説明

パルプの洗浄方法

【課題】パルプ化工程及び抄紙工程において、ピッチトラブルの原因となりうるピッチを効率的に除去するパルプの洗浄方法の提供。
【解決手段】パルプの製造工程におけるパルプ洗浄工程において、カルボキシメチルセルロースの存在下でパルプスラリーを洗浄し、好ましくは前記カルボキシメチルセルロースの置換度が0.3〜0.7であり、さらに好ましくは前記パルプが、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、脱墨パルプの1種以上からなるパルプである洗浄方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙パルプの製造工程におけるピッチを効率的に除去するためのパルプの洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パルプ及び紙の製造工程においてピッチとはピッチトラブルの原因となる物質の総称である。これら物質としては一般的に親油性成分が多く、紙の原料であるパルプ由来では、木材成分である樹脂酸類、トリグリセライド類、脂肪酸類、テルペン類、ステロイド類などがあげられる。古紙パルプ由来では、ポリアクリル酸エステル、酢酸ビニル系重合物等が挙げられる。これらピッチは、パルプ化工程及び抄紙工程では安定なコロイド状態で分散して存在するが、急激なpHの変化、製紙用内添薬品の添加、電気伝導度の変化、せん断力の作用といった外的要因が加わることで平衡状態が崩壊すると凝集する。凝集したピッチは直接紙中に抄き込まれて欠点となったり、パルプ化工程及び抄紙工程において、配管、ファンポンプ、チェスト、ワイヤー、フェルト、ロール等の表面に付着したものが成長して用具汚れとなるほか、これらが剥離して紙へ付着することで欠点トラブルとなったり、その際に断紙トラブルを引き起こす。近年では、古紙配合率が増加する傾向にあることに加え、抄紙系内のクローズド化が進行することで系内に滞留するピッチ量が増加傾向のためピッチトラブルはますます増加する傾向にある。
【0003】
従来、系内のピッチを減少させる方法としては、パルプの原料となる木材やチップを長期間屋外に放置貯蔵する所謂シーズニングといった処理がとられてきた。シーズニング処理は、木材中の粘着性の高いトリグリセリドが加水分解され粘着性の低い脂肪酸やグリセリンに転換する処理にあたるが、シーズニング用に広大な敷地および長期にわたる時間を必要とするだけでなく、それに伴い多大なコストを必要とする。また、シーズニングに伴い、得られるパルプの白色度および収率の低下が認められるなど、シーズニングによりピッチを処理することには問題が伴った。また、製紙用薬品を用いた対策としては、ピッチが抄紙系内で凝集してトラブルとなる事前に分散させた状態で紙に定着させ、系外へ排出させる目的で、所謂凝結剤と呼ばれる、ポリDADMAC(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)やポリエチレンイミン、ジシアノアミド系高分子等の低分子量、高電荷密度のカチオン性ポリマーを抄紙工程におけるミキシングチェスト等で添加する方法がとられてきた。しかし、過剰な添加となると抄紙系において添加される他のカチオン性薬品の定着を阻害することに加え、その適性な添加レベルを見極めることに困難が伴った。また、特に電荷を持たない疎水的な物質については、タルクやベントナイトといった表面が疎水的な無機物質に定着させて処理する方法がとられてきた。しかし、これら無機物質を紙へ定着させるために抄紙工程において余分な製紙用薬品の添加が必要であったり、紙質への影響が認められる場合があるため問題が伴った。(非特許文献1参照)更に近年では、酵素処理によりトリグリセリドを分解する方法(特許文献1参照)、菌処理により脂肪酸グリセリドを処理する方法(特許文献2参照)など、生化学的あるいは生物学的な処理によるピッチ除去法が開示されている。しかし、樹種や個体間で、効果が低下する等が問題となっている。また、菌処理を行った場合は、通常その除去が必要不可欠であり、それに伴う設備を設置する必要性があるとともに、そのコストも多大であった。
【0004】
また、パルプ製造工程における洗浄工程において洗浄を強化し、ピッチを除去する方法もとられるが、従来の方法では洗浄を強化してもピッチの除去効率は低く、系のクローズ度化がすすみ、系外への水の排出量が限られる状況では、洗浄工程におけるピッチの除去効果は低かった。
【0005】
製紙用内添薬品を添加する前のパルプスラリーへCMCを添加し、CMCをパルプ繊維へ吸着せしめる方法については、伝導度を調整したパルプスラリーにCMCを添加し、次いで製紙用薬品を添加することで薬品の添加効果を高め、紙の強度を著しく増加させる紙の製造方法が述べられている(特許文献3参照)。また、叩解処理を行わないパルプへCMCを吸着せしめることで未叩解処理のパルプを用いて作製された紙においても強度が向上することが公開されている(非特許文献2)。しかし、いずれも、抄紙工程の前の所謂調成工程においてCMCを吸着せしめることで紙質、特に強度を改善するために添加されているものであり、パルプへCMCを添加してCMCを吸着せしめた後に、洗浄を行うことで効率的な洗浄を行い、ピッチ除去対策を行う本発明とは明らかに異なるものである。
【特許文献1】特開平4−240286号公報
【特許文献2】特開平9−119085号公報
【特許文献3】特開2001-262498号公報
【非特許文献1】尾鍋史彦監修、ウェットエンド化学と製紙薬品の最先端技術.46-56(2004)
【非特許文献2】Janne Lane et al, Nordic Pulp and Paper Research Journal Vol.17 no.1 50-56(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、パルプ化工程及び抄紙工程において、ピッチトラブルの原因となりうるピッチを効率的に除去するパルプの洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、かかる背景に鑑み、効率的なピッチの除去方法を見出すべくパルプの製造方法、特にパルプ製造工程中のパルプの洗浄方法について鋭意検討を重ねた。セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロースは、電解質の濃度を高くするに従い、静電的な反発が遮蔽されることにより、カルボキシメチルセルロースと同じく、マイナスに帯電しているパルプ繊維に近接した上でパルプ繊維表面に吸着するが、この吸着時にパルプが含有するピッチが剥離することを見出した。さらにカルボキシメチルセルロースをパルプに添加し、パルプへ吸着せしめた後に洗浄を行うと、効率的にピッチが除去でき、更には、ピッチを効率的に洗浄除去することによりパルプ化工程および製紙工程において、ピッチトラブルを低減する品質の改善されたパルプおよび紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は以下の発明を包含する。
(1)パルプの製造工程におけるパルプ洗浄工程において、カルボキシメチルセルロースの存在下でパルプスラリーを洗浄することを特徴とするパルプの洗浄方法。
【0009】
(2)前記カルボキシメチルセルロースの置換度が0.3〜0.7である(1)1記載のパルプの洗浄方法。
【0010】
(3)前記パルプが、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、脱墨パルプの1種以上からなるパルプである(1)又は(2)のいずれか1項記載のパルプの洗浄方法。
【0011】
(4)(1)〜(3)記載のパルプ洗浄方法で洗浄されたパルプを含有する紙。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、紙パルプ製造工程において、パルプスラリーにCMCを添加してパルプを洗浄することにより、パルプ中のピッチを効率的に除去し、更にはパルプ化工程および抄紙工程内の設備へのピッチの堆積防止および抄紙工程でのピッチトラブルを防止するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明で用いられるCMCは、木材パルプ、リンターパルプ等を原料として、モノクロル酢酸等を反応させて合成されたセルロース誘導体であり、工業的には水媒法、溶媒法等の公知の製造方法で得られるものがそのまま用いられる。市販品のCMCはその殆どがカルボン酸ナトリウム塩或いはカリウム塩であり、正確に記せばカルボキシメチルセルロースナトリウム或いはカルボキシメチルセルロースカリウムであるが、慣用上、ナトリウムやカリウムの記載は省略し、単にCMCとして表示する。
【0014】
本発明のために用いられる前記CMCの置換度(エーテル化度)は0.3〜0.7の範囲のものである。本発明における効率的なパルプの洗浄においては、パルプからピッチを剥離するためにCMCのパルプ繊維への吸着が必要不可欠であるが、置換度が0.3未満のものは水に不溶であり、パルプ繊維との混合物となりパルプ繊維表面に効率的に吸着されず、ピッチ剥離効果は低く、その後パルプの洗浄をおこなってもピッチ除去効果は低い。一方、置換度が0.7を超すものは、イオン性基が多く分子内に存在するため、マイナス電荷を帯びているパルプ繊維との静電的反発が強く、且つパルプ繊維との親和性が乏しくなるため、電解質が共存して静電的反発がある程度遮蔽されても、パルプ表面への吸着が不十分となる。このため、パルプ中のピッチ剥離作用も低く、その後パルプの洗浄を行っても十分なピッチ除去効果が得られない。なお、本発明ではCMCがパルプ表面に吸着し、その際にピッチがパルプ繊維から剥離する現象を見出し発明に至っている。ここでのピッチの剥離は、CMCが交換吸着を行っていることに伴うと考えているが定かとはなっていない。
【0015】
本発明では、CMCのナトリウム塩、カリウム塩或いはアンモニウム塩が用いられるが、価格が安価で容易に入手できること及び得られる効果が高いことから、CMCのナトリウム塩が好ましい。又、CMCを水溶液としてパルプスラリーへ添加することが好ましく、その際の溶液濃度は、濃度が高すぎると粘性が高く、使用が困難となるだけでなく、パルプへ添加した際の拡散性に乏しく添加効果が低下するため、0.01〜5.0質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%の範囲である。なお、CMCを溶かすための溶媒は水であり、本発明においても、CMCの水溶液として使用するが、CMCが安定して溶解する範囲で、必要に応じて他の物質を混合しても良い。
【0016】
本発明におけるCMCの使用量は、パルプに含まれるピッチ量、要求されるピッチ除去効果に応じて変えられるが、パルプ繊維の乾燥質量に対して0.01〜3.0質量%、好ましくは0.05〜1.0質量%である。これらの使用量は多ければ多いほど効果は顕著になるが、0.05〜1.0質量%の使用量で、十分な効果が得られ、3.0質量%を超えて使用してもその除去効果のそれ以上の向上は低い。
【0017】
本発明におけるCMC添加前のパルプスラリーの電気伝導度は0.4mS/cm以上が好ましい。前記のごとく、本発明にはCMCのパルプ繊維への吸着が必要不可欠であり、その吸着にはパルプ繊維とCMC間に存在するアニオン性電荷同士の荷電反撥の低減を必要とする。CMCは、系内の電解質が増加することで、この荷電反撥が電荷遮蔽効果により減少し、パルプ繊維へ吸着する。洗浄前のパルプスラリー中には、パルプ化工程および漂白工程から持ち込まれる電解質が多く含まれるため、電気伝導度の調整は特別に必要とはしないが、必要な場合は硫酸ナトリウム等の無機の電解質を添加しても良い。
【0018】
本発明の方法を適用するリグノセルロースの原料は特に限定されず、針葉樹、広葉樹といった木材原料だけでなく、こうぞ、みつまた、麻、ケナフ等の非木材原料でも良い。また、本発明におけるメカニカルパルプとはサーモメカニカルパルプ(TMP)、リファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、プレッシャーライズドグラウンドウッドパルプ(PGW)、グラウンドウッドパルプ(GP)等のほか、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等のケミメカニカルパルプが挙げられ、ケミカルパルプとしては、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等が挙げられる。中でも本発明は木材成分由来のピッチを多く含有するメカニカルパルプの洗浄に適用した場合にその効果が高い。
【0019】
本発明におけるパルプの洗浄とはパルプスラリー中から、水を除去もしくは回収する工程であれば良く、方法および設備については特に限定されない。通常、パルプ化工程において使用される方法としては、真空フィルター、加圧フィルター、ドラムディスプレーサ等のフィルター式洗浄機、スクリュープレス、ツインロールプレス、ウォッシュプレス等のプレス式洗浄機などが挙げられるが、本発明においては、同目的のためにクリーナー処理を行っても良い。
【0020】
CMCの添加を行った後に洗浄を行うパルプの洗浄方法はパルプ製造工程中のいずれで行ってもよい。設備の設置状況に応じて変えられるが、木材チップもしくは古紙からパルプを製造するパルプ化工程後から叩解工程後の他の製紙用薬品が添加されるまでの工程中から適宜選択され、好ましくは、パルプ化工程後および/または漂白工程後である。パルプ化工程前またはパルプ化工程中にCMCを添加した場合、パルプ化の際に薬液を使用する場合、薬液がCMCに作用することでパルプ化の効率が低下するだけでなく、CMCの低分子化等がおこるため相応しくなく、さらにはパルプ化されていない状況ではピッチが遊離し難い状況にあるため相応しくない。また、他の製紙用薬品が添加された後に本洗浄を行っても、ピッチが添加薬品の作用で既に凝集を起こしている可能性が高く効果は低い。
【0021】
本発明におけるCMCの添加は、パルプ洗浄装置直前でパルプに直接添加する方法、あるいはパルプ洗浄装置に入るまえにパルプを希釈する希釈水に添加する方法等があげられるが、いずれを用いても良い。
【0022】
本発明により製造されたパルプは、中性条件及びアルカリ性条件下での紙および板紙の製造に適用でき、製紙用紙力剤、製紙用サイズ剤と定着剤、填料、顔料、歩留まり向上剤、凝結剤、染料、消泡剤、防腐剤、粘度低下剤等の公知の抄紙薬品を、必要に応じて併用添加することができ、これらの種類及び添加率には特に制限はない。
【0023】
また、従来からピッチトラブル防止法として知られている、丸太やチップのシーズニングによる方法、凝結剤、界面活性剤、酵素等による処理、あるいはタルクなどの無機填料よるピッチ成分の吸着等の薬品を使用する方法等と組み合わせることについても特に制限されることはない。
【0024】
抄紙にあたっては、公知の湿式抄紙機、例えば長網式抄紙機、オントップ型抄紙機、ギャップフォーマ型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機を目的に応じて適宜選択して行われる。本発明で抄紙された紙に、各種サイズプレス或いはロールコーターで澱粉、或いはPVA等を用いてサイズ処理することは勿論可能であり、製造速度の高速化を考慮した場合には、フィルムメタリングタイプのサイズプレス装置を用いてサイズプレス処理を行う方法が好適に用いられる。又、ロールコーター、ブレードコーター等の予備塗工を行うことは勿論可能である。得られた紙は、そのまま製品として使用することもでき、また、印刷用紙、情報産業用紙等のように、塗工層を設けた紙の原紙としても使用することができる。
【実施例】
【0025】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、%とあるのは、すべて質量%であり、パルプスラリーへの添加剤の添加量は、パルプ繊維絶乾質量に対する質量%で示した。
【0026】
実施例1
晒TMPからなる1%パルプスラリーを、500rpmで攪拌しながら置換度0.46(第一工業製薬製試作品450A)のCMCをパルプに対して0.3質量%添加した。3分間攪拌した後、パルプスラリーを吸引ろ過し、ろ液中のコロイダル粒子数を顕微鏡観察により計測し、比較例1の計測個数を対照としてコロイダル粒子数増加率とし、洗浄によるピッチ除去効果を評価して、結果を表1に示した。
【0027】
実施例2
置換度が0.65のCMC(商品名セロゲンPR、第一工業製薬社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ろ液中のコロイダル粒子数を計測し、比較例1の計測個数を対照としてコロイダル粒子数増加率とし、洗浄によるピッチ除去効果を評価して、結果を表1に示した。
【0028】
実施例3
置換度が0.75のCMC(商品名セロゲン7A、第一工業製薬社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ろ液中のコロイダル粒子数を計測し、比較例1の計測個数を対照としてコロイダル粒子数増加率とし、洗浄によるピッチ除去効果を評価して、結果を表1に示した。
【0029】
実施例4
置換度が0.25のCMC(自社実験室製造)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ろ液中のコロイダル粒子数を計測し、比較例1の計測個数を対照としてコロイダル粒子数増加率とし、洗浄によるピッチ除去効果を評価して、結果を表1に示した。
【0030】
比較例1
晒TMPからなる1%パルプスラリーに、CMCを添加せずに実施例1と同様に、ろ液中のコロイダル粒子数を計測し、結果を表1に示した。
【0031】
比較例2
CMCの代わりにアニオン性デンプン(商品名エースA、王子コンスターチ社製)を1.0%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ろ液中のコロイダル粒子数を計測し、比較例1の計測個数を対照としてコロイダル粒子数増加率とし、洗浄によるピッチ除去効果を評価して、結果を表1に示した。
【0032】
比較例3
CMCの代わりにアニオン性PAM(商品名PS117、荒川化学社製)を1.0%添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ろ液中のコロイダル粒子数を計測し、比較例1の計測個数を対照としてコロイダル粒子数増加率とし、洗浄によるピッチ除去効果を評価して、結果を表1に示した。
【0033】
コロイダル粒子数:ろ液をヘマストメーター上に滴下し、顕微鏡を用いてブラウン運動を行っている粒子の個数を計測した。コロイダル粒子数はろ液中のコロイド状ピッチ数との相関があり、個数が増加するとピッチトラブルが増加することが公知となっている。コロイド粒子数はパルプスラリー1%濃度相当のろ液1cmあたりの個数で示した。
【0034】
【表1】

【0035】
表1より明らかなように、比較例1と比較して、実施例1〜実施例4では、パルプスラリーへCMCを添加することで、パルプからのピッチの除去量の増加が認められた。他のアニオン性ポリマーの添加を行った比較例2および比較例3においてはピッチ除去量の増加は認められなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプの製造工程におけるパルプ洗浄工程において、カルボキシメチルセルロースの存在下でパルプスラリーを洗浄することを特徴とするパルプの洗浄方法。
【請求項2】
前記カルボキシメチルセルロースの置換度が0.3〜0.7である請求項1記載のパルプの洗浄方法。
【請求項3】
前記パルプが、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、脱墨パルプの1種以上からなるパルプである請求項1又は2のいずれか1項記載のパルプの洗浄方法。
【請求項4】
請求項1〜3記載のパルプ洗浄方法で洗浄されたパルプを含有する紙。



【公開番号】特開2006−291379(P2006−291379A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111519(P2005−111519)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】