説明

パッケージとパッケージの一部を形成するように構成されているインサート部材

本開示は、スリーブと、インサート部材とを有し、インサート部材は移動可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており、インサート部材は製品を保持し受け入れるように構成されており、インサート部材は製品の受け入れ後にスリーブ内に再度挿入されるように構成されており、スリーブは製品へのアクセスが制限されたり妨げられるように再度挿入されたインサート部材を囲むように構成されており、一旦インサート部材がスリーブ内に再度挿入されるとインサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるパッケージに関する。本開示は、前述の種類のパッケージの一部を形成するようにされているインサート部材にさらに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリーブと、インサート部材とを有し、インサート部材は移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており、インサート部材は製品を受け入れるように構成されており、インサート部材は製品の受け入れ後にスリーブ内に再度挿入されるように構成されている、パッケージに関する。
【0002】
本発明は、移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており、インサート部材は製品を受け入れるように構成されており、インサート部材が製品の受け入れ後にスリーブ内に再度挿入されるように構成されている、インサート部材にも関する。
【0003】
本発明は、使用後に危険で処分可能な製品の安全な保管に特に適しているが、それには限定されない。
【背景技術】
【0004】
薬剤、注射器、針、外科用メス、カミソリの刃などの危険な製品を梱包するときには、使用前と後の両方で、製品を安全に保管した状態に維持することが重要である。
【0005】
現在、子供が製品を容易にアクセスするのを防止する、小児用安全パッケージ、特に小児用安全薬剤パッケージが多数存在している。PCT特許出願公開明細書第2006/068602号と米国特許明細書A−5 551 665号は2つの異なる種類の小児用安全薬剤パッケージを開示している。これらのパッケージの構成によって、子供がパッケージを開くことが非常に困難になり、使用前の製品を安全に保管することが可能になる。
【0006】
しかし、使用された製品の残りや、例えば使用済みの針や期限切れの薬剤など、もはや使用に適さない製品を安全に保管することも重要である。現在、使用済みの針の安全な保管のためのいくつかのパッケージや容器が存在しており、一例がEPO特許出願発明明細書1447109号に開示されている。
【0007】
EPO特許出願発明明細書1447109号は、中空の容器部分と、スナップ嵌め合い機構によって容器部分の上側部分に固定可能な上部カバーとを有している医療廃棄物処分容器を開示している。中空容器の上側領域には、廃棄物を受け入れ通過させる開口が備わっており、上部カバーは開口へ通過させるように廃棄物を挿入可能な入り口を有している。
【0008】
EPO特許出願発明明細書1447109号に記載の容器は、非常に大量の針を保管するように構成されている。これらの種類の容器は、使用済みの針を安全に保管するように病院や医療センターに配置されていることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、糖尿病患者やがん患者など多くの患者は家庭で自分の薬剤を自分で注射している。これらの患者に対して、現在入手可能な保管用の大きな容器は実用的ではない。また、患者が旅行中または仕事中であるときには、実用的な解決策ではない。廃棄可能な製品を薬局などの最終処分のための送り先に郵送できれば、それも好ましい。これは、期限切れの、つまり使用期限が過ぎている薬剤に対して特に適している。薬剤を薬局に置いて来る代わりに、ユーザは薬剤を安全な保管のためのパッケージに入れて、例えば薬局や他の最終処分の送り先に郵送することができる。
【0010】
したがって、針や薬剤などの危険な処分可能な製品の保管のための小さく安全で家庭での使用に適しているパッケージに対する要求が存在する。
【0011】
本発明の目的は、危険で処分可能な使用済みの製品の安全な保管のためのパッケージを提供することである。
【0012】
本発明の目的は、危険で処分可能な使用前の製品の安全な保管のためのパッケージを提供することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の目的そして他の利点は、スリーブと、インサート部材とを有し、インサート部材は移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており、インサート部材は少なくとも1つの製品を受け入れて、保持するように構成されており、インサート部材は製品の受け入れ後にスリーブ内に再度挿入されるように構成されており、スリーブは製品へのアクセスが制限されたり妨げられるように再度挿入されたインサート部材を囲むように構成されており、インサート部材がスリーブに一旦再度挿入されるとインサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるように、インサート部材は調整されるように構成されているパッケージによって実現されている。
【0014】
本発明によって、処分可能な製品を、好ましくは使用後に、安全で小さいパッケージに保管することが可能になる。
【0015】
パッケージは、薬剤などの期限切れの製品の最終処分器として使用することができる。したがって、使用前の製品をパッケージに保管する必要はなく、製品が一旦処分可能になって初めてパッケージ入れることもできる。処分可能な製品を収容しているパッケージは、郵便を扱う人にとって一切の危険なしに、最終処分のための送り先に郵送することができる。また、処分可能な製品を直接たとえば薬局に届ける必要がないため、ユーザにとってはより便利である。
【0016】
本発明の好ましい実施態様は、添付の特許請求の範囲から明らかである。
【0017】
パッケージのインサート部材は、製品の受け入れ前に、インサート部材の一部を折り曲げるか分離することによって調整されてもよい。インサート部材は、製品の受け入れ直前にユーザによって調整されることが好ましい。インサート部材の調整された部分は、1つ以上のミシン目に沿って裂くことによってインサート部材から分離されるように構成されていることが好ましい。このように、製品が一旦受け入れられると、インサート部材をスリーブから再度引き出すことが防止されるように、インサート部材の形態および機能、あるいは、形態または機能が変更される。
【0018】
パッケージのインサート部材は、インサート部材がスリーブ内に受け入れられたときに、ユーザがアクセス可能なグリップ部分も備わっており、インサート部材は、インサート部材が製品を受け入れることができるようになる前に、グリップ部分をインサート部材から分離するか、またはグリップ部分を操作不能にする必要があるように、調整されるように構成されていてもよい。インサート部材をスリーブから再度引き出すためのグリップ部分が存在しないため、このように、インサート部材へのアクセスと、したがって、製品へのアクセスも制限されるか、妨げられさえする。
【0019】
パッケージは、インサート部材がスリーブから引き出されるかまたは再度引き出されることを防止する少なくとも1つのロック機構も有していてもよい。ロック機構は、スリーブに対するインサート部材の動きを制御するように構成されている解除可能なロック機構を有していてもよい。ロック機構は、解除機構によって解除されてもよい。このように、解除機構が作動しない限り製品へのアクセスが妨げられる。したがって、インサート部材が調整される前に、インサート部材へのアクセスを制限することもできる。この解除可能なロック機構は、従来技術の小児用安全薬剤パッケージで説明しているロック機構と同じにすることができるが、それらには限定されない。
【0020】
パッケージのロック機構は、一旦インサート部材が調整され、インサート部材がスリーブ内に再度挿入されると、解除不能となるように構成されていてもよい。このように、製品のより安全な容器が実現される、つまり、スリーブからインサート部材を再度引き出すことが非常に困難になり、インサート部材と受け入れられている製品へのアクセスが制限されるか妨げられる。
【0021】
パッケージは、インサート部材が一旦調整され、インサート部材がスリーブ内に再度挿入されると、解除不能になるように構成されている第2のロック機構も有していてもよい。第1のロック機構が解除可能になるように構成されているときには、パッケージは第2のロック機構だけを有することが好ましい。第2のロック機構が一旦作動すると、つまり一旦インサート部材が調整されインサート部材がスリーブ内に再度挿入されると、インサート部材へのアクセスは制限されるか妨げられることになる。したがって、第1のロック機構を解除しても、第2のロック機構は一旦作動すると解除されない。
【0022】
ロック機構は第2のロック部材に接続されるように構成されている第1のロック部材によってインサート部材が再度引き出されることを防止してもよい。解除機構は、第1と第2のロック部材の間の接続を解除してもよい。
【0023】
解除不能なロック機構は第2のロック部材に接続されるように構成されている第1のロック部材によってインサート部材が再度引き出されることを防止し、第2のロック部材はインサート部材が調整された後に現れるまたは形成されてもよい。
【0024】
第1のロック部材はスリーブ内に配置されていることが好ましく、第2のロック部材はインサート部材内に配置されていることが好ましい。このように、第1と第2のロック部材の接続は、インサート部材がスリーブから再度引き出されるのを防止することになる。例えば、インサート部材のロック部材が現れるように、インサート部材の一部を分離することによって、インサート部材を調整することができる。また、インサート部材は、ロック部材が形成されるようにインサート部材の一部を折り曲げることによって、例えば舌部つまりロックフラップがインサート部材上に形成されるようにインサート部材の一部を重ねて折り曲げることによって調整されてもよい。現れたまたは形成されたロック部材は、ロックフラップ、ロック円弧、または切り欠きであることが好ましいスリーブのロック部材に接続されて、調整されたインサート部材がスリーブから再度引き出されるのを防止するように構成されていてもよい。
【0025】
また、パッケージのインサート部材は、インサート部材がスリーブ内に再度挿入される前に製品を受け入れている場合にだけ、スリーブからインサート部材の再度引き出しが制限されるまたは妨げられるように構成されていてもよい。このように、インサート部材へのアクセスと、したがって製品へのアクセスが制限されたり妨げられる前に、インサート部材が製品を受け入れていることが確実になる。これは、インサート部材を、インサート部材がロック部材が現れたり形成されるように一旦調整されてから初めて製品の受け入れが可能なように構成することによって実現することができる。また、受け入れられた製品がロック部材を形成したり現れるようにしてもよい。現れたまたは形成されたロック部材は、インサート部材がスリーブ内に一旦再度挿入されると、スリーブ内に位置しているロック部材に接続されてもよく、インサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられる。
【0026】
これに関連して、インサート部材はスリーブ内に入れられるように構成され、それゆえ前述の種類のパッケージを形成している別個の部品として販売されてもよい。
【0027】
インサート部材は前述のパッケージ内で使用するように構成されていてもよく、インサート部材は移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており、インサート部材は少なくとも1つの製品を受け入れて、保持するように構成されており、インサート部材は製品の受け入れ後にスリーブ内に再度挿入されるように構成されており、スリーブは製品へのアクセスが制限されたり妨げられるように再度挿入されたインサート部材を囲むように構成されており、インサート部材がスリーブに一旦再度挿入されるとインサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるように、インサート部材は調整されるように構成されている。
【0028】
インサート部材の利点は、パッケージの対応する特徴に関連して説明している。
【0029】
本発明の目的は、スリーブと、インサート部材とを有するパッケージであって、インサート部材は移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており、インサート部材は使用後に一部が残る製品を保持するように構成されており、製品はインサート部材がスリーブから少なくとも部分的に引き出された後に初めてアクセス可能であって、インサート部材は製品の使用後に製品の一部を受け入れて保持するように構成されており、インサート部材は製品の一部を受け入れた後にスリーブ内に再度挿入されるように構成されており、スリーブは製品の一部へのアクセスが制限されたり妨げられるように再度挿入されたインサート部材を囲むように構成されており、インサート部材がスリーブ内に再度挿入されるとインサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるパッケージによっても達成されている。
【0030】
したがって、本発明によって、処分可能な製品を、使用前と後の両方で、安全で小さいパッケージに保管することが可能になる。
【0031】
製品が使用されると、製品の一部は残ることになり、残った部分をパッケージ内に再度挿入して安全に、つまり製品の残りの部分へのアクセスが制限されたり、妨げられさえするように保管することができる。このパッケージは、使用の前および/または後に危険な、処分可能な製品に特に適している。特に適した製品は、例えば、注射器、針、薬剤、および外科用メスやカミソリの刃などの滅菌製品などである。
【0032】
このパッケージを前述の理由と同じ理由で郵送することも可能である。
【0033】
本発明の好ましい実施態様は、添付の特許請求の範囲から明らかである。
【0034】
製品は、インサート部材が調整された後で初めてアクセス可能であってもよい。インサート部材は、インサート部材の少なくとも一部が折り曲げられるか分離されることによって調整されることが好ましい。インサート部材の一部は、1つ以上のミシン目に沿って裂くことによってインサート部材から分離されてもよい。また、インサート部材がスリーブ内に一旦再度挿入されると、インサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるように、インサート部材は調整される、つまりインサート部材の形態および/または機能が変更される。このように、製品を取り除くことによって、インサート部材が一旦再度挿入されたときにスリーブからのインサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるようにインサート部材も同時に調整されることになる。
【0035】
パッケージのインサート部材には、インサート部材がスリーブ内に受け入れられたときに、ユーザがアクセス可能なグリップ部分も備わっており、インサート部材は、製品をインサート部材から取り外すことができるようになる前に、グリップ部分をインサート部材から分離するか、または操作不能にする必要があるように、製品を保持するように構成されている。インサート部材をスリーブから再度引き出すためのグリップ部分が存在しないため、このように、インサート部材へのアクセスと、したがって、製品の残っている部分へのアクセスも制限されるか妨げられさえする。
【0036】
パッケージは、インサート部材がスリーブから引き出されるかまたは再度引き出されることを防止する少なくとも1つのロック機構も有していてもよい。ロック機構は、スリーブに対するインサート部材の動きを制御するように構成されている解除可能なロック機構を有していてもよい。ロック機構は、一旦インサート部材が調整され、インサート部材がスリーブ内に再度挿入されると、解除不能となるように構成されてもよい。パッケージは、一旦インサート部材が調整され、インサート部材がスリーブ内に再度挿入されると、解除不能になるように構成されている第2のロック機構も有していてもよい。第1のロック機構が解除可能になるように構成されているときには、パッケージは第2のロックだけを有している。ロック機構は第2のロック部材に接続されるように構成されている第1のロック部材によってインサート部材が再度引き出されることを防止してもよい。解除機構は、第1と第2のロック部材の間の接続を解除してもよい。解除不能なロック機構は第2のロック部材に接続されるように構成されている第1のロック部材によってインサート部材が再度引き出されることを防止し、第2のロック部材はインサート部材が調整された後に現れるまたは形成されてもよい。第1のロック部材はスリーブ内に配置されていることが好ましく、第2のロック部材はインサート部材内に配置されていることが好ましい。
【0037】
さまざまなロック機構による利点は、該当する特徴について前述した利点と同じである。
【0038】
また、パッケージのインサート部材は、インサート部材がスリーブ内に再度挿入される前に製品の一部を受け入れている場合にだけ、インサート部材のスリーブからの再度引き出しが制限されるまたは妨げられるように構成されていてもよい。このようにして、インサート部材へのアクセスと、したがって製品の一部へのアクセスが制限されたり妨げられる前に、インサート部材が製品の一部を受け入れていることが確実になる。これは、インサート部材を、ロック部材が現れたり形成されるように、一旦インサート部材が調整されてから初めて製品の一部の受け入れが可能なように構成することによって実現することができる。また、受け入れられた製品の一部がロック部材を形成したり現れるようにしてもよい。現れたまたは形成されたロック部材は、一旦インサート部材がスリーブ内に再度挿入されると、スリーブ内に位置しているロック部材に接続されてもよく、インサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられる。
【0039】
これに関して、インサート部材はスリーブ内に入れられるように構成され、それゆえ、前述の種類のパッケージを形成している別個の部品として販売されてもよい。
【0040】
インサート部材は、前述のパッケージ内で使用するように構成されていてもよく、インサート部材は移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており、インサート部材は使用後に少なくとも一部が残る製品を保持するように構成されており、製品はインサート部材がスリーブから少なくとも部分的に引き出された後に初めてアクセス可能であって、インサート部材は製品の使用後に製品の一部を受け入れて保持するように構成されており、インサート部材は製品の一部を受け入れた後にスリーブ内に再度挿入されるように構成されており、スリーブは製品の一部へのアクセスが制限されたり妨げられるように再度挿入されたインサート部材を囲むように構成されており、一旦インサート部材がスリーブに再度挿入されるとインサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるように、インサート部材は調整されるように構成されている。
【0041】
インサート部材の利点は、パッケージの対応する特徴に関連して説明している。
【0042】
本発明を、例として、本発明の現在の好ましい実施形態を示している添付の模式図を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】インサート部材がスリーブから引き出されているパッケージの図である。
【図2】インサート部材の一部が開かれている図である
【図3】閉じているパッケージのロック機構を形成しているロック部材の相互動作を示している図である。
【図4】閉じているパッケージの図である。
【図5】インサート部材の一部が開かれている図である
【図6】閉じているパッケージの図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1〜6に示しているように、パッケージはスリーブ10とインサート部材20とを基本的に有している。スリーブ10は、複数の折り目によって定められている複数のパネルを備えている半加工品から形成されている。スリーブ10は、インサート部材20が摺動可能に受け入れられる基本的に平行6面体の中空の本体に基本的に折り曲げられる。そのような基本的な構成は、たとえばPCT特許出願公開明細書第2006/068602 A1号に開示されている。
【0045】
インサート部材20は製品を保持するように構成され、使用後に製品の少なくとも一部が残る。製品は、インサート部材21の少なくとも一部が分離されてから初めて使用可能になる。図2と5に示しているように、インサート部材の一部を持ち上げて、1つまたは数個のミシン目22に沿ってインサート部材の一部を裂くことによって、インサート部材の一部をインサート部材から分離することができる。インサート部材20は、また、インサート部材が調整される前にインサート部材20内に保持されていなかった製品を受け入れるように構成されていてもよい。
【0046】
図2に示している実施形態によれば、インサート部材の一部21は、ユーザがインサート部材20内に形成されている切り欠き23を把持して、インサート部材のこの部分21を裂くことによって分離されるように構成されている。
【0047】
図5に示している実施形態によれば、インサート部材の一部21は、ユーザがグリップ部分25を把持して、インサート部材のこの部分21を裂くことで分離されるように構成されている。グリップ部分25は、インサート部材20から分離されているインサート部材の一部21の一部である、つまりインサート部材の一部21に接続されている。
【0048】
スリーブ10とインサート部材20と(任意採用で他の構成要素と)から形成されるパッケージには、製品がインサート部材20から一旦取り外され、インサート部材20がスリーブ10内に再度挿入されると作動するロック機構が設けられている。
【0049】
図1〜3に示している実施形態は、スリーブ10に切り欠き11が備わっているパッケージを示している。インサート部材20は、インサート部材20がスリーブ10によって囲まれて、ユーザがアクセスできない程度に、スリーブ10内に滑り込まされている。しかし、インサート部材20はスリーブ内に位置している切り欠き11によってユーザがアクセス可能である。ユーザはインサート部材20を切り欠き11の位置で把持し、インサート部材20をスリーブ10から引き出すことができる。
【0050】
図2〜3は、切り欠き23を把持することによってインサート部材の一部21を分離することによって、対応する舌部24がインサート部材20上に形成されることを示している。舌部24はスリーブ10の内側部分に位置しているロック部材12に接続されるロック部材24を形成する。スリーブ10の1つのパネル13は、内側と外側のパネルの2つのパネルから成ることが好ましく、ロック部材12はスリーブの内側のパネル内に位置している。切り欠きであることが好ましいロック部材12は、図2に示しているインサート部材のロック部材24に接続される。インサート部材20のロック部材24とスリーブ10のロック部材12とは互いに接続され、したがって、インサート部材20はスリーブ10からの再度引き出しが防止される。スリーブ10のパネル13を1つのパネルとして、インサート部材20のロック部材24がスリーブのロック部材12を形成している切り欠き12に接続され、切り欠き12を通して延びることになってもよい。このようにすると、インサート部材のロック部材24は、パッケージが一旦ロックされるとユーザに見えることになる。パッケージのロック機構は、解除不能である、つまり両ロック部材12と24が一旦接続されるとそれらをロック解除することができない。インサート部材20がスリーブ10内に再度挿入される前に、製品の残りの部分はインサート部材20内に再度挿入されていなければならない。
【0051】
図4〜6に記載の実施形態は、インサート部材20にグリップ部分25が設けられている、または、インサート部材20がグリップ部分25に接続されているパッケージを示している。インサート部材は、インサート部材20がスリーブ10によって囲まれて、ユーザがアクセスできない程度に、スリーブ10内に滑り込まされる。しかし、グリップ部分25はインサート部材10がスリーブ20内にその程度に滑り込まされたときに、ユーザがアクセス可能である。インサート部材20は、グリップ部分25を引くことによって、スリーブ10から少なくとも部分的に摺動して引き出すことができる。図5に示しているように、インサート部材20に保持されている製品は、インサート部材20の一部21を分離することによって現れる。インサート部材の一部21は、グリップ部分25を持ち上げること、したがって、インサート部材の一部21をグリップ部分25と共にインサート部材20から裂くことによって分離される。インサート部材20は、インサート部材20がスリーブ10に囲まれてユーザがアクセスできない程度に、スリーブ10内に再度挿入され、したがって、図6に示しているようにグリップ部分25がインサート部材から分離されているため、インサート部材20へのアクセスは制限されるまたは妨げられる。
【0052】
パッケージには、使用前の製品へのアクセスを制限するロック解除可能なロック機構がさらに備わっていてもよい。ロック機構は、インサート部材20のロック部材と、スリーブ10の内側のロックフラップつまりロック円弧と、スリーブ10の外側からユーザがアクセス可能な少なくとも1つの押しボタン14とを有している。ユーザがロック機構を解除せずにインサート部材20をスリーブ10から引き出そうとすると、インサート部材20の動きが阻止される。ロック機構は押しボタン14を押すことによって解除され、同時に、インサート部材20はグリップ部分25を引くことによってスリーブ10から引き出される。
【0053】
スリーブ10は、紙ベースまたはポリマーベースの積層構造から作られていることが好ましい。インサート部材は、紙ベースまたはポリマーベースの積層構造から作られていることが好ましい。
【0054】
本明細書で説明した実施形態の多数の変更が考えられ、それらは依然として添付の請求項に定めた発明の範囲内にある。
【0055】
インサート部材の調整によって、製品が使用済みでパッケージを処分すべきかどうかをユーザに示すために使用可能な例えば他の色のパネルなどの、マーキングが現れてもよい。さらに、グリップ部分の取り外しも、製品が使用されパッケージを処分すべきかどうかをユーザに示すために使用することができる。スリーブの1枚になっているパネルにロック部材を設けることによって、インサート部材のロック部材は、パッケージがロックされた後でユーザに対して見えるようになり、したがってロック部材は、製品が使用済みでパッケージを処分すべきかどうかをユーザに示すために使用できる。パッケージが開かれたことがあるかどうかをユーザが知ることができるようにするために、パッケージに何らかの種類の不正開封防止マーキングを設けることも可能である。
【0056】
インサート部材は、たとえば、スリーブ内に形成されている開口、パネル、または円弧と連動する、重ねて折り曲げられている保持機構などのパネルを利用して、スリーブから完全に引き出せないようになっていてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブと、インサート部材と、を有し、
前記インサート部材は、移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能に前記スリーブ内に受け入れられるように構成されており、
前記インサート部材は、少なくとも1つの製品を受け入れて、保持するように構成されており、
前記インサート部材は、前記製品の受け入れ後に前記スリーブ内に再度挿入されるように構成されており、
前記スリーブは、前記製品へのアクセスが制限されたり妨げられるように、再度挿入された前記インサート部材を囲むように構成されており、
前記インサート部材は、前記インサート部材が一旦前記スリーブに再度挿入されると、前記インサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるように調整されるように構成されている、パッケージ。
【請求項2】
前記インサート部材は、前記製品の受け入れ前に、前記インサート部材の一部を折り曲げるか分離することによって調整される、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記インサート部材の前記調整された部分は、1つ以上のミシン目に沿って裂くことによって前記インサート部材から分離されるように構成されている、請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記インサート部材には、前記インサート部材が前記スリーブ内に受け入れられたときに、ユーザがアクセス可能なグリップ部分が備わっており、前記インサート部材は、前記インサート部材が前記製品を受け入れることができるようになる前に、前記グリップ部分を前記インサート部材から分離するか、または前記グリップ部分を操作不能にする必要があるように、調整されるように構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記パッケージは、前記インサート部材が前記スリーブから引き出されるかまたは再度引き出されることを防止する少なくとも1つのロック機構を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項6】
ロック機構は、前記スリーブに対する前記インサート部材の動きを制御するように構成されている解除可能なロック機構である、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記ロック機構は、一旦前記インサート部材が調整され、前記インサート部材が前記スリーブ内に再度挿入されると、解除不能となるように構成されている、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記パッケージは、一旦前記インサート部材が調整され、前記インサート部材が前記スリーブ内に再度挿入されると、解除不能になるように構成されている第2のロック機構を有する、請求項6に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記ロック機構は第2のロック部材に接続されるように構成されている第1のロック部材によって前記インサート部材が再度引き出されることを防止し、第2のロック部材は前記インサート部材が調整された後に現れるまたは形成される、請求項5、7または8のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のパッケージで使用されるように構成されているインサート部材であって、
前記インサート部材は、移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており
前記インサート部材は、少なくとも1つの製品を受け入れて、保持するように構成されており、
前記インサート部材は、前記製品を受け入れた後に前記スリーブ内に再度挿入されるように構成されており、
前記スリーブは、前記製品へのアクセスが制限されたり妨げられるように、再度挿入された前記インサート部材を囲むように構成されており、
前記インサート部材は、一旦前記インサート部材が前記スリーブに再度挿入されると、前記インサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるように調整されるように構成されている、インサート部材。
【請求項11】
スリーブと、インサート部材とを有し、
前記インサート部材は、移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能に前記スリーブ内に受け入れられるように構成されており、
前記インサート部材は、使用後に少なくとも一部が残る製品を保持するように構成されており、
前記製品は、前記インサート部材が前記スリーブから少なくとも部分的に引き出された後に初めてアクセス可能であって、
前記インサート部材は、前記製品の使用後に前記製品の一部を受け入れて保持するように構成されており、
前記インサート部材は、前記製品の前記一部を受け入れた後にスリーブ内に再度挿入されるように構成されており、
前記スリーブは、前記製品の前記一部へのアクセスが制限されたり妨げられるように、再度挿入された前記インサート部材を囲むように構成されており、
一旦前記インサート部材が前記スリーブ内に再度挿入されると、前記インサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられる、パッケージ。
【請求項12】
前記製品は、好ましくは前記インサート部材の少なくとも一部を折り曲げたり分離することによって、前記インサート部材が調整された後に初めてアクセス可能である、請求項11に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記インサート部材の前記調整された部分は、1つ以上のミシン目に沿って裂くことによって前記インサート部材から分離されるように構成されている、請求項12に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記インサート部材には、前記インサート部材が前記スリーブ内に受け入れられたときに、ユーザにアクセス可能なグリップ部分が備わっており、
前記インサート部材は、前記製品を前記インサート部材から取り外すことができるようになる前に、前記グリップ部分を前記インサート部材から分離するか、または操作不能にする必要があるように、前記製品を保持するように構成されている、請求項11から13のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記パッケージは、前記インサート部材が前記スリーブから引き出されるかまたは再度引き出されることを防止する少なくとも1つのロック機構を有している、請求項11から14のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項16】
ロック機構は、前記スリーブに対する前記インサート部材の動きを制御するように構成されている解除可能なロック機構である、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記ロック機構は、一旦前記インサート部材が調整され、前記インサート部材が前記スリーブ内に再度挿入されると作動するように構成されている、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記パッケージは、一旦前記インサート部材が調整され、前記インサート部材が前記スリーブ内に再度挿入されると、解除不能になるように構成されている第2のロック機構を有する、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項19】
前記ロック機構は第2のロック部材に接続されるように構成されている第1のロック部材によって前記インサート部材が再度引き出されることを防止し、第2のロック部材は前記インサート部材が調整された後に現れるまたは形成される、請求項15、17または18のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項20】
請求項11から19のいずれか1項に記載のパッケージで使用されるように構成されているインサート部材であって、
前記インサート部材は、移動可能で、少なくとも部分的に引き出し可能にスリーブ内に受け入れられるように構成されており、
前記インサート部材は、使用後に少なくとも一部が残る製品を保持するように構成されており、
前記製品は前記インサート部材が前記スリーブから少なくとも部分的に引き出された後に初めてアクセス可能であって、
前記インサート部材は、前記製品の使用後に前記製品の前記一部を受け入れて保持するように構成されており、
前記インサート部材は、前記製品の一部を受け入れた後に前記スリーブ内に再度挿入されるように構成されており、
前記スリーブは、前記製品の一部へのアクセスが制限されたり妨げられるように、再度挿入された前記インサート部材を囲むように構成されており、
前記インサート部材は、一旦前記インサート部材が前記スリーブに再度挿入されると、前記インサート部材の再度引き出しが制限されたり妨げられるように調整されるように構成されている、インサート部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−526733(P2010−526733A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507355(P2010−507355)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000070
【国際公開番号】WO2008/140370
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(304014693)ストゥラ エンソ アクチボラグ (11)
【Fターム(参考)】