説明

バンパスポイラ

【課題】
高速走行時にバンパスポイラの振動により異音が発生したり、或いはスポイラ本体部の表面に材料内部のオイルが染み出てベト付くのを防止できるバンパスポイラの提供である。
【解決手段】
車両の幅方向に沿って所定間隔を保って形成された複数個の取付孔6を備えたバンパBに取付可能な長尺のバンパスポイラSであって、前記バンパスポイラSは、前記バンパBに取付けられたときに、ほぼ上下方向に向けて配置されるスポイラ本体部10と、弾性変形可能な材料から形成され、前記バンパBの各挿入取付孔(被取付部)6の位置に対応して、前記スポイラ本体部10の片面側に、車両の前後方向に沿って突出するように前記スポイラ本体部10に設けられた複数の挿入取付部(取付部)20とを備え、前記スポイラ本体部10の前面の少なくとも下端部を覆うように、前記スポイラ本体部10よりも硬度と剛性が高くかつ耐傷付き性の高い材料からなる保護層13が積層一体化された構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントバンパに取付けられて、車両が走行する時の空気抵抗を減少させ、これにより車両の燃費を向上させられるバンパスポイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のバンパスポイラ(以下、「スポイラ」と略称することもある)の一つとして、特許文献1に記載のものが知られている。このスポイラは、バンパに取付けられた状態でほぼ上下方向に配置される本体部と、該本体部の裏面から車両後方に突出していて、バンパのスポイラ取付け溝に挿入することにより、スポイラ全体をバンパに取付けるための取付基部とを備えている。
【0003】
車両が高速で走行するときに、スポイラ本体部が風の抵抗により車両の前後方向に振動することがある。振動が発生すると異音が発生して搭乗者に不快感を与えることがある。また、スポイラ本体部を形成する材料がプロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料である場合、長期間に亘る使用中に前記オイルがスポイラ本体部の表面に染み出し、前記スポイラ本体部の表面にベト付きを発生させることがある(いわゆる「ブリード現象」)。このベト付きが発生すると、スポイラ本体部の表面に路上の埃等が付着して、前記表面を汚損させることによりスポイラの装飾性が低下される。
【特許文献1】特開2003−118518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記不具合の少なくとも一つを解消できるバンパスポイラの提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、車両の幅方向に沿って所定間隔を保って形成された複数個の被取付部を備えたバンパに取付可能な長尺のバンパスポイラであって、前記バンパスポイラは、前記バンパに取付けられたときに、ほぼ上下方向に向けて配置されるスポイラ本体部と、弾性変形可能な材料から形成され、前記バンパの各被取付部の位置に対応して、前記スポイラ本体部の片面側に、車両の前後方向に沿って突出するように前記スポイラ本体部に設けられた複数の取付部とを備え、前記スポイラ本体部の前面の少なくとも下端部を覆うように、前記スポイラ本体部よりも硬度と剛性が高くかつ耐傷付き性の高い材料からなる保護層が積層一体化されていることを特徴としている。
【0006】
請求項1の発明によれば、スポイラ本体部の表面に保護層が積層一体化されており、スポイラ本体部全体の剛性が高められているので、高速走行しても風の抵抗によりスポイラ本体部が変形しにくくなる。この結果、高速走行時におけるスポイラ本体部の前後方向の振動が抑制され、振動に起因する異音の発生も抑制される。また、仮にスポイラ本体部の前面下側が路面と接触した際に、スポイラ本体部の表面に傷が付くのを防止できる。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記保護層は、スポイラ本体部と相溶性を有する材料からなり、前記スポイラ本体部に融着一体化されていることを特徴としている。請求項2の発明によれば、請求項1の発明の上記作用効果に加えて、スポイラ本体部の表面に保護層とが強固に接続されて、長期間使用しても、保護層の剥離が生じない。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記保護層は、前記挿入取付部と同一材料から成形されていることを特徴としている。一般的に、挿入取付部はスポイラ本体部よりも硬度の高い材料で成形されているため、保護層を挿入取付部と同一材料で成形すると、保護層はスポイラ本体部よりも硬度が高くなる。従って、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の上記作用効果に加えて、保護層を共押出成形によりスポイラ本体部と一体成形できる。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記保護層は、固形滑性材料を含むことを特徴としている。このため、請求項1ないし3のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、スポイラ本体部の耐傷付き性を更に高めることができる。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記保護層は、スポイラ本体部よりも薄く成形されていることを特徴としている。このため、請求項1ないし4のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、スポイラをバンパに取付けるとき、長手方向においてスポイラ本体部を湾曲させることが容易で、前記取付作業に支障を来さない。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記スポイラ本体部は、プロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料からなり、前記保護層は、プロセスオイルを含まない熱可塑性エラストマー材料からなることを特徴としている。このため、請求項6の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、スポイラ本体部をプロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料で成形しても、スポイラ本体部の表面にオイルが染み出すことがないので、埃等の付着を防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スポイラ本体部の表面に保護層が積層一体化されているため、スポイラ本体部の剛性が高められているので、高速走行しても風の抵抗によりスポイラ本体部が変形しなくなる。この結果、高速走行時におけるスポイラ本体部の振動の発生が抑制され、振動に起因する異音の発生も抑制される。また、仮にスポイラ本体部の前面下側が路面と接触して擦られても、スポイラ本体部の表面に傷が付くのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、複数の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係るバンパスポイラSと、これが取付けられるフロントバンパBの左側半分を示す部分斜視図であり、図2は、同様の平面図であり、図3は、中間品状態のバンパスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’の不要部20a'を除去して形成されたバンパスポイラSの部分斜視図であり、図4は、同じく平面図である。最初に、フロントバンパBへの取付部分との関係において、バンパスポイラSについて説明し、その後に、フロントバンパBに対するスポイラSの取付構造について説明する。
【0015】
図1ないし図4に示されるように、スポイラSは、車両の正面の幅方向の中心線L(図2参照)に対して左右対称な長尺形状であって、フロントバンパBに取付けられた状態で、ほぼ上下方向に配置される帯板状をしたスポイラ本体部10と、前記スポイラ本体部10の上端部寄りから裏面側(車両の後方)に向けて突出する略板状の挿入取付部20と、係止部23とから構成されている。前者のスポイラ本体部10は、後述の挿入取付部20よりも軟質で弾性変形可能な材料、例えば、軟質のゴムやTPE樹脂(好ましくはJIS K6213 デュロメーター硬度HDA70°以下)等で成形され、後者の挿入取付部20は、前記スポイラ本体部10よりも硬質で剛性を有する弾性変形可能なゴムや合成樹脂材料、例えば、PP樹脂、硬質のTPE樹脂(好ましくはJIS K6213 デュロメーター硬度HDD50°程度)等で成形され、両部の接合部31(図7参照)は、両部の共押出成形時において、溶着によって一体複合化されて高い接合強度を保っていることが好ましい。前述のTPE(熱可塑性エラストマー)の材質は特に限定されるものではなく、例えば、ビニール系TPE、オレフィン系TPE(以下、単に「TPO」と称する)、スチレン系TPE等が適用可能であるが、軽量化、環境保護の観点からTPOを使用することが好ましい。即ち、スポイラSの本体部10及び挿入取付部20をそれぞれTPOで成形すると、スポイラSが不要になって廃棄処分される際においても、焼却処理が可能で、有毒ガスも発生しない利点もある。また、TPEには、柔軟性を持たせるためにプロセスオイルを添加することもある。更に、TPE以外の材料としては、本体部10としては軟質の、挿入取付部20としては硬質のゴム材料、特にEPDMも好ましい材料の一つである。
【0016】
前記スポイラ本体部10の表面側には、下端から上端までのほぼ全幅に亘って保護層13が積層一体化されている。更にスポイラ本体部10の下端部は路面に直接に接触し易い部分であるため、当該下端部は、その全厚に亘って保護層13と同一材料で形成されている。また保護層13は、スポイラ本体部10よりも薄く形成されていて、スポイラ本体部10よりも硬度の高いTPE等により成形されている。
【0017】
挿入取付部20の先端側(スポイラ本体部10側)には、フロントバンパBのスポイラ取付溝1(図1、図8及び図9参照)に嵌まり込んで取付けられる嵌合基部21が取付部の一部として全長に亘って設けられている。この嵌合基部21から裏面側に向けて突出するように一体成形されて、長手方向に沿って所定間隔をおいて設けられたやや先細形状の挿入取付部20が一体に設けられている。嵌合基部21と各挿入取付部20とは、同一材料により一体に形成されているが、嵌合基部21の肉厚は、挿入取付部20の肉厚よりも厚くなっていて、両部の間には、所定の段差が形成されている。また、図8及び図9に示されるように、バンパBの前記スポイラ取付溝1は、前方が開口するように溝上側壁部2と溝下側壁部3と溝底壁部4との3つの各壁部によって形成されていて、前記溝下側壁部3には、車両の後方に向けてスポイラ取付板部5が連続して一体に設けられている。そして、前記スポイラ取付溝1を形成する溝底壁部4には、スポイラSの挿入取付部20が差し込まれる被取付部としての挿入取付孔6(図1及び図8参照)がバンパBの長手方向(車両を基準にすると、その幅方向)に沿って前記挿入取付部20と同一間隔をおいて設けられている。なお、バンパBがコーナー部を介して車両の側部までまわり込んでいるものでは、この側部においては、各挿入取付孔6は、車両の前後方向に沿って間隙をおいて設けられることになる。また、図1において、7,8は、それぞれバンパ本体部、及びバンパ側端部を示し、9は、バンパの前面を示し、図1に、車両の前方向、後方向及び幅方向を矢印で図示する。バンパBは、車両の幅方向に沿って配置される。
【0018】
また、図3、図8及び図10に示されるように、スポイラSの挿入取付部20は、バンパBの挿入取付孔6への挿入作業を容易にするために、その平面視において、スポイラ本体部10から突出方向に向けてその幅が徐々に狭くなった略先細形状をなしている。挿入取付部20の上面には、弾性変形可能な係止部23が一体に形成されている。この係止部23は、挿入取付部20の基端側(スポイラ本体部10側)が自由端部となるように、挿入取付部20の中程から基端側に向けて斜上方に突出するように形成されて、その自由端部の上面には、傾斜部23aを介して係止段差部23bが形成されている。また、係止部23はバンパBに取付けられる前に自由状態では図8の二点鎖線で示す形状23''をしており、挿入取付部20の下面から自由状態の係止部23''の上下方向で傾斜部23a及び係止段差部23bまでの距離は、バンパBの挿入取付孔6の上下方向の距離を上回るように形成されている。そして、係止部23はバンパBに取付けられたときに弾発力により挿入取付孔6の上縁に係止する。更に、係止部23は、バンパBに取付けられて嵌合基部21の段部がスポイラ取付溝1の底壁に当接したときに、係止部23の傾斜部23aが挿入取付孔6の上縁に接する位置に形成することが望ましい。これにより挿入取付部20を常に引き込もうとする力が作用してがたつき等の発生を防止する。図10に示されるように、挿入取付部20の基端側の最大幅(W1)は、バンパBのスポイラ取付溝1の奥側に設けられた挿入取付孔6の内幅(W2)よりも僅かに小さくなっていて、スポイラSの各挿入取付部20が、バンパBの各挿入取付孔6に挿入された状態で、両部分には、所定の隙間が生じている。これにより、バンパBにスポイラSが取付けられた状態で両部の製造上の誤差を吸収すると共に、温度変化により両者の間に熱膨張量又は熱収縮量の差が生じても、この差は前記隙間により吸収されるため、スポイラSに長手方向の張力又は圧縮力が発生しなくなる。
【0019】
また、スポイラSの挿入取付部20には、前記挿入取付部20をバンパBのスポイラ取付板部5に固着するグロメットやグリップ等の固着具Dを挿入するための固着具挿入孔24が形成されている。図示の実施例では、全ての挿入取付部20に係止部23及び固着具挿入孔24がそれぞれ形成されているが、固着具挿入孔24に関しては、必ずしも全ての挿入取付部20に形成する必要はなく、例えば、取付強度を考慮のうえ挿入取付部20のうち長手方向で一個おきに設ける等任意に調節可能である。この場合、全ての挿入取付部20を固着具Dを介してバンパBのスポイラ取付板部5に固定する必要がなく固定箇所が少なくなって、スポイラの取付作業の能率が高められる。なお、係止部23は、全ての挿入取付部20に形成される。
【0020】
また、図8及び図9に示されているように、スポイラSの嵌合基部21の横断面形状はスポイラ取付溝1に対応して嵌まり込むように、奥側(車両の後方向)に向けてその高さ方向の寸法が小さくなったテーパー状をなしており、スポイラ取付溝1に前記嵌合基部21が隙間なく挿入嵌合されている。この状態において、挿入取付孔6の上内壁面6a(図8参照)と、挿入取付部20の上面との間には、前記係止部23の係止空間25が形成されている。
【0021】
また、スポイラSの嵌合基部21には、温度変化によるスポイラSの伸縮を防止するための耐伸縮性に富むテープ状の芯材26が、その全長に亘って埋設されている。この芯材26は、前記スポイラ本体部10及び挿入取付部20の各材質よりも剛性が高くて、しかも伸縮性の小さな材質、例えば、スチールストリップ(金属帯板)等を使用するとスポイラSに剛性を付与できるので好ましい。更に、テープ状の前記芯材26は、スポイラ本体部10とほぼ平行となるように埋設しておけば、スポイラ本体部10の厚さ方向の曲がりは許容するが、これと直角方向の曲がりは防止する力となって作用するので、更に好ましい。
【0022】
また、スポイラ本体部10は、横断面において前面側が僅かに凸曲面となるようにわん曲されていて、その上端部の前面側には、バンパBにスポイラSが取付けられた状態において、前記溝上側壁部2の下面に対して弾接するシールド片11が斜上方に向けて一体成形されている。
【0023】
次に、上記したスポイラSの製造方法について簡単に説明する。図5は、中間品状態のバンパスポイラS’の部分斜視図であり、図6及び図7は、中間品状態のバンパスポイラS’の固着具挿入孔24及び挿入取付部形成予定部20’をそれぞれプレスのブランク型Fを使用して打抜成形する際の断面図である。まず、図5に示される中間品状態のスポイラS’を押出成形により長尺に連続成形する。この中間品状態のスポイラS’は、全長に亘って同一断面形状であって、製品となった場合と同一形状の略帯板状のスポイラ本体部10と、該スポイラ本体部10の上部に裏面側に向けて一体成形された嵌合基部21と、板状をした挿入取付部形成予定部20’及び係止部形成予定部23’とが、スポイラ本体部10とスポイラ本体部10以外の部分とで互いに異なる樹脂によって複合押出成形(「共押出成形」とも称される)されたものである。互いに相溶性を有する上記の異なる各樹脂で成形されるスポイラ本体部10と挿入取付部形成予定部20’との接合部31は、その押出成形時において良好な接合強度を保って一体複合化される。また、押出成形された中間品状態のスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’には、プレスブランク(打抜き加工)により係止部23となる係止部形成予定部23’が長手方向に連続して形成されている。なお、嵌合基部21には、芯材26が全長に亘って埋設された状態で押し出される。
【0024】
そして、所定の長さに切断した中間品状態のスポイラS’をプレスブランク型Fにセットして、その挿入取付部形成予定部20’を所定形状にプレスブランク(打抜き加工)して、その残余の部分によって、挿入取付部20を形成する。即ち、ブランクの形状は、図3及び図4に示されるように、スポイラ本体部10側が全長に亘って所定幅だけ残って、芯材26が埋設された嵌合基部21となり、この嵌合基部21から奥側(車両の後方向)に向けて連続一体に延びる残りの部分が、長手方向に沿って所定間隔を保った状態で前記奥側に突出する挿入取付部20及び係止部23となって残される。
【0025】
前記プレスブランク型Fは、図6及び図7に示されるように、所定の長さに切断した中間品状態のスポイラS’を支持する下型41と、該下型41の直上に上下方向に移動可能に配置された上型42とで構成される。中間品状態のスポイラS’を支持する下型41の上面は、その挿入取付部形成予定部20’を支持する支持面41aとなっていると共に、前面は、スポイラ本体部10の背面を当接させる当接面41bとなっている。前記支持面41aにおける前記上型42の切除刃43が侵入する部分は、空所41cが形成されている。前記支持面41aにおける前記上型42のパンチ44に対応する位置には、パンチ孔41dが設けられている。一方、上型42には、中間品状態のスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’から不要部20a’( 図4参照)を切除するための切除刃43と、前記不要部20a’の切除により残った部分である挿入取付部20に固着具挿入孔24を開けるためのパンチ44とが設けられている。
【0026】
そして、上記構成のプレスブランク型Fを使用して、中間品状態のスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’を所定形状にプレスブランク(打抜き加工)すると、その残余の部分によって、複数の挿入取付部20が長手方向に所定間隔をおいて形成される。共通の嵌合基部21及び芯材26はブランクされないで残り、スポイラSの長手方向に連続していて、その内部に、スポイラ本体部10及び挿入取付部20の成形材料よりも伸縮性の少ないスチールストリップ等から成る芯材26が連続して残される。この実施例では、ストリップ状の芯材26は、その面がスポイラ本体部10とほぼ平行となるように埋設されていて、芯材26の面方向に直交する方向の曲がり(バンパBにスポイラSを取付けた状態で、水平面内での曲がり)は許容するが、その幅方向の曲がり(同様の状態で垂直面内での曲がり)は阻止することになる。このため、スポイラSの取付状態において、該スポイラSは、水平面内においては、バンパBの形状に対応して曲げられるが、垂直面内においては、曲がりにくい構造となる。これにより、バンパBが両サイド部で曲率半径の小さいコーナー部を有するものであっても、スポイラSは上記コーナー部の曲がりに良く追従して曲げられた状態で取付けることができる。
【0027】
引き続いて、フロントバンパBにスポイラSを取付ける方法について説明する。図8及び図9は、それぞれバンパBにスポイラSが取付けられた状態における図4のX1 −X1 線及びX2 −X2 線拡大断面図である。長手方向に沿って所定間隔をおいて一体成形された各挿入取付部20を、前記スポイラ取付溝1を形成する溝底壁部4に形成された各挿入取付孔6に挿入すると共に、スポイラSの全長に亘って設けられた嵌合基部21を、バンパBのスポイラ取付溝1に嵌め込む。図8に示されるように、挿入に伴い前記挿入取付部20に一体に形成されている係止部23は、弾性変形により挿入取付部20の側に接近して、バンパBの挿入取付孔6の上縁に係止されて、バンパBにスポイラSが仮止めされる。スポイラSの仮止め状態では、前記係止部23がバンパBの挿入取付孔6よりも後方に配置されて、この挿入取付孔6の上縁に係止しているために、バンパBのスポイラ取付板部5に対するスポイラSの挿入取付部20の位置を保った状態で、スポイラSがバンパBから抜け出るのを防止できる。
【0028】
バンパBの両コーナー部の曲がった部分においては、この曲がり部分のスポイラ取付溝1に沿ってスポイラSを曲げながら、スポイラSの挿入取付部20をバンパBの挿入取付孔6に挿入して、前記係止部23を挿入取付孔6の上縁に係止させることにより、スポイラSは、バンパBの形状に倣って僅かにわん曲された状態で、その全長に亘ってバンパBに仮止めされる。ここで、スポイラSの嵌合基部21にはテープ状の芯材26がスポイラ本体部10とほぼ平行となるように埋設されているので、スポイラ本体部10の厚さ方向の曲がりは許容するが、これと直角方向の曲がりは防止する力となって作用し、バンパBの形状に倣ってスポイラSを適正にわん曲できる。
【0029】
最後に、グロメット、クリップ等の固着具Dを使用して、バンパBにスポイラSの本固着を行う。即ち、図8及び図10に示されるように、バンパBの前記スポイラ取付板部5には、固着具挿入孔5aが形成されている。この固着具挿入孔5aはスポイラSの長手方向で長孔に形成されていて、スポイラ取付溝1にスポイラSの嵌合基部21を差し込んで嵌合させると共に、スポイラSの挿入取付部20をバンパBの挿入取付孔6内に差し込むと、スポイラSの各挿入取付部20に形成した固着具挿入孔24は、バンパ取付板部5の固着具挿入孔5aの位置と一致する。この状態において、前記固着具挿入孔24の上方から固着具Dを挿入して、該固着具Dを介してスポイラSの挿入取付部20をバンパBのスポイラ取付板部5に固着させると、スポイラSが本固着される。これにより、バンパBに対するスポイラSの取付けは、完了する。
【0030】
このようにして、バンパBに取付けられたバンパスポイラSは、既述の通り保護層13を一体に有しているから、スポイラ本体部10の剛性が高められており、高速走行時においても風の抵抗により変形されにくく前後方向の振動が抑制できる。また、スポイラ本体部10の前面下部が路面に擦れても、スポイラ本体部10の前面に傷が付きにくくなって、スポイラ本体部10の外観を良好に維持できる。更に、保護層13は、スポイラ本体部10よりも薄いので、保護層10の積層一体化によりスポイラ本体部10の剛性が高められても、スポイラ本体部10は長手方向において容易に湾曲させることができて、スポイラSをフロントバンパBに取付けるときの障害とはならない。また、保護層13の成形材料中に、シリコン樹脂(微)粒子、高分子量ポリエチレン樹脂(微)粒子、フッ素樹脂(微)粒子等の表面の滑性を高める固形材料を混入しておくと、保護層13の耐傷付き性が一層高められる。また、スポイラ本体部10は、プロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料により形成し、保護層13は、プロセスオイルを含まない熱可塑性エラストマー材料から形成すると、スポイラ本体部10をプロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料で成形しても、スポイラ本体部10の表面にオイルが染み出すことがないので、埃等の付着を防止できる利点がある。更に挿入取付部20と保護層13とを同一材料で成形すると、スポイラ本体部10と保護層13と挿入取付部20とを、硬度の異なる二種類の材料で共押出成形できて生産効率がよい。
【0031】
また、上記実施例では、スポイラSの挿入取付部20に一体に形成される係止部23は、挿入取付部20の上面に形成されて、バンパBにスポイラSが仮止めされた状態で、挿入取付孔6の上縁に係止する構成である。しかし、図11に示されるように、前記係止部23は、挿入取付部20の下面に一体に形成して、挿入取付孔6の下縁に係止すると共に、挿入取付部20は、バンパSの溝上側壁部2を車両の後方向に延設したスポイラ取付板部5’の下面に接触させて、該スポイラ取付板部5’に固着具Dを介して固着する構成にしてもよい。これにより、スポイラ本体部10に風圧等の外力Tが作用して、挿入取付部20に上向きの回転力が加わっても、この回転力は、前記スポイラ取付板部5’で効果的に受け止められるために、スポイラ本体部10に作用する外力に対して強い構造となる。
【実施例2】
【0032】
更に、図12は、スポイラSの挿入取付部20の上面に、自身よりも軟質の材料で形成された前後一対の係止部27が一体に形成されたスポイラSの取付状態の断面図である。このスポイラSの係止部27は、挿入取付部20に前傾姿勢で一体に形成されていて、取付状態では、バンパBの挿入取付孔6の上内壁面6aに弾接して、バンパBに対してスポイラSを仮止めしていると共に、バンパBからの抜け出しを防止している。なお、スポイラSの形状によっては強い仮止めが要求されるものがあり、この場合には挿入取付部20の上下両方に係止部23を形成することもできる。
【0033】
固着具は前記実施例のように挿通させるものに限られず、例えばバネ鋼板を略U字状に折り曲げて、スポイラSの挿入取付部20とバンパBのスポイラ取付板部5とを重ね合わせて挟んで固着することも可能であり、要するに前記両部が分離しないように重ね合わせて固着できるものであればよい。
【0034】
また、上記実施例1,2においては、いずれもスポイラ取付溝1が設けられた車両のフロントバンパBにバンパスポイラSの嵌合基部21が嵌合される形状を例示したが、本発明は前記各実施例の形状のバンパへの適用に限定されるものではなく、バンパの長手方向(車両の幅方向)に沿って所定間隔を保って複数の取付孔を備えた車両のバンパであれば前記実施例と同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るバンパスポイラSと、これが取付けられるフロントバンパBの左側半分の部分斜視図である。
【図2】同様の平面図である。
【図3】中間品状態のバンパスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’の不要部20a'を除去して形成されたバンパスポイラSの部分斜視図である。
【図4】同じく平面図である。
【図5】中間品状態のバンパスポイラS’の部分斜視図である。
【図6】中間品状態のバンパスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’をプレスブランク型Fを使用して打抜き成形する際の固定具挿入孔24の部分の断面図である。
【図7】同じく挿入取付部20の部分の断面図である。
【図8】バンパBにスポイラSが取付けられた状態における図4のX1 −X1 線拡大断面図である。
【図9】同様の状態における図4のX2 −X2 線拡大断面図である。
【図10】バンパBにスポイラSが取付けられた状態の部分平面断面図である。
【図11】挿入取付部20の下面に係止部23が一体形成されたスポイラSの取付状態の断面図である。
【図12】スポイラSの挿入取付部20の上面に、自身よりも軟質の材料で形成された係止部27が一体形成されたスポイラSの取付状態の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
B:フロントバンパ
S:バンパスポイラ
1:スポイラ取付溝
5,5’:スポイラ取付板部
6:挿入取付孔(被取付部)
10:スポイラ本体部
13:保護層
20:挿入取付部(取付部)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントバンパに取付けられて、車両が走行する時の空気抵抗を減少させ、これにより車両の燃費を向上させられるバンパスポイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のバンパスポイラ(以下、「スポイラ」と略称することもある)の一つとして、特許文献1に記載のものが知られている。このスポイラは、バンパに取付けられた状態でほぼ上下方向に配置される本体部と、該本体部の裏面から車両後方に突出していて、バンパのスポイラ取付け溝に挿入することにより、スポイラ全体をバンパに取付けるための取付基部とを備えている。
【0003】
車両が高速で走行するときに、スポイラ本体部が風の抵抗により車両の前後方向に振動することがある。振動が発生すると異音が発生して搭乗者に不快感を与えることがある。また、スポイラ本体部を形成する材料がプロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料である場合、長期間に亘る使用中に前記オイルがスポイラ本体部の表面に染み出し、前記スポイラ本体部の表面にベト付きを発生させることがある(いわゆる「ブリード現象」)。このベト付きが発生すると、スポイラ本体部の表面に路上の埃等が付着して、前記表面を汚損させることによりスポイラの装飾性が低下される。
【特許文献1】特開2003−118518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記不具合の少なくとも一つを解消できるバンパスポイラの提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、車両の幅方向に沿って所定間隔を保って形成された複数個の被取付部を備えたバンパに取付可能な長尺のバンパスポイラであって、前記バンパスポイラは、前記バンパに取付けられたときに、ほぼ上下方向に向けて配置されるスポイラ本体部と、弾性変形可能な材料から形成され、前記バンパの各被取付部の位置に対応して、前記スポイラ本体部の片面側に、車両の前後方向に沿って突出するように前記スポイラ本体部に設けられた複数の取付部とを備え、前記スポイラ本体部の前面の少なくとも下端部を覆うように、前記スポイラ本体部よりも硬度と剛性が高くかつ耐傷付き性の高い材料からなる保護層が積層一体化されていることを特徴としている。
【0006】
請求項1の発明によれば、スポイラ本体部の表面に保護層が積層一体化されており、スポイラ本体部全体の剛性が高められているので、高速走行しても風の抵抗によりスポイラ本体部が変形しにくくなる。この結果、高速走行時におけるスポイラ本体部の前後方向の振動が抑制され、振動に起因する異音の発生も抑制される。また、仮にスポイラ本体部の前面下側が路面と接触した際に、スポイラ本体部の表面に傷が付くのを防止できる。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記保護層は、スポイラ本体部と相溶性を有する材料からなり、前記スポイラ本体部に融着一体化されていることを特徴としている。請求項2の発明によれば、請求項1の発明の上記作用効果に加えて、スポイラ本体部の表面に保護層とが強固に接続されて、長期間使用しても、保護層の剥離が生じない。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記保護層は、前記取付部と同一材料から成形されていることを特徴としている。一般的に、取付部はスポイラ本体部よりも硬度の高い材料で成形されているため、保護層を取付部と同一材料で成形すると、保護層はスポイラ本体部よりも硬度が高くなる。従って、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の上記作用効果に加えて、保護層を共押出成形によりスポイラ本体部と一体成形できる。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記保護層は、固形滑性材料を含むことを特徴としている。このため、請求項1ないし3のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、スポイラ本体部の耐傷付き性を更に高めることができる。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記保護層は、スポイラ本体部よりも薄く成形されていることを特徴としている。このため、請求項1ないし4のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、スポイラをバンパに取付けるとき、長手方向においてスポイラ本体部を湾曲させることが容易で、前記取付作業に支障を来さない。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記スポイラ本体部は、プロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料からなり、前記保護層は、プロセスオイルを含まない熱可塑性エラストマー材料からなることを特徴としている。このため、請求項6の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、スポイラ本体部をプロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料で成形しても、スポイラ本体部の表面にオイルが染み出すことがないので、埃等の付着を防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スポイラ本体部の表面に保護層が積層一体化されているため、スポイラ本体部の剛性が高められているので、高速走行しても風の抵抗によりスポイラ本体部が変形しなくなる。この結果、高速走行時におけるスポイラ本体部の振動の発生が抑制され、振動に起因する異音の発生も抑制される。また、仮にスポイラ本体部の前面下側が路面と接触して擦られても、スポイラ本体部の表面に傷が付くのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、複数の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係るバンパスポイラSと、これが取付けられるフロントバンパBの左側半分を示す部分斜視図であり、図2は、同様の平面図であり、図3は、中間品状態のバンパスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’の不要部20a'を除去して形成されたバンパスポイラSの部分斜視図であり、図4は、同じく平面図である。最初に、フロントバンパBへの取付部分との関係において、バンパスポイラSについて説明し、その後に、フロントバンパBに対するスポイラSの取付構造について説明する。
【0015】
図1ないし図4に示されるように、スポイラSは、車両の正面の幅方向の中心線L(図2参照)に対して左右対称な長尺形状であって、フロントバンパBに取付けられた状態で、ほぼ上下方向に配置される帯板状をしたスポイラ本体部10と、前記スポイラ本体部10の上端部寄りから裏面側(車両の後方)に向けて突出する略板状の挿入取付部20と、係止部23とから構成されている。前者のスポイラ本体部10は、後述の挿入取付部20よりも軟質で弾性変形可能な材料、例えば、軟質のゴムやTPE樹脂(好ましくはJIS K7215 デュロメーター硬度HDA70°以下)等で成形され、後者の挿入取付部20は、前記スポイラ本体部10よりも硬質で剛性を有する弾性変形可能なゴムや合成樹脂材料、例えば、PP樹脂、硬質のTPE樹脂(好ましくはJIS K7215 デュロメーター硬度HDD50°程度)等で成形され、両部の接合部31(図7参照)は、両部の共押出成形時において、溶着によって一体複合化されて高い接合強度を保っていることが好ましい。前述のTPE(熱可塑性エラストマー)の材質は特に限定されるものではなく、例えば、ビニール系TPE、オレフィン系TPE(以下、単に「TPO」と称する)、スチレン系TPE等が適用可能であるが、軽量化、環境保護の観点からTPOを使用することが好ましい。即ち、スポイラSの本体部10及び挿入取付部20をそれぞれTPOで成形すると、スポイラSが不要になって廃棄処分される際においても、焼却処理が可能で、有毒ガスも発生しない利点もある。また、TPEには、柔軟性を持たせるためにプロセスオイルを添加することもある。更に、TPE以外の材料としては、本体部10としては軟質の、挿入取付部20としては硬質のゴム材料、特にEPDMも好ましい材料の一つである。
【0016】
前記スポイラ本体部10の表面側には、下端から上端までのほぼ全幅に亘って保護層13が積層一体化されている。更にスポイラ本体部10の下端部は路面に直接に接触し易い部分であるため、当該下端部は、その全厚に亘って保護層13と同一材料で形成されている。また保護層13は、スポイラ本体部10よりも薄く形成されていて、スポイラ本体部10よりも硬度の高いTPE等により成形されている。
【0017】
挿入取付部20の先端側(スポイラ本体部10側)には、フロントバンパBのスポイラ取付溝1(図1、図8及び図9参照)に嵌まり込んで取付けられる嵌合基部21が取付部の一部として全長に亘って設けられている。この嵌合基部21から裏面側に向けて突出するように一体成形されて、長手方向に沿って所定間隔をおいて設けられたやや先細形状の挿入取付部20が一体に設けられている。嵌合基部21と各挿入取付部20とは、同一材料により一体に形成されているが、嵌合基部21の肉厚は、挿入取付部20の肉厚よりも厚くなっていて、両部の間には、所定の段差が形成されている。また、図8及び図9に示されるように、バンパBの前記スポイラ取付溝1は、前方が開口するように溝上側壁部2と溝下側壁部3と溝底壁部4との3つの各壁部によって形成されていて、前記溝下側壁部3には、車両の後方に向けてスポイラ取付板部5が連続して一体に設けられている。そして、前記スポイラ取付溝1を形成する溝底壁部4には、スポイラSの挿入取付部20が差し込まれる被取付部としての挿入取付孔6(図1及び図8参照)がバンパBの長手方向(車両を基準にすると、その幅方向)に沿って前記挿入取付部20と同一間隔をおいて設けられている。なお、バンパBがコーナー部を介して車両の側部までまわり込んでいるものでは、この側部においては、各挿入取付孔6は、車両の前後方向に沿って間隙をおいて設けられることになる。また、図1において、7,8は、それぞれバンパ本体部、及びバンパ側端部を示し、9は、バンパの前面を示し、図1に、車両の前方向、後方向及び幅方向を矢印で図示する。バンパBは、車両の幅方向に沿って配置される。
【0018】
また、図3、図8及び図10に示されるように、スポイラSの挿入取付部20は、バンパBの挿入取付孔6への挿入作業を容易にするために、その平面視において、スポイラ本体部10から突出方向に向けてその幅が徐々に狭くなった略先細形状をなしている。挿入取付部20の上面には、弾性変形可能な係止部23が一体に形成されている。この係止部23は、挿入取付部20の基端側(スポイラ本体部10側)が自由端部となるように、挿入取付部20の中程から基端側に向けて斜上方に突出するように形成されて、その自由端部の上面には、傾斜部23aを介して係止段差部23bが形成されている。また、係止部23はバンパBに取付けられる前に自由状態では図8の二点鎖線で示す形状23''をしており、挿入取付部20の下面から自由状態の係止部23''の上下方向で傾斜部23a及び係止段差部23bまでの距離は、バンパBの挿入取付孔6の上下方向の距離を上回るように形成されている。そして、係止部23はバンパBに取付けられたときに弾発力により挿入取付孔6の上縁に係止する。更に、係止部23は、バンパBに取付けられて嵌合基部21の段部がスポイラ取付溝1の底壁に当接したときに、係止部23の傾斜部23aが挿入取付孔6の上縁に接する位置に形成することが望ましい。これにより挿入取付部20を常に引き込もうとする力が作用してがたつき等の発生を防止する。図10に示されるように、挿入取付部20の基端側の最大幅(W1)は、バンパBのスポイラ取付溝1の奥側に設けられた挿入取付孔6の内幅(W2)よりも僅かに小さくなっていて、スポイラSの各挿入取付部20が、バンパBの各挿入取付孔6に挿入された状態で、両部分には、所定の隙間が生じている。これにより、バンパBにスポイラSが取付けられた状態で両部の製造上の誤差を吸収すると共に、温度変化により両者の間に熱膨張量又は熱収縮量の差が生じても、この差は前記隙間により吸収されるため、スポイラSに長手方向の張力又は圧縮力が発生しなくなる。
【0019】
また、スポイラSの挿入取付部20には、前記挿入取付部20をバンパBのスポイラ取付板部5に固着するグロメットやグリップ等の固着具Dを挿入するための固着具挿入孔24が形成されている。図示の実施例では、全ての挿入取付部20に係止部23及び固着具挿入孔24がそれぞれ形成されているが、固着具挿入孔24に関しては、必ずしも全ての挿入取付部20に形成する必要はなく、例えば、取付強度を考慮のうえ挿入取付部20のうち長手方向で一個おきに設ける等任意に調節可能である。この場合、全ての挿入取付部20を固着具Dを介してバンパBのスポイラ取付板部5に固定する必要がなく固定箇所が少なくなって、スポイラの取付作業の能率が高められる。なお、係止部23は、全ての挿入取付部20に形成される。
【0020】
また、図8及び図9に示されているように、スポイラSの嵌合基部21の横断面形状はスポイラ取付溝1に対応して嵌まり込むように、奥側(車両の後方向)に向けてその高さ方向の寸法が小さくなったテーパー状をなしており、スポイラ取付溝1に前記嵌合基部21が隙間なく挿入嵌合されている。この状態において、挿入取付孔6の上内壁面6a(図8参照)と、挿入取付部20の上面との間には、前記係止部23の係止空間25が形成されている。
【0021】
また、スポイラSの嵌合基部21には、温度変化によるスポイラSの伸縮を防止するための耐伸縮性に富むテープ状の芯材26が、その全長に亘って埋設されている。この芯材26は、前記スポイラ本体部10及び挿入取付部20の各材質よりも剛性が高くて、しかも伸縮性の小さな材質、例えば、スチールストリップ(金属帯板)等を使用するとスポイラSに剛性を付与できるので好ましい。更に、テープ状の前記芯材26は、スポイラ本体部10とほぼ平行となるように埋設しておけば、スポイラ本体部10の厚さ方向の曲がりは許容するが、これと直角方向の曲がりは防止する力となって作用するので、更に好ましい。
【0022】
また、スポイラ本体部10は、横断面において前面側が僅かに凸曲面となるようにわん曲されていて、その上端部の前面側には、バンパBにスポイラSが取付けられた状態において、前記溝上側壁部2の下面に対して弾接するシールド片11が斜上方に向けて一体成形されている。
【0023】
次に、上記したスポイラSの製造方法について簡単に説明する。図5は、中間品状態のバンパスポイラS’の部分斜視図であり、図6及び図7は、中間品状態のバンパスポイラS’の固着具挿入孔24及び挿入取付部形成予定部20’をそれぞれプレスのブランク型Fを使用して打抜成形する際の断面図である。まず、図5に示される中間品状態のスポイラS’を押出成形により長尺に連続成形する。この中間品状態のスポイラS’は、全長に亘って同一断面形状であって、製品となった場合と同一形状の略帯板状のスポイラ本体部10と、該スポイラ本体部10の上部に裏面側に向けて一体成形された嵌合基部21と、板状をした挿入取付部形成予定部20’及び係止部形成予定部23’とが、スポイラ本体部10とスポイラ本体部10以外の部分とで互いに異なる樹脂によって複合押出成形(「共押出成形」とも称される)されたものである。互いに相溶性を有する上記の異なる各樹脂で成形されるスポイラ本体部10と挿入取付部形成予定部20’との接合部31は、その押出成形時において良好な接合強度を保って一体複合化される。また、押出成形された中間品状態のスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’には、プレスブランク(打抜き加工)により係止部23となる係止部形成予定部23’が長手方向に連続して形成されている。なお、嵌合基部21には、芯材26が全長に亘って埋設された状態で押し出される。
【0024】
そして、所定の長さに切断した中間品状態のスポイラS’をプレスブランク型Fにセットして、その挿入取付部形成予定部20’を所定形状にプレスブランク(打抜き加工)して、その残余の部分によって、挿入取付部20を形成する。即ち、ブランクの形状は、図3及び図4に示されるように、スポイラ本体部10側が全長に亘って所定幅だけ残って、芯材26が埋設された嵌合基部21となり、この嵌合基部21から奥側(車両の後方向)に向けて連続一体に延びる残りの部分が、長手方向に沿って所定間隔を保った状態で前記奥側に突出する挿入取付部20及び係止部23となって残される。
【0025】
前記プレスブランク型Fは、図6及び図7に示されるように、所定の長さに切断した中間品状態のスポイラS’を支持する下型41と、該下型41の直上に上下方向に移動可能に配置された上型42とで構成される。中間品状態のスポイラS’を支持する下型41の上面は、その挿入取付部形成予定部20’を支持する支持面41aとなっていると共に、前面は、スポイラ本体部10の背面を当接させる当接面41bとなっている。前記支持面41aにおける前記上型42の切除刃43が侵入する部分は、空所41cが形成されている。前記支持面41aにおける前記上型42のパンチ44に対応する位置には、パンチ孔41dが設けられている。一方、上型42には、中間品状態のスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’から不要部20a’( 図4参照)を切除するための切除刃43と、前記不要部20a’の切除により残った部分である挿入取付部20に固着具挿入孔24を開けるためのパンチ44とが設けられている。
【0026】
そして、上記構成のプレスブランク型Fを使用して、中間品状態のスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’を所定形状にプレスブランク(打抜き加工)すると、その残余の部分によって、複数の挿入取付部20が長手方向に所定間隔をおいて形成される。共通の嵌合基部21及び芯材26はブランクされないで残り、スポイラSの長手方向に連続していて、その内部に、スポイラ本体部10及び挿入取付部20の成形材料よりも伸縮性の少ないスチールストリップ等から成る芯材26が連続して残される。この実施例では、ストリップ状の芯材26は、その面がスポイラ本体部10とほぼ平行となるように埋設されていて、芯材26の面方向に直交する方向の曲がり(バンパBにスポイラSを取付けた状態で、水平面内での曲がり)は許容するが、その幅方向の曲がり(同様の状態で垂直面内での曲がり)は阻止することになる。このため、スポイラSの取付状態において、該スポイラSは、水平面内においては、バンパBの形状に対応して曲げられるが、垂直面内においては、曲がりにくい構造となる。これにより、バンパBが両サイド部で曲率半径の小さいコーナー部を有するものであっても、スポイラSは上記コーナー部の曲がりに良く追従して曲げられた状態で取付けることができる。
【0027】
引き続いて、フロントバンパBにスポイラSを取付ける方法について説明する。図8及び図9は、それぞれバンパBにスポイラSが取付けられた状態における図4のX1 −X1 線及びX2 −X2 線拡大断面図である。長手方向に沿って所定間隔をおいて一体成形された各挿入取付部20を、前記スポイラ取付溝1を形成する溝底壁部4に形成された各挿入取付孔6に挿入すると共に、スポイラSの全長に亘って設けられた嵌合基部21を、バンパBのスポイラ取付溝1に嵌め込む。図8に示されるように、挿入に伴い前記挿入取付部20に一体に形成されている係止部23は、弾性変形により挿入取付部20の側に接近して、バンパBの挿入取付孔6の上縁に係止されて、バンパBにスポイラSが仮止めされる。スポイラSの仮止め状態では、前記係止部23がバンパBの挿入取付孔6よりも後方に配置されて、この挿入取付孔6の上縁に係止しているために、バンパBのスポイラ取付板部5に対するスポイラSの挿入取付部20の位置を保った状態で、スポイラSがバンパBから抜け出るのを防止できる。
【0028】
バンパBの両コーナー部の曲がった部分においては、この曲がり部分のスポイラ取付溝1に沿ってスポイラSを曲げながら、スポイラSの挿入取付部20をバンパBの挿入取付孔6に挿入して、前記係止部23を挿入取付孔6の上縁に係止させることにより、スポイラSは、バンパBの形状に倣って僅かにわん曲された状態で、その全長に亘ってバンパBに仮止めされる。ここで、スポイラSの嵌合基部21にはテープ状の芯材26がスポイラ本体部10とほぼ平行となるように埋設されているので、スポイラ本体部10の厚さ方向の曲がりは許容するが、これと直角方向の曲がりは防止する力となって作用し、バンパBの形状に倣ってスポイラSを適正にわん曲できる。
【0029】
最後に、グロメット、クリップ等の固着具Dを使用して、バンパBにスポイラSの本固着を行う。即ち、図8及び図10に示されるように、バンパBの前記スポイラ取付板部5には、固着具挿入孔5aが形成されている。この固着具挿入孔5aはスポイラSの長手方向で長孔に形成されていて、スポイラ取付溝1にスポイラSの嵌合基部21を差し込んで嵌合させると共に、スポイラSの挿入取付部20をバンパBの挿入取付孔6内に差し込むと、スポイラSの各挿入取付部20に形成した固着具挿入孔24は、バンパ取付板部5の固着具挿入孔5aの位置と一致する。この状態において、前記固着具挿入孔24の上方から固着具Dを挿入して、該固着具Dを介してスポイラSの挿入取付部20をバンパBのスポイラ取付板部5に固着させると、スポイラSが本固着される。これにより、バンパBに対するスポイラSの取付けは、完了する。
【0030】
このようにして、バンパBに取付けられたバンパスポイラSは、既述の通り保護層13を一体に有しているから、スポイラ本体部10の剛性が高められており、高速走行時においても風の抵抗により変形されにくく前後方向の振動が抑制できる。また、スポイラ本体部10の前面下部が路面に擦れても、スポイラ本体部10の前面に傷が付きにくくなって、スポイラ本体部10の外観を良好に維持できる。更に、保護層13は、スポイラ本体部10よりも薄いので、保護層10の積層一体化によりスポイラ本体部10の剛性が高められても、スポイラ本体部10は長手方向において容易に湾曲させることができて、スポイラSをフロントバンパBに取付けるときの障害とはならない。また、保護層13の成形材料中に、シリコン樹脂(微)粒子、高分子量ポリエチレン樹脂(微)粒子、フッ素樹脂(微)粒子等の表面の滑性を高める固形材料を混入しておくと、保護層13の耐傷付き性が一層高められる。また、スポイラ本体部10は、プロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料により形成し、保護層13は、プロセスオイルを含まない熱可塑性エラストマー材料から形成すると、スポイラ本体部10をプロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料で成形しても、スポイラ本体部10の表面にオイルが染み出すことがないので、埃等の付着を防止できる利点がある。更に挿入取付部20と保護層13とを同一材料で成形すると、スポイラ本体部10と保護層13と挿入取付部20とを、硬度の異なる二種類の材料で共押出成形できて生産効率がよい。
【0031】
また、上記実施例では、スポイラSの挿入取付部20に一体に形成される係止部23は、挿入取付部20の上面に形成されて、バンパBにスポイラSが仮止めされた状態で、挿入取付孔6の上縁に係止する構成である。しかし、図11に示されるように、前記係止部23は、挿入取付部20の下面に一体に形成して、挿入取付孔6の下縁に係止すると共に、挿入取付部20は、バンパSの溝上側壁部2を車両の後方向に延設したスポイラ取付板部5’の下面に接触させて、該スポイラ取付板部5’に固着具Dを介して固着する構成にしてもよい。これにより、スポイラ本体部10に風圧等の外力Tが作用して、挿入取付部20に上向きの回転力が加わっても、この回転力は、前記スポイラ取付板部5’で効果的に受け止められるために、スポイラ本体部10に作用する外力に対して強い構造となる。
【実施例2】
【0032】
更に、図12は、スポイラSの挿入取付部20の上面に、自身よりも軟質の材料で形成された前後一対の係止部27が一体に形成されたスポイラSの取付状態の断面図である。このスポイラSの係止部27は、挿入取付部20に前傾姿勢で一体に形成されていて、取付状態では、バンパBの挿入取付孔6の上内壁面6aに弾接して、バンパBに対してスポイラSを仮止めしていると共に、バンパBからの抜け出しを防止している。なお、スポイラSの形状によっては強い仮止めが要求されるものがあり、この場合には挿入取付部20の上下両方に係止部23を形成することもできる。
【0033】
固着具は前記実施例のように挿通させるものに限られず、例えばバネ鋼板を略U字状に折り曲げて、スポイラSの挿入取付部20とバンパBのスポイラ取付板部5とを重ね合わせて挟んで固着することも可能であり、要するに前記両部が分離しないように重ね合わせて固着できるものであればよい。
【0034】
また、上記実施例1,2においては、いずれもスポイラ取付溝1が設けられた車両のフロントバンパBにバンパスポイラSの嵌合基部21が嵌合される形状を例示したが、本発明は前記各実施例の形状のバンパへの適用に限定されるものではなく、バンパの長手方向(車両の幅方向)に沿って所定間隔を保って複数の取付孔を備えた車両のバンパであれば前記実施例と同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るバンパスポイラSと、これが取付けられるフロントバンパBの左側半分の部分斜視図である。
【図2】同様の平面図である。
【図3】中間品状態のバンパスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’の不要部20a'を除去して形成されたバンパスポイラSの部分斜視図である。
【図4】同じく平面図である。
【図5】中間品状態のバンパスポイラS’の部分斜視図である。
【図6】中間品状態のバンパスポイラS’の挿入取付部形成予定部20’をプレスブランク型Fを使用して打抜き成形する際の固定具挿入孔24の部分の断面図である。
【図7】同じく挿入取付部20の部分の断面図である。
【図8】バンパBにスポイラSが取付けられた状態における図4のX1 −X1 線拡大断面図である。
【図9】同様の状態における図4のX2 −X2 線拡大断面図である。
【図10】バンパBにスポイラSが取付けられた状態の部分平面断面図である。
【図11】挿入取付部20の下面に係止部23が一体形成されたスポイラSの取付状態の断面図である。
【図12】スポイラSの挿入取付部20の上面に、自身よりも軟質の材料で形成された係止部27が一体形成されたスポイラSの取付状態の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
B:フロントバンパ
S:バンパスポイラ
1:スポイラ取付溝
5,5’:スポイラ取付板部
6:挿入取付孔(被取付部)
10:スポイラ本体部
13:保護層
20:挿入取付部(取付部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の幅方向に沿って所定間隔を保って形成された複数個の被取付部を備えたバンパに取付可能な長尺のバンパスポイラであって、
前記バンパスポイラは、前記バンパに取付けられたときに、ほぼ上下方向に向けて配置されるスポイラ本体部と、弾性変形可能な材料から形成され、前記バンパの各被取付部の位置に対応して、前記スポイラ本体部の片面側に、車両の前後方向に沿って突出するように前記スポイラ本体部に設けられた複数の取付部とを備え、
前記スポイラ本体部の前面の少なくとも下端部を覆うように、前記スポイラ本体部よりも硬度と剛性が高くかつ耐傷付き性の高い材料からなる保護層が積層一体化されていることを特徴とするバンパスポイラ。
【請求項2】
前記保護層は、スポイラ本体部と相溶性を有する材料からなり、前記スポイラ本体部に融着一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のバンパスポイラ。
【請求項3】
前記保護層は、前記挿入取付部と同一材料から成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバンパスポイラ。
【請求項4】
前記保護層は、固形滑性材料を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバンパスポイラ。
【請求項5】
前記保護層は、スポイラ本体部よりも薄く成形されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のバンパスポイラ。
【請求項6】
前記スポイラ本体部は、プロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料からなり、前記保護層は、プロセスオイルを含まない熱可塑性エラストマー材料からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のバンパスポイラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の幅方向に沿って所定間隔を保って形成された複数個の被取付部を備えたバンパに取付可能な長尺のバンパスポイラであって、
前記バンパスポイラは、前記バンパに取付けられたときに、ほぼ上下方向に向けて配置されるスポイラ本体部と、弾性変形可能な材料から形成され、前記バンパの各被取付部の位置に対応して、前記スポイラ本体部の片面側に、車両の前後方向に沿って突出するように前記スポイラ本体部に設けられた複数の取付部とを備え、
前記スポイラ本体部の前面の少なくとも下端部を覆うように、前記スポイラ本体部よりも硬度と剛性が高くかつ耐傷付き性の高い材料からなる保護層が積層一体化されていることを特徴とするバンパスポイラ。
【請求項2】
前記保護層は、スポイラ本体部と相溶性を有する材料からなり、前記スポイラ本体部に融着一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のバンパスポイラ。
【請求項3】
前記保護層は、前記取付部と同一材料から成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバンパスポイラ。
【請求項4】
前記保護層は、固形滑性材料を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバンパスポイラ。
【請求項5】
前記保護層は、スポイラ本体部よりも薄く成形されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のバンパスポイラ。
【請求項6】
前記スポイラ本体部は、プロセスオイルを含む熱可塑性エラストマー材料からなり、前記保護層は、プロセスオイルを含まない熱可塑性エラストマー材料からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のバンパスポイラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−69363(P2006−69363A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255033(P2004−255033)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(000219705)東海興業株式会社 (147)