説明

パラメータ設定装置及びパラメータ設定方法及びプログラム

【課題】 通信機能を有する家電機器に対してユーザの関与なく通信パラメータの設定を行う。
【解決手段】 パラメータ設定装置101のメモリカードインタフェース1014が、メモリカード210から、ネットワークに接続している他の家電機器に設定されているIPアドレスの情報とネットワークアドレスの情報を入力し、情報解析部1011が、ネットワークアドレスに包含されるアドレスのうち他の家電機器に設定されていないIPアドレスを選択し、選択されたIPアドレスを情報読出・書込部1012が情報記憶部1015に設定情報1016として設定することにより、ユーザの関与なく通信パラメータの設定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに未接続の未接続通信機器に対して通信パラメータを設定する技術に関し、たとえば、家電ネットワークに未接続の通信機能を有する家電機器に対して通信パラメータを設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器において、ネットワークに接続して、お互いに連携した動作を行うことが考えられている。家電機器においては、従来のパソコンユーザのように、ネットワークに関する知識を十分備えたユーザがこれらの機器の設定を行うとは限らないため、誰でも容易に設定することができる必要がある。
【0003】
ネットワーク機器をネットワークに接続するためには、各々の機器に対して適切な通信パラメータ(IPアドレス、ネットワークアドレス)を割り振る必要があり、そのためにはネットワークに関する知識が必要である。これを解決するために、各機器のネットワーク設定を自動で行なうDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)では、各機器が起動時にブロードキャストを使ってDHCPサーバと通信してネットワーク情報を受け取る。(例えば、非特許文献1)。また、メモリカードにあらかじめネットワーク設定情報を書き込んでおき、機器にそれを読み込ませることによって、設定する方法も提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−32233号公報 第19頁、第1図
【非特許文献1】RFC2131 Dynamic Host Configuration Protocol (http://www.ietf.org/rfc/rfc2131.txt?number=2131)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のDHCPサーバを用いる場合、別途DHCPサーバを購入する必要があり、また、DHCPを動作させるための適切な設定を行わなければならず、そのためにはネットワークの知識が必要である。メモリカードからパラメータを読み込ませる場合でも、メモリカードに適切なパラメータを設定する必要があり、そのためにはネットワークに関する知識が必要であるとともに、システム構成(どのような機器をネットワークに接続しているか、従来の機器のパラメータは何が設定されているか)も把握している人間が行う必要があった。
【0005】
さらに、ネットワーク構成をユーザが確認する場合、MAC(Media Access Control)アドレスやIPアドレスと言ったパラメータでのみしか確認できず、接続されている機器を一般の人が直感的に判断できないという問題がある。
【0006】
また、エラーなどが発生し、設定がうまくいかなかった場合、何が原因であるかを理解するためにはネットワークの知識が必要である。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解決することを主な目的とし、第1の主な目的は、ネットワーク設定に関する知識を持たないユーザが、メモリカードなどの記憶媒体を機器に抜き差しするだけで、機器側で自動的にパラメータを選択して機器に設定することを可能とする。第2の主な目的は、ユーザがネットワークに接続されている機器を確認する際に、機器のモデル名や外観の写真等を表示することにより、ユーザにとって理解しやすい形態でネットワーク構成を表示可能とする。第3の主な目的は、エラーなどが発生したときに、その内容をメモリカードなどの記憶媒体に自動的に書き込み、メモリカードの内容を専門知識を持った人間が見ることにより、障害の原因を特定することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るパラメータ設定装置は、
ネットワークに未接続の未接続通信機器に対して通信パラメータの設定を行うパラメータ設定装置であって、
前記ネットワークに接続している他の通信機器に設定されている通信パラメータの情報を設定済パラメータ情報として記憶している記憶媒体から、設定済パラメータ情報を入力する記憶媒体入力部と、
前記記憶媒体入力部により入力された設定済パラメータ情報に基づいて、前記未接続通信機器に設定する通信パラメータを決定するパラメータ決定部と、
前記パラメータ決定部により決定された通信パラメータを前記未接続通信機器に対して設定するパラメータ設定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パラメータ設定装置が、記憶媒体から読み込んだ設定済パラメータ情報に基づいて未接続通信機器に設定可能な通信パラメータを選択し、選択した通信パラメータを未接続通信機器に設定するため、ユーザとしては、パラメータ設定装置に記憶媒体の内容を読み込ませるだけで、未接続通信装置の通信パラメータの設定が完了するため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係るパラメータ設定装置を組み込んだ機器を、ネットワークで接続した構成を示す。図1では、パラメータ設定装置を搭載する機器を、通信機能を有する家電機器としているが、通信機能を有する機器であればよく、家電機器に限定されない。図1では、ネットワーク102に家電機器103〜108が接続されている。家電機器103〜108は、それぞれ、パラメータ設定装置101を備えている。
【0011】
図2は、図1におけるパラメータ設定装置101を備えた各家電機器103〜108の内部構成を示す。図2では、ネットワーク102に家電機器(既存機器)201および家電機器(新規接続機器)202が接続されている。家電機器(既存機器)201は、ネットワーク102に接続済の家電機器であり、既に通信パラメータ(IPアドレス、ネットワークアドレス)が設定されている。家電機器(新規接続機器)202は、ネットワーク102に未接続の家電機器であり、通信パラメータ(IPアドレス、ネットワークアドレス)が未設定である。家電機器(新規接続機器)202は、未接続装置の例である。家電機器(既存機器)201および家電機器(新規接続機器)202の各々の内部には、パラメータ設定装置101が配置されている。
【0012】
パラメータ設定装置101は、情報解析部1011、情報読出・書込部1012、疎通確認部1013、メモリカードインタフェース1014、情報記憶部1015を備える。
【0013】
情報解析部1011は、メモリカードインタフェース1014が読み出したメモリカードの情報に基づき、家電機器(新規接続機器)に設定する通信パラメータを決定し、また、メモリカードの情報の解析などを行う。情報解析部1011は、パラメータ決定部の例である。
【0014】
情報読出・書込部1012は、情報解析部1011が決定した通信パラメータを設定情報1016として情報記憶部1015に書き込み、また、メモリカードインタフェース1014よりメモリカードに情報の書き込みを行わせるため、情報記憶部1015の設定情報1016、自機器情報1017などを読み出す。情報読出・書込部1012は、パラメータ設定部の例である。
【0015】
疎通確認部1013は、家電機器(新規接続機器)に通信パラメータが設定された際に、既にネットワークに接続されている他の家電機器との間の疎通確認を行う。
【0016】
メモリカードインタフェース1014は、記憶媒体たるメモリカードとの間で情報の入出力を行う。メモリカードインタフェース1014は、記憶媒体入力部及び記憶媒体出力部の例である。
【0017】
情報記憶部1015は、設定情報1016、自機器情報1017、名前情報1018、接続機器情報1019を記憶する。情報記憶部1015は、属性情報記憶部及び接続機器情報記憶部の例である。設定情報1016は、パラメータ設定装置が搭載されている家電機器(以下、自機器ともいう)のIPアドレスとネットワークアドレスの情報である。自機器情報1017は、自機器のMACアドレス、自機器の種類(テレビやDVDレコーダといった機器の種類)、自機器のメーカー名、自機器のモデル名、自機器の外観写真のデータ(外観イメージ)と言った自機器に関する情報である、名前情報1018は、家電機器のユーザが当該家電機器に名付けた家電機器の名前を示す情報である。接続機器情報109は、ネットワークに接続されている他の家電機器に関する情報である。なお、家電機器(新規接続機器)202は、未接続状態なので、パラメータ設定装置101の情報記憶部1015には、自機器情報1017及び名前情報1018のみが記憶されており、設定情報1016及び接続機器情報1019は、いまだ存在していない。なお、設定情報1016、名前情報1018、接続機器情報1019は書き換え可能なデータである。
【0018】
図3は、図2におけるメモリカード210に記録されるデータの内容を示す。接続機器情報301は、ネットワークに接続されている機器のMACアドレス、IPアドレス、機器の種類、機器のメーカー名、そのメーカーにおける機器のモデル名、機器の外観写真、ユーザが自由につけることができる名前からなる情報である。ここで、接続機器情報301に含まれるIPアドレスの情報は、設定済パラメータ情報の例である。
【0019】
また、メモリカード210には、機器を接続しているネットワークのネットワークアドレス302、設定時のエラー内容を示すエラーログファイル303が含まれる。
【0020】
次に動作について説明する。
【0021】
図1の家庭内のネットワーク102に既に家電機器が接続されており、ここに新たに機器を接続するケースを想定する。図2の201が既に設置されている既存機器、202が新たに接続する機器である。既に設置されている既存機器では、パラメータ設定装置101に、設定情報1016(IPアドレス、ネットワークアドレス)、自機器情報1017(MACアドレス、機器の種類、メーカー、モデル名、外観写真)、名前情報1018(ユーザがつけた名前)、接続機器情報1019(図3の接続機器情報301:既に設置されている他の機器の情報)を保持している。
【0022】
メモリカード210は、未使用状態、あるいは既に使用されて図3に示すような設定情報が書き込まれている状態がある。
【0023】
機器の状態とメモリカードの状態の組み合わせにより以下の4通りの場合がある。
1)既に接続機器情報301、ネットワークアドレス302(及びエラーログファイル303)が書き込まれているメモリカードを新規に接続する機器に挿入する(既に通信パラメータ設定済みの機器が接続されているネットワークに、新しく買ってきた機器を接続する場合に相当)。
2)既に接続機器情報301、ネットワークアドレス302(及びエラーログファイル303)が書き込まれているメモリカードを通信パラメータ設定済みの機器に挿入する。ただし、メモリカードを挿入する機器の情報はメモリカード上には存在しない(中古で買ってきた設定情報が残っている機器を接続する場合に相当、あるいは機器の再設定を行う場合に相当)。
3)既に接続機器情報301、ネットワークアドレス302(及びエラーログファイル303)が書き込まれているメモリカードを通信パラメータ設定済みの機器に挿入する。ただし、メモリカードを挿入する機器の情報がメモリカード上に既に存在する(新たに通信パラメータを設定した別の機器の情報を既存の機器に反映させる場合に相当。1)や2)の実施後に既存機器に対して行う)。
4)未使用状態のメモリカードを通信パラメータ設定済みの機器に挿入する(メモリカードを紛失して購入しなおした場合など)。
5)未使用状態のメモリカードを、新規に通信パラメータを設置する機器に挿入する(ネットワークに1台目の機器を設置する場合)。
【0024】
以下、それぞれの場合ついての動作を図2〜図4を用いて説明する。図4は、パラメータ設定装置の動作例を示すのフローチャートである。
【0025】
上記1)の場合、図2における新規に設置する機器のパラメータ設定装置101のメモリカードインタフェース1014にメモリカード210を挿し込む。パラメータ設定装置101は、メモリカードインタフェース1014を介してメモリカード210の内容を読み込み、図4のフローチャートに従って動作する。
【0026】
処理S401で、情報解析部1011は、メモリカードインタフェース1014が読み出したメモリカード210の情報を解析し、メモリカード210に接続機器情報301が存在するか否かを判断する。接続機器情報301が存在すると判断すると(S401でNO)、処理S402でメモリカード上の接続機器情報301の中に自機器の情報(MACアドレスのエントリ)があるかどうかを調べる。1)のケースでは自機器の情報はメモリカード上には無いので(S402でNO)、処理S403において、情報解析部1011は、メモリカードに含まれる接続機器情報301及びネットワークアドレス302から、ネットワークアドレスに包含されるIPアドレスのうち接続機器情報301において他の機器用のIPアドレスとして表示されていないIPアドレスを選択する。つまり、他の機器が使用していないIPアドレスを選択する。そして、情報読出・書込部1012が、情報解析部1011により選択されたIPアドレスを情報記憶部1015に設定情報1016として書き込むことにより、IPアドレス(通信パラメータ)の設定を行う。
【0027】
次に、処理S404において、情報読出・書込部1012が、情報記憶部1015から設定情報1016、自機器情報1017、名前情報1018を読み出し、メモリカードインタフェース1014が、これら設定情報1016、自機器情報1017、名前情報1018をメモリカード210の接続機器情報301に書き込む。
【0028】
次に、処理S405において、メモリカードインタフェース1014が、メモリカード210から接続機器情報301を読み出し、情報読出・書込部1012が、情報記憶部1015に、接続機器情報1019として書き込む。
【0029】
上記2)の場合は、上記1)の場合と同じ処理を行う。
【0030】
上記3)の場合、図2の既存機器201のパラメータ設定装置101のメモリカードインタフェース1014にメモリカード210を挿入する。
【0031】
図4のフローチャートの処理では、処理S401において、情報解析部1011が、メモリカード210に接続機器情報301が書き込まれていると判断すると、処理S402において、自機器の情報(MACアドレス)が接続機器情報301に存在することを確認する(S402でYES)。そして、処理S410において、メモリカード上の自機器のIPアドレスを情報記憶部1015の設定情報1016に設定し、処理S411において、自機器情報1017、名前情報1018をメモリカード上の接続機器情報301の自機器のエントリに書き込む。そして、処理S405において、メモリカード上の接続機器情報301を自機器内の情報記憶部1015に接続機器情報1019として書き込む。
【0032】
上記4)の場合、図2の既存機器201のパラメータ設定装置101のメモリカードインタフェース1014にメモリカード210を挿入する。
【0033】
図4のフローチャートの処理において、処理S401において、情報解析部1011が、初期状態のメモリカードであると判断すると、処理S420において、情報記憶部1015に設定情報1016が記憶されているか否か、すなわち、通信パラメータ(IPアドレス)が設定済みか否かを判断する。上記4)の場合は設定済みであるので、処理S430において、接続機器情報1019の内容をメモリカード上の接続機器情報301に書き込み、設定情報1016の中のネットワークアドレスをメモリカード上のネットワークアドレス302へ書き込む。
【0034】
上記5)の場合、図2の新規接続機器202のパラメータ設定装置101のメモリカードインタフェース1014に未使用のメモリカード210を挿入する。
【0035】
図4のフローチャートの処理において、処理S401において、初期状態のメモリカードであると判断すると、処理S420で自機器に通信パラメータが未設定であると判断し、処理S421において、任意のプライベートネットワークアドレス(例えば192.168.1)を選択し、メモリカード上のネットワークアドレス302に書き込み、そのネットワーク内のホストアドレスを自機器用に選択し、自機器の設定情報1016に設定する。そして、処理S404において、設定情報1016、自機器情報1017、名前情報1018をメモリカード上の接続機器情報301に書き込み、処理S405でメモリカード上の接続機器情報301を自機器内の情報記憶部1015に接続機器情報1019として設定する。
【0036】
以上の設定が完了した後、パラメータ設定装置101の疎通確認部1013は、通信パラメータの設定が正しく行われているかどうかテストを行う。図5はそのフローチャートである。
【0037】
疎通確認部1013は、処理S501でメモリカード上の接続機器情報301から、エントリを読み込み、処理S502でエントリがあると判断したら、処理S503でそのエントリのIPアドレスに対してICMP(Internet Control Message Protocol)のechoコマンドを発行し、家電機器の通信機能を用いてechoコマンドを送信し、疎通確認を行う。処理S504でエラーが発生しないと判断したら、処理S505で次のエントリを読み込み処理S502へ戻る。処理S504でエラーが発生したときは、処理S510で自機器と相手機器の、IPアドレス、MACアドレス、機器のメーカー名、モデル名、エラーの内容をメモリカードのエラーログファイル303に書き込む。処理S510が終わったら、処理S505に移り次のエントリを読み込み、処理S502へ戻る。
以上のような、パラメータ設定装置を備えることにより、以下の事が可能となる。
【0038】
既存機器が存在するネットワークに新規に機器を追加したとき、パラメータ設定装置が新規機器のネットワークパラメータの設定を行うため、ユーザとしては、メモリカードなどの記憶媒体をパラメータ設定装置に差し込むだけで、自動的にパラメータの設定が完了することになり、ユーザが手動でパラメータを設定する必要がない。このため、ネットワーク設定に関する十分な知識を有さないユーザであっても容易に未接続の家電機器のネットワーク接続を行うことができる。
【0039】
新規に追加した機器の情報の更新もパラメータ設定装置が行うため、新規に追加した機器の情報を既存機器に反映させることができ、ユーザとしては、メモリカードなどの記憶媒体をパラメータ設定装置に差し込むだけで、自動的に新規機器のパラメータ情報を既存機器に反映させることができ、ユーザが手動でパラメータ情報を更新する必要がない。このため、ネットワーク設定に関する十分な知識を有さないユーザであっても容易に新規機器のパラメータ情報を既存機器に反映させることができる。
【0040】
既存機器がないネットワークに新規に機器を導入する場合、パラメータ設定装置が新規機器のネットワークパラメータの設定を行うため、ユーザとしては、メモリカードなどの記憶媒体をパラメータ設定装置に差し込むだけで、自動的にパラメータの設定が完了することになり、ユーザが手動でパラメータを設定する必要がない。このため、ネットワーク設定に関する十分な知識を有さないユーザであっても容易に新規の家電機器のネットワーク接続を行うことができる。
【0041】
機器を修理に出したり、他人に貸したりして設定情報が消されたり変わったりした場合でも、パラメータ設定装置が当該機器のネットワークパラメータの設定を行うため、ユーザが手動でネットワークパラメータを設定する必要がなく、用意に復旧できる。
【0042】
機器のメーカー名、モデル名、外観写真のデータを持たせる事により、ユーザにわかりやすい接続情報を提供できるようになる。これは、ネットワークに接続された家電機器のメーカー名、モデル名、外観写真のデータが格納されたメモリカードを、例えばユーザが利用するコンピュータに読み込ませ、コンピュータのディスプレイにこれら機器のメーカー名、モデル名、外観写真のデータを表示させることにより、ユーザに各機器の属性情報を提示することができる。
書き換え可能な名前を機器に持たせることにより、ユーザにとってわかりやすい接続情報を提供することができる。
【0043】
パラメータ設定装置が、パラメータ設定後の接続テストを行うため、ユーザが手動で疎通確認を行う必要がない。
【0044】
また、パラメータ設定装置が、接続テストの結果をメモリカードに書き込むため、接続テストを行った結果が書き込まれたメモリカードを、専門知識を持った人間がいるサービスセンター等へ持ち込むことにより、サービスセンターの職員が顧客の自宅に出張することなく原因を追究することができる。
【0045】
なお、以上では、家電機器の内部にパラメータ設定装置101が組み込まれている場合について説明したが、パラメータ設定装置101を家電機器の外部に配置し、パラメータ設定装置101と家電機器とをコネクタ等で接続するようにしてもよい。
【0046】
前述した各実施の形態で、パラメータ設定装置101は、コンピュータで実現できるものである。
【0047】
図示していないが、パラメータ設定装置101は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を備えている。
【0048】
例えば、CPUは、バスを介して、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、表示装置、K/B(キーボード)、マウス、FDD(Flexible Disk Drive)、CDD(コンパクトディスクドライブ)、磁気ディスク装置、光ディスク装置、プリンタ装置、スキャナ装置等と接続可能である。
【0049】
RAMは、揮発性メモリの一例である。ROM、FDD、CDD、磁気ディスク装置、光ディスク装置は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
【0050】
前述した各実施の形態のパラメータ設定装置101が扱うデータや情報は、記憶装置あるいは記憶部に保存され、パラメータ設定装置101の各部により、記録され読み出されるものである。
【0051】
磁気ディスク装置には、オペレーティングシステム(OS)、ウィンドウシステム、プログラム群、ファイル群(データベース)が記憶されている。
【0052】
プログラム群は、CPU、OS、ウィンドウシステムにより実行される。
【0053】
上記パラメータ設定装置101の各部は、一部或いはすべてコンピュータで動作可能なプログラムにより構成しても構わない。或いは、ROMに記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェア或いは、ハードウェア或いは、ソフトウェアとハードウェアとファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0054】
上記プログラム群には、実施の形態の説明において「〜部」として説明した処理をCPUに実行させるプログラムが記憶される。これらのプログラムは、例えば、C言語やHTMLやSGMLやXMLなどのコンピュータ言語により作成される。
【0055】
また、上記プログラムは、磁気ディスク装置、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体に記憶され、CPUにより読み出され実行される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】パラメータ設定装置を含む全体の構成例を示す図。
【図2】パラメータ設定装置の構成例を示す図。
【図3】メモリカードの情報例を示す図。
【図4】パラメータ設定装置の動作例を示す図。
【図5】パラメータ設定装置の動作例を示す図。
【符号の説明】
【0057】
101 パラメータ設定装置、102 ネットワーク、103 家電機器、104 家電機器、105 家電機器、106 家電機器、107 家電機器、108 家電機器、201 家電機器、202 家電機器、1011 情報解析部、1012 情報読出・書込部、1013 疎通確認部、1014 メモリカードインタフェース、1015 情報記憶部、1016 設定情報、1017 自機器情報、1018 名前情報、1019 接続機器情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに未接続の未接続通信機器に対して通信パラメータの設定を行うパラメータ設定装置であって、
前記ネットワークに接続している他の通信機器に設定されている通信パラメータの情報を設定済パラメータ情報として記憶している記憶媒体から、設定済パラメータ情報を入力する記憶媒体入力部と、
前記記憶媒体入力部により入力された設定済パラメータ情報に基づいて、前記未接続通信機器に設定する通信パラメータを決定するパラメータ決定部と、
前記パラメータ決定部により決定された通信パラメータを前記未接続通信機器に対して設定するパラメータ設定部とを有することを特徴とするパラメータ設定装置。
【請求項2】
前記記憶媒体入力部は、
前記設定済パラメータ情報として、前記ネットワークに接続している他の通信機器に設定されている設定済通信アドレスを示す情報を前記記憶媒体から入力し、
前記パラメータ決定部は、
設定済パラメータ情報に示された設定済通信アドレスに基づいて、前記未接続通信機器に設定する通信アドレスを決定することを特徴とする請求項1に記載のパラメータ設定装置。
【請求項3】
前記パラメータ決定部は、
前記ネットワークのネットワークアドレスに包含される通信アドレスのうち前記設定済通信アドレス以外の通信アドレスを、前記未接続通信機器の通信アドレスとして決定することを特徴とする請求項2に記載のパラメータ設定装置。
【請求項4】
前記パラメータ設定装置は、更に、
前記通信パラメータ決定部により決定された未接続通信機器の通信パラメータを前記記憶媒体に書き込む記憶媒体出力部を有することを特徴とする請求項2に記載のパラメータ設定装置。
【請求項5】
前記パラメータ設定装置は、更に、
前記未接続通信機器の属性を示す属性情報を記憶している属性情報記憶部を有し、
前記記憶媒体出力部は、
前記記憶媒体に未接続通信機器の通信パラメータを書き込むとともに、前記属性情報記憶部に記憶されている属性情報を前記記憶媒体に書き込むことを特徴とする請求項4に記載のパラメータ設定装置。
【請求項6】
前記属性情報記憶部は、
属性情報として、前記未接続通信機器のMAC(Media Access Control)アドレス、前記未接続通信機器のメーカー名、前記未接続通信機器のモデル名、前記未接続通信機器の外観イメージのうちの少なくともいずれかの情報を記憶し、
前記記憶媒体出力部は、
前記属性情報記憶部に記憶されている前記未接続通信機器のMACアドレス、前記未接続通信機器のメーカー名、前記未接続通信機器のモデル名、前記未接続通信機器の外観イメージのうちの少なくともいずれかの情報を前記記憶媒体に書き込むことを特徴とする請求項5に記載のパラメータ設定装置。
【請求項7】
前記属性情報記憶部は、
属性情報として、前記未接続通信機器のユーザが前記未接続通信機器に対して名付けた前記未接続通信機器の名前の情報を記憶し、
前記記憶媒体出力部は、
前記属性情報記憶部に記憶されている前記未接続通信機器の名前の情報を前記記憶媒体に書き込むことを特徴とする請求項5に記載のパラメータ設定装置。
【請求項8】
前記記憶媒体入力部は、
前記記憶媒体から設定済パラメータ情報を入力するとともに、前記ネットワークに接続している他の通信機器の属性を示す接続機器属性情報を前記記憶媒体から入力し、
前記パラメータ設定装置は、更に、
前記記憶媒体入力部により入力された設定済パラメータ情報と接続機器属性情報とを記憶する接続機器情報記憶部とを有することを特徴とする請求項1に記載のパラメータ設定装置。
【請求項9】
前記パラメータ設定装置は、更に、
設定済パラメータ情報に示された前記ネットワークに接続している他の通信機器に設定されている通信アドレスを用いて、前記未接続通信機器と他の通信機器との間の疎通確認を行う疎通確認部を有することを特徴とする請求項2に記載のパラメータ設定装置。
【請求項10】
前記記憶媒体出力部は、
前記疎通確認部による疎通確認の結果、いずれかの通信機器が前記未接続通信機器との通信が不能であると確認された場合に、前記未接続通信機器との通信が不能である通信機器の少なくとも通信アドレスを前記記憶媒体に書き込むことを特徴とする請求項9に記載のパラメータ設定装置。
【請求項11】
前記パラメータ設定装置は、
家電ネットワークに接続可能な、通信機能を有する家電機器に対して通信パラメータの設定を行うことを特徴とする請求項1に記載のパラメータ設定装置。
【請求項12】
ネットワークに未接続の未接続通信機器に対して通信パラメータの設定を行うパラメータ設定方法であって、
前記ネットワークに接続している他の通信機器に設定されている通信パラメータの情報を設定済パラメータ情報として記憶している記憶媒体から、設定済パラメータ情報を入力する記憶媒体入力ステップと、
前記記憶媒体入力ステップにより入力された設定済パラメータ情報に基づいて、前記未接続通信機器に設定する通信パラメータを決定するパラメータ決定ステップと、
前記パラメータ決定ステップにより決定された通信パラメータを前記未接続通信機器に対して設定するパラメータ設定ステップとを有することを特徴とするパラメータ設定方法。
【請求項13】
ネットワークに未接続の未接続通信機器に対する通信パラメータの設定をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記ネットワークに接続している他の通信機器に設定されている通信パラメータの情報を設定済パラメータ情報として記憶している記憶媒体から、設定済パラメータ情報を入力する記憶媒体入力処理と、
前記記憶媒体入力処理により入力された設定済パラメータ情報に基づいて、前記未接続通信機器に設定する通信パラメータを決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理により決定された通信パラメータを前記未接続通信機器に対して設定するパラメータ設定処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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