説明

バックル

【課題】ホイッスルの利用に際して衛生面を高めることの可能なバックルを提供する。
【解決手段】一対の脚部12が延設された雄側基部11を有する雄部材10と、一対の筒部22が延設された雌側基部21を有する雌部材20とを備え、一対の脚部12が一対の筒部22に脱着可能に挿着されるバックルであって、雌部材20が、一対の筒部22の並設方向である幅方向と平行な回動中心線を有して一対の筒部22の間で回動可能に雌部材20に支持されるホイッスル部材30を備え、ホイッスル部材30の吹き込み口34は、ホイッスル部材30の回動によって、一対の筒部22間に収まる収納状態と一対の筒部22間の外側に突出する突出状態とに切り替る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐状体が挿通可能な少なくとも一つの紐状体挿通部を有するバックルに関するものであって、特にホイッスル部材を有するバックルに関する。
【背景技術】
【0002】
リュックサックやバック等のベルトにおける連結具として、例えば特許文献1に記載のように、ホイッスルが一体に形成されたバックルが知られている。図11は、こうしたバックルの一例を示す分解斜視図である。
【0003】
図11に示されるように、雄部材50にて直方体形状をなす雄側基部51には、膨大した先端部を有して互いに向い合う左右一対の脚部52が、一方向に沿って延設されている。他方、左右両側が括れた扁平筒状をなす雌部材60の先端側には、上記左右一対の脚部52が挿脱される楕円孔形状の挿脱孔61が、該脚部52の延設方向に沿って形成されている。この雌部材60の外周壁にて括れた部分には、挿脱孔61と連通する左右一対の係止孔62が、左右方向で互いに向い合うように形成されている。そして、ベルトKが掛け止めされる雌部材60の雌側基部には、左右方向に延びるホイッスル63が一体に形成されている。
【0004】
こうした構成からなるバックルにおいて、雄部材50の脚部52が雌部材60の挿脱孔61に差し込まれると、脚部52における膨大した先端部が係止孔62から突出し、これにより雄部材50と雌部材60とが互いにロックされる。そして、被災時や緊急時などでは、ホイッスル63の吹き込み口から空気が吹き込まれることで、ホイッスルが鳴らされる。なお、こうしたロック状態から、脚部52の先端部が挿脱孔61内に押し戻されると、雄部材50と雌部材60とのロックが解除され、脚部52が挿脱孔61から引き抜き可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許US6668428号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したバックルの使用される環境とは、気温や天候の変化が激しい屋外であることが少なくなく、特にホイッスルが頻繁に使用される被災時や緊急時となれば、その可能性が非常に高いものとなる。この点、ホイッスル63が雌部材60に一体に形成される上記構成では、ホイッスル63の吹き込み口がバックルの外側に露出するため、大気中に含まれる塵、埃、泥、雪等の異物が吹き込み口に付着する虞が高く、それゆえにホイッスルの利用に際して衛生面を向上させることが強く求められている。
なお、上述した問題は、雄部材と雌部材とから構成されるバックルに限らず、一つのリングやコードストッパーなど、紐状体が挿通可能な少なくとも一つの紐状体挿通部を有するバックルにて概ね共通する問題である。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ホイッスルの利用に際して衛生面を高めることの可能なバックルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様の一つは、紐状体が挿通可能な少なくとも一つの紐状体挿通部を有するバックルであって、一つ方向に延び互いに向い合う部位である並設部を有し、前記並設部同士の間には隙間が形成され、前記並設部の並設方向と互いに平行な回動中心線を有して前記隙間で回動可能に前記並設部に支持されるホイッスル部材を備え、前記ホイッスル部材の吹き込み口は、前記ホイッスル部材の回動によって、前記隙間に収まる収納状態と前記隙間の外側に突出する突出状態とを有する。
【0008】
上記態様によれば、ホイッスル部材が使用されるときに、吹き込み口が並設部の間から突出する。一方、ホイッスル部材が使用されないときには、吹き込み口が並設部の間に収まることになる。このような態様であれば、ホイッスル部材が使用されないときに、吹き込み口が並設部で覆われる分、ホイッスル部材の利用に際して衛生面を高めることが可能となる。
【0009】
本発明の態様の一つは、脚部が延設された雄側基部を有する雄部材と、筒部が延設された雌側基部を有する雌部材とを備え、前記脚部が前記筒部に脱着可能に挿着される。
上記態様によれば、互いに異なる一対の部材である雄部材と雌部材とから構成されるバックルにおいて、上述のようにホイッスル部材の利用に際して衛生面を高めることが可能となる。
【0010】
本発明の態様の一つは、前記雄部材が、2つの前記脚部を有し、前記並設部が、2つの前記筒部である。
上記態様によれば、2つの脚部と2つの筒部との係合によって雄部材と雌部材とが互いに連結される。それゆえに、1つの脚部と1つの筒部との係合によって雄部材と雌部材とが互いに連結される態様と比較して、雄部材と雌部材との連結状態の安定性を高めることが可能となる。
【0011】
本発明の態様の一つは、前記並設部が延設された並設基部を備え、前記吹き込み口は、前記収納状態において前記並設基部と互いに向い合う。
上記態様によれば、収納状態の吹き込み口が並設基部に向けて開口するため、ホイッスル部材が使用されないときには、吹き込み口の周囲が、並設部と並設基部とによって囲まれることとなる。その結果、吹き込み口に異物が付着することを、より効果的に抑えることが可能である。
【0012】
なお、雄部材と雌部材とからバックルが構成され、並設基部が雌側基部となる場合には、ホイッスル部材の吹き込み口が、雌側基部と向い合うのではなく、例えば並設部と向かい合う態様であっても、吹き込み口が並設部で覆われる以上、吹き込み口に異物が付着することを抑えることは可能である。ただし、吹き込み口が並設部と向かい合う態様では、ホイッスル部材を使用する際に、以下のような不都合が生じる。
【0013】
すなわち、雄部材と雌部材とから構成されるバックルとは、並設部の延設方向が身体表面と略平行になる態様で利用者の身につけられることが少なくない。そして、2つの並設部のいずれか一方が利用者の口に近い側に配置され、且つ他方が利用者の口から遠い地面側に配置されることも少なくない。この点、吹き込み口と向かい合う並設部が利用者の口に対して近い側であれば、すなわち突出する吹き込み口が利用者に向くような配置の態様であれば、こうした吹き込み口に空気を吹き込むことは容易である。しかし、吹き込み口と向かい合う並設部が利用者の口に対して遠い側となれば、すなわち吹き込み口が地面に向けて開口するような配置の態様となれば、吹き込み口を利用者の口に向けるという作業が、利用者には別途強いられることとなる。
【0014】
この点、上述した態様であれば、並設基部である雌側基部に向けて吹き込み口が開口するため、ホイッスル部材を利用する際には、並設部のいずれが利用者の口に対して近い側であっても、吹き込み口は、利用者から見た前方、あるいは利用者の後方に向けて開口することになる。そのため、前方あるいは後方に向けて開口した吹き込み口を上側に向けるだけで、吹き出し口を利用者の口に向けることが可能となる。それゆえに、ホイッスル部材の利用に際してその利便性を高めることが可能でもある。
【0015】
本発明の態様の一つは、前記並設部同士の間に前記並設部同士を互いに連結する壁である底面壁を備え、前記収納状態では、前記並設部と前記底面壁とによって構成される凹部内に前記吹き込み口が収まる。
【0016】
上記態様によれば、収納状態のホイッスル部材は、並設部に加え、底面壁とも互いに向い合う。そして、ホイッスル部材が使用されないときには、ホイッスル部材の外表面が、これら並設部及び底面壁の各々で覆われるため、ホイッスル部材の利用に際して、ホイッスル部材そのものの衛生面を高めることが可能となる。
【0017】
本発明の態様の一つでは、前記ホイッスル部材は、前記収納状態において前記底面壁と互いに向かい合う吹き出し口を有する。
上記態様によれば、収納状態のホイッスル部材では、吹き出し口が底面壁に向くことになる。このような態様であれば、ホイッスル部材が使用されないときに、吹き込み口に異物が付着することに加え、吹き出し口に異物が付着することも抑えられる。それゆえに、ホイッスル部材の吹き出し口が異物で塞がれること、さらにはホイッスル部材の内部に異物が堆積すること、それらを抑えることが可能でもある。
【0018】
本発明の態様の一つでは、前記並設部が延設された並設基部を備え、前記ホイッスル部材は、前記並設部の延設方向に延びる有底筒体であり、前記有底筒体の基端には前記収納状態において前記並設基部に向く筒開口である前記吹き込み口が形成され、前記有底筒体の先端には前記ホイッスル部材の前記回動中心線が形成されている。
【0019】
上記態様によれば、ホイッスル部材の先端が回動中心線を有し、またホイッスル部材の基端が吹き込み口を有する。このような態様であれば、ホイッスル部材の先端と基端との間に回動中心線が配置される態様と比較して、ホイッスル部材の回動に際して、吹き込み口の移動する範囲を大きくすることが可能である。そして、並設部の間に吹き込み口が挟まれる態様であっても、ホイッスル部材が使用されるときには、吹き込み口を並設部の間から大きく離間させることが可能である。そのため、ホイッスル部材の利用に際して、衛生面を高めつつ、その利便性を高めることが可能でもある。
【0020】
本発明の態様の一つでは、前記ホイッスル部材は、前記並設部の延設方向に延びる有底筒体であり、前記有底筒体の基端には前記収納状態において前記並設基部に向く筒開口である前記吹き込み口が形成され、前記有底筒体の先端には前記ホイッスル部材の前記回動中心線が形成され、前記雄側基部に向けて延びる回動操作レバーを先端に有し、前記雄側基部は、前記回動操作レバーが回動する逃げ凹部を有する。
【0021】
上記態様によれば、ホイッスル部材の先端には、雄側基部に向けて延びる回動操作レバーが形成され、この回動操作レバーが回動するための逃げ凹部が、雄側基部に形成されている。このような態様であれば、ホイッスル部材の基端に形成された吹き込み口に触れることなく、収納状態のホイッスル部材を突出状態にすることが可能であって、こうしたホイッスル部材の回動操作を回動操作レバーの操作によって実現することが可能である。それゆえに、ホイッスル部材の利用に際して、衛生面を高めつつ、その利便性を高めることが可能でもある。
【0022】
本発明の態様の一つでは、前記ホイッスル部材が、被係止部を有し、前記並設部が係止部を有し、前記収納状態では、前記係止部と前記被係止部とが解除可能に係合して前記ホイッスル部材の回動を係止する一方、前記突出状態では、前記係止部と前記被係止部とが係合しない。
【0023】
上記態様によれば、収納状態では、並設部の係止部とホイッスル部材の被係止部とが係合することによって、ホイッスル部材の回動が係止される。このような態様であれば、係止部と被係止部との係合が解除されるまで、並設部の間に吹き込み口が保持されることになる。そして、ホイッスル部材の吹き込み口が並設部の間から不要に突出することが抑えられるため、上述した効果を高い確率で得ることが可能である。
【0024】
本発明の態様の一つでは、前記ホイッスル部材は、色彩及び模様の少なくとも一つが前記並設部と互いに異なる。
上記態様によれば、並設部とホイッスル部材との境界が、色彩及び模様の少なくとも一つによって視認することが可能となる。それゆえに、ホイッスル部材の利用に際して、ホイッスル部材の視認性を高めること、ひいてはホイッスル部材を操作することが容易なものとなる。
【0025】
本発明の態様の一つでは、前記ホイッスル部材は、前記収納状態において前記並設部の間から露出する外表面に、前記並設部の表面形状に倣う形状を有する。
【0026】
上記態様によれば、前記並設部の間におけるホイッスル部材の外表面が、前記並設部の表面形状に倣うかたちに形成される。このような態様であれば、ホイッスル部材の外表面と前記並設部の表面との間に段差が形成される場合と比較して、これら並設部とホイッスル部材との間に異物が入り込むことを抑えることが可能である。それゆえに、ホイッスル部材が使用されないときでは、該ホイッスル部材に異物が付着することをさらに抑えることが可能でもある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一実施形態におけるバックルを構成する各構成部材の平面構造を示す分解図であって、ホイッスルが取り外された状態の雌部材と雄部材とを示し、雌部材ではその一部が切り欠かれた状態を示す図。
【図2】同じくバックルの斜視構造を示す斜視図であって、(a)吹き込み口が一対の筒体の間に収納された収納状態のバックルを示す図、(b)吹き込み口が一対の筒体の間から突出した突出状態のバックルを示す図。
【図3】本発明の第二実施形態におけるバックルを構成する各構成部材の平面構造を示す分解図であって、ホイッスルが取り外された状態の雌部材と雄部材とを示し、雌部材ではその一部が切り欠かれた状態を示す図。
【図4】同じくバックルの斜視構造を示す斜視図であって、(a)吹き込み口が収納凹部に収納された収納状態のバックルを示す図、(b)吹き込み口が収納凹部から突出した突出状態のバックルを示す図。
【図5】変形例におけるトリグライドバックルの斜視構造を示す斜視図。
【図6】変形例におけるリングバックルの斜視構造を示す斜視図。
【図7】変形例におけるラダーバックルの斜視構造を示す斜視図。
【図8】変形例におけるコードロックバックルの斜視構造を示す斜視図。
【図9】変形例におけるコードストッパバックルの斜視構造を示す斜視図。
【図10】変形例におけるフックバックルの斜視構造を示す斜視図。
【図11】従来例におけるバックルを構成する雄部材と雌部材の各々の斜視構造を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一実施形態)
以下、本発明におけるバックルの第一実施形態について図1を参照して説明する。
【0029】
図1の下側に示されるように、平面視方向から見てU字形状をなす雄部材10では、該雄部材10の基部である雄側基部11が、幅方向に延びる矩形環状に形成されている。この雄側基部11には、幅方向に延びる紐状体挿通部としての楕円形孔状の雄側スリット11Hが平面視方向に貫通し、該雄側スリット11Hには、バックルが用いられるリュックサックやバックなどの図示されないベルトが掛け止めされる。
【0030】
雄側基部11の幅方向における両端部には、互いに向かい合う左右一対の脚部12が、幅方向と直交する挿入方向に延設されている。左右一対の脚部12の各々は、幅方向における肉厚が小さいかたちの第一ヒンジ部13を基端側である雄側基部11側に有し、該第一ヒンジ部13を撓曲部位とした撓曲を可能にしている。また、左右一対の脚部12の各々は、第一ヒンジ部13の先端から挿入方向に向けて幅方向の内側に膨大する先端部14を有し、さらに該先端部14と第一ヒンジ部13との連結部位の外側に、挿入方向とは反対方向に先細りした被係止突起15を有している。
【0031】
雄側基部11における挿入方向の端面うち、左右一対の脚部12で挟まれた部分には、三角錐台状の左右一対のガイド突起16が、雄側基部11から挿入方向に突設されている。右側のガイド突起16における右側面は、右側の第一ヒンジ部13が左側へ撓曲可能な傾斜を有し、また、左側のガイド突起16における左側面は、左側の第一ヒンジ部13が右側へ撓曲可能な傾斜を有している。右側のガイド突起16における左側面と右側の第一ヒンジ部13における右側面との距離である嵌合幅Wは、左側のガイド突起16における右側面と左側の第一ヒンジ部13における左側面との距離と等しい。
【0032】
雄側基部11における挿入方向の端面うち、左右一対のガイド突起16で挟まれた部分には、左右一対のガイド突起16から挿入方向とは反対側に窪んだ逃げ凹部11Bが凹設されている。逃げ凹部11Bは、左右一対のガイド突起16で挟まれた部分の幅方向の全体にわたり形成されている。雄側基部11の外表面のうち、上記逃げ凹部11Bと上記雄側スリット11Hとで挟まれる部分には、雄側基部11における幅方向の両側端部から紙面奥側へ窪む操作凹部11aが形成されている。操作凹部11aは、親指や人差し指が挿入方向に沿って操作凹部11a上に配置されるとき、該指の指紋面に倣う滑らかな凹曲面形状に形成されている。
【0033】
図1の上側に示されるように、平面視方向から見て逆U字状をなす雌部材20では、該雌部材20の基部である並設基部としての雌側基部21が、2つの矩形環が挿入方向に連結されたかたちに形成されている。この雌側基部21には、幅方向に延びる矩形孔状の紐状体挿通部としての2つのスリット21Hが平面視方向に貫通し、該スリット21Hには、バックルが用いられるリュックサックやバックなどのベルトが掛け止めされる。
【0034】
雌側基部21の幅方向における両端部には、並設部を構成する一対の筒部22が挿入方向とは反対の方向に延設されている。左右一対の筒部22の各々には、上述した脚部12の挿脱可能な矩形孔状の脚部挿脱孔23が、挿入方向に沿って延設されている。左右一対の脚部挿脱孔23の各々における幅方向の大きさは、上述した嵌合幅Wと等しく、右側の脚部挿脱孔23は、右側の第一ヒンジ部13が右側のガイド突起16と共々嵌脱可能な大きさであり、また左側の脚部挿脱孔23は、左側の第一ヒンジ部13が左側のガイド突起16と共々嵌脱可能な大きさである。また、左右一対の筒部22の各々では、該筒部22における挿入方向の中央が、幅方向の内側に括れており、筒部22の外側と脚部挿脱孔23内と連通する係止孔24が、該括れた部分に貫通している。
【0035】
そして、左右一対の脚部12の各々が、左右一対の脚部挿脱孔23に対して挿入方向に差し込まれると、左右一対の先端部14の各々が、幅方向の内側に撓みつつ脚部挿脱孔23内を挿入方向に移動する。その後、左右一対の先端部14の各々が、左右一対の係止孔24に到達すると、左右一対の先端部14の各々が、幅方向の外側に戻り、左右一対の先端部14における被係止突起15と係止孔24の開口縁25とが係合する。これにより、雄部材10における挿入方向とは反対方向への移動が係止され、雄部材10と雌部材20とが互いにロックされる。そして、こうしたロック状態から、左右一対の脚部12における先端部14が、指によって幅方向の内側に押圧されて脚部挿脱孔23内に押し戻されると、雄部材10と雌部材20とのロックが解除され、脚部12が脚部挿脱孔23から引き抜き可能になる。
【0036】
雌部材20において左右一対の筒部22の隙間には、これら左右一対の筒部22を互いに連結する壁である底面壁26が、紙面奥側に架設されている。底面壁26は、紙面と平行な平面壁であって、左右一対の筒部22における挿入方向の全体に架設されている。そして、雌部材20の幅方向における中央には、これら左右一対の筒部22と底面壁26と雌側基部21とによって区画される収納凹部Sが形成されている。
【0037】
左右一対の筒部22の各々の周壁のうち、収納凹部Sを形成する内側壁の先端側には、幅方向に延びる一対の軸支孔27が、幅方向に延びる同一直線上に貫通している。また、収納凹部Sを構成する上記内側壁のうち、左右一対の軸支孔27の雌側基部21側には、幅方向に延びる板状をなす左右一対のホイッスル係止部28が、収納凹部S内に向けて突設されている。なお、紙面と直交する方向では、上記左右一対の軸支孔27は、上記内側壁の略中央を貫通し、また左右一対のホイッスル係止部28は、上記内側壁における底面壁26側に突設されている。
【0038】
雌部材20が有する収納凹部S内には、左右一対の筒部22の延設方向である挿入方向に延びるホイッスル部材30が組み付けられている。ホイッスル部材30は、一対の筒部22と互いに異なる色彩を有して挿入方向に延びる直方体形状の有底筒体であって、挿入方向とは反対方向の端である先端で閉塞されている。また、ホイッスル部材30における挿入方向の端壁である基端壁には、挿入方向に延びる吹き込み口34が貫通している。ホイッスル部材30の挿入方向における大きさは、収納凹部Sの挿入方向における大きさよりも若干小さく、またホイッスル部材30の幅方向における大きさは、収納凹部Sの幅方向における大きさよりも若干小さい。
【0039】
ホイッスル部材30における左右両側壁の先端には、上記左右一対の軸支孔27に軸支される左右一対の回動軸31が、互いに向かい合うように突設されている。そして、ホイッスル部材30は、一対の筒部22の並設方向である幅方向と平行な回動中心線を有し、一対の筒部22の間で回動可能に雌部材20に支持されている。ホイッスル部材30の吹き込み口34は、こうしたホイッスル部材30の回動によって、一対の筒部22間に収まって雌側基部21と互いに向い合う収納状態と、一対の筒部22間の外側に突出する突出状態とに切り替る。
【0040】
ホイッスル部材30における左右両側壁のうち、左右一対の回動軸31の雌側基部21側には、幅方向に延びる板状をなす左右一対の被係止部32が突設されている。これら左右一対の被係止部32は、上記収納状態において左右一対のホイッスル係止部28よりも底面壁26側となる部位に突設されている。そして、ホイッスル部材30が収納状態にあるときには、ホイッスル係止部28と被係止部32とが係合し、ホイッスル部材30が紙面の手前側に回動することが、これらの係合によって係止される。これに対し、突出状態のホイッスル部材30が収納状態に移行する際には、ホイッスル係止部28と被係止部32との係合に必要とされる負荷により、ホイッスル部材30が収納状態であるか否かを利用者に認知させることが可能となる。
【0041】
ホイッスル部材30は、上記収納状態において一対の筒部22の間から露出する外表面に、一対の筒部22の表面形状に倣う形状を有している。一方、ホイッスル部材30の先端には、挿入方向とは反対方向に延びる回動操作レバー33が、紙面の手前側に反るかたちに形成されている。回動操作レバー33は、該回動操作レバー33が紙面奥側へ押圧されることにより、上記回動中心線がホイッスル部材30の回動中心となるように、該回動操作レバー33に作用する作用力をホイッスル部材30の回動力に変換する。そして、ホイッスル部材30が収納状態にあるときには、ホイッスル部材30の外表面のうち、回動操作レバー33が形成された部分が、一対の筒部22の外表面から突出することになる。これにより、ホイッスル部材30が収納状態にあるときには、一対の筒部22と回動操作レバー33との段差の触感により、回動操作レバー33の所在を利用者に認知させることが可能となる。
【0042】
ホイッスル部材30の外周壁のうち、底面壁26と互いに向かい合う底壁には、吹き出し口35が貫通している。そして、ホイッスル部材30が収納状態にあるときには、吹き出し口35の全体が底面壁26で覆われ、ホイッスル部材30が突出状態にあるときには、吹き出し口35の全体が一対の筒部22の間から突出する。
【0043】
次に、上記構成からなるバックルの作用について図2を参照して説明する。なお、上記収納状態におけるバックルの作用と突出状態におけるバックルの作用とをこの順に説明する。また、以下では、雄部材10が雌部材20に挿着されていることを前提として、ホイッスル部材30の作用を中心に説明するが、雌部材20とホイッスル部材30との組み合わせによる作用は、雄部材10が雌部材20から脱着された状態であっても同様である。
【0044】
図2(a)に示されるように、まず、上述した収納状態では、収納凹部Sの内部において、上記被係止部32と上記ホイッスル係止部28との係合によって、ホイッスル部材30の回動が係止される。それゆえに、被係止部32とホイッスル係止部28との係合が解除されるまでは、一対の筒部22の間に吹き込み口34が保持されることになる。
【0045】
この際、吹き出し口35の全体が底面壁26で覆われるため、塵、埃、泥、雪等の異物が含まれる大気中でバックルが使用されるとしても、こうした吹き出し口35に異物が付着すること、また吹き出し口35からホイッスル部材30内に異物が入り込むことが抑えられる。また、ホイッスル部材30の吹き込み口34が一対の筒部22から不要に突出することが抑えられるため、吹き込み口34が一対の筒部22で覆われる分、ホイッスル部材30の利用に際して衛生面が高められる。しかも、吹き込み口34が雌側基部21に向けて開口するため、吹き込み口34の周囲が一対の筒部22と雌側基部21とによって囲まれることとなる。その結果、吹き込み口34に異物が付着することが、より効果的に抑えられる。
【0046】
なお、ホイッスル部材30の吹き込み口34が、雌側基部21と向い合うのではなく、例えば右側の筒部22と向かい合う構成であっても、吹き込み口34が右側の筒部22で覆われる以上、吹き込み口34に異物が付着することを抑えることは可能である。ただし、吹き込み口34が右側の筒部22と向かい合う構成では、ホイッスル部材30を使用する際に、以下のような不都合が生じる。
【0047】
すなわち、上述するバックルとは、一対の筒部22の延設方向が利用者の体表面と略平行になる態様で利用者の身につけられることが少なくなく、一対の筒部22の一方が利用者の口に近い側に配置され、且つ他方が利用者の口から遠い地面側に配置されることも少なくない。この点、右側の筒部22が利用者の口に対して近い側であれば、すなわち吹き込み口34が利用者の口に向くような配置の態様であれば、こうした吹き込み口34に空気を吹き込むことは容易である。しかし、吹き込み口34と向かい合う右側の筒部22が利用者の口に対して遠い側となれば、すなわち吹き込み口34が地面に向けて開口するような配置の態様となれば、吹き込み口34を利用者の口に向けるという作業が、利用者には別途強いられることとなる。
【0048】
この点、吹き込み口34が雌側基部21に向けて開口するため、ホイッスル部材30を利用する際には、一対の筒部22のいずれが利用者の口に対して近い側であっても、吹き込み口34は、利用者から見た前方、あるいは利用者の後方に向けて開口することになる。そのため、前方あるいは後方に向けて開口した吹き込み口34を上側に向けるという手間だけで、吹き込み口34を利用者の口に向けることが可能となる。それゆえに、ホイッスル部材30の利用に際してその利便性を高めることが可能でもある。
【0049】
そして、被災時や緊急時などでホイッスル部材30が使用されるとき、上述のような収納状態から回動操作レバー33が上記逃げ凹部11Bに向けて押圧される。これにより、上記回動中心線がホイッスル部材30の回動中心となるように、該回動操作レバー33に作用する作用力がホイッスル部材30の回動力に変換される。そして、上記被係止部32と上記ホイッスル係止部28との係合が回動力によって解除された後、回動操作レバー33が逃げ凹部11B内を回動するとともに、図2(b)に示されるように、吹き込み口34が一対の筒部22の間から突出する。
【0050】
この際、上述した収納状態では、ホイッスル部材30の外表面が、一対の筒部22の外表面とは互いに異なる色彩を有しているため、雌部材20におけるホイッスル部材30の所在が利用者に視認されやすくなる。また、一対の筒部22の外表面から回動操作レバー33が突出するため、一対の筒部22と回動操作レバー33との段差の触感により、回動操作レバー33の所在が利用者に認知されやすくもなる。
【0051】
そして、ホイッスル部材30が収納状態から突出状態に移行する過程では、雄側基部11に操作凹部11aが形成されているため、操作凹部11aの深さ分、回動操作レバー33を逃げ凹部11Bで回動させることが容易なものとなる。また、操作凹部11aが指の指紋面に倣う滑らかな凹曲面形状に形成されているため、回動操作レバー33を押圧する指と雄側基部11との接触による違和感を抑えることが可能でもある。さらに、ホイッスル部材30の先端が回動中心線を有し、また、ホイッスル部材30の基端が吹き込み口34を有するため、ホイッスル部材30の長手方向の大きさ分、収納凹部S内から吹き込み口34を突出させることが可能となる。
【0052】
最後に、ホイッスル部材30の使用が終了すると、上述のような突出状態からホイッスル部材30が収納凹部Sに向けて押圧される。これにより、上記回動中心線がホイッスル部材30の回動中心となるように、該ホイッスル部材30に作用する作用力がホイッスル部材30の回動力に変換される。そして、上記被係止部32と上記ホイッスル係止部28との係合が回動力によって実現され、ホイッスル部材30が収納状態となる。
【0053】
以上説明したように、第一実施形態によれば以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)突出状態では、吹き込み口34が一対の筒部22間から突出する一方、収納状態では、吹き込み口34が一対の筒部22間に収まることになる。それゆえに、ホイッスル部材30が使用されないときには、吹き込み口34が一対の筒部22で覆われる分、ホイッスル部材30の利用に際して吹き込み口34の衛生面を高めることが可能となる。
【0054】
(2)収納状態の吹き込み口34が雌側基部21に向けて開口するため、ホイッスル部材30が使用されないときには、吹き込み口34の周囲が一対の筒部22と雌側基部21とによって囲まれることとなる。その結果、吹き込み口34に異物が付着することを、より効果的に抑えることが可能である。
【0055】
(3)収納状態のホイッスル部材30は、一対の筒部22と雌側基部21とに加え、さらに底面壁26とも互いに向い合う。そして、ホイッスル部材30が使用されないときには、ホイッスル部材30の外表面が、これら一対の筒部22、雌側基部21、及び底面壁26の各々で覆われるため、ホイッスル部材30の利用に際して、ホイッスル部材30そのものの衛生面を高めることが可能となる。
【0056】
(4)収納状態のホイッスル部材30では、吹き出し口35が底面壁26に向くことになるため、ホイッスル部材30が使用されないときに、吹き込み口34に異物が付着することに加え、吹き出し口35に異物が付着することも抑えられる。それゆえに、ホイッスル部材30の吹き出し口35が異物で塞がれること、さらにはホイッスル部材30の内部に異物が堆積すること、それらを抑えることが可能でもある。
【0057】
(5)ホイッスル部材30の先端が回動中心線を有し、またホイッスル部材30の基端が吹き込み口34を有する。このような構成であれば、ホイッスル部材30の先端と基端との間に回動中心線が配置される構成と比較して、ホイッスル部材30の回動に際して、吹き込み口34の移動する範囲を大きくすることが可能である。そして、一対の筒部22の間に吹き込み口34が挟まれる構成であっても、突出状態では、吹き込み口34を一対の筒部22から大きく離間させることが可能である。そのため、ホイッスル部材30の利用に際して、吹き込み口34の衛生面を高めつつ、その利便性を高めることが可能でもある。
【0058】
(6)ホイッスル部材30の先端には、雄側基部11に向けて延びる回動操作レバー33が形成され、この回動操作レバー33が回動するための逃げ凹部11Bが、雄側基部11に形成されている。このような構成であれば、吹き込み口34あるいはその近傍に触れることなく、収納状態のホイッスル部材30を突出状態にすることが可能である。
【0059】
(7)収納状態では、一対の筒部22のホイッスル係止部28とホイッスル部材30の被係止部32とが係合することによって、ホイッスル部材30の回動が係止される。このような構成であれば、ホイッスル係止部28と被係止部32との係合が解除されるまで、一対の筒部22の間に吹き込み口34が保持されることになる。そして、吹き込み口34が一対の筒部22から不要に突出することが抑えられるため、上記(1)〜(6)の効果を高い確率で得ることが可能である。
【0060】
(8)一対の筒部22とホイッスル部材30との境界が、色彩によって視認することが可能であるため、ホイッスル部材30の利用に際して、ホイッスル部材30の視認性を高めること、ひいてはホイッスル部材30を操作することが容易なものとなる。
【0061】
(9)一対の筒部22の間におけるホイッスル部材30の外表面が、一対の筒部22の表面形状に倣うかたちに形成されているため、これら一対の筒部22とホイッスル部材30との間に異物が入り込むことを抑えることが可能である。
【0062】
(第二実施形態)
以下、本発明におけるバックルの第二実施形態について図3を参照して説明する。なお、第二実施形態とは、第一実施形態に示されたバックルに対し、脚部12の形状及び数量、さらには筒部22の形状及び数量が変更された形態であるため、第二実施形態では、これらの変更点について詳細に説明する。そして、第二実施形態におけるバックルの構成のうち第一実施形態と同様な構成には、該構成に同じ符号を付して説明する。
【0063】
図3の下側に示されるように、平面視方向から見てT字形状をなす雄部材10では、該雄部材10の基部である雄側基部11が、幅方向に延びる矩形環状に形成されている。雄側基部11の幅方向における左側には、一つの脚部12aが挿入方向に突設されている。この脚部12aにおける基端部13aは、雄側基部11の幅方向における中央から挿入方向に延びる柱状に形成されている。また、基端部13aにおける挿入方向の端部には、該挿入方向の端部から雄側基部11に向けて折り返された第二ヒンジ部13bを介し、雄側基部11における幅方向の左端に向けて延びる柱状の先端部14aが連結されている。この先端部14aにおける挿入方向の途中と雄側基部11との間には、幅方向における肉厚が相対的に小さく可撓性を有した連結部14bが連結されている。
【0064】
そして、先端部14aから基端部13aに向けて幅方向の押圧力が先端部14aに加えられると、第二ヒンジ部13bと連結部14bとが撓曲して、先端部14aが基端部13aに近づけられる。一方、この状態から上記押圧力が取り除かれると、第二ヒンジ部13bと連結部14bとが有する弾性力によって先端部14aが基端部13aから遠ざかり、上記押圧力が加えられる前の状態に雄部材10の形状が戻る。
【0065】
先端部14aの先端には、挿入方向とは反対方向に先細りした被係止突起15aが形成されている。また、雄側基部11における挿入方向の端面うち、連結部14bの左側には、上記被係止突起15aと互いに向かい合うように、雄側基部11から挿入方向に向けてガイド突起16aが突設されている。このガイド突起16aにおける挿入方向の先端と基端部13aにおける右側面との距離は、嵌合幅Wfであって、基端部13aにおける右側面と被係止突起15aとの距離である係止幅Wmよりも小さい。
【0066】
図3の上側に示されるように、並設基部としての雌側基部21の幅方向における左側には、挿入方向とは反対の方向に並設部を構成する筒部22Aが延設されている。また、雌側基部21の幅方向における右側には、これもまた挿入方向とは反対の方向に延びる並設部を構成する外壁である延設部22Bが、筒部22Aに並設されている。これら22Aと延設部22Bとの間には、筒部22Aと延設部22Bとを互いに連結する壁である底面壁26aが、紙面奥側に架設されている。そして、雌部材20の幅方向における右側には、これら筒部22Aと延設部22Bと底面壁26とによって区画された収納凹部Sが形成されている。
【0067】
収納凹部Sを囲う側壁のうち、幅方向で互いに向かい合う一対の側壁には、幅方向に延びる回動軸27Aが連結されている。また、収納凹部Sを囲う一対の側壁のうち、回動軸27Aの雌側基部21側には、紙面の手前側から奥側に延びる切欠きである左右一対のホイッスル係止部28aが、収納凹部Sの深さ方向に並設されている。なお、紙面と直交する方向では、上記回動軸27Aは、上記収納凹部Sの略中央に形成される一方、左右一対のホイッスル係止部28aは、上記収納凹部Sにおける略中央を挟んで紙面手前側と紙面奥側とに形成されている。
【0068】
一方、筒部22Aには、上記脚部12aの挿脱可能な矩形孔状の脚部挿脱孔23aが、挿入方向に沿って延設されている。脚部挿脱孔23aにおける幅方向の大きさは、上述した嵌合幅Wfと等しく、脚部挿脱孔23aは、上記基端部13aがガイド突起16a共々嵌脱可能な大きさである。また、脚部挿脱孔23aにおける収納凹部S側には、挿入方向に延びるガイド溝24bが、脚部挿脱孔23aにおける挿入方向の全体にわたり凹設されている。また、筒部22Aでは、該筒部22Aにおける挿入方向の中央が、幅方向の右側に括れており、筒部22Aの外側と脚部挿脱孔23a内と連通する係止孔24aが、該括れた部分に貫通している。また、雌側基部21における筒部22Aの左側には、上記係止孔24aの全体が覆われるように、挿入方向とは反対方向に向けて延びる片持ち梁状の連結解除レバー22Pが延設されている。
【0069】
そして、上記脚部12aが脚部挿脱孔23aに対して挿入方向に差し込まれると、脚部12aの基端部13aがガイド溝24bによって挿入方向に案内されるとともに、脚部12aの先端部14aが、幅方向の内側に撓みつつ脚部挿脱孔23内を挿入方向に移動する。その後、脚部12aの被係止突起15aが係止孔24aに到達すると、脚部12aの先端部14aが、幅方向の外側に戻り、脚部12aの被係止突起15aと係止孔24aの開口縁25aとが係合する。これにより、雄部材10における挿入方向とは反対方向への移動が係止され、雄部材10と雌部材20とが互いにロックされる。そして、こうしたロック状態から、連結解除レバー22Pが幅方向の内側に押圧されて、被係止突起15aが脚部挿脱孔23内に押し戻されると、雄部材10と雌部材20とのロックが解除され、脚部12が脚部挿脱孔23から引き抜き可能になる。
【0070】
雌部材20が有する収納凹部S内には、筒部22Aの延設方向である挿入方向に延びるホイッスル部材30が組み付けられている。ホイッスル部材30は、筒部22A及び延設部22Bと互いに異なる色彩を有して挿入方向に延びる直方体形状の有底筒体であって、挿入方向とは反対方向の端である先端で閉塞されている。また、ホイッスル部材30における挿入方向の端壁である基端壁には、挿入方向に延びる吹き込み口34が貫通している。ホイッスル部材30の挿入方向における大きさは、収納凹部Sの挿入方向における大きさよりも若干小さく、またホイッスル部材30の幅方向における大きさは、収納凹部Sの幅方向における大きさよりも若干小さい。
【0071】
ホイッスル部材30における左右両側壁の先端には、上記回動軸27Aを軸支する左右一対の軸支孔31Hが、互いに向かい合うように貫通している。そして、ホイッスル部材30は、筒部22Aと延設部22Bとの並設方向である幅方向と平行な回動中心線を有し、これら筒部22Aと延設部22Bとの間で回動可能に雌部材20に支持されている。ホイッスル部材30の吹き込み口34は、こうしたホイッスル部材30の回動によって、筒部22Aと延設部22Bとの間に収まって雌側基部21と互いに向い合う収納状態と、筒部22Aと延設部22Bとの間の外側に突出する突出状態とに切り替る。
【0072】
ホイッスル部材30における左右両側壁のうち、左右一対の軸支孔31Hの雌側基部21側には、幅方向に延びる板状をなす左右一対の被係止部32が突設されている。そして、ホイッスル部材30が収納状態にあるときには、ホイッスル係止部28aと被係止部32とが係合する。これに対し、突出状態のホイッスル部材30が収納状態に移行する際には、ホイッスル係止部28aと被係止部32との係合に必要とされる負荷により、ホイッスル部材30が収納状態であるか否かを利用者に認知させることが可能となる。
【0073】
ホイッスル部材30は、上記収納状態において筒部22Aと延設部22Bとの隙間から露出する外表面に、筒部22の表面形状、及び延設部22Bの表面形状に倣う形状を有している。そして、ホイッスル部材30が収納状態にあるときには、ホイッスル部材30の外表面のうち、回動操作レバー33が形成された部分が、筒部22Aの外表面や延設部22Bから突出することになる。これにより、ホイッスル部材30が収納状態にあるときには、筒部22Aと回動操作レバー33との段差や延設部22Bと回動操作レバー33との段差の触感により、回動操作レバー33の所在を利用者に認知させることが可能となる。
【0074】
次に、上記構成からなるバックルの作用について図4を参照して説明する。なお、上記収納状態におけるバックルの作用と突出状態におけるバックルの作用とをこの順に説明する。
【0075】
図4(a)に示されるように、まず、上述した収納状態では、ホイッスル部材30の被係止部32と雌部材20のホイッスル係止部28aとの係合によって、ホイッスル部材30の回動が係止されている。また、雄部材10と雌部材20とが連結されていることによって、回動操作レバー33の回動が雄側基部11によって規制されている。それゆえに、雄部材10と雌部材20との連結が解除され、且つ被係止部32とホイッスル係止部28aとの係合が解除されるまでは、筒部22Aと延設部22Bとの間に吹き込み口34が保持されることになる。この際、吹き込み口34が筒部22Aと延設部22Bとで覆われる分、ホイッスル部材30の利用に際して衛生面が高められる。しかも、吹き込み口34が雌側基部21に向けて開口するため、吹き込み口34の周囲が雌側基部21にも囲まれることとなる。その結果、吹き込み口34に異物が付着することが、より効果的に抑えられる。
【0076】
そして、被災時や緊急時などでホイッスル部材30が使用されるとき、まず、連結解除レバー22Pが係止孔24aに向けて押圧され、これにより、被係止突起15aが脚部挿脱孔23内に押し戻されて、雄部材10と雌部材20とのロックが解除される。次いで、脚部12が脚部挿脱孔23から引き抜かれることによって、雄部材10と雌部材20との連結が解除される。続いて、この状態から、回動操作レバー33が押圧されると、上記回動中心線がホイッスル部材30の回動中心となるように、該回動操作レバー33に作用する作用力がホイッスル部材30の回動力に変換される。そして、上記被係止部32と上記ホイッスル係止部28aとの係合が回動力によって解除され、図4(b)に示されるように、吹き込み口34が筒部22Aと延設部22Bとの間から突出する。
【0077】
最後に、ホイッスル部材30の使用が終了すると、上述のような突出状態からホイッスル部材30が収納凹部Sに向けて押圧される。これにより、上記回動中心線がホイッスル部材30の回動中心となるように、該ホイッスル部材30に作用する作用力がホイッスル部材30の回動力に変換される。そして、上記被係止部32と上記ホイッスル係止部28aとの係合が回動力によって実現され、ホイッスル部材30が収納状態となる。
【0078】
以上説明したように、第二実施形態によれば以下に列記するような効果が得られるようになる。
(10)突出状態では、吹き込み口34が筒部22Aと延設部22Bとの間から突出する一方、収納状態では、吹き込み口34が筒部22Aと延設部22Bと間に収まることになる。それゆえに、ホイッスル部材30が使用されないときには、吹き込み口34が筒部22Aと延設部22Bとで覆われる分、ホイッスル部材30の利用に際して吹き込み口34の衛生面を高めることが可能となる。
【0079】
(11)雄部材10と雌部材20との連結が解除され、且つ被係止部32とホイッスル係止部28aとの係合が解除されるまでは、筒部22Aと延設部22Bとの間に吹き込み口34が保持されることになる。このような構成であれば、被係止部32とホイッスル係止部28aとの係合に加え、雄部材10と雌部材20との連結によっても、ホイッスル部材30の回動が抑えられるため、さらに高い確率で上記(1)〜(10)の効果を得ることが可能である。
【0080】
(12)筒部22A及び延設部22Bとホイッスル部材30との境界が、色彩によって視認することが可能であるため、ホイッスル部材30の利用に際して、ホイッスル部材30の視認性を高めること、ひいてはホイッスル部材30を操作することが容易なものとなる。
【0081】
(13)筒部22Aと延設部22Bとの間におけるホイッスル部材30の外表面が、筒部22Aの表面形状と延設部22Bの表面形状とに倣うかたちに形成されている。そのため、筒部22Aとホイッスル部材30との間に異物が入り込むこと、延設部22Bとホイッスル部材30との間に異物が入り込むこと、これらを抑えることが可能である。
【0082】
なお、上記第一実施形態と第二実施形態の各々は、以下のように変更して実施することもできる。
・収納状態において収納凹部Sから露出するホイッスル部材30の外表面は、並設部の表面形状と互いに異なる形状であってもよい。このような構成であっても、上記(1)〜(8)、(10)〜(12)に準じた効果を得ることは可能である。
【0083】
・ホイッスル部材30は、並設部と同じ色彩であって、且つ互いに異なる模様を有する構成であってもよく、あるいは互いに異なる色彩と互いに異なる模様とを有する構成であってもよい。このような構成であっても、上記(1)〜(8)、(10)〜(12)に準じた効果を得ることが可能である。また、ホイッスル部材30は、並設部と同じ色彩であって、且つ同じ模様であってもよい。このような構成であっても、上記(1)〜(7)、(10)、(11)に準じた効果を得ることは可能である。
【0084】
・第一実施形態におけるホイッスル係止部28と被係止部32とは、互いが係合することによって、ホイッスル部材30の回動を係止することの可能な形状であればよく、例えば、第二実施形態と同様に、ホイッスル係止部28が凹部であって、被係止部32が凸部であってもよい。さらに、各実施形態におけるホイッスル係止部28,28aと被係止部32とは、互いが係合することによって、ホイッスル部材30の回動を係止することの可能な形状であればよく、例えばホイッスル係止部28,28aが凸部であって、被係止部32が凹部であってもよく、これらの数量が2以上であってもよい。なお、ホイッスル係止部28,28aと被係止部32とが割愛される構成であってもよい。このような構成であっても、上記(1)〜(6)、(10)、(11)に準じた効果を得ることは可能であって、ホイッスル部材30の外観構造や収納凹部Sの内部構造を簡素化できるという観点においては優れている。
【0085】
・第一実施形態では、雄側基部11と回動操作レバー33とが回動操作レバー33の回動で互いに干渉しない構造、あるいは回動操作レバー33が割愛される構成であれば、逃げ凹部11Bが割愛される構成であってもよい。要は、ホイッスル部材30が回動中心線を中心に回動し、吹き込み口34が収納状態と突出状態との間で切り替ることの可能な構成であればよい。このような構成であっても、上記(1)〜(5)に準じた効果を得ることは可能であって、ホイッスル部材30の外観構造や雄部材10の外観構造を簡素化できるという観点においては優れている。なお、単に、逃げ凹部11Bが割愛される構成であれば、上記(11)に準じた効果を得ることが可能である。
【0086】
・ホイッスル部材30の先端に吹き込み口34が形成されるとともに、ホイッスル部材30の基端に回動中心線が形成される構成であってもよい。このような構成であっても、上記(1)〜(5)、(10)、(11)に準じた効果を得ることは可能である。あるいは、ホイッスル部材30の長手方向における中央に回動中心線が配置される構成であってもよい。要は、ホイッスル部材30が回動中心線を中心に収納凹部Sで回動し、吹き込み口34が収納状態と突出状態との間で切り替ることの可能な構成であればよい。このような構成であっても、上記(1)〜(4)、(10)、(11)に準じた効果を得ることは可能である。
【0087】
・吹き出し口35は、ホイッスル部材30の右側壁や左側壁、あるいは上面壁に形成されてもよく、要は、ホイッスル部材30に吹き込まれる空気が、突出状態で吹き出し可能な部位に形成される構成であればよい。このような構成であっても、上記(1)〜(3)、(10)、(11)に準じた効果を得ることは可能である。
【0088】
・底面壁26が割愛される構成であってもよく、このような構成であっても、上記(1)、(2)、(10)、(11)に準じた効果を得ることは可能であって、雌部材20の軽量化を図ることができるという観点においては優れている。
【0089】
・吹き込み口34は、ホイッスル部材30の右側壁、あるいは左側壁に形成されてもよく、要は、ホイッスル部材30が回動中心線を中心に回動し、吹き込み口34が収納状態と突出状態との間で切り替ることの可能な構成であればよい。このような構成であっても、上記(1)、(10)、(11)に準じた効果を得ることは可能である。
【0090】
・並設部の並設方向と平行な一対の軸支孔が雄側基部11に設けられ、該軸支孔に支持される回動軸がホイッスル部材30に設けられる構成であってもよい。また、並設部の並設方向と平行な回動軸が雄側基部11に設けられ、該回動軸を支持する軸支孔がホイッスル部材30に設けられる構成であってもよい。要は、並設部の並設方向と平行な回動中心線を有するホイッスル部材30が、雄部材10と雌部材20のいずれか一方である支持対象に、並設部の間で回動可能に支持される構成であればよい。
【0091】
・上述したバックルは、雄部材と雌部材とから構成されるバックルに限らず、紐状体が挿通可能な少なくとも一つの紐状体挿通部を有する構成であればよい。
例えば、図5に示されるように、上述したバックルは、紐状体が挿通される三つの紐状体挿通部Hを有したトリグライドバックル41に具体化することも可能である。詳述すると、トリグライドバックル41には、一つの方向に延びる楕円形状をなす一つの紐状体挿通部Hの一側に、該紐状体挿通部Hの延設方向と互いに直交する一対の紐状体挿通部Hの基端が連結されている。この一対の紐状体挿通部Hの先端には、前記延設方向に沿って延びる板状をなす一対の並設部41aが連結されている。これら互いに向かい合う一対の並設部41aの隙間である収納凹部Sには、一対の並設部41aの並設方向と互いに平行な回動中心線Aを有するホイッスル部材30が、収納凹部Sで回動可能に支持されている。
【0092】
また、図6に示されるように、上述したバックルは、紐状体が挿通される一つの紐状体挿通部Hを有したリングバックル42に具体化することも可能である。詳述すると、リングバックル42では、D字状をなす紐状体挿通部Hの直線部分が、一つの並設部42aを構成するとともに、該並設部42aと互いに平行な板状をなす他の並設部42aが、紐状体挿通部Hに連結されている。そして、一対の並設部42aの隙間である収納凹部Sには、一対の並設部42aの並設方向と互いに平行な回動中心線Aを有するホイッスル部材30が、収納凹部Sで回動可能に支持されている。
【0093】
また、図7に示されるように、上述したバックルは、紐状体が挿通される三つの紐状体挿通部Hを有したラダーバックル43に具体化することも可能である。詳述すると、ラダーバックル43では、矩形環状をなす三つの紐状体挿通部Hと、該紐状体挿通部Hの延設方向に沿って延びる板状をなす一対の並設部43aとが、該延設方向と互いに直交する方向に沿って順に連結されている。そして、一対の並設部43aの隙間である収納凹部Sには、一対の並設部43aの並設方向と互いに平行な回動中心線Aを有するホイッスル部材30が、収納凹部Sで回動可能に支持されている。
【0094】
上述したトリグライドバックル41、リングバックル42、及びラダーバックル43においても、ホイッスル部材30の吹き込み口34は、ホイッスル部材30の回動によって、収納凹部Sに収まる収納状態と収納凹部Sの外側に突出する突出状態とに切り替る。それゆえに、上記(1)に準じた効果を得ることが可能である。
【0095】
また、図8に示されるように、上述したバックルは、紐状体が挿通される一つの紐状体挿通部Hを有したコードロックバックル44に具体化することも可能である。詳述すると、コードロックバックル44では、挿通された紐状体をロックするための矩形筒状をなす紐状体挿通部Hの先端部に、該紐状体挿通部Hの延設方向に沿って延びる板状の一対の並設部44aが連結されている。そして、一対の並設部43aの隙間である収納凹部Sには、一対の並設部43aの並設方向と互いに平行な回動中心線Aを有するホイッスル部材30が、収納凹部Sで回動可能に支持されている。
【0096】
また、図9に示されるように、上述したバックルは、紐状体が挿通される一つの紐状体挿通部Hを有したコードストッパバックル45に具体化することも可能である。詳述すると、コードストッパバックル45では、挿通された紐状体を抜き出し不能にする筒状をなす紐状体挿通部Hの先端部に、該紐状体挿通部Hの延設方向に沿って延びる板状をなす一対の並設部45aが連結されている。そして、一対の並設部45aの隙間である収納凹部Sには、一対の並設部45aの並設方向と互いに平行な回動中心線Aを有するホイッスル部材30が、収納凹部Sで回動可能に支持されている。
【0097】
また、図10に示されるように、上述したバックルは、紐状体が挿通される一つの紐状体挿通部Hを有したフックバックル46に具体化することも可能である。詳述すると、フックバックル46では、紐状体が挿通される環状をなす紐状体挿通部Hの一部に、鉤状をなすフックが連結されるとともに、該フックにおける紐状体挿通部H側の一端部が、互いに平行な板状をなす一対の並設部46aで構成されている。そして、一対の並設部46aの隙間である収納凹部Sには、一対の並設部46aの並設方向と互いに平行な回動中心線Aを有するホイッスル部材30が、収納凹部Sで回動可能に支持されている。
【0098】
上述したコードロックバックル44、コードストッパバックル45、及びフックバックル46においても、ホイッスル部材30の吹き込み口34は、ホイッスル部材30の回動によって、収納凹部Sに収まる収納状態と収納凹部Sの外側に突出する突出状態とに切り替る。それゆえに、上記(1)に準じた効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0099】
A…回動中心線、H…紐状体挿通部、K…ベルト、S…収納凹部、W…嵌合幅、10…雄部材、12…脚部、11…雄側基部、11a…操作凹部、11B…逃げ凹部、11H…雄側スリット、12,12a…脚部、13…第一ヒンジ部、13b…第二ヒンジ部、14,14a…先端部、15,15a…被係止突起、16,16a…ガイド突起、20…雌部材、21…雌側基部、21H…スリット、22,22A…筒部、22B…延設部、23,23a…脚部挿脱孔、24,24a…係止孔、25,25a…開口縁、26,26a…底面壁、27,31H…軸支孔、27a,31…回動軸、28,28a…ホイッスル係止部、30…ホイッスル部材、32…被係止部、33…回動操作レバー、34…吹き込み口、35…吹き出し口、41a,42a,43a,44a,45a,46a…並設部、50…雄部材、51…雄側基部、52…脚部、60…雌部材、61…挿脱孔、62…係止孔、63…ホイッスル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紐状体が挿通可能な少なくとも一つの紐状体挿通部を有するバックルであって、
一つ方向に延び互いに向い合う部位である並設部を有し、
前記並設部同士の間には隙間が形成され、
前記並設部の並設方向と互いに平行な回動中心線を有して前記隙間で回動可能に前記並設部に支持されるホイッスル部材を備え、
前記ホイッスル部材の吹き込み口は、前記ホイッスル部材の回動によって、前記隙間に収まる収納状態と前記隙間の外側に突出する突出状態とを有する
ことを特徴とするバックル。
【請求項2】
脚部が延設された雄側基部を有する雄部材と、
筒部が延設された雌側基部を有する雌部材とを備え、
前記脚部が前記筒部に脱着可能に挿着される
請求項1に記載のバックル。
【請求項3】
前記雄部材が、2つの前記脚部を有し、
前記並設部が、2つの前記筒部である
請求項2に記載のバックル。
【請求項4】
前記並設部が延設された並設基部を備え、
前記吹き込み口は、
前記収納状態において前記並設基部と互いに向い合う
請求項1〜3のいずれか一項に記載のバックル。
【請求項5】
前記並設部同士の間に前記並設部同士を互いに連結する壁である底面壁を備え、
前記収納状態では、前記並設部と前記底面壁とによって構成される凹部内に前記吹き込み口が収まる
請求項1〜4のいずれか一項に記載のバックル。
【請求項6】
前記ホイッスル部材は、
前記収納状態において前記底面壁と互いに向かい合う吹き出し口を有する
請求項5に記載のバックル。
【請求項7】
前記並設部が延設された並設基部を備え、
前記ホイッスル部材は、
前記並設部の延設方向に延びる有底筒体であり、
前記有底筒体の基端には前記収納状態において前記並設基部に向く筒開口である前記吹き込み口が形成され、前記有底筒体の先端には前記ホイッスル部材の前記回動中心線が形成されている
請求項1〜6のいずれか一項に記載のバックル。
【請求項8】
前記ホイッスル部材は、
前記並設部の延設方向に延びる有底筒体であり、
前記有底筒体の基端には前記収納状態において前記並設基部に向く筒開口である前記吹き込み口が形成され、前記有底筒体の先端には前記ホイッスル部材の前記回動中心線が形成され、
前記雄側基部に向けて延びる回動操作レバーを先端に有し、
前記雄側基部は、
前記回動操作レバーが回動する逃げ凹部を有する
請求項4に記載のバックル。
【請求項9】
前記ホイッスル部材が、被係止部を有し、
前記並設部が、係止部を有し、
前記収納状態では、前記係止部と前記被係止部とが解除可能に係合して前記ホイッスル部材の回動を係止する一方、
前記突出状態では、前記係止部と前記被係止部とが係合しない
請求項1〜8のいずれか一項に記載のバックル。
【請求項10】
前記ホイッスル部材は、
色彩及び模様の少なくとも一つが前記並設部と互いに異なる
請求項1〜9のいずれか一項に記載のバックル。
【請求項11】
前記ホイッスル部材は、
前記収納状態において前記並設部の間から露出する外表面に、前記並設部の表面形状に倣う形状を有する
請求項1〜10のいずれか一項に記載のバックル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−22373(P2013−22373A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162146(P2011−162146)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】