説明

バランス回路を備えた蓄電装置

【課題】蓄電システムにおいて、充放電において蓄電バンクを均一に利用すること。また、充放電において蓄電バンクを均一に利用しつつ、充電器からの入力電圧又は負荷への出力電圧の変動を任意の範囲内に抑えること。
【解決手段】蓄電モジュールと、充電器と、バランス回路と、電圧検出部と、蓄電モジュールの一方の端子及び/又は蓄電モジュールの他方の端子及び/又は複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、複数のタップのうちの一つが充電器の一方の端子又は他方の端子と接続されるようスイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、充電の進行に応じて、電圧検出部の検出結果に基づいて、充電器から直接充電される蓄電ユニットの数を制御するようにスイッチを順次切り替える蓄電システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、該蓄電モジュールに接続されたバランス回路とを備えた蓄電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタ(電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、レドックスキャパシタ、等)は従来の二次電池と比較して端子電圧が充放電状態に応じて大きく変動する特性を持っている。一般的に電子機器類はそれぞれの動作電圧にある程度の幅を持っているが、その動作電圧範囲外においては動作が不安定もしくは非動作となってしまう。よって電圧変動の大きいキャパシタを電子機器類の電源へと供する場合には、キャパシタの電圧変動をある一定範囲内に抑える必要がある。
【0003】
出力電圧を一定に保つ手段として、図1に示すようなDC−DCコンバータを用いて電圧変換を行う方法が考えられるが、DC−DCコンバータを幅広い電圧範囲で動作させる場合は損失が著しく大きくなってしまう、回路が大型化してしまう等の問題が発生する。キャパシタに対して充電を行う場合も同様である。充電器も一種のDC−DCコンバータであるため、幅広い電圧範囲にて充電を行う場合、充電器における損失は増大しサイズは大型化してしまう。キャパシタのエネルギー密度が従来の二次電池と比較して著しく低いことを踏まえると従来のDC−DCコンバータよりも高効率の電圧変換方式が望まれる。
【0004】
そこで、図2に示すような、複数個のキャパシタの直列接続により構成されるキャパシタモジュールにおいて、複数のタップを持ち、負荷に接続されるキャパシタの直列接続数(タップ)を切り替えることにより出力電圧の変動幅を小さくするようにしたキャパシタ電源装置が既に提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−209775
【特許文献2】特開2008−219964
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】K.Z.Guo,et.al.,:“Comparison and evaluation of charge equalization technique for series connected batteries”in Proc.IEEE PESC'06,pp.1-6(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図3はこの装置を用いてキャパシタモジュールの放電を行った場合の出力電圧(上)、及びキャパシタの電圧カーブ(下)を示している。図3に示すように直列接続数の切り替えに伴い、それぞれのキャパシタの負荷に接続される時間が異なるため、それぞれのキャパシタ間で充放電状態のばらつきが発生してしまい、一部のキャパシタ(図2ではCy1〜Cym)のエネルギーを有効に活用することが出来ないという問題点があった。また、放電終了時の各キャパシタの電圧が等しくなるように各キャパシタに異なる容量値を採用することにより上記のような課題を解決できるが、その場合は容量値の異なる複数種類のキャパシタを準備する必要がある。
【0008】
本発明は、このような状況のもとになされたものであり、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、該蓄電モジュールに接続されたバランス回路とを備えた蓄電システムにおいて、充放電において蓄電バンクを均一に利用する方法を提供することを目的の1つとする。また、充放電において蓄電バンクを均一に利用しつつ、充電器からの入力電圧又は負荷への出力電圧の変動を任意の範囲内に抑えることを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクを充電するための充電器と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、充電期間中に充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0010】
本発明の第2の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクを充電するための充電器と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、充電期間中に充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0011】
好ましくは、前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替える。
【0012】
好ましくは、前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替える。
【0013】
好ましくは、前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットが該所定の回数のスイッチ切替え後の蓄電ユニットのグループの数よりも多いグループに再グループ化された、該蓄電ユニットのグループの数よりも多いグループのそれぞれに対して時分割で、充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを一又はそれ以上行う。
【0014】
本発明の第3の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、放電期間中に放電状態に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電バンクから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電する前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0015】
本発明の第4の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、放電期間中に放電状態に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電バンクから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電する前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0016】
好ましくは、前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、放電状態に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記負荷から前記バランス回路を介さずに直接放電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替える。
【0017】
好ましくは、前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットを該所定の回数のスイッチ切替え後の蓄電ユニットのグループの数よりも少ないグループに再グループ化された、該蓄電ユニットのグループの数よりも少ないグループのそれぞれに対して時分割で、放電状態に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電モジュールから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを一又はそれ以上行う。
【0018】
本発明の第5の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクを充電するための充電器と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、充電期間中に、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0019】
本発明の第6の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクを充電するための充電器と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、充電期間中に、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0020】
好ましくは、前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替える。
【0021】
好ましくは、前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替える。
【0022】
好ましくは、前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットが該所定の回数のスイッチ切替え後の蓄電ユニットのグループの数よりも多いグループに再グループ化された、該蓄電ユニットのグループの数よりも多いグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを一又はそれ以上行う。
【0023】
本発明の第7の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、放電期間中に、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電バンクから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電する前記蓄電ユニットの数が増えるように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0024】
本発明の第8の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、放電期間中に、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電バンクから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電する前記蓄電ユニットの数が増えるように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0025】
好ましくは、前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接放電される前記蓄電ユニットの数が増えるように前記スイッチを少なくとも1回切り替える。
【0026】
好ましくは、前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットを該所定の回数のスイッチ切替え後の蓄電ユニットのグループの数よりも少ないグループに再グループ化された、該蓄電ユニットのグループの数よりも少ないグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電モジュールから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電される前記蓄電ユニットの数が増えるように前記スイッチを少なくとも1回切り替える。
【0027】
本発明の第9の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクを充電するための充電器と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループの各々について同じ蓄電ユニットに対して、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電することを時分割で繰り返し行うように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【0028】
本発明の第10の態様は、1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループの各々について同じ蓄電ユニットが負荷への直接放電を時分割で繰り返し行うように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る蓄電システムは、蓄電バンクの内部抵抗やバランス回路の特性などの影響により充放電状態のばらつきを補正するバランス回路のみでは補正に時間を要する場合においても、蓄電バンクの均等化を効率的に行うことができる。
【0030】
また、本発明に係る蓄電システムは、蓄電バンク及び/又は充電器の電圧値に応じて充電器ならびに負荷に接続されるタップを適切に選択することで、蓄電バンクの電圧を均一に保ちつつ、DC−DCコンバータなどを用いることなく充電器からの充電電圧ならびに負荷への放電電圧をある任意の範囲内に抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来のキャパシタ電源装置の回路図である。
【図2】従来のキャパシタ電源装置の回路図である。
【図3】図2に示すキャパシタ電源装置を用いてキャパシタモジュールの放電を行った場合の出力電圧(上)、及びキャパシタの電圧カーブ(下)を示したグラフである。
【図4】本発明の実施例1に係る蓄電システムの回路図である。
【図5】実施例1に係る蓄電システムにおいて充電を行った場合の充電器電圧(上)、及びキャパシタバンクの充電カーブ(下)である。
【図6】本発明の実施例2に係る蓄電システムの回路図である。
【図7】実施例1に係る蓄電システムにおいて、均等化能力に制限があるバランス回路を用いてキャパシタモジュールの充電を行った際における一部のキャパシタバンクの充電波形の一例である。
【図8】本発明の実施例3に係る蓄電システムの回路図である。
【図9】本発明の実施例4に係る蓄電システムの回路図である。
【図10】実施例4においてS39aとS13bを選択して充電を行っている状態を示す図である。
【図11】実施例4において2グループにグループ化されたキャパシタユニットが時分割で充電されている状態を示す図である。
【図12】実施例4において3グループにグループ化されたキャパシタユニットが時分割で充電されている状態を示す図である。
【図13】実施例4において4グループにグループ化されたキャパシタユニットが時分割で充電されている状態を示す図である。
【図14A】実施例4に係る蓄電システムにおいて、均等化能力に制限があるバランス回路を用いてキャパシタモジュールの充電を行った際における一部のキャパシタバンクの充電波形の一例である。
【図14B】実施例4に係る蓄電システムにおいて、均等化能力に制限があるバランス回路を用いてキャパシタモジュールの充電を行った際における一部のキャパシタバンクの充電波形の一例である。
【図15】本発明の実施例4の変形例に係る蓄電システムの回路図である。
【図16】本発明の実施例5に係る蓄電システムの回路図である。
【図17】実施例5に係る蓄電システムにおいて放電を行った場合の負荷電圧(上)、及びキャパシタバンクの放電カーブ(下)である。
【図18】本発明の実施例6に係る蓄電システムの回路図である。
【図19】本発明の実施例7に係る蓄電システムの回路図である。
【図20】本発明の実施例8の係る蓄電システムの回路図である。
【図21】実施例8において4グループにグループ化されたキャパシタユニットが時分割で放電している状態を示す図である。
【図22】実施例8において3グループにグループ化されたキャパシタユニットが時分割で放電している状態を示す図である。
【図23】実施例8においてS39aとS13bを選択して放電を行っている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。なお、以下の説明において、「キャパシタバンク」とは、単数のキャパシタセル、又は複数のキャパシタセルの直列、並列、若しくは直並列接続により構成されるものを指し、「キャパシタユニット」とは、単数のキャパシタバンク、又は直列に接続された複数のキャパシタバンクにより構成されるものを指し、「キャパシタモジュール」とは、キャパシタユニットが複数直列に接続されてなるものを指している。また、「蓄電セル」とは、キャパシタ、二次電池等を指している。「蓄電バンク」とは、単数の蓄電セル、又は複数の蓄電セルの直列、並列、若しくは直並列接続により構成されるものを指し、「蓄電ユニット」とは、単数の蓄電バンク、又は直列に接続された複数の蓄電バンクにより構成されるものを指し、「蓄電モジュール」とは、蓄電ユニットが複数直列に接続されてなるものを指している。
【0033】
[実施例1]
図4は本発明の実施例1に係る蓄電システムの回路図である。本実施例では、定格電圧Vcのキャパシタバンクをm個直列接続して構成したキャパシタモジュール109において、h個のキャパシタバンクからなるキャパシタユニットごとにn個のタップを設け、バランス回路105を備えたキャパシタモジュールに充電器112を用いて電圧Vinにてフル充電(両端子間電圧=Vc×m)する場合について、m=100、n=51、h=2の場合を例として説明する。
【0034】
ここで、バランス回路は、蓄電モジュールを構成する蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するための回路であり、充電及び放電の両方の期間に、各蓄電バンク間でのエネルギー伝送、つまりバランス動作を行うことができる。バランス回路は、大別してキャパシタを用いる方法、コイルを用いる方法、トランスを用いる方法に大別されるが、それぞれについての具体的な回路については種々のものが知られている(例えば特許文献2、非特許文献1参照)。
【0035】
図4に戻り、スイッチS2a〜S51aはスイッチ群110を構成しており、キャパシタユニットの直列接続点の各々から取り出されたタップと充電器112の高電位側端子101との間に接続されている。C1〜C100はキャパシタバンクである。スイッチS2a〜S51aはいずれか一つのスイッチがオンしており、充電器112の高電位側端子101と直結されている。充電器の低電位側端子102はキャパシタモジュールのグラウンド0と固定接続されている。電圧検出回路106は、キャパシタモジュール109を構成する全てのキャパシタバンク又は一部のキャパシタバンクの電圧を検出する。この電圧検出結果を電圧判定回路107において基準電圧と比較し、その比較結果に基づいてスイッチ制御回路108がスイッチを切り替えることにより、充電器からの充電電圧はある任意の範囲内、例えば充電器の許容変動電圧内に収まるよう制御される。
【0036】
図5は図4の構成において充電を行った場合の充電器電圧(上)及びキャパシタバンクの充電カーブ(下)である。ここではバランス回路の動作が理想的であり、いかなる条件においてもキャパシタモジュールを構成する各キャパシタバンクの電圧はバランス回路により均一に保たれているものとして説明を行う。
【0037】
まず、スイッチ制御回路108によってスイッチS51aがオンにされると、スイッチS51aと接続されているタップの低電位側のキャパシタユニット、つまり全てのキャパシタバンクが充電器から直接充電される。
【0038】
充電が進行するにつれて、各キャパシタバンクの電圧は上昇してゆき、充電器電圧はVinに到達する。この時、各キャパシタバンクの電圧が均一であれば、各バンクの電圧はVin/100である。電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいて電圧判定回路107により充電器電圧がVinに到達したと判断されると、スイッチ制御回路108はスイッチS51aをオフすると同時にS50aをオンし、これにより充電器112とキャパシタモジュール109を接続するタップを一つ分下位側へとシフトさせる。これにより、充電器電圧はキャパシタバンクC100とC99の電圧分つまり(2×Vin)/100だけ低くなる。この時、充電器からの電力はS50aと接続されているタップの低電位側のキャパシタユニットに供給され、つまりC1〜C98のキャパシタバンクが充電器から直接充電される。C100とC99のキャパシタバンクに関してはバランス回路経由でC1〜C98のキャパシタバンクから電荷を受け取ることにより充電される。
【0039】
充電が更に進行し、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいて電圧判定回路107により充電器電圧が再びVinに到達したと判断されると、スイッチ制御回路108はスイッチS50aをオフすると同時にS49aをオンすることで充電器112とキャパシタモジュール109を接続するタップを更に一つ分下位側へとシフトさせる。これにより、充電器電圧はキャパシタバンクC98とC97の電圧分つまり(2×Vin)/98だけ低くなる。この時、S49aと接続されているタップの低電位側のキャパシタユニット、つまりC1〜C96のキャパシタバンクが充電器から直接充電される。C97〜C100のキャパシタバンクに関してはバランス回路経由でC1〜C96のキャパシタバンクから電荷を受け取ることにより充電される。
【0040】
以下同様に、スイッチS49a〜S2aを充電器電圧に応じて順次切り替えることにより、充電器電圧をある任意の範囲内に抑えつつ、各キャパシタを均一に充電することができる。
【0041】
以上の操作は充電器により直接充電されるキャパシタバンクの定格電圧の合計値が充電器による充電電圧Vinより小さくなるまで繰り返す。充電器により直接充電されるキャパシタバンクの直列数をxとすると、x×Vc<Vinを満たすまで上記のグループ化充電を繰り返す。以上の操作を繰り返すことで各キャパシタバンクへの充電がより均等に行われ、その結果、充電時間も短縮化することができる。
【0042】
[実施例2]
図6は本発明の実施例2に係る蓄電システムの回路図である。同図において図4と対応する部分には同一符号を付し、実施例1と同様の部分の説明は省略する。
【0043】
実施例1は、充電器112の高電位側端子101がスイッチ群110を介してキャパシタモジュール109の各タップと接続された構成であるのに対し、本実施例は、充電器112の低電位側端子102とキャパシタモジュール109の間にS1b〜S50bから構成されるスイッチ群111を設けている。本実施例では、スイッチは、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいてスイッチ制御回路108によりS1b、S2b、・・・、S50bの順で切り替えられる。
【0044】
以上の例では、バランス回路の動作が理想的であり、いかなる条件においてもキャパシタモジュールを構成する各キャパシタバンクの電圧はバランス回路により均一に保たれているという前提のもとで説明を行った。しかし、実際にはバランス回路の特性は理想的ではなく、均等化能力の制限やキャパシタバンクの等価直列抵抗の存在等により、キャパシタバンクの電圧のばらつきが発生することになる。
【0045】
実施例1の構成(m=25、n=26、h=1、C1とC25のキャパシタバンクの容量は他のキャパシタバンクの容量の2倍)にて均等化能力に制限があるバランス回路を用いてキャパシタバンクC5とC6との間の直列接続点に接続されるのスイッチS5aを介してキャパシタモジュールの充電を行った際における一部のキャパシタバンクC1、C5、C10、C15、C20、C25の充電波形の一例を図7に示す。充電過程において各キャパシタバンクは均一に充電されていないことが分かる。充電器から直接充電されないキャパシタバンク(S5aより高電位側のキャパシタバンクC6〜C25)は、直接充電されるキャパシタバンク(S5aより低電位側のキャパシタバンクC1〜C5)からバランス回路経由で電荷を受け取ることにより充電されるが、バランス回路が電荷を低電位側から高電位側へと電荷を受け渡す速度が十分でないため、高電位側のバンクの電圧は低電位側のバンクの電圧よりも低くなる傾向を示し、また、充電器から電気的に遠い位置のバンクほど充電の進行が遅くなる。バランス回路の機能により各バンクの電圧はいずれ収束するが、各バンクの電圧が十分に均等化されるまでには長い時間を要する。また、一部のキャパシタバンクC1で充電電圧のオーバーシュート現象(過充電)が見られる。
【0046】
[実施例3]
図8は本発明の実施例3に係る蓄電システムの回路図である。同図において図4と対応する部分には同一符号を付し、実施例1と同様の部分の説明は省略する。
【0047】
実施例1は充電器の低電位側端子102とキャパシタモジュール109のグラウンド0が直接接続された構成であるのに対し、本実施例では、低電位側端子102は、キャパシタモジュール109のグラウンド0と直接接続されておらず、キャパシタバンクC2とC3の直列接続点と固定接続されている。
【0048】
本実施例では、スイッチは、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいてスイッチ制御回路108によりS51a、S50a、・・・、S3aの順で切り替えられる。
【0049】
実施例1の構成における充電過程の末期では、スイッチS2aがオンしており、C1とC2の2つのキャパシタバンクが直接充電され、その他のキャパシタバンクはバランス回路経由で充電が行われている。この時、C100のキャパシタバンクは充電器112から最も電気的に離れており(98バンク分)、バランス回路の特性が理想的ではない場合、充電過程において最も低い電圧を示すことになる。
【0050】
実施例1では充電器112の低電位側端子102がキャパシタモジュール109のグラウンド0と接続された構成であったが、本実施例のように充電器の低電位側端子とキャパシタモジュールのグラウンド端子が直接接続されていない構成においては、充電末期におけるバランス回路とキャパシタバンクの電気的距離を実施例1の構成と比べて短くすることが可能である。
【0051】
本実施例では充電器の低電位側端子102はキャパシタバンクC2とC3の直列接続点と固定接続されているため、充電器112はC1とC2のキャパシタバンクを直接充電することは出来ない。しかし、C1とC2のキャパシタバンクはバランス回路105を経由して他のキャパシタバンクから電荷を受け取ることにより充電される。
【0052】
本実施例における充電過程の末期では、スイッチS3aがオンとなり、C3とC4のキャパシタバンクが直接充電され、その他のバンクはバランス回路経由で充電が行われる。充電器112から最も電気的に離れているC100のキャパシタバンクは、実施例1の図4の構成においては98バンク分離れていたのに対して、本実施例の構成では充電器112の低電位側端子102が2バンク分だけ高電位側(C2とC3の直接接続点)に接続されているため、実施例1の図4の構成よりも充電器に2バンク分だけ近い96バンク分の距離である。よって、充電過程の末期において実施例1の図4の構成よりもキャパシタバンクの電圧ばらつきを小さく抑えることが可能となる。
【0053】
本実施例の構成で充電過程の末期においてキャパシタバンクの電圧ばらつきが最も小さくなるようにするには、充電器112の高電位側端子101と低電位側端子102をそれぞれS27aとS26a、もしくはS26aとS25aに接続すればよい。
【0054】
以上の実施例において、スイッチの位置や個数等のレイアウトは、必要に応じて適宜変更することができる。
【0055】
[実施例4]
図9は本発明の実施例4に係る蓄電システムの回路図である。同図において図4と対応する部分には同一符号を付し、実施例1と同様の部分の説明は省略する。
【0056】
上述のように、実施例3の構成で充電過程の末期においてキャパシタバンクの電圧ばらつきが最も小さくなるようにするには、充電器112の高電位側端子101と低電位側端子102をそれぞれスイッチS27aとS26a、もしくはスイッチS26aとS25aに接続すればよいことになる。しかし、この場合は充電の初期においても充電器から電気的に離れたバンク(C1などの低電位側に位置するバンク)が存在することになるためバンク、充電末期のばらつきは低減される半面、充電の初期段階においても電圧ばらつきが発生してしまう。本実施例は、これに限られるものではないが、このような問題点を解決するものである。
【0057】
本実施例では、実施例1の場合と同様に、定格電圧Vcのキャパシタバンクをm個直列接続しh個のキャパシタバンクからなるキャパシタユニットごとにn個のタップ(それぞれn個のスイッチで構成される第一スイッチ群と第二スイッチ群)を設け、バランス回路105を備えた蓄電装置に充電器112を用いて電圧Vinにてフル充電(両端子間電圧=Vc×m)する場合について、m=100、n=51、h=2を例として説明する。
【0058】
スイッチS2a〜S51aは第一スイッチ群110’を、スイッチS1b〜S50bは第二スイッチ群111’をそれぞれ構成しており、キャパシタユニットの直列接続点の各々から取り出されたタップと充電器112の高電位側端子101、低電位側端子102との間にそれぞれ接続されている。
【0059】
次に、本実施例の動作を説明する。まず充電の初期段階では、スイッチ制御回路108によってスイッチS51aとS1bがオンにされ充電が行われる。この時、キャパシタモジュール109の全てのキャパシタバンクが充電器112から直接充電される。
【0060】
充電が進行するにつれて、各キャパシタバンクの電圧は上昇してゆき、充電器電圧はVinに到達する。電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいて電圧判定回路107により充電器電圧がVinに到達したと判断されると、スイッチ制御回路108はスイッチS51aをオフすると同時にスイッチS50aをオンし、これにより充電器112の高電位側端子101とキャパシタモジュール109を接続するタップを一つ分下位側へとシフトさせる。この時、C1〜C98のキャパシタバンクは充電器によりバランス回路を介さずに直接充電され、C99とC100のキャパシタバンクはバランス回路経由で充電が行われる。
【0061】
さらに充電が進行し、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいて電圧判定回路107により充電器電圧が再びVinに到達したと判断されると、スイッチ制御回路108はスイッチS1bをオフすると同時にスイッチS2bをオンし、これにより充電器112の低電位側端子102とキャパシタモジュール109を接続するタップを一つ分上位側へとシフトさせる。この時、C3〜C98のキャパシタバンクは充電器によりバランス回路を介さずに直接充電され、C1、C2、C99、C100のキャパシタバンクはバランス回路経由で充電が行われる。
【0062】
このように、充電の進行に伴い、充電器の高電位側端子101と低電位側端子102に接続されるタップを順次切り替えるがこのとき、図10に示すようにキャパシタモジュール109を構成する直列接続キャパシタバンクの中央付近のバンク(C50、C51)が充電器により直接充電されるキャパシタバンクの中央となるようにする。図10は、C50とC51が充電器により直接充電されるキャパシタバンクの中央となるようにスイッチを順次切り替えてゆき、S39aとS13bが選択され、C25〜C76の計52のキャパシタバンクが充電器により直接充電されている状態を示している(簡略化のため、バランス回路や非動作のスイッチ等は省略している)。その他のC1〜C24とC77〜C100のキャパシタバンクはバランス回路経由で充電が行われる。このようなスイッチの切り替えを行うことにより、バランス回路経由で充電されるキャパシタバンクと充電器の電気的距離を極力短くなるようにすることができる。
【0063】
さらに充電が進み、充電器により直接充電されるキャパシタバンクの直列数がキャパシタモジュール109におけるキャパシタバンクの総直列数mの半分よりも少なくなった場合、キャパシタモジュール109のキャパシタバンクを、m×1/4、m×3/4、つまりC25、C75あたりのバンクが充電器により直接充電される直列接続キャパシタバンクの中心になるように2つのグループにグループ化し、グループ化された2つのグループのそれぞれに対して、スイッチ制御回路108はスイッチを選択し、時分割で充電器により充電を行う。
【0064】
図11はC25、C75あたりのバンクが充電器により直接充電される直列接続キャパシタバンクの中心になるように、スイッチ制御回路108がスイッチS47aとS29b、スイッチS22aとS4bを選択し、C57〜C92のキャパシタバンクとC7〜C42のキャパシタバンクが交互に時分割で充電器により直接充電されている状態を示している。
【0065】
スイッチ制御回路108がスイッチS47aとS29bを介して充電を行っている期間はC57〜C92のキャパシタバンクは充電器により直接充電され、その他のキャパシタバンクはバランス回路経由で充電される。また、スイッチ制御回路108がS22aとS4bを介して充電を行っている期間はC7〜C42のキャパシタバンクが充電器により直接充電され、その他のキャパシタバンクはバランス回路経由で充電されることになる。このとき、各キャパシタバンクの電圧をなるべく均一に保つという観点において、各キャパシタユニットが充電器により直接充電される時間が等しくなるようS47aとS29b、S22aとS4bを交互に切り替えるのが望ましい。
【0066】
以下同様にして、さらに充電が進み、充電器により直接充電されるキャパシタバンクの直列数がキャパシタモジュール109におけるキャパシタバンクの総直列数の1/3よりも少なくなった場合、キャパシタモジュール109のキャパシタバンクを、m×1/6、m×3/6、m×5/6、つまりC17、C50、C83あたりのバンクが充電器により直接充電される直列接続キャパシタバンクの中心になるように3つのグループにグループ化し、グループ化された3つのグループのそれぞれに対して、スイッチ制御回路108はスイッチを選択し、時分割で充電器により充電を行う。図12は、スイッチ制御回路108がスイッチS51aとS35b、スイッチS34aとS18b、スイッチS17aとS1bを選択し、C69〜C100とC35〜C66とC1〜C32のキャパシタバンクが交互に充電器により直接充電されている状態を示している。
【0067】
同様に、さらに充電が進み、充電器により直接充電されるキャパシタバンクの直列数がキャパシタモジュール109におけるキャパシタバンクの総直列数の1/4よりも少なくなった場合、キャパシタモジュール109のキャパシタバンクを、m×1/8、m×3/8、m×5/8、m×7/8、つまりC13、C38、C63、C88あたりのバンクが充電器により直接充電される直列接続キャパシタバンクの中心になるように4つのグループにグループ化し、グループ化された4つのグループのそれぞれに対して、スイッチ制御回路108はスイッチを選択し、時分割で充電器により充電を行う。図13は、スイッチ制御回路108がスイッチS48aとS42b、スイッチS35aとS29b、スイッチS23aとS17b、スイッチS10aとS4bを選択し、C83〜C94、C57〜C68、C33〜C44、C7〜C18のキャパシタバンクが交互に充電器により直接充電されている状態を示している。
【0068】
いずれのグループ化充電段階においても、各キャパシタバンクの電圧をなるべく均一に保つという観点において、各キャパシタユニットが充電器により直接充電される時間が等しくなるようにスイッチを切り替えるのが望ましい。
【0069】
以上の操作は充電器により直接充電されるバンクの定格電圧の合計値が充電器による充電電圧Vinより小さくなるまで繰り返す。充電器により直接充電されるキャパシタバンクの直列数をxとすると、x×Vc<Vinを満たすまで上記のグループ化充電を繰り返す。以上の操作を繰り返すことで各キャパシタバンクへの充電がより均等に行われ、その結果、充電時間も短縮化することができる。
【0070】
上の実施例と同様の構成で、m=25、n=26、h=1、C1とC25のキャパシタバンクの容量は他のキャパシタバンクの容量の2倍の条件にて、均等化能力に制限があるバランス回路を用いた場合における一部のキャパシタバンクC1、C5、C10、C15、C20、C25の充電波形の一例を図14Aに示す。各キャパシタバンクの充電波形がよく一致しており、各キャパシタバンクが均一に充電されていることが分かる。また、各キャパシタバンクの充電時間も短いことが分かる。実施例1の例の図7と比較すると、格段の改善がなされていることが分かる。
【0071】
上の実施例では、蓄電モジュールを構成する複数の蓄電バンクがグループ化されていない状態から充電を開始したが、蓄電モジュールを構成する複数の蓄電バンクを複数のグループ化した状態から充電を開始することもできる。この場合、上の実施例では、充電器により直接充電されるキャパシタユニットの数が減るようにスイッチの切替えが行われたが、複数のグループの各々について同じキャパシタユニットに対して充電器による直接充電を時分割で繰り返し行う構成としても、バランス回路を介して充電されるキャパシタユニットに対する電気的距離を短くすることができるため、各キャパシタバンクへの充電をより均等に行うことができる。
【0072】
図12と同様の構成で、m=25、n=26、h=1、C1とC25のキャパシタバンクの容量は他のキャパシタバンクの容量の2倍、C3−C7、C11−C15、C19−C23の3グループの条件にて、均等化能力に制限があるバランス回路を用いて、この3グループの各々について同じC3−C7、C11−C15、C19−C23に対して、充電器よる直接充電を時分割で繰り返し行った際における一部のキャパシタバンクC1、C5、C10、C15、C20、C25の充電波形の一例を図14Bに示す。各キャパシタバンクの充電波形が非常によく一致しており、各キャパシタバンクが均一に充電されていることが分かる。実施例1の例の図7と比較すると、格段の改善がなされていることが分かる。また、上の実施例の図14Aと比較すると、充電に時間を要するものの、各キャパシタバンクをより均一に使用することができることが分かる。
【0073】
本実施例において、スイッチの位置や個数等のレイアウトは、複数のタップのうちの一つが充電器の一方の端子又は他方の端子と接続されるように、且つ充電器からバランス回路を介さずに直接充電される複数の蓄電ユニットの数を制御するように順次スイッチを切り替えることができるような構成であれば、適宜変更することができる。変更例としては、図15のようなものが考えられる。また、更に、例えば、太陽電池のような出力電圧が変動する場合のある充電器の場合には、出力電圧の増加に伴い、充電過程において、充電器から直接充電される蓄電ユニットの数を増やすようにスイッチを切り替える場合も考えられる。したがって、電圧検出回路による電圧検出結果に基づいて、充電器から直接充電される蓄電ユニットの数を減少させ、一定にし、又は増加させるようなスイッチの切替えを適宜組み合わせることも考えられる。
【0074】
本実施例において、充電を開始する蓄電ユニットの位置、蓄電モジュールを構成する複数の蓄電バンクの各グループ化段階におけるグループの数や各グループにおける蓄電バンクの個数等の構成は任意に選択することができる。
【0075】
以上の実施例においては、スイッチ制御回路108によるスイッチ切替えのタイミングが、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいて充電器電圧がVinに到達したと判断されたときであったが、充電器電圧が到達したと判断される電圧はVin未満の任意の電圧とすることができる。
【0076】
ここまでは充電動作について述べたが、本発明の技術は負荷に対して放電を行う場合に対しても適用することができる。
【0077】
[実施例5]
図16は、本発明の実施例5に係る蓄電システムの回路図である。同図において図4と対応する部分には同一符号を付し、実施例1と同様の部分の説明は省略する。
【0078】
本実施例の構成は上記実施例1の構成における充電器を負荷113に置き換えたものであり、基本的には充電時とは逆の動作(スイッチの切り替え順序等)を実施することで、出力電圧変動を抑えつつ、各キャパシタバンクを均一に放電させることが可能である。
【0079】
図17は図16の構成にて放電を行った際における動作波形である。実施例1の図4〜図5で説明した充電動作とは逆に、S2aがオンになっている状態からスタートし、電圧検出回路106で検出した負荷電圧を電圧判定回路107により判定することによってスイッチ制御回路108が負荷電圧がある任意の値(例えば、負荷の許容下限電圧Vlow)を下回らないようスイッチを上位側へと順次切り替えることにより負荷電圧をある任意の範囲内に抑える。負荷と直接接続されるキャパシタバンク(S2aがオンの場合、C1とC2)は負荷に対して直接放電し、その他のキャパシタバンクはバランス回路を通じて放電する。
【0080】
[実施例6]
図18は、本発明の実施例6に係る蓄電システムの回路図である。同図において図16と対応する部分には同一符号を付し、実施例5と同様の部分の説明は省略する。
【0081】
上記実施例5は負荷113の高電位側端子121とキャパシタモジュール109の間にスイッチ群110を設けた構成であるのに対し、本実施例は、低電位側端子122とキャパシタモジュール109の間にスイッチ群111を設けている。本実施例では、スイッチは、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいてスイッチ制御回路108によりS50b、S49b、・・・、S1bの順で切り替えられる。
【0082】
[実施例7]
図19は、本発明の実施例7に係る蓄電システムの回路図である。同図において図16と対応する部分には同一符号を付し、実施例5と同様の部分の説明は省略する。
【0083】
上記実施例5は負荷113の低電位側端子122とキャパシタモジュール109のグラウンド0が直接接続された構成であるのに対し、本実施例では、低電位側端子122は、キャパシタモジュール109のグラウンド0と直接接続されておらず、キャパシタバンクC2とC3の直列接続点と固定接続されている。
【0084】
本実施例では、スイッチは、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいてスイッチ制御回路108によりS3a、S4a、・・・、S51aの順で切り替えられる。
【0085】
実施例5では負荷113の低電位側端子122がキャパシタモジュール109のグラウンド0と接続された構成であったが、本実施例のように負荷の低電位側端子とキャパシタモジュールのグラウンド端子が直接接続されていない構成においては、放電初期における負荷とキャパシタバンクの電気的距離を実施例5の構成と比べて短くすることが可能である。すなわち、本実施例における放電過程の初期では、スイッチS3aがオンとなり、C3とC4のキャパシタバンクから負荷へ直接放電され、C1、C2、C5〜C100のキャパシタバンクはバランス回路経由で放電が行われる。負荷113から最も電気的に離れているC100のキャパシタバンクは、実施例5においては98バンク分離れていたのに対して、本実施例の構成では負荷113の低電位側端子122が2バンク分だけ高電位側(C2とC3の直接接続点)に接続されているため、実施例5の構成よりも充電器に2バンク分だけ近い96バンク分の距離である。よって、放電過程の初期において実施例5の場合よりもキャパシタバンクの電圧ばらつきを小さく抑えることが可能となる。
【0086】
本実施例の構成で放電過程の初期においてキャパシタバンクの電圧ばらつきが最も小さくなるようにするには、負荷113の高電位側端子121と低電位側端子122をそれぞれスイッチS27aとS26a、もしくはスイッチS26aとS25aに接続すればよい。
【0087】
以上の実施例5〜7において、スイッチの位置や個数等のレイアウトは、必要に応じて適宜変更することができる。
【0088】
[実施例8]
図20は、本発明の実施例8に係る蓄電システムの回路図である。同図において図16と対応する部分には同一符号を付し、実施例5と同様の部分の説明は省略する。
【0089】
本実施例の構成は実施例4の構成における充電器を負荷113に置き換えたものであり、基本的には充電時とは逆の動作(スイッチの切り替え順序や、キャパシタバンクのグループ化順序等)を実施することで、出力電圧変動を抑えつつ、各キャパシタバンクを均一に放電させることが可能である。本実施例では、実施例4の場合と同様に、定格電圧Vcのキャパシタバンクをm個直列接続しh個のバンクからなるキャパシタユニットごとにn個のタップ(それぞれn個のスイッチで構成される第一スイッチ群と第二スイッチ群)を設け、バランス回路105を備えた蓄電装置において、負荷113に対して放電する場合について、m=100、n=51、h=2の場合を例として説明する。
【0090】
スイッチS2a〜S51aは第一スイッチ群110’を、スイッチS1b〜S50bは第二スイッチ群111’をそれぞれ構成しており、キャパシタユニットの直列接続点の各々から取り出されたタップと負荷113の高電位側端子121、低電位側端子122との間にそれぞれ接続されている。
【0091】
次に、本実施例の動作を説明する。上述のように本実施例は基本的には充電時の実施例である実施例4の動作とは逆の動作を行うものである。そこで、ここでは例として、放電スタート時のグループ数が4つの状態、すなわちキャパシタモジュールを構成するキャパシタバンクが4つのグループにグループ化された状態からスタートする構成で説明する。
【0092】
まず放電の初期段階では、キャパシタモジュール109のキャパシタバンクを、m×1/8、m×3/8、m×5/8、m×7/8、つまりC13、C38、C63、C88あたりのバンクが負荷へ直接放電する直列接続キャパシタバンクの中心になるように4つのグループにグループ化し、グループ化された4つのグループのそれぞれに対して、スイッチ制御回路108は、各グループを構成する直列接続キャパシタバンクの中央付近のバンク(C13、C38、C63、C88あたりのバンク)が負荷へ直接放電する直列接続キャパシタバンク群の中心になるようにスイッチを選択し、時分割で負荷へ放電を行う。
【0093】
図21は、スイッチ制御回路108がスイッチS8aとS7b、S20aとS19b、S33aとS32b、S45aとS44bを選択し、C13〜C14、C37〜C38、C63〜C64、C87〜C88のキャパシタバンクが交互に負荷に対して放電している状態を示している。この4つの各グループの動作について、キャパシタバンクC13を含むグループを例にとり説明する。まずS8aとS7bがオンになっている状態からスタートする。放電が進行するにつれて、各キャパシタバンクの電圧は下降してゆき、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいて電圧判定回路107により負荷電圧が負荷の許容下限電圧Vlowに到達したと判断されると、スイッチ制御回路108はスイッチS8aをオフすると同時にスイッチS9aをオンし、これにより負荷113の高電位側端子121とキャパシタモジュール109を接続するタップを一つ分上位側へとシフトさせる。この時、C13〜C16のキャパシタバンクはバランス回路を介さずに負荷へ直接放電し、その他のキャパシタバンクはバランス回路経由で放電を行う。さらに放電が進行し、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいて電圧判定回路107により負荷電圧が再びVlowに到達したと判断されると、スイッチ制御回路108はスイッチS7bをオフすると同時にスイッチS6bをオンし、これにより負荷113の低電位側端子122とキャパシタモジュール109を接続するタップを一つ分下位側へとシフトさせる。この時、C11〜C16のキャパシタバンクはバランス回路を介さずに負荷へ直接放電し、その他のキャパシタバンクはバランス回路経由で放電を行う。このようなスイッチの切り替えを行うことにより、各キャパシタバンクが負荷へ直接放電する時間をなるべく等しくすることができ、各キャパシタバンクの電圧をなるべく均一に保つという観点において望ましい。
【0094】
放電が進み、負荷へ直接放電するキャパシタバンクの直列数が増加しキャパシタモジュール109におけるキャパシタバンクの総直列数に対して所定の割合(例えば1/4)になった場合、キャパシタモジュール109のキャパシタバンクを、m×1/6、m×3/6、m×5/6、つまりC17、C50、C83あたりのキャパシタバンクが負荷へ直接放電する直列接続キャパシタバンクの中心になるように3つのグループにグループ化し、グループ化された3つのグループのそれぞれに対して、スイッチ制御回路108は、各グループを構成する直列接続キャパシタバンクの中央付近のバンク(C17、C50、C83あたりのバンク)が負荷へ直接放電する直列接続キャパシタバンクの中心になるようにスイッチを選択し、時分割で負荷へ放電を行う。この時、前記図21の4つのグループ化した放電により、キャパシタバンクの電圧がある程度低下しているため、負荷に直接接続されるキャパシタバンクの電圧の合計値が負荷の許容下限電圧よりも高くなるようスイッチを選択する必要がある。図22は、例として、スイッチ制御回路108がスイッチS15aとS3b、スイッチS32aとS20b、スイッチS49aとS37bを選択し、C5〜C28、C39〜C62、C73〜C96のキャパシタバンクが交互に負荷へ直接放電を行っている状態を示している。各グループ内でのスイッチ制御回路108によるスイッチの切替えは、上記と同様であるので説明を省略する。
【0095】
以下同様の操作を繰り返してゆき、各グループにおける負荷へ直接放電するキャパシタバンクの電圧の合計値が負荷の許容下限電圧Vlowを下回るまで繰り返す。この操作が繰り返された場合、最終的にはS51aとS1bがオンの状態となり全てのキャパシタバンクが負荷へと直接放電を行う、つまりグループが1つになる。図23は、スイッチS39aとS13bを選択し、C25〜C76のキャパシタバンクが負荷に直接放電し、他のバンクはバランス回路を介して放電している状態を示している。放電時におけるキャパシタバンクの電圧をVdisとすると、m×Vdis<Vlowを満たすまで上記のグループ化放電を繰り返す。以上の操作を繰り返すことで各キャパシタバンクへからの放電がより均等に行われ、その結果、放電時間も長期化することができる。
【0096】
いずれのグループ化放電段階においても、各キャパシタバンクの電圧をなるべく均一に保つという観点において、各キャパシタバンクが負荷へ直接放電する時間が等しくなるようにスイッチを切り替えるのが望ましい。
【0097】
上の実施例では、負荷へ直接放電されるキャパシタユニットの数が増えるようにスイッチの切替えが行われたが、複数のグループの各々について同じキャパシタユニットが負荷への直接放電を時分割で繰り返し行う構成としても、バランス回路を介して放電されるキャパシタユニットに対する電気的距離を短くできるため、各キャパシタバンクからの放電をより均等に行うことができる。
【0098】
本実施例においても実施例4と同様に、スイッチの位置や個数等のレイアウトは、複数のタップのうちの一つが負荷の一方の端子又は他方の端子と接続されるように、且つバランス回路を介さずに負荷へ直接放電する複数の蓄電ユニットの数を制御するように順次スイッチを切り替えることができるような構成であれば、任意に変更することができる。また、例えば、負荷への放電と充電器からの充電を同時に行う場合において、充電器からの充電パワーが負荷への放電パワーを上回るときに、放電過程において、負荷へ直接放電する蓄電ユニットの数を減らすようにスイッチを切り替える場合も考えられる。したがって、電圧検出回路による電圧検出結果に基づいて、負荷へ直接放電される蓄電ユニットの数を減少させ、一定にし、又は増加させるようなスイッチの切替えを適宜組み合わせることも考えられる。
【0099】
本実施例において、放電を開始する蓄電ユニットの位置、蓄電モジュールを構成する複数の蓄電バンクの各グループ化段階におけるグループの数や各グループにおける蓄電バンクの個数等の構成は任意に選択することができる。
【0100】
また、上記実施例においては、スイッチ制御回路108によるスイッチ切替えのタイミングが、電圧検出回路106による電圧検出結果に基づいて負荷がVlowに到達したと判断されたときであったが、負荷電圧が到達したと判断される電圧はVlowよりも大きく負荷の許容上限電圧以下の任意の電圧とすることができる。
【0101】
以上の実施例では電圧検出回路106によりキャパシタモジュール109を構成する各キャパシタバンクの電圧を検出し、その検出結果を元に電圧判定回路107において基準電圧と比較し、その比較結果を元にスイッチ制御回路108によりスイッチを切り替えることにより、充電器からの充電電圧又は負荷への放電電圧をある任意の範囲内に収まるよう制御する場合について述べてきた。しかし、キャパシタモジュール109を構成する各キャパシタバンクの電圧を検出する代わりに、充電器からの充電電圧又は負荷への放電電圧を検出し、その検出結果を元にスイッチの切り替え制御を行ってもよい。この場合においてもキャパシタバンク電圧や充電器からの充電電圧ならびに負荷への放電電圧はこれまでに説明してきた特性と同様の傾向を示す。
【0102】
以上の実施例においては、h個のキャパシタバンクからなるキャパシタユニットごとにn個のタップを設けた構成について述べたが、キャパシタユニットを構成するキャパシタバンクの数(タップを設ける間隔)は、ある位置ではh個、ある位置はh+1個といったように、位置によって任意に変更してもよい。
【0103】
以上の実施例においては、各キャパシタバンクの定格電圧はVcであったが、あるキャパシタバンクはVc'、あるキャパシタバンクはVc''といったように、各キャパシタバンクによって定格電圧を任意に変更してもよい。
【0104】
以上の実施例では蓄電セルとしてキャパシタを用いた場合について述べてきたが、二次電池等の他種の蓄電バンクを用いた場合においても応用することができる。
【0105】
以上、本発明について、例示のためにいくつかの実施例に関して説明してきたが、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、形態及び詳細について、様々な変形及び修正を行うことができることは、当業者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0106】
101 充電器の高電位側端子
102 充電器の低電位側端子
105 バランス回路
106 電圧検出回路
107 電圧判定回路
108 スイッチ制御回路
109 キャパシタモジュール
110 スイッチ群
111 スイッチ群
110’第1のスイッチ群
111’第2のスイッチ群
112 充電器
113 負荷
121 負荷の高電位側端子
122 負荷の低電位側端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクを充電するための充電器と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、充電期間中に充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項2】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクを充電するための充電器と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、充電期間中に充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項3】
前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする請求項2に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする請求項2に記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットが該所定の回数のスイッチ切替え後の蓄電ユニットのグループの数よりも多いグループに再グループ化された、該蓄電ユニットのグループの数よりも多いグループのそれぞれに対して時分割で、充電の進行に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを一又はそれ以上行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の蓄電システム。
【請求項6】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、放電期間中に放電状態に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電バンクから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電する前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項7】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、放電期間中に放電状態に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電バンクから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電する前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項8】
前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、放電状態に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記負荷から前記バランス回路を介さずに直接放電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする請求項7に記載の蓄電システム。
【請求項9】
前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットを該所定の回数のスイッチ切替え後の蓄電ユニットのグループの数よりも少ないグループに再グループ化された、該蓄電ユニットのグループの数よりも少ないグループのそれぞれに対して時分割で、放電状態に応じて、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電モジュールから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電される前記複数の蓄電ユニットの数を制御するように前記スイッチを順次切り替えることを一又はそれ以上行うことを特徴とする請求項8に記載の蓄電システム。
【請求項10】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクを充電するための充電器と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、充電期間中に、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項11】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクを充電するための充電器と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、充電期間中に、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項12】
前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする請求項11に記載の蓄電システム。
【請求項13】
前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする請求項11に記載の蓄電システム。
【請求項14】
前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットが該所定の回数のスイッチ切替え後の蓄電ユニットのグループの数よりも多いグループに再グループ化された、該蓄電ユニットのグループの数よりも多いグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電される前記複数の蓄電ユニットの数が減るように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを一又はそれ以上行うことを特徴とする請求項12又は13に記載の蓄電システム。
【請求項15】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、放電期間中に、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電バンクから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電する前記蓄電ユニットの数が増えるように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項16】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、放電期間中に、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電バンクから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電する前記蓄電ユニットの数が増えるように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項17】
前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接放電される前記蓄電ユニットの数が増えるように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを特徴とする請求項16に記載の蓄電システム。
【請求項18】
前記スイッチ制御部は更に、所定の回数のスイッチ切替え後、前記複数の蓄電ユニットを該所定の回数のスイッチ切替え後の蓄電ユニットのグループの数よりも少ないグループに再グループ化された、該蓄電ユニットのグループの数よりも少ないグループのそれぞれに対して時分割で、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電モジュールから前記バランス回路を介さずに直接前記負荷へ放電される前記蓄電ユニットの数が増えるように前記スイッチを少なくとも1回切り替えることを一又はそれ以上行うことを特徴とする請求項17に記載の蓄電システム。
【請求項19】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクを充電するための充電器と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記充電器の電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記充電器の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループの各々について同じ蓄電ユニットに対して、前記充電器から前記バランス回路を介さずに直接充電することを時分割で繰り返し行うように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システム。
【請求項20】
1つの蓄電バンク又は直列に接続された複数の蓄電バンクから構成される蓄電ユニットが複数直列に接続されてなる蓄電モジュールと、
前記蓄電バンクから電力供給される負荷と、
前記蓄電モジュールに接続され、前記蓄電バンクの充放電状態のばらつきを補正するバランス回路と、
一又はそれ以上の前記蓄電バンクの電圧及び/又は前記蓄電バンクから前記負荷への放電電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電モジュールの一方の端子及び/又は前記蓄電モジュールの他方の端子及び/又は前記複数の蓄電ユニットの直列接続点の一又はそれ以上の各々からスイッチを介して取り出される複数のタップと、
前記複数のタップのうちの一つが前記負荷の一方の端子又は他方の端子と接続されるよう前記スイッチを切り替えるスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、前記複数の蓄電ユニットが複数のグループにグループ化された、該複数のグループの各々について同じ蓄電ユニットが負荷への直接放電を時分割で繰り返し行うように前記スイッチを順次切り替えることを特徴とする蓄電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−55649(P2011−55649A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202684(P2009−202684)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【Fターム(参考)】