バックライトユニット及び表示装置
【課題】光利用効率を向上させると共に光吸収による光量の低下を抑制した光学シート、バックライトユニット及び表示装置を提供する。
【解決手段】平板状の基材2と、基材2の一面に設けられた第1及び第2レンズアレイ3、4とを備え、第1レンズアレイ3は、一面においてX方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第1レンズ5を備え、第2レンズアレイ4は、一面においてY方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第2レンズ6を備え、第2レンズ6が、複数の第1レンズ5の谷部に配置された複数のサブレンズ7を有し、第1、第2レンズアレイのスフィックスをそれぞれ1、2とするとき、高さT1が、高さT2以上であり、ピッチP1が、ピッチP2以上であり、幅W1/P1が、0.5以上0.8以下であり、幅W2/P2が、0.8以上1以下であり、X方向とY方向とのなす角が、60°以上120°以下である。
【解決手段】平板状の基材2と、基材2の一面に設けられた第1及び第2レンズアレイ3、4とを備え、第1レンズアレイ3は、一面においてX方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第1レンズ5を備え、第2レンズアレイ4は、一面においてY方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第2レンズ6を備え、第2レンズ6が、複数の第1レンズ5の谷部に配置された複数のサブレンズ7を有し、第1、第2レンズアレイのスフィックスをそれぞれ1、2とするとき、高さT1が、高さT2以上であり、ピッチP1が、ピッチP2以上であり、幅W1/P1が、0.5以上0.8以下であり、幅W2/P2が、0.8以上1以下であり、X方向とY方向とのなす角が、60°以上120°以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学シート、バックライトユニット及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータなどのモニタ装置として液晶表示装置が用いられている。このような液晶表示装置においては、液晶パネルの背面に配置された光源から液晶パネルに照明光を照射する、いわゆるバックライト方式が採用されている。
バックライト方式に用いられるバックライトユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFL)などの光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂などからなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆるエッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
【0003】
このようなバックライトユニットにおける光利用効率を向上させるため、拡散板と液晶パネルとの間に集光機能を有するプリズムシートを配置することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。このプリズムシートは、シート状の基材上に断面三角形状である複数のプリズムを互いに平行に配置した構成となっている。このようなプリズムシートは、主にプリズムの配列方向において光利用効率の向上が期待できるため、プリズムの配列方向を互いに直交させた2枚のプリズムシートを組み合わせた状態で用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平1−37801号公報
【特許文献2】特開平6−102506号公報
【特許文献3】特表平10−506500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の光学シートには、以下の課題が残されている。すなわち、上述したプリズムシートでは、液晶表示装置に組み込んだ際に観察者に視認されないシート正面方向に対する90°近傍の斜め方向において光が無駄に射出してしまう。このように、シートの横方向から無駄に射出される光であるサイドローブが発生することで、光利用効率が低下するという問題がある。また、プリズムシートを2枚組み合わせた状態で用いるため、シートにおける光吸収により光量が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、光利用効率を向上させると共に光吸収による光量の低下を抑制した光学シート、バックライトユニット及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の光学シートは、平板状の基材と、該基材の一面に設けられた第1及び第2レンズアレイとを備え、該第1レンズアレイは、前記一面において一方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第1レンズを備え、前記第2レンズアレイは、前記一面において前記一方向と交差する他方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第2レンズを備え、該第2レンズが、前記複数の第1レンズの谷部に配置された複数のサブレンズを有し、前記第1レンズのピッチをP1、前記第1レンズの幅をW1、前記第1レンズの高さをT1、前記第2レンズのピッチをP2、前記第2レンズの幅をW2、前記第2レンズの高さをT2としたときに、前記高さT1が、前記高さT2以上であり、前記ピッチP1が、前記ピッチP2以上であり、前記幅W1と前記ピッチP1との比であるW1/P1が、0.5以上0.8以下であり、前記幅W2と前記ピッチP2との比であるW2/P2が、0.8以上1以下であり、前記一方向と前記他方向とのなす角が、60°以上120°以下であり、前記第1レンズは、弧状表面を有する頂部と、該頂部から前記一面に至る一対の側面部とを有し、該一対の側面部それぞれが、前記一面から前記頂部に向かうにしたがって互いに近接しており、前記第1レンズの頂部の頂点を通る幅方向中心から前記第1レンズの幅W1の0.1倍だけ離れた2点における前記第1レンズの外縁の接線に対する法線同士の交点を中心とし、この2点を通る円の半径をフィッティング曲率半径Rt1と称するとき、該フィッティング曲率半径Rt1が、前記幅W1の0.15倍以上0.3倍以下であり、前記第1レンズの断面形状は、前記一面の法線方向をZ軸、前記第1レンズの幅方向における幅方向中心からの位置をrとしたときに、係数R、A、B、Cを用いてZ=(r2/R)/(1+√(1−(1+k)×(r/R)2))+Ar2+Br4+Cr6で表され、前記ピッチP1を1と正規化したときに、前記係数(1/R)が、−10より大きく10未満であり、前記係数Aが、−5より大きく5未満であり、前記係数Bが、−10より大きく10未満であり、前記係数Cが、−30より大きく30未満であることを特徴とする。
【0008】
この発明では、一面に一方向に沿って延在する複数の第1レンズと他方向に沿って延在する複数の第2レンズとを設けることで、第1及び第2レンズそれぞれの延在方向に対する直交方向における集光拡散効果が十分に得られる。したがって、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
すなわち、複数の第1レンズそれぞれは、第1レンズの延在方向に対する直交方向において光学シートに入射した光を集光させる。また、複数の第2レンズそれぞれは、第2レンズの延在方向に対する直交方向において光学シートに入射した光を集光させる。
ここで、W1/P1を0.5以上とすることで、主に第1レンズの延在方向である一方向に対する直交方向における視野角が確保できる。また、W1/P1を0.8以下とすることで、光学シートの横方向から無駄に射出される光であるサイドローブの発生を抑制できる。そして、W2/P2を0.8以上とすることで、間隔をあけて配置された複数の第1レンズの間から射出する光を集光し、光学シートの正面方向における輝度を向上させることができる。さらに、第1及び第2レンズそれぞれの延在方向のなす角を60°以上120°以下とすることで、光学シートを組み込んだ表示装置におけるモアレの発生を抑制できる。
また、頂部を曲面とすることで、三角プリズム形状であることと比較して高い光の拡散効果を有するため、一方向においてより広い視野角を確保できる。
また、フィッティング曲率半径を幅W1の0.3倍以下とすることで、第1レンズによる集光効果を維持し、光学シートに対する正面輝度を向上させることができる。
また、フィッティング曲率半径を幅W1の0.15倍以上とすることで、第1レンズの成形性を維持できる。
また、係数(1/R)を−10より大きく10未満、係数Aを−5より大きく5未満とすることで、第1レンズの外縁形状における頂部のフィッティング曲率半径が幅W1の0.15倍以上0.3倍以下となる。
また、係数Bを−10より大きく10未満、係数Cを−30より大きく30未満とすることで、第1レンズによって十分な正面輝度を得ることができる。
なお、第1レンズの頂部における外縁形状は、kが0のときに正円、kが−1より大きく0未満のときに楕円、kが−1のときに放物線、kが−1未満のときに双曲線となる。
【0009】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズは、弧状表面を有する頂部と、該頂部から前記一面に至る一対の側面部とを有し、該一対の側面部それぞれが、前記一面から前記頂部に向かうにしたがって互いに近接することが好ましい。
この発明では、上述と同様に、頂部を曲面とすることで、高い光の拡散効果を有するため、他方向においてより広い視野角を確保できる。
【0010】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズの前記頂部におけるフィッティング曲率半径が、前記幅W2の0.15倍以上0.3倍以下であることが好ましい。
この発明では、上述と同様に、フィッティング曲率半径を幅W2の0.15倍以上0.3倍以下とすることで、光学シートに対する正面輝度を向上させることができると共に、第2レンズの成形性を維持できる。
【0011】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズの断面形状は、前記一面の法線方向をZ軸、前記第2レンズの幅方向における幅方向中心からの位置をsとしたときに、係数S、D、E、Fを用いてZ=(s2/S)/(1+√(1−(1+j)×(s/S)2))+Ds2+Es4+Fs6で表され、前記ピッチP2を1と正規化したときに、前記係数(1/S)が、−10より大きく10未満であり、前記係数Dが、−5より大きく5未満であり、前記係数Eが、−10より大きく10未満であり、前記係数Fが、−30より大きく30未満であることが好ましい。
この発明では、係数(1/S)を−10より大きく10未満、係数Dを−5より大きく5未満とすることで、第2レンズの外縁形状における頂部のフィッティング曲率半径が幅W2の0.15倍以上0.3倍以下となる。
また、係数Eを−10より大きく10未満、係数Fを−30より大きく30未満とすることで、第2レンズによって十分な正面輝度を得ることができる。
なお、第2レンズの頂部における外縁形状は、jが0のときに正円、jが−1より大きく0未満のときに楕円、jが−1のときに放物線、jが−1未満のときに双曲線となる。
【0012】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズは、断面が三角形状のプリズムレンズであることが好ましい。
この発明では、第2レンズをプリズムレンズとすることで、より十分な正面輝度が得られる。
【0013】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズの頂角が、80°以上105°以下であることが好ましい。
この発明では、上述と同様に、頂角を80°以上105°以下にすることで、レンズによる集光効果を維持して光学シートに対する正面輝度を向上させることができると共に、他方向における視野角を確保できる。
【0014】
また、本発明の光学シートは、前記第1及び第2レンズアレイが、同一材料で形成されていることが好ましい。
この発明では、第1及び第2レンズアレイを同一材料で形成することで、第1及び第2レンズアレイの製造工程の簡略化が図れる。
【0015】
また、本発明の光学シートは、前記ピッチP1及び前記ピッチP2の少なくとも一方が、ランダムであることが好ましい。
この発明では、第1及び第2レンズの少なくとも一方の配列間隔に規則性を持たせないことで、光学シートを組み込んだ表示装置におけるモアレの発生をより確実に抑制できる。ここで、ランダムとは、一のレンズとこのレンズと隣り合う一方のレンズとの間隔と、一のレンズと隣り合う他方のレンズとの間隔とが異なることなどをいう。
【0016】
また、本発明の光学シートは、前記高さT1及び前記高さT2それぞれが、一定であることが好ましい。
この発明では、第1及び第2レンズそれぞれの高さを一定にすることで、光学シートの面方向におけるムラの発生を抑制できる。
【0017】
また、本発明のバックライトユニットは、上記記載の光学シートと、該光学シートに照明光を照射する光源とを備えることを特徴とする。
この発明では、上述した光学シートを備えることにより、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
【0018】
また、本発明の表示装置は、上記記載のバックライトユニットと、前記光学シートから射出した前記照明光が照射され、表示画像を表示する画像表示素子とを備えることを特徴とする。
この発明では、上述したバックライトユニットを備えることにより、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の光学シート、バックライトユニット及び表示装置によれば、基材の一面に配置された第1及び第2レンズアレイにより、それぞれの延在方向に対する直交方向における集光拡散効果が十分に得られる。したがって、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態における光学シートを示す斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】(a)は図1のX1−X1矢視断面図、(b)はY1−Y1矢視断面図である。
【図4】本発明の液晶表示装置を示す概略構成図である。
【図5】光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図6】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図7】W1/P1とX方向における半値角との関係を示すグラフである。
【図8】W1/P1とY方向における半値角との関係を示すグラフである。
【図9】W1/P1と正面方向における輝度との関係を示すグラフである。
【図10】W2/P2と正面方向における輝度との関係を示すグラフである。
【図11】光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図12】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図13】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図14】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図15】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図16】本発明の第2の実施形態における光学シートを示す斜視図である。
【図17】図16の平面図である。
【図18】(a)は図16のX2−X2矢視断面図、(b)はY2−Y2矢視断面図である。
【図19】第1レンズの頂部を示す拡大図断面図である。
【図20】第3の実施形態における光学シートを示す斜視図である。
【図21】図20の平面図である。
【図22】(a)は図20のX3−X3矢視断面図、(b)はY3−Y3矢視断面図である。
【図23】第1及び第2レンズアレイの他の配置状態を示す平面図である。
【図24】第4の実施形態における光学シートを有する液晶表示装置を示す概略構成図である。
【図25】第5の実施形態における光学シートを有する液晶表示装置を示す概略構成図である。
【図26】散乱板における固着層の形成箇所を示す平面図である。
【図27】図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【図28】同じく、図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【図29】同じく、図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【図30】同じく、図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【図31】同じく、図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
以下、本発明にかかる光学シートの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態における光学シート1は、図1から図3に示すように、バックライトユニットに用いられる導光板であって、平板状の基材2と、基材2の一面に突出して設けられた第1及び第2レンズアレイ3、4を備えている。そして、光学シート1は、基材2の他面が入射面、第1及び第2レンズアレイ3、4それぞれが射出面となっている。
【0022】
基材2は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、クリルニトリルスチレン共重合体、COP(シクロオレフィンポリマー)などにより形成されている。そして、基材2は、押出成型法や射出成型法、熱プレス成型法などにより形成されている。
また、基材2の厚さは、第1及び第2レンズアレイ3、4が例えばUV(紫外線)硬化性樹脂や放射線硬化性樹脂のようにエネルギー線の照射により硬化する材料で形成されている場合において、50μmより大きいことが望ましい。これにより、第1及び第2レンズアレイ3、4の形成時において基材2に皺などが発生することを防止できる。また、基材2の厚さは、光学シート1が例えば対角37インチ以上のディスプレイ装置に用いられる場合において、0.05mm以上3mm以下であることが望ましい。
【0023】
第1及び第2レンズアレイ3、4は、例えばUV硬化性樹脂や放射線硬化性樹脂、PET、PC、PMMA、COPなどにより形成されている。そして、第1及び第2レンズアレイ3、4は、例えばUV硬化性樹脂や放射線硬化性樹脂のようにエネルギー線の照射により硬化する材料で形成されている場合において、基材2上に形成された樹脂層に紫外線や放射線などのエネルギー線を照射することにより形成されている。また、第1及び第2レンズアレイ3、4は、基材2と同一材料で形成されている場合において、基材2と共に押出成型法や射出成形法、熱プレス成型法などにより一体的に形成されている。
【0024】
第1レンズアレイ3は、基材2の一面においてX方向(一方向)に沿って延在すると共に、このX方向に対する直交方向であるY方向で間隔をあけて互いに平行に配置された複数の第1レンズ5により形成されている。
第1レンズ5は、幅方向における断面形状が三角形のプリズムレンズである。そして、第1レンズ5の頂部における角度である頂角α1は、80°以上105°以下となっている。また、第1レンズ5は、幅W1が例えば60μm程度、Y方向において隣り合う他の第1レンズ5との中心間隔であるピッチP1が幅W1の1.25倍以上5倍以下、例えば100μm程度、高さT1が20μm以上200μm以下でとなっている。ここで、第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1は、0.5以上0.8以下となっている。
【0025】
第2レンズアレイ4は、基材の一面においてY方向(他方向)に沿って延在すると共に、X方向で間隔をあけて互いに平行に配置された複数の第2レンズ6により形成されている。すなわち、第1レンズ5の延在方向と、第2レンズ6の延在方向とは、互いに直交しており、第1レンズ5の延在方向と第2レンズ6の延在方向とのなす角が60°以上120°以下の範囲内となっている。
第2レンズ6は、複数の第1レンズ5の谷部において他方向に沿って配置された複数のサブレンズ7を有している。
複数のサブレンズ7それぞれは、幅方向における断面形状が三角形のプリズムレンズであって、その延在方向がY方向となっている。そして、サブレンズ7の延在方向における両端は、Y方向において隣り合う2つの第1レンズ5それぞれの側面に接している。
そして、第2レンズ6の頂部における角度である頂角α2は、80°以上105°以下であって第1レンズ5における頂角α1以下の値となっている。また、第2レンズ6は、幅W2が例えば30μm程度、隣り合う他の第2レンズ6との中心間隔であるピッチP2が幅W2の1倍以上1.25倍以下、高さT2が例えば3μm以上150μm以下であって第1レンズ5の高さT1よりも小さい値となっている。ここで、第2レンズ6の幅W2とピッチP2との比であるW2/P2は、0.8以上1以下となっている。
【0026】
以上のような構成の光学シート1は、図4に示すような液晶表示装置(表示装置)に用いられる。
液晶表示装置10は、図4に示すように、液晶パネル(画像表示素子)11と、液晶パネル11に照明光を照射するバックライトユニット12とを備えている。
液晶パネル11は、一対の基板21、22と、一対の基板21、22間に封止された液晶層23とを備えている。一対の基板21、22それぞれには、液晶層23を駆動するための電極(図示略)が設けられている。そして、液晶層23に印加された電界の強度に応じて、液晶層23を透過する光の偏光状態が変化する。
また、液晶パネル11には、ほぼ長方形の画像表示領域が設けられている。画像表示領域には、マトリックス状に複数の画素が配置されている。そして、画像表示領域の長軸方向である水平走査方向が第1レンズ5の延在方向であるX方向とほぼ平行となっており、短軸方向である垂直走査方向が第2レンズ6の延在方向であるY方向とほぼ平行となっている。
また、液晶パネル11の上下両面には、偏光板24、25が設けられている。
【0027】
バックライトユニット12は、光学シート1と、複数の光源26と、散乱板27と、光反射板28とを備えている。
光源26は、例えば冷陰極蛍光ランプで形成されており、円柱形状を有している。また、光源26は、ランプハウス29内に収容されている。そして、光源26は、照明光を光学シート1の他面に向けて射出する。
散乱板27は、光源26と光学シート1との間に配置されており、光源26から射出した照明光を拡散して光学シート1に向けて射出する。
光反射板28は、光源26の背面側に配置されており、光源26から射出した照明光を光学シート1に向けて反射する。
【0028】
以上のような構成の液晶表示装置10では、光源26から射出した光は、散乱板27において拡散されて光学シート1の基材2における他面に入射する。そして、光学シート1に入射した光は、光学シート1から光学利得が1以上の光となって液晶パネル11に向けて射出される。液晶パネル11に入射した光は、偏光板24を透過した後に液晶層23に印加された電界の強度に応じて偏光状態が変化し、偏光板25において透過または吸収される。以上のようにして、液晶パネル11の画像表示領域に表示された画像を表示する。
【0029】
なお、光学利得とは、光学的な拡散部材の拡散性を示す指標の一つであって完全拡散する拡散体の輝度を1とし、その光の輝度との比で表される。測定する拡散部材の拡散性が方向によって偏っている場合、各方向における光学利得を算出することで、その拡散部材の拡散特性を示すことが可能となる。また、完全拡散とは、吸収が0であって全方向における光の輝度が一定である理想的な拡散体のことを示す。すなわち、光学利得が1以上であるということは、その測定する方向に光を集める効果を有することを示しており、利得が高いほど集光効果が強いことを示す。
【0030】
ここで、本実施形態における光学シート1と第1レンズアレイのみが形成された光学シートとのX方向及びY方向それぞれにおける視角特性を図5及び図6に示す。図5及び図6それぞれには、X方向及びY方向それぞれにおいて正面方向に対する角度と輝度との関係を示している。
なお、第1レンズアレイのみが形成された光学シートでは、第1レンズの幅W1とピッチP1との比であるW1/P1を1としている。また、光学シート1では、第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1を0.6、第2レンズ6の幅W2とピッチP2との比であるW2/P2を1、第1レンズ5の頂角α1及び第2レンズ6の頂角α2それぞれを90°としている。
【0031】
図5に示すように、第1レンズアレイのみを有する光学シートでは、第1レンズによりY方向において十分に光が集光されているものの、X方向において集光されていない。また、この光学シートでは、X方向においてサイドローブが発生しており、メインローブとの間の谷部において光がほとんど射出されない。
一方、図6に示すように、本実施形態における光学シート1では、上述の光学シートのように第1レンズアレイ3のみの場合に発生したサイドローブとの間の谷部において第2レンズアレイ4による集光効果により光が射出されるため、輝度が低下しない。これにより、サイドローブの発生が抑制される。また、光学シート1では、第2レンズによりX方向において十分に光が集光される。
【0032】
また、光学シート1において第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1と光学シート1から射出する光のY方向における半値角との関係を、図7に示す。また、W1/P1とX方向における半値角との関係を、図8に示す。ここで、半値角とは、光学シート1の斜め方向における輝度が正面方向における輝度の半分となったときの正面方向に対する角度を示す。
また、図7及び図8それぞれには、第1レンズ5の頂角α1の値を75°、80°、85°、90°、105°、110°とした際の半値角を示している。なお、第2レンズ6は、幅W2とピッチP2との比であるW2/P2を1、頂角α2を頂角α1と同じ値としている。
図7及び図8に示すように、W1/P1を大きくするにしたがってY方向における半値角が小さくなると共にX方向における半値角が大きくなる。これは、W1/P1を大きくするにしたがって、第1レンズ5による集光効果が大きくなると共に第2レンズ6による集光効果が小さくなるためである。また、頂角α1、α2を大きくするにしたがって、半値角が大きくなる。これは、頂角α1を大きくすると第1レンズ5による集光効果が小さくなり、頂角α2を大きくすると第2レンズ6による集光効果が小さくなるためである。
一般に、テレビ受像機などのディスプレイ装置では、水平方向であるX方向における視野角を広くすることが望まれる。そのため、X方向における半値角は、少なくとも40°程度であることが望まれる。したがって、W1/P1を0.5以上にすることで、水平方向であるX方向における視野角が十分に確保される。なお、W1/P1を0.5としたときは、頂角が小さいときにX方向における半値角が40°に満たないが、上述のように第2レンズ6の頂角α2を大きくすることで、これを解消することができる。
【0033】
そして、光学シート1において第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1と光学シート1から射出する光の光学シート1の正面方向における輝度との関係を図9に示す。図9には、第1レンズ5の頂角α1の値を75°、80°、85°、90°、105°、110°とした際の輝度を示している。なお、第2レンズ6は、幅W2とピッチP2との比であるW2/P2を1、頂角α2を頂角α1と同じ値としている。
図9に示すように、正面方向における輝度は、W1/P2を変化させても変化しない。
これは、W1/P1を大きくすると第1レンズ5による集光効果が大きくなり、W1/P1を小さくすると第2レンズ6による集光効果が大きくなるため、両者の集光効果により正面方向における輝度が変化しない。また、図9に示すように、頂角α1、α2を変化させることにより、第1及び第2レンズ5、6それぞれにおける集光効果が変化するため、正面方向における輝度が変化する。
したがって、頂角α1、α2それぞれを80°以上105°以下とすることで、十分な輝度が確保される。
【0034】
さらに、光学シート1において第2レンズ6の幅W2とピッチP2との比であるW2/P2と光学シート1の正面方向における輝度との関係を、図10に示す。なお、図10において、W2/P2が1であるときの正面方向における輝度を1としている。
図10に示すように、W2/P2を小さくするにしたがって、輝度が低下する。これは、W2/P2を小さくするにしたがって基材2の一面に第1及び第2レンズ5、6が形成されない領域が増大するためである。
したがって、W2/P2を0.8以上とすることで、十分な輝度が確保される。このとき、W2/P2は、0.9以上であることがより望ましい。
【0035】
また、第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1を、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9としたときの視角特性を、図11から図15に示す。図11から図15それぞれでは、X方向及びY方向それぞれにおいて正面方向に対する角度と輝度との関係を示している。なお、第2レンズ6において、幅W2とピッチP2との比であるW2/P2を1としている。また、第1レンズ5の頂角α1及び第2レンズ6の頂角α2それぞれを90°としている。そして、W1/P1を0.6としたときの視角特性は、図6と同様である。
図6、図11から図15に示すように、W1/P1が増大するにしたがって、第1レンズ5による集光効果が大きくなり、図15に示すようにW1/P1が0.9以上でY方向の視角特性においてサイドローブが発生する。
したがって、W1/P1を0.8以下とすることで、Y方向の視角特性におけるサイドローブの発生が抑制される。
【0036】
以上のような構成の光学シート1、バックライトユニット12及び液晶表示装置10によれば、基材2の一面に配置された第1及び第2レンズアレイにより、それぞれの延在方向に対する直交方向における集光拡散効果が十分に得られる。したがって、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
ここで、W1/P1を0.5以上0.8以下とすることで、主にY方向における視野角が確保できると共に、サイドローブの発生を抑制できる。そして、W2/P2を0.8以上とすることで、光学シート1の正面方向における輝度を向上させることができる。
また、第1及び第2レンズ5、6それぞれをプリズムレンズとすることで、光学シート1の正面方向における輝度を向上させることができる。そして、頂角α1、α2それぞれを80°以上105°以下にすることで、光学シート1に対する正面輝度を向上させることができると共に、視野角を確保できる。
さらに、頂角α2を頂角α1以上とすることで、X方向における視角を大きくすることができる。
また、第1及び第2レンズ5、6それぞれを同一材料で形成することで、第1及び第2レンズ5、6それぞれの製造工程の簡略化が図れる。
【0037】
[第2の実施形態]
次に、本発明における光学シートの第2の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
本実施形態における光学シート50は、図16から図18に示すように、第1及び第2レンズアレイ51、52を有している。そして、第1レンズアレイ51を構成する複数の第1レンズ53それぞれが曲面形状を有している。また、第2レンズアレイ52を構成する複数の第2レンズ54それぞれは、第1レンズ53と同様に、曲面形状を有している。
第1レンズ53は、レンチキュラーレンズであり、弧状表面を有する頂部53aと、頂部53aから基材2の一面に至る一対の側面部53bとを有している。
【0039】
第1レンズ53の頂部53aにおけるフィッティング曲率半径Rt1は、以下のようにして定義される。すなわち、図19に示すように、第1レンズ53の外縁において、第1レンズ53の頂部53aの頂点m1を通る幅方向中心から第1レンズ53の幅W1の0.1倍だけ離れた位置を点m2、m3とする。そして、点m2における第1レンズ53の外縁の接線に対する法線と、点m3における第1レンズ53の外縁の接線に対する法線との交点を中心とし、点m2、m3を通る円の半径をフィッティング曲率半径Rt1とする。
【0040】
また、第1レンズ53の一方向に対する直交方向の断面外縁形状は、以下の式1で表される。ここでは、基材2の一面の法線方向をZ軸、第1レンズ53の幅方向における幅方向中心から位置をrとしている。また、係数R、A、B、Cは補正係数である。
【0041】
【数1】
【0042】
ここで、係数(1/R)は−10より大きく10未満であり、係数Aは−5より大きく5未満となっている。これにより、第1レンズ53の頂部53aにおけるフィッティング曲率半径Rt1が第1レンズ53の幅W1の0.15倍以上0.3倍以下となる。また、係数Bを−10より大きく10未満とし、係数Cを−30より大きく30未満としている。
なお、第1レンズ53の頂部53aにおける外縁形状は、係数kが0のときに正円、係数kが−1より大きく0未満のときに楕円、係数kが−1のときに放物線、係数kが−1未満のときに双曲線となる。
【0043】
第2レンズ54は、第1レンズ53と同様に、レンチキュラーレンズである複数のサブレンズ55を有している。サブレンズ55は、弧状表面を有する頂部55aと、頂部55aから基材2の一面に至る一対の側面部55bとを有している。
また、第2レンズ54の延在方向である他方向に対する直交方向における断面外縁における頂部55aのフィッティング曲率半径Rt2は、第2レンズ54の幅W2の0.15倍以上0.3倍以下となっている。なお、第2レンズ54の頂部54aにおけるフィッティング曲率半径Rt2の定義は、上述したフィッティング曲率半径Rt1と同様である。
【0044】
また、サブレンズ55の断面外縁形状は、第1レンズ53と同様に、以下の式2で表される。ここでは、第2レンズ54の幅方向における幅方向中心から位置をsとしている。
また、係数S、D、E、Fは補正係数である。
【0045】
【数2】
【0046】
ここで、係数(1/S)は−10より大きく10未満であり、係数Dは−5より大きく5未満となっている。これにより、第2レンズ54の頂部55aにおけるフィッティング曲率半径Rt2が第2レンズ54の幅W2の0.15倍以上0.3倍以下となる。また、係数Eを−10より大きく10未満とし、係数Fを−30より大きく30未満としている。
なお、第2レンズ54の頂部55aにおける外縁形状は、係数jが0のときに正円、係数jが−1より大きく0未満のときに楕円、係数jが−1のときに放物線、係数jが−1未満のときに双曲線となる。
【0047】
以上のような構成の光学シート50においても、上述と同様の作用、効果を奏するが、第1レンズ53をレンチキュラーレンズとすることで、第1レンズ53の延在方向である一方向における視野角を広くすることができる。同様に、第2レンズ54をレンチキュラーレンズとすることで、第2レンズ54の延在方向である他方向における視野角を広くすることができる。
このとき、上記式1において係数(1/R)を−10より大きく10未満、係数Aを−5より大きく5未満、係数Bを−10より大きく10未満、係数Cを−30より大きく30未満とし、頂部53aにおけるフィッティング曲率半径Rt1が第1レンズ53の幅W1の0.15倍以上0.3倍以下とすることで、光学シート50における正面輝度を向上させることができると共に、第1レンズ53の成形性を維持できる。同様に、上記式2において係数(1/S)を−10より大きく10未満、係数Dを−5より大きく5未満、係数Eを−10より大きく10未満、係数Fを−30より大きく30未満とし、頂部55aにおけるフィッティング曲率半径Rt2が第2レンズ54の幅W2の0.15倍以上0.3倍以下とすることで、光学シート50における正面輝度を向上させることができると共に、第2レンズ54の成形性を維持できる。
【0048】
[第3の実施形態]
次に、本発明における光学シートの第3の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態における光学シート60は、図20から図22に示すように、基材2と、第1レンズアレイ51と、第2レンズアレイ4とを備えている。
【0049】
以上のような構成の光学シート60においても、上述と同様の作用、効果を奏するが、第1レンズ53が第2レンズ6よりも高いため、第2レンズ6に他の部材が接触しにくくなっている。そのため、第2レンズ6がプリズム形状を有していても、第2レンズ6を保護するフィルムなどを別途設けることなく、第2レンズ6における頂部の形状を保持できる。したがって、部品点数の削減及び低コスト化が図れる。
【0050】
なお、上述した第1から第3の実施形態において、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とを直交させているが、他の角度であってもよい。
一般的に、液晶表示装置などのディスプレイでは、上述のように水平走査方向及び垂直走査方向それぞれにおいて画素がマトリックス状であって周期的に配置されている。一方、第1から第3の実施形態における光学シートそれぞれでは、第1及び第2レンズそれぞれが周期的に配置されている。そのため、画素の周期配列と第1及び第2レンズそれぞれの周期配列とにおいて発生する二次モアレなどの高次のモアレが発生することがある。これにより、液晶表示装置における表示画像の表示品質が低下してしまう。
【0051】
そこで、図23に示すように、例えば第1の実施形態における第1及び第2レンズアレイ3、4において、第1レンズ5の延在方向を水平走査方向に対してγ1だけ傾けると共に、第2レンズ6の延在方向を垂直走査方向に対してγ2だけ傾けてもよい。これにより、高次のモアレの発生による表示品質の低下を抑制できる。このとき、第1レンズ5の延在方向と第2レンズ6の延在方向とのなす角は、βとなっている。
ここで、角度βは、60°よりも大きく120度未満であることが望ましい。これにより、水平走査方向及び垂直走査方向それぞれにおける画素の周期配列と第1及び第2レンズそれぞれの周期配列との間で生じるモアレを有効に防止できる。ただし、角度γ1、γ2それぞれは、20°以下であることがより望ましい。角度γ1、γ2それぞれが20°を越えると、第1及び第2レンズそれぞれによる集光効果が水平走査方向及び垂直走査方向それぞれに対して傾きすぎるため、水平走査方向及び垂直走査方向それぞれにおける視角特性が劣化するためである。
【0052】
また、第1及び第2レンズそれぞれを等間隔で配置しているが、第1及び第2レンズそれぞれのピッチP1、P2をランダムとしてもよい。これによっても、高次のモアレの発生による表示品質の低下を抑制できる。
ここで、ピッチP1のバラツキ度合いは、ピッチP1の平均値に対して±20%以内であることが望ましく、±10%以内であることがより望ましい。同様に、ピッチP2のバラツキ度合いは、ピッチP2の平均値に対して±20%以内であることが望ましく、±10%以内であることがより望ましい。このとき、第1及び第2レンズそれぞれの高さもランダムとしてもよいが、高さは一定であることが望ましい。
【0053】
また、第1レンズは、X方向に沿って直線状に配置されているが、一方向(X方向)に沿って配置されていれば、蛇行していてもよい。これによっても、高次のモアレの発生による表示品質の低下を抑制できる。同様に、第2レンズは、Y方向に沿って直線状に配置されているが、他方向(Y方向)に沿って配置されていれば、蛇行していてもよい。
【0054】
また、第1レンズは、高さT1を第2レンズの高さT2よりも高くしているが、高さT1が高さT2以上であればよい。
そして、第1及び第2レンズそれぞれは、頂角α1、α2を80°以上105°以下としているが、十分な集光拡散効果が得られれば、80°未満であってもよく、105°を越えてもよい。
さらに、第1及び第2レンズそれぞれは、フィッティング曲率半径Rt1、Rt2を幅W1、W2の0.15倍以上0.3倍以下としているが、十分な集光拡散効果が得られれば、0.15倍未満であってもよく、0.3倍を越えてもよい。
また、第1及び第2レンズそれぞれは、係数(1/R)を−10より大きく10未満、係数Aを−5より大きく5未満、係数Bを−10より大きく10未満、係数Cを−30より大きく30未満、係数(1/S)を−10より大きく10未満、係数Dを−5より大きく5未満、係数Eを−10より大きく10未満、係数Fを−30より大きく30未満としているが、十分な集光拡散効果が得られれば、この範囲外であってもよい。
【0055】
また、第1及び第2レンズそれぞれは、視角特性の調整のために内部に拡散微粒子が分散配置されていてもよい。
そして、第1及び第2レンズそれぞれは、別途の材料で形成されてもよい。
さらに、第1レンズアレイは、同一形状の第1レンズを複数有する構成となっているが、プリズム形状の第1レンズとレンチキュラーレンズ形状の第1レンズとを組み合わせるなど、同一形状に限られない。同様に、第2レンズアレイは、同一形状の第2レンズを複数有する構成となっているが、同一形状に限られない。
【0056】
[第4の実施形態]
次に、本発明における光学シートの第4の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態における光学シート100は、図24に示すように、基材2と、基材2の一面に形成された第1及び第2レンズアレイ3、4と、第1及び第2レンズアレイ3、4上に積層された光学フィルム101とを備えている。
光学フィルム101は、例えば拡散シートやレンチキュラーシート、プリズムシート、偏光分離反射シートなどのように、光の屈折、透過、反射、偏光作用により、光の拡散及び集光効果を発揮するフィルム材料である。そして、光学フィルム101は、固着層102により第1及び第2レンズアレイ3、4上に貼付されている。
ここで、光学フィルム101は、拡散シートである場合には、シート状の基材上に拡散ビーズを分散配置した構成であることが望ましい。分散配置された拡散ビーズがマイクロレンズと同等の作用を有することから、視野角及び輝度の向上、カットオフのない配光分布が得られる。
【0057】
固着層102は、加熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂などの接着剤や粘着剤などで形成されている。ここで、接着剤または粘着剤としては、例えばアクリル系やウレタン系、ゴム系、シリコーン系の接着剤または粘着剤が挙げられる。接着剤または粘着剤は、コンマコータなどの塗工装置や印刷、ディスペンサやスプレーを用いて塗布されている。
また、固着層102の100℃における貯蔵弾性率は、光学シート100がバックライトユニットに適用されることから、1.0×104Pa以上であることが望ましい。貯蔵弾性率が1.0×104Pa以上とすることで、バックライトユニットの使用時において光学フィルム101を安定して固定することができる。また、接着剤または粘着剤の安定性を高めるため、例えばビーズなどの微粒子を接着剤や粘着剤内に分散させてもよい。
なお、固着層102は、両面テープなど、他の固着材料であってもよい。また、光学フィルム101は、固着層102を用いずに、エキシマレーザの照射などを用いた接合や溶接などにより積層されてもよい。
【0058】
以上のような構成の光学シート100においても、上述と同様の作用、効果を奏するが、光学フィルム101を一体化することで、部品点数の削減及び厚みの低減が図れる。
また、光学シート100は、光学フィルム101として例えば拡散シートを配置することで、第1及び第2レンズ5、6から射出した光が十分に拡散された後に液晶パネル11に入射するため、モアレの発生を抑制できる。
【0059】
ここで、光学フィルム101は、例えば以下のような製造方法により製造される。
最初に、製造方法1について説明する。まず、基材としてMS600(新日鐵化学社製)の樹脂材料中にシリカ及び樹脂フィラーを混合したものを表面に凹凸が形成されたローラに沿って延伸させる。そして、ローラによる押出時にローラの表面の凹凸形状を転写することにより、光学フィルムを製造する。
次に、製造方法2について説明する。まず、アクリルモノマーを表面に凹凸形状が付された一対の金属平板間において重合させる。そして、金属平板の表面に付された凹凸形状をふすことにより、光学フィルムを製造する。
【0060】
次に、製造方法3について説明する。まず、拡散板を表面に凹凸形状が付された一対の金属平板間で加熱しながら加圧する。そして、金属平板の表面に付された凹凸形状を付すことにより、光学フィルムを製造する。
次に、製造方法4について説明する。まず、表面に凹凸形状が付された金属平板上にアクリル、エポキシ樹脂、ポリウレタンや透明熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂を塗布する。そして、塗布した樹脂上に表面に凹凸形状が付された金属平板を配置して樹脂を硬化することにより、光学フィルムを製造する。
【0061】
次に、製造方法5について説明する。まず、UV硬化性接着剤中に粒径が15μmのポリスチレンフィラーを20重量%混合し、これをロールコータにより拡散板上に厚さ15μmで塗布した。そして、塗布した接着剤にUVを照射して硬化させることにより、光学フィルムを製造する。
次に、製造方法6について説明する。まず、延伸白色PPフィルム(東セロ株式会社製、厚さ30μm)または延伸白色PETフィルム(東洋紡株式会社製、厚さ50μm)とスチレンメチルメタクリレートからなる板材とを接着剤で貼り合わせる。これにより、球形の空洞が形成された光学フィルムを製造する。
【0062】
[第5の実施形態]
次に、本発明における光学シートの第5の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態における光学シート110は、図25に示すように、基材2と、基材2の一面に形成された第1及び第2レンズアレイ3、4と、基材2の他面に設けられた散乱板111とを備えている。
散乱板111は、透明樹脂層と、この透明樹脂層中に分散配置されて屈折率が透明樹脂と異なる透明粒子とを備えている。そして、散乱板111は、透明な樹脂材料で形成されており、例えば押出成型法などにより形成されている。また、散乱板111の厚さは、散乱板111の撓みや透過率の低下を抑制するため、例えば1mm以上5mm以下となっている。
ここで、透明樹脂層と透明粒子との屈折率差は、十分な光散乱効果を得るため、0.02以上であることが望ましい。また、透明樹脂層と透明粒子との屈折率差は、0.5以下であることがより望ましい。
【0063】
透明樹脂層を構成する透明樹脂としては、例えばPC、アクリル、アクリルニトリルスチレン共重合体、フッ素系アクリル、シリコーン系アクリル、エポキシアクリレート、PS(ポリスチレン)、COP、メチルスチレン、フルオレン、PET、PP(ポリプロピレン)などの樹脂材料が挙げられる。
ここで、PC、PS、メチルスチレン、COPそれぞれの線膨張係数は、6.7×10−5(1/℃)、7×10−5(1/℃)、7×10−5(1/℃)、6〜7×10−5(1/℃)であって、7.0×10−5(1/℃)以下となっている。これにより、基材2と第1及び第2レンズアレイ3、4それぞれを線膨張係数が2.7×10−5(1/℃)であるPETで形成した場合であっても、散乱板111が熱により反ることを防止できる。なお、基材2と第1及び第2レンズアレイ3、4それぞれをPCで形成する場合には、線膨張係数がほぼ同等であることから反りが発生することがない。
【0064】
また、透明粒子としては、例えばアクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体;メラミン−ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)などの含フッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを挙げることができる。これら透明粒子は、2種類以上を混合して使用してもよい。
そして、透明粒子の平均粒径は、散乱板111に入射した光を十分に散乱させて散乱板111から射出させるため、0.5μm以上10.0μm以下であることが望ましく、1.0μm以上5.0μm以下であることがより望ましい。
【0065】
散乱板111は、固着層112によって基材2の他面に間隙113を介して固定されている。固着層112は、基材2の他面における外縁部であって、散乱板111を透過する照明光が液晶パネル11における画像表示領域と重ならない位置に設けられている。したがって、固着層112は、図26(a)〜(e)に示すように、散乱板111の外縁部の周縁全体において枠状に設けられてもよく、散乱板111の対向する一対の端辺それぞれに設けられてもよく、散乱板111の角部に設けられてもよく、散乱板111の外縁部の周縁に沿って島状に設けられてもよい。
また、固着層112は、上述と同様に、接着剤や粘着剤により形成されている。接着剤や粘着剤として適用可能な材料としては、上述と同様である。ここで、固着層112による散乱板111と基材2との間隙113を確保するため、接着剤や粘着剤中に例えばビーズなどの微粒子をスペーサとして分散させてもよい。
【0066】
以上のような構成の光学シート110においても、上述と同様の作用、効果を奏する。
なお、本実施形態において、散乱板111が透明樹脂層中に透明粒子を分散配置した構成となっているが、透明樹脂層中に球状の空洞を形成することで散乱機能を付与した構成としてもよい。ここで、空洞は、透明樹脂中に発泡剤を分散させ、この発泡剤を発泡させることにより形成してもよい。
【0067】
[第5の実施形態の他の形態]
次に、第5の実施形態における光学シートの他の形態について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本形態における光学シートにおける散乱板120は、図27に示すように、基材2を向く一面にシリンドリカル形状の凸部が複数形成されている。ここで、凸部の形状は、シリンドリカル形状に限らず、レンズ形状や三角プリズム形状、マイクロレンズ形状など、他の形状であってもよい。このような散乱板120は、押出法やキャスト法などにより形成されている。
このように、散乱板120において基材2を向く一面に凹凸を形成することで、基材2と散乱板120との間の間隙を確保できる。
なお、図28や図29に示すように、両面にシリンドリカル形状の凸部が複数形成された散乱板121、122であってもよい。このとき、一面に形成されている複数の凸部の延在方向と、他面に形成されている複数の凸部の延在方向とは、ほぼ平行であってもよく、ほぼ直交していてもよい。
【0068】
[第5の実施形態の他の形態]
続いて、第5の実施形態における光学シートの他の形態について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本形態における光学シートにおける散乱板123は、図30に示すように、シート状の基材123aと基材123aの一面に形成された微粒子層123bとを備えている。微粒子層123bは、例えばビーズやスペーサなどが分散された透明インキを塗布、乾燥させることにより形成されている。ここで、微粒子層123bは、基材123aの両面に形成されてもよい。
【0069】
[第5の実施形態の他の形態]
さらに、第5の実施形態における光学シートの他の形態について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本形態における光学シート130は、図31に示すように、散乱板111と基材2との間に配置されるスペーサ131を備えている。
スペーサ131は、透明な樹脂材料で形成されており、上述と同様に、基材2の他面における外縁部に沿って環状に設けられている。
ここで、スペーサ131を形成する樹脂材料としては、例えばPE、アクリル、PC、Ps、メチルスチレン、ポリメチルペンテン、COPなどの熱可塑性樹脂や、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどのオリゴマーまたはアクリレート系などからなる放射線硬化性樹脂などが挙げられる。
また、スペーサ131を形成する樹脂材料中に微粒子を分散させてもよい。ここで、微粒子を形成する材料としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、ガラスビーズなどの無機物や樹脂ビーズなどの有機物が挙げられる。この微粒子は、スペーサ131中に均一に分散配置させてもよく、局所的に分散配置させてもよい。また、微粒子は、反射膜で被覆されるなどにより反射特性を有していてもよい。さらに、樹脂材料中に球状の空洞が分散して形成されていてもよい。
【0070】
また、スペーサ131は、光が照射されることによる高温下においても基材2及び散乱板111それぞれの反りを抑制するため、適度な柔軟性を有していることが望ましい。
そして、スペーサ131の断面形状は、例えば矩形や台形、三角形、円など、さまざまな形状であってもよい。
また、スペーサ131の厚さは、散乱板111と基材2との光学的な接触を避けるため、200nm以上であることが望ましい。また、スペーサ131の幅は、スペーサ131による散乱板111と基材2との接触をより確実に防止するため、厚さの0.1倍以上であることが望ましく、0.2倍以上であることがより望ましい。さらに、スペーサ131の幅は、光学シート130からの視認性の低下を防止するため、50μm以下であることが望ましく、30μm以下であることがより望ましい。
【0071】
スペーサ131と散乱板111との接触面積は、スペーサ131と散乱板111との固定強度や輝度の低下を防止するため、散乱板111の基材2を向く一面の面積に対して1%以上60%以下であることが望ましい。ここで、スペーサ131と散乱板111との接触面積は、輝度低下をより抑制するため、散乱板111の基材2を向く一面の面積に対して1%以上20%以下であることがさらに望ましい。さらに、スペーサ131と散乱板111との接触面積は、2500μm2以下であることが望ましく、900μm2以下であることがより望ましい。
同様に、スペーサ131と基材2との接触面積も、基材2の他面の面積に対して1%以上60%以下であることが望ましい。
また、スペーサ131は、散乱板111及び基材2それぞれに対して接着剤や粘着剤により固定されている。ここで、接着剤や粘着剤として用いられる材料としては、上述と同様の材料が挙げられる。
【0072】
このように、散乱板111と基材2との間にスペーサ131を配置することで、散乱板111と基材2との光学的な接触を容易に抑制でき、光学シートから射出した光の光学シート面内における輝度ムラやニュートンリングの発生を抑制して外観特性が向上する。
【0073】
ここで、スペーサ131は、例えば以下のような製造方法により製造される。
最初に、製造方法1について説明する。まず、熱可塑性樹脂であるPC樹脂を加熱して、ローラに沿って延伸しながらフィルムを成型する。そして、スペーサ形状に成型されたシリンダ金型を用いて加熱されたフィルムを加圧しながら冷却することで、フィルムの粘性を低下させてスペーサ形状を維持した状態で硬化させる。その後、フィルムをシリンダ金型から離型させることにより、幅が60μm、高さが100μmであるスペーサを製造する。
【0074】
次に、製造方法2について説明する。まず、厚さが125μm程度の2軸延伸易接着PETフィルム上にスペーサを形成するウレタンアクリレートを主成分とするUV硬化樹脂(日本化薬社製、屈折率1.51)を塗布する。そして、スペーサ形状に成型されたシリンダ金型を用いて、フィルムを搬送しながら紫外線を照射してフィルムを硬化する。その後、フィルムをシリンダ金型から離型させることにより、幅が60μm、高さが100μmであるスペーサを製造する。
【0075】
次に、製造方法3について説明する。まず、反射材料である酸化チタン(デュポン社製)を熱可塑性樹脂であるPCに対して重量比で20%分散させ、これを加熱してローラに沿って延伸しながらフィルムを成型する。そして、スペーサ形状に成型されたシリンダ金型を用いて加熱されたフィルムを加圧しながら冷却することで、フィルムの粘性を低下させてスペーサ形状を維持した状態で硬化させる。その後、フィルムをシリンダ金型から離型させることにより、幅が60μm、高さが100μmであって反射性を有するスペーサを製造する。
【0076】
次に、製造方法4について説明する。まず、厚さが125μm程度の2軸延伸易接着PETフィルム上に反射材料である酸化チタン(デュポン社製)を重量比で20%分散させる。そして、この上にスペーサを形成するウレタンアクリレートを主成分とするUV硬化樹脂(日本化薬社製、屈折率1.51)を塗布する。さらに、スペーサ形状に成型されたシリンダ金型を用いて、フィルムを搬送しながら紫外線を照射してフィルムを硬化する。
その後、フィルムをシリンダ金型から離型させることにより、幅が60μm、高さが100μm、ピッチ間隔が600μmであるスペーサを製造する。
【0077】
次に、製造方法5について説明する。まず、製造方法1において製造したスペーサの上面に、光反射機能を有する転写箔(クルツ社製)を加圧、加熱する。そして、上面に転写箔が転写されて反射表面を有するスペーサを製造する。
【0078】
なお、スペーサ131は、散乱板111の外縁部に沿って環状に設けられているが、散乱板111と基材2との光学的な接触を抑制できれば、リブ状など他の形状であってもよい。
また、スペーサ131と散乱板111及び基材2それぞれとを固定する接着剤または粘着剤は、反射材を含有していてもよい。ここで、反射材を含有する接着剤または粘着剤は、例えば金属粒子や高い屈折率を有する透明粒子を分散させることにより形成される。
【0079】
そして、スペーサ131は、反射特性を有していてもよい。ここで、反射特性は、例えばスペーサ131を構成する樹脂材料中に金属粒子や高い屈折率を有する粒子を分散させること、スペーサ131の表面に反射膜を形成することにより付与される。反射膜は、例えば光反射性の高い銀やアルミニウム、ニッケルなどの金属膜を蒸着やスパッタ法などの乾式成膜法を用いること、高い屈折率を有する粒子が分散混合されたインキや接着剤または粘着剤を塗布すること、金属粒子や高い屈折率を有する粒子をバインダに練りこんで転写すること、白箔や金属箔をラミネートすることなどにより形成される。ここで、高い屈折率を有する粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、クレー、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、シリカ、シリコーンなどが挙げられる。金属粒子または金属箔としては、例えば、アルミニウムや銀がなど挙げられる。これらの粒子、金属粒子または金属箔は1種類を使用してもよく、複数種を併用してもよい。
【0080】
なお、散乱板111と基材2とは、これらの方法以外に、例えば熱や超音波、レーザなどを用いる溶着や他の部材を用いて固定されてもよい。ここで、例えば波長178nmのエキシマレーザを用いた溶着では、散乱板111と基材2との少なくとも一方のレーザを照射した後、加熱しながら両者を貼り合わせてもよく、貼り合わせた後に加熱してもよい。
また、上述した固着層112やスペーサ131は、散乱板111を透過する照明光が液晶パネル11における画像表示領域と重ならないように散乱板111の外周部に設けられているが、画像表示領域と重なるように設けられていてもよい。このとき、画像表示領域と対応する領域における光の吸収率は、光学シート110、130から射出する光の輝度を確保するため、1%以下であることが望まれる。
【実施例1】
【0081】
次に、以上のような構成の光学シートについて、実施例により具体的に説明する。
まず、実施例1として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1及びα2それぞれが90°となっている。
また、実施例2として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるレンチキュラーレンズ形状の第1レンズアレイとプリズム形状の第2レンズアレイとが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μmとなっている。そして、この光学シートは、kが−1、(1/R)が−10より大きく10未満であり、Aが−5より大きく5未満、Rt1が25μm、α2が90°となっている。
【0082】
そして、実施例3として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1が90°、α2が100°となっている。
さらに、実施例4として、PCからなる基材とプリズム形状の第1及び第2レンズアレイとが押出法により一体的に形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1及びα2それぞれが90°となっている。また、基材の厚さは、200μmとなっている。
【0083】
また、実施例5として、PCからなる基材とレンチキュラーレンズ形状の第1レンズアレイとプリズム形状の第2レンズアレイとが押出法により一体的に形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μmとなっている。そして、この光学シートは、kが−1、(1/R)が−10より大きく10未満であり、Aが−5より大きく5未満、Bが−10より大きく10未満、Cが−30より大きく30未満、Rt1が25μmとなっている。またこの光学シートは、α2が90°となっている。
【0084】
また、比較例1として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるレンチキュラーレンズ形状の第1レンズアレイとプリズム形状の第2レンズアレイとが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μmとなっている。そして、この光学シートは、kが−1、(1/R)が−10より大きく10未満であり、Aが−5より大きく5未満、Bが−10より大きく10未満、Cが−30より大きく30未満、Rt1が50μmとなっている。またこの光学シートは、α2が90°となっている。
また、比較例2として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1及びα2それぞれが120°となっている。
【0085】
また、比較例3として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1が70°、α2が120°となっている。
また、比較例4として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.9、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1が90°、α2が100°となっている。
【0086】
そして、比較例5として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるレンチキュラーレンズ形状の第1及び第2レンズアレイとが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が50μmとなっている。そして、この光学シートは、kが−1、(1/R)が−10より大きく10未満であり、Aが−5より大きく5未満、Bが−10より大きく10未満、Cが−30より大きく30未満、Rt1が50μmとなっている。また、この光学シートは、α2が90°となっている。また、この光学シートは、jが−1、(1/S)が−10より大きく10未満であり、Dが−5より大きく5未満、Eが−10より大きく10未満、Fが−30より大きく30未満、Rt2が10μmとなっている。
【0087】
以上の実施例1〜5、比較例1〜5それぞれについて、視野角測定装置(EZContrast:Eldim社製)を用いて、その正面輝度及び視角特性を測定した。その評価結果を、表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
表1に示すように、実施例1〜5における光学シートでは、輝度、半値角、サイドローブ及びカットオフそれぞれが良好であった。
一方、比較例1における光学シートでは、第1のレンズアレイのRt1が大きすぎたため、正面輝度が低くなった。
また、比較例2における光学シートでは、第1及び第2レンズアレイそれぞれの頂角α1、α2が大きすぎたため、正面輝度が低くなった。
そして、比較例3における光学シートでは、第1レンズアレイの頂角α1が小さすぎたため半値角が狭くなると共に、サイドローブが生じ、第2レンズアレイの頂角α2が大きすぎたため正面輝度が低くなった。
さらに、比較例4における光学シートでは、第1レンズアレイのW1/P1が大きすぎたためサイドローブが生じると共に、Y方向において急激な輝度低下が生じた。
また、比較例5における光学シートでは、第1のレンズアレイのRt1が大きすぎたため、正面輝度が低くなった。
【実施例2】
【0090】
続いて、同様に以上のような光学シートについて、実施例により具体的に説明する。
まず実施例6として、プリズム形状の第1及び第2レンズアレイを有し、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とのなす角が95°である光学シートを製造した。そして、この光学シートを、第1レンズの延在方向と液晶パネルの水平走査方向とのなす角が10°、第2レンズの延在方向と垂直走査方向とのなす角が15°となるように配置した。
また、実施例7として、プリズム形状の第1及び第2レンズアレイを有し、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とのなす角が65°である光学シートを製造した。そして、この光学シートを、第1レンズの延在方向と液晶パネルの水平走査方向とのなす角が10°、第2レンズの延在方向と垂直走査方向とのなす角が−15°となるように配置した。
【0091】
そして、比較例6として、プリズム形状の第1及び第2レンズアレイを有し、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とのなす角が150°(30°)である光学シートを製造した。そして、この光学シートを、第1レンズの延在方向と液晶パネルの水平走査方向とのなす角が−25°、第2レンズの延在方向と垂直走査方向とのなす角が45°となるように配置した。
さらに、比較例7として、プリズム形状の第1及び第2レンズアレイを有し、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とのなす角が90°である光学シートを製造した。
そして、この光学シートを、第1レンズの延在方向と液晶パネルの水平走査方向とのなす角が30°、第2レンズの延在方向と垂直走査方向とのなす角が30°となるように配置した。
【0092】
以上の実施例6、7、比較例6、7それぞれについて、32インチ液晶パネルと37インチ液晶パネルとのそれぞれにおけるモアレの発生の有無を評価した。その結果、実施例6、7における光学シートを備える液晶表示装置では、モアレが確認されなかった。
一方、比較例6における光学シートを備える液晶表示装置では、モアレが確認された。
また、比較例7における光学シートを備える液晶表示装置では、モアレが確認されなかったが、水平走査方向及び垂直走査方向それぞれにおける半値角が小さくなり、表示品質が低下した。
【実施例3】
【0093】
続いて、同様に以上のような光学シートについて、実施例により具体的に説明する。
まず、実施例8として、上述した実施例2における光学シートにおいて第1及び第2レンズアレイの上面に粘着剤を用いて表面拡散フィルムをラミネートした光学シートを製造した。
また、実施例9として、上述した実施例2における光学シートにおいて第1及び第2レンズアレイの上面に粘着剤を用いて偏光分離反射シートをラミネートした光学シートを製造した。
そして、実施例10として、上述した実施例1における光学シートにおいて第1及び第2レンズアレイの上面に粘着剤を用いて実施例2における光学シートをラミネートした光学シートを製造した。
【0094】
以上の実施例8〜10それぞれについて、輝度、半値角それぞれの評価を行った。その結果、実施例8における光学シートでは、半値角が大きくなり、光学シートに対する斜め方向における輝度の低下が緩やかになった。また、実施例9における光学シートでは、正面輝度が大幅に上昇すると共に半値角が大きくなり、光学シートに対する斜め方向における輝度の低下が緩やかになった。そして、実施例10における光学シートでは、正面輝度が上昇し、光学シートに対する斜め方向における輝度の低下が緩やかになった。
【実施例4】
【0095】
続いて、同様に以上のような光学シートについて、実施例により具体的に説明する。
まず、実施例11として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、700mm×900mmの拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))の端部5mmにロールコータを用いて主成分がアクリル系樹脂である接着剤を塗布(塗布量:5g/m2)した。そして、拡散板上に第1及び第2レンズアレイが形成された基材をラミネータにより被覆し、80℃、50%の乾燥炉において30分間加熱させる。その後、接着剤を硬化させて光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0096】
次に、実施例12として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、700mm×900mmの拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))の端部5mmに両面テープ(住友スリーエム株式会社製)を貼付した。そして、拡散板上に第1及び第2レンズアレイが形成された基材を貼り合わせ、光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0097】
次に、実施例13として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなる第1及び第2レンズアレイを形成した。そして、第1及び第2レンズアレイ上に、あらかじめ5g/m2で塗布された接着剤シートにより線膨張係数が7.0×10−5(1/℃)である拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))を貼り合わせて光学シートを製造した。
また、実施例14として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、PCからなる基材と第1及び第2レンズアレイとを押出法により一体的に形成した。そして、第1及び第2レンズアレイ上に、あらかじめ5g/m2で塗布された接着剤シートにより線膨張係数が7.0×10−5(1/℃)である拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))を貼り合わせて光学シートを製造した。
そして、これらの光学シートを常温から80℃の環境内に投入し、温度変化による反りを確認した。反りの測定は、平らな台の上に基材が下面となるように光学シートを載置し、4角における台からの浮き量を測定した。なお、投入前では、各角において0mmであった。
80℃の環境内への投入後から、実施例13における光学シートでは反りが発生した。
このときの反り量は、10〜15mmであった。また、実施例14における光学シートでは、反りが発生しなかった。
この試験は、バックライト点灯時において高温になる状況を再現したものであるが、いずれの光学シートにおいても、各角が台から浮くように反っており、第1及び第2レンズアレイ側に向けて凸となるように反っていない。そのため、液晶表示装置に組み込んだ際に表示画像を押圧しても、表示画像に異常が生じないと考えられる。
【0098】
次に、実施例15として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、上述した実施例14と同様に、PCからなる基材と第1及び第2レンズアレイとを押出法により一体的に形成した。そして、第1及び第2レンズアレイ上に、あらかじめ5g/m2で塗布された接着剤シートにより線膨張係数が7.2×10−5(1/℃)である拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))を貼り合わせて光学シートを製造した。
また、比較例8として、上述した実施例13と同様に、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなる第1及び第2レンズアレイを形成した。そして、第1及び第2レンズアレイ上に、あらかじめ5g/m2で塗布された接着剤シートにより線膨張係数が7.2×10−5(1/℃)である拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))を貼り合わせて光学シートを製造した。
そして、これらの光学シートを常温から80℃の環境内に投入し、温度変化による反りを確認した。
80℃の環境内への投入後から、実施例15、比較例8それぞれにおける光学シートでは反りが発生した。このときの反り量は、実施例15における光学シートで5mm程度、比較例8における光学シートで40mm程度であった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、実施例15における光学シートでは、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。一方、比較例8における光学シートでは、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれた。
【0099】
次に、実施例16として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、UV硬化性接着剤中に粒径が15μmのポリスチレンフィラーを20重量%混合し、これをロールコータにより700mm×900mmの拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))上に厚さ30μmで塗布した。そして、タックが残っている状態まで一度UV光を照射して硬化させた。その後、拡散板上に第1及び第2レンズアレイが形成された基材を貼り合わせ、光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0100】
次に、実施例17として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、第1及び第2レンズが形成された基材に波長172nmのエキシマUV光を30秒照射し、レンズピッチが140μm、レンズ高さが60μmであるレンチキュラーレンズが形成された厚さ1mmの拡散板をラミネータにより貼り合わせ、光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0101】
次に、実施例18として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、第1及び第2レンズアレイが形成された基材をあらかじめ大きいサイズ(1000mm×1000mm)で作成し、これと拡散板とを重ねる。そして、第1及び第2レンズアレイが形成された基材と拡散板との間に浮きがないように軽く除電ブラシで押さえ、炭酸ガスレーザー断裁機で500mm×500mmのサイズにレーザ断裁した。なお、レーザ照射により切断された端部5mm程度はレンズシートの色が多少黄色く変色した。そこで、あらかじめ第1及び第2レンズアレイが形成された基材と拡散板とのそれぞれの表面に保護フィルムとして25μmの易接着PETフィルムをラミネートしておき、同様にレーザ断裁を行った。この後に保護フィルムを剥がしたところ、第1及び第2レンズアレイが形成された基材と拡散板のそれぞれに変色はなかった。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0102】
次に、実施例19として、以下のようにして光学シートを製造した。第1及び第2レンズアレイが形成された基材と拡散板とのそれぞれに貫通孔を形成した。そして、この貫通孔に針金を通して基材及び拡散板を固定し、光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0103】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、光学シートは、表示装置に用いられるバックライトユニットに用いられているが、液晶表示装置やEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、プラズマディスプレイなどの表示装置の視野角の制御やコントラストを向上させるためのシート材、太陽電池用の光制御用フィルム、投射スクリーンなど他の用途に用いてもよい。
バックライトユニットの光源は、冷陰極管に限らず、LEDやEL、半導体レーザなど、他の光源であってもよい。ここで、LEDを光源として用いる場合、赤色、緑色、青色のLEDのアレイを使用して導光板などで赤色、緑色、青色のLEDアレイから射出された光を混ぜ合わせて白色光として均一に射出する構成としてもよい。また、拡散板などを用いて赤色、緑色、青色のLEDアレイから射出された光を混ぜ合わせて均一に射出する構成としてもよい。
また、バックライトユニットは、直下型のバックライトユニットに限られず、サイドエッジ型のバックライトユニットであってもよい。
【符号の説明】
【0104】
1,50,60 光学シート
2 基材
3,51 第1レンズアレイ
4,52 第2レンズアレイ
5,53 第1レンズ
6,54 第2レンズ
7,55 サブレンズ
10 液晶表示装置(表示装置)
11 液晶パネル(画像表示素子)
12 バックライトユニット
26 光源
53a,55a 頂部
53b,55b 側面部
A,B,C,D,E,F,j,k,R,S 係数
P1,P2 ピッチ
Rt1,Rt2フィッティング曲率半径
T1,T2 高さ
W1,W2 幅
α1,α2 頂角
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学シート、バックライトユニット及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータなどのモニタ装置として液晶表示装置が用いられている。このような液晶表示装置においては、液晶パネルの背面に配置された光源から液晶パネルに照明光を照射する、いわゆるバックライト方式が採用されている。
バックライト方式に用いられるバックライトユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFL)などの光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂などからなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆるエッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
【0003】
このようなバックライトユニットにおける光利用効率を向上させるため、拡散板と液晶パネルとの間に集光機能を有するプリズムシートを配置することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。このプリズムシートは、シート状の基材上に断面三角形状である複数のプリズムを互いに平行に配置した構成となっている。このようなプリズムシートは、主にプリズムの配列方向において光利用効率の向上が期待できるため、プリズムの配列方向を互いに直交させた2枚のプリズムシートを組み合わせた状態で用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平1−37801号公報
【特許文献2】特開平6−102506号公報
【特許文献3】特表平10−506500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の光学シートには、以下の課題が残されている。すなわち、上述したプリズムシートでは、液晶表示装置に組み込んだ際に観察者に視認されないシート正面方向に対する90°近傍の斜め方向において光が無駄に射出してしまう。このように、シートの横方向から無駄に射出される光であるサイドローブが発生することで、光利用効率が低下するという問題がある。また、プリズムシートを2枚組み合わせた状態で用いるため、シートにおける光吸収により光量が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、光利用効率を向上させると共に光吸収による光量の低下を抑制した光学シート、バックライトユニット及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の光学シートは、平板状の基材と、該基材の一面に設けられた第1及び第2レンズアレイとを備え、該第1レンズアレイは、前記一面において一方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第1レンズを備え、前記第2レンズアレイは、前記一面において前記一方向と交差する他方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第2レンズを備え、該第2レンズが、前記複数の第1レンズの谷部に配置された複数のサブレンズを有し、前記第1レンズのピッチをP1、前記第1レンズの幅をW1、前記第1レンズの高さをT1、前記第2レンズのピッチをP2、前記第2レンズの幅をW2、前記第2レンズの高さをT2としたときに、前記高さT1が、前記高さT2以上であり、前記ピッチP1が、前記ピッチP2以上であり、前記幅W1と前記ピッチP1との比であるW1/P1が、0.5以上0.8以下であり、前記幅W2と前記ピッチP2との比であるW2/P2が、0.8以上1以下であり、前記一方向と前記他方向とのなす角が、60°以上120°以下であり、前記第1レンズは、弧状表面を有する頂部と、該頂部から前記一面に至る一対の側面部とを有し、該一対の側面部それぞれが、前記一面から前記頂部に向かうにしたがって互いに近接しており、前記第1レンズの頂部の頂点を通る幅方向中心から前記第1レンズの幅W1の0.1倍だけ離れた2点における前記第1レンズの外縁の接線に対する法線同士の交点を中心とし、この2点を通る円の半径をフィッティング曲率半径Rt1と称するとき、該フィッティング曲率半径Rt1が、前記幅W1の0.15倍以上0.3倍以下であり、前記第1レンズの断面形状は、前記一面の法線方向をZ軸、前記第1レンズの幅方向における幅方向中心からの位置をrとしたときに、係数R、A、B、Cを用いてZ=(r2/R)/(1+√(1−(1+k)×(r/R)2))+Ar2+Br4+Cr6で表され、前記ピッチP1を1と正規化したときに、前記係数(1/R)が、−10より大きく10未満であり、前記係数Aが、−5より大きく5未満であり、前記係数Bが、−10より大きく10未満であり、前記係数Cが、−30より大きく30未満であることを特徴とする。
【0008】
この発明では、一面に一方向に沿って延在する複数の第1レンズと他方向に沿って延在する複数の第2レンズとを設けることで、第1及び第2レンズそれぞれの延在方向に対する直交方向における集光拡散効果が十分に得られる。したがって、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
すなわち、複数の第1レンズそれぞれは、第1レンズの延在方向に対する直交方向において光学シートに入射した光を集光させる。また、複数の第2レンズそれぞれは、第2レンズの延在方向に対する直交方向において光学シートに入射した光を集光させる。
ここで、W1/P1を0.5以上とすることで、主に第1レンズの延在方向である一方向に対する直交方向における視野角が確保できる。また、W1/P1を0.8以下とすることで、光学シートの横方向から無駄に射出される光であるサイドローブの発生を抑制できる。そして、W2/P2を0.8以上とすることで、間隔をあけて配置された複数の第1レンズの間から射出する光を集光し、光学シートの正面方向における輝度を向上させることができる。さらに、第1及び第2レンズそれぞれの延在方向のなす角を60°以上120°以下とすることで、光学シートを組み込んだ表示装置におけるモアレの発生を抑制できる。
また、頂部を曲面とすることで、三角プリズム形状であることと比較して高い光の拡散効果を有するため、一方向においてより広い視野角を確保できる。
また、フィッティング曲率半径を幅W1の0.3倍以下とすることで、第1レンズによる集光効果を維持し、光学シートに対する正面輝度を向上させることができる。
また、フィッティング曲率半径を幅W1の0.15倍以上とすることで、第1レンズの成形性を維持できる。
また、係数(1/R)を−10より大きく10未満、係数Aを−5より大きく5未満とすることで、第1レンズの外縁形状における頂部のフィッティング曲率半径が幅W1の0.15倍以上0.3倍以下となる。
また、係数Bを−10より大きく10未満、係数Cを−30より大きく30未満とすることで、第1レンズによって十分な正面輝度を得ることができる。
なお、第1レンズの頂部における外縁形状は、kが0のときに正円、kが−1より大きく0未満のときに楕円、kが−1のときに放物線、kが−1未満のときに双曲線となる。
【0009】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズは、弧状表面を有する頂部と、該頂部から前記一面に至る一対の側面部とを有し、該一対の側面部それぞれが、前記一面から前記頂部に向かうにしたがって互いに近接することが好ましい。
この発明では、上述と同様に、頂部を曲面とすることで、高い光の拡散効果を有するため、他方向においてより広い視野角を確保できる。
【0010】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズの前記頂部におけるフィッティング曲率半径が、前記幅W2の0.15倍以上0.3倍以下であることが好ましい。
この発明では、上述と同様に、フィッティング曲率半径を幅W2の0.15倍以上0.3倍以下とすることで、光学シートに対する正面輝度を向上させることができると共に、第2レンズの成形性を維持できる。
【0011】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズの断面形状は、前記一面の法線方向をZ軸、前記第2レンズの幅方向における幅方向中心からの位置をsとしたときに、係数S、D、E、Fを用いてZ=(s2/S)/(1+√(1−(1+j)×(s/S)2))+Ds2+Es4+Fs6で表され、前記ピッチP2を1と正規化したときに、前記係数(1/S)が、−10より大きく10未満であり、前記係数Dが、−5より大きく5未満であり、前記係数Eが、−10より大きく10未満であり、前記係数Fが、−30より大きく30未満であることが好ましい。
この発明では、係数(1/S)を−10より大きく10未満、係数Dを−5より大きく5未満とすることで、第2レンズの外縁形状における頂部のフィッティング曲率半径が幅W2の0.15倍以上0.3倍以下となる。
また、係数Eを−10より大きく10未満、係数Fを−30より大きく30未満とすることで、第2レンズによって十分な正面輝度を得ることができる。
なお、第2レンズの頂部における外縁形状は、jが0のときに正円、jが−1より大きく0未満のときに楕円、jが−1のときに放物線、jが−1未満のときに双曲線となる。
【0012】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズは、断面が三角形状のプリズムレンズであることが好ましい。
この発明では、第2レンズをプリズムレンズとすることで、より十分な正面輝度が得られる。
【0013】
また、本発明の光学シートは、前記第2レンズの頂角が、80°以上105°以下であることが好ましい。
この発明では、上述と同様に、頂角を80°以上105°以下にすることで、レンズによる集光効果を維持して光学シートに対する正面輝度を向上させることができると共に、他方向における視野角を確保できる。
【0014】
また、本発明の光学シートは、前記第1及び第2レンズアレイが、同一材料で形成されていることが好ましい。
この発明では、第1及び第2レンズアレイを同一材料で形成することで、第1及び第2レンズアレイの製造工程の簡略化が図れる。
【0015】
また、本発明の光学シートは、前記ピッチP1及び前記ピッチP2の少なくとも一方が、ランダムであることが好ましい。
この発明では、第1及び第2レンズの少なくとも一方の配列間隔に規則性を持たせないことで、光学シートを組み込んだ表示装置におけるモアレの発生をより確実に抑制できる。ここで、ランダムとは、一のレンズとこのレンズと隣り合う一方のレンズとの間隔と、一のレンズと隣り合う他方のレンズとの間隔とが異なることなどをいう。
【0016】
また、本発明の光学シートは、前記高さT1及び前記高さT2それぞれが、一定であることが好ましい。
この発明では、第1及び第2レンズそれぞれの高さを一定にすることで、光学シートの面方向におけるムラの発生を抑制できる。
【0017】
また、本発明のバックライトユニットは、上記記載の光学シートと、該光学シートに照明光を照射する光源とを備えることを特徴とする。
この発明では、上述した光学シートを備えることにより、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
【0018】
また、本発明の表示装置は、上記記載のバックライトユニットと、前記光学シートから射出した前記照明光が照射され、表示画像を表示する画像表示素子とを備えることを特徴とする。
この発明では、上述したバックライトユニットを備えることにより、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の光学シート、バックライトユニット及び表示装置によれば、基材の一面に配置された第1及び第2レンズアレイにより、それぞれの延在方向に対する直交方向における集光拡散効果が十分に得られる。したがって、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態における光学シートを示す斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】(a)は図1のX1−X1矢視断面図、(b)はY1−Y1矢視断面図である。
【図4】本発明の液晶表示装置を示す概略構成図である。
【図5】光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図6】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図7】W1/P1とX方向における半値角との関係を示すグラフである。
【図8】W1/P1とY方向における半値角との関係を示すグラフである。
【図9】W1/P1と正面方向における輝度との関係を示すグラフである。
【図10】W2/P2と正面方向における輝度との関係を示すグラフである。
【図11】光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図12】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図13】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図14】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図15】同じく、光学シートの視角特性を示すグラフである。
【図16】本発明の第2の実施形態における光学シートを示す斜視図である。
【図17】図16の平面図である。
【図18】(a)は図16のX2−X2矢視断面図、(b)はY2−Y2矢視断面図である。
【図19】第1レンズの頂部を示す拡大図断面図である。
【図20】第3の実施形態における光学シートを示す斜視図である。
【図21】図20の平面図である。
【図22】(a)は図20のX3−X3矢視断面図、(b)はY3−Y3矢視断面図である。
【図23】第1及び第2レンズアレイの他の配置状態を示す平面図である。
【図24】第4の実施形態における光学シートを有する液晶表示装置を示す概略構成図である。
【図25】第5の実施形態における光学シートを有する液晶表示装置を示す概略構成図である。
【図26】散乱板における固着層の形成箇所を示す平面図である。
【図27】図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【図28】同じく、図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【図29】同じく、図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【図30】同じく、図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【図31】同じく、図25の他の形態における散乱板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
以下、本発明にかかる光学シートの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態における光学シート1は、図1から図3に示すように、バックライトユニットに用いられる導光板であって、平板状の基材2と、基材2の一面に突出して設けられた第1及び第2レンズアレイ3、4を備えている。そして、光学シート1は、基材2の他面が入射面、第1及び第2レンズアレイ3、4それぞれが射出面となっている。
【0022】
基材2は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、クリルニトリルスチレン共重合体、COP(シクロオレフィンポリマー)などにより形成されている。そして、基材2は、押出成型法や射出成型法、熱プレス成型法などにより形成されている。
また、基材2の厚さは、第1及び第2レンズアレイ3、4が例えばUV(紫外線)硬化性樹脂や放射線硬化性樹脂のようにエネルギー線の照射により硬化する材料で形成されている場合において、50μmより大きいことが望ましい。これにより、第1及び第2レンズアレイ3、4の形成時において基材2に皺などが発生することを防止できる。また、基材2の厚さは、光学シート1が例えば対角37インチ以上のディスプレイ装置に用いられる場合において、0.05mm以上3mm以下であることが望ましい。
【0023】
第1及び第2レンズアレイ3、4は、例えばUV硬化性樹脂や放射線硬化性樹脂、PET、PC、PMMA、COPなどにより形成されている。そして、第1及び第2レンズアレイ3、4は、例えばUV硬化性樹脂や放射線硬化性樹脂のようにエネルギー線の照射により硬化する材料で形成されている場合において、基材2上に形成された樹脂層に紫外線や放射線などのエネルギー線を照射することにより形成されている。また、第1及び第2レンズアレイ3、4は、基材2と同一材料で形成されている場合において、基材2と共に押出成型法や射出成形法、熱プレス成型法などにより一体的に形成されている。
【0024】
第1レンズアレイ3は、基材2の一面においてX方向(一方向)に沿って延在すると共に、このX方向に対する直交方向であるY方向で間隔をあけて互いに平行に配置された複数の第1レンズ5により形成されている。
第1レンズ5は、幅方向における断面形状が三角形のプリズムレンズである。そして、第1レンズ5の頂部における角度である頂角α1は、80°以上105°以下となっている。また、第1レンズ5は、幅W1が例えば60μm程度、Y方向において隣り合う他の第1レンズ5との中心間隔であるピッチP1が幅W1の1.25倍以上5倍以下、例えば100μm程度、高さT1が20μm以上200μm以下でとなっている。ここで、第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1は、0.5以上0.8以下となっている。
【0025】
第2レンズアレイ4は、基材の一面においてY方向(他方向)に沿って延在すると共に、X方向で間隔をあけて互いに平行に配置された複数の第2レンズ6により形成されている。すなわち、第1レンズ5の延在方向と、第2レンズ6の延在方向とは、互いに直交しており、第1レンズ5の延在方向と第2レンズ6の延在方向とのなす角が60°以上120°以下の範囲内となっている。
第2レンズ6は、複数の第1レンズ5の谷部において他方向に沿って配置された複数のサブレンズ7を有している。
複数のサブレンズ7それぞれは、幅方向における断面形状が三角形のプリズムレンズであって、その延在方向がY方向となっている。そして、サブレンズ7の延在方向における両端は、Y方向において隣り合う2つの第1レンズ5それぞれの側面に接している。
そして、第2レンズ6の頂部における角度である頂角α2は、80°以上105°以下であって第1レンズ5における頂角α1以下の値となっている。また、第2レンズ6は、幅W2が例えば30μm程度、隣り合う他の第2レンズ6との中心間隔であるピッチP2が幅W2の1倍以上1.25倍以下、高さT2が例えば3μm以上150μm以下であって第1レンズ5の高さT1よりも小さい値となっている。ここで、第2レンズ6の幅W2とピッチP2との比であるW2/P2は、0.8以上1以下となっている。
【0026】
以上のような構成の光学シート1は、図4に示すような液晶表示装置(表示装置)に用いられる。
液晶表示装置10は、図4に示すように、液晶パネル(画像表示素子)11と、液晶パネル11に照明光を照射するバックライトユニット12とを備えている。
液晶パネル11は、一対の基板21、22と、一対の基板21、22間に封止された液晶層23とを備えている。一対の基板21、22それぞれには、液晶層23を駆動するための電極(図示略)が設けられている。そして、液晶層23に印加された電界の強度に応じて、液晶層23を透過する光の偏光状態が変化する。
また、液晶パネル11には、ほぼ長方形の画像表示領域が設けられている。画像表示領域には、マトリックス状に複数の画素が配置されている。そして、画像表示領域の長軸方向である水平走査方向が第1レンズ5の延在方向であるX方向とほぼ平行となっており、短軸方向である垂直走査方向が第2レンズ6の延在方向であるY方向とほぼ平行となっている。
また、液晶パネル11の上下両面には、偏光板24、25が設けられている。
【0027】
バックライトユニット12は、光学シート1と、複数の光源26と、散乱板27と、光反射板28とを備えている。
光源26は、例えば冷陰極蛍光ランプで形成されており、円柱形状を有している。また、光源26は、ランプハウス29内に収容されている。そして、光源26は、照明光を光学シート1の他面に向けて射出する。
散乱板27は、光源26と光学シート1との間に配置されており、光源26から射出した照明光を拡散して光学シート1に向けて射出する。
光反射板28は、光源26の背面側に配置されており、光源26から射出した照明光を光学シート1に向けて反射する。
【0028】
以上のような構成の液晶表示装置10では、光源26から射出した光は、散乱板27において拡散されて光学シート1の基材2における他面に入射する。そして、光学シート1に入射した光は、光学シート1から光学利得が1以上の光となって液晶パネル11に向けて射出される。液晶パネル11に入射した光は、偏光板24を透過した後に液晶層23に印加された電界の強度に応じて偏光状態が変化し、偏光板25において透過または吸収される。以上のようにして、液晶パネル11の画像表示領域に表示された画像を表示する。
【0029】
なお、光学利得とは、光学的な拡散部材の拡散性を示す指標の一つであって完全拡散する拡散体の輝度を1とし、その光の輝度との比で表される。測定する拡散部材の拡散性が方向によって偏っている場合、各方向における光学利得を算出することで、その拡散部材の拡散特性を示すことが可能となる。また、完全拡散とは、吸収が0であって全方向における光の輝度が一定である理想的な拡散体のことを示す。すなわち、光学利得が1以上であるということは、その測定する方向に光を集める効果を有することを示しており、利得が高いほど集光効果が強いことを示す。
【0030】
ここで、本実施形態における光学シート1と第1レンズアレイのみが形成された光学シートとのX方向及びY方向それぞれにおける視角特性を図5及び図6に示す。図5及び図6それぞれには、X方向及びY方向それぞれにおいて正面方向に対する角度と輝度との関係を示している。
なお、第1レンズアレイのみが形成された光学シートでは、第1レンズの幅W1とピッチP1との比であるW1/P1を1としている。また、光学シート1では、第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1を0.6、第2レンズ6の幅W2とピッチP2との比であるW2/P2を1、第1レンズ5の頂角α1及び第2レンズ6の頂角α2それぞれを90°としている。
【0031】
図5に示すように、第1レンズアレイのみを有する光学シートでは、第1レンズによりY方向において十分に光が集光されているものの、X方向において集光されていない。また、この光学シートでは、X方向においてサイドローブが発生しており、メインローブとの間の谷部において光がほとんど射出されない。
一方、図6に示すように、本実施形態における光学シート1では、上述の光学シートのように第1レンズアレイ3のみの場合に発生したサイドローブとの間の谷部において第2レンズアレイ4による集光効果により光が射出されるため、輝度が低下しない。これにより、サイドローブの発生が抑制される。また、光学シート1では、第2レンズによりX方向において十分に光が集光される。
【0032】
また、光学シート1において第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1と光学シート1から射出する光のY方向における半値角との関係を、図7に示す。また、W1/P1とX方向における半値角との関係を、図8に示す。ここで、半値角とは、光学シート1の斜め方向における輝度が正面方向における輝度の半分となったときの正面方向に対する角度を示す。
また、図7及び図8それぞれには、第1レンズ5の頂角α1の値を75°、80°、85°、90°、105°、110°とした際の半値角を示している。なお、第2レンズ6は、幅W2とピッチP2との比であるW2/P2を1、頂角α2を頂角α1と同じ値としている。
図7及び図8に示すように、W1/P1を大きくするにしたがってY方向における半値角が小さくなると共にX方向における半値角が大きくなる。これは、W1/P1を大きくするにしたがって、第1レンズ5による集光効果が大きくなると共に第2レンズ6による集光効果が小さくなるためである。また、頂角α1、α2を大きくするにしたがって、半値角が大きくなる。これは、頂角α1を大きくすると第1レンズ5による集光効果が小さくなり、頂角α2を大きくすると第2レンズ6による集光効果が小さくなるためである。
一般に、テレビ受像機などのディスプレイ装置では、水平方向であるX方向における視野角を広くすることが望まれる。そのため、X方向における半値角は、少なくとも40°程度であることが望まれる。したがって、W1/P1を0.5以上にすることで、水平方向であるX方向における視野角が十分に確保される。なお、W1/P1を0.5としたときは、頂角が小さいときにX方向における半値角が40°に満たないが、上述のように第2レンズ6の頂角α2を大きくすることで、これを解消することができる。
【0033】
そして、光学シート1において第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1と光学シート1から射出する光の光学シート1の正面方向における輝度との関係を図9に示す。図9には、第1レンズ5の頂角α1の値を75°、80°、85°、90°、105°、110°とした際の輝度を示している。なお、第2レンズ6は、幅W2とピッチP2との比であるW2/P2を1、頂角α2を頂角α1と同じ値としている。
図9に示すように、正面方向における輝度は、W1/P2を変化させても変化しない。
これは、W1/P1を大きくすると第1レンズ5による集光効果が大きくなり、W1/P1を小さくすると第2レンズ6による集光効果が大きくなるため、両者の集光効果により正面方向における輝度が変化しない。また、図9に示すように、頂角α1、α2を変化させることにより、第1及び第2レンズ5、6それぞれにおける集光効果が変化するため、正面方向における輝度が変化する。
したがって、頂角α1、α2それぞれを80°以上105°以下とすることで、十分な輝度が確保される。
【0034】
さらに、光学シート1において第2レンズ6の幅W2とピッチP2との比であるW2/P2と光学シート1の正面方向における輝度との関係を、図10に示す。なお、図10において、W2/P2が1であるときの正面方向における輝度を1としている。
図10に示すように、W2/P2を小さくするにしたがって、輝度が低下する。これは、W2/P2を小さくするにしたがって基材2の一面に第1及び第2レンズ5、6が形成されない領域が増大するためである。
したがって、W2/P2を0.8以上とすることで、十分な輝度が確保される。このとき、W2/P2は、0.9以上であることがより望ましい。
【0035】
また、第1レンズ5の幅W1とピッチP1との比であるW1/P1を、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9としたときの視角特性を、図11から図15に示す。図11から図15それぞれでは、X方向及びY方向それぞれにおいて正面方向に対する角度と輝度との関係を示している。なお、第2レンズ6において、幅W2とピッチP2との比であるW2/P2を1としている。また、第1レンズ5の頂角α1及び第2レンズ6の頂角α2それぞれを90°としている。そして、W1/P1を0.6としたときの視角特性は、図6と同様である。
図6、図11から図15に示すように、W1/P1が増大するにしたがって、第1レンズ5による集光効果が大きくなり、図15に示すようにW1/P1が0.9以上でY方向の視角特性においてサイドローブが発生する。
したがって、W1/P1を0.8以下とすることで、Y方向の視角特性におけるサイドローブの発生が抑制される。
【0036】
以上のような構成の光学シート1、バックライトユニット12及び液晶表示装置10によれば、基材2の一面に配置された第1及び第2レンズアレイにより、それぞれの延在方向に対する直交方向における集光拡散効果が十分に得られる。したがって、光利用効率の向上及び光吸収による光量の低下を抑制できる。
ここで、W1/P1を0.5以上0.8以下とすることで、主にY方向における視野角が確保できると共に、サイドローブの発生を抑制できる。そして、W2/P2を0.8以上とすることで、光学シート1の正面方向における輝度を向上させることができる。
また、第1及び第2レンズ5、6それぞれをプリズムレンズとすることで、光学シート1の正面方向における輝度を向上させることができる。そして、頂角α1、α2それぞれを80°以上105°以下にすることで、光学シート1に対する正面輝度を向上させることができると共に、視野角を確保できる。
さらに、頂角α2を頂角α1以上とすることで、X方向における視角を大きくすることができる。
また、第1及び第2レンズ5、6それぞれを同一材料で形成することで、第1及び第2レンズ5、6それぞれの製造工程の簡略化が図れる。
【0037】
[第2の実施形態]
次に、本発明における光学シートの第2の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
本実施形態における光学シート50は、図16から図18に示すように、第1及び第2レンズアレイ51、52を有している。そして、第1レンズアレイ51を構成する複数の第1レンズ53それぞれが曲面形状を有している。また、第2レンズアレイ52を構成する複数の第2レンズ54それぞれは、第1レンズ53と同様に、曲面形状を有している。
第1レンズ53は、レンチキュラーレンズであり、弧状表面を有する頂部53aと、頂部53aから基材2の一面に至る一対の側面部53bとを有している。
【0039】
第1レンズ53の頂部53aにおけるフィッティング曲率半径Rt1は、以下のようにして定義される。すなわち、図19に示すように、第1レンズ53の外縁において、第1レンズ53の頂部53aの頂点m1を通る幅方向中心から第1レンズ53の幅W1の0.1倍だけ離れた位置を点m2、m3とする。そして、点m2における第1レンズ53の外縁の接線に対する法線と、点m3における第1レンズ53の外縁の接線に対する法線との交点を中心とし、点m2、m3を通る円の半径をフィッティング曲率半径Rt1とする。
【0040】
また、第1レンズ53の一方向に対する直交方向の断面外縁形状は、以下の式1で表される。ここでは、基材2の一面の法線方向をZ軸、第1レンズ53の幅方向における幅方向中心から位置をrとしている。また、係数R、A、B、Cは補正係数である。
【0041】
【数1】
【0042】
ここで、係数(1/R)は−10より大きく10未満であり、係数Aは−5より大きく5未満となっている。これにより、第1レンズ53の頂部53aにおけるフィッティング曲率半径Rt1が第1レンズ53の幅W1の0.15倍以上0.3倍以下となる。また、係数Bを−10より大きく10未満とし、係数Cを−30より大きく30未満としている。
なお、第1レンズ53の頂部53aにおける外縁形状は、係数kが0のときに正円、係数kが−1より大きく0未満のときに楕円、係数kが−1のときに放物線、係数kが−1未満のときに双曲線となる。
【0043】
第2レンズ54は、第1レンズ53と同様に、レンチキュラーレンズである複数のサブレンズ55を有している。サブレンズ55は、弧状表面を有する頂部55aと、頂部55aから基材2の一面に至る一対の側面部55bとを有している。
また、第2レンズ54の延在方向である他方向に対する直交方向における断面外縁における頂部55aのフィッティング曲率半径Rt2は、第2レンズ54の幅W2の0.15倍以上0.3倍以下となっている。なお、第2レンズ54の頂部54aにおけるフィッティング曲率半径Rt2の定義は、上述したフィッティング曲率半径Rt1と同様である。
【0044】
また、サブレンズ55の断面外縁形状は、第1レンズ53と同様に、以下の式2で表される。ここでは、第2レンズ54の幅方向における幅方向中心から位置をsとしている。
また、係数S、D、E、Fは補正係数である。
【0045】
【数2】
【0046】
ここで、係数(1/S)は−10より大きく10未満であり、係数Dは−5より大きく5未満となっている。これにより、第2レンズ54の頂部55aにおけるフィッティング曲率半径Rt2が第2レンズ54の幅W2の0.15倍以上0.3倍以下となる。また、係数Eを−10より大きく10未満とし、係数Fを−30より大きく30未満としている。
なお、第2レンズ54の頂部55aにおける外縁形状は、係数jが0のときに正円、係数jが−1より大きく0未満のときに楕円、係数jが−1のときに放物線、係数jが−1未満のときに双曲線となる。
【0047】
以上のような構成の光学シート50においても、上述と同様の作用、効果を奏するが、第1レンズ53をレンチキュラーレンズとすることで、第1レンズ53の延在方向である一方向における視野角を広くすることができる。同様に、第2レンズ54をレンチキュラーレンズとすることで、第2レンズ54の延在方向である他方向における視野角を広くすることができる。
このとき、上記式1において係数(1/R)を−10より大きく10未満、係数Aを−5より大きく5未満、係数Bを−10より大きく10未満、係数Cを−30より大きく30未満とし、頂部53aにおけるフィッティング曲率半径Rt1が第1レンズ53の幅W1の0.15倍以上0.3倍以下とすることで、光学シート50における正面輝度を向上させることができると共に、第1レンズ53の成形性を維持できる。同様に、上記式2において係数(1/S)を−10より大きく10未満、係数Dを−5より大きく5未満、係数Eを−10より大きく10未満、係数Fを−30より大きく30未満とし、頂部55aにおけるフィッティング曲率半径Rt2が第2レンズ54の幅W2の0.15倍以上0.3倍以下とすることで、光学シート50における正面輝度を向上させることができると共に、第2レンズ54の成形性を維持できる。
【0048】
[第3の実施形態]
次に、本発明における光学シートの第3の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態における光学シート60は、図20から図22に示すように、基材2と、第1レンズアレイ51と、第2レンズアレイ4とを備えている。
【0049】
以上のような構成の光学シート60においても、上述と同様の作用、効果を奏するが、第1レンズ53が第2レンズ6よりも高いため、第2レンズ6に他の部材が接触しにくくなっている。そのため、第2レンズ6がプリズム形状を有していても、第2レンズ6を保護するフィルムなどを別途設けることなく、第2レンズ6における頂部の形状を保持できる。したがって、部品点数の削減及び低コスト化が図れる。
【0050】
なお、上述した第1から第3の実施形態において、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とを直交させているが、他の角度であってもよい。
一般的に、液晶表示装置などのディスプレイでは、上述のように水平走査方向及び垂直走査方向それぞれにおいて画素がマトリックス状であって周期的に配置されている。一方、第1から第3の実施形態における光学シートそれぞれでは、第1及び第2レンズそれぞれが周期的に配置されている。そのため、画素の周期配列と第1及び第2レンズそれぞれの周期配列とにおいて発生する二次モアレなどの高次のモアレが発生することがある。これにより、液晶表示装置における表示画像の表示品質が低下してしまう。
【0051】
そこで、図23に示すように、例えば第1の実施形態における第1及び第2レンズアレイ3、4において、第1レンズ5の延在方向を水平走査方向に対してγ1だけ傾けると共に、第2レンズ6の延在方向を垂直走査方向に対してγ2だけ傾けてもよい。これにより、高次のモアレの発生による表示品質の低下を抑制できる。このとき、第1レンズ5の延在方向と第2レンズ6の延在方向とのなす角は、βとなっている。
ここで、角度βは、60°よりも大きく120度未満であることが望ましい。これにより、水平走査方向及び垂直走査方向それぞれにおける画素の周期配列と第1及び第2レンズそれぞれの周期配列との間で生じるモアレを有効に防止できる。ただし、角度γ1、γ2それぞれは、20°以下であることがより望ましい。角度γ1、γ2それぞれが20°を越えると、第1及び第2レンズそれぞれによる集光効果が水平走査方向及び垂直走査方向それぞれに対して傾きすぎるため、水平走査方向及び垂直走査方向それぞれにおける視角特性が劣化するためである。
【0052】
また、第1及び第2レンズそれぞれを等間隔で配置しているが、第1及び第2レンズそれぞれのピッチP1、P2をランダムとしてもよい。これによっても、高次のモアレの発生による表示品質の低下を抑制できる。
ここで、ピッチP1のバラツキ度合いは、ピッチP1の平均値に対して±20%以内であることが望ましく、±10%以内であることがより望ましい。同様に、ピッチP2のバラツキ度合いは、ピッチP2の平均値に対して±20%以内であることが望ましく、±10%以内であることがより望ましい。このとき、第1及び第2レンズそれぞれの高さもランダムとしてもよいが、高さは一定であることが望ましい。
【0053】
また、第1レンズは、X方向に沿って直線状に配置されているが、一方向(X方向)に沿って配置されていれば、蛇行していてもよい。これによっても、高次のモアレの発生による表示品質の低下を抑制できる。同様に、第2レンズは、Y方向に沿って直線状に配置されているが、他方向(Y方向)に沿って配置されていれば、蛇行していてもよい。
【0054】
また、第1レンズは、高さT1を第2レンズの高さT2よりも高くしているが、高さT1が高さT2以上であればよい。
そして、第1及び第2レンズそれぞれは、頂角α1、α2を80°以上105°以下としているが、十分な集光拡散効果が得られれば、80°未満であってもよく、105°を越えてもよい。
さらに、第1及び第2レンズそれぞれは、フィッティング曲率半径Rt1、Rt2を幅W1、W2の0.15倍以上0.3倍以下としているが、十分な集光拡散効果が得られれば、0.15倍未満であってもよく、0.3倍を越えてもよい。
また、第1及び第2レンズそれぞれは、係数(1/R)を−10より大きく10未満、係数Aを−5より大きく5未満、係数Bを−10より大きく10未満、係数Cを−30より大きく30未満、係数(1/S)を−10より大きく10未満、係数Dを−5より大きく5未満、係数Eを−10より大きく10未満、係数Fを−30より大きく30未満としているが、十分な集光拡散効果が得られれば、この範囲外であってもよい。
【0055】
また、第1及び第2レンズそれぞれは、視角特性の調整のために内部に拡散微粒子が分散配置されていてもよい。
そして、第1及び第2レンズそれぞれは、別途の材料で形成されてもよい。
さらに、第1レンズアレイは、同一形状の第1レンズを複数有する構成となっているが、プリズム形状の第1レンズとレンチキュラーレンズ形状の第1レンズとを組み合わせるなど、同一形状に限られない。同様に、第2レンズアレイは、同一形状の第2レンズを複数有する構成となっているが、同一形状に限られない。
【0056】
[第4の実施形態]
次に、本発明における光学シートの第4の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態における光学シート100は、図24に示すように、基材2と、基材2の一面に形成された第1及び第2レンズアレイ3、4と、第1及び第2レンズアレイ3、4上に積層された光学フィルム101とを備えている。
光学フィルム101は、例えば拡散シートやレンチキュラーシート、プリズムシート、偏光分離反射シートなどのように、光の屈折、透過、反射、偏光作用により、光の拡散及び集光効果を発揮するフィルム材料である。そして、光学フィルム101は、固着層102により第1及び第2レンズアレイ3、4上に貼付されている。
ここで、光学フィルム101は、拡散シートである場合には、シート状の基材上に拡散ビーズを分散配置した構成であることが望ましい。分散配置された拡散ビーズがマイクロレンズと同等の作用を有することから、視野角及び輝度の向上、カットオフのない配光分布が得られる。
【0057】
固着層102は、加熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂などの接着剤や粘着剤などで形成されている。ここで、接着剤または粘着剤としては、例えばアクリル系やウレタン系、ゴム系、シリコーン系の接着剤または粘着剤が挙げられる。接着剤または粘着剤は、コンマコータなどの塗工装置や印刷、ディスペンサやスプレーを用いて塗布されている。
また、固着層102の100℃における貯蔵弾性率は、光学シート100がバックライトユニットに適用されることから、1.0×104Pa以上であることが望ましい。貯蔵弾性率が1.0×104Pa以上とすることで、バックライトユニットの使用時において光学フィルム101を安定して固定することができる。また、接着剤または粘着剤の安定性を高めるため、例えばビーズなどの微粒子を接着剤や粘着剤内に分散させてもよい。
なお、固着層102は、両面テープなど、他の固着材料であってもよい。また、光学フィルム101は、固着層102を用いずに、エキシマレーザの照射などを用いた接合や溶接などにより積層されてもよい。
【0058】
以上のような構成の光学シート100においても、上述と同様の作用、効果を奏するが、光学フィルム101を一体化することで、部品点数の削減及び厚みの低減が図れる。
また、光学シート100は、光学フィルム101として例えば拡散シートを配置することで、第1及び第2レンズ5、6から射出した光が十分に拡散された後に液晶パネル11に入射するため、モアレの発生を抑制できる。
【0059】
ここで、光学フィルム101は、例えば以下のような製造方法により製造される。
最初に、製造方法1について説明する。まず、基材としてMS600(新日鐵化学社製)の樹脂材料中にシリカ及び樹脂フィラーを混合したものを表面に凹凸が形成されたローラに沿って延伸させる。そして、ローラによる押出時にローラの表面の凹凸形状を転写することにより、光学フィルムを製造する。
次に、製造方法2について説明する。まず、アクリルモノマーを表面に凹凸形状が付された一対の金属平板間において重合させる。そして、金属平板の表面に付された凹凸形状をふすことにより、光学フィルムを製造する。
【0060】
次に、製造方法3について説明する。まず、拡散板を表面に凹凸形状が付された一対の金属平板間で加熱しながら加圧する。そして、金属平板の表面に付された凹凸形状を付すことにより、光学フィルムを製造する。
次に、製造方法4について説明する。まず、表面に凹凸形状が付された金属平板上にアクリル、エポキシ樹脂、ポリウレタンや透明熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂を塗布する。そして、塗布した樹脂上に表面に凹凸形状が付された金属平板を配置して樹脂を硬化することにより、光学フィルムを製造する。
【0061】
次に、製造方法5について説明する。まず、UV硬化性接着剤中に粒径が15μmのポリスチレンフィラーを20重量%混合し、これをロールコータにより拡散板上に厚さ15μmで塗布した。そして、塗布した接着剤にUVを照射して硬化させることにより、光学フィルムを製造する。
次に、製造方法6について説明する。まず、延伸白色PPフィルム(東セロ株式会社製、厚さ30μm)または延伸白色PETフィルム(東洋紡株式会社製、厚さ50μm)とスチレンメチルメタクリレートからなる板材とを接着剤で貼り合わせる。これにより、球形の空洞が形成された光学フィルムを製造する。
【0062】
[第5の実施形態]
次に、本発明における光学シートの第5の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態における光学シート110は、図25に示すように、基材2と、基材2の一面に形成された第1及び第2レンズアレイ3、4と、基材2の他面に設けられた散乱板111とを備えている。
散乱板111は、透明樹脂層と、この透明樹脂層中に分散配置されて屈折率が透明樹脂と異なる透明粒子とを備えている。そして、散乱板111は、透明な樹脂材料で形成されており、例えば押出成型法などにより形成されている。また、散乱板111の厚さは、散乱板111の撓みや透過率の低下を抑制するため、例えば1mm以上5mm以下となっている。
ここで、透明樹脂層と透明粒子との屈折率差は、十分な光散乱効果を得るため、0.02以上であることが望ましい。また、透明樹脂層と透明粒子との屈折率差は、0.5以下であることがより望ましい。
【0063】
透明樹脂層を構成する透明樹脂としては、例えばPC、アクリル、アクリルニトリルスチレン共重合体、フッ素系アクリル、シリコーン系アクリル、エポキシアクリレート、PS(ポリスチレン)、COP、メチルスチレン、フルオレン、PET、PP(ポリプロピレン)などの樹脂材料が挙げられる。
ここで、PC、PS、メチルスチレン、COPそれぞれの線膨張係数は、6.7×10−5(1/℃)、7×10−5(1/℃)、7×10−5(1/℃)、6〜7×10−5(1/℃)であって、7.0×10−5(1/℃)以下となっている。これにより、基材2と第1及び第2レンズアレイ3、4それぞれを線膨張係数が2.7×10−5(1/℃)であるPETで形成した場合であっても、散乱板111が熱により反ることを防止できる。なお、基材2と第1及び第2レンズアレイ3、4それぞれをPCで形成する場合には、線膨張係数がほぼ同等であることから反りが発生することがない。
【0064】
また、透明粒子としては、例えばアクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体;メラミン−ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)などの含フッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを挙げることができる。これら透明粒子は、2種類以上を混合して使用してもよい。
そして、透明粒子の平均粒径は、散乱板111に入射した光を十分に散乱させて散乱板111から射出させるため、0.5μm以上10.0μm以下であることが望ましく、1.0μm以上5.0μm以下であることがより望ましい。
【0065】
散乱板111は、固着層112によって基材2の他面に間隙113を介して固定されている。固着層112は、基材2の他面における外縁部であって、散乱板111を透過する照明光が液晶パネル11における画像表示領域と重ならない位置に設けられている。したがって、固着層112は、図26(a)〜(e)に示すように、散乱板111の外縁部の周縁全体において枠状に設けられてもよく、散乱板111の対向する一対の端辺それぞれに設けられてもよく、散乱板111の角部に設けられてもよく、散乱板111の外縁部の周縁に沿って島状に設けられてもよい。
また、固着層112は、上述と同様に、接着剤や粘着剤により形成されている。接着剤や粘着剤として適用可能な材料としては、上述と同様である。ここで、固着層112による散乱板111と基材2との間隙113を確保するため、接着剤や粘着剤中に例えばビーズなどの微粒子をスペーサとして分散させてもよい。
【0066】
以上のような構成の光学シート110においても、上述と同様の作用、効果を奏する。
なお、本実施形態において、散乱板111が透明樹脂層中に透明粒子を分散配置した構成となっているが、透明樹脂層中に球状の空洞を形成することで散乱機能を付与した構成としてもよい。ここで、空洞は、透明樹脂中に発泡剤を分散させ、この発泡剤を発泡させることにより形成してもよい。
【0067】
[第5の実施形態の他の形態]
次に、第5の実施形態における光学シートの他の形態について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本形態における光学シートにおける散乱板120は、図27に示すように、基材2を向く一面にシリンドリカル形状の凸部が複数形成されている。ここで、凸部の形状は、シリンドリカル形状に限らず、レンズ形状や三角プリズム形状、マイクロレンズ形状など、他の形状であってもよい。このような散乱板120は、押出法やキャスト法などにより形成されている。
このように、散乱板120において基材2を向く一面に凹凸を形成することで、基材2と散乱板120との間の間隙を確保できる。
なお、図28や図29に示すように、両面にシリンドリカル形状の凸部が複数形成された散乱板121、122であってもよい。このとき、一面に形成されている複数の凸部の延在方向と、他面に形成されている複数の凸部の延在方向とは、ほぼ平行であってもよく、ほぼ直交していてもよい。
【0068】
[第5の実施形態の他の形態]
続いて、第5の実施形態における光学シートの他の形態について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本形態における光学シートにおける散乱板123は、図30に示すように、シート状の基材123aと基材123aの一面に形成された微粒子層123bとを備えている。微粒子層123bは、例えばビーズやスペーサなどが分散された透明インキを塗布、乾燥させることにより形成されている。ここで、微粒子層123bは、基材123aの両面に形成されてもよい。
【0069】
[第5の実施形態の他の形態]
さらに、第5の実施形態における光学シートの他の形態について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
本形態における光学シート130は、図31に示すように、散乱板111と基材2との間に配置されるスペーサ131を備えている。
スペーサ131は、透明な樹脂材料で形成されており、上述と同様に、基材2の他面における外縁部に沿って環状に設けられている。
ここで、スペーサ131を形成する樹脂材料としては、例えばPE、アクリル、PC、Ps、メチルスチレン、ポリメチルペンテン、COPなどの熱可塑性樹脂や、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどのオリゴマーまたはアクリレート系などからなる放射線硬化性樹脂などが挙げられる。
また、スペーサ131を形成する樹脂材料中に微粒子を分散させてもよい。ここで、微粒子を形成する材料としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、ガラスビーズなどの無機物や樹脂ビーズなどの有機物が挙げられる。この微粒子は、スペーサ131中に均一に分散配置させてもよく、局所的に分散配置させてもよい。また、微粒子は、反射膜で被覆されるなどにより反射特性を有していてもよい。さらに、樹脂材料中に球状の空洞が分散して形成されていてもよい。
【0070】
また、スペーサ131は、光が照射されることによる高温下においても基材2及び散乱板111それぞれの反りを抑制するため、適度な柔軟性を有していることが望ましい。
そして、スペーサ131の断面形状は、例えば矩形や台形、三角形、円など、さまざまな形状であってもよい。
また、スペーサ131の厚さは、散乱板111と基材2との光学的な接触を避けるため、200nm以上であることが望ましい。また、スペーサ131の幅は、スペーサ131による散乱板111と基材2との接触をより確実に防止するため、厚さの0.1倍以上であることが望ましく、0.2倍以上であることがより望ましい。さらに、スペーサ131の幅は、光学シート130からの視認性の低下を防止するため、50μm以下であることが望ましく、30μm以下であることがより望ましい。
【0071】
スペーサ131と散乱板111との接触面積は、スペーサ131と散乱板111との固定強度や輝度の低下を防止するため、散乱板111の基材2を向く一面の面積に対して1%以上60%以下であることが望ましい。ここで、スペーサ131と散乱板111との接触面積は、輝度低下をより抑制するため、散乱板111の基材2を向く一面の面積に対して1%以上20%以下であることがさらに望ましい。さらに、スペーサ131と散乱板111との接触面積は、2500μm2以下であることが望ましく、900μm2以下であることがより望ましい。
同様に、スペーサ131と基材2との接触面積も、基材2の他面の面積に対して1%以上60%以下であることが望ましい。
また、スペーサ131は、散乱板111及び基材2それぞれに対して接着剤や粘着剤により固定されている。ここで、接着剤や粘着剤として用いられる材料としては、上述と同様の材料が挙げられる。
【0072】
このように、散乱板111と基材2との間にスペーサ131を配置することで、散乱板111と基材2との光学的な接触を容易に抑制でき、光学シートから射出した光の光学シート面内における輝度ムラやニュートンリングの発生を抑制して外観特性が向上する。
【0073】
ここで、スペーサ131は、例えば以下のような製造方法により製造される。
最初に、製造方法1について説明する。まず、熱可塑性樹脂であるPC樹脂を加熱して、ローラに沿って延伸しながらフィルムを成型する。そして、スペーサ形状に成型されたシリンダ金型を用いて加熱されたフィルムを加圧しながら冷却することで、フィルムの粘性を低下させてスペーサ形状を維持した状態で硬化させる。その後、フィルムをシリンダ金型から離型させることにより、幅が60μm、高さが100μmであるスペーサを製造する。
【0074】
次に、製造方法2について説明する。まず、厚さが125μm程度の2軸延伸易接着PETフィルム上にスペーサを形成するウレタンアクリレートを主成分とするUV硬化樹脂(日本化薬社製、屈折率1.51)を塗布する。そして、スペーサ形状に成型されたシリンダ金型を用いて、フィルムを搬送しながら紫外線を照射してフィルムを硬化する。その後、フィルムをシリンダ金型から離型させることにより、幅が60μm、高さが100μmであるスペーサを製造する。
【0075】
次に、製造方法3について説明する。まず、反射材料である酸化チタン(デュポン社製)を熱可塑性樹脂であるPCに対して重量比で20%分散させ、これを加熱してローラに沿って延伸しながらフィルムを成型する。そして、スペーサ形状に成型されたシリンダ金型を用いて加熱されたフィルムを加圧しながら冷却することで、フィルムの粘性を低下させてスペーサ形状を維持した状態で硬化させる。その後、フィルムをシリンダ金型から離型させることにより、幅が60μm、高さが100μmであって反射性を有するスペーサを製造する。
【0076】
次に、製造方法4について説明する。まず、厚さが125μm程度の2軸延伸易接着PETフィルム上に反射材料である酸化チタン(デュポン社製)を重量比で20%分散させる。そして、この上にスペーサを形成するウレタンアクリレートを主成分とするUV硬化樹脂(日本化薬社製、屈折率1.51)を塗布する。さらに、スペーサ形状に成型されたシリンダ金型を用いて、フィルムを搬送しながら紫外線を照射してフィルムを硬化する。
その後、フィルムをシリンダ金型から離型させることにより、幅が60μm、高さが100μm、ピッチ間隔が600μmであるスペーサを製造する。
【0077】
次に、製造方法5について説明する。まず、製造方法1において製造したスペーサの上面に、光反射機能を有する転写箔(クルツ社製)を加圧、加熱する。そして、上面に転写箔が転写されて反射表面を有するスペーサを製造する。
【0078】
なお、スペーサ131は、散乱板111の外縁部に沿って環状に設けられているが、散乱板111と基材2との光学的な接触を抑制できれば、リブ状など他の形状であってもよい。
また、スペーサ131と散乱板111及び基材2それぞれとを固定する接着剤または粘着剤は、反射材を含有していてもよい。ここで、反射材を含有する接着剤または粘着剤は、例えば金属粒子や高い屈折率を有する透明粒子を分散させることにより形成される。
【0079】
そして、スペーサ131は、反射特性を有していてもよい。ここで、反射特性は、例えばスペーサ131を構成する樹脂材料中に金属粒子や高い屈折率を有する粒子を分散させること、スペーサ131の表面に反射膜を形成することにより付与される。反射膜は、例えば光反射性の高い銀やアルミニウム、ニッケルなどの金属膜を蒸着やスパッタ法などの乾式成膜法を用いること、高い屈折率を有する粒子が分散混合されたインキや接着剤または粘着剤を塗布すること、金属粒子や高い屈折率を有する粒子をバインダに練りこんで転写すること、白箔や金属箔をラミネートすることなどにより形成される。ここで、高い屈折率を有する粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、クレー、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、シリカ、シリコーンなどが挙げられる。金属粒子または金属箔としては、例えば、アルミニウムや銀がなど挙げられる。これらの粒子、金属粒子または金属箔は1種類を使用してもよく、複数種を併用してもよい。
【0080】
なお、散乱板111と基材2とは、これらの方法以外に、例えば熱や超音波、レーザなどを用いる溶着や他の部材を用いて固定されてもよい。ここで、例えば波長178nmのエキシマレーザを用いた溶着では、散乱板111と基材2との少なくとも一方のレーザを照射した後、加熱しながら両者を貼り合わせてもよく、貼り合わせた後に加熱してもよい。
また、上述した固着層112やスペーサ131は、散乱板111を透過する照明光が液晶パネル11における画像表示領域と重ならないように散乱板111の外周部に設けられているが、画像表示領域と重なるように設けられていてもよい。このとき、画像表示領域と対応する領域における光の吸収率は、光学シート110、130から射出する光の輝度を確保するため、1%以下であることが望まれる。
【実施例1】
【0081】
次に、以上のような構成の光学シートについて、実施例により具体的に説明する。
まず、実施例1として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1及びα2それぞれが90°となっている。
また、実施例2として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるレンチキュラーレンズ形状の第1レンズアレイとプリズム形状の第2レンズアレイとが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μmとなっている。そして、この光学シートは、kが−1、(1/R)が−10より大きく10未満であり、Aが−5より大きく5未満、Rt1が25μm、α2が90°となっている。
【0082】
そして、実施例3として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1が90°、α2が100°となっている。
さらに、実施例4として、PCからなる基材とプリズム形状の第1及び第2レンズアレイとが押出法により一体的に形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1及びα2それぞれが90°となっている。また、基材の厚さは、200μmとなっている。
【0083】
また、実施例5として、PCからなる基材とレンチキュラーレンズ形状の第1レンズアレイとプリズム形状の第2レンズアレイとが押出法により一体的に形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μmとなっている。そして、この光学シートは、kが−1、(1/R)が−10より大きく10未満であり、Aが−5より大きく5未満、Bが−10より大きく10未満、Cが−30より大きく30未満、Rt1が25μmとなっている。またこの光学シートは、α2が90°となっている。
【0084】
また、比較例1として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるレンチキュラーレンズ形状の第1レンズアレイとプリズム形状の第2レンズアレイとが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μmとなっている。そして、この光学シートは、kが−1、(1/R)が−10より大きく10未満であり、Aが−5より大きく5未満、Bが−10より大きく10未満、Cが−30より大きく30未満、Rt1が50μmとなっている。またこの光学シートは、α2が90°となっている。
また、比較例2として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1及びα2それぞれが120°となっている。
【0085】
また、比較例3として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1が70°、α2が120°となっている。
また、比較例4として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるプリズム形状の第1及び第2レンズアレイが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.9、W2/P2が1、P1が100μm、P2が30μm、α1が90°、α2が100°となっている。
【0086】
そして、比較例5として、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなるレンチキュラーレンズ形状の第1及び第2レンズアレイとが形成された光学シートを作成した。ここで、この光学シートは、W1/P1が0.6、W2/P2が1、P1が100μm、P2が50μmとなっている。そして、この光学シートは、kが−1、(1/R)が−10より大きく10未満であり、Aが−5より大きく5未満、Bが−10より大きく10未満、Cが−30より大きく30未満、Rt1が50μmとなっている。また、この光学シートは、α2が90°となっている。また、この光学シートは、jが−1、(1/S)が−10より大きく10未満であり、Dが−5より大きく5未満、Eが−10より大きく10未満、Fが−30より大きく30未満、Rt2が10μmとなっている。
【0087】
以上の実施例1〜5、比較例1〜5それぞれについて、視野角測定装置(EZContrast:Eldim社製)を用いて、その正面輝度及び視角特性を測定した。その評価結果を、表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
表1に示すように、実施例1〜5における光学シートでは、輝度、半値角、サイドローブ及びカットオフそれぞれが良好であった。
一方、比較例1における光学シートでは、第1のレンズアレイのRt1が大きすぎたため、正面輝度が低くなった。
また、比較例2における光学シートでは、第1及び第2レンズアレイそれぞれの頂角α1、α2が大きすぎたため、正面輝度が低くなった。
そして、比較例3における光学シートでは、第1レンズアレイの頂角α1が小さすぎたため半値角が狭くなると共に、サイドローブが生じ、第2レンズアレイの頂角α2が大きすぎたため正面輝度が低くなった。
さらに、比較例4における光学シートでは、第1レンズアレイのW1/P1が大きすぎたためサイドローブが生じると共に、Y方向において急激な輝度低下が生じた。
また、比較例5における光学シートでは、第1のレンズアレイのRt1が大きすぎたため、正面輝度が低くなった。
【実施例2】
【0090】
続いて、同様に以上のような光学シートについて、実施例により具体的に説明する。
まず実施例6として、プリズム形状の第1及び第2レンズアレイを有し、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とのなす角が95°である光学シートを製造した。そして、この光学シートを、第1レンズの延在方向と液晶パネルの水平走査方向とのなす角が10°、第2レンズの延在方向と垂直走査方向とのなす角が15°となるように配置した。
また、実施例7として、プリズム形状の第1及び第2レンズアレイを有し、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とのなす角が65°である光学シートを製造した。そして、この光学シートを、第1レンズの延在方向と液晶パネルの水平走査方向とのなす角が10°、第2レンズの延在方向と垂直走査方向とのなす角が−15°となるように配置した。
【0091】
そして、比較例6として、プリズム形状の第1及び第2レンズアレイを有し、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とのなす角が150°(30°)である光学シートを製造した。そして、この光学シートを、第1レンズの延在方向と液晶パネルの水平走査方向とのなす角が−25°、第2レンズの延在方向と垂直走査方向とのなす角が45°となるように配置した。
さらに、比較例7として、プリズム形状の第1及び第2レンズアレイを有し、第1レンズの延在方向と第2レンズの延在方向とのなす角が90°である光学シートを製造した。
そして、この光学シートを、第1レンズの延在方向と液晶パネルの水平走査方向とのなす角が30°、第2レンズの延在方向と垂直走査方向とのなす角が30°となるように配置した。
【0092】
以上の実施例6、7、比較例6、7それぞれについて、32インチ液晶パネルと37インチ液晶パネルとのそれぞれにおけるモアレの発生の有無を評価した。その結果、実施例6、7における光学シートを備える液晶表示装置では、モアレが確認されなかった。
一方、比較例6における光学シートを備える液晶表示装置では、モアレが確認された。
また、比較例7における光学シートを備える液晶表示装置では、モアレが確認されなかったが、水平走査方向及び垂直走査方向それぞれにおける半値角が小さくなり、表示品質が低下した。
【実施例3】
【0093】
続いて、同様に以上のような光学シートについて、実施例により具体的に説明する。
まず、実施例8として、上述した実施例2における光学シートにおいて第1及び第2レンズアレイの上面に粘着剤を用いて表面拡散フィルムをラミネートした光学シートを製造した。
また、実施例9として、上述した実施例2における光学シートにおいて第1及び第2レンズアレイの上面に粘着剤を用いて偏光分離反射シートをラミネートした光学シートを製造した。
そして、実施例10として、上述した実施例1における光学シートにおいて第1及び第2レンズアレイの上面に粘着剤を用いて実施例2における光学シートをラミネートした光学シートを製造した。
【0094】
以上の実施例8〜10それぞれについて、輝度、半値角それぞれの評価を行った。その結果、実施例8における光学シートでは、半値角が大きくなり、光学シートに対する斜め方向における輝度の低下が緩やかになった。また、実施例9における光学シートでは、正面輝度が大幅に上昇すると共に半値角が大きくなり、光学シートに対する斜め方向における輝度の低下が緩やかになった。そして、実施例10における光学シートでは、正面輝度が上昇し、光学シートに対する斜め方向における輝度の低下が緩やかになった。
【実施例4】
【0095】
続いて、同様に以上のような光学シートについて、実施例により具体的に説明する。
まず、実施例11として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、700mm×900mmの拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))の端部5mmにロールコータを用いて主成分がアクリル系樹脂である接着剤を塗布(塗布量:5g/m2)した。そして、拡散板上に第1及び第2レンズアレイが形成された基材をラミネータにより被覆し、80℃、50%の乾燥炉において30分間加熱させる。その後、接着剤を硬化させて光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0096】
次に、実施例12として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、700mm×900mmの拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))の端部5mmに両面テープ(住友スリーエム株式会社製)を貼付した。そして、拡散板上に第1及び第2レンズアレイが形成された基材を貼り合わせ、光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0097】
次に、実施例13として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなる第1及び第2レンズアレイを形成した。そして、第1及び第2レンズアレイ上に、あらかじめ5g/m2で塗布された接着剤シートにより線膨張係数が7.0×10−5(1/℃)である拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))を貼り合わせて光学シートを製造した。
また、実施例14として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、PCからなる基材と第1及び第2レンズアレイとを押出法により一体的に形成した。そして、第1及び第2レンズアレイ上に、あらかじめ5g/m2で塗布された接着剤シートにより線膨張係数が7.0×10−5(1/℃)である拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))を貼り合わせて光学シートを製造した。
そして、これらの光学シートを常温から80℃の環境内に投入し、温度変化による反りを確認した。反りの測定は、平らな台の上に基材が下面となるように光学シートを載置し、4角における台からの浮き量を測定した。なお、投入前では、各角において0mmであった。
80℃の環境内への投入後から、実施例13における光学シートでは反りが発生した。
このときの反り量は、10〜15mmであった。また、実施例14における光学シートでは、反りが発生しなかった。
この試験は、バックライト点灯時において高温になる状況を再現したものであるが、いずれの光学シートにおいても、各角が台から浮くように反っており、第1及び第2レンズアレイ側に向けて凸となるように反っていない。そのため、液晶表示装置に組み込んだ際に表示画像を押圧しても、表示画像に異常が生じないと考えられる。
【0098】
次に、実施例15として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、上述した実施例14と同様に、PCからなる基材と第1及び第2レンズアレイとを押出法により一体的に形成した。そして、第1及び第2レンズアレイ上に、あらかじめ5g/m2で塗布された接着剤シートにより線膨張係数が7.2×10−5(1/℃)である拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))を貼り合わせて光学シートを製造した。
また、比較例8として、上述した実施例13と同様に、2軸延伸易接着PETフィルムからなる基材上にUV硬化性樹脂からなる第1及び第2レンズアレイを形成した。そして、第1及び第2レンズアレイ上に、あらかじめ5g/m2で塗布された接着剤シートにより線膨張係数が7.2×10−5(1/℃)である拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))を貼り合わせて光学シートを製造した。
そして、これらの光学シートを常温から80℃の環境内に投入し、温度変化による反りを確認した。
80℃の環境内への投入後から、実施例15、比較例8それぞれにおける光学シートでは反りが発生した。このときの反り量は、実施例15における光学シートで5mm程度、比較例8における光学シートで40mm程度であった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、実施例15における光学シートでは、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。一方、比較例8における光学シートでは、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれた。
【0099】
次に、実施例16として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、UV硬化性接着剤中に粒径が15μmのポリスチレンフィラーを20重量%混合し、これをロールコータにより700mm×900mmの拡散板(帝人化成株式会社製、65HLW(PC))上に厚さ30μmで塗布した。そして、タックが残っている状態まで一度UV光を照射して硬化させた。その後、拡散板上に第1及び第2レンズアレイが形成された基材を貼り合わせ、光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0100】
次に、実施例17として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、第1及び第2レンズが形成された基材に波長172nmのエキシマUV光を30秒照射し、レンズピッチが140μm、レンズ高さが60μmであるレンチキュラーレンズが形成された厚さ1mmの拡散板をラミネータにより貼り合わせ、光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0101】
次に、実施例18として、以下のようにして光学シートを製造した。まず、第1及び第2レンズアレイが形成された基材をあらかじめ大きいサイズ(1000mm×1000mm)で作成し、これと拡散板とを重ねる。そして、第1及び第2レンズアレイが形成された基材と拡散板との間に浮きがないように軽く除電ブラシで押さえ、炭酸ガスレーザー断裁機で500mm×500mmのサイズにレーザ断裁した。なお、レーザ照射により切断された端部5mm程度はレンズシートの色が多少黄色く変色した。そこで、あらかじめ第1及び第2レンズアレイが形成された基材と拡散板とのそれぞれの表面に保護フィルムとして25μmの易接着PETフィルムをラミネートしておき、同様にレーザ断裁を行った。この後に保護フィルムを剥がしたところ、第1及び第2レンズアレイが形成された基材と拡散板のそれぞれに変色はなかった。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0102】
次に、実施例19として、以下のようにして光学シートを製造した。第1及び第2レンズアレイが形成された基材と拡散板とのそれぞれに貫通孔を形成した。そして、この貫通孔に針金を通して基材及び拡散板を固定し、光学シートを製造した。
このようにして製造した光学シートをバックライト点灯時の温度と同様に80℃で24時間加熱した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とが剥がれず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、製造した光学シートを液晶表示装置に組み込んだ。そして、液晶表示装置を5〜50Hzの周波数、加速度1Gで垂直方向(Z方向)において70分、水平方向(X方向)において20分、水平方向(Y方向)において20分振動させ、輸送による振動状態を再現した。この結果、拡散板と第1及び第2レンズアレイが形成された基材とは、剥がれなかった。
【0103】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、光学シートは、表示装置に用いられるバックライトユニットに用いられているが、液晶表示装置やEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、プラズマディスプレイなどの表示装置の視野角の制御やコントラストを向上させるためのシート材、太陽電池用の光制御用フィルム、投射スクリーンなど他の用途に用いてもよい。
バックライトユニットの光源は、冷陰極管に限らず、LEDやEL、半導体レーザなど、他の光源であってもよい。ここで、LEDを光源として用いる場合、赤色、緑色、青色のLEDのアレイを使用して導光板などで赤色、緑色、青色のLEDアレイから射出された光を混ぜ合わせて白色光として均一に射出する構成としてもよい。また、拡散板などを用いて赤色、緑色、青色のLEDアレイから射出された光を混ぜ合わせて均一に射出する構成としてもよい。
また、バックライトユニットは、直下型のバックライトユニットに限られず、サイドエッジ型のバックライトユニットであってもよい。
【符号の説明】
【0104】
1,50,60 光学シート
2 基材
3,51 第1レンズアレイ
4,52 第2レンズアレイ
5,53 第1レンズ
6,54 第2レンズ
7,55 サブレンズ
10 液晶表示装置(表示装置)
11 液晶パネル(画像表示素子)
12 バックライトユニット
26 光源
53a,55a 頂部
53b,55b 側面部
A,B,C,D,E,F,j,k,R,S 係数
P1,P2 ピッチ
Rt1,Rt2フィッティング曲率半径
T1,T2 高さ
W1,W2 幅
α1,α2 頂角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の基材と、該基材の一面に設けられた第1及び第2レンズアレイとを備え、
該第1レンズアレイは、前記一面において一方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第1レンズを備え、
前記第2レンズアレイは、前記一面において前記一方向と交差する他方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第2レンズを備え、
該第2レンズが、前記複数の第1レンズの谷部に配置された複数のサブレンズを有し、
前記第1レンズのピッチをP1、前記第1レンズの幅をW1、前記第1レンズの高さをT1、前記第2レンズのピッチをP2、前記第2レンズの幅をW2、前記第2レンズの高さをT2としたときに、
前記高さT1が、前記高さT2以上であり、
前記ピッチP1が、前記ピッチP2以上であり、
前記幅W1と前記ピッチP1との比であるW1/P1が、0.5以上0.8以下であり、
前記幅W2と前記ピッチP2との比であるW2/P2が、0.8以上1以下であり、
前記一方向と前記他方向とのなす角が、60°以上120°以下であることを特徴とする光学シート。
【請求項2】
前記第1レンズは、断面が三角形状のプリズムレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
【請求項3】
前記第1レンズの頂角が、80°以上105°以下であることを特徴とする請求項2に記載の光学シート。
【請求項4】
前記第2レンズは、断面が三角形状のプリズムレンズであることを特徴とする請求項2または3に記載の光学シート。
【請求項5】
前記第2レンズの頂角が、80°以上105°以下であることを特徴とする請求項4に記載の光学シート。
【請求項6】
前記第2レンズの頂角が、前記第1レンズの頂角以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の光学シート。
【請求項7】
前記第1レンズは、弧状表面を有する頂部と、該頂部から前記一面に至る一対の側面部とを有し、
該一対の側面部それぞれが、前記一面から前記頂部に向かうにしたがって互いに近接することを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
【請求項8】
前記第1レンズの前記頂部におけるフィッティング曲率半径が、前記幅W1の0.15倍以上0.3倍以下であることを特徴とする請求項7に記載の光学シート。
【請求項9】
前記第1レンズの断面形状は、前記一面の法線方向をZ軸、前記第1レンズの幅方向における幅方向中心からの位置をrとしたときに、係数R、A、B、Cを用いて
Z=(r2/R)/(1+√(1−(1+k)×(r/R)2))+Ar2+Br4+Cr6
で表され、前記ピッチP1を1と正規化したときに、
前記係数(1/R)が、−10より大きく10未満であり、
前記係数Aが、−5より大きく5未満であり、
前記係数Bが、−10より大きく10未満であり、
前記係数Cが、−30より大きく30未満であることを特徴とする請求項8に記載の光学シート。
【請求項10】
前記第2レンズは、弧状表面を有する頂部と、該頂部から前記一面に至る一対の側面部とを有し、
該一対の側面部それぞれが、前記一面から前記頂部に向かうにしたがって互いに近接することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項11】
前記第2レンズの前記頂部におけるフィッティング曲率半径が、前記幅W2の0.15倍以上0.3倍以下であることを特徴とする請求項10に記載の光学シート。
【請求項12】
前記第2レンズの断面形状は、前記一面の法線方向をZ軸、前記第2レンズの幅方向における幅方向中心からの位置をsとしたときに、係数S、D、E、Fを用いて
Z=(s2/S)/(1+√(1−(1+j)×(s/S)2))+Ds2+Es4+Fs6
で表され、前記ピッチP2を1と正規化したときに、
前記係数(1/S)が、−10より大きく10未満であり、
前記係数Dが、−5より大きく5未満であり、
前記係数Eが、−10より大きく10未満であり、
前記係数Fが、−30より大きく30未満であることを特徴とする請求項11に記載の光学シート。
【請求項13】
前記第2レンズは、断面が三角形状のプリズムレンズであることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項14】
前記第2レンズの頂角が、80°以上105°以下であることを特徴とする請求項13に記載の光学シート。
【請求項15】
前記第1及び第2レンズアレイが、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項16】
前記ピッチP1及び前記ピッチP2の少なくとも一方が、ランダムであることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項17】
前記高さT1及び前記高さT2それぞれが、一定であることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の光学シートと、
該光学シートに照明光を照射する光源とを備えることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項19】
請求項18に記載のバックライトユニットと、
前記光学シートから射出した前記照明光が照射され、表示画像を表示する画像表示素子とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
平板状の基材と、該基材の一面に設けられた第1及び第2レンズアレイとを備え、
該第1レンズアレイは、前記一面において一方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第1レンズを備え、
前記第2レンズアレイは、前記一面において前記一方向と交差する他方向に沿って延在すると共に互いが平行に配置された複数の第2レンズを備え、
該第2レンズが、前記複数の第1レンズの谷部に配置された複数のサブレンズを有し、
前記第1レンズのピッチをP1、前記第1レンズの幅をW1、前記第1レンズの高さをT1、前記第2レンズのピッチをP2、前記第2レンズの幅をW2、前記第2レンズの高さをT2としたときに、
前記高さT1が、前記高さT2以上であり、
前記ピッチP1が、前記ピッチP2以上であり、
前記幅W1と前記ピッチP1との比であるW1/P1が、0.5以上0.8以下であり、
前記幅W2と前記ピッチP2との比であるW2/P2が、0.8以上1以下であり、
前記一方向と前記他方向とのなす角が、60°以上120°以下であることを特徴とする光学シート。
【請求項2】
前記第1レンズは、断面が三角形状のプリズムレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
【請求項3】
前記第1レンズの頂角が、80°以上105°以下であることを特徴とする請求項2に記載の光学シート。
【請求項4】
前記第2レンズは、断面が三角形状のプリズムレンズであることを特徴とする請求項2または3に記載の光学シート。
【請求項5】
前記第2レンズの頂角が、80°以上105°以下であることを特徴とする請求項4に記載の光学シート。
【請求項6】
前記第2レンズの頂角が、前記第1レンズの頂角以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の光学シート。
【請求項7】
前記第1レンズは、弧状表面を有する頂部と、該頂部から前記一面に至る一対の側面部とを有し、
該一対の側面部それぞれが、前記一面から前記頂部に向かうにしたがって互いに近接することを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
【請求項8】
前記第1レンズの前記頂部におけるフィッティング曲率半径が、前記幅W1の0.15倍以上0.3倍以下であることを特徴とする請求項7に記載の光学シート。
【請求項9】
前記第1レンズの断面形状は、前記一面の法線方向をZ軸、前記第1レンズの幅方向における幅方向中心からの位置をrとしたときに、係数R、A、B、Cを用いて
Z=(r2/R)/(1+√(1−(1+k)×(r/R)2))+Ar2+Br4+Cr6
で表され、前記ピッチP1を1と正規化したときに、
前記係数(1/R)が、−10より大きく10未満であり、
前記係数Aが、−5より大きく5未満であり、
前記係数Bが、−10より大きく10未満であり、
前記係数Cが、−30より大きく30未満であることを特徴とする請求項8に記載の光学シート。
【請求項10】
前記第2レンズは、弧状表面を有する頂部と、該頂部から前記一面に至る一対の側面部とを有し、
該一対の側面部それぞれが、前記一面から前記頂部に向かうにしたがって互いに近接することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項11】
前記第2レンズの前記頂部におけるフィッティング曲率半径が、前記幅W2の0.15倍以上0.3倍以下であることを特徴とする請求項10に記載の光学シート。
【請求項12】
前記第2レンズの断面形状は、前記一面の法線方向をZ軸、前記第2レンズの幅方向における幅方向中心からの位置をsとしたときに、係数S、D、E、Fを用いて
Z=(s2/S)/(1+√(1−(1+j)×(s/S)2))+Ds2+Es4+Fs6
で表され、前記ピッチP2を1と正規化したときに、
前記係数(1/S)が、−10より大きく10未満であり、
前記係数Dが、−5より大きく5未満であり、
前記係数Eが、−10より大きく10未満であり、
前記係数Fが、−30より大きく30未満であることを特徴とする請求項11に記載の光学シート。
【請求項13】
前記第2レンズは、断面が三角形状のプリズムレンズであることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項14】
前記第2レンズの頂角が、80°以上105°以下であることを特徴とする請求項13に記載の光学シート。
【請求項15】
前記第1及び第2レンズアレイが、同一材料で形成されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項16】
前記ピッチP1及び前記ピッチP2の少なくとも一方が、ランダムであることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項17】
前記高さT1及び前記高さT2それぞれが、一定であることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の光学シート。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の光学シートと、
該光学シートに照明光を照射する光源とを備えることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項19】
請求項18に記載のバックライトユニットと、
前記光学シートから射出した前記照明光が照射され、表示画像を表示する画像表示素子とを備えることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2012−215895(P2012−215895A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134900(P2012−134900)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2007−244346(P2007−244346)の分割
【原出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2007−244346(P2007−244346)の分割
【原出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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