説明

バックライト装置および液晶表示装置

【課題】複数の蛍光管の輝度を均一的に測定し、輝度低下が生じた蛍光管を特定できるバックライト装置および液晶表示装置を提供する。
【解決手段】複数の蛍光管13a〜13eと、蛍光管13a〜13eを収容するリアシャーシ11とを含み、リアシャーシ11は、蛍光管13a〜13eのそれぞれの近傍に開口部20a〜20eを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト装置および液晶表示装置に関し、更に詳しくは、拡散板の直下に光源を有する直下型のバックライト装置、およびそのようなバックライト装置を有する液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置を照明するユニットとして、バックライト装置が用いられる。バックライト装置には、発光面の直下に複数の光源が配置される直下方式と、光源からの光を導光板を用いて発光面に導くエッジライト方式の2つの方式がある。直下方式のバックライト装置は、エッジライト方式のバックライト装置に比して、発光面の大型化が容易であり、簡易に高輝度を実現できるというメリットがあるため、大画面の液晶表示装置に特に好適に用いることができる。
【0003】
液晶表示装置におけるバックライト装置の光源として蛍光管を用いる場合、蛍光管は、一般に他の部品と比較して寿命が短い。このため、蛍光管の高寿命化の技術開発が進められている。しかしながら、他の部品と同等の寿命にすることは困難である。蛍光管の寿命が尽きると、極端に輝度が低下したり、非点灯状態となったりする。寿命が尽きた蛍光管を放置しておくと、表示文字が判別できないなどの重大な故障に到ることがある。したがって、一般には、寿命が尽きた蛍光管を交換することによって液晶表示装置の他の部品と共に長期間使用できるようにしている。
【0004】
蛍光管の寿命が尽きたかどうかは、輝度測定センサによって輝度を測定することにより、検出している。図8、図9はそれぞれ従来の直下方式のバックライト装置を簡易的に示す図である。図8はバックライト装置100の底面図、図9は図8のI−I’における断面図である。各図に示すように、バックライト装置100は、一般にリアシャーシ101、蛍光管102a〜102e、反射シート103および拡散板104を備える。蛍光管102a〜102eは、バックライト装置100の光源を構成する。リアシャーシ101は、蛍光管102a〜102eを収容する。拡散板104には、蛍光管102a〜102eからの直接光または反射シート103からの反射光が照射される。拡散板104は、バックライト装置100の発光面として構成される。
【0005】
図8、図9に示すように、従来のバックライト装置100では、リアシャーシ101に開口部110を設けている。開口部110は、バックライト装置100の輝度測定用の輝度測定センサを設置するための穴であり、リアシャーシ101のほぼ中央部にリアシャーシ101を貫通するように設けられている。従来は、この開口部103に輝度測定センサを設置して、バックライト装置100の輝度を常時監視することによって、蛍光管102a〜102eの状態、すなわち交換時期を検出していた。
【0006】
上述した技術は、例えば特許文献1に開示される。特許文献1には、二重管放電ランプ、温度センサ、輝度センサ、液晶表示部、導光体等を含むバックライトユニットが開示される。このバックライトユニットでは、装置本体であるケーシングに開口部を設け、この開口部に輝度センサを取り付けている。輝度センサは導光体の輝度を測定し、制御手段がこの測定値を取り込んで発光管の異常状態を検出している。
【0007】
【特許文献1】特開2002−100489
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図8、図9および特許文献1に示されるような従来のバックライト装置では、開口部110近傍の一箇所のみでバックライト装置の輝度を測定していたため、開口部110近傍の蛍光管の輝度しか測定できず、例えば開口部110の近傍以外の蛍光管が一本切れたとしても、それを検知することが困難であった。したがって、寿命の尽きた蛍光管を放置して表示文字が判別できないなどの重大な故障に至る可能性があるという課題があった。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、複数の蛍光管の輝度を均一的に測定して、蛍光管の異常発生を確実に検出できるバックライト装置および液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の構成によるバックライト装置は、複数の光源と、光源を収容する収容部材とを含むバックライト装置において、収容部材は、複数の光源のうち少なくとも2つのそれぞれの近傍に開口部を備えたことを特徴とする。
【0011】
開口部は、光源のそれぞれの近傍に設けられてもよい。また、開口部は、各光源それぞれの直下に設けられてもよい。光源は、それぞれ蛍光管により構成されてもよい。また、開口部は、各光源の長手方向を直交する方向に沿って設けられてもよい。開口部は、各光源それぞれのいずれか一端側の近傍に設けられてもよい。開口部は、各光源それぞれの同一端側の近傍に設けられてもよい。開口部は、隣接する各光源で交互となる側の端部の近傍に設けられてもよい。
【0012】
本発明の構成による液晶表示装置は、液晶パネルと、複数の光源と光源を収容する収容部材とを含み、収容部材は複数の光源のうち少なくとも2つのそれぞれの近傍に開口部を含むバックライト装置とを備える。
【0013】
開口部は、光源のそれぞれの近傍に設けられてもよい。また、開口部には、各光源の輝度を測定する輝度測定センサを取り付けられてもよい。各輝度測定センサからの測定値に基づいて、光源の異常を検出する制御手段を備えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、バックライト装置が、複数の光源と、光源を収容する収容部材とを含み、収容部材は、複数の光源のうち少なくとも2つのそれぞれの近傍に開口部を備えるようにしたので、複数の光源の輝度を均一的に測定して、蛍光管の異常発生を確実に検出できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態1によるバックライト装置10の分解斜視図である。図1に示すように、バックライト装置10は、リアシャーシ(収容部材)11、反射シート12、蛍光管13a〜13e、ランプ支持台14および拡散板15を備える。リアシャーシ11の上に反射シート12が配設され、反射シート12の上には蛍光管13a〜13eが配設される。各蛍光管13a〜13eはランプ支持台14により上から支持・固定される。ランプ支持台14の上に拡散板15が配設される。
【0016】
蛍光管13a〜13eは、バックライト装置10の光源として構成される。蛍光管13a〜13eのそれぞれの一方の入力端子には、インバータ17により、一般に点灯開始電圧と呼ばれる交流電圧が印加される。蛍光管13a〜13eのそれぞれの他方の入力端子は、リターン基板18およびリターンケーブル19により接地される。拡散板15は、バックライト装置10の発光面を構成し、蛍光管13a〜13eからの直接光または反射シート12からの反射光が照射される。リアシャーシ11は、バックライト装置10の筐体を構成し、蛍光管13a〜13e等を収容する。
【0017】
図2は、図1のバックライト装置10の底面図である。また図3は図2のII−II’における断面図である。図1〜図3に示すように、この実施の形態1に係るバックライト装置10のリアシャーシ11は、各蛍光管13a〜13eの長手方向と直交する方向に沿って、かつ各蛍光管13a〜13eの直下に、それぞれ輝度測定センサを設置するための開口部20a〜20eを備える。
【0018】
このバックライト装置10を情報機器等に取り付ける際に、情報機器メーカー等は開口部20a〜20eにそれぞれ輝度測定センサを取り付ける。各輝度測定センサは、取り付けた情報機器の使用中は常時輝度を測定する。
【0019】
バックライト装置10は、輝度測定センサが測定した輝度に基づいて蛍光管の異常を検出する輝度測定部(制御手段)を備える。図4は、バックライト装置10の輝度測定部21のブロック図である。図4に示すように、バックライト装置10の輝度測定部21は、輝度測定センサ22a〜22e、異常検出部23、異常通知部24を備える。輝度測定センサ22a〜22eは、それぞれリアシャーシ11の開口部20a〜20eに取り付けられ、蛍光管13a〜13eの輝度を常時測定して測定値をそれぞれ異常検出部23に通知する。異常検出部23は、受け取った各測定値の異常を監視する。例えば、受け取った測定値を所定値と比較し、所定値よりも低い測定値があれば蛍光管に異常が発生したと判断する。異常が発生した場合、異常検出部23はその旨を異常通知部24に通知する。異常通知部24は、使用者に対して蛍光管に異常が発生した旨を通知する。例えば、バックライト装置10に取り付けた液晶パネルに蛍光管に異常が発生した旨を表示してもよいし、バックライト装置10を取り付けた情報機器等から異常発生を通知させるようにしてもよい。
【0020】
図5は、図3に示したバックライト装置10を用いた液晶表示装置の断面図である。図5に示すように、バックライト装置10の拡散板15の上面に液晶パネル16を設置して液晶表示装置が構成される。
【0021】
以上のように、この実施の形態1によれば、バックライト装置10のリアシャーシ11に、各蛍光管13a〜13eの長手方向と直交する方向に沿って、かつ各蛍光管13a〜13eの近傍に、輝度測定センサをそれぞれ設置するための開口部20a〜20eを設け、輝度測定部21において各輝度測定センサからの測定値を常時監視するようにしたので、バックライト装置10の輝度を均一に測定することにより各蛍光管の異常を確実に検出でき、蛍光管またはバックライト装置の交換時期を重大な故障に至る前に判断できるという効果が得られる。
【0022】
なお、リアシャーシ11が備える開口部は、各蛍光管の長手方向と直交する方向に沿って設けられることに限らず、設置される輝度測定センサそれぞれが各蛍光管の輝度を測定できる位置であればよい。また、開口部は各蛍光管の直下でなくても輝度測定センサが輝度を測定可能な位置に設けられてよい。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2によるバックライト装置30の底面図である。図6において、図2と共通する要素には同一符号を付し、その説明を省略する。図6に示すように、この実施の形態2によるバックライト装置30では、各蛍光管13a〜13eの同一端側の近傍に開口部31a〜31eを設けている。実施の形態1と同様に、情報機器メーカー等がバックライト装置30を情報機器等に取り付ける時に、開口部31a〜31eに輝度測定センサを取り付ける。輝度測定センサが測定した輝度値を輝度測定部21の異常検出部23が取り込み、常時監視して蛍光管の異常を検出する。異常が検出された場合は、異常通知部24が使用者に異常発生を通知する。
【0023】
蛍光管の輝度の低下は、一般にその管端部に最初に生じる。したがって、この実施の形態2によれば、蛍光管の輝度低下が最初に生じる管端部の輝度を測定できるようにしたので、蛍光管の異常を早く検出できるという効果が得られる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3によるバックライト装置40の底面図である。図7において、図2と共通する要素には同一符号を付し、その説明を省略する。図7に示すように、この実施の形態3によるバックライト装置40では、開口部41a〜41eは、各蛍光管13a〜13eの一端側の近傍で、かつ隣接する蛍光管で交互となる側の近傍に設けられている。
【0024】
各蛍光管は、いずれか一方の端部から輝度低下が発生する。したがって、全ての管端部により近い位置で輝度を測定できれば、各蛍光管の輝度の低下をより正確に検出できる。よって、この実施の形態3によれば、隣接する蛍光管で交互となる側の端部近傍に開口部41a〜41eを設けたので、実施の形態2のように各蛍光管の同一端側に開口部を設けた場合よりも、より正確に輝度の低下、すなわち蛍光管の異常発生を検出できるという効果が得られる。
【0025】
なお、各開口部は、図7のように隣接する蛍光管で交互となる端部近傍に設けられることに限らず、いずれか一端側の近傍に設けられてよい。また、全ての蛍光管の管端部近傍に設けられてもよい。さらに、全ての蛍光管のそれぞれの近傍に開口部を設ける必要はなく、少なくとも2本以上の蛍光管の近傍にそれぞれ開口部を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1によるバックライト装置の分解斜視図である。
【図2】図1のバックライト装置の底面図である。
【図3】図2のII−II’における断面図である。
【図4】図1のバックライト装置の輝度測定部のブロック図である。
【図5】図3のバックライト装置を用いた液晶表示装置の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2によるバックライト装置の底面図である。
【図7】本発明の実施の形態3によるバックライト装置の底面図である。
【図8】従来の直下方式のバックライト装置の底面図である。
【図9】図8のI−I’における断面図である。
【符号の説明】
【0027】
10,30,40 バックライト装置
11 リアシャーシ
12 反射シート
13a〜13e 蛍光管
14 ランプ支持台
15 拡散板
16 液晶パネル
17 インバータ
18 リターン基板
19 リターンケーブル
20a〜20e,31a〜31e,41a〜41e 開口部
21 輝度測定部
22a〜22e 輝度測定センサ
23 異常検出部
24 異常通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、前記光源を収容する収容部材とを含むバックライト装置において、
前記収容部材は、前記複数の光源のうち少なくとも2つのそれぞれの近傍に開口部を備えたことを特徴とするバックライト装置。
【請求項2】
前記開口部は、前記光源のそれぞれの近傍に設けられたことを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
【請求項3】
前記光源は、それぞれ蛍光管により構成されたことを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
【請求項4】
前記開口部は、前記各光源それぞれの直下に設けられたことを特徴とする請求項2記載のバックライト装置。
【請求項5】
前記開口部は、前記各光源の長手方向を直交する方向に沿って設けられたことを特徴とする請求項3記載のバックライト装置。
【請求項6】
前記開口部は、前記各光源それぞれのいずれか一端側の近傍に設けられたことを特徴とする請求項3記載のバックライト装置。
【請求項7】
前記開口部は、前記各光源それぞれの同一端側の近傍に設けられたことを特徴とする請求項3記載のバックライト装置。
【請求項8】
前記開口部は、隣接する前記各光源で交互となる側の端部の近傍に設けられたことを特徴とする請求項3記載のバックライト装置。
【請求項9】
液晶パネルと、
複数の光源と、前記光源を収容する収容部材とを含み、前記収容部材は、前記複数の光源のうち少なくとも2つのそれぞれの近傍に開口部を含むバックライト装置と
を備えた液晶表示装置。
【請求項10】
前記開口部は、前記光源のそれぞれの近傍に設けられたことを特徴とする請求項9記載のバックライト装置。
【請求項11】
前記開口部に、前記各光源の輝度を測定する輝度測定センサを取り付けたことを特徴とする請求項9記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記開口部は、前記各光源それぞれの直下に設けられたことを特徴とする請求項9記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記光源は、それぞれ蛍光管により構成されたことを特徴とする請求項9記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記各輝度測定センサからの測定値に基づいて、光源の異常を検出する制御手段を備えたことを特徴とする請求項11記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記開口部は、前記各光源の長手方向を直交する方向に沿って設けられたことを特徴とする請求項13記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記開口部は、前記各光源それぞれのいずれか一端側の近傍に設けられたことを特徴とする請求項13記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記開口部は、前記各光源それぞれの同一端側の近傍に設けられたことを特徴とする請求項16記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記開口部は、隣接する前記各光源で交互となる側の端部の近傍に設けられたことを特徴とする請求項16記載の液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−16317(P2008−16317A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−186467(P2006−186467)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(303018827)NEC液晶テクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】