説明

パイプ切断装置

【課題】パイプの切断と同時に、その切断面の内周縁の面取りも同時に加工できるようにしたパイプ切断装置を提供することである。
【解決手段】片持ち支持されたパイプPをチャック4、5で挟持し、そのパイプPの外周囲に配置した突切りバイト25および外側面取りチップ33をパイプP周囲で回転させつつ径方向内方に移動させて、突切りバイト25によりパイプPを所定の長さに切断し、同時に、その切断面の外周縁を外側面取りチップ33で切削して面取りCを形成する。突切りバイト25によりパイプPを切断する前段にパイプPの自由端から内部に駆動軸43を挿入し、その駆動軸43の先端のガイド板60に支持されて径方向に移動可能な内側面取りチップ63を突切りバイト25と径方向で対向する位置に配置し、パイプPの切断時に、内側面取りチップ63を回転させつつパイプPの内径面に押し付けて、回転させて、切断面の内周縁の面取りCを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、押出し成形された樹脂パイプのようなパイプを所定の長さに切断するパイプ切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定幅寸法のフィルムロールから引き出されるフィルムをクリーンルームにおいて組立てられる携帯電話機等の電子機器類のディスプレイに張り付けて、そのディスプレイの保護を図ることが行われているが、フィルムロールの巻き芯が紙管の場合、その紙管から発生する紙粉がクリーンルーム内に浮遊して、電子機器類の組立てに悪影響を与えることになるため、近年では、樹脂パイプを巻き芯とするフィルムロールが採用されるようになっている。
【0003】
このとき、長尺の樹脂パイプにフィルムを巻付けた後、そのフィルムロールを所定の幅寸法に切断することが困難であるため、樹脂パイプを所定の長さに寸法切りし、その寸法切りされたパイプの端面を突き合わせて軸方向に接続し、その接続により形成される長尺パイプの外側にフィルムを巻付けてフィルムロールを形成し、そのフィルムロールを樹脂パイプの長さに相当する寸法に切断することが行われている。
【0004】
ここで、押出し成形された樹脂パイプを所定の長さに切断した場合、その切断面の外周縁および内周縁が鋭利であるため、取扱い時に怪我する危険がある。その取扱い時の安全性を図るため、普通、両端面の外周縁および内周縁を面取りすることが行われる。
【0005】
樹脂パイプの切断装置として、その切断と同時に面取りを行なうようにしたものが従来から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来から知られている樹脂パイプ切断装置においては、樹脂パイプの切断時に、その切断面の外周縁のみを同時に面取りする構成であり、内周縁も同時に面取りすることができるようにしたパイプ切断装置は存在しなかった。
【0007】
このため、樹脂パイプを寸法切りした後、後加工によって内周縁の面取りを行なうようにしており、非常に手間がかかっていた。
【0008】
この発明の課題は、パイプの切断と同時に、その切断面の内周縁の面取りも同時に加工できるようにしたパイプ切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明においては、片持ち支持され、切断長さに相当する量だけ軸方向に送り込まれるパイプの停止状態でその外径面をチャックで挟持してパイプを固定し、そのチャックの近接部位において、パイプの周方向に間隔をおいて設けられた切断用突切りバイトおよび外側面取りチップのそれぞれをパイプの外周囲を回転させつつ径方向内方に向けて移動させて、前記突切りバイトによりパイプを所定長さに切断し、かつ、外側面取りチップによりその切断面の外周縁を切削して面取りを施すようにしたパイプ切断装置において、前記パイプの自由端から内部に挿入されて軸心を中心に回転駆動される筒状の駆動軸の端部にガイド板を固定し、そのガイド板の先端面に形成された径方向に延びるガイド溝内にチップホルダをスライド自在に嵌合し、そのチップホルダの外径側端部に内側面取りチップを取付け、前記駆動軸の内部に挿入されて軸方向に移動されるスライドロッドと前記チップホルダの相互間に、スライドロッドの軸方向の移動をチップホルダの径方向への移動に変換する運動変換機構を設け、前記突切りバイトによるパイプの切断時に、その切断部位と対向するパイプ内径面を前記内側面取りチップにより回転切削して、切断面の内周縁に面取りを行なうようにした構成を採用したのである。
【0010】
上記の構成からなるパイプ切断装置においては、片持ち支持されたパイプをチャックで挟持し、切断用突切りバイトによってパイプを所定の長さに切断する前段にパイプの自由端から内部に駆動軸を挿入し、内側面取りチップを突切りバイトと径方向で対向する位置に配置される位置調整状態において、突切りバイトおよび外側面取りチップをパイプの周方向に回転させて、パイプを切断し、同時に切断面の外周縁を面取りする。
【0011】
また、パイプの切断と同時に駆動軸の回転により内側面取りチップを回転させて、パイプの内径面を切削し、スライドロッドの軸方向への移動により切込み深さを調整して、突切りバイトによる切断面の内周縁を同時に面取りするのである。
【0012】
この発明に係るパイプ切断装置において、スライドロッドの軸方向の移動をチップホルダの径方向への移動に変換する運動変換機構として、チップホルダの後端部に形成された二股片によってガイドピンを支持し、そのガイドピンをスライドロッドの先端部に設けられた傾斜状のガイド溝内にスライド自在に嵌合した構成からなるものを採用することができる。
【0013】
ここで、駆動軸の外側に、その駆動軸と共にパイプの自由端から内部に挿入される案内筒を設け、その案内筒の先端部にパイプを内径面から挟持するチャックを設けておくと、そのチャックによりパイプを挟持する安定した状態でパイプの切断と面取り加工とを行なうことができるため、精度の高い加工を行なうことができる。
【0014】
上記チャックとして、案内筒の先端部に形成された環状のシリンダ室内を前室と後室とに仕切るスライド自在のピストンと、そのピストンの前側方に配置されて径方向に移動自在に支持された複数の環状配置とされた円弧状クランプ片とを有し、上記後室に対する流体の供給によりピストンを前進させ、そのピストンの先端部外周に形成されたテーパ面のくさび作用によりクランプ片を径方向外方に移動させてパイプ内径面を挟持する構成のものを採用することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明においては、上記のように、パイプの自由端から内部に挿入される駆動軸の端部にガイド板を固定し、そのガイド板の先端面に形成された径方向に延びるガイド溝内にチップホルダをスライド自在に嵌合し、そのチップホルダの外径側端部に内側面取りチップを取付け、駆動軸の内部に挿入されたスライドロッドの軸方向への移動によって上記内側面取りチップを径方向に移動し得るようにしたので、その内側面取りチップの回転と径方向への移動により、突切りバイトによるパイプの切断と同時にその切断面の内周縁を面取りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明に係るパイプ切断装置の実施の形態を示す概略断面図
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図
【図5】図2のV−V線に沿った断面図
【図6】内側面取りユニットの先端部を示す断面図
【図7】図6の右側面図
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、パイプPは、プッシャ1に設けられた円形突軸部2の外側に嵌合されて片持ち支持される。ここで、プッシャ1は、ボールねじを形成するねじ軸3の回転により軸方向に移動され、パイプPはそのプッシャ1と共に所定長さ軸方向に送られるようになっている。
【0018】
パイプPの自由端部における外周囲には、そのパイプPの外径面を挟持する一対のチャック4、5が軸方向に微小な間隔をおいて対向配置され、その一方のチャック5の周囲に、パイプPを切断し、同時に面取りを施す切断面取りユニットUが設けられている。
【0019】
ここで、チャック4、5は、複数のスリットを有するコレットを縮径させてパイプPの外径面を挟持するようにしたコレットチャックであってもよく、複数の爪を径方向に移動させて、その複数の爪でパイプPの外径面を挟持するようにしたスクロールチャックであってもよい。
【0020】
パイプPの自由端側には、そのパイプPの自由端から内部に挿入されて内側から面取りを行なう内側面取りユニットUが設けられている。
【0021】
図1および図2に示すように、切断面取りユニットUは、図示省略の支持フレームに支持された筒状の軸受ハウジング10を有し、その軸受ハウジング10の一側方に環状の回転ディスク11が設けられ、その回転ディスク11に設けられた筒状の回転軸12が軸受ハウジング10内に挿入されて、その軸受ハウジング10内に組み込まれた一対の軸受13によって回転自在に支持されている。
【0022】
回転軸12には環状のカムディスク14が嵌合されて回転自在に支持されている。カムディスク14および回転ディスク11は、モータ15により速度差をもって回転駆動されるようになっている。この場合、回転ディスク11を速く回転させるようにしてもよく、あるいは、カムディスク14を速く回転させるようにしてもよい。
【0023】
図2乃至図4に示すように、回転ディスク11の外側面には一対の支点軸16、17が対向位置に設けられ、一方の支点軸16を中心にして切断用のローラアーム18と、カッタアーム19とが揺動自在に支持されている。
【0024】
ローラアーム18とカッタアーム19は、互いに重なり合い、ローラアーム18の揺動側端部に一端部が支持されたローラ軸20は回転ディスク11に形成されたガイド孔21に挿通されている。ガイド孔21は支点軸16を中心とする弧状の長孔からなり、そのガイド孔21から回転ディスク11の背面側に臨むローラ軸20の端部にローラ22が回転自在に支持されている。ローラ22はカムディスク14に形成されたカム溝23に沿って転動自在とされている。
【0025】
カッタアーム19の揺動側端部にはバイトホルダ24が設けられ、そのバイトホルダ24にパイプPを切断する突切りバイト25が着脱可能に取付けられている。
【0026】
また、カッタアーム19には、支点軸16を中心とする弧状孔26が形成され、その弧状孔26に挿通されたボルト27がローラアーム18に形成されたねじ孔28にねじ込まれている。ここで、ボルト27を緩めることにより、ローラアーム18とカッタアーム19とを相対的に揺動させることができ、突切りバイト25を径方向に位置調整することができるようになっており、上記ボルト27を締め付けることによって、突切りバイトの調整位置でカッタアーム19とローラアーム18とを結合一体化し得るようになっている。
【0027】
ローラ22は、回転ディスク11とカムディスク14の相対的な回転によりカム溝23に沿って転動する。その転動によりローラアーム18とカッタアーム19とが支点軸16を中心にして揺動側端部が径方向内方に向けて揺動し、突切りバイト25が、一対のチャック4、5間において、パイプPを中心に回転しつつ径方向内方に向けて移動してパイプPを切断するようになっている。
【0028】
ここで、カム溝23のローラ22を案内する軌道面は、図5に示すように、微小な凹凸23aが連続して突切りバイト25に微振動を付与するようになっており、その突切りバイト25に付与される微振動により切り屑が細かく切断されてパイプPに巻き付かず、切り屑との接触によってパイプPの表面に傷が付くことのないようにされている。
【0029】
図3に示すように、回転ディスク11の外側面には、他方の支点軸17を中心にして揺動可能な面取り用のローラアーム29と、チップアーム30が設けられ、上記ローラアーム29の揺動側端部にはカムディスク14に形成されたカム溝23に沿って転動可能なローラ31が回転自在に支持されている。
【0030】
また、チップアーム30の揺動側端部にチップホルダ32が設けられ、そのチップホルダ32に外側面取りチップ33が着脱可能に取付けられている。
【0031】
ローラアーム29には、前述の切断用ローラアーム18と同様に、支点軸17を中心とする弧状孔34が形成され、その弧状孔34に挿通したボルト35を緩めることによってローラアーム29とチップアーム30とを相対的に揺動させることができ、外側面取りチップ33を径方向に位置調整することができるようになっており、上記ボルト35を締め付けることによって調整位置でローラアーム29とチップアーム30とを結合一体化し得るようになっている。その具体的な構成は図4に示す場合と同様であるため、図では省略している。
【0032】
ここで、ローラアーム29に支持されたローラ31は、回転ディスク11とカムディスク14の相対的な回転によりカム溝23に沿って転動し、その転動によりローラアーム29とチップアーム30とが支点軸17を中心にして、その揺動側端部が径方向内方に向けて揺動し、外側面取りチップ33が突切りバイト25による切断面の外周縁部を切削して面取りするようになっている。
【0033】
図1に示すように、内側面取りユニットUは、片持ち支持されたパイプPの自由端に対向配置された可動台40を有している。可動台40は、テーブル上に設けられたリニアレール41に沿って移動自在に支持され、ボールねじを形成するねじ軸42の回転によりパイプPの自由端に向けて移動される。
【0034】
可動台40には案内筒42の一端部が支持されている。案内筒42は、パイプPと同軸上の配置とされており、可動台40をパイプPに向けて移動させることにより、そのパイプPの自由端から内部に挿入されるようになっている。
【0035】
案内筒42内には、その軸心上に筒状の駆動軸43が配置され、その駆動軸43内にスライドロッド44が挿入されている。駆動軸43は、可動台40に支持されたモータ45により回転駆動される。一方、スライドロッド44は、上記可動台40に支持されたシリンダ46によって軸方向に移動される。
【0036】
図6に示すように、案内筒42の先端部には、パイプPを内径面から挟持するチャック50が設けられている。チャック50は、案内筒42の先端部に形成された環状のシリンダ室51内にピストン52をスライド自在に組み込んで、そのシリンダ室51を前室51aと後室51bとに仕切り、上記後室51bに対する加圧流体の供給によりピストン52を前進させ、そのピストン52の先端部外周に形成されたテーパ面53が径方向に移動自在に支持された複数の環状配置とされた円弧状クランプ片54のテーパ状内面54aを押圧するくさび作用により、そのクランプ片54を径方向外方に向けて移動させてパイプPの内径面を挟持するようにしている。
【0037】
ここで、複数のクランプ片54のそれぞれ外周には周方向溝54bが形成され、その周方向溝54bに嵌合するようにして複数のクランプ片54の周囲に掛け回された径方向に弾性変形可能な弾性リング55によって、クランプ片54のそれぞれが径方向内方に向けて付勢されている。
【0038】
図6乃至図8に示すように、駆動軸43の先端部にはガイド板60が取付けられ、そのガイド板60の先端面に径方向に延びるガイド溝61が形成されている。
【0039】
ガイド溝61内には、チップホルダ62がスライド自在に嵌合され、そのチップホルダ62の外径側端部に内側面取りチップ63が取付けられている。
【0040】
スライドロッド44とチップホルダ62の相互間には、スライドロッド44の軸方向の移動をチップホルダ62の径方向への移動に変換する運動変換機構70が設けられている。
【0041】
運動変換機構70は、チップホルダ62の後端部に形成された二股片64によってガイドピン71の両端部を支持し、そのガイドピン71をスライドロッド44の先端部に設けられた傾斜状のガイド溝72内にスライド自在に嵌合し、上記スライドロッド44の軸方向の移動によってチップホルダ62をガイド溝61に沿ってガイド板60の径方向に移動させるようにしている。
【0042】
実施の形態で示すパイプ切断装置は上記の構造からなり、パイプPの所定の長さの切断に際しては、まず、プッシャ1によって片持ち支持されたパイプPを、そのプッシャ1の移動によって所定の長さ分、軸方向に移動させる。この時、突切りバイト25の位置を基準位置として、その基準位置からパイプPの先端面までの距離が所定の長さとなるようにパイプPを軸方向に移動させる。
【0043】
パイプPの移動後、チャック4、5によりパイプPの外径面を挟持する。その挟持後、図1に示す可動台40をパイプPに向けて移動し、内側面取りユニットUの案内筒42の先端部をパイプPの自由端から内部に挿入する。
【0044】
内側面取りチップ63が突切りバイト25と径方向で対向する位置まで挿入される状態で、案内筒42を停止保持し、その停止保持状態において、図6に示すチャック50により、パイプPの内径面を挟持する。
【0045】
このとき、チャック50は、シリンダ室51の後室51bに対する圧力流体の供給によりピストン52を前進させ、そのピストン52の先端部に形成されたテーパ面53でクランプ片54のテーパ面54aを押圧して、複数のクランプ片54をパイプPの内径面に圧接させる。
【0046】
上記のような準備作業の後、図1に示すモータ15、45のそれぞれを駆動し、かつ、シリンダ46の作動によりスライドロッド44を前進動させて、パイプPを切断する。
【0047】
ここで、モータ15を駆動すると、回転ディスク11とカムディスク14が回転する。この時、回転ディスク11とカムディスク14は微小な速度差をもって回転するため、ローラアーム18の揺動側端部に支持されたローラ22およびローラアーム29の揺動側端部に支持されたローラ31のそれぞれがカム溝23に沿って転動し、ローラアーム18は支点軸16を中心にして内方に向けて揺動する。一方、ローラアーム29は支点軸17を中心にして内方に向けて揺動する。
【0048】
このとき、ローラアーム18とカッタアーム19は、ボルト27の締め付けによって結合一体化されているため、ローラアーム18の揺動と共にカッタアーム19も内方に向けて揺動し、そのカッタアーム19の揺動側端部に支持された突切りバイト25が内方に向けて揺動して、パイプPを切削し、切断する。
【0049】
また、ローラアーム29とチップアーム30は、ボルト35の締め付けによって結合一体化されているため、ローラアーム29の揺動と共にチップアーム30も内方に向けて揺動し、そのチップアーム30の揺動側端部に支持された外側面取りチップ33がパイプ切断面の外周縁を切削する。その切削によって、図6に示すように、パイプ切断面の外周縁に面取りCが形成される。
【0050】
さらに、モータ45を駆動し、同時に、シリンダ46の作動によりスライドロッド44を前進動させると、運動変換機構70の作動により、図6に示すチップホルダ62が径方向外方に向けて移動して内側面取りチップ63がパイプPの切断部位の内径面に押し付けられる。また、モータ45の駆動により、駆動軸43が回転され、その駆動軸43の回転により内側面取りチップ63がパイプPの内径面を切削する。その切削によって、図6に示すように、パイプ切断面の内周縁に面取りCが形成される。
【0051】
このように、実施の形態におけるパイプ切断装置においては、突切りバイト25によるパイプPの切断と同時にその切断面の外周縁および内周縁を面取りC、Cすることができ、パイプを寸法切りした後、内周縁を後加工によって面取りを行なう場合に比較して、端面の外周縁および内周縁に面取りが形成された寸法切りパイプを簡単に得ることができる。
【0052】
実施の形態で示すように、パイプPの外径面を一対のチャック4、5で挟持し、かつ、内径面をチャック50で挟持して、上記一対のチャック4、5間でパイプPを切断し、かつ、面取りC、Cを行なうことによって、安定した状態でパイプPの切断と面取り加工とを行なうことができるため、精度の高い加工を行なうことができる。
【符号の説明】
【0053】
4 チャック
5 チャック
25 突切りバイト
33 外側面取りチップ
42 案内筒
43 駆動軸
44 スライドロッド
50 チャック
51 シリンダ室
51a 前室
51b 後室
52 ピストン
53 テーパ面
54 クランプ片
60 ガイド板
62 チップホルダ
63 内側面取りチップ
70 運動変換機構
71 ガイドピン
72 ガイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片持ち支持され、切断長さに相当する量だけ軸方向に送り込まれるパイプの停止状態でその外径面をチャックで挟持してパイプを固定し、そのチャックの近接部位において、パイプの周方向に間隔をおいて設けられた切断用突切りバイトおよび外側面取りチップのそれぞれをパイプの外周囲を回転させつつ径方向内方に向けて移動させて、前記突切りバイトによりパイプを所定長さに切断し、かつ、外側面取りチップによりその切断面の外周縁を切削して面取りを施すようにしたパイプ切断装置において、
前記パイプの自由端から内部に挿入されて軸心を中心に回転駆動される筒状の駆動軸の端部にガイド板を固定し、そのガイド板の先端面に形成された径方向に延びるガイド溝内にチップホルダをスライド自在に嵌合し、そのチップホルダの外径側端部に内側面取りチップを取付け、前記駆動軸の内部に挿入されて軸方向に移動されるスライドロッドと前記チップホルダの相互間に、スライドロッドの軸方向の移動をチップホルダの径方向への移動に変換する運動変換機構を設け、前記突切りバイトによるパイプの切断時に、その切断部位と対向するパイプ内径面を前記内側面取りチップにより回転切削して、切断面の内周縁に面取りを行なうようにしたことを特徴とするパイプ切断装置。
【請求項2】
前記運動変換機構が、チップホルダの後端部に形成された二股片によってガイドピンを支持し、そのガイドピンをスライドロッドの先端部に設けられた傾斜状のガイド溝内にスライド自在に嵌合した構成からなる請求項1に記載のパイプ切断装置。
【請求項3】
前記駆動軸の外側に、その駆動軸と共に前記パイプの自由端から内部に挿入される案内筒を設け、その案内筒の先端部にパイプを内径面から挟持するチャックを設けた請求項1又は2に記載のパイプ切断装置。
【請求項4】
前記チャックが、前記案内筒の先端部に形成された環状のシリンダ室内を前室と後室とに仕切るスライド自在のピストンと、そのピストンの前側方に配置されて径方向に移動自在に支持された複数の環状配置とされた円弧状クランプ片とを有し、前記後室に対する流体の供給によりピストンを前進させ、そのピストンの先端部外周に形成されたテーパ面のくさび作用によりクランプ片を径方向外方に移動させてパイプ内径面を挟持する構成とされた請求項3に記載のパイプ切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−22694(P2013−22694A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160699(P2011−160699)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(591046984)三協紙業株式会社 (1)
【出願人】(592192000)甲南設計工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】