説明

パウチと各パウチの吸い口をその加工用回転機械に供給するための装置及びこれに関する方法

パウチ(102)と各パウチの吸い口(103)をその加工用回転機械(R)に供給するための装置(1)。この装置(1)は、パウチ(102)用の少なくとも1つのマガジン(2)と吸い口(103)用の少なくとも1つのマガジン(3)を具備する。この装置(1)は、パウチ(102)と吸い口(103)をそれぞれのマガジン(2、3)から拾い上げ、それらを加工する回転機械(R)へそれらを同時に連続モードで供給することができるように設計された操作ユニット(4)を独創的に具備する。この操作ユニット(4)は、パウチ(102)を拾い上げるための手段と吸い口(103)を拾い上げるための手段を具備する。パウチ(102)と吸い口(103)をその加工用回転機械(R)に供給するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチと各パウチの吸い口をその加工用回転機械に供給するための装置、及びこれに関する供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、飲料、特にフルーツジュースやスポーツドリンクは、「パウチ」として一般に知られている可撓性容器内に入れて販売、及び保存されることがますます多くなっている。
【0003】
一般に、これらの可撓性容器は、通常ポリエチレン(PE)製のパウチからなり、容器内に含まれる製品を流出させることができる吸い口(spout)を有する。
【0004】
パウチを絞って飲料に圧力をかけることにより、製品が特に容易に流出される。
【0005】
可撓性容器又はパウチは、開口を残しつつその端部がともに溶接された一対のポリエチレンシートからなる。
【0006】
この開口の中に吸い口の一部が挿入され、溶接によって固定される。具体的には、この溶接は開口の端部になされ、この端部が部分的に溶解するように加熱することによって行われる。これにより、端部がパウチに挿入された吸い口の一部に接着する。
【0007】
一般に、吸い口は、容器が充填される前に開口の内部に挿入される。
【0008】
パウチの加工用のシステムが既に存在することはよく知られている。このシステムは、パウチを充填及び封止するための1つ又は複数のスターホイールと協働して、パウチを拾い上げて搬送するためのスターホイールを有する回転機械を備える。
【0009】
回転機械を備えるシステムの重要な特徴は、連続モードで動作可能であること、それにより高い生産性を保証することである。
【0010】
この特徴を十分に生かすためには、パウチの連続流(continuous flow)が加工用スターホイールへ供給されることが不可欠である。
【0011】
具体的には、パウチは、パウチを開口し、この開口の内部に吸い口を挿入し、パウチの端部を溶接することによって、溶接用スターホイール上で直接組み立てられるので、パウチと吸い口の双方を加工用スターホイールに供給しなければならない。
【0012】
パウチと吸い口の双方の回転機械への連続的な供給を確保するというこの問題は、未だに解決されていない。
【発明の開示】
【0013】
本発明の目的は、パウチと各パウチの吸い口をその加工用回転機械に供給でき、吸い口とパウチの双方の連続的な供給を確保できる装置を提供することにより、前述の問題を解決することである。
【0014】
さらに、本発明の目的は、パウチと吸い口の双方をその加工用回転機械に同時に供給する装置を作り出すことである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、高い生産性を保証できるパウチと各パウチの吸い口を供給するための装置をもたらすことである。
【0016】
さらに、本発明の目的は、容易に構成でき且つ信頼性のあるパウチと各パウチの吸い口を供給するための装置をもたらすことである。
【0017】
さらに、本発明の目的は、パウチと各パウチの吸い口をその加工用回転機械に供給するための容易に実行できる方法をもたらすことである。
【0018】
前記目的は、以下に報告する請求項の内容により特徴づけられる本発明の対象である、パウチと各パウチの吸い口をその加工用回転機械に供給するための装置、及びそれに関する方法により完全に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
この目的及びその他の目的は、添付の図表において非限定的な例のみを用いて説明される好適な実施形態についての以下の記述からさらに容易に明らかになるであろう。
【0020】
図を参照すると、パウチと各パウチの吸い口をその加工用回転機械に供給するための装置は、その全体が番号1で示されている。具体的には、この回転機械は、例えば、吸い口をパウチに溶接するための溶接把持部(welding grippers)を備えたパウチ成形用のスターホイールであり得る。
【0021】
装置1は、パウチ102のストックを収納するように設計された第1のマガジン2と、設定された数の吸い口103を保持するように設計された第2のマガジン3とを具備する。
【0022】
全く新しい独創的な手法で、装置1は、パウチ102と吸い口103をそれぞれのマガジンから拾い上げ、それらを連続モードで同時に回転機械へ供給することができるように設計された操作ユニット(handling unit)4を具備する。
【0023】
図示された例では、操作ユニット4は、第1の支持シャフト5に固定された回転台(rotating platform)6に固定されている。
【0024】
具体的には、操作ユニット4はまた、第2の支持シャフト7を具備する。この第2の支持シャフトは、パウチ102と吸い口103を拾い上げる動作位置とそれらを回転機械に搬送するための動作位置の間にある第1の垂直軸Aを中心にして回転できるように可動する。この支持シャフト7には、パウチを拾い上げるための手段と吸い口を拾い上げるための手段が設けられている。
【0025】
図示された例では、パウチを拾い上げるための手段は、一対の吸着カップ8、9からなる。この一対の吸着カップ8、9は、同一垂直面P(図1では、この垂直面Pは側面から見たものである)上に垂直整列(vertically aligned)して配置されている。
【0026】
図示された実施形態では、吸い口を拾い上げるための手段は、好ましくは把持部10である。
【0027】
図1を特に参照すると、第2の支持シャフト7は、回転台6の周囲に(perimetrically)固定されている。回転台6は、略垂直且つ第1の支持シャフト5を通る第2の軸Bを中心にして回転する。より正確には、第2の支持シャフト7は、回転台6が第2の垂直軸Bを中心に回転するのと同時に第1の垂直軸Aを中心に回転する。その結果、吸着カップ8、9と把持部10は、これらがマガジン2、3からパウチと吸い口の加工用回転機械へ移動するときに、内サイクロイド運動により作動される。
【0028】
図1に示した実施形態を特に参照すると、回転台6は、例えば回転機械に一体化された歯車30と回転台6に一体化された対応する歯車31の機械的結合を通じて、パウチと吸い口の加工用回転機械によって直接動かされる。
【0029】
図示された例において、第2の回転シャフト7は、好ましくは、回転台6に固定された、つまりこの台に一体化された電気モータ11によって動かされる。
【0030】
図示された実施形態では、パウチと各パウチの吸い口を供給するための装置1は、好ましくは、単一の回転台と、複数の第2の回転シャフト7とからなる。これら複数の第2の回転シャフト7のそれぞれは、パウチを拾い上げ保持するための少なくとも一対の吸着カップと、吸い口を拾い上げるための少なくとも1つの把持部を備えている。
【0031】
パウチと吸い口をその加工用回転機械に供給するための方法は、パウチのマガジンを配置する段階と、吸い口のマガジンを配置する段階と、対応するマガジン(2)からパウチ(102)を拾い上げる段階と、対応するマガジン(3)から吸い口(103)を拾い上げる段階と、を含む。
【0032】
新しい独創的な手法により、本発明の方法は、パウチと吸い口をその加工用回転機械に同時に連続供給するステップを含む。
【0033】
好ましくは、パウチと吸い口をその加工用回転機械に供給するステップは、マガジンから回転機械上の卸し位置(discharging point)までのパウチ及び吸い口の内サイクロイド運動により行われる。
【0034】
本発明の動作の原理は次のとおりである。
【0035】
回転台6は、回転機械に一体化された歯車30と回転台6に一体化された歯車31の結合を通じて、パウチ及び吸い口の加工用回転機械により直接動かされる。
【0036】
これと同時に、操作ユニット4の一部である支持シャフト7は、回転台6に一体的に固定された電気モータ11によって、第1の軸Aを中心にして回転させられる。
【0037】
このようにして、吸着カップ8、9及び把持部10は、内サイクロイド運動によって、パウチ102と吸い口103がそれらのマガジン2、3から拾い上げられる場所からパウチと吸い口がその加工用回転機械(図2において文字Rで示される)へ搬送される場所へと移動させられる。
【0038】
具体的には、図2に示されるように、吸着カップ8、9及び把持部10がたどる軌跡は点Qによって示される。より詳細には、この点がパウチと吸い口を収納するマガジン2、3(図2ではパウチ102を収納するマガジンのみが示される)の先端(cusp)にあるとき、吸着カップ及び把持部の移動の絶対速度はゼロになる。こうして、吸着カップ及び把持部は、パウチ102と吸い口103(動いていない)を、それぞれのマガジンから「もぎ取る(wrenching)」ことなく拾い上げることができる。
【0039】
その後、図2に示す点Qは略円周のアーチを描く軌跡をたどり、これにより吸着カップ8、9及び把持部10の回転機械Rに対する相対速度はゼロになる。このようにして、吸着カップ及び把持部は、パウチ102と吸い口103を回転機械Rへ的確な方法で搬送することができる。
【0040】
上記の動作原理は、単一の操作ユニット4を備えた装置に関するものであるが、これらの操作ユニットを数個備えた装置でもその動作原理は同じである。
【0041】
本発明はいくつかの重要な利点をもたらす。
【0042】
まず第1に、本発明による装置は吸い口とパウチの双方を連続モードで供給することができるので、高い生産性が保証される。
【0043】
本発明の別の重要な利点は、吸い口とパウチの双方を同時に供給できることである。
【0044】
有益には、本発明による装置はコンパクトであり、且つきわめて信頼性が高い。
【0045】
本発明のさらなる利点は、高い生産性を確保するほど、パウチと吸い口を損傷せずに安全に取り扱うことができることである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】パウチと各パウチの吸い口をその加工用回転機械に供給するための装置の部分的な断面正面図
【図2】図1に示した装置の動作原理を示す上から見た図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチ(102)と各パウチの吸い口(103)をその加工用回転機械(R)に供給する装置(1)であって、
パウチ(102)用の少なくとも1つのマガジン(2)と、
吸い口(103)用の少なくとも1つのマガジン(3)と、
パウチ(102)と吸い口(103)をそれぞれのマガジン(2、3)から拾い上げ、それらの加工用回転機械(R)へそれらを同時に連続して供給することができるように設計される少なくとも1つの操作ユニット(4)と、
を具備することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記操作ユニット(4)は
パウチ(102)を拾い上げる手段と、
吸い口(103)を拾い上げる手段と、を具備し、
パウチ(102)を拾い上げる前記手段と吸い口(103)を拾い上げる前記手段は、パウチ(102)と吸い口(103)を拾い上げるための少なくとも1つの動作位置と前記パウチ(102)と前記吸い口(103)を回転機械(R)に搬送するための少なくとも1つの動作位置との間において、可動式の支持構造物(4、7)に固定されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
パウチ(102)を拾い上げる前記手段は、少なくとも1つの吸着カップを含む、請求項2記載の装置。
【請求項4】
パウチ(102)を拾い上げる前記手段は、同一垂直面(P)上に垂直整列して配置される少なくとも一対の吸着カップ(8、9)を含む、請求項2または3記載の装置。
【請求項5】
吸い口(103)を拾い上げる前記手段は、少なくとも1つの把持部(10)を含む、請求項2乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記支持構造物(4、7)は、第1の略垂直な軸(A)を中心にして回転する、請求項2乃至5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記支持構造物(4、7)は、第2の略垂直な軸(B)を中心にして回転する回転台(6)の周囲に固定され、前記第2の垂直軸(B)を中心にした前記回転台(6)の回転と同時に前記第1の垂直軸(A)を中心に回転し、その結果、パウチ(102)を拾い上げる前記手段と吸い口(103)を拾い上げる前記手段は、前記マガジン(2、3)から前記回転機械(R)まで移動するときに内サイクロイド運動をする、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記回転台(6)に一体的に固定され、前記支持構造物(4、7)に動作可能に作用する第1の動作手段と、
前記回転台(6)に動作可能に作用する第2の動作手段とを具備する、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記第1の動作手段は、少なくとも1つの電気モータ(11)を含む、請求項8記載の装置。
【請求項10】
パウチ(102)と吸い口(103)をその加工用回転機械(R)に供給する方法であって、
パウチ(102)のマガジン(2)を配置するステップと、
吸い口(103)のマガジン(3)を配置するステップと、
対応するマガジン(2)からパウチ(102)を拾い上げるステップと、
対応するマガジン(3)から吸い口(103)を拾い上げるステップと、
前記パウチ(102)と前記吸い口(103)をその加工用回転機械(R)に同時に連続して供給するステップと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項11】
パウチ(102)と吸い口(103)をその加工用回転機械(R)に供給する前記ステップは、それぞれのマガジン(2、3)から前記回転機械(R)上の卸し位置までの、前記パウチ(102)と前記吸い口(103)の内サイクロイド運動により行われる、請求項10記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−505825(P2008−505825A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520977(P2007−520977)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000506
【国際公開番号】WO2006/030464
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(506321805)インダグ ゲゼルシャフト フィア インダストリーベダルフ エムベーハー ウント カンパニー ベトリープス カーゲー (10)
【Fターム(参考)】