説明

バックル装置

【課題】バックルのアンカからウエビングを介しての延出長さを短くする。
【解決手段】バックル装置10では、アンカ14とバックル42とをウエビング38が離脱不能に連結する。ここで、ウエビング38が、アンカ14への連結位置とバックル42への連結位置との間において、アンカ14の引掛板28Aに引っ掛けられることで、ウエビング38が引掛板28Aに迂回されてアンカ14から上側へ延出されている。このため、ウエビング38のアンカ14からの延出位置を、ウエビング38のアンカ14への連結位置よりもバックル42側の引掛板28Aの位置にでき、バックル42のアンカ14からウエビング38を介しての延出長さを短くできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員拘束用のベルトに設けられたタングが装着されるバックル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バックル装置には、ウエビングをバックル本体と下部取付具とに挿通すると共に、ウエビングの一端部及び他端部と中間部とを縫製することで、ウエビングがバックル本体と下部取付具とを連結するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このバックル装置では、ウエビングの一端部や他端部と中間部とを縫製する際に、ウエビングの縫製部分とバックル本体との間の部分、及び、ウエビングの縫製部分と下部取付具との間の部分を位置決めする必要がある。
【0004】
このため、下部取付具とバックル本体との間のウエビングに、縫製部分の他に縫製部分の両側の位置決め部分を設ける必要があり、ウエビングの縫製部分と各位置決め部分との長さを必要最小限の長さにしても、下部取付具とバックル本体との間のウエビングの長さが長くなる。これにより、バックル本体の下部取付具からウエビングを介しての延出長さ(出代)が長くなる。
【特許文献1】特開2003−48509公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、バックルのアンカからウエビングを介しての延出長さを短くできるバックル装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のバックル装置は、車両の乗員拘束用のベルトに設けられたタングが装着されるバックルと、車両側に固定されるアンカと、縫製されることで前記バックルと前記アンカとを離脱不能に連結するウエビングと、前記アンカに設けられ、前記ウエビングが前記バックルへの連結位置と前記アンカへの連結位置との間において引っ掛けられる引掛部と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載のバックル装置は、請求項1に記載のバックル装置において、前記アンカに設けられ、前記ウエビングの前記引掛部への引っ掛けを案内する案内部を備えている。
【0008】
請求項3に記載のバックル装置は、請求項1又は請求項2に記載のバックル装置において、前記アンカに設けられ、前記ウエビングの前記引掛部への引っ掛け状態を保持する保持部を備えている。
【0009】
請求項4に記載のバックル装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のバックル装置において、前記ウエビングが前記バックルと前記アンカとに挿通された状態で前記ウエビングの一端側と他端側とを縫製して前記ウエビングが前記バックルと前記アンカとを離脱不能に連結する連結手段を備え、かつ、前記ウエビングが前記連結手段の位置及び前記連結手段よりも前記バックル側の位置の少なくとも一方において前記引掛部に引っ掛けられる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載のバックル装置では、車両の乗員拘束用のベルトに設けられたタングがバックルに装着されると共に、車両側にアンカが固定される。さらに、バックルとアンカとをウエビングが縫製されることで離脱不能に連結する。
【0011】
ここで、アンカに引掛部が設けられており、ウエビングがバックルへの連結位置とアンカへの連結位置との間において引掛部に引っ掛けられる。このため、ウエビングのアンカからの延出位置を、ウエビングのアンカへの連結位置よりもバックル側の引掛部の位置にでき、バックルのアンカからウエビングを介しての延出長さを短くできる。
【0012】
請求項2に記載のバックル装置では、アンカに設けられた案内部が、ウエビングの引掛部への引っ掛けを案内する。このため、ウエビングを引掛部に確実に引っ掛けることができる。
【0013】
請求項3に記載のバックル装置では、アンカに設けられた保持部が、ウエビングの引掛部への引っ掛け状態を保持する。このため、ウエビングの引掛部への引っ掛けが解除されることを抑制できる。
【0014】
請求項4に記載のバックル装置では、ウエビングがバックルとアンカとに挿通された状態で、ウエビングの一端側と他端側とを連結手段が縫製して、ウエビングがバックルとアンカとを離脱不能に連結する。
【0015】
ここで、ウエビングが、連結手段の位置及び連結手段よりもバックル側の位置の少なくとも一方において、引掛部に引っ掛けられる。このため、ウエビングのアンカからの延出位置を、ウエビングの連結手段の位置又は連結手段よりもバックル側の位置にでき、バックルのアンカからウエビングを介しての延出長さを効果的に短くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置10が右方から見た断面図にて示されており、図2には、バックル装置10の主要部が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、バックル装置10の前方を矢印FRで示し、バックル装置10の右方を矢印RHで示し、バックル装置10の上方を矢印UPで示す。
【0017】
図1及び図2に示す如く、本実施の形態に係るバックル装置10は、車両のシートベルト装置12(ベルト装置)を構成しており、バックル装置10には、長尺矩形板状のアンカ14(アンカプレート)が設けられている。
【0018】
アンカ14の後端(長手方向一側端)には、矩形板状の固定部16が形成されており、アンカ14は、固定部16において、固定対象としての車両のパネル18(特にフロアパネル)に、ボルト20及びナット22の締結によって、固定される。これにより、バックル装置10が車両のシート(特にリヤシート)の下部に設置されており、バックル装置10は、前方、右方及び上方を、それぞれ例えば車両の前方、右方及び上方へ向けられている。
【0019】
アンカ14には、固定部16の前側(長手方向他側)において、矩形枠状の連結部24が形成されている。連結部24は、固定部16に対し斜め上方に起立されており、連結部24内には、矩形状の連結孔26が貫通形成されている。連結部24には、連結孔26の前側において、長尺矩形板状の連結板24Aが形成されており、連結板24Aは、左右方向(アンカ14幅方向)へ延伸されている。
【0020】
アンカ14には、連結部24の前側において、U字形板状の引掛部28が形成されており、引掛部28は、水平に配置されている。引掛部28内には、矩形板状の引掛孔30が貫通形成されており、引掛孔30は、連結板24Aの前側に配置されている。引掛部28には、引掛孔30の前側において、長尺矩形板状の引掛板28Aが形成されており、引掛板28Aは、左右方向へ延伸されている。
【0021】
アンカ14には、引掛部28の前側において、案内部としての長尺矩形板状のU字形板状の案内板32が一対形成されており、案内板32は、引掛部28の左右方向両端から前側へ水平に延伸されている。
【0022】
アンカ14には、一対の案内板32間において、保持部としての長尺矩形板状の保持板34が形成されている。保持板34は、一方の案内板32の前端部から他方の案内板32の前端部へ向けて左右方向へ延伸されており、保持板34と他方の案内板32との間には、隙間36が形成されている。
【0023】
アンカ14の連結孔26と引掛孔30とには、帯状のウエビング38の長手方向一側部が挿通されており、ウエビング38の長手方向一側端部と長手方向中間部とは、連結手段としての縫製40によって結合されている。これにより、ウエビング38の長手方向一側部内にアンカ14の連結板24Aが収容されてウエビング38の長手方向一側部がアンカ14に離脱不能に連結されると共に、ウエビング38の長手方向一側部がアンカ14から下側に延出されている。
【0024】
ウエビング38は、アンカ14において、保持板34と他方の案内板32との間の隙間36から一対の案内板32間に挿入されて、一対の案内板32に案内されつつ引掛板28A側へ移動されることで、縫製40の位置及び縫製40より長手方向他側の位置において、引掛板28Aに引っ掛けられている。さらに、ウエビング38の引掛板28Aからの離間が保持板34によって制限されて、ウエビング38の引掛板28Aへの引っ掛け状態が保持されている。
【0025】
ウエビング38の長手方向他側には、バックル42が設けられており、バックル42の基端部には、矩形枠状の挿通部44が設けられている。挿通部44内には、矩形状の挿通孔46が貫通形成されており、挿通部44には、挿通孔46のバックル42基端側において、挿通板44Aが形成されている。
【0026】
バックル42の挿通孔46には、ウエビング38の長手方向他側部が挿通されており、ウエビング38の長手方向他側端部と長手方向中間部とは、上記縫製40によって結合されている。これにより、ウエビング38の長手方向他側部内にバックル42の挿通板44Aが収容されて、ウエビング38の長手方向他側部がバックル42に離脱不能に連結されている。
【0027】
バックル42の基端部以外の部分には、バックル本体48が設けられており、バックル本体48には、タング50が装着(挿入係止)可能にされている。バックル本体48には、離脱手段としての離脱スイッチ52が設けられており、離脱スイッチ52が操作されることで、バックル本体48からタング50が離脱(引き抜き)可能にされている。
【0028】
タング50には、ベルトとしての長尺帯状のシートベルト54が移動可能に挿通されており、シートベルト54の基端側は、車両側に固定されたリトラクタ(図示省略)に巻き取られている。シートベルト54の先端には、固定アンカ(図示省略)が連結されており、固定アンカは、シートの下側において、車両側に固定されている。シートベルト54は、タング50とリトラクタとの間において、スルーアンカ(図示省略)に移動可能に挿通されており、スルーアンカは、シートの上側において、車両側に支持されている。
【0029】
これにより、バックル本体48にタング50が装着されることで、シートに着座した乗員にシートベルト54が装着される。具体的には、シートベルト54のタング50とスルーアンカとの間の部分(ショルダベルト)が乗員の一側の肩部から腰部の他側へ斜めに架け渡されると共に、シートベルト54のタング50と固定アンカとの間の部分(ラップベルト)が乗員の腰部の一側から他側へ横方向に架け渡される。
【0030】
リトラクタには、ロック機構が設けられており、車両の緊急時(衝突時)には、ロック機構がリトラクタからのシートベルト54の引き出しをロックする。これにより、シートベルト54によって乗員が拘束される。
【0031】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0032】
以上の構成のシートベルト装置12では、バックル装置10のバックル42(バックル本体48)にタング50が装着されることで、シートに着座した乗員にシートベルト54が装着される。
【0033】
車両の緊急時には、リトラクタのロック機構がリトラクタからのシートベルト54の引き出しをロックする。これにより、シートベルト54によって乗員が拘束される。
【0034】
ところで、図3に示す如く、バックル装置10では、ウエビング38の長手方向一側部がアンカ14の連結孔26と引掛孔30とに挿通されてアンカ14から下側に延出されると共に、バックル42の挿通孔46にウエビング38の長手方向他側部が挿通された状態で、ウエビング38の長手方向一側端部及び長手方向他側端部と長手方向中間部とが縫製40によって結合される。これにより、ウエビング38の長手方向一側部内にアンカ14の連結板24Aが収容されると共に、ウエビング38の長手方向他側部内にバックル42の挿通板44Aが収容されて、ウエビング38がアンカ14とバックル42とを離脱不能に連結する。
【0035】
また、ウエビング38の長手方向一側端部及び長手方向他側端部と長手方向中間部とが縫製40によって結合される際には、ウエビング38のアンカ14と縫製40部分との間の部分、及び、ウエビング38のバックル42と縫製40部分との間の部分を位置決めする必要がある。
【0036】
このため、アンカ14とバックル42との間のウエビング38に、縫製40部分の他に縫製40部分の両側の位置決め部分を設ける必要があり、ウエビング38の縫製40部分の長さ(図3の長さL3)と各位置決め部分の長さ(図3の長さL4)とを必要最小限の長さにしても、アンカ14とバックル42との間のウエビング38の長さが長くなる。
【0037】
ここで、図1に示す如く、ウエビング38が、バックル42への連結位置とアンカ14への連結位置との間において、アンカ14の引掛板28Aに引っ掛けられることで、ウエビング38が引掛板28Aに迂回されてアンカ14から上側へ延出されている。このため、ウエビング38のアンカ14からの延出位置を、ウエビング38のアンカ14への連結位置よりもバックル42側の引掛板28Aの位置にできる。
【0038】
さらに、ウエビング38は、縫製40の位置及び縫製40よりバックル42側の位置において、アンカ14の引掛板28Aに引っ掛けられている。このため、ウエビング38のアンカ14からの延出位置を、ウエビング38の縫製40よりバックル42側の位置にできる。
【0039】
これにより、アンカ14とバックル42との間のウエビング38の長さが長くても、バックル42(バックル42先端)のアンカ14からウエビング38を介しての延出長さ(図1の出代L1)を短くできると共に、バックル42(バックル42先端)のパネル18からの延出長さ(図1の出代L2)を短くでき、バックル42のアンカ14及びパネル18に対する可動範囲を狭くできる。このため、車両の緊急時には、シートベルト54を装着した乗員の慣性力等による移動に伴うシートベルト54、タング50及びバックル42の移動を効果的に抑制でき、シートベルト54によって乗員を効果的に拘束できる。
【0040】
また、車両の緊急時には、乗員の移動力(慣性力等)が、シートベルト54、タング50、バックル42及びウエビング38を介して、アンカ14の引掛部28へ作用することで、ウエビング38によって引掛部28が変形される。このため、乗員の運動エネルギーを吸収できて、シートベルト54から乗員へ作用する荷重を低減できる。
【0041】
これにより、シートベルト54、タング50、バックル42、ウエビング38、アンカ14の連結部24及び固定部16、リトラクタ、固定アンカ、スルーアンカに乗員の移動力が与える影響を軽減できる。
【0042】
特に、上述の如く、リトラクタに乗員の移動力が与える影響を軽減できる。このため、リトラクタを小型化及び軽量化できると共に、リトラクタにエネルギー吸収機構(乗員の運動エネルギーを吸収するための機構)を設ける必要をなくすことができる。
【0043】
さらに、シートベルト54の移動に伴うウエビング38の移動によって、アンカ14の引掛部28が変形されて、乗員の運動エネルギーが吸収される。このため、乗員の運動エネルギーを容易に吸収できる。しかも、引掛部28の剛性及び寸法は、容易に調整できるため、乗員の運動エネルギーを吸収する荷重及びストロークの設定を容易にできる。
【0044】
また、ウエビング38は、アンカ14において、一対の案内板32に案内されつつ引掛板28A側へ移動されることで、引掛板28Aに引っ掛けられる。このため、ウエビング38を引掛板28Aに確実に引っ掛けることができる。
【0045】
さらに、ウエビング38は、アンカ14において、引掛板28Aからの離間が保持板34によって制限されて、引掛板28Aへの引っ掛け状態(一対の案内板32間への配置状態)が保持されている。このため、ウエビング38の引掛板28Aへの引っ掛けが解除されることを抑制できる。
【0046】
[第2の実施の形態]
図4には、本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置60が右方から見た断面図にて示されており、図5には、バックル装置60の主要部が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。
【0047】
本実施の形態に係るバックル装置60は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0048】
図4及び図5に示す如く、本実施の形態に係るバックル装置60では、アンカ14に一対の案内板32及び保持板34が設けられていない。
【0049】
ここで、本実施の形態でも、一対の案内板32及び保持板34による作用及び効果を除き、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0050】
さらに、アンカ14に一対の案内板32及び保持板34が設けられていないため、アンカ14の構成を簡単にすることができる。
【0051】
[第3の実施の形態]
図6には、本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置70が右方から見た断面図にて示されており、図7には、バックル装置70の主要部が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。
【0052】
本実施の形態に係るバックル装置70は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0053】
図6及び図7に示す如く、本実施の形態に係るバックル装置70では、アンカ14に保持板34が設けられていない。
【0054】
ここで、本実施の形態でも、保持板34による作用及び効果を除き、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0055】
さらに、アンカ14に保持板34が設けられていないため、アンカ14の構成を簡単にすることができる。
【0056】
[第4の実施の形態]
図8には、本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置100が右方から見た断面図にて示されており、図9には、バックル装置100の主要部が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。
【0057】
本実施の形態に係るバックル装置100は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0058】
図8及び図9に示す如く、本実施の形態に係るバックル装置100では、アンカ14において、固定部16と連結部24との境界部分に引掛部28の両後端が連結されており、連結部24は、引掛部28の引掛孔30内に配置されている。引掛部28の後側部分は、水平に配置されており、引掛部28の前側部分は、斜め上方に起立されている。これにより、引掛部28の引掛板28Aが連結部24の連結板24Aと同一の高さに配置されている。
【0059】
アンカ14の一対の案内板32は、引掛部28の左右方向両端から前側へ斜め上方に延伸されている。
【0060】
ウエビング38の長手方向一側部は、引掛部28の引掛孔30からアンカ14の下側に延出されている。
【0061】
ここで、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0062】
[第5の実施の形態]
図10には、本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置110が右方から見た断面図にて示されており、図11には、バックル装置110の主要部が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。
【0063】
本実施の形態に係るバックル装置110は、上記第4の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0064】
図10及び図11に示す如く、本実施の形態に係るバックル装置110では、アンカ14に一対の案内板32及び保持板34が設けられていない。
【0065】
ここで、本実施の形態でも、一対の案内板32及び保持板34による作用及び効果を除き、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0066】
さらに、アンカ14に一対の案内板32及び保持板34が設けられていないため、アンカ14の構成を簡単にすることができる。
【0067】
[第6の実施の形態]
図12には、本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置120が右方から見た断面図にて示されており、図13には、バックル装置120の主要部が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。
【0068】
本実施の形態に係るバックル装置120は、上記第4の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0069】
図12及び図13に示す如く、本実施の形態に係るバックル装置120では、アンカ14に保持板34が設けられていない。
【0070】
ここで、本実施の形態でも、保持板34による作用及び効果を除き、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0071】
さらに、アンカ14に保持板34が設けられていないため、アンカ14の構成を簡単にすることができる。
【0072】
なお、上記第1の実施の形態〜第6の実施の形態では、ウエビング38を縫製40の位置及び縫製40よりバックル42側の位置においてアンカ14の引掛板28Aに引っ掛ける構成としたが、ウエビング38を縫製40の位置のみにおいてアンカ14の引掛板28Aに引っ掛ける構成、又は、ウエビング38を縫製40よりバックル42側の位置のみにおいてアンカ14の引掛板28Aに引っ掛ける構成としてもよい。さらに、ウエビング38を縫製40の位置及び縫製40よりアンカ14側の位置においてアンカ14の引掛板28Aに引っ掛ける構成、又は、ウエビング38を縫製40よりアンカ14側の位置のみにおいてアンカ14の引掛板28Aに引っ掛ける構成としてもよい。
【0073】
また、上記第1の実施の形態〜第6の実施の形態では、シートベルト54の基端側がリトラクタに巻き取られると共に、シートベルト54がスルーアンカに挿通された構成としたが、シートベルト54の基端がタング50に連結されると共に、シートベルト54がスルーアンカに挿通されない構成としてもよい。この場合、シートベルト54がラップベルトの部分のみにされており、バックル42(バックル本体48)にタング50が装着されることで、乗員にシートベルト54が装着されて、シートベルト54(ラップベルト)が乗員の腰部の一側から他側へ横方向に架け渡される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置を示す右方から見た断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置のアンカを示す右斜め後方から見た斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置におけるアンカとバックルとのウエビングによる連結状況を示す右方から見た断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置を示す右方から見た断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置のアンカを示す右斜め後方から見た斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るバックル装置を示す右方から見た断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るバックル装置のアンカを示す右斜め後方から見た斜視図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るバックル装置を示す右方から見た断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るバックル装置のアンカを示す右斜め後方から見た斜視図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るバックル装置を示す右方から見た断面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係るバックル装置のアンカを示す右斜め後方から見た斜視図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係るバックル装置を示す右方から見た断面図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係るバックル装置のアンカを示す右斜め後方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
10 バックル装置
14 アンカ
28 引掛部
32 案内板(案内部)
34 保持板(保持部)
38 ウエビング
40 縫製(連結手段)
42 バックル
50 タング
54 シートベルト(ベルト)
60 バックル装置
70 バックル装置
100 バックル装置
110 バックル装置
120 バックル装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員拘束用のベルトに設けられたタングが装着されるバックルと、
車両側に固定されるアンカと、
縫製されることで前記バックルと前記アンカとを離脱不能に連結するウエビングと、
前記アンカに設けられ、前記ウエビングが前記バックルへの連結位置と前記アンカへの連結位置との間において引っ掛けられる引掛部と、
を備えたバックル装置。
【請求項2】
前記アンカに設けられ、前記ウエビングの前記引掛部への引っ掛けを案内する案内部を備えた請求項1記載のバックル装置。
【請求項3】
前記アンカに設けられ、前記ウエビングの前記引掛部への引っ掛け状態を保持する保持部を備えた請求項1又は請求項2記載のバックル装置。
【請求項4】
前記ウエビングが前記バックルと前記アンカとに挿通された状態で前記ウエビングの一端側と他端側とを縫製して前記ウエビングが前記バックルと前記アンカとを離脱不能に連結する連結手段を備え、かつ、前記ウエビングが前記連結手段の位置及び前記連結手段よりも前記バックル側の位置の少なくとも一方において前記引掛部に引っ掛けられる請求項1〜請求項3の何れか1項記載のバックル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−83396(P2010−83396A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256551(P2008−256551)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】