説明

バッテリターミナル

【課題】 複数のバッテリポストに対応可能な上で、誤組付けを防止することが出来るバッテリターミナルを提供することを目的とする
【解決手段】 バッテリターミナルは環状の締付環31を有するターミナル本体20と、厚さ寸法がそれぞれ異なる複数種の環状のスペーサ60とからなり、締付環31の内周面とバッテリポストPの外周面との間にスペーサ60をバッテリポストの種類に応じて選択的に介挿させるようになっている。スペーサ60には各種類ごとに異なる大きさの識別突起73、74、75が設けられるとともに、締付環31には周方向の異なる場所に各識別突起73、74、75に対応した収容凹部33、34、35がそれぞれ設けられている。そして、収容凹部33、34、35と識別突起73、74、75とが正規組み合わせの場合にのみスペーサ60が締付環31に整合状態で嵌り、それ以外の場合には不整合状態となることで、スペーサ60がバッテリポストPに適合した正規厚さのものであるか否か、判別可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載されるバッテリに設けられるバッテリポストに電線を接続するのに使用されるバッテリターミナルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のバッテリターミナルとしては、下記特許文献のものが知られている。このものにおいては、複数種のバッテリポストに単一のバッテリターミナルで対応するべく金属帯材を環状に回曲した締付環(バッテリターミナル)の内周面とバッテリポストの外周面との間に、スペーサを介挿させている。
スペーサは厚さの異なるものが2種類設けられており、バッテリポストの外形が小さいものに対して組み付けを行う際には、厚い方のスペーサを使用し、バッテリポストの外形が大ききいものに対して組み付けを行う際には、薄い方のスペーサを使用して組み付けを行っている。これにより、締付環を1種類製造するだけで、複数種のバッテリポストに対応することが可能となる。
【特許文献1】特開平11−67307公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構造では、バッテリポストの種類が増えると、板厚の異なる複数種のスペーサを用意することとなるが板厚の違いを目視によって判別することは難しく、バッテリポストの種類の増加に伴って、正規板厚のものとは異なる板厚のスペーサによって誤組付けを行ってしまうという恐れがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、複数のバッテリポストに対応可能な上で、誤組付けを防止することが出来るバッテリターミナルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、電線が接続される電線接続部にバッテリポストを取り囲むように形成された環状の締付環を一体的に形成したターミナル本体と、径寸法が異なる複数種の前記バッテリポストに対応させて厚さ寸法がそれぞれ異なる複数種の環状のスペーサとを備え、前記締付環の内周面と前記バッテリポストの外周面との間に前記スペーサを前記バッテリポストの種類に応じて選択的に介挿させるバッテリターミナルであって、前記スペーサには同スペーサの種類ごとに異なる形状或いは大きさの識別部が設けられるとともに、前記締付環には周方向の異なる場所に前記各識別部に対応した受け部がそれぞれ設けられ、前記スペーサは前記締付環に対して前記識別部と前記受け部とが正規組み合わせの場合にのみ整合して嵌り合い、不正な組み合わせの場合には不整合な状態となるところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記スペーサの外周部には前記識別部とされた識別突起が外方に突出するようにして形成される一方、前記締付環の内周側には前記識別突起と凹凸嵌合する前記受け部とされた収容凹部が形成されているところに特徴を有する。
【0006】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記スペーサにおける前記識別突起の対向位置に同スペーサを縮径変形させるためのスリット状の撓み許容部が切り欠き形成されているところに特徴を有する。
【0007】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のものにおいて、前記収容凹部の壁面にはロック孔が設けられるとともに、前記識別突起には前記ロック孔に対する係止爪が設けられ、前記係止爪が前記ロック孔に係止することで前記スペーサが前記締付環に対して仮保持されるよう構成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0008】
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、識別部と受け部とが正規組み合わせの場合には識別部と受け部とが正しく嵌り合う。そのため、スペーサは締付環に対して整合状態となって嵌まるから、これによりスペーサがバッテリポストに適合した正規厚さのものであることがわかる。一方、識別部と受け部とが不正な組み合わせの場合には、スペーサと締付環とは不整合状態となるから、これによりスペーサがバッテリポストに適合したものでないことがわかる。このように、締付環に対するスペーサの整合・不整合を利用してスペーサがバッテリポストに適合した正しいものであるか否かを判別してやれば、スペーサを目視で判別する場合に比べて容易かつ、間違いなく判別出来る。
【0009】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、識別突起と収容凹部の嵌合は凹凸を利用したものであるから構造が簡便である。また、識別部突起は外方に突設されるからバッテリポストに対する締め付けの邪魔にならない。
【0010】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、識別突起の対向位置に撓み許容部が設けられている。このような構成であれば、スペーサは識別突起を中心として対称に変位(拡がったり、或いは閉じる)するから、バッテリポストに対する締め付けが識別突起を基準としてほぼ左右均一になり、保持が安定する。
【0011】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、ロック孔に係止爪が係止されることにより、スペーサは締付環に対して仮保持されるから、部品管理が容易で取り扱いやすい形態となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施形態を図1ないし図10によって説明する。図1に示すBは自動車に搭載されるバッテリであって、その上面にはバッテリポストPが設けられている。バッテリポストPは鉛を素材として上端側に向けて次第に径の小さくなったテーパ状の円柱形に形成されるとともに、そこへはスペーサ60を介挿させた状態でターミナル本体20が装着されるようになっている。そして、本実施形態においては複数のバッテリ、すなわちバッテリポストPの径サイズが異なるもの(3種類のもの)に対応するべくスペーサ60は板厚の異なる3種類63、64、65が設けられており、バッテリポストPの径サイズに応じてスペーサ63、64、65を選択的に使用することでターミナル本体20の共用化を図るようにしている。尚、以下の説明において図1の左手前側を前側、左奥側を後側とする。
【0013】
ターミナル本体20は導電性金属材から形成され、電線Wの先端に露出される芯線をかしめる電線接続部21の先端に締付環31を設けてなる。締付環31はバッテリポストPを取り囲むように環状に曲げ加工されるとともに、バッテリーポストPと同様に上端側に向けて次第に径が小さくなるテーパ状とされている。
【0014】
この締付環31における後端側には締付環31と電線接続部21との間を連結する板状の連結部25が設けられてるとともに、その対向位置には一対の張り出し片26、27が前方へ張り出して形成されている。これら両張り出し片26、27にはそれぞれボルト孔26A、27Aが貫通形成されており(図2参照)、両ボルト孔26A、27Aにボルト51のねじ部を挿通させ、その状態からナット52で締め込んでやることで、両張り出し片26、27を互いに接近させる方向に変位させ、これにより締付環31を弾性的に縮径変形させることが出来るようになっている。
【0015】
また、張り出し片26、27の上下両縁にはそれぞれ補強用のフランジ26B、26C、27B、27Cが同張り出し片26、27の全長に亘って形成されている。このうち上縁側に形成されるフランジ26B、27Bはいずれも図1における右手前側に水平に延びているのに対して、下縁側に形成されるフランジ26C、27Cはいずれも図1における左奥側に水平に延びている。
【0016】
これらフランジは図4に示すように左側の張り出し片26と、右側の張り出し片27とで上下方向に関する位置が異なる設定とされており、ボルト51とナット52による締め込み動作を行うと左側の張り出し片26の上縁側のフランジ26Bが右側の張り出し片27に突き当たり、右側の張り出し片27の下縁側のフランジ27Cが左側の張り出し片26に突き当たるようになっている。
【0017】
また、図3に示すように締付環31の内周側には、外方に膨出するようにして収容凹部32が締付環31の全高(図1における上下方向に関する全高)に亘って形成されている。収容凹部32は締付環31の周方向の異なる位置に3箇所、より具体的には電線接続部21の前部に1箇所と、図3における上側と下側にそれぞれ1箇所ずつ設けられている。これら各収容凹部33、34、35の深さ(図3におけるA寸法部)はそれぞれ等しい設定とされているが周方向に関する幅寸法(図3におけるB寸法部)はそれぞれ異なる設定とされ収容凹部33、収容凹部34、収容凹部35の順に幅が狭くなっている。これら収容凹部33、34、35には、次述する各スペーサ60に設けられる識別突起73、74、75が嵌合させるが、これらの組み合わせが正規組み合わせの場合にのみ締付環31にスペーサ60が整合状態となって嵌まるようになっている(詳細は後述する)。
【0018】
スペーサ60は金属板材を扇型に切り出した後、それを回曲して形成され、バッテリーポストPの外形に倣った円筒形状をなしている。そして、回曲されて突き合わされた先端部には隙間(以下、撓み許容部61)が設けられ、この撓み許容部61の間隔を狭めることでスペーサ60を縮径変形させることが出来るようになっている。
【0019】
スペーサ60はターミナル本体20の締付環31の内周に嵌め合わされるため、その外径はターミナル本体20の締付環31の内周より若干小さな寸法設定とされているが、図5に示すように、バッテリーポストPの外形サイズに対応して板厚の異なる3種類63、64、65が設けられている。すなわち、外形が大きいバッテリーポスト用のスペーサ63では板厚を薄くすることで内径が大きくとらており、これとは反対に外形の小さいバッテリポスト用のスペーサ65は板厚を厚くすることで内径が小さくなっている。そして、残るスペーサ64はその中間のものである。
【0020】
これら各スペーサ63、64、65における撓み許容部61の対向位置には径方向外向きに突出するようにして識別突起73、74、75が凸形成されている。この識別突起73、74、75はスペーサ60の全高に亘って形成され、その突出高さは収容凹部33、34、35の深さと同じ寸法設定とされているが、周方向に関する幅がそれぞれ異ならせてある。
【0021】
図5に示すように板厚の最も薄いスペーサ63の識別突起73の周方向に関する幅寸法が最も狭く、その幅寸法は締付環31の収容凹部33に隙間無く嵌合される設定とされている。そして、スペーサ64の識別突起74は締付環31の収容凹部34に隙間無く嵌めあわされる幅寸法をもって形成され、スペーサ65の識別突起75は締付環31の収容凹部35に隙間無く嵌めあわされる幅寸法をもって形成されている。
【0022】
以上のことから、識別突起73、74、75と収容凹部33、34、35とが正規組み合わせの場合、すなわち識別突起73と収容凹部33との組み合わせ、識別突起74と収容凹部34との組み合わせ、識別突起75と収容凹部35との組み合わせの場合にのみ識別突起と収容凹部とが隙間なく凹凸嵌合する。従って、同正規組み合わせの場合には、締付環31の内周側にスペーサ60が整合状態(隙間無く嵌めあわされ、かつ識別突起と収容凹部の凹凸嵌合により回り止めされた状態)となって嵌めあわされる。
【0023】
一方、これ以外の組み合わせの場合にはスペーサ60は締付環31に対して不整合状態となる。例えば、識別突起74を収容凹部35に嵌めた場合には、識別突起74が収容凹部35に干渉してしまうからスペーサ64を締付環31に組み付けることが出来ない。識別突起74を収容凹部33に嵌めた場合には識別突起74は収容凹部33内に収まるが遊挿状態となるから、スペーサ64が締付環31に対して回り止めされた状態にならず遊び分だけ回動方向に動く状態となる。
【0024】
また、各識別突起73、74、75には径方向外向きに突出する係止爪73A、74A、75Aが各識別突起73、74、75の全幅に亘って形成される一方、各収容凹部33、34、35における前記係止爪73A、74A、75Aと対向する位置にはそれぞれ各収容凹部33、34、35の全幅に亘ってロック孔33A、34A、35Aがそれぞれ設けられている。これら係止爪73A、74A、75Aとロック孔33A、34A、35Aは識別突起73、74、75と収容凹部33、34、35との場合と同様に、正規組み合わせの場合にのみ互いに係止することで、スペーサ63、64、65がターミナル本体20に対して仮保持されるようになっている(図6、図7参照)。
【0025】
次に本実施形態の作用を説明する。
まず、バッテリーポストPに対してターミナル本体20を組み付けるに先立って、ターミナル本体20の締付環31にスペーサ60を仮保持させる。このときに、組み付けの対象となるバッテリポストPに適合した板厚のスペーサ60を誤りなく選択してやる必要があるが、それには、組み付け対象のバッテリポストPがサイズのもっとも大きなものである場合には、収容凹部33にスペーサ60の識別突起を嵌め合わせ、組み付け対象のバッテリポストPが中間サイズのものである場合には収容凹部34にスペーサ60の識別突起を嵌め合わせ、組み付け対象のバッテリポストPがサイズのもっとも小さなものである場合には収容凹部35にスペーサ60の識別突起を嵌め合わせる作業手順とし、これに従って、組み付け作業を行う。
【0026】
ここでは、組み付け対象のバッテリポストPが中間サイズのものである場合(収容凹部34を使用する場合)について説明すると、組み付け作業者は先に決めた作業手順に従って、スペーサ60の識別突起を収容凹部34に位置合わせし、その状態からスペーサ60を締付環31の内側に向けて下方から押し込んでゆく。このときに、組み付け作業者によって正規厚さのスペーサ64が選択されていた場合には、収容凹部34と識別突起74とが隙間無く凹凸嵌合するから、スペーサ64は回り止めされた状態で全体が締付環31の内周側に収容されるとともに(整合状態)、収容凹部34のロック孔34Aに識別突起74の係止爪74Aが係止することでターミナル本体20に仮保持される(図10参照)。
【0027】
そして、スペーサ64の組み付けが完了したら今度は、取り付け対象となるバッテリポストPに対してスペーサ64が仮保持されたターミナル本体20を上方から被せ、その状態からボルト51及びナット52による締め付け操作を行う。これにより、両張り出し片26、27が互いに接近することで締付環31、ひいてはスペーサ64が縮径変形してバッテリポストPを締め込むから、バッテリーポストPにターミナル本体20を固定することが出来る。
【0028】
一方、組み付け作業者がターミナル本体20に対してスペーサ60を仮保持させる際に、誤ってスペーサ63を選択した場合にはスペーサ63の識別突起73が収容凹部34に干渉するため、スペーサ63を締付環31に取り付けることが出来ない(不整合状態)。これにより選択されたスペーサ63が組み付け対象のバッテリポストPに適合した正規板厚のスペーサでないことがわかる。
また、組み付け作業者が誤ってスペーサ65を選択した場合には、スペーサ65の識別突起75の幅は収容凹部34の幅に比べて狭いから識別突起75、ひいてはスペーサ65は締付環31内に収まる。しかし、この場合には、収容凹部34と識別突起75との間には遊びがあるから、スペーサ65は締付環31内で遊んでしまう(不整合状態)。これにより選択されたスペーサ65が組み付け対象のバッテリポストPに適合した正規板厚のものではないことがわかる。
【0029】
このように、本実施形態によれば、収容凹部33、34、35と識別突起73、74、75とが正規組み合わせの場合にのみスペーサ60が締付環31に整合状態で嵌り、それ以外の場合には不整合状態となるから、これによりスペーサ60がバッテリポストPに適合した正規厚さのものであることがわかる。このように、整合・不整合を利用してスペーサ60がバッテリポストPに適合した正規板厚のものであるか否かを判別してやれば、スペーサ60を目視で判別する場合に比べて容易かつ、間違いなく判別出来る。
【0030】
加えて、収容凹部33、34、35と識別突起73、74、75の嵌合は凹凸を利用したものであるから構造が簡便である。また、識別突起73、74、75はスペーサ60において径方向外向きに突設されているから、バッテリポストPに対する締め付けの邪魔にならない。更に、ロック孔33A、34A、35Aに係止爪73A、74A、75Aが係止されることによりスペーサ60は締付環31に対して仮保持されるから、部品管理が容易で取り扱いやすい形態となる。
【0031】
また、識別突起73、74、75は撓み許容部61の対向位置に設けられ、スペーサ60は左右対称な形状である。このような構成であれば、スペーサ60は識別突起73、74、75を中心として対称に変位(拡がったり、或いは閉じる)するから、バッテリポストPに対する締め付けが識別突起73、74、75を基準としてほぼ左右均一になり、バッテリポストPに対する保持が安定する。
【0032】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0033】
(1)本実施形態では各識別突起73、74、75の幅寸法をそれぞれ異ならせることで組み付けた際に整合・不整合状態が生ずるようにしたが、形そのものを異ならせることで整合・不整合状態が生ずるようにしてもよい。
【0034】
(2)本実施形態では識別突起73、74、75を各スペーサに1つ設けたが、複数個設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係るバッテリーターミナルの斜視図
【図2】ターミナル本体の正面図
【図3】ターミナル本体の平面図
【図4】ターミナル本体の左側面図
【図5】スペーサの平面図
【図6】スペーサをターミナル本体に仮保持する前の状態を示す断面図
【図7】バッテリポストにバッテリーターミナルが取り付けられた状態を示す断面図
【図8】スペーサ63が締付環内に嵌めあわされた状態(整合状態)を示す平面図
【図9】スペーサ65が締付環内に嵌め合わされた状態(整合状態)を示す平面図
【図10】スペーサ64が締付環内に嵌め合わされた状態(整合状態)を示す平面図
【符号の説明】
【0036】
20…ターミナル本体
31…締付環
33、34、35…収容凹部
60…スペーサ
73、74、75…識別突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が接続される電線接続部にバッテリポストを取り囲むように形成された環状の締付環を一体的に形成したターミナル本体と、
径寸法が異なる複数種の前記バッテリポストに対応させて厚さ寸法がそれぞれ異なる複数種の環状のスペーサとを備え、前記締付環の内周面と前記バッテリポストの外周面との間に前記スペーサを前記バッテリポストの種類に応じて選択的に介挿させるバッテリターミナルであって、
前記スペーサには同スペーサの種類ごとに異なる形状或いは大きさの識別部が設けられるとともに、前記締付環には周方向の異なる場所に前記各識別部に対応した受け部がそれぞれ設けられ、
前記スペーサは前記締付環に対して前記識別部と前記受け部とが正規組み合わせの場合にのみ整合して嵌り合い、不正な組み合わせの場合には不整合な状態となることを特徴とするバッテリターミナル。
【請求項2】
前記スペーサの外周部には前記識別部とされた識別突起が外方に突出するようにして形成される一方、前記締付環の内周側には前記識別突起と凹凸嵌合する前記受け部とされた収容凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリターミナル。
【請求項3】
前記スペーサにおける前記識別突起の対向位置に同スペーサを縮径変形させるためのスリット状の撓み許容部が切り欠き形成されていることを特徴とする請求項2に記載のバッテリターミナル。
【請求項4】
前記収容凹部の壁面にはロック孔が設けられるとともに、前記識別突起には前記ロック孔に対する係止爪が設けられ、前記両部が係止することで前記スペーサが前記締付環に対して仮保持されるよう構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のバッテリターミナル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−179313(P2006−179313A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371586(P2004−371586)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】