バッグインボックス製造装置及び製造方法
【課題】高速充填が可能で、しかも液状内容物が外箱に付着したり、外箱の紙粉異物が液状内容物に混入することがなく、更にフレキシブルバッグの皺発生による破袋のないバッグインボックスの製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】リテーナーと、空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする手段と、充填機と、リテーナーを充填機に搬入する手段と、フレキシブルバッグを搬出する手段と、段ボールを製函する手段と、フレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する手段と、段ボールを封緘する手段と、空になったリテーナーを回収する手段と、を備えており、リテーナーは、4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、フレキシブルバッグ保持手段を備え、対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造装置。
【解決手段】リテーナーと、空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする手段と、充填機と、リテーナーを充填機に搬入する手段と、フレキシブルバッグを搬出する手段と、段ボールを製函する手段と、フレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する手段と、段ボールを封緘する手段と、空になったリテーナーを回収する手段と、を備えており、リテーナーは、4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、フレキシブルバッグ保持手段を備え、対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状内容物を充填したフレキシブルバッグを収納段ボールに収納してバッグインボックスを製造する装置及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は従来のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図である。図1に示されるバッグインボックスの製造装置は充填ラインが1列のものである。連続する長尺状のバッグ1が矢印2で示される搬送方向に搬送され、充填部3で所定の液状内容物が充填され、充填部3より延設されたコンベア4と、該コンベア4の矢印5で示される搬送方向の先端部に配置されたバッグシューター6と、該バッグシューター6の下側に、前記コンベア4に対して直交方向に、段ボール7を矢印8の方向に供給するコンベア9を備えているものである。尚、充填機に供給されるバッグのキャップが施封されていない口栓(スパウト)10は、符号11で示すように充填後キャップが施封される場合の他に、元々キャップが付いた状態で充填機に供給され充填機内でキャップを離脱し、充填、再打栓される場合がある。
【0003】
長尺状の連続するバッグ1を前記充填部3に供給し、該充填部3にて、連続するバッグ1のスパウト10(キャップ11を取り外したもの)からバッグ1内に所定の液状内容物を充填した後、充填された連続するバッグ1を、カッティング部12で各1個ずつのバッグ1aとしてカッティングし、コンベア4の駆動ロール4aで矢印5の方向にシューター6まで搬送して、段ボール7を供給するコンベア9のロール9a(又はベルト)によって、段ボール7をシューター6の下側に供給して、1個の段ボール7内に該バッグ1aを1個ずつ収納するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−135406号公報
【特許文献2】特開2008−168918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に示される充填ラインが1列のバッグインボックスの製造装置では、一般的に充填機の充填時間によって製造時間が決定されるため、高速でバッグインボックスを製造することは困難であった。
【0006】
図2は図1とは別のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図であって、バッグインボックスの製造速度を速めた装置であって、例えば3列の充填ラインを備えたものである。
【0007】
図2に示すバッグインボックスの製造装置の場合は、充填部3の数と同数のシューター6と段ボール7の供給ラインとを必要とするため、装置が複雑になり、多大の設備費や設置スペースが必要となる。
【0008】
また、上記のような複数ラインの充填部を備えた装置としては、図3に示すように、バッグ1a、1bを搬送する2列のコンベア4−1、4−2を備え、1箇所の段ボール供給位置にてバッグ1a、1bを収納出来るようにした装置がある。
【0009】
この装置は連続する複数列の長尺状のバッグ1−1、1−2内に、各列毎に所定の液状内容物を充填するための2個の充填部3−1、3−2と、各充填部より延設された各コンベア4−1、4−2と、該各々コンベアの搬送方向5−1、5−2の先端部の間を、前記コンベア4−1、4−2に対して直交する方向に往復移動する移送手段13(スライドテーブルユニット、ベルトコンベア、ロールコンベアなど)と、コンベア4−1、4−2に対して該移送手段13の反対側に配置されたバッグシューター6と、該バッグシューター6の下側に、前記コンベア4−1、4−2に対して直交方向に段ボール7を供給するコンベア9を備えたものがある。
【0010】
この装置の場合は、移送手段13の機構が複雑になり、またその移送往復に要する時間は、2列のコンベア4−1、4−2の間隔を移動するだけの時間を必要とする。
【0011】
更に図3とは別の、高速で充填する装置としては、図4に示すような充填部がロータリー式となっているロータリー式充填機がある。図4に示されるロータリー式充填機は、容器供給部21において容器22を矢印23で示す方向に搬送して充填ユニット24に供給する。充填部25の充填ユニット24(図4の場合は8個の充填ユニットがある)は矢印26の方向に連続回転しながら、供給された容器に液状内容物を充填する。充填の終わった容器27は容器回収部28において矢印29で示される方向に搬送され回収される。
【0012】
一般的に、図4に示されるロータリー式充填機は、充填される容器として缶、ペットボトル、紙容器といった自立可能なある程度の剛性を有する容器を対象とするものであって、フレキシブルバッグのような柔軟な容器の場合は、ロータリー式充填機は使用されていない。
【0013】
使用されていない理由として、連続回転しているロータリー式充填機に空のバッグをセットすること、及び充填後に搬出して段ボールに回収することは、バッグがフレキシブルであるために位置合わせ等が難しかったことが問題となっていた。
【0014】
即ち、フレキシブルバッグ31は、図5(a)及び(b)の側面図に示すようなものであって、バッグ本体は、柔軟なプラスチックフィルム製の包材を袋状にしたものであり、シール部31aによって袋状にしたバッグ本体の上部の一部開口部に、液状内容物注入出用のスパウト(口栓)32を接続し、キャップ32aによって施封されている。
【0015】
そしてバッグを段ボール投入時の状態は、図5(a)のように立方体形状のもの、あるいは図5(b)のように偏平形状のもの等がある。
【0016】
一般的に、バッグインボックス型の液状包装における段ボール34内に収納される上記バッグ31の姿勢については、前記キャップ32a部分が常に上側を向き、シール部31aが水平になって段ボール34内に収納されることが必要であるが、上記フレキシブルバッグ31をロータリー式充填機で充填した場合においては、充填されたフレキシブルバッグの段ボール34内での姿勢はが不揃いになりやすい。
【0017】
上記問題を解決するために、図6に示すように、充填前にフレキシブルバッグ31を段ボール34に予めセットしておき、フレキシブルバッグ31が収納された段ボール34をロータリー式充填機に供給して充填することも考えられるが、この場合には液状内容物が段ボール34に付着したり、段ボール34の紙粉異物が液状内容物に混入するといった問題があった。
【0018】
また、特願2011−072146では、ロータリー式充填機によって充填が可能で、しかも液状内容物が段ボールに付着したり、段ボールの紙粉異物が液状内容物に混入する
といった上記問題を解決するためのリテーナーが提案されている。図7に該リテーナーを示す。図7に示されるリテーナー72はプラスチック製あるいは金属製のものであって、埃を発生しない材料で作製されたもので、空のフレキシブルバッグを内部にセットすることが出来る。リテーナー72は、開放された天面72aと、底部72bと、4つの側面72c−1、72c−2、72c−3、72c−4からなっている。4つの側面の内72c−4は、部分開放されており、部分的に壁面72c−4aが形成されている。また、開放された側面72c−4と対向する側面即ち、側面72c−2の上端にはフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持具72dが備えられており、フレキシブルバッグ保持具72dにフレキシブルバッグが保持された状態で液状内容物が充填される。
【0019】
しかしながら、上記リテーナー72を用いた場合には、リテーナー72にフレキシブルバッグをセットする場合に、側面に接触することによってフレキシブルバッグがダメージを受けたり、更に、図8に示すようにリテーナー72の幅がフレキシブルバッグ41の幅よりも狭い場合には、フレキシブルバッグ41がリテーナー72の側面72c−1及び72c−3と接触するために、リテーナー72内でよじれて皺80が発生し、フレキシブルバッグ41が破袋してしまう場合がある。
【0020】
そこで本発明は、多大な設備費や設置スペースを必要とせず、高速充填が可能で、しかも液状内容物が外箱に付着したり、外箱の紙粉異物が液状内容物に混入することがなく、更にフレキシブルバッグの皺発生による破袋のないバッグインボックスの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の請求項1に係る発明は、フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する装置であって
充填前に、予め空のフレキシブルバッグをセットするリテーナーと、
前記空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする手段と、
前記リテーナーにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する充填機と、
前記フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機に搬入する手段と、
充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する手段と、
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函する手段と
搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する手段と、
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する手段と、
空になったリテーナーを回収する手段と、を備えており、
前記リテーナーは、
4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、
開放された側面に対向する側面にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段を備え、
対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造装置である。
【0022】
本発明の請求項2に係る発明は、前記リテーナーはその底部が開口することを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置である。
【0023】
本発明の請求項3に係る発明は、前記リテーナーは循環して使用されることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグインボックス製造装置である。
【0024】
本発明の請求項4に係る発明は、前記充填する手段はロータリー式充填機であることを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置である。
【0025】
本発明の請求項5に係る発明は、フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する方法であって
充填前に、予め空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする工程と、
前記リテーナーにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する工程と、
前記フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機に搬入する工程と、
充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する工程と、
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函する工程と、
搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する工程と、
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する工程と、
空になったリテーナーを回収する工程と、を用いて、バッグインボックスを製造する方法であって、
更に、前記リテーナーは、
4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、
開放された側面に対向する側面にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段を備え、
対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によるバッグインボックス製造装置及び製造方法によれば、多大な設備費や設置スペースを必要とせず、高速充填が可能で、しかもフレキシブルバッグをリテーナーにセットする際のフレキシブルバッグのダメージ低減及び皺の発生を無くし、破袋を防ぐことが出来、更に、液状内容物が外箱に付着したり、外箱の紙粉異物が液状内容物に混入することを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図。
【図2】図1とは別のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図。
【図3】複数ラインの充填部を備えたバッグインボックスの製造装置を示す図。
【図4】充填部がロータリー式となっているロータリー式充填機を示す図。
【図5】フレキシブルバッグの側面図。(a)は立方体形状のフレキシブルバッグ。(b)は偏平形状のフレキシブルバッグを示す。
【図6】充填前にフレキシブルバッグを段ボールに予めセットしたことを示す図。
【図7】従来提案されていたリテーナーを示す図。
【図8】図7のリテーナーの問題点を説明するための図。
【図9】本発明のバッグインボックス製造装置の概略構成を示す模式図。
【図10】本発明に係るリテーナーの模式図。(a)は構成概略図。(b)は底部が開閉することを示す図。
【図11】フレキシブルバッグをセットしたリテーナーを上面から見た模式図。
【図12】空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする方法を説明するための図。(a)はフレキシブルバッグをリテーナーに供給することを示す図。(b)はフレキシブルバッグ口栓に口栓押し込み具を挿入したことを示す図。(c)はリテーナーの突起部に口栓を押し込むことを示す図。
【図13】本発明に係るリテーナーを複数個並列に配置しフレキシブルバッグをセットする場合を示す図。
【図14】本発明に係る移し替え装置によってリテーナーからフレキシブルバッグを段ボールに移し替える場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明に係るバッグインボックスの製造装置を実施するための形態を説明する。
【0029】
図9は本発明に係るバッグインボックスの製造装置の概略構成を示す模式図である。バッグインボックス製造装置は、リテーナー(充填用の箱)142と、予め空のフレキシブルバッグ141をリテーナー142にセットする手段であるフレキシブルバッグセット装置143と、リテーナにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する充填機144と、フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機144に搬入する手段である搬入コンベア145と、充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する手段である搬出コンベア146と、充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボール147を製函する手段である段ボール製函装置148と、搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替え収納する手段である移し替え装置149と、液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する手段であるバッグインボックス封緘装置150と、空になったリテーナーを回収する手段である回収コンベア151と、を備えている。
【0030】
リテーナー142を図10に詳細に示す。図10(a)はリテーナー142を模式的に示した図で、リテーナー142はプラスチック製あるいは金属製のものであって、埃を発生しない材料で作製されたもので、空のフレキシブルバッグをセットすることが出来る。リテーナー142は、4つの側面142a−1〜142a−4の内、142a−3の1面が開放されたトレー形状のリテーナーであり、また開放された側面142a―3に対向する側面142a−1にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段であるフレキシブルバッグ保持具142bを備えている。フレキシブルバッグ保持具142bはその先端に2つの突起部142b−1、142b−2を有している。また、天面は開放されており、底部142a−5は図10(b)に示されるように回転部174を回転軸として矢印175aで示される方向に開閉することが出来る。又、回転に拘らずリテーナー142を矢印175bで示される方向に傾けることが出来る。
【0031】
図11はフレキシブルバッグ141をセットしたリテーナー142を上面から見た模式図である。図11に示されるリテーナー141の対向する一対の側面間(側面142a−2と側面142a−4との間)の長さWrが空のフレキシブルバッグ141の幅方向の長さWbよりも大きい、もしくは同等である。これにより、フレキシブルバッグ141に液状内容物を充填した場合に、側面142a−2と側面142a−4にフレキシブルバッグ141が接触することがないため、皺の発生がなく破袋を防ぐことが出来る。
【0032】
図12は空のフレキシブルバッグ141をリテーナー142にセットする場合を示した図で、図示しない帯状に連なったフレキシブルバッグを1個のフレキシブルバッグ141に切り離した後、リテーナー142に供給する(図12(a))。この場合、フレキシブルバッグ141の口栓141aにキャップが施封されていた場合にはキャップは離脱される。次に、口栓141aのヒンジ141a−2と141a−3間に口栓押し込み具173を挿入し(図12(b))、更にヒンジ141a−1と141a−2の間にフレキシブルバッグ保持具142bの突起部142b−1、142b−2がくるように口栓押し込み具173によって口栓141aを押し込む(図12(c))。このようにして空のフレキシブルバッグ141はリテーナー142にセットされる。
【0033】
上記図12では、リテーナ142は1個の場合を例示したが、充填機の充填速度に対応させるため、図13に示すように2個以上並列に配置されたリテーナーに同時にフレキシ
ブルバッグ141をセットしても良い。
【0034】
図9及び図12を用いてフレキシブルバッグ141に液状内容物を充填し、ダンボール箱に収納するまでの工程を説明する。上記フレキシブルバッグ141をセットしたリテーナー142は、例えばベルトコンベアを用いた搬入コンベア145によって充填機144に搬入される。
【0035】
図9に示される本発明に係る充填機144はロータリー式充填機であって、例えばリテーナー142にセットされたフレキシブルバッグ141の口栓141aが充填機144の図示しない充填ノズルの位置に合うようにリテーナー位置合わせ治具が設けられている。図9に示される充填機144の場合は充填ユニットが8個あり、矢印140の方向に連続回転しながら充填を行う。
【0036】
充填に際しては、リテーナー142にセットされたフレキシブルバッグ141は、口栓141aがリテーナー142に保持されているため、また、上記リテーナー位置合わせ治具によって、図示しない充填ノズルを正確に口栓141aに差し込むことが出来る。
【0037】
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボール147を製函する段ボール製函装置148は一般に用いられている段ボール製函装置を採用することが出来る。
【0038】
充填されたフレキシブルバッグは口栓141aがキャップ(図示せず)で施封され、リテーナーにセットされた状態で、例えばベルトコンベアを用いた搬出コンベア145によって移し替え装置149に搬送される。
【0039】
移し替え装置149は、搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを上記製函された段ボールに移し替えて収納する装置であって、開口した段ボール上にリテーナーを搬送した後、段ボール上で図14で示すようにリテーナーの底部142a−5が回転部174を回転軸として矢印175aの方向に回転することによって開口するとともに、口栓保持機構142bが口栓141aの保持を開放することによって、液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが矢印176で示される方向に落下して段ボールに収納される。又回転に拘らずリテーナーを矢印175bで示される方向に傾けることによってフレキシブルバッグを段ボールに落下して収納することが出来る。
【0040】
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘するバッグインボックス封緘装置150は、一般的に用いられている封緘装置を採用することが出来る。
【0041】
一方、空になったリテーナーは回収コンベア151によって、フレキシブルバッグセット装置143に搬送され、その後、再び空のフレキシブルバッグ141がセットされる。このようにリテーナーは、循環して使用される。
【0042】
以上のように本発明のバッグインボックスの製造装置及び製造方法によれば、従来の高速充填のために行っていた複数台の製造装置を設置していたことに比べ、リテーナーにフレキシブルバッグを正確に保持出来るようにセットすることが出来、更にロータリー式充填機によって充填することが出来るため、多大な設備費や設置スペースを必要とせず、高速充填が可能で、しかも液状内容物が外箱に付着したり、外箱の紙粉異物が液状内容物に混入することを防ぐことが出来る。また、リテーナーにセットされたフレキシブルバッグがリテーナーの側面に接触することがないため、皺が発生することがなく、その結果、フレキシブルバッグの破袋を防止することが出来る。更にリテーナーは循環して使用出来るといった利点がある。
【符号の説明】
【0043】
1・・・連続する長尺状のバッグ
1−1、1−2・・・連続する複数列の長尺状のバッグ
1a、1b・・・一個にカッティングされたバッグ
2・・・連続する長尺状のバッグが搬送される方向を示す矢印
3・・・充填部
3−1、3−2・・・2個の充填部
4・・・充填部より延設されたコンベア
4−1、72・・・バッグ1a、1bを搬送する2列のコンベア
4a・・・コンベア4の駆動ロール
5・・・コンベア4の先端方向を示す矢印
5−1、5−2・・・コンベア4−1、72の搬送方向を示す矢印
6・・・シューター
7・・・段ボール
8・・・段ボールを供給する方向を示す矢印
9・・・コンベア
9a・・・コンベア9のロール
10・・・キャップが施封されていない口栓(スパウト)
11・・・キャップが施封された口栓
12・・・カッティング部
13・・・往復移動する移送手段
21・・・容器供給部
22・・・容器
23・・・容器22を搬送する方向を示す矢印
24・・・充填ユニット
25・・・充填部
26・・・充填ユニットが回転する方向を示す矢印
27・・・充填の終わった容器
28・・・容器回収部
29・・・充填の終わった容器27が搬送され回収される方向を示す矢印
31・・・フレキシブルバッグ
31a・・・フレキシブルバッグ31のシール部
32・・・スパウト
32a・・・キャップ
34・・・段ボール
41・・・フレキシブルバッグ
72・・・リテーナー
72a・・・開放された天面
72b・・・底部
72c−1、72c−2、72c−3、72c−4・・・側面
72c−4a・・・壁面
72d・・・フレキシブルバッグ保持具
80・・・皺
140・・・充填ユニットの回転方向を示す矢印
141・・・フレキシブルバッグ
141a・・・口栓
141a−1〜141a−3・・・口栓のヒンジ
142・・・リテーナー
142a−1〜142a−4・・・4つの側面
142a−5・・・底部
142b・・・フレキシブルバッグ保持具
142b−1、142b−2・・・フレキシブルバッグ保持具の突起部
143・・・フレキシブルバッグセット装置
144・・・充填機
145・・・搬入コンベア
146・・・搬出コンベア
147・・・段ボール
148・・・段ボール製函装置
149・・・移し替え装置
150・・・バッグインボックス封緘装置
151・・・回収コンベア
173・・・口栓押し込み具
174・・・回転部
175a・・・底部が回転部を回転軸として回転する方向を示す矢印
175b・・・リテーナーが傾く方向を示す矢印
176・・・液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが落下する方向を示す矢印
177a・・・フレキシブルバッグを落下させる場合の底部の回転方向を示す矢印
177b・・・フレキシブルバッグを落下させる場合のリテーナーが傾く方向を示す矢印Wr・・・リテーナーの対向する一対の側面間の長さ
Wb・・・空のフレキシブルバッグの幅方向の長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状内容物を充填したフレキシブルバッグを収納段ボールに収納してバッグインボックスを製造する装置及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は従来のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図である。図1に示されるバッグインボックスの製造装置は充填ラインが1列のものである。連続する長尺状のバッグ1が矢印2で示される搬送方向に搬送され、充填部3で所定の液状内容物が充填され、充填部3より延設されたコンベア4と、該コンベア4の矢印5で示される搬送方向の先端部に配置されたバッグシューター6と、該バッグシューター6の下側に、前記コンベア4に対して直交方向に、段ボール7を矢印8の方向に供給するコンベア9を備えているものである。尚、充填機に供給されるバッグのキャップが施封されていない口栓(スパウト)10は、符号11で示すように充填後キャップが施封される場合の他に、元々キャップが付いた状態で充填機に供給され充填機内でキャップを離脱し、充填、再打栓される場合がある。
【0003】
長尺状の連続するバッグ1を前記充填部3に供給し、該充填部3にて、連続するバッグ1のスパウト10(キャップ11を取り外したもの)からバッグ1内に所定の液状内容物を充填した後、充填された連続するバッグ1を、カッティング部12で各1個ずつのバッグ1aとしてカッティングし、コンベア4の駆動ロール4aで矢印5の方向にシューター6まで搬送して、段ボール7を供給するコンベア9のロール9a(又はベルト)によって、段ボール7をシューター6の下側に供給して、1個の段ボール7内に該バッグ1aを1個ずつ収納するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−135406号公報
【特許文献2】特開2008−168918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に示される充填ラインが1列のバッグインボックスの製造装置では、一般的に充填機の充填時間によって製造時間が決定されるため、高速でバッグインボックスを製造することは困難であった。
【0006】
図2は図1とは別のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図であって、バッグインボックスの製造速度を速めた装置であって、例えば3列の充填ラインを備えたものである。
【0007】
図2に示すバッグインボックスの製造装置の場合は、充填部3の数と同数のシューター6と段ボール7の供給ラインとを必要とするため、装置が複雑になり、多大の設備費や設置スペースが必要となる。
【0008】
また、上記のような複数ラインの充填部を備えた装置としては、図3に示すように、バッグ1a、1bを搬送する2列のコンベア4−1、4−2を備え、1箇所の段ボール供給位置にてバッグ1a、1bを収納出来るようにした装置がある。
【0009】
この装置は連続する複数列の長尺状のバッグ1−1、1−2内に、各列毎に所定の液状内容物を充填するための2個の充填部3−1、3−2と、各充填部より延設された各コンベア4−1、4−2と、該各々コンベアの搬送方向5−1、5−2の先端部の間を、前記コンベア4−1、4−2に対して直交する方向に往復移動する移送手段13(スライドテーブルユニット、ベルトコンベア、ロールコンベアなど)と、コンベア4−1、4−2に対して該移送手段13の反対側に配置されたバッグシューター6と、該バッグシューター6の下側に、前記コンベア4−1、4−2に対して直交方向に段ボール7を供給するコンベア9を備えたものがある。
【0010】
この装置の場合は、移送手段13の機構が複雑になり、またその移送往復に要する時間は、2列のコンベア4−1、4−2の間隔を移動するだけの時間を必要とする。
【0011】
更に図3とは別の、高速で充填する装置としては、図4に示すような充填部がロータリー式となっているロータリー式充填機がある。図4に示されるロータリー式充填機は、容器供給部21において容器22を矢印23で示す方向に搬送して充填ユニット24に供給する。充填部25の充填ユニット24(図4の場合は8個の充填ユニットがある)は矢印26の方向に連続回転しながら、供給された容器に液状内容物を充填する。充填の終わった容器27は容器回収部28において矢印29で示される方向に搬送され回収される。
【0012】
一般的に、図4に示されるロータリー式充填機は、充填される容器として缶、ペットボトル、紙容器といった自立可能なある程度の剛性を有する容器を対象とするものであって、フレキシブルバッグのような柔軟な容器の場合は、ロータリー式充填機は使用されていない。
【0013】
使用されていない理由として、連続回転しているロータリー式充填機に空のバッグをセットすること、及び充填後に搬出して段ボールに回収することは、バッグがフレキシブルであるために位置合わせ等が難しかったことが問題となっていた。
【0014】
即ち、フレキシブルバッグ31は、図5(a)及び(b)の側面図に示すようなものであって、バッグ本体は、柔軟なプラスチックフィルム製の包材を袋状にしたものであり、シール部31aによって袋状にしたバッグ本体の上部の一部開口部に、液状内容物注入出用のスパウト(口栓)32を接続し、キャップ32aによって施封されている。
【0015】
そしてバッグを段ボール投入時の状態は、図5(a)のように立方体形状のもの、あるいは図5(b)のように偏平形状のもの等がある。
【0016】
一般的に、バッグインボックス型の液状包装における段ボール34内に収納される上記バッグ31の姿勢については、前記キャップ32a部分が常に上側を向き、シール部31aが水平になって段ボール34内に収納されることが必要であるが、上記フレキシブルバッグ31をロータリー式充填機で充填した場合においては、充填されたフレキシブルバッグの段ボール34内での姿勢はが不揃いになりやすい。
【0017】
上記問題を解決するために、図6に示すように、充填前にフレキシブルバッグ31を段ボール34に予めセットしておき、フレキシブルバッグ31が収納された段ボール34をロータリー式充填機に供給して充填することも考えられるが、この場合には液状内容物が段ボール34に付着したり、段ボール34の紙粉異物が液状内容物に混入するといった問題があった。
【0018】
また、特願2011−072146では、ロータリー式充填機によって充填が可能で、しかも液状内容物が段ボールに付着したり、段ボールの紙粉異物が液状内容物に混入する
といった上記問題を解決するためのリテーナーが提案されている。図7に該リテーナーを示す。図7に示されるリテーナー72はプラスチック製あるいは金属製のものであって、埃を発生しない材料で作製されたもので、空のフレキシブルバッグを内部にセットすることが出来る。リテーナー72は、開放された天面72aと、底部72bと、4つの側面72c−1、72c−2、72c−3、72c−4からなっている。4つの側面の内72c−4は、部分開放されており、部分的に壁面72c−4aが形成されている。また、開放された側面72c−4と対向する側面即ち、側面72c−2の上端にはフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持具72dが備えられており、フレキシブルバッグ保持具72dにフレキシブルバッグが保持された状態で液状内容物が充填される。
【0019】
しかしながら、上記リテーナー72を用いた場合には、リテーナー72にフレキシブルバッグをセットする場合に、側面に接触することによってフレキシブルバッグがダメージを受けたり、更に、図8に示すようにリテーナー72の幅がフレキシブルバッグ41の幅よりも狭い場合には、フレキシブルバッグ41がリテーナー72の側面72c−1及び72c−3と接触するために、リテーナー72内でよじれて皺80が発生し、フレキシブルバッグ41が破袋してしまう場合がある。
【0020】
そこで本発明は、多大な設備費や設置スペースを必要とせず、高速充填が可能で、しかも液状内容物が外箱に付着したり、外箱の紙粉異物が液状内容物に混入することがなく、更にフレキシブルバッグの皺発生による破袋のないバッグインボックスの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の請求項1に係る発明は、フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する装置であって
充填前に、予め空のフレキシブルバッグをセットするリテーナーと、
前記空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする手段と、
前記リテーナーにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する充填機と、
前記フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機に搬入する手段と、
充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する手段と、
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函する手段と
搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する手段と、
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する手段と、
空になったリテーナーを回収する手段と、を備えており、
前記リテーナーは、
4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、
開放された側面に対向する側面にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段を備え、
対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造装置である。
【0022】
本発明の請求項2に係る発明は、前記リテーナーはその底部が開口することを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置である。
【0023】
本発明の請求項3に係る発明は、前記リテーナーは循環して使用されることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグインボックス製造装置である。
【0024】
本発明の請求項4に係る発明は、前記充填する手段はロータリー式充填機であることを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置である。
【0025】
本発明の請求項5に係る発明は、フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する方法であって
充填前に、予め空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする工程と、
前記リテーナーにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する工程と、
前記フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機に搬入する工程と、
充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する工程と、
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函する工程と、
搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する工程と、
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する工程と、
空になったリテーナーを回収する工程と、を用いて、バッグインボックスを製造する方法であって、
更に、前記リテーナーは、
4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、
開放された側面に対向する側面にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段を備え、
対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によるバッグインボックス製造装置及び製造方法によれば、多大な設備費や設置スペースを必要とせず、高速充填が可能で、しかもフレキシブルバッグをリテーナーにセットする際のフレキシブルバッグのダメージ低減及び皺の発生を無くし、破袋を防ぐことが出来、更に、液状内容物が外箱に付着したり、外箱の紙粉異物が液状内容物に混入することを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図。
【図2】図1とは別のバッグインボックスの製造装置の構成の一例を示す図。
【図3】複数ラインの充填部を備えたバッグインボックスの製造装置を示す図。
【図4】充填部がロータリー式となっているロータリー式充填機を示す図。
【図5】フレキシブルバッグの側面図。(a)は立方体形状のフレキシブルバッグ。(b)は偏平形状のフレキシブルバッグを示す。
【図6】充填前にフレキシブルバッグを段ボールに予めセットしたことを示す図。
【図7】従来提案されていたリテーナーを示す図。
【図8】図7のリテーナーの問題点を説明するための図。
【図9】本発明のバッグインボックス製造装置の概略構成を示す模式図。
【図10】本発明に係るリテーナーの模式図。(a)は構成概略図。(b)は底部が開閉することを示す図。
【図11】フレキシブルバッグをセットしたリテーナーを上面から見た模式図。
【図12】空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする方法を説明するための図。(a)はフレキシブルバッグをリテーナーに供給することを示す図。(b)はフレキシブルバッグ口栓に口栓押し込み具を挿入したことを示す図。(c)はリテーナーの突起部に口栓を押し込むことを示す図。
【図13】本発明に係るリテーナーを複数個並列に配置しフレキシブルバッグをセットする場合を示す図。
【図14】本発明に係る移し替え装置によってリテーナーからフレキシブルバッグを段ボールに移し替える場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明に係るバッグインボックスの製造装置を実施するための形態を説明する。
【0029】
図9は本発明に係るバッグインボックスの製造装置の概略構成を示す模式図である。バッグインボックス製造装置は、リテーナー(充填用の箱)142と、予め空のフレキシブルバッグ141をリテーナー142にセットする手段であるフレキシブルバッグセット装置143と、リテーナにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する充填機144と、フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機144に搬入する手段である搬入コンベア145と、充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する手段である搬出コンベア146と、充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボール147を製函する手段である段ボール製函装置148と、搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替え収納する手段である移し替え装置149と、液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する手段であるバッグインボックス封緘装置150と、空になったリテーナーを回収する手段である回収コンベア151と、を備えている。
【0030】
リテーナー142を図10に詳細に示す。図10(a)はリテーナー142を模式的に示した図で、リテーナー142はプラスチック製あるいは金属製のものであって、埃を発生しない材料で作製されたもので、空のフレキシブルバッグをセットすることが出来る。リテーナー142は、4つの側面142a−1〜142a−4の内、142a−3の1面が開放されたトレー形状のリテーナーであり、また開放された側面142a―3に対向する側面142a−1にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段であるフレキシブルバッグ保持具142bを備えている。フレキシブルバッグ保持具142bはその先端に2つの突起部142b−1、142b−2を有している。また、天面は開放されており、底部142a−5は図10(b)に示されるように回転部174を回転軸として矢印175aで示される方向に開閉することが出来る。又、回転に拘らずリテーナー142を矢印175bで示される方向に傾けることが出来る。
【0031】
図11はフレキシブルバッグ141をセットしたリテーナー142を上面から見た模式図である。図11に示されるリテーナー141の対向する一対の側面間(側面142a−2と側面142a−4との間)の長さWrが空のフレキシブルバッグ141の幅方向の長さWbよりも大きい、もしくは同等である。これにより、フレキシブルバッグ141に液状内容物を充填した場合に、側面142a−2と側面142a−4にフレキシブルバッグ141が接触することがないため、皺の発生がなく破袋を防ぐことが出来る。
【0032】
図12は空のフレキシブルバッグ141をリテーナー142にセットする場合を示した図で、図示しない帯状に連なったフレキシブルバッグを1個のフレキシブルバッグ141に切り離した後、リテーナー142に供給する(図12(a))。この場合、フレキシブルバッグ141の口栓141aにキャップが施封されていた場合にはキャップは離脱される。次に、口栓141aのヒンジ141a−2と141a−3間に口栓押し込み具173を挿入し(図12(b))、更にヒンジ141a−1と141a−2の間にフレキシブルバッグ保持具142bの突起部142b−1、142b−2がくるように口栓押し込み具173によって口栓141aを押し込む(図12(c))。このようにして空のフレキシブルバッグ141はリテーナー142にセットされる。
【0033】
上記図12では、リテーナ142は1個の場合を例示したが、充填機の充填速度に対応させるため、図13に示すように2個以上並列に配置されたリテーナーに同時にフレキシ
ブルバッグ141をセットしても良い。
【0034】
図9及び図12を用いてフレキシブルバッグ141に液状内容物を充填し、ダンボール箱に収納するまでの工程を説明する。上記フレキシブルバッグ141をセットしたリテーナー142は、例えばベルトコンベアを用いた搬入コンベア145によって充填機144に搬入される。
【0035】
図9に示される本発明に係る充填機144はロータリー式充填機であって、例えばリテーナー142にセットされたフレキシブルバッグ141の口栓141aが充填機144の図示しない充填ノズルの位置に合うようにリテーナー位置合わせ治具が設けられている。図9に示される充填機144の場合は充填ユニットが8個あり、矢印140の方向に連続回転しながら充填を行う。
【0036】
充填に際しては、リテーナー142にセットされたフレキシブルバッグ141は、口栓141aがリテーナー142に保持されているため、また、上記リテーナー位置合わせ治具によって、図示しない充填ノズルを正確に口栓141aに差し込むことが出来る。
【0037】
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボール147を製函する段ボール製函装置148は一般に用いられている段ボール製函装置を採用することが出来る。
【0038】
充填されたフレキシブルバッグは口栓141aがキャップ(図示せず)で施封され、リテーナーにセットされた状態で、例えばベルトコンベアを用いた搬出コンベア145によって移し替え装置149に搬送される。
【0039】
移し替え装置149は、搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを上記製函された段ボールに移し替えて収納する装置であって、開口した段ボール上にリテーナーを搬送した後、段ボール上で図14で示すようにリテーナーの底部142a−5が回転部174を回転軸として矢印175aの方向に回転することによって開口するとともに、口栓保持機構142bが口栓141aの保持を開放することによって、液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが矢印176で示される方向に落下して段ボールに収納される。又回転に拘らずリテーナーを矢印175bで示される方向に傾けることによってフレキシブルバッグを段ボールに落下して収納することが出来る。
【0040】
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘するバッグインボックス封緘装置150は、一般的に用いられている封緘装置を採用することが出来る。
【0041】
一方、空になったリテーナーは回収コンベア151によって、フレキシブルバッグセット装置143に搬送され、その後、再び空のフレキシブルバッグ141がセットされる。このようにリテーナーは、循環して使用される。
【0042】
以上のように本発明のバッグインボックスの製造装置及び製造方法によれば、従来の高速充填のために行っていた複数台の製造装置を設置していたことに比べ、リテーナーにフレキシブルバッグを正確に保持出来るようにセットすることが出来、更にロータリー式充填機によって充填することが出来るため、多大な設備費や設置スペースを必要とせず、高速充填が可能で、しかも液状内容物が外箱に付着したり、外箱の紙粉異物が液状内容物に混入することを防ぐことが出来る。また、リテーナーにセットされたフレキシブルバッグがリテーナーの側面に接触することがないため、皺が発生することがなく、その結果、フレキシブルバッグの破袋を防止することが出来る。更にリテーナーは循環して使用出来るといった利点がある。
【符号の説明】
【0043】
1・・・連続する長尺状のバッグ
1−1、1−2・・・連続する複数列の長尺状のバッグ
1a、1b・・・一個にカッティングされたバッグ
2・・・連続する長尺状のバッグが搬送される方向を示す矢印
3・・・充填部
3−1、3−2・・・2個の充填部
4・・・充填部より延設されたコンベア
4−1、72・・・バッグ1a、1bを搬送する2列のコンベア
4a・・・コンベア4の駆動ロール
5・・・コンベア4の先端方向を示す矢印
5−1、5−2・・・コンベア4−1、72の搬送方向を示す矢印
6・・・シューター
7・・・段ボール
8・・・段ボールを供給する方向を示す矢印
9・・・コンベア
9a・・・コンベア9のロール
10・・・キャップが施封されていない口栓(スパウト)
11・・・キャップが施封された口栓
12・・・カッティング部
13・・・往復移動する移送手段
21・・・容器供給部
22・・・容器
23・・・容器22を搬送する方向を示す矢印
24・・・充填ユニット
25・・・充填部
26・・・充填ユニットが回転する方向を示す矢印
27・・・充填の終わった容器
28・・・容器回収部
29・・・充填の終わった容器27が搬送され回収される方向を示す矢印
31・・・フレキシブルバッグ
31a・・・フレキシブルバッグ31のシール部
32・・・スパウト
32a・・・キャップ
34・・・段ボール
41・・・フレキシブルバッグ
72・・・リテーナー
72a・・・開放された天面
72b・・・底部
72c−1、72c−2、72c−3、72c−4・・・側面
72c−4a・・・壁面
72d・・・フレキシブルバッグ保持具
80・・・皺
140・・・充填ユニットの回転方向を示す矢印
141・・・フレキシブルバッグ
141a・・・口栓
141a−1〜141a−3・・・口栓のヒンジ
142・・・リテーナー
142a−1〜142a−4・・・4つの側面
142a−5・・・底部
142b・・・フレキシブルバッグ保持具
142b−1、142b−2・・・フレキシブルバッグ保持具の突起部
143・・・フレキシブルバッグセット装置
144・・・充填機
145・・・搬入コンベア
146・・・搬出コンベア
147・・・段ボール
148・・・段ボール製函装置
149・・・移し替え装置
150・・・バッグインボックス封緘装置
151・・・回収コンベア
173・・・口栓押し込み具
174・・・回転部
175a・・・底部が回転部を回転軸として回転する方向を示す矢印
175b・・・リテーナーが傾く方向を示す矢印
176・・・液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが落下する方向を示す矢印
177a・・・フレキシブルバッグを落下させる場合の底部の回転方向を示す矢印
177b・・・フレキシブルバッグを落下させる場合のリテーナーが傾く方向を示す矢印Wr・・・リテーナーの対向する一対の側面間の長さ
Wb・・・空のフレキシブルバッグの幅方向の長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する装置であって
充填前に、予め空のフレキシブルバッグをセットするリテーナーと、
前記空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする手段と、
前記リテーナーにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する充填機と、
前記フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機に搬入する手段と、
充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する手段と、
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函する手段と
搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する手段と、
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する手段と、
空になったリテーナーを回収する手段と、を備えており、
前記リテーナーは、
4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、
開放された側面に対向する側面にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段を備え、
対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造装置。
【請求項2】
前記リテーナーはその底部が開口することを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置。
【請求項3】
前記リテーナーは循環して使用されることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグインボックス製造装置。
【請求項4】
前記充填する手段はロータリー式充填機であることを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置。
【請求項5】
フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する方法であって
充填前に、予め空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする工程と、
前記リテーナーにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する工程と、
前記フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機に搬入する工程と、
充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する工程と、
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函する工程と、
搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する工程と、
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する工程と、
空になったリテーナーを回収する工程と、を用いて、バッグインボックスを製造する方法であって、
更に、前記リテーナーは、
4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、
開放された側面に対向する側面にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段を備え、
対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造方法。
【請求項1】
フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する装置であって
充填前に、予め空のフレキシブルバッグをセットするリテーナーと、
前記空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする手段と、
前記リテーナーにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する充填機と、
前記フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機に搬入する手段と、
充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する手段と、
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函する手段と
搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する手段と、
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する手段と、
空になったリテーナーを回収する手段と、を備えており、
前記リテーナーは、
4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、
開放された側面に対向する側面にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段を備え、
対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造装置。
【請求項2】
前記リテーナーはその底部が開口することを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置。
【請求項3】
前記リテーナーは循環して使用されることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグインボックス製造装置。
【請求項4】
前記充填する手段はロータリー式充填機であることを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス製造装置。
【請求項5】
フレキシブルバッグに液状内容物を充填した後、段ボールに収納してバッグインボックスを製造する方法であって
充填前に、予め空のフレキシブルバッグをリテーナーにセットする工程と、
前記リテーナーにセットされたフレキシブルバッグに液状内容物を充填する工程と、
前記フレキシブルバッグがセットされたリテーナーを充填機に搬入する工程と、
充填されたフレキシブルバッグをリテーナーにセットした状態で搬出する工程と、
充填されたフレキシブルバッグを収納する段ボールを製函する工程と、
搬出されたリテーナーから液状内容物が充填されたフレキシブルバッグを製函された段ボールに移し替えて収納する工程と、
液状内容物が充填されたフレキシブルバッグが収納された段ボールを封緘する工程と、
空になったリテーナーを回収する工程と、を用いて、バッグインボックスを製造する方法であって、
更に、前記リテーナーは、
4つの側面の内、1面が開放されたトレー形状であり、
開放された側面に対向する側面にフレキシブルバッグを保持するフレキシブルバッグ保持手段を備え、
対向する一対の側面間の長さが空のフレキシブルバッグの幅方向の長さよりも大きい、もしくは同等であることを特徴とするバッグインボックス製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−43646(P2013−43646A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180239(P2011−180239)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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