説明

バックアップシステム、バックアップ方法およびバックアッププログラム

【課題】バックアップされていたデータを短時間でコンピュータ等の電子装置へリストアすることが可能なバックアップシステムを提供する。
【解決手段】電子装置と中継装置とはローカルネットワークを介して接続される。また、中継装置とバックアップ装置とは広域ネットワークを介して接続される。電子装置から自装置内の記憶装置に記憶されているデータを中継装置へ送信すると、中継装置ではこのデータを、ローカルネットワークを介して受信して保持することでデータのバックアップが行われる。さらに、中継装置は、保持したデータをバックアップ装置へ送信し、バックアップ装置ではこのデータを、広域ネットワークを介して受信して保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子データをバックアップ保存するバックアップシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータの障害発生や故障などに備えて、正常動作時に保存している電子ファイル等を別のバックアップ用コンピュータにバックアップしておくことは一般的に行われている。また、特許文献1に記載されているように、パソコンの電子ファイル等を、インターネットを介してバックアップ用サーバ装置に保存するための技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−278816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パソコンの故障等により、バックアップしておいた電子ファイル等をバックアップ用サーバ装置からパソコンへリストアしたい場合、リストアする電子ファイル等のサイズが大きい場合には、インターネットを介してリストアするために、多大な時間を要するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決し、バックアップされていたデータを短時間でコンピュータ等の電子装置へリストアすることが可能なバックアップシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、電子装置と、前記電子装置とローカルネットワークを介して接続される中継装置と、前記中継装置と広域ネットワークを介して接続されるバックアップ装置と、を含むバックアップシステムであって、前記電子装置は、自装置内の記憶装置に記憶されているデータを前記中継装置へ送信する送信手段を有し、前記中継装置は、前記送信手段から送信されるデータを、前記ローカルネットワークを介して受信して保持する第1データ保持手段と、前記第1データ保持手段に保持されているデータを前記バックアップ装置へ送信する第1データ送信手段と、を有し、前記バックアップ装置は、前記第1データ送信手段から送信されるデータを、前記広域ネットワークを介して受信して保持するバックアップ用データ保持手段、を有することを特徴とするバックアップシステムを提案する。
【0007】
この構成によれば、中継装置は電子装置のデータのバックアップを行うが、電子装置と中継装置とはローカルネットワークで接続されているため、短時間でバックアップおよびリストアを行うことができる。さらに、バックアップ装置は中継装置からのデータをバックアップすることができるが、中継装置とバックアップ装置とはインターネットで接続されるため、バックアップ装置が遠隔地にあっても両者間の接続が容易である。また、中継装置が故障等により保持していたデータが破損した場合等でも、バックアップ装置から同じデータをリストアし、さらに、このデータを電子装置にリストアすること等が可能である。
【0008】
また、前記中継装置は、前記第1データ保持手段に保持されている前記データを、前記ローカルネットワークを介して前記電子装置に送信する第2データ送信手段を有し、前記電子装置は、前記第2データ送信手段から送信される前記データを受信して保持するデータ保持手段を有していてもよい。
【0009】
この構成によれば、電子装置と中継装置とはローカルネットワークで接続されているため、短時間でデータのリストアを行うことができる。
【0010】
また、前記中継装置は、前記バックアップ用データ保持手段に保持されている前記データを要求するデータ要求手段と、前記データ要求手段からの要求に応じて前記バックアップ装置から送信される前記データを受信して保持する第2データ保持手段と、を有し、前記バックアップ装置は、前記データ要求手段からの要求に応じて、前記バックアップ用データ保持手段に保持されている前記データを、前記広域ネットワークを介して前記中継装置に送信するバックアップ用データ送信手段を有し、さらに、前記第2データ送信手段は、前記第1データ保持手段に代えて、前記第2データ保持手段に保持されている前記データを、前記ローカルネットワークを介して前記電子装置に送信するようになっていてもよい。
【0011】
この構成によれば、故障等により中継装置に保持されていたデータが破損した場合等でも、バックアップ装置からデータをリストアし、さらに、このデータを電子装置にリストアすることができる。
【0012】
また、前記中継装置は、前記バックアップ装置に対してクライアント装置として機能するようになっていてもよい。
【0013】
この構成によれば、中継装置は、バックアップ装置に対してはクライアント装置として動作するための機能のみを有していればよいので、簡単な構成で、かつ低コストで中継装置を構成することができる。
【0014】
また、本発明は、電子装置と、前記電子装置とローカルネットワークを介して接続される中継装置と、前記中継装置と広域ネットワークを介して接続されるバックアップ装置と、によって実行されるバックアップ方法であって、前記電子装置において、自装置内の記憶装置に記憶されているデータを前記中継装置へ送信する送信ステップ(例えば、図3のステップS103)と、前記中継装置において、前記送信ステップにおいて送信されるデータを、前記ローカルネットワークを介して受信して保持する第1データ保持ステップ(例えば、図3のステップS105)と、前記中継装置において、前記第1データ保持ステップにおいて保持されたデータを前記バックアップ装置へ送信する第1データ送信ステップ(例えば、図3のステップS107)と、前記バックアップ装置において、前記第1データ送信ステップにおいて送信されるデータを、前記広域ネットワークを介して受信して保持するバックアップ用データ保持ステップ(例えば、図3のステップS109)と、を有することを特徴とするバックアップ方法を提案する。
【0015】
この構成によれば、中継装置は電子装置のデータのバックアップを行うが、電子装置と中継装置とはローカルネットワークで接続されているため、短時間でバックアップおよびリストアを行うことができる。さらに、バックアップ装置は中継装置からのデータをバックアップすることができるが、中継装置とバックアップ装置とはインターネットで接続されるため、バックアップ装置が遠隔地にあっても両者間の接続が容易である。また、中継装置が故障等により保持していたデータが破損した場合等でも、バックアップ装置から同じデータをリストアし、さらに、このデータを電子装置にリストアすること等が可能である。
【0016】
また、本発明は、ローカルネットワークを介して接続される電子装置とデータの送受信を行い、さらに広域ネットワークを介して接続されるバックアップ装置とデータの送受信を行う中継装置であって、前記電子装置から送信されるデータを、前記ローカルネットワークを介して受信して保持するデータ保持手段と、前記データ保持手段に保持されているデータを前記バックアップ装置へ送信する第1データ送信手段と、を有することを特徴とする中継装置を提案する。
【0017】
この構成によれば、中継装置は電子装置のデータのバックアップを行うが、電子装置と中継装置とはローカルネットワークで接続されているため、短時間でバックアップおよびリストアを行うことができる。さらに、バックアップ装置は中継装置からのデータをバックアップすることができるが、中継装置とバックアップ装置とはインターネットで接続されるため、バックアップ装置が遠隔地にあっても両者間の接続が容易である。また、中継装置が故障等により保持していたデータが破損した場合等でも、バックアップ装置から同じデータをリストアし、さらに、このデータを電子装置にリストアすること等が可能である。
【0018】
また、本発明は、ローカルネットワークを介して接続される電子装置とデータの送受信を行い、広域ネットワークを介して接続されるバックアップ装置とデータの送受信を行うコンピュータに、前記電子装置から送信されるデータを、前記ローカルネットワークを介して受信して保持するデータ保持ステップ(例えば、図3のステップS105)と、前記データ保持ステップにおいて保持されたデータを前記バックアップ装置へ送信するデータ送信ステップと(例えば、図3のステップS107)、を実行させるためのデータ中継プログラムを提案する。
【0019】
この構成によれば、コンピュータは電子装置のデータのバックアップを行うが、電子装置とコンピュータとはローカルネットワークで接続されているため、短時間でバックアップおよびリストアを行うことができる。さらに、バックアップ装置はコンピュータからのデータをバックアップすることができるが、コンピュータとバックアップ装置とはインターネットで接続されるため、バックアップ装置が遠隔地にあっても両者間の接続が容易である。また、コンピュータが故障等により保持していたデータが破損した場合等でも、バックアップ装置から同じデータをリストアし、さらに、このデータを電子装置にリストアすること等が可能である。
【0020】
なお、上記のデータ中継プログラムは、ネットワークを通じてダウンロードされることによりコンピュータにインストールされて実行されてもよいし、記憶媒体に記憶されて配布されることによりコンピュータにインストールされて実行されてもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、短時間で、データのバックアップおよびリストアを行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】バックアップシステムの構成例を示す図である。
【図2】電子装置100、中継装置200、バックアップ装置300の構成例を示すブロック図である。
【図3】バックアップ時の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】リストア時の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示される。
【0024】
(バックアップシステムの構成)
図1は、本実施形態に係るバックアップシステムの構成例を示す図である。図1に示すバックアップシステムは、電子装置100と、中継装置200と、バックアップ装置300とを含んで構成される。また、電子装置100と中継装置200とは、LAN(Local Area Network)などのローカルネットワーク10で接続されており、中継装置200とバックアップ装置300とはインターネットなどの広域ネットワーク20で接続されている。また、電子装置100は、複数のコンピュータ等の電子装置31、32、33と接続されている。
【0025】
電子装置100は、別の電子装置31、32、33からの電子ファイル等のデータを受信して、自装置内のハードディスク等に記憶するコンピュータ等であり、電子装置100は、これらのデータをバックアップのために中継装置200に送信する。中継装置200は、電子装置100から受信したデータを自装置内のハードディスク等に記憶してバックアップしておくとともに、さらに広域ネットワークを介して自装置と接続されているバックアップ装置300にこのデータを送信して、バックアップ装置300にデータを保持させる。
【0026】
電子装置100および中継装置200は、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等により構成可能である。また、バックアップ装置は、例えば、データセンター等の大型コンピュータ等により構成される。
【0027】
図2は、電子装置100、中継装置200、バックアップ装置300の構成例を示すブロック図である。以下、図2を用いて、各装置の構成について説明する。
【0028】
なお、電子装置100、中継装置200、バックアップ装置300は、具体的には、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ハードディスクやROM(Read Only Memory)等の記憶装置、ネットワークインタフェース、等の一般的なコンピュータの構成と同様の構成により実現される。また、以下に説明する各構成の機能は、例えばCPUがハードディスク等の記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(Random Access Memory)等のメモリ上に読み出して実行することによって実現される機能である。また、後述するデータ記憶部101、保持部104、第1データ保持部201、第2データ保持部205、バックアップ用データ保持部301は、各装置内のハードディスク等の記憶装置に設けられたデータ記憶領域である。
【0029】
(電子装置100の構成)
図2に示すように、電子装置100は、データ記憶部101と、送信部102と、要求部103と、保持部104と、を有する。
【0030】
データ記憶部101は、電子装置31、32、33から送信される電子ファイル等のデータを、自装置内のハードディスク等の記憶装置に記憶する。
【0031】
送信部102は、データを中継装置にバックアップするために、データ記憶部101に記憶されているデータを中継装置200へ送信する。
【0032】
要求部103は、中継装置200にバックアップされているデータをリストアするために、中継装置200の第1データ保持部201に保持されているデータを要求する。つまり、電子装置100は、故障等によってデータ記憶部101のデータが破損した場合等に、ユーザの指示を受け付ける等により、要求部103において中継装置200に対してデータを要求する。後述するように、中継装置200は、このデータの要求を受け付けると、自装置内に保持しているデータを電子装置100に送信する。これにより、電子装置100は、バックアップしていたデータのリストアを行うことができる。なお、「データを要求する」とは、具体的には、例えばデータを要求するコマンド等を中継装置200に対して送信すること等が該当する。
【0033】
また、データの要求は、例えば電子装置100の記憶装置の故障等によってユーザが任意のタイミングでデータ要求(リストア要求)のための操作を行うことで実行されるようになっていてもよいし、予め定められたスケジュールにより自動的に実行されるようになっていてもよい。また、例えば定期的にデータ記憶部101に記憶されているデータの状態をチェックして、データが破損している場合等に中継装置200へのデータ要求が実行されることで、データのリストアが自動的に実行されるようになっていてもよい。
【0034】
保持部104は、要求部103からの要求に応じて中継装置200から送信されるデータを受信して保持する。これにより、データのリストアが完了する。電子装置100と中継装置200とはローカルネットワークにて接続されているので、中継装置200に記憶されていた複数のデータを一括してリストアしたい場合等(すなわち、リストアするデータのサイズが大きい場合)に短時間でデータのリストアを行うことができる。
【0035】
(中継装置200の構成)
図2に示すように、中継装置200は、第1データ保持部201と、第1データ送信部202と、第2データ送信部203と、データ要求部204と、第2データ保持部205と、を有する。
【0036】
第1データ保持部201は、電子装置100の送信部102から送信されるデータを、ローカルネットワーク10を介して受信して保持する。これにより、電子装置100のデータ記憶部101に記憶されているデータと同一のデータがバックアップされる。
【0037】
第1データ送信部202は、第1データ保持部201に保持されているデータをバックアップ装置300へ送信する。これにより、電子装置100のデータ記憶部101で保持されているデータと同一のデータが、バックアップ装置300でもバックアップされる。
【0038】
なお、この中継装置200からバックアップ装置300へのバックアップは、例えば1日に1回程度の頻度で実行される。中継装置200とバックアップ装置300とはインターネットを介して接続されているため、一般的にデータの送受信には時間を要する。よって、この中継装置200からバックアップ装置300へのバックアップは、第1データ保持部201の故障等によりデータが破損した場合に備えて行われる予備的なものであり、電子装置100のデータのリストアは、原則、中継装置200の第1データ保持部201に保持されている同一データによって実行される。
【0039】
第2データ送信部203は、電子装置100の要求部103からのデータの要求に応じて、第1データ保持部201に保持されているデータを、ローカルネットワーク10を介して電子装置100に送信する。これにより、電子装置100ではデータのリストアが行われる。
【0040】
データ要求部204は、バックアップ装置300のバックアップ用データ保持部301に保持されているデータを要求する。電子装置100のデータ記憶部101に記憶されているデータと同一のデータは、中継装置200の第1データ保持部201に保持されており、原則、この中継装置200で保持されているデータを用いて電子装置100でデータのリストアが実行される。しかし、第1データ保持部201に保持されているデータが故障等により破損する場合もあるため、そのような場合には、このデータ要求部204からバックアップ装置300に対して同一データの要求を行うことで、データを中継装置200にリストアし、さらに電子装置100にリストアすることができる。
【0041】
また、データの要求は、例えば中継装置200のユーザの任意のタイミングで実行されてもよいし、予め定められたスケジュールにより自動的に実行されるようになっていてもよい。
【0042】
また、データの要求は、第1データ保持部201の状態に応じて実行されるようになっていてもよい。例えば、第1データ保持部201の状態を監視しておき、故障等によりデータが破損していることが発見された場合に、自動的にデータの要求が実行されるようになっていてもよい。中継装置200とバックアップ装置300とは広域ネットワーク20を介して接続されているので、データの送受信には時間を要することが想定される。よって、定期的に、もしくは中継装置200で他の処理が行われていないアイドル時等に、第1データ保持部201の状態をチェックし必要に応じてバックアップ装置300からデータを取得しておけば、電子装置100からデータの要求があった場合に、すぐに電子装置100へデータを送信することができる。
【0043】
なお、「データを要求する」とは、具体的には、例えばデータを要求するコマンド等を中継装置200に対して送信すること等が該当する。
【0044】
第2データ保持部205は、データ要求部204からの要求に応じてバックアップ装置300から送信されるデータを受信して保持する。これにより、バックアップ装置300に保持されていたデータが中継装置200にリストアされる。また、第2データ保持部205においてバックアップ装置300からのデータが受信されて保持された場合、第2データ送信部203は、第1データ保持部201に代えて、第2データ保持部205に保持されたデータを電子装置100に送信するようになっていてもよい。
【0045】
なお、中継装置200は、バックアップ装置300に対してクライアント装置として機能する。これにより、中継装置200は、バックアップ装置に対してはクライアント装置として動作するための機能のみを有していればよいので、簡単な構成で、かつ低コストで中継装置を構成することができる。
【0046】
(バックアップ装置300の構成)
図2に示すように、バックアップ装置300は、バックアップ用データ保持部301と、バックアップ用データ送信部302と、を有する。
【0047】
バックアップ用データ保持部301は、中継装置200の第1データ送信部202から送信されるデータを、広域ネットワーク20を介して受信して保持する。これにより、電子装置100が記憶しているデータと同一データが中継装置200を介してバックアップ装置300においてもバックアップされる。
【0048】
ただし、電子装置100は、データのリストアを行う場合、原則、中継装置200からデータのリストアを行う。電子装置100と中継装置200とはローカルネットワークで接続されているため、データの送受信が素早く行うことができるからである。バックアップ装置300においてもデータを保持するのは、中継装置200の第1データ保持部201の故障等によりデータが損失した場合等に、中継装置200にデータのリストアを行うためである。
【0049】
バックアップ用データ送信部302は、データ要求部204からの要求に応じて、バックアップ用データ保持部301に保持されているデータを、広域ネットワーク20を介して中継装置200に送信する。これにより、中継装置200では、データのリストアが行われる。
【0050】
(バックアップシステムの動作)
次に、図3および図4を用いて、本実施形態に係るバックアップシステムの動作について説明する。図3は、電子装置100に記憶されているデータを中継装置200にバックアップするための処理の流れを示すシーケンス図であり、図4は、中継装置200にバックアップされていたデータを電子装置100にリストアするための処理の流れを示すシーケンス図である。
【0051】
(バックアップ時の動作)
まず、図3を用いて、電子装置100のデータをバックアップする際の処理について説明する。
【0052】
電子装置100においては、通常動作時にデータ記憶部101に電子ファイル等のデータが記憶されている(ステップS101)。そして、電子装置100においてユーザからバックアップの指示を受け付ける等により、電子装置100の送信部102から中継装置200に、LAN等のローカルネットワーク10を介してデータが送信される(ステップS103)。中継装置200で受信されたデータは第1データ保持部201にて保持される(ステップS105)。これにより、電子装置100のデータ記憶部101に記憶されているデータのバックアップが行われる。通常時は、上記ステップS101〜S103の処理が随時実行される。
【0053】
また、ステップS101〜S103の処理によってバックアップされたデータは、例えば1日に1回の頻度でバックアップ装置300にてさらにバックアップされる。すなわち、中継装置200の第1データ送信部202からバックアップ装置300に、インターネット等の広域ネットワーク20を介してデータが送信され(ステップS107)、バックアップ装置300で受信されたデータは、バックアップ用データ保持部301にて保持される(ステップS109)。これにより、バックアップ装置300においても電子装置100が保持しているデータと同じデータが保持されるため、第1データ保持部201に保持されたデータが破損した場合でも、中継装置200はバックアップ装置300から同じデータを受信し、さらにこのデータを電子装置100にリストアすることができる。
【0054】
また、中継装置200は、第1データ保持部201とは別に、自装置にローカルに接続されるミラー記憶装置210を持ち、電子装置100からのデータのミラーリングを行うようになっていてもよい。具体的には、ステップS103で中継装置200にて受信されたデータは、第1データ保持部201で保持されるとともに(ステップS105)、ミラー記憶装置210にも送信されて保持されるようになっていてもよい(ステップS111)。このように構成されていれば、第1データ保持部201の故障等によりデータが破損した場合でも、中継装置200は、ローカルに接続されているミラー記憶装置210から同じデータを読み出すことで、短時間で電子装置100にデータをリストアすることが可能となる。
【0055】
(リストア時の動作)
次に、図4を用いて、中継装置200から電子装置100にデータをリストアする際の処理について説明する。
【0056】
電子装置100においてユーザからリストアの指示等を受け付ける等により、電子装置100の要求部103から中継装置200の第2データ送信部203にデータが要求される(ステップS201)具体的には、電子装置100から中継装置200に要求コマンド等が送信される。
【0057】
中継装置200では、このデータ要求が受け付けられると、第1データ保持部201にバックアップされていたデータが第2データ送信部203から電子装置100に、ローカルネットワーク10を介して送信される(ステップS203)。電子装置100で受信されたデータは保持部104にて保持される(ステップS205)。
【0058】
また、何らかの理由により第1データ保持部201からデータが読み出せない場合には、ミラー記憶装置210から同じデータが読み出されて送信される(ステップS211)。
【0059】
また、もし第1データ保持部201の故障等によりデータが読み出せない場合、中継装置200のデータ要求部204からバックアップ装置300に、このデータの要求がなされる(ステップS301)。バックアップ装置300においてこのデータ要求が受け付けられると、バックアップ用データ保持部301に保持されていたデータがバックアップ用データ送信部302から電子装置100に、広域ネットワーク20を介して送信される(ステップS303)。
【0060】
また、中継装置200で受信されたデータは第2データ保持部205で一旦保持された後(ステップS305)、第2データ送信部203から電子装置100に送信される。これにより、電子装置100では要求したデータと同じデータをリストアすることができる。
【0061】
(他の実施形態)
上記の実施形態においては、第1データ保持部201と第2データ保持部205は別々となっているが、両者は一体となっていてもよい。
【0062】
また、上記の実施形態においては、データ記憶部101と保持部104は別々となっているが、両者は一体となっていてもよい。
【0063】
(まとめ)
以上のように、本発明によれば、短時間で、データのバックアップおよびリストアを行うことが可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 ローカルネットワーク
20 広域ネットワーク
31、32、33 電子装置
100 電子装置
101 データ記憶部
102 送信部
103 要求部
104 保持部
200 中継装置
201 第1データ保持部
202 第1データ送信部
203 第2データ送信部
204 データ要求部
205 第2データ保持部
210 ミラー記憶装置
300 バックアップ装置
301 バックアップ用データ保持部
302 バックアップ用データ送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置と、前記電子装置とローカルネットワークを介して接続される中継装置と、前記中継装置と広域ネットワークを介して接続されるバックアップ装置と、を含むバックアップシステムであって、
前記電子装置は、
自装置内の記憶装置に記憶されているデータを前記中継装置へ送信する送信手段を有し、
前記中継装置は、
前記送信手段から送信されるデータを、前記ローカルネットワークを介して受信して保持する第1データ保持手段と、
前記第1データ保持手段に保持されているデータを前記バックアップ装置へ送信する第1データ送信手段と、を有し、
前記バックアップ装置は、
前記第1データ送信手段から送信されるデータを、前記広域ネットワークを介して受信して保持するバックアップ用データ保持手段、
を有することを特徴とするバックアップシステム。
【請求項2】
前記中継装置は、
前記第1データ保持手段に保持されている前記データを、前記ローカルネットワークを介して前記電子装置に送信する第2データ送信手段を有し、
前記電子装置は、
前記第2データ送信手段から送信される前記データを受信して保持するデータ保持手段を有することを特徴とする請求項1に記載のバックアップシステム。
【請求項3】
前記中継装置は、
前記バックアップ用データ保持手段に保持されている前記データを要求するデータ要求手段と、
前記データ要求手段からの要求に応じて前記バックアップ装置から送信される前記データを受信して保持する第2データ保持手段と、を有し、
前記バックアップ装置は、
前記データ要求手段からの要求に応じて、前記バックアップ用データ保持手段に保持されている前記データを、前記広域ネットワークを介して前記中継装置に送信するバックアップ用データ送信手段を有し、さらに、
前記第2データ送信手段は、前記第1データ保持手段に代えて、前記第2データ保持手段に保持されている前記データを、前記ローカルネットワークを介して前記電子装置に送信することを特徴とする請求項2に記載のバックアップシステム。
【請求項4】
前記中継装置は、前記バックアップ装置に対してクライアント装置として機能することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバックアップシステム。
【請求項5】
電子装置と、前記電子装置とローカルネットワークを介して接続される中継装置と、前記中継装置と広域ネットワークを介して接続されるバックアップ装置と、によって実行されるバックアップ方法であって、
前記電子装置において、自装置内の記憶装置に記憶されているデータを前記中継装置へ送信する送信ステップと、
前記中継装置において、前記送信ステップにおいて送信されるデータを、前記ローカルネットワークを介して受信して保持する第1データ保持ステップと、
前記中継装置において、前記第1データ保持ステップにおいて保持されたデータを前記バックアップ装置へ送信する第1データ送信ステップと、
前記バックアップ装置において、前記第1データ送信ステップにおいて送信されるデータを、前記広域ネットワークを介して受信して保持するバックアップ用データ保持ステップと、
を有することを特徴とするバックアップ方法。
【請求項6】
ローカルネットワークを介して接続される電子装置とデータの送受信を行い、さらに広域ネットワークを介して接続されるバックアップ装置とデータの送受信を行う中継装置であって、
前記電子装置から送信されるデータを、前記ローカルネットワークを介して受信して保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段に保持されているデータを前記バックアップ装置へ送信する第1データ送信手段と、
を有することを特徴とする中継装置。
【請求項7】
ローカルネットワークを介して接続される電子装置とデータの送受信を行い、広域ネットワークを介して接続されるバックアップ装置とデータの送受信を行うコンピュータに、
前記電子装置から送信されるデータを、前記ローカルネットワークを介して受信して保持するデータ保持ステップと、
前記データ保持ステップにおいて保持されたデータを前記バックアップ装置へ送信するデータ送信ステップと、
を実行させるためのデータ中継プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−180863(P2011−180863A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44968(P2010−44968)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(300023383)株式会社トリニティーセキュリティーシステムズ (376)
【出願人】(505114606)コスモテック特許情報システム株式会社 (4)
【Fターム(参考)】