バケットコンベヤ
【課題】バケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を強制的かつ確実に突き落として粉粒体状の搬送物を効率良く排出口へ排出するとともにバケットに発生させがちな騒音と不用意な破損を防止するバケットコンベヤを提供すること。
【解決手段】左右一対のエンドレスチェーン１２０に両端支持された多数のバケット１３０が、粉粒体状の搬送物Ｍを収容する可撓性シートからなる収容底部１３１を有しているとともに、バケット１３０の収容底部１３１を開口部１３２側へ押し上げ搬送物Ｍを突き落として排出する突き落し手段１５０が、排出口側スプロケット１４１を軸支するスプロケット回転軸１６０に設けられているバケットコンベヤ１００。
【解決手段】左右一対のエンドレスチェーン１２０に両端支持された多数のバケット１３０が、粉粒体状の搬送物Ｍを収容する可撓性シートからなる収容底部１３１を有しているとともに、バケット１３０の収容底部１３１を開口部１３２側へ押し上げ搬送物Ｍを突き落として排出する突き落し手段１５０が、排出口側スプロケット１４１を軸支するスプロケット回転軸１６０に設けられているバケットコンベヤ１００。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送して前記エンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のバケットコンベヤとして、無端チェーンの相対応する条線位置にあてがい固定する鋼板製の両側板１１、１２をベースに、略Ｕ字状の撓み変形可能な板ゴム製の内のり板１３と、内のり板１３の各開放端１３ａ、１３ｂをあてがい固定する鋼板製の保持板１４、１５とから主要部を組み立て、更に、バケットの反転向きで直上のバケットより排出される搬送物を受けて前方に転送する剛直な板ゴム製の背板１６を設けた搬送物の収容、排出用のバケット１０を備えて、石炭等の比較的重量のある物品を搬送物とする大型なものでも軽量化し、搬送物の居着きを防ぎ、騒音の発生を抑えた誘導排出型バケットエレベータが知られている (例えば、特許文献１参照)。
また、ハンマー２１を構成する支持部２３の一端側２３ａの近傍に結合されたワイヤ２６によってシュート１５の上面に吊り下げられたスクレーパ２５の摺動部２７を支持部２３の回動に連動してシュート１５上を往復移動させることにより、容器１３からシュート１５上に排出された付着性材料Ｍがシュート１５上に付着したとしても、容器１３の通過ごとにシュート１５上を往復移動する摺動部２７により付着性材料Ｍを速やかに掻き落とす移送装置が知られている（例えば、特許文献２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０００−２１１７２１号公報（特許請求の範囲、図３）
【特許文献１】特開２００９−１０７７８３号公報（特許請求の範囲、図１）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、前者の誘導排出型バケットエレベータは、バケット１の反転向きを利用することにより、板ゴム製の内のり板１３を撓み変形させてバケット１内における搬送物の居着きを防ぐことを意図しているが、このような消極的な内のり板１３の撓み変形ではバケット１内に居着きがちな搬送物を充分に落下排出することができないという排出効率上の厄介な問題があった。
【０００５】
また、後者の移送装置は、ハンマー２１を構成する支持部２３の一端側２３ａに取り付けた槌部２４によって付着性材料Ｍを収容する容器１３の開口縁付近を叩くようになっているため、打撃音による騒音が発生するばかりでなく、容器１３が長期使用において破損するという取り扱い上の厄介な問題があった。
【０００６】
そこで、本発明は、従来のような問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部を開口部側へ押し上げ変形させてバケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を強制的かつ確実に突き落として粉粒体状の搬送物を効率良く排出口へ排出するとともにバケットに発生させがちな騒音と不用意な破損を防止するバケットコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
まず、請求項１に係る本発明は、左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送して前記エンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤにおいて、前記バケットが、前記粉粒体状の搬送物を収容する可撓性シートからなる収容底部を有しているとともに、前記バケットの収容底部を開口部側へ押し上げ搬送物を突き落として排出する突き落し手段が、前記排出口側スプロケットを軸支するスプロケット回転軸に設けられていることにより、前述した課題を解決したものである。
【０００８】
また、請求項２に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１記載の構成に加えて、前記バケットが、前記エンドレスチェーンを構成するリンクプレート毎に配置されているとともに、前記突き落し手段の突起部が、前記排出口側スプロケットの歯数に対応して配置されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【０００９】
また、請求項３に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１または請求項２記載の構成に加えて、前記突き落し手段の突起部が、前記排出口側スプロケットの歯先部と同期して位置決めされていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【００１０】
また、請求項４に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の構成に加えて、前記突き落し手段の突起部が、前記バケットの収容底部を開口部側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分を有していることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【００１１】
また、請求項５に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載の構成に加えて、前記突き落し手段が、前記粉粒体状の搬送物に応じてスプロケット回転軸に交換自在に設けられていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【００１２】
また、請求項６に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載の構成に加えて、前記バケットの収容底部を構成する可撓性シートが、弾性のゴムシートから成っていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【００１３】
まず、請求項１に係る発明によれば、左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送してエンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤにおいて、バケットが粉粒体状の搬送物を収容する可撓性シートからなる収容底部を有しているとともに、バケットの収容底部を開口部側へ押し上げ搬送物を突き落として排出する突き落し手段が排出口側スプロケットを軸支するスプロケット回転軸に設けられていることにより、排出口側スプロケットでエンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる際に、突き落し手段が排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの可撓性シートからなる収容底部を開口部側へ押し上げ変形させてバケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を強制的に突き落とすため、バケットで収容搬送されてきた粉粒体状の搬送物を効率良く排出口へ排出することができる。
【００１４】
請求項２に係るバケットコンベヤによれば、請求項１に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、バケットがエンドレスチェーンを構成するリンクプレート毎に配置されているとともに、突き落し手段の突起部が排出口側スプロケットの歯数に対応して配置されていることにより、突き落し手段の突起部とバケットとが排出口側スプロケットの回転に伴って確実に相対して同期するため、それぞれのバケット内に残留しがちな粉粒体状の搬送物を確実に突き落とすことができる。
【００１５】
請求項３に係るバケットコンベヤによれば、請求項１または請求項２に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、突き落し手段の突起部が排出口側スプロケットの歯先部と同期して位置決めされていることにより、突き落し手段の突起部とバケットの収容底部とが排出口側スプロケットの回転に伴って確実に当接するため、バケットの収容底部内に残留しがちな粉粒体状の搬送物をより確実に突き落とすことができる。
【００１６】
請求項４に係るバケットコンベヤによれば、請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、突き落し手段の突起部がバケットの収容底部を開口部側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分を有していることにより、突き落し手段の突起部に形成されているＵ字形の円弧部分が排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部に漸次かつ緩やかに当接するため、バケットの収容底部に対する過度の衝撃を回避してバケットに発生させがちな騒音や不用意な破損を防止することができる。
【００１７】
請求項５に係るバケットコンベヤによれば、請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、突き落し手段が粉粒体状の搬送物に応じてスプロケット回転軸に交換自在に設けられていることにより、突き落し手段がスプロケット回転軸に対して簡便に取り付け取り外して交換できるため、搬送物の品種、粉粒形状、加工状況などに応じて突き落し手段の取り付け位置、角度、数量、突き出し量などが簡便に変更することができる。
【００１８】
請求項６に係るバケットコンベヤによれば、請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、バケットの収容底部を構成する可撓性シートが弾性のゴムシートから成っていることにより、突き落し手段が排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの可撓性シートからなる収容底部を開口部側に向けて柔軟かつ静粛に弾性変形させるため、バケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を確実かつ静粛に突き落とすとともに排出後にバケットの外形を速やかに復元して粉粒体状の搬送物を再び収容搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明の実施例であるバケットコンベヤの全体概略図。
【図２】エンドレスチェーンに対するバケットの組み付け図。
【図３】図１に示すバケットコンベヤの排出口側の正面図。
【図４】図１に示すバケットコンベヤの排出口側の平面図。
【図５】エンドレスチェーンと排出口側スプロケットとの噛み合い状態図。
【図６】本発明の実施例であるバケットコンベヤの動作図。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
本発明は、左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送してエンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤにおいて、バケットが粉粒体状の搬送物を収容する可撓性シートからなる収容底部を有しているとともに、バケットの収容底部を開口部側へ押し上げ搬送物を突き落として排出する突き落し手段が排出口側スプロケットを軸支するスプロケット回転軸に設けられ、排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部を開口部側へ押し上げ変形させてバケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を強制的かつ確実に突き落として粉粒体状の搬送物を効率良く排出口へ排出するとともにバケットに発生させがちな騒音と不用意な破損を防止するものであれば、その具体的な実施の形態は、如何なるものであっても何ら構わない。
【００２１】
まず、本発明のバケットコンベヤの具体的な使用態様については、多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送してエンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出する使用状況下であれば、如何なる搬送形態であっても良く、たとえば、バケットに投入された搬送物を排出口に向けて水平方向に搬送して排出口側スプロケットによりバケットの上下姿勢を反転させながら搬送物を排出口から落下排出するような、所謂、投入口と搬出口とがほぼ同じ水平な搬送ラインに配置されるもの、あるいは、バケットに投入された搬送物を排出口に向けて水平方向から垂直方向に搬送し、さらに、垂直方向から水平方向に方向転換して排出口側スプロケットによりバケットの上下姿勢を反転させながら搬送物を排出口から落下排出するような、所謂、投入口と排出口とに高低差を設けた高揚程型の搬送ラインに配置されるものなどがある。
【００２２】
そして、本発明のバケットコンベヤに用いる突き落し手段については、この突き落し手段を構成する突起部が排出口側スプロケットの歯数に対応して配置されてバケットと排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部と確実に相対して同期しながら当接するものであれば良く、その具体的設置形態については、如何なるものであっても良い。
【００２３】
たとえば、突き落し手段の突起部がバケットの収容底部を開口部側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分を有している場合には、突き落し手段の突起部に形成されているＵ字形の円弧部分が排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部に漸次かつ緩やかに当接するため、バケットの収容底部に対する過度の衝撃を回避してバケットに発生させがちな騒音や不用意な破損を防止する。
【００２４】
また、突き落し手段が粉粒体状の搬送物に応じてスプロケット回転軸に交換自在に設けられている場合には、搬送物の品種、粉粒形状、加工状況などに応じて突き落し手段の取り付け位置、角度、数量、突き出し量などが簡便に変更することが可能になり、さらに、突き落し手段がスプロケット回転軸の軸方向に対してランダムに設けられても良く、スプロケット回転軸の軸方向に対して単数あるいは複数の箇所に設けられても良い。
【実施例】
【００２５】
本発明の実施例であるバケットコンベヤについて、図面に基づいて説明する。
ここで、図１は、本発明の実施例であるバケットコンベヤの全体概略図であり、図２は、エンドレスチェーンに対するバケットの組み付け図であり、図３は、図１に示すバケットコンベヤの排出口側の正面図であり、図４は、図１に示すバケットコンベヤの排出口側の平面図であり、図５は、エンドレスチェーンと排出口側スプロケットとの噛み合い状態図であり、図６は、本発明の実施例であるバケットコンベヤの動作図である。
【００２６】
まず、本発明の実施例であるバケットコンベヤ１００は、図１に示すように、コンベヤケース１１０の投入口１１１から投入された粉粒体状の搬送物Ｍを左右一対のエンドレスチェーン１２０に両端支持された多数のバケット１３０に順次収容した後、これらのバケット１３０に収容された搬送物をコンベヤケース１１０の排出口１１２に向けて水平方向から垂直方向に搬送し、さらに、垂直方向から水平方向に方向転換して排出口側スプロケット１４１によりエンドレスチェーン１２０を上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させると同時にバケット１３０の上下姿勢を反転させながら搬送物Ｍを排出口１１２から落下排出するように、投入口１１１と排出口１１２とに高低差を設けた高揚程型の搬送ラインとして設置されている。
なお、図１における符号１４２は、駆動源となる搬出口側スプロケット１４１にエンドレスチェーン１２０を介して従動する投入口側スプロケットであり、符号１４３は、エンドレスチェーン１２０を水平方向から垂直方向に方向転換させる、もしくは、垂直方向から水平方向に方向転換させる偏向スプロケットである。
【００２７】
つぎに、本発明の実施例であるバケットコンベヤ１００が最も特徴とするバケット１３０の具体的な形態とこのバケット１３０内の搬送物Ｍを突き落として排出する突き落し手段１５０について、図２乃至図６に基づいて、以下に、詳しく説明する。
【００２８】
まず、本実施例で用いるバケット１３０は、図２に示すように、粉粒体状の搬送物Ｍを収容可能な弾性のゴムシートから成る可撓性シートの収容底部１３１を有し、この収容底部１３１を開口部１３２側に向けて柔軟かつ静粛に弾性変形することが可能になっている。
そして、このバケット１３０は、図５に示すように、前述したエンドレスチェーン１２０を構成するリンクプレート１２１毎にそれぞれ配置されている。
なお、図２に示す符号１３３は、可撓性シートからなる収容底部１３１を側方から保持するとともにリンクプレート１２１に固定される一対のバケット側板である。
【００２９】
他方、前述したバケット１３０内の搬送物Ｍを突き落として排出する左右１対の突き落し手段１５０は、図３乃至図４に示すように、排出口側スプロケット１４１を軸支するスプロケット回転軸１６０に２分割自在に抱持するように設けられ、さらに、この突き落し手段１５０の一部を構成する突起部１５１が排出口側スプロケット１４１の歯数に対応して配置されて排出口側スプロケット１４１の歯先部１４１ａと同期して位置決めされ、排出口側スプロケット１４１の回転に伴って前述したバケット１３０と確実に相対して同期するように構成されている。
これにより、これらの左右１対の突き落し手段１５０に設けた突起部１５１が、バケット１３０の収容底部１３１に対して排出口側スプロケット１４１の回転に伴って確実に当接可能となっている。
【００３０】
そして、前述した突き落し手段１５０の突起部１５１は、図３に示すように、バケット１３０の収容底部１３１を開口部１３２側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分１５１ａを有している。
これにより、この突き落し手段１５０の突起部１５１に形成されているＵ字形の円弧部分１５１ａが、排出口側スプロケット１４１の回転に伴ってバケット１３０の収容底部１３１に漸次かつ緩やかに当接するようになっている。
【００３１】
また、前述した突き落し手段１５０の突起部１５１は、図３乃至図４に示すように、Ｕ字形の円弧部分１５１ａに連続して突起ベース部１５２にボルトナットの固着手段で固定される突起基部１５１ｂを有している。
これにより、突き落し手段１５０における突起部１５１の取り付け角度、数量、突き出し量などが、搬送物Ｍの品種、粉粒形状、加工状況などに応じて簡便に変更可能になっている。
【００３２】
そして、前述した左右１対の突き落し手段１５０は、粉粒体状の搬送物Ｍに応じてスプロケット回転軸１６０に沿って左右２ヶ所にボルトナットの固着手段によってそれぞれ交換自在に設けられている。
これにより、突き落し手段１５０が、搬送物Ｍの品種、粉粒形状、加工状況などに応じてスプロケット回転軸１６０に対して簡便に取り付け取り外すことにより交換可能になっている。
【００３３】
このようにして得られた本実施例のバケットコンベヤ１００は、図６に示すように、バケット１３０が粉粒体状の搬送物Ｍを収容するゴムシートからなる収容底部１３１を有しているとともに、バケット１３０の収容底部１３１内の搬送物Ｍを突き落として排出する突き落し手段１５０が排出口側スプロケット１４１を軸支するスプロケット回転軸１６０に設けられていることにより、排出口側スプロケット１４１でエンドレスチェーン１２０を上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケット１３０の上下姿勢を反転させる際に、突き落し手段１５０が排出口側スプロケット１４１の回転に伴ってバケット１３０の可撓性シートからなる収容底部１３１を開口部１３２側へ押し上げ変形させてバケット１３０の収容底部１３１に残留しがちな粉粒体状の搬送物Ｍを強制的に突き落として効率良くコンベヤケース１１０の排出口１１１へ排出することができる。
【００３４】
そして、バケット１３０がエンドレスチェーン１２０を構成するリンクプレート１２１毎に配置されているとともに、突き落し手１５０の突起部１５１が排出口側スプロケット１４１の歯数に対応しつつ歯先部と同期して位置決め配置されていることにより、それぞれのバケット１３０内に残留しがちな粉粒体状の搬送物Ｍを確実に突き落とすことができる。
【００３５】
しかも、突き落し手段１５０の突起部１５１がバケット１３０の収容底部１３１を開口部１３２側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分１３１ａを有していることにより、Ｕ字形の円弧部分１３1aがバケット130の収容底部131に漸次かつ緩やかに当接してバケット１３０に発生させがちな騒音や不用意な破損を防止するとともに粉粒体状の搬送物Ｍを確実かつ静粛に突き落とすことができる等、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【００３６】
１００ ・・・ バケットコンベヤ
１１０ ・・・ コンベヤケース
１１１ ・・・ 投入口
１１２ ・・・ 排出口
１２０ ・・・ エンドレスチェーン
１２１ ・・・ リンクプレート
１３０ ・・・ バケット
１３１ ・・・ 可撓性シートの収容底部
１３２ ・・・ 開口部
１３３ ・・・ バケット側板
１４１ ・・・ 排出口側スプロケット
１４１ａ・・・ 排出口側スプロケット１４１の歯先部
１４２ ・・・ 投入口側スプロケット
１４３ ・・・ 偏向スプロケット
１５０ ・・・ 突き落し手段
１５１ ・・・ 突起部
１５１ａ・・・ Ｕ字形の円弧部分
１５１ｂ・・・ 突起基部
１５２ ・・・ 突起ベース部
１６０ ・・・ スプロケット回転軸
Ｍ ・・・ 搬送物
【技術分野】
【０００１】
本発明は、左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送して前記エンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のバケットコンベヤとして、無端チェーンの相対応する条線位置にあてがい固定する鋼板製の両側板１１、１２をベースに、略Ｕ字状の撓み変形可能な板ゴム製の内のり板１３と、内のり板１３の各開放端１３ａ、１３ｂをあてがい固定する鋼板製の保持板１４、１５とから主要部を組み立て、更に、バケットの反転向きで直上のバケットより排出される搬送物を受けて前方に転送する剛直な板ゴム製の背板１６を設けた搬送物の収容、排出用のバケット１０を備えて、石炭等の比較的重量のある物品を搬送物とする大型なものでも軽量化し、搬送物の居着きを防ぎ、騒音の発生を抑えた誘導排出型バケットエレベータが知られている (例えば、特許文献１参照)。
また、ハンマー２１を構成する支持部２３の一端側２３ａの近傍に結合されたワイヤ２６によってシュート１５の上面に吊り下げられたスクレーパ２５の摺動部２７を支持部２３の回動に連動してシュート１５上を往復移動させることにより、容器１３からシュート１５上に排出された付着性材料Ｍがシュート１５上に付着したとしても、容器１３の通過ごとにシュート１５上を往復移動する摺動部２７により付着性材料Ｍを速やかに掻き落とす移送装置が知られている（例えば、特許文献２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０００−２１１７２１号公報（特許請求の範囲、図３）
【特許文献１】特開２００９−１０７７８３号公報（特許請求の範囲、図１）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、前者の誘導排出型バケットエレベータは、バケット１の反転向きを利用することにより、板ゴム製の内のり板１３を撓み変形させてバケット１内における搬送物の居着きを防ぐことを意図しているが、このような消極的な内のり板１３の撓み変形ではバケット１内に居着きがちな搬送物を充分に落下排出することができないという排出効率上の厄介な問題があった。
【０００５】
また、後者の移送装置は、ハンマー２１を構成する支持部２３の一端側２３ａに取り付けた槌部２４によって付着性材料Ｍを収容する容器１３の開口縁付近を叩くようになっているため、打撃音による騒音が発生するばかりでなく、容器１３が長期使用において破損するという取り扱い上の厄介な問題があった。
【０００６】
そこで、本発明は、従来のような問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部を開口部側へ押し上げ変形させてバケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を強制的かつ確実に突き落として粉粒体状の搬送物を効率良く排出口へ排出するとともにバケットに発生させがちな騒音と不用意な破損を防止するバケットコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
まず、請求項１に係る本発明は、左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送して前記エンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤにおいて、前記バケットが、前記粉粒体状の搬送物を収容する可撓性シートからなる収容底部を有しているとともに、前記バケットの収容底部を開口部側へ押し上げ搬送物を突き落として排出する突き落し手段が、前記排出口側スプロケットを軸支するスプロケット回転軸に設けられていることにより、前述した課題を解決したものである。
【０００８】
また、請求項２に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１記載の構成に加えて、前記バケットが、前記エンドレスチェーンを構成するリンクプレート毎に配置されているとともに、前記突き落し手段の突起部が、前記排出口側スプロケットの歯数に対応して配置されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【０００９】
また、請求項３に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１または請求項２記載の構成に加えて、前記突き落し手段の突起部が、前記排出口側スプロケットの歯先部と同期して位置決めされていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【００１０】
また、請求項４に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の構成に加えて、前記突き落し手段の突起部が、前記バケットの収容底部を開口部側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分を有していることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【００１１】
また、請求項５に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載の構成に加えて、前記突き落し手段が、前記粉粒体状の搬送物に応じてスプロケット回転軸に交換自在に設けられていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【００１２】
また、請求項６に係る発明のバケットコンベヤは、請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載の構成に加えて、前記バケットの収容底部を構成する可撓性シートが、弾性のゴムシートから成っていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【００１３】
まず、請求項１に係る発明によれば、左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送してエンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤにおいて、バケットが粉粒体状の搬送物を収容する可撓性シートからなる収容底部を有しているとともに、バケットの収容底部を開口部側へ押し上げ搬送物を突き落として排出する突き落し手段が排出口側スプロケットを軸支するスプロケット回転軸に設けられていることにより、排出口側スプロケットでエンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる際に、突き落し手段が排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの可撓性シートからなる収容底部を開口部側へ押し上げ変形させてバケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を強制的に突き落とすため、バケットで収容搬送されてきた粉粒体状の搬送物を効率良く排出口へ排出することができる。
【００１４】
請求項２に係るバケットコンベヤによれば、請求項１に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、バケットがエンドレスチェーンを構成するリンクプレート毎に配置されているとともに、突き落し手段の突起部が排出口側スプロケットの歯数に対応して配置されていることにより、突き落し手段の突起部とバケットとが排出口側スプロケットの回転に伴って確実に相対して同期するため、それぞれのバケット内に残留しがちな粉粒体状の搬送物を確実に突き落とすことができる。
【００１５】
請求項３に係るバケットコンベヤによれば、請求項１または請求項２に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、突き落し手段の突起部が排出口側スプロケットの歯先部と同期して位置決めされていることにより、突き落し手段の突起部とバケットの収容底部とが排出口側スプロケットの回転に伴って確実に当接するため、バケットの収容底部内に残留しがちな粉粒体状の搬送物をより確実に突き落とすことができる。
【００１６】
請求項４に係るバケットコンベヤによれば、請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、突き落し手段の突起部がバケットの収容底部を開口部側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分を有していることにより、突き落し手段の突起部に形成されているＵ字形の円弧部分が排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部に漸次かつ緩やかに当接するため、バケットの収容底部に対する過度の衝撃を回避してバケットに発生させがちな騒音や不用意な破損を防止することができる。
【００１７】
請求項５に係るバケットコンベヤによれば、請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、突き落し手段が粉粒体状の搬送物に応じてスプロケット回転軸に交換自在に設けられていることにより、突き落し手段がスプロケット回転軸に対して簡便に取り付け取り外して交換できるため、搬送物の品種、粉粒形状、加工状況などに応じて突き落し手段の取り付け位置、角度、数量、突き出し量などが簡便に変更することができる。
【００１８】
請求項６に係るバケットコンベヤによれば、請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載のバケットコンベヤが奏する効果に加えて、バケットの収容底部を構成する可撓性シートが弾性のゴムシートから成っていることにより、突き落し手段が排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの可撓性シートからなる収容底部を開口部側に向けて柔軟かつ静粛に弾性変形させるため、バケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を確実かつ静粛に突き落とすとともに排出後にバケットの外形を速やかに復元して粉粒体状の搬送物を再び収容搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明の実施例であるバケットコンベヤの全体概略図。
【図２】エンドレスチェーンに対するバケットの組み付け図。
【図３】図１に示すバケットコンベヤの排出口側の正面図。
【図４】図１に示すバケットコンベヤの排出口側の平面図。
【図５】エンドレスチェーンと排出口側スプロケットとの噛み合い状態図。
【図６】本発明の実施例であるバケットコンベヤの動作図。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
本発明は、左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送してエンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤにおいて、バケットが粉粒体状の搬送物を収容する可撓性シートからなる収容底部を有しているとともに、バケットの収容底部を開口部側へ押し上げ搬送物を突き落として排出する突き落し手段が排出口側スプロケットを軸支するスプロケット回転軸に設けられ、排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部を開口部側へ押し上げ変形させてバケットの収容底部に残留しがちな粉粒体状の搬送物を強制的かつ確実に突き落として粉粒体状の搬送物を効率良く排出口へ排出するとともにバケットに発生させがちな騒音と不用意な破損を防止するものであれば、その具体的な実施の形態は、如何なるものであっても何ら構わない。
【００２１】
まず、本発明のバケットコンベヤの具体的な使用態様については、多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送してエンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出する使用状況下であれば、如何なる搬送形態であっても良く、たとえば、バケットに投入された搬送物を排出口に向けて水平方向に搬送して排出口側スプロケットによりバケットの上下姿勢を反転させながら搬送物を排出口から落下排出するような、所謂、投入口と搬出口とがほぼ同じ水平な搬送ラインに配置されるもの、あるいは、バケットに投入された搬送物を排出口に向けて水平方向から垂直方向に搬送し、さらに、垂直方向から水平方向に方向転換して排出口側スプロケットによりバケットの上下姿勢を反転させながら搬送物を排出口から落下排出するような、所謂、投入口と排出口とに高低差を設けた高揚程型の搬送ラインに配置されるものなどがある。
【００２２】
そして、本発明のバケットコンベヤに用いる突き落し手段については、この突き落し手段を構成する突起部が排出口側スプロケットの歯数に対応して配置されてバケットと排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部と確実に相対して同期しながら当接するものであれば良く、その具体的設置形態については、如何なるものであっても良い。
【００２３】
たとえば、突き落し手段の突起部がバケットの収容底部を開口部側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分を有している場合には、突き落し手段の突起部に形成されているＵ字形の円弧部分が排出口側スプロケットの回転に伴ってバケットの収容底部に漸次かつ緩やかに当接するため、バケットの収容底部に対する過度の衝撃を回避してバケットに発生させがちな騒音や不用意な破損を防止する。
【００２４】
また、突き落し手段が粉粒体状の搬送物に応じてスプロケット回転軸に交換自在に設けられている場合には、搬送物の品種、粉粒形状、加工状況などに応じて突き落し手段の取り付け位置、角度、数量、突き出し量などが簡便に変更することが可能になり、さらに、突き落し手段がスプロケット回転軸の軸方向に対してランダムに設けられても良く、スプロケット回転軸の軸方向に対して単数あるいは複数の箇所に設けられても良い。
【実施例】
【００２５】
本発明の実施例であるバケットコンベヤについて、図面に基づいて説明する。
ここで、図１は、本発明の実施例であるバケットコンベヤの全体概略図であり、図２は、エンドレスチェーンに対するバケットの組み付け図であり、図３は、図１に示すバケットコンベヤの排出口側の正面図であり、図４は、図１に示すバケットコンベヤの排出口側の平面図であり、図５は、エンドレスチェーンと排出口側スプロケットとの噛み合い状態図であり、図６は、本発明の実施例であるバケットコンベヤの動作図である。
【００２６】
まず、本発明の実施例であるバケットコンベヤ１００は、図１に示すように、コンベヤケース１１０の投入口１１１から投入された粉粒体状の搬送物Ｍを左右一対のエンドレスチェーン１２０に両端支持された多数のバケット１３０に順次収容した後、これらのバケット１３０に収容された搬送物をコンベヤケース１１０の排出口１１２に向けて水平方向から垂直方向に搬送し、さらに、垂直方向から水平方向に方向転換して排出口側スプロケット１４１によりエンドレスチェーン１２０を上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させると同時にバケット１３０の上下姿勢を反転させながら搬送物Ｍを排出口１１２から落下排出するように、投入口１１１と排出口１１２とに高低差を設けた高揚程型の搬送ラインとして設置されている。
なお、図１における符号１４２は、駆動源となる搬出口側スプロケット１４１にエンドレスチェーン１２０を介して従動する投入口側スプロケットであり、符号１４３は、エンドレスチェーン１２０を水平方向から垂直方向に方向転換させる、もしくは、垂直方向から水平方向に方向転換させる偏向スプロケットである。
【００２７】
つぎに、本発明の実施例であるバケットコンベヤ１００が最も特徴とするバケット１３０の具体的な形態とこのバケット１３０内の搬送物Ｍを突き落として排出する突き落し手段１５０について、図２乃至図６に基づいて、以下に、詳しく説明する。
【００２８】
まず、本実施例で用いるバケット１３０は、図２に示すように、粉粒体状の搬送物Ｍを収容可能な弾性のゴムシートから成る可撓性シートの収容底部１３１を有し、この収容底部１３１を開口部１３２側に向けて柔軟かつ静粛に弾性変形することが可能になっている。
そして、このバケット１３０は、図５に示すように、前述したエンドレスチェーン１２０を構成するリンクプレート１２１毎にそれぞれ配置されている。
なお、図２に示す符号１３３は、可撓性シートからなる収容底部１３１を側方から保持するとともにリンクプレート１２１に固定される一対のバケット側板である。
【００２９】
他方、前述したバケット１３０内の搬送物Ｍを突き落として排出する左右１対の突き落し手段１５０は、図３乃至図４に示すように、排出口側スプロケット１４１を軸支するスプロケット回転軸１６０に２分割自在に抱持するように設けられ、さらに、この突き落し手段１５０の一部を構成する突起部１５１が排出口側スプロケット１４１の歯数に対応して配置されて排出口側スプロケット１４１の歯先部１４１ａと同期して位置決めされ、排出口側スプロケット１４１の回転に伴って前述したバケット１３０と確実に相対して同期するように構成されている。
これにより、これらの左右１対の突き落し手段１５０に設けた突起部１５１が、バケット１３０の収容底部１３１に対して排出口側スプロケット１４１の回転に伴って確実に当接可能となっている。
【００３０】
そして、前述した突き落し手段１５０の突起部１５１は、図３に示すように、バケット１３０の収容底部１３１を開口部１３２側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分１５１ａを有している。
これにより、この突き落し手段１５０の突起部１５１に形成されているＵ字形の円弧部分１５１ａが、排出口側スプロケット１４１の回転に伴ってバケット１３０の収容底部１３１に漸次かつ緩やかに当接するようになっている。
【００３１】
また、前述した突き落し手段１５０の突起部１５１は、図３乃至図４に示すように、Ｕ字形の円弧部分１５１ａに連続して突起ベース部１５２にボルトナットの固着手段で固定される突起基部１５１ｂを有している。
これにより、突き落し手段１５０における突起部１５１の取り付け角度、数量、突き出し量などが、搬送物Ｍの品種、粉粒形状、加工状況などに応じて簡便に変更可能になっている。
【００３２】
そして、前述した左右１対の突き落し手段１５０は、粉粒体状の搬送物Ｍに応じてスプロケット回転軸１６０に沿って左右２ヶ所にボルトナットの固着手段によってそれぞれ交換自在に設けられている。
これにより、突き落し手段１５０が、搬送物Ｍの品種、粉粒形状、加工状況などに応じてスプロケット回転軸１６０に対して簡便に取り付け取り外すことにより交換可能になっている。
【００３３】
このようにして得られた本実施例のバケットコンベヤ１００は、図６に示すように、バケット１３０が粉粒体状の搬送物Ｍを収容するゴムシートからなる収容底部１３１を有しているとともに、バケット１３０の収容底部１３１内の搬送物Ｍを突き落として排出する突き落し手段１５０が排出口側スプロケット１４１を軸支するスプロケット回転軸１６０に設けられていることにより、排出口側スプロケット１４１でエンドレスチェーン１２０を上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケット１３０の上下姿勢を反転させる際に、突き落し手段１５０が排出口側スプロケット１４１の回転に伴ってバケット１３０の可撓性シートからなる収容底部１３１を開口部１３２側へ押し上げ変形させてバケット１３０の収容底部１３１に残留しがちな粉粒体状の搬送物Ｍを強制的に突き落として効率良くコンベヤケース１１０の排出口１１１へ排出することができる。
【００３４】
そして、バケット１３０がエンドレスチェーン１２０を構成するリンクプレート１２１毎に配置されているとともに、突き落し手１５０の突起部１５１が排出口側スプロケット１４１の歯数に対応しつつ歯先部と同期して位置決め配置されていることにより、それぞれのバケット１３０内に残留しがちな粉粒体状の搬送物Ｍを確実に突き落とすことができる。
【００３５】
しかも、突き落し手段１５０の突起部１５１がバケット１３０の収容底部１３１を開口部１３２側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分１３１ａを有していることにより、Ｕ字形の円弧部分１３1aがバケット130の収容底部131に漸次かつ緩やかに当接してバケット１３０に発生させがちな騒音や不用意な破損を防止するとともに粉粒体状の搬送物Ｍを確実かつ静粛に突き落とすことができる等、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【００３６】
１００ ・・・ バケットコンベヤ
１１０ ・・・ コンベヤケース
１１１ ・・・ 投入口
１１２ ・・・ 排出口
１２０ ・・・ エンドレスチェーン
１２１ ・・・ リンクプレート
１３０ ・・・ バケット
１３１ ・・・ 可撓性シートの収容底部
１３２ ・・・ 開口部
１３３ ・・・ バケット側板
１４１ ・・・ 排出口側スプロケット
１４１ａ・・・ 排出口側スプロケット１４１の歯先部
１４２ ・・・ 投入口側スプロケット
１４３ ・・・ 偏向スプロケット
１５０ ・・・ 突き落し手段
１５１ ・・・ 突起部
１５１ａ・・・ Ｕ字形の円弧部分
１５１ｂ・・・ 突起基部
１５２ ・・・ 突起ベース部
１６０ ・・・ スプロケット回転軸
Ｍ ・・・ 搬送物
【特許請求の範囲】
【請求項１】
左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送して前記エンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤにおいて、
前記バケットが、前記粉粒体状の搬送物を収容する可撓性シートからなる収容底部を有しているとともに、
前記バケットの収容底部を開口部側へ押し上げ搬送物を突き落として排出する突き落し手段が、前記排出口側スプロケットを軸支するスプロケット回転軸に設けられていることを特徴とするバケットコンベヤ。
【請求項２】
前記バケットが、前記エンドレスチェーンを構成するリンクプレート毎に配置されているとともに、
前記突き落し手段の突起部が、前記排出口側スプロケットの歯数に対応して配置されていることを特徴とする請求項１に記載のバケットコンベヤ。
【請求項３】
前記突き落し手段の突起部が、前記排出口側スプロケットの歯先部と同期して位置決めされていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のバケットコンベヤ。
【請求項４】
前記突き落し手段の突起部が、前記バケットの収容底部を開口部側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分を有していることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のバケットコンベヤ。
【請求項５】
前記突き落し手段が、前記粉粒体状の搬送物に応じてスプロケット回転軸に交換自在に設けられていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のバケットコンベヤ。
【請求項６】
前記バケットの収容底部を構成する可撓性シートが、弾性のゴムシートから成っていることを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載のバケットコンベヤ。
【請求項１】
左右一対のエンドレスチェーンに両端支持された多数のバケットで粉粒体状の搬送物を収容搬送して前記エンドレスチェーンを上側水平移動域から下側移動域へ折り返しながら周回させてバケットの上下姿勢を反転させる排出口側スプロケットの下方位置に設けた排出口から反転されたバケット内の搬送物を落下搬出するバケットコンベヤにおいて、
前記バケットが、前記粉粒体状の搬送物を収容する可撓性シートからなる収容底部を有しているとともに、
前記バケットの収容底部を開口部側へ押し上げ搬送物を突き落として排出する突き落し手段が、前記排出口側スプロケットを軸支するスプロケット回転軸に設けられていることを特徴とするバケットコンベヤ。
【請求項２】
前記バケットが、前記エンドレスチェーンを構成するリンクプレート毎に配置されているとともに、
前記突き落し手段の突起部が、前記排出口側スプロケットの歯数に対応して配置されていることを特徴とする請求項１に記載のバケットコンベヤ。
【請求項３】
前記突き落し手段の突起部が、前記排出口側スプロケットの歯先部と同期して位置決めされていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のバケットコンベヤ。
【請求項４】
前記突き落し手段の突起部が、前記バケットの収容底部を開口部側へ漸次押し上げるＵ字形の円弧部分を有していることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のバケットコンベヤ。
【請求項５】
前記突き落し手段が、前記粉粒体状の搬送物に応じてスプロケット回転軸に交換自在に設けられていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のバケットコンベヤ。
【請求項６】
前記バケットの収容底部を構成する可撓性シートが、弾性のゴムシートから成っていることを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載のバケットコンベヤ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１２−２４０８３２（Ｐ２０１２−２４０８３２Ａ）
【公開日】平成２４年１２月１０日（２０１２．１２．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１１５５５７（Ｐ２０１１−１１５５５７）
【出願日】平成２３年５月２４日（２０１１．５．２４）
【出願人】（０００１５０８１１）株式会社椿本バルクシステム (33)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１２月１０日（２０１２．１２．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年５月２４日（２０１１．５．２４）
【出願人】（０００１５０８１１）株式会社椿本バルクシステム (33)
【Ｆターム（参考）】
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