説明

バックグラウンド電流が低下した試薬を生成する方法およびシステム

検査センサへの被着前に検査センサ試薬(24)の構成成分を電気化学的に酸化するためのシステムおよび方法は、検査センサ試薬に接触するための少なくとも第1の電極(26)および第2の電極(28)を含む。第1の電極(26)および第2の電極(28)は、バックグラウンド電流が低下した改良検査センサ試薬を産生するために、検査センサ試薬(24)と接触する中空内部を有し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、検査センサ試薬を改良するシステムおよび方法に関する。さらに具体的には、本発明は、試薬の検査センサへの被着前に電気化学システムによって検査センサ試薬を酸化するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体液中の検体の定量は、ある生理学的異常の診断およびメンテナンスで非常に重要である。例えば、特定の個人においては、血中グルコース、ヘモグロビン(Hb)、ヘモグロビンA1c(HbA1c)、ラクテート、コレステロール、ビリルビン、および他の検体は、監視されるべきである。特に糖尿病である個人は、その体液中のグルコース濃度を確認して、その食事でのグルコースの摂取を制御することが重要である。これらの検体検査の結果を使用して、投与する場合には、どのようなインスリンまたは他の薬剤を投与すべきかが決定され得る。
【0003】
一種の検査システムにおいて、検査センサを使用して、流体、例えば血液試料などを検査する。検査センサは、対象の検体、例えば血中グルコースと反応するバイオセンシングまたは試薬物質を含有する。検査センサの検査端は、検査される流体、例えば指を穿刺した後にヒトの指に溜まった血液に配置されるのに適している。検査される十分な量の流体は、検査端から試薬物質まで検査センサ内に延在する毛管チャネル中に、毛管作用によって吸引される。いくつかの検査センサでは、流体は次に検査センサ内の試薬物質と化学的に反応して、検査されている流体中の検体濃度を示す電気信号を発生する。
【発明の概要】
【0004】
現在の検査センサに関する1つの問題は、試薬物質が望ましくないバックグラウンド電流または信号を発生する構成成分を含有し得ることである。バックグラウンド電流は、検査結果の正確度および精度はもちろんのこと、検査システムの安定性にも影響し得る。バックグラウンド電流は、試薬の構成成分中の不純物から、または構成成分自体から発生し得る。従って、バックグラウンド電流を低下させることによって検査センサの正確度、精度および安定性を改善する検査センサ試薬を有することが所望であろう。さらにバックグラウンド電流を低下させることによって、較正工程に関与するパラメータの少なくとも1つ(すなわち妨害値)が低下または排除され得ると、検査センサの特定のロットに較正情報を供給するために必要な労力が低減され、較正目的の入力情報が少なくなるユーザにも有益であろう。
【0005】
一実施形態において、検査センサ試薬の電気化学的酸化の方法は、被酸化性種を有する検査センサ試薬を提供する工程と、第1の電極および第2の電極を有するシステムに検査センサ試薬を通過させる工程を含む。還元反応は第1の電極にて発生し、酸化反応は第2の電極にて発生し得る。本方法は、バックグラウンド電流が低下した改良検査センサ試薬を産生するために、第1または第2の電極の少なくとも一方に電流を印加することと、被酸化性種を酸化することとをさらに含む。
【0006】
別の実施形態において、検査センサへの被着前に検査センサ試薬の構成成分を電気化学的に酸化するシステムは、ある量の検査センサ試薬を保持するためのレセプタクルを含む。システムは、検査センサ試薬に接触するための第1の電極および第2の電極も含む。第1の電極および第2の電極は、中空内部を有する。酸化は第1の電極または第2の電極の一方で発生して、バックグラウンド電流が低下した改良検査センサ試薬を産生する。
【0007】
別の実施形態により、検査センサを形成する方法は、基部、第2層および複数の電極を提供する工程を含む。基部および第2層は、流体試料を収容するためのチャネルの形成を補助する。本方法は、複数の電極の少なくとも1つと近接した関係にある検査センサに改良試薬を配置することをさらに含む。改良試薬は酸化されており、そのバックグラウンド電流を低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】検査センサの上面図である。
【図1B】検査センサの側面図である。
【図2】一実施形態による、検査センサ試薬を電気化学的に酸化する装置の側面図である。
【図3】別の実施形態による、検査センサ試薬を電気化学的に酸化する装置の側面図である。
【図4】図2および図3の装置で使用され得る電極の斜視図である。
【図5】試薬の酸化の有効性を検査するための検査シーケンスを表すグラフである。
【図6】試薬の酸化前後のバックグラウンド電流を表すグラフである。
【図7】バックグラウンド電流の変化を試薬の酸化の前後の時間と共に表すグラフである。
【図8】各種試薬の酸化の前後のバックグラウンド電流を表すグラフである。
【図9】各種試薬の酸化の前後のバックグラウンド電流を表すグラフである。
【図10】各種試薬の酸化の前後のバックグラウンド電流を表すグラフである。
【図11】各種試薬の酸化の前後のバックグラウンド電流を表すグラフである。
【図12】各種試薬の酸化の前後のバックグラウンド電流を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は各種の変更および代替形態を許容するが、具体的な実施形態を例として図面に示し、本明細書で詳細に記載する。しかし本発明は、開示された特定の形態に限定されるものではないことが理解されるべきである。むしろ本発明は、本発明の精神および範囲に含まれるすべての修正、同等物、および代替案を対象とするものである。
【0010】
検査センサは、流体試料を収容するのに通例適しており、次に分析して濃度読み取り値を生じる機器またはメーターである。測定され得るいくつかの検体は、血中グルコース、脂質プロフィール(例えばコレステロール、トリグリセリド、LDL、およびHDL)、微量アルブミン、ヘモグロビン(Hb)、ヘモグロビンA1フルクトース、ラクテート、またはビリルビンを含む。上述したものに加えて、他の検体濃度が測定され得ることが検討される。検体は例えば、全血試料、血清試料、血漿試料、他の体液、例えばISF(間質液)、クレアチニン、尿素、尿、および非体液中であり得る。
【0011】
検査センサは、電気化学検査センサであり得る。電気化学検査センサの1つの非制限的な例を図1Aに示す。図1Aは、基部11、毛管チャネル、ならびに、複数の電極16および18を含む検査センサ10を表す。領域12は、(例えば蓋が基部11を覆って配置された後に)毛管チャネルを定義する区域を示す。複数の電極は、対電極16および作用(測定)電極18を含む。いくつかの実施形態において、電気化学検査センサは、少なくとも3個の電極、例えば作用電極、補助もしくは対電極、基準電極、トリガ電極、またはヘマトクリット電極を含有し得る。電極は、これに限定されるわけではないが、炭素、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはその組み合わせを含む各種の導電性物質から作製され得る。
【0012】
図解した実施形態において、電極16、18は複数の導電性リード線15a、bに接続され、検査センサ接点14a、bと呼ばれるより大きい区域にて終端する。毛管チャネルは一般に、流体収容区域19に配置される。電気化学検査センサに加えて、他の検査センサが本発明の実施形態で利用され得ることが検討される。例えば検体に関連する情報(例えば検体濃度)を測定する光学的分析システムを有する検査センサは、本明細書に記載する概念によって使用され得る。
【0013】
図1Bを参照すると、図1Aの検査センサ10の側面図が示されている。図1Bに示すように、検査センサ10は、蓋13およびスペーサ17をさらに含み得る。基部11、蓋13、およびスペーサ17は、各種の材料、例えばポリマー材料から作製され得る。基部11、蓋13、およびスペーサ17を形成するのに使用され得るポリマー材料の非制限的な例は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、およびその組み合わせを含む。他の材料が基部11、蓋13、および/またはスペーサ17の形成に使用され得ることが検討される。
【0014】
図1Aおよび図1Bの検査センサを形成するために、基部11、スペーサ17および蓋13を例えば接着剤またはヒートシールによって付着する。基部11、蓋13、およびスペーサ17を付着すると、流体収容区域19が形成される。流体収容区域19は、流体試料を検査センサ10中に導入する流路を提供する。流体収容区域19は、検査センサ10の第1端または検査端に形成される。本発明の実施形態の検査センサは、スペーサが存在しない場合には基部および蓋によって形成され得、ここで流体収容区域は、基部および/または蓋の中に直接形成される。
【0015】
流体収容区域19は、流体試料(例えば血液)中の対象の検体(例えばグルコース)を、電極パターンの構成成分によって生ずる電流により、電気化学的に測定可能な化学種に変換する少なくとも1つの試薬を含む。流体試料(例えば血液)が流体収容区域19に加えられると、流体試料は少なくとも1つの試薬と反応する。流体試料は、試薬と反応した後に複数の電極と連動して、検体濃度の測定を補助する電気信号を発生する。導電性リード線15a、bは、検査センサ10の第2の反対端に向かって電気信号を戻し、ここで検査センサ接点14a、bは電気信号をメータ(図示せず)に伝達する。
【0016】
試薬は、電極によって検出され得る電気化学的に測定可能な種を産生する検体および電子受容体と反応して検体特異的酵素を通例含む。試薬中に存在する特異的酵素は、検査センサが検出するように設計された特定の検体に依存しており、ここで代表的な酵素は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、リポタンパク質リガーゼ、グリセロールキナーゼ、グリセロール−3−ホスフェートオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、ピルベートオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、ウリカーゼなどを含む。対象の検体がグルコースである多くの実施形態において、レドックス試薬系の酵素構成成分はグルコース酸化酵素、例えばグルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼである。
【0017】
試薬は、検体と導体との間での電子の移動を補助するメディエータまたは他の物質も含み得る。電子移動メディエータは、1つ以上のメディエータ剤を含み得る。多くの各種のメディエータが当分野で公知であり、フェリシアニド、フェナジン、エトスルフェート、フェナジンメトサルフェート、フェニレンジアミン、1−メトキシ−フェナジンメトスルフェート、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、フェロセン誘導体、オスミウムビピリジル錯体、ルテニウム錯体、3−フェニルイミノ−3H−フェノチアジン、3−フェニルイミノ−3H−フェノキサジンなどを含む。これらの実施形態において、グルコースが対象の検体であり、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼが酵素構成成分である場合、特に対象のメディエータはフェリシアニドである。
【0018】
試薬中に存在し得る他の構成成分は、緩衝剤(例えばシトラコン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩およびリン酸塩)および結合剤(例えばセルロースポリマー)を含む。存在し得るまた他の構成成分は、2価カチオン、例えば塩化カルシウムおよび塩化マグネシウム、補酵素、例えばピロロキノリンキニン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)(NAD(P))、界面活性剤、例えばTriton(登録商標)、Macol(登録商標)、Tetronic(登録商標)、Silwet(登録商標)、Zonyl(登録商標)、およびPluronic(登録商標)、ならびに安定剤、例えばアルブミン、スクロース、トレハロース、マンニトール、およびラクトースを含む。
【0019】
上述の試薬物質のいくつかは、検査センサの性能に影響し得る不純物を含み得る。特にこのような不純物は、検査センサの正確度、精度および安定性に影響するバックグラウンド電流を発生し得る。さらに試薬物質自体のいくつかは、検査センサの正確度、精度および安定性に影響し得るバックグラウンド電流を発生し得る。本発明は、検査センサ試薬のバックグラウンド電流を低下させるシステムおよび方法に関する。
【0020】
システムの一実施形態を図2に示す。この図では、装置20は、酸化前試薬物質24(すなわちバックグラウンド電流を低下させるための酸化をまだ受けていない試薬物質)を含有するレセプタクルまたはカラム22を含む。酸化前試薬物質24は、カラム22からカラム22および電極配列に連結された管23を通じて流れるように方向付けられている。下でさらに詳細に述べるように、電極は、酸化前試薬物質24が電極の内部を流れるように中空内部を有し得る。管23は、透明剛性または半剛性プラスチック材料、例えばポリビニルクロライド(PVC)、Tygon(登録商標)、Teflon(登録商標)および他の同様の物質を含み得る。カラム22は、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレンおよび他の同様の物質を含み得る。
【0021】
図2に示す実施形態において、電極配列は、第1の電極26と、それに続く第2の電極28を含む。いくつかの実施形態において、第1の電極26は対電極であり得、第2の電極28は作用電極であり得る。第1の電極26および第2の電極28は、白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはその組み合わせを含む各種の導電性材料から作製され得る。いくつかの実施形態において、第3の電極30もシステム20に含まれ得る。第3の電極30は、基準または他の種類の電極であり得る。図2に示す実施形態において、第3の電極30は、酸化前試薬物質24を含有するカラム22内部に位置決めされる。第3の電極30は、銀および/または塩化銀、塩化水銀、または他の同様の物質で構成され得る。いくつかの実施形態において、第1の電極26および第3の電極30は単一の電極として組み合され得る。
【0022】
図3に示す代替実施形態において、システム120は図2に関して記載したのと同じ方式で動作して、試薬を酸化してバックグラウンド電流を低下させる。しかし図3に示した実施形態において、第3の電極130は、カラム122の外側に、例えば電極配列の第1の電極126および第2の電極128より前の位置に位置決めされる。この実施形態において、第1の電極126は対電極であり得、第2の電極128は作用電極であり得、第3の電極130は基準電極であり得る。他の実施形態において、第1の電極126および第2の電極130は、単一の電極として組み合され得る。
【0023】
図3に示す実施形態にも適用可能であるが、図2に示す実施形態を参照すると、酸化前試薬物質24の流れを制御するために、弁35がカラム22の下端の下に位置決めされた管23に連結され得る。弁35によって、ユーザは酸化前試薬物質24がカラム22から管23および電極配列に流れるときに、その流れを調節することができる。容器36は、検査センサ10に被着される準備が整った酸化試薬物質38を収容する。容器36への流れは、重力のために、または強制流によって発生し得る。いくつかの状況では、酸化前試薬物質24の流れをより一貫した方式で制御できるようにするために、強制流を使用することが望ましい。このことは、少量の酸化前試薬物質24が本明細書に記載するシステムおよび方法によって酸化されるときに特に好ましい。これは例えば電動シリンジを使用して達成できる。
【0024】
本明細書に記載され、図4に示す実施形態の一態様において、電極は、酸化前試薬物質が電極内部を貫流するように、円筒形中空電極である。図4に示す電極は、第2の電極28と呼ばれる。しかし図4に示す電極は、他の実施形態における電極、例えば第2の電極128、または他の種類の電極、例えば第1の電極26、126および第3の電極30、130を示し得る。他の実施形態において、図2の第3の電極30など、1個以上の電極は中空でないことがあるが、代わりに個体内部を有し得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、第3の電極30、130(および第3の電極と組み合されている場合には、第1の電極)の内面は、塩素処理によって、例えば塩化水素溶液中で電極を陽極酸化処理して、次に電圧を印加することによって改質され得る。得られた塩素処理によって、内面への塩化銀の被着が生じる。本明細書に記載したシステムに中空電極が存在することが重要な特徴であるのは、試薬分子と電極内部との接触により、酸化反応がより効率的な方式で行われるためである。通例、電極が平面状またはロッド状である場合、試薬のすべての部分が電極と接触するように、試薬を撹拌することが必要であろう。このような撹拌は、酸化が電極の表面のみで発生するために、長時間にわたって必要であろう。本システムでの中空電極の使用により、酸化工程がより効率的および高速に行われる方式で、酸化前試薬物質を電極に接触させることができる。電極、すなわち第1の電極26、126、第2の電極28、128および第3の電極30、130の内径は、約0.1〜約2mm、および好ましくは約0.5mm〜約1mmの範囲であり得る。
【0026】
図2を参照すると(および図3にも適用可能)、一実施形態により、酸化前試薬物質24が装置20のカラム22に添加され、電極配列を貫流させられる。電圧、例えば600mVが第2の電極28に印加され、酸化前試薬物質24の構成成分からの不純物または構成成分自体として存在する任意の被酸化性種が第2の電極28で酸化される。第2の電極28で起こる酸化反応は、酸化前試薬物質24の構成成分によって変わり得る。例えば酸化前試薬物質24がフェリシアニドメディエータおよびグルコースデヒドロゲナーゼのあるアミノ酸を含む場合、以下の反応が発生し得る。
Fe2+→Fe3+
アミノ酸red→アミノ酸ox
【0027】
本明細書に記載されるように、バックグラウンド電流は、第2の電極28にて起こる以下の反応によって除去され得る。
2Fe2+→2Fe3++2e
【0028】
以下の結合反応が第1の電極26にて発生し得る。
2HO+2e→H+2OH
【0029】
従って、反応全体の一例は、
2Fe2++2HO→2Fe3++H+2OH
のように表すことができる。
【0030】
本発明により、酸化前試薬物質24を電極配列に通過させることによって、バックグラウンド電流の上昇を引き起こし得る複数の種は、それらがバックグラウンド電流にもはや寄与できないように酸化される。さらに、酸化前試薬物質24中に存在する任意の被酸化性不純物は酸化され、これがバックグラウンド電流のレベルをさらに低下させるであろう。従って、本明細書に記載したものに加えて、多くの他の反応が試薬物質の酸化の結果として発生し得る。
【0031】
実施例1
一実施例により、酸化前試薬物質を装置に通過させて、酸化前工程の有効性を測定した。酸化前試薬物質は、次の組成を有していた。
【0032】
【表1】

【0033】
試薬組成物は表の配合に従って調製したが、当分野で公知の異なる酵素、メディエータ、結合剤などを含有する他の配合物が本明細書に記載するシステムおよび方法によって使用され得ることが理解されるであろう。さらに試薬の構成成分は、表に示した量とは異なる量で存在することがあり、このような配合物も本明細書に記載するシステムおよび方法によって使用され得る。
【0034】
配合物中に存在する種を酸化するために本明細書に記載する装置およびシステムに配合物を通過させた後に、酸化した試薬配合物を図1に示すような検査センサに塗布した。図5に示すシーケンスに従って検査シーケンスを実施した。本実施例では、0mV〜400mVに及ぶ電圧のシーケンスを検査センサのセットに印加した。特に検査シーケンスは、次のシーケンス:400mV、100mV、400mV、100mV、休止(0mV)、250mV、休止(0mV)、250mV、休止(0mV)、25mV、に従い、約5秒間の期間にわたって印加した。より高いおよびより低い電圧を印加する各種の検査シーケンスが、図5に示すのとは異なる間隔で使用され得ることが検討される。
【0035】
検査シーケンスを印加した後に、バックグラウンド電流を測定して、本システムおよび検査方法を使用して検査センサ試薬を酸化する前に得たバックグラウンド電流と比較した。測定値の比較を図6に示す。示したすべての場合で、酸化試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流は、酸化されていない試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流よりも低かった。
【0036】
検査したバックグラウンド電流のレベルに対する時間の効果を測定するために、他の検査を実施した。図7に示すこのような検査の1つにおいて、酸化試薬物質のバックグラウンド電流が経時的に上昇することが決定された。具体的には、バックグラウンド電流を最初の測定を実施した24時間後に測定して、すべての場合でバックグラウンド電流は24時間の期間にわたって上昇した。これらの結果は、バックグラウンド電流をより低く維持するためには、酸化試薬を検査センサに迅速に被着すべきであることを示している。
【0037】
試薬の正確度、精度および安定性を改善するためにバックグラウンド電流を低下させることに加えて、バックグラウンド電流を低下させることは、検査センサの特定のロットの較正情報を提供するために必要な労力の一部も排除または低減し得る。検査センサの各ロットについて、用量応答直線の傾き値および切片値を決定した。切片値は、非酸化試薬のために発生するバックグラウンド電流の量に関連付けられる。切片値が可能な限り低いことが望ましい。このことはグルコースレベルが低い流体試料の正確な測定のために特に重要である。本発明による試薬物質の酸化のために、切片(およびバックグラウンド電流)値は小さいか、または無視さえできるであろう。従って検査センサのコーディングは実際に、(傾き値に対する)「1パラメータ」の労力のみを必要として、このことは較正工程を大幅に単純化してその正確度を向上させるであろう。制限された数の較正コードのみが利用できる場合、コードはすべて傾きの変数に適用され得、従って分解能をより微細にすることが可能であり、利用可能な傾きの1つへの割り当てに起因する誤差を減少させることができる。
【0038】
さらに傾き値を例えば、作用電極の面積を制御することによって調整できる場合、ここで「ノーコーディング」システムを実現することが可能である。この状況において「ノーコーディング」とは、較正線が固定されていることおよび試薬の個々の製造ロットに対して傾きおよび切片への調整が必要ないことを意味する。傾き値の調整は、例えば電極アブレーションを調整することにより、またはスペーサ幅を調整することにより作用電極の面積を制御および調整することによって実現され得る。広い電極面積は、より狭い電極面積よりも高い(鋭い)傾きを与える。従って電極面積および従って傾きを制御する手段がある場合、そして切片を制御するために試薬の酸化が利用できる場合、ここで「ノーコーディング」システムを実現することが可能である。このようなシステムは、ユーザに提供する較正情報がより少なくなる製造者および較正目的で入力する情報がより少なくなるユーザにとって有益であろう。
【0039】
実施例2
さらなる実施例に従って、酸化前試薬物質を装置に通過させて、酸化前工程の有効性を測定した。具体的には例えば図3に示すように、下の試薬を600mVにてカラムに通過させた。カラムはAg/AgCl基準電極、Pt対電極およびPt作用電極を含んでいた。酸化前試薬物質は、以下の組成を有した。
【0040】
【表2】

【0041】
配合物中に存在する種を酸化するために、配合物を本明細書に記載した装置およびシステムに通過させた後、酸化した試薬配合物を検査センサに塗布した。検査シーケンスは図5に示すシーケンスに従って実施した。本実施例では、0mV〜400mVに及ぶ電圧のシーケンスを検査センサのセットに印加した。具体的には検査シーケンスは、以下のシーケンス:400mV、100mV、400mV、100mV、休止(0mV)、250mV、休止(0mV)、250mV、休止(0mV)、25mV、に従い、約5秒間の期間にわたって印加した。
【0042】
検査シーケンスを印加した後に、バックグラウンド電流を測定して、本システムおよび検査方法を使用して検査センサ試薬を酸化する前に得たバックグラウンド電流と比較した。測定値の比較を図8に示す。示したすべての場合で、酸化試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流は、酸化されていない試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流よりも低かった。
【0043】
実施例3
さらなる実施例に従って、酸化前試薬物質を装置に通過させて、酸化前工程の有効性を測定した。具体的には、例えば図3に示すように、下の試薬を600mVにてカラムに通過させた。カラムはAg/AgCl基準電極、Pt対電極およびPt作用電極を含んでいた。酸化前試薬物質は、以下の組成を有した。
【0044】
【表3】

【0045】
配合物中に存在する種を酸化するために、配合物を本明細書に記載した装置およびシステムに通過させた後、酸化した試薬配合物を検査センサに塗布した。検査シーケンスは図5に示すシーケンスに従って実施した。
【0046】
検査シーケンスを印加した後に、バックグラウンド電流を測定して、本システムおよび検査方法を使用して検査センサ試薬を酸化する前に得たバックグラウンド電流と比較した。測定値の比較を図9に示す。示したすべての場合で、酸化試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流は、酸化されていない試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流よりも低かった。
【0047】
実施例4
さらなる実施例に従って、酸化前試薬物質を装置に通過させて、酸化前工程の有効性を測定した。具体的には例えば図3に示すように、下の試薬を600mVにてカラムに通過させた。カラムはAg/AgCl基準電極、Pt対電極およびPt作用電極を含んでいた。酸化前試薬物質は、以下の組成を有した。
【0048】
【表4】

【0049】
配合物中に存在する種を酸化するために、配合物を本明細書に記載した装置およびシステムに通過させた後、酸化した試薬配合物を検査センサに塗布した。検査シーケンスは図5に示すシーケンスに従って実施した。
【0050】
検査シーケンスを印加した後に、バックグラウンド電流を測定して、本システムおよび検査方法を使用して検査センサ試薬を酸化する前に得たバックグラウンド電流と比較した。測定値の比較を図10に示す。示したすべての場合で、酸化試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流は、酸化されていない試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流よりも低かった。
【0051】
実施例5
さらなる実施例に従って、酸化前試薬物質を装置に通過させて、酸化前工程の有効性を測定した。具体的には例えば図3に示すように、下の試薬を600mVにてカラムに通過させた。カラムはAg/AgCl基準電極、Pt対電極およびPt作用電極を含んでいた。酸化前試薬物質は、以下の組成を有した。
【0052】
【表5】

【0053】
配合物中に存在する種を酸化するために、配合物を本明細書に記載した装置およびシステムに通過させた後、酸化した試薬配合物を検査センサに塗布した。検査シーケンスは図5に示すシーケンスに従って実施した。
【0054】
検査シーケンスを印加した後に、バックグラウンド電流を測定して、本システムおよび検査方法を使用して検査センサ試薬を酸化する前に得たバックグラウンド電流と比較した。測定値の比較を図11に示す。示したすべての場合で、酸化試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流は、酸化されていない試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流よりも低かった。
【0055】
実施例6
さらなる実施例に従って、酸化前試薬物質を装置に通過させて、酸化前工程の有効性を測定した。具体的には例えば図3に示すように、下の試薬を600mVにてカラムに通過させた。カラムはAg/AgCl基準電極、Pt対電極およびPt作用電極を含んでいた。酸化前試薬物質は、以下の組成を有した。
【0056】
【表6】

【0057】
配合物中に存在する種を酸化するために、配合物を本明細書に記載した装置およびシステムに通過させた後、酸化した試薬配合物を検査センサに塗布した。検査シーケンスは図5に示すシーケンスに従って実施した。
【0058】
検査シーケンスを印加した後に、バックグラウンド電流を測定して、本システムおよび検査方法を使用して検査センサ試薬を酸化する前に得たバックグラウンド電流と比較した。測定値の比較を図12に示す。示したすべての場合で、酸化試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流は、酸化されていない試薬物質を有する検査センサのバックグラウンド電流よりも低かった。
【0059】
本発明では多様な変更形態および代替形式が許容されるが、その具体的な実施形態および方法が一例として図面によって示され、本明細書で詳細に説明されてきた。しかし、本発明を開示した特定の形態または方法に制限することは意図されておらず、反対に、意図は本発明の精神および範囲に含まれるすべての変更形態、同等物、および代替案を対象とすることが理解されるべきである。
【0060】
代替実施形態A
検査センサ試薬の電気化学的酸化の方法であって、
被酸化性種を有する検査センサ試薬を提供する工程と、
第1の電極および第2の電極を有し、還元反応が該第1の電極にて発生し得、酸化反応が該第2の電極で発生し得るシステムに、該検査センサ試薬を通過させる工程と、
該第1または第2の電極の少なくとも1つに電流を印加する工程と、
バックグラウンド電流が低下した改良検査センサ試薬を産生するために、被酸化性種を酸化する工程と、
を含む方法。
【0061】
代替実施形態B
該第1の電極が対電極であり、白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはそれらの組み合わせを含む、代替実施形態Aの方法。
【0062】
代替実施形態C
該第2の電極が作用電極であり、白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはそれらの組み合わせを含む、代替実施形態Aの方法。
【0063】
代替実施形態D
該第1の電極および該第2の電極が中空であり、該検査センサ試薬が該第1の電極および該第2の電極の内部を通過する、代替実施形態Aの方法。
【0064】
代替実施形態E
該システムが第3の電極をさらに含む、代替実施形態Aの方法。
【0065】
代替実施形態F
該第3の電極が基準電極であり、銀、塩化銀、塩化水銀またはそれらの組み合わせを含む、代替実施形態Eの方法。
【0066】
代替実施形態G
該第3の電極が中空であり、該第3の電極の内部表面が塩素処理によって改質されている、代替実施形態Eの方法。
【0067】
代替実施形態H
該被酸化性種が該検査センサ試薬の構成成分からの不純物を含む、代替実施形態Aの方法。
【0068】
代替実施形態I
該被酸化性種が該検査センサ試薬の構成成分を含む、代替実施形態Aの方法。
【0069】
代替実施形態J
該検査センサ試薬を該システムに通過させる工程が重力によって行われる、代替実施形態Aの方法。
【0070】
代替実施形態K
該検査センサ試薬を該システムに通過させる工程が制御された流れによって行われる、代替実施形態Aの方法。
【0071】
代替実施形態L
検査センサ試薬の構成成分を検査センサへの被着前に電気化学的に酸化するためのシステムであって、
該検査センサ試薬の量を保持するレセプタクルと、
該検査センサ試薬と接触するための第1の電極および第2の電極であって、中空内部を有する第1の電極および第2の電極と、
を備え、
バックグラウンド電流が低下した改良検査センサ試薬を産生するために、酸化が該第1の電極または該第2の電極の少なくとも1つで行われる、
システム。
【0072】
代替実施形態M
該第1の電極が対電極であり、白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはそれらの組み合わせを含む、代替実施形態Lのシステム。
【0073】
代替実施形態N
該第2の電極が作用電極であり、白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはそれらの組み合わせを含む、代替実施形態Lのシステム。
【0074】
代替実施形態O
第3の電極をさらに含む、代替実施形態Lのシステム。
【0075】
代替実施形態P
該第3の電極が基準電極であり、銀、塩化銀、塩化水銀またはそれらの組み合わせを含む、代替実施形態Oのシステム。
【0076】
代替実施形態Q
該検査センサ試薬の流れの制御を補助する弁をさらに含む、代替実施形態Lのシステム。
【0077】
代替実施形態R
該レセプタクル、該第1の電極および該第2の電極を連結するための管をさらに含む、代替実施形態Lのシステム。
【0078】
代替実施形態S
該検査センサ試薬が該第2の電極を通過する前に該第1の電極を通過する、代替実施形態Lのシステム。
【0079】
代替実施形態T
検査センサを形成する方法であって、
基部、第2層および複数の電極を提供する工程であって、基部および第2層が流体試料を収容するためのチャネルの形成を補助する、提供する工程と、
改良試薬を該検査センサ上に該複数の電極の少なくとも1つに近接した関係で配置する工程であって、該改良試薬がそのバックグラウンド電流を低下させるために酸化されている、配置する工程と、
を含む方法。
【0080】
代替実施形態U
第1の電極および第2の電極を備えたシステムに検査センサ試薬を通過させることと、該検査センサ試薬中の任意の被酸化性種を酸化するために該第1の電極または該第2の電極の少なくとも1つに電流を印加することとによって、改良試薬が調製される、代替実施形態Tの方法。
【0081】
代替実施形態V
該第2層がスペーサ、蓋またはそれらの組み合わせであり得る、代替実施形態Tの方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査センサ試薬の電気化学的酸化の方法であって、
被酸化性種を有する前記検査センサ試薬を提供する工程と、
第1の電極および第2の電極を有し、還元反応が前記第1の電極にて発生し得、酸化反応が前記第2の電極で発生し得るシステムに、前記検査センサ試薬を通過させる工程と、
前記第1または第2の電極の少なくとも1つに電流を印加する工程と、
バックグラウンド電流が低下した改良検査センサ試薬を産生するために、被酸化性種を酸化する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の電極が対電極であり、前記対電極が白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の電極が作用電極であり、前記作用電極が白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の電極および前記第2の電極が中空であり、前記検査センサ試薬が前記第1の電極および前記第2の電極の内部を通過する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記システムが第3の電極をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の電極が基準電極であり、前記基準電極が銀、塩化銀、塩化水銀またはそれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の電極が中空であり、前記第3の電極の内部表面が塩素処理によって改質されている、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記被酸化性種が前記検査センサ試薬の構成成分からの不純物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記被酸化性種が前記検査センサ試薬の構成成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記検査センサ試薬を前記システムに通過させる工程が重力によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記検査センサ試薬を前記システムに通過させる工程が制御された流れによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
検査センサ試薬の構成成分を検査センサへの被着前に電気化学的に酸化するためのシステムであって、
前記検査センサ試薬の量を保持するレセプタクルと、
前記検査センサ試薬と接触するための第1の電極および第2の電極であって、中空内部を有する第1の電極および第2の電極と、
を備え、
バックグラウンド電流が低下した改良検査センサ試薬を産生するために、酸化が前記第1の電極または前記第2の電極の少なくとも1つで行われる、
システム。
【請求項13】
前記第1の電極が対電極であり、前記対電極が白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の電極が作用電極であり、前記作用電極が白金、炭素、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたはそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
第3の電極をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記第3の電極が基準電極であり、前記第3の電極が銀、塩化銀、塩化水銀またはそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記検査センサ試薬の流れの制御を補助する弁をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記レセプタクル、前記第1の電極および前記第2の電極を連結するための管をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記検査センサ試薬が前記第2の電極を通過する前に前記第1の電極を通過する、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
検査センサを形成する方法であって、
基部、第2層および複数の電極を提供する工程であって、基部および第2層が流体試料を収容するためのチャネルの形成を補助する、提供する工程と、
改良試薬を前記検査センサ上に前記複数の電極の少なくとも1つに近接した関係で配置する工程であって、前記改良試薬がそのバックグラウンド電流を低下させるために酸化されている、配置する工程と、
を含む方法。
【請求項21】
第1の電極および第2の電極を備えたシステムに検査センサ試薬を通過させることと、前記検査センサ試薬中の任意の被酸化性種を酸化するために前記第1の電極または前記第2の電極の少なくとも1つに電流を印加することとによって、改良試薬が調製される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2層がスペーサ、蓋またはそれらの組み合わせである、請求項20に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−506967(P2011−506967A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538074(P2010−538074)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/085818
【国際公開番号】WO2009/076273
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(507021757)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (33)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare LLC