファージ、小グリア細胞、神経膠星状細胞及び/又はニューロンは、疾患の間にCNSにおいて記録されている;多発性硬化症(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)、パーキンソン病(非特許文献4)及びアルツハイマー病(非特許文献5;非特許文献6)。慢性の進行中の炎症のいくつかの局面は、MPO反応からの物質が重要な役割を果たす場合に結果として重大な破壊をもたらすと思われる。
【0006】
この酵素は、細胞外にも好中球中のファゴリソソームにも放出される(非特許文献7)。MPO活性の必要条件は、NADPHオキシダーゼにより生成された過酸化水素の存在、及びその後のスーパーオキシド不均化である。酸化された酵素は、多量の種々の基質を使用することができ、これらのうちクロリドが最も認識される。この反応から、強力な非ラジカル酸化剤である−次亜塩素酸(HOCl)が形成される。HOClは、システイン及びメチオニンのような硫黄含有アミノ酸を非常に効果的に酸化する(非特許文献8)。また、タンパク質及び生体分子の両方においてアミノ基とクロラミンを形成する(非特許文献9)。これは(チロシンのような)フェノール類(非特許文献10)及び脂質中の不飽和結合(非特許文献11)を塩素化し、鉄中心を酸化し(非特許文献12)、そしてタンパク質を架橋する(非特許文献13)。MPO阻害剤である種々の化合物は、特許文献1、非特許文献14、非特許文献15、特許文献2及び特許文献3に開示される。
【0007】
多系統委縮症(MSA)
多系統委縮症(MSA)は、自律神経障害及びL−ドパ−不応性パーンキンソン症候群から生じる運動不全、小脳性運動失調並びに錐体路徴候を示す神経変性障害である。組織学的には、線条体、黒質ち密部、小脳、橋、下オリーブ及び脊髄の中間帯外側細胞柱におけるニューロン損失が存在する。グリア病変としては、アストログリオーシス(astrogliosis)、小グリア細胞活性化及びα−シヌクレイン(synuclein)含有希突起神経膠細胞細胞質封入が挙げられる。活性化小グリア細胞の寄与、さらには凝集した酸化的に変性されたタンパク質を含有する細胞質封入体を伴う顕著な神経炎症(neuroinflammation)は、MSA病理を特徴づける進行性の神経変性におけるMPO活性の有意な寄与を検討することを興味深いものにする。
【0008】
MSA様病理におけるMPO阻害の裏付けは、3−ニトロプロピオン酸の様な毒素を加えるか又は加えない、ヒトα−シヌクレインの希突起神経膠細胞の過剰発現を有するトランスジェニックマウスのような、MSA発症前疾患モデルの使用により行うことができる。
【0009】
ハンチントン病(HD)
ハンチントン病(HD)は、臨床的には運動障害及び精神障害を特徴とし、そして病理学的には特に線条体及び大脳皮質におけるニューロン欠損及びグリオーシス(反応性星状細胞増加症)を特徴とする遺伝性の進行性神経変性障害である。HDは、ハンチントンタンパク質におけるポリグルタミンをコードする、HD遺伝子におけるCAG反復の拡張により引き起こされる神経変性障害である。疾病機序に対する説明には、酸化的ストレス、エネルギー代謝障害、及び異常なタンパク質−タンパク質相互作用が含まれる。このような機序は、MPO活性と関連付けることが可能であり、病理的HD組織におけるその過剰発現が観察されることにより示され得る(非特許文献4)。
【0010】
HD様病理におけるMPO阻害の裏付けは、HDの発症前疾患モデルの使用により行うことができる。このようなモデルは、3−ニトロプロピオン酸又はマロネートのようなミトコンドリア毒素で処理されたマウス又はラットであり得る(非特許文献16)。また、有用なモデルは、3−ニトロプロピオン酸の様な毒素を加えるか又は加えない、ハンチントンタンパク質の変異体を発現しているトランスジェニックマウスであり得る(非特許文献17)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO 01/85146
【特許文献2】WO 03/089430
【特許文献3】WO 2006/062465
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Nagra RM、et al.Journal of Neuroimmunology 1997;78(1−2):97−107
【非特許文献2】Marik C、et al.Brain.2007;130: 2800−15
【非特許文献3】Gray E、et al.Brain Pathology.2008;18: 86−95
【非特許文献4】Choi D−K.et al.J.Neurosci.2005;25(28):6594−600
【非特許文献5】Reynolds WF、et al.Experimental Neurology.1999;155:31−41
【非特許文献6】Green PS.et al.Journal of Neurochemistry.2004;90(3):724−33
【非特許文献7】Hampton MB、Kettle AJ、Winterbourn CC.Blood 1998;92(9):3007−17
【非特許文献8】Peskin AV、Winterbourn CC.Free Radical Biology and Medicine 2001;30(5):572−9
【非特許文献9】Peskin AV.et al.Free Radical Biology and Medicine 2004;37(10): 1622−30
【非特許文献10】Hazen SL.et al.Mass Free Radical Biology and Medicine 1997;23(6):909−16
【非特許文献11】Albert CJ.et al.J.Biol.Chem.2001;276(26):23733−41
【非特許文献12】Rosen H、Klebanoff SJ.Journal of Biological Chemistry 1982;257(22): 13731−354
【非特許文献13】Fu X、Mueller DM、Heinecke JW.Biochemistry 2002;41(4): 1293−301
【非特許文献14】J.Heterocyclic Chemistry、1992、29、343− 354
【非特許文献15】J.Chem.Soc、1962、1863
【非特許文献16】Matthews RT.et al J.Neurosci.1998;18:156−63
【非特許文献17】Bogdanov MB.et al.J.Neurochem.1998;71:2642−44
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ハンチントン病の処置、多系統委縮症の処置及び/又は神経保護に使用することができる薬剤に対する多大な満たされていない必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明の概要
MPO阻害剤は多系統萎縮症(MSA)の処置のために使用することができることを発見した。
従って、本発明は、多系統萎縮症(MSA)を処置する薬剤を製造するためのMPO阻害剤の使用に関する。
【0015】
本明細書で使用される「多系統萎縮症」という表現は、致死的な進行性の神経変性障害を意味する。これは、自律神経障害、及びパーキンソン病様運動不全及び/又は小脳性運動不全を伴う、散発性アルファ−シヌクレイノパチー(synucleinopathy)として定義される。
【0016】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩をハンチントン病(HD)の処置のために使用することができることもまた発見した。
【0017】
従って、本発明はまた、ハンチントン病を処置する薬剤を製造するためのMPO阻害剤またはその薬学的に許容しうる塩の使用に関する。
【0018】
本明細書で使用される「ハンチントン病」という表現は、臨床的には運動障害及び精神障害を特徴とし、そして病理学的には特に線条体及び大脳皮質におけるニューロン欠損及びグリオーシス(反応性星状細胞増加症)を特徴とする遺伝性の進行性神経変性障害を定義するものとする。
【0019】
さらに、本発明はまた、神経保護のためのMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の使用に関する。従って、本発明は、神経保護用の薬剤を製造するためのMPO阻害剤の使用に関する。
【0020】
本明細書で使用される用語「神経保護」は、神経細胞損失の予防及び/又は神経細胞繊維の節約(sparing)として定義される。
【0021】
本明細書で使用される用語「処置すること(treating)」は、このような用語が適用される障害若しくは状態又はこのような障害若しくは状態の1つ若しくはそれ以上の症状の進行を逆転、軽減、遅延若しくは阻害するか、又はこのような用語が適用される障害若しくは状態又はこのような障害若しくは状態の1つ若しくはそれ以上の症状を予防することを指す。本明細書で使用される用語「処置(treatment)」は、本明細書で定義される「処置すること」の行為を指す。
【0022】
MPO阻害剤として使用することができる化合物の例は以下である:
1) 式(I)
【化1】

[式中:
X及びYの少なくとも一方はSを表し、そして他方はO又はSを表し;
Lは直接結合又はC1-7アルキレンを表し、ここで該C1-7アルキレンは場合によりO、S(O)n及びNR6より選択されるヘテロ原子を組み込んでおり、そして該C1-7アルキレンは、場合により1つ又は2つの炭素−炭素二重結合を組み込んでおり、そして該C1-7アルキレンは、場合によりOH、ハロゲン、CN及びNR45、C1-6アルキル及びC1-6アルコキシより独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で置換され、該C1-6アルコキシは、酸素に隣接するカルボニルを場合により組み込んでおり;
nは整数0、1又は2を表し;
1は水素であるか、又は
1は、場合によりO、N及びSより独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を組み込んでおり、そして場合によりカルボニル基を組み込んでいる、飽和又は部分的に不飽和の3〜7員環であり、ここで該環は、場合によりハロゲン、SO29、SO2NR910、OH、C1-7アルキル、C1-7アルコキシ、CN、CONR23、NR2COR3及びCOR3より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で置換され、ここで該C1-7アルコキシは、場合によりC1-6アルコキシでさらに置換され、そして場合により酸素に隣接してカルボニルを組み込んでおり、そして該C1-7アルキルは、場合によりヒドロキシ又はC1-6アルコキシでさらに置換され、そして該C1-7アルキル又はC1-6アルコキシは、場合により酸素に隣接するか又はC1-7アルキル中の任意の位置にカルボニルを組み込んでおり;又は
1は、フェニル、ビフェニル、ナフチル又はO、N及びSより独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する単環式若しくは二環式のヘテロ芳香族環構造より選択される芳香族環系であり、該芳香族環系は、場合によりハロゲン、SO29、SO2NR910、OH、C1-7アルキル、C1-7アルコキシ、CN、CONR23、NR2COR3及びCOR3より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で置換され;該C1-7アルコキシは、場合によりC1-6アルコキシでさらに置換され、そして該C1-6アルコキシは、場合により酸素に隣接してカルボニルを組み込んでおり、そして該C1-7アルキルは、場合によりヒドロキシ又はC1-6アルコキシでさらに置換され、そして該C1-7アルキル又はC1-6アルコキシは、場合により酸素に隣接するか又はアルキル中の任意の位置にカルボニルを組み込んでおり;
12は、水素、又はハロゲン、又は場合により1〜3個のハロゲン原子で置換された炭素を表し;
各存在において、R2、R3、R4、R5、R6、R9及びR10は独立して、水素、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシを表し、該アルコキシは、場合により酸素に隣接してカルボニルを組み込んでおり、該C1-6アルキルは、場合によりハロゲン、C1-6アルコキシ、CHO、C2-6アルカノイル、OH、CONR78及びNR7COR8でさらに置換され、
又は基NR23、NR45及びNR910はそれぞれ独立して、O、S及びNR11より選択される1個のさらなるヘテロ原子を場合により組み込んでいる5〜7員の飽和アザ環式(azacyclic)環を表し、該アザ環式環は、場合によりハロゲン、C1-6アルコキシ、CHO、C2-6アルカノイル、OH、CONR78及びNR7COR8でさらに置換され;
各存在においてR7、R8及びR11は独立して、水素若しくはC1-6アルキルを表し、又は基NR78は、場合によりO、S及びNR11より選択される1個のさらなるヘテロ原子を組み込んでいる5員〜7員の飽和アザ環式環を表す]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、の溶媒和物、その塩の溶媒和物。これらの化合物はWO2006/062465に記載される。
【0023】
2) 1−ブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−フルオロ−ベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ピペリジン−3−イルメチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ブチル−4−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−オン;
1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(3−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−{[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−6−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(4,5−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
7−ブロモ−1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;及び
1−(3−クロロフェニル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
からなる群より選択される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、その溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。これらの化合物は、WO2006/062465に記載される。
【0024】
3) 式(IIa)又は(IIb)
【化2】

[式中:
X及びYの一方はSを表し、そして他方はO又はSを表し;
13は水素又はC1-6アルキルを表し;
14は水素又はC1-6アルキルを表し;該C1-6アルキル基は場合により:
i)場合によりO、N及びSより独立して選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を組み込んでおり、そして場合によりカルボニル基を組み込んでいる、飽和若しくは部分的に不飽和の3〜7員環;[該環は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ及びC1-6アルキルより選択される1つ又はそれ以上の置換基で置換され;該C1-6アルキルは、場合によりヒドロキシ又はC1-6アルコキシでさらに置換される];又は
ii)C1-6アルコキシ;又は
iii)フェニル、フリル若しくはチエニルより選択される芳香族環;[該芳香族環は、場合によりハロゲン、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシでさらに置換される]
で場合により置換され;
15及びR16は独立して、水素又はC1-6アルキルを表す]
の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。これらの化合物はWO2003/089430に記載される。
【0025】
本発明の一局面によれば、上記MPO阻害剤は、式(IIa)又は(IIb)
【化3】

[式中:
XはSを表し、そしてYはOを表し;
13は水素又はC1-6アルキルを表し;
14は場合によりO、N及びSより独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を組み込んでおり、そして場合によりカルボニル基を組み込んでいる飽和又は部分的に不飽和の3〜7員環で置換されたC1-6アルキルを表し;該環は、場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ及びC1-6アルキルより選択される1つ又はそれ以上の置換基で置換され;該アルキルは、場合によりヒドロキシ又はC1-6アルコキシによりさらに置換され;
15及びR16は独立して水素又はC1-6アルキルを表す]
の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物より選択される。これらの化合物はWO2003/089430に記載される。
【0026】
4) 1,3−ジイソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
1,3−ジブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−1,8−ジメチル−6−チオキサンチン;
3−(2−メチルブチル)−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−2,6−ジチオキサンチン;
3−イソブチル−8−メチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−7−メチル−2−チオキサンチン;
3−シクロヘキシルメチル−2−チオキサンチン;
3−(3−メトキシプロピル)−2−チオキサンチン;
3−シクロプロピルメチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−1−メチル−2−チオキサンチン;
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;
3−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキサンチン;
3−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキサンチン;
3−(2−フリル−メチル)−2−チオキサンチン;
3−(4−メトキシベンジル)−2−チオキサンチン;
3−(4−フルオロベンジル)−2−チオキサンチン;
3−フェネチル−2−チオキサンチン;
(+)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;
(−)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;及び
3−n−ブチル−2−チオキサンチン;
からなる群より選択される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。これらの化合物はW2003/089430に記載される。
【0027】
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの(−)−鏡像異性体は3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンを意味し、そして3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの(+)−鏡像異性体は3−(2S−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンを意味する。
【0028】
5) 式(III)
【化4】

[式中、
X及びYの少なくとも一方はSを表し、そして他方はO又はSを表し;
Lは(R18p−Q−(CR1920rを表し;ここで(R18p及び(CR1920rはそれぞれ場合により1つ又は2つの二重結合又は三重結合を含み;
ここでQはO、S(O)n、NR21、NR21C(O)、C(O)NR21、又は結合であり;
ここでR18は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシより選択され、該C1-6アルキル又は該C1-6アルコキシは、場合によりOH、ハロゲン、CF3、CHF2、CFH2、CN、NR2223、フェノキシ又はアリールで置換され;そしてここで該フェノキシは、場合によりC1-6アルキル、ハロゲン又はC1-6アルコキシで置換され;そしてここで該フェノキシは、場合により酸素に隣接するカルボニルを組み込んでおり、そしてここで該C1-6アルコキシは、場合により酸素に隣接するカルボニルを組み込んでおり;
ここでR19及びR20は、水素、OH、ハロゲン、CF3、CHF2、CFH2、CN、NR22 23、C1〜6アルキル、フェノキシ及びC1-6アルコキシより独立して選択され;ここで該フェノキシ又はC1-6アルコキシは、場合により酸素に隣接するカルボニルを組み込んでおり;そしてここで該フェノキシは、場合によりC1-6アルキル、ハロゲン又はC1-6アルコキシで置換され;
ここでpは、整数0、1、2、3又は4を表し、そしてrは整数0、1、2、3又は4を表し;そしてここで1≦p+r≦7であり;
17は、N、O及びSより選択される1個又はそれ以上のヘテロ原子を含む、単環式又は二環式のヘテロ芳香族環系を表し;ここで該単環式又は二環式のヘテロ芳香族環系は、場合によりC、N、O及びSより選択される1個又はそれ以上の原子を含む1つ又は2つの5員又は6員の飽和又は部分的に飽和の環と縮合しており、ここで該単環式又は二環式のヘテロ芳香族環系は、単独で又は1つ若しくは2つの5員若しくは6員の飽和若しくは部分的に飽和の環と縮合している場合に、場合によりハロゲン、CHF2、CH2F、CF3、SO(n)24、SO(n)NR2425、(CH2n26、NR2223、OH、C1〜7アルキル、C1-7アルコキシ、フェノキシ、アリール、CN、C(O)NR2726、NR2C(O)R26、C(O)R26、5員若しくは6員の飽和若しくは部分的に飽和の環[C、N、O又はSより選択される1つ若しくはそれ以上の原子を含む]、及び単環式若しくは二環式のヘテロ芳香族環系[N、S又はOより選択される1つ又はそれ以上のヘテロ原子を含む]より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で置換され;そしてここで該C1-7アルコキシは、場合によりC1-7アルコキシ又はアリールで置換され;そしてここで該C1-7アルコキシ又は該フェノキシは、場合により酸素に隣接するカルボニルを組み込んでおり;そしてここで該C1-7アルキルは、場合によりヒドロキシ又はC1-6アルコキシで置換され;そしてここで該C1-7アルキルは、場合によりC C1-7アルキル中の任意の位置でカルボニルを組み込んでおり;そしてここで該フェノキシは、場合によりC1-6アルキル、ハロゲン又はC1-6アルコキシで置換され;
各存在において、R27、R26、R22、R23、R21、R24及びR25は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アリール及びフェノキシより独立して選択され;該C1-6アルコキシ又はフェノキシは、場合により酸素に隣接するカルボニルを組み込んでおり;そして該C1-6アルキルは、場合によりハロゲン、C1-6アルコキシ、CHO、C2-6アルカノイル、OH、C(O)NR2829又はNR28C(O)R29で置換され;そして該アリール又は該フェノキシは、場合によりC1-6アルキル、ハロゲン又はC1-6アルコキシで置換され;
又は基NR2726、NR2223及びNR2425はそれぞれ独立して、O、S及びNR30より選択される1つのさらなるヘテロ原子を場合により組み込んでいる5〜7員の飽和アザ環式環を表し、該環は、場合によりハロゲン、C1-6アルコキシ、CHO、C2-6アルカノイル、OH、C(O)NR2829若しくはNR28C(O)R29でさらに置換され;
各存在において、R28、R29及びR30は独立して、水素若しくはC1-6アルキルを表し、又は基NR2829は、場合によりO、S及びNR30より選択される1つのさらなるヘテロ原子を組み込んでいる5〜7員の飽和アザ環式環を表し;
nは整数0、1又は2を表し;
ただしR17についてはチエニル又はフリルは除かれ;
そしてただしQがO、S(O)n、NR21、NR21C(O)又はC(O)NR21である場合、pは1に等しいか又はそれ以上である]
の式の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。これらの化合物は、PCT/SE2007/000349に記載される。
【0029】
6) 3−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(ピリジン−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(ピリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{[3−エトキシ−4−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(2−ブチル−4−クロロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン及び
3−[(4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(1H−ピラゾール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−メチルピラジン−2−イル)メチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3−イソプロピルイソオキサゾール−5−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(6−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(4−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
【0030】
3−[2−(ピリジン−2−イルメトキシ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(1−メチル−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−フェニル−2−ピリジン−2−イルエチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(キノリン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(6−フェノキシピリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(キノリン−4−イルメチル)アミノ]エチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}エチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[メチル(キノリン−4−イルメチル)アミノ]エチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−アミノプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[(ピリジン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−[2−({[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}アミノ)プロピル]− 2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−(2−{[(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(キノリン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
【0031】
3−{2−[(キノリン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−tert−ブチル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−3−チエニル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ]プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−(2−{[(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(4−sec−ブチルフェニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[2,5−ジメチル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)−1H−ピロール−3−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[4−(3−クロロベンゾイル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
【0032】
2−チオキソ−3−{2−[(1H−1,2,3−トリアゾール−5−イルメチル)アミノ]プロピル}−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(ベンジルオキシ)−1H−イミダゾール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(6−ブロモ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]アミノ}プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[({1−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ニコチンアミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)−エチル]イソニコチンアミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]−1,8−ナフチリジン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]キノリン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ピリミジン−2−カルボキサミド;及び
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド トリフルオロ酢酸塩(trifluroaceate);
からなる群より選択される化合物又はその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。これらの化合物は、PCT/SE2007/000349に記載される。
【0033】
薬剤における使用のために、薬学的に許容しうる塩は、本発明の化合物の製造において有用であり得る。本明細書に記載される化合物の適切な薬学的に許容しうる塩には、例えば本発明の化合物の溶液を塩酸、硫酸、メタンスルホン酸及びフマル酸のような薬学的に許容しうる酸の溶液と混合することにより形成され得る酸付加塩が含まれる。さらに、化合物が酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に許容しうる塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム又はマグネシウム塩;及び適切な有機リガンドと形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩が含まれ得る。
【0034】
「薬学的に許容しうる塩」という表現は、薬学的に許容しうる酸付加塩及び薬学的に許容しうるカチオン塩の両方を含む。「薬学的に許容しうるカチオン塩」という表現は、限定されないが、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム及びマグネシウム)、アルミニウム塩、アンモニウム塩、並びにベンザチン(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン)及びコリンのような有機アミンとの塩のような塩を定義するものとする。「薬学的に許容しうる酸付加塩」という表現は、限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩及び硫酸塩のような塩を定義するものとする。
【0035】
遊離カルボン酸を含有する薬学的に許容しうるカチオン塩は、遊離酸形態を適切な塩基と反応させることにより容易に製造することができる。典型的な塩基は水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド及びナトリウムエトキシドである。遊離アミン基を含有する薬学的に許容しうる酸付加塩は、遊離塩基形態と適切な酸とを反応させることにより容易に製造することができる。
【0036】
MPO阻害剤の光学異性体の使用もまた本発明の範囲内である。不斉炭素原子を有するMPO阻害剤はキラル化合物であり、そして不斉原子の存在に依存して、MPO阻害剤は異性体の混合物の形態で、特にラセミ化合物、又は特定の鏡像異性体のような純粋な異性体の形態で存在し得る。
【0037】
薬学的製剤
本明細書に記載されるMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩は、経口、非経口、経粘膜(例えば、舌下又はバッカル投与経由)、局所、経皮、直腸、吸入経由(例えば、鼻腔吸入又は深肺吸入(deep lung inhalation))のような標準的な方法で投与することができる。非経口投与としては、限定されないが、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、髄腔内又は高圧技術(high−pressure technique)経由が挙げられる。
【0038】
バッカル投与については、MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩は、従来の方法で製剤化された錠剤又はトローチ剤の形態であり得る。例えば、経口投与用の錠剤及びカプセル剤は、結合剤(例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガント、デンプンの粘質物又はポリビニルピロリドン)、フィラー(例えば、ラクトース、糖質、微結晶セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム又はソルビトール)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ)、崩壊剤(例えば、バレイショモデンプン又はデンプングリコール酸ナトリウム)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)のような従来の添加剤を含有し得る。錠剤は、当該分野でよく知られた方法にしたがってコーティングされていてもよい。このような製剤はまた、直腸投与用に坐剤として、例えば従来の坐剤基剤、例えばカカオ脂又はその他のグリセリドを含有して製剤化することもできる。
【0039】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩を含む吸入用組成物は、典型的には、ドライパウダーとして、又は従来の噴射剤(例えばジクロロジフルオロメタン又はトリクロロフルオロメタン)を使用するエアゾールの形態で投与することができる、溶液、懸濁液又はエマルジョンの形態で提供することができる。典型的な局所及び経皮製剤は、従来の水性若しくは非水性のビヒクルを含み、例えば点眼液、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、及びパスタ剤であり、又は薬用プラスター、パッチ若しくは膜の形態である。
【0040】
さらに、本明細書に記載されるMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩は、注射又は持続注入による非経口投与用に製剤化することができる。注射用製剤は、油性又は水性のビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンの形態であり得、そして製剤化剤(formulation agents)、例えば懸濁化剤、安定剤、及び/又は分散剤を含み得る。あるいは、活性成分は、適切なビヒクル(例えば滅菌、パイロジェンフリー水)を用いて使用前に構成するための粉末形態であり得る。
【0041】
本発明に従うMPO阻害剤またはその薬学的に許容しうる塩はまた、デポー製剤として製剤化することができる。このような長期作用する製剤は、移植(例えば皮下又は筋肉内に)により、又は筋肉内注射により投与することができる。従って、本発明の化合物は、適切なポリマー材料又は疎水性材料(例えば許容しうるオイル中の乳剤)、イオン交換樹脂を用いて、又はやや溶けにくい誘導体(例えばやや溶けにくい塩)として製剤化することができる。
【0042】
経口投与のために、本発明によるMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩を含む医薬組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤などの形態をとり得る。クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムのような種々の添加剤を含有する錠剤は、デンプン及び好ましくはバレイショデンプン若しくはタピオカデンプン及び特定の複合ケイ酸塩(complex silicates)とともに、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン及びアカシアのような結合剤と一緒に使用される。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような滑沢剤は、錠剤を形成するために使用され得る。類似の種類の固形組成物はまた、ゼラチン軟及び硬カプセル剤におけるフィラーとして使用される;これに関連した好ましい物質には、ラクトース又はミルクシュガー、さらに高分子量ポリエチレングリコールも含まれる。
【0043】
あるいは、本明細書に記載されるMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩は、例えば水性又は油性の懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤、又はエリキシル剤のような経口液体製剤に組み込まれ得る。さらに、これらの化合物を含む製剤は、水又は他の適切なビヒクルを用いて使用前に構成するための乾燥製品として提供することができる。このような液体製剤は、従来の添加物、例えば懸濁化剤、例えばソルビトールシロップ、合成及び天然のゴム、例えばトラガント、アカシア、アルギネート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチン、グルコース/シュガーシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエート、又はアカシア;非水性ビヒクル(可食油を含み得る)、例えば扁桃油、ヤシ油、油性エステル、プロピレングリコール、及びエチルアルコール;並びに保存料、例えばメチル又はプロピルp−ヒドロキシベンゾエート及びソルビン酸を含み得る。本明細書に記載される組成物が経口投与又は注射による投与のために組み込まれ得る液体形態としては、水性液剤、適切に着香したシロップ剤、水性又は油性の懸濁剤、及び綿実油、ゴマ油、ココナッツ油又は落花生油のような可食油を用いた着香した乳剤、さらにエリキシル剤及び類似の薬用ビヒクル剤が挙げられる。
【0044】
水性懸濁剤及び/又はエリキシル剤が経口投与用に所望の場合、本明細書に記載される化合物は、種々の甘味料、着香料、着色剤、乳化剤及び/又は懸濁化剤、さらには水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンのような希釈剤及び種々の同様なそれらの組み合わせと混合することができる。水性懸濁液に適切な分散剤又は懸濁化剤としては、合成及び天然のゴム、例えばトラガント、アカシア、アルギネート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンが挙げられる。
【0045】
本明細書に記載されるMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩はまた、例えば徐放(slow release)製剤又は速放(fast release)製剤のような制御放出製剤(定義)で投与することができる。本明細書中に記載される組み合わせのこのような制御放出製剤は、当業者によく知られた方法を使用して調製し得る。投与方法は、主治医又は他の当業者により、患者の状態及び必要性の評価後に決定される。
【0046】
従って、本発明のMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の有効用量は、患者の状態、障害の症状の重症度、さらに選択された特定の化合物の効力、投与様式、患者の年齢及び体重などのような要因に依存して変動し得る。用量の決定は、当業者の技術の範囲内である。的確な製剤、投与経路及び投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師により選択され得る。投与量及び間隔は、治療効果を維持するために十分な活性成分の血漿レベルを生じるように調整され得る。
【0047】
典型的には、MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の有効用量は、一般的に、両端を含んで1〜1000mgの範囲の化合物を投与することを必要とする。本発明の一実施態様によれば、上記範囲は両端を含んで2〜800mgの範囲又は両端を含んで2〜400mgの範囲である。本発明の代替の実施態様において、MPO阻害剤の量は、約:5、10、50、100、150、200、250、300、350、400、500、550、600、700及び800mgより選択される。
【0048】
方法の説明
トランスジェニック(tg)又は野生型のマウスの3NPでの処置はまた、HDの最も確立されたモデルを構成する(Brouillet E.et al.Prog.Neurobiol.1999;59:427−68)。これは、このミトコンドリア複合体II毒素の亜急性全身注射に依存する。マウスにおいて、この毒素はHD様線条体病変を作出し、そしてHDにおいて起こる代謝不全を再現する。その大量使用の間に、時間経過と運動障害の強度との間の相関(Fernagut PO.et al.Neuroscience.2002;114:1005−17)が、半定量的な尺度(運動緩徐の評価、体幹ジストニー(truncal dystonia)、後肢ジストニー、及び抱擁、及び障害した姿勢制御)及び線条体損傷の重症度(ニューロン損失及び神経膠星状細胞反応)を使用して、実証されている。感覚運動統合の障害はまた、線条体黒質機能不全に高感度であることが知られている定量化試験: 一般活動性、ポール(pole)試験及びビームトラバース(beam−traversing)試験を使用して実証されている。 従って、HDに関連して、重要な行動及び組織病理学的なエンドポイントのいくつかは、使用されたMSAモデルにおけるものと同じである。それ故、以下に記述されるMSAモデルにおけるニューロン損失及び運動行動部分を含む線条体病変はまた、HD病理も反映している。
【0049】
MSAの新規なマウスモデルは、(本明細書に記載される)希突起神経膠細胞のα−シヌクレイン発現を有するトランスジェニックマウスにおいて酸化的ストレスを誘発することにより開発された。このモデルは、線条体黒質変性症(SND)、オリーブ橋小脳萎縮(OPCA)、アストログリオーシス(astrogliosis)、及び希突起神経膠細胞の不溶性α−シヌクレイン封入を伴う小グリア細胞症を含む疾患の基本的な神経病理学的特徴を再現する。トランスジェニックマウスにおけるグリア細胞質封入の存在下での3NPによるミトコンドリア阻害は、これらの動物においてMSAに典型的な選択的神経細胞死パターンを誘発する(Stefanova N.et al.Am.J.Pathol.2005;166:869−76)。
【0050】
従って、本発明において、MPO阻害剤は、3−ニトロプロピオン酸(3NP)によるミトコンドリア阻害に暴露されたトランスジェニックマウスにおける希突起神経膠細胞α−SYN過剰発現からなるMSAマウスモデルにおけるMPO活性を抑制するために使用されている。これらの効果の後に、確立された免疫組織学的及び行動的方法を適用して、MSAの病因におけるMPOの関与及びMSAモデルにおける可能な神経保護効果を評価する。
【0051】
トランスジェニック黒質ち密部(SNc)は、二月齢と四月齢との間の時間窓中に希突起神経膠細胞α−シヌクレイノパチーを伴う初期のニューロン損失を受ける。この初期ニューロン損失は、SNcにおける小グリア細胞活性化と相関性した。二月齢と四月齢との間の期間における小グリア細胞症の抑制は、黒質ニューロンに対して神経保護的であることが見いだされた。この発見により、トランスジェニック及び神経毒を組み合わせたMSAマウスモデルは、初期の「最小変化」又は遅れて進行する「本格的な(full−blown)」MSAパラダイムの両方について、MSAの新規な治療候補に関する前臨床試験として適切となることが示唆される。
【0052】
小グリア細胞活性化はMSA脳における顕著な所見である。プロテオリピドタンパク質(PLP)プロモーターの制御下でヒト野生型a−シヌクレインを過剰発現しているトランスジェニックマウスにおいて、このようなマウスが特に白質において強い小グリア細胞活性化(これは野生型C57Bl/6マウスでは異なる)を有していることが示された(Stefanova N.et al.Am.J.Pathol.2005;166:869−76)。さらに、小グリア細胞活性化は、3NP暴露の後非常に高められ、そしてMSA様神経変性を伴う。小グリア細胞活性化と神経細胞損失との相関は、小グリア細胞因子が、反応性酸素種、酸化窒素(NO)、サイトカイン、又はケモカインを放出することによる神経変性を少なくとも部分的に仲介し得ることを示唆する。
【0053】
動物
合計30匹の(PLP)−α−シヌクレイントランスジェニックマウスを使用した。 動物は、12/12時間の暗/明周期で食餌及び水に自由にアクセスさせて、the Innsbruck Medical Universityの動物施設において飼育された。全ての実験は、オーストリアの法律に従いオーストリアのthe Federal Ministry for Education、Science、and Cultureの動物実験許可後に行った。
【0054】
グループ
コントロールグループ(n=10) MSAマウス(tg+3NP)、ビヒクル(シクロデキストリン、AstraZeneca製) p.o.(経口投与による)で処置
低用量グループ(n=10) MSAマウス(tg+3NP) 1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン(化合物I;AstraZeneca製)、2x60μmol/kg p.o.で処置高用量グループ(n=10) MSAマウス(tg+3NP) 化合物I(AstraZeneca製)、2x180μmol/kg、p.o.で処置
1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン(化合物I処置)を、最初の3NP中毒の1週間前に開始し、最初の3NP中毒の3週間後に停止した(以下の3NP中毒プロトコルを参照のこと)。実験の開始後3〜4週の間に動物に行動試験を行った。28日目に動物を深いチオペンタール麻酔下で潅流して、脳をニューロン損失及びグリオーシスの組織病理学的分析のために採取した。
【0055】
3NP中毒
マウスを、モデルMSAに対して以前に使用されたスキーム(すなわち8日間の期間12時間ごとに4x10mg/kg、4x20mg/kg、4x40mg/kg、4x50mg/kgの腹腔内注射)に従って毒素の用量をゆっくりと増加させながら3NPを用いて慢性的に中毒にした(Stefanova N.et al.Am.J.Pathol.2005;166:869−76)。
【0056】
化合物I処置
薬物及びビヒクル(20%w/v ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む0.1mol/Lメグルミン、pH10.8)を4℃で貯蔵した。マウスに必要用量の薬物/ビヒクル(10mL/kg)を、示された期間の間、一日に2回強制経口投与により与えた。
【0057】
行動
行動試験を、検証された手順: 臨床尺度(clinical scale)評価、ポール試験及び歩幅長自発運動試験(Stefanova N.et al.Am.J.Pathol.2005;166:869−76)にしたがって、処置状態をわからないようにして行った。
【0058】
運動臨床尺度評価
後肢抱擁、全身運動活動、後肢ジストニー、体幹ジストニー及び姿勢負荷反応(postural challenge response)の評価のための以前に記述した評価尺度(0、正常;1 わずかに障害がある、及び2 顕著に不能)。(Fernagut PO.et al.Neuroscience.2002;114:1005−17)
【0059】
オープンフィールド活動
マウスの運動活動を試験するために、Flex Field活動システム(San Diego Instruments、CA、USA)を利用し、これは、544 photo−beamチャネルにより水平及び垂直の自発運動のモニタリング及びリアルタイム計数を可能にする。マウスをオープンフィールド(40,5x40,5x36,5cm)の中心に置き、そしていつもその日の同じ時間に15分間試験した(17.00h)。試験期間中は外部の騒音及び光から完全に隔離した暗室で試験を行った。
【0060】
歩幅長
マウスの前肢及び後肢の歩幅長を、Fernagutら(Fernagut PO.et al.Neuroscience.2002;114:1005−17)に従いわずかに改変して、3日間試験に慣れさせた後、それを行う前に測定した。各動物の肢を非毒性の食品着色料で湿らせ、 そして各マウスを一片の紙(長さ42cm、幅4.5cm)の上で明るい通路を通って暗いゴールの箱に向って走らせた。3回走らせた後、各側の後肢の歩幅長を、走り始め(7cm)及び走り終わり(7cm)を除いて測定した。
【0061】
組織標本
動物を、チオペンタール過剰摂取下で4%パラホルムアルデヒド(PFA) pH=7.4で潅流した。脳を素早く取り出し、そして4%PFA中4℃で24時間保存した。20%スクロース/0.1M PBS pH 7.4溶液中で凍結保護した後、脳を凍結させて−80℃で保存した。連続切片(合計7組)を低温保持装置(Leica)上で切り取り、そして組織染色(スライド上に一組)及び免疫組織化学(浮遊性(free floating)6組)のために集めた。
【0062】
ニッスル染色:全脳全体の冠状断面をスライドにマウントし、そして標準的なクレシルバイオレット染色のために処理した。
【0063】
免疫細胞化学を標準的なプロトコル(Stefanova N.et al.Am.J.Pathol.2005;166:869−76)に従って、浮遊性切片(40μm)に対して行い、MSAマウスモデルにおけるニューロン及びグリア細胞の病変を分析した。以下の一次抗体を使用した:抗THチロシンヒドロキシラーゼ(Sigma);抗DARPP−32(ドパミン及び環状アデノシン 3’,5’−モノホスフェート調節リンタンパク質32);抗GFAP(グリア線維酸性蛋白、Roche Diagnostics GmbH);抗CD11b:(Serotec)。二次抗体は、必要に応じて、ビオチニル化した抗マウス又は抗IgGであった。手短に云えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄した後、切片を0.3%H22中でインキュベートし、再びゆすぎ、そして0.3%Triton−X100(PBS−T)を含むPBS中10%正常ヤギ血清中で1時間ブロックし、続いて一次抗体中で4℃にて終夜インキュベートした。PBS−T中で洗浄した後、薄片を1時間二次抗体中で1時間インキュベートし、再び洗浄し、そしてアビジン−ビオチン複合体(Elite Kit、Vector)中でさらに1時間インキュベートした。最後に反応を3,3’−ジアミノベンジジンにより可視化した。
【0064】
立体解析学を、コンピュータ支援画像解析システム(Nikon E−800顕微鏡、CCDビデオカメラ、Optronics MicroFire、Goleta、USA;Stereo Investigatorソフトウエア、MicroBrightField Europe e.K.、Magdeburg、Germany)を使用して適用した。光学フラクショネータ(Optical fractionator)を使用して、線条体、黒質ち密部、橋核、及び下オリーブにおけるニューロンを計数した。プルキンエ細胞を、以前に報告されたようにプルキンエ細胞層のみを含むように輪郭を描いた領域において計数した(German DC.et al.Neuroscience.2001;105:999−1005)。全てのデータを平均値±SEMとして表した。黒質及び線条体におけるグリア細胞活性化を、連続切片におけるその領域を描くことにより標的領域において光学密度を定量することにより測定した。行った全ての統計的試験について、5%の確率レベル(p<0.05)を有意とした。
【0065】
結果
MSAマウスの運動行動に対する化合物I処置の効果
ビヒクルで処理したマウスと比較して、化合物Iで処置したMSAマウスにおいて平均日運動スコアにおいて有意な改善があった(図1)。また、高用量の化合物I(180μmol/kg)で処置した後のflex field成績において有意な改善があった。飼育及びオープンフィールド活動の両方に影響があった(図2)。
【0066】
同様に、高用量の化合物I(180μmol/kg)で処置した後に歩幅長試験成績において有意な改善があり、左右両方の後肢が等しく影響を受けた(図3)。
【0067】
MSAマウスの神経病理に対する化合物I処置の効果
高用量の化合物I(180μmol/kg)は、MSAマウスにおける線条体黒質変性に関して神経保護的である(図4)。黒質におけるTH免疫陽性細胞、線条体におけるドパミン作動性終末、さらに線条体DARPP−32免疫反応性ニューロンにおいて明白である。
【0068】
高用量の化合物I(180μmol/kg)は、MSAマウスにおけるオリーブ橋小脳委縮症に関して神経保護的である。下オリーブ核、橋核及び小脳のプルキンエ細胞の保護(図5)。
【0069】
高用量の化合物I(180μmol/kg)は、MSAマウスにおいて小グリア細胞活性化(神経炎症の別の指標)の抑制を伴う。これは黒質及び線条体の両方において見られる(図6)。このことは、本発明者らが、以前に示唆された(Stefanova N.et al.Am.J.Pathol.2005;166:869−76)小グリア細胞活性化と神経変性との間の関連性を薬理学的に裏付けたということを示唆する。
【0070】
所見の概要
有意な神経保護作用が化合物I処理で実証された。黒質ち密部、線条体、小脳皮質、橋核、及び下オリーブ核のレベルにおいてニューロンは常に保たれていた。この神経保護作用は、異なる行動試験により測定された機能改善を伴う。化合物Iの効果はまた、小グリア細胞の活性化の抑制にも関連する。データは、MPO阻害剤がMSA、PD及びHDを含む神経炎症を伴う状態において神経保護的である可能性を有していることを支持している。
【0071】
この種のモデルにおいてMPO阻害剤で処置した際の、ニューロンのサブセットのみに限定されない、神経細胞損失の減少及び/又は神経終末の損失の減少による広範囲に及ぶ神経保護作用はさらに、MPO阻害剤がヒト神経変性障害においても神経保護的である可能性を有することを支持している。本明細書に記載されたように、モデルにおいて全ての罹患した神経表現型のMPO阻害剤による、例外なしの神経保護は、MPO阻害剤が必ずしもMSA、PD及びハンチントン病にのみに限らず神経保護的であるとする明確な論拠を提供するはずである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】ビヒクルで処理したマウスと比較した、化合物Iで処置したMSAマウスにおける平均日運動スコアを示すグラフである。
【図2】ビヒクルで処理したマウスと比較したMSAマウスを化合物Iで処置した場合の飼育及びオープンフィールド活動への影響を示すグラフである。
【図3】ビヒクルで処理したマウスと比較した、化合物Iで処置したMSAマウスにおける歩幅長試験の成績を示すグラフである。
【図4A】ビヒクルで処理したマウスと比較した、化合物Iで処置したMSAマウスにおける線条体黒質変性に対する効果を、SNcにおけるTH免疫陽性ニューロンの数で示したグラフである。
【図4B】ビヒクルで処理したマウスと比較した、化合物Iで処置したMSAマウスにおける線条体黒質変性に対する効果を、線条体におけるドパミン作動性終末におけるTH OD比で示したグラフである。
【図4C】ビヒクルで処理したマウスと比較した、化合物Iで処置したMSAマウスにおける線条体黒質変性に対する効果を、線条体におけるDARPP−32免疫反応性ニューロンの数で示したグラフである。
【図5A】ビヒクルで処理したマウスと比較した、化合物Iで処置したMSAマウスにおける、オリーブ橋小脳委縮症に対する効果を、下オリーブ核におけるニューロンの総数で示したグラフである。
【図5B】ビヒクルで処理したマウスと比較した、化合物Iで処置したMSAマウスにおける、オリーブ橋小脳委縮症に対する効果を、橋核におけるニューロンの総数で示したグラフである。
【図5C】ビヒクルで処理したマウスと比較した、化合物Iで処置したMSAマウスにおける、オリーブ橋小脳委縮症に対する効果を、プルキンエ細胞におけるmm3あたりのニューロンで示したグラフである。
【図6】ビヒクルで処理したマウスと比較した、MSAマウスを化合物Iで処置した場合の小グリア細胞活性化の抑制を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多系統委縮症を処置する薬剤を製造するための、MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項2】
ハンチントン病を処置する薬剤を製造するための、MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項3】
神経保護用の薬剤を製造するための、MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項4】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩が:
1−ブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−フルオロ−ベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ピペリジン−3−イルメチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ブチル−4−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−オン;
1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(3−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−{[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−6−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(4,5−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
7−ブロモ−1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;及び
1−(3−クロロフェニル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩が:
1,3−ジイソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
1,3−ジブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−1,8−ジメチル−6−チオキサンチン;
3−(2−メチルブチル)−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−2,6−ジチオキサンチン;
3−イソブチル−8−メチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−7−メチル−2−チオキサンチン;
3−シクロヘキシルメチル−2−チオキサンチン;
3−(3−メトキシプロピル)−2−チオキサンチン;
3−シクロプロピルメチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−1−メチル−2−チオキサンチン;
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;
3−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキサンチン;
3−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキサンチン;
3−(2−フリル−メチル)−2−チオキサンチン;
3−(4−メトキシベンジル)−2−チオキサンチン;
3−(4−フルオロベンジル)−2−チオキサンチン;
3−フェネチル−2−チオキサンチン;
(+)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;
(−)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;及び
3−n−ブチル−2−チオキサンチン
より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩が:
3−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(ピリジン−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(ピリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{[3−エトキシ−4−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(2−ブチル−4−クロロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン及び
3−[(4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(1H−ピラゾール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−メチルピラジン−2−イル)メチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3−イソプロピルイソオキサゾール−5−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(6−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(4−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−(ピリジン−2−イルメトキシ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(1−メチル−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−フェニル−2−ピリジン−2−イルエチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(キノリン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(6−フェノキシピリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(キノリン−4−イルメチル)アミノ]エチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}エチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[メチル(キノリン−4−イルメチル)アミノ]エチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−アミノプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[(ピリジン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−[2−({[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−(2−{[(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(キノリン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[(キノリン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−tert−ブチル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−3−チエニル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ]プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−(2−{[(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(4−sec−ブチルフェニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[2,5−ジメチル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)−1H−ピロール−3−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[4−(3−クロロベンゾイル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
2−チオキソ−3−{2−[(1H−1,2,3−トリアゾール−5−イルメチル)アミノ]プロピル}−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(ベンジルオキシ)−1H−イミダゾール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(6−ブロモ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]アミノ}プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[({1−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ニコチンアミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)−エチル]イソニコチンアミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]−1,8−ナフチリジン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]キノリン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ピリミジン−2−カルボキサミド;及び
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド トリフルオロ酢酸塩
より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の日用量が、1〜1000mgの範囲内である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
多系統委縮症を処置する方法であって、薬学的かつ薬理学的に有効な量のMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩を、該処置を必要とする対象に投与する、方法。
【請求項9】
ハンチントン病を処置する方法であって、薬学的かつ薬理学的に有効な量のMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩を、該処置を必要とする対象に投与する、方法。
【請求項10】
神経保護の方法であって、薬学的かつ薬理学的に有効な量のMPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩を、該処置を必要とする対象に投与される、方法。
【請求項11】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩が:
1−ブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−フルオロ−ベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ピペリジン−3−イルメチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ブチル−4−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−オン;
1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(3−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−{[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−6−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(4,5−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
7−ブロモ−1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;及び
1−(3−クロロフェニル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
より選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩が:
1,3−ジイソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
1,3−ジブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−1,8−ジメチル−6−チオキサンチン;
3−(2−メチルブチル)−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−8−メチル−6−チオキサンチン;
3−イソブチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−2,6−ジチオキサンチン;
3−イソブチル−8−メチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−7−メチル−2−チオキサンチン;
3−シクロヘキシルメチル−2−チオキサンチン;
3−(3−メトキシプロピル)−2−チオキサンチン;
3−シクロプロピルメチル−2−チオキサンチン;
3−イソブチル−1−メチル−2−チオキサンチン;
3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;
3−(2−メトキシ−エチル)−2−チオキサンチン;
3−(3−(1−モルホリニル)−プロピル)−2−チオキサンチン;
3−(2−フリル−メチル)−2−チオキサンチン;
3−(4−メトキシベンジル)−2−チオキサンチン;
3−(4−フルオロベンジル)−2−チオキサンチン;
3−フェネチル−2−チオキサンチン;
(+)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;
(−)−3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン;及び
3−n−ブチル−2−チオキサンチン
より選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩が:
3−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(ピリジン−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(ピリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{[3−エトキシ−4−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(2−ブチル−4−クロロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン及び
3−[(4−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(1H−ピラゾール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(5−メチルピラジン−2−イル)メチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3−イソプロピルイソオキサゾール−5−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(6−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(4−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−(ピリジン−2−イルメトキシ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(1−メチル−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−フェニル−2−ピリジン−2−イルエチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(キノリン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[(6−フェノキシピリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(キノリン−4−イルメチル)アミノ]エチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}エチル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[メチル(キノリン−4−イルメチル)アミノ]エチル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−アミノプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[(ピリジン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−[2−({[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−(2−{[(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(キノリン−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[(キノリン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−tert−ブチル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−3−チエニル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ]プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−{2−[({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン トリフルオロ酢酸塩;
3−(2−{[(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(4−sec−ブチルフェニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[2,5−ジメチル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)−1H−ピロール−3−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[4−(3−クロロベンゾイル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(1−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}プロピル)−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
2−チオキソ−3−{2−[(1H−1,2,3−トリアゾール−5−イルメチル)アミノ]プロピル}−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−[2−({[1−(ベンジルオキシ)−1H−イミダゾール−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−(2−{[(6−ブロモ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]アミノ}プロピル}−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
3−{2−[({1−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]−1H−ピロール−2−イル}メチル)アミノ]プロピル]−2−チオキソ−1,2,3,7−テトラヒドロ−6H−プリン−6−オン;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ニコチンアミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)−エチル]イソニコチンアミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]−1,8−ナフチリジン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]キノリン−2−カルボキサミド;
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]ピリミジン−2−カルボキサミド;及び
N−[1−メチル−2−(6−オキソ−2−チオキソ−1,2,6,7−テトラヒドロ−3H−プリン−3−イル)エチル]−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド トリフルオロ酢酸塩
より選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
MPO阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩の日用量が、1〜1000mgの範囲内である、請求項8〜13のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−536849(P2010−536849A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521817(P2010−521817)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050950
【国際公開番号】WO2009/025618
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】