説明

バイオセンサー

【課題】それぞれ異なる複数の成分で構成された周辺物質等を誘電率に従う電気的成分に分離して分析するようにすることである。
【解決手段】バイオセンサーは、ゲート端子がワードラインに連結され、ドレイン端子がセンシングビットラインに連結されたトランジスタ素子Tと、第1の電極がセンシングプレートラインに連結され、第2の電極がトランジスタ素子Tのソース端子に連結されるセンシングキャパシタS_Cと、を備え、センシングキャパシタS_Cの静電容量に従い異なる誘電率をセンシングし、トランジスタ素子Tを介して出力されるセンシング電圧が互いに異なる値を有することになることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオセンサーに関し、誘電率感知センサーを利用し、電気的特性に従って周辺物質の成分を分析することができるようにする技術である。
【背景技術】
【0002】
現在、殆どの半導体メモリ製造会社等は、次世代記憶素子の1つとして強磁性体物質を利用したMTJ(Magnetic Tunnel Junction;磁気トンネル接合)素子、GMR(Giant Magneto Resistance;巨大磁気抵抗)素子等を開発している(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
先ず、MTJ素子はスピン磁気透過現象を利用するもので、絶縁層を挟んだ2つの磁性層でスピン方向が同一の場合が、異なる場合より電流透過が遥かに良く発生するという原理を適用したものである。そして、GMR素子は巨大磁気抵抗現象を利用したもので、非磁性層を挟んだ2つの磁性層でのスピン方向が異なる場合が、同一の場合より抵抗が大きく変わる原理を適用したものである。
【0004】
図85及び図86は、従来のMTJ素子の動作原理を示す図である。
MTJ素子は可変強磁性層(Free Magnetic Layer)1、トンネル接合層(Tunnel Junction Layer)2及び固定強磁性層(Fixed Magnetic Layer)3で形成される。
【0005】
MTJ素子は、固定強磁性層3の磁力線が周辺物質を介して可変強磁性層1に伝達されるとき、中間に形成された周辺物質毎に磁化率が異なることを利用して互いに異なる磁気抵抗の変化値を得ることができるようになる。すなわち、磁束密度B=μH(ここで、μ;磁化率、H;磁束)で表われるが、磁化率μに従ってそれぞれ異なる磁束密度Bの値を得ることができる。
【0006】
ここで、図85に示されているように固定強磁性層3と可変強磁性層1との間に大きい磁化率μを有する物質が存在すれば、可変強磁性層1の磁束密度Bは大きい値を有することになる。一方、図86に示されているように固定強磁性層3と可変強磁性層1との間に小さい磁化率μを有する物質が存在すれば、可変強磁性層1の磁束密度Bは小さい値を有することになる。したがって、固定強磁性層3と可変強磁性層1との間に備えられた周辺物質の磁化率μに従ってそれぞれ異なる磁気抵抗の値を得ることができるようになる。
【0007】
図87は、周辺物質の成分に伴う磁化率分類特性分析表である。
磁化定数μは、周辺物質の成分の種類に従ってそれぞれ異なる特性を示し、周辺物質の成分の大きさに従ってそれぞれ異なる特性を示すことが分かる。
【0008】
また、図88は、一般的なキャパシタ静電容量を説明するための図である。
キャパシタは第1の電極4と第2の電極5を備え、第1の電極4と第2の電極5の間の距離dと、キャパシタの面積Sに従い相違する誘電定数εを有することになる。すなわち、静電容量C=εS/d(ここで、Sはキャパシタの面積、dは2つの電極間の距離)になる。したがって、静電容量Cは誘電定数εとキャパシタの面積Sに比例し、2つの電極間の距離dと反比例する。
【0009】
図89は、前述のキャパシタの電圧伝達特性を説明するための図である。駆動プレートラインPLと接地電圧端との間に備えられた2つのキャパシタの静電容量をそれぞれC1,C2とし、2つのキャパシタ間のノード電圧をVsとする。そして、2つのキャパシタにかかる駆動電圧を駆動プレート電圧V_PLとする。このとき、ノード電圧Vs={C1/(C1+C2)}×V_PLになる。ここで、ノード電圧Vsは静電容量C1に比例し、静電容量C2に反比例する関数である。
【0010】
図90は、誘電定数εが周辺物質の成分の種類及び大きさに従ってそれぞれ異なる特性を示しているのを示す図である。
【0011】
一方、生活条件の向上により人間の周辺環境又は生命延長に関する関心が日増しに増大している。そして、人間の生命を脅かす疾病が発生した以後これを治療するよりは予想される疾病を予め予防し、環境汚染の問題等を事前に防止しようとする努力が大きくなっている。
【0012】
このため、各種の疾病、公害及び有害物質の原因要素等を予め感知するシステムが必要となった。このような傾向に歩調を合わせてバイオセンサー等は既存のその他の物理、化学センサー等と共に周辺物質の分析方法でさらに大きい比重を占めることになった。
【0013】
このような周辺物質感知システムを利用し、人間の疾病を検診するため血液中の成分を分析するセンシング方法、混合物の成分を分析するセンシング方法、又は皮膚認識のためのセンシング方法が主に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5793697号明細書
【特許文献2】米国特許第6128239号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、前述のセンシング方法等は主に物理的な分析方法又は化学的な成分分析方法に依存している実情である。したがって、テストのため多くの装備及び費用が必要であるだけでなく、テストのための時間が長くかかることになって短時間内に多様な周辺物質の成分を分析することができなくなるという問題点がある。
【0016】
したがって、短時間に多様な周辺物質の成分を分析するため、前述の磁気抵抗センサー又は巨大磁気抵抗センサーを利用して周辺物質の成分を定量的に分析する方法の必要性が次第に大きくなった。さらに、前述のキャパシタの誘電率が周辺物質の種類及び大きさに従って異なることを利用し、周辺物質の成分を定量的に分析する方法の必要性が次第に大きくなった。
【0017】
本発明は、前述のような問題点を解決するためなされたもので、次のような目的を有する。
本発明の目的は、それぞれ異なる周辺物質の成分の種類及び大きさに従って互いに異なる数値を有する誘電率をセンシングし、周辺物質の成分を電気的成分に分析することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
ゲート端子がワードラインに連結され、ドレイン端子がセンシングビットラインに連結されたトランジスタ素子と、
第1の電極がセンシングプレートラインに連結され、第2の電極が前記トランジスタ素子のソース端子に連結されるセンシングキャパシタと、を備え、
前記センシングキャパシタの静電容量に従い異なる誘電率をセンシングし、前記トランジスタ素子を介して出力されるセンシング電圧が互いに異なる値を有することになることを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバイオセンサーにおいて、
前記トランジスタ素子及び前記センシングビットラインの上部に形成されて素子等を絶縁させるオキシド保護層をさらに備えることを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバイオセンサーにおいて、
前記センシングキャパシタは、前記第1の電極と第2の電極との間にセンシングホールを形成し、
前記第1の電極及び第2の電極間の距離に従い周辺物質の成分の大きさを分類し、前記センシングホールの面積に従い前記周辺物質の成分の量を分類することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、センシングセルアレイを介して速やかな時間内に周辺物質の多様な成分を同時に分析することができるようにする。すなわち、バイオセンサー、混合物成分分析センサー、皮膚認識センサーに適用されて多様な周辺物質の成分をナノセカンドの時間レベルで分析することができるようになる。
さらに、センシングセルアレイのチップのサイズが小さいため、テストのためのサンプルの試料を節約することができるようにするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るバイオセンサー及びこれを利用したセンシングセルアレイの概念図である。
【図2】本発明に係るバイオセンサーを利用したセンシングセルアレイのパッケージ及びセンシングシステムの構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係るバイオセンサーが磁化ペア感知センサーで構成される場合の、MTJ素子を利用した磁化ペア感知センサーの断面構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質(空気)に従う基本動作特性を示す図である。
【図5】本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質(血液)に従う基本動作特性を示す図である。
【図6】MTJ素子を利用した磁化ペア感知センサーのセンスワードライン電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
【図7】MTJ素子を利用した磁化ペア感知センサーのセンスワードライン電圧の変化に伴う成分分離が一層大きい場合の成分分離を示す図である。
【図8】第1の実施の形態に係るGMR素子を利用した磁化ペア感知センサーの基本構成を示す図である。
【図9】図8に示す磁化ペア感知センサーの平面構成を示す図である。
【図10】図8に係る構成においてA−A’面で切断したときの、GMR素子を利用した磁化ペア感知センサーの基本的な断面構成を示す図である。
【図11】GMR素子を利用した磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質(空気)に従う基本動作特性を示す図である。
【図12】GMR素子を利用した磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質(血液)に従う基本動作特性を示す図である。
【図13】GMRを利用した磁化ペア感知センサーのセンスワードライン電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
【図14】GMRを利用した磁化ペア感知センサーのセンスワードライン電圧の変化に伴う成分分離が一層大きい場合の成分分離を示す図である。
【図15】第1の実施の形態に係る磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイを示す図である。
【図16】第1の実施の形態に係る磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
【図17】第1の実施の形態に係る磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイのさらに他の変形例を示す図である。
【図18】第1の実施の形態に係る磁化ペア感知センサーの周辺物質の成分分析表である。
【図19】第1の実施の形態に係る磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイにおけるリード時の動作タイミング図である。
【図20】第2の実施の形態に係る磁性物質を利用したMTJ素子を利用した磁気抵抗センサーの断面構成を示す図である。
【図21】第2の実施の形態に係る電流ラインを利用したMTJ素子を利用した磁気抵抗センサーの断面構成を示す図である。
【図22】第2の実施の形態に係る磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質(空気)に従う動作特性を示す図である。
【図23】第2の実施の形態に係る磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質(バイオ物質)に従う動作特性を示す図である。
【図24】図20に係る構造を有する磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンスワードライン電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
【図25】図20に係る構造を有する磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンスワードライン電圧の変化に伴う成分分離が一層大きい場合の成分分離を示す図である。
【図26】図21に係る構造を有する電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンスワードライン(又は、フォーシングワードライン)電圧変化に伴う成分分離を示す図である。
【図27】図21に係る構造を有する電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンスワードライン(又は、フォーシングワードライン)電圧変化に伴う成分分離が一層大きい場合の成分分離を示す図である。
【図28】第2の実施の形態に係る磁性物質を利用した磁気抵抗センサーに関するレイアウト構成を示す図である。
【図29】第2の実施の形態に係る電流ラインを利用した磁気抵抗センサーに関するレイアウト構成を示す図である。
【図30】図20に示されている磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイを示す図である。
【図31】磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
【図32】図21に示されている電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイを示す図である。
【図33】電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
【図34】磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンシング出力値に従い得られる成分分析表である。
【図35】電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンシング出力値に従い得られる成分分析表である。
【図36】磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
【図37】電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
【図38】第3の実施の形態に係る磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーの構成を示す断面図である。
【図39】第3の実施の形態に係る磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーの構成を示す平面図である。
【図40】図38及び図39に係る構成においてA−A’面及びB−B’面で切断したときの、磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーの基本的な断面構成を示す図である。
【図41】巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質(空気)に従う動作特性を示す図である。
【図42】巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質(血液)に従う動作特性を示す図である。
【図43】磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーのセンスワードライン電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
【図44】磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーのセンスワードライン電圧の変化に伴う成分分離が一層大きい場合の成分分離を示す図である。
【図45】第3の実施の形態に係るフォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーの構成を示す図である。
【図46】図45に係る構成においてA−A’面で切断したときの、フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーの基本的な断面構成を示す図である。
【図47】フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質(空気)に従う動作特性を示す図である。
【図48】フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質(血液)に従う動作特性を示す図である。
【図49】フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーのフォーシングワードライン電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
【図50】フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーのフォーシングワードライン電圧の変化に伴う成分分離が大きい場合の成分分離を示す図である。
【図51】第3の実施の形態に係る磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイを示す図である。
【図52】第3の実施の形態に係るフォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイを示す図である。
【図53】磁性物質を利用したセンシングセルアレイのレイアウト構成を示す図である。
【図54】フォーシングワードラインを利用したセンシングセルアレイのレイアウト構成を示す図である。
【図55】磁性物質を利用したセンシングセルアレイのセンシング出力値に従い得られる成分分析表である。
【図56】フォーシングワードラインを利用したセンシングセルアレイのセンシング出力値に従い得られる成分分析表である。
【図57】磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
【図58】フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
【図59】第4の実施の形態に係る大きい磁化率物質を用いる場合の磁化ホール感知センサーの基本的な構成を示す図である。
【図60】第4の実施の形態に係る小さい磁化率物質を用いる場合の磁化ホール感知センサーの基本的な構成を示す図である。
【図61】第4の実施の形態に係るMTJ素子を利用した磁化ホール感知センサーの断面構成を示す図である。
【図62】第4の実施の形態に係るMTJ素子を利用した磁化ホール感知センサーの平面構成を示す図である。
【図63】第4の実施の形態に係る磁化ホール感知センサーのセンシングホールの類型を説明するための図である。
【図64】MTJ素子を利用した磁化ホール感知センサーの小さいセンシングホール189の大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
【図65】MTJ素子を利用した磁化ホール感知センサーの大きいセンシングホール189の大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
【図66】第4の実施の形態に係るGMR素子を利用した磁化ホール感知センサーの断面構成を示す図である。
【図67】第4の実施の形態に係るGMR素子を利用した磁化ホール感知センサーの平面構成を示す図である。
【図68】GMR素子を利用した磁化ホール感知センサーの小さいセンシングホールの大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
【図69】GMR素子を利用した磁化ホール感知センサーの大きいセンシングホールの大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
【図70】第4の実施の形態に係る磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイを示す図である。
【図71】第4の実施の形態に係る磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
【図72】第4の実施の形態に係る磁化ホール感知センサーの成分分析表である。
【図73】第4の実施の形態に係る磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
【図74】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーの基本的な構成を示す図である。
【図75】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーの断面構成を示す図である。
【図76】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーの平面構成を示す図である。
【図77】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーのセンシングホールの類型を説明するための図である。
【図78】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーの小さいセンシングホールの大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
【図79】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーの大きいセンシングホールの大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
【図80】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーを利用したセンシングセルアレイを示す図である。
【図81】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーのセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
【図82】第5の実施の形態に係るセンシングビットラインと基準電圧レベルとの関係を説明するための図である。
【図83】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーの成分分析表である。
【図84】第5の実施の形態に係る誘電率感知センサーを利用したセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
【図85】従来の大きい磁化率物質を用いる場合のMTJ素子の動作原理を示す図である。
【図86】従来の小さい磁化率物質を用いる場合のMTJ素子の動作原理を示す図である。
【図87】周辺物質の成分に伴う磁化率分類特性分析表である。
【図88】一般的なキャパシタ静電容量を説明するための図である。
【図89】図88に示すキャパシタの電圧伝達特性を説明するための図である。
【図90】誘電定数εが周辺物質の成分の種類及び大きさに従ってそれぞれ異なる特性を示しているのを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態に対し詳しく説明する。
【0024】
図1は、本発明に係るバイオセンサーを利用したセンシングセルアレイの概念図である。
先ず、複数のバイオセンサーをN個のカラムとM個のローからなるセンシングセルアレイに配置し、センシングセルアレイからなるバイオセンサーチップをパッケージ或いはウェーハレベルで用意する。
【0025】
そして、周辺物質からなる成分測定データ等をそれぞれのバイオセンサーに露出させる。その後、バイオセンサーのセルアレイでそれぞれの成分測定データ等を測定し、血液成分の分析手段を利用して電気的に分析することになる。
ここで、周辺物質としては血液、ガス又はその他の溶液を用いることができ、本発明では血液成分をその実施の形態で説明する。
【0026】
図2は、本発明に係るバイオセンサーを利用したセンシングセルアレイのパッケージ及びセンシングシステムの構成を示す図である。
センシングシステムは、センシングされた血液の成分を分析する血液成分分析手段11と、バイオセンサー7及びそのセンシングセルアレイ6を搭載したセンシングパッケージ8を含む。センシングパッケージ8は、連結リード9を介して血液成分分析手段11上に取り付けられた連結ボード10上に位置するように連結される。さらに、センシングパッケージ8内のバイオセンサー7は連結線を介して連結リード9と連結される。
【0027】
したがって、バイオセンサー7からセンシングされた周辺物質の成分データが連結リード9及び連結ボード10を介して血液成分分析手段11に出力される。そして、血液成分分析手段11は測定された周辺物質の成分データを電気的成分に分離し、周辺物質の成分を定量的に分析することができるようになる。
【0028】
このような本発明に係るバイオセンサーは、磁化ペア感知センサー、磁気抵抗センサー、巨大磁気抵抗センサー、磁化ホール感知センサー又は誘電率感知センサーで構成することができる。これに基づき、本発明に係るバイオセンサーとしての5つのセンサーをその実施の形態で説明する。具体的には、以下、本発明に係る第1〜第5の実施の形態を順に説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る磁化ペア感知センサー及びこれを利用したセンシングセルアレイを、図3〜図19を参照して詳しく説明する。
【0030】
図3は、本実施の形態に係るバイオセンサーが磁化ペア感知センサーで構成される場合の、MTJ素子を利用した磁化ペア感知センサーの断面構成を示す図である。
本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーは、1つのスイッチング素子と1つのMTJ素子31を備える。
ここで、MTJ素子31は、可変強磁性層28、トンネル接合層29及び固定強磁性層30を備える。
【0031】
そして、スイッチング素子はNMOSトランジスタで構成されるが、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子20はコンタクトライン23を介してセンスビットライン26に連結される。NMOSトランジスタのゲート端子22はワードライン25と連結され、ソース端子21はコンタクトライン24を介してMTJ素子31の下部に形成されたバリヤー導電層32と連結される。
【0032】
さらに、MTJ素子31の上部可変強磁性層28にはセンスワードライン27が連結され、全体の素子等はオキシド保護層33により絶縁される。
このような構成を有する本実施の形態は、固定強磁性層30の磁力線が上部可変強磁性層28に伝達されるとき、磁化媒質の成分に従い異なって表われる磁力線の強度により互いに異なる磁気抵抗の値を測定する。
【0033】
図4及び図5は、本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質に従う基本動作特性を示す図である。
図4に示されているように、磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質が空気である場合、空気の磁化率が低いため可変強磁性層28の磁化密度が小さく、磁気抵抗が小さく表われる。一方、図5に示されているように磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質が血液である場合、血液の磁化率が空気より高いため可変強磁性層28の磁化密度が大きくなり、磁気抵抗が大きく表われる。
【0034】
図6及び図7は、MTJ素子を利用した磁化ペア感知センサーのセンスワードラインS_WL電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
先ず、センスワードライン27にセンシング電圧を印加すれば血液成分の分極特性により、図6に示されているように低いセンスワードライン27電圧から徐々に血液成分の分離が始まる。そして、図7に示されているように高いセンスワードライン27電圧では血液成分が一層大きいスペクトラムに分離される。
【0035】
したがって、2つのセンシング電極である固定強磁性層30と可変強磁性層28の周辺磁化媒質の磁化密度がセンスワードライン27の電圧値に従って異なることになり、センシング抵抗値が異なってセンシングされる。血液成分分析手段は、磁化ペア感知センサーからこのような互いに異なるセンシング抵抗値を測定して血液成分を定量的に分析することができるようになる。
【0036】
また、図8は、本実施の形態に係るGMR素子を利用した磁化ペア感知センサーの基本構成を示す図である。そして、図9は、このような磁化ペア感知センサーの平面構成を示す図である。
本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーは、1つのスイッチング素子と1つのGMR素子38を備える。
ここで、GMR素子38は、可変強磁性層35、伝導性抵抗体36及び固定強磁性層37を備える。
【0037】
そして、スイッチング素子はNMOSトランジスタで構成されるが、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子20はコンタクトライン23を介してセンスビットライン26に連結される。そして、ゲート端子22はワードライン25と連結され、ソース端子21はコンタクトライン24を介してGMR素子38の伝導性抵抗体36の一側の電極に連結される。
GMR素子38の伝導性抵抗体36の他の一側の電極にはセンスワードライン34が連結され、全体の素子等はオキシド保護層39により絶縁される。
【0038】
図10は、図8に係る構成においてA−A’面で切断したときの、GMR素子38を利用した磁化ペア感知センサーの基本的な断面構成を示す図である。
図10に係る基本断面構成はNMOSトランジスタのドレイン端子20と、センスビットライン26と、GMR素子38と、オキシド保護層39と、を示し、このような簡単な基本構成をその実施の形態で説明する。
このような構成を有する本実施の形態は、固定強磁性層37の磁力線が上部可変強磁性層35に伝達されるとき、磁化媒質に従い異なって表われる磁力線の強度により伝導性抵抗体36の抵抗値が決められる。
【0039】
図11及び図12は、GMR素子を利用した磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質に従う基本動作特性を示す図である。
図11に示されているように、磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質が空気である場合、空気の磁化率が低いため可変強磁性層35の磁化密度が小さく、磁気抵抗の値が小さく表われる。一方、図12に示されているように磁化ペア感知センサーの周辺磁化媒質が血液である場合、血液の磁化率が空気より高いため可変強磁性層35の磁化密度が大きくなり、磁気抵抗の値が大きく表われる。
【0040】
図13及び図14は、GMRを利用した磁化ペア感知センサーのセンスワードラインS_WL電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
先ず、センスワードライン34にセンシング電圧を印加すれば血液成分の分極特性により、図13に示されているように低いセンスワードライン34電圧から徐々に血液成分の分離が始まる。そして、図14に示されているように高いセンスワードライン34電圧では血液成分が一層大きいスペクトラムに分離される。
【0041】
したがって、2つのセンシング電極である固定強磁性層37と可変強磁性層35の周辺磁化媒質の磁化密度がセンスワードライン34の電圧値に従って異なることになり、センシング抵抗値が異なってセンシングされる。血液成分分析手段は、磁化ペア感知センサーからこのような互いに異なるセンシング抵抗値を測定して血液成分を定量的に分析することができるようになる。
【0042】
図15は、本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイを示す図である。
磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイは、ロー方向に複数のワードラインWL_1〜WL_mと複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mとが平行に配置される。そして、カラム方向には複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mと垂直に複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnが配置される。
【0043】
互いに交差する複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mと、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnとの間には複数の磁化ペア感知センサー40が備えられる。
1つの磁化ペア感知センサー40は、1つのスイッチング素子T及び1つのセンサーSを備える。ここで、センサーSはMTJ素子又はGMR素子で構成することができる。
【0044】
スイッチング素子Tのドレイン端子はセンスビットラインS_BLと連結され、ソース端子はセンサーSの一端と連結され、ゲート端子はワードラインWLと連結される。そして、センサーSの他の一端はセンスワードラインS_WLと連結される。
さらに、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnはこれと一対一に対応する複数のセンスアンプSA1〜SAnと連結される。複数のセンスアンプSA1〜SAnは、これと対応する複数の基準電圧REF_1〜REF_n及びセンスアンプイネーブル信号SENが入力され、センスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。ここで、それぞれの基準電圧REF_1〜REF_nはそれぞれ互いに異なる基準電圧値を有する。
【0045】
すなわち、磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイのそれぞれのカラムは、異なるレベルの基準電圧REF_1〜REF_nにより血液成分の特性が多様に分離及び分析されるようにする。
このような構成を有するセンシングセルアレイは、センスワードラインS_WLを介してセンサーSに互いに異なるバイアス電圧が印加される。センサーSは、周辺物質の磁化率に従って互いに異なる磁束密度の値をセンシングし、これに伴い互いに異なる電流を出力する。スイッチング素子Tは、ゲートにワードラインWL電圧が印加されればターンオンされ、センサーSを介してセンシングされた互いに異なる電流をセンスビットラインS_BLに出力する。
【0046】
センスアンプSAは、センスアンプイネーブル信号SENに応答しセンスビットラインS_BLから印加される電流を増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。そして、センスアンプSAは互いに異なる基準電圧REFに従い互いに異なるセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。したがって、磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイの全体的なそれぞれのローとそれぞれのカラムは、それぞれ異なる成分の特性を得ることになる。
【0047】
図16は、本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
図16に示すセンシングセルアレイは、図15に係る構成に比べて複数の電流調整部CC_1〜CC_mをさらに備える。電流調整部CCは、センスワードラインS_WLと接地電圧端との間に備えられ、センサーSの強磁性層に互いに異なる電流を印加する。したがって、センスワードラインS_WLの電圧だけでなく、センサーSに印加される電流の調整に伴って磁気抵抗の値を微細に調整することにより、センサーSの成分分析領域を広げるようにする。
【0048】
図17は、本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイのさらに他の変形例を示す図である。
図17に示すセンシングセルアレイは、図16に係る構成に比べて1つのセンスビットラインS_BLに複数のセンスアンプSA1〜SAmが連結されるのが相違する。1つのセンスビットラインS_BLに複数のセンスアンプSA1〜SAmが連結され、それぞれのセンスアンプSA1〜SAmにこれと対応する複数の互いに異なる基準電圧REF_1〜REF_mが入力される。
そして、複数のセンスアンプSA1〜SAmからそれぞれ出力される複数のセンスアンプ出力信号SA_OUTは、インコーダ501〜50nに出力されて周辺物質の成分分析のためインコーディングされる。
【0049】
以上のように、センシングセルアレイのそれぞれのセンシング出力値に従い、図18に示されているように磁化ペア感知センサーの周辺物質の成分分析表を得ることができるようになる。ここで、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mはセンスワードラインS_WLのバイアス電圧によりそれぞれの成分が分離される。そして、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnは互いに異なる複数の基準電圧REF_1〜REF_nによりそれぞれの成分が分離される。したがって、全体の磁化ペア感知センサーのセンシングセルアレイは周辺物質のそれぞれ異なる特性を分離して分析することができるようになる。
【0050】
図19は、本実施の形態に係る磁化ペア感知センサーを利用したセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
先ず、t1区間の進入時にワードラインWL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが活性化される。したがって、センサーSからセンシングされた互いに異なる磁気抵抗の値は、センスビットラインS_BLを介してそれぞれセンスアンプSAに出力される。
【0051】
その後、t2区間の進入時にセンスアンプイネーブル信号SENが活性化されると、センスアンプSAでセンシングされた互いに異なる磁気抵抗値をそれぞれ増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。
したがって、血液成分分析手段はセンシングセルアレイから出力されたそれぞれのセンスアンプ出力信号SA_OUTを分析して周辺物質の成分を分析することができるようになる。
【0052】
次に、t2区間以後にt3区間に進入すれば、ワードラインWL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが非活性化され、センスアンプイネーブル信号SENがディスエーブルされて動作を停止することになる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗センサー及びこれを利用したセンシングセルアレイを、図20〜図37を参照して詳しく説明する。
【0054】
図20及び図21は、本実施の形態に係るMTJ素子を利用した磁気抵抗センサーの断面構成を示す図である。
先ず、図20は磁性物質を利用した磁気抵抗センサーの断面図である。
図20に示す磁気抵抗センサーは、1つのスイッチング素子と、1つのMTJ素子71と、1つの磁性物質(Magnetic material)67とを備える。
【0055】
ここで、MTJ素子71は、センスワードラインS_WLに利用される可変強磁性層68、トンネル接合層69及び固定強磁性層70を備える。そして、スイッチング素子はNMOSトランジスタで構成されるが、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子60はコンタクトライン63を介してセンスビットライン66に連結される。NMOSトランジスタのゲート端子62はワードライン65と連結され、ソース端子61はコンタクトライン64を介してMTJ素子71の下部に形成されたバリヤー導電層72と連結される。
【0056】
さらに、MTJ素子71の可変強磁性層68の上部にはオキシド等の絶縁物質73で絶縁されており、可変強磁性層68と磁性物質67が磁気結合されてソーシング磁場(Sourcing magnetic field)を形成する。そして、全体の素子等はオキシド保護層74により絶縁される。したがって、本発明はセンスワードラインS_WLに利用される可変強磁性層68に流れる電流の変化により誘導される磁場の大きさが変化する。
【0057】
このような構成を有する本実施の形態に係る磁気抵抗センサーは、外部から電圧が印加されない場合も永久磁石からなる磁性物質67の特性により、可変強磁性層68と磁性物質67との間にソーシング磁場が誘導される。したがって、磁場に形成された磁化媒質の成分に従い互いに異なって表われる磁気抵抗の値を測定する。
【0058】
図21は、電流ラインを利用した磁気抵抗センサーの断面図である。
図21に示す磁気抵抗センサーは、1つのスイッチング素子と、1つのMTJ素子91と、1つの電流ライン(Current line)87とを備える。
【0059】
ここで、MTJ素子91は、センスワードラインS_WLに利用される可変強磁性層88、トンネル接合層89及び固定強磁性層90を備える。そして、スイッチング素子はNMOSトランジスタで構成されるが、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子80はコンタクトライン83を介してセンスビットライン86に連結される。NMOSトランジスタのゲート端子82はワードライン85と連結され、ソース端子81はコンタクトライン84を介してMTJ素子91の下部に形成されたバリヤー導電層92と連結される。
【0060】
さらに、MTJ素子91の可変強磁性層88の上部にはオキシド等の絶縁物質93で絶縁されており、可変強磁性層88とフォーシングワードラインF_WLに利用される電流ライン87が磁気結合されてソーシング磁場を形成する。そして、全体の素子等はオキシド保護層94により絶縁される。
したがって、この磁気抵抗センサーは、フォーシングワードラインF_WLに流れる電流の強度によりフォーシングワードラインF_WLの周辺に誘導される磁場と、センスワードラインS_WLに利用される可変強磁性層88に流れる電流の変化に伴い誘導される磁場との大きさが変化する。
【0061】
このような構成を有する本実施の形態に係る磁気抵抗センサーは、電流ライン87に電流ソースがある場合にのみ可変強磁性層88と電流ライン87との間にソーシング磁場が誘導される。したがって、磁場に形成された磁化媒質の成分に従い互いに異なって表われる磁気抵抗の値を測定する。
【0062】
図22及び図23は、本実施の形態に係る磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質に従う動作特性を示す図である。
図22に示されているように、磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質が空気である場合、空気の磁化率が低いため可変強磁性層68、88の磁化密度が小さく、磁気抵抗が小さく表われる。一方、図23に示されているように磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質がバイオ物質(血液)である場合、血液の磁化率が空気より高いため可変強磁性層68、88の磁化密度が大きくなり、磁気抵抗が大きく表われる。
【0063】
図24及び図25は、図20に係る構造を有する磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンスワードラインS_WL電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
先ず、センスワードライン68にセンシング電圧を印加すれば血液成分の分極特性により、図24に示されているように低いセンスワードライン68電圧から徐々に血液成分の分離が始まる。そして、図25に示されているように高いセンスワードライン68電圧では血液成分が一層大きいスペクトラムに分離される。
【0064】
したがって、2つのセンシング電極である固定強磁性層70と可変強磁性層68との周辺磁化媒質の磁化密度がセンスワードライン68の電圧値によって異なり、磁気抵抗値が異なってセンシングされる。血液成分分析手段は、磁気抵抗センサーからこのような互いに異なる磁気抵抗値を測定して血液成分を定量的に分析することができるようになる。
【0065】
図26及び図27は、図21に係る構造を有する電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンスワードラインS_WL(又は、フォーシングワードラインF_WL)電圧変化に伴う成分分離を示す図である。
先ず、センスワードライン88にセンシング電圧を印加すれば(又は、電流ライン87にフォーシング電圧を印加すれば)血液成分の分極特性により、図26に示されているように低いセンスワードライン88(又は、フォーシングワードライン87)電圧から徐々に血液成分の分離が始まる。そして、図27に示されているように高いセンスワードライン88(又は、フォーシングワードライン87)電圧では血液成分がさらにより大きいスペクトラムに分離される。
【0066】
したがって、2つのセンシング電極である固定強磁性層90と可変強磁性層88の周辺磁化媒質の磁化密度がセンスワードライン88(又は、フォーシングワードライン87)の電圧値によって異なることになり、磁気抵抗値が異なってセンシングされる。血液成分分析手段は、磁気抵抗センサーからこのような互いに異なる磁気抵抗値を測定して血液成分を定量的に分析することができるようになる。
【0067】
図28は、本実施の形態に係る磁性物質を利用した磁気抵抗センサーに関するレイアウト構成を示す図である。
センスビットラインS_BLとセンスワードラインS_WLとが互いに垂直に交差して配置され、MTJ素子71の上部にセンスワードラインS_WLが形成される。そして、センスワードラインS_WLの上部の一面に磁性物質67が形成される。さらに、センスワードラインS_WLと磁性物質67との間にはオキシドのような絶縁物質73が位置してセンスワードラインS_WLと磁性物質67を絶縁させる。
【0068】
さらに、図29は、本実施の形態に係る電流ラインを利用した磁気抵抗センサーに関するレイアウト構成を示す図である。
センスビットラインS_BLとセンスワードラインS_WLとが互いに垂直に交差して配置され、MTJ素子91の上部にセンスワードラインS_WLが形成される。そして、センスワードラインS_WLの上部にセンスワードラインS_WLと平行にフォーシングワードラインF_WLが形成される。さらに、センスワードラインS_WLとフォーシングワードラインF_WLとの間にはオキシドのような絶縁物質93が位置してセンスワードラインS_WLとフォーシングワードラインF_WLを絶縁させる。
【0069】
図30は、図20に示されている磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイを示す図である。
磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイは、ロー方向に複数のワードラインWL_1〜WL_mと複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mとが平行に配置される。そして、カラム方向には複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mと垂直に複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnが配置される。
【0070】
互いに交差する複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mと、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnとの間には複数の磁気抵抗センサー100が備えられる。
1つの磁気抵抗センサー100は、1つのスイッチング素子T、1つのMTJ素子71及び1つの磁性物質67を備える。スイッチング素子Tのドレイン端子はセンスビットラインS_BLと連結され、ソース端子はMTJ素子71の一端と連結され、ゲート端子はワードラインWLと連結される。そして、MTJ素子71の他の一端はセンスワードラインS_WLと連結される。さらに、MTJ素子71は磁性物質67との磁気結合により磁場Mを形成する。
【0071】
さらに、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnはこれと一対一に対応する複数のセンスアンプSA1〜SAnと連結される。複数のセンスアンプSA1〜SAnは、これと対応する複数の基準電圧制御部1011〜101nを備える。そして、複数のセンスアンプSA1〜SAnはセンスアンプイネーブル信号SENを印加する際、センスビットラインS_BL1〜S_BLnの出力信号と基準電圧制御部1011〜101nから印加される基準電圧REF値を比べてセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。
【0072】
基準電圧制御部1011は、入力される互いに異なる基準電圧REF_1_1〜REF_1_mを制御してセンスアンプSA1に出力する。さらに、基準電圧制御部101nは入力される互いに異なる基準電圧REF_n_1〜REF_n_mを制御してセンスアンプSAnに出力する。ここで、それぞれの基準電圧REFはカラム等が互いに異なるレベルの基準電圧REFによりその特性が分離評価できるようにするため互いに異なる値を有する。すなわち、磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイのそれぞれのカラムは、互いに異なるレベルの基準電圧REFにより血液成分の特性が多様に分離及び分析されるようにする。
【0073】
このような構成を有するセンシングセルアレイは、センスワードラインS_WLを介してMTJ素子71に互いに異なるバイアス電圧が印加されれば、磁性物質67との磁気結合により磁場が誘導される。MTJ素子71は、周辺物質の磁化率に従って互いに異なる磁気抵抗の値をセンシングし、これに伴い互いに異なる電流を出力する。スイッチング素子Tは、ゲートにワードラインWL電圧が印加されればターンオンされ、MTJ素子71を介してセンシングされた互いに異なる電流をセンスビットラインS_BLに出力する。
【0074】
センスアンプSAは、センスアンプイネーブル信号SENに応答しセンスビットラインS_BLから印加される出力信号と基準電圧制御部1011〜101nから印加された出力信号とを比較及び増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。したがって、磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイの全体的なそれぞれのローとそれぞれのカラムは、それぞれ異なる成分の特性を得ることになる。
【0075】
図31は、磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
図31に示すセンシングセルアレイは、図30に係る構成に比べて複数のA/D(Analog/Digital)変換部1031〜103nと、DSP(Digital Signal Processor)105をさらに備える。A/D変換部1031〜103nは、それぞれのセンスアンプSAから印加されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。DSP105は、それぞれのA/D変換部1031〜103nから印加された信号をデジタル信号プロセッシング動作に従い変換して出力する。ここで、DSP105はそれぞれの互いに異なる基準電圧を設けてセンサーの成分分析領域を広げるようにする。
【0076】
また、図32は、図21に示されている電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイを示す図である。
磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイは、ロー方向に複数のワードラインWL_1〜WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_mが平行に配置される。そして、カラム方向には複数のワードラインWL_1〜WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_mと垂直に複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnが配置される。
【0077】
互いに交差する複数のワードラインWL_1〜WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_mと、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnとの間には複数の磁気抵抗センサー110が備えられる。
1つの磁気抵抗センサー110は、1つのスイッチング素子T、1つのMTJ素子91及び1つの電流ライン87を備える。
【0078】
スイッチング素子Tのドレイン端子はセンスビットラインS_BLと連結され、ソース端子はMTJ素子91の一端と連結され、ゲート端子はワードラインWLと連結される。そして、MTJ素子91の他の一端はセンスワードラインS_WLと連結される。さらに、MTJ素子91は、電流ライン87との磁気結合により磁場Mを形成する。ここで、電流ライン87は磁場を誘導するためフォーシングワードライン電圧を提供するフォーシングワードラインF_WLと連結される。電流制御部1111〜111mは、フォーシングワードラインF_WLに提供される電流を制御する。
【0079】
電流ライン87の周辺にソーシング磁場を形成するためセンスビットラインS_BL電流の大きさを変化させ、フォーシングワードラインF_WL電流の大きさを固定させる方法がある。さらに、センスビットラインS_BL電流の大きさを固定させてフォーシングワードラインF_WL電流の大きさを変化させる方法がある。
【0080】
さらに、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnはこれと一対一に対応する複数のセンスアンプSA1〜SAnと連結される。複数のセンスアンプSA1〜SAnは、これと対応する複数の基準電圧制御部1121〜112nを備える。そして、複数のセンスアンプSA1〜SAnはセンスアンプイネーブル信号SENを印加する際、センスビットラインS_BL1〜S_BLnの出力信号と基準電圧制御部1121〜112nから印加される基準電圧REF値とを比べてセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。
【0081】
基準電圧制御部1121には基準電圧REF_1_1〜REF_1_m及びセンスアンプイネーブル信号SENが入力されてセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。そして、基準電圧制御部112nには基準電圧REF_n_1〜REF_n_m及びセンスアンプイネーブル信号SENが入力されてセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。ここで、それぞれの基準電圧REFはカラム等が互いに異なるレベルの基準電圧REFによりその特性が分離評価できるようにするため互いに異なる値を有する。すなわち、磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイのそれぞれのカラムは、互いに異なるレベルの基準電圧REFにより血液成分の特性が多様に分離及び分析されるようにする。
【0082】
このような構成を有するセンシングセルアレイは、センスワードラインS_WLを介してMTJ素子91に互いに異なるバイアス電圧が印加され、電流ライン87を介してフォーシングワードライン電圧が印加されれば、磁気結合により磁場が誘導される。MTJ素子91は、周辺物質の磁化率に従って互いに異なる磁気抵抗の値をセンシングし、これに伴い互いに異なる電流を出力する。スイッチング素子Tは、ゲートにワードラインWL電圧が印加されればターンオンされ、MTJ素子91を介してセンシングされた互いに異なる電流をセンスビットラインS_BLに出力する。
【0083】
センスアンプSAは、センスアンプイネーブル信号SENに応答しセンスビットラインS_BLから印加される出力信号と基準電圧制御部1121〜112nから印加された出力信号とを比較及び増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。したがって、磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイの全体的なそれぞれのローとそれぞれのカラムは、それぞれ異なる成分の特性を得ることになる。
【0084】
図33は、電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
図33に示すセンシングセルアレイは、図32に係る構成に比べて複数のA/D変換部1141〜114nと、DSP116をさらに備える。A/D変換部1141〜114nは、それぞれのセンスアンプSAから印加されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。DSP116は、それぞれのA/D変換部1141〜114nから印加された信号をデジタル信号プロセッシング動作に従い変換して出力する。ここで、DSP116はそれぞれの互いに異なる基準電圧を設けてセンサーの成分分析領域を広げるようにする。
【0085】
図34は、磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンシング出力値に従い得られる成分分析表である。
ここで、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mはセンスワードラインS_WLのバイアス電圧によりそれぞれの成分が分離される。そして、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnは互いに異なる複数の基準電圧REFによりそれぞれの成分が分離される。したがって、全体の磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイは周辺物質のそれぞれ異なる特性を分離して分析することができるようになる。
【0086】
図35は、電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンシング出力値に従い得られる成分分析表である。
ここで、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mはセンスワードラインS_WLのバイアス電圧によりそれぞれの成分が分離される。又は、複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_mはフォーシングワードラインF_WLのバイアス電圧によりそれぞれの成分が分離される。そして、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnは互いに異なる複数の基準電圧REFによりそれぞれの成分が分離される。したがって、全体の磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイは周辺物質のそれぞれ異なる特性を分離して分析することができるようになる。
【0087】
図36は、磁性物質を利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
先ず、t1区間の進入時にワードラインWL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが活性化される。したがって、MTJ素子71からセンシングされた互いに異なる磁気抵抗の値は、センスビットラインS_BLを介してそれぞれセンスアンプSAに出力される。
【0088】
その後、t2区間の進入時にセンスアンプイネーブル信号SENが活性化されると、センスアンプSAでセンシングされた互いに異なる磁気抵抗値をそれぞれ増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。したがって、血液成分分析手段はセンシングセルアレイから出力されたそれぞれのセンスアンプ出力信号SA_OUTを分析して周辺物質の成分を分析することができるようになる。
次に、t2区間以後にt3区間に進入すれば、ワードラインWL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが非活性化され、センスアンプイネーブル信号SENがディスエーブルされて動作を停止することになる。
【0089】
図37は、電流ラインを利用した磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
先ず、t1区間の進入時にワードラインWL、フォーシングワードラインF_WL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが活性化される。したがって、MTJ素子91からセンシングされた互いに異なる磁気抵抗の値は、センスビットラインS_BLを介してそれぞれセンスアンプSAに出力される。
【0090】
その後、t2区間の進入時にセンスアンプイネーブル信号SENが活性化されると、センスアンプSAでセンシングされた互いに異なる磁気抵抗値をそれぞれ増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。したがって、血液成分分析手段はセンシングセルアレイから出力されたそれぞれのセンスアンプ出力信号SA_OUTを分析して周辺物質の成分を分析することができるようになる。
次に、t2区間以後にt3区間に進入すれば、ワードラインWL、フォーシングワードラインF_WL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが非活性化され、センスアンプイネーブル信号SENがディスエーブルされて動作を停止することになる。
【0091】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る巨大磁気抵抗センサー及びこれを利用したセンシングセルアレイを、図38〜図58を参照して詳しく説明する。
【0092】
図38及び図39は、本実施の形態に係る磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーの構成を示す図である。
図38は、磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーの断面図である。
図38に示す巨大磁気抵抗センサーは、1つのスイッチング素子、1つのGMR素子132、センスワードライン133及び1つの磁性物質(Forcing magnetic material)128を備える。
【0093】
ここで、GMR素子132は、可変強磁性層129、導電抵抗体130及び固定強磁性層131を備える。
そして、スイッチング素子はNMOSトランジスタで構成されるが、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子120はコンタクトライン123を介してセンスビットライン126に連結される。NMOSトランジスタのゲート端子122はワードライン125と連結され、ソース端子121はコンタクトライン124を介して導電抵抗体130の一側と連結される。導電抵抗体130の他の一側の上部にはセンスワードライン133が形成される。
さらに、全体の素子等はオキシド保護層134により絶縁され、センスビットライン126の下部にはバリヤー導電層127が形成される。
【0094】
図39は、磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーの平面図である。
センスビットライン126の上部にGMR素子132が形成され、GMR素子132の上部に磁性物質128が形成される。
【0095】
図40は、図38及び図39に係る構成においてA−A’面及びB−B’面で切断したときの、磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーの基本的な断面構成を示す図である。
図40に示されているように、GMR素子132の可変強磁性層129と磁性物質128が磁気結合されて磁場を形成する。そして、全体の素子等はオキシド保護層134により絶縁される。したがって、本発明はセンスワードライン133に印加される電圧の変化により誘導される磁場の大きさが変化する。
【0096】
このような構成を有する本実施の形態に係る巨大磁気抵抗センサーは、永久磁石からなる磁性物質128により可変強磁性層129と磁性物質128との間に磁場が誘導される。したがって、磁場に形成された磁化媒質の成分に従い互いに異なって表われる磁気抵抗の値を測定する。
【0097】
図41及び図42は、巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質に従う動作特性を示す図である。
図41に示されているように、巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質が空気である場合、空気の磁化率が低いため可変強磁性層129の磁化密度が小さく、磁気抵抗が小さく表われる。一方、図42に示されているように巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質がバイオ物質(血液)である場合、血液の磁化率が空気より高いため可変強磁性層129の磁化密度が大きくなり、磁気抵抗が大きく表われる。
【0098】
図43及び図44は、磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーのセンスワードラインS_WL電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
先ず、センスワードライン133にセンシング電圧を印加すれば血液成分の分極特性により、図43に示されているように低いセンスワードライン133電圧から徐々に血液成分の分離が始まる。そして、図44に示されているように高いセンスワードライン133電圧では血液成分が一層大きいスペクトラムに分離される。
【0099】
したがって、磁性物質128と可変強磁性層129の磁気結合に伴い形成された磁場で、周辺磁化媒質の磁化密度がセンスワードライン133の電圧値によって異なることになり、磁気抵抗値が異なってセンシングされる。血液成分分析手段は、巨大磁気抵抗センサーからこのような互いに異なる磁気抵抗値を測定して血液成分を定量的に分析することができるようになる。
【0100】
図45及び図46は、本実施の形態に係るフォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーの構成を示す図である。
図45に示す巨大磁気抵抗センサーは、1つのスイッチング素子と、1つのGMR素子152、センスワードライン153及び1つのフォーシングワードライン(Forcing wordline)148を備える。
【0101】
ここで、GMR素子152は、可変強磁性層149、導電抵抗体150及び固定強磁性層151を備える。
そして、スイッチング素子はNMOSトランジスタで構成されるが、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子140はコンタクトライン143を介してセンスビットライン146に連結される。NMOSトランジスタのゲート端子142はワードライン145と連結され、ソース端子141はコンタクトライン144を介して導電抵抗体150の一側と連結される。導電抵抗体150の他の一側の上部にはセンスワードライン153が形成される。
さらに、全体の素子等はオキシド保護層154により絶縁され、センスビットライン146の下部にはバリヤー導電層147が形成される。
【0102】
図46は、図45に係る構成においてA−A’面で切断したときの、フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーの基本的な断面構成を示す図である。
図46に示されているように、GMR素子152の可変強磁性層149とフォーシングワードライン148とが磁気結合されてフォーシングワードライン148の周辺に磁場を形成する。そして、全体の素子等はオキシド保護層154により絶縁される。したがって、この巨大磁気抵抗センサーは、フォーシングワードライン148に印加される電流の強度によりフォーシングワードライン148の周辺に誘導される磁場の大きさが変化する。
【0103】
このような構成を有する本実施の形態に係る巨大磁気抵抗センサーは、電流ソースからなるフォーシングワードライン148と可変強磁性層149との磁気結合に伴い、フォーシングワードライン148の周辺に磁場が誘導される。したがって、磁場に形成された磁化媒質の成分に従い互いに異なって表われる磁気抵抗の値を測定する。
【0104】
図47及び図48は、フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質に従う動作特性を示す図である。
図47に示されているように、巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質が空気である場合、空気の磁化率が低いため可変強磁性層149の磁化密度が小さく、磁気抵抗が小さく表われる。一方、図48に示されているように巨大磁気抵抗センサーの周辺磁化媒質がバイオ物質(血液)である場合、血液の磁化率が空気より高いため可変強磁性層149の磁化密度が大きくなり、磁気抵抗が大きく表われる。
【0105】
図49及び図50は、フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーのフォーシングワードラインF_WL電圧の変化に伴う成分分離を示す図である。
先ず、フォーシングワードライン148にセンシング電圧を印加すれば血液成分の分極特性により、図49に示されているように低いフォーシングワードライン148電圧から徐々に血液成分の分離が始まる。そして、図50に示されているように高いフォーシングワードライン148電圧では血液成分がさらにより大きいスペクトラムに分離される。
【0106】
したがって、2つのセンシング電極であるフォーシングワードライン148と可変強磁性層149との磁気結合に伴い形成された磁場で、周辺磁化媒質の磁化密度がフォーシングワードライン148の電圧値によって異なることになり、磁気抵抗値が異なってセンシングされる。血液成分分析手段は、巨大磁気抵抗センサーからこのような互いに異なる磁気抵抗値を測定して血液成分を定量的に分析することができるようになる。
【0107】
また、図51は、本実施の形態に係る磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイを示す図である。
巨大磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイは、ロー方向に複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mが平行に配置される。そして、カラム方向には複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mと垂直に複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnが配置される。
【0108】
さらに、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mはこれと一対一に対応する複数のS_WL駆動部1611〜161mを備える。複数のS_WL駆動部1611〜161mは、これと対応する複数のセンスワードラインS_WLに互いに異なるバイアス電圧を印加する。
互いに交差する複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mと、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnとの間には複数の巨大磁気抵抗センサー160が備えられる。
1つの巨大磁気抵抗センサー160は、1つのスイッチング素子T、1つのGMR素子132及び1つの磁性物質128を備える。
【0109】
スイッチング素子Tのドレイン端子はセンスビットラインS_BLと連結され、ソース端子はGMR素子132の一端と連結され、ゲート端子はワードラインWLと連結される。そして、GMR素子132の他の一端はセンスワードラインS_WLと連結される。さらに、GMR素子132は磁性物質128との磁気結合により磁場Mを形成する。
【0110】
さらに、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnはこれと一対一に対応する複数のセンスアンプSA1〜SAnと連結される。複数のセンスアンプSA1〜SAnはセンスアンプイネーブル信号SENを印加する際、センスビットラインS_BL1〜S_BLnの出力信号と基準電圧REF値とを比較及び増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。
【0111】
ここで、それぞれの基準電圧REFはカラム等が互いに異なるレベルの基準電圧REFによりその特性が分離評価できるようにするため互いに異なる値を有する。すなわち、巨大磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイのそれぞれのカラムは、互いに異なるレベルの基準電圧REFにより血液成分の特性が多様に分離及び分析されるようにする。
【0112】
このような構成を有する本実施の形態に係るセンシングセルアレイは、センスワードラインS_WLを介してGMR素子132に互いに異なるバイアス電圧が印加されれば、磁性物質128との磁気結合により磁場が誘導される。GMR素子132は、周辺物質の磁化率に従い互いに異なる磁気抵抗の値をセンシングし、これに伴い互いに異なる電流を出力する。スイッチング素子Tは、ゲートにワードラインWL電圧が印加されればターンオンされ、GMR素子132を介してセンシングされた互いに異なる電流をセンスビットラインS_BLに出力する。
【0113】
センスアンプSAは、センスアンプイネーブル信号SENに応答しセンスビットラインS_BLから印加される出力信号と基準電圧REFとを比較及び増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。したがって、巨大磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイの全体的なそれぞれのローとそれぞれのカラムは、それぞれ異なる成分の特性を得ることになる。
【0114】
また、図52は、本実施の形態に係るフォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイを示す図である。
巨大磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイは、ロー方向に複数のワードラインWL_1〜WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_mが平行に配置される。そして、カラム方向には複数のワードラインWL_1〜WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_mと垂直に複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnが配置される。
【0115】
さらに、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mはこれと一対一に対応する複数のS_WL駆動部1711〜171mを備える。複数のS_WL駆動部1711〜171mは、これと対応する複数のセンスワードラインS_WLに互いに異なるバイアス電圧を印加する。
互いに交差する複数のワードラインWL_1〜WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_mと、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnとの間には複数の巨大磁気抵抗センサー170が備えられる。
【0116】
1つの巨大磁気抵抗センサー170は、1つのスイッチング素子T、1つのGMR素子152及び1つのフォーシングワードライン148を備える。
スイッチング素子Tのドレイン端子はセンスビットラインS_BLと連結され、ソース端子はGMR素子152の一端と連結され、ゲート端子はワードラインWLと連結される。そして、GMR素子152の他の一端はセンスワードラインS_WLと連結される。さらに、GMR素子152はフォーシングワードライン148との磁気結合により磁場Mを形成する。
【0117】
ここで、フォーシングワードライン148は磁場を誘導するためフォーシングワードライン電圧を提供するF_WL駆動部1721〜172m、及びフォーシングワードライン148の電流を制御するためのF_WL制御部1731〜173mと連結される。
フォーシングワードライン148の周辺に磁場を形成するためセンスビットラインS_BL電流の大きさを変化させ、フォーシングワードラインF_WL電流の大きさを固定させる方法を用いる。さらに、センスビットラインS_BL電流の大きさを固定させてフォーシングワードラインF_WL電流の大きさを変化させる方法を利用する。
【0118】
さらに、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnはこれと一対一に対応する複数のセンスアンプSA1〜SAnと連結される。複数のセンスアンプSA1〜SAnはセンスアンプイネーブル信号SENを印加する際、センスビットラインS_BL1〜S_BLnの出力信号と基準電圧REF値とを比較及び増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。ここで、それぞれの基準電圧REFはカラム等が互いに異なるレベルの基準電圧REFによりその特性が分離評価できるようにするため互いに異なる値を有する。
すなわち、巨大磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイのそれぞれのカラムは、互いに異なるレベルの基準電圧REFにより血液成分の特性が多様に分離及び分析されるようにする。
【0119】
このような構成を有するセンシングセルアレイは、センスワードラインS_WLを介してGMR素子152に互いに異なるバイアス電圧が印加され、フォーシングワードライン148を介してフォーシングワードライン電圧が印加されれば、磁気結合により磁場が誘導される。GMR素子152は、周辺物質の磁化率に従って互いに異なる磁気抵抗の値をセンシングし、これに伴い互いに異なる電流を出力する。スイッチング素子Tは、ゲートにワードラインWL電圧が印加されればターンオンされ、GMR素子152を介してセンシングされた互いに異なる電流をセンスビットラインS_BLに出力する。
【0120】
センスアンプSAは、センスアンプイネーブル信号SENに応答しセンスビットラインS_BLから印加される出力信号と基準電圧REFとを比較及び増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。したがって、巨大磁気抵抗センサーを利用したセンシングセルアレイの全体的なそれぞれのローとそれぞれのカラムは、それぞれ異なる成分の特性を得ることになる。
【0121】
図53は、磁性物質を利用したセンシングセルアレイのレイアウト構成を示す図である。
センスビットラインS_BLとセンスワードラインS_WLが互いに垂直に交差して配置され、GMR素子132の上部に磁性物質128が形成される。
【0122】
さらに、図54は、フォーシングワードラインを利用したセンシングセルアレイのレイアウト構成を示す図である。
センスビットラインS_BLと、センスワードラインS_WL及びフォーシングワードラインF_WLが互いに垂直に交差して配置される。GMR素子152の上部にはフォーシングワードラインF_WLがセンスワードラインS_WLと平行に配置される。
【0123】
図55は、磁性物質を利用したセンシングセルアレイのセンシング出力値に従い得られる成分分析表である。
ここで、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mはセンスワードラインS_WLのバイアス電圧によりそれぞれの成分が分離される。そして、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnは互いに異なる複数の基準電圧REFによりそれぞれの成分が分離される。したがって、全体の巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイは周辺物質のそれぞれ異なる特性を分離して分析することができるようになる。
【0124】
図56は、フォーシングワードラインを利用したセンシングセルアレイのセンシング出力値に従い得られる成分分析表である。
ここで、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_mはセンスワードラインS_WLのバイアス電圧によりそれぞれの成分が分離される。又は、複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_mはF_WL駆動部1721〜172mにより調整されたフォーシングワードラインF_WL電圧によりそれぞれの成分が分離される。そして、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnは互いに異なる複数の基準電圧REFによりそれぞれの成分が分離される。したがって、全体の巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイは周辺物質のそれぞれ異なる特性を分離して分析することができるようになる。
【0125】
図57は、磁性物質を利用した巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
先ず、t1区間の進入時にワードラインWL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが活性化される。したがって、GMR素子132からセンシングされた互いに異なる磁気抵抗の値は、センスビットラインS_BLを介してそれぞれセンスアンプSAに出力される。
【0126】
その後、t2区間の進入時にセンスアンプイネーブル信号SENが活性化されると、センスアンプSAでセンシングされた互いに異なる磁気抵抗値をそれぞれ増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。したがって、血液成分分析手段はセンシングセルアレイから出力されたそれぞれのセンスアンプ出力信号SA_OUTを分析して周辺物質の成分を分析することができるようになる。
次に、t2区間以後にt3区間に進入すれば、ワードラインWL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが非活性化され、センスアンプイネーブル信号SENがディスエーブルされて動作を停止することになる。
【0127】
図58は、フォーシングワードラインを利用した巨大磁気抵抗センサーのセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
先ず、t1区間の進入時にワードラインWL、フォーシングワードラインF_WL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが活性化される。したがって、GMR素子152からセンシングされた互いに異なる磁気抵抗の値は、センスビットラインS_BLを介してそれぞれセンスアンプSAに出力される。
【0128】
その後、t2区間の進入時にセンスアンプイネーブル信号SENが活性化されると、センスアンプSAでセンシングされた互いに異なる磁気抵抗値をそれぞれ増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。したがって、血液成分分析手段はセンシングセルアレイから出力されたそれぞれのセンスアンプ出力信号SA_OUTを分析して周辺物質の成分を分析することができるようになる。
次に、t2区間以後にt3区間に進入すれば、ワードラインWL、フォーシングワードラインF_WL、センスワードラインS_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが非活性化され、センスアンプイネーブル信号SENがディスエーブルされて動作を停止することになる。
【0129】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係る磁化ホール感知センサー及びこれを利用したセンシングセルアレイを、図59〜図73を参照して詳しく説明する。
【0130】
図59及び図60は、本実施の形態に係る磁化ホール感知センサーの基本的な構成を示す図である。
図59に示す磁化ホール感知センサーは、誘導磁場を生成するための電流が印加される電流ライン180、電流ライン180上部の一側に形成された可変強磁性層181、及び電流ライン180上部の他の一側に形成されたMTJ素子(又はGMR素子)185を備える。
【0131】
ここで、MTJ素子185は、可変強磁性層182、トンネル接合層183及び固定強磁性層184を備える。したがって、電流ライン180に一定の電流が印加される場合、可変強磁性層181,182と2つの可変強磁性層181,182の間に形成された周辺物質を介して電流ライン180の周辺に誘導磁場が形成される。
もし、図59に示されているように2つの可変強磁性層181,182の間に大きい磁化率物質が存在する場合、可変強磁性層181,182の磁束密度が大きいため誘導磁場の大きさが大きく表われる。一方、図60に示されているように2つの可変強磁性層181,182の間に小さい磁化率物質が存在する場合、可変強磁性層181,182の磁束密度が小さいため誘導磁場の大きさが小さく表われる。
【0132】
したがって、MTJ素子(又はGMR素子)185の可変強磁性層182の磁力線において、中間周辺物質の磁化率が周辺物質の成分に従い互いに異なることを利用して磁気抵抗の変化値を得ることができるようになる。
図61及び図62は、本実施の形態に係るMTJ素子を利用した磁化ホール感知センサーの断面及び平面構成を示す図である。
【0133】
図61に示す磁化ホール感知センサーは、1つのスイッチング素子、MTJ素子185の可変強磁性層182に磁場を誘導するためフォーシングワードライン電流が印加される電流ライン180、可変強磁性層181及び1つのMTJ素子185を備える。ここで、MTJ素子185は、可変強磁性層182、トンネル接合層183及び固定強磁性層184を備え、可変強磁性層182の下部にはバリヤー導電層186が形成される。
そして、MTJ素子185の固定強磁性層184の上部にはセンスワードライン187が形成され、全ての素子等はオキシド保護層188により絶縁される。さらに、可変強磁性層181とMTJ素子185との間には任意の規格を有するセンシングホール189が形成され、センシングホール189にセンシングを望む周辺物質の成分が露出されるようにする。
【0134】
スイッチング素子はNMOSトランジスタで構成されるが、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子190はコンタクトライン193を介してセンスビットライン196に連結される。NMOSトランジスタのゲート端子192はワードライン195と連結され、ソース端子191はコンタクトライン194を介してMTJ素子185の下部に形成されたバリヤー導電層186と連結される。
【0135】
図63は、本実施の形態に係る磁化ホール感知センサーのセンシングホール189の類型を説明するための図である。
センシングホール189は、可変強磁性層181とMTJ素子185の可変強磁性層182の距離dに伴う変数を横方向に設け、2つの可変強磁性層181,182の面積に伴う変数を縦方向に設ける。したがって、2つの可変強磁性層181,182間の距離に基づき周辺物質の成分の大きさを分類することができ、2つの可変強磁性層181,182間の面積に基づき周辺物質の大きさに該当する成分等の量を定量的に分析することができるようになる。
【0136】
図64及び図65は、MTJ素子185を利用した磁化ホール感知センサーのセンシングホール189の大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
図64に示されているように、2つの可変強磁性層181,182間の距離が近い場合センシングホール189の大きさが小さいため、周辺物質197の成分の大きさがセンシングホール189より大きい成分等はセンシングホール189の内側に浸透することができない。したがって、センシングホール189に露出された周辺物質197の磁化定数μをセンシングして小さい大きさの成分のみ周辺物質197の特性で表わすことができるようになる。
【0137】
一方、図65に示されているように、2つの可変強磁性層181,182間の距離が遠い場合センシングホール189の大きさが大きいため、周辺物質197の成分の大きさがセンシングホール189より小さい成分等が全てセンシングホール189の内側に浸透することになる。したがって、センシングホール189に露出された周辺物質197の磁化定数μをセンシングし、大きさの大きい成分等も周辺物質197の特性で表わすことができるようになる。
【0138】
また、図66及び図67は、本実施の形態に係るGMR素子を利用した磁化ホール感知センサーの断面及び平面構成を示す図である。
図66に示す磁化ホール感知センサーは、1つのスイッチング素子、GMR素子205の可変強磁性層202に磁場を誘導するためフォーシングワードライン電流が印加される電流ライン200、可変強磁性層201及び1つのGMR素子205を備える。ここで、GMR素子205は、可変強磁性層202、センシング伝導層203及び固定強磁性層204を備える。
【0139】
そして、GMR素子205の固定強磁性層204の上部にはセンスワードライン206が形成され、全ての素子等はオキシド保護層207により絶縁される。さらに、可変強磁性層201とGMR素子205との間には任意の規格を有するセンシングホール208が形成され、センシングホール208にセンシングを望む周辺物質の成分が露出されるようにする。
【0140】
スイッチング素子はNMOSトランジスタで構成されるが、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子209はコンタクトライン212を介してセンスビットライン215に連結される。NMOSトランジスタのゲート端子211はワードライン214と連結され、ソース端子210はコンタクトライン213を介してGMR素子205のセンシング伝導層203と連結される。
【0141】
図68及び図69は、GMR素子205を利用した磁化ホール感知センサーのセンシングホール208の大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
図68に示されているように、2つの可変強磁性層201、202間の距離が近い場合センシングホール208の大きさが小さいため、周辺物質217の成分の大きさがセンシングホール208より大きい成分等はセンシングホール208の内側に浸透することができない。したがって、センシングホール208に露出された周辺物質217の磁化定数μをセンシングして小さい大きさの成分のみ周辺物質217の特性で表わすことができるようになる。
【0142】
一方、図69に示されているように、2つの可変強磁性層201、202間の距離が遠い場合センシングホール208の大きさが大きいため、周辺物質217の成分の大きさがセンシングホール208より小さい成分等が全てセンシングホール208の内側に浸透することになる。したがって、センシングホール208に露出された周辺物質217の磁化定数μをセンシングし、大きさの大きい成分等も周辺物質217の特性で表わすことができるようになる。
【0143】
図70は、本実施の形態に係る磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイを示す図である。
磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイは、ロー方向に複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のワードラインWL_1〜WL_mが平行に配置される。そして、カラム方向には複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のワードラインWL_1〜WL_mと垂直に交差して複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnが配置される。
【0144】
互いに交差する複数のフォーシングワードラインF_WL_1〜F_WL_m、複数のセンスワードラインS_WL_1〜S_WL_m及び複数のワードラインWL_1〜WL_mと、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnとの間には複数の磁化ホール感知センサー220が備えられる。
1つの磁化ホール感知センサー220は、1つのスイッチング素子T、1つのセンサーS、及び磁場を誘導するためのソースとして1つの電流ラインLを備える。ここで、センサーSはMTJ素子又はGMR素子で構成することができる。
【0145】
スイッチング素子Tのドレイン端子はセンスビットラインS_BLと連結され、ソース端子はセンサーSの一端と連結され、ゲート端子はワードラインWLと連結される。そして、センサーSの他の一端はセンスワードラインS_WLと連結される。
フォーシングワードラインF_WLは電流ラインLの一端と連結され、電流ラインLの他の一端には複数の電流調整部CC_1〜CC_mがそれぞれ連結される。複数の電流調整部CCは電流ラインLと接地電圧端との間に備えられ、電流ラインLに誘導磁場を生成するための電流を印加する。
【0146】
さらに、複数のセンスビットラインS_BL1〜S_BLnはこれと一対一に対応する複数のセンスアンプSA1〜SAnと連結される。複数のセンスアンプSA1〜SAnはこれと対応する複数の基準電圧REF_1〜REF_n及びセンスアンプイネーブル信号SENが入力され、センスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。ここで、それぞれの基準電圧REF_1〜REF_nはそれぞれ互いに異なる基準電圧値を有する。すなわち、磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイのそれぞれのカラムは、互いに異なるレベルの基準電圧REF_1〜REF_nにより血液成分の特性が多様に分離及び分析されるようにする。
【0147】
このような構成を有するセンシングセルアレイは、ワードラインWLがイネーブルされればスイッチング素子Tがターンオンされ、センサーSでセンシングされた磁束密度に従い相違する電流値がセンスビットラインS_BLに出力される。
センスアンプSAは、センスアンプイネーブル信号SENに応答しセンスビットラインS_BLから印加される電流を増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。そして、センスアンプSAは互いに異なる基準電圧REFに従い互いに異なるセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。したがって、磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイの全体的なそれぞれのローとそれぞれのカラムは、それぞれ異なる成分の特性を得ることになる。
【0148】
図71は、本実施の形態に係る磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
図71に示すセンシングセルアレイは、図70に係る構成に比べて1つのセンスビットラインS_BLに複数のセンスアンプSA1〜SAmが連結されるのが相違する。1つのセンスビットラインS_BLに複数のセンスアンプSA1〜SAmが連結され、それぞれのセンスアンプSA1〜SAmにこれと対応する複数の互いに異なる基準電圧REF_1〜REF_mが入力される。
【0149】
そして、複数のセンスアンプSA1〜SAmからそれぞれ出力される複数のセンスアンプ出力信号SA_OUTは、インコーダ2211〜222nに出力されて周辺物質の成分分析のためインコーディングされる。
以上のように、センシングセルアレイのそれぞれのセンシング出力値に従い、図72に示されているように磁化ホール感知センサーの周辺物質の成分分析表を得ることができるようになる。
【0150】
ここで、複数のセンスワードラインS_WLと複数のセンスビットラインS_BLとの間に備えられたセンシングホール189、208は、その大きさに伴う関数で表現することができる。さらに、センスビットラインS_BLの出力値と互いに異なる基準電圧REFとの比較に従い、周辺物質の成分がそれぞれ分離される。したがって、全体の磁化ホール感知センサーのセンシングセルアレイは周辺物質のそれぞれ異なる特性を分離して分析することができるようになる。
【0151】
図73は、本実施の形態に係る磁化ホール感知センサーを利用したセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
先ず、t1区間の進入時にワードラインWL、センスワードラインS_WL、フォーシングワードラインF_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが活性化される。したがって、センサーSからセンシングされた互いに異なる出力値は、センスビットラインS_BLを介してそれぞれセンスアンプSAに出力される。
【0152】
その後、t2区間の進入時にセンスアンプイネーブル信号SENが活性化されると、センスアンプSAでセンシングされた互いに異なる出力値と基準電圧REFとをそれぞれ比較及び増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。したがって、血液成分分析手段はセンシングセルアレイから出力されたそれぞれのセンスアンプ出力信号SA_OUTを分析して周辺物質の成分を分析することができるようになる。
次に、t2区間以後にt3区間に進入すれば、ワードラインWL、センスワードラインS_WL、フォーシングワードラインF_WL、センスビットラインS_BL及び基準電圧REFが非活性化され、センスアンプイネーブル信号SENがディスエーブルされて動作を停止することになる。
【0153】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係る誘電率感知センサー及びこれを利用したセンシングセルアレイを、図74〜図84を参照して詳しく説明する。
【0154】
図74は、本実施の形態に係る誘電率感知センサーの基本的な構成を示す図である。
図74に示す誘電率感知センサーは、1つのスイッチング素子Tと1つのセンシングキャパシタS_Cを備える。
【0155】
ここで、スイッチング素子TはNMOSトランジスタで構成される。そして、NMOSトランジスタの一側のドレイン端子はセンシングビットラインS_BLと連結され、ゲート端子はワードラインWLと連結され、ソース端子はセンシングキャパシタS_Cの第2の電極と連結される。さらに、センシングキャパシタS_Cの第1の電極はセンシングプレートラインS_PLに連結される。したがって、センシングキャパシタS_Cの静電容量に従いセンシングビットラインS_BLのセンシング電圧が相違して検出される。
【0156】
図75は、本実施の形態に係る誘電率感知センサーの断面構成を示す図である。図76は、本実施の形態に係る誘電率感知センサーの平面構成を示す図である。
本実施の形態に係るNMOSトランジスタの一側のドレイン端子230は、コンタクトライン233を介してセンシングビットライン236に連結される。NMOSトランジスタのゲート端子232はワードライン235と連結され、ソース端子231はコンタクトライン234を介してセンシングキャパシタの第2の電極238と連結される。センシングキャパシタの第1の電極は、センシングプレートラインS_PLと連結される。さらに、センシングキャパシタの第1の電極237と第2の電極238との間には、2つの電極間の距離とセンシング電極の面積に対応するセンシングホール240が形成される。さらに、全体素子等はオキシド保護層239により絶縁される。
【0157】
このような構成を有する本実施の形態に係る誘電率感知センサーは、第1の電極237と第2の電極238間の距離とセンシング電極の面積に従いセンシングホール240が形成され、センシングホール240にセンシングするための周辺物質の成分が露出されるようにする。
【0158】
図77は、本実施の形態に係る誘電率感知センサーのセンシングホール240の類型を説明するための図である。
センシングホール240は、第1の電極237と第2の電極238の距離dに伴う変数を横方向に設け、第1の電極237と第2の電極238の面積Sに伴う変数を縦方向に設ける。したがって、2つの電極間の距離に基づき周辺物質の成分の大きさを分類することができ、2つの電極間の面積に基づき周辺物質の大きさに該当する成分等の量を定量的に分析することができるようになる。
【0159】
図78及び図79は、本実施の形態に係る誘電率感知センサーのセンシングホールの大きさに伴う磁化率の変化を説明するための図である。
図78に示されているように、第1の電極237と第2の電極238の間の距離が近い場合センシングホール240の大きさが小さいため、周辺物質241の成分の大きさがセンシングホール240より大きい成分等はセンシングホール240の内側に浸透することができない。したがって、センシングホール240に露出された周辺物質の誘電定数εをセンシングして小さい大きさの成分のみ周辺物質の特性で表わすことができるようになる。
【0160】
一方、図79に示されているように、第1の電極237と第2の電極238の間の距離が遠い場合センシングホール240の大きさが大きいため、周辺物質241の成分の大きさがセンシングホール240より小さい成分等が全てセンシングホール240の内側に浸透することになる。したがって、センシングホール240に露出された周辺物質の誘電定数εをセンシングし、大きさの大きい成分等も周辺物質の特性で表わすことができるようになる。
【0161】
図80は、本実施の形態に係る誘電率感知センサーを利用したセンシングセルアレイを示す図である。
誘電率感知センサーを利用したセンシングセルアレイは、ロー方向に複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンシングプレートラインS_PL_1〜S_PL_mが平行に配置される。そして、カラム方向には複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンシングプレートラインS_PL_1〜S_PL_mと垂直に複数のセンシングビットラインS_BL1〜S_BLnが配置される。
【0162】
互いに交差する複数のワードラインWL_1〜WL_m及び複数のセンシングプレートラインS_PL_1〜S_PL_mと、複数のセンシングビットラインS_BL1〜S_BLnとの間には複数の誘電率感知センサー250が備えられる。
1つの誘電率感知センサー250は、1つのスイッチング素子T及び1つのセンシングキャパシタS_Cを備える。ここで、スイッチング素子Tのドレイン端子はセンシングビットラインS_BLと連結され、ソース端子はセンシングキャパシタS_Cの第2の電極と連結され、ゲート端子はワードラインWLと連結される。そして、センシングキャパシタS_Cの第1の電極はセンシングプレートラインS_PLと連結される。
【0163】
さらに、複数のセンシングビットラインS_BL1〜S_BLnはこれと一対一に対応する複数のセンスアンプSA1〜SAnと連結される。複数のセンスアンプSA1〜SAnはこれと対応する複数の基準電圧REF_1〜REF_n及びセンスアンプイネーブル信号SENが入力され、センスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。ここで、それぞれの基準電圧REF_1〜REF_nはそれぞれ互いに異なる基準電圧値を有する。
すなわち、誘電率感知センサーを利用したセンシングセルアレイのそれぞれのカラムは、異なるレベルの基準電圧REF_1〜REF_nにより血液成分の特性が多様に分離及び分析されるようにする。
【0164】
このような構成を有するセンシングセルアレイは、ワードラインWLがイネーブルされればスイッチング素子Tがターンオンされ、センシングキャパシタS_Cの静電容量に従ってセンシングされた電圧がセンシングビットラインS_BLに出力される。
センスアンプSAは、センスアンプイネーブル信号SENに応答しセンシングビットラインS_BLから印加されるセンシング電圧を増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。そして、センスアンプSAは互いに異なる基準電圧REFに従い互いに異なるセンスアンプ出力信号SA_OUTを出力する。したがって、誘電率感知センサーを利用したセンシングセルアレイの全体的なそれぞれのローとそれぞれのカラムは、それぞれ異なる成分の特性を得ることになる。
【0165】
図81は、本実施の形態に係る誘電率感知センサーのセンシングセルアレイの変形例を示す図である。
図81に示すセンシングセルアレイは、図80に係る構成に比べて1つのセンスビットラインS_BLに複数のセンスアンプSA1〜SAmが連結されるのが相違する。1つのセンシングビットラインS_BLに複数のセンスアンプSA1〜SAmが連結され、それぞれのセンスアンプSA1〜SAmにこれと対応する複数の互いに異なる基準電圧REF_1〜REF_mが入力される。
そして、複数のセンスアンプSA1〜SAmからそれぞれ出力される複数のセンスアンプ出力信号SA_OUTは、インコーダ2511〜251nに出力されて周辺物質の成分分析のためインコーディングされる。
【0166】
図82は、本実施の形態に係るセンシングビットラインS_BLと基準電圧REFレベルとの関係を説明するための図である。
複数のセンシングビットラインS_BL1〜S_BLmは、スイッチングトランジスタTを介してセンシングキャパシタS_Cからセンシングされた複数のセンシング電圧レベルを発生することになる。複数のセンシングビットラインS_BL1〜S_BLmから印加された複数のセンシング電圧レベルと、それぞれ互いに異なる基準電圧REF_1〜REF_mのレベルを比べることにより、センシングされた周辺物質の成分がどの基準電圧レベルREF_1〜REF_mに該当するのかを判断することができるようになる。
【0167】
以上のように、センシングセルアレイのそれぞれのセンシング出力値に従い、図83に示されているように誘電率感知センサーの周辺物質の成分分析表を得ることができるようになる。
ここで、複数のセンシングプレートラインS_PLと複数のセンシングビットラインS_BLとの間に備えられたセンシングホール240は、その大きさに伴う関数で表現することができる。さらに、センシングビットラインS_BLでセンシングされた電圧と互いに異なる基準電圧REFとの比較に従い、周辺物質の成分がそれぞれ分離される。したがって、全体の誘電率感知センサーのセンシングセルアレイは周辺物質のそれぞれ異なる特性を分離して分析することができるようになる。
【0168】
図84は、本実施の形態に係る誘電率感知センサーを利用したセンシングセルアレイにおけるリード動作時の動作タイミング図である。
先ず、t1区間の進入時からセンシングビットラインS_BL、基準電圧REF及びセンスアンプイネーブル信号SENが活性化される。したがって、センシングキャパシタS_Cからセンシングされた互いに異なるセンシング電圧値は、センシングビットラインS_BLを介してそれぞれセンスアンプSAに出力される。次に、センスアンプSAはセンシングビットラインS_BLを介して入力されたセンシング電圧値と基準電圧REFとを比較して増幅することになる。
【0169】
その後、t2区間の進入時にセンスアンプイネーブル信号SENが活性化された状態で、センスアンプSAでセンシングされた互いに異なるセンシング電圧値をそれぞれ増幅してセンスアンプ出力信号SA_OUTが出力される。
したがって、血液成分分析手段はセンシングセルアレイから出力されたそれぞれのセンスアンプ出力信号SA_OUTを分析して周辺物質の成分を分析することができるようになる。
次に、t2区間以後にt3区間に進入すれば、ワードラインWL、センシングプレートラインS_PL、センシングビットラインS_BL及び基準電圧REFが非活性化され、センスアンプイネーブル信号SENがディスエーブルされて動作を停止することになる。
【0170】
以上、各実施の形態によれば、センサー及びそのセンシングセルアレイは、バイオセンサー、混合物成分分析センサー又は皮膚認識センサー等に適用され、周辺物質の成分を定量的に分析することができる。
また、センシングセルアレイを介して速やかな時間内に周辺物質の多様な成分を同時に分析することができるようにする。すなわち、バイオセンサー、混合物成分分析センサー、皮膚認識センサーに適用されて多様な周辺物質の成分をナノセカンドの時間レベルで分析することができるようになる。
さらに、センシングセルアレイのチップのサイズが小さいため、テストのためのサンプルの試料を節約することができるようにするという効果がある。
【符号の説明】
【0171】
6 センシングセルアレイ
7 バイオセンサー
8 センシングパッケージ
9 連結リード
10 連結ボード
11 血液成分分析手段
20 ドレイン端子
21 ソース端子
22 ゲート端子
23,24 コンタクトライン
25 ワードライン
26 センスビットライン
27 センスワードライン
28 可変強磁性層
29 トンネル接合層
30 固定強磁性層
31 MTJ素子
32 バリヤー導電層
33 オキシド保護層
34 センスワードライン
35 可変強磁性層
36 伝導性抵抗体
37 固定強磁性層
38 GMR素子
39 オキシド保護層
40 磁化ペア感知センサー
S センサー
T スイッチング素子(スイッチングトランジスタ)
SA1〜SAn センスアンプ
S_BL1〜S_BLn センシングビットライン
S_WL_1〜S_WL_m センスワードライン
WL_1〜WL_m ワードライン
CC_1〜CC_m 電流調整部
SA1〜SAm センスアンプ
501〜50n インコーダ
60 ドレイン端子
61 ソース端子
62 ゲート端子
63,64 コンタクトライン
65 ワードライン
66 センスビットライン
67 磁性物質
68 可変強磁性層(センスワードライン)
69 トンネル接合層
70 固定強磁性層
71 MTJ素子
72 バリヤー導電層
73 絶縁物質
74 オキシド保護層
80 ドレイン端子
81 ソース端子
82 ゲート端子
83,84 コンタクトライン
85 ワードライン
86 センスビットライン
87 電流ライン(フォーシングワードライン)
88 センスワードライン
88 可変強磁性層
89 トンネル接合層
90 固定強磁性層
91 MTJ素子
92 バリヤー導電層
93 絶縁物質
94 オキシド保護層
100,110 磁気抵抗センサー
1011〜101n,1121〜112n 基準電圧制御部
1031〜103n,1141〜114n A/D変換部
1111〜111m 電流制御部
116 DSP
120 ドレイン端子
121 ソース端子
122 ゲート端子
123,124 コンタクトライン
125 ワードライン
126 センスビットライン
127 バリヤー導電層
128 磁性物質
129 可変強磁性層
130 導電抵抗体
131 固定強磁性層
132 GMR素子
133 センスワードライン
134 オキシド保護層
140 ドレイン端子
141 ソース端子
142 ゲート端子
143,144 コンタクトライン
145 ワードライン
146 センスビットライン
147 バリヤー導電層
148 フォーシングワードライン
149 可変強磁性層
150 導電抵抗体
151 固定強磁性層
152 GMR素子
153 センスワードライン
154 オキシド保護層
160 巨大磁気抵抗センサー
1611〜161m S_WL駆動部
170 巨大磁気抵抗センサー
1711〜171m S_WL駆動部
1721〜172m F_WL駆動部
1731〜173m F_WL制御部
180 電流ライン(フォーシングワードライン)
181,182 可変強磁性層
183 トンネル接合層
184 固定強磁性層
185 MTJ素子
186 バリヤー導電層
187 センスワードライン
188 オキシド保護層
189 センシングホール
190 ドレイン端子
191 ソース端子
192 ゲート端子
193,194 コンタクトライン
195 ワードライン
196 センスビットライン
197 周辺物質
200 電流ライン(フォーシングワードライン)
201,202 可変強磁性層
203 センシング伝導層
204 固定強磁性層
205 GMR素子
206 センスワードライン
207 オキシド保護層
208 センシングホール
2211〜221n インコーダ
209 ドレイン端子
210 ソース端子
211 ゲート端子
212 コンタクトライン
213 コンタクトライン
214 ワードライン
215 センスビットライン
217 周辺物質
220 磁化ホール感知センサー
S_C センシングキャパシタ
S_PL センシングプレートライン
230 ドレイン端子
231 ソース端子
232 ゲート端子
233,234 コンタクトライン
235 ワードライン
236 センシングビットライン
237 第1の電極
238 第2の電極
239 オキシド保護層
240 センシングホール
241 周辺物質
250 誘電率感知センサー
2511〜251n インコーダ
1 可変強磁性層
2 トンネル接合層
3 固定強磁性層
4 第1の電極
5 第2の電極
PL 駆動プレートライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート端子がワードラインに連結され、ドレイン端子がセンシングビットラインに連結されたトランジスタ素子と、
第1の電極がセンシングプレートラインに連結され、第2の電極が前記トランジスタ素子のソース端子に連結されるセンシングキャパシタと、を備え、
前記センシングキャパシタの静電容量に従い異なる誘電率をセンシングし、前記トランジスタ素子を介して出力されるセンシング電圧が互いに異なる値を有することになることを特徴とするバイオセンサー。
【請求項2】
前記トランジスタ素子及び前記センシングビットラインの上部に形成されて素子等を絶縁させるオキシド保護層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項3】
前記センシングキャパシタは、前記第1の電極と第2の電極との間にセンシングホールを形成し、
前記第1の電極及び第2の電極間の距離に従い周辺物質の成分の大きさを分類し、前記センシングホールの面積に従い前記周辺物質の成分の量を分類することを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオセンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【公開番号】特開2009−294223(P2009−294223A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214634(P2009−214634)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【分割の表示】特願2003−302881(P2003−302881)の分割
【原出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】