説明

バイオセンサ測定装置

【課題】高い気密構造を形成しつつ、検知用電極を備えたバイオセンサカートリッジの装填作業を容易にできるバイオセンサ測定装置を得る。
【解決手段】先端に穿刺用器具を有するバイオセンサカートリッジを装填し、突出させた穿刺用器具を被検体に穿刺して採取試料を測定するバイオセンサ測定装置100において、採血補助機構収納体35にヒンジ部37を介して開閉自在に取り付けられた測定装置本体39と、この測定装置本体39の閉止によって前記採血補助機構収納体35の内部に形成される気密室と、この気密室内に設けられたカートリッジ装填室と、前記測定装置本体39の開放時に前記カートリッジ装填室に開口されバイオセンサカートリッジが穿刺方向と直交する方向で装填可能となる装填開口とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺用器具を有したバイオセンサカートリッジを装填し、穿刺用器具を被検体に穿刺して試料を測定するバイオセンサ測定装置に関し、さらに詳しくは、高い気密構造を形成しつつ、バイオセンサカートリッジの装填作業を容易にした改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば糖尿病の早期発見・悪化防止のために用いられる測定手段は、1日多数回の血糖値測定に利用されることから、穿刺手段と測定手段とが一体化されたものであることが好ましい。この種の測定装置としては特許文献1に開示される成分測定装置がある。
【0003】
図11は従来の成分測定装置の分解斜視図である。
図示の成分測定装置1は、主として本体3と、指当て部5と、ハウジング7内に収納された穿刺手段9と、ポンプ11と、電磁弁13と、圧力センサ(図示せず)と、測定手段15とを備えている。チップ17をハウジング7に、穿刺方向と反対方向(図中矢印a)である後方側から装填し、指先を指当て部5に押し当てチップ17の先端を封止する。操作ボタン19を押圧すると、穿刺手段9が作動し、チップ17に備えられた穿刺針が指先を穿刺し、穿刺口から流出した血液の所定成分が測定手段15で測定され、制御手段21,21で処理され、その結果が表示部23で表示される。
【0004】
また、成分測定装置1では、血液の採取を良好にして測定成功率を高めるために、穿刺針で指先を穿刺した後、吸引手段を作動させて減圧状態とし、穿刺部位から血液を吸い出すようにしている。すなわち、穿刺針が指先を穿刺すると同時に、ポンプ11及び電磁弁13の駆動制御が開始され、ハウジング7内の圧力が、大気圧より低い第1の圧力と、第1の圧力より高い第2の圧力とに交互に切り替えられる。穿刺部位からは血液が吸い出され、この血液の採取が検出されると、ポンプ11が停止し、電磁弁13が開いて減圧状態が解除される。
【0005】
測定手段15は、チップ17が備える試験紙に血液が供給(採取)されるのを光学的に検出するとともに、試験紙に展開された血液中のブドウ糖量を光学的に測定するものであり、その設置位置は、チップ17をハウジング7に装填、保持した状態で、試験紙が位置する側位近傍とされている。なお、図中、25は電池、27はチューブ、29は表示窓を示す。
【0006】
【特許文献1】特開2002−58662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、バイオセンサチップに穿刺具を一体的に装備してなるバイオセンサカートリッジには、上記の試験紙を備えるものと異なり検知用電極を測定装置に電気的に接続して血中成分のモニタリングを可能とするものがある。この種のバイオセンサカートリッジを使用するバイオセンサ測定装置では、バイオセンサカートリッジの装填時、検知用電極を装置側電極に接触させなければならず、特に後部に検知用電極を突設しているバイオセンサカートリッジの場合、穿刺方向の反対側(すなわち、後方側)からバイオセンサカートリッジを装填する構造では、電極同士を簡単且つ確実に接触させることができない問題が生じた。これに対し、バイオセンサカートリッジの装填を容易にするため、バイオセンサカートリッジの装填室に大きな装填開口を形成すれば、気密室の気密性を低下させる虞があった。このため、検知用電極を表出させたバイオセンサカートリッジを使用するバイオセンサ測定装置においては、気密性を確保しつつ、良好な装填を実現することが困難であった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、減圧時には高い気密構造を形成しつつ、検知用電極を備えたバイオセンサカートリッジの装填作業を容易にできるバイオセンサ測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 先端に穿刺用器具を有するバイオセンサカートリッジを装填し、前記バイオセンサカートリッジの穿刺用器具を被検体に穿刺して、試料を採取するとともに、試料中の生体物質を測定するバイオセンサ測定装置であって、
前記バイオセンサ測定装置は、測定装置本体と採血補助機構収納体とを有し、前記測定装置本体は前記採血補助機構収納体とヒンジ部を介して開閉自在であり、
前記採血補助機構収納体は、気密室と減圧室とを有し、
前記気密室には、前記バイオセンサカートリッジを装填するカートリッジ装填室と、前記バイオセンサカートリッジを前記被検体に穿刺する穿刺機構とが装備されたことを特徴とするバイオセンサ測定装置。
【0009】
このバイオセンサ測定装置によれば、バイオセンサカートリッジを装填するカートリッジ装填室と、バイオセンサカートリッジを被検体に穿刺する穿刺機構とが伴に気密室内に装備される。これにより、気密室は、外部に検知用電極を表出させたバイオセンサカートリッジであっても、減圧時には高い気密構造を形成しつつ、容易な装填作業で検知用電極を装置側電極に確実に接触させることが可能となる。
【0010】
(2) 前記カートリッジ装填室は、前記穿刺機構を構成する押圧ブロックの移動によって開口されることを特徴とする(1)記載のバイオセンサ測定装置。
【0011】
このバイオセンサ測定装置によれば、カートリッジ装填室が、穿刺機構を構成する押圧ブロックの移動によって開口される。すなわち、バイオセンサカートリッジを押圧するための付勢力の蓄積準備と同時にカートリッジ装填室の開放動作が行われる。つまり、付勢力蓄積動作を、バイオセンサカートリッジの容易な装填を可能とするカートリッジ装填室の装填開口の拡大に寄与させることができる。
【0012】
(3) 前記押圧ブロックが、前記測定装置本体に基端を回動自在に固定したリンク軸の先端に回動自在に連結されたことを特徴とする(2)記載のバイオセンサ測定装置。
【0013】
このバイオセンサ測定装置によれば、開放により気密室の気密状態を解除する測定装置本体に、押圧ブロックがリンク軸を介して連結されることで、測定装置本体の開放動作に連動して、押圧ブロックが付勢力の蓄積方向に移動されるとともにカートリッジ装填室が開放される。これにより、測定装置本体の開放操作のみによって、押圧ブロックの付勢力蓄積準備とカートリッジ装填室の開放とを簡便に行うことができる。
【0014】
(4) 前記リンク軸が、前記測定装置本体の閉止時に前記気密室内に収容されることを特徴とする(3)記載のバイオセンサ測定装置。
【0015】
このバイオセンサ測定装置によれば、測定装置本体が閉止されると、押圧ブロックと測定装置本体とを連結していたリンク軸が、気密室内に収容される。したがって、リンク軸が気密室の内外を貫通することがなく、高い気密構造を形成しつつ、押圧ブロックの付勢力蓄積準備とカートリッジ装填室の開放とを簡単な構造で実現できる。
【0016】
(5) 前記リンク軸の先端と前記押圧ブロックとが、前記バイオセンサカートリッジの移動距離分、相対移動可能に連結されたことを特徴とする(3)又は(4)記載のバイオセンサ測定装置。
【0017】
このバイオセンサ測定装置によれば、測定装置本体を開放して押圧ブロックを付勢力蓄積位置へ配置させた後、測定装置本体を閉止することにより、リンク軸の先端が押圧ブロックと相対移動可能な位置へと配置される。すなわち、押圧ブロックを付勢力蓄積位置へ移動させる際に必要となるリンク軸と押圧ブロックとの当接状態を解除し、押圧ブロックが穿刺方向へ移動可能な状態となる。これにより、簡単な構造で、測定装置本体の開閉動作に連動させた、押圧ブロックの付勢力蓄積位置への移動、及び穿刺方向への移動規制解除とを実現可能にすることができる。
【0018】
(6) 前記カートリッジ装填室を内部に形成したカートリッジ装填部が回動部によって一端側を前記採血補助機構収納体に対し回動自在に支持され、前記測定装置本体の開閉操作により前記カートリッジ装填部の他端側が前記採血補助機構収納体から起き上がり自在となっていることを特徴とする(1)記載のバイオセンサ測定装置。
【0019】
このバイオセンサ測定装置によれば、測定装置本体が開放されると、カートリッジ装填室と押圧ブロックとを有したカートリッジ装填部が採血補助機構収納体から起き上がる。したがって、バイオセンサカートリッジの装填が容易となる位置にカートリッジ装填室のカートリッジ装填口が配置され、バイオセンサカートリッジの装填作業を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るバイオセンサ測定装置によれば、測定装置本体を閉止することによって形成される採血補助機構収納体の気密室にカートリッジ装填室を設け、測定装置本体の開放時に、バイオセンサカートリッジが装填可能となる装填開口をカートリッジ装填室に開口させるので、測定装置本体を開放することで、気密室を気密解除すると同時に、大きな装填開口を開くことができ、高い気密構造を形成しつつ、バイオセンサカートリッジの装填作業を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係るバイオセンサ測定装置の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は本発明に係るバイオセンサ測定装置の外観斜視図、図2は図1に示したバイオセンサ測定装置の下面図である。
本実施の形態によるバイオセンサ測定装置100は、先端に穿刺用器具31を有するバイオセンサカートリッジ33を装填し、突出させた穿刺用器具31を不図示の被検体に穿刺して採取試料(例えば血液)を測定可能とする。このバイオセンサ測定装置100は、例えば上記の血糖測定装置として好適に用いることができる。なお、穿刺用器具31としては、針、ランセット針、カニューレ等が挙げられる。
【0022】
バイオセンサ測定装置100は、採血補助機構収納体(以下、単に「収納体」と略称する。)35にヒンジ部37,37を介して測定装置本体39が開閉自在に取り付けられている。測定装置本体39には操作ボタン41a,41bが設けられ、操作ボタン41a,41bは測定装置本体39内に設けられた制御部43や計測手段45へ操作信号を入力可能としている。例えば、操作ボタン41a,41bのいずれかが押下されることにより、累積記憶された結果履歴が順次過去のもの、或いは順次現在に近いものへと表示手段47に表示されるようになっている。計測手段45はバイオセンサカートリッジ33によって得られた検出信号から採取試料を測定する。制御部43は、計測手段45の測定動作や、操作ボタン41a,41b等からの入力信号に応じた制御信号を計測手段45等へ送出する。また、測定装置本体39には液晶パネル等からなる表示手段47が設けられ、表示手段47は計測手段45によって得られた計測結果や計測結果履歴を、制御部43による表示制御にて表示可能としている。
【0023】
収納体35の下面(図1の下面)には穿刺部49が設けられ、穿刺部49は収納体35に穿設された開口51(図3参照)と一致する計測開口53を備え、収納体35に着脱自在に装着されている。この計測開口53の内方には、図2に示すように、バイオセンサカートリッジ33の前端面が表出する。収納体35の上面には穿刺ボタン55及びポンプ作動ボタン56が押下可能に設けられ、穿刺ボタン55は押下動作によって穿刺ボタン押下信号を制御部43へ入力するとともに、後述の移動規制アーム57(図5参照)を回動させる。ポンプ作動ボタン56は押下動作によって作動する不図示のギアによって自動復帰する。したがって、連続する押下動作によって往復運動を繰り返すことができ、これにより、後述の真空吸引手段となるポンプユニット65を駆動させることができる。
【0024】
図3は測定装置本体を開いたバイオセンサ測定装置の斜視図である。
収納体35には内部を略二分する隔壁59が設けられ、隔壁59は収納体35内部を減圧室61と、気密室63とに区画している。減圧室61には真空吸引手段であるポンプユニット65が収容され、ポンプユニット65は不図示の逆止弁を内部に配置した通路67を介して気密室63に連通している。気密室63を形成する隔壁59と装置周壁の上端面にはパッキン69が固定され、パッキン69は測定装置本体39の閉められた状態で、測定装置本体39との隙間を塞いで気密室63を気密状態にシールする。したがって、バイオセンサ測定装置100では、測定装置本体39が閉止され、穿刺部49の計測開口53が被検体によって塞がれた状態で、ポンプユニット65の負圧が逆止弁を介して作用すれば、気密室63内が減圧されるようになっている。
【0025】
気密室63には離間する一対の壁部からなるカートリッジ装填室71と、穿刺機構とが形成され、カートリッジ装填室71はバイオセンサカートリッジ33を内方に装填可能としている。カートリッジ装填室71は上記の開口51に連通されている。カートリッジ装填室71に装填されたバイオセンサカートリッジ33には、穿刺用器具31が備えられており、この開口51を通して穿刺用器具31を突出することができる。
【0026】
カートリッジ装填室71には開口51と反対側に穿刺機構を構成する押圧ブロック73が配設され、押圧ブロック73は開口51に対して離反する方向へ移動自在となっている。押圧ブロック73の後端面と収納体内壁との間には付勢手段であるコイルバネ75が配設され、コイルバネ75は押圧ブロック73を開口51へ向けて付勢している。
【0027】
押圧ブロック73には摺動ピン77がピン軸回りに回動自在に係合され、摺動ピン77はリンク軸79a,79bを介して測定装置本体39に連結されている。本実施の形態では、リンク軸79a,79bは、固定状態で連結され、全長は変化しないように構成される。なお、リンク軸79a,79bは、全長が変化可能に連結されるものであってもよい。リンク軸79bの基端には軸線直交方向の支持ピン81が挿通され、支持ピン81は測定装置本体39に固定された一対の支持片83,83に両端が回動自在に支持されている。
【0028】
押圧ブロック73は、測定装置本体39が開放されることで、リンク軸79a,79b、摺動ピン77を介してコイルバネ75を圧縮する方向、すなわち、開口51から離反する方向(付勢力蓄積方向)へと移動される。この押圧ブロック73の移動により、カートリッジ装填室71には装填開口85(図5参照)が形成される。すなわち、測定装置本体39の開放によって、カートリッジ装填室71には装填開口85が開口され、バイオセンサカートリッジ33を図5の矢印bで示す上方から下方に向かって装填可能となっている。
【0029】
このように、装填開口85は、バイオセンサカートリッジ33を穿刺方向へ移動させる押圧ブロック73の付勢力蓄積方向の移動によって開口される。すなわち、バイオセンサカートリッジ33を押圧するための付勢力の蓄積準備と同時にカートリッジ装填室71における装填開口85の開放動作が行われる。つまり、付勢力蓄積動作を、バイオセンサカートリッジ33の容易な装填を可能とする装填開口85の拡大に寄与させることができる。
【0030】
また、上記の構成において、押圧ブロック73は、測定装置本体39に基端を回動自在に固定したリンク軸79a,79bの先端に回動自在に連結されている。したがって、開放により気密室63の気密状態を解除する測定装置本体39に、押圧ブロック73がリンク軸79a,79bを介して連結されることで、測定装置本体39の開放動作に連動して、押圧ブロック73が付勢力の蓄積方向に移動されるとともに、装填開口85が開放される。これにより、測定装置本体39の開放操作のみによって、押圧ブロック73の付勢力蓄積準備と、装填開口85の開放とを簡便に行うことができるようになっている。
【0031】
さらに、リンク軸79a,79bは、測定装置本体39の閉止時に気密室63内に収容される位置に配設されている。測定装置本体39が閉止されると、押圧ブロック73と測定装置本体39とを連結していたリンク軸79a,79bが、気密室63内に収容される。したがって、リンク軸79a,79bが気密室63の内外(壁)を貫通することがなく、ポンプユニット65による減圧時には高い気密構造を形成しつつ、穿刺用のコイルバネ75を縮める機構(押圧ブロック73の付勢力蓄積準備と装填開口85の開放と)を簡単な構造で実現している。
【0032】
押圧ブロック73は、測定装置本体39が全開された状態で、開口51から最も離れた位置となり、この移動位置で、下面等に設けられた切欠部87(図5参照)に移動規制アーム57の係止爪89が係止して移動が規制される。つまり、コイルバネ75が付勢力蓄積状態となる。移動規制アーム57は、中央部がピン91によって回動自在に支持され、一端が穿刺ボタン55を介して押圧されることで、係止爪89が切欠部87から係止解除する方向へ揺動される。なお、移動規制アーム57は、不図示のバネによって時計回りに付勢されている。このように移動規制アーム57は、押圧ブロック73が付勢力蓄積状態に移動されると、切欠部87に係止し、押圧ブロック73のコイルバネ75による移動を規制するとともに、穿刺ボタン55が押下されると、係止爪89が切欠部87から外れ、押圧ブロック73のコイルバネ75による移動を可能にする。
【0033】
押圧ブロック73には穿刺方向に長いスリット穴73aが形成され、スリット穴73aは摺動ピン77を相対移動可能に係合している。すなわち、リンク軸79aの先端と押圧ブロック73とは、バイオセンサカートリッジ33の略移動距離分、相対移動可能に連結されている。この係合構造では、測定装置本体39を開放して押圧ブロック73を付勢力蓄積位置へ配置させた後、測定装置本体39を閉止することにより、図5(b)に示すように、リンク軸79aの先端(摺動ピン77)が押圧ブロック73と相対移動可能な位置へと配置される。すなわち、押圧ブロック73を付勢力蓄積位置へ移動させる際に必要となる摺動ピン77と押圧ブロック73との当接状態(図5(a)の状態)を解除し、押圧ブロック73が穿刺方向へ移動可能な状態となる。これにより、簡単な構造で、測定装置本体39の開閉動作に連動させた、押圧ブロック73の付勢力蓄積位置への移動、及び穿刺方向への移動規制解除とを両立可能にしている。
なお、本実施の形態における「穿刺機構」は、穿刺ボタン55、移動規制アーム57、押圧ブロック73、コイルバネ75、摺動ピン77及び、リンク軸79a、79bを含んで構成される。
【0034】
ここで、バイオセンサカートリッジ33について説明する。
バイオセンサカートリッジ33は、図2に示した穿刺用器具31を先端部(前端部)に突出させた穿刺具本体93と、この穿刺具本体93に貼着され試料を吸引する試料採取口95を穿刺用器具31の基部に臨んで開口させたセンサチップ97と、このセンサチップ97を穿刺具本体93で挟持する受け部材99とを有して構成されている。
【0035】
穿刺具本体93は、合成樹脂材料からなる略半円柱形状の本体の軸線方向前端に、穿刺用器具31を軸線方向に突出してなる。また、受け部材99は、合成樹脂材料からなり、穿刺具本体93とで略円柱体を構成するような略半円柱形状に形成される。これら穿刺具本体93と受け部材99の双方の対向面は略平坦面で形成され、この平坦面同士によってセンサチップ97が挟持され、略円柱形状となるバイオセンサカートリッジ33を形成する。
【0036】
図4は検知用電極の接触構造を(a)、電線の貫通構造を(b)に表した電装部材の要部説明図である。
センサチップ97は、互いに対向する2枚の基板(一方の基板101のみを図示する。)と、この基板に挟装されるスペーサ層(図示せず)とを積層してなる。2枚の基板の少なくとも1枚の基板101のスペーサ層側の表面には検知用電極103a,103bが設けられている。検知用電極103a,103bの先端部(穿刺用器具31の突出側)は互いに対向する方向へL宇状に曲げられて離間されている(図示せず)。センサチップ97には、2つの検知用電極103a,103bが対向している部分にかけて、2枚の基板及びスペーサ層により中空反応部(図示せず)が形成されている。この中空反応部の先端に、穿刺して採取した試料としての血液を導入する試料採取口95(図2参照)が設けられている。
【0037】
検知用電極103a,103bは、中空反応部において露出しており、中空反応部における検知用電極103a,103bの直上或いは近傍に、例えば酵素とメディエータを固定化し血液中のグルコースと反応して電流を発生する試薬が設けられている。つまり、中空反応部は、試料採取口95から採取入された例えば血液等の試料が、試薬と生化学反応する部分となる。
【0038】
基板及びスペーサ層の材質としては、絶縁性材料のフィルムが選ばれ、絶縁性材料としては、セラミックス、ガラス、紙、生分解性材料(例えば、ポリ乳酸微生物生産ポリエステル等)、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等のプラスチック材料を例示することができる。機械的強度、柔軟性、及びチップの作製や加工の容易さ等から、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料が好ましい。代表的なPET樹脂としては、メリネックスやテトロン(以上、商品名、帝人デュポンフィルム株式会杜製)、ルミラー(商品名、東レ株式会杜製)等が挙げられる。
【0039】
試薬としては、例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)が挙げられる。また、検体の採血負担を考慮すると、中空反応部の容積は1μL(マイクロリットル)以下が好ましく、特に300nL(ナノリットル)以下であることが好ましい。このような微小な中空反応部であると、穿刺用器具31の直径は小さくても検体の充分な血液量が採取可能となる。また、穿刺用器具31は、直径が1000μm以下であることが好ましい。
【0040】
バイオセンサカートリッジ33の先端部には穿刺用器具31の周囲を覆う弾性体105を備えることが好ましい。弾性体105は、例えば中央部に密閉空間を形成するための貫通穴を有する円筒形状に形成できる。貫通穴は、穿刺用器具31が挿通されるため、穿刺用器具31の外径よりは大きくする。また、弾性体105の厚さは、穿刺用器具31の先端が、例えば0.1mm突出されるものであることが好ましい。なお、弾性体105の材質としては、弾性を有するものであれば特に限定されないが、シリコーン、ウレタン、アクリル、エチレン、スチレン等のポリマー単体若しくは共重合したポリマーからなるゴム若しくはスポンジ、ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン及びパーフルオロアルコキシエチレンとポリフルオロエチレンの共重合体であるPFA等のフッ素樹脂などを利用できる。ゴム弾性体については、中実であっても良いし、中空であっても良い。
【0041】
バイオセンサカートリッジ33の形状は、弾性体105の接着面の形状に対応しているものであり、先端部が面状となっていることが好ましい。例えば、チップ本体の断面形状が扁平である場合には、チップ本体の先端面に拡幅部(図示省略)を設けて、弾性体105の前面が接着されるようにするのがよい。このように構成されたバイオセンサカートリッジ33においては、先端部に設けられている弾性体105の接触面の形状が、バイオセンサカートリッジ33の先端部形状と対応しているので、弾性体105を確実に取り付けることができるとともに、弾性体105に押圧力が作用した際に、外れたり、ずれたりするのを防止することができる。
【0042】
また、弾性体105の被検体に接する面である先端面は、粘着剤でコーティングされるか、又は、粘着性を有するシリコーン、シリコーンのゲル等の材料で構成されていることが望ましい。これにより、弾性体105と被検体との密着性を向上させ、弾性体105の被検体に接する面での横滑りを抑えて、試料採取口95と穿刺口とがずれないようにできる。また、貫通穴の内周面は、親水性の材料を用いるか、若しくは、少なくとも内周面を親水処理することが望ましい。また、このバイオセンサカートリッジ33の弾性体105は、カートリッジ装填室71に装填して突出されることを考慮して、スムーズな移動が可能となる大きさで形成される。
【0043】
測定装置本体39に設けられる計測手段45は、バイオセンサカートリッジ33によって得られた検出信号から採取試料を測定する。押圧ブロック73の先端部には接触凹部107が形成され、接触凹部107内には図4(a)に示す接続端子109a,109bが基板111上に設けられる。接続端子109a,109bは、バイオセンサカートリッジ33の後端に突出された検知用電極103a,103bと接触する。収納体35内には計測手段45と接続端子109a,109bとを接続する電線113が気密室63の隔壁59を貫通する。図4(b)に示すように、この電線113と隔壁59の貫通穴115との間は、充填された樹脂材117にて気密封止される。なお、電線113は、図例のように弾性材120を外装したパイプ119が貫通穴115に挿通され、その内方に樹脂材117にて気密封止されて挿通されてもよい。なお、パイプ119は、弾性材118を外装して、貫通穴119との間の気密性の向上を図っているが、パイプ119を貫通穴115に圧入状態に嵌合して気密性が得られるのであれば、弾性材118を省略することもできる。また、パイプ119内方に充填される樹脂材117は、貫通穴115の全域に充填せず、貫通穴115の出入口のみに充填して気密性を得るものであってもよい。
【0044】
気密室63から隔壁59を貫通して導出された電線113は、測定装置本体39に穿設される配線開口121から測定装置本体39内へ配線される。この配線開口121は、測定装置本体39の気密室63を閉止する部位の外側に形成されている。つまり、気密室63の気密性が低下しないようになされている。
【0045】
このように、バイオセンサ測定装置100は、バイオセンサカートリッジ33の検知用電極103a,103bが押圧ブロック73に設けられた接続端子109a,109bに接触して導通状態となり、この押圧ブロック73に一端を接続し他端を計測手段45に接続する電線113が気密室63の隔壁59に穿設された貫通穴115に挿通され、この電線113と貫通穴115との間が充填された樹脂材117にて気密封止される。これにより、気密室63の気密性を低下させることなく、気密室63内にて可動自在に設けられた押圧ブロック73に電線113を接続して、バイオセンサカートリッジ33からの検出信号を計測手段45で計測することが可能となっている。
【0046】
次に、バイオセンサ測定装置100の作用を説明する。
図5はバイオセンサ測定装置の使用手順を(a)(b)(c)で表した動作説明図である。
バイオセンサ測定装置100では、図5(a)に示すように、測定装置本体39が開放操作されると、リンク軸79a,79bによって押圧ブロック73が計測開口53と反対側へ移動され、コイルバネ75が付勢力蓄積状態となり、移動規制アーム57の係止爪89が切欠部87に係止して、押圧ブロック73の移動が規制される。
【0047】
この状態で、カートリッジ装填室71に形成された装填開口85に、バイオセンサカートリッジ33を装填した後、図5(b)に示すように、測定装置本体39を閉め、気密室63を密閉状態とする。
【0048】
次いで、被検体を穿刺部49に当てて計測開口53を塞ぐ。この状態で穿刺ボタン55が押下されると、係止爪89が切欠部87から外れ、押圧ブロック73は、バイオセンサカートリッジ33を突出させた後、最終移動位置に達して停止する。なお、バイオセンサカートリッジ33は、計測開口53から穿刺用器具31を一旦突出させて穿刺を行った後、不図示の付勢手段によって若干後退されることで、穿刺用器具31が被検体から抜かれる。また、穿刺用器具31は、弾性体105の弾性復帰力によって被検体から抜かれるものであってもよい。
【0049】
また、穿刺ボタン55の押下と同時に、ポンプユニット65からの負圧が通路67を介して気密室63に付与される。穿刺用器具31が突出され、被検体に穿刺が行われて、穿刺口から流出した血液が気密室63の負圧によって効率よくバイオセンサカートリッジ33の中空反応部に吸引されることとなる。
【0050】
そして、中空反応部に流入した血液が試薬と反応すると、電流が発生し、この電流がバイオセンサカートリッジ33の検知用電極103a,103b、押圧ブロック73の接続端子109a,109b、電線113を介して計測手段45に入力され、血液中の成分が計測され、その計測結果が制御部43によって表示手段47へ表示されることとなる。
【0051】
このように、バイオセンサ測定装置100では、測定装置本体39を閉止することによって形成される気密室63にカートリッジ装填室71が設けられ、測定装置本体39の開放時に、バイオセンサカートリッジ33が穿刺方向と直交する方向で装填可能となる装填開口85がカートリッジ装填室71に開口される。したがって、測定装置本体39を開放することで、気密室63が気密解除されると同時に、バイオセンサカートリッジ33が穿刺方向直交方向で装填可能となる大きな装填開口85が開かれる。これにより、外部に検知用電極103a,103bを表出させたバイオセンサカートリッジ33であっても、減圧時には高い気密構造を形成しつつ、容易な装填作業で検知用電極103a,103bを装置側電極である接続端子109a,109bに確実に接触させることが可能となる。
【0052】
したがって、上記したバイオセンサ測定装置100によれば、測定装置本体39を閉止することによって形成される気密室63にカートリッジ装填室71を設け、測定装置本体39の開放時に、バイオセンサカートリッジ33が穿刺方向と直交する方向で装填可能となる装填開口85をカートリッジ装填室71に開口させるので、測定装置本体39を開放することで、気密室63を気密解除すると同時に、大きな装填開口85を開くことができ、ポンプユニット65による減圧時には高い気密構造を形成しつつ、バイオセンサカートリッジ33の装填作業を容易にすることができる。
【0053】
次に、本発明に係るバイオセンサ測定装置の他の実施の形態を説明する。
図6は他の実施の形態に係るバイオセンサ測定装置の採血補助機構収納体の閉鎖状態を(a)、同収納体の開放開始状態を(b)で表した断面図である。なお、図1〜図5に示した部材或いは部位と同等の部材或いは部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施の形態によるバイオセンサ測定装置200は、起き上がり穿刺機構によって、採血補助機構収納体35からカートリッジ装填部123が起き上がることに特徴を有する。採血補助機構収納体35の内部には気密室形成部材121が設けられ、気密室形成部材121は内部に気密室121aを形成する。気密室形成部材121の後端部には隔壁121bが起立し、隔壁121bは穿刺ボタン55の押圧ピン133を貫通させる。隔壁121bと穿刺ボタン55との間にはコイルバネ131が挟入され、コイルバネ131は押圧ピン133を気密室121aから後退する方向へ、穿刺ボタン55を付勢する。
【0054】
カートリッジ装填部123の後部には移動規制アーム57が設けられ、移動規制アーム57は中央部が揺動自在に支持される。移動規制アーム57の揺動一端(図6の左端)には係止爪89が形成され、係止爪89はカートリッジ装填部123に穿設された透孔127からカートリッジ装填部123の内部に突出可能となっている。係止爪89は、不図示の付勢手段により通常状態においてカートリッジ装填部123内に突出され、穿刺ボタン55の押圧ピン133が揺動他端129を押圧することで、揺動によりカートリッジ装填部123内から後退する。
【0055】
カートリッジ装填部123の内部にはカートリッジ装填室71が形成され、カートリッジ装填室71は前端部がカートリッジ装填口143となって開口される。カートリッジ装填口143は、計測開口53と同軸に形成される。つまり、カートリッジ装填口143から突出されるバイオセンサカートリッジ33(図8参照)は、計測開口53を介して外部へ先端が突出可能となる。カートリッジ装填室71には押圧ブロック125が前後方向(図6の左右方向)にスライド自在に設けられ、押圧ブロック125は先端面にバイオセンサカートリッジ33の検知用電極103a,103bとの接触凹部107を有している。押圧ブロック125とカートリッジ装填室71の内部後壁との間にはコイルバネ75が配設され、コイルバネ75は押圧ブロック125をカートリッジ装填口143側へ付勢している。
【0056】
押圧ブロック125の後部下面には切欠部135が設けられ、切欠部135はコイルバネ75の圧縮される押圧ブロック125の後退位置で係止爪89に係止する。つまり、押圧ブロック125は、コイルバネ75の復元力が蓄積された状態で、係止爪89によって保持される。この保持は、穿刺ボタン55の押下によって、移動規制アーム57が揺動することで解除される。
【0057】
押圧ブロック125の上部には前後方向に延在するガイド係合溝137が形成され、ガイド係合溝137は係合体139をスライド自在に係合する。係合体139には連結ピン141を介してリンク軸79の一端が回動自在に連結され、リンク軸79の他端は測定装置本体39に固設された支持片83に支持ピン81を介して回動自在に支持される。つまり、図6(b)に示すように、測定装置本体39がヒンジ部37を中心に開放されると、リンク軸79を介して係合体139がガイド係合溝137を図6の右方へスライドする。係合体139は、ガイド係合溝137の後端137aに当接することでスライドが規制される。
【0058】
カートリッジ装填部123は、不図示の回動部(ヒンジ或いは回動軸・軸受)によって、後端側(図6の右端側)が気密室形成部材121に対して回動自在に支持されている。つまり、カートリッジ装填部123は、後端を回動中心にして、前端が気密室形成部材121から起き上がり自在となっている(図8参照)。起き上がったカートリッジ装填部123は、カートリッジ装填口143が浮上して見易く、且つバイオセンサカートリッジ33の装填(軸線方向後部からの挿入)が行い易くなっている。
【0059】
次に、バイオセンサ測定装置200の作用を説明する。
図7は採血補助機構収納体35の開放完了状態を表した断面図、図8はカートリッジ装填部123の起き上がり状態を表した断面図、図9はバイオセンサカートリッジ33の装填状態を表す断面図、図10はバイオセンサカートリッジ33を装填して閉鎖完了した採血補助機構収納体35の断面図である。
バイオセンサ測定装置200では、図6(b)に示すように、測定装置本体39が開放操作されると、リンク軸79によって係合体139がガイド係合溝137に沿って移動する。係合体139がガイド係合溝137の後端137aに当接した後、さらに測定装置本体39が開かれると、図7に示すように、押圧ブロック125が計測開口53と反対側へスライドされ、コイルバネ75が圧縮される。そして、押圧ブロック125の切欠部135が係止爪89に一致すると、係止爪89が切欠部135に係止し、押圧ブロック125が付勢力蓄積状態に保持される。
【0060】
さらに測定装置本体39が開放されると、図8に示すように、カートリッジ装填部123が不図示の回動部を中心に回動して起き上がる。カートリッジ装填部123は、起き上がることによりバイオセンサカートリッジ33の装填が容易となる位置にカートリッジ装填口143が配置される。そして、図9に示すように、バイオセンサカートリッジ33を、後部からカートリッジ装填口143へ挿入してカートリッジ装填室71に装填する。この装填により、バイオセンサカートリッジ33は、検知用電極103a,103bが接触凹部107に電気的に接続される。
【0061】
次いで、図10に示すように、測定装置本体39を閉めることにより、カートリッジ装填部123が気密室121a内に収納状態となる(図7の状態参照)。さらに測定装置本体39を閉めることにより、係合体139がガイド係合溝137の左方へ移動され、リンク軸79が収納された状態で、気密室121aが密閉状態となる。
【0062】
次いで、被検体に計測開口53を当てて塞ぐ。この状態で穿刺ボタン55が押下されると、係止爪89が切欠部135から外れ、押圧ブロック125は、バイオセンサカートリッジ33を突出させた後、最終移動位置に達して停止する。なお、バイオセンサカートリッジ33は、計測開口53から穿刺用器具31を一旦突出させて穿刺を行った後、不図示の付勢手段によって若干後退されることで、穿刺用器具31が被検体から抜かれる。また、穿刺用器具31は、弾性体の弾性復帰力によって被検体から抜かれるものであってもよい。
【0063】
また、穿刺ボタン55の押下と同時に、真空吸引手段ポンプユニット65(図3参照)からの負圧がチューブ通路67を介して気密室121aに付与される。穿刺用器具31が突出され、被検体に穿刺が行われて、穿刺口から流出した血液が気密室121aの負圧によって効率よくバイオセンサカートリッジ33の中空反応部に吸引されることとなる。
【0064】
そして、中空反応部に流入した血液が試薬と反応すると、電流が発生し、この電流がバイオセンサカートリッジ33の検知用電極103a,103b、押圧ブロック125の接触凹部107、電線113を介して計測手段45に入力され、血液中の成分が計測され、その計測結果が制御部43によって表示手段47へ表示されることとなる。
【0065】
このように、バイオセンサ測定装置200によれば、気密室121aにカートリッジ装填部123を起き上がり自在に設け、測定装置本体39を開放することにより、カートリッジ装填部123が起き上がって、カートリッジ装填口143が装填容易な位置に配置されるので、外部に検知用電極103a,103bを表出させたバイオセンサカートリッジ33であっても、減圧時には高い気密構造を形成しつつ、容易な装填作業で検知用電極103a,103bを装置側電極である接続端子109a,109bに確実に接触させることが可能となる。この結果、減圧時にはポンプユニット65によって高い気密構造を形成しつつ、バイオセンサカートリッジ33の装填作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るバイオセンサ測定装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示したバイオセンサ測定装置の下面図である。
【図3】蓋体を開いたバイオセンサ測定装置の斜視図である。
【図4】検知用電極の接触構造を(a)、電線の貫通構造を(b)に表した電装部材の要部説明図である。
【図5】バイオセンサ測定装置の使用手順を(a)(b)(c)で表した動作説明図である。
【図6】他の実施の形態に係るバイオセンサ測定装置の採血補助機構収納体の閉鎖状態を(a)、同収納体の開放開始状態を(b)で表した断面図である。
【図7】収納体開放完了状態を表した断面図である。
【図8】カートリッジ装填部の起き上がり状態を表した断面図である。
【図9】バイオセンサカートリッジ装填状態を表す断面図である。
【図10】バイオセンサカートリッジを装填して閉鎖完了した採血補助機構収納体の断面図である。
【図11】従来の成分測定装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
31 穿刺用器具
33 バイオセンサカートリッジ
35 採血補助機構収納体
37 ヒンジ部
39 測定装置本体
63 気密室
71 カートリッジ装填室
73 押圧ブロック
79a,79b リンク軸
85 装填開口
100 バイオセンサ測定装置
b 穿刺方向と直交する方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に穿刺用器具を有するバイオセンサカートリッジを装填し、前記バイオセンサカートリッジの穿刺用器具を被検体に穿刺して、試料を採取するとともに、試料中の生体物質を測定するバイオセンサ測定装置であって、
前記バイオセンサ測定装置は、測定装置本体と採血補助機構収納体とを有し、前記測定装置本体は前記採血補助機構収納体とヒンジ部を介して開閉自在であり、
前記採血補助機構収納体は、気密室と減圧室とを有し、
前記気密室には、前記バイオセンサカートリッジを装填するカートリッジ装填室と、前記バイオセンサカートリッジを前記被検体に穿刺する穿刺機構とが装備されたことを特徴とするバイオセンサ測定装置。
【請求項2】
前記カートリッジ装填室は、前記穿刺機構を構成する押圧ブロックの移動によって開口されることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ測定装置。
【請求項3】
前記押圧ブロックが、前記測定装置本体に基端を回動自在に固定したリンク軸の先端に回動自在に連結されたことを特徴とする請求項2記載のバイオセンサ測定装置。
【請求項4】
前記リンク軸が、前記測定装置本体の閉止時に前記気密室内に収容されることを特徴とする請求項3記載のバイオセンサ測定装置。
【請求項5】
前記リンク軸の先端と前記押圧ブロックとが、前記バイオセンサカートリッジの移動距離分、相対移動可能に連結されたことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のバイオセンサ測定装置。
【請求項6】
前記カートリッジ装填室を内部に形成したカートリッジ装填部が回動部によって一端側を前記採血補助機構収納体に対し回動自在に支持され、前記測定装置本体の開閉操作により前記カートリッジ装填部の他端側が前記採血補助機構収納体から起き上がり自在となっていることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−289721(P2008−289721A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139535(P2007−139535)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】