説明

バッテリーパック出力コンタクタ用のシステムと方法

バッテリーパックの出力を制御するシステムと方法を開示する。一例においては、電源投入シーケンス中に、バッテリーパックコンタクタ開要求を受け取ったのち、該バッテリーパックコンタクタが閉じられる。このシステムと方法によりバッテリーパックの劣化を低減することができると考えられる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年6月10日に提出された"ROBUST VEHICLE
INTERFACE"と題する米国仮特許出願番号61/185,765の優先権を主張し、その全内容は本明細書において参照により援用される。
【0002】
本明細書は、バッテリーパック出力コンタクタの制御に関する。一例においては、バッテリーパックは車両に電力を供給する。
【背景技術】
【0003】
バッテリーパックは、該バッテリーパックの外部にある電気的負荷に対して、バッテリーパック出力を選択的に電気的に接続するための、一又は複数のコンタクタを備える場合がある。バッテリーパックの構成によっては、バッテリーパック出力端子に直列な限流抵抗器を備えたプリチャージ回路を制御するのに一つのコンタクタが割り当てられる場合もある。プリチャージ回路は、大きな突入電流なしにバスをチャージできるよう、車両電力網あるいはバスに対して限られた量の電流がバッテリーパックから供給されるようにする。車両電力バスがチャージされると、第2コンタクタが係合し、バッテリーセルを直接車両バスに接続する。この構成によれば、車両の電源投入中の突入電流を制限することができ、車両サイドの電力制御部品を有意に特大化する必要がない。
【0004】
バッテリーパック出力コンタクタを制御する方法の一つとして、車両制御器からバッテリーパック制御器に対して電力要求あるいはコンタクタ閉要求を送らせる方法がある。バッテリー制御器が電力要求を受け取ると、コンタクタが閉じられ、電力が車両電力バスに供給される。この構成によれば、電力を車両電力バスに流す前に、車両制御器は、車両電力バスに対して電気装置を接続したり接続解除したりすることができる。したがって、車両制御器は、車両電力バスをバッテリー電荷の受け入れに適した状態にすることができる。しかしながら、車両リセット状態あるいは車両制御器劣化の場合は、車両バスがコンタクタを閉じるのに望ましい状態ではないにもかかわらず、車両制御器がバッテリー出力コンタクタを閉じることを要求する可能性もある。もし、車両電力バスがコンタクタの閉動作に対応していない状態で、バッテリーパック出力コンタクタが閉じられると、コンタクタあるいはプリチャージ抵抗器あるいは車両部品に劣化が起きる場合がある。
【0005】
本願の発明者は、バッテリーパック出力コンタクタを閉じる前に、一定の手順を踏むことが望ましいという認識に達した。よって、本願の発明者は、バッテリー制御モジュールとバッテリーパック出力コンタクタとを備えた、バッテリーパックの出力を制御する方法を開発した。この方法は、前記バッテリー制御モジュールをリセットする処理と、リセットから前記バッテリー制御モジュールに電源投入する処理と、電源投入されたバッテリー制御モジュールにおいて、バッテリーパック出力コンタクタの開要求を外部制御器から受け取る処理と、要求の受け取りがリセット後外部制御器から受け取った初めての命令である場合に限りそれに応じて、リセット後バッテリーパック出力コンタクタを閉じる処理、とを含む。
【0006】
バッテリー制御モジュールの電源投入中に、バッテリーパック出力コンタクタを開くことを最初に要求すれば、バッテリーパック出力コンタクタを閉じる前にバッテリーパックの外部にある制御器が望ましいモードで作動している可能性を高めることができる。例えば、もしバッテリー制御器に電源投入状態が発生すると、バッテリーパックの外部にある制御器からバッテリーパック制御器への最初の命令が、バッテリーパック出力コンタクタを開く命令であるとき、バッテリー制御器は外部制御器が期待通りに作動していると判断すると考えられる。バッテリーパック制御器が期待通りの開命令を受け取ると、バッテリーパックの電荷が車両電力バスに印加される前に、車両制御器が車両電力バスを望ましい状態にしておく可能性が高まる。よって、車両バスが電力を受け取る準備ができていないのにバッテリー電力を車両バスに流してしまう可能性を減らすことができる。
【0007】
本明細書はいくつかの利点を提供すると考えられる。特にこの方法によれば、車両電圧バスがバッテリー電力を受け入れる態勢でないのにバッテリー出力を車両電圧バスに接続してしまう可能性を減らすことができる。さらに、本明細書によると、ハードウェアの追加を必要としないのでシステム費用が低減できると考えられる。
【0008】
上記の利点、その他の利点、及び本明細書に記載された特徴は、下記の「詳細な説明」を単独であるいは添付図面と共に参照すると、直ちに明らかになる。
【0009】
上記の発明の概要は、以下に詳細な説明を記した概念の中から選択したものを簡単に紹介したものである。よって、請求の範囲に係る主題の、重要あるいは不可欠な特徴を指摘することを意図したものではない。この主題の範囲は、詳細な説明のあとに提示されている請求の範囲によって独自に定義されている。また、請求の範囲に係る主題は、上記あるいは本開示に記載の短所を解決するための実現形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、バッテリーパックまたは集合体の分解概略図である。
【0011】
【図2】図2は、バッテリーモジュールの一例の概略図である。
【0012】
【図3】図3は、バッテリーセルスタックの一例の分解概略図である。
【0013】
【図4】図4は、バッテリーパック出力制御を説明するための概略電気回路図である。
【0014】
【図5】図5は、期待されるバッテリーパック動作状況において注目信号をシミュレーションしたプロットの一例を示す図である。
【0015】
【図6】図6は、第1バッテリー出力コンタクタ閉手順において注目信号をシミュレーションしたプロットの一例を示す図である。
【0016】
【図7】図7は、第2バッテリーコンタクタ閉手順において注目信号をシミュレーションしたプロットの一例を示す図である。
【0017】
【図8】図8は、バッテリーパックの出力コンタクタ制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書は、バッテリーパックの出力コンタクタを制御することに関する。一実施例においては、図2〜3に示すようなバッテリーセルが、図1に示すようなバッテリーパック内で組み合わされていることとしてもよい。バッテリーセルからの電力は、図4に示すようなコンタクタ経由でバッテリーパックの外部にある負荷へと選択的に届けられるよう構成できる。図8の方法に示した一例では、バッテリーパックの外部にある制御器がバッテリーコンタクタを開状態にすることを要求したのち、バッテリーパック出力コンタクタは閉じることを許される。
【0019】
図1はバッテリー集合体1の分解図である。バッテリー集合体は、カバー10、結合部品12、第1冷却サブシステム14(例:冷却板)、複数のバッテリーモジュール16、第2冷却サブシステム18(例:冷却板)、トレイ20などを備えて構成することができる。組み立てた時に上記の結合部品、冷却サブシステム、バッテリーモジュールなどを取り囲む筐体が形成されるよう、好適な結合部品(例:ボルト、接着剤など)を用いてカバーをトレイに装着してもよい。
【0020】
バッテリーモジュール16は、エネルギーを蓄積するよう構成されたバッテリーセルを複数備えることができる。図では複数のバッテリーモジュールが配された例を示しているが、使用されるバッテリーモジュールは一つであってもよい。バッテリーモジュール16は第1冷却サブシステム14と第2冷却サブシステム18の間に配することができ、これら冷却サブシステムの間にある外向きの面21に電気端子がくるようバッテリーモジュールは配置されている。
【0021】
各バッテリーモジュールは、第1面23と第2面25を有してもよい。第1面と第2面をそれぞれ上面、下面と呼ぶことがある。以下に図2〜3を参照して詳細に説明するように、上面と下面は電気端子が側面にくるよう構成してもよい。この例では、各バッテリーモジュールの上面が、バッテリー集合体において一つの共通な平面に位置するよう構成されている。同様に、各バッテリーモジュールの下面は、バッテリー集合体においてもう一つの共通な平面に位置するよう構成されている。しかし、これ以外の例においては、各バッテリーモジュールの上面あるいは下面のみが、共通な平面に位置するよう構成してもよい。この構成によると、各冷却サブシステムがバッテリーモジュールの上面及び下面と直接的接触を維持することができ、熱伝導と冷却能力を向上することができると考えられ、さらに詳細に説明するように、冷却サブシステムとバッテリーモジュールは面共有接触することとしてもよい。バッテリーモジュールの一例のさらに詳細な構成を図2〜3を参照して説明する。この他の例においては、バッテリー集合体1が、上部冷却サブシステム(本例におけるサブシステム14)など、冷却サブシステムを1つのみ備えることとしてもよい。さらに、第1・第2冷却サブシステムの位置、サイズ、幾何学的要素は、本質的に一例にすぎない。したがってこの他の例においては、第1及び/又は第2冷却サブシステムの位置、サイズ、及び/又は幾何学的要素は、バッテリー集合体の様々な設計パラメータに基づき、変更することができる。
【0022】
バッテリー集合体1はさらに、配電モジュール(EDM)33、監視・バランスボード(MBB)35、バッテリー制御モジュール(BCM)37を備えて構成することができる。バッテリーモジュール16内のバッテリーセルの電圧は、バッテリーモジュール16に一体化されているMBBが監視・バランスすることとしてもよい。この場合、バッテリーセルをバランスするとは、一つのバッテリーセルスタック内の複数のバッテリーセル間で電圧を均等化することを意味する。さらに、複数のバッテリーセルスタック間のバッテリーセル電圧を均等化することもできる。MBBは、電流センサ、電圧センサ、その他のセンサなどを複数備えて構成することができる。EDMは、バッテリーパックからバッテリー負荷への配電を制御する。特に、EDMは、インバータのような外部のバッテリー負荷に高電圧のバッテリー電力を接続するためのコンタクタを含んでいる。BCMはバッテリーパックシステムを管理的に制御することができる。BCMは、例えばEDMやセルMBBなどのバッテリーパック内の補助的モジュールを制御することができる。さらにBCMは、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、入力ポート、リアルタイムクロック、出力ポート、ならびにバッテリーパック外のシステムやMBB及びその他のバッテリーパックモジュールと通信するためのコントローラエリアネットワーク(CAN)を備えたマイクロプロセッサを用いて構成することができる。
【0023】
図2は、図1に示した複数のバッテリーモジュール16に含まれてよい一例としてのバッテリーモジュール200を示している。バッテリーモジュール200は、複数の積層(スタック)されたバッテリーセルを有するバッテリーセルスタックと、出力端子201とを備えて構成できる。この積層配置により、バッテリーモジュール内にバッテリーセルを稠密に詰め込むことができる。
【0024】
図3は一例であるバッテリーセルスタック300の一部分の分解図である。図示のとおり、バッテリーセルスタックは、筐体ヒートシンク310、バッテリーセル312、コンプライアントパッド314、バッテリーセル316、などがこの順に配されてなる。しかしながら、他の配置も可能である。例えば、バッテリーセルスタックは、筐体ヒートシンク、バッテリーセル、筐体ヒートシンク、などの順に配してもよい。また、例によっては、筐体ヒートシンクをバッテリーセルに一体化することとしてもよい。
【0025】
バッテリーセル312は、バスバー(図示せず)に接続するためのカソード318とアノード320を備える。バスバーは一つのバッテリーセルからもう一つのバッテリーセルへの電荷伝送ルートとなる。一つのバッテリーモジュールは、直列及び/又は並列に接続された複数のバッテリーセルを備えて構成することができる。複数のバッテリーセルが並列に接続されている場合、バスバーはバッテリーセル端子のように結合する。例えば、複数のバッテリーセルを並列に接続する際、第1のバッテリーセルの陽端子は、第2のバッテリーセルの陽端子に接続される。また、バッテリーモジュールの電圧を上昇させることが望ましい場合には、バスバーはバッテリーセル端子の陽端子と陰端子も接続する。バッテリーセル312はさらに、電解質化合物を含んだ角型セル324を備える。角型セル324はセルヒートシンク326と熱連通している。セルヒートシンク326は、フランジ端を形成するよう一または複数の辺を90度上に折り曲げた金属板で形成することができる。図3に示した例では、対向する2辺がフランジ端を有している。しかしながら、他の幾何学的構成も可能である。バッテリーセル312はバッテリーセル316と実質的に同様の構成である。そのため、同様の部分は同様の参照番号とする。バッテリーセル312と316はそれぞれの端子が並んだ状態で露出するように配される。図2に示したバッテリーモジュール200においては、バッテリーモジュールの各セルからエネルギーが抽出できるように電気端子の接続がなされている。図3の説明に戻り、コンプライアントパッド314は、バッテリーセル312とバッテリーセル316の間に配されている。しかし、これ以外の例においては、バッテリーセルスタックがコンプライアントパッドを含んでいなくてもよい。
【0026】
筐体ヒートシンク310は、フランジ端を形成するよう一または複数の辺を90度上に折り曲げた、底部328を持つ金属板で形成することができる。図3では、長手方向の端部330と縦方向の端部332が折り曲げたフランジ端である。図示のとおり、筐体ヒートシンクは一又は複数のバッテリーセルが入るサイズに構成されている。言い換えれば、一又は複数のバッテリーセルを底部328内に配置できる。よって、バッテリーセルのフランジ端は筐体ヒートシンクと接触していてもよく、バッテリーセル312の下側329は筐体ヒートシンクの底部と接触していてもよく、それにより熱伝導が促進されると考えられる。
【0027】
筐体ヒートシンク310の長手方向の端部332の1つは、図2に示すバッテリーモジュール200の上面202の一部を形成することができる。同様に、長手方向の端部332の1つは、バッテリーモジュールの下面の一部を形成することができる。よって、筐体ヒートシンクの長手方向の端部は、熱伝導の向上のため第1・第2冷却サブシステムと接触していてもよい。この構成によると、バッテリーセルからバッテリーモジュールの外部へ熱が伝達されると考えられる。
【0028】
各バッテリーセルは結束バンド204、205を用いて束ねることができる。結束バンドはバッテリーセルスタックの周りを囲むように配してもよいし、単にバッテリーセルスタックの前から後ろへと渡すだけでもよい。後者の例では、結束バンドはバッテリーカバーに結合してもよい。この他の実施形態においては、結束バンドは端部をボルトで固定したねじ付きスタッド(例:金属ねじ付きスタッド)で構成してもよい。さらに、セルを積層(スタック)状にまとめるにはこの他にも様々な方法が可能である。例えば、所望の圧縮状態を得るため、エンドプレートに接続したねじ付ロッドを使用してもよい。また別の例においては、所望の圧縮力を得るため、セルに対して前後にスライド可能なプレートを一端に備えた強固なフレーム内でセルを積層(スタック)することとしてもよい。さらに別の実施形態では、コッターピンで固定したロッドを用いて、バッテリーセルを定位置に安定させることとしてもよい。よって、セルスタックをまとめるには様々な結束機構を用いることができ、金属あるいはプラスティックの結束材の使用に限られるものではない。カバー206は、複数のバッテリーセルからバッテリーモジュールの出力端子への電荷伝送ルートとなるバッテリーバスバー(図示せず)を保護する。
【0029】
バッテリーモジュールはさらに、バッテリーセルスタックに結合された前端カバー208と後端カバー210を含んで構成することができる。前端・後端カバーはモジュール開口部26を有している。しかし、この他の例においては、モジュール開口部が、バッテリーモジュールのバッテリーセルを含んだ部分に設けられることとしてもよい。
【0030】
バッテリーの充電状態を決定するには様々な方法がある。各バッテリーセルの充電状態を知ることにより、そのバッテリーセルがさらなる充電を受け付けるかどうか決定することができる。また、各バッテリーセルの充電状態を知ることにより、バッテリーセルの放電が望ましくない場合を決定することができる。バッテリーの充電状態を決定する方法の一例として、バッテリーセル電圧を決定することが挙げられる。
【0031】
図4は、バッテリーパック出力制御を説明するための概略図である。この例において、破線で示すように、バッテリーパック400は2つのバッテリーセルスタック402、414を備える。図示した例において、バッテリーセル412、424は互いに同一の構成とし、直列に接続されている。しかしながら、必要であれば、バッテリーセルスタック内のバッテリーセルの数を変更してもよいし、バッテリーセルの構成を変更してもよい。例えば、バッテリーセル412と424はそれぞれ、8つのバッテリーセルからなる。そのうち4つのバッテリーセルが直列に配されている。その4つのバッテリーセルは、あと4つの直列に配したバッテリーセルとは並列に配されている。この構成において、各バッテリーセルスタック402、414は、直列に接続したバッテリーセルの数と各バッテリーセルの個別の電圧出力とに関連した電圧を出力する。そして、上述の通り、バッテリーセルスタックの電流容量あるいはアンペア時定格は、並列に接続されたバッテリーセルの数に関連すると考えられる。並列に配されたバッテリーセルの数が増えると、バッテリーセルスタックのアンペア時定格も増える。直列に配されたバッテリーセルの数が増えると、バッテリーセルスタックの出力電圧が高くなる。よって、直列接続するバッテリーセルの数を変更することにより、バッテリーパックの電圧出力を増やしたり減らしたりすることができる。同様に、並列接続するバッテリーセルの数を変更することにより、バッテリーパックのアンペア時定格を増やしたり減らしたりすることができる。したがって、この例においては、バッテリーセルスタック402、414内のバッテリーセルに対して直列にさらなるバッテリーセルを加えることにより、バッテリーパックの電圧を高めることができる。あるいは、バッテリーセル412、524に対して並列にさらなるバッテリーセルを加えることにより、バッテリーセルスタックのアンペア時定格を増やすことができる。
【0032】
バッテリーセルスタック402、414は、ADC406、418をそれぞれバッテリーセル412、424に選択的に接続するための入力スイッチ404、416を有している。MCU410、422は、各MCUからのデジタル出力により、スイッチ404、416の状態を制御する。計測対象のバッテリーセルに直列に配されている各バッテリーセルの電圧の影響を受けることなくバッテリーセル電圧が計測できるよう、入力スイッチ404、416はADC406、418を個別のバッテリーセルに接続できるよう構成されている。一実施形態においては、MCU410、422がそれぞれ、直列接続のバッテリーセルをそれに対応するADC406、418に接続するよう構成してもよい。複数のバッテリーセルが並列接続されている場合、入力スイッチ404、416は、並列に接続されているセルスタック内のバッテリーセルにADC406、418を接続する。よって、バッテリーセルスタックに接続された各ADCは、対応するバッテリーセルスタック内で並列に接続されている一又は複数のバッテリーセルの電圧を計測するよう構成することができる。
【0033】
ADC406、418は、MCU410、418の外部にあるいはオフチップ的に配された高分解能の装置(分解能が12ビットまたは16ビットのADC)である。しかし、この他の実施形態においては、ADCをオンチップ的に配してもよいし、分解能が異なっていてもよい(例えば8ビット)。一例においては、ADC406、418はSPIポートを介してMCU410、422とそれぞれ通信する。各MCUが、バッテリーセル412、424を通るような回路を入力スイッチ404、416にそれぞれ指令すると、SPIポートはバッテリーセル電圧を各MCUに伝えるのに用いられる。スイッチを通る回路を用いることにより、バッテリーセル電圧を決定するため、直列接続した個別のバッテリーセルがADC406と418に接続される。
【0034】
ADC408と420はMCU410と422に一体化された低分解能(例えば、8ビット)の装置である。この他の実施形態においては、ADC408と420はこれより分解能が高くてもよいし(たとえば、12ビットあるいは16ビット)、MCU410と422の外部に配されることとしてもよい。ADC408と420は、バッテリーセル412と424がそれぞれ対応するバッテリーセルスタック402と414に対して提供する直列電圧を計測できるよう構成されている。例えば、ADC408は、図の412のバッテリーセルに関して、4つのバッテリーセルに並列に接続された、あと4つのバッテリーセルからなる直列接続群が提供する電圧を計測するよう構成されている。よって、一のMBBに配されたADCは、一のバッテリーセルスタック内のバッテリーセルからなる直列接続群を計測するよう構成されている。言うまでもなく、一のバッテリーセルスタックに接続されたあるMBBの一のADCは、図4に示す4つのバッテリーセルよりも多いあるいは少ないバッテリーセルの電圧を計測するように構成してもよい。さらに上述の通り、バッテリーセルの直列接続群412はバッテリーセルスタック402の出力電圧を高める作用がある。
【0035】
MCU410と422は入力スイッチ404、416並びにADC406、408及びADC418、420を制御する。さらにMCU410、422が、それぞれのバッテリー電圧をメモリに保存し、ADC406、408、418、420によって取得されたバッテリー電圧データに算術演算や論理演算を施すこととしてもよい。
【0036】
BCM438は、バッテリーセルスタック402、414のMCU410、422とCANバス440を介して通信する。BCM438は、バッテリーセルスタック402、414からバッテリー電圧や状態インジケータ(例:ADC、バッテリーセル、MCUなどの劣化を示すフラッグ)を取得することとしてもよい。また、BCM438は、主要出力コンタクタ450、プリチャージバッテリー出力コンタクタ452、ローサイドコンタクタ448を開閉するための、ハードウェアによって実現されたデジタル入出力を介してEDM442と通信する。この他の実施形態においては、バッテリーセルスタック402、414をバッテリーの負荷あるいはソースに接続すると決定した場合に、主要出力コンタクタ450、プリチャージバッテリー出力コンタクタ452、ローサイドコンタクタ448を閉じる命令を出すために、BCM438がCAN440を介してEDM442と通信することとしてもよい。
【0037】
主要バッテリー出力コンタクタ450、プリチャージバッテリー出力コンタクタ452、ローサイドコンタクタ448は、電気的に制御されたスイッチとして作用し、BCM438からの命令がなければ短絡電流を遮ることはしない。一例においては、主要バッテリー出力コンタクタ450、プリチャージバッテリー出力コンタクタ452、ローサイドコンタクタ448は、常時開コンタクタであり、閉用コイルを有している。これらのコンタクタは、閉用コイルを操作することにより、電流の流れる金属製導体に対して係合・脱係合するよう構成された金属製接点を有する。一例においては、各コンタクタは、電流の流れる導体から物理的に離れることにより開く。また、バッテリー出力要件の低い別の例においては、バッテリーパックのコンタクタはシリコンをベースとしたコンタクタ(例えば、FETやIGBTなど)であってもよい。
【0038】
プリチャージ抵抗器462は、プリチャージバッテリー出力コンタクタ452が閉じている時及び主要バッテリー出力コンタクタ450が開いている時に、バッテリーセル412、424間の電流の流れが、主要バッテリー出力コンタクタ450が閉じている時よりも少なくなるようにする。外部負荷にバッテリー電力を届ける動作シーケンスにおいては、バッテリーパックと外部負荷の間の電流の流れを制限するために、ローサイドコンタクタ448はプリチャージバッテリー出力コンタクタ452よりも先に閉じられ、プリチャージバッテリー出力コンタクタ452は主要バッテリー出力コンタクタ450よりも先に閉じられる。先にプリチャージバッテリー出力コンタクタ452を閉じることにより、外部負荷にとって全バッテリー容量が利用可能になる前に、負荷電圧を上昇させるような速度で、外部負荷に電荷を供給することができる。この構成により、バッテリーパックから外部負荷へ流れる電流を減らすことができると考えられる。この他の例においては、プリチャージバッテリー出力コンタクタ452がローサイドコンタクタ448よりも先に閉じられ、ローサイドコンタクタ448が主要バッテリー出力コンタクタ450よりも先に閉じられることとしてもよい。主要コンタクタ450を閉じたのち、次に主要バッテリー出力コンタクタ450を開いた際、バッテリーから外部負荷に電流が流れないように、プリチャージバッテリー出力コンタクタ452を開くこととしてもよい。
【0039】
CSM444は、EDMと一体化してもよいし、単独モジュールとして構成してもよい。CSM444は、バッテリーパックの電流及び/又はコンタクタ450、452、448のバッテリー側を計測するためのADC446を備える。バッテリーパックに出入りする電流を制限するためにヒューズ462が配される。
【0040】
上記のとおり、図4のシステムは、複数のバッテリーセルと、第1バッテリーパック出力コンタクタと、バッテリー制御器と、を備えたバッテリーパックの出力を制御するためのシステムを提供する。前記バッテリー制御器は、該バッテリー制御器への電源投入後、第1バッテリーパック出力コンタクタ開要求を外部制御器から受け取る命令を含む。受け取った要求が前記電源投入後バッテリーパックの外部にあるモジュールから受け取った初めての命令である場合に限り、それに応じて第1バッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令を、前記バッテリー制御器はさらに含む。このシステムは、第1バッテリーパック出力コンタクタが、前記複数のバッテリーセルとバッテリーパックの外部にある負荷の間に、電気的に直列に接続されているよう構成してもよい。またこのシステムは、第1バッテリーパック出力コンタクタが、閉用コイルと金属接点とを有する常時開コンタクタである場合を含むこともできる。一例において、このシステムは、第1バッテリーパック出力コンタクタがプリチャージ抵抗器を通る電流の流れを制御し、第2バッテリーパック出力コンタクタが複数のバッテリーセルと外部負荷の間に電気的に直列に接続されるよう構成されている。さらに、第2バッテリーパック出力コンタクタは、第1バッテリーパック出力コンタクタに電気的に直列に接続されている。一例においては、前記バッテリーパックの外部にある制御器に対して劣化状況を示す命令を、バッテリー制御器はさらに含む。また別の例においては、前記バッテリーパックの外部にある制御器は車両制御器あるいは定置用電力システム制御器であって、初回要求が第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求でない場合、第1バッテリーパック出力コンタクタを開状態に保つ命令を、バッテリー制御器がさらに含む。そして、このシステムは、複数のバッテリーモジュール内に構成されている複数のバッテリーセルを備えることとしてもよく、前記複数のバッテリーセルがリチウムイオンバッテリーセルであってもよい。
【0041】
さらに図4のシステムは、複数のバッテリーセルと、第1モジュールと、第2モジュールとを備えた、バッテリーパックの出力を制御するシステムを提供する。第1モジュールは、第1バッテリーパック出力コンタクタと第2バッテリーパック出力コンタクタとを備える。第1バッテリーパック出力コンタクタは、前記複数のバッテリーセルとバッテリーパックの外部にある負荷の間の電流の流れを統御するよう構成されている。第1バッテリーパック出力コンタクタは、プリチャージ抵抗器を通る電流の流れも統御するように構成されている。第2バッテリーパック出力コンタクタは、前記複数のバッテリーセルとバッテリーパックの外部にある負荷の間の電流の流れを統御するよう構成されている。第2バッテリーパック出力コンタクタは、第1バッテリーパック出力コンタクタに電気的に並列に接続されている。第2モジュールは、第1モジュールと通信可能な制御器を備える。前記バッテリー制御器は、該バッテリー制御器の電源投入後、第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求を外部制御器から受け取る命令を含む。受け取った要求が、前記電源投入後バッテリーパックの外部にあるモジュールから受け取った初めての命令である場合に限りそれに応じて、第1バッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令を、前記バッテリー制御器はさらに含む。このシステムは、前記制御器から前記バッテリーパックの外部にある制御器へのCANリンクをさらに備えることとしてもよい。一例において、このシステムは、前記バッテリーパックの外部にある制御器に対して劣化状況を示す命令をさらに含んだ制御器を有する。また別の例においてこのシステムは、初回要求が第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求でない場合、第1バッテリーパック出力コンタクタを開状態に保つ命令をさらに含む制御器を有する。そして、このシステムは、複数のバッテリーモジュール内に構成されている複数のバッテリーセルを備えることとしてもよく、複数のバッテリーセルがリチウムイオンバッテリーセルであってもよい。またこのシステムは、第2バッテリーパック出力コンタクタの前に第1バッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令、及び、第2バッテリーパック出力コンタクタを閉じたのち第1バッテリーパック出力コンタクタを開く命令をさらに含む制御器を備えることとしてもよい。
【0042】
さらに図4のシステムは、複数のバッテリーセルと、第1バッテリーパック出力コンタクタと、バッテリー制御器とを備えた、バッテリーパックの出力を制御するシステムを提供する。バッテリー制御器は、バッテリー制御器の初期化後初めての初回コンタクタ制御要求を受け取る命令を含む。初回コンタクタ制御要求は、外部制御器からの要求であり、第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求又は閉要求である。初回コンタクタ制御要求に応じて第1バッテリーパック出力コンタクタを開状態に保つ命令を、バッテリー制御器はさらに含む。バッテリーパック出力コンタクタの閉要求である後続コンタクタ制御要求を、初回コンタクタ制御要求ののち受け取る命令を、バッテリー制御器はさらに含む。初回コンタクタ制御要求がコンタクタ開要求である場合に限りそれに応じて、後続コンタクタ制御要求に従ってバッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令を、バッテリー制御器はさらに含む。
【0043】
さらに図4のシステムは、複数のバッテリーセルと、第1モジュールと、第2モジュールとを備えた、バッテリーパックの出力を制御するシステムを提供する。第1モジュールは、第1バッテリーパック出力コンタクタと第2バッテリーパック出力コンタクタとを備える。第1バッテリーパック出力コンタクタは、複数のバッテリーセルとバッテリーパックの外部にある負荷の間の電流の流れを統御するよう構成されている。第1バッテリーパック出力コンタクタは、プリチャージ抵抗器を通る電流の流れも統御するように構成されている。第2バッテリーパック出力コンタクタは、複数のバッテリーセルとバッテリーパックの外部にある負荷の間の電流の流れを統御するよう構成されている。第2バッテリーパック出力コンタクタは、第1バッテリーパック出力コンタクタに電気的に並列に接続されている。第2モジュールは、第1モジュールと通信可能な制御器を備える。制御器は、該制御器の初期化後初めての初回コンタクタ制御要求を受け取る命令を含み、初回コンタクタ制御要求は、外部制御器からの要求であり、第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求又は閉要求である。初回コンタクタ制御要求に応じて第1バッテリーパック出力コンタクタを開状態に保つ命令を、制御器はさらに含む。第1バッテリーパック出力コンタクタの閉要求である後続コンタクタ制御要求を、初回コンタクタ制御要求ののち受け取る命令を、制御器はさらに含む。初回コンタクタ制御要求がコンタクタ開要求である場合に限りそれに応じて、後続コンタクタ制御要求に従って第1バッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令を、制御器はさらに含む。第1バッテリーパック出力コンタクタを閉じたのち第2バッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令を、制御器はさらに含む。
【0044】
次に図5を参照すると、期待されるバッテリーパック動作状況において注目信号をシミュレーションしたプロットの一例が示されている。特に、図5の信号は、バッテリーパックの通常動作における注目信号である。通常動作においてバッテリー制御モジュールは命令を実行し、車両制御器からの指令に応じて一又は複数のバッテリー出力コンタクタを開閉する。
【0045】
図5の一番上のプロットは、車両バス電圧のプロットである。X軸は時間を表し、左から右に時間が経過する。Y軸は車両バス電圧を表し、Y軸の下から上へ行くにつれ電圧が増加する。
【0046】
図5の2番目のプロットは例えば車両制御器によって生成されるコンタクタ閉要求を示している。X軸は時間を表し、左から右に時間が経過する。Y軸は、コンタクタ閉要求の有無を表している。グラフ線506が高の場合、コンタクタ閉要求がある。グラフ線506が低の場合、コンタクタ閉要求はない。コンタクタ閉要求がある場合、車両制御器が車両電力バスにおいてバッテリー電圧を要求しているということになる。一例においては、バッテリー制御モジュールは、プリチャージバッテリー出力コンタクタを閉じ、そして所定時間経過後あるいは車両バスが閾値電圧に達したのち、主要バッテリー出力コンタクタを閉じる。主要バッテリー出力コンタクタを閉じたら、プリチャージバッテリー出力コンタクタを開く。
【0047】
図5の上から3番目のプロットは、コンタクタ状態信号を示している。X軸は時間を表し、左から右に時間が経過する。Y軸はバッテリーパック出力コンタクタの状態を示している。グラフ線508が高の場合、バッテリーパック出力コンタクタ状態は、バッテリーパックが閉じていることを意味する。一例においては、主要バッテリー出力コンタクタがプリチャージ抵抗器を迂回してバッテリーセルをバッテリーパックの外部にある負荷に接続した場合、コンタクタ状態信号が高状態になる。ここで、プリチャージバッテリー出力コンタクタと主要バッテリー出力コンタクタの両方を閉じることにより、プリチャージ抵抗器を迂回することができる。グラフ線508が低の場合、バッテリーパック出力コンタクタ状態は、主要バッテリー出力コンタクタが開いていることを意味する。
【0048】
より左側の時間において、車両バス電圧は低で、車両負荷がバッテリーパックから電力を受け取っていないことを示している。さらに、コンタクタ閉要求とコンタクタ状態信号も低で、一又は複数のバッテリー出力コンタクタが開いていることを示している。
【0049】
時間Tにおいて、コンタクタ閉要求が低から高へと変化するのに応じて、車両バス電圧502は504で示すように上昇し始める。一例においては、コンタクタ閉要求によって、バッテリー制御モジュールに、プリチャージ抵抗器に直列なプリチャージバッテリー出力コンタクタ(例:図4のコンタクタ452)を閉じさせる。プリチャージバッテリー出力コンタクタを閉じることにより、電流がバッテリーから車両電力バスに流れるようになり、それにより、車両バス電圧が上昇する。TとTの間では、コンタクタ状態信号は低のままであり、それは全バッテリー容量が車両にとって利用可能ではないことを示している。
【0050】
時間Tにおいて、車両バス電圧があるレベルに達し、それ以降はほぼ一定となる。一例においては、車両バス電圧は、時間Tにおいて、ほぼバッテリー電圧に達する。さらに、コンタクタ状態信号が低から高に変化し、主要バッテリー出力コンタクタが閉じられたことを意味する。一例においては、主要バッテリー出力コンタクタは、バッテリーセルと外部負荷間のプリチャージ抵抗器なしに、バッテリーセルを直接外部負荷に接続する(例:図4のコンタクタ450)。また、例によっては、主要コンタクタが閉じられたのち、プリチャージコンタクタは開状態になる。上記のとおり、図5に示したシーケンスは、バッテリー電荷を一又は複数のバッテリー出力コンタクタ経由で外部負荷に供給する手順の一例を示している。
【0051】
次に図6を参照すると、第1バッテリー出力コンタクタ閉シーケンスにおける注目信号をシミュレーションしたプロットの一例が示されている。特に、バッテリー制御器リセット時の注目信号を示している。図6の信号は、図5に示した信号と同じであるが、図5とは異なった動作状況における信号を示している。よって、簡潔のため、図5の信号に対して図6の信号が異なっている点を中心に説明する。図6の例においては、バッテリー制御モジュールは、単に車両制御モジュールからの命令に従う。
【0052】
時間Tより左側の時間において、グラフ線602は車両電力バスに供給される電圧がほぼバッテリー電圧であり、コンタクタ閉要求608は高なので、車両制御器が車両バスにおいてバッテリー電圧を要求していることを意味する。Tより左側の時間においては、コンタクタ状態信号610も高レベルなので、主要バッテリー出力コンタクタが閉状態にあることを示している。
【0053】
時間Tにおいて、バッテリーパック制御器はリセットされ、それによりコンタクタ状態信号は主要バッテリー出力コンタクタの開状態を示すこととなる。ある例においては、バッテリー制御器のリセット中に、コンタクタ状態信号が所定の状態に移行することとしてもよい。コンタクタ閉信号は高レベルのままであり、バッテリー制御器リセット中に車両制御器が車両バスへのバッテリー電力を要求していることを示している。バッテリー制御器がリセットされると、主要バッテリー出力コンタクタは開状態に遷移し、それによりバッテリー電力が車両負荷によって消費され、604に示すように車両バス電圧が下がる。
【0054】
時間Tにおいて、バッテリー制御器はリセットを完了し、コンタクタ閉要求608に応答する。車両制御器がバッテリー制御器のリセットを認識していないこともありうるので、コンタクタ閉要求は高状態にとどまって、車両バスでバッテリー電圧が要求されていることを示す。一例においては、バッテリー制御器はプリチャージバッテリー出力コンタクタを閉じることにより応答する。プリチャージバッテリー出力コンタクタを閉じることにより、車両バス電圧は606に示すように上昇する。しかしながら、車両制御器がバッテリー制御器のリセットを認識していなかった場合、車両制御器が車両負荷と車両バスとの接続を切り離していないこともありうる。その結果、車両バス電圧は時間Tでピーク値に達し、その後降下する。例えば、プリチャージバッテリー出力コンタクタの起動によってバッテリーパック抵抗器が劣化した場合、車両バス電圧が降下することもある。上記のとおり、図6の信号は、バッテリー制御器のリセット中にバッテリーパック出力コンタクタを閉じた場合に起こりうる結果を示している。
【0055】
次に図7を参照すると、第2バッテリー出力コンタクタ閉シーケンスにおける注目信号をシミュレーションしたプロットの一例が示されている。特に、図8の方法を使用した場合のバッテリー出力コンタクタ閉シーケンスを示している。図7の信号は、図5〜6に示した信号と同じである。よって、簡潔のため、図6の信号に対して図7の信号が異なっている点を中心に説明する。
【0056】
時間Tより左側の時間において、グラフ線702は車両電力バスに供給される電圧がほぼバッテリー電圧であり、コンタクタ閉要求708は高なので、車両制御器が車両バスにおいてバッテリー電圧を要求していることを意味する。Tより左側の時間においては、コンタクタ状態信号710も高レベルなので、主要バッテリー出力コンタクタが閉状態にあることを示している。
【0057】
時間Tにおいて、バッテリーパック制御器はリセットされ、それによりコンタクタ状態信号は主要バッテリー出力コンタクタの開状態を示すこととなる。ある例においては、バッテリー制御器のリセット中に、コンタクタ状態信号が所定の状態に移行することとしてもよい。コンタクタ閉信号は高レベルのままであり、バッテリー制御器リセット中に車両制御器が車両バスへのバッテリー電力を要求していることを示している。バッテリー制御器がリセットされると、主要バッテリー出力コンタクタは開状態に遷移し、それによりバッテリー電力が車両負荷によって消費され、704に示すように車両バス電圧が下がる。
【0058】
時間Tにおいて、バッテリー制御器はリセットを完了し、コンタクタ閉要求708に応答する。車両制御器がバッテリー制御器のリセットを認識していないこともありうるので、コンタクタ閉要求は高状態にとどまって、車両バスでバッテリー電圧が要求されていることを示す。この例では、バッテリー制御器は、車両制御器要求のタイプを判断することにより応答する。車両制御器がコンタクタを閉じることを要求しているので、バッテリー制御器は、プリチャージバッテリー出力コンタクタと主要バッテリー出力コンタクタを開状態のままにしておく。その結果、車両制御器がバッテリー電圧を要求し続けているにもかかわらず、車両バス電圧は減衰し続ける。一例においては、バッテリー制御器はTにおいて車両制御器に対して状態信号を送り、劣化状況が存在していることを示す。車両制御器は、バッテリー制御器と車両制御器が電源オフ状態から再度初期化されるように、電源オフシーケンスを要求することにより応答することとしてもよい。
【0059】
次に図8を参照すると、バッテリーパックの出力制御方法のフローチャートが示されている。一例において、図8の方法はバッテリー制御モジュールのリセット時に実行される。バッテリーモジュールのリセットは、バッテリー制御モジュールの電源オフ後、あるいは特定の動作状況下(例:車両制御器からのリセット要求や電気的接続の劣化など)で起こると考えられる。リセット中は、マイクロコントローラが再起動され、マイクロコントローラが所定の手順に従って命令を実行し始めるよう、マイクロコントローラのスタックポインタが所定の位置に設定される。
【0060】
802において、ルーチン800はコンタクタ閉要求があるかどうかを判断する。コンタクタ閉要求は、車両制御器から来る場合もあるし、車両サブシステム制御器(例:モーター制御器)から来る場合もある。さらに、一例においては、コンタクタ閉要求は、CANリンクを介して定置用発電システム制御器から来る場合もある。また、別の例においては、コンタクタ閉要求は、デジタル入力を介する場合もある。コンタクタ要求があると判断された場合、ルーチン800は804に進む。ないと判断された場合、ルーチン800は終了へと進む。
【0061】
804において、ルーチン800は、該コンタクタ閉要求が、バッテリー制御モジュールの電源投入後あるいはリセット後初めての外部制御器からの初回要求メッセージであるかどうかを判断する。一例においては、バッテリー制御器のリセットは、外部状況あるいは内部状況によって発生することがある。バッテリー制御器のリセット中は、マイクロコントローラは再起動し、命令群の実行を停止する。さらに、マイクロコントローラが予測可能な既知の状況から命令を実行し始めるよう、マイクロコントローラ内のスタックポインタが所定の位置にリセットされることとしてもよい。スタックポインタがリセットされた後、バッテリーパックの外部にある制御器からの初回要求メッセージの状態を示すフラッグが「真」に設定され、ルーチン800は、CANリンクを監視し外部制御器からのメッセージを待ち受ける。バッテリーパック制御器がバッテリーパックの外部にある制御器から初回要求メッセージを受け取ると、後続するメッセージがいずれも外部制御器からの初回要求メッセージではないことを示すため、ルーチン800の最後で初回メッセージ要求フラッグを「偽」に設定する。もし、外部制御器からメッセージを受け取った際、初回要求メッセージフラッグが「真」に設定されている場合は、ルーチン800は806に進む。「真」に設定されていない場合、ルーチン800は810に進む。
【0062】
806において、ルーチン800は外部制御器からの要求がコンタクタ閉要求であるかどうかを判断する。コンタクタ閉要求である場合、ルーチン800は808に進む。コンタクタ閉要求でない場合、ルーチン800は812に進む。
【0063】
808において、ルーチン800は、一又は複数のバッテリー出力コンタクタを開状態に保持し、シャットダウンモードに入る。また、ルーチン800は外部制御器(例:車両コンタクタあるいは定置用発電制御器)にCANリンクを介して状態メッセージを送り、劣化状況を示す。ルーチン800は、車両制御器によってバッテリーパックがリセットされるまで、あるいはバッテリーパックの電源が切られるまで、シャットダウン状態にとどまる。
【0064】
812において、ルーチン800は初回要求メッセージフラッグを「偽」に設定する。初回要求メッセージフラッグを「偽」に設定することにより、ルーチン800はその続きを実行するにあたり810に進むことができる。この構成により、ルーチン800は、バッテリー出力が車両電力バスに届く前に、車両制御器要求に関する確認を行うことができる。
【0065】
810において、ルーチン800は外部制御器によるコンタクタ閉要求に応じてコンタクタを閉じる。一例においては、810でコンタクタ閉シーケンスが始まる。特に、第1コンタクタは810において初めて閉じられる。第1コンタクタはプリチャージコンタクタであり、プリチャージ抵抗器と電気的に直列である。そして、車両バス電圧が所定レベルに達すると、第2コンタクタが閉じられる。第2コンタクタは第1プリチャージコンタクタと並列であり、主要コンタクタと称することもある。バッテリーから車両負荷への電力伝達を完了するため、主要コンタクタが閉じられたのち、プリチャージコンタクタが開かれる。
【0066】
上記のとおり、図8の方法は、バッテリー制御モジュールとバッテリーパック出力コンタクタとを備えたバッテリーパックの出力を制御する方法を提供する。この方法は、前記バッテリー制御モジュールをリセットする処理と、リセットから前記バッテリー制御モジュールに電源投入する処理と、電源投入されたバッテリー制御モジュールにおいて、バッテリーパック出力コンタクタの開要求を外部制御器から受け取る処理と、要求の受け取りが、リセット後外部制御器から受け取った初めての命令である場合に限りそれに応じて、リセット後バッテリーパック出力コンタクタを閉じる処理と、を含む。この方法は、バッテリーパック出力コンタクタが、複数のバッテリーセルからプリチャージ抵抗器を通って、バッテリーパックの外部にある負荷に流れる電流を制御する場合に適用できる。しかしながら、この方法は、バッテリーパック出力コンタクタが、複数のバッテリーセルから、バッテリーパックの外部にある負荷に流れる電流を制御する場合にも適用できる。一例において、この方法は、CANリンクを介してなされる要求を含み、前記バッテリーパックの外部にある制御器が車両制御器である場合を含む。またこの方法は、バッテリーパック出力コンタクタを開状態に拘止して、劣化を示す信号をバッテリー制御モジュールから前記バッテリーパックの外部にある制御器へと送るモードにバッテリーパックが入るという態様を含むこととしてもよい。前記バッテリーパックの外部にある制御器からの初回要求が、バッテリーパック出力コンタクタ開要求でない場合、バッテリーパックがこのモードに入ることとしてもよい。さらにこの方法は、バッテリーパックが複数のリチウムイオンバッテリーセルで構成されており、前記バッテリーパック出力コンタクタが、閉用コイルと金属接点とを有する常時開コンタクタである場合にも適用できる。さらに、コンタクタが、前記バッテリー制御モジュールの電源投入中に開状態であってもよい。
【0067】
また図8の方法は、バッテリー制御モジュールとバッテリーパック出力コンタクタとを備えたバッテリーパックの出力を制御する方法を提供する。この方法は、ランニング・リセットあるいはハードウェア電源投入からバッテリー制御モジュールを初期化する処理と、外部制御器からの要求であり、バッテリーパック出力コンタクタの開要求あるいは閉要求である、バッテリー制御モジュールの初期化後初めての初回コンタクタ制御要求を受け取るが、バッテリーパック出力コンタクタは初回コンタクタ制御要求に応じて開いたままである処理と、バッテリーパック出力コンタクタの閉要求である後続コンタクタ制御要求を、初回コンタクタ制御要求ののち、受け取る処理と、初回コンタクタ制御要求がコンタクタ開要求である場合に限りそれに応じて、後続コンタクタ制御要求に従ってバッテリーパック出力コンタクタを閉じる処理と、を含む。
【0068】
本開示の主題は、ここで開示した各種システム、構成、その他の特徴、機能、及び/又は性質の、新規かつ非自明なコンビネーション、サブ・コンビネーションをすべて含む。
【0069】
当業者であれば理解できるとおり、図8に示したルーチンは制御器に対する命令として実現されてもよく、イベント駆動型、割り込み駆動型、マルチ・タスク型、マルチスレッド型などの処理手順のうち一又は複数を用いて実現することとしてもよい。よって、例示した各種のステップや機能は、図示した順で行ってもよいし、並行して行ってもよいし、場合によっては省略してもよい。同様に、ここに記載した目的、特徴、利点を達成するためには、必ずしもこの順序で処理を行う必要はないが、図示及び記載を簡便にするために順序を提示している。また、明示されているわけではないが、当業者ならば理解できるとおり、具体的にどのような方針をとるかによって、例示したステップや機能の一又は複数を、繰り返し行ってもよい。
【0070】
以下の請求の範囲において、新規かつ非自明とみなされるいくつかのコンビネーション、サブ・コンビネーションを特に指摘している。請求項においては、「一の(a/an)」要素や「第1の(first)」要素やその同等物に言及することがある。それら請求項は、そのような要素の2以上を必須としたり排除したりすることなく、そのような要素の一又は複数を統合する場合を含んでいると解釈されるべきである。開示した特徴、機能、要素、及び/又は性質のこれ以外のコンビネーション、サブ・コンビネーションは、本願請求の範囲を補正するか或いは本願または関連出願に新しい請求項を提示することによって請求することができる。そのような請求項は、元の請求項の範囲と比べて、広義である、狭義である、同等である、異なっている、のいずれにかかわらず、本開示の主題に含まれているものとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー制御モジュールとバッテリーパック出力コンタクタとを備えたバッテリーパックの出力を制御する方法であって、
ランニング・リセットあるいはハードウェア電源投入から前記バッテリー制御モジュールを初期化する処理と、
前記バッテリーパックの外部にある制御器からの要求であり、前記バッテリーパック出力コンタクタの開要求あるいは閉要求である、前記バッテリー制御モジュールの初期化後初めての初回コンタクタ制御要求を受け取るが、前記バッテリーパック出力コンタクタは該初回コンタクタ制御要求とは無関係に開いたままである処理と、
前記バッテリーパック出力コンタクタの閉要求である後続コンタクタ制御要求を、前記初回コンタクタ制御要求ののち、前記バッテリーパックの外部にある制御器から受け取る処理と、
前記初回コンタクタ制御要求がコンタクタ開要求である場合に限りそれに応じて、前記後続コンタクタ制御要求に従って前記バッテリーパック出力コンタクタを閉じる処理と、を含む方法。
【請求項2】
前記バッテリーパック出力コンタクタが、複数のバッテリーセルからプリチャージ抵抗器を通って、バッテリーパックの外部にある負荷に流れる電流を制御することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バッテリーパック出力コンタクタが、複数のバッテリーセルから、バッテリーパックの外部にある負荷に流れる電流を制御することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記要求がCANリンクあるいはデジタルリンクを介してなされる要求であり、
前記バッテリーパックの外部にある制御器が、車両制御器あるいはシステム制御器であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記バッテリーパック出力コンタクタを開状態に拘止して、バッテリーパックの劣化を制限する信号を前記バッテリー制御モジュールから前記バッテリーパックの外部にある制御器へと送るモードに、前記バッテリーパックが入ることをさらに含み、
前記バッテリーパックの外部にある制御器からの前記初回コンタクタ制御要求が、バッテリーパック出力コンタクタ開要求でない場合、前記バッテリーパックが前記モードに入ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バッテリーパックが複数のリチウムイオンバッテリーセルで構成されており、
前記バッテリーパック出力コンタクタが、閉用コイルと金属接点とを有する常時開コンタクタであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バッテリーパック出力コンタクタが、前記バッテリー制御モジュールの初期化中に開状態であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数のバッテリーセルと、
第1バッテリーパック出力コンタクタと、
バッテリー制御器とを備えた、バッテリーパックの出力を制御するシステムであって、
前記バッテリー制御器は、該バッテリー制御器の初期化後初めての初回コンタクタ制御要求を受け取る命令を含み、前記初回コンタクタ制御要求は前記バッテリーパックの外部にある制御器からの要求であり、第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求又は閉要求であり、
前記初回コンタクタ制御要求とは無関係に、第1バッテリーパック出力コンタクタを開状態に保つ命令を、前記バッテリー制御器がさらに含み、
前記バッテリーパック出力コンタクタの閉要求である後続コンタクタ制御要求を、前記初回コンタクタ制御要求ののち受け取る命令を、前記バッテリー制御器がさらに含み、
前記初回コンタクタ制御要求がコンタクタ開要求である場合に限りそれに応じて、前記後続コンタクタ制御要求に従って前記バッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令を、前記バッテリー制御器がさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項9】
第1バッテリーパック出力コンタクタが、前記複数のバッテリーセルとバッテリーパックの外部にある負荷の間に、電気的に直列に接続されていることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
第1バッテリーパック出力コンタクタが、閉用コイルと金属接点とを有する常時開コンタクタであることを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
第1バッテリーパック出力コンタクタが、プリチャージ抵抗器を通る電流の流れを制御するよう構成されており、
前記システムがさらに第2バッテリーパック出力コンタクタを備え、
第2バッテリーパック出力コンタクタは、前記複数のバッテリーセルと前記負荷の間に電気的に直列に接続されており、
第2バッテリーパック出力コンタクタは、第1バッテリーパック出力コンタクタに電気的に直列に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記バッテリーパックの外部にある制御器に対して、バッテリーパックの劣化制限の要求を示す命令を、前記バッテリー制御器がさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記バッテリーパックの外部にある制御器が車両制御器であって、
前記初回要求が第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求でない場合、第1バッテリーパック出力コンタクタを開状態に保つ命令を、前記バッテリー制御器がさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のバッテリーセルが複数のバッテリーモジュール内に構成されており、
前記複数のバッテリーセルがリチウムイオンバッテリーセルであることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
複数のバッテリーセルと、第1モジュールと、第2モジュールとを備えた、バッテリーパックの出力を制御するシステムであって、
第1モジュールは、第1バッテリーパック出力コンタクタと第2バッテリーパック出力コンタクタとを備え、
第1バッテリーパック出力コンタクタは、前記複数のバッテリーセルとバッテリーパックの外部にある負荷の間の電流の流れを統御するよう構成されており、
第1バッテリーパック出力コンタクタは、プリチャージ抵抗器を通る電流の流れも統御するように構成されており、
第2バッテリーパック出力コンタクタは、前記複数のバッテリーセルとバッテリーパックの外部にある負荷の間の電流の流れを統御するよう構成されており、
第2バッテリーパック出力コンタクタは、第1バッテリーパック出力コンタクタに電気的に並列に接続されており、
第2モジュールは、第1モジュールと通信可能な制御器を備え、
前記制御器は、該制御器の初期化後初めての初回コンタクタ制御要求を受け取る命令を含み、前記初回コンタクタ制御要求は、バッテリーパックの外部にある制御器からの要求であり、第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求又は閉要求であり、
前記初回コンタクタ制御要求とは無関係に第1バッテリーパック出力コンタクタを開状態に保つ命令を、前記制御器がさらに含み、
第1バッテリーパック出力コンタクタの閉要求である後続コンタクタ制御要求を、前記初回コンタクタ制御要求ののち受け取る命令を、前記制御器がさらに含み、
前記初回コンタクタ制御要求がコンタクタ開要求である場合に限りそれに応じて、前記後続コンタクタ制御要求に従って第1バッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令を、前記制御器がさらに含み、
第1バッテリーパック出力コンタクタを閉じたのち第2バッテリーパック出力コンタクタを閉じる命令を、前記制御器がさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記制御器から前記バッテリーパックの外部にある制御器へのCANリンクをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記バッテリーパックの外部にある制御器に対して、バッテリーパックの劣化制限の要求を示す命令を、前記制御器がさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記初回コンタクタ制御要求が第1バッテリーパック出力コンタクタの開要求でない場合、第1バッテリーパック出力コンタクタを開状態に保つ命令を、前記制御器がさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数のバッテリーセルが複数のバッテリーモジュール内に構成されており、
前記複数のバッテリーセルがリチウムイオンバッテリーセルであることを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
第2バッテリーパック出力コンタクタを閉じたのち第1バッテリーパック出力コンタクタを開く命令を、前記制御器がさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−529748(P2012−529748A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515034(P2012−515034)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/037710
【国際公開番号】WO2010/144399
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(510327507)エー123 システムズ, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】