説明

パレット装置

【課題】外装形状や寸法にかかわらずに製品をパレット部材上に安定して固定することができるものとする。
【解決手段】複写装置10が載置されると共に4個所の隅部を備える略平板状のパレット部材210と、複写装置10とパレット部材210とを連結してパレット部材210上に固定する3本のベルト部材231,232,233と、パレット部材210にベルト部材231,232,233を係止するベルト係止部材とを備えるパレット装置200において、ベルト部材231,232,233は長さ調整可能に形成されると共に、複写装置10の周囲にはベルト掛部111,112,113が3個所に複写装置10の重心位置を中心として放射状にそれぞれ120°間隔をなす個所に配置され、ベルト係止部材はパレット部材210の少なくとも3個所の隅部に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット装置に係り、特に略平板状のパレット部材に物品を載置しこの物品をベルト部材でパレット部材に固定するパレット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種物品や製品等を梱包して運搬・納品するには、ダンボール等の梱包材が用いられている。このような梱包材は、ユーザの元で開梱された後はユーザによって保存されるか、不要な場合は廃棄物として処理されていた。
【0003】
近年、省資源を図るため、各種物品・製品の梱包材についても再使用が要求されている。しかし、従来のダンボール等の梱包材は耐久性が低く、製品の運搬あるいは保管に繰り返して使用するには適さなかった。
【0004】
また、樹脂や金属製などリユース可能な梱包材もあるが、ダンボール製を含め従来の梱包材は機種ごとに異なる形状や大きさに合わせて梱包材を用意しなければならず、設計や管理が面倒でコスト上昇の要因となってしまう。
【0005】
そこで、特許文献1に記載されたようなキャスタ付き台車に各種製品を搭載して運搬・納品することが考えられる。キャスタ付き台車は再利用が可能であり、また異なる形状・サイズの装置・製品を搭載することも可能ではあるが、単に台車に製品等を搭載したのでは安定が悪く、輸送中の製品等を傷つけたり損傷させたりする恐れがあった。
【0006】
また、輸送中の製品等の損傷を防ぎ、よりしっかりと製品等を搭載・梱包できるものとして、特許文献2に開示されたラックがある。このラックは、主に複写装置、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置を梱包して運搬・納品するためのラックであり、リサイクルが可能で、製品の納品後には分解して効率良く運搬保管できる構成となっている。
【0007】
また、特許文献3には、物品を載置する梱包装置として、梱包装置を載置するベース部と、このベース部の上方に空間を形成して配置される受板と、受板と前記ベース部の間に介在するよう設けられた緩衝部材とを有するものが記載されている。
【0008】
更に画像形成装置を梱包するのに適したものとして、特許文献4には、梱包対象となる物品を搭載可能なパレットと、該物品を上記パレット上で固定する部材を不動状態に維持するための物品固定用部材を用いた梱包方法において、上記物品固定用部材を予め上記パレットに設けられている収納部に収納して引き出し可能に設け、上記物品の梱包時に該物品固定用部材をパレットから引き出して物品に掛け回すことにより該物品を上記パレット上で不動状態に固定する手順で梱包するものが記載されている。
【0009】
また、特許文献5には、梱包装置の底板上に画像形成装置を載せ、ベルト固定部に装着した2本のベルトを画像形成装置の一方側から装置上面を通って反対側へと掛け渡し、ベルトを締め付けて画像形成装置を底板に押し付けることにより、画像形成装置が底板上にしっかりと固定状態で積載され、装置の汚れなどを防ぐために、画像形成装置にはポリ袋等を被せるものが記載されている。
【0010】
そして、特許文献6には、物品搬送保管装置に、搬送対象物を固定するための固定締め付け部材を備えた固定装置を一体的に取り付け、上記固定締め付け部が支柱から出没可能になっており、固定締め付け部材が固定装置に内蔵された巻き取り機構に巻き取られるようになっているものが記載されている。
【特許文献1】特開2002−264815公報
【特許文献2】特開2001−315777公報
【特許文献3】特開2007−69925公報
【特許文献4】2004−203463公報
【特許文献5】2004−331089公報
【特許文献6】2005−161924公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、複写装置を例に取ると、複写装置の上部に位置する自動原稿読取装置(ADF)は複雑な形状をしており、その種類にかかわらずに安価且つ汎用的に使用可能な包装材を用意し、ADFを上から押さえつけることで製品を上下方向に固定することは難しい。
【0012】
そこで本発明は、外装形状や寸法にかかわらずに製品をパレット部材上に安定して固定することができるパレット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、物品が載置されると共に4個所の隅部を備える略平板状のパレット部材と、前記物品と前記パレット部材とを連結して物品を前記パレット部材上に固定するベルト部材と、前記パレット部材に前記ベルト部材を係止するベルト係止部材とを備えるパレット装置において、前記ベルト部材は長さ調整可能に形成されると共に、前記ベルト係止部材は前記パレット部材の少なくとも3個所の隅部に配置されることを特徴とするパレット装置である。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載のパレット装置において、前記物品の周囲には前記ベルトの取付具が3個所に配置され、各取付具は物品の重心位置を中心として放射状にそれぞれ120°間隔をなす個所に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、異なる方向を向く複数の側板部を備える角柱状の物品が上面に載置される略平板状のパレット部材と、前記物品と前記パレット部材とを連結して物品を前記パレット部材上に固定するベルト部材と、前記パレット部材の上面より下側に形成された凹部に配置され前記凹部の上部開口から挿入された前記ベルト部材を係止するベルト係止部材とを備えるパレット装置であって、前記ベルト部材は、前記物品の複数の側板部に係止されると共に、前記ベルト係止部材は、前記パレット部材の凹部内で位置可変に設置されることを特徴とするパレット装置である。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3記載のパレット装置において、前記ベルト部材は、前記物品のそれぞれの側面に一個所において係止されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項3記載のパレット装置において、前記ベルト部材は、前記物品のそれぞれの側板部に複数個所において係止されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るパレット装置によれば、製品の周囲のパレット部材の3個所の隅部においてベルトで固定され、又は、製品はパレット部材への取付位置が可変なベルトによってパレット部材上に固定されているので、製品は外装形状や寸法にかかわらずにパレット部材上に安定して固定することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0020】
以下、本発明に係るパレット装置の第1実施例について説明する。図1は第1実施例に係るパレット装置に複写装置を配置した状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は概略平面図である。本例に係るパレット装置200は、図1(a)に示すように、画像形成装置である複写装置10を載置する。複写装置10は複写装置本体11と自動原稿読取装置12とを備えており、複写装置本体11は4つの側面を備えた略4角柱状の外観形状をなし、自動原稿読取装置12は複雑な外観形状をなしている。
【0021】
パレット装置200は、所定の厚みを有する板状であり、4隅部を備えたパレット部材210と、3本のベルト部材231,232,233とを備えて構成されている。パレット部材210の材質は、積載する製品の重量にもよるが、コスト・重量の点からPPやPEなどの樹脂が望ましい。
【0022】
パレット部材210には、4隅部にそれぞれベルト取付部221,222,223,224が形成されており、ベルト取付部221,222,223,224には図示しないベルト取付用の軸部材が配置されている。ベルト部材231,232,233は前記ベルト取付部221,222,223,224のうち、3個所のベルト取付部221,223,224に配置されている。なお、図1において、ベルト取付部224は図示されていない。前記軸部材は強度及びその大きさを最小限とするため金属製であることが望ましい。
【0023】
この例では、ベルト部材231,232,233は、長さ調整可能なものであり、常時パレット装置200に取り付けられている。
【0024】
また、複写装置10には、3個所のベルト掛部111,112,113が配置されている。この例では、ベルト掛部111,112,113は、図1(b)に示すように、角柱状の部材であり、複写装置10の重心位置Gから放射状に、それぞれ120°間隔をなす個所に配置されている。ベルト掛部111,112,113の配置位置は、複写装置10の重心位置、形状によってその取付位置が定まるが、この例では3つのベルト掛部111,112,113は、複写装置10の重心位置の周囲にある3つの隅部に配置される、
【0025】
次にベルト掛部111,112,113の複写装置10への配置について説明する。図1(b)に示すように、複写装置10の内部には4つのフレーム21,22,23,24が配置され、フレーム21,22,23,24の外側に側板部25,26,27,28が取り付けられている。本例に係るベルト掛部111,112,113は、複写装置10の内部に配置されたフレーム21,22,23に接続された側板部25,26,27,28を通過する位置に配置されている。このようにベルト掛部111,112,113を配置することにより、製品の剛性の高い個所で支持することができるため、複写装置10をパレット部材210上に確実に固定することができる。なお、複写装置10は、輸送時に自重より大きい荷重を受ける。このため、前記ベルト掛部111,112,113、前記フレーム21,22,23,24及び側板部25,26,27,28は複写装置10重量の約4/3倍以上の強度を備える金属性が望ましい。また、ベルト掛部111,112,113は、作業性を考慮して最低10cmの長さを必要とし、ベルト掛け位置はなるべく製品に近い場所に設定することが望ましい。
【0026】
パレット部材210に複写装置10を固定するには、複写装置10のベルト掛部111,112,113にそれぞれベルト部材231,232,233を掛けて、ベルト部材231,232,233の長さを調整して、複写装置10をパレット部材210上に固定する。このとき、3本のベルト部材231,232,233が複写装置10の重心位置を囲む3つの角部に配置されたベルト掛部111,112,113に掛けられているので、複写装置10を安定的にパレット部材210上に配置することができる。
【0027】
本例では、ベルト掛部111,112,113は、複写装置10の側板部に内蔵され、側板部から水平にスライドさせて引き出して重心位置の延長方向で止まるものとすることができる。このようにすれば、ベルト掛部111,112,113はその向きのままで固定作業ができる他、またベルト部材231,232,233からの上下方向の荷重に対して高い剛性強度・固定性を備えることができる。
【0028】
また、ベルト掛部111,112,113は、複写装置10の側板部から水平にスライドさせ、且つ、水平回転させて、重心位置の延長方向で固定するものとすることができる。このようにすれば、スライド後に重心中心とした位置方向まで回転できるので、複写装置10の内部構造上、重心位置を中心としてベルト掛部111,112,113の配置が難しい機種や、複写装置10のサイズをベルト掛部111,112,113の配置位置に影響されないものとできる他、上下方向に対するベルト掛部111,112,113の剛性強度・固定性が良好なものとなる。
【0029】
また、ベルト掛部111,112,113は、複写装置10の側板部から曲がりながら水平にスライドさせて重心位置の延長方向で固定するものとすることができる。このようにすれば、スライド後に重心中心とした位置方向まで回転できるので、複写装置10の内部構造上、重心位置を中心としてベルト掛部111,112,113の配置が難しい機種や、複写装置10のサイズをベルト掛部111,112,113の配置位置に影響されないものとできる他、上下方向に対するベルト掛部111,112,113の剛性強度・固定性が良好なものとなる。
【0030】
更に、ベルト掛部111,112,113は、複写装置10の側板部から垂直方向に回転させて重心位置の延長方向で固定するものとすることができる。このようにすれば、複写装置10の側板部において、下方又は上方から重心中心とした位置方向まで取手を回転して固定できるので、複写装置10の内部構造上、重心位置を中心としてベルト掛部111,112,113の配置が難しい機種や、複写装置10のサイズをベルト掛部111,112,113の配置位置に影響されないものとできる他、水平方向に対するベルト掛部111の剛性強度・固定性が良好なものとなる。
【0031】
そして、ベルト掛部111,112,113は、複写装置10の側板部から垂直に回転し且つ水平回転し、重心位置の延長方向で固定するものとすることができる。このようにすれば、複写装置10の側板部の下方又は上方から重心中心とした位置方向まで取手を回転できるため、複写装置10の内部構造上、重心位置を中心としてベルト掛部111,112,113の配置が難しい機種や、複写装置10のサイズをベルト掛部111,112,113の配置位置に影響されないものとできる他、複写装置10の角部の周辺にベルト掛部111,112,113を配置できない機種についても適用できる。
【0032】
なお、複写装置に設けるベルト掛部は、上述した例に示した角柱状のものの他、ベルト部材を係止するため様々な形状とすることができる。図2はベルト掛部の変形例を示す斜視図である。この例では、ベルト掛部110は、板状のベルト掛部本体110aの基部側にベルト部材230を係止するためにベルトの切欠部110bを形成している。この切欠部110bは、ベルト部材230の幅寸法を備え、斜めに切り欠いて形成されている。本例によれば、切欠部110bにベルト部材230を係止して複写装置を斜め下方向のパレット隅部に向け固定することができる他、ベルト部材の固定用に他の部材を必要とせず、部品構成を少なくでき管理や作業が容易となる。
【0033】
図3はベルト掛部の他の変形例を示す斜視図である。この例では、ベルト掛部150は、板状のベルト掛部本体150aに穴部150bが開設して形成されている。そして、ベルト部材230には、フック部材171と三角環172とが配置され、ベルト部材230はフック部材171をベルト掛部150に係止することによりベルト掛部150に係止される。本例によれば、ベルト部材230で複写装置を斜め下方向のパレット隅部に向け固定することができる。また、ベルト掛部150の長さを短くできる他、ベルト掛部150を細いものとすることができ、ベルト部材取付のためのスペースが狭くてもベルト部材230をベルト掛部150に係止できる。
【0034】
以上説明したように、本例に係るパレット装置200によれば、3本のベルト部材231,232,233はパレット部材210に取り付けられた状態となっているため、パレット部材210とベルト部材231,232,233とがばらばらにならず管理や作業が容易となる。
【0035】
また、ベルトの長さは調整可能なため、様々な大きさ形状の複写装置10に使用することができ汎用性を備える。
【0036】
ここで、複写装置10等の画像形成装置の重心は、ほとんどの場合製品の後方寄りに存在し偏重心となる。このため、通常の製品四隅だけの固定を行なった場合、には偏重心が大きい程、輸送時における水平方向の衝撃を受けた場合にモーメント力が余計に働く。そこで製品の重心を重心位置から均等に120°開いた位置で3個所に所固定することにより、輸送時に受ける製品の偏重心寄りのモーメント慣性運動を減らし製品及びベルトにバランス良く、力を最小限に抑えた固定をすることができる。
【0037】
次に第2実施例に係るパレット装置について説明する。図4は第2実施例に係るパレット装置に複写装置を配置した状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は概略平面図である。この例は、重心位置がほぼ中央よりにある複写装置30をパレット装置300に載置する場合である。本例では、パレット装置300は、パレット部材310を備えている。パレット部材310には、その隅部に4個所の321,322,323、324ベルト取付部が配置されている。なお、ベルト取付部324は図示されていない。また、各複写装置30は、複写装置本体31と、自動原稿読取装置32とで構成されており、重心位置を中心として放射状にそれぞれ120°間隔をなす3個所にベルト掛部121,122,123が配置されており、ベルト掛部121にはベルト取付部324からのベルト部材333が、ベルト掛部122には、ベルト取付部321からのベルト部材331が、ベルト掛部123には、ベルト取付部322及びベルト取付部323に掛け渡されたベルト部材332が係止されている。
【0038】
本例に係る複写装置30の場合、ベルト掛部121,122,123の全てを複写装置30の角部分に配置することができない。即ち、2つのベルト掛部121,123を複写装置30の角部に配置すると、他の1つのベルト掛部122は複写装置30の製品側面の中央付近に配置せざるを得ない。ベルト掛部122は合成を確保するため、フレーム63に直接固定するものとしている。なお、本例では、他のベルト掛部121,123については、フレーム61,62に取り付けられた側板に取り付けられている。
【0039】
本実施例によれば、製品の重心がほぼ中央にある場合であっても、確実に複写装置をパレット部材に固定することができる。
【0040】
次に本発明の第3実施例について説明する。図5は第3実施例に係るパレット装置の正面図、図6は図5に示したパレット装置の側面図、図7は図5に示したパレット装置の斜視図である。
【0041】
本例に係るパレット装置500は、4つの側板部を備える4角柱状の複写装置40を4本の長さ調整可能なベルト部材531,532,533,534でパレット部材510の上面に固定するものである。パレット部材510にはその4隅部に前記複写装置40が載置される上面より下側に向けて凹部521,522,523,524が形成され、この凹部521,522,523,524には前記ベルト部材531,532,533,534の一端を係止する軸部材541,542,543,544が配置されている。
【0042】
また、複写装置40は、4つの側板部41,42,43,44を備える略4角柱に構成され、側板部41には2つの円柱形のベルト掛部151,154が、前記側板部41に対向する側板部43には、同様に2つのベルト掛部152,152が配置されている。これらのベルト掛部151,152,153,154は、金属製の部材であり、前記第1実施例のベルト掛部と同様に複写装置40に収納可能あるいは取付取り外し可能に配置される。
【0043】
ベルト部材531,532,533,534の他端は、凹部521,522,523,524内に配置された軸部材541,542,543,544に取り付けられている。本例では、軸部材541,542,543,544は、凹部521,522,523内において、矢印B方向に移動可能に配置されている。即ち、凹部521,522,523,524内には、ネジ機構、歯車機構等の公知の駆動機構が配置されており、軸部材541,542,543,544を移動できるように構成されている。
【0044】
従って本例によれば、複写装置40の1つの側板部41,43においてそれぞれ複数のベルト部材を係止し、複写装置40をパレット部材510に固定しているので、パレット部材510の上面に複写装置40を確実に固定することができる他、複写装置40の大きさに合わせて軸部材541,542,543,544の位置を凹部521,522,523,524内で移動でき、複写装置40の大きさにかかわらず複写装置40をパレット部材510上に確実に固定することができる。
【0045】
なお、上記例では、複写装置40の1つの側板部に対して2個所でベルト部を用いて係止する例について説明したが、比較的に幅寸法の小さい外装形状の複写装置40に対しては、製品側の一個所の側板部に1個所でベルト部材を用いて固定することができる。図8は第3実施例の変形例を示す斜視図である。
【0046】
本例に係る本例に係るパレット装置600は、比較的幅の狭い2つの側板部51,52を備える複写装置50において、それぞれの側板部51,52において、1本の長さ調整可能なベルト部材631,632を係止し、複写装置50をパレット部材610の上面に固定するものである。パレット部材610にはその両側部に前記複写装置50が載置される上面より下側に向けて凹部621,622が形成され、この凹部621,622には前記ベルト部材631、632の一端を係止する軸部材(図示していない)が配置されている。
【0047】
また、複写装置50の相対する2つの側板部51,52にはそれぞれ1つの円柱形のベルト掛部161,162が配置されている。これらのベルト掛部161,162は、金属製の部材であり、前記第1実施例のベルト掛部と同様に複写装置50に収納可能あるいは取付取り外し可能に配置される。
【0048】
ベルト部材631,632他端は、凹部621,622内に配置された軸部材に取り付けられている。本例では、軸部材は、凹部621,622内において、矢印C方向に移動可能に配置されている。即ち、凹部621,622内には、ネジ機構、歯車機構等の公知の駆動機構が配置されており、軸部材を移動できるように構成されている。
【0049】
従って本例によれば、複写装置50をパレット部材610上面にベルト部材631,632で確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1実施例に係るパレット装置に複写装置を配置した状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は概略平面図である。
【図2】ベルト掛部の変形例を示す斜視図である。
【図3】ベルト掛部の他の変形例を示す斜視図である。
【図4】第2実施例に係るパレット装置に複写装置を配置した状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は概略平面図である。
【図5】第3実施例に係るパレット装置の正面図である。
【図6】図5に示したパレット装置の側面図である。
【図7】図5に示したパレット装置の斜視図である。
【図8】第3実施例の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
10 複写装置
11 複写装置本体
12 自動原稿読取装置
21,22,23,24 フレーム
25,26,27,28 側板部
30 複写装置
31 複写装置本体
32 自動原稿読取装置
40 複写装置
41,42,43,44 側板部
50 複写装置
51,52 側板部
61,62,63,64 フレーム
110 ベルト掛部
110a ベルト掛部本体
110b 切欠部
111,112,113 ベルト掛部
121,122,123 ベルト掛部
150 ベルト掛部
150a ベルト掛部本体
150b 穴部
151,152,153,154 ベルト掛部
152,152 ベルト掛部
161,162 ベルト掛部
171 フック部材
172 三角環
200 パレット装置
210 パレット部材
221,222,223,224 ベルト取付部
230 ベルト部材
231,232,233 ベルト部材
300 パレット装置
310 パレット部材
321 ベルト取付部
322 ベルト取付部
323 ベルト取付部
324 ベルト取付部
331 ベルト部材
332 ベルト部材
333 ベルト部材
500 パレット装置
510 パレット部材
521,522 凹部
521,522,523,524 凹部
531,532,533,534 ベルト部材
541,542,543,544 軸部材
600 パレット装置
610 パレット部材
621,622 凹部
631,632 ベルト部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が載置されると共に4個所の隅部を備える略平板状のパレット部材と、前記物品と前記パレット部材とを連結して物品を前記パレット部材上に固定するベルト部材と、前記パレット部材に前記ベルト部材を係止するベルト係止部材とを備えるパレット装置において、
前記ベルト部材は長さ調整可能に形成されると共に、
前記ベルト係止部材は前記パレット部材の少なくとも3個所の隅部に配置されることを特徴とするパレット装置。
【請求項2】
前記物品の周囲には前記ベルトの取付具が3個所に配置され、
各取付具は物品の重心位置を中心として放射状にそれぞれ120°間隔をなす個所に配置されていることを特徴とする請求項1記載のパレット装置。
【請求項3】
異なる方向を向く複数の側板部を備える角柱状の物品が上面に載置される略平板状のパレット部材と、前記物品と前記パレット部材とを連結して物品を前記パレット部材上に固定するベルト部材と、前記パレット部材の上面より下側に形成された凹部に配置され前記凹部の上部開口から挿入された前記ベルト部材を係止するベルト係止部材とを備えるパレット装置であって、
前記ベルト部材は、前記物品の複数の側板部に係止されると共に、
前記ベルト係止部材は、前記パレット部材の凹部内で位置可変に設置されることを特徴とするパレット装置。
【請求項4】
前記ベルト部材は、前記物品のそれぞれの側面に一個所において係止されていることを特徴とする請求項3記載のパレット装置。
【請求項5】
前記ベルト部材は、前記物品のそれぞれの側板部に複数個所において係止されていることを特徴とする請求項3記載のパレット装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−113836(P2009−113836A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288658(P2007−288658)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】