説明

バルブ開閉表示装置

【課題】既設のバルブあるいは汎用の一般的なバルブにも適用できるバルブ開閉表示装置を提供する。
【解決手段】バルブ回転軸3bと平行に設置される筒状ガイド6と、この筒状ガイド内に軸線方向に移動可能にかつ周方向に回動可能に設置されたスライダ7と、このスライダから筒状ガイドに形成されたスロット8を通って筒状ガイドの外に伸び出すレベル棒9とを備える。スロット8は、レベル棒8が、バルブ3が開状態にあるときにハンドル3aの下面付近に位置してバルブを閉める操作を制限するバルブ開保持位置と、バルブ3が閉状態にあるときにハンドル3aの上面付近に位置してバルブを開く操作を制限するバルブ閉保持位置と、バルブ3の開閉操作に邪魔にならない待避位置とを行き来できる形に形成されている。レベル棒3がバルブのハンドル3aの下面側にあるか、上面側にあるかによって、バルブが開状態にあるか、閉状態にあるかを目視で簡単に識別できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブが開状態にあるか、閉状態にあるかを簡単に識別できるバルブ開閉表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、OFケーブルで構成される送電線路においては、温度変化により絶縁油が膨張・収縮するため、油量が変化する。このためOFケーブル線路の端末には、図13に示すようなゲージパネル1を介してプレッシャータンクが接続され、油量の調整が行われる。ゲージパネル1には、油圧を監視するための圧力計2や、油量を調整するためのバルブ3が多数取り付けられている。バルブの開閉は、ケーブル端末の組立時あるいはメンテナンス時に行われるが、最終的には各バルブ3は開又は閉の状態で保持される。
【0003】
開でなければならないバルブを誤って閉めてしまうと、油の流れが止まり、温度上昇によって油圧が上昇し、ケーブル線路の端末が油圧に耐えられなくなって破壊するといった事故が発生するおそれがある。このためゲージパネル1の各バルブ3には、開閉状態を識別するための色がつけられていて、作業員がバルブを一つ一つ手で触って開状態にあるか、閉状態にあるかを確認していた。このようにゲージパネル1に取り付けられた多数のバルブ3は、作業員が手で触ることでしか開閉状態を確認できず、目視では確認できない構造であるため、人為的なミスを引き起こすおそれがあった。
なお、同様のゲージパネルは、超高圧架橋ポリエチレン絶縁ケーブル線路に設けられるシリコーン油を使用した湿式端末にも使用されている。
【0004】
一方、特許文献1、2には、開閉状態を目視で確認できるバルブが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−275891号公報
【特許文献2】特開2001−153259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来提案されているバルブ開閉表示装置は、バルブ自体に組み込まれるものであるため、既設のバルブあるいは汎用の一般的なバルブには適用できない。
本発明の目的は、既設のバルブあるいは汎用の一般的なバルブにも適用できるバルブ開閉表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のバルブ開閉表示装置は、バルブ回転軸と平行に設置される筒状ガイドと、この筒状ガイド内に軸線方向に移動可能にかつ周方向に回動可能に設置されたスライダと、このスライダから前記筒状ガイドに形成されたスロットを通って筒状ガイドの外に伸び出すレベル棒とを備え、
前記スロットは、前記レベル棒が、バルブが開状態にあるときにハンドルの下面付近に位置してバルブを閉める操作を制限するバルブ開保持位置と、バルブが閉状態にあるときにハンドルの上面付近に位置してバルブを開く操作を制限するバルブ閉保持位置と、バルブの開閉操作に邪魔にならない待避位置とを行き来できる形に形成されており、
前記レベル棒は、前記バルブ開保持位置、バルブ閉保持位置及び待避位置にそれぞれ保持できるようになっている、
ことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の装置において、筒状ガイド及びスライダには、レベル棒がバルブ開保持位置にあるときと、バルブ閉保持位置にあるときに一致するピン穴が形成されており、筒状ガイド及びスライダのピン穴が一致したときにそのピン穴にストッパーピンを挿入してレベル棒をバルブ開保持位置又はバルブ閉保持位置に保持するようになっていることが好ましい。
【0009】
本発明の装置において、スライダの上端には筒状ガイドと同軸状に表示棒が取り付けられており、この表示棒は、レベル棒がバルブ開保持位置にあるときには先端が筒状ガイドの先端から突出し、レベル棒がバルブ閉保持位置にあるときには先端が筒状ガイドの先端から突出しない長さに設定されていることが好ましい
【0010】
本発明の装置において、レベル棒には、筒状ガイドと平行に表示棒が取り付けられており、この表示棒は、レベル棒がバルブ開保持位置にあるときには先端が筒状ガイドの先端レベルから突出し、レベル棒がバルブ閉保持位置にあるときには先端が筒状ガイドの先端レベルから突出しない長さに設定されている構成とすることもできる。
【0011】
本発明の装置において、筒状ガイドの上端には蓋が取り付けられており、この蓋とスライダとの間にはスライダを押し下げる方向にばね力を発揮するコイルばねが組み込まれている構成とすることもできる。
本発明の装置において、筒状ガイドの底とスライダとの間にはスライダを押し上げる方向にばね力を発揮するコイルばねが組み込まれている構成とすることもできる。
【0012】
本発明の装置において、筒状ガイドの下端には、バルブに接続された配管に筒状ガイドを固定するためのクランプが取り付けられている構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レベル棒がバルブのハンドルの下面側にあるか、上面側にあるかによって、バルブが開状態にあるか、閉状態にあるかを目視で簡単に識別できる。また、バルブが開状態にあるときはレベル棒がハンドルの下面付近に位置してバルブを閉める操作を制限するので、作業者が誤ってバルブを閉めてしまうのを防止でき、かつ、バルブが閉状態にあるときはレベル棒がハンドルの上面付近に位置してバルブを開く操作を制限するので、作業者が誤ってバルブを開いてしまうのを防止できる。このためバルブの開閉状態を予め定められたとおりに維持でき、バルブを含む設備の信頼性を向上させることができる。
【0014】
また、筒状ガイド及びスライダに形成したピン穴にストッパーピンを挿入してスライダを固定できるようにすれば、レベル棒をバルブ開保持位置又はバルブ閉保持位置に、より確実に保持することができる。
【0015】
また、スライダ又はレベル棒に表示棒を取り付けておけば、バルブの開閉状態をより確実に識別することができる。
【0016】
また、筒状ガイドの蓋又は底とスライダの間にコイルばねを組み込んで、スライダを押し下げる又は押し上げる力を発揮させることによっても、レベル棒をバルブ開保持位置又はバルブ閉保持位置に、より確実に保持することができる。
【0017】
また、筒状ガイドの下端にクランプを取り付けて、筒状ガイドを配管に固定できるようにしておけば、筒状ガイドをバルブの脇に簡単に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、(A)はレベル棒がバルブ開保持位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図、(D)は(A)のD−D線矢視図。
【図2】図1と同じ実施例で、(A)はレベル棒が待避位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図、(D)は(A)のD−D線矢視図。
【図3】図1と同じ実施例で、(A)はレベル棒がバルブ閉保持位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図、(D)は(A)のD−D線矢視図。
【図4】本発明の他の実施例を示すもので、(A)はレベル棒がバルブ開保持位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図、(D)は(A)のD−D線矢視図。
【図5】図4と同じ実施例で、(A)はレベル棒が待避位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図、(D)は(A)のD−D線矢視図。
【図6】図4と同じ実施例で、(A)はレベル棒がバルブ閉保持位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図、(D)は(A)のD−D線矢視図。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示すもので、(A)はレベル棒がバルブ開保持位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図。
【図8】図7と同じ実施例で、(A)はレベル棒がバルブ閉保持位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図。
【図9】本発明のさらに他の実施例を示すもので、(A)はレベル棒がバルブ開保持位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図。
【図10】図9と同じ実施例で、(A)はレベル棒がバルブ閉保持位置にあるときの正面図、(B)は同じく平面図、(C)は(A)のC−C線矢視図。
【図11】本発明のさらに他の実施例を示すもので、(A)はレベル棒がバルブ開保持位置にあるときの要部の一部切開正面図、(B)はレベル棒が待避位置にあるときの要部の一部切開正面図、(C)はレベル棒がバルブ閉保持位置にあるときの要部の一部切開正面図。
【図12】OFケーブル線路のゲージパネルの各バルブにバルブ開閉表示装置を設置した状態を示す説明図。
【図13】OFケーブル線路の従来のゲージパネルを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
<実施例1> 図1〜図3は本発明の一実施例を示す。図において、3はバルブ、3aはバルブハンドル、3bはバルブ回転軸、3cはバルブ本体、4はバルブ本体3cに接続された配管、5は配管4に取り付けられた本発明の一実施例に係るバルブ開閉表示装置である。
【0020】
バルブ開閉表示装置5は、バルブ回転軸3bと平行に設置される筒状ガイド6と、この筒状ガイド6内に軸線方向に移動可能にかつ周方向に回動可能に設置されたスライダ7と、このスライダ7から筒状ガイド6に形成されたスロット8を通って筒状ガイド6の外に水平に伸び出すレベル棒9とを備えている。
【0021】
筒状ガイド6の下端には、配管4を把持するクランプ10が取り付けられており、筒状ガイド6はこのクランプ10によってバルブ回転軸3bと平行に設置される。ただし、筒状ガイド6をバルブ回転軸3bと平行に設置する手段は、クランプ10に限られるものではなく、別の手段であってもよい。また、筒状ガイド6の先端には蓋11が取り付けられているが、蓋11は省略することも可能である。
【0022】
筒状ガイド6のスロット8は、この実施例では、1本の軸線方向スロット8aと、この軸線方向スロット8aから周方向に分岐する2本の周方向スロット8b、8cとから構成されている。軸線方向スロット8aは筒状ガイド6のバルブ回転軸3b(の中心軸線)と対向する位置から略90°離れた位置に形成されており、周方向スロット8b、8cは軸線方向スロット8aからバルブ回転軸3bと対向する位置まで形成されている。上段の周方向スロット8bは、図1(A)に示すようにバルブ3が開状態(全開状態)にあるときにハンドル3aの下面付近に相当するレベルに形成され、下段の周方向スロット8cは、図3(A)に示すようにバルブ3が閉状態(全閉状態)にあるときにハンドル3aの上面付近に相当するレベルに形成されている。軸線方向スロット8aは筒状ガイド6の上端から下段の周方向スロット8cまで形成されている。
【0023】
バルブ3を開状態に保持するときは、レベル棒9をハンドル3aの下面付近に位置させる(図1)。これがレベル棒9のバルブ開保持位置である。この位置にあるレベル棒9は、周方向スロット8bの下縁に支えられ、その位置に保持される。バルブ3を開から閉にするときは、レベル棒9を周方向スロット8bに沿って90°回動させ、さらに軸線方向スロット8aに沿って下降させて軸線方向スロット8aの下端に位置させる(図2)。これがレベル棒9の待避位置である。この位置にあるレベル棒9は、軸線方向スロット8aの下端縁に支えられ、その位置に保持される。レベル棒9が待避位置にあるときはハンドル操作の邪魔にならないので、バルブ3を閉める操作をする。バルブ3を閉めたら、レベル棒9を周方向スロット8cに沿って90°回動させ、ハンドル3aの上面付近に位置させる(図3)。これがレベル棒9のバルブ閉保持位置である。この位置にあるレベル棒9は、周方向スロット8cの下縁に支えられ、その位置に保持される。バルブ3を閉から開にするときは上記と逆の操作を行えばよい。
【0024】
以上の説明から明らかなように、この実施例によれば、バルブ3が開状態にあるときはレベル棒9の先端側がハンドル3aの下に隠れ、バルブ3が閉状態にあるときはレベル棒9が全部見えるので、ハンドルに触れなくても、目視で、バルブ3が開状態にあるのか、閉状態にあるのかを簡単に識別することができる。また、バルブ3が開状態にあるときはレベル棒9がハンドル3aの下面付近に位置してバルブ3を閉める操作を制限するので、バルブ3を誤って閉めてしまうおそれがなく、かつ、バルブ3が閉状態にあるときはレベル棒9がハンドル3aの上面付近に位置してバルブ3を開く操作を制限するので、バルブ3を誤って開いてしまうおそれがない。したがってバルブの誤操作を防止できる。
【0025】
<実施例2> 図4〜図6は本発明の他の実施例を示す。図4〜図6はそれぞれ実施例1の図1〜図3に対応しており、図1〜図3と同一部分には同一符号を付してあるので、重複する説明は省略する。
【0026】
この実施例では、筒状ガイド6のスロット8が、1本の軸線方向スロット8aと、この軸線方向スロット8aから周方向に分岐する1本の周方向スロット8bとで構成されている。軸線方向スロット8aは筒状ガイド6のバルブ回転軸3b(の中心軸線)と対向する位置に形成されており、周方向スロット8bは軸線方向スロット8aの中間から周方向に略90°離れた位置まで形成されている。軸線方向スロット8aは筒状ガイド6の上端からレベル棒9の上下方向移動範囲の下限より若干下まで長めに形成されている。周方向スロット8bは、図2(A)に示すようにハンドル3aの上下動範囲の中間に相当するレベルに形成されている。
【0027】
また、筒状ガイド6の軸線方向スロット8a側と反対側には、多数のピン穴12が軸線方向に所定の間隔をおいて形成されている。さらに、スライダ7のレベル棒9側と反対側には、1本のピン穴13が形成されている。これにより、筒状ガイド6のピン穴12とスライダ7のピン穴13が一致したところで、ピン穴12、13にピン14を挿入すると、スライダ7及びレベル棒9をその位置に固定できるようになっている。
【0028】
図4は、バルブ3が開状態にあるときに、レベル棒9をハンドル3aの下面付近に位置させて、ピン穴12、13にピン14を挿入した状態である。これがレベル棒9のバルブ開保持位置である。レベル棒9はピン14によってその位置に保持される。バルブ3を開から閉にするときは、ピン14を引き抜いてレベル棒9を周方向スロット8bのレベルまで下降させた後、周方向スロット8bに沿って略90°回動させる(図5)。これがレベル棒9の待避位置である。この位置にあるレベル棒9は周方向スロット8bの下縁に支えられ、その位置に保持される。レベル棒9が待避位置にあるときはハンドル操作の邪魔にならないので、バルブ3を閉める操作をする。バルブ3を閉めたら、レベル棒9を周方向スロット8bに沿って軸線方向スロット8aまで略90°回動させた後、軸線方向スロット8aに沿って下降させ、ハンドル3aの上面付近に位置させて、ピン穴12、13が一致したところで、ピン穴12、13にピン14を挿入する(図6)。これがレベル棒9のバルブ閉保持位置である。レベル棒9はピン14によってその位置に保持される。バルブ3を閉から開にするときは上記と逆の操作を行えばよい。
【0029】
したがって、この実施例の場合も、バルブ3が開状態にあるときはレベル棒9の先端側がハンドル3aの下に隠れ、バルブ3が閉状態にあるときはレベル棒9が全部見えるので、ハンドルに触れなくても、目視で、バルブ3が開状態にあるのか、閉状態にあるのかを簡単に識別することができる。また、バルブ3が開状態にあるときはレベル棒9がハンドル3aの下面付近に位置してバルブ3を閉める操作を制限するので、バルブ3を誤って閉めてしまうおそれがなく、かつ、バルブ3が閉状態にあるときはレベル棒9がハンドル3aの上面付近に位置してバルブ3を開く操作を制限するので、バルブ3を誤って開いてしまうおそれがない。したがってバルブの誤操作を防止できる。
【0030】
<実施例3> 図7及び図8は本発明のさらに他の実施例を示す。図7及び図8はそれぞれ実施例2の図4及び図6に対応しており、図4及び図6と同一部分には同一符号を付してあるので、重複する説明は省略する。
【0031】
この実施例が実施例2と異なる点は、スライダ7の上端に、筒状ガイド6と同軸状に表示棒15が取り付けられていることである。この表示棒15の長さは、レベル棒9がバルブ開保持位置にあるときには上端が筒状ガイド6の蓋11から突出し、レベル棒9がバルブ閉保持位置にあるときには上端が筒状ガイド6の蓋11から突出しない長さに設定されている。
【0032】
このような構成にすると、バルブ3が開のときは、表示棒15が筒状ガイド6の上端から突出し、バルブ3が閉のときは表示棒15が突出するので、ハンドル3aの上面側からだけでなく、ハンドル3bの側面側からもバルブ3の開閉状態を容易に識別することができる。
【0033】
また、筒状ガイド6にピン穴12を多段に形成しておくことにより、ハンドルの上下ストロークが異なる複数種類のバルブにも対応できる。
【0034】
<実施例4> 図9及び図10は本発明のさらに他の実施例を示す。図9及び図10はそれぞれ実施例2の図4及び図6に対応しており。図4及び図6と同一部分には同一符号を付してあるので、重複する説明は省略する。
【0035】
この実施例が実施例2と異なる点は、レベル棒9に筒状ガイド6と平行に表示棒15が取り付けられていることである。この表示棒15の長さは、レベル棒9がバルブ開保持位置にあるときには上端が筒状ガイド6の上端レベルから突出し、レベル棒9がバルブ閉保持位置にあるときには上端が筒状ガイド6の上端レベルから突出しない長さに設定されている。このような構成でも、実施形態3と同様な効果を得ることができる。
【0036】
<実施例5> 図11は本発明のさらに他の実施例を示す。この実施例は、実施例1において、筒状ガイド6の上端の蓋11とスライダ7との間に、スライダ7を押し下げる方向にばね力を発揮するコイルばね16を組み込んだものである。このような構成にすると、コイルばね16のばね力により、レベル棒9をバルブ開保持位置又はバルブ閉保持位置により確実に保持することができる。実施例2〜4においても同様の構成を採用することができる。
【0037】
なお、コイルばね16は、筒状ガイド6の底とスライダ7の間に、スライダ7を押し上げる方向にばね力を発揮するように組み込んでも、同様の効果を得ることができる。
【0038】
<使用例> 図12は、OFケーブル線路の端末に接続されるゲージパネル1の各バルブ3に本発明に係るバルブ開閉表示装置5を使用した例を示す。上段左と上段中央に設置されたバルブ3は、バルブ開閉表示装置5のレベル棒9がハンドル3aの下に隠れているため、開状態にあることが目視で確認でき、それ以外のバルブ3は、バルブ開閉表示装置5のレベル棒9がハンドル3aの上にあって全部が見えるため、開状態にあることが目視で確認できる。また、開状態にあるバルブはハンドルの下にレベル棒が位置して閉めるのを制限しているので、誤って閉められるおそれがなく、閉状態にあるバルブはハンドルの上にレベル棒が位置して開くのを制限しているので、誤って開かれるおそれがない。
【0039】
このように本発明に係るバルブ開閉表示装置を使用すれば、バルブのハンドルに触れることなく、バルブの開閉状態を目視で確認することができるとともに、バルブの誤操作を防止できる。
【符号の説明】
【0040】
3:バルブ
3a:バルブハンドル
3b:バルブ回転軸
3c:バルブ本体
4:配管
5:バルブ開閉表示装置
6:筒状ガイド
7:スライダ
8:スロット
8a:軸線方向スロット
8b、8c:周方向スロット
9:レベル棒
10:クランプ
11:蓋
12:筒状ガイド6のピン穴
13:スライダ7のピン穴
14:ピン
15:表示棒
16:コイルばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ回転軸と平行に設置される筒状ガイドと、この筒状ガイド内に軸線方向に移動可能にかつ周方向に回動可能に設置されたスライダと、このスライダから前記筒状ガイドに形成されたスロットを通って筒状ガイドの外に伸び出すレベル棒とを備え、
前記スロットは、前記レベル棒が、バルブが開状態にあるときにハンドルの下面付近に位置してバルブを閉める操作を制限するバルブ開保持位置と、バルブが閉状態にあるときにハンドルの上面付近に位置してバルブを開く操作を制限するバルブ閉保持位置と、バルブの開閉操作に邪魔にならない待避位置とを行き来できる形に形成されており、
前記レベル棒は、前記バルブ開保持位置、バルブ閉保持位置及び待避位置にそれぞれ保持できるようになっている、
ことを特徴とするバルブ開閉表示装置。
【請求項2】
筒状ガイド及びスライダには、レベル棒がバルブ開保持位置にあるときと、バルブ閉保持位置にあるときに一致するピン穴が形成されており、筒状ガイド及びスライダのピン穴が一致したときにそのピン穴にストッパーピンを挿入してレベル棒をバルブ開保持位置又はバルブ閉保持位置に保持するようになっていることを特徴とする請求項1記載のバルブ開閉表示装置。
【請求項3】
スライダの上端には筒状ガイドと同軸状に表示棒が取り付けられており、この表示棒は、レベル棒がバルブ開保持位置にあるときには先端が筒状ガイドの先端から突出し、レベル棒がバルブ閉保持位置にあるときには先端が筒状ガイドの先端から突出しない長さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のバルブ開閉表示装置。
【請求項4】
レベル棒には、筒状ガイドと平行に表示棒が取り付けられており、この表示棒は、レベル棒がバルブ開保持位置にあるときには先端が筒状ガイドの先端レベルから突出し、レベル棒がバルブ閉保持位置にあるときには先端が筒状ガイドの先端レベルから突出しない長さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のバルブ開閉表示装置。
【請求項5】
筒状ガイドの上端には蓋が取り付けられており、この蓋とスライダとの間にはスライダを押し下げる方向にばね力を発揮するコイルばねが組み込まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバルブ開閉表示装置。
【請求項6】
筒状ガイドの底とスライダとの間にはスライダを押し上げる方向にばね力を発揮するコイルばねが組み込まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバルブ開閉表示装置。
【請求項7】
筒状ガイドの下端には、バルブに接続された配管に筒状ガイドを固定するためのクランプが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバルブ開閉表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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