説明

パチンコ機の遊技機枠

【課題】遊技盤を収納する遊技主体構造体の裏面に設けた制御装置に対する不正防止を図る。
【解決手段】係合部18が被係合部2dに係合して、発射払出制御装置1が遊技主体収納構造体56に取り付けられた場合、係合部18と被係合部2dとの左右方向で前後方向に重ね合わされた寸法L1が、可動枠53が固定枠51に閉じられて図9に示すロック機構63で開閉不能に支持された場合における発射払出制御装置1と固定枠51との間の寸法L2よりも大きな寸法に設定されるので、遊技主体収納構造体56を有する可動枠53が固定枠52にロック機構63によって開閉不能に支持されることによって、発射払出制御装置1が右側から左側に直線的に移動されて固定枠51の左側部に接触しても、係合部18と被係合部2dとによる前後方向へ抜けないように係合が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤を収納する遊技主体構造体の裏面に設けた制御装置に対する不正を防止することができるパチンコ機の遊技機枠に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機の遊技機枠には、パチンコ機の裏面に配置される機構板の裏面に、複数の制御基板が上から下に順位に取り付けられ、これらの制御基板を個別に覆う複数のカバーが機構板に上下方向にスライド係合することによって取り付けられ、直後に取り付けられたカバーが直前に取り付けられたカバーの取り外しを不能とする干渉部材として機能するように、複数のカバーがそれらの取付順序を定められて機構板の裏面に取り付けられることが公知となっている。しかしながら、パチンコ機の裏側において、最後に取り付けられたカバーを取り外せる構造であるので、最後に取り付けられたカバーを取り外し、取付順序と逆の操作で全部のカバーを取り外し、制御基板に搭載されたROMを不正ROMに交換するような不正行為が行えるという欠点がある。
【特許文献1】特開2001−170328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明が解決しようとする問題点は、パチンコ機の裏側において、最後に取り付けられたカバーを取り外し、取付順序と逆の操作で全部のカバーを取り外し、制御基板に搭載されたROMを不正ROMに交換するような不正行為が行えるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るパチンコ機の遊技機枠は、遊技機枠がパチンコ店の遊技機設置構造体に取り付けられる固定枠と固定枠にヒンジで前側横方向に片開き可能に取り付けられた可動枠とを備え、固定枠と可動枠とが遊技機枠の前側から操作される施錠装置によって解除動作可能なロック機構によって開閉不能に支持され、可動枠が遊技盤を前側から収納する遊技主体収納構造体を備え、遊技主体収納構造体の裏面に制御装置が設けられたパチンコ機の遊技機枠において、制御装置が制御に必要な複数の電気部品の実装された板状の方形な回路基板を複数のケースからなる制御筐体の内部に格納した後に止ねじを前側に位置するケースから後側に位置するケースに締結して制御筐体を封緘した構造であり、制御筐体の前面に係合部が設けられ、遊技主体収納構造体の裏面には被係合部を有する取付台が設けられ、制御筐体の係合部が取付台の裏側から被係合部に挿入されて制御装置が直線的に左右方向の一方向に横移動されて係合部と被係合部とが互いに係合して取付台に取り付けられ、この係合された係合部と被係合部とにおける左右方向で前後方向に重ね合わされた寸法が、遊技主体収納構造体を有する可動枠が固定枠に閉じられてロック機構で開閉不能に支持された場合における制御装置と固定枠の側部との間の寸法よりも大きな寸法に設定されたことを最も主要な特徴とする。本発明に係るパチンコ機の遊技機枠は、制御筐体を構成する複数のケースが、係合部の設けられた前ケースと、前ケースの係合部を作るための残渣孔を塞ぐ中ケースと、回路基板に実装された電気部品を覆う空間部を備えた後ケースとを備え、中ケースと後ケースとの間に回路基板を配置し、止ねじが前ケースの前側から前ケースおよび中ケースを経由して後ケースに締結され、制御筐体が取付台に係合部と被係合部との係合で取り付けられた場合、取付台で覆い隠されたことも特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るパチンコ機の遊技機枠は、挿入されて制御装置が直線的に左右方向の一方向に横移動されて係合部と被係合部とが互いに係合して取付台に取り付けられた場合における係合部と被係合部との左右方向で前後方向に重ね合わされた寸法が、遊技主体収納構造体を有する可動枠が固定枠に閉じられてロック機構で開閉不能に支持された場合における制御装置と固定枠の側部との間の寸法よりも大きな寸法に設定されているので、制御装置の係合部が遊技主体収納構造体に取り付けられた取付台の被係合部に嵌めこまれて左右方向の一方向に直線的に移動され、係合部と被係合部とが前後方向に抜けないように係合して、制御装置が遊技主体収納構造体に取り付けられた後、遊技主体収納構造体を有する可動枠が固定枠にロック機構によって開閉不能に支持されることによって、制御装置が左右方向の上記一方向と逆の他方向に直線的に移動されて固定枠に接触しても、係合部と被係合部とによる前後方向へ抜けないような係合が維持されよって、可動枠が固定枠にロック機構によって開閉不能に支持された場合、施錠装置による操作でロック機構を解除しない限り、可動枠の裏側から制御装置を取り外すことができず、制御装置に対する不正防止を向上することができるという利点がある。制御筐体を構成する複数のケースが、係合部の設けられた前ケースと、前ケースの係合部を作るための残渣孔を塞ぐ中ケースと、回路基板に実装された電気部品を覆う空間部を備えた後ケースとを備え、中ケースと後ケースとの間に回路基板を配置し、止ねじが前ケースの前側から前ケースおよび中ケースを経由して後ケースに締結され、制御筐体が取付台に係合部と被係合部との係合で取り付けられた場合に取付台で覆い隠されれば、制御装置が取付台に取り付けられた状態においては、止ねじを制御筐体から取り外すことができず、制御筐体を不正に開くこともできないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1−図11は、発明を実施するための最良の形態である。図1は、発射払出制御装置1の周りにおける遊技機枠51を横に切断した断面を示す。図2は、発射払出制御装置1、取付台2、配線構造体3を分解して示す。図3は、発射払出制御装置1を組み立てて横に切断した断面を示す。図4は、発射払出制御装置1を止ねじ41で結合した部分を横に切断した断面を示す。図5は、取付台2と配線構造体3とを互いに組み立てて横に切断した断面を示す。図6は、配線構造体3の取り付けられた取付台2を遊技主体収納構造体56に取り付けて横に切断した断面を示す。図7は、発射払出制御装置1を遊技主体収納構造体56に組み付けられた取付台2に取り付ける工程を示す。図8は、遊技主体収納構造体56に取り付けられた発射払出制御装置1の外観を示す。図9は、パチンコ機における遊技機枠51と遊技盤85とを分解して示す。図10は、遊技機枠51の裏面を示す。図11は、パチンコ機の裏面を示す。この明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図9の状態に遊技機枠51および遊技盤85を置き、それらを前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
【0007】
図2を参照し、発射払出制御装置1、取付台2、配線構造体3の構造について説明する。発射払出制御装置1は、発射払出制御に必要な複数の電気部品の実装された板状の方形な回路基板4が、前ケース5、中ケース6、後ケース7からなる制御筐体の内部に格納される構造である。回路基板4は、発射出力調整用のボリューム軸8を有する可変抵抗器9、制御コネクタ10、球貸用コネクタ11、図外のマイクロコンピュータやそれら以外の複数の電気部品が、回路基板4に付設されたプリント配線のような箔状の図外の配線で、回路を構成するように接続されて実装された構造である。回路基板4の四隅には、取付孔12が、前後方向に貫通し、かつ、中ケース6の取付部24に外接嵌合する孔として形成される。前ケース5、後ケース7は、回路基板4より大きな外形を備え、合成樹脂により別々の部品として形成される。少なくとも、後ケース7は、外側から中の回路基板4に実装された電気部品を見えるように、無色の光透過性を有する合成樹脂により形成される。中ケース6は、回路基板4とほぼ同じ大きさの外形を備え、合成樹脂により、前ケース5や後ケース7と別の部品として形成される。
【0008】
前ケース5は、回路基板4よりも大きい方形な板状の前ケース基板14の周縁から周壁15を後側に突出する。前ケース5を裏側から見た場合、周壁15は、前ケース基板14の周囲の方向に連続した方形な環状である。周壁15の内側に隣接した前ケース5の四隅には、取付部16が設けられる。取付部16には、ねじ挿入孔17が、取付部16の裏面と前ケース基板14の前面とに貫通する孔して形成される。前ケース基板14の前面には、係合部18が、回路基板4より小さな仮想方形の四隅に位置するような上下左右の4箇所に分散されて設けられる。係合部18は、前ケース基板14の前面から前側に直線的に突出する縦突起と、縦突起の前端から右側に直線的に突出する横突起とを備える。横突起と前ケース基板14の前面との間には、取付台2の台基板2aにおける被係合部2dの周りを嵌め込み得る隙間が形成される。前ケース基板14には、係合部18の縦突起と対応する位置に、縦突起を成形する際の成形型の要素を取り外した残渣孔19が存在する。残渣孔19は、前ケース5の係合部18を作るための残渣孔である。前ケース5における周壁15の右部からは制御コネクタ10の回路基板4から右に突出する前面と対向する支持突起20が後側に縦長な板状に突出する。
【0009】
中ケース6は、回路基板4と同じ大きさで同じ形である板状の中ケース基板22の周囲から周壁23を後側に突出する。中ケース6を裏側から見た場合、周壁23は、中ケース基板22の周囲の方向に連続した方形な環状である。周壁23における裏面の四隅には、回路基板4の取付孔12に外接嵌合する取付部24が、後側に向けて、回路基板4における板面間の寸法である厚さよりも大きな高さで突出する。取付部24には、ねじ挿入孔25が、取付部24の裏面と中ケース基板22の前面とに貫通する孔として形成される。中ケース基板22におけるねじ挿入孔25の周囲の前面には、前ケース5の取付部16を嵌め込む前ケース受部26が、中ケース基板22の前面から内部に窪む窪みとして設けられる。
【0010】
後ケース7は、板状の後ケース基板29の周囲から周壁30を前側に突出する。後ケース基板29は、左右方向の寸法が回路基板4よりも小さいが、上下方向の寸法は回路基板4よりも大きい。後ケース7を前側から見た場合、周壁30は、後ケース基板29の周囲の方向に連続し、かつ、前ケース5の周壁15と同じ大きさの方形な環状である。周壁30の四隅には取付部31が設けられる。取付部31には、ねじ取付孔32が、取付部31の裏面から内部に窪む行き止まりとなった形状に形成される。周壁30の内側には、回路基板4を嵌め込む基板受部33が、周壁30の前面から内部に窪む窪みとして設けられる(図4参照)。基板受部33に収納された回路基板4の電気部品が後ケース基板29に接触しない、後側に開口した空間部を形成するように、周壁30は、後ケース基板29から後側に突出する。つまり、前側に開口した空間部は、後ケース基板29と周壁30とによって囲まれて形成され、回路基板4に実装された電気部品を収納する部分である。
【0011】
基板受部33の四隅には、取付部31のねじ取付孔32が配置される。後ケース7の周壁30におけるねじ挿入孔25の周囲の前面には、中ケース6の取付部24を嵌め込む中ケース受部35が、周壁30の前面から内部に窪む窪みとして設けられる。周壁30の右部には、回路基板4の制御コネクタ10を逃げる逃部36が、周壁30の前面から内部に窪む窪みとして設けられる。周壁30の左部には、周壁30の前後方向の中間部から後ケース基板29の方向に行くにしたがって左側から右側に傾斜する斜面部37を備える。斜面部37には、回路基板4の球貸用コネクタ11を逃げる逃孔38が、前後方向に貫通する孔として形成される。後ケース基板29には、調整孔39が前後方向に貫通する孔として設けられる。調整孔39は、回路基板4の可変抵抗器9の抵抗値を調整するボリューム軸8を操作するドライバーのような調整工具を後ケース7の後側から挿入するための孔である。調整孔39には、筒状の保護部40が、後ケース基板29の前面から前側に突出した形態で連接される。
【0012】
図2を参照し、発射払出制御装置1の組み立て方について説明する。回路基板4に実装された射払出制御に必要な複数の電気部品が後側に向けられ、回路基板4の取付孔12が中ケース6の後側から取付部24に嵌めこまれ、回路基板4における周縁部の前面が中ケース6における周壁23の裏面に接触させられ、中ケース6の取付部24の後端部が回路基板4よりも後側に突出する(図4参照)。そして、回路基板4の後側に向けられた電気部品が後ケース7の前面の開口から空間部に取り込まれるように、後ケース7が回路基板4に被せられる。これによって、可変抵抗器9のボリューム軸8の後端部が保護部40の内部に回転操作し得るように挿入され、制御コネクタ10が後ケース7の逃部36に取り込まれ、球貸用コネクタ11が後ケース7の逃孔38から後側に突出し、回路基板4よりも後側に突出した中ケース6の取付部24と後ケース7の中ケース受部35とが互いに嵌まり合い、回路基板4の周縁部が後ケース7の基板受部33に収納される(図4参照)。
【0013】
また、前ケース5の裏面と中ケース6の前面とが互いに向かい合わされ、前ケース5と中ケース6とが互いに組み合わされることによって、中ケース6の周壁23が前ケース5の周壁15の内側に収納され、前ケース5の取付部16と中ケース6の前ケース受部26とが互いに嵌まり合う。その後、タッピングスクリューのような止ねじ43が、前ケース5の前側から、前ケース5のねじ挿入孔17、中ケース6のねじ挿入孔25を順次に経由し、後ケース7のねじ取付孔32に締結される。これによって、発射払出制御装置1が、図3に示す形態に組み立てられる。このよう発射払出制御装置1が組み立てられた場合、図3に示すように、前ケース5における周壁15の裏面と後ケース7における周壁30の前面とが互いに接触し、発射払出制御に必要な複数の電気部品の実装された板状の方形な回路基板4が前ケース5、中ケース6、後ケース7からなる制御筐体の内部に密封されて格納された構造となる。組み立てられた発射払出制御装置1にあっては、後ケース7の逃部36(図2参照)から制御筐体の右側に突出した制御コネクタ10は、前ケース5における支持突起20の後面と後ケース7における逃部36の前面とで前後方向から挟まれる格好となるので、図1に示すように、制御コネクタ10と発射制御装置用コネクタ3aとが互いに接続されたり取り外されたりする場合、制御コネクタ10が前ケース5における支持突起20の後面と後ケース7における逃部36の前面とで前後に移動しないように支持されるので、制御コネクタ10と回路基板4との接続が適切に維持されるという利点がある。
【0014】
図2に戻り、取付台2は、発射払出制御装置1を遊技主体収納構造体56に嵌め込みによって取り付けるための構造体であって、前ケース5よりも大きい方形な板状の台基板2aにおける上下右の周縁から周壁2bを後側に突出する。台基板2aには、配線孔2c、被係合部2d、横移動規制部2e、ねじ挿入孔2fが設けられる。配線孔2cは、前後方向に貫通する孔であって、台基板2aの右端部に位置する。被係合部2dは、台基板2aの左右方向の中間部と台基板2aの左端部とに位置し、後ケース7の4個の係合部18と位置が対応する。台基板2aの中間部における被係合部2dは、前後方向に貫通する方形な孔である。台基板2aの左端部における被係合部2dは、台基板2aの左端部から内部に窪むとともに前後に貫通する方形な溝である。
【0015】
横移動規制部2eは、台基板2aの左端部における被係合部2dの間に位置し、台基板2aの左端部から内部に切り込まれた上下一対の溝2gによって、片持ち梁のように形成された弾性片の左端部から後側に突出した規制突起2hを備える。ねじ挿入孔2fは、取付台2を遊技主体収納構造体56に取り付けるタッピングスクリューのような止ねじ42の雄ねじ部を挿入する前後方向に貫通した孔であって、配線孔2cと台基板2aの中間部における被係合部2dとの間、台基板2aの中間部における被係合部2dと台基板2aの左端部における被係合部2dとの間のそれぞれに位置する。周壁2bの右部には、配線構造体3を取り付けるための取付部2iが、周壁2bの左面から内部に突出する突起として上下に設けられる。取付部2iの左面には、位置決め突起2jが前後方向の中央部に位置して設けられ、ねじ取付孔2kが位置決め突起を境とし前後に分けられて位置に設けられる。2mは、図10に示すカバー115の下部を回転可能に取り付けるためのヒンジピンである。
【0016】
配線構造体3は、発射制御装置用コネクタ3aは補強体3bの左面に配置され、止ねじ44が補強体3bの右側から補強体3bの図外のねじ挿入孔を経由して装置用コネクタ3aの取付足のねじ取付孔に締結されることによって、発射制御装置用コネクタ3aが補強体3bに固定される。この発射制御装置用コネクタ3aを固定した板状の補強体3bが、枠側可撓性配線120の左面に付設され、発射制御装置用コネクタ3aのコネクタピンが補強体3bを左面から右面および枠側可撓性配線120の絶縁被覆を貫通して枠側可撓性配線120の箔形状の配線に接続された構造である。枠側可撓性配線120よりも上下に突出する補強体3bの上下端部には、位置決め孔3cが前後方向の中央部に位置して設けられ、ねじ挿入孔3dが位置決め孔3cを境とし前後に分けられて位置に設けられる。
【0017】
配線構造体3は、図5に示すように、取付台2に組み付けられる。配線構造体3における補強体3bよりも後側に突出した枠側可撓性配線120の部分が、取付台2の前側から配線孔2cを経由して取付台2の後側に引き出され、補強体3bが取付台2の取付部2iと左右方向で対向したところで、取付台2の位置決め突起2jと補強体3bの位置決め孔3cとが互いに嵌め合わされ、タッピングスクリューのような止ねじ41が補強体3bのねじ挿入孔3dから取付台2のねじ取付孔2kに締結される。これによって、配線構造体3が、取付台2に組み付けられる。図5において、発射制御装置用コネクタ3aから左側における枠側可撓性配線120の部分が、配線孔2cを経由して台基板2aの前側に折り曲げられて配置され、発射制御装置用コネクタ3aから左側における枠側可撓性配線120の部分が、周壁2bの後側を越えて前側に折り曲げられている。
【0018】
このように配線構造体3の組み付けられた取付台2が、図6に示すように、遊技主体収納構造体56の裏面に取り付けられる。具体的には、取付台2の前側に配置された枠側可撓性配線120の部分が取付台2の前面と遊技主体収納構造体56の裏面との間に位置するように、取付台2における台基板2aの前面部が遊技主体収納構造体56の裏面から後側に突出した取付部45の裏面に重ね合わされ、図2に示す止ねじ42が取付台2のねじ挿入孔2fから遊技主体収納構造体56の取付部45に締結されることによって、取付台2が遊技主体収納構造体56の裏面に取り付けられる。また、取付台2の周壁2bを後側に越えた枠側可撓性配線120の部分が、取付台2における周壁2bの右部および遊技主体収納構造体56の裏面から後側に突出したリブ46を、左側から右側に乗り越えて配置される。
【0019】
図7を参照し、発射払出制御装置1が遊技主体収納構造体56の裏面に組み付けられた取付台2に取り付けられる場合について説明する。この場合、遊技主体収納構造体56を有する図9に示す可動枠53は、固定枠52から前側に開けられているか、または、固定枠52から取り外されている。図7のa図に示すように、発射払出制御装置1の前面が取付台2の裏面に向かい合わされ、発射払出制御装置1の係合部18が取付台2の被係合部2dに挿入される。そして、図7のb図に示すように、発射払出制御装置1における図2に示す前ケース5の前面である前面が、取付台2の図2に示す台基板2aの裏面である裏面に接触させられる。これら図7のa図からb図の状態になる過程において、発射払出制御装置1の前面が取付台2における横移動規制部2eの規制突起2hを前側に押し動かすのに伴い、図2に示す横移動規制部2eにおける片持ち梁のような弾性片が取付台2との連接部を支点として前側に撓む。
【0020】
その後、発射払出制御装置1が左右方向の一方向として左側から右側に直線的に横移動させられることによって、図7のc図に示すように、発射払出制御装置1の係合部18が取付台2の被係合部2dの前側から被係合部2dの周りにおける台基板2aの部分に入り込む。この発射払出制御装置1の左側から右側への直線的な横移動に伴い、発射払出制御装置1の制御コネクタ10と取付台2の発射制御装置用コネクタ3aとが互いに接続され、発射払出制御装置1が規制突起2hを越え、図2に示す横移動規制部2eにおける弾性片が自身の弾性で元の位置へと後側に復帰し、規制突起2hが発射払出制御装置1における図2に示す前ケース5の周壁の左面である左面と対向して発射払出制御装置1の右側から左側への移動を規制することによって、制御コネクタ10と発射制御装置用コネクタ3aとの接続が確保されるという利点がある。規制突起2hが発射払出制御装置1における左面と対向することによって、発射払出制御装置1が図8に示すように遊技主体収納構造体56の裏面に組み付けられた取付台2に取り付けられる。規制図7のc図および図8において、人が、規制突起2hを前側に押して発射払出制御装置1の前面よりも前側に移動されたまま、発射払出制御装置1を左右方向の一方向と逆の他方向として右側から左側に直線的に横移動させるの伴い、制御コネクタ10と発射制御装置用コネクタ3aとの接続が解除された後、係合部18が図7のb図に示すように被係合部2dと前後方向で対向する。このように係合部18と被係合部2dとが対向した後、人が発射払出制御装置1を後側に移動することによって、発射払出制御装置1が取付台2から取り外される。
【0021】
この最良の形態にあって、図1に示すように、発射払出制御装置1の係合部18が被係合部2dから被係合部2dの周り取付台2の右側部分の前側に入り込み、制御コネクタ10と発射制御装置用コネクタ3aとが確実に接触された場合における係合部18と被係合部2dとの左右方向で前後方向に重ね合わされた寸法L1は、遊技主体収納構造体56を有する可動枠53が固定枠52に閉じられて図9に示すロック機構63で開閉不能に支持された場合における発射払出制御装置1と固定枠52の左部との間の寸法L2よりも大きな寸法に設定されている(寸法L1>L2)。したがって、発射払出制御装置1の係合部18が遊技主体収納構造体56に取り付けられた取付台2の被係合部2dに嵌めこまれて左側から右側に直線的に移動され、係合部18と被係合部2dとが前後方向に抜けないように係合して、発射払出制御装置1が遊技主体収納構造体56に取り付けられた後、遊技主体収納構造体56を有する可動枠53が固定枠52にロック機構63によって開閉不能に支持されることによって、発射払出制御装置1が右側から左側に直線的に移動されて固定枠52の左側部に接触しても、係合部18と被係合部2dとによる前後方向へ抜けないように係合が維持される。よって、可動枠53が固定枠52にロック機構63によって開閉不能に支持された場合、図9に示す施錠装置62に対する鍵による操作でロック機構63を解除しない限り、可動枠53の裏側から発射払出制御装置1を取り外すことができないので、不正防止が向上するという利点がある。発射払出制御装置1が取付台2に係合部18と被係合部2dとの係合で取り付けられた場合、取付台2を遊技主体収納構造体56に固定している止ねじ42が発射払出制御装置1で覆い隠されているので、発射払出制御装置1が取付台2に取り付けられた状態においては、止ねじ43を発射払出制御装置1の制御筐体から取り外すことができず、制御筐体を構成している前ケース5、中ケース6、後ケース7を不正に開くことができないという利点がある。
【0022】
図9を参照し、遊技機枠51の裏機構および遊技盤85の前機構について説明する。遊技機枠51は、固定枠52および可動枠53を備える。固定枠52は、パチンコ店の図外の遊技機設置構造体に取り付けるための外枠と呼ばれるものであって、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状である。可動枠53は、前枠または中枠と呼ばれるものであって、固定枠52に左側のヒンジ54で前側横方向に片開き可能にかつ着脱可能(交換可能)に取り付けられる。可動枠53は、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状の可動枠本体55と、可動枠本体55から内部に延設された遊技主体収納構造体56とを備える。可動枠本体55には、パネル枠57および球皿構造体58が左側に設けられる上側および下側のヒンジ59で前側横方向に片開き可能に取り付けられる。パネル枠57は、前後方向に開放された窓60を囲む額縁形状である。パネル枠57の裏面には、ガラスまたは合成樹脂からなる光透過性を有する前面パネル61が、窓60を覆う格好で取り付けられる。
【0023】
可動枠本体55の右縦片には施錠装置62と複数のロック機構63;64;65およびロック解除操作体66が設けられる。可動枠53やパネル枠57および球皿構造体58が閉じられてロック機構63−65で開閉不能に支持された状態において、遊技店の店員が図外のキープレート(鍵)を遊技機枠51の前側から施錠装置62の鍵穴67に挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠52と可動枠53とのロック機構63による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が可動枠53を前側に引くことによって、可動枠53はヒンジ54を中心として前側に片開きされる。また、上記施錠装置62の鍵穴67に挿入されたキープレートが例えば左側に90度回転操作されると、可動枠53とパネル枠57とのロック機構64による支持形態が解除される。
【0024】
この支持形態の解除後に、店員がパネル枠57を前側に引くことによって、パネル枠57はヒンジ59を中心として前側に片開きされる。このように、パネル枠57が前側に開かれた状態において、店員が可動枠53の前面に設けられたロック解除操作体66を操作すると、可動枠53と球皿構造体58とのロック機構65による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が球皿構造体58を前側に引くことによって、球皿構造体58はヒンジ59を中心として前側に片開きされる。球皿構造体58の前面には、球収納部68および発射操作機構69を備える。球収納部68は、遊技に使用する球を受ける上方に開放された形態である。球皿構造体58の裏面には、前横樋80から球を球収納部68に供給する球取入口70と、球収納部68から発射機構77に球を供給する球供給口71とを備える。
【0025】
遊技主体収納構造体56は、前側に開放された遊技主体収納室72と、遊技主体収納室72の背壁に前後方向に貫通する中央開口部73とを備える。遊技主体収納室72の左側部には、遊技盤85を取り付ける枠側ヒンジ74および枠側コネクタ75を備える。枠側ヒンジ74は、遊技主体収納室72の左側部に固定的に取りけられたヒンジ躯体の前側に折り曲げられた支持部から上方に突出したヒンジピンを備えた構造である。枠側コネクタ75は、導電材かなるコネクタピンが合成樹脂のような電気絶縁材かなるコネクタボディに移動可能に装着され、コネクタピンに内蔵されたコイルスプリングのような弾性体がコネクタピンの先端部をコネクタピンから外側に押し出した、スプリングコネクタと呼ばれる構造であって、コネクタピンが遊技盤の電極から押されるのに伴い、弾性体が圧縮し、コネクタピンと電極とが互いに押し合って接触する。
【0026】
遊技主体収納構造体56における遊技主体収納室72よりも下部における前面には、遊技主体棚76を備える。遊技主体棚76から下方に延設された遊技主体収納構造体56における前壁の前面には、発射機構77、発射レール78、ファール球取入口部79、前横樋80を備える。発射レール78は、球皿構造体58の球供給口71から供給された1個の球を受け取る。発射機構77は、電力供給と遮断とを交互に受けることによって、球収納部68から発射レール78に供給された1個の球を遊技盤85の前面の遊技領域に向けて発射する。発射レール78は、発射機構77から発射された球を、遊技盤85の前面の発射通路の入口に誘導する。ファール球取入口部79は、遊技盤85の発射通路から落下する球を取り込む。ファール球取入口部79に取り込まれた球は、前横樋80を経由して球取入口70に排出される。前横樋80は、可動枠53の裏部に取り付けられた図10に示すタンク98から払い出された球を球取入口70に排出する。遊技主体収納室72の右側部には、遊技主体ロック部材81を備える。遊技主体ロック部材81は、遊技主体収納構造体56から前側に突出する円筒状の台座の中心にロック操作体82を回転可能に備える。ロック操作体82は、台座から前側に突出した操作軸の端部に固定された横長な形態である。
【0027】
遊技盤85の裏面には、主制御装置86、複合制御装置87、セット板と呼ばれる部品取付構造体88、盤側可撓性配線89、盤側ヒンジ90、取付部91を備える。部品取付構造体88は、遊技盤85の前面に設けられた図外の入賞部品やアウト口から遊技基板の裏側に排出された球を、下方に誘導して排出する。遊技盤85の裏側には、遊技盤85の前面に設けられた遊技部品の裏機構が、遊技盤85に形成された図外の逃孔や部品取付構造体88に形成された逃孔を経由して突出する。遊技盤85の裏側に突出した遊技部品の裏機構は、入賞部品に入賞した球を電気的に検出した入賞信号を主制御装置86を出力する入賞球検出器、可動部品を動かす駆動機構92、図柄表示器93、図柄表示器93の制御を行う図柄制御装置94、図柄表示部品のステップモータ97、表示灯基板などである。
【0028】
盤側可撓性配線89は、遊技盤85に設けられた電気部品と遊技機枠51に設けられた電気部品とを接続する多数本の箔形状の電線および箔形状の電極として構成された盤側コネクタ95が、可撓性を有する合成樹脂基板の表面に付設された構造である。盤側コネクタ95は、枠側コネクタ75のコネクタピンと対応する個数のラウンドと呼ばれるものであって、各盤側コネクタ95からは上記箔形状の電線が個別に延設される。電線の表面は、レジスト膜のような電気絶縁材で被覆され、人の接触から保護される。盤側可撓性配線89には、入賞球検出器、可動部品を動かす駆動機構92、図柄制御装置94、表示灯基板などである。盤側ヒンジ90は、遊技盤85に固定的に取りけられたヒンジ躯体の前側に折り曲げられた支持部に上下方向に貫通したヒンジ孔を備えた構造である。取付部91は、遊技盤85の右側部に固定される。取付部91は、ロック挿入孔96を備える。
【0029】
遊技盤85は、遊技機枠51に、次のように装着される。少なくとも、パネル枠57が前側に開けられた状態において、遊技盤85の裏面が可動枠53の前面に向けられ、遊技盤85の左側部が遊技主体収納室72に前側から挿入され、盤側ヒンジ90のヒンジ孔が枠側ヒンジ74のヒンジピンに上方から挿入されると、遊技盤85が遊技機枠51に盤側ヒンジ90と枠側ヒンジ74とを中心として回転可能に取り付けられる。その後、遊技盤85の右側部が作業者によって遊技機枠51の方に押されると、盤側ヒンジ90と枠側ヒンジ74との嵌合が中心となり、遊技盤85が右側に回転しつつ遊技主体収納室72に収納され、ロック操作体82が遊技盤85のロック挿入孔96に後側から挿入されて前側に突出する。その状態において、作業者がロック操作体82を例えば右方向に90度回転操作すると、ロック操作体82がロック挿入孔96の周りにおける取付部91と係合し、遊技盤85が遊技主体収納室72に取り付けられる。このように遊技盤85が遊技主体収納室72に取り付けられることによって、盤側可撓性配線89の盤側コネクタ95と枠側コネクタ75のコネクタピンとが互いに接続される。
【0030】
図10を参照し、遊技機枠51の裏機構について説明する。上方に開放した箱形のタンク98は、遊技機設置構造体における補給機構の球出口から排出された球を受けるものであって、中央開口部73より右上部に配置され、遊技主体収納構造体56の裏面に取り付けられる。タンク98の底部には、取込部99が、右側で前後方向中央部に設けられる。取込部99は、左右に横長であって、タンク98の底部から下方に窪む窪みである。タンク98には、球払出機構101が設けられる。球払出機構101は、ステップモータからなる払出モータ102と螺旋払出体103および払出球検出部104を備える。払出モータ102のモータケースが、タンク98の右外側面に取り付けられる。螺旋払出体103は、丸棒の外周面に螺旋体を備える。螺旋体は、螺旋払出体103の丸棒の軸心方向に球を1個ずつ分離する間隔で、当該丸棒の外周面から径方向外側に螺旋形状に突出する。螺旋払出体103の丸棒の軸心が左右方向に向けられた格好で、螺旋体が取込部99に回転可能に収納される一方、螺旋払出体103における螺旋体の不在な丸棒の両端部が取込部99を囲む左右側壁を取込部99の内外に回転可能に貫通する。そして、螺旋払出体103における取込部99の左側壁の外側に突出した丸棒の端部が、払出モータ102のモータ軸のような出力軸に結合される。この結合よって、払出モータ102の出力軸が回転すると、螺旋払出体103も一緒に回転する。タンク98の底部は、球が周囲から取込部99に向けて流れる斜面を形成する。
【0031】
したがって、タンク98に貯蔵された球は、タンク98の内部を矢印X1で示す方向に流れてタンク98の取込部99に流れ込み、払出モータ102による螺旋払出体103の回転によって螺旋体の隙間に分離されつつ取り込まれて螺旋体で取込部99の内部を左側から右側に移動し取込部99における底部に形成された球出口105から下方に落下してタンク98から排出される。このタンク98から排出された球は、球出口105の下部に連接された払出球検出部104に取り込まれる。払出球検出部104には、払出球検出器106を備える。払出球検出器106は、タンク98から払出球検出部104に排出された球を検出するごとに払出球検出信号を主制御装置86および発射払出制御装置1に出力する。払出球検出器106を通過した球は、払出球検出部104の下部に連接された払出樋107に取り込まれる。払出樋107は、中央開口部73よりも左側に配置され、遊技主体収納構造体56の裏面に取り付けられる。払出樋107の内部には、球通路が、上部から下部に行くにしたがって、前後方向に蛇行する形態に形成される。払出樋107の下端は、前横樋80の右上部に連なる。よって、払出樋107に取り込まれた球は、払出樋107の内部における球通路を蛇行しながら流下して前横樋80に排出される。
【0032】
払出樋107の右側には、球抜樋108が併設される。払出樋107および球抜樋108は上部で互いに連接される。この連接部には、通路切換機構109が設けられる。通路切換機構109は、払出樋107の裏面に取り付けられた電磁ソレノイドからなる通路切換駆動源としての通路切換ソレノイド110、通路切換ソレノイド110のプランジャに連結されて払出樋107の球通路に配置された通路切換弁111とを備える。例えば、通路切換ソレノイド110が電力供給されていない場合、通路切換弁111は、払出球検出部104から払出樋107に球を流すように、払出球検出部104と球抜樋108との球通路を遮断する。そして、通路切換ソレノイド110が電力供給されている場合、通路切換弁111は、払出球検出部104から球抜樋108に球を流すように、払出球検出部104と払出樋107との球通路を遮断する。球抜樋108の下端は、前横樋80の収納部裏面に球通路カバーにより形成された球抜樋108に連接される。球抜樋108の下端は、前横樋80の収納部裏面から下方に突出する。払出樋107における通路切換機構109よりも下部の中間部には、満タン検出器112が設けられる。満タン検出器112は、図9に示す球収納部68から前横樋80および払出樋107の満タン検出器112まで球が満杯となると、主制御装置86による遊技制御を停止するために、満タン検出器112が満杯となった球でオン動作して満杯検出信号を主制御装置86に出力する。
【0033】
遊技主体収納構造体56における遊技主体棚76より下方に延設された前壁の裏面には、電源装置114と発射払出制御装置1とが取り付けられる。電源装置114は、中央開口部73よりも右下部に配置される。発射払出制御装置1は、中央開口部73よりも左下部に配置される。枠側コネクタ75よりも上部における遊技主体収納構造体56の裏面には、外部情報端子基板116、払出中継端子基板117、電源端子基板118が、下から上に順に配置された形態で、取り付けられる。発射払出制御装置1よりも右側における遊技主体収納構造体56の裏面には、球皿中継基板119が取り付けられる。電源装置114、発射払出制御装置1、枠側コネクタ75、払出中継端子基板117、電源端子基板118、外部情報端子基板116、球皿中継基板119のそれぞれは、枠側可撓性配線120で、互いに接続される。枠側可撓性配線120は、遊技盤85に設けられた電気部品と遊技機枠51に設けられた電気部品とを接続する多数本の箔形状の電線が、可撓性を有する合成樹脂基板に付設された構造である。
【0034】
枠側可撓性配線120には、枠側コネクタ75、外部情報端子基板116、払出中継端子基板117、電源端子基板118、電源装置114、発射払出制御装置1、球皿中継基板119が接続される。発射払出制御装置1は制御コネクタと発射制御装置用コネクタとが接触されことによって枠側可撓性配線120に接続される。払出中継端子基板117には、タンク98に設けられたタンク中継端子基板126が、ハーネス121で接続される。電源端子基板118には、パチンコ機のプラグ122を有する電源配線123が接続される。外部情報端子基板116は、遊技店の店営業を管理する図外のホールコンピュータと接続される。球皿中継基板119には、図9に示す球皿構造体58からの配線が接続される。電源装置114の裏面右下部には、電源スイッチ124およびリセット釦125が設けられる。
【0035】
図11に示すように、遊技機枠51が遊技店の遊技機設置構造体に取り付けられ、遊技盤85が遊技機枠51に装着され、図9に示すパネル枠57および球皿構造体58が閉じられて可動枠53に固定され、電源配線123のプラグ122が遊技機設遊構造体のAC24ボルトを出力する島電源の出力端子に接続され、電源スイッチ124が作業者によって投入され、電源装置114が発射払出制御装置1、主制御装置86、複合制御装置87、図柄制御装置94のそれぞれに直流電源を供給し、発射払出制御装置1、主制御装置86、複合制御装置87、図柄制御装置94のそれぞれが起動し、パチンコ球と呼ばれる球が図9に示す球収納部68タンク98に入れられ、球切れ検出器113が球切れ検出信号を出力しておらず、満タン検出器112が満タン検出信号を出力していない状態において、遊技者が図9に示す発射操作機構69を操作すると、発射操作機構69が遊技者の操作量に応じた可変抵抗値を発射払出制御装置1に出力する。これによって、発射払出制御装置1が例えば1分間に100発未満の周期と可変抵抗値に応じた発射出力とで発射機構77を駆動し、発射機構77が球収納部68から供給された球を1個ずつ発射する。
【0036】
発射機構77から発射された球は、図9に示す遊技盤85の発射通路を経由して遊技領域に発射される。遊技領域に発射された球は、遊技領域に設けられたセンター飾り、入賞部品、サイドランプ、風車、遊技釘、球反発体などに衝突して流れる方向を変えられながら、遊技領域を流下し、入賞部品に入賞する。入賞部品に入賞しないで遊技領域の最下部に到達した球は、アウト口から遊技基板の裏側に排出される。入賞部品に球が入賞すると、入賞球検出器が入賞部品に入賞した球を電気的に検出して入賞検出信号を配線を通して主制御装置86に出力する。そして、主制御装置86が入賞検出信号の種類による賞球払出信号を発射払出制御装置1に出力し、発射払出制御装置1が賞球払出信号に基づく個数の賞球としての球を払い出すように払出モータ102を正転方向に駆動する。これによって、タンク98から賞球としての球が払い出される。
【0037】
このように、球がタンク98から払い出されるのに伴い、払出球検出器106が払出検出信号を配線を通して発射払出制御装置1に出力し、発射払出制御装置1が払出検出信号をタンク98から払い出された球数としてカウントアップするかまたは賞球払出信号に基づき定められた設定賞球数をカウントダウンするかの演算処理を行う。この演算処理の結果として、発射払出制御装置1は、タンク98が賞球払出信号による個数の球を払い出し終わる時間が経過した時点において、カウントアップした値が賞球払出信号に基づき定められた設定賞球数と一致するかまたは賞球払出信号に基づき定められた設定賞球数からカウントダウンした値が「0」となった場合、払出モータ102の正転方向の駆動を停止する。
【0038】
球切れ検出器113がタンク98に球の存在を検出していてオフ動作していることから、発射払出制御装置1が払出モータ102を正転方向に駆動するような制御中において、発射払出制御装置1には球切れ信号が入力されずかつ賞球払出信号が一定時間入力されないことが継続した場合、または、発射払出制御装置1が払出モータ102の正転方向の駆動中における出力トルクを監視し、この監視している出力トルクがしきい値である所定値よりも上昇した状態が一定時間継続した場合、発射払出制御装置1は球払出機構101に球詰まりが発生したと判断する。そして、発射払出制御装置1が払出モータ102を正転方向から逆転方向に駆動するように発射払出制御装置1から払出モータ102に供給する電力の極性を一定時間切り換える。これによって、払出モータ102が逆転方向に一定時間駆動する。払出モータ102を正転方向から逆転方向に駆動するように電力の極性を切り換える一定時間は、タンク98における取込部99の球が取込部99の右側部に接触する直前までの時間であって、この時間が経験則から割り出して発射払出制御装置1に設定されている。
【0039】
その後、発射払出制御装置1は、払出モータ102を逆転方向から正転方向に駆動するように発射払出制御装置1から払出モータ102に供給する電力の極性を元に戻すように切り換える。または、発射払出制御装置1が払出モータ102の逆転方向の駆動中における出力トルクを監視し、この監視している出力トルクがしきい値である所定値よりも上昇した状態が一定時間継続した場合、退避孔に球が取り込まれたと判断することによって、発射払出制御装置1が払出モータ102を逆転方向から正転方向に駆動するように発射払出制御装置1から払出モータ102に供給する電力の極性を元に戻すように切り換える。このように出力トルクを監視した場合は、発射払出制御装置1に上記経験則から割り出した一定時間に置換してしきい値を設定しておく。これによって、払出モータ102が正転方向に駆動する。この正逆転の切替制御は、球払出機構101に発生した球詰まりが解消されるまでの間、所定回数行われる。そして、所定回数行われても、球払出機構101に発生した球詰まりが解消されない場合、発射払出制御装置1は、正逆転の切替制御を停止するとともに、パチンコ店の店員による球詰まり解消を行わせるために、異常信号を図外の報知器に出力する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
発射払出制御装置1以外の遊技主体収納構造体56の裏面に取り付けられる制御装置であれば適用できる。発射払出制御装置1を遊技主体収納構造体56の左側に設置したが右側でもよいが、この場合、最良の形態における発射払出制御装置1を取付台2に取り付ける操作方向は左右逆となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】発射払出制御装置周りの遊技機枠を示す横断面図(最良の形態)。
【図2】発射払出制御装置、取付台、配線構造体を示す分解斜視図(最良の形態)。
【図3】発射払出制御装置の組立横断面図(最良の形態)。
【図4】発射払出制御装置を止ねじで結合した部分を示す横断面図(最良の形態)。
【図5】配線構造体および取付台の組立横断面図(最良の形態)。
【図6】配線構造体と取付台および遊技主体収納構造体の組立横断面図(最良の形態)。
【図7】発射払出制御装置の遊技主体収納構造体への組立工程を示す模式図(最良の形態)。
【図8】遊技主体収納構造体に取り付けられた発射払出制御装置を示す外観斜視図(最良の形態)。
【図9】パチンコ機の遊技機枠と遊技盤とを示す分解斜視図(最良の形態)。
【図10】遊技機枠を示す背面図(最良の形態)。
【図11】パチンコ機を示す裏面図(最良の形態)。
【符号の説明】
【0042】
1 発射払出制御装置
2 取付台
2d 被係合部
4 回路基板
5 前ケース
6 中ケース
7 後ケース
18 係合部
19 残渣孔
43 止ねじ
51 遊技機枠
52 固定枠
53 可動枠
54 ヒンジ
55 可動枠本体
56 遊技主体収納構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機枠がパチンコ店の遊技機設置構造体に取り付けられる固定枠と固定枠にヒンジで前側横方向に片開き可能に取り付けられた可動枠とを備え、固定枠と可動枠とが遊技機枠の前側から操作される施錠装置によって解除動作可能なロック機構によって開閉不能に支持され、可動枠が遊技盤を前側から収納する遊技主体収納構造体を備え、遊技主体収納構造体の裏面に制御装置が設けられたパチンコ機の遊技機枠において、制御装置が制御に必要な複数の電気部品の実装された板状の方形な回路基板を複数のケースからなる制御筐体の内部に格納した後に止ねじを前側に位置するケースから後側に位置するケースに締結して制御筐体を封緘した構造であり、制御筐体の前面に係合部が設けられ、遊技主体収納構造体の裏面には被係合部を有する取付台が設けられ、制御筐体の係合部が取付台の裏側から被係合部に挿入されて制御装置が直線的に左右方向の一方向に横移動されて係合部と被係合部とが互いに係合して取付台に取り付けられ、この係合された係合部と被係合部とにおける左右方向で前後方向に重ね合わされた寸法が、遊技主体収納構造体を有する可動枠が固定枠に閉じられてロック機構で開閉不能に支持された場合における制御装置と固定枠の側部との間の寸法よりも大きな寸法に設定されたことを特徴とするパチンコ機の遊技機枠。
【請求項2】
制御筐体を構成する複数のケースが、係合部の設けられた前ケースと、前ケースの係合部を作るための残渣孔を塞ぐ中ケースと、回路基板に実装された電気部品を覆う空間部を備えた後ケースとを備え、中ケースと後ケースとの間に回路基板を配置し、止ねじが前ケースの前側から前ケースおよび中ケースを経由して後ケースに締結され、制御筐体が取付台に係合部と被係合部との係合で取り付けられた場合、取付台で覆い隠されたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の遊技機枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−14805(P2006−14805A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193626(P2004−193626)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】