パターンド磁気ディスク媒体の製造方法
【課題】ディスクリートトラック磁気ディスク媒体またはビットパターンド磁気ディスク媒体の製造段階のエラー検査工程において、磁性膜の溝、凹凸などのパターンを欠陥として検出することなく本来の欠陥を検出し、欠陥の少ない磁気ディスク媒体を製造する。
【解決手段】非磁性基板上に複数のトラックを有する記録媒体層を形成した後、検査用磁気ヘッドの記録ヘッドを用いて前記トラックのデータエリアにデータビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第1の検査用信号を記録し、前記サーボエリアにサーボビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第2の検査用信号を記録し、続いて前記トラックの幅の4倍以上で1.0μm以下の再生トラック幅を有する前記検査用磁気ヘッドの再生ヘッドを用いて前記データエリアとサーボエリアに記録した信号を再生し、再生した信号から欠陥を検出する。
【解決手段】非磁性基板上に複数のトラックを有する記録媒体層を形成した後、検査用磁気ヘッドの記録ヘッドを用いて前記トラックのデータエリアにデータビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第1の検査用信号を記録し、前記サーボエリアにサーボビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第2の検査用信号を記録し、続いて前記トラックの幅の4倍以上で1.0μm以下の再生トラック幅を有する前記検査用磁気ヘッドの再生ヘッドを用いて前記データエリアとサーボエリアに記録した信号を再生し、再生した信号から欠陥を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高記録密度化のためにトラックがガードバンドで分離されたディスクリートトラック媒体、ディスクリートトラックが円周方向にも分離されたビットパターンを有するビットパターンド媒体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスクは高記録密度化のために、磁気ヘッド浮上量の低下や高記録密度に適した垂直磁気記録方式の適用などがなされている。高記録密度化すると、トラック間隔およびビット間隔が小さくなるため、ビットやトラックの境界部分のノイズの影響でS/Nが低下する。そのため近年では、トラックやビット間を物理的あるいは磁気的に切断して孤立させることでS/Nを高くする、ディスククリートトラック磁気ディスク媒体やビットパターンド磁気ディスク媒体の開発が行われている。このような方式の磁気ディスクでは記録密度を飛躍的に向上できる可能性がある。
【0003】
ディスククリートトラック磁気ディスク媒体では、特許文献1や特許文献2に記載のように、偏心などの影響で磁気ヘッドが溝を横切ってしまうと、再生信号出力が激減して再生不能となるので、磁気ヘッドの位置決め精度を高くせねばならず、ディスクリートトラック方式の磁気ディスク媒体の欠陥検査を行う際には、トラッキングサーボを働かせて常にオントラック状態でリード/ライト検査をする必要がある。また、ディスククリートトラック磁気ディスク媒体では、あらかじめ決められたサーボ信号パターンに対応した物理的凹凸を有する領域、あるいはパターンが磁気的に切断されて個々のサーボ信号が孤立した領域が形成されるのが通常である。
【0004】
しかしながら、ディスクリートトラック方式でない通常の溝無し媒体の欠陥検査では、トラッキングサーボをかける必要がなかったので、量産ラインの既存の欠陥検査装置にはサーボ機能を備えていないものが多く、このためにかかる検査装置でディスクリートトラック方式の磁気ディスクの欠陥検査をしようとすると、検査装置の改造を余儀なくされ、検査コストの増大を招くという問題が生じる。また、ビットパターンド磁気ディスク媒体の場合は、周方向(ビット方向)にも凹凸パターンが形成されているため、凹部を欠陥と判断してしまう可能性がある。さらにデータ領域とサーボ領域ではそのパターンが異なり、一般的にはサーボ領域のパターンがビット方向に大きいため、データ領域とサーボ領域で検査信号の再生出力に差が生じる。そのため従来の欠陥検査では一周分の再生出力の平均値を欠陥判定の基準として、欠陥部の出力低下を検出して欠陥の判定を行っている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−15420号公報
【特許文献2】特開2001−34902号公報
【特許文献3】特開2007−109358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の欠陥検査方法では、データ領域とサーボ領域で同じ再生出力の平均値を基準とした場合、サーボ領域のビットの出力が大きくデータ領域のビットの出力が小さくなり、欠陥の判定が困難となる。前述した特許文献1や特許文献2などでは、このようなビット方向に対するデータ領域/サーボ領域のパターンの差に起因する再生出力変動については考慮されていない。
【0007】
また、特許文献1や特許文献2から示唆される複数トラックにまたがる幅を持つ検査用ヘッドを使用した場合、あまり幅が広いと小さいサイズの欠陥の検出率が減少するのは明らかである。すなわち、ヘッドのトラック幅は磁気ディスクのトラック幅より大きく、かつ欠陥に対する検出精度・検出感度を維持できるトラック幅であることが必要である。現状の磁気ディスク装置は記録密度が数100Gbit/inch2以上のものであり、このような高記録密度を達成するためには垂直磁気記録方式が必須であるが、垂直磁気記録ディスクは特許文献3に記載のように、垂直磁気記録媒体では耐食性に優れていないCoを多く含んだ軟磁性下地層、また腐食電位の大きなRuまたはRu合金を中間層に使用するため、CoとRuとの電位差が大きくなり面内磁気記録媒体に比べて耐食性が劣化する。また、記録層としてよく知られている酸化物グラニュラ型垂直磁気記録層は欠陥が多いために、RuまたはRu合金の耐食性が良いのにもかかわらず、軟磁性下地層の腐食抑制のための保護作用は示さないために、磁性膜が欠損するような欠陥が存在すると、その欠陥を起点に腐食が進行する可能性が大きい。そのため欠陥をエラー検査により検出して、エラー数の少ない磁気ディスクを合格とすることが必須となってくる。しかしながら、数100Gbit/inch2以上の記録媒体で、このようなエラー検査を行うのに必要十分なヘッドのトラック幅や測定周波数について従来技術では検討された例はない。
【0008】
本発明の目的は、欠陥の少ないディスクリートトラック磁気ディスク媒体やビットパターンド磁気ディスク媒体などのパターンド磁気ディスク媒体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法においては、非磁性基板上に、データエリアとサーボエリアを有し、サーボエリアにサーボパターンが形成された複数のトラックを有する記録媒体層を形成した後、検査用磁気ヘッドの記録ヘッドを用いて前記トラックのデータエリアにデータビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第1の検査用信号を記録し、前記サーボエリアにサーボビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第2の検査用信号を記録し、続いてトラックピッチの4倍以上で1.0μm以下の再生トラック幅を有する前記検査用磁気ヘッドの再生ヘッドを用いてデータエリアとサーボエリアに記録した信号を再生し、再生した信号から欠陥を検出する。
前記データエリアの欠陥検出を当該データエリアのみの再生出力平均値を基にして行い、前記サーボエリアの欠陥検出は当該サーボエリアのみの再生出力平均値を基にして行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造段階のエラー検査工程において、トラック間の溝やデータパターンあるいはサーボパターンの凹部を欠陥として検出することなく、欠陥を検出することができるので、欠陥の少ないディスクリートトラック磁気ディスク媒体やビットパターンド磁気ディスク媒体などのパターンド磁気ディスク媒体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、図3〜図5を参照して、本発明に係るパターンド磁気ディスク媒体の構成を説明する。図3は、パターンド磁気ディスク媒体の層構成を示す断面図である。パターンド磁気ディスク媒体1は、非磁性基板2の上に、軟磁性裏打ち層4、配向制御層6、酸化物グラニュラー記録層8、保護層10が順次積層された記録媒体層と、その表面に形成された潤滑層12を有する。軟磁性裏打ち層4、配向制御層6、酸化物グラニュラー記録層6および保護層10は、単層あるいは複数の層より構成される。なお、図1には、円板状の非磁性基板2の表面側に形成された記録媒体層の一部領域のみを拡大して示している。また、図1では、ディスクリートトラック及びビットパターンの様子は省略している。
【0012】
図4にディスクリートトラックの断面概略図を示す。図4(a)はインプリント技術とエッチング技術などにより、離散的な磁性層8aを形成してその上に保護層10を形成した構成を示す。離散的な磁性層8aは凸部であり、磁性層8aの間は溝部(凹部)8bである。図4(b)は、離散的に形成された磁性層8aの間の凹部8bを埋め戻すように保護層10を厚く形成して、表面が平滑になるように研磨処理した構成である。ここで示した凹凸部8a、8bは、ディスクリートトラック媒体の場合、磁気記録するべきトラック部となる円周状の凸部8aと、これらの凸部8aの間に位置する円周溝型の凹部8bとが、直径方向に同心円状に間欠的に形成された構造となり、このような凹凸パターンの平面模式図を図3に示す。なお、ビットパターンド媒体の場合はトラックの円周方向にも凹部8bが存在する構造となる。
【0013】
図5を参照するに、データエリア14および15の間には、サーボエリア16が設けられ、サーボエリア16には、ヘッドの位置決めに必要なサーボ信号のパターンエリア18およびサーボエリア16を認識するための認識領域17が設けられ、それぞれパターンが形成されている。図中、Twで示した部分が一つの記録トラックの幅を示しており、Tpで示した部分がトラックピッチを示している。またサーボパターンエリア18の一つのパターンは、そのサイズ(幅及び長さ)がデータエリア14,15と異なるのが通常である。さらに記録される信号の周波数はデータエリア14,15とサーボエリア16では異なり、一般的にサーボエリア16の方が、SN比を大きくするために低い周波数で記録される。なお、ビットパターンド媒体の場合は、データエリア14,15に凹部8bにより分離されたビットパターンを有する。
【0014】
このようなパターンド磁気ディスク媒体の製造プロセス概略を図6を参照して説明する。非磁性基板2を洗浄した後(S600)、図3で示された層構成の記録媒体層を形成するために、スパッタ法などにより各層を成膜する(S602)。その後、インプリントなどによるマスク形成、エッチング法などによるトラック形成、凹部の埋め戻し、保護層成膜などを行うトラック形成プロセス(S604)を経て、潤滑剤をその表面に塗布する(S606)。その後、突起欠陥除去・表面パーティクルの除去のためのテープバーニッシュを行う(S608)。そして、検査工程として突起の有無を検査するグライド検査(S610)の後、磁気的な欠陥を検査するエラー検査(S612)を経て磁気ディスク媒体が完成する。
【0015】
次に、上記製造プロセスのエラー検査工程(S412)において、トラック間の溝やデータパターンあるいはサーボパターンの凹部を欠陥として検出することなく、本来の欠陥を正確に検出するための条件について、検討した結果を説明する。
【0016】
まず、上記の製造方法により、図4(a)に示したような構造のディスクリートトラック媒体を作成した。この媒体の溝の深さは15nmであり、トラックの幅Twは100nm、トラック間の距離も100nmである。サーボ信号のパターンは形成せず、トラック幅とヘッドの再生トラック幅との関係を調べた。
【0017】
このディスクリートトラック媒体を、記録トラック幅1μm、再生トラック幅0.1μmのエラー検査用ヘッドを用いて、記録密度250kfci(fci:flux change per inchi)で信号を記録して、そのヘッドでの再生出力を観察した。このときの、ヘッド出力波形とヘッドと記録トラックとの関係の模式図を図7に示す。
【0018】
図7の上段は記録トラックとヘッドとの位置関係を示す。記録トラックは、ディスクリートトラック媒体の場合には、スピンドルモータの回転中心と媒体のトラックの中心とのズレのために、磁気ヘッドはトラックとは異なる軌跡を取る。すなわちオフトラックする。磁気ディスク装置の場合は、媒体に書かれたサーボ情報を基にトラックを追従するためのヘッド位置のサーボ制御を行うが、エラー検査を行う検査装置では、構造が複雑になること、価格が上がることなどから、このようなサーボ制御は行われていない。このような状態でヘッドの再生出力を観察すると、図7の下段に示したような再生出力信号となる。記録トラックと記録トラックとの間の溝を、ヘッドが横切る時にヘッドの再生出力は低下する。ヘッドの再生トラック幅と記録トラックの幅およびトラック間隔が同程度の幅だと、溝を横切る際の再生出力は著しく低下する。そのために、エラーと判定するしきい値(通常は平均出力に対してある割合だけ出力が低下したレベルに設定される)を下回るために、記録トラック間の溝をエラーと誤判定する。
【0019】
次に、同じディスクリートトラック媒体を用いて、記録トラック幅1μm、再生トラック幅0.9μmのヘッドで、250kfciの記録密度でエラー検査を行った。その際の再生出力とヘッド・記録トラックの位置関係の模式図を図8に示す。図7に示した場合に比べて、再生出力の変動は少なくなっている。そのため、オフトラックによるエラーの誤検出はなかった。これはヘッドの再生トラックの幅が媒体の記録トラックの幅に比較して大きいため、ヘッドが溝を横切る際にも複数トラックはヘッドの再生トラック幅の下に存在するためである。このように、再生トラック幅が媒体の記録トラック幅に比べて十分に大きい場合は、再生出力がオフトラックに関わらず安定しているため、エラーの誤検出が少なくなる。
【0020】
そこで再生トラック幅を媒体の記録トラック幅の何倍にすれば、エラー誤検出が少なくなるかを次に調べた。ディスクリートトラック媒体として、トラック幅Twが50nm、トラック間の溝幅Pwが50nmのものを用いた。再生トラック幅Mrwが、50nmから1000nmまで50nmづつ異なるヘッドを用いて、オフトラック時の再生出力を測定した。結果を図9に示す。再生出力はヘッドが記録トラックにオントラック状態での出力を1とした規格化出力で、それぞれのヘッドの再生出力を比較した。図9の横軸は、記録トラック幅Twと溝幅Pwの和(トラックピッチ)と、ヘッドの再生トラック幅Mrwとの比で示した。再生トラック幅が小さいと再生出力は小さいが、Mrw/(Tw+Pw)が3〜4以上で規格化再生出力は0.8以上となり、この領域ではエラーの誤検出も少なくなり安定した。この結果からエラー検査を誤検出なく行うためには、少なくともヘッドの再生トラック幅は、媒体のトラックピッチの4倍、好ましくは5倍以上に設定することが必要であることがわかる。
【0021】
しかしながら、再生トラック幅を大きくすると、小さい欠陥に対する検出精度が低下するという問題がある。これは再生トラック幅が大きくなると再生出力が大きくなり、欠陥部分での再生出力低下の比率が相対的に小さくなるため、欠陥と判定することが困難になるためである。図10は、再生トラック幅が0.1μmで、エラー測定のピッチを0.2μmで行った時の、65mmサイズの溝形成を行っていない垂直磁気ディスク媒体のエラー数(Defect count)と欠陥のサイズ(Defect width)との関係を示したものである。欠陥のサイズが小さくなるに従い指数関数的にエラーの個数が増加していることがわかる。特に1μm以下の領域でエラー数が多いことから、再生トラック幅を大きくしすぎると欠陥の検査が不充分になると考えられる。
【0022】
また、実際の磁気ディスクの生産においては、エラー測定のピッチをあまり小さくすると、一面のエラー測定を行うのに長時間かかるので、一般的には数μmから数10μmの測定ピッチで測定するのが通常である。そこで、検査用ヘッドの再生トラック幅を0.1μmから4.5μmまで数水準に振って、エラー測定ピッチ20μmで前述した溝を形成していない垂直磁気ディスク媒体をエラー検査した。その結果を図11に示す。再生トラック幅が1μmの時、エラー個数は約4個/面であり、約2μm以上では約2個/面以下となっている。検出エラー数が2個/面以下のようにあまりに少ないと、品質管理および出荷のための検査にエラー測定を行う意味がないので、工業的には5〜10個/面レベル以上のエラー検出個数であるように設定するのが一般的である。そこで、再生トラック幅の上限は1μm以下、好ましくは0.5μm以下が必要であることを確認した。
【0023】
次に周方向のエラー検出感度とエラー測定周波数について検討を行った。図12にビットパターンド媒体のデータエリアに欠陥が存在した場合の、ヘッドの再生信号の模式図を示す。ヘッドの再生トラック幅は4トラック分で、エラー測定周波数はビット約9個で一周期になる周波数とした。図9に示した再生トラック幅と記録トラックピッチとの関係と同じように、ビット方向においてもエラー測定周波数が高すぎた場合には、再生出力がビットの丘の有無により影響を受けるため、エラーを精度良く検出することが出来ない。しかし、ビットピッチの4倍程度の波長の記録周波数で記録し、その再生信号からエラー測定を行えば、図12に示したように欠陥を再生出力変化で検出することが可能である。さらに記録周波数の1/2波長がビットピッチの4倍以上であることが好ましい。なお、ディスクリートトラック媒体の場合は、データエリアに凹部は存在しないが、データエリアの検査用記録周波数は、上記と同じでよい。
【0024】
次にサーボエリアのエラー検査について検討を行った。図13を参照して、サーボエリアのエラー検査方法の概略を説明する。図13の上段はデータエリア14からサーボエリア16を認識するための認識領域17を経てサーボパターンエリア18を通り、またデータエリア15へヘッドが通過することを示している。また下段にはデータエリアからサーボエリアへヘッドが通過する際に、ビットピッチの4倍の波長の周波数でエラー測定信号を記録して再生したときの、記録波形と再生波形を示す。認識領域17では記録波形の周波数はデータエリア14の周波数を用い、サーボパターンエリア18では周波数をビットピッチに合わせて低くしている。具体的には、サーボパターンエリア18のビットピッチの4倍以上の波長の周波数である。
【0025】
再生出力に着目すると、データエリアの波形11から認識領域の波形12で再生出力は変化して、認識領域では出力が大きくなる。この信号出力が大きくなったことをトリガとして、エラー検査用記録周波数をサーボパターンエリア用の周波数へ切り替える。サーボパターンエリアの再生出力は、ビットサイズがデータビットのサイズより大きいため、再生出力も大きくなる。このようにしてデータエリアとサーボパターンエリアでエラー検査用記録周波数を切り替えることにより、データエリアとサーボパターンエリアともに精度良くエラー検査を行うことが出来る。この際に、エラーと判定する再生出力は、データエリアはデータエリアのみの再生出力の平均値に対してスライスレベルを設定し、サーボパターンエリアはサーボパターンエリアのみの再生出力平均値に対してスライスレベルを設定することが必要である。
【0026】
以上の検討結果を反映したエラー検査工程(S412)の詳細を図1に示す。また、図2にはエラー検査装置のハードウェア構成を示す。図2を参照するに、エラー検査装置は、記録ヘッドと再生ヘッドを備える検査用磁気ヘッド20と、再生信号を増幅する再生回路21と、再生信号の出力平均値を計測するTAA(Track average amplitude)計測回路22と、欠陥判定回路23と、記録回路24と、サーボエリア判定回路25と、検査用信号生成回路26と、記録周波数制御回路27と、タイミング発生回路28と、ヘッド位置決め制御回路29と、出力部30とを有する。
【0027】
図1を参照して図2に示されたエラー検査装置の処理を説明する。図6に示したグライド検査(S610)を終了したパターンド磁気ディスク媒体1を、エラー検査装置のスピンドルモータの回転軸にセットする(S100)。続いて、ヘッド位置決め制御回路29の制御により、検査用磁気ヘッド20を最初の検査トラックに位置決めする(S102)。続いて、位置決めしたトラックに、データエリアのビットピッチの4倍の波長の周波数で検査信号を記録する(S104)。続いて、記録した信号を検査用磁気ヘッド20により再生する(S106)。続いて、トラック一周分の再生信号から再生出力平均値(TAA)を計測する(S108)。続いて、同じトラックから信号を再生し、計測した再生出力平均値(TAA)と比較して、データエリアあるいはサーボエリアを特定する(S110)。なお、ここでは、データエリアあるいはサーボエリアを特定するために、記録信号を再度再生したが、S106で再生した信号を記録装置に記録しておき、それを読み出して使用することもできる。
【0028】
次に、データエリア、サーボエリアの判定を行い(S112)、データエリアと判定された場合の再生信号からデータエリアの再生出力平均値(TAA)を計測する(S114)。続いて計測したデータエリアのTAAと新たに再生したデータエリアの再生出力を比較し、欠陥の有無を判定する(S116)。ここで、欠陥の検出は、データエリアの再生出力が、データエリアのTAAに対してある割合だけ低めに設定されたスライスレベルよりも低い場合に欠陥と判定する。なお、欠陥検出のために新たにデータエリアを再生したが、ここでもTAA測定のために再生した信号を記録装置に記録しておき、それを使用することができる。
【0029】
データエリア、サーボエリアの判定(S112)において、サーボエリアと判定された場合、記録周波数制御回路27により、記録周波数をサーボパターンエリア18のビットピッチの4倍以上の波長の周波数に切り替え(S118)、そして、サーボパターンエリアに、切り替えた周波数で記録を行う(S120)。続いて、サーボパターンエリアに記録した信号を再生し(S122)、サーボパターンエリアの再生出力平均値(TAA)を計測する(S124)。続いて、計測したサーボパターンエリアのTAAと新たに再生したサーボパターンエリアの再生出力を比較し、欠陥の有無を判定する(S126)。ここで、欠陥の検出は、サーボパターンエリアの再生出力が、サーボパターンエリアのTAAに対してある割合だけ低めに設定されたスライスレベルよりも低い場合に欠陥と判定する。なお、欠陥検出のために新たにサーボパターンエリアを再生したが、ここでもTAA測定のために再生した信号を記録装置に記録しておき、それを使用することができる。
【0030】
上記エラー検査がトラック1周について完了した場合(S128)、検査用磁気ヘッド20を次のトラックに移動して(S132)、ディスク全面についてエラー検査を行なう。ディスク全面の検査が完了した場合(S130)、検査が終了する。
【0031】
以上の説明のとおり、本発明の実施例によるパターンド磁気ディスク媒体の製造方法によれば、ディスクリートトラック媒体およびビットパターンド媒体のエラー検査を精度良く行うことができるので、欠陥の少ない磁気ディスク媒体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例によるパターンド磁気ディスク媒体の製造方法おけるエラー検査工程の処理フローを示す図である。
【図2】エラー検査装置のブロック構成図である。
【図3】本発明に係るパタンーンド磁気ディスク媒体の層構成を示す断面図である。
【図4】ディスクリートトラック部の断面図である。
【図5】ディスクリートトラック媒体の平面図である。
【図6】本発明の実施例によるパターンド磁気ディスク媒体の製造方法のプロセス概略図である。
【図7】ヘッドと記録トラックの関係と、再生出力信号を示す模式図である。
【図8】ヘッドと記録トラックの関係と、再生出力信号を示す模式図である。
【図9】記録トラックピッチとヘッドの再生トラック幅の比とヘッドの規格化出力の関係を示す図である。
【図10】欠陥のサイズとエラー個数の関係を示す図である。
【図11】ヘッドの再生トラック幅とエラー個数の関係を示す図である。
【図12】ビットパターンド媒体のデータエリアに欠陥が存在した場合の再生信号を示す模式図である。
【図13】パターンド磁気ディスク媒体のデータエリアとサーボエリアの記録波形と再生波形を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1…パターンド磁気ディスク媒体、2…非磁性基板、4…軟磁性裏打ち層、6…配向制御層、8…酸化物グラニュラー記録層、8a…磁性層(凸部)、8b…溝部(凹部)、10…保護層、12…潤滑層、14,15…データエリア、16…サーボエリア、17…認識領域、18…サーボパターンエリア。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高記録密度化のためにトラックがガードバンドで分離されたディスクリートトラック媒体、ディスクリートトラックが円周方向にも分離されたビットパターンを有するビットパターンド媒体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスクは高記録密度化のために、磁気ヘッド浮上量の低下や高記録密度に適した垂直磁気記録方式の適用などがなされている。高記録密度化すると、トラック間隔およびビット間隔が小さくなるため、ビットやトラックの境界部分のノイズの影響でS/Nが低下する。そのため近年では、トラックやビット間を物理的あるいは磁気的に切断して孤立させることでS/Nを高くする、ディスククリートトラック磁気ディスク媒体やビットパターンド磁気ディスク媒体の開発が行われている。このような方式の磁気ディスクでは記録密度を飛躍的に向上できる可能性がある。
【0003】
ディスククリートトラック磁気ディスク媒体では、特許文献1や特許文献2に記載のように、偏心などの影響で磁気ヘッドが溝を横切ってしまうと、再生信号出力が激減して再生不能となるので、磁気ヘッドの位置決め精度を高くせねばならず、ディスクリートトラック方式の磁気ディスク媒体の欠陥検査を行う際には、トラッキングサーボを働かせて常にオントラック状態でリード/ライト検査をする必要がある。また、ディスククリートトラック磁気ディスク媒体では、あらかじめ決められたサーボ信号パターンに対応した物理的凹凸を有する領域、あるいはパターンが磁気的に切断されて個々のサーボ信号が孤立した領域が形成されるのが通常である。
【0004】
しかしながら、ディスクリートトラック方式でない通常の溝無し媒体の欠陥検査では、トラッキングサーボをかける必要がなかったので、量産ラインの既存の欠陥検査装置にはサーボ機能を備えていないものが多く、このためにかかる検査装置でディスクリートトラック方式の磁気ディスクの欠陥検査をしようとすると、検査装置の改造を余儀なくされ、検査コストの増大を招くという問題が生じる。また、ビットパターンド磁気ディスク媒体の場合は、周方向(ビット方向)にも凹凸パターンが形成されているため、凹部を欠陥と判断してしまう可能性がある。さらにデータ領域とサーボ領域ではそのパターンが異なり、一般的にはサーボ領域のパターンがビット方向に大きいため、データ領域とサーボ領域で検査信号の再生出力に差が生じる。そのため従来の欠陥検査では一周分の再生出力の平均値を欠陥判定の基準として、欠陥部の出力低下を検出して欠陥の判定を行っている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−15420号公報
【特許文献2】特開2001−34902号公報
【特許文献3】特開2007−109358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の欠陥検査方法では、データ領域とサーボ領域で同じ再生出力の平均値を基準とした場合、サーボ領域のビットの出力が大きくデータ領域のビットの出力が小さくなり、欠陥の判定が困難となる。前述した特許文献1や特許文献2などでは、このようなビット方向に対するデータ領域/サーボ領域のパターンの差に起因する再生出力変動については考慮されていない。
【0007】
また、特許文献1や特許文献2から示唆される複数トラックにまたがる幅を持つ検査用ヘッドを使用した場合、あまり幅が広いと小さいサイズの欠陥の検出率が減少するのは明らかである。すなわち、ヘッドのトラック幅は磁気ディスクのトラック幅より大きく、かつ欠陥に対する検出精度・検出感度を維持できるトラック幅であることが必要である。現状の磁気ディスク装置は記録密度が数100Gbit/inch2以上のものであり、このような高記録密度を達成するためには垂直磁気記録方式が必須であるが、垂直磁気記録ディスクは特許文献3に記載のように、垂直磁気記録媒体では耐食性に優れていないCoを多く含んだ軟磁性下地層、また腐食電位の大きなRuまたはRu合金を中間層に使用するため、CoとRuとの電位差が大きくなり面内磁気記録媒体に比べて耐食性が劣化する。また、記録層としてよく知られている酸化物グラニュラ型垂直磁気記録層は欠陥が多いために、RuまたはRu合金の耐食性が良いのにもかかわらず、軟磁性下地層の腐食抑制のための保護作用は示さないために、磁性膜が欠損するような欠陥が存在すると、その欠陥を起点に腐食が進行する可能性が大きい。そのため欠陥をエラー検査により検出して、エラー数の少ない磁気ディスクを合格とすることが必須となってくる。しかしながら、数100Gbit/inch2以上の記録媒体で、このようなエラー検査を行うのに必要十分なヘッドのトラック幅や測定周波数について従来技術では検討された例はない。
【0008】
本発明の目的は、欠陥の少ないディスクリートトラック磁気ディスク媒体やビットパターンド磁気ディスク媒体などのパターンド磁気ディスク媒体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法においては、非磁性基板上に、データエリアとサーボエリアを有し、サーボエリアにサーボパターンが形成された複数のトラックを有する記録媒体層を形成した後、検査用磁気ヘッドの記録ヘッドを用いて前記トラックのデータエリアにデータビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第1の検査用信号を記録し、前記サーボエリアにサーボビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第2の検査用信号を記録し、続いてトラックピッチの4倍以上で1.0μm以下の再生トラック幅を有する前記検査用磁気ヘッドの再生ヘッドを用いてデータエリアとサーボエリアに記録した信号を再生し、再生した信号から欠陥を検出する。
前記データエリアの欠陥検出を当該データエリアのみの再生出力平均値を基にして行い、前記サーボエリアの欠陥検出は当該サーボエリアのみの再生出力平均値を基にして行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造段階のエラー検査工程において、トラック間の溝やデータパターンあるいはサーボパターンの凹部を欠陥として検出することなく、欠陥を検出することができるので、欠陥の少ないディスクリートトラック磁気ディスク媒体やビットパターンド磁気ディスク媒体などのパターンド磁気ディスク媒体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、図3〜図5を参照して、本発明に係るパターンド磁気ディスク媒体の構成を説明する。図3は、パターンド磁気ディスク媒体の層構成を示す断面図である。パターンド磁気ディスク媒体1は、非磁性基板2の上に、軟磁性裏打ち層4、配向制御層6、酸化物グラニュラー記録層8、保護層10が順次積層された記録媒体層と、その表面に形成された潤滑層12を有する。軟磁性裏打ち層4、配向制御層6、酸化物グラニュラー記録層6および保護層10は、単層あるいは複数の層より構成される。なお、図1には、円板状の非磁性基板2の表面側に形成された記録媒体層の一部領域のみを拡大して示している。また、図1では、ディスクリートトラック及びビットパターンの様子は省略している。
【0012】
図4にディスクリートトラックの断面概略図を示す。図4(a)はインプリント技術とエッチング技術などにより、離散的な磁性層8aを形成してその上に保護層10を形成した構成を示す。離散的な磁性層8aは凸部であり、磁性層8aの間は溝部(凹部)8bである。図4(b)は、離散的に形成された磁性層8aの間の凹部8bを埋め戻すように保護層10を厚く形成して、表面が平滑になるように研磨処理した構成である。ここで示した凹凸部8a、8bは、ディスクリートトラック媒体の場合、磁気記録するべきトラック部となる円周状の凸部8aと、これらの凸部8aの間に位置する円周溝型の凹部8bとが、直径方向に同心円状に間欠的に形成された構造となり、このような凹凸パターンの平面模式図を図3に示す。なお、ビットパターンド媒体の場合はトラックの円周方向にも凹部8bが存在する構造となる。
【0013】
図5を参照するに、データエリア14および15の間には、サーボエリア16が設けられ、サーボエリア16には、ヘッドの位置決めに必要なサーボ信号のパターンエリア18およびサーボエリア16を認識するための認識領域17が設けられ、それぞれパターンが形成されている。図中、Twで示した部分が一つの記録トラックの幅を示しており、Tpで示した部分がトラックピッチを示している。またサーボパターンエリア18の一つのパターンは、そのサイズ(幅及び長さ)がデータエリア14,15と異なるのが通常である。さらに記録される信号の周波数はデータエリア14,15とサーボエリア16では異なり、一般的にサーボエリア16の方が、SN比を大きくするために低い周波数で記録される。なお、ビットパターンド媒体の場合は、データエリア14,15に凹部8bにより分離されたビットパターンを有する。
【0014】
このようなパターンド磁気ディスク媒体の製造プロセス概略を図6を参照して説明する。非磁性基板2を洗浄した後(S600)、図3で示された層構成の記録媒体層を形成するために、スパッタ法などにより各層を成膜する(S602)。その後、インプリントなどによるマスク形成、エッチング法などによるトラック形成、凹部の埋め戻し、保護層成膜などを行うトラック形成プロセス(S604)を経て、潤滑剤をその表面に塗布する(S606)。その後、突起欠陥除去・表面パーティクルの除去のためのテープバーニッシュを行う(S608)。そして、検査工程として突起の有無を検査するグライド検査(S610)の後、磁気的な欠陥を検査するエラー検査(S612)を経て磁気ディスク媒体が完成する。
【0015】
次に、上記製造プロセスのエラー検査工程(S412)において、トラック間の溝やデータパターンあるいはサーボパターンの凹部を欠陥として検出することなく、本来の欠陥を正確に検出するための条件について、検討した結果を説明する。
【0016】
まず、上記の製造方法により、図4(a)に示したような構造のディスクリートトラック媒体を作成した。この媒体の溝の深さは15nmであり、トラックの幅Twは100nm、トラック間の距離も100nmである。サーボ信号のパターンは形成せず、トラック幅とヘッドの再生トラック幅との関係を調べた。
【0017】
このディスクリートトラック媒体を、記録トラック幅1μm、再生トラック幅0.1μmのエラー検査用ヘッドを用いて、記録密度250kfci(fci:flux change per inchi)で信号を記録して、そのヘッドでの再生出力を観察した。このときの、ヘッド出力波形とヘッドと記録トラックとの関係の模式図を図7に示す。
【0018】
図7の上段は記録トラックとヘッドとの位置関係を示す。記録トラックは、ディスクリートトラック媒体の場合には、スピンドルモータの回転中心と媒体のトラックの中心とのズレのために、磁気ヘッドはトラックとは異なる軌跡を取る。すなわちオフトラックする。磁気ディスク装置の場合は、媒体に書かれたサーボ情報を基にトラックを追従するためのヘッド位置のサーボ制御を行うが、エラー検査を行う検査装置では、構造が複雑になること、価格が上がることなどから、このようなサーボ制御は行われていない。このような状態でヘッドの再生出力を観察すると、図7の下段に示したような再生出力信号となる。記録トラックと記録トラックとの間の溝を、ヘッドが横切る時にヘッドの再生出力は低下する。ヘッドの再生トラック幅と記録トラックの幅およびトラック間隔が同程度の幅だと、溝を横切る際の再生出力は著しく低下する。そのために、エラーと判定するしきい値(通常は平均出力に対してある割合だけ出力が低下したレベルに設定される)を下回るために、記録トラック間の溝をエラーと誤判定する。
【0019】
次に、同じディスクリートトラック媒体を用いて、記録トラック幅1μm、再生トラック幅0.9μmのヘッドで、250kfciの記録密度でエラー検査を行った。その際の再生出力とヘッド・記録トラックの位置関係の模式図を図8に示す。図7に示した場合に比べて、再生出力の変動は少なくなっている。そのため、オフトラックによるエラーの誤検出はなかった。これはヘッドの再生トラックの幅が媒体の記録トラックの幅に比較して大きいため、ヘッドが溝を横切る際にも複数トラックはヘッドの再生トラック幅の下に存在するためである。このように、再生トラック幅が媒体の記録トラック幅に比べて十分に大きい場合は、再生出力がオフトラックに関わらず安定しているため、エラーの誤検出が少なくなる。
【0020】
そこで再生トラック幅を媒体の記録トラック幅の何倍にすれば、エラー誤検出が少なくなるかを次に調べた。ディスクリートトラック媒体として、トラック幅Twが50nm、トラック間の溝幅Pwが50nmのものを用いた。再生トラック幅Mrwが、50nmから1000nmまで50nmづつ異なるヘッドを用いて、オフトラック時の再生出力を測定した。結果を図9に示す。再生出力はヘッドが記録トラックにオントラック状態での出力を1とした規格化出力で、それぞれのヘッドの再生出力を比較した。図9の横軸は、記録トラック幅Twと溝幅Pwの和(トラックピッチ)と、ヘッドの再生トラック幅Mrwとの比で示した。再生トラック幅が小さいと再生出力は小さいが、Mrw/(Tw+Pw)が3〜4以上で規格化再生出力は0.8以上となり、この領域ではエラーの誤検出も少なくなり安定した。この結果からエラー検査を誤検出なく行うためには、少なくともヘッドの再生トラック幅は、媒体のトラックピッチの4倍、好ましくは5倍以上に設定することが必要であることがわかる。
【0021】
しかしながら、再生トラック幅を大きくすると、小さい欠陥に対する検出精度が低下するという問題がある。これは再生トラック幅が大きくなると再生出力が大きくなり、欠陥部分での再生出力低下の比率が相対的に小さくなるため、欠陥と判定することが困難になるためである。図10は、再生トラック幅が0.1μmで、エラー測定のピッチを0.2μmで行った時の、65mmサイズの溝形成を行っていない垂直磁気ディスク媒体のエラー数(Defect count)と欠陥のサイズ(Defect width)との関係を示したものである。欠陥のサイズが小さくなるに従い指数関数的にエラーの個数が増加していることがわかる。特に1μm以下の領域でエラー数が多いことから、再生トラック幅を大きくしすぎると欠陥の検査が不充分になると考えられる。
【0022】
また、実際の磁気ディスクの生産においては、エラー測定のピッチをあまり小さくすると、一面のエラー測定を行うのに長時間かかるので、一般的には数μmから数10μmの測定ピッチで測定するのが通常である。そこで、検査用ヘッドの再生トラック幅を0.1μmから4.5μmまで数水準に振って、エラー測定ピッチ20μmで前述した溝を形成していない垂直磁気ディスク媒体をエラー検査した。その結果を図11に示す。再生トラック幅が1μmの時、エラー個数は約4個/面であり、約2μm以上では約2個/面以下となっている。検出エラー数が2個/面以下のようにあまりに少ないと、品質管理および出荷のための検査にエラー測定を行う意味がないので、工業的には5〜10個/面レベル以上のエラー検出個数であるように設定するのが一般的である。そこで、再生トラック幅の上限は1μm以下、好ましくは0.5μm以下が必要であることを確認した。
【0023】
次に周方向のエラー検出感度とエラー測定周波数について検討を行った。図12にビットパターンド媒体のデータエリアに欠陥が存在した場合の、ヘッドの再生信号の模式図を示す。ヘッドの再生トラック幅は4トラック分で、エラー測定周波数はビット約9個で一周期になる周波数とした。図9に示した再生トラック幅と記録トラックピッチとの関係と同じように、ビット方向においてもエラー測定周波数が高すぎた場合には、再生出力がビットの丘の有無により影響を受けるため、エラーを精度良く検出することが出来ない。しかし、ビットピッチの4倍程度の波長の記録周波数で記録し、その再生信号からエラー測定を行えば、図12に示したように欠陥を再生出力変化で検出することが可能である。さらに記録周波数の1/2波長がビットピッチの4倍以上であることが好ましい。なお、ディスクリートトラック媒体の場合は、データエリアに凹部は存在しないが、データエリアの検査用記録周波数は、上記と同じでよい。
【0024】
次にサーボエリアのエラー検査について検討を行った。図13を参照して、サーボエリアのエラー検査方法の概略を説明する。図13の上段はデータエリア14からサーボエリア16を認識するための認識領域17を経てサーボパターンエリア18を通り、またデータエリア15へヘッドが通過することを示している。また下段にはデータエリアからサーボエリアへヘッドが通過する際に、ビットピッチの4倍の波長の周波数でエラー測定信号を記録して再生したときの、記録波形と再生波形を示す。認識領域17では記録波形の周波数はデータエリア14の周波数を用い、サーボパターンエリア18では周波数をビットピッチに合わせて低くしている。具体的には、サーボパターンエリア18のビットピッチの4倍以上の波長の周波数である。
【0025】
再生出力に着目すると、データエリアの波形11から認識領域の波形12で再生出力は変化して、認識領域では出力が大きくなる。この信号出力が大きくなったことをトリガとして、エラー検査用記録周波数をサーボパターンエリア用の周波数へ切り替える。サーボパターンエリアの再生出力は、ビットサイズがデータビットのサイズより大きいため、再生出力も大きくなる。このようにしてデータエリアとサーボパターンエリアでエラー検査用記録周波数を切り替えることにより、データエリアとサーボパターンエリアともに精度良くエラー検査を行うことが出来る。この際に、エラーと判定する再生出力は、データエリアはデータエリアのみの再生出力の平均値に対してスライスレベルを設定し、サーボパターンエリアはサーボパターンエリアのみの再生出力平均値に対してスライスレベルを設定することが必要である。
【0026】
以上の検討結果を反映したエラー検査工程(S412)の詳細を図1に示す。また、図2にはエラー検査装置のハードウェア構成を示す。図2を参照するに、エラー検査装置は、記録ヘッドと再生ヘッドを備える検査用磁気ヘッド20と、再生信号を増幅する再生回路21と、再生信号の出力平均値を計測するTAA(Track average amplitude)計測回路22と、欠陥判定回路23と、記録回路24と、サーボエリア判定回路25と、検査用信号生成回路26と、記録周波数制御回路27と、タイミング発生回路28と、ヘッド位置決め制御回路29と、出力部30とを有する。
【0027】
図1を参照して図2に示されたエラー検査装置の処理を説明する。図6に示したグライド検査(S610)を終了したパターンド磁気ディスク媒体1を、エラー検査装置のスピンドルモータの回転軸にセットする(S100)。続いて、ヘッド位置決め制御回路29の制御により、検査用磁気ヘッド20を最初の検査トラックに位置決めする(S102)。続いて、位置決めしたトラックに、データエリアのビットピッチの4倍の波長の周波数で検査信号を記録する(S104)。続いて、記録した信号を検査用磁気ヘッド20により再生する(S106)。続いて、トラック一周分の再生信号から再生出力平均値(TAA)を計測する(S108)。続いて、同じトラックから信号を再生し、計測した再生出力平均値(TAA)と比較して、データエリアあるいはサーボエリアを特定する(S110)。なお、ここでは、データエリアあるいはサーボエリアを特定するために、記録信号を再度再生したが、S106で再生した信号を記録装置に記録しておき、それを読み出して使用することもできる。
【0028】
次に、データエリア、サーボエリアの判定を行い(S112)、データエリアと判定された場合の再生信号からデータエリアの再生出力平均値(TAA)を計測する(S114)。続いて計測したデータエリアのTAAと新たに再生したデータエリアの再生出力を比較し、欠陥の有無を判定する(S116)。ここで、欠陥の検出は、データエリアの再生出力が、データエリアのTAAに対してある割合だけ低めに設定されたスライスレベルよりも低い場合に欠陥と判定する。なお、欠陥検出のために新たにデータエリアを再生したが、ここでもTAA測定のために再生した信号を記録装置に記録しておき、それを使用することができる。
【0029】
データエリア、サーボエリアの判定(S112)において、サーボエリアと判定された場合、記録周波数制御回路27により、記録周波数をサーボパターンエリア18のビットピッチの4倍以上の波長の周波数に切り替え(S118)、そして、サーボパターンエリアに、切り替えた周波数で記録を行う(S120)。続いて、サーボパターンエリアに記録した信号を再生し(S122)、サーボパターンエリアの再生出力平均値(TAA)を計測する(S124)。続いて、計測したサーボパターンエリアのTAAと新たに再生したサーボパターンエリアの再生出力を比較し、欠陥の有無を判定する(S126)。ここで、欠陥の検出は、サーボパターンエリアの再生出力が、サーボパターンエリアのTAAに対してある割合だけ低めに設定されたスライスレベルよりも低い場合に欠陥と判定する。なお、欠陥検出のために新たにサーボパターンエリアを再生したが、ここでもTAA測定のために再生した信号を記録装置に記録しておき、それを使用することができる。
【0030】
上記エラー検査がトラック1周について完了した場合(S128)、検査用磁気ヘッド20を次のトラックに移動して(S132)、ディスク全面についてエラー検査を行なう。ディスク全面の検査が完了した場合(S130)、検査が終了する。
【0031】
以上の説明のとおり、本発明の実施例によるパターンド磁気ディスク媒体の製造方法によれば、ディスクリートトラック媒体およびビットパターンド媒体のエラー検査を精度良く行うことができるので、欠陥の少ない磁気ディスク媒体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例によるパターンド磁気ディスク媒体の製造方法おけるエラー検査工程の処理フローを示す図である。
【図2】エラー検査装置のブロック構成図である。
【図3】本発明に係るパタンーンド磁気ディスク媒体の層構成を示す断面図である。
【図4】ディスクリートトラック部の断面図である。
【図5】ディスクリートトラック媒体の平面図である。
【図6】本発明の実施例によるパターンド磁気ディスク媒体の製造方法のプロセス概略図である。
【図7】ヘッドと記録トラックの関係と、再生出力信号を示す模式図である。
【図8】ヘッドと記録トラックの関係と、再生出力信号を示す模式図である。
【図9】記録トラックピッチとヘッドの再生トラック幅の比とヘッドの規格化出力の関係を示す図である。
【図10】欠陥のサイズとエラー個数の関係を示す図である。
【図11】ヘッドの再生トラック幅とエラー個数の関係を示す図である。
【図12】ビットパターンド媒体のデータエリアに欠陥が存在した場合の再生信号を示す模式図である。
【図13】パターンド磁気ディスク媒体のデータエリアとサーボエリアの記録波形と再生波形を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1…パターンド磁気ディスク媒体、2…非磁性基板、4…軟磁性裏打ち層、6…配向制御層、8…酸化物グラニュラー記録層、8a…磁性層(凸部)、8b…溝部(凹部)、10…保護層、12…潤滑層、14,15…データエリア、16…サーボエリア、17…認識領域、18…サーボパターンエリア。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データエリアとサーボエリアを有するトラックを有し、前記サーボエリアにサーボパターンを有するパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、非磁性基板上に複数のトラックを有する記録媒体層を形成した後、検査用磁気ヘッドの記録ヘッドを用いて前記トラックのデータエリアにデータビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第1の検査用信号を記録し、前記サーボエリアにサーボビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第2の検査用信号を記録し、続いてトラックピッチの4倍以上で1.0μm以下の再生トラック幅を有する前記検査用磁気ヘッドの再生ヘッドを用いて前記データエリアとサーボエリアに記録した信号を再生し、再生した信号から欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアの欠陥検出を当該データエリアのみの再生出力平均値を基にして行い、前記サーボエリアの欠陥検出は当該サーボエリアのみの再生出力平均値を基にして行うことを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記パターンド磁気ディスク媒体は、同心円状の溝により分離された複数の記録トラックを有し、前記記録トラックはデータエリアと、サーボパターンが形成されたサーボエリアを有するディスクリートトラック磁気ディスク媒体であることを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記パターンド磁気ディスク媒体は、同心円状の溝により分離された複数の記録トラックを有し、前記記録トラックはビットパターンが形成されたデータエリアと、サーボパターンが形成されたサーボエリアを有するビットパターンド磁気ディスク媒体であることを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項5】
非磁性基板上に、データエリアとサーボエリアを有するトラックを有し、前記サーボエリアにサーボパターンを有する記録媒体層を形成する工程と、
前記トラックに、データビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第1の検査用信号を記録する工程と、
前記トラックに記録された信号を、トラックピッチの4倍以上で1.0μm以下の再生トラック幅を有する検査用磁気ヘッドで再生する工程と、
前記再生した信号から再生出力平均値を計測する工程と、
前記再生出力平均値を用いて前記トラックの再生信号からデータエリアとサーボエリアを特定する工程と、
前記工程において特定されたデータエリアの再生信号から、当該データエリアの再生出力平均値を計測する工程と、
前記計測したデータエリアの再生出力平均値を用いて、前記データエリアの欠陥を検出する工程と、
前記データエリアとサーボエリアを特定する工程において特定されたサーボエリアに、サーボビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第2の検査用信号を記録する工程と、
前記サーボエリアに記録された第2の検査用信号を、前記検査用磁気ヘッドで再生する工程と、
前記再生信号から前記サーボエリアの再生出力平均値を計測する工程と、
前記計測したサーボエリアの再生出力平均値を用いて、前記サーボエリアの欠陥を検出する工程と、を有し、
前記一連の工程を前記トラックの残りのトラックに対して実行することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアとサーボエリアを特定する工程では、前記トラックに記録された第1の検査用信号を新たに再生した信号と、前記再生出力平均値を比較してデータエリアとサーボエリアを特定することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項7】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアとサーボエリアを特定する工程では、記録装置に記録しておいた再生信号と、前記再生出力平均値を比較してデータエリアとサーボエリアを特定することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項8】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアの欠陥を検出する工程では、前記データエリアに記録された第1の検査用信号を新たに再生した信号から、前記計測したデータエリアの再生出力平均値を用いて欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項9】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアの欠陥を検出する工程では、記録装置に記録しておいた前記データエリアの再生信号から、前記計測したデータエリアの再生出力平均値を用いて欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項10】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記サーボエリアの欠陥を検出する工程では、前記サーボエリアに記録された第2の検査用信号を新たに再生した信号から、前記計測したサーボエリアの再生出力平均値を用いて欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項11】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記サーボエリアの欠陥を検出する工程では、記録装置に記録しておいた前記サーボエリアの再生信号から、前記計測したサーボエリアの再生出力平均値を用いて欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項1】
データエリアとサーボエリアを有するトラックを有し、前記サーボエリアにサーボパターンを有するパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、非磁性基板上に複数のトラックを有する記録媒体層を形成した後、検査用磁気ヘッドの記録ヘッドを用いて前記トラックのデータエリアにデータビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第1の検査用信号を記録し、前記サーボエリアにサーボビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第2の検査用信号を記録し、続いてトラックピッチの4倍以上で1.0μm以下の再生トラック幅を有する前記検査用磁気ヘッドの再生ヘッドを用いて前記データエリアとサーボエリアに記録した信号を再生し、再生した信号から欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアの欠陥検出を当該データエリアのみの再生出力平均値を基にして行い、前記サーボエリアの欠陥検出は当該サーボエリアのみの再生出力平均値を基にして行うことを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記パターンド磁気ディスク媒体は、同心円状の溝により分離された複数の記録トラックを有し、前記記録トラックはデータエリアと、サーボパターンが形成されたサーボエリアを有するディスクリートトラック磁気ディスク媒体であることを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記パターンド磁気ディスク媒体は、同心円状の溝により分離された複数の記録トラックを有し、前記記録トラックはビットパターンが形成されたデータエリアと、サーボパターンが形成されたサーボエリアを有するビットパターンド磁気ディスク媒体であることを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項5】
非磁性基板上に、データエリアとサーボエリアを有するトラックを有し、前記サーボエリアにサーボパターンを有する記録媒体層を形成する工程と、
前記トラックに、データビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第1の検査用信号を記録する工程と、
前記トラックに記録された信号を、トラックピッチの4倍以上で1.0μm以下の再生トラック幅を有する検査用磁気ヘッドで再生する工程と、
前記再生した信号から再生出力平均値を計測する工程と、
前記再生出力平均値を用いて前記トラックの再生信号からデータエリアとサーボエリアを特定する工程と、
前記工程において特定されたデータエリアの再生信号から、当該データエリアの再生出力平均値を計測する工程と、
前記計測したデータエリアの再生出力平均値を用いて、前記データエリアの欠陥を検出する工程と、
前記データエリアとサーボエリアを特定する工程において特定されたサーボエリアに、サーボビットピッチの4倍以上の波長の記録周波数で第2の検査用信号を記録する工程と、
前記サーボエリアに記録された第2の検査用信号を、前記検査用磁気ヘッドで再生する工程と、
前記再生信号から前記サーボエリアの再生出力平均値を計測する工程と、
前記計測したサーボエリアの再生出力平均値を用いて、前記サーボエリアの欠陥を検出する工程と、を有し、
前記一連の工程を前記トラックの残りのトラックに対して実行することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアとサーボエリアを特定する工程では、前記トラックに記録された第1の検査用信号を新たに再生した信号と、前記再生出力平均値を比較してデータエリアとサーボエリアを特定することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項7】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアとサーボエリアを特定する工程では、記録装置に記録しておいた再生信号と、前記再生出力平均値を比較してデータエリアとサーボエリアを特定することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項8】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアの欠陥を検出する工程では、前記データエリアに記録された第1の検査用信号を新たに再生した信号から、前記計測したデータエリアの再生出力平均値を用いて欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項9】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記データエリアの欠陥を検出する工程では、記録装置に記録しておいた前記データエリアの再生信号から、前記計測したデータエリアの再生出力平均値を用いて欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項10】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記サーボエリアの欠陥を検出する工程では、前記サーボエリアに記録された第2の検査用信号を新たに再生した信号から、前記計測したサーボエリアの再生出力平均値を用いて欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項11】
請求項5記載のパターンド磁気ディスク媒体の製造方法において、前記サーボエリアの欠陥を検出する工程では、記録装置に記録しておいた前記サーボエリアの再生信号から、前記計測したサーボエリアの再生出力平均値を用いて欠陥を検出することを特徴とするパターンド磁気ディスク媒体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−87442(P2009−87442A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255439(P2007−255439)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】
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