説明

バーコード担持ラベルおよびその使用方法

【課題】追加されたバーコードを必要に応じて機械的に読み取れるように、貼り付け対象物に貼り付け可能なバーコード担持ラベルを提案すること。
【解決手段】配送伝票1は配送ラベル5と広告ラベル6からなり、裏面のライナーシート4には切り取り線10によって切り剥がし部9が形成されている。切り剥がし部9を剥がして粘着層露出部3aを形成した後に、第2のバーコード8aが印刷されているラベル部分を裏面側に折り畳んで裏面側折り畳み部1Bを形成し、これを粘着層露出部3aによってラベル裏面側に貼り付ける。この状態で、切り剥がし部9に繋がっているライナーシート部分4Aを剥がして、配送物Pに貼り付ける。第2のバーコード8aが裏面側に隠れているので配送管理用の第1のバーコード7a、7bのみを読み取ることができ、第2のバーコード8aは必要に応じて裏面側折り畳み部1Bを表側に折り返して読み取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空荷物用のラゲッジタグ、陸上輸送荷物用の配送伝票などとして用いられる複数のバーコードが印刷されたバーコード担持ラベルに関する。さらに詳しくは、新たに追加されたバーコードに影響されることなく既存のバーコードを既存の読み取り装置により読み取ることができ、新たに追加されたバーコードは必要に応じて読み取ることができるように、貼り付け対象物に貼り付けて用いることのできるバーコード担持ラベルおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バーコードを用いて商品の配送管理などを行う管理システムが広く利用されている。バーコードによる管理システムでは、管理対象物、例えば配送物にバーコードが印刷されたラベル(配送伝票)を貼り付け、各配送段階において配送物に貼り付けられているラベルのバーコードをバーコードリーダーによって読み取り、読み取り情報をコンピュータからなる管理端末において管理するようになっている。
【0003】
ここで、クーポン、商品広告などをバーコードと共にラベルに追加し、追加したバーコードに担持されている情報に基づき各種の付加サービスを顧客に提供することが考えられる。このような場合には、配送管理用のバーコードを読み取る際に、付加サービス用に追加したバーコードが一緒に読み取られると、配送管理用のバーコードに担持されている配送管理情報を正確に読み取ることができず、配送管理に支障が発生する。このような弊害を回避するためには、例えば、特許文献1において提案されている特殊なバーコード読取装置を用いた管理システムを採用する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−081460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているような特殊なバーコード読取装置を用いる場合には、既存のバーコードによる管理システムに変更を加える必要があり、また、そのための費用も掛るという問題点がある。
【0006】
本発明の課題は、管理システムに変更を加えることなく、既存のバーコードを新たに追加されたバーコードに影響されることなく正確に読み取ることができ、しかも、新たに追加されたバーコードは必要に応じて既存の管理システムを用いて読み取ることができるように、貼り付け対象物に貼り付けて用いることのできるバーコード担持ラベル、および、当該バーコード担持ラベルの使用方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のバーコード担持ラベルは、
所定長さのラベルシートと、このラベルシートの裏面に形成された粘着層と、この粘着層を剥離可能な状態で覆っているライナーとを備え、
前記ラベルシートには、第1のバーコードを含む第1印刷情報が印刷されている第1ラベル部分と、第2のバーコードを含む第2印刷情報が印刷されている第2ラベル部分とが含まれており、
前記ライナーシートには、前記第1ラベル部分の裏面に位置する第1ライナーシート部分と前記第2ラベル部分の裏面に位置する第2ライナーシート部分とが含まれており、
前記第1ライナーシート部分および前記第2ライナーシート部分のうちの少なくとも一方には、その一部分のみを前記ラベルシートの側から剥離可能な切り剥がし部が形成されており、
前記第2ラベル部分における少なくとも前記第2のバーコードが印刷されている部分を、当該第2ラベル部分の裏面側に折り畳んで裏面側折り畳み部分を形成すると、前記裏面側折り畳み部分の裏面、前記裏面側折り畳み部分に対峙する前記第2ラベル部分の裏面、および、前記裏面側折り畳み部分に対峙する前記第1ラベル部分の裏面のうちの少なくとも一つの裏面に、前記切り剥がし部が位置するようになっていることを特徴としている。
【0008】
ここで、前記裏面側折り畳み部分を形成するための折り曲げ位置には、例えば、ラベルシート上に折り曲げ線を印刷しておいてもよいが、簡単かつきれいに折り曲げることができるようにするためには、折り曲げ位置を規定する折り曲げ容易部分を形成しておくことが望ましい。折り曲げ容易部分は、例えば、前記ラベルシートおよび前記ライナーシートの少なくとも一方に形成したミシン目とすることができる。また、ラベルシートを折り曲げ位置に沿って予め切断しておけば、このラベル切断部分によって折り曲げ容易部分が規定され、当該ラベル切断部分に沿って簡単かつきれいにライナーシートを折り曲げることができる。
【0009】
本発明のバーコード担持ラベルは次のように貼り付け対象物に貼り付けて使用できる。まず、前記切り剥がし部を切り剥がして前記粘着層の一部が露出した粘着層露出部を形成する。次に、前記第2ラベル部分を所定の部位において幅方向に延びる折り曲げ線に沿って裏面側に折り畳むことにより、前記粘着層露出部によって、前記バーコード担持ラベルの裏面側に接着された前記裏面側折り畳み部を形成して、前記第2のバーコードが前記バーコード担持ラベルの裏面側に隠れた状態にすることができる。折り曲げ容易部分が形成されている場合には折り曲げ作業を簡単に行うことができる。
【0010】
次に、この状態で、前記第1ラベル部分の前記第1ライナーシート部分を剥離して、当該第1ラベル部分を貼り付け対象物に貼り付ける。これにより、バーコードリーダーを用いて前記第1ラベル部分に印刷されている前記第1のバーコードを読み取り可能となり、第2のバーコードは裏面側に隠れているので読み取られることがない。前記第2ラベル部分の前記第2のバーコードの読み取り時には、前記裏面側折り畳み部を前記バーコード担持ラベルの裏面側から剥がして、当該バーコード担持ラベルの表面側に前記第2のバーコードを露出させればよい。
【0011】
このように、貼り付け対象物に貼り付けたバーコード担持ラベルにおいては、その表面側からは第1バーコードのみを読み取ることが可能であり、裏面側に隠されている第2バーコードが読取装置によって読み取られることはない。したがって、第2のバーコードを新たに追加した場合においても、第2のバーコードが第1のバーコードと一緒に読み取られて、第1のバーコードの読取障害が発生することが無い。
【0012】
また、第2のバーコードが印刷されている裏面側折り畳み部の裏面の粘着層の部分は第2ライナーシート部分によって覆われており、粘着層露出部のみによって裏面側に貼り付けられている。したがって、裏面側折り畳み部を適切な大きさとしておけば、当該裏面側折り畳み部を簡単に剥がすことができ、裏面側折り畳み部を剥がすことによって隠されていた第2のバーコードをラベル表面側に露出させることができ、読取装置によって読み取ることができる。読取後は、再び第1ラベル部分の裏面側に折り畳んで貼り付けることができる。この代わりに、第2のバーコードが印刷されている第2ラベル部分を第1ラベル部分から切り離すことも可能である。
【0013】
ここで、前記第2のバーコードを含む前記第2ラベル部分を前記ラベルシートにおける長さ方向の端に配置しておけば、当該第2のバーコードの部分を簡単にラベル裏面側に折り畳むことができる。
【0014】
次に、前記切り剥がし部を、前記第2ライナーシート部分から前記第1ライナーシート部分に掛る状態に形成しておくことができる。
【0015】
この場合には、前記切り剥がし部を、前記第1ライナーシート部分における幅方向の一方の縁から前記第2ライナーシート部分を経由して、前記第1ライナーシート部分における幅方向の他方の縁に至るように付けた切り込み線によって規定することが望ましい。このようにすれば、切り剥がし部が第1ラベル部分の側の第1ライナーシート部分に連続した状態になる。よって、切り剥がし部を剥がして裏面側折り畳み部を形成した後に、当該切り剥がし部を剥離方向に引くと、これに繋がっている第1ライナーシート部分を第1ラベル部分の裏面から簡単に剥がすことができる。
【0016】
次に、前記切り剥がし部を、前記ライナーシートにおいて、その幅方向の一方の縁から他方の縁に至るように付けた二条の切り込み線によって規定することも可能である。この場合には、切り剥がし部を剥がすと、第1ライナーシート部分と第2ライナーシート部分が完全に分離した状態になるので、第1ライナーシート部分を第2ライナーシート部分から切断する操作が不要になり、第1ライナーシート部分の剥離操作が簡単になる。
【0017】
ここで、複数箇所に前記切り剥がし部を形成しておくことができる。このようにすれば、切り剥がし箇所を増減することにより裏面側折り畳み部の接着力を調整することが可能になる。
【0018】
次に、本発明のバーコード担持ラベルは、航空荷物用のラゲッジタグ、陸上輸送荷物用の配送伝票として用いることができる。このような場合には、第1ラベル部分には配送管理情報などが印刷され、第2ラベル部分には、例えば、企業および商品などの広告宣伝情報と付加サービス用の第2のバーコードが印刷される。
【発明の効果】
【0019】
本発明のバーコード担持ラベルは、貼り付け対象物に対して、その表面側から第1バーコードのみが読み取られるように、第2のバーコードをラベル裏面側に隠した状態で貼り付けることが可能である。また、必要に応じて裏面側に隠されている第2バーコードをラベル表面側に向けて読取装置によって読み取らせることができる。したがって、第1のバーコードを用いた管理システムに用いるラベルの代わりに、第2のバーコードが追加された本発明のバーコード担持ラベルを用いた場合に、第2のバーコードが第1のバーコードと一緒に読み取られて、第1のバーコードの読取障害が発生することが無い。よって、本発明によれば、既存のバーコードによる管理システムを変更することなくそのまま用いて、新たに追加した第2のバーコードに基づく付加サービスなどの業務を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のバーコード担持ラベルの一例を示す平面図、断面説明図、裏面図である。
【図2】図1のバーコード担持ラベルの使用方法例を示す説明図である。
【図3】本発明のバーコード担持ラベルの別の例を示す平面図、使用状態の説明図である。
【図4】本発明のバーコード担持ラベルの3例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したバーコード担持ラベルの実施の形態を説明する。
【0022】
(配送ラベルの構成)
図1は本発明のバーコード担持ラベルを宅配業務などにおける荷物用の配送伝票に適用した場合の例を示してあり、図1(A)はその平面図であり、図1(B)はその断面を厚さ方向に拡大した状態で示す説明図であり、図1(C)はその裏面図である。これらの図に示すように、配送伝票1は一定幅および一定長さの長方形のものであり、その表面側に、インクジェットプリンターなどによってカラー印刷を表面2aに行うことが可能なラベルシート2を備えている。ラベルシート2の裏面2bに形成された粘着層3はライナーシート4によって覆われており、ライナーシート4は剥離可能である。ライナーシート4はラベルシート2に比べて幅および長さが僅かに大きい。
【0023】
ラベルシート2における長さ方向の一方の側の部分は通常の配送ラベル5であり、長さ方向の他方の側の残りの部分は追加の広告ラベル6となっている。配送ラベル5の表面には配送管理情報7(第1印刷情報)が印刷されており、配送管理情報7には配送先住所、配送管理番号などの情報が含まれており、これらの情報はバーコードの形態でも印刷されている。本例では、配送管理情報を担持した第1のバーコード7a、7bが印刷されている。
【0024】
広告ラベル6の表面には商品広告情報8(第2印刷情報)が印刷されており、この商品広告情報には、付加サービス情報などが担持された第2のバーコード8aが含まれており、当該2のバーコード8aも広告ラベル6の表面に印刷されている。本例では、ラベルシート2における長さ方向の端に第2のバーコード8aが幅方向に印刷されている。勿論、複数の第2のバーコードを印刷しておくことも可能である。
【0025】
ここで、ライナーシート4において、配送ラベル5の裏面を覆っている部分を第1ライナーシート部分4aとし、広告ラベル6の裏面を覆っている部分を第2ライナーシート部分4bとして説明する。これら第1ライナーシート部分4aおよび第2ライナーシート部分4bのうちの少なくとも一方に、その一部分のみをラベルシート2の側から剥離可能な切り剥がし部9が形成されている。本例では、切り剥がし部9がライナーシート4に形成した切り取り線10によって規定されている。切り取り線10は、第1ライナーシート部分4aにおける第2ライナーシート部分4bの側の端部において、その幅方向の一方の縁4cから他方の縁4dまで延びており、切り取り線10に沿ってライナーシート4が長さ方向に二分されている。また、切り取り線10におけるライナーシート4の幅方向の中央部分は第2ライナーシート部分4bの側に細い山形状に入り込んでいる。
【0026】
したがって、切り取り線10によって規定される切り剥がし部9は第1ライナーシート部分4aの側に連続して山形状に第2ライナーシート部分4bの側に延びている部分である。この切り剥がし部9は次の条件を満たす位置に形成すればよい。すなわち、広告ラベル6における少なくとも第2のバーコード8aが印刷されている部分を、当該広告ラベル6の裏面側に折り畳んで裏面側折り畳み部分を形成した場合に、この裏面側折り畳み部分の裏面、この裏面側折り畳み部分に対峙する広告ラベル6の裏面、および、裏面側折り畳み部分に対峙する配送ラベル5の裏面のうち、少なくとも一つの裏面に切り剥がし部9が位置するように形成しておけばよい。
【0027】
この形状の切り剥がし部9を、その山形の峰部分9aの側から剥離していくと、切り取り線10よりも配送ラベル側のライナーシート部分4A(切り剥がし部9および、これに連続している第1ライナーシート部分4a)をラベルシート2から剥がすことができる。これらの部位を剥がした後には、切り取り線10よりも広告ラベル側には剥がし残しライナーシート部分4Bが残る。
【0028】
(配送ラベルの使用方法)
図2はこの構成の配送伝票1の使用方法を示す説明図である。配送対象の荷物Pに配送伝票1を貼るのに先立って、次のようにして、第2のバーコード8aをラベル裏面側に折り畳むことにより表面側からは見えないようにする。まず、図2(A)、(B)に示すように、配送伝票1の裏面の切り剥がし部9をその山形状の峰部分9aから切り取り線10に沿って所定長さ分だけ切り剥がす。この結果、切り剥がし部9が剥がされたラベルシート2の裏面には、粘着層3が露出した粘着層露出部3aが形成される。
【0029】
この後は、広告ラベル6を所定の部位において幅方向に延びる折り曲げ線6aに沿って裏面側に折り畳む。折り曲げ位置は第2のバーコード8aが完全にラベル裏面側に折り畳み可能な位置に設定すればよい。広告ラベル6の全体を折り畳むことも可能であるが、そこに印刷されている第2のバーコード8a以外の広告情報を常に表示できるように、第2のバーコード8aの部分のみを裏面側に折り込み可能な位置で折り曲げることが望ましい。折り曲げ線6aに沿って裏面側に折り畳むことにより、図2(C)に示すように、ラベルの裏面側折り畳み部分1Bが形成される。
【0030】
ここで、折り曲げ線6aは所望の位置とすることができ、折り曲げ位置を表す折り曲げ線6aを例えばラベルシートに印刷しておいてもよい。また、折り曲げしやすいように折り曲げ位置(折り曲げ線6a)に沿って折り曲げ容易部分を形成しておくことが望ましい。例えば、ラベルシートおよびライナーシートの双方あるいは一方にミシン目を形成しておけばよい。または、折り曲げ位置(折り曲げ線6a)に沿ってラベル自体を切り離しておいても良い。ラベルが切り離されていてもライナーシートは繋がっているので分離しない。一般にライナーシート4は広告ラベル6よりも曲げやすいので、ラベル切断部分によって規定される折り曲げ容易部分に沿って、きれいに、かつ、簡単にラベルを折り曲げることが可能になる。
【0031】
このようにして形成した裏面側折り畳み部分1Bに対峙しているラベル裏面部分には粘着層露出部3aが形成されている。また、当該粘着層露出部3aが裏面側折り畳み部分1Bの裏面にまで延びている。したがって、図2(D)に示すように、粘着層露出部3aによって、裏面側折り畳み部分1Bはラベル裏面側に貼り付けられた状態になる。この状態では、裏面側折り畳み部分1Bの表面に形成されている第2のバーコード8aが裏面側に隠れる。
【0032】
この状態で、図2(D)に示すように、切り剥がし部9をラベルシート2の裏面側から離す方向に引き出すことにより、これに連続しているライナーシート部分4Aを剥がすことができる。ライナーシート部分4Aを剥がした後は、図2(E)に示すように、配送対象の荷物Pの表面Paにおける所定の部位に配送伝票1を貼り付ける。配送伝票1を貼り付けた状態では、配送管理情報が担持されている第1のバーコード7a、7bのみが表面からバーコードリーダーによって読み取り可能であり、第2のバーコード8aは後向きの状態で隠されており、読み取られることがない。
【0033】
よって、通常の配送業務においては、一般的な配送ラベルの場合と同様に、配送伝票1をバーコードによって読み取ることにより、第1のバーコード7a、7bに担持されている配送管理情報を読み取って配送管理を行うことができる。
【0034】
一方、広告ラベル6に印刷されている第2のバーコード8aの読み取りが必要な場合には、裏面側折り畳み部分1Bを荷物Pの表面Paから持ち上げ、図2(F)に示すように、当該裏面側折り畳み部分1Bをラベル表面側に折り返して元の状態に戻せばよい。裏面側折り畳み部分1Bは荷物Pの表面Paには貼りついていないので簡単に持ち上げることができる。また、裏面側折り畳み部分1Bは、粘着層露出部3aによって部分的にラベル裏面側に貼り付けられているだけであり、それ以外の部分は剥がし残しライナーシート部分4Bによって粘着層3が覆い隠されている。よって、裏面側折り畳み部分1Bを折り返して元に戻す操作も簡単に行うことができる。
【0035】
表面側に折り返すことにより、第2のバーコード8aが表面を向くので、バーコードリーダーによって読み取ることができる。第2のバーコード8aの読み取りを一回のみ行えば良い場合には、例えば、広告ラベル6と配送ラベル5の間のミシン目などの切り取り線を予め入れておき、ここから切り取ってバーコードリーダーによって読み取ればよい。勿論、予め広告ラベル6と配送ラベル5を切り離されたラベル片としておいてもよい。第2のバーコード8aを繰り返し読み取る必要がある場合には、当該部分を再び裏面側に折り畳んで裏面側折り畳み部分1Bを形成すればよい。
【0036】
(ラゲッジタグの例)
図3は本発明のバーコード担持ラベルを航空便用のラゲッジタグとして用いた場合の例を示す説明図であり、図3(A)はその平面図であり、図3(B)はその使用状態を示す説明図である。本例のラゲッジタグ11の基本構成は上記の配送伝票1と同様であり、細長い一定の幅のラベルであり、表面側のラベルシート12と、この裏面に形成された粘着層を覆い隠しているライナーシート14とを備えている。
【0037】
ラベルシート12には、その長さ方向の中央を中心として回転対象の状態で、両側に配送管理情報17が印刷された配送ラベル15および広告情報18が印刷された広告ラベル16が形成されている。配送ラベル15には配送管理情報(到着地、搭乗者名など)が担持された第1のバーコード17a、17bが印刷されており、広告ラベル16は、例えば、空港からの荷物配送サービスを利用する際に用いる配送サービス用のクーポン券であり、ここには、第2のバーコード18aが印刷されている。
【0038】
この構成のラゲッジタグ11のライナーシート14には、その長さ方向の両端部分に、図1、図2に示す場合と同様な切り剥がし部19が形成されている。例えば、図3(B)クーポン券として用いることのできる広告ラベル16の全体を、配送ラベル15との境の折り曲げ線16aに沿ってラベル裏面側に折り畳むことにより、ラベル両端に、裏面側折り畳み部11Bを形成する。この状態で、ライナーシート14における配送ラベル裏面側のラベルシート部分14Aを剥がし取り、ラゲッジP1の取手Pbに通して長さ方向の中央位置で折り曲げて相互に貼り付ける。この結果、配送管理用の第1のバーコード17a、17bがバーコードリーダーによって読取可能になり、第2のバーコード18aは裏面側に隠されて読み取られることがない。よって、配送情報の読み取り時の第2のバーコード18aも読み取られて、読取誤差、読取不良が発生して配送管理に支障を来たすという弊害が発生しない。
【0039】
(その他の実施の形態)
上記の各例では、ライナーシートに形成した切り剥がし部9が配送ラベル裏面側のライナーシート部分4A、14Aに連続している。この代わりに、切り剥がし部9のみをラベル裏面から切り剥がすことができるようにしてもよい。
【0040】
図4にはこのような切り剥がし部を備えたバーコード担持ラベルの各例を示してある。まず、図4(A)に示すバーコード担持ラベル21においては、第1ラベル25と第2ラベル26の間においてライナーシートにはその幅方向に延びる切り取り線30aが形成され、第1ラベル側のライナーシート部分24aと第2ラベル側のライナーシート部分24bが分離している。また、ライナーシート部分24bにおける切り取り線30aの側の近傍位置には、所定の閉鎖形状の切り取り線、例えば矩形の切り取り線30bによって矩形の切り剥がし部29が規定されている。第2ラベル26には、例えば、ラベル端側に第2のバーコード28aが印刷されており、これが裏面側に隠れるように、折り曲げ線26aに沿って裏面側に折り畳まれる。裏面側に折り畳むことにより形成される裏面側折り畳み部は、切り剥がし部29を切り剥がすことにより形成された粘着層露出部23aによってラベル裏面側に貼り付けられた状態になる。この状態で、第1ラベル側のライナーシート部分24aを剥がして、貼り付け対象物の表面などにバーコード担持ラベル21が貼り付けられる。
【0041】
図4(B)に示すバーコード担持ラベル31においては、第1ラベル35における第2ラベル36の側に近い部位において、一定間隔で、ラベル幅方向に平行に延びる二条の切り取り線40a、40bによって切り剥がし部39が規定されている。第2ラベル36には、例えば、ラベル端側に第2のバーコード38aが印刷されており、これが裏面側に隠れるように、第1、第2ラベルの境に規定した折り曲げ線36aに沿って裏面側に折り畳まれる。裏面側に折り畳むことにより形成される裏面側折り畳み部は、切り剥がし部39を切り剥がすことにより形成された粘着層露出部33aによってラベル裏面側に貼り付けられた状態になる。この状態で、第1ラベル側のライナーシート部分34Aを剥がして、貼り付け対象物の表面などにバーコード担持ラベル31が貼り付けられる。
【0042】
図4(C)に示すバーコード担持ラベル41においては、第2ラベル46における第1ラベル45の側に近い部位において、一定間隔で、ラベル幅方向に平行に延びる三条の切り取り線50a、50b、50cによって2箇所に切り剥がし部49a、49bが規定されている。第2ラベル46には、例えば、ラベル端側に第2のバーコード48aが印刷されており、これが裏面側に隠れるように、第1、第2ラベルの境に規定した折り曲げ線46aに沿って裏面側に折り畳まれる。裏面側に折り畳むことにより形成される裏面側折り畳み部は、切り剥がし部49a、49bを切り剥がすことにより形成された粘着層露出部43a、43bによってラベル裏面側に貼り付けられた状態になる。この状態で、第1ラベル側のライナーシート部分44aを剥がして、貼り付け対象物の表面などにバーコード担持ラベル41が貼り付けられる。この構成においては、一方の切り剥がし部49aあるいは49bのみを剥がす場合と、双方を剥がす場合とでは、裏面側折り畳み部の接着力を変えることができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0043】
1 配送伝票、1B 裏面側折り畳み部分、2 ラベルシート、3 粘着層、3a 粘着層露出部、4 ライナーシート、4a,4b,4A,4B ライナーシート部分、4c,4d 縁、5 配送ラベル、6 広告ラベル、6a 折り曲げ線、7 配送管理情報、8 商品広告情報、7a,7b 第1のバーコード、8a 第2のバーコード、9 切り剥がし部、9a 峰部分、10 切り取り線、11 ラゲッジタグ、11B 裏面側折り畳み部、12 ラベルシート、14 ライナーシート、15 配送ラベル、16 広告ラベル、16a 折り曲げ線、17 配送管理情報、17a,17b 第1のバーコード、18 広告情報、18a 第2のバーコード、19 切り剥がし部、21 バーコード担持ラベル、23a 粘着層露出部、24a,24b ライナーシート部分、25 第1ラベル、26 第2ラベル、26a 折り曲げ線、28a 第2のバーコード、29 切り剥がし部、30a,30b 切り取り線、31 バーコード担持ラベル、33a 粘着層露出部、34A ライナーシート部分、35 第1ラベル、36 第2ラベル、36a 折り曲げ線、38a 第2のバーコード、39 切り剥がし部、40a,40b 切り取り線、41 バーコード担持ラベル、43a,43b 粘着層露出部、44a ライナーシート部分、45 第1ラベル、46 第2ラベル、46a 折り曲げ線、48a 第2のバーコード、49a,49b 切り剥がし部、50a,50b,50c 切り取り線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定長さのラベルシートと、このラベルシートの裏面に形成された粘着層と、この粘着層を剥離可能な状態で覆っているライナーシートとを備え、
前記ラベルシートには、第1のバーコードを含む第1印刷情報が印刷されている第1ラベル部分と、第2のバーコードを含む第2印刷情報が印刷されている第2ラベル部分とが含まれており、
前記ライナーシートには、前記第1ラベル部分の裏面に位置する第1ライナーシート部分と前記第2ラベル部分の裏面に位置する第2ライナーシート部分とが含まれており、
前記第1ライナーシート部分および前記第2ライナーシート部分のうちの少なくとも一方には、その一部分のみを前記ラベルシートの側から剥離可能な切り剥がし部が形成されており、
前記第2ラベル部分における少なくとも前記第2のバーコードが印刷されている部分を、当該第2ラベルの裏面側に折り畳んで裏面側折り畳み部分を形成すると、前記裏面側折り畳み部分の裏面、前記裏面側折り畳み部分に対峙する前記第2ラベル部分の裏面、および、前記裏面側折り畳み部分に対峙する前記第1ラベル部分の裏面のうちの少なくとも一つの裏面に、前記切り剥がし部が位置するようになっていることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項2】
請求項1に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
前記裏面側折り畳み部分を形成するための折り曲げ位置を規定する折り曲げ容易部分を備えており、
当該折り曲げ容易部分は、前記ラベルシートおよび前記ライナーシートの少なくとも一方に形成したミシン目、または、前記ラベルシートを切断することにより形成したラベル切断部分によって規定されていることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
前記第2のバーコードを含む前記第2ラベル部分は、前記ラベルシートにおける長さ方向の端に位置していることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
前記切り剥がし部は、前記第2ライナーシート部分および前記第1ライナーシート部分の双方に亘る状態に形成されていることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項5】
請求項4に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
前記切り剥がし部は、前記第1ライナーシート部分における幅方向の一方の縁から、前記第2ライナーシート部分を経由して、前記第1ライナーシート部分における幅方向の他方の縁に至るように付けた切り込み線によって規定されていることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項6】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
前記切り剥がし部は、前記ライナーシートにおいて、その幅方向の一方の縁から他方の縁に至るように付けた二条の切り込み線によって規定されていることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれかの項に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
複数箇所に前記切り剥がし部が形成されていることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項8】
請求項1ないし7のうちのいずれかの項に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
前記第2ラベル部分に印刷されている前記第2印刷情報には、企業広告情報および商品広告情報のうちの少なくとも一方が含まれていることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項9】
請求項8に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
前記第1ラベル部分に印刷されている前記第1印刷情報には到着地、搭乗者名、航空便名が含まれており、航空便用のラゲッジタグとして用いられることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項10】
請求項8に記載のバーコード担持ラベルにおいて、
前記第1ラベル部分に印刷されている前記第1印刷情報には配送先、配送物内容が含まれており、陸上配送用の配送伝票として用いられることを特徴とするバーコード担持ラベル。
【請求項11】
請求項1ないし10のうちのいずれかの項に記載のバーコード担持ラベルの使用方法であって、
前記切り剥がし部を切り剥がして前記粘着層の一部が露出した粘着層露出部を形成し、
前記第2ラベル部分を所定の部位において裏面側に折り畳むことにより、前記粘着層露出部によって、前記バーコード担持ラベルの裏面側に接着された前記裏面側折り畳み部を形成して、前記第2のバーコードが前記バーコード担持ラベルの裏面側に隠れた状態とし、
この状態で、前記第1ラベル部分の前記第1ライナーシート部分を剥離して、当該第1ラベル部分を貼り付け対象部分に貼り付けることにより、バーコードリーダーを用いて前記第1ラベル部分に印刷されている前記第1のバーコードを読み取り可能とし、
前記第2ラベルの前記第2のバーコードの読み取り時には、前記裏面側折り畳み部を前記バーコード担持ラベルの裏面側から剥がして、当該バーコード担持ラベルの表面側に折り返して前記第2のバーコードを露出させるか、あるいは、折り返した裏面側折り畳み部を切り取ることを特徴とするバーコード担持ラベルの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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