説明

バッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステム

【課題】バッテリーセルで発生する電流によって生成される電磁波からBMSを保護し、BMSの電圧センシングエラーを防止するようにしたBMS電磁波保護用カバーを提供する。
【解決手段】複数個のバッテリーセルからなるバッテリーと、前記バッテリーの充・放電を統制するパワーリレイアセンブリーと、前記バッテリーセルと電圧センシングワイヤーを媒介として連結設置されバッテリーSOCを予測するバッテリー管理システムを含むバッテリーシステムにおいて、前記バッテリーとパワーリレイアセンブリーを内部に収容して保護するケースをさらに設置し、そのケースの外部一側にバッテリー管理システムが設置され、前記バッテリー管理システムとバッテリーが互いに異なる空間に位置することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムに係り、より詳しくは、バッテリーセルで発生する電流によって生成される電磁波からバッテリー管理システムを保護し、電磁波によるバッテリー管理システムの電圧センシングエラーを防止するようにしたバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にハイブリッドカー(HEV)、プラグインハイブリッドカー(PHEV)、電気自動車(EV)などの車両で使用されるバッテリーシステムは、走行中に高電流を使用するため、高電圧バッテリーは車両の品質を決定する主要な部品の中の一つであり、この高電圧バッテリーを含むバッテリーシステムの制御技術は重要核心技術であるといえる。
【0003】
このようなバッテリーシステムで、バッテリー管理システム(Battery Management System; BMS)は、バッテリーについての諸般的な状態を統括して管理しながら制御する一種の制御手段であり、それぞれのバッテリーセルの電圧を測定してハイブリッド車両の統合制御を行う車両の主制御器(HCU)にバッテリーのSOC(state of charge)情報を知らせることにより、発電制御と走行制御を支援する役割をする。
【0004】
前記バッテリーSOCとは、バッテリーの可用最大容量に対する現在保有c量の百分率で示したものであり、前記バッテリーの残存容量は、電流がバッテリーに充電及び放電される間バッテリーに残っている電気量(使用可能な放電量)をいう。
【0005】
図1に図示したように、従来のバッテリーシステムは外装カバー(100)の内部にバッテリーセル(200)、PRA(300)、BMS(400)などを含んでいる。
【0006】
このため、バッテリーセル(200)の高電流によって発生する電磁波の影響を受けてBMS(400)の電圧センシングエラーが発生する問題点があった。(例えば特許文献1参照)
【0007】
特に、EV車の走行中に電圧センシングエラーが発生する場合には、走行が不可能な状況が発生する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−233320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、バッテリーセルとバッテリー管理システム間の遮蔽構造を形成し、バッテリーセルから発生する電磁波からバッテリー管理システムを保護することにより、バッテリー管理システムの電圧センシングエラーを防止するようにしたバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するための本発明によるバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムの構成は、複数個のバッテリーセルからなるバッテリーと、前記バッテリーの充・放電を統制するパワーリレイアセンブリーと、前記バッテリーセルと電圧センシングワイヤーを媒介として連結設置されてバッテリーSOCを予測するバッテリー管理システムを含んでなるバッテリーシステムにおいて、前記バッテリーとパワーリレイアセンブリーを内部に収容して保護するケースをさらに設置し、そのケースの外部一側にバッテリー管理システムが設置され、前記バッテリー管理システムとバッテリーが互いに異なる空間に位置されることを特徴とする。
【0011】
前記バッテリー管理システムが設置されるケースの外部一側には、前記バッテリー管理システムを安着固定させるBMS安着溝が形成されることを特徴とする。
【0012】
前記BMS安着溝は、前記バッテリー管理システムが安着した場合に、そのバッテリー管理システムが前記ケースの表面から突出しないように形成されることを特徴とする。
【0013】
前記BMS安着溝には、前記電圧センシングワイヤーが貫通するワイヤホールが形成され、前記ワイヤホールは、前記BMS安着溝の側面に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
前記のように構成された本発明によれば、バッテリーセルの高電流によって発生する電磁波からバッテリー管理システムを保護することにより、バッテリー管理システムの電圧センシングエラーを防止できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来のバッテリーシステム断面図。
【図2】本発明のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムを示す斜視図。
【図3】本発明のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムを具体的に説明する。
【0017】
本発明のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムは、バッテリーセルで発生する電流によって生成される電磁波からBMSを保護し、電磁波によるBMSの電圧センシングエラーを防止するようにしたもので、図2及び図3に示したように、複数個のバッテリーセル(15)からなるバッテリー(10)と、前記バッテリー(10)の充・放電を統制するパワーリレイアセンブリー(20)と、前記バッテリーセル(15)と電圧センシングワイヤー(50)を媒介として連結設置されバッテリーSOCを予測するバッテリー管理システム(40)を含んでなるバッテリーシステムにおいて、前記バッテリー(10)とパワーリレイアセンブリー(20)を内部に収容して保護するケース(30)をさらに設置し、そのケース(30)の外部一側にバッテリー管理システム(40)が設置され、前記バッテリー管理システム(40)とバッテリー(10)が互いに異なる空間に位置するようにしたものである。
【0018】
まず、前記バッテリー(10)は、複数個のバッテリーセル(15)からなる。
【0019】
言い換えると、充・放電が可能な複数個のセル(15)を一つのパック(pack)に形成して車両の主動力源として利用する。
【0020】
また、前記パワーリレイアセンブリー(20)は、前記バッテリー(10)に対する充・放電の統制のために設置されるものであり、前記バッテリー(10)の陽極側に連結される第1メインリレイ(未図示)と、陰極側に連結される第2メインリレイ(未図示)から構成され、該第1、2メインリレイは、後述するバッテリー管理システム(40)によってオン・オフ制御される。
【0021】
言い換えると、前記バッテリー(10)の温度を判断し、後述するバッテリー管理システム(40)をして前記第1、2メインリレイを励磁させ、バッテリー(10)の充電または放電がなされるようにする。
【0022】
そして、前記バッテリー管理システム(40)は、前記バッテリーセル(15)と電圧センシングワイヤー(50)を媒介として連結設置され、前記電圧センシングワイヤー(50)を媒介としてバッテリー(10)の電圧を測定し、バッテリーSOC及び最大使用することができる充電パワー(Pin)及び放電パワー(Pout)などを計算して、別途の車両制御ユニットに送信するものである。
【0023】
また、前記バッテリー(10)とパワーリレイアセンブリー(20)を内部に収容して保護するケース(30)をさらに設置する。
【0024】
言い換えると、前記ケース(30)は、前記バッテリー(10)とパワーリレイアセンブリー(20)を外部の衝撃及び振動から保護するように設置されるもので、前記ケース(30)の内部にそれぞれのバッテリーセル(15)を保護するようにするセルカバー(未図示)がさらに設置されることも可能である。
【0025】
この時、前記ケース(30)の外部一側にバッテリー管理システム(40)が設置され、前記バッテリー管理システム(40)とバッテリー(10)が互いに異なる空間に位置するようにする。
【0026】
言い換えると、前記バッテリー管理システム(40)が前記バッテリー(10)から発生する電流による電磁波の影響を受けないようにするため、前記ケース(30)の外部一側に前記バッテリー管理システム(40)を設置する。
【0027】
すなわち、前記ケース(30)は、前記バッテリー(10)とパワーリレイアセンブリー(20)を外部の衝撃及び振動から保護すると同時に、前記バッテリー(10)による電磁波から前記バッテリー管理システム(40)を遮蔽するよう設置される。
【0028】
また、前記バッテリー管理システム(40)が設置されるケース(30)の外部一側には、前記バッテリー管理システム(40)を安着固定させるBMS安着溝(35)が形成され、該BMS安着溝(35)は、前記バッテリー管理システム(40)が安着された場合にそのバッテリー管理システム(40)が前記ケース(30)の表面から突出しないように形成される。
【0029】
言い換えると、前記ケース(30)の外部一側に前記バッテリー管理システム(40)が安着固定されるBMS安着溝(35)が形成され、該BMS安着溝(35)は、前記ケース(30)から突出しないようにして、前記バッテリー管理システム(40)が毀損することを防止する。
【0030】
ここで、前記BMS安着溝(35)には、前記電圧センシングワイヤー(50)が貫通するワイヤホール(36)が形成されていることが望ましい。
【0031】
すなわち、前記BMS安着溝(35)の一側に前記ワイヤホール(36)を形成し、電圧センシングワイヤー(50)が貫通してそれぞれのバッテリーセル(15)と連結されるようにしたものである。
【0032】
この時、図2または図3に図示したように、前記ワイヤホール(36)は前記BMS安着溝(35)の側面に形成されるようにし、前記バッテリー管理システム(40)が前記ワイヤホール(36)を通じて電磁波に露出されることを防ぐ。
【0033】
本発明のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムをもう一度詳察すれば、複数個のバッテリーセル(15)からなるバッテリー(10)とパワーリレイアセンブリー(20)を外部衝撃などから保護すると同時に、外部一側にバッテリー管理システム(40)が位置するように形成されたケース(30)を設置し、前記バッテリーセル(15)の高電流によって発生する電磁波からバッテリー管理システム(40)を保護するようにして、バッテリー管理システム(40)の電圧センシングエラーを防止するようにしたものである。
【0034】
以上、本発明によるバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステムを具体的な実施例及び添付した図面を参照して説明したが、これは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が発明を容易に実施することができる程度に詳細に説明したものであって、これにより本発明の技術的な思想及び範疇が限定されることを意味しない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、バッテリーシステムの電磁波遮断の分野に適用できる。
【符号の説明】
【0036】
10 バッテリー
15 バッテリーセル
20 パワーリレイアセンブリー
30 ケース
35 BMS安着溝
36 ワイヤホール
40 バッテリー管理システム
50 電圧センシングワイヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のバッテリーセルからなるバッテリーと、前記バッテリーの充・放電を統制するパワーリレイアセンブリーと、前記バッテリーセルと電圧センシングワイヤーを媒介として連結設置されバッテリーSOCを予測するバッテリー管理システムを含んでなるバッテリーシステムにおいて、
前記バッテリーとパワーリレイアセンブリーを内部に収容して保護するケースをさらに設置し、そのケースの外部一側にバッテリー管理システムが設置され、前記バッテリー管理システムとバッテリーが互いに異なる空間に位置するようにしたことを特徴とするバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステム。
【請求項2】
前記バッテリー管理システムが設置されるケースの外部一側には、前記バッテリー管理システムを安着固定させるBMS安着溝が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステム。
【請求項3】
前記BMS安着溝は、前記バッテリー管理システムが安着された場合にそのバッテリー管理システムが前記ケースの表面から突出しないように形成されたことを特徴とする請求項2に記載のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステム。
【請求項4】
前記BMS安着溝には、前記電圧センシングワイヤーが貫通するワイヤホールが形成されたことを特徴とする請求項2に記載のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステム。
【請求項5】
前記ワイヤホールは、前記BMS安着溝の側面に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステム。
【請求項6】
前記BMS安着溝には、前記電圧センシングワイヤーが貫通するワイヤホールが形成されたことを特徴とする請求項3に記載のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステム。
【請求項7】
前記ワイヤホールは、前記BMS安着溝の側面に形成されたことを特徴とする請求項6に記載のバッテリー管理システム用電磁波遮断のためのバッテリーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−93303(P2013−93303A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−71690(P2012−71690)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【Fターム(参考)】