バンパレインフォースへの牽引フック取付け構造
【課題】牽引フックの牽引フック取付け部材におけるバンパレインフォースへの溶接部を、バンパレインフォースの補強内側壁或いは底壁(または天井壁)に近接対向可能に形成できるように構成した。
【解決手段】牽引フック取付け部材11におけるバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに着座する取付け基体部11aに、バンパレインフォース5に形成した位置決め孔5bに挿入してパンパレインフォース5に対する牽引フック取付け部材11を位置決めする位置決め突起11bを突出形成し、位置決め突起11bの高さ寸法を取付け基体部11aの高さ寸法より小さく形成して、取付け基体部11aの外周部全体をバンパレインフォース5に溶着することにより、牽引フック取付け部材11の溶接部13をバンパレインフォース5の補強内側壁5cおよび底壁5dに近接するようにした。
【解決手段】牽引フック取付け部材11におけるバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに着座する取付け基体部11aに、バンパレインフォース5に形成した位置決め孔5bに挿入してパンパレインフォース5に対する牽引フック取付け部材11を位置決めする位置決め突起11bを突出形成し、位置決め突起11bの高さ寸法を取付け基体部11aの高さ寸法より小さく形成して、取付け基体部11aの外周部全体をバンパレインフォース5に溶着することにより、牽引フック取付け部材11の溶接部13をバンパレインフォース5の補強内側壁5cおよび底壁5dに近接するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の前端部又は後端部に設置されたバンパフェイシアと、自動車のサイドメンバー等の車体骨格メンバーに取付けられたバンパステーと、の間に配設設置されるバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の牽引フック10は、例えば、図1に示すように、自動車1の前端部または後端部に設置されたバンパフェイシア2とサイドメンバー等の車体骨格メンバー3に取付けられたバンパステー4との間に配設設置されたバンパレインフォース5に取付けられるようになっている。
【0003】
そこで、従来の牽引フック10は、図8に示すように、バンパレインフォース5側に取付けられる牽引フック取付け部材11と、牽引フック取付け部材11にねじ等で着脱自在に装着するフック本体12とを有して構成している。
【0004】
牽引フック取付け部材11は、図9に示すように、バンパレインフォース5の横方向に広がった平面視台形状の板状体により構成しており、短辺側がバンパフェイシア2側に対向した状態で長辺側である取付け基体部11aがバンパレインフォース5に図13に示すように溶接によって取付けられている。
【0005】
このために、牽引フック取付け部材11は、バンパレインフォース5に溶接する前にバンパレインフォース5に位置決めしておく必要があり、長辺側における取付け基体部11aに位置決め突起11bを突設しておき、位置決め突起11bをバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに縦方向に延在するように形成したスリット状の位置決め孔5bに挿入することにより、位置決めされていた。
【0006】
そして、牽引フック取付け部材11は、例えばコスト上のことから、通常押し出し成形により製作しており、押し出し成形時に同時に位置決め突起11bを形成するようにしている。
【0007】
このため、位置決め突起11bの高さ寸法は、取付け基体部11aの高さ寸法と同等のものに形成されている。
【0008】
かかる構成において、牽引フック取付け部材11をバンパレインフォース5に取付ける場合、位置決め突起11bを位置決め孔5b内に挿入することによって、バンパレインフォース5の外向き縦壁5a上において、牽引フック取付け部材11を位置決めし、その後、バンパレインフォース側取付け面11aの外周部を図10に示すようにバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに溶接することによって、取付けるようになっている。
【0009】
牽引フック取付け部材11には、その長辺から短辺にかけて挿通するようにねじ孔11cが形成されており、ねじ孔11cの短辺側からフック本体12の取付けねじ棒部12aを螺合することにより、牽引フック取付け部材11にフック本体12が着脱可能に装着されている。
【特許文献1】特開2004−299636号公報
【0010】
ところで、周知の如く、牽引フック10は、フック本体12にロープ等を引っ掛け設置して、当該自動車を牽引移動するため或いは他の自動車を牽引移動するため等に使用されるものであることから、フック本体12の剛性もさることながら、牽引フック取付け部材11におけるバンパレインフォース5への取付け強度も高くする必要がある。
【0011】
このために、上記のような従来のバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造において、牽引フック取付け部材11におけるバンパレインフォース5への取付け強度を高めるためには、図10に示す溶接部13が、バンパレインフォース5の補強内側壁5c及び底壁5dに出来る限り近接対向していることが好まく、このためには、牽引フック取付け部材11の高さ寸法(板厚方向寸法)を大きくする必要がある。
【0012】
このように、牽引フック取付け部材11の高さ寸法を大きくした結果、位置決め突起11bの高さ寸法も大きくなり、これに関連して、バンパレインフォース5側の位置決め孔5bの高さ寸法も拡大する必要がある。
【0013】
しかしながら、バンパレインフォース5にお25に示すように通常孔明けポンチ14を用いてプレス成形にて形成することになるが、このプレス成形時における外向き縦壁5a等の変形を防止するため、補強内側壁5cと底壁5dとの互いに対向する内側壁に沿わすように、中子15を添設する必要があり、中子15の板厚は、外向き縦壁5a等の変形を防止するためある程度の厚さ寸法を要することになる。
【0014】
従って、位置決め孔5bの高さ寸法が中子15の厚さ寸法分だけ制限されてしまうことになり、この結果として、-位置決め突起11bの高さ寸法延いては牽引フック取付け部材11の高さ寸法も制限されてしまうことになる。
【0015】
かかる構成において、バンパレインフォース側取付け面11aの外周部をバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに溶接した場合、当該溶接部13は、補強内側壁5c及び底壁5dより内側に移動し遠ざかってしまうことになって、牽引フック取付け部材11延いてはフック本体12におけるバンパレインフォース5への取付け強度が弱いものとなってしまう。
【0016】
そこで、上記のような従来の技術上の課題を解決するために、図13に示すような牽引フック取付け部材11が提案されている。
【0017】
これによれば、フック取付け部材11を押し出し正形等により成形する場合に、位置決め突起11bの高さ寸法(自動車1の上下方向寸法)を、図9に示すように、取付け基体部11aの高さ寸法と同等に形成しておき、次に、機械加工等により位置決め突起11bの高さ方向両端部を切削することによって、図13に示すような、位置決め突起11bの高さ寸法を低く形成するようにして、位置決め突起11bの高さ方向両端部における取付け基体部11aに段差部11dを形成したものである。
【0018】
かかる構成について、図14を用いて説明すると、位置決め突起11bの高さ寸法を取付け基体部11aの高さ寸法より小さく形成していることにより、位置決め突起11bの高さ方向両端部における取付け基体部11aに段差部11dが形成されていることから、たとえ、バンパレインフォース5側において、位置決め突起11bの高さ寸法に見合うような位置決め孔5bが形成されたとしても、牽引フック取付け部材11における取付け基体部11aが、段差部11dと共にバンパレインフォース5の補強内側壁5dと底壁5dとの間において両壁に近接対向させることができ、結果的に、溶接部13がバンパレインフォース5の補強内側壁5c及び底壁5dに近接することになって、牽引フック取付け部材11延いてはフック本体12をバンパレインフォース5に強固に取付けることができることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記のように構成する従来技術においては、一旦、押し出し成形等により取付部材11を成形した際に、取付け基体部11aの高さ寸法と同等の位置決め突起11bを形成した後に、機械加工等を施して、位置決め突起11bの高さ方向両端部を切削する作業が必要であり、かかる両端部の切削のための加工時間を多く必要とすることになり、コストアップの要因となっていた。
【0020】
そこで、本発明は、かかる点に鑑み、牽引フックを取付けるためのフック取付け部材における位置決め突起を、予め押し出し成形等により、取付け基体部の高さ寸法と同等に形成したことにより必要な位置決め突起の高さ寸法両端部を削除するために必要な加工時間を短縮し、これによりコスト的に有利なバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明のバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造は、自動車の前端部又は後端部に設置されたバンパフェイシアと、前記自動車のサイドメンバー等の車体骨格メンバーに取付けられたバンパステーと、の間に配設設置されるバンパレインフォースに牽引フックを取付けるために、前記牽引フックを、当該自動車を牽引するためのロープ等を設置するフック本体と、前記フック本体を前記バンパレインフォースに取付けるための牽引フック取付け部材とで構成し、前記牽引フック取付け部材における前記バンパレインフォースの外向き縦壁に着座する取付け基体部に、前記バンパレインフォースに形成した位置決め孔に挿入して当該パンパレインフォースに対する前記牽引フック取付け部材を位置決めする位置決め突起を突出形成し、該位置決め突起の高さ寸法を前記取付け基体部の高さ寸法より小さく形成することにより、前記位置決め突起の高さ方向両端部における前記取付け基体部に段差部を形成し、前記位置決め突起を前記位置決め孔に挿入した際に前記段差部を含む前記取付け基体部の取付け面を前記バンパレインフォースの外向き縦壁に当接した状態で、前記取付け基体部の外周部を前記バンパレインフォースに溶着することにより、前記牽引フックを前記バンパレインフォースに取付けるようにしたバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造において、前記取付け基体部に当該板厚寸法とほぼ同等の高さ寸法の位置決め突起形成部を突出形成すると共に、該位置決め突起形成部における板厚方向両側壁にそれぞれ延在対向するように前記取付け基体部に溝部を形成し、前記位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより前記位置決め突起を形成し、前記位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰する際に形成された圧潰肉部を前記両溝部内に誘導することにより溝部を埋設するように構成したことを特徴とするものである。
【0022】
かかる構成により、位置決め突起が、取付け基体部に当該高さ寸法と同等の高さ寸法になるように突出形成した位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより形成されておることから、従来のように機械加工等による切削加工による場合に比して、加工時間を大幅に短縮することができ、結果的にコスト的に有利なバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造を提供することができ、しかも、位置決め突起形成部の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部を、位置決め突起形成部の両側に形成した溝部内に埋設するようにしたことから、取付け基体部の剛性を高めることができる。
【0023】
また、本発明に係るバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造は、前記位置決め突起形成部の両端部を圧潰することにより前記溝部内に埋設された圧潰肉部を、前記取付け基体部を前記バンパレインフォースに溶着する際に該パンパレインフォースの外向き縦壁に当接する当接面に形成するように構成してもよい。
【0024】
かかる構成により、圧潰肉部によって形成された当接面が取付け基体部と共にバンパレインフォースの外向き縦壁に当接された状態で、牽引フック取付け部材がバンパレインフォースに溶接されることになり、牽引フック取付け部材を強固にバンパレインフォースに取付けることができる。
【発明の効果】
【0025】
上記のように構成する本発明におけるバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造は、位置決め突起が、取付け基体部に当該高さ寸法とほぼ同等の高さ寸法になるように突出形成した位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより形成されておることから、従来のように機械加工等による切削加工による場合に比して、加工時間を大幅に短縮することができ、結果的にコスト的に有利なバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造とすることができ、しかも、位置決め突起形成部の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部を、位置決め突起形成部の両側に形成した溝部内に埋設するようにしたことから、取付け基体部の剛性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図を用いて、本発明を実施するための最良の実施の形態について、説明する。
【0027】
図1は一般的な自動車の前端部に設置したバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造を描画した分解斜視図、図2は本発明に係る第1の実施の形態による牽引フック取付け構造を採用したバンパレインフォースの要部斜視図、図3は同じく分解斜視図、図4は図2の牽引フック取付け部材における位置決め突起形成前の斜視図、図5は同じく位置決め突起形成後の斜視図、図6は図3のA−A断面図である。尚、従来の技術に対応する部位には、同一符号を付して説明する。
【0028】
先ず、図1において、自動車11の前方には、バンパフェイシア2が配設されており、バンパフェイシア2の後方には、バンパレインフォース5が配設されている。
【0029】
バンパレインフォース5と車体1aを構成するフロントサイドメンバー等の車体骨格メンバー3との間には、バンパステー4が配設されている。
【0030】
バンパレインフォース5は、図2に示すように、自動車1の車幅方向に延在するように略矩形状の筒材から構成され、内部にやはり自動車1の車幅方向に延在するように補強内側壁5cを形成することによって、側面視「日」字状に形成されている。
【0031】
バンパレインフォース5における自動車1の前面側に存する外向き縦壁5aには、牽引フック10が溶接により取付けられている。
【0032】
牽引フック10は、自動車1を牽引するためのロープ等を引っ掛け設置するフック本体12と、フック本体12をバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに取付けるための牽引フック取付け部材11とを有して構成している。
【0033】
牽引フック取付け部材11は、図3に示すように、バンパレインフォース5の横方向(車幅方向)に広がった平面視略台形状の板体により構成しており、短辺側がバンパフェイシア2側に対向した状態で長辺側がバンパレインフォース5の外向き壁部5aに着座する取付け基体部11aとなって全周に亘ってバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに溶接されている。
【0034】
また、牽引フック取付け部材11には、取付け基体部11aである長辺側から短辺側にかけて挿通するように、ねじ孔11cが形成されており、ねじ孔11cの短辺側からフック本体12の取付けねじ棒部12aを螺合することにより、牽引フック取付け部材11にフック本体12が着脱可能に装着されている。
【0035】
更に、牽引フック取付け部材11の取付け基体部11aには、バンパレインフォース5側に突出する位置決め突起11bが突設されている。
【0036】
このように構成する牽引フック取付け部材11は、先ず、押し出し成形により、図4に示すように成形しておく。すなわち、当初の押し出し成形においては、牽引フック取付け部材11の位置決め突起形成部11b−1における高さ寸法は、取付け基体部11aの高さ寸法(板厚寸法)と同等に形成され、しかも、位置決め突起形成部における板厚方向(幅方向)両側壁にそれぞれ沿って延在対向するように、取付け基体部11aに一対の溝部11eが形成されている。
【0037】
次に、位置決め突起形成部11b−1における高さ方向両端部を、図6に示すようなコ字状凹形状に形成された潰し型16を用いてプレス成形し、図7に示すように圧潰して圧潰肉部11fを形成することによって、取付け基体部11aの板厚寸法より小さい高さ寸法の位置決め突起11bを形成し、結果的に、位置決め突起11bの高さ方向両端部における取付け基体部11aに段差部11dが形成されることになる。
【0038】
そして、位置決め突起形成部11b−1における高さ方向両端部の圧潰によって形成された圧潰肉部11fは、図5に示すように、両溝部11e内に誘導することによって溝部11eの一部を埋設し、取付け基体部11aをバンパレインフォース5に溶着する際に、バンパレインフォース5の外向き壁部5aに当接する当接面に形成することになる。
【0039】
かかる構成により、位置決め突起11bが、取付け基体部11aに当該高さ寸法と同等の高さ寸法になるように突出形成した位置決め突起形成部11b−1の高さ方向両端部を圧潰することにより形成されていることから、牽引フック取付け部材11を従来同様押し出し成形による低コストにより製作することができ、しかも、位置決め突起形成部11b−1の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部11fを、位置決め突起形成部11b−1の両側に形成した溝部11e内に埋設するようにしたことから、取付け基体部11aの剛性を高めることができる。
【0040】
従来のように機械加工等による切削加工による場合に比して、加工時間を大幅に短縮することができ、結果的にコスト的に有利なバンパレインフォース5への牽引フック取付け構造とすることができ、しかも、位置決め突起形成部11b−1の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部11fを、位置決め突起形成部11b−1の両側に形成した溝部11e内に埋設するようにしたことから、取付け基体部11aの剛性を高めることができる。
【0041】
また、圧潰肉部11fによって形成された当接面が段差部11dを構成して取付け基体部11aと共にバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに当接された状態で、牽引フック取付け部材11がバンパレインフォース5に溶接されることになり、牽引フック取付け部材11を強固にバンパレインフォース5に取付けることができる。
【0042】
尚、上記実施の形態においては、位置決め孔5bは、バンパレインフォース5の補強内側壁5cと底壁5dとの間に形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、車両のデザイン上等の理由から、バンパレインフォース5の補強内側壁5cと天井壁5eとの間に形成されることもある。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、本発明は、位置決め突起が、取付け基体部に当該高さ寸法とほぼ同等の高さ寸法になるように突出形成した位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより形成されておることから、従来のように機械加工等による切削加工による場合に比して、加工時間を大幅に短縮することができ、結果的にコスト的に有利なバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造とすることができ、しかも、位置決め突起形成部の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部を、位置決め突起形成部の両側に形成した溝部内に埋設するようにしたことから、取付け基体部の剛性を高めることができるために、自動車の前端部又は後端部に設置されたバンパフェイシアと、自動車のサイドメンバー等の車体骨格メンバーに取付けられたバンパステーと、の間に配設設置されるバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】一般的な自動車の前端部に設置したバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造を描画した分解斜視図である。
【図2】本発明に係る実施の形態による牽引フック取付け構造を採用したバンパレインフォースの要部斜視図である。
【図3】同じく、バンパレインフォースから牽引フックを取外して描画した分解斜視図である。
【図4】同じく、牽引フック取付け構造による牽引フック取付け部材の加工前の斜視図である。
【図5】同じく、牽引フック取付け部材の加工後の斜視図である。
【図6】同じく、牽引フック取付け部材への位置決め突起の形成工程を説明するための加工工程前段の説明図である。
【図7】同じく、加工工程時の説明図である。
【図8】従来における牽引フック取付け構造を採用したバンパレインフォースから牽引フックを取外して描画した分解斜視図である。
【図9】従来における牽引フック取付け部材の斜視図である。
【図10】図8のA−A断面図である。
【図11】従来における牽引フック取付け構造を採用したバンパレインフォースへの位置決め孔形成工程を説明するための加工工程前段の説明図である。
【図12】同じく、形成時の説明図である。
【図13】従来における牽引フック取付け構造の改良型による牽引フック取付部材の奢侈図である。
【図14】同じく、図8と同様の断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 自動車
1a 車体
2 バンパフェイシア
3 車体骨格メンバー
5 バンパレインフォース
5a 外向き縦壁部
5b 位置決め孔
10 牽引フック
11 牽引フック取付け部材
11a 取付け基体部
11b 位置決め突起
11b−1 位置決め突起形成部
11d 段差部
11e 溝部
11f 圧潰肉部(当接部)
12 フック本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の前端部又は後端部に設置されたバンパフェイシアと、自動車のサイドメンバー等の車体骨格メンバーに取付けられたバンパステーと、の間に配設設置されるバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の牽引フック10は、例えば、図1に示すように、自動車1の前端部または後端部に設置されたバンパフェイシア2とサイドメンバー等の車体骨格メンバー3に取付けられたバンパステー4との間に配設設置されたバンパレインフォース5に取付けられるようになっている。
【0003】
そこで、従来の牽引フック10は、図8に示すように、バンパレインフォース5側に取付けられる牽引フック取付け部材11と、牽引フック取付け部材11にねじ等で着脱自在に装着するフック本体12とを有して構成している。
【0004】
牽引フック取付け部材11は、図9に示すように、バンパレインフォース5の横方向に広がった平面視台形状の板状体により構成しており、短辺側がバンパフェイシア2側に対向した状態で長辺側である取付け基体部11aがバンパレインフォース5に図13に示すように溶接によって取付けられている。
【0005】
このために、牽引フック取付け部材11は、バンパレインフォース5に溶接する前にバンパレインフォース5に位置決めしておく必要があり、長辺側における取付け基体部11aに位置決め突起11bを突設しておき、位置決め突起11bをバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに縦方向に延在するように形成したスリット状の位置決め孔5bに挿入することにより、位置決めされていた。
【0006】
そして、牽引フック取付け部材11は、例えばコスト上のことから、通常押し出し成形により製作しており、押し出し成形時に同時に位置決め突起11bを形成するようにしている。
【0007】
このため、位置決め突起11bの高さ寸法は、取付け基体部11aの高さ寸法と同等のものに形成されている。
【0008】
かかる構成において、牽引フック取付け部材11をバンパレインフォース5に取付ける場合、位置決め突起11bを位置決め孔5b内に挿入することによって、バンパレインフォース5の外向き縦壁5a上において、牽引フック取付け部材11を位置決めし、その後、バンパレインフォース側取付け面11aの外周部を図10に示すようにバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに溶接することによって、取付けるようになっている。
【0009】
牽引フック取付け部材11には、その長辺から短辺にかけて挿通するようにねじ孔11cが形成されており、ねじ孔11cの短辺側からフック本体12の取付けねじ棒部12aを螺合することにより、牽引フック取付け部材11にフック本体12が着脱可能に装着されている。
【特許文献1】特開2004−299636号公報
【0010】
ところで、周知の如く、牽引フック10は、フック本体12にロープ等を引っ掛け設置して、当該自動車を牽引移動するため或いは他の自動車を牽引移動するため等に使用されるものであることから、フック本体12の剛性もさることながら、牽引フック取付け部材11におけるバンパレインフォース5への取付け強度も高くする必要がある。
【0011】
このために、上記のような従来のバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造において、牽引フック取付け部材11におけるバンパレインフォース5への取付け強度を高めるためには、図10に示す溶接部13が、バンパレインフォース5の補強内側壁5c及び底壁5dに出来る限り近接対向していることが好まく、このためには、牽引フック取付け部材11の高さ寸法(板厚方向寸法)を大きくする必要がある。
【0012】
このように、牽引フック取付け部材11の高さ寸法を大きくした結果、位置決め突起11bの高さ寸法も大きくなり、これに関連して、バンパレインフォース5側の位置決め孔5bの高さ寸法も拡大する必要がある。
【0013】
しかしながら、バンパレインフォース5にお25に示すように通常孔明けポンチ14を用いてプレス成形にて形成することになるが、このプレス成形時における外向き縦壁5a等の変形を防止するため、補強内側壁5cと底壁5dとの互いに対向する内側壁に沿わすように、中子15を添設する必要があり、中子15の板厚は、外向き縦壁5a等の変形を防止するためある程度の厚さ寸法を要することになる。
【0014】
従って、位置決め孔5bの高さ寸法が中子15の厚さ寸法分だけ制限されてしまうことになり、この結果として、-位置決め突起11bの高さ寸法延いては牽引フック取付け部材11の高さ寸法も制限されてしまうことになる。
【0015】
かかる構成において、バンパレインフォース側取付け面11aの外周部をバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに溶接した場合、当該溶接部13は、補強内側壁5c及び底壁5dより内側に移動し遠ざかってしまうことになって、牽引フック取付け部材11延いてはフック本体12におけるバンパレインフォース5への取付け強度が弱いものとなってしまう。
【0016】
そこで、上記のような従来の技術上の課題を解決するために、図13に示すような牽引フック取付け部材11が提案されている。
【0017】
これによれば、フック取付け部材11を押し出し正形等により成形する場合に、位置決め突起11bの高さ寸法(自動車1の上下方向寸法)を、図9に示すように、取付け基体部11aの高さ寸法と同等に形成しておき、次に、機械加工等により位置決め突起11bの高さ方向両端部を切削することによって、図13に示すような、位置決め突起11bの高さ寸法を低く形成するようにして、位置決め突起11bの高さ方向両端部における取付け基体部11aに段差部11dを形成したものである。
【0018】
かかる構成について、図14を用いて説明すると、位置決め突起11bの高さ寸法を取付け基体部11aの高さ寸法より小さく形成していることにより、位置決め突起11bの高さ方向両端部における取付け基体部11aに段差部11dが形成されていることから、たとえ、バンパレインフォース5側において、位置決め突起11bの高さ寸法に見合うような位置決め孔5bが形成されたとしても、牽引フック取付け部材11における取付け基体部11aが、段差部11dと共にバンパレインフォース5の補強内側壁5dと底壁5dとの間において両壁に近接対向させることができ、結果的に、溶接部13がバンパレインフォース5の補強内側壁5c及び底壁5dに近接することになって、牽引フック取付け部材11延いてはフック本体12をバンパレインフォース5に強固に取付けることができることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記のように構成する従来技術においては、一旦、押し出し成形等により取付部材11を成形した際に、取付け基体部11aの高さ寸法と同等の位置決め突起11bを形成した後に、機械加工等を施して、位置決め突起11bの高さ方向両端部を切削する作業が必要であり、かかる両端部の切削のための加工時間を多く必要とすることになり、コストアップの要因となっていた。
【0020】
そこで、本発明は、かかる点に鑑み、牽引フックを取付けるためのフック取付け部材における位置決め突起を、予め押し出し成形等により、取付け基体部の高さ寸法と同等に形成したことにより必要な位置決め突起の高さ寸法両端部を削除するために必要な加工時間を短縮し、これによりコスト的に有利なバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明のバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造は、自動車の前端部又は後端部に設置されたバンパフェイシアと、前記自動車のサイドメンバー等の車体骨格メンバーに取付けられたバンパステーと、の間に配設設置されるバンパレインフォースに牽引フックを取付けるために、前記牽引フックを、当該自動車を牽引するためのロープ等を設置するフック本体と、前記フック本体を前記バンパレインフォースに取付けるための牽引フック取付け部材とで構成し、前記牽引フック取付け部材における前記バンパレインフォースの外向き縦壁に着座する取付け基体部に、前記バンパレインフォースに形成した位置決め孔に挿入して当該パンパレインフォースに対する前記牽引フック取付け部材を位置決めする位置決め突起を突出形成し、該位置決め突起の高さ寸法を前記取付け基体部の高さ寸法より小さく形成することにより、前記位置決め突起の高さ方向両端部における前記取付け基体部に段差部を形成し、前記位置決め突起を前記位置決め孔に挿入した際に前記段差部を含む前記取付け基体部の取付け面を前記バンパレインフォースの外向き縦壁に当接した状態で、前記取付け基体部の外周部を前記バンパレインフォースに溶着することにより、前記牽引フックを前記バンパレインフォースに取付けるようにしたバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造において、前記取付け基体部に当該板厚寸法とほぼ同等の高さ寸法の位置決め突起形成部を突出形成すると共に、該位置決め突起形成部における板厚方向両側壁にそれぞれ延在対向するように前記取付け基体部に溝部を形成し、前記位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより前記位置決め突起を形成し、前記位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰する際に形成された圧潰肉部を前記両溝部内に誘導することにより溝部を埋設するように構成したことを特徴とするものである。
【0022】
かかる構成により、位置決め突起が、取付け基体部に当該高さ寸法と同等の高さ寸法になるように突出形成した位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより形成されておることから、従来のように機械加工等による切削加工による場合に比して、加工時間を大幅に短縮することができ、結果的にコスト的に有利なバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造を提供することができ、しかも、位置決め突起形成部の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部を、位置決め突起形成部の両側に形成した溝部内に埋設するようにしたことから、取付け基体部の剛性を高めることができる。
【0023】
また、本発明に係るバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造は、前記位置決め突起形成部の両端部を圧潰することにより前記溝部内に埋設された圧潰肉部を、前記取付け基体部を前記バンパレインフォースに溶着する際に該パンパレインフォースの外向き縦壁に当接する当接面に形成するように構成してもよい。
【0024】
かかる構成により、圧潰肉部によって形成された当接面が取付け基体部と共にバンパレインフォースの外向き縦壁に当接された状態で、牽引フック取付け部材がバンパレインフォースに溶接されることになり、牽引フック取付け部材を強固にバンパレインフォースに取付けることができる。
【発明の効果】
【0025】
上記のように構成する本発明におけるバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造は、位置決め突起が、取付け基体部に当該高さ寸法とほぼ同等の高さ寸法になるように突出形成した位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより形成されておることから、従来のように機械加工等による切削加工による場合に比して、加工時間を大幅に短縮することができ、結果的にコスト的に有利なバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造とすることができ、しかも、位置決め突起形成部の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部を、位置決め突起形成部の両側に形成した溝部内に埋設するようにしたことから、取付け基体部の剛性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図を用いて、本発明を実施するための最良の実施の形態について、説明する。
【0027】
図1は一般的な自動車の前端部に設置したバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造を描画した分解斜視図、図2は本発明に係る第1の実施の形態による牽引フック取付け構造を採用したバンパレインフォースの要部斜視図、図3は同じく分解斜視図、図4は図2の牽引フック取付け部材における位置決め突起形成前の斜視図、図5は同じく位置決め突起形成後の斜視図、図6は図3のA−A断面図である。尚、従来の技術に対応する部位には、同一符号を付して説明する。
【0028】
先ず、図1において、自動車11の前方には、バンパフェイシア2が配設されており、バンパフェイシア2の後方には、バンパレインフォース5が配設されている。
【0029】
バンパレインフォース5と車体1aを構成するフロントサイドメンバー等の車体骨格メンバー3との間には、バンパステー4が配設されている。
【0030】
バンパレインフォース5は、図2に示すように、自動車1の車幅方向に延在するように略矩形状の筒材から構成され、内部にやはり自動車1の車幅方向に延在するように補強内側壁5cを形成することによって、側面視「日」字状に形成されている。
【0031】
バンパレインフォース5における自動車1の前面側に存する外向き縦壁5aには、牽引フック10が溶接により取付けられている。
【0032】
牽引フック10は、自動車1を牽引するためのロープ等を引っ掛け設置するフック本体12と、フック本体12をバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに取付けるための牽引フック取付け部材11とを有して構成している。
【0033】
牽引フック取付け部材11は、図3に示すように、バンパレインフォース5の横方向(車幅方向)に広がった平面視略台形状の板体により構成しており、短辺側がバンパフェイシア2側に対向した状態で長辺側がバンパレインフォース5の外向き壁部5aに着座する取付け基体部11aとなって全周に亘ってバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに溶接されている。
【0034】
また、牽引フック取付け部材11には、取付け基体部11aである長辺側から短辺側にかけて挿通するように、ねじ孔11cが形成されており、ねじ孔11cの短辺側からフック本体12の取付けねじ棒部12aを螺合することにより、牽引フック取付け部材11にフック本体12が着脱可能に装着されている。
【0035】
更に、牽引フック取付け部材11の取付け基体部11aには、バンパレインフォース5側に突出する位置決め突起11bが突設されている。
【0036】
このように構成する牽引フック取付け部材11は、先ず、押し出し成形により、図4に示すように成形しておく。すなわち、当初の押し出し成形においては、牽引フック取付け部材11の位置決め突起形成部11b−1における高さ寸法は、取付け基体部11aの高さ寸法(板厚寸法)と同等に形成され、しかも、位置決め突起形成部における板厚方向(幅方向)両側壁にそれぞれ沿って延在対向するように、取付け基体部11aに一対の溝部11eが形成されている。
【0037】
次に、位置決め突起形成部11b−1における高さ方向両端部を、図6に示すようなコ字状凹形状に形成された潰し型16を用いてプレス成形し、図7に示すように圧潰して圧潰肉部11fを形成することによって、取付け基体部11aの板厚寸法より小さい高さ寸法の位置決め突起11bを形成し、結果的に、位置決め突起11bの高さ方向両端部における取付け基体部11aに段差部11dが形成されることになる。
【0038】
そして、位置決め突起形成部11b−1における高さ方向両端部の圧潰によって形成された圧潰肉部11fは、図5に示すように、両溝部11e内に誘導することによって溝部11eの一部を埋設し、取付け基体部11aをバンパレインフォース5に溶着する際に、バンパレインフォース5の外向き壁部5aに当接する当接面に形成することになる。
【0039】
かかる構成により、位置決め突起11bが、取付け基体部11aに当該高さ寸法と同等の高さ寸法になるように突出形成した位置決め突起形成部11b−1の高さ方向両端部を圧潰することにより形成されていることから、牽引フック取付け部材11を従来同様押し出し成形による低コストにより製作することができ、しかも、位置決め突起形成部11b−1の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部11fを、位置決め突起形成部11b−1の両側に形成した溝部11e内に埋設するようにしたことから、取付け基体部11aの剛性を高めることができる。
【0040】
従来のように機械加工等による切削加工による場合に比して、加工時間を大幅に短縮することができ、結果的にコスト的に有利なバンパレインフォース5への牽引フック取付け構造とすることができ、しかも、位置決め突起形成部11b−1の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部11fを、位置決め突起形成部11b−1の両側に形成した溝部11e内に埋設するようにしたことから、取付け基体部11aの剛性を高めることができる。
【0041】
また、圧潰肉部11fによって形成された当接面が段差部11dを構成して取付け基体部11aと共にバンパレインフォース5の外向き縦壁5aに当接された状態で、牽引フック取付け部材11がバンパレインフォース5に溶接されることになり、牽引フック取付け部材11を強固にバンパレインフォース5に取付けることができる。
【0042】
尚、上記実施の形態においては、位置決め孔5bは、バンパレインフォース5の補強内側壁5cと底壁5dとの間に形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、車両のデザイン上等の理由から、バンパレインフォース5の補強内側壁5cと天井壁5eとの間に形成されることもある。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、本発明は、位置決め突起が、取付け基体部に当該高さ寸法とほぼ同等の高さ寸法になるように突出形成した位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより形成されておることから、従来のように機械加工等による切削加工による場合に比して、加工時間を大幅に短縮することができ、結果的にコスト的に有利なバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造とすることができ、しかも、位置決め突起形成部の両端部を圧潰することによって形成された圧潰肉部を、位置決め突起形成部の両側に形成した溝部内に埋設するようにしたことから、取付け基体部の剛性を高めることができるために、自動車の前端部又は後端部に設置されたバンパフェイシアと、自動車のサイドメンバー等の車体骨格メンバーに取付けられたバンパステーと、の間に配設設置されるバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】一般的な自動車の前端部に設置したバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造を描画した分解斜視図である。
【図2】本発明に係る実施の形態による牽引フック取付け構造を採用したバンパレインフォースの要部斜視図である。
【図3】同じく、バンパレインフォースから牽引フックを取外して描画した分解斜視図である。
【図4】同じく、牽引フック取付け構造による牽引フック取付け部材の加工前の斜視図である。
【図5】同じく、牽引フック取付け部材の加工後の斜視図である。
【図6】同じく、牽引フック取付け部材への位置決め突起の形成工程を説明するための加工工程前段の説明図である。
【図7】同じく、加工工程時の説明図である。
【図8】従来における牽引フック取付け構造を採用したバンパレインフォースから牽引フックを取外して描画した分解斜視図である。
【図9】従来における牽引フック取付け部材の斜視図である。
【図10】図8のA−A断面図である。
【図11】従来における牽引フック取付け構造を採用したバンパレインフォースへの位置決め孔形成工程を説明するための加工工程前段の説明図である。
【図12】同じく、形成時の説明図である。
【図13】従来における牽引フック取付け構造の改良型による牽引フック取付部材の奢侈図である。
【図14】同じく、図8と同様の断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 自動車
1a 車体
2 バンパフェイシア
3 車体骨格メンバー
5 バンパレインフォース
5a 外向き縦壁部
5b 位置決め孔
10 牽引フック
11 牽引フック取付け部材
11a 取付け基体部
11b 位置決め突起
11b−1 位置決め突起形成部
11d 段差部
11e 溝部
11f 圧潰肉部(当接部)
12 フック本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の前端部又は後端部に設置されたバンパフェイシアと、前記自動車のサイドメンバー等の車体骨格メンバーに取付けられたバンパステーと、の間に配設設置されるバンパレインフォースに牽引フックを取付けるために、前記牽引フックを、当該自動車を牽引するためのロープ等を設置するフック本体と、前記フック本体を前記バンパレインフォースに取付けるための牽引フック取付け部材とで構成し、前記牽引フック取付け部材における前記バンパレインフォースの外向き縦壁に着座する取付け基体部に、前記バンパレインフォースに形成した位置決め孔に挿入して当該パンパレインフォースに対する前記牽引フック取付け部材を位置決めする位置決め突起を突出形成し、該位置決め突起の高さ寸法を前記取付け基体部の高さ寸法より小さく形成することにより、前記位置決め突起の高さ方向両端部における前記取付け基体部に段差部を形成し、前記位置決め突起を前記位置決め孔に挿入した際に前記段差部を含む前記取付け基体部の取付け面を前記バンパレインフォースの外向き縦壁に当接した状態で、前記取付け基体部の外周部を前記バンパレインフォースに溶着することにより、前記牽引フックを前記バンパレインフォースに取付けるようにしたバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造において、
前記取付け基体部に当該板厚寸法とほぼ同等の高さ寸法の位置決め突起形成部を突出形成すると共に、該位置決め突起形成部における板厚方向両側壁にそれぞれ延在対向するように前記取付け基体部に溝部を形成し、前記位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより前記位置決め突起を形成し、前記位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰する際に形成された圧潰肉部を前記両溝部内に誘導することにより溝部を埋設するように構成したことを特徴とするバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造。
【請求項2】
前記位置決め突起形成部の両端部を圧潰することにより前記溝部内に埋設された圧潰肉部を、前記取付け基体部を前記バンパレインフォースに溶着する際に該パンパレインフォースの外向き縦壁に当接する当接面に形成したことを特徴とする請求項1に記載のバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造。
【請求項1】
自動車の前端部又は後端部に設置されたバンパフェイシアと、前記自動車のサイドメンバー等の車体骨格メンバーに取付けられたバンパステーと、の間に配設設置されるバンパレインフォースに牽引フックを取付けるために、前記牽引フックを、当該自動車を牽引するためのロープ等を設置するフック本体と、前記フック本体を前記バンパレインフォースに取付けるための牽引フック取付け部材とで構成し、前記牽引フック取付け部材における前記バンパレインフォースの外向き縦壁に着座する取付け基体部に、前記バンパレインフォースに形成した位置決め孔に挿入して当該パンパレインフォースに対する前記牽引フック取付け部材を位置決めする位置決め突起を突出形成し、該位置決め突起の高さ寸法を前記取付け基体部の高さ寸法より小さく形成することにより、前記位置決め突起の高さ方向両端部における前記取付け基体部に段差部を形成し、前記位置決め突起を前記位置決め孔に挿入した際に前記段差部を含む前記取付け基体部の取付け面を前記バンパレインフォースの外向き縦壁に当接した状態で、前記取付け基体部の外周部を前記バンパレインフォースに溶着することにより、前記牽引フックを前記バンパレインフォースに取付けるようにしたバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造において、
前記取付け基体部に当該板厚寸法とほぼ同等の高さ寸法の位置決め突起形成部を突出形成すると共に、該位置決め突起形成部における板厚方向両側壁にそれぞれ延在対向するように前記取付け基体部に溝部を形成し、前記位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰することにより前記位置決め突起を形成し、前記位置決め突起形成部の高さ方向両端部を圧潰する際に形成された圧潰肉部を前記両溝部内に誘導することにより溝部を埋設するように構成したことを特徴とするバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造。
【請求項2】
前記位置決め突起形成部の両端部を圧潰することにより前記溝部内に埋設された圧潰肉部を、前記取付け基体部を前記バンパレインフォースに溶着する際に該パンパレインフォースの外向き縦壁に当接する当接面に形成したことを特徴とする請求項1に記載のバンパレインフォースへの牽引フック取付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−67188(P2009−67188A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236725(P2007−236725)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000178804)ユニプレス株式会社 (83)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000178804)ユニプレス株式会社 (83)
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