説明

バックライトユニット及び液晶表示装置

【課題】組み付けの容易さを確保しながら、部材の相対位置のずれを抑えることのできるバックライトユニットを提供する。
【解決手段】バックライトユニット10は、導光板20と、導光板20の外周面を取り囲む内側フレーム30と、内側フレーム30の外周面を取り囲む外側フレーム40と、を備えている。内側フレーム30の内周面には、導光板20の外周面に向かって突出する内側突起35が形成されている。内側フレーム30の外周面には、外側フレーム40の内周面に向かって突出する外側突起37が形成されている。内側突起35と外側突起37は、内側フレーム30の一辺である壁部33を挟んで互いに反対側に位置し、且つ、内側フレーム30の壁部33の長さ方向において互いに離れた位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトユニット及び液晶表示装置に関し、特に、バックライトユニットを構成する部材の相対的な位置ずれを低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示される液晶表示装置のバックライトユニットは、導光板と、導光板の外周を取り囲む樹脂によって成型された内側フレームとを備えている。導光板の表側に配置される液晶表示パネルは、この内側フレームに載せられ、当該内側フレームに取り付けられている。また、特許文献1に開示されるバックライトユニットは、内側フレームを取り囲む外側フレームを備えている。外側フレームは、金属によって形成され、液晶表示装置の強度を増している。
【0003】
こういった構造では、内側フレームと導光板との間、及び、内側フレームと外側フレームとの間にクリアランスが設けられている。クリアランスがあることによって、導光板を内側フレームに容易に組み付けることができ、また、内側フレームを外側フレームに容易に組み付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−192769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構造ではクリアランスが設けられているために、内側フレームと、導光板と、外側フレームとの間に位置ずれが生じ易く、そのことが表示領域の位置ずれに繋がるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、組み付けの容易さを確保しながら、部材の相対位置のずれを抑えることのできるバックライトユニット及びそれを含む液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置のバックライトユニットは、導光板と、前記導光板の外周面を取り囲む内側フレームと、前記内側フレームの外周面を取り囲む外側フレームと、を備えている。前記内側フレームの内周面には、前記導光板の外周面に向かって突出する内側突起が形成され、前記内側フレームの外周面と前記外側フレームの内周面のうち一方には、他方に向かって突出する外側突起が形成されている。前記内側突起と前記外側突起は、前記内側フレームの一辺を挟んで互いに反対側に位置し、且つ、前記内側フレームの前記一辺の長さ方向において互いに離れた位置に設けられている。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は上記バックライトユニットを備えている。
【0009】
本発明によれば、内側フレームに対する導光板の位置ずれを内側突起によって抑えることができる。また、外側フレームに対する内側フレームの位置ずれを外側突起によって抑えることができる。さらに、本発明では、内側突起と外側突起は内側フレームの一辺の長さ方向において互いに離れた位置に設けられている。そのため、それら3つの部材を互いに組み付ける際、内側フレームの上記一辺を凹ませることができ、組み付けの容易さを確保できる。例えば、導光板が既に嵌められた内側フレームを外側フレームに嵌める際には、内側フレームの外側突起が形成された部分(或いは、外側突起が当る部分)を凹ませることができる。その結果、それら2つの部材を外側フレームに嵌めることができる。
【0010】
本発明の一態様では、前記内側突起は前記導光板の外周面に当っていてもよい。この態様によれば、導光板の内側フレームに対する位置ずれをより確実に抑えることができる。
【0011】
また、本発明の他の態様では、前記内側フレームの前記内周面には、複数の前記内側突起が形成されてもよい。この態様によれば、導光板の位置を内側フレーム内でさらに安定させることができる。
【0012】
また、本発明の他の態様では、前記内側フレームの前記外周面と前記外側フレームの前記内周面のうち前記一方には、複数の前記外側突起が形成されてもよい。この態様によれば、内側フレームの位置を外側フレーム内でさらに安定させることができる。
【0013】
また、本発明の他の態様では、前記内側フレームの外周面と前記外側フレームの内周面のうち前記一方には、前記他方に向かって突出する第2の外側突起が形成され、前記第2の外側突起は、前記内側フレームの前記一辺とは反対側の辺の外側に位置してもよい。この態様によれば、外側フレームに対する内側フレームの位置ずれをさらに効果的に抑えることができる。
【0014】
また、この態様では、前記内側フレームの前記反対側の辺には、前記導光板の外周面に向かって突出する第2の内側突起が形成されてもよい。この態様によれば、内側フレームに対する導光板の位置ずれをさらに効果的に抑えることができる。
【0015】
この態様において、さらに、前記第2の内側突起と前記第2の外側突起は、前記内側フレームの前記一辺とは前記反対側の辺に対して対称となる位置に設けられてもよい。こうすることによって、内側フレームの第2の外側突起が形成された部分(或いは、第2の外側突起が当る部分)が凹むことを、第2の内側突起によって阻止できる。そのため、内側フレームが外側フレームから外れ難くなる。
【0016】
また、本発明の他の態様では、前記外側突起は、前記内側フレームの外周面と前記外側フレームの内周面のうち前記他方に係合してもよい。この態様によれば、内側フレームの外側フレームからの分離を抑えることができる。
【0017】
また、この態様では、前記内側フレームの外周面と前記外側フレームの内周面のうち前記他方には、前記外側突起が嵌る穴が形成されてもよい。こうすることによって、内側フレームの外側フレームからの分離を、さらに効果的に抑えることができる。また、内側フレームの外周面と外側フレームの内周面との間のクリアランスを低減できる。なお、内側フレームの外周面と外側フレームの内周面との間のクリアランスを低減した場合でも、内側フレームの外側突起が形成された部分(或いは、外側突起が当る部分)を凹ませることで、内側フレームを外側フレームに嵌めることができ、組み付けの容易さを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るバックライトユニットを有する液晶表示装置の分解斜視図である。
【図2】上記バックライトユニットの平面図である。同図においては、上記バックライトユニットが有する導光板、内側フレーム、及び外側フレームのみが示されている。
【図3】図2に示すIII−III線での断面図である。
【図4】図2の要部の拡大図である。同図では内側フレームに形成された突起が示されている。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るバックライトユニットの平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニットの平面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るバックライトユニットの平面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニットの平面図である。
【図9】本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係るバックライトユニット10を備える液晶表示装置1の分解斜視図である。図2は上記バックライトユニット10の平面図である。図2においては、バックライトユニット10を構成する導光板20、内側フレーム30及び外側フレーム40が示されている。図3は図2に示すIII−III線でのバックライトユニット10の断面図である。図4は図2の要部の拡大図であり、同図では、内側フレーム30に形成された第1内側突起35及び第1外側突起37が示されている。なお、以下の説明では液晶表示パネル2とバックライトユニット10とが向き合う方向を上下方向とする。また、図1においてX1−X2の示す方向を左右方向とし、Y1−Y2の示す方向を前後方向とする。
【0020】
図1に示すように、液晶表示装置1は液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2を裏面側から照らすバックライトユニット10とを有している。なお、液晶表示装置1は、例えば、携帯電話や、デジタルカメラ、PDA(Personal Data Assistance)などの携帯機器に搭載される小型の表示装置である。
【0021】
液晶表示パネル2は光透過性を有する一対の基板2a,2b(ガラス基板)を含み、それらの間に液晶が封入されている。基板2aには、薄膜トランジスタ、電極、及び配線などが形成され、基板2bにはカラーフィルターが形成されている。基板2aには、トランジスタを駆動する駆動用の集積回路などが実装されたフレキシブル配線板2eが取り付けられている。この例では、フレキシブル配線板2eは基板2aの前側の縁は取り付けられている。基板2a,2bの表側及び裏側には偏光板2c,2dが貼り付けられている(図3参照)。
【0022】
図1に示すように、バックライトユニット10は、フレキシブルプリント配線板12と、導光板20と、複数の光学シート11と、反射シート13とを有している。また、バックライトユニット10は内側フレーム30と外側フレーム40とを有している。
【0023】
配線板12には複数の光源(例えば、LED(Light Emitting Diode))12bが実装されている。ここで示す例では、光源12bは配線板12の裏面側に配置されている。また、配線板12は、光源12bが導光板20の外周面(導光板20の厚さを規定する面)における前側の部分20cと対向するように配置され、導光板20の前側の縁に取り付けられる。例えば図1に示すように、外周面における前側部分20cに突起20bが形成され、その突起20bの上面に配線板12は取り付けられる。
【0024】
なお、配線板12の導光板20への取付構造や、光源12bの位置は、ここで説明したものに限られず、適宜変更されてよい。例えば、配線板12を設けることなく、液晶表示パネル2に取り付けられた配線板2eに光源12bに実装してもよい。この場合、光源12bが導光板20の外周面と向きあうように、配線板2eは屈曲させて配置される。
【0025】
導光板20は、略矩形の板状の部材である。導光板20は、光透過性や光拡散性を有する材料(例えば、アクリル樹脂)によって形成されている。そのため、光源12bの光は、導光板20内を乱反射しながら、導光板20の全域に広がり、これによって、導光板20は面発光する。すなわち、導光板20はその表面の全体から概ね均一に光を放つ。
【0026】
複数の光学シート11は導光板20上で層状に配置されている。光学シート11は例えば拡散シートやプリズムシートである。光学シート11の上方に液晶表示パネル2が配置されている(図3参照)。
【0027】
導光板20の裏面(下面側)には反射シート13が配置されている。反射シート13の外周縁は内側フレーム30の下面に取り付けられている。
【0028】
内側フレーム30は導光板20の外周を取り囲む枠である。内側フレーム30は矩形であり、その4つの辺として上壁部31、下壁部32、右壁部33、及び、左壁部34を有している(図2参照)。これら壁部31,32,33,34はそれぞれ、断面(それらの長手方向に直交する面を切断面とする断面)矩形の細長い棒状に形成され、それらが互いに連結し、矩形の内側フレーム30を形成している。内側フレーム30は樹脂によって一体的に成型されている。なお、内側フレーム30は、後述するようにその一部が凹むよう弾性変形可能となっている。内側フレーム30の材料は、そのような弾性変形を許容する材料であれば、必ずしも樹脂でなくてもよい。
【0029】
図3に示すように、液晶表示パネル2の外周部は内側フレーム30上に配置され、液晶表示パネル2は内側フレーム30によって支持されている。内側フレーム30の上面(各壁部31,32,33,34の上面)には、両面テープ14が配置されている。テープ14は内側フレーム30に対応した形状を有する、四角い枠状である(図1参照)。液晶表示パネル2の外周部はテープ14によって、内側フレーム30の上面に取り付けられている。
【0030】
外側フレーム40は内側フレーム30の外周面を取り囲むように形成されている。この例では、外側フレーム40は、図1又は図3に示すように、上方に開いた箱状に形成され、内側フレーム30、導光板20等を収容している。外側フレーム40は矩形の底板部45を有し、導光板20や内側フレーム30は底板部45上に配置されている。また、外側フレーム40は、底板部45の縁で立ち、内側フレーム30の外周面を取り囲む枠状の外周壁を有している。この外周壁は全体として矩形であり、その4つの辺として、上壁部41、下壁部42、右壁部43、及び、左壁部44を含んでいる。外側フレーム40は金属によって形成され、バックライトユニット10の剛性を確保している。また、バックライトユニット10が携帯電話等の機器に搭載された時には、外側フレーム40が機器の筐体に固定される。なお、外側フレーム40の材料は、バックライトユニット10の剛性を確保できる材料であれば、必ずしも金属でなくてもよい。
【0031】
図2に示すように、内側フレーム30の内周面(導光板20の外周面と向き合う面)は、導光板20の外周面のうち側面20aに向かって内方に突出する複数の突起35,36を有している。これらの突起35,36は内側フレーム30と一体的に成型されている。
【0032】
突起35と突起36は、内側フレーム30の互いに反対側に位置する2つの辺(壁部)にそれぞれ形成されている。この例では、右壁部33に複数(図2においては2つ)の突起35(以下、第1内側突起とする)が形成されている。2つの第1内側突起35は右壁部33の長さ方向(この例では、前後方向(Y1−Y2方向))で互いに離れて位置している。また、導光板20を挟んで右壁部33とは反対側に位置する左壁部34に、複数(図2においては2つ)の突起(以下、第2内側突起とする)36が形成されている。2つの第2内側突起36は左壁部34の長さ方向(前後方向)に離れて位置している。
【0033】
導光板20は第1内側突起35と第2内側突起36との間に配置されている。そのため、導光板20の側面20aと内側フレーム30の内周面(具体的には、右壁部33の内側の面と、左壁部34の内側の面)との間に隙間B(図4参照)が設けられている。
【0034】
なお、右壁部33と左壁部34には、さらに多くの第1内側突起35と第2内側突起36が形成されてもよい。この場合においても、複数の第1内側突起35は、右壁部33の長さ方向において互いに離れて位置し、複数の第2内側突起36は、左壁部34の長さ方向において互いに離れて位置する。
【0035】
ここで示す例では、右壁部33と左壁部34とが向き合う方向(この例では、左右方向)における第1内側突起35と第2内側突起36との間隔は、導光板20の幅W1に概ね合致している。そのため、第1内側突起35の先端と第2内側突起36の先端は、それぞれ導光板20の側面20aに当っており、導光板20は第1内側突起35と第2内側突起36とに挟まれている。これによって、内側フレーム30に対する導光板20の位置ずれが規制されている。
【0036】
なお、第1内側突起35の先端と導光板20の側面20aとの間、及び、第2内側突起36の先端と導光板20の側面20aとの間には、僅かな隙間が設けられてもよい。この場合においても、内側フレーム30に対する導光板20の位置ずれを低減できる。
【0037】
また、この例の第1内側突起35の表面と第2内側突起36の表面は、その中心が内側フレーム30の内方に向けて膨らむように湾曲している。換言すると、第1内側突起35の表面と第2内側突起36の表面は、球或いは楕円体の表面の一部を形成するように湾曲している。そのため、導光板20を内側フレーム30の内側に嵌め易くなっている。
【0038】
図2に示すように、内側フレーム30の外周面には、外側フレーム40の外周壁(上述した壁部41,42,43,44)の内周面に向かって突出する複数の突起37,38が形成されている。これら突起37,38も、内側突起35,36と同様に、内側フレーム30と一体的に成型されている。
【0039】
突起37と突起38は、内側フレーム30の、互いに反対側に位置する2つの辺(壁部)にそれぞれ形成されている。この例では、第1内側突起35と同数(この例では2つ)の突起37(以下、第1外側突起)が右壁部33に形成され、各第1外側突起37は隣接する第1内側突起35と対をなしている。2つの第1外側突起37は、右壁部33の長さ方向に互いに離れて位置している。また、右壁部33とは反対側の左壁部34には、第2内側突起36と同数(この例では2つ)の突起38(以下、第2外側突起)が形成されている。各第2外側突起38は隣接する第2内側突起36と対をなしている。2つの第2外側突起38は左壁部34の長さ方向に互いに離れて位置している。
【0040】
さらに、ここで説明する例では、左壁部34の長さ方向における第2外側突起38の位置は、右壁部33の長さ方向における第1外側突起37の位置と一致している。すなわち、第1外側突起37と第2外側突起38は、内側フレーム30の左右方向の中心線C2に対して互いに対称となる位置に位置している。
【0041】
外側突起37,38は、それぞれ外側フレーム40の右壁部43,44に係合している。詳細には、図1又は図3に示すように、右壁部43,44には、外側突起37,38に対応して位置する複数の係合穴40aが形成さている。外側突起37,38は係合穴40aに嵌っている。なお、図4に示すように、この例の外側突起37,38は、内側突起35,36とは異なって、略直方体に形成されている。そのため、外側突起37,38は、その表面の中心が膨らむよう湾曲した形状に比べて、係合穴40aから抜け難くなっている。
【0042】
なお、この例では、図2に示すように、外側フレーム40の内幅W2は内側フレーム30の外幅(右壁部33の外面と左壁部34の外面との距離)に相応している。内側フレーム30の左右の側面が外側フレーム40の内周面にあたることによって、内側フレーム30の外側フレーム40に対する位置ずれが規制される。
【0043】
図2に示すように、第1内側突起35と第1外側突起37は、内側フレーム30の一辺(この例では、右壁部33)を挟んで互いに反対側に位置している。すなわち、第1内側突起35と第1外側突起37は、右壁部33の内側と外側とにそれぞれ位置している。また、第1内側突起35と第1外側突起37は、右壁部33の長さ方向において互いに離れた位置に設けられている。すなわち、第1内側突起35は、右壁部33に対して第1外側突起37とは対称となる位置から長さ方向に離れた位置に設けられている。
【0044】
さらに、図4に示すように、第1内側突起35と第1外側突起37は右壁部33の長さ方向で重なる部分を有していない。すなわち、第1内側突起35のいずれの部分も、第1外側突起37の反対側に位置していない。そのため、第1内側突起35の端部(第1外側突起37寄りの端部)と、第1外側突起37の端部(第1内側突起35寄りの端部)との間には、右壁部33の長さ方向の間隔Aが設けられている。また、この例では、図2に示すように、2つの第1内側突起35の間隔は、2つの第1外側突起37の間隔よりも小さくなっている。
【0045】
このように、第1内側突起35と第1外側突起37は、右壁部33の長さ方向において互いに離れた位置に設けられている。そのため、導光板20が内側に嵌められた内側フレーム30を外側フレーム40に嵌める作業において、図4の二点鎖線で示すように、右壁部33における第1外側突起37が形成された部分Dを凹ませることができる。換言すると、右壁部33の上記部分Dが凹むことができるように、右壁部33の剛性(具体的には、右壁部33の厚さや内側フレーム30の材料など)が設定されている。内側フレーム30と外側フレーム40との組み付け作業においては、右壁部33の上記部分Dを一旦凹ませて、第1外側突起37を外側フレーム40の係合穴40aに嵌めることができる。
【0046】
また、ここで説明する例では、第1内側突起35の表面(導光板20の側面に向いた面)が、その中心が膨らむように湾曲しているため、第1内側突起35が直方体に形成されている場合に比べて、右壁部33は凹み易くなっている。
【0047】
さらに、図4に示すように、ここで説明する例では、第1内側突起35の突出幅W3は第1外側突起37の係合穴40aに嵌る部分の幅W4よりも大きくなっている。そのため、右壁部33の上記部分Dが凹んだ時に、部分Dは導光板20の側面20aに当らない。
【0048】
図2に示すように、第2内側突起36と第2外側突起38は、第1内側突起35と第1外側突起37とが形成された辺(右壁部33)とは反対側の辺(左壁部34)を挟んで互いに反対側に位置している。すなわち、第2内側突起36と第2外側突起38は、左壁部34の内側と外側にそれぞれ位置している。第2内側突起36は、左壁部34に対して第2外側突起38の位置とは対称となる位置に位置している。すなわち、第2内側突起36と第2外側突起37は、左壁部34の長さ方向において互いに重なる位置に設けられている。この例では、左壁部34の長さ方向における第2内側突起36の中心線C1は、第2外側突起38の中心線と一致している。
【0049】
そのため、導光板20が内側フレーム30に嵌められた状態では、左壁部34における第2外側突起38が形成された部分は第2内側突起36が障害となって凹むことができない。その結果、第2外側突起38は係合穴40aから外れ難くなっている。
【0050】
導光板20、内側フレーム30、及び外側フレーム40の組み付けは、例えば、次のように行われる。まず、導光板20を内側フレーム30の内側に嵌める。次に、第2外側突起38を、外側フレーム40の左壁部44に形成された係合穴40aに嵌める。その後、右壁部33における第1外側突起37が形成された部分Dを凹ませながら、第1外側突起37を外側フレーム40の右壁部43に形成された係合穴40aに嵌める。なお、これらの部材の組み付けは、この手順に限定されず、これらの部材は他の手順で組み付けられてもよい。
【0051】
以上、説明したように、バックライトユニット10では、内側フレーム30の内周面には、導光板20の外周面(以上の説明では側面20a)に向かって突出する内側突起35,36が形成されている。また、内側フレーム30の外周面には、外側フレーム40の内周面に向かって突出する外側突起37,38が形成されている。第1内側突起35と第1外側突起37は、内側フレーム30の一辺(右壁部33)を挟んで互いに反対側に位置し、且つ、内側フレーム30の当該一辺の長さ方向において互いに離れた位置に設けられている。
【0052】
このようなバックライトユニット10によれば、内側フレーム30に対する導光板20の位置ずれを内側突起35,36によって抑えることができる。また、外側フレーム40に対する内側フレーム30の位置ずれを外側突起37,38によって抑えることができる。
【0053】
さらに、第1内側突起35と第1外側突起37は内側フレーム30の右壁部33の長さ方向において互いに離れた位置に設けられているため、内側フレーム30の第1外側時37が形成された部分を凹ませることができる。そのため、導光板20、内側フレーム30、及び外側フレーム40の組み付けの容易さを確保できる。特に、内側フレーム30と外側フレーム40との間のクリアランスを低減した場合でも、内側フレーム30の右壁部33を凹ませることによって、内側フレーム30を外側フレーム40に組み付けることができる。そして、内側フレーム30と外側フレーム40との間のクリアランスを低減することによって、内側フレーム30の位置ずれを抑えることができる。
【0054】
また、液晶表示装置1では、内側フレーム30に液晶表示パネル2が取り付けられている。そのため、外側フレーム40に対する液晶表示パネル2の位置も適切になる。その結果、バックライトユニット10が電子機器に搭載され、外側フレーム40がその電子機器に固定されたとき、電子機器における表示領域の位置(電子機器における液晶表示パネル2の位置)も適切になる。
【0055】
なお、本発明は以上説明したバックライトユニット10に限られず、種々の変更が可能である。
【0056】
例えば、以上の説明では、2つの第1内側突起35の間隔が、2つの第1外側突起37の間隔よりも小さくなっており、後側の第1内側突起35は第1外側突起37から前方に離れて位置し、前側の第1内側突起35は第1外側突起37から後方に離れて位置していた。しかしながら、2つの第1内側突起35は、対となる第1外側突起37から同じ方向に離れていてもよい。図5はこの形態に係るバックライトユニット10Aの平面図である。なお、図5において、以上説明したバックライトユニット10と同一箇所には同一符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0057】
バックライトユニット10Aでは、内側フレーム30Aの右壁部33には2つの第1内側突起35Aが形成されている。各第1内側突起35Aは、対となる外側突起37から前方に離れて位置している。なお、図5に示す例では、内側フレーム30Aの左壁部34Aには、2つの第2内側突起36Aが形成されている。この例では、各第2内側突起36も、対となる第2外側突起38から前方に離れて位置している。
【0058】
また、以上の説明では、内側フレーム30には、第1外側突起37と同数の第1内側突起35が形成され、各第1内側突起35は第1外側突起37と対をなすように、すなわち、いずれかの第1外側突起37と特に近くになるように配置されていた。しかしながら、第1外側突起37の数と第1内側突起35の数は同じでなくてもよい。図6と図7は、それぞれ、この形態に係るバックライトユニット10B,10Cの平面図である。これらの図においても、バックライトユニット10と同一箇所には同一符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0059】
図6に示すように、バックライトユニット10Bでは、内側フレーム30Bの右壁部33Bには、複数(図6では2つ)の第1外側突起37が設けられている。また、右壁部33Bには、第1外側突起37よりも少ない第1内側突起35Bが設けられている。具体的には、図6の例では、1つの第1内側突起35Bが右壁部33に形成されている。第1内側突起35Bは2つの第1外側突起37から等距離の位置に位置している。なお、この形態において、さらに多くの第1内側突起35B及び第1外側突起37が設けられる場合には、各第1内側突起35Bは、隣接する2つの第1突起37から等距離の位置に配置されてもよい。
【0060】
図7に示すように、バックライトユニット10Cでは、内側フレーム30Cの右壁部33Cには、複数(図7では2つ)の第1内側突起35Cが設けられている。また、右壁部33には、第1内側突起35Cよりも少ない第1外側突起37Cが設けられている。具体的には、図7の例では、1つの第1外側突起37Cが右壁部33Cに形成されている。2つの第1内側突起35Cは、第1外側突起37Cから等距離の位置に配置されている。なお、この形態においても、さらに多くの第1内側突起35C及び第1外側突起37が設けられる場合には、各第1内側突起35Cは、隣接する2つの第1突起37から等距離の位置に配置されてもよい。
【0061】
また、バックライトユニット10では、右壁部33に形成された第1外側突起37と、左壁部34に形成された第2外側突起38は、内側フレーム30の左右方向における中心線C2に対して対称となる位置に配置されていた。しかしながら、第1外側突起37と第2外側突起38のうち一方は、他方に対して前方或いは後方にずれた位置に設けられてもよい。図8は、この形態に係るバックライトユニット10Dの平面図である。この図においても、バックライトユニット10と同一箇所には同一符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0062】
バックライトユニット10Dにおいても、バックライトユニット10と同様に、右壁部33Dに複数(図8では2つ)の第1外側突起37Dが形成されている。壁部33,34の長さ方向(前後方向)における第1外側突起37Dの位置は、左壁部34に形成された第2外側突起38の位置に対して、前方又は後方にずれている。具体的には、後側の第1外側突起37Dは前方にずれており、前側の第1外側突起37Dは後方にずれている。そのため、2つの第1外側突起37Dの間隔は、2つの第2外側突起38の間隔よりも小さくなっている。なお、バックライトユニット10Dにおいては、2つの第1外側突起37Dのさらに内側に、2つの第1内側突起35Dが設けられている。
【0063】
また、以上の説明では、第1外側突起37と第2外側突起38は、内側フレーム30の外周面に形成されていた。しかしながら、第1外側突起37と第2外側突起38は、外側フレーム40の外周壁の内周面に形成されてもよい。図9は、この形態に係るバックライトユニット10Eの平面図である。
【0064】
バックライトユニット10Eは外側フレーム40Eを有している。外側フレーム40Eは、上壁部41Eと、下壁部42Eと、右壁部43Eと、左壁部44Eとを有し、これら壁部41E,42E,43E,44Eは内側フレーム30Eを取り囲んでいる。右壁部43Eには、内側フレーム30の外周面(具体的には、右壁部33の外側の面)に向けて突出する複数(図9では2つ)の第1外側突起47Eが形成され、左壁部44Eには、内側フレーム30Eの外周面(具体的には、左壁部34の外側の面)に向けて突出する複数(図9では2つ)の第2外側突起48Eが形成されている。
【0065】
第1外側突起47Eと第2外側突起48Eは、内側フレーム30Eの外周面と係合している。具体的には、内側フレーム30の右壁部33の外側の面と、左壁部34の外側の面とには係合穴30aが形成され、各係合穴30aに第1外側突起47Eと第2外側突起48Eが嵌っている。
【0066】
内側フレーム30Eには第1内側突起35と第2内側突起36とが形成されている。第1内側突起35と第1外側突起47Eは、内側フレーム30Eの右壁部33Eを挟んで互いに反対側に位置し、且つ、右壁部33Eの長手方向において互いに離れて位置している。そのため、内側フレーム30Eを外側フレーム40Eに嵌める際に、右壁部33Eの第1外側突起47Eが当る部分を凹ますことができ、これによって、組み付けの容易さを確保できている。一方、第2内側突起36と第2外側突起48Eは、内側フレーム30の左壁部34に対して対称となる位置に位置している。
【0067】
また、バックライトユニット10では、第1外側突起37と第1内側突起35とは反対側に、第2外側突起38と第2内側突起36とが設けられていた。しかしながら、このような第2外側突起38や第2内側突起36は設けられていなくてもよい。この場合、導光板20と内側フレーム30の左壁部34とが直接的に当たることによって、内側フレーム30に対する導光板20の位置ずれが抑えられる。また、内側フレーム30の左壁部34と外側フレーム40の左壁部44とが直接的に当たることによって、外側フレーム40に対する内側フレーム30の位置ずれが抑えられる。
【符号の説明】
【0068】
1 液晶表示装置、2 液晶表示パネル、10,10A,10B,10C,10D,10E バックライトユニット、11 光学シート、12 フレキシブルプリント配線板、12b 光源、13 反射シート、20 導光板、20a 側面、30,30A,30B,30C,30E 内側フレーム、30a 係合穴、33,33B,33C,33D,33E 右壁部(内側フレームの一辺)、34,34A 左壁部(反対側の辺)、35,35A,35B,35C 第1内側突起、36,36A 第2内側突起、37,37C,37D 第1外側突起、38 第2外側突起、40,40E 外側フレーム、40a 係合穴、43,43E 右壁部、44,44E 左壁部、47E 第1外側突起,48E 第2外側突起。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、
前記導光板の外周面を取り囲む内側フレームと、
前記内側フレームの外周面を取り囲む外側フレームと、を備え、
前記内側フレームの内周面には、前記導光板の外周面に向かって突出する内側突起が形成され、
前記内側フレームの外周面と前記外側フレームの内周面のうち一方には、他方に向かって突出する外側突起が形成され、
前記内側突起と前記外側突起は、前記内側フレームの一辺を挟んで互いに反対側に位置し、且つ、前記内側フレームの前記一辺の長さ方向において互いに離れた位置に設けられている、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のバックライトユニットにおいて、
前記内側突起は前記導光板の外周面に当っている、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のバックライトユニットにおいて、
前記内側フレームの前記内周面には、複数の前記内側突起が形成されている、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項4】
請求項1に記載のバックライトユニットにおいて、
前記内側フレームの前記外周面と前記外側フレームの前記内周面のうち前記一方には、複数の前記外側突起が形成されている、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項5】
請求項1に記載のバックライトユニットにおいて、
前記内側フレームの外周面と前記外側フレームの内周面のうち前記一方には、前記他方に向かって突出する第2の外側突起が形成され、
前記第2の外側突起は、前記内側フレームの前記一辺とは反対側の辺の外側に位置している、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のバックライトユニットにおいて、
前記内側フレームの前記反対側の辺には、前記導光板の外周面に向かって突出する第2の内側突起が形成されている、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項7】
請求項6に記載のバックライトユニットにおいて、
前記第2の内側突起と前記第2の外側突起は、前記内側フレームの前記一辺とは前記反対側の辺に対して対称となる位置に設けられている、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項8】
請求項1に記載のバックライトユニットにおいて、
前記外側突起は、前記内側フレームの外周面と前記外側フレームの内周面のうち前記他方に係合している、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項9】
請求項8に記載のバックライトユニットにおいて、
前記内側フレームの外周面と前記外側フレームの内周面のうち前記他方には、前記外側突起が嵌る穴が形成されている、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項10】
請求項1に記載のバックライトユニットを備える液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−84414(P2012−84414A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230075(P2010−230075)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】