説明

バッテリーシステム

【課題】 非接触バッテリーシステムを携帯機器に高効率に応用する。
【解決手段】二次側コイルを有するバッテリーケースと、一次側コイルを有し電磁誘導により非接触で前記二次側コイルへ電源を供給可能な非接触バッテリーとで構成されるバッテリーシステムであり、前記バッテリーケース側に設置され二次側コイルを擁する可動筐体がバッテリーケースに対して移動可能に構成され、前記非接触バッテリーを前記バッテリーケースに装着時、前記可動筐体がバッテリーロックと位置決めとを兼ねることを特徴としたバッテリーシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で電力を受給・供給するバッテリーシステムに係り、またこのシステムを応用した携帯型電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラや電動歯ブラシ、PDA、携帯電話といった携帯機器において、携帯機器本体側に二次電池及び二次電池を充電するためのと接点を有し、クレードル側に設置された一次側の電源供給部及び一次側の接点と、携帯機器側の接点を結合させ二次電池を充電するといった充電システムを有する電子機器が一般的である。この中でも、電動歯ブラシなどは水滴による感電を防止するため、電磁誘導を利用し、無接点で二次電池を充電するようなシステムを採用している。この技術を使用した携帯機器の一例として、下記特許文献1のようなデジタルカメラの充電システムが挙げられる。
【0003】
この発明によると、充電側の電源供給源と、電圧を電磁誘導変換する電源電圧変換手段と、電源電圧変換手段を制御する制御手段と、誘導起電力を受けて充電用エネルギーを非接触で非充電側の二次電池に充電させる、非接触型の充電装置を実現している。電源供給源を一次電池とし、デジタルカメラ本体側に二次電池を設置することで、屋外でも良好にデジタルカメラの非接触充電が可能となる。
【0004】
しかしながら、この発明によると一次側電池及び二次側電池の配置位置や、実際に一次側電池をデジタルカメラ本体に装着する際の装着方法など、携帯機器としてのメカ的な構造は考慮されておらず、この充電システムを携帯機器に応用する際の効果的な実現方法の記載まで至っていない。
【0005】
また、非接触充電のうち複数の二次側電池(二次側コイル)を有する電子機器とその充電システムの一例として、下記特許文献2のようなデジタルカメラの充電システムが挙げられる。
【0006】
この発明によると、少なくとも2つ以上の二次コイルを有する電気機器を充電テーブルに載置して、充電テーブルに備えられた一次コイルと電気機器側の二次コイルを電磁的に結合させる充電システムであり、さらに二次コイルの磁場受信状態を検出する検出手段とその表示手段を有し、電気機器を充電する際に充電効率の高い位置に電気機器を載置させることが可能となる。
【0007】
この発明では複数の二次コイルを電気機器側に設置してはいるものの、受電テーブル側には単一の一次コイルのみ配置されている。充電効率の高い位置に二次電池(電気機器)を載置可能ではあるが、例えば、屋外での充電や一次コイル側を電気機器側に装着するなどといった記載はなく、根本的に非接触充電システムを携帯機器等に応用可能にするシステムではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11-289679号公報
【特許文献2】特開2006-203997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
非接触バッテリーシステムを携帯機器に高効率に応用することを想定した場合、下記のような課題が挙げられる。
【0010】
・給電側の一次コイルと受電側の二次コイルの中心軸がお互いにずれてしまうと、著しい電力供給効率の低下する為、非接触バッテリーシステムでは一次コイル及び二次コイルが各々同心円上に配置される必要がある。
【0011】
・給電側の一次コイルと受電側の二次コイルが離間した位置に配置されると、著しく電力供給効率が低下する為、非接触バッテリーシステムでは一次コイルと二次コイルは各々近接した位置に配置する必要がある。
【0012】
前述した従来例によると、これらの非接触バッテリーの特徴を鑑み携帯機器に非接触バッテリーを応用した際の、一次コイル及び二次コイルの配置及びメカ的構造に関する記述はなく、非接触バッテリーシステムを効果的に携帯機器に応用するに至っていない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、二次側コイルを有するバッテリーケースと、一次側コイルを有し電磁誘導により非接触で前記二次側コイルへ電源を供給可能な非接触バッテリーとで構成されるバッテリーシステムであり、前記バッテリーケース側に設置され二次側コイルを擁する可動筐体がバッテリーケースに対して移動可能に構成され、前記非接触バッテリーを前記バッテリーケースに装着時、前記可動筐体がバッテリーロックと位置決めとを兼ねることを特徴としている。このことにより、非接触バッテリーを本体側に装着した際、一次側コイルと二次側コイルの位置が同心円上に安定して決まり、さらに各々のコイルが近接して配置されることとなるため、電力供給効率の高いバッテリーシステムを有する電子機器の実現が可能となる。
【0014】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記バッテリーケースは複数の二次側コイルを有し、前記非接触バッテリーは複数の一次側コイルを有し、前記バッテリーケースに複数の前記非接触バッテリーを同時に装着可能に構成したことを特徴としている。このことにより、複数の非接触バッテリーを同時に本体に装着可能となり、例えばあるひとつの非接触バッテリーの充電が低下しても他の充電された非接触バッテリーを装着することで、連続して電子機器を稼動させることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、非接触バッテリーを電子機器本体側に装着した際、円形の一次側コイルと二次側コイルの位置が同心円上に安定して決まり、さらに各々のコイルが近接して配置されるため、電力供給効率の高いバッテリーシステムを有する電子機器の実現が可能となる。
【0016】
また、複数の非接触バッテリーを同時に電子機器本体に装着可能となり、電子機器の動作中にひとつの非接触バッテリーの充電が低下しても他の充電された非接触バッテリーを装着することで、連続して電子機器を稼動させることが可能となる
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第一の実施例に係るバッテリーケースユニットの正面斜視図
【図2】第一の実施例に係るバッテリーケースユニットの背面斜視図
【図3】第一の実施例に係るバッテリーケースユニットの背面分解斜視図
【図4】第一の実施例に係るバッテリーユニットの背面斜視図
【図5】第一の実施例に係るバッテリーユニットの正面分解斜視図
【図6】第一の実施例に係るバッテリーユニット装着正面斜視図
【図7】第一の実施例に係るバッテリーユニット装着途中断面図
【図8】第一の実施例に係るバッテリーユニット装着断面図
【図9】第二の実施例に係る複数バッテリーケースユニット正面斜視図
【図10】第二の実施例に係る複数バッテリーユニット背面斜視図
【図11】第二の実施例に係る複数バッテリーユニット装着正面斜視図
【図12】第二の実施例に係る複数バッテリーユニット装着正面斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施例1]
本実施例では本発明を、携帯機器等に搭載可能なバッテリーケースユニットおよびバッテリーユニットによる非接触バッテリーシステムに応用して説明する。
【0019】
図1に本発明の第一の実施例に係る携帯機器本体を構成するバッテリーケースユニットを正面側から見た際の斜視図、図2には本発明の第一の実施例に係るバッテリーケースユニットを背面側からみた際の斜視図、図3には本発明の第一の実施例に係るバッテリーケースユニットを背面側からみた際の分解図をそれぞれ示す。尚、本実施例においては、図1面視を正面、正面からみて右側の面を右側面、正面からみて左側の面を左側面、正面から見て上側の面を上面、正面から見て下側の面を底面、正面と対向する面を背面とする。また、このとき図1に矢印Aで示される方向を上面側を上方向・底面側を下方向とした上下方向、矢印Bで示される方向を正面側を前方向・背面側を後方向とした前後方向とする。
【0020】
(バッテリーケースユニットの符号の説明)
図1及び図2及び図3を使って、本実施例に係るバッテリーケースユニットの構成を説明する。
【0021】
図1において、10は本実施例に係るバッテリーケースユニット、101はバッテリーケースユニットの各要素を内部に配置するバッテリーケース、102はバッテリーケース101に対して前後方向に移動可能な稼動筐体、103はバッテリーケース101及び可動筐体102と一体に成型された弾性部材、104はバッテリーケース101の正面側に設けられたレール、105は可動筐体102に締結される二次コイル基板、106は二次コイル基板に実装された二次コイル、107は二次コイル基板に実装されたコイル基板コネクタ、108はバッテリーケース101の左側面側に配置されバッテリーケースに対して前後方向に摺動可能に取り付けられたロックノブ、109はロックノブ108と連動するロック連動部材、110はロック連動部材109を正面方向に付勢する付勢部材、111はバッテリーケース101に設けられ、ロックノブ108及びロック連動部材109及び付勢部材110と嵌合し、ロックノブ108及びロック連動部材109及び付勢部材110のそれぞれが連動して前後方向に摺動可能にする摺動ボス、112はバッテリーケースユニットの各要素を内部にホールドするケースホルダー、113は二次コイル基板105と電気的に結合し二次コイル基板105からの電力を図示しない携帯機器本体基板に供給可能な制御基板、114は制御基板113に実装された制御基板コネクタ、115は二次コイル基板105と制御基板114とを電気的に連結する連結FPC、をそれぞれ表す。
【0022】
(バッテリーケースの構造)
可動筐体102はバッテリーケース101に対して弾性部材103を介して前後方向に移動可能に構成されている。可動筐体102及び弾性部材103及びバッテリーケース101は他材料一体成型技術を使って一体に成型されているため各々の部材が隙間なく連結されており、防水・防塵等の効果を期待できる。
【0023】
バッテリーケース101の内部には、図3に示すような前後方向が長て方向となる摺動ボス111が形成されている。摺動ボス111の根元には受け面が形成される。この摺動ボス111にはロックノブ108とロック連動部材109、付勢部材110が係合される。ロックノブ108摺動ボス111とバッテリーケース101の左側面凹部に挟まれ、且つ摺動ボス111がバッテリーノブ108に設けられた穴部と係合し、移動方向が前後方向へと規制される。
【0024】
ロック連動部材109は、ロックノブ108の背面側に設置され、摺動ボス111とロック連動部材109に設けられた穴部に係合され移動方向が前後方向へと規制される。またロックノブ108とロックノブ連動部材109は各々一面が当接しており、ロックノブ108とロック連動部材109は前後方向に連動する。さらにロック連動部材109の一端にはリブ状の凸形状109aが形成され、この凸形状は可動筐体102に設けられた図示しない穴部と係合することで、ロック連動部材109は可動筐体102とも連動する。
【0025】
付勢部材110は前後方向に長て方向を持つねじりコイル圧縮バネであり、ロック連動部材109の背面側にロック連動部材109の一面に当接しながら設置され、摺動ボス111に係合されることで伸縮方向が前後方向へと規制される。
【0026】
ケースホルダー112は、付勢部材110の背面側に配置され、摺動ボス111がケースホルダー112の穴部に嵌合し、バッテリーケース101に対して4箇所のビスによって締結され、付勢部材110を正面方向に向かって付勢させた状態で、バッテリーケース101の背面側を覆い固定される。このため、正面方向に向かって付勢された付勢部材110によって、ロック連動部材109も正面方向に付勢され、これと連動するロックノブ108及び可動筐体102も同様に正面方向に付勢される。このとき、可動筐体102と一体に成型された弾性部材103も同様に正面方向へと伸張される。ロックノブ108はロックノブ108の一面が摺動ボス111の根元に設置された受け面に当接する位置まで正面方向へ移動する。
【0027】
逆に、ロックノブ108を背面方向に操作すると、これと連動するロック連動部材109及び可動筐体102は背面方向へ移動する。この際、可動筐体102と一体に成型された弾性部材103も同様に背面方向へと伸張される。
【0028】
一方、二次コイル基板105は可動筐体102に対して2本のビスで締結される。二次コイル基板105の正面側には二次コイル106が実装され、背面側にはコイル基板コネクタ107が実装される。このように構成することで可動筐体102の正面側の面と二次コイル106を近接させて配置することが可能となる。コイル基板コネクタ107には連結FPC115の一端が接続される。
【0029】
また、制御基板113はケースホルダー112の背面側に配置され2本のビスによって締結される。制御基板114の背面側には制御基板コネクタ114が実装され、ケースホルダー112に設けられた角穴部を通って背面側に現前する連結FPC115の一端と接続される。
【0030】
図4に本発明の第一の実施例に係るバッテリーユニットを背面側から見た際の斜視図、図5には本発明の第一の実施例に係るバッテリーユニットを正面側からみた際の分解図をそれぞれ示す。
【0031】
(バッテリーケースユニットの符号の説明)
図4及び図5使って、本実施例に係るバッテリーユニットの構成を説明する。
【0032】
図4において、20は本実施例に係るバッテリーユニット、201はバッテリーユニットの各要素を内部に配置するバッテリー筐体、202はバッテリー筐体201の一面に設けられた凹部、203はバッテリー筐体201の両側面に設けられた切り欠き部、204はバッテリー筐体201の内部に締結される一次コイル基板、205は一次コイル基板204に実装された一次コイル、206は一次コイル基板204に実装されLiバッテリー、207はバッテリー筐体201の一面を覆い図示しないシール部材によってバッテリー筐体201を密閉するバッテリー筐体カバー、をそれぞれ表す。
【0033】
(バッテリーユニット装着の説明)
図6にバッテリーユニット20をバッテリーケースユニット10に装着した状態を正面から見た際の斜視図を示す。また、図7a及び図7bにはバッテリーユニット20をバッテリーケースユニット10に装着途中の状態を断面図(右側面視)で示す。また、図8にはバッテリーユニット20をバッテリーケースユニット10に装着した状態を断面図(右側面視)で示す。
【0034】
バッテリーユニット20をバッテリーケースユニット10に装着する際は、バッテリーユニット20をバッテリーユニット10の上面側もしくは底面側から上下方向にスライドさせて装着する。
【0035】
図7a及び図7bは上面側から、バッテリーユニット20をバッテリーケース10に装着させた場合を示す図である。この際、バッテリーケース20の両側面の切り欠き部203に、バッテリーケースユニット10のレール部104が係合し、バッテリーケース20の前後方向の動きを規制する。
【0036】
可動筐体102は付勢部材110によって、バッテリーケース101の正面側の面より凸方向突出しており、且つ可動筐体102の正面側の面は全周面取り部が設けられている。
【0037】
バッテリーユニット20をレール部104に沿って上面から底面側へスライドさせていく過程で、バッテリーユニット10の底面側の端部が可動筐体102の面取り部当接する(図7a)。可動筐体102は前後方向に移動可能であるのに対し、装着途中のバッテリーユニット20はレール104によってい前後方向の動きが規制されているため、当接後バッテリーユニット20をさらに底面側へスライドさせると、可動筐体102は背面側に移動する(図7b)。この時、弾性部材103は背面側に伸張し、連結FPC115も背面側に突出することとなる。
【0038】
さらに、可動筐体102とバッテリー凹部202が同心円上にくる位置までバッテリーユニット20をスライドさせると、正面側に付勢された可動筐体102が、バッテリー凹部202に嵌合する(図8)。可動筐体102とバッテリーユニット20の位置関係は、可動筐体102の外周とバッテリー凹部202の内周によって同心円状に決まる。同時に、可動筐体102とバッテリーユニット20が内蔵する二次コイル106及び一次コイル205も同心円状に位置が決まる。このように各コイルの中心位置が同心円状に配置されることによって、高効率に電力の授受が可能となる。この時、可動筐体102の外周とバッテリー凹部202の内周が当接することで、バッテリーユニット20の上下方向の動きが規制され、バッテリーユニット20をバッテリーケースユニット10にロックするされる。
【0039】
また、可動筐体102は正面側に付勢されているため、可動筐体102の一面とバッテリー凹部の一面が当接し、バッテリーユニット20を正面方向へ押圧する。この時、二次コイル106及び一次コイル205は当接した各面のすぐ裏側に配置されているため、各々が近接された位置に配置されることとなり、高効率に電力の授受が可能となる。
【0040】
(ロック解除の様子)
バッテリーユニット20のロックを解除する場合は、ロックノブ108を背面方向に移動させる。この時、ロックノブ108と連動する可動筐体102も背面方向へと移動し、バッテリーユニット20のバッテリー凹部202から可動筐体102が脱し、バッテリーユニット20が上下方向に移動可能となりロックが解除され、バッテリーユニット20をとりはずすことができる。
【0041】
[実施例2]
本実施例では本発明を、携帯機器等に搭載可能で且つ複数のバッテリーを装着可能な複数バッテリーケースユニットおよび複数バッテリーユニットによる非接触バッテリーシステムに応用して説明する。
【0042】
図9に本発明の第二の実施例に係る携帯機器本体を構成する複数バッテリーケースユニットを正面側から見た際の斜視図、図10には本発明の第二の実施例に係る複数バッテリーユニットを背面からみた際の斜視図をそれぞれ示す。尚、本実施例においては、図9面視を正面、正面からみて右側の面を右側面、正面からみて左側の面を左側面、正面から見て上側の面を上面、正面から見て下側の面を底面、正面と対向する面を背面とする。また、このとき図9に矢印Aで示される方向を上面側を上方向・底面側を下方向とした上下方向、矢印Bで示される方向を正面側を前方向・背面側を後方向とした前後方向とする。
【0043】
尚、本実施例に係るバッテリーシステムを構成する要素は、第一の実施例に係るバッテリーと略同一であるため、他図と同様の構成要素には同じ符号を付すまたは図示を省略する。
【0044】
図9に示すように、本実施例に係る複数バッテリーケースユニットは、第一の実施例に示したバッテリーケースユニットに対して、可動筐体及びその内部に配置された二次コイル基板・二次コイルが複数個設置されたことを特徴とする。図9において30は複数バッテリーケースユニット、301は複数バッテリーケースユニットの各要素を内部に配置する複数バッテリーケース、302aは複数バッテリーケース301に対して前後方向に移動可能で複数バッテリーケース301正面の面の上方に設けられた可動筐体a、302bは複数バッテリーケース301に対して前後方向に移動可能で複数バッテリーケース301正面の面の下方に設けられた可動筐体b、303は複数バッテリーケース301の正面側に設けられたレール、をそれぞれ表す。尚、可動筐体a/b の内部には各々第一の実施例と同様、二次コイル基板及び二次コイルが配置される。
【0045】
図10に第二の実施例に係る複数バッテリーユニットの斜視図を示す。本実施例に係る複数バッテリーユニットは、第一の実施例に示したバッテリーユニットに対して、バッテリー凹部及びその内部に配置された一次コイル基板・一次コイルが複数個設置されたことを特徴とする。図10において、40aは複数バッテリーユニット、401は複数バッテリーユニットの各要素を内部に配置する複数バッテリー筐体、402aは複数バッテリー筐体401の一面の上方に設けられたバッテリー凹部a、402bは複数バッテリー筐体401の一面の下方に設けられたバッテリー凹部b、403は複数バッテリー筐体401の両側面に設けられた切り欠き部、をそれぞれ表す。尚、バッテリー凹部a/b の内部には各々第一の実施例と同様、一次コイル基板及び一次コイルが配置される。
【0046】
図11に複数バッテリーユニット40aを複数バッテリーケースユニット30に装着した状態を示す。複数バッテリーユニットを装着する際は第一の実施例と同様に、切り欠き部403とレール303を係合させて、上面側もしくは底面側から複数バッテリーユニット40aをスライドさせて装着する。可動筐体a/bの移動方法及びロック方法も第一の実施例と同様である。複数バッテリーユニット40aの装着状態では、可動筐体a302aとバッテリー凹部 a402aが一対に嵌合し、可動筐体b302bとバッテリー凹部 b402bが一対に嵌合する。この時、各々a/bの一次コイル及び二次コイルを使って同時に電力を伝送させることにより、第一の実施例のような単数のコイルを有するバッテリーシステムと比較して、大きな電力を伝送することが可能となる。
【0047】
図12に複数バッテリーユニットa40a及び複数バッテリーユニットb40bを、同時に複数バッテリーケースユニット30に装着した状態を示す。複数バッテリーユニットb40bの構成要素は複数バッテリーユニットa40aと同様であるため、符号及び図示は省略する。複数バッテリーユニットa40aは複数バッテリーケースユニット30の上面側から装着し、複数バッテリーユニットb40bは複数バッテリーケースユニット30の底面側から装着する。装着時、切り欠き部403とレール303を係合させて、複数バッテリーユニットa/b40a/bをスライドさせて装着する。可動筐体a/bの移動方法及びロック方法は第一の実施例と同様である。
【0048】
複数バッテリーユニットa/b40a/bの装着状態では、可動筐体a302aと複数バッテリーユニットa40aのバッテリー凹部b402bが一対に嵌合し、可動筐体b302bと複数バッテリーユニットb40bのバッテリー凹部a402aが一対に嵌合する。この時、各々a/bの一次コイル及び二次コイルはそれぞれ独立して電力を伝送する。このため、例えば複数バッテリーユニットb40bの残充電がなくなっても、複数バッテリーユニットa40aを使って電力伝送を行うことが可能であり、その間に複数バッテリーユニットb40bを他の満充電された複数バッテリーユニットに交換することができる。このシステムを携帯機器に応用することにより、携帯機器の動作中にひとつの複数バッテリーユニットの充電が低下しても他の充電された複数バッテリーユニットを装着することで、連続して電子機器を稼動させることが可能となる。
【0049】
尚、本発明は本実施例の形態に限らず、本実施例で挙げたようなバッテリーシステムを応用可能な電子機器において、有効に適応可能である。
【符号の説明】
【0050】
10…バッテリーケースユニット
101…バッテリーケース
102…可動筐体
103…弾性部材
104…レール
105…二次コイル基板
106…二次コイル
107…コイル基板コネクタ
108…ロックノブ
109…ロック連動部材
109a…凸形状
110…付勢部材
111…摺動ボス
112…ケースホルダー
113…制御基板
114…制御基板コネクタ
115…連結FPC
20…バッテリーユニット
201…バッテリー筐体
202…バッテリー凹部
203…切り欠き部
204…一次コイル基板
205…一次コイル
206…Liバッテリー
207…バッテリー筐体カバー
30…複数バッテリーケースユニット
301…複数バッテリーケース
302a…可動筐体a
302b…可動筐体b
303…レール
40a…複数バッテリーユニットa
40b…複数バッテリーユニットb
401…バッテリー筐体
402a…バッテリー凹部a
402b…バッテリー凹部b
403…切り欠き部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次側コイルを有するバッテリーケースと、一次側コイルを有し電磁誘導により非接触で前記二次側コイルへ電源を供給可能な非接触バッテリーとで構成されるバッテリーシステムであり、前記バッテリーケース側に設置され二次側コイルを擁する可動筐体がバッテリーケースに対して移動可能に構成され、前記非接触バッテリーを前記バッテリーケースに装着時、前記可動筐体がバッテリーロックと位置決めとを兼ねることを特徴としたバッテリーシステム。
【請求項2】
前記バッテリーケースは複数の二次側コイルを有し、前記非接触バッテリーは複数の一次側コイルを有し、前記バッテリーケースに複数の前記非接触バッテリーを同時に装着可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−120277(P2012−120277A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265939(P2010−265939)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】