説明

バケットエレベータ

【課題】 投入口から確実にバケットに土砂を投入することにより、土砂の飛散を防止し耐用年数を向上させたバケットエレベータを提供すること。
【解決手段】 バケットエレベータにおいて、各バケットを左右方向支持軸によりチェンに吊下し、バケットの下面開口前半部を閉鎖すると共に上記バケット側面に軸支され、前方側に回動することにより下面前半部を開放し得る前半回動底部と、バケットの下面開口後半部を閉鎖すると共に上記バケット側面に軸支され、後方側に回動することにより上記下面後半部を開放し得る後半回動底部とを上記バケットに設け、上記回動底部の側面に突起を設け、投入口近傍に一定範囲の案内レールガイドを設け、上記バケットは上記案内レールガイドに沿って上昇する際に、上記突起がレールガイドに当接することにより、バケット全体がその上面開口を投入口に向けて傾斜し得るように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粘性のある土砂等を地下から地上に搬送するためのバケットエレベータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バケットエレベータは、上下のスプロケット間に張設したチェンに設けた複数のバケットにより、土砂等を地中から地上に循環搬送するものであるが、そのバケットは一端部がチェンに固定され、下方位置において土砂投入口により投入された土砂等を受け、上方に搬送し、上部スプロケットにおいて反転することにより排出口に土砂を排出し、該バケットは反転した状態のまま下降して、下部スプロケットにおいて再度反転することにより、土砂投入口に向けて上昇し、該投入口において土砂等を受けるという構成である(例えば特許文献1)。
【0003】
また、粘性の高い付着性の土砂をバケットから確実に排出するために、バケット内にチェンの両端部を固定しておき、バケットが反転等したときチェンをバケット底面に当接させ、その振動によりバケット内の土砂等を排出すようにしたものが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−292132号
【特許文献2】特開2004−256261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のバケットエレベータでは、上部スプロケットにてバケットを反転して土砂を排出する構成であるため、バケット反転後もバケット内に土砂が付着して残る場合があり、効率的に土砂を排出できないという課題がある。
【0006】
また、バケットの反転時に飛散した土砂等がチェン等に容易に付着するため動作不良等の故障の原因となり、これらの問題から全体としてバケット及びチェン等の耐用年数が短いという課題がある。
【0007】
また、上記特許文献2のバケットエレベータでは、粘性の高い土砂等、付着性被搬送物の場合、十分に排出することができず、より搬送効率を向上させることが課題となっている。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、バケットの底部に開閉自在の回動底部を設けることで、粘性の高い土砂等であっても確実に排出することが可能であって、土砂等の漏れ、飛散等を防止し、バケット、チェン等への負荷を低減し得て、耐用年数を向上させたバケットエレベータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、下部スプロケット及び上部スプロケット間に張設したチェン間に所定間隔で複数のバケットを支持し、下方の投入口からバケットに投入された被搬送物を、上部の排出シュートに循環移送するバケットエレベータにおいて、上記バケットは上面開口バケットであって下面開口を開閉する回動底部を有し、上記回動底部は、その側面が上記バケット側面に支持軸により支持され、上記支持軸を以って回動することにより上記下面開口を開閉するものであり、上記回動底部の側面に開閉用突起を設け、該突起に上記回動底部が開放する方向の押圧力が作用した場合において該回動底部が回動するように構成し、上記バケットの排出シュートの近傍に一定範囲の開閉用案内レールガイドを設け、上記バケットは上記案内レールガイドに沿って移動する際に、上記開閉用突起が上記案内レールガイドに当接することで上記押圧力を受け、これにより上記回動底部が回動して上記下面開口を開放し、上記被搬送物を上記排出シュートに落下させるものであり、上記回動底部は上記案内レールガイドからの上記押圧力の解除により上記下面開口を閉鎖すものであることを特徴とするバケットエレベータにより構成される。
【0010】
従って、バケット(8)が開閉用案内レールガイド(20)に沿って移動する際、回動底部が回動してバケットの下面開口(8e)を開放することにより、バケット内部の土砂等の被搬送物を排出シュートに落下させることができ、土砂等の被搬送物を効率的に排出することができる。
【0011】
第2に、上記案内レールガイドは、上記開閉用突起に上記開放押圧力を与える第1傾斜部と、上記回動底部の開放状態を維持するための直線部と、上記開放押圧力を解除する第2傾斜部とから構成されるものであることを特徴とする上記第1記載のバケットエレベータにより構成される。
【0012】
従って、開閉用案内レールガイド(20)の第1傾斜部(20a)により回動底部が回動してバケットが開放され、直線部(20b)にて開放状態が維持されるので、確実に土砂等を排出することができ、上記第2傾斜部(20c)によって開放押圧力を解除して回動底部を閉鎖状態とすることができる。
【0013】
第3に、上記バケットは、その下面開口前半部を閉鎖すると共に上記バケット側面に軸支され、前方側に回動することにより上記前半部を開放し得る前半回動底部と、その下面開口後半部を閉鎖すると共に上記バケット側面に軸支され、後方側に回動することにより上記後半部を開放し得る後半回動底部とを有し、上記前半回動底部と上記後半回動底部の各支持軸を連動機構で接続すると共に上記前後半回動底部の何れかの側面に上記突起を設け、上記開閉用突起に上記開放押圧力が作用した場合に、上記連動機構を介して他方の回動底部を開放するように構成し、上記バケットは、上記開閉用突起が上記開閉用案内レールガイドに当接することで上記開放押圧力を受け、これにより上記前半回動底部と上記後半回動底部を開放して被搬送物を上記排出シュートに落下させるものであることを特徴とする上記第1又は2記載のバケットエレベータにより構成される。
【0014】
このように構成すると、バケット(8)の下面開口(8e)は前半回動底部(11a)と後半回動底部(11b)の前後方向の回動により開放されるため、バケットの下面開口(8e)を前後方向に開くことができ、これにより土砂等の被搬送物をより確実に排出することができる。
【0015】
第4に、上記バケットの前半回動底部と後半回動底部は全体として下に凸の一の湾曲面となるように構成されているものである上記第3に記載のバケットエレベータにより構成される。
【0016】
上記湾曲面は例えば左右方向支持軸(8b)を中心とする円弧面とすることができる。このように構成すると、バケットの下面開口を前後方向に開くことにより、円滑に土砂等の被搬送物を排出することができる。
【0017】
第5に、上記バケットの前半回動底部及び後半回動底部は、各々が下に凸の独立した湾曲面を形成している上記第3記載のバケットエレベータにより構成される。
【0018】
上記独立した湾曲面は、例えば異なる位置にある支持軸(10a,10b)を各々中心とする独立した円弧面とすることができる。このように構成すると、前後半回動底部(11a,11b)の閉鎖時において、バケット内部の土砂等の重量或いはバケットの振動等による上記回動底部の開きを防止することができ、土砂等の被搬送物の漏れを効果的に防止することができる。
【0019】
第6に、上記バケットは、上記下面開口の全体を閉鎖し得る一の回動底部を有しており、上記案内レールガイドからの上記開放押圧力により上記支持軸を以って回動し、上記下面開口を開放するものであることを特徴とする上記第1又は2記載のバケットエレベータにより構成される。
【0020】
このように構成すると、回動底部の連結機構が不要となり、バケット構成を簡略化することができる。
【0021】
第7に、上記バケットの一の回動底部は、全体として下に凸の湾曲面となるように構成されているものである上記第6に記載のバケットエレベータにより構成される。
【0022】
上記湾曲面は例えば支持軸(10a’)を中心とする円弧面とすることができる。このように構成すると、回動底部の回動による開動作により、バケット内部の土砂等の被搬送物を効率的に排出することができる。
【0023】
第8に、上記回動底部は、その側板の下端縁間に左右方向の複数の回動ローラを近接して回動自在に配置することにより構成し、かつ回動底部の上記回動ローラ上にゴム板を敷設し、該ゴム板の外側縁部を上記バケットの下面開口端縁に接続することにより構成したものであることを特徴とする上記第1〜7の何れかに記載のバケットエレベータにより構成される。
【0024】
このように構成することで、回動底部の開閉に従ってゴム板の背面側において複数の回動ローラ(12)が回動しながら接触するので、ゴム板上等の土砂等の被搬送物を確実に排出することができる。
【0025】
第9に、上記バケットの下面開口端縁に上記回動底部に接触するゴム板を設け、上記回動底部の開方向への回動に基づいて上記ゴム板により上記回動底部の被搬送物を掻き取り可能に構成したものであることを特徴とする上記第1〜7の何れかに記載のバケットエレベータにより構成される。
【0026】
このように構成すると、回動底部上に載置されている土砂等の被搬送物を回動底部の開閉動作に基づいてゴム板(60)により掻き取ることができる。
【0027】
第10に、上記バケットの側面に回動制御用突起を設けると共に、上記バケットの排出シュートの近傍に一定範囲の回動制御用案内レールガイドを設け、上記開閉用突起が上記開閉用案内レールガイドから上記押圧力を受けた状態において、上記回動制御用突起が上記回動制御用案内レールガイドに当接することで上記バケットの回動を抑制するものであることを特徴とする上記第1〜9の何れかに記載のバケットエレベータにより構成される。
【0028】
このように構成すると、回動底部の開放時においてバケットの開放方向(例えば矢印A方向)の回動が抑制されるため、回動底部を確実に開放することができ、土砂等の被搬送物を確実に排出することができる。
【0029】
第11に、上記回動制御用突起は上記開閉用突起が開閉用案内レールガイドに接触するよりも先に上記回動制御用案内レールガイドに当接するものであることを特徴とする上記第10記載のバケットエレベータにより構成される。
【0030】
このように構成すると、回動底部の回動開始時において、既にバケットの開放方向(例えば矢印A方向)の回動が抑制されているので、安定して回動底部の開放動作を行うことができる。
【0031】
第12に、上記回動底部の側面に強制閉鎖用突起を設け、上記開閉用案内レールガイドの第2傾斜部の近傍に、上記強制閉鎖用突起の移動経路に沿って強制閉鎖用案内レールガイドを設け、上記バケットは上記開閉用案内レールガイドに沿って移動する際に、上記強制閉鎖用突起が上記強制閉鎖用案内レールガイドに当接することで上記回動底部が閉鎖する方向の押圧力を受け、これにより回動底部が強制的に閉鎖されるものであることを特徴とする上記第2〜11の何れかに記載のバケットエレベータにより構成される。
【0032】
このように構成すると、回動底部を強制的に閉鎖することができ、回動底部の閉鎖不良による土砂等の被搬送物の漏れを防止することができる。
【0033】
第13に、上記連動機構は、リンク機構である上記第3記載のバケットエレベータにより構成される。
【0034】
第14に、上記連動機構は、上記両回動底部の側面の支持軸近傍に、互いに噛合するギア部を設け、一方の回動底部の開方向への回動に基づいて、上記ギア部を介して他方の回動底部を開方向に回動させるものであることを特徴とする上記第3記載のバケットエレベータにより構成される。
【0035】
第15に、上記連動機構は、上記一方の回動底部の側面の上記支持軸近傍にピンを設けると共に、他方の回動底部の側面の上記支持軸近傍に上記ピンが係合するカム溝を設け、一方の回動底部の開方向への回動に基づいて、上記カム溝を介して他方の回動底部を開方向に回動させるものであることを特徴とする上記第3記載のバケットエレベータにより構成される。
【0036】
第16に、上記開閉用案内レールガイドの上記直線部に上記開閉用突起が乗り上げ可能な小段部を設けたものであることを特徴とする上記第2〜15の何れかに記載のバケットエレベータにより構成される。
【0037】
このように構成すると、上記開閉用突起(14)が上記小段部(56)を乗り上げる際、回動底部が振動するので、該振動により回動底部に付着した土砂等の被搬送物を確実に排出し得る。
【0038】
第17に、上記排出シュート近傍の機枠に、上記バケットの開放時において垂下しているゴム板に当接するゴム板当接棒を設けたものであることを特徴とする上記第8に記載のバケットエレベータにより構成される。
【0039】
このように構成すると、垂下しているゴム板に付着した土砂をも確実に排出することができる。
【0040】
第18に、上記上部スプロケットの上部側の機枠に、該スプロケットを回動してくるバケットの上面開口に当接して該バケットの揺れを抑えるゴム板を張設したものであることを特徴とする第1〜17の何れかに記載のバケットエレベータにより構成される。
【0041】
このように構成すると、揺れ抑えゴム板(55)によりスプロケットを回動する際のバケットの揺れを防止して、該揺れに基づく土砂等の被搬送物の飛散、漏れを抑制することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明は上述のように、バケットに回動底部を設け、開閉用突起と開閉用案内レールガイドの当接により該回動底部を開閉させることで土砂等の被搬送物を排出するようにしたので、簡単な開閉機構により粘性の高い土砂等の被搬送物を確実に排出することができる。
【0043】
また、バケットからの土砂等の被搬送物の漏れを防止し、バケット、チェンの負担を低減して、耐用年数を向上させたバケットエレベータを実現することができる。
【0044】
また、バケットの下面開口は前半回動底部と後半回動底部の前後方向の回動により開放されるため、バケットの下面開口を前後方向に広く開くことができ、これにより土砂等の被搬送物をより確実に排出することができる。
【0045】
また、バケットの回動底部の形状を湾曲面とすることにより、土砂等の被搬送物の漏れを防止したバケットエレベータを実現したものである。
【0046】
また、一つの回動底部とすることにより、回動底部の連結機構が不要となり、簡潔な構成としながら確実に土砂等の排出が可能なバケットエレベータを実現したものである。
【0047】
また、回動制御用案内レールガイドと回動制御用突起を設けることで、回動底部の回動時においてバケットの開放方向の回動が抑制されるため、回動底部を確実に開放することができ、土砂等の被搬送物を確実に排出することができる。
【0048】
また、強制閉鎖用案内レールガイドを設けることで、回動底部を強制的に閉鎖することができ、回動底部の閉鎖不良による土砂等の被搬送物の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るバケットエレベータの側面図である。
【図2】同上バケットエレベータの正面図である。
【図3】同上バケットエレベータの最下部近傍の側面図である。
【図4】同上バケットエレベータの投入口近傍の側面図である。
【図5】同上バケットエレベータの排出部の側面図である。
【図6】同上バケットエレベータの上部スプロケット近傍の側面図である。
【図7】同上バケットエレベータの上部スプロケット近傍の側面図である。
【図8】同上バケットエレベータの上部スプロケット近傍の平面図である。
【図9】(a)(b)共に同上バケットエレベータのバケットの斜視図である。
【図10】同上バケットエレベータの投入口近傍の正面図である。
【図11】同上バケットエレベータの上部スプロケット近傍の側面図である。
【図12】(a)(b)ともに、同上バケットエレベータの上部スプロケット近傍の側面図である。
【図13】(a)〜(e)は同上バケットエレベータのバケットの各種実施形態を示す同上バケットの側面図である。
【図14】(a)〜(c)は同上バケットエレベータのバケットの他の実施形態を示す同上バケットの側面図である。
【図15】(a)〜(c)は同上バケットエレベータにおけるカム機構を有するバケットの開閉状態を示す側面図である。
【図16】同上バケットエレベータのバケットの側面図である。
【図17】同上バケットエレベータのバケットの側面図である。
【図18】(a)(b)は同上バケットエレベータの単一の回動底部の開閉状態を示すための説明図である。
【図19】同上バケットエレベータのバケットの斜視図である。
【図20】図13(b)のタイプのバケットのバケット側面を取り外した状態の斜視図である。
【図21】(a)は図14(a)のタイプのバケットのバケット側面を取り外した状態の開状態の斜視図、(b)は図14(c)のタイプのバケットのバケット側面を取り外した状態の閉状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明に係るバケットエレベータを詳細に説明する。
【0051】
図1、図2に本発明に係るバケットエレベータ1の全体構成を示す。このバケットエレベータ1は、排出シュート9を含む排出部1aを地面G上に支柱2,2により立設し、地中にバケット案内筒1bを垂直に埋設し、最下点(地中約30m地点)近傍に土砂等の投入口3を介設し、該投入口3からバケット案内筒1b内に投入コンベア4により投入される土砂をバケット8で受けて上部の排出シュート9に搬送するものである。
【0052】
このバケットエレベータ1は、下部スプロケット5及び上部スプロケット6a,6b間に張設した左右一対のチェン7a,7b間に所定間隔で複数のバケット8を吊下げ、下方の上記投入口3から上記バケット8に投入された土砂を、上部の排出シュート9に循環移送する。
【0053】
尚、以下の説明において、図1においてバケット8の昇降方向を「上下方向」、図1の側面図における前後を「前後方向」、図2の正面図における左、右を「左右方向」という。
【0054】
上記バケット8は図9(a)(b)、図19に示すように、上面開口バケットであって(上面開口8a)、その上部の左右方向の同一中心軸上に位置する左右方向支持軸8b,8bの各両端部を以って上記チェン7a,7bに接続されており、該バケット8は上記支持軸8bを中心として矢印A,B方向に回動自在となっている。これら支持軸8bは当該バケット8の前後方向の中心に設けられているため、上記吊下げ状態において、当該バケット8は下面開口8eを鉛直下方に向け、前後重量が吊り合った状態となり、傾斜することなく水平に吊下げ支持されている。
【0055】
このバケット8は、下面は開口(下面開口8e)しており、その下面開口前半部8’を閉鎖すると共に上記バケット側面8c,8cに軸支され(支持軸10a,10a)、前方側(矢印A方向)に回動することにより、上記下面開口前半部8’を開放し得る前半回動底部11aと、その下面開口後半部8”を閉鎖すると共に上記バケット側面に軸支され(支持軸10b、10b)、後方側(矢印B方向)に回動することにより上記下面開口後半部8”を開放し得る後半回動底部11bとを有している。
【0056】
上記前半回動底部11aは、図9(b)に示すように、上記左右の支持軸10a,10aにおいて各々扇状の側板(側面)11’,11’の各頂上部が軸支(10a)されており、両側の側板11’,11’の円弧状の下端縁11c間に複数の回動ローラ12が各々回転自在に軸支されている(図19参照)。これらのローラ12は前後方向に近接した状態で配列されており、各ローラ12は各々自在に回転可能となっている。従って、上記回動ローラ12は上記円弧状の下端縁11cに沿ってその外周接線が円弧状となるように並列しており、各回動ローラ12の外周面により円弧状の回動底部が形成されている。
【0057】
上記後半回動底部11bは、図9(b)に示すように、上記左右の支持軸10b,10bにおいて各々扇状の側板(側面)11”,11”の各頂上部が軸支(10b)されており、両側の側板11”,11”の円弧状の下端縁11d間に複数の回動ローラ12が各々回転自在に軸支されている(図19参照)。これらのローラ12は同様に前後方向に近接した状態で配列されており、各ローラ12は各々自在に回転可能となっている。従って、上記回動ローラ12は上記円弧状の下端縁11dに沿ってその外周接線が円弧状となるように並列しており、各回動ローラ12の外周面により円弧状の回動底部が形成されている。
【0058】
上記前後半回動底部11a,11bの複数の回動ローラ12の外周面に接する面(円弧面)は上記左右方向支持軸8bを中心とする下に凸の一の円弧面となるように連続して形成されている。そして、この円弧面は、上記左右方向支持軸8bを中心とする円弧面に限らず、下に凸の一の連続する湾曲面であっても良い。
【0059】
さらに、上記前半回動底部11aと後半回動底部11bの上記各ローラ12の上面には各々ゴム板13a,13bが敷設されており、各ゴム板13a,13bの中央縁13a’,13b’を接合すると共に、上記前半回動底部11aのゴム板13aの外側縁部13a”を該上記バケット8の下面開口前端縁(下面開口端縁)8dに複数のボルトb等で接続固定し、上記後半回動底部11bのゴム板13bの外側縁部13b”を上記バケット8の下面開口後端縁(下面開口端縁)8d’に複数のボルトb等で接続固定する。上記ゴム板13a,13bの中央縁13a’,13b’は図17に示すように接合部61にて重複するように構成することが好ましい。また、上記前半回動底部11aと後半回動底部11bの対向する接合部は、互いに隙間無く接触している。
【0060】
上記前半回動底部11aの側板(側面)11’下方位置に開閉用突起14を固設すると共に、上記被搬送物投入口3の近傍に一定範囲の傾斜用案内レールガイド15を左右一対に設け(図4参照)、上記バケット8は上記案内レールガイド15に沿って上昇する際に、上記突起14が傾斜用レールガイド15に当接した状態で移動することにより、上記前後半回動底部11a,11bが閉鎖された状態のまま、上記バケット8全体がその上面開口8aを上記投入口3に向けて傾斜し得るように構成されている。尚、上記突起14は左右の側板11’の対称位置に設けられており、当該突起14の周囲にはローラ14aが回転自在に設けられている。
【0061】
上記前半回動底部11aと上記後半回動底部11bの各支持軸10a,10bはリンク機構16により連結されている。このリンク機構16は(図4、図9、図19参照)、上記支持軸10aに接続され斜め上方に延出し、前半回動底部11aに溶接されたアーム部16aと、上記支持軸10bに接続され斜め下方に延出され、後半回動底部11bに溶接されたアーム部16cと、上記アーム部16aと16cの端部に各々軸支され、両アーム部を連結するリンクプレート16bとから構成されている。尚、このリンク機構16も上記左右の支持軸10a,10bに一対に設けられている(図10参照)。
【0062】
このようなリンク機構16の構成により、前後半回動底部11a,11bの閉鎖状態(図9、図4の状態)から上記前半回動底部11aの側板に設けられた突起14を矢印C方向(図4参照)に押圧すると、上記支持軸10a(前半回動底部11a)を矢印B方向に回転させようとするが、当該力は上記リンク機構16a,16b,16cを通じてもう一方の支持軸10b(後半回動底部11b)を矢印A方向に回転させようとする。しかしながら、当該支持軸10bを矢印A方向に回転させようとする力は上記支持軸10a(前半回動底部11a)を矢印B方向に押圧する力と相殺されるので、上記底部11a,11bは閉鎖状態を維持する。そして、さらに上記突起14に矢印C方向の押圧力が作用すると、上記支持軸8bを中心としてバケット8全体が矢印B方向に回動してその上面開口部8aを投入口3方向に向けるように構成されている(図4参照)。
【0063】
上記傾斜用案内レールガイド15は、上記投入口3の近傍から下端方向に、略バケット2つ分の範囲にわたって設けられており(図4参照)、上記突起14が当接してバケット8を後方(矢印C方向)に向けて押圧するための下部傾斜部15aと該下部傾斜部15aに連続し、上記チェン7a,7bに沿って設けられた直線部15bと、上記バケットを傾斜しない吊下げ状態に戻すための上部傾斜部15cとから構成されている。
【0064】
また、上記リンク機構16は、上記突起14に矢印D方向(図6参照)に力が作用したときは、支持軸10aを矢印A方向に回転する力が作用し、当該回転力はアーム部16a,リンクプレート16b,アーム部16cを通じて支持軸10bを矢印B方向に回転させる力となる。よって、この場合は、前半回動底部11aは矢印A方向に回動して開放状態となり(図6参照)、後半回動底部11bも矢印B方向に回動して開放状態となり、結果として前後半回動底部11a,11bが完全に開放した状態となる(図6、図7参照)。また、これと同時に上記ゴム板13a,13bが垂下して上記底部が完全に開放される。
【0065】
上記バケット8の上記排出シュート9の近傍(上方)に一定範囲(略バケット2個分)の水平方向の開閉用案内レールガイド20を設け、上記バケット8は上記開閉用案内レールガイド20に沿って移動する際に、上記突起14が上記案内レールガイド20に当接することで上記開放押圧力(矢印D方向)を受け、これにより前半回動底部11aと後半回動底部11bが開放して被搬送物(土砂)を上記排出シュート9に落下させるように構成している。
【0066】
上記バケット8の左右側面8cの後方側上面には浮き上がり防止突起(回動制御用突起)31が各々設けられており、当該突起31の先端部には回転ローラ31aが設けられている(図9、図19参照)。また、上記排出部1aの上部機枠1a’には、上記チェン7a,7bに平行に左右一対に回動制御用案内レールガイド32が固設されている。上記浮き上がり防止突起31の回転ローラ31aは、図6、図7に示すように、上記バケット8が排出シュート9上方の水平移動に移行するとき、水平移行するチェン7aに平行に水平に設けられた上記回動制御用案内レールガイド32上を移動するように構成されている。かかる構成により、上記突起14に矢印D方向の力が作用したとき、バケット8自体に左右方向支持軸8bを中心として矢印A方向に回転させようとする力が作用するが、上記浮き上がり防止突起31を上記回動制御用案内レールガイド32上面に押し当てることにより、バケット8自体の開放方向の浮き上がり(矢印A方向の回動)を防止するものである。
【0067】
上記回動制御用突起31は上記突起14が開閉用案内レールガイド20に接触するよりも先に上記回動制御用案内レールガイド32に当接するように構成している。このように構成すると、回動底部の回動開始時において、既にバケット8の開放方向の回動が抑制されているので、安定して回動底部11a,11bの開放動作を行うことができる。
【0068】
上記開閉用案内レールガイド20は、上部スプロケット6a,6b間における排出部1aの上部機枠1a’内に、左右に一対として固設されており、上記突起14に矢印D方向の押圧力を与えて上記前後半回動底部11a,11bを開放するための前半傾斜部(第1傾斜部)20aと上記開放状態を維持する直線部20bと上記矢印D方向の押圧力を解除するための後半傾斜部(第2傾斜部)20cとから構成されている。
【0069】
このように、上記前半回動底部11aと上記後半回動底部11bの各支持軸10a,10bをリンク機構16で連結し、上記突起14に上記一方の回動底部11aが開放する方向の開放押圧力(矢印D方向)が作用した場合にのみ、上記リンク機構16を介して他方の回動底部11bを開放する方向に回動するように構成し、上記バケット8の排出シュート9の近傍に一定範囲の開閉用案内レールガイド20を設け、上記バケット8は上記開閉用案内レールガイド20に沿って移動する際に、上記開閉用突起14が上記開閉用案内レールガイド20に当接することで上記開放押圧力を受け、これにより前半回動底部11aと後半回動底部11bが開放して被搬送物(土砂)を上記排出シュート9に落下させるように構成している。
【0070】
上記開閉用案内レールガイド20は図6,7に示すように、上記突起14の当接位置に存在し、所定距離の昇り傾斜面から構成された前半傾斜部20aと該前半傾斜部20bに連続する直線部20bと該直線部20bに連続する下り傾斜面から構成された後半傾斜部20cから構成されている。上記前半傾斜部20aは上記バケット8の突起14が該傾斜部20aを昇りきった部分において、前後半回動底部11a,11bが回動し、上記下面開口8eが全開状態となるように構成されている。そして、上記バケットが上記直線部20bに沿って移動していく区間において、上記回動底部11a,11bの全開状態が維持される。上記バケット8が上記直線部20bを経て後半傾斜部20cに移行すると、上記開閉用突起14が該斜面20cに沿って降下していくにつれて回動底部11a,11bはリンク機構16を介して自重により閉鎖して行き、上記開閉用突起14が上記後半傾斜部20cを離間する時点にて上記回動底部11a,11bは全閉状態となる。
【0071】
上記開閉用案内レールガイド20は図5に示すように、上記直線部20bが排出シュート9の上面開口の略中央部に位置するように、上記排出部1aの機枠1a’に固定される。上記回動制御用案内レールガイド32は全体が直線的なレールにより構成されており、その始端部32aは、上記開閉用案内レールガイド20の始端部よりも前(バケット8の移行方向の上流側)に位置するように構成されており、かつその終端部32bは、上記突起14に対して上記レールガイド20からの開放方向の押圧力が解除された後に、上記突起31が上記レールガイド32から離間するように、上記開閉用案内レールガイド20の終端部より後(バケット8の移行方向の下流側)に位置するように構成されている。
【0072】
このように構成すると、上述のように上記回動制御用突起31を回動制御用案内レールガイド32に係合させてバケット8の回動規制状態とした後に、上記開閉用突起14を開閉用案内レールガイド20に当接させて安定して回動底部11a,11bを開放することができ、さらに回動底部11a,11bが完全に閉鎖された後、上記回動制御用突起31が上記回動制御用案内レールガイド32から外れるので、回動底部11a,11bが完全に閉鎖されるまでバケット8の姿勢を安定させることができる。
【0073】
上記排出シュート9の下端部には搬出コンベア9aを設け(図1、図2)、排出された土砂等を当該コンベア9aで所定の場所に搬送する。また、このような排出シュート9の構成によると、図2の二点鎖線にて示すように、上記排出シュート9の向きを左方向又は右方向に傾斜させることにより、搬出コンベア9aの排出口の位置を左又は右にずらすことも容易に行うことができ、設置場所或いは土砂等の搬送場所に応じて、搬出コンベア9aの設置位置を設定することができる。
【0074】
上記上部スプロケット6a,6bは、図8に示すように、対向する一対のスプロケット6a,6a、6b,6bにより構成され、これらスプロケット6a,6bの回転中心軸21a,21bは互いに各スプロケットの外側方向にのみ設けられており、両スプロケット6a,6bの対向する内側6a’,6b’を上記バケット8が通過するように構成されている。即ち、上記スプロケット6a,6bの各々の回転軸21a,21bは、各々上記スプロケット6a,6bから外側方向に延出形成されており、当該回転軸21a,21bは各々上記バケットエレベータの上部機枠35上に設けられた軸受(ピローブロック)22,23によって回転可能に支持されている。よって、上記スプロケット6a,6a間、上記スプロケット6b,6b間を連結する中心軸は存在しない。
【0075】
上記チェン7a,7bは上記スプロケット6a,6bに巻回されており、両チェン7a,7b間にバケット8が吊下されているため、該バケット8は上記スプロケット6aを介して排出シュート9上面に向けて水平に方向変換する。このとき、上記バケット8は、図6に示すように、両スプロケット6a,6a間の中心軸21aの位置を通過するが、両スプロケット6a,6a間を連結する中心軸がないので、何ら支障なく、通過することができる。かかる構成により、スプロケット6aの直径を非常に小さく形成することができ、排出シュート9近傍の装置構成を小型化することができる。かかる機能は上部スプロケット6b,6b側でも同一である。
【0076】
上記スプロケット6b,6bの回転軸21b,21bには各々独立したモータM1,M2の駆動プーリに接続された駆動チェン30,30が連結されており、当該モータM1,M2を同期状態で駆動することにより、上記スプロケット6b,6bを同一タイミングで回転駆動し、これにより上記チェン7a,7bを矢印E方向(図1)に回転駆動し得るように構成されている。
【0077】
上記一対のチェン7a,7bは、昇降用レールガイド24に沿って設けられているが(図9(a)、図19参照)、上記レールガイド24の両チェン7a,7bの対向部にゴム製のカバー25,25を設けると共に、当該カバー25,25の対向縁を近接させて中央部にスリット26を形成し、上記バケット8の上記左右方向支持軸8bは上記スリット26を介して上記チェン7a,7bに接続されるように構成されている。
【0078】
即ち、図9(a)、図19に示すように、上記バケット8の左右方向支持軸8bは上記ゴム製カバー25のスリット26を介して上記チェン7a,7bに接続されている。このように構成すると、上記カバー25のスリット26はゴムの弾性により常時は近接状態に略閉鎖されているので、土砂等がチェン7a,7bに直接飛散、付着することがなくなり、チェン7a,7bの不具合等を効果的に防止することができる。
【0079】
27はチェン7a,7bのテンション維持用の重垂であり(図1)、上記下部スプロケット5にアーム28を介して設けられ、該下部スプロケット5に常時下向きの力を与えて、上記チェン7a,7bに常にテンションをかけるために設けられたものである。
【0080】
上記投入口3における上記傾斜用案内レールガイド15が形成された範囲において、上記チェン7a,7bと上記バケット8との間に、左右一対の飛散防止板29,29が固定されている(図4、図10)。この飛散防止板29,29は投入口3から搬入コンベア4により投入される土砂等(図4、図10におけるX)をバケット8の上面開口8aの方向に案内するものであり、上記投入口3の左右に広い面積の飛散防止部29a,29aが設けられていると共に、当該飛散防止部29a,29bから下方向けて垂下部29b,29bが設けられている。この防止板29,29は、上記投入口3からバケット8に向けて投入される土砂を上記バケット8の上面開口8aに案内すると共に飛散を防止するものである。尚、図中36は上記投入コンベア4のスプロケットである。
【0081】
本発明は上述のように構成されているため、バケット8は左右方向支持軸8bにより上部中央をチェン7a,7bに支持された吊り下げ状態で移行し、下部スプロケット5を回って投入口3に至る。このとき、前半回動底部11aの突起14が傾斜用案内レールガイド15の下部傾斜部15aに当接することにより、バケット8全体が上記左右方向支持軸8bを中心に後方に回動され、上面開口8aを投入口3の方向に向けた傾斜状態で垂直に上昇していく(図4参照)。
【0082】
このとき、投入口3から土砂が投入されるが、上記上面開口8aが投入口3方向を向いているので、投入された土砂は上記バケット8内に確実に投入されて行き、土砂こぼれを抑制することができる。
【0083】
上記バケット8は傾斜用案内レールガイド15の上部傾斜部15cを通過することにより傾斜の無い吊り下げ状態に復帰し、当該吊り下げ状態で上昇して行く。
【0084】
土砂を投入された上記バケット8は上部スプロケット6aによって水平に方向変換され、開閉用案内レールガイド20の前半傾斜部20aに上記突起14が当接することにより、当該突起14が矢印D方向に押され、これにより前半回動底部11aが矢印A方向に開くと同時に、リンク機構16を介して後半回動底部11bが矢印B方向に開く。このとき、同時にゴム板13a,13bは各々下方に垂下され、内部に収納した土砂等を排出シュート9に落下させる。また、上記回動ローラ12は上記ゴム板13a,13bの背面側に回動接触しながら回動底部11a,11bが回動されていくため、ゴム板13a,13bが振動し、これによりゴム板13a,13bに付着した土砂等を容易に落下させることができる。
【0085】
このとき、上記バケット8の底部は完全に開放されるため、粘着性の高い土砂であっても確実に落下させることができる。
【0086】
上記バケット8は後半傾斜部20cに位置すると(図7)、上記突起14に対する押圧が解除されるため、上記前後半回動底部11a,11bは閉鎖方向に回動する。このとき、上記前後半回動底部11a,11bの各ローラ12が上記ゴム板13a,13bの背面側に接触し、各ローラ12が回転しながら閉鎖するので、ゴム板13a,13bを円滑に閉鎖することができる。
【0087】
土砂の排出の終了したバケット8は上記上部スプロケット6bを介して下方に移行して行き、以降は上記動作を繰り返し行うものである。
【0088】
以上のように、本発明によると、バケット8に土砂等の被搬送物を確実に投入することができ、土砂等の飛散等を防止し得て、上記バケット8に不要な負荷がかからないので、バケットエレベータとしての耐用年数を大幅に向上し得るものである。
【0089】
また、バケット8が投入口を通過するとき、バケットの上面開口が上記投入口の方向に傾斜するように構成したので、土砂等の被搬送物を確実にバケットに投入することができる。
【0090】
また、バケットはその上部中央を左右方向支持軸8bに前後方向に釣り合った吊り下げ状態で移行する構成であり、かつ土砂等の飛散が抑制された構成であるため、下部スプロケットを移行するときバケット8、チェン7a,7b、スプロケット等に不要な負荷が作用することなく、これによりバケットエレベータとしての耐用年数を向上し得るものである。
【0091】
また、バケット8の底部を完全に開閉することで被搬送物を排出し得るので、粘性の高い被搬送物であっても確実に排出することができる。
【0092】
また、上部スプロケット6a,6bの直径を小さく構成することができ、スペース効率の高いバケットエレベータを構成することができる。
【0093】
また、チェンにゴム製のカバーを設けることにより、チェンに対して土砂等の飛散、付着を極力防止することができ、土砂等の付着に基づくチェン、スプロケット等の故障等を極力防止することができる。
【0094】
図11に示すのは、本発明に係るバケットエレベータの排出部近傍の他の実施形態を示すものであり、基本的構成は図6の実施形態と同様であるが、上部スプロケット6a上方に揺れ抑えゴム板55が設けられている点、上記開閉用案内レールガイド20の直線部20b上に小段部56が形成されている点、上記直線部の下側にゴム板当接棒57が設けられている。
【0095】
上記揺れ抑えゴム板55は上部スプロケット6a,6a間の位置において、一端を上記排出部1aの上部機枠1a’に固定62され、他端を上記排出部1aの上部機枠1a’に固定63された状態で、左右方向に水平に張設されている。このゴム板55の下方板面55aには、下方から上部スプロケット6aを回動してくるバケット8の上面開口8a周縁が下方から当接し、該バケット8は上記下方板面55aに当接しながら、上記スプロケット6aを回動し、上記浮き上がり防止突起31が回動制御用案内レールガイド32に移行していく。上記バケット8は上記上部スプロケット6aを回動する際、左右方向支持軸8b内の抵抗等によりバケット8に揺れ(主に左右方向支持軸8bの矢印A,B方向)が発生し、土砂が飛散したり、或いは上記浮き上がり防止突起31が上記案内レールガイド32に乗り込む際に衝突音が発生する場合がある。
【0096】
しかしながら、上記揺れ抑えゴム板55を設けることにより、上記バケット8は上記スプロケット6aを回動していく際に、バケット8の上面開口8aの周縁が上記ゴム板55の下方板面55aに当接することにより、上記ゴム板55の弾性により上記バケット8の上記揺れを抑制することができ、土砂の飛散を防止し得るし、上記案内レールガイド32への乗り込み時の衝突音の発生を防止することができる。
【0097】
上記バケット8は上記開閉用案内レールガイド20の直線部20bに移行すると、前後半回動底部11a,11bは全開状態となり、土砂が排出されるが、このとき、上記レールガイド20の直線部20bに、バケット8の進行方向に対する上り傾斜面56aと垂直面56bとからなる略楔形の小段部56を複数箇所(実施形態では2箇所)設けている。尚、これらの小段部56は左右一対の開閉用案内レールガイド20,20に各々設けられる。
【0098】
従って、上記バケット8の開閉用突起14は上記小段部56を乗り越えて進行していくため、上記突起14が上記小段部56を通過する際に、上記上り傾斜面56aにより上記前後半回動底部11a,11bの開角度が一旦大きくなって、上記突起14が上記段部56を乗り越えた時点でもとの開度に復帰するという動作(振動動作)を行う。これにより、前後半回動底部11a,11b、回動ローラ12、ゴム板13a,13b等に付着した土砂等を排出シュート9に落とすことができる。本実施形態では、2箇所の小段部56にて上記開閉動作を行って、土砂等を確実に落とすことができる。
【0099】
また、上記2つの小段部56の少し上流側の位置において、上記機枠1a’に左右方向のゴム板当接棒57,57を各々固定する。このゴム板当接棒57は上記前後半回動底部11a,11bが開状態となって上記ゴム板13a,13bが垂下したとき、進行してくるゴム板13a,13bに当接してこれらのゴム板13a,13bを揺らすことで、ゴム板13a,13bに付着している土砂等を剥がして排出シュート9に落下させるようにしたものである。このように、ゴム板当接棒57を設けることにより、ゴム板13a,13bに付着した土砂等を確実に排出シュートに落下させることができる。尚、上記ゴム板当接棒57は上記排出部1aの左右方向の機枠1a’に各々左右方向から対向する方向に設けられている。
【0100】
図12に示すものは、バケットの開閉機構の他の実施形態を示すものであり、バケット8の前後半回動底部11a,11bの強制閉鎖用案内レールガイド58を示すものである。同図に示すように、上記後半回動底部11bの側板11”に左右方向に強制閉鎖用突起59を設け、当該突起59の移動経路上の上部機枠1a’に、上記突起59に当接して該突起59に矢印E方向(閉鎖方向)の押圧力を与えて上記前後半回動底部11a,11bを強制的に閉鎖する傾斜部58aと、閉鎖状態を維持する直線部58bとからなる強制閉鎖用案内ガイドレール58を固設する。この強制閉鎖用案内レールガイド58も左右一対に設ける。上記傾斜部58aは上記突起59に閉鎖方向(矢印E方向)の押圧力を与えるための下流に向けて下り傾斜となる傾斜面より形成されており、上記直線部58bは上記傾斜部58aに連続して設けられ、上記突起59に上記押圧力を与え続ける所定距離の直線部から構成されている。
【0101】
このように構成すると、上記開閉用突起14が開閉用案内レールガイド20の傾斜部20cに移行すると、前後半回動底部11a,11bは自重により閉鎖方向に回動開始するが、上記突起59に強制閉鎖用レールガイド58の傾斜部58aが当接するので、後半回動底部11bは強制的に矢印A方向(閉鎖方向)に回動され、これにより上記リンク機構16を介して前半回動底部11aが矢印B方向に強制的に回動閉鎖され、上記突起59が上記直線部58bに移行した時点で、上記前後半回動底部11a,11bは強制的に閉鎖状態となる。
【0102】
このように構成すると、バケット8の可動部(リンク機構、回動底部等)に土砂が付着、侵入、錆等により回動底部11a,11bが自重に閉鎖されない状況においても、強制的に閉鎖させることができるので、回動底部11a,11bが開いたままの状態で案内筒1bを移動することによる動作不良、土砂等の漏れ等を防止することができる。上記強制閉鎖用突起59は上記前半回動底部(一方の回動底部)11a(側板11’)に開閉用突起14が設けられている場合は、後半回動底部(他方の回動底部)11b(側板11”)に設けることが好ましい。また、回動底部が一つの場合は、開閉用突起14と位置を異ならせて強制閉鎖用突起59を設けることができる。
【0103】
次に、本発明に係るバケット8の開閉機構に関する他の実施形態を説明する。
図13(a)に示すバケット8は図9に示したバケット8と同様のものであり、前半回動底部11aと後半回動底部11bの側板11’,11”の各下端縁11c,11dの形状が左右方向支持軸8bを中心とする下に凸の一つの円弧形状となるように構成されている。よって、上記回動ローラ12も上記下端縁11c,11dの形状に沿って前後方向に近接配置され、全体として一つの円弧形状に沿って配列されるため、各回動ローラ12の外周面に接する面は上記左右方向支持軸8bを中心とする下に凸の一つの円弧面となっている。尚、上記回動ローラ12上に敷設される上記ゴム板13a,13bも同様に上記一つの円弧面となる。よって、回動底部11a,11bの閉鎖状態(図13(a))では、上記前後半回動底部11a,11bの対向縁41a,41bは、同一半径の円弧に沿った連続した形状となっている。
【0104】
尚、上記回動底部は、左右方向支持軸8bを中心とした下に凸の一つの円弧面に限らず、一つの連続する下に凸の湾曲面により構成しても良い。
【0105】
図13(b)(図20も参照)に示すバケット8は、同図(a)に示すバケット8と同様、前半回動底部11aと後半回動底部11bとから構成されているが、各底部の下端縁11c,11dの各々の形状は、各々の側板11’、11”の支持軸10a,10bを中心とする下に凸の独立した円弧形状となり、両回動底部11a,11bの対向部は隙間無く接合するように構成されている。
【0106】
即ち、上記前半回動底部11aの下端縁11cの円弧はその支持軸10aを中心としたものであり、上記後半回動底部11bの下端縁11dの円弧は、上記支持軸10aとは異なる支持軸であって、該支持軸10aとは一定間隔を置いた隣接する同一高さの支持軸10b中心とする。よって、上記両円弧は同一半径であるが各中心が異なる独立したものであり、円弧の対向縁41a,41bが互に接合した形状を有している。
【0107】
よって、上記各回動ローラ12も上記下端縁11c,11dの形状に沿って前後方向に近接配置され、各回動ローラ12の外周面に接する面は前後半回動底部11a,11bの各円弧に沿った独立した円弧面となっている。尚、上記回動ローラ12上に敷設される上記ゴム板13a,13bも同様に各々が独立した円弧面を形成し、各中央縁13a’,13b’で接合された形状となっている。尚、このバケット8の開閉の構造は図6,7と同様である。
【0108】
尚、上記両回動底部も上記支持軸10a,10bを中心とした円弧面に限らず、各々が独立した下に凸の湾曲面により構成しても良い(図20参照)。
【0109】
このように前半回動底部11aと後半回動底部11bの底部の形状を、各々独立した円弧形状とすることにより、土砂等をバケット8内に充填した場合に、土砂等の被搬送物の重量により上記前半回動底部11aと後半回動底部11bが各々開方向に回動することを防止することができる。これにより、前後半回動底部11a,11bの対向縁41a,41b(中央の接合部)からの土砂等の漏れ、特に、バケット8に衝撃或いは振動が加わった場合であっても、上記中央接合部からの土砂等の漏れを防止することができる。また、重い土砂等の被搬送物或いはバケット8に100%以上の土砂等を山盛りに積載した場合であっても、上記回動底部11a,11bの開きを抑制して、土砂等の漏れを効果的に抑制することができる。
【0110】
図13(c)に示すものは、前後半回動底部11a,11bの開閉の連結機構にギア42a,42bを用いたものである。前半回動底部11aの側板11’の支持軸10aを中心とする円弧状のギア42aを後半回動底部11bに対向するように設けると共に、後半回動底部11bの側板11”の支持軸10bを中心とする上記ギア42aと同一径の円弧状のギア42bを前半回動底部11aに対向するように設け、上記両ギア42a,42bを互いに噛合させる。このように構成すると、上記前半回動底部11aの突起14が、上記上部スプロケット6aを介して開閉用案内レールガイド20の前半傾斜部20aから矢印D方向の力を受けると、前半回動底部11aは矢印A方向に回動するが、上記ギア42a,42bを介して同時に後半回動底部11bは矢印B方向に回動し、上記突起14が直線部20bに移行した時点で、前半回動底部11aと後半回動底部11bは全開状態となる。その後、上記突起14が開閉用案内レールガイド20の後半傾斜部20cに移行すると、前半回動底部11a,11bがギア42a,42bを介して各々矢印A,Bとは逆方向に回動し、上記突起14が上記後半傾斜部20cから外れることで、上記前後半回動底部11a,11bは閉鎖状態となる。このように、回動底部11a,11bの連結機構にギアを用いることで、リンク機構16に比べて構造を簡潔化することができる。
【0111】
図13(d)に示すものは、前後半回動底部11a,11bの開閉の連結機構にピン43とカム溝44を用いたものである。前半回動底部11aの側板11’の支持軸10aを中心とする円弧部45を上記支持軸10aの後側に設けると共に、後半回動底部11bの側板11”の支持軸10bを中心とする円弧部46を上記支持軸10bの前側に設け、上記側板11’の円弧部45の上に上記側板11”の円弧部46を重合させて、重合部47を設ける。そして、上記重合部47の側板11’に上記支持軸10aから一定距離の位置に左右方向のピン43を設け、上記重合部47の側板11”側には長方形状のカム溝44(貫通孔であっても良い)を設け、上記カム溝44内に上記ピン43を係合させる。
【0112】
このように構成すると、上記前半回動底部11aの突起14が、上記上部スプロケット6aを介して開閉用案内レールガイド20の前半傾斜部20aから矢印D方向の力を受けると、前半回動底部11aは上記支持軸10aを中心に矢印A方向に回動するが、かかる回動力は上記ピン43及びカム溝44を介して後半回動底部11bを支持軸10bを中心に矢印B方向に回転させる力となるので、後半回動底部11bは同時に矢印B方向に回動し(図15(a)(b))、上記突起14が直線部20bに移行した時点で、前半回動底部11aと後半回動底部11bは全開状態となる(図15(c))。その後、上記突起14が開閉用案内レールガイド20の後半傾斜部20cに移行すると、前半回動底部11a,11bが自重により各々矢印A,Bとは逆方向に回動し、上記突起14が上記後半傾斜部20cから外れることで、上記前後半回動底部11a,11bは閉鎖状態となる。このように、回動底部の連結機構にピン及びカム溝を用いることで、リンク機構16に比べて構造を簡潔化することができる。
【0113】
図13(c)(d)に示す連結機構のバケット8は、下に凸の一つの円弧形状の前後半回動底部11a,11bであるが、これらのバケット8においても、前後半回動底部11a,11bの形状を図13(b)に示すように各々が独立した下に凸の独立した円弧面(湾曲面)としても良い。
【0114】
図13(e)は上記実施形態と異なり、回動底部を一つの回動底部48により構成したものである。この回動底部48は、バケット8のバケット側面8cの1つの支持軸10a’を回動中心として、矢印A,B方向に回動自在に、上記支持軸10a’を中心とする円弧状(扇状)の側板48’を左右一対に設け、下に凸状の一つの円弧を形成する下端縁48aの内側に沿って左右方向の回動ローラ12を前後方向に近接状態で回動自在に軸支する。さらに、上記回動ローラ12の上面にゴム板49を敷設して、該ゴム板49の外側縁部49aを上記バケット8の下側開口前端縁8dにボルトb等で固定する。上記開閉用突起14は上記側板48’の左右の板面に左右方向に突出して設ける。
【0115】
このバケット8は、図18に示すように、バケット8が上部スプロケットを回動して水平移行すると、まず、浮き上がり防止突起31がレールガイド32に係合してバケット8の矢印A方向の回動が阻止されると共に、その後、上記突起14が開閉用案内レールガイド20の前半傾斜部20aから開放方向の力を受けると、回動底部48は上記支持軸10a’を中心に矢印A方向に回動を開始し、上記前半傾斜部20aを過ぎて直線部20bに至ると回動底部48は全開状態となる(図18(a)参照)。同時に、ゴム板49が垂下して土砂等を排出シュート9に落下させることができる。
【0116】
その後、上記突起14が開閉用案内レールガイド20の後半傾斜部20cに移行すると、上記回動底部48は自重により各々矢印Aとは逆方向に上記ゴム板49を裏面側から巻き込みながら回動し、上記突起14が上記後半傾斜部20cから外れることで、上記回動底部48は閉鎖状態となる。このように、一つの回動底部48とすることで、複雑な連結機構を用いる必要がなく、バケット構成を極めて簡潔に構成することができる。
【0117】
図14に示すものは、回動底部の他の実施形態であり、上記各実施形態では円弧状(扇状)の側板11’,11”等を設けて、下端縁の内側に複数の回動ローラを設け、回動ローラ上にゴム板を敷設する構成としたが、この実施形態では、回動ローラを設けずに、上記左右の下端縁11c,11dを板状の底板50a等にて連結したものである。図14(a)(図21(a)も参照)は図13(a)の前後半回動底部11a,11bと同様の形状であり、上記左右方向支持軸8bを中心とする一つの円弧を形成するように下に凸状の一つの円弧面(湾曲面)を形成する前半底板50a,後半底板50bにより底板(回動底部)を形成したものである(図21(a)に前後半底板50a,50bを開いた状態を示す)。このバケット8は、ゴム板を底板上に敷設することなく、バケット8の下面開口前端縁8d及び下面開口後端縁8d’に各々短いゴム板60,60’をボルトb等で固定し、該ゴム板60,60’の下端縁60a,60a’を各々上記底板50a,50bの板面に接触するように設置したものである。このように構成すると、上記回動底板の開閉方向への回動に基づいて(図21(a)参照)、上記ゴム板60の下端縁60aが上記底板上の土砂等を掻き取ることができるので、バケット内の土砂等の被搬送物を確実に排出することができる。
【0118】
図14(b)は、図13(b)の前後半回動底部11a,11bと同様の形状であり、前後半回動底部11a,11bの底板51a,51bが、各々上記支持軸10a,10bを中心とする独立した下に凸状の円弧面(湾曲面)から構成されたものである。このように構成すると、上記図13(b)のバケット8と同様に重い被搬送物或いはバケット8に100%以上の土砂等を山盛りに積載した場合であっても、土砂等の重量による回動底部11a,11bの開きを防止して、土砂等の漏れを効果的に抑制することができる。上記ゴム板60,60’の構成については上記図14(a)のゴム板と同様の構成である。
【0119】
図14(c)(図21(b)も参照)は、図13(e)に示す一つの回動底部のバケットにおいて、その回動底部48の底板を支持軸10a’を中心とする一つの円弧面(湾曲面)の底板52により形成したものである。このバケット8は、バケット8の下面開口前端縁8dのみに短いゴム板60をボルトb等で固定し、該ゴム板60の下端縁60aを各々上記底板52の板面に接触するように設置したものである。このように構成すると、上記回動底板の開閉方向への回動に基づいて(図16参照)、上記ゴム板60の下端縁60aが上記底板上の土砂等を掻き取ることができるので、バケット内の土砂等の被搬送物を確実に排出することができる。
【0120】
このように、回動底部に回動ローラを設けずに円弧面(湾曲面)の底板とすることによって、バケットの構造をより簡略化することができる。勿論、このような底板を使用した場合であっても、リンク機構の他、ギア或いはカム溝等の連結機構を用いることができる。
【0121】
尚、図13(c)(d)(e)のバケットの連結機構においては、開閉用突起14に傾斜用案内レールガイド15から矢印C方向の押圧力が作用した場合、回動底部が矢印B方向に回動しないように、回動規制を行う。例えばバケット側面に設けた回動規制ピン等で回動底部11a(48)の矢印B方向の回動を規制する。
【0122】
本発明は上述のように、バケット8に回動底部を設け、開閉用突起と開閉用案内レールガイドの当接により該回動底部を開閉させることで土砂等の被搬送物を排出するようにしたので、簡単な開閉機構により粘性の高い土砂等の被搬送物を確実に排出することができる。
【0123】
また、回動底部の開閉により土砂等を排出することにより、排出時の土砂等の飛散を防止すると共に、バケット8からの土砂等の被搬送物の漏れを防止し、これによりバケット、チェンの負担を低減して、耐用年数を向上させたバケットエレベータを提供することができる。
【0124】
また、バケットの下面開口は前半回動底部と後半回動底部の前後方向の回動により開放されるため、バケットの下面開口を前後方向に広く開くことができ、これにより土砂等の被搬送物をより確実に排出することができる。
【0125】
また、バケットの回動底部の形状を円弧面等の湾曲面とすることにより、回動底部の土砂等の重量による開き等を防止し、土砂等の被搬送物の漏れを防止したバケットエレベータを実現したものである。
【0126】
また、一つの回動底部とすることにより、回動底部の連結機構が不要となり、簡潔な構成としながら確実に土砂等の排出が可能なバケットエレベータを実現したものである。
【0127】
また、回動底部の開閉に基づいて、回動底部等に付着する土砂等の被搬送物を確実に排出し得て、排出効率の高いバケットエレベータを実現したものである。
【0128】
また、回動制御用案内レールガイドと浮き上がり防止突起を設けることで、回動底部の回動時においてバケットの開放方向の回動が抑制されるため、回動底部を確実に開放することができ、土砂等の被搬送物を確実に排出することができる。
【0129】
また、強制閉鎖用案内レールガイドを設けることで、回動底部を強制的に閉鎖することができ、回動底部の閉鎖不良による土砂等の被搬送物の漏れを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明のバケットエレベータは、土木工事現場における土砂等の搬送の他、他の各種の被搬送物の搬送に利用することができるものである。
【符号の説明】
【0131】
1 バケットエレベータ
3 投入口
5 下部スプロケット
6a,6b 上部スプロケット
7a,7b チェン
8 バケット
8a 上面開口
8b 左右方向支持軸
8c 側面(バケット側面)
8d 下面開口前端縁(下面開口端縁)
8d’ 下面開口後端縁(下面開口端縁)
8e 下面開口
8’ 下面開口前半部
8” 下面開口後半部
9 排出シュート
10a,10b 支持軸
11’,11” 側板(側面)
11a 前半回動底部
11b 後半回動底部
11c,11d 下端縁
12 回動ローラ
13a,13b ゴム板
13a’,13b’ 中央縁
13a”,13b” 外側縁部
14 開閉用突起
16 リンク機構
20 開閉用案内レールガイド
20a 前半傾斜部(第1傾斜部)
20b 直線部
20c 後半傾斜部(第2傾斜部)
21a,21b 回転中心軸
31 浮き上がり防止突起(回動制御用突起)
32 回動制御用案内レールガイド
48 回動底部
49 ゴム板
55 揺れ抑えゴム板(揺れを抑えるゴム板)
56 小段部
57 ゴム板当接棒
58 強制閉鎖用案内レールガイド
59 強制閉鎖用突起
60,60’ ゴム板
60a,60a’ 下端縁
X 被搬送物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部スプロケット及び上部スプロケット間に張設したチェン間に所定間隔で複数のバケットを支持し、下方の投入口からバケットに投入された被搬送物を、上部の排出シュートに循環移送するバケットエレベータにおいて、
上記バケットは上面開口バケットであって下面開口を開閉する回動底部を有し、上記回動底部は、その側面が上記バケット側面に支持軸により支持され、上記支持軸を以って回動することにより上記下面開口を開閉するものであり、
上記回動底部の側面に開閉用突起を設け、該突起に上記回動底部が開放する方向の押圧力が作用した場合において該回動底部が回動するように構成し、
上記バケットの排出シュートの近傍に一定範囲の開閉用案内レールガイドを設け、上記バケットは上記案内レールガイドに沿って移動する際に、上記開閉用突起が上記案内レールガイドに当接することで上記押圧力を受け、これにより上記回動底部が回動して上記下面開口を開放し、上記被搬送物を上記排出シュートに落下させるものであり、
上記回動底部は上記案内レールガイドからの上記押圧力の解除により上記下面開口を閉鎖すものであることを特徴とするバケットエレベータ。
【請求項2】
上記案内レールガイドは、上記開閉用突起に上記開放押圧力を与える第1傾斜部と、上記回動底部の開放状態を維持するための直線部と、上記開放押圧力を解除する第2傾斜部とから構成されるものであることを特徴とする請求項1記載のバケットエレベータ。
【請求項3】
上記バケットは、その下面開口前半部を閉鎖すると共に上記バケット側面に軸支され、前方側に回動することにより上記前半部を開放し得る前半回動底部と、その下面開口後半部を閉鎖すると共に上記バケット側面に軸支され、後方側に回動することにより上記後半部を開放し得る後半回動底部とを有し、
上記前半回動底部と上記後半回動底部の各支持軸を連動機構で接続すると共に上記前後半回動底部の何れかの側面に上記突起を設け、
上記開閉用突起に上記開放押圧力が作用した場合に、上記連動機構を介して他方の回動底部を開放するように構成し、上記バケットは、上記開閉用突起が上記開閉用案内レールガイドに当接することで上記開放押圧力を受け、これにより上記前半回動底部と上記後半回動底部を開放して被搬送物を上記排出シュートに落下させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のバケットエレベータ。
【請求項4】
上記バケットの前半回動底部と後半回動底部は全体として下に凸の一の湾曲面となるように構成されているものである請求項3に記載のバケットエレベータ。
【請求項5】
上記バケットの前半回動底部及び後半回動底部は、各々が下に凸の独立した湾曲面を形成している請求項3記載のバケットエレベータ。
【請求項6】
上記バケットは、上記下面開口の全体を閉鎖し得る一の回動底部を有しており、上記案内レールガイドからの上記開放押圧力により上記支持軸を以って回動し、上記下面開口を開放するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のバケットエレベータ。
【請求項7】
上記バケットの一の回動底部は、全体として下に凸の湾曲面となるように構成されているものである請求項6に記載のバケットエレベータ。
【請求項8】
上記回動底部は、その側板の下端縁間に左右方向の複数の回動ローラを近接して回動自在に配置することにより構成し、
かつ回動底部の上記回動ローラ上にゴム板を敷設し、該ゴム板の外側縁部を上記バケットの下面開口端縁に接続することにより構成したものであることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のバケットエレベータ。
【請求項9】
上記バケットの下面開口端縁に上記回動底部に接触するゴム板を設け、上記回動底部の開方向への回動に基づいて上記ゴム板により上記回動底部の被搬送物を掻き取り可能に構成したものであることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のバケットエレベータ。
【請求項10】
上記バケットの側面に回動制御用突起を設けると共に、上記バケットの排出シュートの近傍に一定範囲の回動制御用案内レールガイドを設け、
上記開閉用突起が上記開閉用案内レールガイドから上記押圧力を受けた状態において、上記回動制御用突起が上記回動制御用案内レールガイドに当接することで上記バケットの回動を抑制するものであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のバケットエレベータ。
【請求項11】
上記回動制御用突起は上記開閉用突起が開閉用案内レールガイドに接触するよりも先に上記回動制御用案内レールガイドに当接するものであることを特徴とする請求項10記載のバケットエレベータ。
【請求項12】
上記回動底部の側面に強制閉鎖用突起を設け、上記開閉用案内レールガイドの第2傾斜部の近傍に、上記強制閉鎖用突起の移動経路に沿って強制閉鎖用案内レールガイドを設け、
上記バケットは上記開閉用案内レールガイドに沿って移動する際に、上記強制閉鎖用突起が上記強制閉鎖用案内レールガイドに当接することで上記回動底部が閉鎖する方向の押圧力を受け、
これにより回動底部が強制的に閉鎖されるものであることを特徴とする請求項2〜11の何れかに記載のバケットエレベータ。
【請求項13】
上記連動機構は、リンク機構である請求項3記載のバケットエレベータ。
【請求項14】
上記連動機構は、上記両回動底部の側面の支持軸近傍に、互いに噛合するギア部を設け、一方の回動底部の開方向への回動に基づいて、上記ギア部を介して他方の回動底部を開方向に回動させるものであることを特徴とする請求項3記載のパケットエレベータ。
【請求項15】
上記連動機構は、上記一方の回動底部の側面の上記支持軸近傍にピンを設けると共に、他方の回動底部の側面の上記支持軸近傍に上記ピンが係合するカム溝を設け、一方の回動底部の開方向への回動に基づいて、上記カム溝を介して他方の回動底部を開方向に回動させるものであることを特徴とする請求項3記載のバケットエレベータ。
【請求項16】
上記開閉用案内レールガイドの上記直線部に上記開閉用突起が乗り上げ可能な小段部を設けたものであることを特徴とする請求項2〜15の何れかに記載のバケットエレベータ。
【請求項17】
上記排出シュート近傍の機枠に、上記バケットの開放時において垂下しているゴム板に当接するゴム板当接棒を設けたものであることを特徴とする請求項8記載のバケットエレベータ。
【請求項18】
上記上部スプロケットの上部側の機枠に、該スプロケットを回動してくるバケットの上面開口に当接して該バケットの揺れを抑えるゴム板を張設したものであることを特徴とする請求項1〜17の何れかに記載のバケットエレベータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−228915(P2010−228915A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45580(P2010−45580)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(592099215)株式会社冨士機 (14)
【Fターム(参考)】