パッチアンテナ及びその実装方法
【課題】給電ピンの損傷が極力防止でき、且つ、信頼性の高い表面実装が可能なパッチアンテナ及びその実装方法を提供すること。
【解決手段】貫通孔20に挿入された給電ピン13の下端部を誘電体11の下面に開口する凹部21内に臨ませ、その部分には半田40を添設し、給電ピン13及び半田40の下端を接地電極12の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置させる構成とし、周囲の壁によって給電ピン13を保護してその損傷を防止するとともに、半田40の溶融の際、溶融した半田を給電ピン13に付着したまま垂れ下がらせ、給電ピン13の下端部と給電パッド61との電気的接続を確実に行えるようにした。
【解決手段】貫通孔20に挿入された給電ピン13の下端部を誘電体11の下面に開口する凹部21内に臨ませ、その部分には半田40を添設し、給電ピン13及び半田40の下端を接地電極12の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置させる構成とし、周囲の壁によって給電ピン13を保護してその損傷を防止するとともに、半田40の溶融の際、溶融した半田を給電ピン13に付着したまま垂れ下がらせ、給電ピン13の下端部と給電パッド61との電気的接続を確実に行えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッチアンテナ及びその実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パッチアンテナとして、上下方向に貫通する貫通孔を有する誘電体の上面に放射電極が形成される一方、誘電体の下面に接地電極が形成され、前記貫通孔に挿入された給電ピンの上端部が半田を介して放射電極に電気的に接続され、給電ピンの下端部が、誘電体の下面に形成され貫通孔の直径よりも大きい内周を有する凹部内に臨み、給電ピンの下端が接地電極の下面とほぼ面一に形成された表面実装可能なパッチアンテナが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−260875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のパッチアンテナでは、当該パッチアンテナを実装基板に表面実装する場合、パッチアンテナの給電ピンの下端を実装基板の給電パッドに当接させるか、実装基板の給電パッドにクリーム半田を予め塗布しておき、このクリーム半田を加熱によって溶融させ、この溶融した半田を給電ピンに沿って上らせることで、パッチアンテナの給電ピンの下端部と実装基板の給電パッドを電気的に接続させている。後者のクリーム半田を使用する実装方法の場合、誘電体の下面に形成した凹部は、半田などの導電性部材が給電ピンにしっかりと固着するスペースを確保するとともに、半田が接地電極に接触するのを防止する働きをしている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のパッチアンテナでは、給電ピンの下端が接地電極の下面とほぼ面一となっているので、前者の実装方法の場合、実装基板にパッチアンテナを載置した際の給電ピンと給電パッドとの接触が不完全になる虞がある。すなわち、パッチアンテナの誘電体及び接地電極の平坦性や、実装基板の上面の給電パッドの平坦性が悪かったりすると、給電ピンの下端と給電パッドとが当接不良となる虞がある。
また、後者の実装方法の場合も、同様の理由によって、給電ピンの下端とクリーム半田とが適切に当接せず、溶融した半田が給電ピンに沿ってうまく上らず、好適な半田フィレットが形成されない虞がある。
一方、このような問題を避けるため、給電ピンの下端を接地電極の下面から少し突出させるとパッチアンテナの搬送の際などに、給電ピンの突出部分が外部物体に衝突したりして、給電ピンが損傷する虞がある。さらには、給電ピンの下端を接地電極の下面から突出させると、パッチアンテナを実装基板に載置したとき、給電ピンの下端がパッチアンテナの他の部分よりも先に給電パッドに強く当接し、給電パッドが損傷したり、或いは、給電ピンと給電パッドとの当接点を支点としてパッチアンテナが傾き、傾いたままでパッチアンテナが実装されてしまう虞もある。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、給電ピンの損傷が極力防止でき、且つ、信頼性の高い表面実装が可能なパッチアンテナ及びその実装方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、
上下方向に貫く貫通孔と下面に開口し前記貫通孔の直径よりも大きい内周を有し当該貫通孔と連通された凹部とを有する誘電体と、前記誘電体の上面に形成された放射電極と、前記誘電体の下面に形成された接地電極とを備え、前記貫通孔には給電ピンが挿入され、前記給電ピンの上端部で前記放射電極と電気的に接続されたパッチアンテナにおいて、
前記給電ピンの下端部は前記凹部内に臨み、前記給電ピンの下端部には半田が添設され、前記給電ピン及び半田の下端は、前記接地電極の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置していることを特徴とするパッチアンテナである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のパッチアンテナにおいて、前記給電ピンの下端部は棒状に形成され、当該給電ピンの下端部には前記半田として環状の固形半田が外嵌されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2のパッチアンテナを、上面に給電パッドが形成された実装基板の上に載置し、前記半田を加熱によって溶融させることによって、前記給電ピンの下端部と前記給電パッドとを電気的に接続することを特徴とするパッチアンテナの実装方法である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載のパッチアンテナの実装方法において、リフロー炉内において、前記半田の溶融を、他の電気部品の実装に使用される半田の溶融と同時に行って、前記パッチアンテナ及び他の電気部品の実装を同時に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明によれば、給電ピン及び半田の下端は、接地電極の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置しているので、給電ピンの下端部がそれを取り囲む周壁によって保護され、パッチアンテナの搬送の際などに、給電ピンの下端部が外部の物体と衝突したりすることがなくなる。その結果、給電ピンの下端部が損傷する虞がなくなる。
また、同様の理由により、パッチアンテナを実装基板の上に載置する場合でも、給電ピンの下端がパッチアンテナの他の部分よりも先に給電パッドに当接することがないので、給電パッドの損傷が防止できるとともに、パッチアンテナが傾くことも防止される。
一方、給電ピンの下端部に添接されている半田の溶融の際、半田に作用する重力や半田の表面張力によって、溶融した半田が給電ピンに付着したまま垂れ下がるので、好適な半田フィレットが形成されて、給電ピンの下端部と給電パッドとの電気的接続が確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るパッチアンテナを示した断面図である。
【図2】図1のパッチアンテナにおける半田の添設の仕方を説明するための給電ピン及び半田の斜視図である。
【図3】図1のパッチアンテナの製造方法の工程図であり、(A)は基台の上にアンテナ本体を載置するときの様子を示す図、(B)は基台の上にアンテナ本体を載置した状態を示す図、(C)はアンテナ本体の貫通孔に給電ピンを挿入する様子を示す図、(D)は給電ピンと給電パッドとを電気的に接続した状態を示す図、(E)は給電ピンに半田を添設する様子を示す図である。
【図4】図1のパッチアンテナの実装方法の工程図であり、(A)は実装に使用される実装基板の正面図、(B)は実装基板の上にアンテナ本体を載置するときの様子を示す図、(C)は給電ピンと給電パッドとを電気的に接続した状態を示す図である。
【図5】図1のパッチアンテナの給電ピンに添設された半田の溶融の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0014】
図1はパッチアンテナ1の断面図である。
このパッチアンテナ1は、放射電極10、誘電体11及び接地電極12を備えている。 このうち誘電体11は例えばセラミックスによって形成されている。この誘電体11には、上下方向に貫通する貫通孔20と、下面に開口し貫通孔20の直径よりも大きい内周を有し貫通孔20に連通された凹部21とが形成されている。
【0015】
放射電極10は誘電体11の上面に形成されている。この放射電極10の形成は、例えば、スクリーン印刷や転写などの方法によって電極用ペースト材を誘電体11に付着した後に焼き付けを行うことによってなされている。なお、この放射電極10の形状及び面積は所望の使用周波数やアンテナ特性との関係を考慮して決定されている。例えば、円偏波特性を有するアンテナの場合には、放射電極10の外周に切り欠き部が形成される。
【0016】
接地電極12は誘電体11の下面に形成されている。この接地電極12の形成も、例えば、スクリーン印刷や転写などの方法によって電極用ペースト材を誘電体11に付着した後に焼き付けを行うことによってなされている。
【0017】
また、給電ピン13は例えば真鍮製で全体が棒状に形成されている。この給電ピン13は貫通孔20に挿入されている。この給電ピン13の上端は、放射電極11の上面から突出している。そして、放射電極11の上端部は第1の半田30を介して放射電極10と電気的に接続されている。この場合の第1の半田30としては、例えば、高融点半田が使用されている。
一方、給電ピン13の下端部は凹部21内に臨んでいる。この給電ピン13の下端部には第2の半田40が添設されている。この第2の半田40の添設は、例えば、図2に示すように、第2の半田40として環状の固形半田を給電ピン13の下端部に外嵌することによってなされている。この第2の半田40としては、上記第1の半田30よりも融点が低い低融点半田が使用されている。この場合の第2の半田40の量は、溶融した際に、給電ピン13の下端部から垂れ下がり、接地電極12の下面から突出することが可能となる量に設定されている。
この給電ピン13及び第2の半田40の下端は、接地電極12の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置している。そのため、給電ピン13及び第2の半田40は、それを取り囲む壁によって保護され、パッチアンテナ1の搬送の際などに外部の物体との衝突が防止される。
【0018】
次に、パッチアンテナ1の製造方法について図3を用いて説明する。
この製造方法では、図3(A)に示すように、始発材料としてアンテナ本体1Aが使用される。ここで、アンテナ本体1Aとは、放射電極10、誘電体11及び接地電極12を備え、誘電体11に貫通孔20及び凹部21が形成されたものを言う。
また、この製造方法では、図3(A)に示すように、アンテナ本体1Aを載置するための基台50が使用される。基台50の上面には突起51が形成されている。この突起51は、アンテナ本体1Aの凹部21に対向する部分に形成されており、基台50の上面から僅かに突出している。基台50の上面のその他の部分は平面となっている。また、突起51の上面も平面となっている。この突起51は、給電ピン13の下端を接地電極12の下面よりも上方に位置させるためのものである。
パッチアンテナ1を製造するにあたっては、まず、図3(A)に示すように接地電極12を下方に向けた状態で、アンテナ本体1Aを基台50の上に載置する。載置した状態では、図3(B)に示すように、基台50の突起51と凹部21との平面的な位置を合致させるようにする。
次に、図3(C)に示すように、アンテナ本体1Aの貫通孔20に上方から給電ピン13を挿入する。そして、給電ピン13の下端を突起51の上面に当接させる。給電ピン13の下端を突起51の上面に当接させた状態では、給電ピン13の上端は、放射電極10の上面から突出している。一方、給電ピン13の下端は、接地電極12の下面よりも上方に位置している。
この状態で、アンテナ本体1Aの上面に第1の半田30を付着させ、第1の半田30を加熱によって溶融させ、図3(D)に示すように、給電ピン13の上端部と放射電極10とを電気的に接続する。
その後、第1の半田30が固まったならば、基台50の上からアンテナ本体1Aを取り外し、凹部21内に位置する給電ピン13の下端部に、図2及び図3(E)に示すように、予め用意しておいた環状の固形半田である第2の半田40を外嵌させる。外嵌させた状態では、第2の半田40の下端を接地電極12の下面と面一、或いは当該下面よりも上方に位置させるようにする。
これによって、図1に示すパッチアンテナ1が得られる。
【0019】
なお、上記製造方法によれば、上面に突起51を形成した基台50を使用しているが、上面に突起51を設けずに、基台50の上面を平面としてもよい。この場合には、誘電体11の貫通孔20に挿入した給電ピン13の下端を基台50の上面に当接させれば、給電ピン13の下端は接地電極12の下面と面一となる。
また、上記製造方法によれば、アンテナ本体1Aを基台50に載置した後に給電ピン13を貫通孔20に挿入したが、基台50に載置する前に、給電ピン13を上又は下からアンテナ本体1Aの貫通孔20に挿入しておき、その後にアンテナ本体1Aを基台50に載置し、給電ピン13の下端を突起51に当接させてもよい。
さらには、アンテナ本体Aを基台50の上に載置する前に、給電ピン13に第2の半田40を添接しておくとともに、給電ピン13をアンテナ本体1Aの貫通孔20に下から挿入しておき、その後にアンテナ本体1Aを基台50に載置してもよい。
【0020】
続いて、パッチアンテナ1の実装方法を説明する。
この実装では、図4(A)に示すような実装基板60が使用される。この実装基板60は、給電ピン13に電気的に接続すべき給電パッド61と、接地電極11に電気的に接続すべき接地電極62とを上面に備えている。
パッチアンテナ1を実装するにあたっては、まず、図4(B)に示すように、この実装基板60の給電パッド61及び接地電極62の上にクリーム半田70を塗布する。
次に、給電ピン13の下端及び第2の半田40と実装基板60の給電パッド61とが対向するように位置決めして、図4(C)に示すように、実装基板60の上にパッチアンテナ1を載置する。この時点では、給電ピン13及び第2の半田40の下端はクリーム半田70に当接されていなくてもよい。
【0021】
次に、図4(C)の状態を保ったまま、実装基板50及びパッチアンテナ10をリフロー炉に挿入し、第2の半田40及びクリーム半田70を溶融させる。
【0022】
このとき給電ピン13に添設されている第2の半田40は次のように作用する。
図5は、下方に実装基板60が無いとした場合の第2の半田40の溶融状態を示している。
第2の半田40は、融点以上に加熱されると溶融し、第2の半田40に作用する重力及び第2の半田40の表面張力により、給電ピン13の下端部に球状となって垂れ下がる。そして、第2の半田40の下端は、溶融状態では、給電ピン13の下端よりも下方に位置することになる。
【0023】
このように第2の半田40の下端は、溶融されると給電ピン13の下端よりも下方に位置するため、第2の半田40は、図4(D)に示すように、クリーム半田70と確実に結び付き、好適な半田フィレットが形成されることになる。
これによって、パッチアンテナ1の給電ピン13の下端部が給電パッド61に電気的に接続される。
また、パッチアンテナ1の接地電極12もクリーム半田70を介して実装基板60の接地電極62に電気的に接続される。
【0024】
なお、ここでは実装基板60にパッチアンテナ1だけを実装する場合について説明したが、パッチアンテナ1が実装される実装基板60の上面には抵抗やIC等の電気部品が半田によって実装されるときがあり、このときには、その電気部品の実装のための半田もリフロー炉で同時に溶融し、パッチアンテナ1の実装と他の電気部品の実装とを同時に行うことができる。このようにすれば、全体として、実装の作業性が向上することになる。
【0025】
以上説明した、上記パッチアンテナ1及びその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、本実施形態によれば、給電ピン13及び第2の半田40の下端は、接地電極12の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置しているので、給電ピン13の下端部がそれを取り囲む周壁によって保護され、パッチアンテナ1の搬送の際などに、給電ピン13の下端部が外部の物体と衝突したりすることがなくなる。その結果、給電ピン13の下端部が損傷する虞がなくなる。
また、同様の理由により、パッチアンテナ1を実装基板60の上に載置する場合でも、給電ピン13の下端がパッチアンテナ1の他の部分よりも先に給電パッド61に当接することがないので、給電パッド61の損傷が防止されるとともに、パッチアンテナ1が傾くことが防止される。
一方、第2の半田40の溶融の際には、第2の半田40は、第2の半田40に作用する重力や第2の半田40の表面張力によって、給電ピン13に付着したまま垂れ下がり、その下端が給電ピン13の下端よりも下方に突出するので、給電ピン13の下端部と給電パッド61との間に好適な半田フィレットが形成されて、給電ピン13と給電パッド61との電気的接続が確実に行えることになる。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
【0027】
例えば、上記実施形態では、第1の半田30として高融点半田を、第2の半田40として低融点半田を使用したが、融点が異なり第2の半田40の溶融の際に第1の半田30が溶融しないものであれば、第1の半田30として高融点半田を、第2の半田40として低融点半田を使用しなくてもよい。
【0028】
逆に、第1の半田30として第2の半田の融点40と同程度の融点の半田を使用し、第2の半田40の溶融時に、第1の半田30も同時に溶融させることもできる。この場合、第1の半田30の溶融によって、給電ピン13が自重によって下方に落ちることが予想されるが、半田の溶融時に給電ピン13が落ちるだけなので、実装基板60に対してパッチアンテナ1が傾くこともない。
【0029】
また、上記実施形態では、給電ピン13を給電パッド61と電気的に接続するために、給電パッド61側にクリーム半田70を塗布したが、給電パッド61自体の濡れ性が良好な場合には、クリーム半田70を塗布しなくてもよい。また、給電パッド61の濡れ性が悪い場合には、フラックスによって表面を清浄化させておくだけでもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、パッチアンテナ1の接地電極12と実装基板60の接地電極62とをクリーム半田70によって電気的に接続したが、電気的に接続しなくてもよく、また、パッチアンテナ1の接地電極12と実装基板60の接地電極62とを、クリーム半田70に代えて、熱硬化型接着剤で接着してもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、給電ピン13に添設する第2の半田40として比較的取扱いが容易な常温で固形の半田を使用したが、常温である程度の粘性を有し、常温で給電ピン13の下端部から垂れない半田であれば、その種類を問わず、給電ピン13に添設させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 パッチアンテナ
1A アンテナ本体
10 放射電極
11 誘電体
12 接地電極
13 給電ピン
20 貫通孔
21 凹部
30 第1の半田
40 第2の半田
50 基台
60 実装基板
61 給電パッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッチアンテナ及びその実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パッチアンテナとして、上下方向に貫通する貫通孔を有する誘電体の上面に放射電極が形成される一方、誘電体の下面に接地電極が形成され、前記貫通孔に挿入された給電ピンの上端部が半田を介して放射電極に電気的に接続され、給電ピンの下端部が、誘電体の下面に形成され貫通孔の直径よりも大きい内周を有する凹部内に臨み、給電ピンの下端が接地電極の下面とほぼ面一に形成された表面実装可能なパッチアンテナが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−260875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のパッチアンテナでは、当該パッチアンテナを実装基板に表面実装する場合、パッチアンテナの給電ピンの下端を実装基板の給電パッドに当接させるか、実装基板の給電パッドにクリーム半田を予め塗布しておき、このクリーム半田を加熱によって溶融させ、この溶融した半田を給電ピンに沿って上らせることで、パッチアンテナの給電ピンの下端部と実装基板の給電パッドを電気的に接続させている。後者のクリーム半田を使用する実装方法の場合、誘電体の下面に形成した凹部は、半田などの導電性部材が給電ピンにしっかりと固着するスペースを確保するとともに、半田が接地電極に接触するのを防止する働きをしている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のパッチアンテナでは、給電ピンの下端が接地電極の下面とほぼ面一となっているので、前者の実装方法の場合、実装基板にパッチアンテナを載置した際の給電ピンと給電パッドとの接触が不完全になる虞がある。すなわち、パッチアンテナの誘電体及び接地電極の平坦性や、実装基板の上面の給電パッドの平坦性が悪かったりすると、給電ピンの下端と給電パッドとが当接不良となる虞がある。
また、後者の実装方法の場合も、同様の理由によって、給電ピンの下端とクリーム半田とが適切に当接せず、溶融した半田が給電ピンに沿ってうまく上らず、好適な半田フィレットが形成されない虞がある。
一方、このような問題を避けるため、給電ピンの下端を接地電極の下面から少し突出させるとパッチアンテナの搬送の際などに、給電ピンの突出部分が外部物体に衝突したりして、給電ピンが損傷する虞がある。さらには、給電ピンの下端を接地電極の下面から突出させると、パッチアンテナを実装基板に載置したとき、給電ピンの下端がパッチアンテナの他の部分よりも先に給電パッドに強く当接し、給電パッドが損傷したり、或いは、給電ピンと給電パッドとの当接点を支点としてパッチアンテナが傾き、傾いたままでパッチアンテナが実装されてしまう虞もある。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、給電ピンの損傷が極力防止でき、且つ、信頼性の高い表面実装が可能なパッチアンテナ及びその実装方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、
上下方向に貫く貫通孔と下面に開口し前記貫通孔の直径よりも大きい内周を有し当該貫通孔と連通された凹部とを有する誘電体と、前記誘電体の上面に形成された放射電極と、前記誘電体の下面に形成された接地電極とを備え、前記貫通孔には給電ピンが挿入され、前記給電ピンの上端部で前記放射電極と電気的に接続されたパッチアンテナにおいて、
前記給電ピンの下端部は前記凹部内に臨み、前記給電ピンの下端部には半田が添設され、前記給電ピン及び半田の下端は、前記接地電極の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置していることを特徴とするパッチアンテナである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のパッチアンテナにおいて、前記給電ピンの下端部は棒状に形成され、当該給電ピンの下端部には前記半田として環状の固形半田が外嵌されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2のパッチアンテナを、上面に給電パッドが形成された実装基板の上に載置し、前記半田を加熱によって溶融させることによって、前記給電ピンの下端部と前記給電パッドとを電気的に接続することを特徴とするパッチアンテナの実装方法である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載のパッチアンテナの実装方法において、リフロー炉内において、前記半田の溶融を、他の電気部品の実装に使用される半田の溶融と同時に行って、前記パッチアンテナ及び他の電気部品の実装を同時に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明によれば、給電ピン及び半田の下端は、接地電極の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置しているので、給電ピンの下端部がそれを取り囲む周壁によって保護され、パッチアンテナの搬送の際などに、給電ピンの下端部が外部の物体と衝突したりすることがなくなる。その結果、給電ピンの下端部が損傷する虞がなくなる。
また、同様の理由により、パッチアンテナを実装基板の上に載置する場合でも、給電ピンの下端がパッチアンテナの他の部分よりも先に給電パッドに当接することがないので、給電パッドの損傷が防止できるとともに、パッチアンテナが傾くことも防止される。
一方、給電ピンの下端部に添接されている半田の溶融の際、半田に作用する重力や半田の表面張力によって、溶融した半田が給電ピンに付着したまま垂れ下がるので、好適な半田フィレットが形成されて、給電ピンの下端部と給電パッドとの電気的接続が確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るパッチアンテナを示した断面図である。
【図2】図1のパッチアンテナにおける半田の添設の仕方を説明するための給電ピン及び半田の斜視図である。
【図3】図1のパッチアンテナの製造方法の工程図であり、(A)は基台の上にアンテナ本体を載置するときの様子を示す図、(B)は基台の上にアンテナ本体を載置した状態を示す図、(C)はアンテナ本体の貫通孔に給電ピンを挿入する様子を示す図、(D)は給電ピンと給電パッドとを電気的に接続した状態を示す図、(E)は給電ピンに半田を添設する様子を示す図である。
【図4】図1のパッチアンテナの実装方法の工程図であり、(A)は実装に使用される実装基板の正面図、(B)は実装基板の上にアンテナ本体を載置するときの様子を示す図、(C)は給電ピンと給電パッドとを電気的に接続した状態を示す図である。
【図5】図1のパッチアンテナの給電ピンに添設された半田の溶融の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0014】
図1はパッチアンテナ1の断面図である。
このパッチアンテナ1は、放射電極10、誘電体11及び接地電極12を備えている。 このうち誘電体11は例えばセラミックスによって形成されている。この誘電体11には、上下方向に貫通する貫通孔20と、下面に開口し貫通孔20の直径よりも大きい内周を有し貫通孔20に連通された凹部21とが形成されている。
【0015】
放射電極10は誘電体11の上面に形成されている。この放射電極10の形成は、例えば、スクリーン印刷や転写などの方法によって電極用ペースト材を誘電体11に付着した後に焼き付けを行うことによってなされている。なお、この放射電極10の形状及び面積は所望の使用周波数やアンテナ特性との関係を考慮して決定されている。例えば、円偏波特性を有するアンテナの場合には、放射電極10の外周に切り欠き部が形成される。
【0016】
接地電極12は誘電体11の下面に形成されている。この接地電極12の形成も、例えば、スクリーン印刷や転写などの方法によって電極用ペースト材を誘電体11に付着した後に焼き付けを行うことによってなされている。
【0017】
また、給電ピン13は例えば真鍮製で全体が棒状に形成されている。この給電ピン13は貫通孔20に挿入されている。この給電ピン13の上端は、放射電極11の上面から突出している。そして、放射電極11の上端部は第1の半田30を介して放射電極10と電気的に接続されている。この場合の第1の半田30としては、例えば、高融点半田が使用されている。
一方、給電ピン13の下端部は凹部21内に臨んでいる。この給電ピン13の下端部には第2の半田40が添設されている。この第2の半田40の添設は、例えば、図2に示すように、第2の半田40として環状の固形半田を給電ピン13の下端部に外嵌することによってなされている。この第2の半田40としては、上記第1の半田30よりも融点が低い低融点半田が使用されている。この場合の第2の半田40の量は、溶融した際に、給電ピン13の下端部から垂れ下がり、接地電極12の下面から突出することが可能となる量に設定されている。
この給電ピン13及び第2の半田40の下端は、接地電極12の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置している。そのため、給電ピン13及び第2の半田40は、それを取り囲む壁によって保護され、パッチアンテナ1の搬送の際などに外部の物体との衝突が防止される。
【0018】
次に、パッチアンテナ1の製造方法について図3を用いて説明する。
この製造方法では、図3(A)に示すように、始発材料としてアンテナ本体1Aが使用される。ここで、アンテナ本体1Aとは、放射電極10、誘電体11及び接地電極12を備え、誘電体11に貫通孔20及び凹部21が形成されたものを言う。
また、この製造方法では、図3(A)に示すように、アンテナ本体1Aを載置するための基台50が使用される。基台50の上面には突起51が形成されている。この突起51は、アンテナ本体1Aの凹部21に対向する部分に形成されており、基台50の上面から僅かに突出している。基台50の上面のその他の部分は平面となっている。また、突起51の上面も平面となっている。この突起51は、給電ピン13の下端を接地電極12の下面よりも上方に位置させるためのものである。
パッチアンテナ1を製造するにあたっては、まず、図3(A)に示すように接地電極12を下方に向けた状態で、アンテナ本体1Aを基台50の上に載置する。載置した状態では、図3(B)に示すように、基台50の突起51と凹部21との平面的な位置を合致させるようにする。
次に、図3(C)に示すように、アンテナ本体1Aの貫通孔20に上方から給電ピン13を挿入する。そして、給電ピン13の下端を突起51の上面に当接させる。給電ピン13の下端を突起51の上面に当接させた状態では、給電ピン13の上端は、放射電極10の上面から突出している。一方、給電ピン13の下端は、接地電極12の下面よりも上方に位置している。
この状態で、アンテナ本体1Aの上面に第1の半田30を付着させ、第1の半田30を加熱によって溶融させ、図3(D)に示すように、給電ピン13の上端部と放射電極10とを電気的に接続する。
その後、第1の半田30が固まったならば、基台50の上からアンテナ本体1Aを取り外し、凹部21内に位置する給電ピン13の下端部に、図2及び図3(E)に示すように、予め用意しておいた環状の固形半田である第2の半田40を外嵌させる。外嵌させた状態では、第2の半田40の下端を接地電極12の下面と面一、或いは当該下面よりも上方に位置させるようにする。
これによって、図1に示すパッチアンテナ1が得られる。
【0019】
なお、上記製造方法によれば、上面に突起51を形成した基台50を使用しているが、上面に突起51を設けずに、基台50の上面を平面としてもよい。この場合には、誘電体11の貫通孔20に挿入した給電ピン13の下端を基台50の上面に当接させれば、給電ピン13の下端は接地電極12の下面と面一となる。
また、上記製造方法によれば、アンテナ本体1Aを基台50に載置した後に給電ピン13を貫通孔20に挿入したが、基台50に載置する前に、給電ピン13を上又は下からアンテナ本体1Aの貫通孔20に挿入しておき、その後にアンテナ本体1Aを基台50に載置し、給電ピン13の下端を突起51に当接させてもよい。
さらには、アンテナ本体Aを基台50の上に載置する前に、給電ピン13に第2の半田40を添接しておくとともに、給電ピン13をアンテナ本体1Aの貫通孔20に下から挿入しておき、その後にアンテナ本体1Aを基台50に載置してもよい。
【0020】
続いて、パッチアンテナ1の実装方法を説明する。
この実装では、図4(A)に示すような実装基板60が使用される。この実装基板60は、給電ピン13に電気的に接続すべき給電パッド61と、接地電極11に電気的に接続すべき接地電極62とを上面に備えている。
パッチアンテナ1を実装するにあたっては、まず、図4(B)に示すように、この実装基板60の給電パッド61及び接地電極62の上にクリーム半田70を塗布する。
次に、給電ピン13の下端及び第2の半田40と実装基板60の給電パッド61とが対向するように位置決めして、図4(C)に示すように、実装基板60の上にパッチアンテナ1を載置する。この時点では、給電ピン13及び第2の半田40の下端はクリーム半田70に当接されていなくてもよい。
【0021】
次に、図4(C)の状態を保ったまま、実装基板50及びパッチアンテナ10をリフロー炉に挿入し、第2の半田40及びクリーム半田70を溶融させる。
【0022】
このとき給電ピン13に添設されている第2の半田40は次のように作用する。
図5は、下方に実装基板60が無いとした場合の第2の半田40の溶融状態を示している。
第2の半田40は、融点以上に加熱されると溶融し、第2の半田40に作用する重力及び第2の半田40の表面張力により、給電ピン13の下端部に球状となって垂れ下がる。そして、第2の半田40の下端は、溶融状態では、給電ピン13の下端よりも下方に位置することになる。
【0023】
このように第2の半田40の下端は、溶融されると給電ピン13の下端よりも下方に位置するため、第2の半田40は、図4(D)に示すように、クリーム半田70と確実に結び付き、好適な半田フィレットが形成されることになる。
これによって、パッチアンテナ1の給電ピン13の下端部が給電パッド61に電気的に接続される。
また、パッチアンテナ1の接地電極12もクリーム半田70を介して実装基板60の接地電極62に電気的に接続される。
【0024】
なお、ここでは実装基板60にパッチアンテナ1だけを実装する場合について説明したが、パッチアンテナ1が実装される実装基板60の上面には抵抗やIC等の電気部品が半田によって実装されるときがあり、このときには、その電気部品の実装のための半田もリフロー炉で同時に溶融し、パッチアンテナ1の実装と他の電気部品の実装とを同時に行うことができる。このようにすれば、全体として、実装の作業性が向上することになる。
【0025】
以上説明した、上記パッチアンテナ1及びその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、本実施形態によれば、給電ピン13及び第2の半田40の下端は、接地電極12の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置しているので、給電ピン13の下端部がそれを取り囲む周壁によって保護され、パッチアンテナ1の搬送の際などに、給電ピン13の下端部が外部の物体と衝突したりすることがなくなる。その結果、給電ピン13の下端部が損傷する虞がなくなる。
また、同様の理由により、パッチアンテナ1を実装基板60の上に載置する場合でも、給電ピン13の下端がパッチアンテナ1の他の部分よりも先に給電パッド61に当接することがないので、給電パッド61の損傷が防止されるとともに、パッチアンテナ1が傾くことが防止される。
一方、第2の半田40の溶融の際には、第2の半田40は、第2の半田40に作用する重力や第2の半田40の表面張力によって、給電ピン13に付着したまま垂れ下がり、その下端が給電ピン13の下端よりも下方に突出するので、給電ピン13の下端部と給電パッド61との間に好適な半田フィレットが形成されて、給電ピン13と給電パッド61との電気的接続が確実に行えることになる。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
【0027】
例えば、上記実施形態では、第1の半田30として高融点半田を、第2の半田40として低融点半田を使用したが、融点が異なり第2の半田40の溶融の際に第1の半田30が溶融しないものであれば、第1の半田30として高融点半田を、第2の半田40として低融点半田を使用しなくてもよい。
【0028】
逆に、第1の半田30として第2の半田の融点40と同程度の融点の半田を使用し、第2の半田40の溶融時に、第1の半田30も同時に溶融させることもできる。この場合、第1の半田30の溶融によって、給電ピン13が自重によって下方に落ちることが予想されるが、半田の溶融時に給電ピン13が落ちるだけなので、実装基板60に対してパッチアンテナ1が傾くこともない。
【0029】
また、上記実施形態では、給電ピン13を給電パッド61と電気的に接続するために、給電パッド61側にクリーム半田70を塗布したが、給電パッド61自体の濡れ性が良好な場合には、クリーム半田70を塗布しなくてもよい。また、給電パッド61の濡れ性が悪い場合には、フラックスによって表面を清浄化させておくだけでもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、パッチアンテナ1の接地電極12と実装基板60の接地電極62とをクリーム半田70によって電気的に接続したが、電気的に接続しなくてもよく、また、パッチアンテナ1の接地電極12と実装基板60の接地電極62とを、クリーム半田70に代えて、熱硬化型接着剤で接着してもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、給電ピン13に添設する第2の半田40として比較的取扱いが容易な常温で固形の半田を使用したが、常温である程度の粘性を有し、常温で給電ピン13の下端部から垂れない半田であれば、その種類を問わず、給電ピン13に添設させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 パッチアンテナ
1A アンテナ本体
10 放射電極
11 誘電体
12 接地電極
13 給電ピン
20 貫通孔
21 凹部
30 第1の半田
40 第2の半田
50 基台
60 実装基板
61 給電パッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に貫く貫通孔と下面に開口し前記貫通孔の直径よりも大きい内周を有し当該貫通孔と連通された凹部とを有する誘電体と、前記誘電体の上面に形成された放射電極と、前記誘電体の下面に形成された接地電極とを備え、前記貫通孔には給電ピンが挿入され、前記給電ピンの上端部で前記放射電極と電気的に接続されたパッチアンテナにおいて、
前記給電ピンの下端部は前記凹部内に臨み、前記給電ピンの下端部には半田が添設され、前記給電ピン及び半田の下端は、前記接地電極の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置していることを特徴とするパッチアンテナ。
【請求項2】
前記給電ピンの下端部は棒状に形成され、当該給電ピンの下端部には前記半田として環状の固形半田が外嵌されていることを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ。
【請求項3】
請求項1又は2のパッチアンテナを、上面に給電パッドが形成された実装基板の上に載置し、前記半田を加熱によって溶融させることによって、前記給電ピンの下端部と前記給電パッドとを電気的に接続することを特徴とするパッチアンテナの実装方法。
【請求項4】
リフロー炉内において、前記半田の溶融を、他の電気部品の実装に使用される半田の溶融と同時に行って、前記パッチアンテナ及び他の電気部品の実装を同時に行うことを特徴とする請求項3に記載のパッチアンテナの実装方法。
【請求項1】
上下方向に貫く貫通孔と下面に開口し前記貫通孔の直径よりも大きい内周を有し当該貫通孔と連通された凹部とを有する誘電体と、前記誘電体の上面に形成された放射電極と、前記誘電体の下面に形成された接地電極とを備え、前記貫通孔には給電ピンが挿入され、前記給電ピンの上端部で前記放射電極と電気的に接続されたパッチアンテナにおいて、
前記給電ピンの下端部は前記凹部内に臨み、前記給電ピンの下端部には半田が添設され、前記給電ピン及び半田の下端は、前記接地電極の下面と面一、又は当該下面よりも上方に位置していることを特徴とするパッチアンテナ。
【請求項2】
前記給電ピンの下端部は棒状に形成され、当該給電ピンの下端部には前記半田として環状の固形半田が外嵌されていることを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ。
【請求項3】
請求項1又は2のパッチアンテナを、上面に給電パッドが形成された実装基板の上に載置し、前記半田を加熱によって溶融させることによって、前記給電ピンの下端部と前記給電パッドとを電気的に接続することを特徴とするパッチアンテナの実装方法。
【請求項4】
リフロー炉内において、前記半田の溶融を、他の電気部品の実装に使用される半田の溶融と同時に行って、前記パッチアンテナ及び他の電気部品の実装を同時に行うことを特徴とする請求項3に記載のパッチアンテナの実装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−109822(P2012−109822A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257388(P2010−257388)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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