説明

ハードディスク記録装置

【課題】 HDDの状態を管理して、故障を予め検出することができるハードディスク記録装置を提供する。
【解決手段】 ユーザが操作部22を操作して、所望の時間と自己診断を実行する周期を入力することで、ユーザの所望の時間にHDD12の自己診断を定期的に実行するように設定できる。また、ハードディスクレコーダ1は、ユーザの使用状況についてデータを集計する機能を備えており、ユーザが録画予約を行った時間帯、HDD12やDVD記録再生部11を使用した時間帯を記録し、ユーザが自己診断の開始時間を設定しない場合には、ユーザの使用状況の集計データに基づいて、ユーザの使用が最も少ない時間帯にHDD12の自己診断を定期的に行うように自動的に設定できる。これにより、HDD12の故障する前に、データのバックアップ作業を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツデータを記憶・再生するハードディスク記録装置の故障防止に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータに代表される情報処理装置には、データの記憶装置として磁気記憶装置であるハードディスクドライブ(以下、HDDと称する。)が設けられている。HDDは、小型のディスクを高速回転させながらディスク上に高密度に情報を記録する精密機器であり、振動や衝撃などにより故障することも多い。HDDが故障すると、記録した情報を全く読み出すことができなくなることもあり、HDDに記録したデータのバックアップを行っていない場合には、すべてのデータが消失してしまうため大きな問題となる。
【0003】
そこで、従来、破壊セクタ数、破壊セクタ番号、代替えセクタ番号、リードエラーの割合、電源のON/OFF回数などHDDの状態管理情報であるSMART(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology )情報に基づいて自己診断を行い、予測可能な障害を検知する機能であるSMART機能付きのHDDが提案されている。
【0004】
SMART機能付きのHDDは、SMART情報に異常があった場合にはSMARTエラーを出力する。SMARTエラーは、HDDに障害発生の危険性があるときに出力されるので、その時点では大抵の場合HDDは正常動作している。そのため、このSMARTエラーが発生した段階で、必要なデータをバックアップするとともにHDDを交換することで、データの消失を防止できる。データを保護することができる。
【0005】
また、従来、遠隔地に設置した子局の磁気記憶装置の詳細な状態を監視するために、親局が子局の自己解析情報(SMART情報)を収集して、子局の磁気記憶装置の詳細な動作状態を監視し、磁気記憶装置に異常が発生する前に回避対策を講じることができる磁気記憶装置の状態管理システムがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−233511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
HDDを備えた家電機器としては、ハードディスクレコーダ(HDDビデオレコーダ)や、記録型DVDドライブやビデオテープレコーダを備えたハードディスクレコーダ複合機が普及しつつある。
【0007】
これらの装置は、使用中にHDDで異常が発生するとエラーメッセージを表示するが、自己診断機能を備えていない。そのため、ユーザは、エラーメッセージが表示されるまで装置の状態を把握することができず、突然HDDが故障して装置が動かなくなるため、HDDに障害発生の危険性があることを事前に知ることができず、非常に不便であった。また、HDDの故障の程度によっては、最悪の場合、HDDに記録したテレビ番組などのコンテンツ情報をすべて失ってしまうことがあった。
【0008】
そこで、本発明は、HDDの状態を管理して、故障を予め検出することができるハードディスク記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(1)放送中の番組を受信する受信手段と、
録画予約開始時刻を含む録画予約データの入力を受け付ける予約データ受付手段と、
前記予約データ受付手段が受け付けた録画予約データを記憶する予約データ記憶手段と、
前記予約データ記憶手段が記憶する録画予約データに基づいて前記受信手段が受信する番組をハードディスクに録画する録画手段と、を備えたハードディスク記録装置において、
前記録画手段はハードディスクの異常の有無を検出する自己診断機能を有し、
本体に内蔵されたタイマが計時している現在時刻が自己診断開始時刻になったときに、装置本体が待機状態で、かつ次回の録画予約の開始時刻までに自己診断に要する時間以上の余裕があると、前記録画手段に自己診断を実行させ、
装置本体が待機状態でないか、または次回の録画予約の開始時刻までに自己診断に要する時間以上の余裕がないと、前記録画手段に自己診断を実行させない制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、ハードディスク記録装置は、本体に内蔵されたタイマが計時している現在時刻が自己診断開始時刻になったときに、装置本体が待機状態で、かつ次回の録画予約の開始時刻までに自己診断に要する時間以上の余裕があると、録画手段に自己診断を実行させ、装置本体が待機状態でないか、または次回の録画予約の開始時刻までに自己診断に要する時間以上の余裕がないと、録画手段に自己診断を実行させない。したがって、ハードディスクの自己診断を実行する時間の余裕がない場合には、自己診断を実行せずに録画予約を優先するので、問題なく録画を行うことができる。また、ハードディスクの自己診断を実行する時間の余裕がある場合には、確実に自己診断を実行するので、ハードディスクに異常が発生しているかどうかを確実に把握することができる。
【0012】
(2)装置本体の待機状態を設定・解除する待機状態設定手段を備え、
前記制御手段は、前記録画手段の自己診断中に装置本体の待機状態が解除されると、自己診断を中止させることを特徴とする。
【0013】
この構成においては、録画手段の自己診断中に装置本体の待機状態が解除されると、ハードディスクの自己診断を中止させるので、ユーザがハードディスク記録装置を使用する際には、すぐに使用することができる。
【0014】
(3)装置本体が待機状態である時間帯のデータを一定期間分記憶する待機時間記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記待機時間記憶手段が記憶するデータに基づいて、自己診断開始時刻を設定することを特徴とする。
【0015】
この構成においては、待機時間記憶手段が記憶する装置本体が待機状態である時間帯の一定期間分のデータに基づいて、自己診断開始時刻を設定する。したがって、ユーザがハードディスク記録装置を使用していない時間帯にハードディスクの自己診断を実行するように設定でき、ユーザはハードディスクの自己診断の実行を気にすることなくハードディスク記録装置を使用することができる。
【0016】
(4)前記制御手段は、前記録画手段の自己診断中に待機状態が解除されると、自己診断を中止させるとともに、前記待機時間記憶手段が記憶するデータに基づいて、自己診断開始時刻を再設定することを特徴とする。
【0017】
この構成においては、録画手段の自己診断中に待機状態が解除されると、待機時間記憶手段が記憶するデータに基づいて自己診断開始時刻を再設定されるので、ユーザはハードディスクの自己診断の実行を気にすることなくハードディスク記録装置を使用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のハードディスク記録装置は、定期的にHDDの自己診断を行って、HDDの状態を把握するので、HDDに障害発生の危険性があることを事前に知ることができ、HDDの故障前に対策を講じることができる。また、本発明のハードディスク記録装置は、ユーザが装置を使用していない時間を選択して自己診断を行うように設定することができるので、ユーザはハードディスク記録装置の自己診断を設定しなくても自動的に自己診断させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本実施の実施形態に係る光ディスク記録装置の概略構成を示したブロック図である。DVDドライブ内蔵型のハードディスク記録装置であるハードディスクレコーダ1は、DVD記録再生部11、HDD(ハードディスクドライブ)12、アンテナ13に接続されたチューナ14、データ処理部15、入力端子16、出力端子17、出力端子18、制御部19、記憶部20、表示部21、及び操作部22を備えている。DVD記録再生部11は、図示を省略するがレーザ素子を備えた光ピックアップ、アクチュエータ、サーボ回路などを備えており、DVD−RやDVD−RWといった記録型のDVD10にデータを記録したり、再生型や記録型のDVD10に記録されたデータを読み取ったりする。HDD12は、チューナ14で受信したテレビ番組や入力端子16を介して他の映像出力機器から出力されたコンテンツの映像データや音声データを記憶する。
【0020】
チューナ14は、アンテナ13を介して、操作部22で選択されたチャンネルの放送を受信して、現在放送されている番組の映像や音声のデータをデータ処理部15へ出力する。
【0021】
データ処理部15は、チューナ14や入力端子16から送られてきた映像や音声を含むコンテンツデータをHDD12へ出力する。また、DVD記録再生部11から出力されたコンテンツデータやHDD12から読み出したコンテンツデータを、DVD記録再生部11や出力端子17,18へ出力する。入力端子16は、他の映像出力機器を接続して、この映像出力機器から出力されたコンテンツの映像データや音声データをデータ処理部15へ入力するための端子である。図1には、入力端子16にビデオデッキ3を接続した例を示している。
【0022】
出力端子17は、この端子に接続されたモニタ2へ、データ処理部15から映像データや音声データを出力するための端子である。
【0023】
出力端子18は、この端子に接続された映像記録機器へ、データ処理部15から映像データや音声データを出力するための端子である。図1には、入力端子16にハードディスクレコーダ4を接続した例を示している。
【0024】
制御部19は、ハードディスクレコーダ1の各部を制御する。また、制御部19は、現在の日時、曜日、時刻を計時するタイマ23を備えている。
【0025】
記憶部20は、ファームウェアやハードディスクレコーダ1で実行するプログラムなどを記憶している。表示部21は、ユーザに伝達する事項などを文字や画像で表示する。操作部22は、HDD12に記憶させる番組の設定、HDD12からDVD−R10へデータを記録する際の設定、チューナ14で受信するチャンネル設定などの操作を受け付けて、この操作に応じた信号を制御部19へ出力する。
【0026】
次に、ハードディスクレコーダ1の通常の機能について説明する。ハードディスクレコーダ1では、チューナ14で受信したテレビ番組や入力端子16に接続された映像再生機器から出力されたコンテンツのデータをHDD12に記憶させることができる。また、HDD12に記憶させたテレビ番組などコンテンツのデータを記録型のDVD10に記録することができる。さらに、HDD12に記憶させたテレビ番組などコンテンツ、DVD10に記録されたコンテンツ、チューナ14で受信したテレビ番組などのコンテンツを出力端子17に接続されたモニタ2に表示させることができる。加えて、ハードディスクレコーダ1は、チューナ14で受信したEPGに基づいて番組の録画予約を行うことができる。
【0027】
次に、ハードディスクレコーダ1のHDD12の自己診断機能について説明する。ハードディスクレコーダ1は、HDD12の自己診断を定期的に行う機能を備えている。
【0028】
ここで、HDD12は、自己診断機能を備えたものを使用すれば良いが、例えばSMART機能を備えたHDDを使用すると良い。また、この場合には、HDD12に自己診断コマンドとして、SMART execute Offline immediate コマンドを実行させるように設定しておくと良い。HDD12がSMART execute Offline immediate コマンドにより自己診断を行う場合には、ディスクの全領域を検査する。そのため、ディスクの容量によって自己診断の検査時間は異なり、例えば80ギガバイトのHDDでは検査時間は50分程度必要である。
【0029】
ハードディスクレコーダ1は、ユーザの所望の時間か、またはユーザの使用が最も少ない時間を自動的に判別して、定期的に自己診断を行うように設定されている。ハードディスクレコーダ1がユーザの所望の時間に自己診断を定期的に実行するように設定したい場合には、ユーザは操作部22を操作して、所望の時間と自己診断を実行する周期を入力すれば良い。これにより、ハードディスクレコーダ1は、定期的にHDD12の自己診断を実行する。ハードディスクレコーダ1には、自己診断を実行する周期として、任意の期間を設定することが可能であるが、例えば、ハードディスクレコーダ1の使用頻度が高く、毎日使用する場合には1,2週間毎に自己診断を行うように設定すると良い。また、ハードディスクレコーダ1の使用頻度が低く、週に1,2度程度の場合には1〜2ヶ月毎に自己診断を行うよう設定する良い。このようにすることで、ハードディスクレコーダ1の使用頻度に応じて、HDD12に障害発生の危険性があることを事前に知ることができる。
【0030】
また、ハードディスクレコーダ1は、ユーザの使用状況についてデータを集計する機能を備えており、ユーザが録画予約を行った時間帯、HDD12やDVD記録再生部11を使用した時間帯を記録している。そして、ユーザが自己診断の開始時間を設定しない場合には、ユーザの使用状況の集計データに基づいて、ユーザの使用が最も少ない時間帯にHDD12の自己診断を定期的に行うように自動的に設定する機能を備えている。
【0031】
ハードディスクレコーダ1は、ユーザが自己診断の開始時間を設定していない場合、まず使用が開始されてから1週間分の使用状況のデータを集計し、このデータに基づいて、ユーザの使用が最も少ない時間帯にHDD12の自己診断を1週間毎に行うように設定する。また、ハードディスクレコーダ1は、さらに使用状況のデータを集計して、使用開始から1ヶ月分の使用状況のデータに基づいて自己診断を実行する周期及び時間を設定する。例えば、ハードディスクレコーダ1の使用頻度が高く毎日使用する場合には1週間毎に自己診断を行うように設定し、また、ユーザが番組の録画予約を行う時間帯、HDD12に記録した番組の再生を行う時間帯、DVDに記録・再生する時間帯などユーザがハードディスクレコーダ1を使用していない時間帯に自己診断を実行するように設定する。
【0032】
さらに、ハードディスクレコーダ1は、使用状況のデータを引き続き集計して、定期的に(例えば1ヶ月毎に)、自己診断を実行する周期及び時間の見直しを行い、最も使用頻度の少ない曜日・時間帯に自己診断を実行するように設定する。
【0033】
ハードディスクレコーダ1は、自己診断が完了すると、自動的にスタンバイ状態になるように設定されている。ハードディスクレコーダ1は、自己診断を実行して異常が検出されなかった場合(正常時)には、自己診断結果を検査日時の情報とともに記憶部20に記憶させて、スタンバイ状態に移行する。一方、ハードディスクレコーダ1は、自己診断を実行して異常を検出した場合には、正常時と同様に、自己診断結果を検査日時の情報とともに記憶部20に記憶させてた状態でスタンバイ状態となる。そして、制御部19は、操作部22の電源スイッチが操作されて起動された際に、自己診断結果を表示部21に表示させるとともに、データ処理部15から出力端子17に信号を出力させて、モニタ2に自己診断結果を表示させる。この段階では、HDD12に障害発生の危険性があるが、HDDは正常動作しているので、図1に示したように、出力端子18にハードディスクレコーダ4の入力端子を接続して、HDD12のバックアップ作業を行うことで、HDD12が故障してHDD12に記録したデータにアクセスできなくなるのを未然に防ぐことができる。
【0034】
ハードディスクレコーダ1は、上記のようにユーザの所望の時間、または最も使用頻度の少ない時間帯に自己診断を実行するが、ユーザが番組の録画を予約した時間帯と自己診断を実行する時間帯とが重なることが有り得る。また、ハードディスクレコーダ1が自己診断を実行する時間帯と、ユーザが使用したい時間帯とが重なることも有り得る。このような場合、ハードディスクレコーダ1の制御部19は、自己診断を実行する直前や実行中の場合には、自己診断を中止して、自己診断の実行時間帯を別の時間帯に変更する。
【0035】
制御部19は、自己診断の実行時間帯を変更する場合には、ユーザが予約時間を設定した際やユーザが操作部22の電源スイッチを操作した際に、自己診断を実行する時間を設定するように促す表示を、表示部21及びデータ処理部15から出力端子17へ信号を出力させてモニタ2へ表示させるとともに、表示部21へ表示させる。制御部19は、操作部22が操作されて新たな自己診断の実行時間が設定されると、その時間帯に自己診断を実行する。
【0036】
また、制御部19は、自己診断の実行時間帯に録画予約や電源スイッチが操作された場合に、自己診断の実行時間帯を自動的に再設定するように予め設定されていると、ユーザの使用状況の集計データに基づいて自己診断の実行時間を再設定する。すなわち、制御部19は、録画予約が行われると、自己診断の実行時間帯を確認し、双方の時間帯が重なる場合には、ユーザの使用状況の集計データを参照して、ユーザの使用頻度が少なく自己診断の実行時間帯に最も近い曜日・時間帯を選択して、この時間帯に自己診断を実行するように設定する。これにより、HDD12の自己診断を一端中止した場合でもHDD12の異常を早期に発見することが可能となる。
【0037】
ハードディスクレコーダ1は、上記のような機能を備えているので、HDD12の自己診断をユーザの所望の時間に実行させることができる。また、ハードディスクレコーダ1は、ユーザが自己診断を実行する時間を設定しなかった場合には、使用状況のデータを集計して最も使用頻度の少ない時間帯に自己診断を実行するように時間設定を行うので、ユーザはHDD12の自己診断を実行することを忘れている場合でも、自己診断機能を実行させることができる。
【0038】
さらに、ハードディスクレコーダ1は、録画予約の時間が自己診断の実行時間帯と重なったり、自己診断の実行時間帯に電源が投入された場合には、自己診断の時間帯を変更するので、ユーザは、HDD12の自己診断を気にせずに自由にハードディスクレコーダ1を使用することができる。
【0039】
次に、ハードディスクレコーダ1の自己診断時の処理についてフローチャートに基づいて説明する。図2は、光ディスク記録装置の自己診断時の処理を説明するためのフローチャートである。
【0040】
ハードディスクレコーダ1には、予めユーザにより自己診断開始時刻が設定されているか、または、ユーザの使用状況のデータに基づいて自動的に自己診断開始時間が設定されている。また、HDD12の自己診断実行時間は50分かかるものとする。
【0041】
ハードディスクレコーダ1の制御部19は、自己診断開始時間になると(s1)、まず装置本体の状態を確認する。すなわち、スタンバイ状態であるか否か(s2)、及び録画予約の開始時刻までに50分以上余裕があるが否か(s3)を確認する。そして、制御部19は、スタンバイ状態でない場合、及び録画予約の開始時刻までに50分以上余裕がない場合には、自己診断を中止し(s11)、ユーザの使用状況のデータに基づいて自動的に自己診断開始時間を再設定する(s12)。そして、自己診断処理を終了する。
【0042】
一方、制御部19は、装置本体がスタンバイ状態であり、録画予約の開始時刻までに50分以上余裕がある場合には、HDD12の自己診断を開始する(s4)。
【0043】
制御部19は、自己診断の実行中に操作部22の電源スイッチが操作されたことを検出した場合には(s5)、ステップs11以降の処理を実行する。また、制御部19は、自己診断の実行中に操作部22の電源スイッチの操作がない場合には、HDD12におけるすべての領域の検査(自己診断)が完了するまで、処理を続ける(s4〜s6)。
【0044】
制御部19は、HDD12の自己診断が完了すると、自己診断中に異常が検出されなかった場合(正常時)には、自己診断結果を検査日時の情報とともに記憶部20に記憶させて、スタンバイ状態に移行して(s8)、処理を終了する。一方、制御部19は、ステップs19において自己診断中に異常を検出した場合には、正常時と同様に、自己診断結果を検査日時の情報とともに記憶部20に記憶させるとともに、操作部22の電源スイッチが操作されて起動された際に、自己診断結果を表示部21に表示させるとともに、データ処理部15から出力端子17に信号を出力させて、モニタ2に自己診断結果を表示させるように設定してからスタンバイ状態に移行して(s9)、処理を終了する。
【0045】
以上のように、本発明の実施形態に係るハードディスクレコーダ1では、HDD12の自己診断をユーザの所望の時間に実行させることができる。また、ハードディスクレコーダ1は、ユーザが自己診断を実行する時間を設定しなかった場合には、使用状況のデータを集計して最も使用頻度の少ない時間帯に自己診断を実行するように時間設定を行うので、ユーザはHDD12の自己診断を実行することを忘れている場合でも、自己診断機能を実行させることができる。さらに、ハードディスクレコーダ1は、録画予約の時間が自己診断の実行時間帯と重なったり、自己診断の実行時間帯に電源が投入された場合には、自己診断の時間帯を変更するので、ユーザは、HDD12の自己診断を気にせずに自由にハードディスクレコーダ1を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施の実施形態に係る光ディスク記録装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】光ディスク記録装置の自己診断時の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1−ハードディスクレコーダ 2−モニタ 3−ビデオデッキ
4−ハードディスクレコーダ 11−記録再生部 12−HDD
13−アンテナ 14−チューナ 15−データ処理部
16−入力端子 17,18−出力端子 19−制御部
20−記憶部 21−表示部 22−操作部 23−タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送中の番組を受信する受信手段と、
録画予約開始時刻を含む録画予約データの入力を受け付ける予約データ受付手段と、
前記予約データ受付手段が受け付けた録画予約データを記憶する予約データ記憶手段と、
前記予約データ記憶手段が記憶する録画予約データに基づいて前記受信手段が受信する番組をハードディスクに録画する録画手段と、を備えたハードディスク記録装置において、
前記録画手段はハードディスクの異常の有無を検出する自己診断機能を有し、
装置本体の待機状態を設定・解除する待機状態設定手段と、
装置本体が待機状態である時間帯のデータを一定期間分記憶する待機時間記憶手段と、
本体に内蔵されたタイマが計時している現在時刻が自己診断開始時刻になったときに、装置本体が待機状態で、かつ次回の録画予約の開始時刻までに自己診断に要する時間以上の余裕があると、前記録画手段に自己診断を実行させ、
装置本体が待機状態でないか、または次回の録画予約の開始時刻までに自己診断に要する時間以上の余裕がないと、前記録画手段に自己診断を実行させ、
前記録画手段の自己診断中に装置本体の待機状態が解除されると、自己診断を中止させるとともに、前記待機時間記憶手段が記憶するデータに基づいて、自己診断開始時刻を再設定し、
前記待機時間記憶手段が記憶するデータに基づいて、自己診断開始時刻を設定する制御手段と、
を備えたことを特徴とするハードディスク記録装置。
【請求項2】
放送中の番組を受信する受信手段と、
録画予約開始時刻を含む録画予約データの入力を受け付ける予約データ受付手段と、
前記予約データ受付手段が受け付けた録画予約データを記憶する予約データ記憶手段と、
前記予約データ記憶手段が記憶する録画予約データに基づいて前記受信手段が受信する番組をハードディスクに録画する録画手段と、を備えたハードディスク記録装置において、
前記録画手段はハードディスクの異常の有無を検出する自己診断機能を有し、
本体に内蔵されたタイマが計時している現在時刻が自己診断開始時刻になったときに、装置本体が待機状態で、かつ次回の録画予約の開始時刻までに自己診断に要する時間以上の余裕があると、前記録画手段に自己診断を実行させ、
装置本体が待機状態でないか、または次回の録画予約の開始時刻までに自己診断に要する時間以上の余裕がないと、前記録画手段に自己診断を実行させない制御手段を備えたことを特徴とするハードディスク記録装置。
【請求項3】
装置本体の待機状態を設定・解除する待機状態設定手段を備え、
前記制御手段は、前記録画手段の自己診断中に装置本体の待機状態が解除されると、自己診断を中止させる請求項2に記載のハードディスク記録装置。
【請求項4】
装置本体が待機状態である時間帯のデータを一定期間分記憶する待機時間記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記待機時間記憶手段が記憶するデータに基づいて、自己診断開始時刻を設定する請求項2または3に記載のハードディスク記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記録画手段の自己診断中に待機状態が解除されると、自己診断を中止させるとともに、前記待機時間記憶手段が記憶するデータに基づいて、自己診断開始時刻を再設定する請求項4に記載のハードディスク記録装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−18963(P2006−18963A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197870(P2004−197870)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】