バスダクト接続構造
【課題】安価で、施工スペースが狭く、且つ接続作業が容易なバスダクト接続構造を提供する。
【解決手段】バスダクト接続構造は、複数の送電用の導体11a、11b、11cにより構成された第1系統の導体群10a及び複数の送電用の導体導体11a、11b、11cにより構成された第2系統の導体群10bを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群10a、10bを共にハウジング20aにより収納した多系統バスダクトW1と、多系統バスダクトW1同士を接続する接続ユニットVとを有している。また、接続ユニットVには、第1系統の導体群10aの同相導体同士を電気的に接続する第1接続部と、第2系統の導体群の同相導体同士を電気的接続する第2接続部とが設けられている。
【解決手段】バスダクト接続構造は、複数の送電用の導体11a、11b、11cにより構成された第1系統の導体群10a及び複数の送電用の導体導体11a、11b、11cにより構成された第2系統の導体群10bを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群10a、10bを共にハウジング20aにより収納した多系統バスダクトW1と、多系統バスダクトW1同士を接続する接続ユニットVとを有している。また、接続ユニットVには、第1系統の導体群10aの同相導体同士を電気的に接続する第1接続部と、第2系統の導体群の同相導体同士を電気的接続する第2接続部とが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスダクト接続構造に関し、例えば、間隔を開けて配置された複数系統の導体群と、それらの導体群を収納したハウジングとを備える多系統バスダクトを相互接続するバスダクト接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物等の電気幹線として送電用の導体を内部に装填したバスダクトが用いられており、一般的には600A以上の定格電流に対応できるように構成されている。また、バスダクトは、所定の長さ毎に連結接続し、建物に設置されるようになっており、1系統の導体群をハウジングに収納したものを、1つの接続ユニットで接続する構成が一般的に用いられている。
【0003】
また、前記電気幹線として、複数系統(多系統)のバスダクトが設置されることが多く行われており、多系統のバスダクトを接続するための技術が、例えば、特許文献1や特許文献2に提案されている。
【0004】
特許文献1には、1つの接続ユニットにより、多系統のバスダクトを接続する接続構造が開示されている。特許文献1に記載の接続構造では、複数のバスダクトを相互に所定間隔を置いて並列配置した状態で結束手段により結束固定している。そして、前記結束固定された複数のバスダクト相互を対向配置し、接続部本体により、対向するバスダクトの導体同士を電気的接続状態としかつ隣接する導体相互を絶縁状態として接続するように構成されている。
【0005】
また、特許文献2に記載された接続構造は、絶縁物で包囲され長手方向両端部に接続部を有する導体を複数個重ね合せると共に、幅方向に所定間隔開けて配置し、両側を外板で挟持してなる絶縁型のバスダクトを備え、複数個のバスダクトをそれぞれ接続部で結合させることにより伝送路を形成するようになされている。具体的には、前記バスダクトの接続部により、幅方向に分けて配置された導体をそれぞれ別(接続対象となるバスダクト)の接続部に接続するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−108342号公報
【特許文献2】実開昭47−699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2に記載された接続構造は、以下に示す技術的課題を有している。
具体的には、特許文献1に記載された接続構造は、各系統の電流容量が小さい場合でも、それぞれの系統毎にハウジングにより収納したバスダクトを製作しなければならず、コスト高であると共に、施工スペースが増大になるという技術的課題を有している。
【0008】
また、特許文献1に記載された接続構造は、上記課題に加え、さらに、接続作業に多大な労力が費やされるという技術的課題を有している。
具体的には、特許文献1に記載された接続構造は、上述したように、多系統のバスダクト同士を接続ユニットにより接続するようになっている。そして、並設されたバスダクト内の1つのバスダクトを接続ユニットに位置合わせして取付作業を行った場合、その位置合わせしたバスダクトから離れていくにつれて、接続ユニットとバスダクトにズレが生じる。すなわち、バスダクトの導体と、当該導体に接続する接続ユニットの導電性接続部材との位置にズレが生じるため、接続作業が非常に困難なものになっている。
【0009】
また、特許文献2に記載された接続構造は、特許文献1と同様に、系統毎に接続作業を行わなければならないため、接続作業に多大な労力を費やすという技術的課題を有している。
【0010】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたものであり、安価で、施工スペースが狭く、且つ接続作業が容易なバスダクト接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的課題を解決するためになされた本発明は、多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、複数の送電用の導体により構成された第1系統の導体群及び複数の送電用の導体により構成された第2系統の導体群を導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングにより収納した多系統バスダクトと、前記多系統バスダクト同士を接続する接続ユニットとを有し、前記接続ユニットには、前記第1系統の導体群の同相導体同士を電気的に接続する第1接続部と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を電気的接続する第2接続部とが設けられていることを特徴としている。
【0012】
このように、本発明のバスダクト接続構造では、多系統のバスダクトが、1つのハウジングで収納されているため、バスダクトのコスト(材料費、施工費)を削減することができる。すなわち、本発明によれば、上述した特許文献1のように、それぞれの系統毎にハウジングを設ける必要がなく、且つ結束手段による結束固定作業も不要になるため、コストが大幅に削減される。
【0013】
また、本発明によれば、多系統バスダクト同士を接続する接続ユニットに、第1系統の導体群の同相導体同士を電気的に接続する第1接続部と、第2系統の導体群の同相導体同士を電気的接続する第2接続部とが一体的に設けられている。すなわち、本発明によれば、通常のバスダクト(1系統のバスダクト)の接続と殆ど変わらない工程で接続作業が完了するため、上述した従来技術(特許文献1及び特許文献2)のものと比べ、接続作業の労力が軽減される。また、本発明によれば、多系統のバスダクトを1つのハウジングで、且つ1つの接続ユニットで行えるため、施工スペースの大幅な削減が可能となる。
【0014】
また、本発明は、多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、複数の送電用の導体を並設した第1系統の導体群と、複数の送電用の導体を並設した第2系統の導体群とを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと、前記多系統バスダクトの端部に配置された各導体群が挿入され該多系統バスダクト同士を電気的に接続する接続ユニットとを備え、接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の同相導体が相互に対向して配置されており、前記接続ユニットは、前記第1系統の導体群の同相導体同士を接続する第1導電性接続部材と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を接続する第2導電性接続部材と、前記第1導電性接続部材及び前記第2導電性接続部材を保持し且つ前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群における異相導体間を絶縁する絶縁セパレータと、前記挿入された第1系統及び第2系統の導体群、前記絶縁セパレータ、前記第1導電性接続部材及び前記第2導電性接続部材を挟持して一括締着する締着手段とを有し、前記締着手段は、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群との間に設けられていることを特徴としている。
【0015】
このように、本発明によれば、締着手段により、挿入された第1系統及び第2系統の導体群、絶縁セパレータ、第1導電性接続部材及び第2導電性接続部材を挟持して一括締着するようになっている。そのため、本発明によれば、多系統バスダクトの接続作業を簡単に行うことができ、作業負担を軽減することができる。また、締着手段により、第1系統の導体群の同相導体同士を接続する第1導電性接続部材と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を接続する第2導電性接続部材とが挟持されて締着されるため、各導体群の安定した接続が可能になる。
【0016】
また、本発明は、多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、複数の送電用の導体を並設した第1系統の導体群と、複数の送電用の導体を並設した第2系統の導体群とを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと備え、接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の各同相導体が重ね合わされた状態で配置され、前記第1系統の導体群の端部には、接続対象となる他の多系統バスダクトの第1系統の導体群の同相導体の端部と重なり合う第1重なり部が形成され、前記第2系統の導体群の端部には、前記他の多系統バスダクトの第2系統の導体群の同相導体の端部と重なり合う第2重なり部が形成され、前記多系統バスダクトの端部には、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の異相導体間を絶縁する絶縁セパレータが設けられ、さらに、前記第1系統の導体群、前記第2系統の導体群、前記絶縁セパレータを挟持して一括締着する締着手段とを有し、前記締着手段は、前記第1重なり部と前記第2重なり部との間に設けられていることを特徴としている。
【0017】
このように本発明によれば、接続ユニットを設けることなく、簡単に、多系統バスダクトの接続作業を行うことができる。すなわち、本発明によれば、上述した接続ユニットを備えたバスダクト接続構造に比べて、部品点数を削減することができる。
【0018】
また、前記絶縁セパレータは、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群とを共に絶縁できるようになっていることが望ましい。また、前記多系統バスダクトは、前記第1系統及び前記第2系統のうちの少なくともいずれか一方が400A以下の電流を流す導体群であることが望ましい。また、前記多系統バスダクトは、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群との間に、スペーサが介在していることが望ましい。
【0019】
また、前記ハウジングは、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群を収納可能な収納凹部と、前記収納凹部の両端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の外端に設けられた補強部とを備えた一対のハウジング半体を突き合わせて構成されており、前記収納凹部に、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群を区分する区分壁が設けられていることが望ましい。また、前記ハウジング半体は、押し出し成形により形成されていることが望ましい。
【0020】
また、本発明は、多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、複数系統の導体群を導体の幅方向に間隔を開けて並列に配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと、前記多系統バスダクトの端部の導体群が挿入され該多系統バスダクト同士を電気的に接続する接続ユニットとを備え、接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、同系統の導体群の同相導体が互いに対向して配置されており、前記接続ユニットは、前記挿入された各系統の導体群の同相導体同士を接続する導電性接続部材と、前記導電性接続部材を保持し且つ前記導体群における異相導体間を絶縁する絶縁セパレータと、前記挿入された各系統の導体群、前記絶縁セパレータ及び前記導電性部材を挟持して押圧状態で締着する締着手段とを有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、安価で、施工スペースが狭く、且つ接続作業が容易なバスダクト接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態の多系統バスダクトを示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の多系統バスダクトの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した図であり、(a)が平面図であり、(b)が平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の多系統バスダクトを示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の多系統バスダクトの断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図である。
【図10】本発明の実施形態の多系統バスダクトの変形例を説明するための模式図である。
【図11】本発明の実施形態の多系統バスダクトの変形例を説明するための模式図である。
【図12】本発明の実施形態のバスダクト接続構造に分岐装置を接続する構造を説明するための図であり、(a)がバスダクト接続構造側に設けられた分岐装置が装着される開口部を示した模式図であり、(b)がバスダクト接続構造に分岐装置が接続される前の状態を示した模式図である。
【図13】本発明の実施形態のバスダクト接続構造に分岐装置が接続された状態を示した模式図である。
【図14】本発明の実施形態のバスダクト接続構造を構成する絶縁セパレータの変形例を示した図であり、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が側面図を示している。
【図15】図14に示した絶縁セパレータに導電性接続部材を取付けた状態を示した図であり、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が側面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のバスダクト接続構造について図面に基づいて説明する。尚、本発明は、以下で説明する各実施形態に限定されるものではなく、それぞれ実施形態を部分的に組み合わせる、不要箇所を削除するなど本発明の要旨の範囲内で適用可能である。
【0024】
《第1実施形態》
先ず、本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造について図1乃至図4を用いて説明する。尚、図1は、本発明の第1実施形態の多系統バスダクトを示す図であり、(a)が多系統バスダクトの平面図であり、(b)が多系統バスダクトの正面図である。また、図2は、本発明の第1実施形態の多系統バスダクトの断面図である。また、図3は、本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した図であり、(a)が主要部の平面図であり、(b)が主要部の平面図である。また、図4は、本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造を示す図であり、(a)が多系統バスダクト接続構造の平面図であり、(b)が多系統バスダクト接続構造の正面図である。
【0025】
第1実施形態のバスダクト接続構造は、2本の多系統バスダクトW1と、1つの接続ユニットV1とを備えている(図3参照)。そして、2本の多系統バスダクトW1の端部同士を相互に対向させて配置し、接続ユニットV1に、多系統バスダクトW1の端部に配置された各導体群10a、10bを挿入し、締着具35により、接続ユニットV1に挿入した各導体群10a、10bを締着することにより、多系統バスダクトW1同士が電気的に接続されるようになっている。以下、第1実施形態のバスダクト接続構造の各構成を説明していく。
【0026】
先ず、第1実施形態のバスダクト接続構造を構成する多系統バスダクトW1の構成を説明する。図1及び図2に示すように、多系統バスダクトW1は、絶縁物(絶縁被覆層)13により絶縁被覆された3相からなる平板状の送電用の導体11a、11b、11cを並設させた第1系統の導体群10aと、絶縁物13により絶縁被覆された3相からなる導体11a、11b、11cを並設させた第2系統の導体群10bと、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bを収納するハウジング20aと、ハウジング20aに取付けられたアタッチメント27及び側板28とを備えている。尚、多系統バスダクトW1の各系統を流れる電力の電流値については特に限定されるものではない。例えば、第1系統及び第2系統のうちのいずれか一方(導体群10a及び導体群10bのいずれか一方)が400A以下の電流を流すための導体群であっても良い。
【0027】
具体的には、多系統バスダクトW1は、第1系統の導体群10aと、第2系統の導体群10bとが、導体11a、11b、11cの幅方向に空間sを介して2系統に分配配置され、これらがハウジング20aにより収納されている(所謂絶縁被覆型バスダクトの構成となっている)。また、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bは、その両端部がハウジング20aから突出するようになされている。また、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bは、ハウジング20bの内部においては、絶縁物13により絶縁被覆された導体11a、11b、11cが、それぞれ密着された状態で装填されている。
【0028】
また、図2に示すように、ハウジング20aは、1対のハウジング半体21aと、1対のハウジング半体21aを結合するリベット等の結合手段29とを備えている。1対のハウジング半体21aは、それぞれ、導体群10a、10bの収納及び導体群10a、10b間の空間sを形成可能になされた収納凹部22aと、収納凹部22aの幅方向(図2の上下方向)両端を幅方向外方に屈曲延設したフランジ部23と、フランジ部23の幅方向外端を互いに厚さ方向(図2の左右方向)を外方に屈曲延設した第1補強部24aと、第1補強部24aの厚さ方向外端縁を幅方向外方に屈曲延設した第2補強部25aと、第2補強部25aの幅方向外端を厚さ方向内方に屈曲延設した第3補強部26aとを有している。尚、ハウジング半体21aは、例えば、押し出し成形により形成されている。
【0029】
そして、ハウジング20は、1対のハウジング半体21aを向かい合わせた状態で、収納凹部22aに導体群10a、10bを収納するように突き合わせて、当接させたフランジ部23の相互を結合手段29で結合することにより形成されている。また、第2補強部25aの厚さ方向外端面と収納凹部21の厚さ方向外端面が同一線上に位置するように形成されており、小型化を実現していると共に、多系統バスダクトW1の横に配置した際の変形防止効果も発揮するようになっている。
【0030】
また、上述した収納凹部22aは、それぞれ、内部に厚さ方向内側に突出する突出壁22a1を2つずつ有し、収納凹部22aの幅方向端部から突出壁22a1の間に導体群10a、10bが収納され、突出壁22a1相互間には空間sが形成されている。
【0031】
また、ハウジング20の補強部(第1補強部24a、第2補強部25a、第3補強部26a)の長さ方向(図1の左右方向)の両端には、第1補強部24aから第3補強部26aにより形成された閉断面部分にアタッチメント27が取付けられている。このアタッチメント27には、接続ユニットV1の上下板36を取付けるための穴27aが穿設されている。また、アタッチメント27は、補強部(第1補強部24a、第2補強部25a、第3補強部26a)の内面と接触するようになっており、アース端子としての役割も果たしている。
【0032】
また、図1(a)に示すように、導体群10a、10bの長さ方向両端部は、絶縁物13が除去されている。すなわち、ハウジング20aから突出している導体群10a、10bの両端部は、絶縁物13が除去されている。また、導体群10a、10bの中相(導体11b)が平板状となっており、中相(導体11b)を中心に厚さ方向外側の相(導体11a、11c)は、厚さ方向外側に段部を介して拡開している。
【0033】
また、ハウジング20aの長さ方向両端部には、導体11a、11cの拡開に合せて厚さ方向に段付けされた状態の側板28が取付けられており、後述する接続ユニットV1の接続側板33が取付けできる形状になっている。尚、側板28とフランジ部23との間には、パッキン或いは四角形状の間座部材を設けると好適である(これにより、隙間を塞ぐことが可能となる)。
【0034】
次に、接続ユニットV1について説明する。図3に示すように、接続ユニットV1は、多系統バスダクトW1の同相の導体(導体11a、11b、11c)に沿った状態で同相の導体相互間を電気的に接続する導電性接続部材31と、導電性接続部材31を保持し且つ異相の導体相互間を絶縁する絶縁セパレータ32a、32bと、これらを厚さ方向(導体11a、11b、11cの厚さ方向)両側から覆う接続側板33と、これらを締着する締着具35とを備えている。また、接続ユニットV1の上下両面には、それぞれ、矩形板状の上下板36が取付けられる。また、導電性接続部材31、絶縁セパレータ32a、32b、及び接続側板33は、後述する締着具35により、多系統バスダクトW1に接続・固定されるようになっている。
【0035】
尚、導電性接続部材31は、同相の導体相互間を電気的に接続可能な導電性材料(例えば、アルミニウムや銅などの平板状の金属)であれば良く、具体的な構成について限定されるものではない。また、絶縁セパレータ32a、32bは、異相の導体相互間を絶縁できる材料で形成されていれば良く、具体的な構成について限定されるものではない。
【0036】
そして、上記のように構成された接続ユニットV1は、絶縁セパレータ32a、32bが、幅方向に分かれた別系統の導体(導体11a、11b、11c)を一括して絶縁するようになっている。また、導電性接続部材31が、幅方向に分かれた別系統の導体(導体11a、11b、11c)をそれぞれ別体で電気的に接続するようになっている。
【0037】
具体的には、図3に示すように、接続ユニットV1は、略矩形板状になされた一対の接続側板33を備え、その一対の接続側板33が所定間隔を開けて、相互に一方面が対向するように配置されている。また、一対の接続側板33は、それぞれ、他方の接続側板33との対向面に、矩形板状の絶縁セパレータ32aが取付けられている。また、一対の接続側板33の間には、2枚の絶縁セパレータ32b(矩形板状の絶縁セパレータ32b)が間を開けて配置(略等間隔で配置)されている。
【0038】
また、1対の接続側板33の略中央部と、絶縁セパレータ32a、32bの略中央部とには、後述する締着具35を貫通させる貫通孔が形成されている。尚、絶縁セパレータ32bは、絶縁セパレータ32aと略同じ大きさ寸法に形成されている。また、絶縁セパレータ32a、32bは、接続側板33に比べて、大きさ寸法が小さくなされている。
【0039】
また、一方の接続側板33に取付けられた絶縁セパレータ32aは、他方の接続側板33との対向面に、2枚の導電性接続部材31(板状の導電性接続部材31)が取付けられている(絶縁セパレータ32aは、2枚の導電性接続部材31を保持している)。また、他方の接続側板33に取付けられた絶縁セパレータ32aは、一方の接続側板33との対向面に、2枚の導電性接続部材31が取付けられている。尚、導電性接続部材31は、絶縁セパレータ32aの面上において、絶縁セパレータ32aの中心部から幅方向(導体11a、11b、11cの幅方向)に所定間隔を開けて取付けられ、多系統バスダクトW1の端部の導体11a(又は導体11c)に当接するようになっている。
【0040】
また、一対の接続側板33の間に配置された絶縁セパレータ32bは、その両面に、それぞれ、2枚の導電性接続部材31が、絶縁セパレータ32bの中心部から幅方向に所定間隔を開けて取付けられている(絶縁セパレータ32bは、4枚の導電性接続部材31を保持している)。そして、絶縁セパレータ32bに取付けられた導電性接続部材31には、多系統バスダクトW1の端部の導体11a、11b、11cが当接するようになっている。
【0041】
また、締着具35は、ボルト35aと、ナット35bと、ワッシャー35cとにより構成されている。そして、締結具35は、接続側板33の略中央の前記貫通孔と、絶縁セパレータ32a、32bの略中央の前記貫通孔とに貫通させた状態で、且つ幅方向に分かれて配置されている導電性接続部材31の間に位置するように取付けられている(図3(b)参照)。具体的には、接続側板33及び絶縁セパレータ32a、32bの前記貫通孔にボルト35aの軸部を貫通させている。そして、ナット35bを締着することにより、1対の接続側板33が、接続側板33の間に配置された「絶縁セパレータ32a、32b(及び導電性接続部材31)」及び「多系統バスダクトW1の端部の導体11a、11b、11c」を押圧した状態で挟持するようになっている。
【0042】
すなわち、第1実施形態の接続ユニットV1は、絶縁セパレータ32a、32bの一方側(図3(b)に示す上方側)に配置された導電性接続部材31が、第1系統の導体群10aの同相導体同士を電気的に接続する第1接続部として構成され、他方側(図3(b)に示す下方側)に配置された導電性接続部材31が、第2系統の導体群10bの同相導体同士を電気的に接続する第2接続部として構成されている。そして、前記第1接続部に、対向して配置された多系統バスダクトW1の第1系統の導体群10aの端部が挿入され、前記第2接続部に、前記対向した配置された多系統バスダクトW1の第2系統の導体群10bの端部が挿入されるようになっている。
【0043】
次に、上記のように構成された接続ユニットV1を利用して、多系統バスダクトW1を相互接続する工程を説明する。具体的には、図3及び図4に示すように、先ず、接続対象となる多系統バスダクトW1同士を対向配置し、その間に接続部を構成する接続ユニットV1を配置する。
これにより、接続対象となる多系統バスダクトW1同士は、第1系統の導体群10a及び前記第2系統の導体群10bの同相導体が相互に対向して配置される。
【0044】
そして、多系統バスダクトW1を接続ユニットV1に取付ける際には、先ず、接続ユニットV1の絶縁セパレータ32a、32bの間に、多系統バスダクトW1の端部の導体11a、11b、11cを挿入する。これにより、接続ユニットV1に、多系統バスダクトW1の2系統の導体群10a、10bが一括して仮止めされる。また、前記挿入された導体11a、11b、11cは、絶縁セパレータ32a、32bが保持する導電性接続部材31に当接する。これにより、第1系統の導体群10a及び前記第2系統の導体群10bの同相導体が、導電性接続部材31を介して、電気的に接続される。また、絶縁セパレータ32a、32bにより、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bにおける異相導体間が絶縁される。
【0045】
次に、多系統バスダクトW1のハウジング20aに取付けられた側板28と、接続ユニットV1の接続側板33とをビス等で取付ける。また、多系統バスダクトW1のハウジング20aに取付けられたアタッチメント27に上下板36を取付ける(ビスなどで取付ける)。
最後に、締着具35で締め付けることにより、多系統バスダクトW1相互が強固に接続される。この際、締着具35のワッシャー35cが、確実に、幅方向に分かれている導体11a、11b、11cと導電性接続部材31の接触箇所を押圧するようになるため、安定した圧力での接続が可能となる。
【0046】
以上説明したように、本発明の第1実施形態の多系統バスダクトW1を使用することにより、多系統のバスダクトを1つのハウジングにて収納することができ、且つ通常のバスダクトの接続(1系統のバスダクトの接続)と殆ど変わらない工程で接続作業が完了するため、材料費、組立費、施工費を大幅に低減することが可能となる。
また、多系統のバスダクトを1つのハウジングで、且つ1つの接続ユニットV1で行えるため、施工スペースの大幅な削減が可能となる。
【0047】
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造について、図5乃至図9に基づいて説明する。図5は、本発明の第2実施形態の多系統バスダクトを示す図であり、(a)が多系統バスダクトの平面図であり、(b)が多系統バスダクトの正面図である。また、図6は、本発明の第2実施形態の多系統バスダクトの断面図である。また、図7は、本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した平面図である。また、図8は、本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した正面図である。また、図9は、本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造を示す図であり、(a)が多系統バスダクト接続構造の平面図であり、(b)が多系統バスダクト接続構造の正面図である。
尚、第2実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには、同じ符号を付している。また、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を詳細に説明し、同様の構成の説明を省略する。
【0048】
第2実施形態のバスダクト接続構造は、2本の多系統バスダクトW2と、締着具35と、1対の上下板36とを備え、2本の多系統バスダクトW2を相互に対向させて配置し、多系統バスダクトW2の端部同士を挿嵌させて、締着具35により固定することにより、多系統バスダクトW2同士が電気的に接続されるように構成されている。以下、第2実施形態のバスダクト接続構造の各構成を説明していく。
【0049】
先ず、第2実施形態の多系統バスダクトW2の構造を説明する。
図5及び図6に示すように、第2実施形態の多系統バスダクトW2は、第1実施形態のものと同様、所謂絶縁被覆型バスダクトとなっている。具体的には、多系統バスダクトW2は、絶縁物13により絶縁被覆された3相からなる平板状の導体11a、11b、11cを並設させた第1系統の導体群10aと、絶縁被覆層13により絶縁被覆された3相からなる導体11a、11b、11cを並設させた第2系統の導体群10bと、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bを収納するハウジング20bと、ハウジング20bに取付けられた側板28とを備えている。
【0050】
また、図6に示すように、ハウジング20bは、1対のハウジング半体21bと、1対のハウジング半体21bを結合するリベット等の結合手段29とを備えている。1対のハウジング半体21bは、それぞれ、導体群10a、10bの収納及び導体群10a、10b間の空間を形成可能な収納凹部22bと、収納凹部22bの幅方向(図中の上下方向)両端を幅方向外方に屈曲延設したフランジ部23と、フランジ部23の幅方向外端を互いに厚さ方向を外方に屈曲延設した第1補強部24bと、第1補強部24bの厚さ方向外端縁を幅方向内方に屈曲延設してなる第2補強部25bとを有している。
【0051】
また、ハウジング20bは、1対のハウジング半体21bを向かい合わせた状態で、収納凹部22bに導体群10a、10bを収納するように突き合わせて、当接させたフランジ部23の相互を結合手段29で結合することにより形成されている。
【0052】
また、前記収納凹部22bは、導体群10aと、導体群10bと間に、別体のスペーサ40が配置されている。第2実施形態では、別体のスペーサ40を介在させることにより、導体群相互間に空間を形成している。尚、スペーサ40は多系統バスダクトW2の長さ方向両端部に設けておけば良いが、強度などを考慮して適宜間隔で設けても良い。
【0053】
また、図5に示すように、第2実施形態においても、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bは、その両端部がハウジング20bから突出している。また、導体群10a、10bのそれぞれ長さ方向両端部は、絶縁物13が除去され、全ての相(導体11a、11b、11c)において、段差部を介して屈曲し、別の多系統バスダクトW2と接続する場合に、同相の導体相互が重なり合うようになっている。また、多系統バスダクトW2は、別の多系統バスダクトW2と接続する場合に、異相間に絶縁セパレータ32cが介在するように、予め多系統バスダクトW2の導体間に、絶縁セパレータ32cが配置されている。
【0054】
このように、多系統バスダクトW2の第1系統の導体群10aの端部には、接続対象となる別の多系統バスダクトW2の第1系統の導体群10aの同相導体の端部と重なり合う第1重なり部(絶縁物13が除去されている部位)が形成されている。これにより、一方の多系統バスダクトW2の第1系統の導体群10aの第1重なり部と、他方の多系統バスダクトW2の第1系統の導体群10aの第1重なり部とが当接し、多系統バスダクトW2の第1系統同士が電気的に接続される。
【0055】
また、上述したように、多系統バスダクトW2の第2系統の導体群10bの端部には、接続対象となる他の多系統バスダクトW2の第2系統の導体群10bの同相導体の端部と重なり合う第2重なり部(絶縁物13が除去されている部位)が形成されている。これにより、一方の多系統バスダクトW2の第2系統の導体群10bの第2重なり部と、他方の多系統バスダクトW2の第2系統の導体群10bの第2重なり部とが当接し、多系統バスダクトW2の第2系統同士が電気的に接続される。
【0056】
また、ハウジング20bの長さ方向両端部には、導体11a、11b、11cの拡開同様に、接続した際に、相互に重なるように段付けされた状態の側板28が取付けられている。この側板28は、段付け部分に穴28aが穿設されており、接続上下板36を取付ける際の取り付け穴としての役割を果たしている。また、側板28とハウジング20bのフランジ部23との間には、パッキン或いは四角形状の間座部材が設けられている。尚、側板28は、図5(a)における手前から奥方向へと押し出し成型にて形成すれば好適であり、コスト削減効果を発揮できる。また、前記絶縁セパレータ32c及び側板28には、締着具35を挿通可能な挿通穴が穿設されている。
【0057】
次に、上記のように構成された多系統バスダクトW2同士を接続する工程を説明する。具体的には、図7乃至図9に示すように、2本の多系統バスダクトW2を対向させ、且つ同相の導体相互が重なり合うように配置する。これにより、対向して配置された多系統バスダクトW2の異相間に絶縁セパレータ32cが配置された状態となる。そして、幅方向に空間を開けて配置された導体群の間に締着具35を挿通し、締着することにより、電気的な接続が行われる。この際、締着具35のワッシャー35cが、確実に、幅方向に分かれている導体相互の接触箇所(重なり箇所)を押圧することが可能となっているため、安定した圧力で接続が可能となっている。
【0058】
このように、本発明の第2実施形態2の多系統バスダクトW2を使用することにより、重ね合わせ接続にも対応することが可能である。
【0059】
以上説明したように、本発明の実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)によれば、安価で、施工スペースが狭く、且つ接続作業が容易なバスダクト接続構造を提供することができる。尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0060】
上述した実施形態では、導体11a、11b、11cを絶縁物13で被覆して密着並設した絶縁型バスダクトについて説明したが特にこれに限定されるものではない。例えば、本発明のバスダクトは、導体11a、11b、11cを所定間隔離間してなる空気絶縁型バスダクトや、導体11a、11b、11cを絶縁物13で被覆して所定間隔離間して配置してなる縮小型バスダクトであっても良い。
【0061】
また、ハウジング20a、20bなどの形状や構造は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば図10及び図11に示すようなものであっても良い。尚、図10及び図11は、本実施形態の多系統バスダクトの変形例を説明するための模式図である。
【0062】
例えば、図10(a)では、第1実施形態の多系統バスダクトW1のハウジング20aの変形例(第1変形例)を示している。この第1変形例では、ハウジング20aを構成するハウジング半体21aの第3補強部26a相互の突き合わせ箇所に、係合部26a1が設けられている(すなわち、第3補強部26aの突き合わせ箇所が合いじゃくり構造になっている)。また、ハウジング20aは、導体群10aと、導体群10bと間に、スペーサ40が配置されており、このスペーサ40により、導体群10aと、導体群10bとの間の空間を形成している。また、第1変形例では、収納凹部22aの外側面にローレット溝42を設けていると共に、収納されている導体が異なる断面積の導体群10a、10bを収納した例を示している(導体群10aは、導体群10cよりも大きい断面積の導体により構成されている)。このように、係合部26a1を設けることで組立の簡易化がなされる。また、ローレット溝42により、放熱効果を向上させることができる。
【0063】
また、例えば、図10(b)では、第2実施形態のハウジング20bの変形例(第2変形例)を示している。この第2変形例では、補強部(第1補強部24b)が収納凹部22bの外側面よりも張り出した形状になされている。また、第2変形例では、一方のハウジング半体22bから突出壁22b1が他方のハウジング半体22bまで延びるように延設されている。また、収納凹部22bの外側面にローレット溝42が設けられているが、このローレット溝42は、導体群10a、10bの収納されている箇所にのみ形成されている。この構成により、短絡強度が増すと共に、放熱効果が向上させることができる。
【0064】
また、図10(c)では、図10(b)に示したハウジング20bの変形例(第3変形例)を示している。この第3変形例は、図10(b)に示したハウジング20bにおいて、第2補強部25bの幅方向内端を厚さ方向内側に屈曲延設した第3補強部26bを設けた構成を採用している。
また、第3変形例では、ハウジング半体21bの収納凹部22bに、厚さ方向内方に向けて、それぞれ、第1実施形態と同様の突出壁22a1が2つずつ突出し、その突出壁の先端が円弧状に形成されている。また、収納凹部22bからフランジ部23への屈曲内面44にR加工が施されている。この構成により、導体11a、11b、11cの絶縁物13の噛み込みを防止している。
【0065】
また、収納凹部22bのローレット溝42が幅方向に分かれた導体群毎に異なる溝で形成されている。これにより、放熱効果が充分に発揮できると共に、外から導体群10a、10bの種類の目視が可能になっている。
また、第3変形例では、フランジ部23相互の結合がリベットではなくボルト、ナット等の締着具48で締着されており、短絡強度をより向上させている。
【0066】
また、図11(a)では、上述した実施形態のハウジング20a、20bの第4変形例を示している。第4変形例のハウジング50aは、一対のハウジング側板51と、2つの断面略ロ字形の幅方向スペーサ52と、断面略ロ字形の中間スペーサ53とを備えている。尚、ハウジング側板51は、平板状のハウジング基板51aと、ハウジング基板51aの幅方向両端を厚さ方向外方へ屈曲延設してなる第1補強部51bと、第1補強部の厚さ方向両端を幅方向内方に屈曲延設してなる第2補強部51cとを有している。
そして、一対のハウジング側板51は、幅方向両端に幅方向スペーサ52を介在させて、相互に一方面が対向するように配置されていると共に、幅方向に分かれた導体群10aと、導体群10bとの間に中間スペーサ53が配置され、締着具55により締着されている(一対のハウジング側板52により、幅方向スペーサ52及び中間スペーサ53が挟持されている)。
【0067】
また、図11(b)では、上述した実施形態のハウジング20a、20bの第5変形例を示している。第5変形例のハウジング50bは、断面コ字形のハウジング側板56と、断面コ字形のハウジング上下板57と、幅方向スペーサ52及び中間スペーサ53とにより形成され、ハウジング側板55とハウジング上下板56をボルトナットで締着している。尚、第5変形例では、ハウジング50bには、異なる断面積の導体が収納された例を示している。
【0068】
また、上述した実施形態では、ハウジング20a(或いは、20b)に、2系統の導体群10a、10bを収納した多系統バスダクトW1(或いは、多系統バスダクトW2)を示したが、2系統に限定されるものではなく、3系統以上であっても良いことは言うまでもない。また、導体群においても3相以外に2相以下或いは4相以上であっても良い。
【0069】
また、本発明の多系統バスダクトW1、W2で分岐を行う場合、多系統バスダクトW1、W2の接続部にて分岐を行っても良い。例えば、図12及び図13に示すように、多系統バスダクトW1の接続部に、分岐装置60の接触端子62を挿入することにより分岐を行っても良い。尚、図12及び図13の例は、第1実施形態の多系統バスダクトW1を使用した場合を例にしている。また、分岐装置60は、ハウジング61と、ハウジング61に収納・支持された接触端子(プラグイン接触端子)62と、接触端子62の端部に接続されたケーブル63とを備えている。
【0070】
具体的には、図12に示すように、接触端子62により分岐を行う場合、上下板36に分岐装置の接触端子62を挿通可能なプラグイン開口部36aを設けておく。そして、プラグイン開口部36aに、分岐装置60の接触端子62を挿入すると、図13に示すように、接触端子62が、導電性接続部材31の相互間に介在し且つ導電性接続部材31を外方に押圧する。これにより、接触端子60と、多系統バスダクトW1との電気的に接続がなされる。そして、分岐装置60のケーブル63を介して、外部の様々な機器に電力が供給される。尚、図示する例では、幅方向(図13に示す上下方向)にそれぞれ分岐装置60を取り付け、それぞれ別系統の分岐が取られている。すなわち、図13の一方側(図中の上側)の分岐装置60が第1系統の分岐を取り、他方側(図中の下側)の分岐装置60が第2系統の分岐を取っている。
【0071】
また、上記のように分岐装置60を取付ける場合の開口部は、上下板36にノックアウトを設けて、このノックアウトを打ち抜くことにより形成する構造、或いは予め開口部を開けておき、カバーをかけておき、必要時にカバーを外す或いはずらす等して開口部を形成する構造等適宜である。
尚、図12及び図13では、多系統バスダクトW1、W2の接続部分で分岐を行う構成について説明したが、本発明は、多系統バスダクトW1、W2の中間部で分岐を行う構成であっても良いことは言うまでもなく、この場合、多系統バスダクトW1、W2の導体(11a、11b、11c)を多系統バスダクドW1、W2の中間部において、各相離間及び絶縁物を除去しておき、この離間された導体(11a、11b、11c)に直接接触端子を挟み込むようにすると好適である。
【0072】
また、上述した実施形態では、絶縁セパレータ32a、32bを2系統の導体に対して兼用しているが、必ずしも兼用する必要はなく、各系統毎に設けても良い。
【0073】
また、絶縁セパレータが、幅方向両側の導電性接続部材31の相互の沿面距離を確保するために、図14及び図15に示すように形成されていても良い。
図示するように、絶縁セパレータ70は、平板状の基部71と、導電性接続部材31の隅部に位置する平面視略L字状の隅部凸部72(4つの隅部凸部72)と、基部71の中心部を貫通する締着具挿通穴73と、締着具挿通穴73の周囲に絶縁セパレータ相互間の距離を確保するために形成した第1環状凸部74と、第1環状凸部74から所定距離離間した状態の第2環状凸部75と(第1環状凸部74の外周側に形成された第2環状凸部75)と、第2環状凸部75から長さ方向に延設する長さ方向凸部(平面視略矩形状の長さ方向凸部)76とを備えている。
【0074】
上記構成により、隅部凸部72、第2環状凸部75、長さ方向凸部76に囲まれた箇所に導電性接続部材31が取付けられることとなり、導電性接続部材31を正確な位置に取付けることが可能となる。また、上記構成により、異系統間の沿面距離が確保でき安全性に優れた多系統バスダクトの接続構造を提供することが可能となる。尚、隅部凸部72、第2環状凸部75及び長さ方向凸部76は略同高さ突出しており、導電性接続部材31の厚さと略同一であり、第1環状凸部74が他の凸部よりも突出高さが大きい構成となっている。
【0075】
尚、絶縁セパレータ70として、第1環状凸部74と長さ方向凸部76を同じ高さとする或いはわずかに長さ方向凸部76を低くし、第2環状凸部75及び隅部凸部72よりも高くする構成としても良い。これにより、挿入されるバスダクトの導体11a、11b、11cの位置決め効果を発揮することが可能となる。
【0076】
また、長さ方向凸部76が、基部71よりもへこんだ凹部で構成されていても良い。また、多系統バスダクト以外の通常のバスダクトにおいても絶縁セパレータを兼用可能な構成としても良い。
【符号の説明】
【0077】
W1…多系統バスダクト、W2…多系統バスダクト、V1…接続ユニット、10a…導体群、10b…導体群、11a…導体、11b…導体、11c…導体、13…絶縁物、20a…ハウジング、20b…ハウジング、21a…ハウジング半体、21b…ハウジング半体、22a1…突出壁、22a…収納凹部、22b…収納凹部、22b1…突出壁、23…フランジ部、24a…第1補強部、24b…第1補強部、25a…第2補強部、25b…第2補強部、26a…第3補強部、26a1…係合部、26b…第3補強部、27…アタッチメント、27a…穴、28…側板、29…結合手段、31…導電性接続部材、32a…絶縁セパレータ、32b…絶縁セパレータ、33…接続側板、35…締着具、35a…ボルト、35b…ナット、35c…ワッシャー、36…上下板、36a…開口部、40…スペーサ、42…ローレット溝、44…屈曲内面、48…締着具、50a…ハウジング、51…ハウジング側板、51a…ハウジング基板、51b…第1補強部、51c…第2補強部、52…幅方向スペーサ、53…中間スペーサ、55…締着具、56…ハウジング側板、57…ハウジング上下板、60…分岐装置、61…ハウジング、62…接触端子、63…ケーブル、70…絶縁セパレータ、71…基部、72…隅部凸部、73…締着具挿通穴、74…第1環状凸部、75…第2環状凸部、76…長さ方向凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスダクト接続構造に関し、例えば、間隔を開けて配置された複数系統の導体群と、それらの導体群を収納したハウジングとを備える多系統バスダクトを相互接続するバスダクト接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物等の電気幹線として送電用の導体を内部に装填したバスダクトが用いられており、一般的には600A以上の定格電流に対応できるように構成されている。また、バスダクトは、所定の長さ毎に連結接続し、建物に設置されるようになっており、1系統の導体群をハウジングに収納したものを、1つの接続ユニットで接続する構成が一般的に用いられている。
【0003】
また、前記電気幹線として、複数系統(多系統)のバスダクトが設置されることが多く行われており、多系統のバスダクトを接続するための技術が、例えば、特許文献1や特許文献2に提案されている。
【0004】
特許文献1には、1つの接続ユニットにより、多系統のバスダクトを接続する接続構造が開示されている。特許文献1に記載の接続構造では、複数のバスダクトを相互に所定間隔を置いて並列配置した状態で結束手段により結束固定している。そして、前記結束固定された複数のバスダクト相互を対向配置し、接続部本体により、対向するバスダクトの導体同士を電気的接続状態としかつ隣接する導体相互を絶縁状態として接続するように構成されている。
【0005】
また、特許文献2に記載された接続構造は、絶縁物で包囲され長手方向両端部に接続部を有する導体を複数個重ね合せると共に、幅方向に所定間隔開けて配置し、両側を外板で挟持してなる絶縁型のバスダクトを備え、複数個のバスダクトをそれぞれ接続部で結合させることにより伝送路を形成するようになされている。具体的には、前記バスダクトの接続部により、幅方向に分けて配置された導体をそれぞれ別(接続対象となるバスダクト)の接続部に接続するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−108342号公報
【特許文献2】実開昭47−699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2に記載された接続構造は、以下に示す技術的課題を有している。
具体的には、特許文献1に記載された接続構造は、各系統の電流容量が小さい場合でも、それぞれの系統毎にハウジングにより収納したバスダクトを製作しなければならず、コスト高であると共に、施工スペースが増大になるという技術的課題を有している。
【0008】
また、特許文献1に記載された接続構造は、上記課題に加え、さらに、接続作業に多大な労力が費やされるという技術的課題を有している。
具体的には、特許文献1に記載された接続構造は、上述したように、多系統のバスダクト同士を接続ユニットにより接続するようになっている。そして、並設されたバスダクト内の1つのバスダクトを接続ユニットに位置合わせして取付作業を行った場合、その位置合わせしたバスダクトから離れていくにつれて、接続ユニットとバスダクトにズレが生じる。すなわち、バスダクトの導体と、当該導体に接続する接続ユニットの導電性接続部材との位置にズレが生じるため、接続作業が非常に困難なものになっている。
【0009】
また、特許文献2に記載された接続構造は、特許文献1と同様に、系統毎に接続作業を行わなければならないため、接続作業に多大な労力を費やすという技術的課題を有している。
【0010】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたものであり、安価で、施工スペースが狭く、且つ接続作業が容易なバスダクト接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的課題を解決するためになされた本発明は、多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、複数の送電用の導体により構成された第1系統の導体群及び複数の送電用の導体により構成された第2系統の導体群を導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングにより収納した多系統バスダクトと、前記多系統バスダクト同士を接続する接続ユニットとを有し、前記接続ユニットには、前記第1系統の導体群の同相導体同士を電気的に接続する第1接続部と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を電気的接続する第2接続部とが設けられていることを特徴としている。
【0012】
このように、本発明のバスダクト接続構造では、多系統のバスダクトが、1つのハウジングで収納されているため、バスダクトのコスト(材料費、施工費)を削減することができる。すなわち、本発明によれば、上述した特許文献1のように、それぞれの系統毎にハウジングを設ける必要がなく、且つ結束手段による結束固定作業も不要になるため、コストが大幅に削減される。
【0013】
また、本発明によれば、多系統バスダクト同士を接続する接続ユニットに、第1系統の導体群の同相導体同士を電気的に接続する第1接続部と、第2系統の導体群の同相導体同士を電気的接続する第2接続部とが一体的に設けられている。すなわち、本発明によれば、通常のバスダクト(1系統のバスダクト)の接続と殆ど変わらない工程で接続作業が完了するため、上述した従来技術(特許文献1及び特許文献2)のものと比べ、接続作業の労力が軽減される。また、本発明によれば、多系統のバスダクトを1つのハウジングで、且つ1つの接続ユニットで行えるため、施工スペースの大幅な削減が可能となる。
【0014】
また、本発明は、多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、複数の送電用の導体を並設した第1系統の導体群と、複数の送電用の導体を並設した第2系統の導体群とを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと、前記多系統バスダクトの端部に配置された各導体群が挿入され該多系統バスダクト同士を電気的に接続する接続ユニットとを備え、接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の同相導体が相互に対向して配置されており、前記接続ユニットは、前記第1系統の導体群の同相導体同士を接続する第1導電性接続部材と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を接続する第2導電性接続部材と、前記第1導電性接続部材及び前記第2導電性接続部材を保持し且つ前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群における異相導体間を絶縁する絶縁セパレータと、前記挿入された第1系統及び第2系統の導体群、前記絶縁セパレータ、前記第1導電性接続部材及び前記第2導電性接続部材を挟持して一括締着する締着手段とを有し、前記締着手段は、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群との間に設けられていることを特徴としている。
【0015】
このように、本発明によれば、締着手段により、挿入された第1系統及び第2系統の導体群、絶縁セパレータ、第1導電性接続部材及び第2導電性接続部材を挟持して一括締着するようになっている。そのため、本発明によれば、多系統バスダクトの接続作業を簡単に行うことができ、作業負担を軽減することができる。また、締着手段により、第1系統の導体群の同相導体同士を接続する第1導電性接続部材と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を接続する第2導電性接続部材とが挟持されて締着されるため、各導体群の安定した接続が可能になる。
【0016】
また、本発明は、多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、複数の送電用の導体を並設した第1系統の導体群と、複数の送電用の導体を並設した第2系統の導体群とを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと備え、接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の各同相導体が重ね合わされた状態で配置され、前記第1系統の導体群の端部には、接続対象となる他の多系統バスダクトの第1系統の導体群の同相導体の端部と重なり合う第1重なり部が形成され、前記第2系統の導体群の端部には、前記他の多系統バスダクトの第2系統の導体群の同相導体の端部と重なり合う第2重なり部が形成され、前記多系統バスダクトの端部には、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の異相導体間を絶縁する絶縁セパレータが設けられ、さらに、前記第1系統の導体群、前記第2系統の導体群、前記絶縁セパレータを挟持して一括締着する締着手段とを有し、前記締着手段は、前記第1重なり部と前記第2重なり部との間に設けられていることを特徴としている。
【0017】
このように本発明によれば、接続ユニットを設けることなく、簡単に、多系統バスダクトの接続作業を行うことができる。すなわち、本発明によれば、上述した接続ユニットを備えたバスダクト接続構造に比べて、部品点数を削減することができる。
【0018】
また、前記絶縁セパレータは、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群とを共に絶縁できるようになっていることが望ましい。また、前記多系統バスダクトは、前記第1系統及び前記第2系統のうちの少なくともいずれか一方が400A以下の電流を流す導体群であることが望ましい。また、前記多系統バスダクトは、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群との間に、スペーサが介在していることが望ましい。
【0019】
また、前記ハウジングは、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群を収納可能な収納凹部と、前記収納凹部の両端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の外端に設けられた補強部とを備えた一対のハウジング半体を突き合わせて構成されており、前記収納凹部に、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群を区分する区分壁が設けられていることが望ましい。また、前記ハウジング半体は、押し出し成形により形成されていることが望ましい。
【0020】
また、本発明は、多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、複数系統の導体群を導体の幅方向に間隔を開けて並列に配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと、前記多系統バスダクトの端部の導体群が挿入され該多系統バスダクト同士を電気的に接続する接続ユニットとを備え、接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、同系統の導体群の同相導体が互いに対向して配置されており、前記接続ユニットは、前記挿入された各系統の導体群の同相導体同士を接続する導電性接続部材と、前記導電性接続部材を保持し且つ前記導体群における異相導体間を絶縁する絶縁セパレータと、前記挿入された各系統の導体群、前記絶縁セパレータ及び前記導電性部材を挟持して押圧状態で締着する締着手段とを有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、安価で、施工スペースが狭く、且つ接続作業が容易なバスダクト接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態の多系統バスダクトを示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の多系統バスダクトの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した図であり、(a)が平面図であり、(b)が平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の多系統バスダクトを示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の多系統バスダクトの断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が正面図である。
【図10】本発明の実施形態の多系統バスダクトの変形例を説明するための模式図である。
【図11】本発明の実施形態の多系統バスダクトの変形例を説明するための模式図である。
【図12】本発明の実施形態のバスダクト接続構造に分岐装置を接続する構造を説明するための図であり、(a)がバスダクト接続構造側に設けられた分岐装置が装着される開口部を示した模式図であり、(b)がバスダクト接続構造に分岐装置が接続される前の状態を示した模式図である。
【図13】本発明の実施形態のバスダクト接続構造に分岐装置が接続された状態を示した模式図である。
【図14】本発明の実施形態のバスダクト接続構造を構成する絶縁セパレータの変形例を示した図であり、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が側面図を示している。
【図15】図14に示した絶縁セパレータに導電性接続部材を取付けた状態を示した図であり、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が側面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のバスダクト接続構造について図面に基づいて説明する。尚、本発明は、以下で説明する各実施形態に限定されるものではなく、それぞれ実施形態を部分的に組み合わせる、不要箇所を削除するなど本発明の要旨の範囲内で適用可能である。
【0024】
《第1実施形態》
先ず、本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造について図1乃至図4を用いて説明する。尚、図1は、本発明の第1実施形態の多系統バスダクトを示す図であり、(a)が多系統バスダクトの平面図であり、(b)が多系統バスダクトの正面図である。また、図2は、本発明の第1実施形態の多系統バスダクトの断面図である。また、図3は、本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した図であり、(a)が主要部の平面図であり、(b)が主要部の平面図である。また、図4は、本発明の第1実施形態のバスダクト接続構造を示す図であり、(a)が多系統バスダクト接続構造の平面図であり、(b)が多系統バスダクト接続構造の正面図である。
【0025】
第1実施形態のバスダクト接続構造は、2本の多系統バスダクトW1と、1つの接続ユニットV1とを備えている(図3参照)。そして、2本の多系統バスダクトW1の端部同士を相互に対向させて配置し、接続ユニットV1に、多系統バスダクトW1の端部に配置された各導体群10a、10bを挿入し、締着具35により、接続ユニットV1に挿入した各導体群10a、10bを締着することにより、多系統バスダクトW1同士が電気的に接続されるようになっている。以下、第1実施形態のバスダクト接続構造の各構成を説明していく。
【0026】
先ず、第1実施形態のバスダクト接続構造を構成する多系統バスダクトW1の構成を説明する。図1及び図2に示すように、多系統バスダクトW1は、絶縁物(絶縁被覆層)13により絶縁被覆された3相からなる平板状の送電用の導体11a、11b、11cを並設させた第1系統の導体群10aと、絶縁物13により絶縁被覆された3相からなる導体11a、11b、11cを並設させた第2系統の導体群10bと、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bを収納するハウジング20aと、ハウジング20aに取付けられたアタッチメント27及び側板28とを備えている。尚、多系統バスダクトW1の各系統を流れる電力の電流値については特に限定されるものではない。例えば、第1系統及び第2系統のうちのいずれか一方(導体群10a及び導体群10bのいずれか一方)が400A以下の電流を流すための導体群であっても良い。
【0027】
具体的には、多系統バスダクトW1は、第1系統の導体群10aと、第2系統の導体群10bとが、導体11a、11b、11cの幅方向に空間sを介して2系統に分配配置され、これらがハウジング20aにより収納されている(所謂絶縁被覆型バスダクトの構成となっている)。また、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bは、その両端部がハウジング20aから突出するようになされている。また、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bは、ハウジング20bの内部においては、絶縁物13により絶縁被覆された導体11a、11b、11cが、それぞれ密着された状態で装填されている。
【0028】
また、図2に示すように、ハウジング20aは、1対のハウジング半体21aと、1対のハウジング半体21aを結合するリベット等の結合手段29とを備えている。1対のハウジング半体21aは、それぞれ、導体群10a、10bの収納及び導体群10a、10b間の空間sを形成可能になされた収納凹部22aと、収納凹部22aの幅方向(図2の上下方向)両端を幅方向外方に屈曲延設したフランジ部23と、フランジ部23の幅方向外端を互いに厚さ方向(図2の左右方向)を外方に屈曲延設した第1補強部24aと、第1補強部24aの厚さ方向外端縁を幅方向外方に屈曲延設した第2補強部25aと、第2補強部25aの幅方向外端を厚さ方向内方に屈曲延設した第3補強部26aとを有している。尚、ハウジング半体21aは、例えば、押し出し成形により形成されている。
【0029】
そして、ハウジング20は、1対のハウジング半体21aを向かい合わせた状態で、収納凹部22aに導体群10a、10bを収納するように突き合わせて、当接させたフランジ部23の相互を結合手段29で結合することにより形成されている。また、第2補強部25aの厚さ方向外端面と収納凹部21の厚さ方向外端面が同一線上に位置するように形成されており、小型化を実現していると共に、多系統バスダクトW1の横に配置した際の変形防止効果も発揮するようになっている。
【0030】
また、上述した収納凹部22aは、それぞれ、内部に厚さ方向内側に突出する突出壁22a1を2つずつ有し、収納凹部22aの幅方向端部から突出壁22a1の間に導体群10a、10bが収納され、突出壁22a1相互間には空間sが形成されている。
【0031】
また、ハウジング20の補強部(第1補強部24a、第2補強部25a、第3補強部26a)の長さ方向(図1の左右方向)の両端には、第1補強部24aから第3補強部26aにより形成された閉断面部分にアタッチメント27が取付けられている。このアタッチメント27には、接続ユニットV1の上下板36を取付けるための穴27aが穿設されている。また、アタッチメント27は、補強部(第1補強部24a、第2補強部25a、第3補強部26a)の内面と接触するようになっており、アース端子としての役割も果たしている。
【0032】
また、図1(a)に示すように、導体群10a、10bの長さ方向両端部は、絶縁物13が除去されている。すなわち、ハウジング20aから突出している導体群10a、10bの両端部は、絶縁物13が除去されている。また、導体群10a、10bの中相(導体11b)が平板状となっており、中相(導体11b)を中心に厚さ方向外側の相(導体11a、11c)は、厚さ方向外側に段部を介して拡開している。
【0033】
また、ハウジング20aの長さ方向両端部には、導体11a、11cの拡開に合せて厚さ方向に段付けされた状態の側板28が取付けられており、後述する接続ユニットV1の接続側板33が取付けできる形状になっている。尚、側板28とフランジ部23との間には、パッキン或いは四角形状の間座部材を設けると好適である(これにより、隙間を塞ぐことが可能となる)。
【0034】
次に、接続ユニットV1について説明する。図3に示すように、接続ユニットV1は、多系統バスダクトW1の同相の導体(導体11a、11b、11c)に沿った状態で同相の導体相互間を電気的に接続する導電性接続部材31と、導電性接続部材31を保持し且つ異相の導体相互間を絶縁する絶縁セパレータ32a、32bと、これらを厚さ方向(導体11a、11b、11cの厚さ方向)両側から覆う接続側板33と、これらを締着する締着具35とを備えている。また、接続ユニットV1の上下両面には、それぞれ、矩形板状の上下板36が取付けられる。また、導電性接続部材31、絶縁セパレータ32a、32b、及び接続側板33は、後述する締着具35により、多系統バスダクトW1に接続・固定されるようになっている。
【0035】
尚、導電性接続部材31は、同相の導体相互間を電気的に接続可能な導電性材料(例えば、アルミニウムや銅などの平板状の金属)であれば良く、具体的な構成について限定されるものではない。また、絶縁セパレータ32a、32bは、異相の導体相互間を絶縁できる材料で形成されていれば良く、具体的な構成について限定されるものではない。
【0036】
そして、上記のように構成された接続ユニットV1は、絶縁セパレータ32a、32bが、幅方向に分かれた別系統の導体(導体11a、11b、11c)を一括して絶縁するようになっている。また、導電性接続部材31が、幅方向に分かれた別系統の導体(導体11a、11b、11c)をそれぞれ別体で電気的に接続するようになっている。
【0037】
具体的には、図3に示すように、接続ユニットV1は、略矩形板状になされた一対の接続側板33を備え、その一対の接続側板33が所定間隔を開けて、相互に一方面が対向するように配置されている。また、一対の接続側板33は、それぞれ、他方の接続側板33との対向面に、矩形板状の絶縁セパレータ32aが取付けられている。また、一対の接続側板33の間には、2枚の絶縁セパレータ32b(矩形板状の絶縁セパレータ32b)が間を開けて配置(略等間隔で配置)されている。
【0038】
また、1対の接続側板33の略中央部と、絶縁セパレータ32a、32bの略中央部とには、後述する締着具35を貫通させる貫通孔が形成されている。尚、絶縁セパレータ32bは、絶縁セパレータ32aと略同じ大きさ寸法に形成されている。また、絶縁セパレータ32a、32bは、接続側板33に比べて、大きさ寸法が小さくなされている。
【0039】
また、一方の接続側板33に取付けられた絶縁セパレータ32aは、他方の接続側板33との対向面に、2枚の導電性接続部材31(板状の導電性接続部材31)が取付けられている(絶縁セパレータ32aは、2枚の導電性接続部材31を保持している)。また、他方の接続側板33に取付けられた絶縁セパレータ32aは、一方の接続側板33との対向面に、2枚の導電性接続部材31が取付けられている。尚、導電性接続部材31は、絶縁セパレータ32aの面上において、絶縁セパレータ32aの中心部から幅方向(導体11a、11b、11cの幅方向)に所定間隔を開けて取付けられ、多系統バスダクトW1の端部の導体11a(又は導体11c)に当接するようになっている。
【0040】
また、一対の接続側板33の間に配置された絶縁セパレータ32bは、その両面に、それぞれ、2枚の導電性接続部材31が、絶縁セパレータ32bの中心部から幅方向に所定間隔を開けて取付けられている(絶縁セパレータ32bは、4枚の導電性接続部材31を保持している)。そして、絶縁セパレータ32bに取付けられた導電性接続部材31には、多系統バスダクトW1の端部の導体11a、11b、11cが当接するようになっている。
【0041】
また、締着具35は、ボルト35aと、ナット35bと、ワッシャー35cとにより構成されている。そして、締結具35は、接続側板33の略中央の前記貫通孔と、絶縁セパレータ32a、32bの略中央の前記貫通孔とに貫通させた状態で、且つ幅方向に分かれて配置されている導電性接続部材31の間に位置するように取付けられている(図3(b)参照)。具体的には、接続側板33及び絶縁セパレータ32a、32bの前記貫通孔にボルト35aの軸部を貫通させている。そして、ナット35bを締着することにより、1対の接続側板33が、接続側板33の間に配置された「絶縁セパレータ32a、32b(及び導電性接続部材31)」及び「多系統バスダクトW1の端部の導体11a、11b、11c」を押圧した状態で挟持するようになっている。
【0042】
すなわち、第1実施形態の接続ユニットV1は、絶縁セパレータ32a、32bの一方側(図3(b)に示す上方側)に配置された導電性接続部材31が、第1系統の導体群10aの同相導体同士を電気的に接続する第1接続部として構成され、他方側(図3(b)に示す下方側)に配置された導電性接続部材31が、第2系統の導体群10bの同相導体同士を電気的に接続する第2接続部として構成されている。そして、前記第1接続部に、対向して配置された多系統バスダクトW1の第1系統の導体群10aの端部が挿入され、前記第2接続部に、前記対向した配置された多系統バスダクトW1の第2系統の導体群10bの端部が挿入されるようになっている。
【0043】
次に、上記のように構成された接続ユニットV1を利用して、多系統バスダクトW1を相互接続する工程を説明する。具体的には、図3及び図4に示すように、先ず、接続対象となる多系統バスダクトW1同士を対向配置し、その間に接続部を構成する接続ユニットV1を配置する。
これにより、接続対象となる多系統バスダクトW1同士は、第1系統の導体群10a及び前記第2系統の導体群10bの同相導体が相互に対向して配置される。
【0044】
そして、多系統バスダクトW1を接続ユニットV1に取付ける際には、先ず、接続ユニットV1の絶縁セパレータ32a、32bの間に、多系統バスダクトW1の端部の導体11a、11b、11cを挿入する。これにより、接続ユニットV1に、多系統バスダクトW1の2系統の導体群10a、10bが一括して仮止めされる。また、前記挿入された導体11a、11b、11cは、絶縁セパレータ32a、32bが保持する導電性接続部材31に当接する。これにより、第1系統の導体群10a及び前記第2系統の導体群10bの同相導体が、導電性接続部材31を介して、電気的に接続される。また、絶縁セパレータ32a、32bにより、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bにおける異相導体間が絶縁される。
【0045】
次に、多系統バスダクトW1のハウジング20aに取付けられた側板28と、接続ユニットV1の接続側板33とをビス等で取付ける。また、多系統バスダクトW1のハウジング20aに取付けられたアタッチメント27に上下板36を取付ける(ビスなどで取付ける)。
最後に、締着具35で締め付けることにより、多系統バスダクトW1相互が強固に接続される。この際、締着具35のワッシャー35cが、確実に、幅方向に分かれている導体11a、11b、11cと導電性接続部材31の接触箇所を押圧するようになるため、安定した圧力での接続が可能となる。
【0046】
以上説明したように、本発明の第1実施形態の多系統バスダクトW1を使用することにより、多系統のバスダクトを1つのハウジングにて収納することができ、且つ通常のバスダクトの接続(1系統のバスダクトの接続)と殆ど変わらない工程で接続作業が完了するため、材料費、組立費、施工費を大幅に低減することが可能となる。
また、多系統のバスダクトを1つのハウジングで、且つ1つの接続ユニットV1で行えるため、施工スペースの大幅な削減が可能となる。
【0047】
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造について、図5乃至図9に基づいて説明する。図5は、本発明の第2実施形態の多系統バスダクトを示す図であり、(a)が多系統バスダクトの平面図であり、(b)が多系統バスダクトの正面図である。また、図6は、本発明の第2実施形態の多系統バスダクトの断面図である。また、図7は、本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した平面図である。また、図8は、本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造の主要部を展開して示した正面図である。また、図9は、本発明の第2実施形態のバスダクト接続構造を示す図であり、(a)が多系統バスダクト接続構造の平面図であり、(b)が多系統バスダクト接続構造の正面図である。
尚、第2実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同様の構成又は相当する部分となるものには、同じ符号を付している。また、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を詳細に説明し、同様の構成の説明を省略する。
【0048】
第2実施形態のバスダクト接続構造は、2本の多系統バスダクトW2と、締着具35と、1対の上下板36とを備え、2本の多系統バスダクトW2を相互に対向させて配置し、多系統バスダクトW2の端部同士を挿嵌させて、締着具35により固定することにより、多系統バスダクトW2同士が電気的に接続されるように構成されている。以下、第2実施形態のバスダクト接続構造の各構成を説明していく。
【0049】
先ず、第2実施形態の多系統バスダクトW2の構造を説明する。
図5及び図6に示すように、第2実施形態の多系統バスダクトW2は、第1実施形態のものと同様、所謂絶縁被覆型バスダクトとなっている。具体的には、多系統バスダクトW2は、絶縁物13により絶縁被覆された3相からなる平板状の導体11a、11b、11cを並設させた第1系統の導体群10aと、絶縁被覆層13により絶縁被覆された3相からなる導体11a、11b、11cを並設させた第2系統の導体群10bと、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bを収納するハウジング20bと、ハウジング20bに取付けられた側板28とを備えている。
【0050】
また、図6に示すように、ハウジング20bは、1対のハウジング半体21bと、1対のハウジング半体21bを結合するリベット等の結合手段29とを備えている。1対のハウジング半体21bは、それぞれ、導体群10a、10bの収納及び導体群10a、10b間の空間を形成可能な収納凹部22bと、収納凹部22bの幅方向(図中の上下方向)両端を幅方向外方に屈曲延設したフランジ部23と、フランジ部23の幅方向外端を互いに厚さ方向を外方に屈曲延設した第1補強部24bと、第1補強部24bの厚さ方向外端縁を幅方向内方に屈曲延設してなる第2補強部25bとを有している。
【0051】
また、ハウジング20bは、1対のハウジング半体21bを向かい合わせた状態で、収納凹部22bに導体群10a、10bを収納するように突き合わせて、当接させたフランジ部23の相互を結合手段29で結合することにより形成されている。
【0052】
また、前記収納凹部22bは、導体群10aと、導体群10bと間に、別体のスペーサ40が配置されている。第2実施形態では、別体のスペーサ40を介在させることにより、導体群相互間に空間を形成している。尚、スペーサ40は多系統バスダクトW2の長さ方向両端部に設けておけば良いが、強度などを考慮して適宜間隔で設けても良い。
【0053】
また、図5に示すように、第2実施形態においても、第1系統の導体群10a及び第2系統の導体群10bは、その両端部がハウジング20bから突出している。また、導体群10a、10bのそれぞれ長さ方向両端部は、絶縁物13が除去され、全ての相(導体11a、11b、11c)において、段差部を介して屈曲し、別の多系統バスダクトW2と接続する場合に、同相の導体相互が重なり合うようになっている。また、多系統バスダクトW2は、別の多系統バスダクトW2と接続する場合に、異相間に絶縁セパレータ32cが介在するように、予め多系統バスダクトW2の導体間に、絶縁セパレータ32cが配置されている。
【0054】
このように、多系統バスダクトW2の第1系統の導体群10aの端部には、接続対象となる別の多系統バスダクトW2の第1系統の導体群10aの同相導体の端部と重なり合う第1重なり部(絶縁物13が除去されている部位)が形成されている。これにより、一方の多系統バスダクトW2の第1系統の導体群10aの第1重なり部と、他方の多系統バスダクトW2の第1系統の導体群10aの第1重なり部とが当接し、多系統バスダクトW2の第1系統同士が電気的に接続される。
【0055】
また、上述したように、多系統バスダクトW2の第2系統の導体群10bの端部には、接続対象となる他の多系統バスダクトW2の第2系統の導体群10bの同相導体の端部と重なり合う第2重なり部(絶縁物13が除去されている部位)が形成されている。これにより、一方の多系統バスダクトW2の第2系統の導体群10bの第2重なり部と、他方の多系統バスダクトW2の第2系統の導体群10bの第2重なり部とが当接し、多系統バスダクトW2の第2系統同士が電気的に接続される。
【0056】
また、ハウジング20bの長さ方向両端部には、導体11a、11b、11cの拡開同様に、接続した際に、相互に重なるように段付けされた状態の側板28が取付けられている。この側板28は、段付け部分に穴28aが穿設されており、接続上下板36を取付ける際の取り付け穴としての役割を果たしている。また、側板28とハウジング20bのフランジ部23との間には、パッキン或いは四角形状の間座部材が設けられている。尚、側板28は、図5(a)における手前から奥方向へと押し出し成型にて形成すれば好適であり、コスト削減効果を発揮できる。また、前記絶縁セパレータ32c及び側板28には、締着具35を挿通可能な挿通穴が穿設されている。
【0057】
次に、上記のように構成された多系統バスダクトW2同士を接続する工程を説明する。具体的には、図7乃至図9に示すように、2本の多系統バスダクトW2を対向させ、且つ同相の導体相互が重なり合うように配置する。これにより、対向して配置された多系統バスダクトW2の異相間に絶縁セパレータ32cが配置された状態となる。そして、幅方向に空間を開けて配置された導体群の間に締着具35を挿通し、締着することにより、電気的な接続が行われる。この際、締着具35のワッシャー35cが、確実に、幅方向に分かれている導体相互の接触箇所(重なり箇所)を押圧することが可能となっているため、安定した圧力で接続が可能となっている。
【0058】
このように、本発明の第2実施形態2の多系統バスダクトW2を使用することにより、重ね合わせ接続にも対応することが可能である。
【0059】
以上説明したように、本発明の実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)によれば、安価で、施工スペースが狭く、且つ接続作業が容易なバスダクト接続構造を提供することができる。尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0060】
上述した実施形態では、導体11a、11b、11cを絶縁物13で被覆して密着並設した絶縁型バスダクトについて説明したが特にこれに限定されるものではない。例えば、本発明のバスダクトは、導体11a、11b、11cを所定間隔離間してなる空気絶縁型バスダクトや、導体11a、11b、11cを絶縁物13で被覆して所定間隔離間して配置してなる縮小型バスダクトであっても良い。
【0061】
また、ハウジング20a、20bなどの形状や構造は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば図10及び図11に示すようなものであっても良い。尚、図10及び図11は、本実施形態の多系統バスダクトの変形例を説明するための模式図である。
【0062】
例えば、図10(a)では、第1実施形態の多系統バスダクトW1のハウジング20aの変形例(第1変形例)を示している。この第1変形例では、ハウジング20aを構成するハウジング半体21aの第3補強部26a相互の突き合わせ箇所に、係合部26a1が設けられている(すなわち、第3補強部26aの突き合わせ箇所が合いじゃくり構造になっている)。また、ハウジング20aは、導体群10aと、導体群10bと間に、スペーサ40が配置されており、このスペーサ40により、導体群10aと、導体群10bとの間の空間を形成している。また、第1変形例では、収納凹部22aの外側面にローレット溝42を設けていると共に、収納されている導体が異なる断面積の導体群10a、10bを収納した例を示している(導体群10aは、導体群10cよりも大きい断面積の導体により構成されている)。このように、係合部26a1を設けることで組立の簡易化がなされる。また、ローレット溝42により、放熱効果を向上させることができる。
【0063】
また、例えば、図10(b)では、第2実施形態のハウジング20bの変形例(第2変形例)を示している。この第2変形例では、補強部(第1補強部24b)が収納凹部22bの外側面よりも張り出した形状になされている。また、第2変形例では、一方のハウジング半体22bから突出壁22b1が他方のハウジング半体22bまで延びるように延設されている。また、収納凹部22bの外側面にローレット溝42が設けられているが、このローレット溝42は、導体群10a、10bの収納されている箇所にのみ形成されている。この構成により、短絡強度が増すと共に、放熱効果が向上させることができる。
【0064】
また、図10(c)では、図10(b)に示したハウジング20bの変形例(第3変形例)を示している。この第3変形例は、図10(b)に示したハウジング20bにおいて、第2補強部25bの幅方向内端を厚さ方向内側に屈曲延設した第3補強部26bを設けた構成を採用している。
また、第3変形例では、ハウジング半体21bの収納凹部22bに、厚さ方向内方に向けて、それぞれ、第1実施形態と同様の突出壁22a1が2つずつ突出し、その突出壁の先端が円弧状に形成されている。また、収納凹部22bからフランジ部23への屈曲内面44にR加工が施されている。この構成により、導体11a、11b、11cの絶縁物13の噛み込みを防止している。
【0065】
また、収納凹部22bのローレット溝42が幅方向に分かれた導体群毎に異なる溝で形成されている。これにより、放熱効果が充分に発揮できると共に、外から導体群10a、10bの種類の目視が可能になっている。
また、第3変形例では、フランジ部23相互の結合がリベットではなくボルト、ナット等の締着具48で締着されており、短絡強度をより向上させている。
【0066】
また、図11(a)では、上述した実施形態のハウジング20a、20bの第4変形例を示している。第4変形例のハウジング50aは、一対のハウジング側板51と、2つの断面略ロ字形の幅方向スペーサ52と、断面略ロ字形の中間スペーサ53とを備えている。尚、ハウジング側板51は、平板状のハウジング基板51aと、ハウジング基板51aの幅方向両端を厚さ方向外方へ屈曲延設してなる第1補強部51bと、第1補強部の厚さ方向両端を幅方向内方に屈曲延設してなる第2補強部51cとを有している。
そして、一対のハウジング側板51は、幅方向両端に幅方向スペーサ52を介在させて、相互に一方面が対向するように配置されていると共に、幅方向に分かれた導体群10aと、導体群10bとの間に中間スペーサ53が配置され、締着具55により締着されている(一対のハウジング側板52により、幅方向スペーサ52及び中間スペーサ53が挟持されている)。
【0067】
また、図11(b)では、上述した実施形態のハウジング20a、20bの第5変形例を示している。第5変形例のハウジング50bは、断面コ字形のハウジング側板56と、断面コ字形のハウジング上下板57と、幅方向スペーサ52及び中間スペーサ53とにより形成され、ハウジング側板55とハウジング上下板56をボルトナットで締着している。尚、第5変形例では、ハウジング50bには、異なる断面積の導体が収納された例を示している。
【0068】
また、上述した実施形態では、ハウジング20a(或いは、20b)に、2系統の導体群10a、10bを収納した多系統バスダクトW1(或いは、多系統バスダクトW2)を示したが、2系統に限定されるものではなく、3系統以上であっても良いことは言うまでもない。また、導体群においても3相以外に2相以下或いは4相以上であっても良い。
【0069】
また、本発明の多系統バスダクトW1、W2で分岐を行う場合、多系統バスダクトW1、W2の接続部にて分岐を行っても良い。例えば、図12及び図13に示すように、多系統バスダクトW1の接続部に、分岐装置60の接触端子62を挿入することにより分岐を行っても良い。尚、図12及び図13の例は、第1実施形態の多系統バスダクトW1を使用した場合を例にしている。また、分岐装置60は、ハウジング61と、ハウジング61に収納・支持された接触端子(プラグイン接触端子)62と、接触端子62の端部に接続されたケーブル63とを備えている。
【0070】
具体的には、図12に示すように、接触端子62により分岐を行う場合、上下板36に分岐装置の接触端子62を挿通可能なプラグイン開口部36aを設けておく。そして、プラグイン開口部36aに、分岐装置60の接触端子62を挿入すると、図13に示すように、接触端子62が、導電性接続部材31の相互間に介在し且つ導電性接続部材31を外方に押圧する。これにより、接触端子60と、多系統バスダクトW1との電気的に接続がなされる。そして、分岐装置60のケーブル63を介して、外部の様々な機器に電力が供給される。尚、図示する例では、幅方向(図13に示す上下方向)にそれぞれ分岐装置60を取り付け、それぞれ別系統の分岐が取られている。すなわち、図13の一方側(図中の上側)の分岐装置60が第1系統の分岐を取り、他方側(図中の下側)の分岐装置60が第2系統の分岐を取っている。
【0071】
また、上記のように分岐装置60を取付ける場合の開口部は、上下板36にノックアウトを設けて、このノックアウトを打ち抜くことにより形成する構造、或いは予め開口部を開けておき、カバーをかけておき、必要時にカバーを外す或いはずらす等して開口部を形成する構造等適宜である。
尚、図12及び図13では、多系統バスダクトW1、W2の接続部分で分岐を行う構成について説明したが、本発明は、多系統バスダクトW1、W2の中間部で分岐を行う構成であっても良いことは言うまでもなく、この場合、多系統バスダクトW1、W2の導体(11a、11b、11c)を多系統バスダクドW1、W2の中間部において、各相離間及び絶縁物を除去しておき、この離間された導体(11a、11b、11c)に直接接触端子を挟み込むようにすると好適である。
【0072】
また、上述した実施形態では、絶縁セパレータ32a、32bを2系統の導体に対して兼用しているが、必ずしも兼用する必要はなく、各系統毎に設けても良い。
【0073】
また、絶縁セパレータが、幅方向両側の導電性接続部材31の相互の沿面距離を確保するために、図14及び図15に示すように形成されていても良い。
図示するように、絶縁セパレータ70は、平板状の基部71と、導電性接続部材31の隅部に位置する平面視略L字状の隅部凸部72(4つの隅部凸部72)と、基部71の中心部を貫通する締着具挿通穴73と、締着具挿通穴73の周囲に絶縁セパレータ相互間の距離を確保するために形成した第1環状凸部74と、第1環状凸部74から所定距離離間した状態の第2環状凸部75と(第1環状凸部74の外周側に形成された第2環状凸部75)と、第2環状凸部75から長さ方向に延設する長さ方向凸部(平面視略矩形状の長さ方向凸部)76とを備えている。
【0074】
上記構成により、隅部凸部72、第2環状凸部75、長さ方向凸部76に囲まれた箇所に導電性接続部材31が取付けられることとなり、導電性接続部材31を正確な位置に取付けることが可能となる。また、上記構成により、異系統間の沿面距離が確保でき安全性に優れた多系統バスダクトの接続構造を提供することが可能となる。尚、隅部凸部72、第2環状凸部75及び長さ方向凸部76は略同高さ突出しており、導電性接続部材31の厚さと略同一であり、第1環状凸部74が他の凸部よりも突出高さが大きい構成となっている。
【0075】
尚、絶縁セパレータ70として、第1環状凸部74と長さ方向凸部76を同じ高さとする或いはわずかに長さ方向凸部76を低くし、第2環状凸部75及び隅部凸部72よりも高くする構成としても良い。これにより、挿入されるバスダクトの導体11a、11b、11cの位置決め効果を発揮することが可能となる。
【0076】
また、長さ方向凸部76が、基部71よりもへこんだ凹部で構成されていても良い。また、多系統バスダクト以外の通常のバスダクトにおいても絶縁セパレータを兼用可能な構成としても良い。
【符号の説明】
【0077】
W1…多系統バスダクト、W2…多系統バスダクト、V1…接続ユニット、10a…導体群、10b…導体群、11a…導体、11b…導体、11c…導体、13…絶縁物、20a…ハウジング、20b…ハウジング、21a…ハウジング半体、21b…ハウジング半体、22a1…突出壁、22a…収納凹部、22b…収納凹部、22b1…突出壁、23…フランジ部、24a…第1補強部、24b…第1補強部、25a…第2補強部、25b…第2補強部、26a…第3補強部、26a1…係合部、26b…第3補強部、27…アタッチメント、27a…穴、28…側板、29…結合手段、31…導電性接続部材、32a…絶縁セパレータ、32b…絶縁セパレータ、33…接続側板、35…締着具、35a…ボルト、35b…ナット、35c…ワッシャー、36…上下板、36a…開口部、40…スペーサ、42…ローレット溝、44…屈曲内面、48…締着具、50a…ハウジング、51…ハウジング側板、51a…ハウジング基板、51b…第1補強部、51c…第2補強部、52…幅方向スペーサ、53…中間スペーサ、55…締着具、56…ハウジング側板、57…ハウジング上下板、60…分岐装置、61…ハウジング、62…接触端子、63…ケーブル、70…絶縁セパレータ、71…基部、72…隅部凸部、73…締着具挿通穴、74…第1環状凸部、75…第2環状凸部、76…長さ方向凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、
複数の送電用の導体により構成された第1系統の導体群及び複数の送電用の導体により構成された第2系統の導体群を導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングにより収納した多系統バスダクトと、
前記多系統バスダクト同士を接続する接続ユニットとを有し、
前記接続ユニットには、前記第1系統の導体群の同相導体同士を電気的に接続する第1接続部と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を電気的接続する第2接続部とが設けられていることを特徴とするバスダクト接続構造。
【請求項2】
多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、
複数の送電用の導体を並設した第1系統の導体群と、複数の送電用の導体を並設した第2系統の導体群とを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと、
前記多系統バスダクトの端部に配置された各導体群が挿入され該多系統バスダクト同士を電気的に接続する接続ユニットとを備え、
接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の同相導体が相互に対向して配置されており、
前記接続ユニットは、前記第1系統の導体群の同相導体同士を接続する第1導電性接続部材と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を接続する第2導電性接続部材と、前記第1導電性接続部材及び前記第2導電性接続部材を保持し且つ前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群における異相導体間を絶縁する絶縁セパレータと、前記挿入された第1系統及び第2系統の導体群、前記絶縁セパレータ、前記第1導電性接続部材及び前記第2導電性接続部材を挟持して一括締着する締着手段とを有し、
前記締着手段は、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群との間に設けられていることを特徴とするバスダクト接続構造。
【請求項3】
多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、
複数の送電用の導体を並設した第1系統の導体群と、複数の送電用の導体を並設した第2系統の導体群とを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトを備え、
接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の各同相導体が重ね合わされた状態で配置され、
前記第1系統の導体群の端部には、接続対象となる他の多系統バスダクトの第1系統の導体群の同相導体の端部と重なり合う第1重なり部が形成され、
前記第2系統の導体群の端部には、前記他の多系統バスダクトの第2系統の導体群の同相導体の端部と重なり合う第2重なり部が形成され、
前記多系統バスダクトの端部には、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の異相導体間を絶縁する絶縁セパレータが設けられ、
さらに、前記第1系統の導体群、前記第2系統の導体群、前記絶縁セパレータを挟持して一括締着する締着手段とを有し、
前記締着手段は、前記第1重なり部と前記第2重なり部との間に設けられていることを特徴とするバスダクト接続構造。
【請求項4】
前記絶縁セパレータは、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群とを共に絶縁できるようになっていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のバスダクト接続構造。
【請求項5】
前記多系統バスダクトは、前記第1系統及び前記第2系統のうちの少なくともいずれか一方が400A以下の電流を流す導体群であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のバスダクト接続構造。
【請求項6】
前記多系統バスダクトは、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群との間に、スペーサが介在していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のバスダクト接続構造。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群を収納可能な収納凹部と、前記収納凹部の両端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の外端に設けられた補強部とを備えた一対のハウジング半体を突き合わせて構成されており、
前記収納凹部に、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群を区分する区分壁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のバスダクト接続構造。
【請求項8】
前記ハウジング半体は、押し出し成形により形成されていることを特徴とする請求項7に記載のバスダクト接続構造。
【請求項9】
多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、
複数系統の導体群を導体の幅方向に間隔を開けて並列に配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと、
前記多系統バスダクトの端部の導体群が挿入され該多系統バスダクト同士を電気的に接続する接続ユニットとを備え、
接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、同系統の導体群の同相導体が互いに対向して配置されており、
前記接続ユニットは、前記挿入された各系統の導体群の同相導体同士を接続する導電性接続部材と、前記導電性接続部材を保持し且つ前記導体群における異相導体間を絶縁する絶縁セパレータと、前記挿入された各系統の導体群、前記絶縁セパレータ及び前記導電性部材を挟持して押圧状態で締着する締着手段とを有していることを特徴とするバスダクト接続構造。
【請求項1】
多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、
複数の送電用の導体により構成された第1系統の導体群及び複数の送電用の導体により構成された第2系統の導体群を導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングにより収納した多系統バスダクトと、
前記多系統バスダクト同士を接続する接続ユニットとを有し、
前記接続ユニットには、前記第1系統の導体群の同相導体同士を電気的に接続する第1接続部と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を電気的接続する第2接続部とが設けられていることを特徴とするバスダクト接続構造。
【請求項2】
多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、
複数の送電用の導体を並設した第1系統の導体群と、複数の送電用の導体を並設した第2系統の導体群とを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと、
前記多系統バスダクトの端部に配置された各導体群が挿入され該多系統バスダクト同士を電気的に接続する接続ユニットとを備え、
接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の同相導体が相互に対向して配置されており、
前記接続ユニットは、前記第1系統の導体群の同相導体同士を接続する第1導電性接続部材と、前記第2系統の導体群の同相導体同士を接続する第2導電性接続部材と、前記第1導電性接続部材及び前記第2導電性接続部材を保持し且つ前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群における異相導体間を絶縁する絶縁セパレータと、前記挿入された第1系統及び第2系統の導体群、前記絶縁セパレータ、前記第1導電性接続部材及び前記第2導電性接続部材を挟持して一括締着する締着手段とを有し、
前記締着手段は、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群との間に設けられていることを特徴とするバスダクト接続構造。
【請求項3】
多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、
複数の送電用の導体を並設した第1系統の導体群と、複数の送電用の導体を並設した第2系統の導体群とを導体の幅方向に所定間隔を開けて配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトを備え、
接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の各同相導体が重ね合わされた状態で配置され、
前記第1系統の導体群の端部には、接続対象となる他の多系統バスダクトの第1系統の導体群の同相導体の端部と重なり合う第1重なり部が形成され、
前記第2系統の導体群の端部には、前記他の多系統バスダクトの第2系統の導体群の同相導体の端部と重なり合う第2重なり部が形成され、
前記多系統バスダクトの端部には、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群の異相導体間を絶縁する絶縁セパレータが設けられ、
さらに、前記第1系統の導体群、前記第2系統の導体群、前記絶縁セパレータを挟持して一括締着する締着手段とを有し、
前記締着手段は、前記第1重なり部と前記第2重なり部との間に設けられていることを特徴とするバスダクト接続構造。
【請求項4】
前記絶縁セパレータは、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群とを共に絶縁できるようになっていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のバスダクト接続構造。
【請求項5】
前記多系統バスダクトは、前記第1系統及び前記第2系統のうちの少なくともいずれか一方が400A以下の電流を流す導体群であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のバスダクト接続構造。
【請求項6】
前記多系統バスダクトは、前記第1系統の導体群と、前記第2系統の導体群との間に、スペーサが介在していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のバスダクト接続構造。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群を収納可能な収納凹部と、前記収納凹部の両端部に設けられたフランジ部と、前記フランジ部の外端に設けられた補強部とを備えた一対のハウジング半体を突き合わせて構成されており、
前記収納凹部に、前記第1系統の導体群及び前記第2系統の導体群を区分する区分壁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のバスダクト接続構造。
【請求項8】
前記ハウジング半体は、押し出し成形により形成されていることを特徴とする請求項7に記載のバスダクト接続構造。
【請求項9】
多系統バスダクト同士を接続するバスダクト接続構造であって、
複数系統の導体群を導体の幅方向に間隔を開けて並列に配置し且つその配置された各導体群を共にハウジングで収納した多系統バスダクトと、
前記多系統バスダクトの端部の導体群が挿入され該多系統バスダクト同士を電気的に接続する接続ユニットとを備え、
接続対象となる前記多系統バスダクト同士は、同系統の導体群の同相導体が互いに対向して配置されており、
前記接続ユニットは、前記挿入された各系統の導体群の同相導体同士を接続する導電性接続部材と、前記導電性接続部材を保持し且つ前記導体群における異相導体間を絶縁する絶縁セパレータと、前記挿入された各系統の導体群、前記絶縁セパレータ及び前記導電性部材を挟持して押圧状態で締着する締着手段とを有していることを特徴とするバスダクト接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−157113(P2012−157113A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12541(P2011−12541)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000162135)共同カイテック株式会社 (66)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000162135)共同カイテック株式会社 (66)
【Fターム(参考)】
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