パチンコ機
【課題】複数の電子抽選を個別かつ並行して実行するパチンコ機において、複数の電子抽選を個別かつ並行して実行することを生かした遊技性を有し、趣向性の高い新たなパチンコ機を提供することを目的とする。
【解決手段】第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも多くする第1変動時間テーブルと、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも少なくする第2変動時間テーブルとを設け、第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中においては、第2変動時間テーブルが設定される割合が第1変動時間テーブルが設定される割合よりも高い構成とした。
【解決手段】第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも多くする第1変動時間テーブルと、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも少なくする第2変動時間テーブルとを設け、第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中においては、第2変動時間テーブルが設定される割合が第1変動時間テーブルが設定される割合よりも高い構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、複数の特別図柄を同時に導出表示可能なパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技機の一例としてのパチンコ機には、遊技盤上に複数の始動入賞口を配設し、1の始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて一方の電子抽選を実行するとともに、当該電子抽選とは個別に他の始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて他方の電子抽選を並行して実行し、各電子抽選の結果を特定の態様により、それぞれ個別に設けられた表示器に導出表示することにより報知する形態のパチンコ機が知られている。
この種のパチンコ機は、一方の電子抽選と他方の電子抽選とが略同時期の入賞に基づいて実行可能となる場合に、同時並行的に抽選結果を導出表示するための処理が実行され、かつ、抽選結果を同時並行的に導出表示する点でいずれか一方の電子抽選を優先して実行するとともに、他方の電子抽選の抽選結果を導出表示するための処理を保留状態とする一般的なパチンコ機とは異なるが、一方の電子抽選と他方の電子抽選とが同時並行的に実行されるという一般的なパチンコ機との相違を十分に生かした遊技性が未だ確立されておらず、いずれか一方の電子抽選を優先して実行する一般的なパチンコ機と同等、或いは、これを超える趣向性を持ったパチンコ機の開発が強く要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−26178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、複数の電子抽選を個別かつ並行して実行するパチンコ機において、複数の電子抽選を個別かつ並行して実行することを生かした遊技性を有し、趣向性の高い新たなパチンコ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのパチンコ機に係る構成として、変動表示制御手段により参照され、第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間を第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間よりも短くすることで、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも多くする第1変動時間テーブルと、第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間を第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間よりも長くすることで、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも少なくする第2変動時間テーブルと、第1特別図柄抽選手段又は第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が予め互いに異なる割合で設定された複数の特図当りの何れかであるときに、当該特図当りの種類に応じて第1変動時間テーブル又は第2変動時間テーブルを設定する変動時間テーブル設定手段とを設け、複数の特図当りが少なくとも遊技状態を通常状態から当該通常状態よりも普図当りに当選する確率が高い普図高確状態とする特図当りを含み、第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中においては、第2変動時間テーブルが設定される割合が第1変動時間テーブルが設定される割合よりも高い構成とした。
【0006】
本構成からなるパチンコ機によれば、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも多くする第1変動時間テーブルと、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも少なくする第2変動時間テーブルとが設けられ、第1特別図柄抽選手段又は第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が予め互いに異なる割合で設定された複数の特図当りの種類に応じて第1変動時間テーブル又は第2変動時間テーブルを設定する変動時間テーブル設定手段が設けられていることから、特図当りの種類に応じて第1特別図柄抽選手段及び第2特別図柄抽選手段の抽選回数に差を持たせることが可能となる。
また、複数の特図当りが少なくとも遊技状態を通常状態から当該通常状態よりも普図当りに当選する確率が高い普図高確状態とする特図当りを含み、第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中においては、第2変動時間テーブルが設定される割合が第1変動時間テーブルが設定される割合よりも高いことにより、第2特別図柄抽選手段による抽選回数を第1特別図柄抽選手段による抽選回数よりも多くすることが可能となり、当該第2特別図柄抽選手段による抽選回数が第1特別図柄抽選手段による抽選回数よりも多い状態を繰り返し継続(ループ)させることが可能となる。
よって、第2特別図柄抽選手段による特図抽選の結果が特図当りである場合に移行する特定遊技状態中に遊技者が得られる利益を第1特別図柄抽選手段による特図抽選の結果が特図当りである場合に移行する特定遊技状態中に遊技者が得られる利益よりも大きく設定することにより、第2特別図柄抽選手段による特図抽選に重要性を持たせることができ、遊技の趣向性が向上する。なお、上記特定遊技状態中に遊技者が得られる利益とは、入賞によって得られる賞球数、継続ラウンド数、ラウンド継続時間等を含む。
また、他の構成として、第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中において参照される第2変動時間テーブルには、普図高確状態中において実質的に第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄を導出表示することが不可能な変動時間が規定された構成とした。
本構成によれば、第2変動時間テーブルに普図高確状態中において、実質的に第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄を導出表示することが不可能な変動時間が規定されているため、普図高確状態が終了するまでは、第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄のみを導出表示させることが可能となる。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ機の外観斜視図である。
【図2】図1に示したパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図3】図1に示したパチンコ機の背面図である。
【図4】図1に示したパチンコ機の制御に係る構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示した第1,第2特図当否用抽選手段の構成の詳細を示す図である。
【図6】図5に示した特図低確時,特図高確時判定テーブルの詳細を示す図である。
【図7】図5に示した第1,第2特図当り種類テーブルの詳細を示す図である。
【図8】図4に示した第1,第2特別図柄用変動パターン抽選手段の構成の詳細を示す図である。
【図9】図4に示した普通図柄用当否抽選手段の構成の詳細を示す図である。
【図10】図4に示した遊技モード制御手段により参照される遊技モード設定用テーブルの詳細を示す図である。
【図11】図8に示す第1特図用変動パターンテーブルの詳細を示す図である。
【図12】図8に示す第2特図用変動パターンテーブルの詳細を示す図である。
【図13】遊技モードに対応して設定される第1,第2特図用変動パターンテーブルを示す図である。
【図14】図4に示した背景用テーブルの詳細を示す図である。
【図15】図4に示した第1演出パターンテーブルの詳細を示す図である。
【図16】図4に示した第2演出パターンテーブルの詳細を示す図である。
【図17】図1に示したパチンコ機の遊技性を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1〜図17を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
【0009】
図1,図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、遊技盤30を視認させるよう中央に大きくガラス窓4aが設けられたガラス扉4と、本体枠3の下側に開閉自在に設けられ、遊技球を収容する受皿6を有する前面ボード5と、本体枠3の下部に配設された図外(本体枠3の内部)の発射装置と、前面ボード5に取り付けられたハンドル7と、ガラス扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8とを備える。
【0010】
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には、支持部材等を介して、主制御装置100と、カバー部材に覆われた副制御装置を構成するサブ制御装置(演出制御装置)200と、払出制御装置300とが設けられている。主制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300は何れもCPU(Central Processing Unit)と、コンピュータプログラム及び遊技処理に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。
また、図3における払出制御装置300の左隣には、各制御装置に電力を供給するための電源装置400が設けられている。続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を詳しく説明していく。
【0011】
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。遊技領域31は、ガラス窓4aから観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されている。
【0012】
前面ボード5の受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。図4に示すように、払出制御装置300は、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム(可変抵抗器)7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて図2に示す矢印X方向に飛んで発射口34を通過し、遊技領域31の上部に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。
また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7に配設され、ハンドル7の回転操作が有効となる条件とするハンドル7の表面接触検出を行うためのタッチセンサ7Dが接続されている。
【0013】
遊技領域31内には、演出表示装置50と、ステージ51と、第1特別図柄表示装置40Aと、第2特別図柄表示装置40B、普通図柄表示装置41と、複数の第1始動入賞口(始動口)61A;61Bと、第2始動入賞口(始動口)62と、電動チューリップ63と、大入賞口64と、アタッカ装置65と、スルーチャッカ66と、複数の一般入賞口67と、アウト口68と、遊技領域31内の遊技球の流下方向に変化を与える(図2中では簡略化してある)図外の複数の遊技釘及び風車とが設けられている。
第1始動入賞口61Aは、遊技領域31の略中央部におけるステージ51の下方に位置する。第1始動入賞口61Bは、遊技領域31の右側部における第2始動入賞口62の下方に位置する。第1始動入賞口61Aと第1始動入賞口61Bとは、互いに抽選処理条件が同じとなって対となる入賞口であり、例えば遊技者の操作により遊技球が遊技領域31の左側部を流下する場合、第1始動入賞口61Aに入賞し易く、遊技領域31の右側部を流下する場合、第1始動入賞口61Bに入賞し易い盤面構成とされる。
また、本実施形態では、第1始動入賞口61Aの入賞の方が、第1始動入賞口61Bに入賞させることよりも容易(単位時間あたりの入賞率が高い)となるようにしている。
さらに、遊技球が遊技領域31の左側部を流下する場合において、第1始動入賞口61Bにも入賞する可能性を持たせたゲージ配列としているが、遊技球が遊技領域31の右側部を流下する場合には、第1始動入賞口61Aに対しては殆ど入賞させないゲージ配列としている。
従って、電動チューリップ63によって入賞を拒否する閉じ状態の第1始動入賞口61Bとなっている場合には、遊技球を遊技領域31の左側部へ流下させる方が有利に遊技を進められることとなる。なお、本発明における盤面構成は、第1始動入賞口61Aと第1始動入賞口61Bを鉛直方向上下に配置する等、上記盤面構成以外であっても構わない。
第1始動入賞口61A;61B、第2始動入賞口(始動口)62、大入賞口64、スルーチャッカ66、一般入賞口67のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、大入賞口検知センサ93、スルーチャッカ検知センサ94、一般入賞口検知センサ95が内臓されている。これらの検知センサ91〜95は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号(電気信号)を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御装置100に入力される。
本実施形態における「入賞口」は、遊技球が入ると遊技領域31の裏側に回収される遊技球収容口とし、「スルーチャッカ」は、遊技領域31に設けた遊技球の通過部を通過した後に、再び遊技領域31を流下させる遊技球通過口としている。
また、本実施形態における「1遊技」は、特別図柄表示装置が作動することとなる始動入賞口に遊技球が入賞し、当該特別図柄表示装置上の特別図柄が変動を開始したときから、当該変動が継続している状態を経て、当該変動が終了する特別図柄の停止表示時までとしている。
【0014】
第1特別図柄表示装置40Aは、第1始動入賞口61A;61Bへの遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる第1特別図柄に係る電子抽選(第1特別図柄抽選)の結果を表示するためのものであって、より具体的には、電子抽選の結果に基づいて特別図柄(数字や絵柄)が変動した後に、抽選結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)させるという態様で表示されるように後述の変動表示制御手段130により制御されるものである。
第2特別図柄表示装置40Bは、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、前述の電子抽選(第1特別図柄抽選)とは、個別かつ並行して主制御装置100により行われる第2特別図柄に係る電子抽選(第2特別図柄抽選)の結果を表示するためのものであって、より具体的には、電子抽選の結果に基づいて特別図柄(数字や絵柄)が変動した後に、抽選結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)させるという態様で表示されるように後述の変動表示制御手段130により制御されるものである。
なお、本実施形態においては、第1始動入賞口61A;61Bへの入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄とし、第2始動入賞口62への入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄としており、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動及び導出表示(停止表示)は、上述の第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選と同様に、変動表示制御手段130により互いに個別、かつ、並行して行われる。
また、第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bは、7セグメント表示器からなり、特別図柄の変動表示時間と対応する同じ時間内に所定の演出表示を行う演出表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤30の右下部分に離間して配置されている。第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄がそれぞれ変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が停止した状態である。また、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している時間は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間である。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間の決定処理については後述する。
【0015】
本実施形態では、上述のとおり、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選を個別に行い、それぞれ対応する第1特別図及び第2特別図柄を変動させた後、各抽選結果を表示する態様で各特別図柄を第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bに個別に導出表示する構成である。また、第1始動入賞口61A;61Bに基づく第1特別図柄抽選、及び、第2始動入賞口62に基づく第2特別図柄抽選は、それぞれ遊技球の入賞順に実行され、各抽選の結果(特別図柄)が個別に導出表示されるようになっている。
【0016】
演出表示装置50は、遊技盤30の略中央部に設けられている。演出表示装置50は、本実施形態においては液晶表示装置からなり、第1始動入賞口61A;61B及び第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に個別に実行される第1特別図柄及び第2特別図柄に係る抽選の結果に基づいて、所定の演出態様を表示するようにサブ制御装置200により制御されるものである。
演出表示装置50には、所定の演出態様の一部として第1特別図柄表示装置40Aに表示される第1特別図柄の変動と連動して変動表示される第1演出図柄(ダミー図柄)S1と、第2特別図柄表示装置40Bに表示される第2特別図柄の変動と連動して変動表示される第2演出図柄(ダミー図柄)S2とが、単一の表示領域内に個別に表示されている。ここで、原則、第1演出図柄(ダミー図柄)S1、及び第2演出図柄(ダミー図柄)S2の停止表示の態様は、第1特別図柄及び第2特別図柄の停止表示(抽選結果)の態様と同期する。
また、演出表示装置50内には、第1特別図柄抽選に対応する保留球乱数(後述)が主制御装置100のRAMに記憶された旨の表示を行う表示領域R1が設けられ、当該表示領域とは別に、第2特別図柄抽選に対応する保留球乱数が主制御装置100のRAMに記憶された旨の表示を行う表示領域R2が設けられている。
【0017】
スルーチャッカ66は、遊技球が通過可能なゲート構造をなしたものであり、本実施形態においては、遊技盤30の右側部における第2始動入賞口62よりも上方に配置されている。このスルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、主制御装置100の普通図柄用当否抽選手段150により普通図柄に係る電子抽選(普図抽選)が行われるようになっている。普通図柄表示装置41は、普通図柄に係る電子抽選の結果(普図当り、ハズレ)が表示されるよう主制御装置100に設けられた普通図柄用当否抽選手段により制御されるものである。この普通図柄表示装置41は第1特別図柄表示装置40Aの上方に配置されていて、本実施形態においては2つのLEDランプからなる。普通図柄に係る電子抽選の結果が当り(普図当り)のときに2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、ハズレのときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
【0018】
電動チューリップ63は、第2始動入賞口62の入口に設けられ、遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する1対の羽根部材と、これら1対の羽根部材を駆動する電動チューリップ駆動装置(ソレノイド)63Aとを備え、そのソレノイド63Aへの通電により1対の羽根部材が互いに離れる方向に回動し、第2始動入賞口62の入口を拡大するものである。電動チューリップ63は1対の羽根部材を閉じた状態において、第2始動入賞口62の上方に稙設された遊技釘との間隔が遊技球が通過不可能なものであるため、1対の羽根部材が閉じた状態では第2始動入賞口62への遊技球の入賞は不可能である。電動チューリップ63は、普通図柄に係る電子抽選の結果が普図当りとなった場合に、1対の羽根部材が開くよう主制御装置100により制御される。
【0019】
ステージ51は、演出表示装置50の下方に配置されていて、遊技球を転動させながら一時的に滞在させる構造物である。このステージ51の中央には溝51Aが形成されており、この溝51Aの真下の位置には第1始動入賞口61Aが配置されている。このため、溝51Aから落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口61Aに導かれる。
なお、図外の演出表示装置50の側方面には、溝51Aに1つずつ遊技球を誘導するための球通路に係る入口(所謂、ワープ口)が設けられている。
【0020】
大入賞口64は横長な長方形の開口であり、第1始動入賞口61Aの下方に設けられている。アタッカ装置65は、長方形の開口の下辺部に水平な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられ大入賞口64の形状とほぼ同じ長方形の蓋部材と、この蓋部材を駆動するソレノイドとを備え、そのソレノイドへの通電により蓋部材が前方向に回動して大入賞口64を開放するものである。アタッカ装置65が開いた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカ装置65が閉じた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が不可能な状態である。
【0021】
アタッカ装置65は、第1始動入賞口61A;61Bへの遊技球の入賞を契機に行われる第1特別図柄に係る第1特別図柄抽選の結果が当り(第1特図当り)となった場合、又は、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に行われる第2特別図柄に係る第2特別図柄抽選の結果が当り(第2特図当り)となった場合に、主制御装置100がアタッカ駆動装置65Aを制御することにより所定のラウンド数だけ開放され、これによって遊技者にとって有利な当り遊技が提供される。本実施形態において、所定のラウンド数は2ラウンド、5ラウンド又は15ラウンドであり、1ラウンド当りの最大入賞個数は9個でアタッカ装置65の最長開放時間は30秒である。つまり、アタッカ装置65の開放時点から30秒経過する前に大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達した場合と、大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達する前にアタッカ装置65の開放時点から30秒が経過した場合に、1ラウンドが終了するようになっている。なお、当り遊技が2ラウンド、5ラウンド又は15ラウンドの何れのラウンドとなるかは、複数存在する特図当りの種類によって異なる。また、1ラウンド当りの開放時間、長方形の蓋部材の開閉回数、又はこれらの組み合わせを特図当りの種類によって異ならせた当り遊技とすることも可能である。
なお、電動チューリップ63、又はアタッカ装置65の形態は上記形態に拘らず、2枚の羽根部材、1枚の羽根部材、扉状の開閉板材、又は遊技盤面と略面一の入賞口下辺部から突出する位置と埋没する位置とにスライド移動するベロ状板材、若しくはこれらを組み合わせた形態であってもよい。
本実施形態における「1ラウンド」は、アタッカ装置65を作動させる1回分のコマンド(主制御装置100からの指令)で得られる大入賞口64の開放処理としている。そのため、1回分のコマンド(1ラウンド)に基づいて蓋部材を駆動させる回数は1回に限らず、所定の複数回とすることもできる。従って、例えば5ラウンドの当り遊技となる場合は、アタッカ装置65を作動させる1回分のコマンドが個別に5回分連続生成されることに基づいて、当該5ラウンドの当り遊技が終了することとなる。
【0022】
賞球払出装置301は、受皿6に賞球を払い出す装置である。賞球の払出個数は、第1始動入賞口61A;61B、第2始動入賞口62、大入賞口64、一般入賞口67のそれぞれに予め対応付けられている。主制御装置100は遊技球の入賞が検知された入賞口に基づき、その入賞口に予め対応付けられている賞球の払出個数を、払出制御装置300に指令するようになっていて、払出制御装置300は主制御装置100からの指令に従って賞球払出装置301が有する図外の払出モータを駆動して賞球払出装置301に賞球を払い出させるようになっている。また、賞球払出装置301から払い出された賞球は、賞球払出装置301の流路内に配設された払出計数スイッチ302により計数され、払出制御装置300は払出計数スイッチ302からの入力に基づいて払出動作を停止させる。
本実施形態において、第1始動入賞口61A;61Bおよび第2始動入賞口62に予め対応付けられた賞球個数は3個であり、大入賞口64に予め対応付けられた賞球個数は13個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は5個である。なお、第1始動入賞口61A;61B、第2始動入賞口62、大入賞口64、一般入賞口67の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
【0023】
以下、図4を参照し、主制御装置100のハードウェア上の構成について説明する。
同図に示すように、主制御装置100は、第1特別図柄用当否抽選手段110、第2特別図柄用当否抽選手段120、変動表示制御手段130、普通図柄用当否抽選手段150、当り遊技制御手段160、電動チューリップ制御手段170、遊技モード制御手段180とを備える。これらの各手段は、遊技に係る制御を行うためにROMに格納されたコンピュータプログラムおよびデータにより設定された手段である。
【0024】
第1特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61A又は、第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機に、特図当り(第1特図当り)又はハズレを電子抽選(第1特別図柄抽選)により決定するものである。具体的には図5(a)に示すように、第1特別図柄用当否抽選手段110は、周期的(例えば0.005秒毎)に入力されるハードウェア内部システムクロックの1クロックに基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ高速で更新させることによりハードウェア乱数である第1特図当否用乱数を発生させる第1特図当否用乱数発生手段111と、第1始動入賞口61A又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機に、言い換えると、第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、第1特図当否用乱数発生手段111で発生した第1特図当否用乱数を取得(ラッチ)する第1特図当否用乱数取得手段112と、この第1特図当否用乱数取得手段112により取得された第1特図当否用乱数が特図当りであるかハズレであるかを、図6(a)に示す特図低確時判定テーブル113A又は図6(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bを参照して判定する第1特図当否判定手段113と、第1特別図柄の変動中に第1始動入賞口61A;61Bへの遊技球の入賞に基づき第1特図当否用乱数取得手段112が第1特図当否用乱数を取得した場合に、その第1特図当否用乱数を第1特別図柄に係る保留球乱数として所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第1特図当否用乱数保留手段114とを備える。第1特図当否用乱数保留手段114により記憶された保留球乱数は、その保留球乱数を記憶することになった入賞の順番、即ち入賞順で、1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第1特図当否判定手段113により特図当りであるかハズレであるかを判定し、当該判定に係る記憶された保留球乱数をクリアするようになっている。
なお、本実施形態におけるループカウンタ(後述のループカウンタを含む)のスタート値は、周知の技術等を用いて所定のタイミングでランダムに変更可能となっている。
【0025】
図6に示す特図低確時判定テーブル113A及び特図高確時判定テーブル113Bは、第1特図当否用乱数と特図当りおよびハズレとの対応関係を規定するものである。具体的には、図6(a)に示す特図低確時判定テーブル113Aにおいては、第1特図当否用乱数0〜186に特図当りが予め対応付けられていて、特図当否用乱数187〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図低確時判定テーブル113Aが参照された場合に特図当りとなる確率は約350分の1である。
これに対し、図6(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bにおいては、第1特図当否用乱数0〜1860に特図当りが予め対応付けられていて、第1特図当否用乱数1861〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図高確時判定テーブル113Bが参照された場合に特図当りとなる確率は約35分の1である。これらの当選確率を比較して分かるように、特図高確時判定テーブル113Bによる特図当りの当選確率の方が、特図低確時判定テーブル113Aよる特図当りに当選する確率よりも約10倍高い。
【0026】
なお、第1特別図柄用当否抽選手段110において特図低確時判定テーブル113Aが参照されて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図通常遊技状態であり、特図高確時判定テーブル113Bが用いられて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図高確率遊技状態である。以下、便宜上、「特図通常遊技状態」を「特図低確」といい、「特図高確率遊技状態」を「特図高確」という。
【0027】
また、第1特別図柄用当否抽選手段110は、前述の各手段の他、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116、第1特図当り種類判定手段117、及び、第1特図当り種類決定用乱数保留手段118を備える。これらの各手段は、前述の特図当否判定手段113による判定(抽選)の結果が特図当りである場合に、第1特別図柄表示装置40Aに導出表示される特別図柄を複数存在する特別図柄のうちから電子抽選により決定する手段である。
具体的には、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第1特図当り種類用乱数を発生させる。
また、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116は、第1始動入賞口61A又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機(第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115で発生した第1特図当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
また、第1特図当り種類判定手段117は、第1特別図柄用当否抽選手段110にて特図当り(第1特図当り)となる場合、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116により取得された第1特図当り種類決定用乱数に基づき、第1特図当り種類テーブル117Aを参照して第1特別図柄の種類を決定する。
また、第1特別図柄用当否抽選手段110にてハズレとなる場合、予め定めた1つのハズレに対応する第1特別図柄を決定する。
【0028】
第1特図当り種類決定用乱数保留手段118は、第1特別図柄の変動中、又は当り遊技中に第1始動入賞口61A又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞に基づき、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116が第1特図当り種類決定用乱数を取得した場合に、その第1特図当り種類決定用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで主制御装置100のRAMを利用して記憶する。第1特図当り種類決定用乱数保留手段118により記憶された第1特図当り種類決定用乱数は、変動中の第1特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第1特図当り種類判定手段117による第1特別図柄の種類の決定に用いられるようになっている。
【0029】
図7(a)に示すように第1特図当り種類テーブル117Aは、第1特別図柄用当否抽選手段110にて特図当り(第1特図当り)となる場合、第1特図当り種類決定用乱数と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。本実施形態で用いられる特別図柄の種類は、2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aの4種類であり、第1特図当り種類決定用乱数0〜6に2R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数7〜39に5R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数40〜89に5R特別図柄Bが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数90〜99に15R特別図柄Aが予め対応付けられている。
【0030】
この第1特図当り種類テーブル117Aが参照され、第1特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「4」のゾロ目として表示される。第1特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「2」のゾロ目として表示される。また、第1特別図柄の種類が5R特別図柄Bに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「5」のゾロ目として表示される。また、第1特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「7」のゾロ目として表示される。2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aのそれぞれの選択確率は、7%、33%、50%、10%である。
なお、選択確率は参考のために記載したものであって、第1特図当り種類テーブル117Aには含まれない。
【0031】
以上のとおり、第1特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61A;61Bに遊技球が入賞したことを契機に当否に係る第1特別図柄抽選を行うとともに、複数種類の第1特別図柄の中から当否に係る特別図柄を決定する機能を備える。
【0032】
次に、前記第1特別図柄当否抽選手段110とは個別に設けられた第2特別図柄当否抽選手段120について説明する。
第2特別図柄用当否抽選手段120は、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、特図当り(第2特図当り)又はハズレを電子抽選(第2特別図柄抽選)により決定するものである。具体的には図5(b)に示すように、第2特別図柄用当否抽選手段120は、周期的(例えば0.005秒毎)に入力されるハードウェア内部システムクロックの1クロックに基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ高速で更新させることによりハードウェア乱数である第2特図当否用乱数を発生させる第2特図当否用乱数発生手段121と、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、言い換えると、第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、第2特図当否用乱数発生手段121で発生した第2特図当否用乱数を取得(ラッチ)する第2特図当否用乱数取得手段122と、この第2特図当否用乱数取得手段122により取得された第2特図当否用乱数が特図当りであるかハズレであるかを、図6(a)に示す特図低確時判定テーブル113A又は図6(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bを参照して判定する第2特図当否判定手段123と、第2特別図柄の変動中に第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき第2特図当否用乱数取得手段122が第2特図当否用乱数を取得した場合に、その第2特図当否用乱数を第2特別図柄に係る保留球乱数として所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第2特図当否用乱数保留手段124とを備える。第2特図当否用乱数保留手段124により記憶された保留球乱数は、その保留球乱数を記憶することになった入賞の順番、即ち入賞順で、1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図当否判定手段123により特図当りであるかハズレであるかを判定し、当該判定に係る記憶された保留球乱数をクリアするようになっている。
【0033】
特図低確時判定テーブル113A及び特図高確時判定テーブル113Bは、前述の第1特別図柄抽選において参照されるテーブルと同様のテーブルである。つまり、第1始動入賞口61A;61Bへの入賞を契機として実行される第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)となる確率と、第2始動入賞口62への入賞を契機として実行される第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)となる確率は同一である。
【0034】
なお、前記同様に、第2特別図柄用当否抽選手段120において特図低確時判定テーブル113Aが参照されて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図低確の遊技状態であり、特図高確時判定テーブル113Bが用いられて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図高確の遊技状態である。
【0035】
また、第2特別図柄用当否抽選手段120は、前述の各手段の他、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126、第2特図当り種類判定手段127、及び、第2特図当り種類決定用乱数保留手段128を備える。これらの各手段は、前述の第1特別図柄抽選と同様に、特図当否判定手段123による判定(抽選)の結果が特図当りである場合に、第2特別図柄表示装置40Bに導出表示される特別図柄を複数存在する特別図柄のうちから電子抽選により決定する手段である。
具体的には、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第2特図当り種類用乱数を発生させる。
また、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126は、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機(第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125で発生した第2特図当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
また、第2特図当り種類判定手段127は、第2特別図柄用当否抽選手段120にて特図当り(第2特図当り)となる場合、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126により取得された第2特図当り種類決定用乱数に基づき、第2特図当り種類テーブル127Aを参照して第2特別図柄の種類を決定する。
また、第2特別図柄用当否抽選手段120にてハズレとなる場合、予め定めた1つのハズレに対応する第2特別図柄を決定する。
【0036】
第2特図当り種類決定用乱数保留手段128は、第2特別図柄の変動中、又は当り遊技中に第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126が第2特図当り種類決定用乱数を取得した場合に、その第2特図当り種類決定用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで主制御装置100のRAMを利用して記憶する。第2特図当り種類決定用乱数保留手段128により記憶された第2特図当り種類決定用乱数は、変動中の第2特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図当り種類判定手段127による第2特別図柄の種類の決定に用いられるようになっている。
【0037】
図7(b)に示すように第2特図当り種類テーブル127Aは、第2特別図柄用当否抽選手段120にて特図当り(第2特図当り)となる場合、第2特図当り種類決定用乱数と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。本実施形態で用いられる特別図柄の種類は、5R特別図柄A、15R特別図柄Aの2種類であり、第2特図当り種類決定用乱数0〜19に5R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第2特図当り種類決定用乱数20〜99に15R特別図柄Aが予め対応付けられている。5R特別図柄A、15R特別図柄Aのそれぞれの選択確率は、20%、80%である。この第2特図当り種類テーブル127Aが参照され、第2特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合、第2特別図柄表示装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「2」のゾロ目として表示される。また、第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合、第2特別図柄表示装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「7」のゾロ目として表示される。
また、第1特図当り種類テーブル117A及び第2特図当り種類テーブル127Aを比較した場合、第2特図当り種類テーブル127Aには、2R特別図柄A及び5R特別図柄Bが存在せず、さらに15R特別図柄Aが選択される割合が全体の80%となっているため、第1特別図柄抽選によって第1特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定される確率よりも第2特別図柄抽選によって第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定される確率の方が飛躍的に高く設定されている。
よって、遊技者から見れば第1特別図柄抽選手段110による第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選手段120による第2特別図柄抽選をより多く享受した方が、特図当りである場合に特図当りの種類が15R特別図柄Aに決定される確率が高いため、より有利に遊技を進めることが可能となる。なお、遊技性の詳細については後に詳述する。
【0038】
以上のとおり、第2特別図柄用当否抽選手段120は、第2始動入賞口62に遊技球が入賞したことを契機に当否に係る第2特別図柄抽選を行うとともに、複数種類の第2特別図柄の中から当否に係る特別図柄を決定する機能を備える。
【0039】
また、第1特図当り種類テーブル117A及び第2特図当り種類テーブル127Aに規定された2R特別図柄A、5特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aのそれぞれには、当り遊技のラウンド数の種類が予め対応付けられている。2R特別図柄、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aという特図当りを示す特別図柄の名称に冠された「2R」、「5R」および「15R」は、「2ラウンド」、「5ラウンド」および「15ラウンド」の略であり、その特別図柄に予め対応付けられた当り遊技のラウンド数の種類である。つまり、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bに停止して表示される特別図柄の種類が電子抽選により決定されることによって、当り遊技のラウンド数の種類が決定されるようになっている。
【0040】
図4に戻り、当り遊技制御手段160について説明する。当り遊技制御手段160は、特図当り時における特図当りの種類が2R特別図柄Aである場合にアタッカ装置65を2ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものであり、特図当り時における特図当りの種類が5R特別図柄A又は5R特別図柄Bである場合にアタッカ装置65を5ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものであり、特図当り時における特図当りの種類が15R特別図柄Aである場合にアタッカ装置65を15ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものである。
【0041】
図4に示す普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、普図当り又はハズレを電子抽選(普図抽選)により決定するものである。この普通図柄用当否抽選手段150は、前述の第1特別図柄用当否抽選手段110、或いは、第2特別図柄用当否抽選手段120と略同様に構成されたものであり、具体的には図9に示すように、普通図柄用当否抽選手段150は、周期的(例えば4ミリ秒侮)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図当否用乱数を発生させる普図当否用乱数発生手段151と、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、スルーチャッカ検知センサ94からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、普図当否用乱数発生手段151で発生した普図当否用乱数を取得(ラッチ)する普図当否用乱数取得手段152と、この普図当否用乱数取得手段152により取得された普図当否用乱数が普図当りであるかハズレであるかを、普図低確時判定テーブル153A又は普図高確時判定テーブル153Bを参照して判定する普図当否判定手段153と、普通図柄の変動中、又は普図当りに基づく電動チューリップ63の作動中に普図当否用乱数取得手段152が普図当否用乱数を取得した場合に、その普図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、普通図柄に係る保留球乱数として主制御装置100のRAMを利用して記憶する普図当否用乱数保留手段154とを備える。つまり、普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に当否に係る普図抽選を行う手段である。
【0042】
普図低確時判定テーブル153A及び普図高確時判定テーブル153Bは、普図当否用乱数と普図当りおよびハズレとの対応関係を規定するものであり、具体的な内容の図示は省略するが、普図高確時判定テーブル153Bによる普図当りの当選確率は例えば1/1.1に設定されていて、普図低確時判定テーブル153Aによる普図当りの当選確率は1/120に設定されている。つまり、普図高確時判定テーブル153Bの方が、普図低確時判定テーブル153Aに比べて格段に普図当りに当選する確率が高くなるように設定されているとともに、殆どの場合に普図当りに当選するようになっている。
【0043】
なお、以下便宜上、普通図柄用当否抽選手段150において普図低確時判定テーブル153Aが用いられて普図当り又はハズレが決定される遊技状態を「普図低確」といい、普図高確時判定テーブル153Bが用いられて普図当り又はハズレが決定される遊技状態を「普図高確」という。
【0044】
図4に示す電動チューリップ制御手段170は、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選(普図抽選)で普図当りに当選した場合に、電動チューリップ63のソレノイド63Aへの通電を行い、電動チューリップ63の1対の羽根部材を開閉させるものである。この電動チューリップ制御手段170は、普図高確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を例えば開放時間2.9秒で2回開放させ、普図低確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を開放時間0.2秒で1回開放させるようになっている。普図高確中においては、前述のように、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選で殆ど普図当りに当選し、その当選に基づき電動チューリップ63が2.9秒2回開放されるため、遊技者が遊技盤30の右側部に遊技球を打ち出せば、第2始動入賞口62に遊技球を容易に入賞させることができ、この結果、普図高確中は、第2始動入賞口62の入賞に基づいて払い出される賞球によって、遊技球を遊技領域31に発射しても殆ど発射するための遊技球を減らすことなく遊技を行うことができる。つまり、普図高確は、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易く、遊技者にとっては第2始動入賞口62への遊技球の入賞が容易化(サポート)される状態(所謂、電サポ状態)である。
【0045】
図4に示す遊技モード制御手段180は、複数存在する遊技モードを制御するものである。本実施形態において遊技モードの種類は、例えば通常モード、チャンスモード、大チャンスモード、特大チャンスモードの4種類のモードに区分される。
【0046】
通常モードは、遊技状態が特図低確と普図低確の組み合わせに設定される遊技モードである。
チャンスモードは、特図当りの種類が5R特別図柄Aである場合に移行するモードであって、特図低確と普図高確の組み合わせに設定されるモードである。また、本モードにおける普図高確に係る遊技回数の上限は、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が30回に達するまでに設定される。
大チャンスモードは、特図当りの種類が5R特別図柄Bである場合に移行するモードであって、特図高確と普図高確の組み合わせに設定されるモードである。また、本モードにおける特図高確に係る遊技回数の上限は、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が30回に達するまでに設定される。また、普図高確に係る遊技回数の上限についても同様に、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が30回に達するまでに設定される。
即ち、特図高確における特図当りとなる確率は、約35分の1となるため、30回分の特図当否抽選を行えば、特図当りの発生となる可能性は高くなる。なお、5R特別図柄A及び5R特別図柄Bに基づく30回分の遊技上の演出状態を同一として、何れのチャンスモードかを遊技者に予測させるゲーム性を付与してもよい。
特大チャンスモードは、特図当りの種類が15R特別図柄Aである場合に移行するモードであって、特図高確と普図高確の組み合わせに設定されるモードである。また、本モードにおける特図高確に係る遊技回数の上限は、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が99回に達するまでに設定される。また、普図高確に係る遊技回数の上限についても同様に、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が99回に達するまでに設定される。
即ち、特図高確における特図当りとなる確率は、約35分の1となるため、99回分の特図当否抽選を行えば、特図当りの発生となる可能性はより高くなる。本実施形態では、上記遊技回数の上限となる前に特図当りとなった場合は、残りの未処理の遊技回数はクリアされる。
【0047】
ここで、特図高確に係る遊技回数の上限、或いは、普図高確に係る遊技回数の上限は、特に限定されることはなく、例えば「10000回」として設定することも可能である。
特大チャンスモードにおいて他の回数(99回)と比べて非常に多い回数である「10000回」が設定された場合、本実施形態においては、特図低確での特図当りの当選確率は約350分の1であり、特図高確での特図当りの当選確率は約35分の1であるから、第1特別図柄用当否抽選手段110又は第2特別図柄用当否抽選手段120による電子抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)が合算で10000回も行われる間には必ず特図当り(第1特図当り又は第2特図当り)に当選する。
言い換えると、次回の特図当りに当選するまでの第1特別図柄用当否抽選手段110又は第2特別図柄用当否抽選手段120による電子抽選の合算回数が10000回を超えることは皆無である。従って、特図高確及び普図高確に係る遊技回数が10000回に設定されることは、次回の特図当りに当選するまで特図高確、普図高確が継続することと等しいといえる。
つまり、特図高確及び普図高確に係る遊技回数が10000回に設定されると、遊技球を殆ど減らすことなく、特図当りの所謂連荘が確定することになる。つまり、特大チャンスモードを他のモードに対して極めて有利なモードとして設定することも可能である。
【0048】
そして、遊技モード制御手段180は、図10に示す遊技モード設定用テーブル180Aを参照して各遊技モードにおける特図高確及び普図高確に係る遊技回数を設定するようになっている。遊技状態設定用テーブル180Aは、特別図柄の種類と、遊技モードの種類及び特図高確及び普図高確に係る遊技回数の対応関係を規定するものである。遊技モード制御手段180は、この遊技モード設定用テーブル180Aを参照することにより、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選による抽選の結果として導出される特図当りの種類に応じて、当り遊技終了後に遊技モードを移行させる。そして、当り遊技終了後からは移行後の遊技モードによる遊技が開始されることとなる。
【0049】
次に、図4に示す変動表示制御手段130について説明する。変動表示制御手段130は、第1特別図柄及び第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間の概念を含む)を複数種類の変動パターンのうちから電子抽選により決定するものである。同図に示すように、変動表示制御手段130は、第1特別図柄の変動パターンを決定する第1特別図柄用変動パターン抽選手段131と、第2特別図柄の変動パターンを決定する第2特別図柄用変動パターン抽選手段141とを備えており、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131及び第2特別図柄用変動パターン抽選手段141は、それぞれ個別に、かつ並行して、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間を決定する。
【0050】
具体的には、図8(a)に示すように、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第1特図変動パターン用乱数を発生させる第1特図変動パターン用乱数発生手段132と、第1始動入賞口61A又は第2始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機に(第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第1特図変動パターン用乱数発生手段132で発生した第1特図変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する第1特図変動パターン用乱数取得手段133と、この第1特図変動パターン用乱数取得手段133により取得された第1特図変動パターン用乱数に基づき、第1特図用第1変動パターンテーブル134A、第1特図用第2変動パターンテーブル134B、第1特図用第3変動パターンテーブル134C、又は、第1特図用第4変動パターンテーブル134Dの何れか1つを参照して第1特別図柄の特図変動パターンを選択する第1特図変動パターン選択手段134と、第1特別図柄の変動中に第1始動入賞口61A又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞に基づき第1特図変動パターン用乱数取得手段133が第1特図変動パターン用乱数を取得した場合に、その第1特図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第1特図変動パターン用乱数保留手段135とを備える。
第1特図変動パターン用乱数保留手段135により記憶された第1特図変動パターン用乱数は、変動中の第1特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に、第1特図変動パターン選択手段134による特図変動パターンの選択に用いられるようになっている。
なお、第1特図用第1変動パターンテーブル134A、第1特図用第2変動パターンテーブル134B、第1特図用第3変動パターンテーブル134C、第1特図用第4変動パターンテーブル134Dの詳細については、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141において参照される第2特図用第1変動パターンテーブル144A、第2特図用第2変動パターンテーブル144B、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cに関する説明と合わせて後に詳述する。
【0051】
図8(b)に示すように、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第2特図変動パターン用乱数を発生させる第2特図変動パターン用乱数発生手段142と、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に(第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第2特図変動パターン用乱数発生手段142で発生した第2特図変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する第2特図変動パターン用乱数取得手段143と、この第2特図変動パターン用乱数取得手段143により取得された第2特図変動パターン用乱数に基づき、第2特図用第1変動パターンテーブル144A、第2特図用第2変動パターンテーブル144B、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cの何れか1つを参照して第2特別図柄の特図変動パターンを選択する第2特図変動パターン選択手段144と、第2特別図柄の変動中に第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき第2特図変動パターン用乱数取得手段143が第2特図変動パターン用乱数を取得した場合に、その第2特図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第2特図変動パターン用乱数保留手段145とを備える。第2特図変動パターン用乱数保留手段145により記憶された第2特図変動パターン用乱数は、変動中の第2特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図変動パターン選択手段144による特図変動パターンの選択に用いられるようになっている。
【0052】
図11は、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131により参照される第1特図用第1変動パターンテーブル134A、第1特図用第2変動パターンテーブル134B、第1特図用第3変動パターンテーブル134C及び第1特図用第3変動パターンテーブル134Dを示し、図12は、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141により参照される第2特図用第1変動パターンテーブル144A、第2特図用第2変動パターンテーブル144B、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cを示す。
以下、各図を参照して各テーブルの内容及びテーブル同士の関係について説明する。なお、以下の説明においては各テーブルを単に変動パターンテーブル134A〜134D及び変動パターンテーブル144A〜144Cという場合がある。
【0053】
変動パターンテーブル134A〜134Dは、第1特図変動パターン用乱数と特図変動パターンNoとの対応関係を規定するものである。変動パターンテーブル144A〜144Cは、第2特図変動パターン用乱数と特図変動パターンNoとの対応関係を規定するものである。特図変動パターンNoは、特図変動パターン(変動時間)の種類と予め対応付けられたものである。
【0054】
図13に示すように、各変動パターンテーブル134A〜134D及び144A〜144Cは、それぞれ、前述の4種類の遊技モードのそれぞれに予め対応付けられている。
具体的には、遊技モードが通常状態である場合、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131には、第1特図用第1変動パターンテーブル134Aが予め対応付けられ、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141には、第2特図用第1変動パターンテーブル144Aが予め対応付けられる。
また、遊技モードがチャンスモードである場合、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131には、第1特図用第2変動パターンテーブル134Bが予め対応付けられ、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141には、第2特図用第2変動パターンテーブル144Bが予め対応付けられる。
また、遊技モードが大チャンスモードである場合は、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131には、第1特図用第3変動パターンテーブル134Cが予め対応付けられ、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141には、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cが予め対応付けられる。
また、遊技モードが特大チャンスモードである場合は、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131には、第1特図用第4変動パターンテーブル134Dが予め対応付けられ、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141には、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cが予め対応付けられる。そして、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131を構成する第1特図変動パターン選択手段134と、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141を構成する第2特図変動パターン選択手段144のそれぞれは、そのときの遊技モードに対応付けられた変動パターンテーブル134A〜134D、変動パターンテーブル144A〜144Cのいずれか1つを参照して第1特別図柄、第2特別図柄それぞれの特図変動パターンを決定するようになっている。
【0055】
以下、図11,図12を参照して各変動パターンテーブル134A〜134D、144A〜144Cについて説明する。図11,12に示すように、各変動パターンテーブルはそれぞれ、前述の第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が特図当りである場合に参照される特図当り用テーブルと、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用テーブルとに区分される。
【0056】
図11(a)に示すように、第1特図変動パターン選択手段134により、遊技モードが通常モードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル134A−1には、第1特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第1特別図柄変動パターン用乱数0〜40に第1特図変動パターンNo11(変動時間12秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo12(変動時間12秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo13(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo14(変動時間90秒)が対応付けられている。
また、遊技モードが通常モードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル134A−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0057】
また、図12(a)に示すように、遊技モードが通常モードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル144A−1には、第2特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。
具体的には、第2特別図柄変動パターン用乱数0〜40に第2特図変動パターンNo11(変動時間120秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第2特図変動パターンNo12(変動時間120秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第2特図変動パターンNo13(変動時間600秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第2特図変動パターンNo14(変動時間900秒)が対応付けられている。
また、遊技モードが通常モードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル144A−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0058】
前述のとおり、上記の変動パターンテーブル134Aと、変動パターンテーブル144Aとは、遊技モードが通常モードである場合に、それぞれ第1特図変動パターン選択手段134、第2特図変動パターン選択手段144により参照されるテーブルである。
そして、特に特図抽選(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合にそれぞれ参照される変動パターンテーブル134A−1と、変動パターンテーブル144A−1とを比較した場合、変動パターンテーブル134A−1において最も短い変動時間は12秒であるのに対して、変動パターンテーブル144A−1において最も短い変動時間は、その10倍の120秒である。また、変動パターンテーブル134A−1において最も長い変動時間は90秒であるのに対して、当該変動時間は、変動パターンテーブル144A−1において最も短い変動時間である120秒よりも短い。
つまり、遊技モードが通常モードである場合、第2特別図柄抽選における1回の結果が導出されるのに掛かる時間は最短でも120秒となるのに対して、第1特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は最短で12秒であることから、仮に第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが略同時期に開始され、その後連続して抽選を実行するとした場合、単位時間あたりの抽選回数(変動回数)は、第2特別図柄抽選の回数よりも、第1特別図柄抽選の回数の方が多くなる。
換言すると、変動パターンテーブル134A−1に規定された変動時間の平均は、変動パターンテーブル144A−1に規定された変動時間の平均よりも短く、当該変動パターンテーブル134A−1が参照された場合の単位時間あたりの平均抽選回数(変動回数)は、第2特別図柄抽選の回数よりも多くなる。
但し、最も遊技モードが通常モード(特図低確,普図低確)である場合、前述のとおり普図抽選の結果が普図当りとなる確率が普図高確に対して極めて低く設定され、かつ、普図抽選の結果が普図当りである場合に電動チューリップ63の開放時間は0.2秒に設定されているため、通常モードにおいて第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが略同時期に、換言すれば第1特別図柄と第2特別図柄とが個別、かつ並行して変動する頻度は他の遊技モードに比べ限りなく低い。
【0059】
引き続き他の変動パターンテーブルについて説明する。
図11(b)に示すように、第1特図変動パターン選択手段134により、遊技モードがチャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル134B−1には、第1特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。
具体的には、第1特別図柄変動パターン用乱数0〜50に第1特図変動パターンNo11(変動時間12秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数51〜99に第1特図変動パターンNo12(変動時間12秒)が対応付けられている。
また、遊技モードがチャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル134B−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0060】
また、図12(b)に示すように、遊技モードがチャンスモードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル144B−1には、第2特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第2特別図柄変動パターン用乱数0〜43に第2特図変動パターンNo15(変動時間45秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数44〜70に第2特図変動パターンNo16(変動時間45秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数71〜99に第2特図変動パターンNo17(変動時間45秒)が対応付けられている。
また、遊技モードがチャンスモードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル144B−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0061】
前述のとおり、変動パターンテーブル134Bと、変動パターンテーブル144Bとは、遊技モードがチャンスモードである場合に、それぞれ第1特図変動パターン選択手段134、第2特図変動パターン選択手段144により参照されるテーブルである。
そして、特に特図抽選(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合にそれぞれ参照される変動パターンテーブル134B−1と、変動パターンテーブル144B−1とを比較した場合、変動パターンテーブル134B−1には、変動時間12秒のみが規定されており、変動パターンテーブル144B−1には45秒のみが規定されている。つまり、遊技モードがチャンスモードである場合、第2特別図柄抽選の1回の結果が導出されるのに掛かる時間は45秒であり、第1特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は12秒であることから、仮に第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが略同時期に開始され、その後連続して抽選を実行するとした場合、単位時間あたりの抽選回数(変動回数)は、依然として第2特別図柄抽選の回数よりも、第1特別図柄抽選の回数の方が多くなる。
一方で、遊技モードが通常モードである場合と比較すると、互いの平均変動時間の差が大幅に縮小されているため、第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数は、通常モードにおける抽選回数よりも必然的に多くなる。つまり、チャンスモードにおいては、通常モードに比べ第2特別図柄抽選を受けられる頻度が多くなる。
なお、本チャンスモードは、前述のとおり普図高確となるモードであるため、電動チューリップ63の開放が行われ易く、遊技者は、遊技盤30の盤面右側部方向へ球を打ち出すことにより、第1始動入賞口61B及び第2始動入賞口62の両方の入賞口への入賞の機会を得ることが可能となる。
【0062】
即ち、本実施形態における通常モード及びチャンスモードにおいてそれぞれ参照される変動パターンテーブル134A、及び、変動パターンテーブル134Bは、第1特別図柄用当否抽選手段110により決定された特別図柄(第1特別図柄)が導出表示されるまでの変動時間が、第2特別図柄用当否抽選手段120により決定された特別図柄(第2特別図柄)が導出表示されるまでの変動時間よりも短くなるように規定されたテーブルであって、第1特別図柄用当否抽選手段110による単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)を第2特別図柄用当否抽選手段120による単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)よりも多くする第1の変動時間テーブル群に属するテーブルである。
【0063】
引き続き他の変動パターンテーブルについて説明する。
図11(c)に示すように、第1特図変動パターン選択手段134により、遊技モードが大チャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル134C−1には、第1特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第1特別図柄変動パターン用乱数0〜50に第1特図変動パターンNo15(変動時間30秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数51〜99に第1特図変動パターンNo16(変動時間30秒)が対応付けられている。
また、遊技モードが大チャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル134C−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0064】
また、図12(c)に示すように、遊技モードが大チャンスモード又は特大チャンスモードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル144C−1には、第2特別図柄変動パターン用乱数と対応して単一の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第2特別図柄変動パターン用乱数0〜99に第2特図変動パターンNo18(変動時間5秒)が対応付けられている。
また、遊技モードが大チャンスモードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル144C−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0065】
上述のとおり、変動パターンテーブル134Cと変動パターンテーブル144Cとは、遊技モードが大チャンスモードである場合に、それぞれ第1特図変動パターン選択手段134、第2特図変動パターン選択手段144により参照されるテーブルである。
そして、特に特図抽選(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合にそれぞれ参照される変動パターンテーブル134C−1と、変動パターンテーブル144C−1とを比較した場合、変動パターンテーブル134C−1には、変動時間30秒のみが規定されており、変動パターンテーブル144C−1には5秒のみが規定されている。つまり、遊技モードが大チャンスモードである場合、第2特別図柄抽選の1回の結果が導出されるのに掛かる時間は5秒であり、第1特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は30秒であることから、仮に第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが略同時期に開始され、その後連続して抽選を実行するとした場合、単位時間あたりの抽選回数(変動回数)は、第2特別図柄抽選の回数が、第1特別図柄抽選の回数よりも多くなる。つまり、大チャンスモードにおいては、第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)が、第1特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)を上回るため、通常モード、チャンスモードに比べ第2特別図柄抽選を受けられる頻度がより多くなる。
【0066】
引き続き他の変動パターンテーブルについて説明する。
図11(d)に示すように、第1特図変動パターン選択手段134により、遊技モードが特大チャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル134D−1には、第1特別図柄変動パターン用乱数と対応して単一の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第1特別図柄変動パターン用乱数0〜99に第1特図変動パターンNo17(変動時間495秒)が対応付けられている。また、遊技モードが大チャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル134D−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0067】
上記変動パターンテーブル134Dと変動パターンテーブル144Cとは、遊技モードが特大チャンスモードである場合に、それぞれ第1特図変動パターン選択手段134、第2特図変動パターン選択手段144により参照されるテーブルである。
そして、特に特図抽選(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合にそれぞれ参照される変動パターンテーブル134D−1と、変動パターンテーブル144C−1とを比較した場合、変動パターンテーブル134D−1には、変動時間495秒のみが規定されており、変動パターンテーブル144C−1には5秒のみが規定されている。つまり、遊技モードが特大チャンスモードである場合、1回の第2特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は5秒であるのに対して、第1特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は495秒であることから、仮に第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが略同時期に開始され、その後連続して抽選を実行するとした場合、単位時間あたりの抽選回数(変動回数)は、第2特別図柄抽選の回数が、第1特別図柄抽選の回数よりも圧倒的に多くなる。
つまり、特大チャンスモードにおいては、その変動時間の差により第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)が、第1特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数(平均抽選)を大幅に上回るため、通常モード、チャンスモード、或いは大チャンスモードに比べ第2特別図柄抽選を受けられる頻度がより一層多くなる。
より詳細には、例えば遊技モードが特大チャンスモードに移行し、遊技者が遊技盤30の盤面右側部方向へ球を打ち出し、例えば略同時期に第1始動入賞口61B及び第2始動入賞口62の両方の入賞口へ遊技球が入賞したとすると、第1始動入賞口61への入賞を契機として実行される第1特別図柄抽選の結果が導出されるのは、変動開始から495秒後であるのに対し、第2始動入賞口62への入賞を契機として実行される第2特別図柄抽選の結果が導出されるのは、変動開始から僅か5秒後である。
つまり、特大チャンスモードにおいては、1回の第1特別図柄抽選の結果が導出表示されるまでの間に、第2特別図柄抽選の結果が繰り返し導出表示されることとなる。そして、変動パターンテーブル134Dに規定された495秒との変動時間は、変動パターンテーブル144Cに規定された5秒の変動時間に、特図高確及び普図高確の上限として設定された遊技回数99回を乗じた変動時間であることから、特大チャンスモードにおいては、事実上、第2特別図柄抽選のみが実行され、当該抽選の結果が繰り返し導出されることとなる。なお、第2特別図柄の停止から次回の変動開始までのタイムラグを考慮して、変動パターンテーブル134Dに規定する変動時間を495秒以上に設定してもよい。また、事実上、特大チャンスモード中において第1特別図柄抽選の結果が導出表示することが不可能な変動時間を規定することも可能である。
【0068】
即ち、本実施形態における大チャンスモード及び特大チャンスモードにおいてそれぞれ参照される変動パターンテーブル144C、及び、変動パターンテーブル134Dは、第1特別図柄用当否抽選手段110により決定された特別図柄(第1特別図柄)が導出表示されるまでの変動時間が、第2特別図柄用当否抽選手段120により決定された特別図柄(第2特別図柄)が導出表示されるまでの変動時間よりも長くなるように規定されたテーブルであって、第1特別図柄用当否抽選手段110による単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)を第2特別図柄用当否抽選手段120による単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)よりも少なくする第2の変動時間テーブル群に属するテーブルである。
【0069】
次に、サブ制御装置200について説明する。サブ制御装置200は、主制御装置100から送信されてくる情報である第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に係る特図当り又はハズレと、特別図柄の種類と、特図変動パターンNoと、前述の遊技モード制御手段180により設定された現在の遊技モードに基づき演出表示装置50に表示させる背景を決定する背景決定手段210を備える。
この背景決定手段210は、予め設定された遊技モードの種類と背景画像の種類との対応関係を規定した背景用テーブル210Aを備え、この背景用テーブル210Aを参照して、演出表示装置50に表示させる背景画像を決定するようになっている。
図14に示すように、背景用テーブル210Aにおいて、通常モードには通常背景画像と、チャンスモードにはチャンスモード背景画像、大チャンスモードには大チャンス背景画像が予め対応付けられていて、特大チャンスモードには特大チャンス背景画像が予め対応付けられている。これらの背景画像は区別が容易なものであり、従って遊技者は背景画像を見て現在の遊技モードを判断することができる。これにより、通常背景画像、チャンス背景画像よりも大チャンス背景画像また特大チャンス背景画像が表示されている場合の方が、単位時間あたりの抽選回数が第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選よりも多くなることの期待を遊技者に抱かせることができ、特大チャンス背景画像が表示されている場合に、事実上第2特別図柄抽選のみが実行されることを確信させながら遊技を続けさせることができる。
【0070】
また、サブ制御装置200は、主制御装置100から個別に、かつ、並行して送信されてくる情報である第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が特図当りである場合の
特別図柄の種類(2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄A)と、第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo1〜No4、及び、第1特図変動パターンNo11〜No17のうちの1つ)又は、第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo1〜No4、及び、第2特図変動パターンNo11〜No18のうちの1つ)とに基づき、第1演出図柄と第1特別図柄、第2演出図柄と第2特別図柄がそれぞれ略同期して変動を開始して、変動時間の経過とともに停止するよう演出表示装置50を制御するものである。
【0071】
サブ制御装置200は、主制御装置100から送信されてくる演出図柄の表示に係る情報に基づき、停止して表示される第1演出図柄、第2演出図柄の態様、即ち両演出図柄の停止図柄を決定するようになっている。具体的には、サブ制御装置200は、何れの遊技モード中であっても特図当り時における第1特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合には、「222」、「444」の何れかを電子抽選により第1演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合には、「666」、「888」の何れかを電子抽選により第1演出図柄又は第2演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。また、第1特別図柄の種類が5R特別図柄Bに決定された場合には、「111」、「333」、「555」の何れか1つを電子抽選により第1演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合には、「777」を第1演出図柄又は第2演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。
【0072】
なお、サブ制御装置200は、第1特別図柄用当否抽選手段110、第2特別図柄用当否抽選手段120による電子抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレの場合であって、演出パターンがリーチの場合には3つの数字のうちの中央の数字のみが他の2つと異なるリーチ目「121」や「454」などが演出図柄の停止図柄となるように、又は、演出パターンがリーチでない場合には3つの数字が全て異なるハズレ目となるように、予め用意された複数種類のハズレ用停止図柄のうちから電子抽選により決定するようになっている。
【0073】
また、図4に示すように、本実施形態におけるサブ制御装置200は、前述の変動表示制御手段130により決定された第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo)又は第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo)と、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果(第1特図当り、第2特図当り又はハズレ)とに基づいて演出パターン(第1演出図柄又は第2演出図柄の変動パターン)を決定するための、演出パターン選択手段220を備える。
演出パターン選択手段220は、第1特図変動パターンNoと演出パターンの種類との対応関係を規定する第1演出パターンテーブル221、及び、第2特図変動パターンNoと演出パターンの種類との対応関係を規定する第2演出パターンテーブル222を備え、この演出パターンテーブル221;222を参照して第1演出図柄、第2演出図柄それぞれの演出パターンを選択するものである。
【0074】
第1演出図柄の演出パターンが規定された第1演出パターンテーブル221は、図15に示すハズレ用演出パターンテーブル221Aと、特図当り用演出パターンテーブル221Bとにより構成される。図15(a)に示すハズレ用演出パターンテーブル221Aには、第1特図変動パターンNo11にハズレ変動A(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo12にハズレ変動B(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo13にミドルリーチA(変動時間60秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo14にロングリーチA(変動時間90秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo15にハズレ変動C(変動時間30秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo16にショートリーチA(変動時間30秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo17にハズレ変動D(変動時間495秒)が対応付けられている。
【0075】
図15(b)に示す特図当り(第1特図当り)用演出パターンテーブル221Bには、第1特図変動パターンNo1にミドルリーチA(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo2にミドルリーチB(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo3にミドルリーチC(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo4にロングリーチA(変動時間90秒)が予め対応付けられている。
【0076】
第2演出図柄の演出パターンが規定された第2演出パターンテーブル222は、図16に示すハズレ用演出パターンテーブル222Aと、特図当り用演出パターンテーブル222Bとにより構成される。図16(a)に示すハズレ用演出パターンテーブル222Aには、第2特図変動パターンNo11にハズレ変動A(変動時間120秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo12にハズレ変動B(変動時間120秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo13にハズレ変動C(変動時間600秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo14にハズレ変動D(変動時間900秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo15にショートリーチA(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo16にハズレ変動E(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo17にハズレ変動F(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo18にハズレ変動G(変動時間5秒)が対応付けられている。
【0077】
図16(b)に示す特図当り(第2特図当り)用演出パターンテーブル222Bには、第2特図変動パターンNo1にミドルリーチA(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo2にミドルリーチB(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo3にミドルリーチC(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo4にロングリーチA(変動時間90秒)が予め対応付けられている。
【0078】
演出パターン選択手段220は、第1演出図柄を演出表示装置50において変動表示させるに際し、主制御装置100から送信される第1特図変動パターンと第1特別図柄抽選の結果(第1特図当り又はハズレ)に基づいて上記第1演出パターンテーブル221を構成する何れかのテーブル(特図当り用又は外れ用)を参照し、第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo)と対応する演出パターンを決定する。
また、演出パターン選択手段220は、上記演出パターンの決定とは個別に、かつ並行して第2演出図柄を演出表示装置50において変動表示させるに際し、主制御装置100から送信される第2特図変動パターンと第2特別図柄抽選の結果(第2特図当り又はハズレ)に基づいて上記第2演出パターンテーブル222を構成する何れかのテーブル(特図当り用又は外れ用)を参照し、第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo)と対応する演出パターンを決定する。
【0079】
サブ制御装置200によって変動が開始された第1演出図柄、第2演出図柄は、上記各演出パターンにより変動を開始するとともに、変動時間の経過とともに前述の第1特別図柄、第2特別図柄の停止時期と略同期して第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果を示す態様により停止表示される。そして、停止表示された第1特別図柄及び第1演出図柄、又は第2特別図柄及び第2演出図柄の停止態様がそれぞれ第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が第1特図当り又は第2特図当りを示す態様である場合には、前述した当り遊技が開始されるとともに、特図当りの種類によって当り遊技後の遊技モードが移行する。
【0080】
以下、図17を参照しつつ、本実施形態に係るパチンコ機1おけるゲーム性について説明する。
まず、現在の遊技モードが通常モードである場合に遊技者による遊技が開始される場合、通常モードにおける遊技状態は普図低確であることから、普図抽選の結果が普図当りとなる確率は普図高確に対して極めて低く設定され、かつ、普図抽選の結果が普図当りである場合における電動チューリップ63の開放時間は0.2秒に設定されているため、遊技球を遊技盤30の盤面右側部に打ち出しても、遊技球を第2始動入賞口62に入賞させることは極めて困難であるため、遊技球を遊技盤30の盤面左側部に打ち出すことにより、第1始動入賞口61Aに入賞させることが得策となる。つまり、遊技モードが通常モードである場合、第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づいて実行される第2特別図柄抽選が開始されることは殆どなく、その結果、第2特別図柄が第1特別図柄と並行して変動することも殆どない。よって、遊技者は、まず第1特別図柄抽選において特図当り(第1特図当り)を獲得することが目標となる。
【0081】
次に、通常モードにおいて第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)となり、当該第1特図当りの種類が、2R特別図柄A以外の種類であった場合、遊技モード設定手段180による遊技モードの移行処理が実行され、当り遊技終了後に移行後の遊技モードによる遊技が開始される。なお、特図当りの種類が2R特別図柄Aである場合は遊技モードの移行が行われることはなく、当り遊技終了後再び通常モードが継続することとなる。
【0082】
第1特図当りの種類が5R特別図柄Aである場合、当り遊技終了後にはチャンスモードによる遊技が開始される。前述のとおり、チャンスモードにおける遊技状態は、特図低確、普図高確であるため、通常モードの場合と比較して遊技者が遊技盤30の盤面右側部に遊技球を打ち出すことにより、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易くなり、これにより遊技球が第2始動入賞口62に入賞する頻度が高まり、第2特別図柄当否用抽選手段120による第2特別図柄抽選の抽選回数が通常モードにおける抽選回数よりも多くなる。そして、図7(b)に示すとおり、第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図)である場合の特図当りの種類が、15R特別図柄Aとなる確率は全体の80%に設定されているため、チャンスモード中は、15R特別図柄Aの獲得の好機となる。一方で、チャンスモードの遊技状態は特図低確であるため、後述の大チャンスモード及び特大チャンスモードの場合と比較して、抽選の結果が特図当り(第1特図当り又は第2特図当り)となる確率は低い。
また、チャンスモードにおいて参照される変動パターンテーブルは、それぞれ変動パターンテーブル134B及び変動パターンテーブル144Bであるため、その規定された変動時間の関係から後述の大チャンスモード及び特大チャンスモードの場合と比較して、全体の抽選回数(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)に対する第2特別図柄抽選の回数が占める割合は低い。つまり、通常モードにおいては、大チャンスモード又は特大チャンスモードに移行可能な5R特別図柄B及び15R特別図柄Aを獲得することが鍵となる。
【0083】
第1特図当りの種類が5R特別図柄Bである場合、当り遊技終了後には大チャンスモードによる遊技が開始される。前述のとおり、大チャンスモードにおける遊技状態は、特図高確、普図高確であるため、チャンスモードと同様に遊技者が遊技盤30の盤面右側部に遊技球を打ち出すことにより、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易くなり、これにより遊技球が第2始動入賞口62に入賞する頻度が高まる。また、大チャンスモードの遊技状態は特図高確であるため、前述の通常モード及びチャンスモードの場合と比較して、抽選の結果が特図当り(第1特図当り又は第2特図当り)となる確率は高い。
さらに、大チャンスモードにおいて参照される変動パターンテーブルは、それぞれ変動パターンテーブル134C及び変動パターンテーブル144Cであるため、その規定された変動時間の関係、より詳細には、第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数が、第1特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数を上回る関係であるため、チャンスモードに比べ、全体の抽選回数(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)に対する第2特別図柄抽選の占める割合が、第1特別図柄抽選が占める割合よりも多くなる。そして、前述のとおり、第2特別図柄抽選の回数が第1特別図柄抽選の回数よりも多くなれば、大チャンスモードにおいて特図当り(第2特図当り)となった場合に15R特別図柄Aとなる確率も向上するため、大チャンスモードは、15R特別図柄Aを獲得する好機となる。
一方、大チャンスモードにおいて参照される変動パターンテーブルは、それぞれ変動パターンテーブル134C及び変動パターンテーブル144Cであるため、その規定された変動時間の関係から後述の特大チャンスモードと比較して、第1特別図柄抽選の抽選回数の割合が高く、換言すれば第1特別図柄抽選が実行される可能性が残されており、遊技を最も有利に進めるためには特大チャンスモードに移行することが鍵となる。
【0084】
第1特図当りの種類が15R特別図柄Aである場合、当り遊技終了後には特大チャンスモードによる遊技が開始される。前述のとおり、特大チャンスモードにおける遊技状態は、特図高確、普図高確であり、大チャンスモードと同様に遊技者が遊技盤30の盤面右側部に遊技球を打ち出すことにより、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易くなり、これにより遊技球が第2始動入賞口62に入賞する頻度が高まる。また、大チャンスモードの遊技状態は特図高確であるため、前述の通常モード及びチャンスモードの場合と比較して、抽選の結果が特図当り(第1特図当り又は第2特図当り)となる確率は高い。さらに、特大チャンスモードにおいて参照される変動パターンテーブルは、それぞれ変動パターンテーブル134D及び変動パターンテーブル144Cであるため、その規定された変動時間の関係、より詳細には、第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数が、第1特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数を大幅に上回り、かつ、実質的に予め規定された遊技回数の上限(99回)まで第1特別図柄抽選の結果が導出されない関係であるため、大チャンスモードに比べ、全体の抽選回数(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)に対する第2特別図柄抽選の占める割合が略100%となる。そして、前述のとおり、第2特別図柄抽選の回数が多くなれば、特大チャンスモードにおいて特図当り(第2特図当り)となった場合に15R特別図柄Aとなる確率も向上するため、特大チャンスモードは、第1特別図柄抽選の結果が、事実上導出表示されることがない点、換言すれば第1特別図柄の変動中に第2特別図柄抽選の抽選回数が普図高確の上限に達する点で大チャンスモードよりも15R特別図柄Aを獲得する好機となる。
そして、一度特大チャンスモードに移行すれば、普図高確遊技回数の上限(99回)までは、事実上、第2特別図柄抽選による結果を示す第2特別図柄及び第2演出図柄のみがそれぞれ第2特別図柄表示器40B及び演出表示装置50に繰り返し導出表示されることとなるため、第2特別図柄抽選において、特別図柄の種類が全体の20%に設定された5R特別図柄Aに決定されるまでは、高い継続率(80%)により特大チャンスモードが継続(ループ)することとなる。つまり、普図高確である特大チャンスモードにおいては、第2の変動時間テーブルに属する変動パターンテーブル134Dが設定される割合が、第1の変動時間テーブルに属する変動パターンテーブル134Bが設定される割合よりも高く設定されている。さらに特大チャンスモードにおいて特図当りとなる場合の当り遊技は、15ラウンド(15R特別図柄A)となる割合が高いため、他の特図当り種類に基づいて実行される当り遊技と比較して多くの賞球を得ることが可能となる。
【0085】
本発明に係るパチンコ機1は、上述のとおり遊技モード、換言すれば特図当りの種類によって第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が導出表示されるまでの変動時間を調整することにより、遊技者にとって不利な状態(通常モード又はチャンスモード)又は有利な状態(大チャンスモード又は特大チャンスモード)を段階的に生成することができる。また、遊技者にとって最も有利な状態である特大チャンスモード中において実行される第2特別図柄抽選の結果が特図当りである場合の特図当りの種類(15R特図当りA)を全体の80%としたことにより、特大チャンスモードを繰り返して継続させることが可能となる。そして、遊技者は、当該モードが繰り返して継続する度に15ラウンド分の賞球を得ることができるため、換言すれば第2特別図柄抽選の重要度が第1特別図柄抽選の重要度よりも大きく設定されているため、趣向性の高い遊技を提供することが可能となる。
【0086】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態に多様な変更、改良を加え得ることは当業者にとって明らかであり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0087】
本実施形態に係るパチンコ機1においては、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが個別、かつ、並行して実行され、各抽選の結果を示す特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の導出表示についても個別、かつ、並行してなされることから第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の結果がともに特図当り(第1特図当り,第2特図当り)となる場合が想定されるがその場合、遅れて抽選を開始した一方の特別図柄抽選の結果を強制的にハズレとする処理を実行し、ハズレに対応する態様で特別図柄を停止させる処理や、遅れて抽選を開始した一方の特別図柄抽選の結果を先に抽選を開始した一方の特別図柄抽選の結果として実行される当り遊技終了後に導出表示することにより当り遊技を連続的に実行する処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 パチンコ機,30 遊技盤,31 遊技領域,40A 第1特別図柄表示装置,
40B 第2特別図柄表示装置,41 普通図柄表示装置,50 演出表示装置,
61A;61B 第1始動入賞口,62 第2始動入賞口,63 電動チューリップ,
66 スルーチャッカ,100 主制御装置,110 第1特別図柄用当否抽選手段,
120 第2特別図柄用当否抽選手段,130 変動表示制御手段,
150 普通図柄用当否抽選手段,200 サブ制御装置,
220 演出パターン選択手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、複数の特別図柄を同時に導出表示可能なパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技機の一例としてのパチンコ機には、遊技盤上に複数の始動入賞口を配設し、1の始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて一方の電子抽選を実行するとともに、当該電子抽選とは個別に他の始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて他方の電子抽選を並行して実行し、各電子抽選の結果を特定の態様により、それぞれ個別に設けられた表示器に導出表示することにより報知する形態のパチンコ機が知られている。
この種のパチンコ機は、一方の電子抽選と他方の電子抽選とが略同時期の入賞に基づいて実行可能となる場合に、同時並行的に抽選結果を導出表示するための処理が実行され、かつ、抽選結果を同時並行的に導出表示する点でいずれか一方の電子抽選を優先して実行するとともに、他方の電子抽選の抽選結果を導出表示するための処理を保留状態とする一般的なパチンコ機とは異なるが、一方の電子抽選と他方の電子抽選とが同時並行的に実行されるという一般的なパチンコ機との相違を十分に生かした遊技性が未だ確立されておらず、いずれか一方の電子抽選を優先して実行する一般的なパチンコ機と同等、或いは、これを超える趣向性を持ったパチンコ機の開発が強く要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−26178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、複数の電子抽選を個別かつ並行して実行するパチンコ機において、複数の電子抽選を個別かつ並行して実行することを生かした遊技性を有し、趣向性の高い新たなパチンコ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのパチンコ機に係る構成として、変動表示制御手段により参照され、第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間を第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間よりも短くすることで、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも多くする第1変動時間テーブルと、第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間を第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間よりも長くすることで、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも少なくする第2変動時間テーブルと、第1特別図柄抽選手段又は第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が予め互いに異なる割合で設定された複数の特図当りの何れかであるときに、当該特図当りの種類に応じて第1変動時間テーブル又は第2変動時間テーブルを設定する変動時間テーブル設定手段とを設け、複数の特図当りが少なくとも遊技状態を通常状態から当該通常状態よりも普図当りに当選する確率が高い普図高確状態とする特図当りを含み、第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中においては、第2変動時間テーブルが設定される割合が第1変動時間テーブルが設定される割合よりも高い構成とした。
【0006】
本構成からなるパチンコ機によれば、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも多くする第1変動時間テーブルと、第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも少なくする第2変動時間テーブルとが設けられ、第1特別図柄抽選手段又は第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が予め互いに異なる割合で設定された複数の特図当りの種類に応じて第1変動時間テーブル又は第2変動時間テーブルを設定する変動時間テーブル設定手段が設けられていることから、特図当りの種類に応じて第1特別図柄抽選手段及び第2特別図柄抽選手段の抽選回数に差を持たせることが可能となる。
また、複数の特図当りが少なくとも遊技状態を通常状態から当該通常状態よりも普図当りに当選する確率が高い普図高確状態とする特図当りを含み、第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中においては、第2変動時間テーブルが設定される割合が第1変動時間テーブルが設定される割合よりも高いことにより、第2特別図柄抽選手段による抽選回数を第1特別図柄抽選手段による抽選回数よりも多くすることが可能となり、当該第2特別図柄抽選手段による抽選回数が第1特別図柄抽選手段による抽選回数よりも多い状態を繰り返し継続(ループ)させることが可能となる。
よって、第2特別図柄抽選手段による特図抽選の結果が特図当りである場合に移行する特定遊技状態中に遊技者が得られる利益を第1特別図柄抽選手段による特図抽選の結果が特図当りである場合に移行する特定遊技状態中に遊技者が得られる利益よりも大きく設定することにより、第2特別図柄抽選手段による特図抽選に重要性を持たせることができ、遊技の趣向性が向上する。なお、上記特定遊技状態中に遊技者が得られる利益とは、入賞によって得られる賞球数、継続ラウンド数、ラウンド継続時間等を含む。
また、他の構成として、第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中において参照される第2変動時間テーブルには、普図高確状態中において実質的に第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄を導出表示することが不可能な変動時間が規定された構成とした。
本構成によれば、第2変動時間テーブルに普図高確状態中において、実質的に第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄を導出表示することが不可能な変動時間が規定されているため、普図高確状態が終了するまでは、第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄のみを導出表示させることが可能となる。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ機の外観斜視図である。
【図2】図1に示したパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図3】図1に示したパチンコ機の背面図である。
【図4】図1に示したパチンコ機の制御に係る構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示した第1,第2特図当否用抽選手段の構成の詳細を示す図である。
【図6】図5に示した特図低確時,特図高確時判定テーブルの詳細を示す図である。
【図7】図5に示した第1,第2特図当り種類テーブルの詳細を示す図である。
【図8】図4に示した第1,第2特別図柄用変動パターン抽選手段の構成の詳細を示す図である。
【図9】図4に示した普通図柄用当否抽選手段の構成の詳細を示す図である。
【図10】図4に示した遊技モード制御手段により参照される遊技モード設定用テーブルの詳細を示す図である。
【図11】図8に示す第1特図用変動パターンテーブルの詳細を示す図である。
【図12】図8に示す第2特図用変動パターンテーブルの詳細を示す図である。
【図13】遊技モードに対応して設定される第1,第2特図用変動パターンテーブルを示す図である。
【図14】図4に示した背景用テーブルの詳細を示す図である。
【図15】図4に示した第1演出パターンテーブルの詳細を示す図である。
【図16】図4に示した第2演出パターンテーブルの詳細を示す図である。
【図17】図1に示したパチンコ機の遊技性を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1〜図17を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
【0009】
図1,図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、遊技盤30を視認させるよう中央に大きくガラス窓4aが設けられたガラス扉4と、本体枠3の下側に開閉自在に設けられ、遊技球を収容する受皿6を有する前面ボード5と、本体枠3の下部に配設された図外(本体枠3の内部)の発射装置と、前面ボード5に取り付けられたハンドル7と、ガラス扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8とを備える。
【0010】
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には、支持部材等を介して、主制御装置100と、カバー部材に覆われた副制御装置を構成するサブ制御装置(演出制御装置)200と、払出制御装置300とが設けられている。主制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300は何れもCPU(Central Processing Unit)と、コンピュータプログラム及び遊技処理に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。
また、図3における払出制御装置300の左隣には、各制御装置に電力を供給するための電源装置400が設けられている。続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を詳しく説明していく。
【0011】
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。遊技領域31は、ガラス窓4aから観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されている。
【0012】
前面ボード5の受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。図4に示すように、払出制御装置300は、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム(可変抵抗器)7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて図2に示す矢印X方向に飛んで発射口34を通過し、遊技領域31の上部に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。
また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7に配設され、ハンドル7の回転操作が有効となる条件とするハンドル7の表面接触検出を行うためのタッチセンサ7Dが接続されている。
【0013】
遊技領域31内には、演出表示装置50と、ステージ51と、第1特別図柄表示装置40Aと、第2特別図柄表示装置40B、普通図柄表示装置41と、複数の第1始動入賞口(始動口)61A;61Bと、第2始動入賞口(始動口)62と、電動チューリップ63と、大入賞口64と、アタッカ装置65と、スルーチャッカ66と、複数の一般入賞口67と、アウト口68と、遊技領域31内の遊技球の流下方向に変化を与える(図2中では簡略化してある)図外の複数の遊技釘及び風車とが設けられている。
第1始動入賞口61Aは、遊技領域31の略中央部におけるステージ51の下方に位置する。第1始動入賞口61Bは、遊技領域31の右側部における第2始動入賞口62の下方に位置する。第1始動入賞口61Aと第1始動入賞口61Bとは、互いに抽選処理条件が同じとなって対となる入賞口であり、例えば遊技者の操作により遊技球が遊技領域31の左側部を流下する場合、第1始動入賞口61Aに入賞し易く、遊技領域31の右側部を流下する場合、第1始動入賞口61Bに入賞し易い盤面構成とされる。
また、本実施形態では、第1始動入賞口61Aの入賞の方が、第1始動入賞口61Bに入賞させることよりも容易(単位時間あたりの入賞率が高い)となるようにしている。
さらに、遊技球が遊技領域31の左側部を流下する場合において、第1始動入賞口61Bにも入賞する可能性を持たせたゲージ配列としているが、遊技球が遊技領域31の右側部を流下する場合には、第1始動入賞口61Aに対しては殆ど入賞させないゲージ配列としている。
従って、電動チューリップ63によって入賞を拒否する閉じ状態の第1始動入賞口61Bとなっている場合には、遊技球を遊技領域31の左側部へ流下させる方が有利に遊技を進められることとなる。なお、本発明における盤面構成は、第1始動入賞口61Aと第1始動入賞口61Bを鉛直方向上下に配置する等、上記盤面構成以外であっても構わない。
第1始動入賞口61A;61B、第2始動入賞口(始動口)62、大入賞口64、スルーチャッカ66、一般入賞口67のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、大入賞口検知センサ93、スルーチャッカ検知センサ94、一般入賞口検知センサ95が内臓されている。これらの検知センサ91〜95は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号(電気信号)を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御装置100に入力される。
本実施形態における「入賞口」は、遊技球が入ると遊技領域31の裏側に回収される遊技球収容口とし、「スルーチャッカ」は、遊技領域31に設けた遊技球の通過部を通過した後に、再び遊技領域31を流下させる遊技球通過口としている。
また、本実施形態における「1遊技」は、特別図柄表示装置が作動することとなる始動入賞口に遊技球が入賞し、当該特別図柄表示装置上の特別図柄が変動を開始したときから、当該変動が継続している状態を経て、当該変動が終了する特別図柄の停止表示時までとしている。
【0014】
第1特別図柄表示装置40Aは、第1始動入賞口61A;61Bへの遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる第1特別図柄に係る電子抽選(第1特別図柄抽選)の結果を表示するためのものであって、より具体的には、電子抽選の結果に基づいて特別図柄(数字や絵柄)が変動した後に、抽選結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)させるという態様で表示されるように後述の変動表示制御手段130により制御されるものである。
第2特別図柄表示装置40Bは、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、前述の電子抽選(第1特別図柄抽選)とは、個別かつ並行して主制御装置100により行われる第2特別図柄に係る電子抽選(第2特別図柄抽選)の結果を表示するためのものであって、より具体的には、電子抽選の結果に基づいて特別図柄(数字や絵柄)が変動した後に、抽選結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)させるという態様で表示されるように後述の変動表示制御手段130により制御されるものである。
なお、本実施形態においては、第1始動入賞口61A;61Bへの入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄とし、第2始動入賞口62への入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄としており、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動及び導出表示(停止表示)は、上述の第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選と同様に、変動表示制御手段130により互いに個別、かつ、並行して行われる。
また、第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bは、7セグメント表示器からなり、特別図柄の変動表示時間と対応する同じ時間内に所定の演出表示を行う演出表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤30の右下部分に離間して配置されている。第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄がそれぞれ変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が停止した状態である。また、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している時間は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間である。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間の決定処理については後述する。
【0015】
本実施形態では、上述のとおり、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選を個別に行い、それぞれ対応する第1特別図及び第2特別図柄を変動させた後、各抽選結果を表示する態様で各特別図柄を第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bに個別に導出表示する構成である。また、第1始動入賞口61A;61Bに基づく第1特別図柄抽選、及び、第2始動入賞口62に基づく第2特別図柄抽選は、それぞれ遊技球の入賞順に実行され、各抽選の結果(特別図柄)が個別に導出表示されるようになっている。
【0016】
演出表示装置50は、遊技盤30の略中央部に設けられている。演出表示装置50は、本実施形態においては液晶表示装置からなり、第1始動入賞口61A;61B及び第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に個別に実行される第1特別図柄及び第2特別図柄に係る抽選の結果に基づいて、所定の演出態様を表示するようにサブ制御装置200により制御されるものである。
演出表示装置50には、所定の演出態様の一部として第1特別図柄表示装置40Aに表示される第1特別図柄の変動と連動して変動表示される第1演出図柄(ダミー図柄)S1と、第2特別図柄表示装置40Bに表示される第2特別図柄の変動と連動して変動表示される第2演出図柄(ダミー図柄)S2とが、単一の表示領域内に個別に表示されている。ここで、原則、第1演出図柄(ダミー図柄)S1、及び第2演出図柄(ダミー図柄)S2の停止表示の態様は、第1特別図柄及び第2特別図柄の停止表示(抽選結果)の態様と同期する。
また、演出表示装置50内には、第1特別図柄抽選に対応する保留球乱数(後述)が主制御装置100のRAMに記憶された旨の表示を行う表示領域R1が設けられ、当該表示領域とは別に、第2特別図柄抽選に対応する保留球乱数が主制御装置100のRAMに記憶された旨の表示を行う表示領域R2が設けられている。
【0017】
スルーチャッカ66は、遊技球が通過可能なゲート構造をなしたものであり、本実施形態においては、遊技盤30の右側部における第2始動入賞口62よりも上方に配置されている。このスルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、主制御装置100の普通図柄用当否抽選手段150により普通図柄に係る電子抽選(普図抽選)が行われるようになっている。普通図柄表示装置41は、普通図柄に係る電子抽選の結果(普図当り、ハズレ)が表示されるよう主制御装置100に設けられた普通図柄用当否抽選手段により制御されるものである。この普通図柄表示装置41は第1特別図柄表示装置40Aの上方に配置されていて、本実施形態においては2つのLEDランプからなる。普通図柄に係る電子抽選の結果が当り(普図当り)のときに2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、ハズレのときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
【0018】
電動チューリップ63は、第2始動入賞口62の入口に設けられ、遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する1対の羽根部材と、これら1対の羽根部材を駆動する電動チューリップ駆動装置(ソレノイド)63Aとを備え、そのソレノイド63Aへの通電により1対の羽根部材が互いに離れる方向に回動し、第2始動入賞口62の入口を拡大するものである。電動チューリップ63は1対の羽根部材を閉じた状態において、第2始動入賞口62の上方に稙設された遊技釘との間隔が遊技球が通過不可能なものであるため、1対の羽根部材が閉じた状態では第2始動入賞口62への遊技球の入賞は不可能である。電動チューリップ63は、普通図柄に係る電子抽選の結果が普図当りとなった場合に、1対の羽根部材が開くよう主制御装置100により制御される。
【0019】
ステージ51は、演出表示装置50の下方に配置されていて、遊技球を転動させながら一時的に滞在させる構造物である。このステージ51の中央には溝51Aが形成されており、この溝51Aの真下の位置には第1始動入賞口61Aが配置されている。このため、溝51Aから落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口61Aに導かれる。
なお、図外の演出表示装置50の側方面には、溝51Aに1つずつ遊技球を誘導するための球通路に係る入口(所謂、ワープ口)が設けられている。
【0020】
大入賞口64は横長な長方形の開口であり、第1始動入賞口61Aの下方に設けられている。アタッカ装置65は、長方形の開口の下辺部に水平な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられ大入賞口64の形状とほぼ同じ長方形の蓋部材と、この蓋部材を駆動するソレノイドとを備え、そのソレノイドへの通電により蓋部材が前方向に回動して大入賞口64を開放するものである。アタッカ装置65が開いた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカ装置65が閉じた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が不可能な状態である。
【0021】
アタッカ装置65は、第1始動入賞口61A;61Bへの遊技球の入賞を契機に行われる第1特別図柄に係る第1特別図柄抽選の結果が当り(第1特図当り)となった場合、又は、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に行われる第2特別図柄に係る第2特別図柄抽選の結果が当り(第2特図当り)となった場合に、主制御装置100がアタッカ駆動装置65Aを制御することにより所定のラウンド数だけ開放され、これによって遊技者にとって有利な当り遊技が提供される。本実施形態において、所定のラウンド数は2ラウンド、5ラウンド又は15ラウンドであり、1ラウンド当りの最大入賞個数は9個でアタッカ装置65の最長開放時間は30秒である。つまり、アタッカ装置65の開放時点から30秒経過する前に大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達した場合と、大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達する前にアタッカ装置65の開放時点から30秒が経過した場合に、1ラウンドが終了するようになっている。なお、当り遊技が2ラウンド、5ラウンド又は15ラウンドの何れのラウンドとなるかは、複数存在する特図当りの種類によって異なる。また、1ラウンド当りの開放時間、長方形の蓋部材の開閉回数、又はこれらの組み合わせを特図当りの種類によって異ならせた当り遊技とすることも可能である。
なお、電動チューリップ63、又はアタッカ装置65の形態は上記形態に拘らず、2枚の羽根部材、1枚の羽根部材、扉状の開閉板材、又は遊技盤面と略面一の入賞口下辺部から突出する位置と埋没する位置とにスライド移動するベロ状板材、若しくはこれらを組み合わせた形態であってもよい。
本実施形態における「1ラウンド」は、アタッカ装置65を作動させる1回分のコマンド(主制御装置100からの指令)で得られる大入賞口64の開放処理としている。そのため、1回分のコマンド(1ラウンド)に基づいて蓋部材を駆動させる回数は1回に限らず、所定の複数回とすることもできる。従って、例えば5ラウンドの当り遊技となる場合は、アタッカ装置65を作動させる1回分のコマンドが個別に5回分連続生成されることに基づいて、当該5ラウンドの当り遊技が終了することとなる。
【0022】
賞球払出装置301は、受皿6に賞球を払い出す装置である。賞球の払出個数は、第1始動入賞口61A;61B、第2始動入賞口62、大入賞口64、一般入賞口67のそれぞれに予め対応付けられている。主制御装置100は遊技球の入賞が検知された入賞口に基づき、その入賞口に予め対応付けられている賞球の払出個数を、払出制御装置300に指令するようになっていて、払出制御装置300は主制御装置100からの指令に従って賞球払出装置301が有する図外の払出モータを駆動して賞球払出装置301に賞球を払い出させるようになっている。また、賞球払出装置301から払い出された賞球は、賞球払出装置301の流路内に配設された払出計数スイッチ302により計数され、払出制御装置300は払出計数スイッチ302からの入力に基づいて払出動作を停止させる。
本実施形態において、第1始動入賞口61A;61Bおよび第2始動入賞口62に予め対応付けられた賞球個数は3個であり、大入賞口64に予め対応付けられた賞球個数は13個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は5個である。なお、第1始動入賞口61A;61B、第2始動入賞口62、大入賞口64、一般入賞口67の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
【0023】
以下、図4を参照し、主制御装置100のハードウェア上の構成について説明する。
同図に示すように、主制御装置100は、第1特別図柄用当否抽選手段110、第2特別図柄用当否抽選手段120、変動表示制御手段130、普通図柄用当否抽選手段150、当り遊技制御手段160、電動チューリップ制御手段170、遊技モード制御手段180とを備える。これらの各手段は、遊技に係る制御を行うためにROMに格納されたコンピュータプログラムおよびデータにより設定された手段である。
【0024】
第1特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61A又は、第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機に、特図当り(第1特図当り)又はハズレを電子抽選(第1特別図柄抽選)により決定するものである。具体的には図5(a)に示すように、第1特別図柄用当否抽選手段110は、周期的(例えば0.005秒毎)に入力されるハードウェア内部システムクロックの1クロックに基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ高速で更新させることによりハードウェア乱数である第1特図当否用乱数を発生させる第1特図当否用乱数発生手段111と、第1始動入賞口61A又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機に、言い換えると、第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、第1特図当否用乱数発生手段111で発生した第1特図当否用乱数を取得(ラッチ)する第1特図当否用乱数取得手段112と、この第1特図当否用乱数取得手段112により取得された第1特図当否用乱数が特図当りであるかハズレであるかを、図6(a)に示す特図低確時判定テーブル113A又は図6(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bを参照して判定する第1特図当否判定手段113と、第1特別図柄の変動中に第1始動入賞口61A;61Bへの遊技球の入賞に基づき第1特図当否用乱数取得手段112が第1特図当否用乱数を取得した場合に、その第1特図当否用乱数を第1特別図柄に係る保留球乱数として所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第1特図当否用乱数保留手段114とを備える。第1特図当否用乱数保留手段114により記憶された保留球乱数は、その保留球乱数を記憶することになった入賞の順番、即ち入賞順で、1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第1特図当否判定手段113により特図当りであるかハズレであるかを判定し、当該判定に係る記憶された保留球乱数をクリアするようになっている。
なお、本実施形態におけるループカウンタ(後述のループカウンタを含む)のスタート値は、周知の技術等を用いて所定のタイミングでランダムに変更可能となっている。
【0025】
図6に示す特図低確時判定テーブル113A及び特図高確時判定テーブル113Bは、第1特図当否用乱数と特図当りおよびハズレとの対応関係を規定するものである。具体的には、図6(a)に示す特図低確時判定テーブル113Aにおいては、第1特図当否用乱数0〜186に特図当りが予め対応付けられていて、特図当否用乱数187〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図低確時判定テーブル113Aが参照された場合に特図当りとなる確率は約350分の1である。
これに対し、図6(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bにおいては、第1特図当否用乱数0〜1860に特図当りが予め対応付けられていて、第1特図当否用乱数1861〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図高確時判定テーブル113Bが参照された場合に特図当りとなる確率は約35分の1である。これらの当選確率を比較して分かるように、特図高確時判定テーブル113Bによる特図当りの当選確率の方が、特図低確時判定テーブル113Aよる特図当りに当選する確率よりも約10倍高い。
【0026】
なお、第1特別図柄用当否抽選手段110において特図低確時判定テーブル113Aが参照されて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図通常遊技状態であり、特図高確時判定テーブル113Bが用いられて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図高確率遊技状態である。以下、便宜上、「特図通常遊技状態」を「特図低確」といい、「特図高確率遊技状態」を「特図高確」という。
【0027】
また、第1特別図柄用当否抽選手段110は、前述の各手段の他、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116、第1特図当り種類判定手段117、及び、第1特図当り種類決定用乱数保留手段118を備える。これらの各手段は、前述の特図当否判定手段113による判定(抽選)の結果が特図当りである場合に、第1特別図柄表示装置40Aに導出表示される特別図柄を複数存在する特別図柄のうちから電子抽選により決定する手段である。
具体的には、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第1特図当り種類用乱数を発生させる。
また、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116は、第1始動入賞口61A又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機(第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115で発生した第1特図当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
また、第1特図当り種類判定手段117は、第1特別図柄用当否抽選手段110にて特図当り(第1特図当り)となる場合、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116により取得された第1特図当り種類決定用乱数に基づき、第1特図当り種類テーブル117Aを参照して第1特別図柄の種類を決定する。
また、第1特別図柄用当否抽選手段110にてハズレとなる場合、予め定めた1つのハズレに対応する第1特別図柄を決定する。
【0028】
第1特図当り種類決定用乱数保留手段118は、第1特別図柄の変動中、又は当り遊技中に第1始動入賞口61A又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞に基づき、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116が第1特図当り種類決定用乱数を取得した場合に、その第1特図当り種類決定用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで主制御装置100のRAMを利用して記憶する。第1特図当り種類決定用乱数保留手段118により記憶された第1特図当り種類決定用乱数は、変動中の第1特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第1特図当り種類判定手段117による第1特別図柄の種類の決定に用いられるようになっている。
【0029】
図7(a)に示すように第1特図当り種類テーブル117Aは、第1特別図柄用当否抽選手段110にて特図当り(第1特図当り)となる場合、第1特図当り種類決定用乱数と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。本実施形態で用いられる特別図柄の種類は、2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aの4種類であり、第1特図当り種類決定用乱数0〜6に2R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数7〜39に5R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数40〜89に5R特別図柄Bが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数90〜99に15R特別図柄Aが予め対応付けられている。
【0030】
この第1特図当り種類テーブル117Aが参照され、第1特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「4」のゾロ目として表示される。第1特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「2」のゾロ目として表示される。また、第1特別図柄の種類が5R特別図柄Bに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「5」のゾロ目として表示される。また、第1特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「7」のゾロ目として表示される。2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aのそれぞれの選択確率は、7%、33%、50%、10%である。
なお、選択確率は参考のために記載したものであって、第1特図当り種類テーブル117Aには含まれない。
【0031】
以上のとおり、第1特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61A;61Bに遊技球が入賞したことを契機に当否に係る第1特別図柄抽選を行うとともに、複数種類の第1特別図柄の中から当否に係る特別図柄を決定する機能を備える。
【0032】
次に、前記第1特別図柄当否抽選手段110とは個別に設けられた第2特別図柄当否抽選手段120について説明する。
第2特別図柄用当否抽選手段120は、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、特図当り(第2特図当り)又はハズレを電子抽選(第2特別図柄抽選)により決定するものである。具体的には図5(b)に示すように、第2特別図柄用当否抽選手段120は、周期的(例えば0.005秒毎)に入力されるハードウェア内部システムクロックの1クロックに基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ高速で更新させることによりハードウェア乱数である第2特図当否用乱数を発生させる第2特図当否用乱数発生手段121と、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、言い換えると、第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、第2特図当否用乱数発生手段121で発生した第2特図当否用乱数を取得(ラッチ)する第2特図当否用乱数取得手段122と、この第2特図当否用乱数取得手段122により取得された第2特図当否用乱数が特図当りであるかハズレであるかを、図6(a)に示す特図低確時判定テーブル113A又は図6(b)に示す特図高確時判定テーブル113Bを参照して判定する第2特図当否判定手段123と、第2特別図柄の変動中に第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき第2特図当否用乱数取得手段122が第2特図当否用乱数を取得した場合に、その第2特図当否用乱数を第2特別図柄に係る保留球乱数として所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第2特図当否用乱数保留手段124とを備える。第2特図当否用乱数保留手段124により記憶された保留球乱数は、その保留球乱数を記憶することになった入賞の順番、即ち入賞順で、1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図当否判定手段123により特図当りであるかハズレであるかを判定し、当該判定に係る記憶された保留球乱数をクリアするようになっている。
【0033】
特図低確時判定テーブル113A及び特図高確時判定テーブル113Bは、前述の第1特別図柄抽選において参照されるテーブルと同様のテーブルである。つまり、第1始動入賞口61A;61Bへの入賞を契機として実行される第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)となる確率と、第2始動入賞口62への入賞を契機として実行される第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)となる確率は同一である。
【0034】
なお、前記同様に、第2特別図柄用当否抽選手段120において特図低確時判定テーブル113Aが参照されて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図低確の遊技状態であり、特図高確時判定テーブル113Bが用いられて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図高確の遊技状態である。
【0035】
また、第2特別図柄用当否抽選手段120は、前述の各手段の他、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126、第2特図当り種類判定手段127、及び、第2特図当り種類決定用乱数保留手段128を備える。これらの各手段は、前述の第1特別図柄抽選と同様に、特図当否判定手段123による判定(抽選)の結果が特図当りである場合に、第2特別図柄表示装置40Bに導出表示される特別図柄を複数存在する特別図柄のうちから電子抽選により決定する手段である。
具体的には、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第2特図当り種類用乱数を発生させる。
また、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126は、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機(第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125で発生した第2特図当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
また、第2特図当り種類判定手段127は、第2特別図柄用当否抽選手段120にて特図当り(第2特図当り)となる場合、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126により取得された第2特図当り種類決定用乱数に基づき、第2特図当り種類テーブル127Aを参照して第2特別図柄の種類を決定する。
また、第2特別図柄用当否抽選手段120にてハズレとなる場合、予め定めた1つのハズレに対応する第2特別図柄を決定する。
【0036】
第2特図当り種類決定用乱数保留手段128は、第2特別図柄の変動中、又は当り遊技中に第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126が第2特図当り種類決定用乱数を取得した場合に、その第2特図当り種類決定用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで主制御装置100のRAMを利用して記憶する。第2特図当り種類決定用乱数保留手段128により記憶された第2特図当り種類決定用乱数は、変動中の第2特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図当り種類判定手段127による第2特別図柄の種類の決定に用いられるようになっている。
【0037】
図7(b)に示すように第2特図当り種類テーブル127Aは、第2特別図柄用当否抽選手段120にて特図当り(第2特図当り)となる場合、第2特図当り種類決定用乱数と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。本実施形態で用いられる特別図柄の種類は、5R特別図柄A、15R特別図柄Aの2種類であり、第2特図当り種類決定用乱数0〜19に5R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第2特図当り種類決定用乱数20〜99に15R特別図柄Aが予め対応付けられている。5R特別図柄A、15R特別図柄Aのそれぞれの選択確率は、20%、80%である。この第2特図当り種類テーブル127Aが参照され、第2特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合、第2特別図柄表示装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「2」のゾロ目として表示される。また、第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合、第2特別図柄表示装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「7」のゾロ目として表示される。
また、第1特図当り種類テーブル117A及び第2特図当り種類テーブル127Aを比較した場合、第2特図当り種類テーブル127Aには、2R特別図柄A及び5R特別図柄Bが存在せず、さらに15R特別図柄Aが選択される割合が全体の80%となっているため、第1特別図柄抽選によって第1特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定される確率よりも第2特別図柄抽選によって第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定される確率の方が飛躍的に高く設定されている。
よって、遊技者から見れば第1特別図柄抽選手段110による第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選手段120による第2特別図柄抽選をより多く享受した方が、特図当りである場合に特図当りの種類が15R特別図柄Aに決定される確率が高いため、より有利に遊技を進めることが可能となる。なお、遊技性の詳細については後に詳述する。
【0038】
以上のとおり、第2特別図柄用当否抽選手段120は、第2始動入賞口62に遊技球が入賞したことを契機に当否に係る第2特別図柄抽選を行うとともに、複数種類の第2特別図柄の中から当否に係る特別図柄を決定する機能を備える。
【0039】
また、第1特図当り種類テーブル117A及び第2特図当り種類テーブル127Aに規定された2R特別図柄A、5特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aのそれぞれには、当り遊技のラウンド数の種類が予め対応付けられている。2R特別図柄、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aという特図当りを示す特別図柄の名称に冠された「2R」、「5R」および「15R」は、「2ラウンド」、「5ラウンド」および「15ラウンド」の略であり、その特別図柄に予め対応付けられた当り遊技のラウンド数の種類である。つまり、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bに停止して表示される特別図柄の種類が電子抽選により決定されることによって、当り遊技のラウンド数の種類が決定されるようになっている。
【0040】
図4に戻り、当り遊技制御手段160について説明する。当り遊技制御手段160は、特図当り時における特図当りの種類が2R特別図柄Aである場合にアタッカ装置65を2ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものであり、特図当り時における特図当りの種類が5R特別図柄A又は5R特別図柄Bである場合にアタッカ装置65を5ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものであり、特図当り時における特図当りの種類が15R特別図柄Aである場合にアタッカ装置65を15ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものである。
【0041】
図4に示す普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、普図当り又はハズレを電子抽選(普図抽選)により決定するものである。この普通図柄用当否抽選手段150は、前述の第1特別図柄用当否抽選手段110、或いは、第2特別図柄用当否抽選手段120と略同様に構成されたものであり、具体的には図9に示すように、普通図柄用当否抽選手段150は、周期的(例えば4ミリ秒侮)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図当否用乱数を発生させる普図当否用乱数発生手段151と、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、スルーチャッカ検知センサ94からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、普図当否用乱数発生手段151で発生した普図当否用乱数を取得(ラッチ)する普図当否用乱数取得手段152と、この普図当否用乱数取得手段152により取得された普図当否用乱数が普図当りであるかハズレであるかを、普図低確時判定テーブル153A又は普図高確時判定テーブル153Bを参照して判定する普図当否判定手段153と、普通図柄の変動中、又は普図当りに基づく電動チューリップ63の作動中に普図当否用乱数取得手段152が普図当否用乱数を取得した場合に、その普図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、普通図柄に係る保留球乱数として主制御装置100のRAMを利用して記憶する普図当否用乱数保留手段154とを備える。つまり、普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に当否に係る普図抽選を行う手段である。
【0042】
普図低確時判定テーブル153A及び普図高確時判定テーブル153Bは、普図当否用乱数と普図当りおよびハズレとの対応関係を規定するものであり、具体的な内容の図示は省略するが、普図高確時判定テーブル153Bによる普図当りの当選確率は例えば1/1.1に設定されていて、普図低確時判定テーブル153Aによる普図当りの当選確率は1/120に設定されている。つまり、普図高確時判定テーブル153Bの方が、普図低確時判定テーブル153Aに比べて格段に普図当りに当選する確率が高くなるように設定されているとともに、殆どの場合に普図当りに当選するようになっている。
【0043】
なお、以下便宜上、普通図柄用当否抽選手段150において普図低確時判定テーブル153Aが用いられて普図当り又はハズレが決定される遊技状態を「普図低確」といい、普図高確時判定テーブル153Bが用いられて普図当り又はハズレが決定される遊技状態を「普図高確」という。
【0044】
図4に示す電動チューリップ制御手段170は、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選(普図抽選)で普図当りに当選した場合に、電動チューリップ63のソレノイド63Aへの通電を行い、電動チューリップ63の1対の羽根部材を開閉させるものである。この電動チューリップ制御手段170は、普図高確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を例えば開放時間2.9秒で2回開放させ、普図低確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を開放時間0.2秒で1回開放させるようになっている。普図高確中においては、前述のように、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選で殆ど普図当りに当選し、その当選に基づき電動チューリップ63が2.9秒2回開放されるため、遊技者が遊技盤30の右側部に遊技球を打ち出せば、第2始動入賞口62に遊技球を容易に入賞させることができ、この結果、普図高確中は、第2始動入賞口62の入賞に基づいて払い出される賞球によって、遊技球を遊技領域31に発射しても殆ど発射するための遊技球を減らすことなく遊技を行うことができる。つまり、普図高確は、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易く、遊技者にとっては第2始動入賞口62への遊技球の入賞が容易化(サポート)される状態(所謂、電サポ状態)である。
【0045】
図4に示す遊技モード制御手段180は、複数存在する遊技モードを制御するものである。本実施形態において遊技モードの種類は、例えば通常モード、チャンスモード、大チャンスモード、特大チャンスモードの4種類のモードに区分される。
【0046】
通常モードは、遊技状態が特図低確と普図低確の組み合わせに設定される遊技モードである。
チャンスモードは、特図当りの種類が5R特別図柄Aである場合に移行するモードであって、特図低確と普図高確の組み合わせに設定されるモードである。また、本モードにおける普図高確に係る遊技回数の上限は、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が30回に達するまでに設定される。
大チャンスモードは、特図当りの種類が5R特別図柄Bである場合に移行するモードであって、特図高確と普図高確の組み合わせに設定されるモードである。また、本モードにおける特図高確に係る遊技回数の上限は、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が30回に達するまでに設定される。また、普図高確に係る遊技回数の上限についても同様に、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が30回に達するまでに設定される。
即ち、特図高確における特図当りとなる確率は、約35分の1となるため、30回分の特図当否抽選を行えば、特図当りの発生となる可能性は高くなる。なお、5R特別図柄A及び5R特別図柄Bに基づく30回分の遊技上の演出状態を同一として、何れのチャンスモードかを遊技者に予測させるゲーム性を付与してもよい。
特大チャンスモードは、特図当りの種類が15R特別図柄Aである場合に移行するモードであって、特図高確と普図高確の組み合わせに設定されるモードである。また、本モードにおける特図高確に係る遊技回数の上限は、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が99回に達するまでに設定される。また、普図高確に係る遊技回数の上限についても同様に、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選に係る遊技回数(連続的なハズレの抽選結果)の合算が99回に達するまでに設定される。
即ち、特図高確における特図当りとなる確率は、約35分の1となるため、99回分の特図当否抽選を行えば、特図当りの発生となる可能性はより高くなる。本実施形態では、上記遊技回数の上限となる前に特図当りとなった場合は、残りの未処理の遊技回数はクリアされる。
【0047】
ここで、特図高確に係る遊技回数の上限、或いは、普図高確に係る遊技回数の上限は、特に限定されることはなく、例えば「10000回」として設定することも可能である。
特大チャンスモードにおいて他の回数(99回)と比べて非常に多い回数である「10000回」が設定された場合、本実施形態においては、特図低確での特図当りの当選確率は約350分の1であり、特図高確での特図当りの当選確率は約35分の1であるから、第1特別図柄用当否抽選手段110又は第2特別図柄用当否抽選手段120による電子抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)が合算で10000回も行われる間には必ず特図当り(第1特図当り又は第2特図当り)に当選する。
言い換えると、次回の特図当りに当選するまでの第1特別図柄用当否抽選手段110又は第2特別図柄用当否抽選手段120による電子抽選の合算回数が10000回を超えることは皆無である。従って、特図高確及び普図高確に係る遊技回数が10000回に設定されることは、次回の特図当りに当選するまで特図高確、普図高確が継続することと等しいといえる。
つまり、特図高確及び普図高確に係る遊技回数が10000回に設定されると、遊技球を殆ど減らすことなく、特図当りの所謂連荘が確定することになる。つまり、特大チャンスモードを他のモードに対して極めて有利なモードとして設定することも可能である。
【0048】
そして、遊技モード制御手段180は、図10に示す遊技モード設定用テーブル180Aを参照して各遊技モードにおける特図高確及び普図高確に係る遊技回数を設定するようになっている。遊技状態設定用テーブル180Aは、特別図柄の種類と、遊技モードの種類及び特図高確及び普図高確に係る遊技回数の対応関係を規定するものである。遊技モード制御手段180は、この遊技モード設定用テーブル180Aを参照することにより、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選による抽選の結果として導出される特図当りの種類に応じて、当り遊技終了後に遊技モードを移行させる。そして、当り遊技終了後からは移行後の遊技モードによる遊技が開始されることとなる。
【0049】
次に、図4に示す変動表示制御手段130について説明する。変動表示制御手段130は、第1特別図柄及び第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間の概念を含む)を複数種類の変動パターンのうちから電子抽選により決定するものである。同図に示すように、変動表示制御手段130は、第1特別図柄の変動パターンを決定する第1特別図柄用変動パターン抽選手段131と、第2特別図柄の変動パターンを決定する第2特別図柄用変動パターン抽選手段141とを備えており、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131及び第2特別図柄用変動パターン抽選手段141は、それぞれ個別に、かつ並行して、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間を決定する。
【0050】
具体的には、図8(a)に示すように、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第1特図変動パターン用乱数を発生させる第1特図変動パターン用乱数発生手段132と、第1始動入賞口61A又は第2始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機に(第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第1特図変動パターン用乱数発生手段132で発生した第1特図変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する第1特図変動パターン用乱数取得手段133と、この第1特図変動パターン用乱数取得手段133により取得された第1特図変動パターン用乱数に基づき、第1特図用第1変動パターンテーブル134A、第1特図用第2変動パターンテーブル134B、第1特図用第3変動パターンテーブル134C、又は、第1特図用第4変動パターンテーブル134Dの何れか1つを参照して第1特別図柄の特図変動パターンを選択する第1特図変動パターン選択手段134と、第1特別図柄の変動中に第1始動入賞口61A又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞に基づき第1特図変動パターン用乱数取得手段133が第1特図変動パターン用乱数を取得した場合に、その第1特図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第1特図変動パターン用乱数保留手段135とを備える。
第1特図変動パターン用乱数保留手段135により記憶された第1特図変動パターン用乱数は、変動中の第1特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に、第1特図変動パターン選択手段134による特図変動パターンの選択に用いられるようになっている。
なお、第1特図用第1変動パターンテーブル134A、第1特図用第2変動パターンテーブル134B、第1特図用第3変動パターンテーブル134C、第1特図用第4変動パターンテーブル134Dの詳細については、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141において参照される第2特図用第1変動パターンテーブル144A、第2特図用第2変動パターンテーブル144B、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cに関する説明と合わせて後に詳述する。
【0051】
図8(b)に示すように、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第2特図変動パターン用乱数を発生させる第2特図変動パターン用乱数発生手段142と、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に(第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第2特図変動パターン用乱数発生手段142で発生した第2特図変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する第2特図変動パターン用乱数取得手段143と、この第2特図変動パターン用乱数取得手段143により取得された第2特図変動パターン用乱数に基づき、第2特図用第1変動パターンテーブル144A、第2特図用第2変動パターンテーブル144B、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cの何れか1つを参照して第2特別図柄の特図変動パターンを選択する第2特図変動パターン選択手段144と、第2特別図柄の変動中に第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づき第2特図変動パターン用乱数取得手段143が第2特図変動パターン用乱数を取得した場合に、その第2特図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第2特図変動パターン用乱数保留手段145とを備える。第2特図変動パターン用乱数保留手段145により記憶された第2特図変動パターン用乱数は、変動中の第2特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図変動パターン選択手段144による特図変動パターンの選択に用いられるようになっている。
【0052】
図11は、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131により参照される第1特図用第1変動パターンテーブル134A、第1特図用第2変動パターンテーブル134B、第1特図用第3変動パターンテーブル134C及び第1特図用第3変動パターンテーブル134Dを示し、図12は、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141により参照される第2特図用第1変動パターンテーブル144A、第2特図用第2変動パターンテーブル144B、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cを示す。
以下、各図を参照して各テーブルの内容及びテーブル同士の関係について説明する。なお、以下の説明においては各テーブルを単に変動パターンテーブル134A〜134D及び変動パターンテーブル144A〜144Cという場合がある。
【0053】
変動パターンテーブル134A〜134Dは、第1特図変動パターン用乱数と特図変動パターンNoとの対応関係を規定するものである。変動パターンテーブル144A〜144Cは、第2特図変動パターン用乱数と特図変動パターンNoとの対応関係を規定するものである。特図変動パターンNoは、特図変動パターン(変動時間)の種類と予め対応付けられたものである。
【0054】
図13に示すように、各変動パターンテーブル134A〜134D及び144A〜144Cは、それぞれ、前述の4種類の遊技モードのそれぞれに予め対応付けられている。
具体的には、遊技モードが通常状態である場合、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131には、第1特図用第1変動パターンテーブル134Aが予め対応付けられ、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141には、第2特図用第1変動パターンテーブル144Aが予め対応付けられる。
また、遊技モードがチャンスモードである場合、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131には、第1特図用第2変動パターンテーブル134Bが予め対応付けられ、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141には、第2特図用第2変動パターンテーブル144Bが予め対応付けられる。
また、遊技モードが大チャンスモードである場合は、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131には、第1特図用第3変動パターンテーブル134Cが予め対応付けられ、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141には、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cが予め対応付けられる。
また、遊技モードが特大チャンスモードである場合は、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131には、第1特図用第4変動パターンテーブル134Dが予め対応付けられ、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141には、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cが予め対応付けられる。そして、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131を構成する第1特図変動パターン選択手段134と、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141を構成する第2特図変動パターン選択手段144のそれぞれは、そのときの遊技モードに対応付けられた変動パターンテーブル134A〜134D、変動パターンテーブル144A〜144Cのいずれか1つを参照して第1特別図柄、第2特別図柄それぞれの特図変動パターンを決定するようになっている。
【0055】
以下、図11,図12を参照して各変動パターンテーブル134A〜134D、144A〜144Cについて説明する。図11,12に示すように、各変動パターンテーブルはそれぞれ、前述の第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が特図当りである場合に参照される特図当り用テーブルと、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用テーブルとに区分される。
【0056】
図11(a)に示すように、第1特図変動パターン選択手段134により、遊技モードが通常モードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル134A−1には、第1特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第1特別図柄変動パターン用乱数0〜40に第1特図変動パターンNo11(変動時間12秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo12(変動時間12秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo13(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo14(変動時間90秒)が対応付けられている。
また、遊技モードが通常モードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル134A−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0057】
また、図12(a)に示すように、遊技モードが通常モードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル144A−1には、第2特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。
具体的には、第2特別図柄変動パターン用乱数0〜40に第2特図変動パターンNo11(変動時間120秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第2特図変動パターンNo12(変動時間120秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第2特図変動パターンNo13(変動時間600秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第2特図変動パターンNo14(変動時間900秒)が対応付けられている。
また、遊技モードが通常モードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル144A−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0058】
前述のとおり、上記の変動パターンテーブル134Aと、変動パターンテーブル144Aとは、遊技モードが通常モードである場合に、それぞれ第1特図変動パターン選択手段134、第2特図変動パターン選択手段144により参照されるテーブルである。
そして、特に特図抽選(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合にそれぞれ参照される変動パターンテーブル134A−1と、変動パターンテーブル144A−1とを比較した場合、変動パターンテーブル134A−1において最も短い変動時間は12秒であるのに対して、変動パターンテーブル144A−1において最も短い変動時間は、その10倍の120秒である。また、変動パターンテーブル134A−1において最も長い変動時間は90秒であるのに対して、当該変動時間は、変動パターンテーブル144A−1において最も短い変動時間である120秒よりも短い。
つまり、遊技モードが通常モードである場合、第2特別図柄抽選における1回の結果が導出されるのに掛かる時間は最短でも120秒となるのに対して、第1特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は最短で12秒であることから、仮に第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが略同時期に開始され、その後連続して抽選を実行するとした場合、単位時間あたりの抽選回数(変動回数)は、第2特別図柄抽選の回数よりも、第1特別図柄抽選の回数の方が多くなる。
換言すると、変動パターンテーブル134A−1に規定された変動時間の平均は、変動パターンテーブル144A−1に規定された変動時間の平均よりも短く、当該変動パターンテーブル134A−1が参照された場合の単位時間あたりの平均抽選回数(変動回数)は、第2特別図柄抽選の回数よりも多くなる。
但し、最も遊技モードが通常モード(特図低確,普図低確)である場合、前述のとおり普図抽選の結果が普図当りとなる確率が普図高確に対して極めて低く設定され、かつ、普図抽選の結果が普図当りである場合に電動チューリップ63の開放時間は0.2秒に設定されているため、通常モードにおいて第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが略同時期に、換言すれば第1特別図柄と第2特別図柄とが個別、かつ並行して変動する頻度は他の遊技モードに比べ限りなく低い。
【0059】
引き続き他の変動パターンテーブルについて説明する。
図11(b)に示すように、第1特図変動パターン選択手段134により、遊技モードがチャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル134B−1には、第1特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。
具体的には、第1特別図柄変動パターン用乱数0〜50に第1特図変動パターンNo11(変動時間12秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数51〜99に第1特図変動パターンNo12(変動時間12秒)が対応付けられている。
また、遊技モードがチャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル134B−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0060】
また、図12(b)に示すように、遊技モードがチャンスモードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル144B−1には、第2特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第2特別図柄変動パターン用乱数0〜43に第2特図変動パターンNo15(変動時間45秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数44〜70に第2特図変動パターンNo16(変動時間45秒)が対応付けられ、第2特別図柄変動パターン用乱数71〜99に第2特図変動パターンNo17(変動時間45秒)が対応付けられている。
また、遊技モードがチャンスモードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル144B−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0061】
前述のとおり、変動パターンテーブル134Bと、変動パターンテーブル144Bとは、遊技モードがチャンスモードである場合に、それぞれ第1特図変動パターン選択手段134、第2特図変動パターン選択手段144により参照されるテーブルである。
そして、特に特図抽選(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合にそれぞれ参照される変動パターンテーブル134B−1と、変動パターンテーブル144B−1とを比較した場合、変動パターンテーブル134B−1には、変動時間12秒のみが規定されており、変動パターンテーブル144B−1には45秒のみが規定されている。つまり、遊技モードがチャンスモードである場合、第2特別図柄抽選の1回の結果が導出されるのに掛かる時間は45秒であり、第1特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は12秒であることから、仮に第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが略同時期に開始され、その後連続して抽選を実行するとした場合、単位時間あたりの抽選回数(変動回数)は、依然として第2特別図柄抽選の回数よりも、第1特別図柄抽選の回数の方が多くなる。
一方で、遊技モードが通常モードである場合と比較すると、互いの平均変動時間の差が大幅に縮小されているため、第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数は、通常モードにおける抽選回数よりも必然的に多くなる。つまり、チャンスモードにおいては、通常モードに比べ第2特別図柄抽選を受けられる頻度が多くなる。
なお、本チャンスモードは、前述のとおり普図高確となるモードであるため、電動チューリップ63の開放が行われ易く、遊技者は、遊技盤30の盤面右側部方向へ球を打ち出すことにより、第1始動入賞口61B及び第2始動入賞口62の両方の入賞口への入賞の機会を得ることが可能となる。
【0062】
即ち、本実施形態における通常モード及びチャンスモードにおいてそれぞれ参照される変動パターンテーブル134A、及び、変動パターンテーブル134Bは、第1特別図柄用当否抽選手段110により決定された特別図柄(第1特別図柄)が導出表示されるまでの変動時間が、第2特別図柄用当否抽選手段120により決定された特別図柄(第2特別図柄)が導出表示されるまでの変動時間よりも短くなるように規定されたテーブルであって、第1特別図柄用当否抽選手段110による単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)を第2特別図柄用当否抽選手段120による単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)よりも多くする第1の変動時間テーブル群に属するテーブルである。
【0063】
引き続き他の変動パターンテーブルについて説明する。
図11(c)に示すように、第1特図変動パターン選択手段134により、遊技モードが大チャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル134C−1には、第1特別図柄変動パターン用乱数と対応して複数の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第1特別図柄変動パターン用乱数0〜50に第1特図変動パターンNo15(変動時間30秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数51〜99に第1特図変動パターンNo16(変動時間30秒)が対応付けられている。
また、遊技モードが大チャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル134C−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0064】
また、図12(c)に示すように、遊技モードが大チャンスモード又は特大チャンスモードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル144C−1には、第2特別図柄変動パターン用乱数と対応して単一の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第2特別図柄変動パターン用乱数0〜99に第2特図変動パターンNo18(変動時間5秒)が対応付けられている。
また、遊技モードが大チャンスモードであり、かつ、第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル144C−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0065】
上述のとおり、変動パターンテーブル134Cと変動パターンテーブル144Cとは、遊技モードが大チャンスモードである場合に、それぞれ第1特図変動パターン選択手段134、第2特図変動パターン選択手段144により参照されるテーブルである。
そして、特に特図抽選(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合にそれぞれ参照される変動パターンテーブル134C−1と、変動パターンテーブル144C−1とを比較した場合、変動パターンテーブル134C−1には、変動時間30秒のみが規定されており、変動パターンテーブル144C−1には5秒のみが規定されている。つまり、遊技モードが大チャンスモードである場合、第2特別図柄抽選の1回の結果が導出されるのに掛かる時間は5秒であり、第1特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は30秒であることから、仮に第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが略同時期に開始され、その後連続して抽選を実行するとした場合、単位時間あたりの抽選回数(変動回数)は、第2特別図柄抽選の回数が、第1特別図柄抽選の回数よりも多くなる。つまり、大チャンスモードにおいては、第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)が、第1特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)を上回るため、通常モード、チャンスモードに比べ第2特別図柄抽選を受けられる頻度がより多くなる。
【0066】
引き続き他の変動パターンテーブルについて説明する。
図11(d)に示すように、第1特図変動パターン選択手段134により、遊技モードが特大チャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合に参照される外れ用変動パターンテーブル134D−1には、第1特別図柄変動パターン用乱数と対応して単一の特図変動パターンNoが規定される。具体的には、第1特別図柄変動パターン用乱数0〜99に第1特図変動パターンNo17(変動時間495秒)が対応付けられている。また、遊技モードが大チャンスモードであり、かつ、第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)である場合に参照される特図当り用変動パターンテーブル134D−2には、乱数0〜40に第1特図変動パターンNo1(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数41〜70に第1特図変動パターンNo2(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数71〜90に第1特図変動パターンNo3(変動時間60秒)が対応付けられ、第1特別図柄変動パターン用乱数91〜99に第1特図変動パターンNo4(変動時間90秒)が対応付けられている。
【0067】
上記変動パターンテーブル134Dと変動パターンテーブル144Cとは、遊技モードが特大チャンスモードである場合に、それぞれ第1特図変動パターン選択手段134、第2特図変動パターン選択手段144により参照されるテーブルである。
そして、特に特図抽選(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合にそれぞれ参照される変動パターンテーブル134D−1と、変動パターンテーブル144C−1とを比較した場合、変動パターンテーブル134D−1には、変動時間495秒のみが規定されており、変動パターンテーブル144C−1には5秒のみが規定されている。つまり、遊技モードが特大チャンスモードである場合、1回の第2特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は5秒であるのに対して、第1特別図柄抽選の結果が導出されるのに掛かる時間は495秒であることから、仮に第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが略同時期に開始され、その後連続して抽選を実行するとした場合、単位時間あたりの抽選回数(変動回数)は、第2特別図柄抽選の回数が、第1特別図柄抽選の回数よりも圧倒的に多くなる。
つまり、特大チャンスモードにおいては、その変動時間の差により第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)が、第1特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数(平均抽選)を大幅に上回るため、通常モード、チャンスモード、或いは大チャンスモードに比べ第2特別図柄抽選を受けられる頻度がより一層多くなる。
より詳細には、例えば遊技モードが特大チャンスモードに移行し、遊技者が遊技盤30の盤面右側部方向へ球を打ち出し、例えば略同時期に第1始動入賞口61B及び第2始動入賞口62の両方の入賞口へ遊技球が入賞したとすると、第1始動入賞口61への入賞を契機として実行される第1特別図柄抽選の結果が導出されるのは、変動開始から495秒後であるのに対し、第2始動入賞口62への入賞を契機として実行される第2特別図柄抽選の結果が導出されるのは、変動開始から僅か5秒後である。
つまり、特大チャンスモードにおいては、1回の第1特別図柄抽選の結果が導出表示されるまでの間に、第2特別図柄抽選の結果が繰り返し導出表示されることとなる。そして、変動パターンテーブル134Dに規定された495秒との変動時間は、変動パターンテーブル144Cに規定された5秒の変動時間に、特図高確及び普図高確の上限として設定された遊技回数99回を乗じた変動時間であることから、特大チャンスモードにおいては、事実上、第2特別図柄抽選のみが実行され、当該抽選の結果が繰り返し導出されることとなる。なお、第2特別図柄の停止から次回の変動開始までのタイムラグを考慮して、変動パターンテーブル134Dに規定する変動時間を495秒以上に設定してもよい。また、事実上、特大チャンスモード中において第1特別図柄抽選の結果が導出表示することが不可能な変動時間を規定することも可能である。
【0068】
即ち、本実施形態における大チャンスモード及び特大チャンスモードにおいてそれぞれ参照される変動パターンテーブル144C、及び、変動パターンテーブル134Dは、第1特別図柄用当否抽選手段110により決定された特別図柄(第1特別図柄)が導出表示されるまでの変動時間が、第2特別図柄用当否抽選手段120により決定された特別図柄(第2特別図柄)が導出表示されるまでの変動時間よりも長くなるように規定されたテーブルであって、第1特別図柄用当否抽選手段110による単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)を第2特別図柄用当否抽選手段120による単位時間あたりの抽選回数(平均抽選回数)よりも少なくする第2の変動時間テーブル群に属するテーブルである。
【0069】
次に、サブ制御装置200について説明する。サブ制御装置200は、主制御装置100から送信されてくる情報である第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に係る特図当り又はハズレと、特別図柄の種類と、特図変動パターンNoと、前述の遊技モード制御手段180により設定された現在の遊技モードに基づき演出表示装置50に表示させる背景を決定する背景決定手段210を備える。
この背景決定手段210は、予め設定された遊技モードの種類と背景画像の種類との対応関係を規定した背景用テーブル210Aを備え、この背景用テーブル210Aを参照して、演出表示装置50に表示させる背景画像を決定するようになっている。
図14に示すように、背景用テーブル210Aにおいて、通常モードには通常背景画像と、チャンスモードにはチャンスモード背景画像、大チャンスモードには大チャンス背景画像が予め対応付けられていて、特大チャンスモードには特大チャンス背景画像が予め対応付けられている。これらの背景画像は区別が容易なものであり、従って遊技者は背景画像を見て現在の遊技モードを判断することができる。これにより、通常背景画像、チャンス背景画像よりも大チャンス背景画像また特大チャンス背景画像が表示されている場合の方が、単位時間あたりの抽選回数が第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選よりも多くなることの期待を遊技者に抱かせることができ、特大チャンス背景画像が表示されている場合に、事実上第2特別図柄抽選のみが実行されることを確信させながら遊技を続けさせることができる。
【0070】
また、サブ制御装置200は、主制御装置100から個別に、かつ、並行して送信されてくる情報である第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が特図当りである場合の
特別図柄の種類(2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄A)と、第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo1〜No4、及び、第1特図変動パターンNo11〜No17のうちの1つ)又は、第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo1〜No4、及び、第2特図変動パターンNo11〜No18のうちの1つ)とに基づき、第1演出図柄と第1特別図柄、第2演出図柄と第2特別図柄がそれぞれ略同期して変動を開始して、変動時間の経過とともに停止するよう演出表示装置50を制御するものである。
【0071】
サブ制御装置200は、主制御装置100から送信されてくる演出図柄の表示に係る情報に基づき、停止して表示される第1演出図柄、第2演出図柄の態様、即ち両演出図柄の停止図柄を決定するようになっている。具体的には、サブ制御装置200は、何れの遊技モード中であっても特図当り時における第1特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合には、「222」、「444」の何れかを電子抽選により第1演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合には、「666」、「888」の何れかを電子抽選により第1演出図柄又は第2演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。また、第1特別図柄の種類が5R特別図柄Bに決定された場合には、「111」、「333」、「555」の何れか1つを電子抽選により第1演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合には、「777」を第1演出図柄又は第2演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。
【0072】
なお、サブ制御装置200は、第1特別図柄用当否抽選手段110、第2特別図柄用当否抽選手段120による電子抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレの場合であって、演出パターンがリーチの場合には3つの数字のうちの中央の数字のみが他の2つと異なるリーチ目「121」や「454」などが演出図柄の停止図柄となるように、又は、演出パターンがリーチでない場合には3つの数字が全て異なるハズレ目となるように、予め用意された複数種類のハズレ用停止図柄のうちから電子抽選により決定するようになっている。
【0073】
また、図4に示すように、本実施形態におけるサブ制御装置200は、前述の変動表示制御手段130により決定された第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo)又は第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo)と、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果(第1特図当り、第2特図当り又はハズレ)とに基づいて演出パターン(第1演出図柄又は第2演出図柄の変動パターン)を決定するための、演出パターン選択手段220を備える。
演出パターン選択手段220は、第1特図変動パターンNoと演出パターンの種類との対応関係を規定する第1演出パターンテーブル221、及び、第2特図変動パターンNoと演出パターンの種類との対応関係を規定する第2演出パターンテーブル222を備え、この演出パターンテーブル221;222を参照して第1演出図柄、第2演出図柄それぞれの演出パターンを選択するものである。
【0074】
第1演出図柄の演出パターンが規定された第1演出パターンテーブル221は、図15に示すハズレ用演出パターンテーブル221Aと、特図当り用演出パターンテーブル221Bとにより構成される。図15(a)に示すハズレ用演出パターンテーブル221Aには、第1特図変動パターンNo11にハズレ変動A(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo12にハズレ変動B(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo13にミドルリーチA(変動時間60秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo14にロングリーチA(変動時間90秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo15にハズレ変動C(変動時間30秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo16にショートリーチA(変動時間30秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo17にハズレ変動D(変動時間495秒)が対応付けられている。
【0075】
図15(b)に示す特図当り(第1特図当り)用演出パターンテーブル221Bには、第1特図変動パターンNo1にミドルリーチA(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo2にミドルリーチB(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo3にミドルリーチC(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo4にロングリーチA(変動時間90秒)が予め対応付けられている。
【0076】
第2演出図柄の演出パターンが規定された第2演出パターンテーブル222は、図16に示すハズレ用演出パターンテーブル222Aと、特図当り用演出パターンテーブル222Bとにより構成される。図16(a)に示すハズレ用演出パターンテーブル222Aには、第2特図変動パターンNo11にハズレ変動A(変動時間120秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo12にハズレ変動B(変動時間120秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo13にハズレ変動C(変動時間600秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo14にハズレ変動D(変動時間900秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo15にショートリーチA(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo16にハズレ変動E(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo17にハズレ変動F(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo18にハズレ変動G(変動時間5秒)が対応付けられている。
【0077】
図16(b)に示す特図当り(第2特図当り)用演出パターンテーブル222Bには、第2特図変動パターンNo1にミドルリーチA(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo2にミドルリーチB(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo3にミドルリーチC(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo4にロングリーチA(変動時間90秒)が予め対応付けられている。
【0078】
演出パターン選択手段220は、第1演出図柄を演出表示装置50において変動表示させるに際し、主制御装置100から送信される第1特図変動パターンと第1特別図柄抽選の結果(第1特図当り又はハズレ)に基づいて上記第1演出パターンテーブル221を構成する何れかのテーブル(特図当り用又は外れ用)を参照し、第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo)と対応する演出パターンを決定する。
また、演出パターン選択手段220は、上記演出パターンの決定とは個別に、かつ並行して第2演出図柄を演出表示装置50において変動表示させるに際し、主制御装置100から送信される第2特図変動パターンと第2特別図柄抽選の結果(第2特図当り又はハズレ)に基づいて上記第2演出パターンテーブル222を構成する何れかのテーブル(特図当り用又は外れ用)を参照し、第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo)と対応する演出パターンを決定する。
【0079】
サブ制御装置200によって変動が開始された第1演出図柄、第2演出図柄は、上記各演出パターンにより変動を開始するとともに、変動時間の経過とともに前述の第1特別図柄、第2特別図柄の停止時期と略同期して第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果を示す態様により停止表示される。そして、停止表示された第1特別図柄及び第1演出図柄、又は第2特別図柄及び第2演出図柄の停止態様がそれぞれ第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が第1特図当り又は第2特図当りを示す態様である場合には、前述した当り遊技が開始されるとともに、特図当りの種類によって当り遊技後の遊技モードが移行する。
【0080】
以下、図17を参照しつつ、本実施形態に係るパチンコ機1おけるゲーム性について説明する。
まず、現在の遊技モードが通常モードである場合に遊技者による遊技が開始される場合、通常モードにおける遊技状態は普図低確であることから、普図抽選の結果が普図当りとなる確率は普図高確に対して極めて低く設定され、かつ、普図抽選の結果が普図当りである場合における電動チューリップ63の開放時間は0.2秒に設定されているため、遊技球を遊技盤30の盤面右側部に打ち出しても、遊技球を第2始動入賞口62に入賞させることは極めて困難であるため、遊技球を遊技盤30の盤面左側部に打ち出すことにより、第1始動入賞口61Aに入賞させることが得策となる。つまり、遊技モードが通常モードである場合、第2始動入賞口62への遊技球の入賞に基づいて実行される第2特別図柄抽選が開始されることは殆どなく、その結果、第2特別図柄が第1特別図柄と並行して変動することも殆どない。よって、遊技者は、まず第1特別図柄抽選において特図当り(第1特図当り)を獲得することが目標となる。
【0081】
次に、通常モードにおいて第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)となり、当該第1特図当りの種類が、2R特別図柄A以外の種類であった場合、遊技モード設定手段180による遊技モードの移行処理が実行され、当り遊技終了後に移行後の遊技モードによる遊技が開始される。なお、特図当りの種類が2R特別図柄Aである場合は遊技モードの移行が行われることはなく、当り遊技終了後再び通常モードが継続することとなる。
【0082】
第1特図当りの種類が5R特別図柄Aである場合、当り遊技終了後にはチャンスモードによる遊技が開始される。前述のとおり、チャンスモードにおける遊技状態は、特図低確、普図高確であるため、通常モードの場合と比較して遊技者が遊技盤30の盤面右側部に遊技球を打ち出すことにより、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易くなり、これにより遊技球が第2始動入賞口62に入賞する頻度が高まり、第2特別図柄当否用抽選手段120による第2特別図柄抽選の抽選回数が通常モードにおける抽選回数よりも多くなる。そして、図7(b)に示すとおり、第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図)である場合の特図当りの種類が、15R特別図柄Aとなる確率は全体の80%に設定されているため、チャンスモード中は、15R特別図柄Aの獲得の好機となる。一方で、チャンスモードの遊技状態は特図低確であるため、後述の大チャンスモード及び特大チャンスモードの場合と比較して、抽選の結果が特図当り(第1特図当り又は第2特図当り)となる確率は低い。
また、チャンスモードにおいて参照される変動パターンテーブルは、それぞれ変動パターンテーブル134B及び変動パターンテーブル144Bであるため、その規定された変動時間の関係から後述の大チャンスモード及び特大チャンスモードの場合と比較して、全体の抽選回数(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)に対する第2特別図柄抽選の回数が占める割合は低い。つまり、通常モードにおいては、大チャンスモード又は特大チャンスモードに移行可能な5R特別図柄B及び15R特別図柄Aを獲得することが鍵となる。
【0083】
第1特図当りの種類が5R特別図柄Bである場合、当り遊技終了後には大チャンスモードによる遊技が開始される。前述のとおり、大チャンスモードにおける遊技状態は、特図高確、普図高確であるため、チャンスモードと同様に遊技者が遊技盤30の盤面右側部に遊技球を打ち出すことにより、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易くなり、これにより遊技球が第2始動入賞口62に入賞する頻度が高まる。また、大チャンスモードの遊技状態は特図高確であるため、前述の通常モード及びチャンスモードの場合と比較して、抽選の結果が特図当り(第1特図当り又は第2特図当り)となる確率は高い。
さらに、大チャンスモードにおいて参照される変動パターンテーブルは、それぞれ変動パターンテーブル134C及び変動パターンテーブル144Cであるため、その規定された変動時間の関係、より詳細には、第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数が、第1特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数を上回る関係であるため、チャンスモードに比べ、全体の抽選回数(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)に対する第2特別図柄抽選の占める割合が、第1特別図柄抽選が占める割合よりも多くなる。そして、前述のとおり、第2特別図柄抽選の回数が第1特別図柄抽選の回数よりも多くなれば、大チャンスモードにおいて特図当り(第2特図当り)となった場合に15R特別図柄Aとなる確率も向上するため、大チャンスモードは、15R特別図柄Aを獲得する好機となる。
一方、大チャンスモードにおいて参照される変動パターンテーブルは、それぞれ変動パターンテーブル134C及び変動パターンテーブル144Cであるため、その規定された変動時間の関係から後述の特大チャンスモードと比較して、第1特別図柄抽選の抽選回数の割合が高く、換言すれば第1特別図柄抽選が実行される可能性が残されており、遊技を最も有利に進めるためには特大チャンスモードに移行することが鍵となる。
【0084】
第1特図当りの種類が15R特別図柄Aである場合、当り遊技終了後には特大チャンスモードによる遊技が開始される。前述のとおり、特大チャンスモードにおける遊技状態は、特図高確、普図高確であり、大チャンスモードと同様に遊技者が遊技盤30の盤面右側部に遊技球を打ち出すことにより、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易くなり、これにより遊技球が第2始動入賞口62に入賞する頻度が高まる。また、大チャンスモードの遊技状態は特図高確であるため、前述の通常モード及びチャンスモードの場合と比較して、抽選の結果が特図当り(第1特図当り又は第2特図当り)となる確率は高い。さらに、特大チャンスモードにおいて参照される変動パターンテーブルは、それぞれ変動パターンテーブル134D及び変動パターンテーブル144Cであるため、その規定された変動時間の関係、より詳細には、第2特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数が、第1特別図柄抽選の単位時間あたりの抽選回数を大幅に上回り、かつ、実質的に予め規定された遊技回数の上限(99回)まで第1特別図柄抽選の結果が導出されない関係であるため、大チャンスモードに比べ、全体の抽選回数(第1特別図柄抽選,第2特別図柄抽選)に対する第2特別図柄抽選の占める割合が略100%となる。そして、前述のとおり、第2特別図柄抽選の回数が多くなれば、特大チャンスモードにおいて特図当り(第2特図当り)となった場合に15R特別図柄Aとなる確率も向上するため、特大チャンスモードは、第1特別図柄抽選の結果が、事実上導出表示されることがない点、換言すれば第1特別図柄の変動中に第2特別図柄抽選の抽選回数が普図高確の上限に達する点で大チャンスモードよりも15R特別図柄Aを獲得する好機となる。
そして、一度特大チャンスモードに移行すれば、普図高確遊技回数の上限(99回)までは、事実上、第2特別図柄抽選による結果を示す第2特別図柄及び第2演出図柄のみがそれぞれ第2特別図柄表示器40B及び演出表示装置50に繰り返し導出表示されることとなるため、第2特別図柄抽選において、特別図柄の種類が全体の20%に設定された5R特別図柄Aに決定されるまでは、高い継続率(80%)により特大チャンスモードが継続(ループ)することとなる。つまり、普図高確である特大チャンスモードにおいては、第2の変動時間テーブルに属する変動パターンテーブル134Dが設定される割合が、第1の変動時間テーブルに属する変動パターンテーブル134Bが設定される割合よりも高く設定されている。さらに特大チャンスモードにおいて特図当りとなる場合の当り遊技は、15ラウンド(15R特別図柄A)となる割合が高いため、他の特図当り種類に基づいて実行される当り遊技と比較して多くの賞球を得ることが可能となる。
【0085】
本発明に係るパチンコ機1は、上述のとおり遊技モード、換言すれば特図当りの種類によって第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が導出表示されるまでの変動時間を調整することにより、遊技者にとって不利な状態(通常モード又はチャンスモード)又は有利な状態(大チャンスモード又は特大チャンスモード)を段階的に生成することができる。また、遊技者にとって最も有利な状態である特大チャンスモード中において実行される第2特別図柄抽選の結果が特図当りである場合の特図当りの種類(15R特図当りA)を全体の80%としたことにより、特大チャンスモードを繰り返して継続させることが可能となる。そして、遊技者は、当該モードが繰り返して継続する度に15ラウンド分の賞球を得ることができるため、換言すれば第2特別図柄抽選の重要度が第1特別図柄抽選の重要度よりも大きく設定されているため、趣向性の高い遊技を提供することが可能となる。
【0086】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態に多様な変更、改良を加え得ることは当業者にとって明らかであり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0087】
本実施形態に係るパチンコ機1においては、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが個別、かつ、並行して実行され、各抽選の結果を示す特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の導出表示についても個別、かつ、並行してなされることから第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の結果がともに特図当り(第1特図当り,第2特図当り)となる場合が想定されるがその場合、遅れて抽選を開始した一方の特別図柄抽選の結果を強制的にハズレとする処理を実行し、ハズレに対応する態様で特別図柄を停止させる処理や、遅れて抽選を開始した一方の特別図柄抽選の結果を先に抽選を開始した一方の特別図柄抽選の結果として実行される当り遊技終了後に導出表示することにより当り遊技を連続的に実行する処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 パチンコ機,30 遊技盤,31 遊技領域,40A 第1特別図柄表示装置,
40B 第2特別図柄表示装置,41 普通図柄表示装置,50 演出表示装置,
61A;61B 第1始動入賞口,62 第2始動入賞口,63 電動チューリップ,
66 スルーチャッカ,100 主制御装置,110 第1特別図柄用当否抽選手段,
120 第2特別図柄用当否抽選手段,130 変動表示制御手段,
150 普通図柄用当否抽選手段,200 サブ制御装置,
220 演出パターン選択手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に設けられた第1始動口、及び第2始動口と、
前記第1始動口又は前記第2始動口ごとに、遊技球が入賞したことを契機に当否に係る特図抽選を行うとともに、前記第1始動口又は第2始動口ごとに、複数種類の第1特別図柄又は複数種類の第2特別図柄の中から当否に係る特別図柄を決定する第1特別図柄抽選手段、及び第2特別図柄抽選手段と、
前記第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を開始させ、所定の変動停止の契機で当否に係る表示結果として前記第1特別図柄抽選手段又は前記第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄を導出表示する変動表示手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が内部を通過可能なスルーチャッカと、
前記スルーチャッカを遊技球が通過したことを契機に当否に係る普図抽選を行う普通図柄抽選手段と、
前記第2始動口の入口に設けられ、前記普通図柄抽選手段による普図抽選で普図当りに当選した場合に可動して、遊技球の前記第2始動口への入賞を前記可動前よりも容易化する普通電動役物と、
前記変動表示手段にて前記第1特別図柄及び第2特別図柄を互いに並行して変動表示させ、所定の変動表示時間が経過するごとに前記第1特別図柄抽選手段及び第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄を個別に導出表示させる変動表示制御手段と、
前記導出表示された当否に係る特別図柄が予め設定された特図当りであるときに、通常状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる大当り遊技制御手段と、
を備えるパチンコ機において、
前記変動表示制御手段により参照され、前記第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間を前記第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間よりも短くすることで、前記第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を前記第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも多くする第1変動時間テーブルと、
前記第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間を前記第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間よりも長くすることで、前記第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を前記第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも少なくする第2変動時間テーブルと、
前記第1特別図柄抽選手段又は前記第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が予め互いに異なる割合で設定された複数の特図当りの何れかであるときに、当該特図当りの種類に応じて前記第1変動時間テーブル又は前記第2変動時間テーブルを設定する変動時間テーブル設定手段とを設け、
前記複数の特図当りは、少なくとも遊技状態を通常状態から当該通常状態よりも前記普図当りに当選する確率が高い普図高確状態とする特図当りを含み、
前記第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を前記普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中においては、前記第2変動時間テーブルが設定される割合が前記第1変動時間テーブルが設定される割合よりも高いことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を前記普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中において参照される第2変動時間テーブルには、当該普図高確状態中において実質的に前記第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄を導出表示することが不可能な変動時間が規定されたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に設けられた第1始動口、及び第2始動口と、
前記第1始動口又は前記第2始動口ごとに、遊技球が入賞したことを契機に当否に係る特図抽選を行うとともに、前記第1始動口又は第2始動口ごとに、複数種類の第1特別図柄又は複数種類の第2特別図柄の中から当否に係る特別図柄を決定する第1特別図柄抽選手段、及び第2特別図柄抽選手段と、
前記第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を開始させ、所定の変動停止の契機で当否に係る表示結果として前記第1特別図柄抽選手段又は前記第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄を導出表示する変動表示手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が内部を通過可能なスルーチャッカと、
前記スルーチャッカを遊技球が通過したことを契機に当否に係る普図抽選を行う普通図柄抽選手段と、
前記第2始動口の入口に設けられ、前記普通図柄抽選手段による普図抽選で普図当りに当選した場合に可動して、遊技球の前記第2始動口への入賞を前記可動前よりも容易化する普通電動役物と、
前記変動表示手段にて前記第1特別図柄及び第2特別図柄を互いに並行して変動表示させ、所定の変動表示時間が経過するごとに前記第1特別図柄抽選手段及び第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄を個別に導出表示させる変動表示制御手段と、
前記導出表示された当否に係る特別図柄が予め設定された特図当りであるときに、通常状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる大当り遊技制御手段と、
を備えるパチンコ機において、
前記変動表示制御手段により参照され、前記第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間を前記第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間よりも短くすることで、前記第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を前記第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも多くする第1変動時間テーブルと、
前記第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間を前記第2特別図柄抽選手段により決定された特別図柄が導出表示されるまでの変動表示時間よりも長くすることで、前記第1特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数を前記第2特別図柄抽選手段による単位時間あたりの抽選回数よりも少なくする第2変動時間テーブルと、
前記第1特別図柄抽選手段又は前記第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が予め互いに異なる割合で設定された複数の特図当りの何れかであるときに、当該特図当りの種類に応じて前記第1変動時間テーブル又は前記第2変動時間テーブルを設定する変動時間テーブル設定手段とを設け、
前記複数の特図当りは、少なくとも遊技状態を通常状態から当該通常状態よりも前記普図当りに当選する確率が高い普図高確状態とする特図当りを含み、
前記第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を前記普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中においては、前記第2変動時間テーブルが設定される割合が前記第1変動時間テーブルが設定される割合よりも高いことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記第2特別図柄抽選手段により決定された当否に係る特別図柄が遊技状態を前記普図高確状態とする特図当りであるとき、当該特図当り後に実行される普図高確状態中において参照される第2変動時間テーブルには、当該普図高確状態中において実質的に前記第1特別図柄抽選手段により決定された特別図柄を導出表示することが不可能な変動時間が規定されたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−102869(P2013−102869A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247767(P2011−247767)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】
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