説明

パイ−プリフォームのための改良繊維構造

【課題】平らに織ったものを折って所定の形にする、強化コンポジット材料のための織りプリフォームの提供。
【解決手段】
プリフォーム(100)は、三次元の織り構造物であり、フィル繊維(114)が縦糸(116)の層を層同士インターロックし、それと同時に各層内の繊維あるいは糸をインターロックする。ベース(120)から少なくとも2つの脚(125,135)が伸び、ベース(120)および脚(125,135)のそれぞれが少なくとも2つの縦糸の層をもつ。脚(125,135)は、支柱の交差部を対称性あるいは非対称性をもって連結することができる。その場合、縦糸による偶数あるいは奇数の数の支柱を脚間に位置させる。縦糸の層を階段状に終わらせることにより、ベースおよび/または脚の外側の端にテーパをもたせることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、織りプリフォームに関し、特には、強化コンポジット材料に用いる織りプリフォームに関し、プリフォーム中に好ましくないループを生じることなく、平坦に織り、最終形状に折ることができるようにする技術に関する。
【引用による組み入れ】
【0002】
ここで引用するすべての特許、特許出願、文書、文献、製造者の使用説明書、解説、製品仕様書、およびここで述べる製品についての製品説明書を引用によってここに組み入れ、しかもまた、この発明を実施する上で使用する。
【背景技術】
【0003】
構造的な構成要素あるいは部品を製造するために、強化コンポジット材料を用いることは、今や一般的である。特に、重さが軽いこと、強固、丈夫、耐熱性、自らを支える能力、および形作る上で適合するという、好ましい特性が求められるところでは広く普及している。そのような構成要素あるいは部品は、たとえば、航空、航空宇宙産業、人工衛星、レクレーション分野(レース艇やレーシングカーなど)、およびその他の分野で用いられる。
【0004】
そのような構成要素あるいは部品は、典型的に、マトリックス材料の中に埋め込んだ強化素材から構成される。強化の構成部分は、ガラス、炭素、セラミックス、アラミド、ポリエチレン、および/または、物理的、熱的、化学的および/またはその他の好ましい特性、第1には応力に対する大きな耐久性を示すその他の材料から構成される。そのような強化材料、それらは結局は完成品の構成要素になるのであるが、それらを使用するとき、たとえば非常に大きな強度のようなそれら強化素材の望ましい特性が、完成したコンポジット部品に授けられることになる。構成要素である強化材料は、典型的には、織られたり編まれたり、あるいはその他のやり方で強化プリフォームのための好ましい形状および形に形成される。通常、選択理由である強化材料の特性が最大限に活用されるように注意が図られる。また、そのような強化プリフォームについては、マトリックス材料と組み合わせることにより必要な完成品を得たり、あるいは、完成品の最終生産のために役立つ在庫品を得る。
【0005】
必要な強化プリフォームを構成した後、マトリックス材料をプリフォームへと導く。それにより、強化プリフォームは、マトリックス材料で包まれ、マトリックス材料は強化プリフォームの構成要素の間のすき間部分を埋める。マトリックス材料としては、たとえば、エポキシ、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミックス、炭素および/またはその他の材料で、必要とする物理的、熱的、化学的および/または他の特性を示すものなど、いろいろな材料を広く適用することができる。マトリックスとして用いる材料としては、強化プリフォームの材料と同じものでも良いし、異なるものでも良く、また、物理的、化学的、熱的あるいは他の特性が類似したものでも良いし、類似しないものでも良い。しかし、通常、それらは強化プリフォームと同じ材料ではなく、また、物理的、化学的、熱的あるいは他の特性が類似しない。なぜなら、第1にコンポジットを用いる通常の目的は、ただ一つの構成材料だけでは得ることができない組合せ特性を完成品で得ることにあるからである。強化プリフォームおよびマトリックス材料は、そのように組み合わされた後、熱硬化処理あるいは他の公知の方法で同じ作業工程において硬化および安定化され、さらに、目的とする構成部品を製造するための他の作業工程に入る。ここで、そのように硬化した時点において、マトリックス材料の固体化したものが、通常、強化材料(たとえば、強化プリフォーム)に非常に強く付着していることに気付くことが大事である。結局、完成品上の応力が、繊維間の接着剤として機能するそのマトリックス材料を特に通して、補強された強化プリフォームの構成材料に有効に移され保持される。
【0006】
構成要素あるいは部品にしばしば求められることは、たとえば平板、薄板、長方形あるいは正方形の立体などの幾何学的に単純な形状以外の形状のものを製造することである。これに応えるための一つの方法は、そのような基本的な幾何学形状を組み合わせることにより、求められる複雑な形態にすることである。そのような典型的な組合せの一つは、上で述べたようにして作った強化プリフォームを互いに角度をもって(典型的には、直角)接合することにより作ったものである。そのような角度をもって強化プリフォームを接合し配列する普通の目的は、1または2以上の端壁やたとえば「T」交差を含む強化プリフォームを形作る狙いとする形を作り出すこと、あるいは、強化プリフォームの組合せで得たものおよびコンポジット構造について、圧力や張力などの外力を受けた場合でもたわみや破損に耐えられるように強化することである。とにかく、関連する動機は、構成する構成要素間の各連結をできるだけ強固にすることである。強化プリフォームの構成要素それ自体に求められる非常に大きな強度が与えれれるとき、構造上の「チェーン」における「弱いリンク」となるのが、実際上、連結における弱さである。
【0007】
交差する構成の一例について、USP第6,103,337号が示している。その文献に示す内容は、参照によってこのこの中に含ませる。その文献においては、2つの強化板(補強プレート)をT型に結合する有効な方法を示している。
【0008】
今まで、そのような結合を作るための他のいろいろな方法が提案されている。パネル構成要素と、角度をもって置く強化のための構成要素とを互いに別々に作り硬化することが提案されている。後者の構成要素は、単一のパネル接触面をもつか、あるいは、一端が二股に分かれて分岐した同一平面上の2つのパネル接触面をもっている。そして、2つの構成要素は、熱硬化接着剤あるいは他の接着材料を用いて、強化のための構成要素のパネル接触面を他の構成要素の接触面に接着によって結合する。しかし、硬化したパネルに対しあるいは複合構造の外皮に対し張力がかかると、結合の有効な強度が接着剤のそれではなく、マトリックス材料のそれであることから、受け入れることができないような小さな値の負荷が「はがし(ピ−ル)」力となり、それが強化のための構成要素をパネルとの界面でパネルから分離してしまう。
【0009】
そのような両構成要素の界面に金属ボルトやリベットを用いることはできない。なぜなら、そのような付加をすれば、複合構造自体の完全な形の少なくとも一部を破壊し弱めてしまうし、重さを増すことになるし、そのような構成要素と周囲の材料との熱膨張係数に違いを生じてしまうからである。
【0010】
この問題を解決する他の方法では、結合領域の全域に高い強度の繊維を加えるという考え方を基礎にしている。すなわち、2つの構成要素の一方を他方に縫い、縫い糸によってそのような強化繊維が結合に加わるようにしている。USP第4,331,495号がそのような方法の一つを示し、また、USP第4,256,790号がそれを分割したものである。これらの特許は、繊維層を接着によって結合した第1および第2の複合パネル間の接合について示している。第1のパネルは、一端で二股に分かれ、従来技術のように同一平面上の2つのパネル接触面をもつ。その第1のパネルと第2のパネルとを結合するため、両パネルを通して未硬化のフレキシブルな複合糸を縫い込んでいる。その後、両パネルおよび縫い込んだ糸は、「共に硬化」、つまり同時に硬化される。また、USP第5,429,853号が、結合強度を改良する他の方法を示している。
【0011】
今までも強化のための複合物を構造的に一体化しようとする改良がなされ成功しているが、特にUSP第6,103,337号のものでは、接着剤あるいは機械的な結合部材を用いる場合とは異なる方法における問題に取り組みそれを改良するという要求がある。この点から、特殊化した専用の機械によって、三次元(「3D」)の織り構造を作り出す方法が考えられる。しかし、それにはかなりの費用がかかるし、しかも、織機で単純な構造を作り出すという要求が強く求められるところである。この事実にもかかわらず、繊維強化コンポジットの構成要素に加工することができる3Dプリフォームは、魅力的である。なぜなら、それらの構成要素は、今までの二次元の積層コンポジットよりも大きな強度を提供するからである。それらのプリフォームは、面外荷重を支えるコンポジットを必要とする用途に特に有用である。しかし、上に述べた今までのプリフォームでは、大きな面外荷重に耐える上、自動織機で織る上で、およびプリフォームに厚さの異なる部分を得る上で能力的な制限がある。プリフォーム織りの織り構造および自動化は、未発達であり、今までの積層、繊維巻きあるいは編組のコンポジットを越えるような利点は小さく、プリフォームについての用途には制限があった。
【0012】
他の方法として、二次元(「2D」)の構造に織り、それを所定の3D形に折り込むことが考えられる。しかし、その方法では、プリフォ−ムを折り込むときに、一般にところどころゆがめてひずみを生じてしまうことになる。ひずみが生じる原因は、織られた繊維の長さがプリフォ−ムを折り込むときの長さと異なるからである。これによって、織られた繊維の長さが短すぎる領域には、くぼみや波状を生じ、また、織られた繊維の長さが長すぎる領域には、曲げを生じる。3Dプリフォーム織り構造物の一例、そのものでは、プリフォームを折ったとき領域に波状あるいはループを生じるだろうが、USP第6,874,543号がその一例を示す。そのすべての内容を参照によってここに組み込む。この’543特許が示す織り構造物は、いわゆる「ハーフピック(half-picks)」を用いるため、織りが難しい。ハーフピックは、プリフォーム幅の半分よりも短く走る横(フィル)繊維あるいは糸である。このピックをシャットルで挿入するとき、プリフォームの半分よりも長い長さの繊維が、ボビンを引っ張り続ける。この余分な繊維は、このピックではプリフォームに織られず、次のピック(それもハーフピックである)を挿入するとき、余分な繊維が多すぎることになり、パイ(Π)の2つの脚の間にループが作られる。図2が模式的にその作用を示す。
【0013】
プリフォーム10は、ベース20、2つの端5,15およびベース20から広がる2つの脚25,35を備え、脚25,35のそれぞれが内側表面22と外側表面102とをもつ。この構造物の各フィル繊維14は、ベース20の第1の端5から始まり、それからベース20の第2の端15に伸び、その後、ベース20の中央部分に向かって戻るように伸び、それからベース20の層から出て、一方の脚25の層内に伸びた後、他方の脚35の層内に伸びる。図から分かるように、シャットルがプリフォーム10を横切るとき、ボビンから繊維14を余分に引っ張り、ハーフピックを用いるプリフォーム20のこのサイドに横糸は縫うように進むことがない。したがって、シャットルがプリフォーム10を横切って戻るとき、ループ30が残る。脚25,35の層から出たフィル繊維14は、ベース20の第1の端5に戻るために、ベースの層内に戻るように伸びる。図3は、このようなハーフピックの使用について詳しく示す。その図により、ピックのシーケンスを完了するためには、シャットルが5回(すなわち、4回のハーフピックと1回のフルピック)動くことが分かるであろう。このタイプのシャットルの動きは、織機の生産性を低下させるだけでなく、上に述べたように、織られた繊維の長さが長すぎる領域にループや波状を引き起こす。これらの歪みは、有害な表面異常を生じ、構成要素の強度およびこわさを減じる。
【0014】
したがって、構造物にループや波状を引き起こすことがない技術であって、3Dプリフォーム製造のための、および/または強化コンポジット構造物のための、既存のものに代わる方法および/または改良方法を提供する3Dプリフォーム技術が求められる。
【発明の概要】
【0015】
そこで、この発明の第1の目的は、改良された特性をもち、構造物にループや波状を引き起こすことがない3Dプリフォームを提供することにある。
【0016】
また、この発明は、既存のものに代これらおよび他の目的および利点を得るため、この発明では、樹脂を注入するに先立ち、平坦に織った後で所定の形に折るようにした3D織りプリフォ−ムを提供することにより、繊維に好ましくないひずみを生じることがないようにする。これを達成するため、織りをする間に繊維の長さを調節することにより、あるものはある領域で短めにし、他のものについては長めにする。そのような繊維は、その後プリフォ−ムをなめらかな折り目をもつ形に折り込むことによって、一様になる。この技術は、T型の織りプリフォ−ムに特に適っているが、いろいろな形のものに利用することができる。また、織りプリフォ−ムに言及しているが、当業者にとってみれば、それが不織のもの、たとえば編んであるいは綴じて結合するものにも適用することができることが分かるであろう。
わる、および/または、現存のプリフォームを改良する、および/または、今までの強化コンポジット構造物に適用可能な3Dプリフォームを提供することを他の目的とする。
【0017】
この発明のもう一つの目的は、改良された特性をもつ3Dプリフォームを製造する新規な方法を提供することであり、ループの形成をなくし、シャットルの5回の動きを3回にすることにより織り時間を減らし、それによって、少ない時間でより良いプリフォームを提供することである。
【0018】
この発明のさらに他の目的は、そのような3Dプリフォームに対し、プリフォームを構成する繊維に歪みを生じることなく、所定の形に折ることができるようにすることである。
【0019】
さらに、この発明の他の目的は、特に、パイ(Π)形状の強化コンポジットを形作る上で有用な3Dプリフォームを提供することである。
【0020】
これらおよび他の目的および利点を得るため、この発明では、樹脂を注入するに先立ち、平坦に織った後で所定の形に折るようにした3D織りプリフォ−ムを提供することにより、繊維に好ましくないひずみを生じることがないようにする。これを達成するため、織りをする間に繊維の長さを調節し、プリフォ−ムをなめらかな折り目をもつ形に折り込むとき、繊維の長さが一様になるようにする。この技術は、パイ(Π)形状の織りプリフォ−ムに特に適っているが、いろいろな形のものに利用することができる。また、織りプリフォ−ムに言及しているが、当業者にとってみれば、それが不織のもの、たとえば編んであるいは綴じて結合するものにも適用することができることが分かるであろう。
【0021】
よって、この発明の第1の実施例は、三次元の織り構造をもつ機械的あるいは構造上のジョイント用プリフォームであり、フィル繊維の織りによって、各層内の繊維を組み合わせる(インターロックする)だけでなく、縦糸繊維の層について層と層とを組み合わせるようにしている。その織りプリフォームは、規制された繊維によって面外荷重を伝達し、層間の張力(応力)を最小にする。そのプリフォームは、ベースと、そのベースから広がる少なくとも2つの脚とを備え、ベースおよび脚は、それぞれ縦糸繊維による少なくとも2つの層を含む。
【0022】
フィル繊維の織りシーケンスといえば、次のとおりである。フィル繊維は、ベースの一部分を通った後で脚に入り、最後にベースの向かい側の部分を通る。複数の脚は、脚間に位置する縦糸繊維の奇数番号のコラムによって、対称的に分布したコラムの交差部分で結びつけることができる。しかし、プリフォームは、脚長さを等しくするか等しくない形態で、非対称的な構造にすることができる。プリフォームは、また、脚間の縦糸繊維による偶数番号のコラムをもつことができるし、脚をベースに対して垂直にすることもできるし、非垂直あるいは斜めにすることもできる。ベースおよび/または脚の外側の端については、縦糸繊維の層が段のあるパターンで終わるテーパをもたせることが好ましい。
【0023】
この発明の第2の実施例は、強化コンポジット材料に用いるプリフォームの形成方法である。プリフォームは、三次元の織り構造をもち、フィル繊維の織りによって、各層内の繊維を組み合わせる(インターロックする)だけでなく、縦糸繊維の層について層と層とを組み合わせるようにしている。その織りプリフォームは、規制された繊維によって面外荷重を伝達し、層間の張力(応力)を最小にする。そのプリフォームは、ベースと、そのベースから広がる少なくとも2つの脚とを備え、ベースおよび脚は、それぞれ縦糸繊維による少なくとも2つの層を含む。フィル繊維の織りシーケンスは、次のとおりである。フィル繊維は、ベースの一部分を通った後で脚に入り、最後にベースの向かい側の部分を通る。複数の脚は、脚間に位置する縦糸繊維の偶数あるいは奇数の番号のコラムによって、対称的あるいは非対称的に分布したコラムの交差部分で結びつけることができる。脚をベースに対して垂直にすることもできるし、非垂直あるいは斜めにすることもできる。
【0024】
この発明、ならびに、それを使用することによって得る作用効果および特定の目的について良く理解するため、詳細な説明を参照されたい。そこには、この発明の好ましい実施形態(これに限定されない)が図面に示されている。
【0025】
この中で用いる用語「備えている(comprising)」および「備える(comprises)」は、「含んでいる(including)」および「含む(includes)」という意味になるし、あるいは米国特許法におけるそれらの意味にもなる。また、「本質的に有している(consisting essentially of)」および「本質的に有する(consists essentially of)」の用語は、クレームで用いるときには、米国特許法におけるそれらの意味である。この発明の他の考え方(形態)については、以下の説明に記載されているか、その記載から自明である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施例のパイ(Π)形状のプリフォームの断面図であり、プリフォームは、直立状態の脚と両側のフランジを備える。
【図2】今までのパイ(Π)形状のプリフォームの模式的な側面図であり、ハーフピックに起因するループの発生を示す。
【図3】今までのパイ(Π)形状のプリフォームの模式的な側面図であり、ハーフピックおよび繊維構造を示す。
【図4】この発明の一実施例のパイ(Π)形状のプリフォームの模式的な側面図であり、フルピックおよび繊維構造を示す。
【図5(a)】この発明によるプリフォームを示す写真である。
【図5(b)】今までのプリフォームを示すの写真である。
【図6】この発明の一実施例のパイ(Π)形状のプリフォームの模式的な側面図であり、繊維構造を示す。
【詳細な説明】
【0027】
図1、4、5aおよび6は、三次元のプリフォーム100の好ましい実施例を示す。プリフォーム100は、面に垂直に伸びる多数の縦糸116によるパターンの中に1または2以上のフィル繊維を織ることによって形作る。図4および6には、パイ(Π)形状のプリフォーム100を形作るための完全なパターンを示し、そこには、フィル繊維114を紙面に沿う方向に示し、また、縦糸116を紙面に垂直な方向に示す。模式的な図には繊維あるいは糸114,116を間隔を置いて示すが、完全なプリフォーム100を実際に織るときには、繊維あるいは糸114,116は、ぎっしり詰まっている。
【0028】
さて、図4を参照すると、プリフォーム100の縦糸116のすべてが、一般的に互いに平行であり、各糸116は長さ方向に沿って少しうねっており、縦の(垂直な)支柱の中に配列されている。プリフォーム100は、代表的なコンポジット構造物に用いる材料、たとえば、ガラス繊維や炭素繊維から織るのが好ましい。織ることにより、ベース120、およびベース120から伸びる少なくと2つの脚125,135をもつようにし、パイ(Π)形状の外形にする。脚125,135については、ベース120に対して垂直にすることもできるし、非垂直で角度をもたせるようにすることもできる。ベース120と脚125,135とは、それぞれ少なくとも2層の縦糸116を含み、図には任意の端が先細となったものを示す。脚125,135は、使用時には直立させ、たとえば図1に示すようなクレビスを形作るが、織りを容易にするため、脚125,135をベース120上に横にするようにプリフォーム100を織る。図には、ベース120が8層の縦糸116を含み、脚125,135が4層の縦糸116を含む例を示す。
【0029】
選択可能なことであるが、図に示すように、ベース120の縦糸116を、脚125,135の縦糸116よりも断面積が小さなものにすることができる。脚125,135ではなく、ベース120の縦糸116についてのみ細い縦糸116を用いることにより、縦糸116でたくさんのインターロックを行い、プリフォーム100のベース120強度を高めたとしても、織機で織るのに必要な時間増を最小限にすることができる。
【0030】
図4を再び参照すると、プリフォーム100は、ベース120の一端105、それは図のベース120の左側であるが、その一端から始まる織りパターンを備える。織りシーケンスの代表的な部分において、フィル繊維114は、右に向かって通るとき、一つの層の縦糸116の上と下とを交互に通り、その層の糸116をインターロックする。また、織りシーケンスの代表的な部分において、フィル繊維114は、左に向かって通るとき、2つの隣接する層の縦糸116の上と下とを交互に通り、隣接した層を互いにインターロックする。図に示し、しかも、次に説明するように、脚125,135の内部、プリフォーム100の端および外側面を含む各部分の織りシーケンスは、それら一般的な説明とは異なる。
【0031】
図4に示すように、一般的な織りシーケンスの始点はフィル繊維114の位置Aであり、そこからベース120の中央に向かって伸び、それから位置B1で脚の一つ135の外側112に入っていく。フィル繊維114は、その後、脚135の右のはるか右の位置Cに伸びる。位置Cから、フィル繊維114は、同じラインに沿って織り戻り、ベース120の中央に向かい、その位置からフィル繊維114はベース120の中を下方に伸び、脚125のほとんど左端の位置Dに向かって他方の脚125の外側112の中に戻る。フィル繊維114は、その後、
同じラインに沿って織り戻り、ベース120の中央に向かい、位置B2でベース120の中に戻るように伸び、脚125,135の間に位置する、縦糸116による中央支柱を通過する。そして、フィル繊維114は、位置Eでベース120に戻り、ベース120の他方の端115の位置Fに到達する。これが、フィル繊維114の完全な織りシーケンスを構成し、図4に示すように、そのシーケンスは、基本的に、4つのハーフピックを一緒に結合し、しかもまた、3つのフルピックを形作る。段のあるパターンで縦糸116の層を終えると、たとえば、ベース120の左側端のテーパ124および脚125上のテーパ126のように、ベース120および脚125,135上に先細の端を形作る。
【0032】
一つのユニットセル、あるいは垂直部分を完結するため、縦糸116の隣接する層に対して、プリフォーム100を横切ってフィル繊維114を通すことを繰り返し、すべての層をインターロックする。フィルパターンを繰り返し行い、隣接する垂直部分を形作り、連続した長さをもつプリフォームを作り出す。
【0033】
図6は、特に、パイ(Π)形状のプリフォーム100における脚125,135およびベース120を形作るために用いる織りパターンを示す。ベース120には、縦糸116の8つの層を伴い、また、脚125,135には、縦糸116の4つの層を伴う。勿論、このパターンについては、ベース120および脚125,135における縦糸の層をより多くあるいはより少なくすることができる。言い換えると、ベース120は、脚125,135のそれぞれよりも多くの層をもつようにすることができるし、その逆にすることもできる。この織りパターンによって、一層の中の縦糸116をインターロック、および、縦糸の層間のインターロックを行う。隣接する層は、第1の支柱の第1の層では、フィル繊維114の一部が縦糸116上を走ることにより、また、隣接する第2の支柱の第2の層では、縦糸の下を走ることにより、インターロックされる。ここで、第2の層は第1の層の下に位置する。パターンを織るとき、脚125,135は、図に示すように、横になった水平位置で織る。取付けの際には、脚125,135のそれぞれを垂直な立ち位置に動かす。直立した各脚125,135の幅は、4つの層を含む。
【0034】
プリフォーム100は、今までの織りプリフォームを改良し、ベース120を伴う脚125,135の交差について高い対称的な分布を生み出す。ベース120は、縦糸による3つの中央支柱、および縦糸による2つの分離支柱を備える。分離支柱は、中央支柱の両方の側面に隣接する支柱である。奇数の数の中央支柱を用いることによって、中央支柱を二分する対称面の両側面にほぼミラーイメージ(鏡像)を形作るように織り、ベース120内部の荷重分布の対称性を高めることができる。中央支柱が3つのものを示しているが、プリフォーム100の好ましい実施例において、中央支柱が他の奇数の数をもつようにすることができる。中央支柱の数は、脚125,135を直立させたときに形作られるクレビスの名目上の幅で決まる。脚125,135は、ベース120に対して垂直にすることができるし、非垂直の角度をもたせるようにすることもできる。
【0035】
脚125,135からの荷重、たとえば、直立した脚125,135の間に結合した部材(図示しない)からの荷重をベース120に対称的に伝えるために、脚125,135を連結するフィル繊維114の部分は、等しいか実質的に等しい数の繊維部分のグループに分割する。各グループは、分離支柱の一つと中央支柱との間、あるいは、分離支柱の一つとその分離支柱に隣接する残りの右か左の側面の支柱との間で交差する。たとえば、図6に示すように、グループ29は、脚125の層2および4とベース120との間に伸び、ベース120との交差は支柱cとdとの間である。同様に、グループ31とベース120との交差は支柱dとeとの間、グループ33とベース120との交差は支柱gとhとの間、そして、グループ37とベース120との交差は支柱hとiとの間である。図には対称的な幾何学的配列を示すが、この発明の方法は、対称でない形態で製造することにも利用することができることに留意されたい。
【0036】
プリフォーム100のほぼ中央部の好ましい配置を示すが、中央支柱27は、プリフォーム100の中央から横あるいは側部に位置する縦糸116で構成することができる。たとえば、支柱b、cおよびdを中央支柱とし、支柱aおよびeを分離支柱とすることができる。これによって、脚125,135は中心から外れてベース120の外側の端の方に位置する。それでも、支柱b、cおよびdについてのベース120の織りには対称性があるし、脚125,135からベース120への荷重の分布にも対称性がある。たとえば、ベース120の左側端のテーパ124および脚125上のテーパ126のようなテーパは、縦糸による連続的な層の長さを前のものよりも短く終えることによって、プリフォームの外側の端に形作る。たとえば、図6において、層6が支柱tで終わっているのに対し、層5は支柱sで終わり、層5は層6よりも縦糸116一つ分だけ短い。同様に、層6は層7よりも短く、このパターンが隣接する下の層ごとに繰り返し生じる。ベースあるいは直立した脚のいずれか一方にテーパをもつプリフォームは、縦糸の層がすべて同じ長さで終えるプリフォームに比べて、剥離荷重に対して耐性が高い。それに加えて、縦糸に対して細い径の繊維を用いることによって、プリフォームからそれに結合するコンポジット積層への移り変わりをよりスムーズに、かつ、よりゆるやかにすることができる。図6の織りパターンは、ベース120の縦糸116が8層である。
【0037】
図1には、織りを完成したパイ(Π)形状のプリフォーム100を示し、それは、直立した脚125,135を含み、それらの脚125,135間にクレビスを形作っている。しかし、脚125,135は、ベース120に対して垂直にすることもできるし、非垂直で角度をもたせるようにすることもできる。プリフォーム100を織るとき、プリフォーム100の長さ方向に沿う隣接する垂直部分を形作る完全な織りシーケンスを繰り返し行う。その織りを進行させることによって、連続した長さをもつプリフォーム100を生み出し、その後、取付けに必要な長さに切断する。図5(a)および図5(b)は、この発明によって形成したプリフォームの一例と、直立した脚の間にループを伴う先行プリフォームとを比較して示す。
【0038】
一般に、プリフォームを織るときには、縦糸およびフィル繊維に対して一つのタイプの繊維、たとえば、炭素(グラファイト)繊維を用いる。しかし、プリフォームは、また、たとえば炭素とガラス繊維のような多様な材料で形作るハイブリッド織りパターンにすることができる。そのような織りパターンにすれば、大きな強度、コスト低減、そして、最適化した熱膨張特性を得ることができる。織りパターンは、すべての縦糸をあるタイプで、しかも、すべてのフィル繊維を別のタイプで構成することができるし、あるいはまた、たとえば、層の全体にわたって「チエッカー盤(市松模様)」のように、縦糸および/またはフィル繊維に対し、二種のものを交互に配列することができる。
【0039】
この発明による効果には、大きな強度の織りを得ることができること、および構成部分を構造物に組み付けることが容易なプリフォームであることを含む。改良された織りにより、各層の縦糸をインターロックし、しかも、各層を互いにインターロックし、と同時に、プリフォームの荷重を高い対称性をもって分布させる。プリフォームの脚間のベース中の縦糸支柱が奇数であることによって、織りパターンが中央面に対称なミラーイメージ(鏡像)を形作る。しかし、このことは、この発明を実施する上で必ずしも必要ではない。プリフォームについて、脚の長さが等しい形態あるいは等しくない形態、または、脚間のベース中の縦糸支柱が偶数である形態で、対称でない構成をもたせることもできる。
【0040】
この発明は、また、新しくしかもユニークなシャトルの動きを取り入れてプリフォームを製造する。それにより、織り機の生産性が増進するだけでなく、プリフォームを折る領域にループや波状ができるのを避けることができ、それがまたプリフォームの強度および剛性を高める。
【0041】
したがって、この発明は、既存のものに代わるべき3Dプリフォーム技術、および/あるいは3Dプリフォームの改良方法、ならびに/または構造物の中にループや波状を形成することのない強化コンポジット構造物を提供する。
【0042】
以上のように、この発明によれば、その目的および利点を実現することができる。この発明の好ましい実施例について詳しく述べたが、この発明は、それらに限定されるわけではない。この発明の考え方の範囲は、特許請求の範囲の記載によって定まる。
【符号の説明】
【0043】
100 プリフォーム
105 一端
112 外側
114 フィル繊維
115 他方の端
116 縦糸
120 ベース
124 ベースのテーパ
125,135 脚
126 脚のテーパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織りプリフォームを形成する方法であり、次の(a)、(b)、(c)および(d)の工程および技術的事項を備える、織りフォームの形成方法。
(a)各層が複数の縦糸を含み、それらの縦糸が互いに大体平行で、かつ、大体直立した支柱を形作る、隣接する複数の層を支給する工程。
(b)前記の縦糸による層に複数のフィル繊維を織り、ベースおよびそのベースから伸びる2つの脚を形作る工程であり、前記ベースおよび各脚が縦糸の少なくとも2つの層から形作られ、前記ベースは第1の端と第2の端とをもち、各脚は内側の端と外側の端とをもつ。
(c)各フィル繊維を織るとき、フィル繊維の始点はベースの第1の端であり、そこからベースの中央部分に向かって伸び、それからベースの層から出て一方の脚の層の中に伸び、その後、ベースの中央部分に戻り、そして、他方の脚の層の中に伸びてから、脚の層から出てベースの中央部分の層に戻ってベースの第2の端に伸びるようにする。
(d)フィル繊維は、各脚の内側の端で各脚に入って各脚の外側の端に伸び、その後、各脚の内側の端に戻り、それらフィル繊維は、ベースの層をインターロックし、しかも、各脚の層をインターロックし、さらにまた、それらフィル繊維は、各層内の縦糸をインターロックする。
【請求項2】
前記縦糸による支柱は、一方の脚をベースに連結するフィル繊維と他方の脚をベースに連結するフィル繊維との間に位置する、縦糸による中央支柱を含み、その中央支柱は、奇数の数の支柱を備え、織りの中央面に対称なほぼミラーイメージを形作る、請求項1の方法。
【請求項3】
前記縦糸による支柱は、一方の脚をベースに連結するフィル繊維と他方の脚をベースに連結するフィル繊維との間に位置する、縦糸による中央支柱を含み、その中央支柱は、偶数の数の支柱を備え、織りの中央面に非対称な織りパターンを形作る、請求項1の方法。
【請求項4】
縦糸による支柱は、前記中央支柱の両方の側面に隣接する、縦糸による分離支柱を含み、各分離支柱はフィル繊維の部分を2つのグループに分け、一つのグループは支柱の中央の組と隣接する分離支柱との間からベースと脚との間に伸び、他のグループは分離支柱とその分離支柱の横方向外側の支柱との間から伸びる、請求項2あるいは3の方法。
【請求項5】
前記ベースは、各脚よりも多くの層をもつか、あるいはその逆である、請求項1の方法。
【請求項6】
前記ベースの端および/または脚がテーパになっている、請求項1の方法。
【請求項7】
前記脚は、前記ベースに対して垂直であるか、非垂直の角度をもつ、請求項1の方法。
【請求項8】
三次元のプリフォームの織り構造で、次の各構成および条件を備えるプリフォーム構造。
・各層が複数の縦糸を含み、それらの縦糸が互いに大体平行で、かつ、大体直立した支柱を形作る、隣接する複数の層。
・前記の縦糸による層に織った複数のフィル繊維であり、ベースおよびそのベースから伸びる2つの脚を形作り、前記ベースおよび各脚が縦糸の少なくとも2つの層から形作られ、前記ベースは第1の端と第2の端とをもち、各脚は内側の端と外側の端とをもつフィル繊維。
・各フィル繊維の織りを見るとき、各フィル繊維の始点はベースの第1の端であり、そこからベースの中央部分に向かって伸び、それからベースの層から出て一方の脚の層の中に伸び、その後、ベースの中央部分に戻り、そして、他方の脚の層の中に伸びてから、脚の層から出てベースの中央部分の層に戻ってベースの第2の端に伸びている。
・フィル繊維は、各脚の内側の端で各脚に入って各脚の外側の端に伸び、その後、各脚の内側の端に戻り、それらフィル繊維は、ベースの層をインターロックし、しかも、各脚の層をインターロックし、さらにまた、それらフィル繊維は、各層内の縦糸をインターロックする。
【請求項9】
前記縦糸による支柱は、一方の脚をベースに連結するフィル繊維と他方の脚をベースに連結するフィル繊維との間に位置する、縦糸による中央支柱を含み、その中央支柱は、奇数の数の支柱を備え、織りの中央面に対称なほぼミラーイメージを形作る、請求項9のプリフォーム構造。
【請求項10】
前記縦糸による支柱は、一方の脚をベースに連結するフィル繊維と他方の脚をベースに連結するフィル繊維との間に位置する、縦糸による中央支柱を含み、その中央支柱は、偶数の数の支柱を備え、織りの中央面に非対称な織りパターンを形作る、請求項8のプリフォーム構造。
【請求項11】
縦糸による支柱は、前記中央支柱の両方の側面に隣接する、縦糸による分離支柱を含み、各分離支柱はフィル繊維の部分を2つのグループに分け、一つのグループは支柱の中央の組と隣接する分離支柱との間からベースと脚との間に伸び、他のグループは分離支柱とその分離支柱の横方向外側の支柱との間から伸びる、請求項9あるいは10のプリフォーム構造。
【請求項12】
前記ベースは、各脚よりも多くの層をもつか、あるいはその逆である、請求項8のプリフォーム構造。
【請求項13】
前記ベースの端および/または脚がテーパになっている、請求項8のプリフォーム構造。
【請求項14】
前記脚は、前記ベースに対して垂直であるか、非垂直の角度をもつ、請求項8のプリフォーム構造。
【請求項15】
織りプリフォームを形成する方法であり、次の(a)、(b)、(c)、(c1)、(d)および(e)の工程および技術的事項を備える、織りフォームの形成方法。
(a)ベースを形作るために、縦糸による少なくとも一対の隣接するベース層を支給する工程であり、それらの縦糸は互いに大体平行で、かつ、支柱に大体配列される。
(b)一対の脚を形作るために、縦糸による少なくとも2つの層からなる隣接する脚層を支給する工程であり、それらの縦糸は互いに大体平行で、かつ、支柱に大体配列される。
(c)ベース層および脚層の中に少なくとも一つのフィル繊維を織り、各ベース層の縦糸を互いにインターロックし、しかも、脚層の縦糸を互いにインターロックする工程であり、前記一対の脚は、各脚とベースとの間に伸びるフィル繊維部分で交差してベースに連結され、2つのグループのフィル繊維部分が各脚をベースに連結する。
(c1)各フィル繊維を織るとき、フィル繊維の始点はベースの第1の端であり、そこからベースの中央部分に向かって伸び、それからベースの層から出て一方の脚の層の中に伸び、その後、ベースの中央部分に戻り、そして、他方の脚の層の中に伸びてから、脚の層から出てベースの中央部分の層に戻ってベースの第2の端に伸びるようにする。
(d)縦糸による偶数あるいは奇数の数の中央支柱を、ベース中、脚およびベースの交差の間に織る。
(e)分離支柱を中央支柱に隣接するよう配置する工程であり、各脚に対するフィル繊維部分のグループの一方は、対応する分離支柱の一方の側に隣接してベースに交差し、各脚に対するフィル繊維部分のグループの他方は、対応する分離支柱の反対側でベースに交差する。
【請求項16】
前記ベースは、各脚よりも縦糸の層をより多くもつか、あるいはその逆である、請求項15の方法。
【請求項17】
前記脚は、前記ベースに対して垂直であるか、非垂直の角度をもつ、請求項15の方法。
【請求項18】
織りプリフォームであり、構成および条件を備える、織りフォーム。
・中央部分および2つの横方向の端をもつベース。
・前記ベースの一面から伸びる少なくとも2つの脚。
・前記プリフォームは三次元の織りパターンで織られ、前記ベースおよび各脚を、縦糸による少なくとも2つの層で形作り、それらの縦糸は支柱に大体配列し、しかもまた、それらの縦糸の中に少なくとも一つのフィル繊維を織り、前記ベースの縦糸を互いにインターロックし、しかも、前記脚の縦糸を互いにインターロックし、前記少なくとも2つの脚は、各脚とベースとの間に伸びるフィル繊維部分で交差してベースに連結され、2つのグループのフィル繊維部分が各脚をベースに連結する。
・縦糸による偶数あるいは奇数の数の中央支柱を、ベース中、脚およびベースの交差の間に位置させる。
・分離支柱を中央支柱に隣接するよう配置し、各脚に対するフィル繊維部分のグループの一方は、対応する分離支柱の一方の側に隣接してベースに交差し、各脚に対するフィル繊維部分のグループの他方は、対応する分離支柱の反対側でベースに交差する。
・各フィル繊維の始点はベースの第1の端であり、そこからベースの中央部分に向かって伸び、それからベースの層から出て一方の脚の層の中に伸び、その後、ベースの中央部分に戻り、そして、他方の脚の層の中に伸びてから、脚の層から出てベースの中央部分の層に戻ってベースの第2の端に伸びるようにする。
【請求項19】
前記ベースは、各脚よりも縦糸の層をより多くもつか、あるいはその逆である、請求項18の織りプリフォーム。
【請求項20】
前記脚は、前記ベースに対して垂直であるか、非垂直の角度をもつ、請求項18の織りプリフォーム。
【請求項21】
前記脚は、長さが等しいか、あるいは等しくない、請求項1あるいは15の方法。
【請求項22】
前記脚は、長さが等しいか、あるいは等しくない、請求項8のプリフォーム構造。
【請求項23】
少なくとも2つの脚は、長さが等しいか、あるいは等しくない、請求項18の織りプリフォーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−516743(P2011−516743A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503072(P2011−503072)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/038761
【国際公開番号】WO2009/123960
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(508135080)アルバニー エンジニアード コンポジッツ インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】