説明

パルパ−

【課題】ストレーナーの目詰まり防止を図ったパルパーを提供する。
【解決手段】パルパーを、上部に原料投入口、下部に排出口をそれぞれ有する槽と、この槽の排出口に設けられたストレーナーと、このストレーナーの上にあって回転可能に設けられたローターとから構成し、このローターの裏面にディンプルを設ける。更に好ましくは、ローターを複数の翼で構成し、この翼の裏面であって、翼の長手方向に沿って複数のディンプルを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルパーに係り、特に、ストレーナーの目詰まり防止を図ったパルパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パルプ、古紙等の製紙原料を離解させるパルパーがある(例えば、特許文献1参照)。
パルパーは、周知のように、上部に原料投入口、下部に排出口をそれぞれ有する槽が有り、この槽の排出口にストレーナーが、このストレーナーの上にローターが、それぞれ設けられている。
そして、ローターの回転により槽内に回流を起こし、原料を離解させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−49376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のパルパーにあっては、原料中の未離解繊維等によりストレーナーが目詰まりを生じ、ストレーナーを通過する原料の量が低下するという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を除去するようにしたパルパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のパルパーは、上部に原料投入口、下部に排出口をそれぞれ有する槽と、この槽の排出口に設けられたストレーナーと、このストレーナーの上にあって回転可能に設けられたローターとを備え、前記ローターの裏面にディンプルを設けたものである。
【0007】
また、請求項2記載のパルパーは、請求項1記載のパルパーにおいて、複数の翼を有し、前記翼の裏面であって、前記翼の長手方向に沿って複数のディンプルが設けられているものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のパルパーによれば、ローターの裏面にディンプルを設けたため、ローターの裏面のディンプルの凹みにより圧力変動を生じ、ストレーナーに目詰まりした原料を槽内に戻し、目詰まりを解消すると共に、原料が槽内に戻る循環作用により、該原料の離解が促進される等の効果を奏する。
【0009】
また、請求項2記載のパルパーによれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、翼の裏面であって、前記翼の長手方向に沿って複数のディンプルが設けられているため、ローターの裏面のディンプルの凹みにより圧力変動を起こして、ストレーナーの目詰まりと、原料を槽内に戻る循環作用により該原料の離解とをより促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施例のパルパーの一部を破断して示す概略的一部破断正面図である。
【図2】図2は、図1の内部構造を示す概略的断面図である。
【図3】図3は、図1のローターの概略的平面図である。
【図4】図4は、図3の4−4線による概略的断面図である。
【図5】図5は、図3のローターの裏面を示す概略的裏面図である。
【図6】図6は、図5の6−6線による概略的断面図である。
【図7】図7は、ストレーナー上に位置するローターを分解して示す概略的分解斜視図である。
【図8】図8は、図3のローターを斜め下方から見た概略的斜視図である。
【図9】図9は、図2の一部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施例のパルパーを図面を参照して説明する。
図1に示すPはパルプ、古紙等の製紙原料を離解させるパルパーで、パルパーPは、上部に原料投入口1、下部に排出口2をそれぞれ有する槽3を有する。
4は、槽3の排出口2に設けられたストレーナーで、ストレーナー4は、例えば、丸孔を多数形成した円板状のものである。
【0012】
このストレーナー4の上には、近接して回転可能にローター5が設けられている。ローター5は回転軸6に連結され、該回転軸6は、モーター7によって回転されるようになっている。
回転軸6に接続されたプーリー8とモーター7に接続されたプーリー9とに掛け渡されたベルト10を介して、モーター7の動力が回転軸6に伝達されるようになっている。
【0013】
ローター5は、複数の翼51、52、53、54、55、56を有し、翼51、52、53、54、55、56の裏面には、それぞれ、翼51、52、53、54、55、56の長手方向に沿って複数のディンプルDが設けられている。
ディンプルDは、ディンプルプレート部材50に設けられ、各翼51、52、53、54、55、56の裏面に図示しないボルトで着脱自在に取り付けられている。
ディンプルDは摩耗するため、硬化材料(例えば、ローター5より硬いステンレス材で形成されている。)で形成され、摩耗した場合には、ディンプルプレート部材50を交換できるようになっている。
本実施例のディンプルDの形状は、平面視、円となっているが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、三角形、四角形、菱形等でも良い。
ローター5の各翼51、52、53、54、55、56の回転によって、原料の大きな回流が槽3内に生じ、 原料中の有用繊維が離解され、処理原料はストレーナー4を通過して排出管100から槽3外へと排出される。
【0014】
本実施例のパルパーPによれば、ローター5の裏面にディンプルDを設けたため、ロータ5の裏面のディンプルDの凹みによりローター5とストレーナー4との間で圧力変動を生じ、ストレーナー4に目詰まりした未離解繊維等の原料を槽3内に戻し、目詰まりを解消すると共に、原料が槽3内に戻る循環作用により、該原料の離解が促進される。
また、ローター5の裏面とストレーナー4との間のスラッシング効果で原料の離解が促進される。
翼51、52、53、54、55、56の長手方向に沿って複数のディンプルDが設けられているため、ローター5の裏面のディンプルDの凹みにより圧力変動を起こして、ストレーナー4の目詰まりと、原料を槽3内に戻る循環作用により該原料の離解とをより促進させることができる。
【符号の説明】
【0015】
P パルパー
1 原料投入口
2 排出口
3 槽
4 ストレーナー
5 ローター
D ディンプル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に原料投入口、下部に排出口をそれぞれ有する槽と、
この槽の排出口に設けられたストレーナーと、
このストレーナーの上にあって回転可能に設けられたローターとを備え、
前記ローターの裏面にディンプルを設けた
ことを特徴とするパルパー。
【請求項2】
ローターは、複数の翼を有し、
前記翼の裏面であって、前記翼の長手方向に沿って複数のディンプルが設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のパルパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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