説明

バルブシステムアセンブリ

【課題】バルブ軸アダプターはバルブ軸に固定され、両者間での分配可能な流体の漏洩を防止しつつ、出口孔を通って流出するアセンブリーを作成する。
【解決手段】バルブ本体24と、内部に滑動可能に配置されるバルブ軸28とを備える流体ディスペンサー用のバルブアセンブリ22であり、バルブ軸28は、先端に配置される出口孔32を有する。バルブ軸アダプタ38はバルブ軸の先端に取り付けられる。バルブ軸アダプタ38は、バルブアセンブリ22から分配可能な流体を排出可能にするための少なくとも一つのアダプタ出口孔52を備える。容器12と、容器12の内部に配置される分配可能な流体用の内部バッグと、バルブ軸の先端に取り付けられるバルブ軸アダプタを有するバルブアセンブリとを備える流体用ディスペンサーが開示される。バルブ軸アダプタは、バルブアセンブリから分配可能なアダプタ出口孔を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の主題は、流体のディスペンサーに関する。より詳細には、本明細書に開示の主題は、流体ディスペンサー用のバルブシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のディスペンサーの一例は、炭化水素燃料用のものであり、典型的に加圧された有機高圧ガス(organic pressurized propellant)が封じられている外側容器と、分配する流体が収容される内側バッグと、内側バックから流体を調節して分配することが可能な通常は閉じられたバルブとを含む。バルブアセンブリは通常は容器キャップ内に配置され、それに固定されている。バルブ軸が滑動可能に配置されているバルブ本体の中にバルブ軸を押し込むことによって、バルブが動作する。バルブ軸が押されると、分配される流体がバルブのバルブ本体を通して内部バッグから流れ、バルブ軸内の一つまたは複数のオリフィスを通って流れ出す。オリフィスは、通常バルブ軸の端面上に配置されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様によると、流体ディスペンサー用のバルブアセンブリは、バルブ本体と、バルブ本体内に滑動可能に配置されたバルブ軸とを備える。バルブ軸は、バルブ軸の先端に配置された少なくとも一つの出口孔を有する。バルブ軸アダプタがバルブ軸の先端に配置され、それに取り付けられている。バルブ軸アダプタは少なくとも一つのアダプタ出口孔を備えており、これによりバルブアセンブリから分配される流体を出すことができる。
【0004】
本発明の別の態様によると、流体用ディスペンサーは、容器と、容器内部に配置された分配可能な流体用の内部バッグと、容器を通って延び内部バッグと流体連通しているバルブアセンブリとを備える。バルブアセンブリは、バルブ本体と、バルブ本体内に滑動可能に配置されたバルブ軸とを備える。バルブ軸は、バルブ軸の先端に配置された少なくとも一つの出口孔を有する。バルブ軸アダプタがバルブ軸の先端に配置され、それに固定されている。バルブ軸アダプタは少なくとも一つのアダプタ出口孔を備えており、これによりバルブアセンブリから分配される流体を出すことができる。
【0005】
これらのおよび他の利点並びに特徴は、図面と共に述べられる以下の説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
発明とみなされる主題は、明細書の最後の特許請求の範囲に特に指摘され明瞭に請求されている。本発明の上述のおよび他の特徴並びに利点は、添付の図面と共に述べられる以下の詳細な説明から明らかになる。
【0007】
【図1】分配可能な流体用ディスペンサーの一実施形態の部分図である。
【図2】バルブアセンブリの一実施形態の断面図である。
【0008】
詳細な説明では、図面を例示として参照して、本発明の実施形態を利点および特徴と共に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、分配可能な流体用のディスペンサー10の一実施形態を示す。ディスペンサー10は、外部容器12と、容器の内部に配置される内部バッグ14とを備える。外部容器12内にはある量の高圧ガス(propellant)が配置され、また内部バッグ14内にはある量の分配可能な流体が配置されている。外部容器12は、本体16と、本体16に固定されたキャップ18とを備える。
【0010】
次に図2を参照すると、キャップ18は少なくとも一つのキャップ開口部20を備えており、キャップ開口部20内にはバルブアセンブリ22が配置される。バルブアセンブリ22はバルブ本体24を備え、一部の実施形態ではバルブ本体24はキャップ18に取り付けられている。バルブ本体24はバルブ本体開口部26を備える環状の断面を有し、その中にバルブ軸28が配置される。バルブ軸28はバルブ本体開口部26から容器12の外側30に向けて延びる。バルブ軸28は一つ以上の出口孔32を備えており、一部の実施形態ではこれらはバルブ軸の先端34に配置される。バルブアセンブリ22は、容器12の内部36に向けてバルブ軸28が押し込まれるときに、分配可能な流体がバルブ本体24およびバルブ軸28を通り抜け、一つ以上の出口孔32を通って流れ出ることができるように構成される。
【0011】
バルブアセンブリ22は、バルブ軸先端34に配置されるバルブ軸アダプタ38を備える。バルブ軸アダプタ38は環状の開口端40を有し、開口端40の直径42は、バルブ軸アダプタ38がバルブ軸28に適合するように、バルブ軸の直径44よりも大きい。一部の実施形態では直径42よりも小さな流路径48を有しているアダプタ流路46が、開口端40からバルブ軸アダプタ38のアダプタ先端50に向けて延びている。一部の実施形態では、バルブ軸アダプタ38は一つ以上のアダプタ出口孔52を備え、バルブ軸先端34の出口孔32から流れる分配可能な流体がアダプタ出口孔52を通り、バルブアセンブリ22から排出される。一部の実施形態では、アダプタ出口孔52は、アダプタ流路46からバルブ軸アダプタ38の側壁54を通って実質的に半径方向に延びる。
【0012】
一部の実施形態では、バルブ軸アダプタ38は例えばアセタールなどのプラスチック材料で形成されるが、他の材料の利用も本発明の範囲内で考慮されている。バルブ軸アダプタ38はバルブ軸28に固定されており、両者間での分配可能な流体の漏洩を防止している。バルブ軸アダプタ38は、例えば超音波溶接によって固定されてもよいし、または圧入などの適切な他の手段によって、あるいは接着剤によって固定されてもよい。
【0013】
限られた数の実施形態のみに関連して本発明を詳細に説明したが、本発明がこれらの開示された実施形態に限定されないことは容易に理解されなければならない。むしろ、本発明は、上記で説明されていないが本発明の精神および範囲と整合する任意の数の変更、変形、代替または等価の構成を包含するように修正することができる。加えて、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明の態様は、説明された実施形態の一部のみを含むものであってもよいことを理解すべきである。したがって、本発明は上述の説明により限定を受けるとみなされるべきではなく、添付の請求項の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ディスペンサー用のバルブアセンブリであって、
バルブ本体と、
前記バルブ本体内に移動可能に配置され、その先端に配置される少なくとも一つの出口孔を有しているバルブ軸と、
前記バルブ軸の先端に配置され先端に取り付けられているバルブ軸アダプタであって、バルブアセンブリからの分配可能な流体の排出を可能にするための少なくとも一つのアダプタ出口孔を備えている、バルブ軸アダプタと、
を備えることを特徴とするバルブアセンブリ。
【請求項2】
前記バルブ軸アダプタは、前記バルブ軸の先端に配置される開口端を備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項3】
前記バルブ軸アダプタは、開口端からアダプタ先端に向かって延びる少なくとも一つのアダプタ流路を備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項4】
前記バルブ軸アダプタは、分配可能な流体を分配するための一つ以上のアダプタ出口孔を備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項5】
前記一つ以上のアダプタ孔は、前記バルブ軸アダプタの側壁を通って延びることを特徴とする請求項4に記載のバルブアセンブリ。
【請求項6】
前記一つ以上のアダプタ孔は、前記バルブ軸アダプタの中心軸に対して実質的に半径方向に延びることを特徴とする請求項5に記載のバルブアセンブリ。
【請求項7】
前記バルブ軸アダプタはプラスチック材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項8】
前記バルブ軸アダプタは、超音波溶接、接着剤または圧入のうち少なくとも一つによって前記バルブ軸に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項9】
容器と、
前記容器の内部に配置される分配可能な流体用の内部バッグと、
前記容器を通って延び前記内部バッグと流体連通するバルブアセンブリと、
を備える流体用のディスペンサーであって、
前記バルブアセンブリは、
バルブ本体と、
前記バルブ本体内に移動可能に配置され、その先端に配置される少なくとも一つの出口孔を有しているバルブ軸と、
前記バルブ軸の先端に配置され先端に取り付けられているバルブ軸アダプタであって、バルブアセンブリからの分配可能な流体の排出を可能にするための少なくとも一つのアダプタ出口孔を備えている、バルブ軸アダプタと、
を備えることを特徴とするディスペンサー。
【請求項10】
前記バルブアセンブリは前記容器のキャップを通って延びることを特徴とする請求項9に記載のディスペンサー。
【請求項11】
前記バルブ軸アダプタは、前記バルブ軸の先端に配置される開口端を備えることを特徴とする請求項9に記載のディスペンサー。
【請求項12】
前記バルブ軸アダプタは、開口端からアダプタ先端に向かって延びる少なくとも一つのアダプタ流路を備えることを特徴とする請求項9に記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記バルブ軸アダプタは、分配可能な流体を分配するための一つ以上のアダプタ出口孔を備えることを特徴とする請求項9に記載のディスペンサー。
【請求項14】
前記一つ以上のアダプタ孔は、前記バルブ軸アダプタの側壁を通って延びることを特徴とする請求項13に記載のディスペンサー。
【請求項15】
前記一つ以上のアダプタ孔は、前記バルブ軸アダプタの中心軸に対して実質的に半径方向に延びることを特徴とする請求項14に記載のディスペンサー。
【請求項16】
前記バルブ軸アダプタはプラスチック材料で形成されることを特徴とする請求項9に記載のディスペンサー。
【請求項17】
前記バルブ軸アダプタは、超音波溶接、接着剤または圧入のうち少なくとも一つによって前記バルブ軸に取り付けられることを特徴とする請求項9に記載のディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−265037(P2010−265037A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109354(P2010−109354)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(510129738)パワーズ プロダクツ サード,リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】