説明

パン型ミキサへの材料供給方法及び装置

【課題】 供給する材料が飛散したり、回転するアームに付着しないようにする。
【解決手段】 底板11と外周側壁12と内周側壁14とからミキシング槽1を形成し、その軸心部に配置してある回転駆動軸2に、ロータ部材16を介し放射方向のアーム3を取り付け、アーム3先端部に取付部材17を介し撹拌用の羽根4を取り付けてパン型ミキサを形成する。内周側壁14の上端部に、材料供給口10を設け、その内側にミキシング槽1の下方より内周側壁14の内側を通して上下方向に配置した材料供給管8の上端部をガイド部材18を介し接続する。材料9を材料供給管8に下端側より押し込んで上端部より押し出させることにより、材料9を、ガイド部材18と、ミキシング槽1の中央部付近で且つ運転時に常時回転するアーム3よりも低い位置に配された材料供給口10とを経てミキシング槽1内へ供給させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パン型ミキサのミキシング槽内へ混練すべき材料を供給するためのパン型ミキサへの材料供給方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
材料を混練するために用いられる混練装置(ミキサ)の一種として、パン型ミキサが知られている。かかるパン型ミキサは、図3にその一例の概略を示す如く、円筒状パン型(盥型)のミキシング槽(器)1を備え、該ミキシング槽1の軸心部(中心部)に配置してある回転駆動軸(主軸)2の上端部に、径方向へ張り出す長さ寸法が異なる2本のアーム3をそれぞれ取り付けると共に、該各アーム3の先端部に、上記ミキシング槽1の底板付近に配置してある撹拌用の羽根4をそれぞれ取り付けてなる構成として、上記回転駆動軸2の回転駆動により、各アーム3を介して上記2枚の羽根4を、ミキシング槽1内にて外回りと内回りで同方向に水平に回転させて、該ミキシング槽1の内容物を均一に混練できるようにしてある。これにより、上記パン型ミキサでは、上記回転駆動軸2の回転駆動に伴いアーム3及び羽根4を回転させた状態にて、上記ミキシング槽1内へ、混練すべき材料として、たとえば、土(残土)とセメント系固化材と生石灰を投入して混練した後、更に材料としての汚泥を投入して混練することにより、該汚泥を残土と混練することにより単位水量を低下させ、セメント系固化材と混練することにより固化させ、更に、生石灰と共に混練することにより、無数に団粒化させ、この団粒化された各粒に対して回転運動を与えるよう混練して、球状化させると同時に締固めを短時間で行わせ、ある程度の強度を有する球状の再生品を製造できるようになる。なお、上記のようにして製造された球状の再生品は、上記ミキシング槽1の底部の一区画を開閉できるように設けてある図示しない排出口を開いて取り出すことができるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
更に、図4に示す如く、上記と同様の構成を有するパン型ミキサにおいて、ミキシング槽1の外周側壁の所要高さ位置に排出口5を設けて、ミキシング槽1内に材料を連続的に投入して、上記と同様にして該ミキシング槽1内にて投入された材料を混練することにより球状の再生品(球状骨材)を形成した後、上記排出口5よりオーバーフローさせて連続的に回収できるようにすることや、上記ミキシング槽1の外周側壁の内面近傍位置に、該外周側壁の内面に沿って上下方向に延びる削ぎ棒(スクレーパ)6を配置すると共に、該削ぎ棒6を、外回り用の羽根4が取り付けてある一方のアーム3の途中位置に、連結棒7を介し取り付けた構成として、上述したようにミキシング槽1で羽根4を回転させて材料を混練するときに、ミキシング槽1の外周側壁の内面に付着する材料(付着物)を除去できるようにすることも従来考えられている(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−59198号公報
【特許文献2】特開2003−80050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1、2に示された従来のパン型ミキサでは、いずれもミキシング槽1内への材料の供給を、該ミキシング槽1の上方位置から落下させて投入することによって行わせるようにしてあるため、混練すべき材料として、たとえば、スラリ性状の材料を使用する場合は、該スラリ性状の材料を上記のようにミキシング槽1の上方位置から落下させて投入を行なうと、落下衝撃によって該スラリ性状の材料がミキシング槽1内で飛散して、パン型ミキサ内の所要個所に固着することがあり、その後、ミキシング槽1内で材料を混練しているときに上記固着していた材料が剥脱されて混入するようになると、練り玉が形成されて混練性能の低下に繋がる虞が生じるという問題がある。
【0006】
又、ミキシング槽1の上方位置から材料を落下投入する場合には、常時回転しているアーム3に材料が当たるようになるため、該アーム3に材料が付着し、このアーム3に付着して堆積した材料が、ミキシング槽1内で材料を混練しているときに混入することによっても、上記と同様に、練り玉が形成されて混練性能の低下に繋がる虞が生じるという問題がある。
【0007】
上記のようなスラリ性状の材料が落下衝撃により飛散することに起因して生じる問題や、常時回転しているアーム3に材料が付着することに起因して生じる問題を防止するための対策としては、回転するアーム3に干渉しないように該アーム3の回転軌跡よりも外周側となるミキシング槽1の外周側壁の近傍で、且つ比較的低い位置から材料を供給することが考えられる。
【0008】
しかし、一般に、パン型ミキサでは、その構造上、ミキシング槽1内の材料に対しては、撹拌用の羽根4の回転によってミキサ中心から外周側へ移動させるような力が作用するようにしてあるため、上記のようにミキシング槽1の外周側壁の近傍位置から材料を供給する場合には、ミキシング槽1内で材料が移動し難くなり、混練性能等が低下する虞が懸念される。そのため、上記のような外周側壁の近傍位置からの材料の供給は望ましくない。
【0009】
そこで、本発明は、パン型ミキサのミキシング槽内へ混練すべき材料の供給を行うときに、材料が常時回転するアームに付着する虞や、スラリ性状の材料を供給する場合に落下衝撃によって該スラリ性状の材料が飛散する虞を未然に防止でき、更に、ミキシング槽内における材料の移動性の低下が生じる虞を解消して、良好な混練を実施できるパン型ミキサへの材料供給方法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、パン型のミキシング槽の中心部に備えた回転駆動軸にアームを介して撹拌用の羽根を取り付け、上記ミキシング槽内へ供給される材料を上記回転駆動軸の回転駆動に伴い上記アームを介して回転させられる羽根により混練するようにしてあるパン型ミキサにおける上記ミキシング槽の中央部付近の上記アームよりも低い位置に、ミキシング槽の下方より材料を供給するようにするパン型ミキサへの材料供給方法、及び、パン型のミキシング槽の中心部に備えた回転駆動軸にアームを介して撹拌用の羽根を取り付け、上記ミキシング槽内へ供給される材料を上記回転駆動軸の回転駆動に伴い上記アームを介して回転させられる羽根により混練するようにしてあるパン型ミキサにおける上記ミキシング槽の回転駆動軸の近傍となる中央部に、ミキシング槽の下方より該ミキシング槽内の上記アームよりも低い位置に材料を導くようにし、該ミキシング槽の下方よりミキシング槽内に導かれた材料をミキシング槽内へ供給できるようにしたパン型ミキサへの材料供給装置とする。
【0011】
又、上記構成におけるミキシング槽の中央部付近に、該ミキシング槽の下方より材料供給管を立上げて、該材料供給管の上端側の材料供給口をミキシング槽内に開口させ、該材料供給口を通して材料を投入するようにした構成とする。
【0012】
更に、上記構成におけるミキシング槽を、中央部に所要大きさの開口を設けた円板状の底板と、該底板の外周縁部に取り付けた外周側壁と、上記底板の開口の周縁部上に取り付けた内周側壁とからなる構成とし、且つ上記内周側壁の上端を回転駆動軸に取り付けたアームの位置よりも低い位置となるようにし、更に、上記内周側壁の所要高さ位置に、上記内周側壁の内側を通して上下方向に配置した材料供給管の上端側の材料供給口を、ミキシング槽内に臨んで開口させるようにした構成とする。
【0013】
更に又、上記構成において、内周側壁の外面近傍位置に、該内周側壁の外面に沿って上下方向に延びるスクレーパを配置し、且つ該スクレーパを上記回転駆動軸に取り付けて、該回転駆動軸と一緒に回転できるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1)パン型のミキシング槽の中心部に備えた回転駆動軸にアームを介して撹拌用の羽根を取り付け、上記ミキシング槽内へ供給される材料を上記回転駆動軸の回転駆動に伴い上記アームを介して回転させられる羽根により混練するようにしてあるパン型ミキサにおける上記ミキシング槽の中央部付近の上記アームよりも低い位置に、ミキシング槽の下方より材料を供給するようにするパン型ミキサへの材料供給方法及び装置としてあるので、ミキシング槽への材料の供給を、パン型ミキサの運転時に常時回転させるアームよりも低い位置より行うことができ、このため、材料が回転するアームに付着する虞を未然に防止できる。又、スラリ性状の材料を供給する場合であっても、該スラリ性状の材料が落下衝撃によって飛散する虞を未然に防止できる。更に、ミキシング槽の中央部付近へ材料を供給することができるため、該ミキシング槽内における材料の移動性が低下する虞を解消できる。以上のことから、パン型ミキサにおいて材料の良好な混練を実施することが可能になる。
(2)ミキシング槽の中央部付近に、該ミキシング槽の下方より材料供給管を立上げて、該材料供給管の上端側の材料供給口をミキシング槽内に開口させ、該材料供給口を通して材料を投入するようにする構成とすることにより、ミキシング槽内へ材料の供給を行うための材料供給口を、ミキシング槽の中心部付近で且つパン型ミキサの運転時に常時回転させるアームよりも低い位置に容易に配設することができる。
(3)ミキシング槽を、中央部に所要大きさの開口を設けた円板状の底板と、該底板の外周縁部に取り付けた外周側壁と、上記底板の開口の周縁部上に取り付けた内周側壁とからなる構成とし、且つ上記内周側壁の上端を回転駆動軸に取り付けたアームの位置よりも低い位置となるようにし、更に、上記内周側壁の所要高さ位置に、上記内周側壁の内側を通して上下方向に配置した材料供給管の上端側の材料供給口を、ミキシング槽内に臨んで開口させるようにした構成とすることにより、ミキシング槽の中心部付近で且つパン型ミキサの運転時に常時回転させるアームよりも低い位置にミキシング槽内へ材料の供給を行うための材料供給口を設け、該材料供給口へ材料を供給するための構成を容易に実施できる。
(4)内周側壁の外面近傍位置に、該内周側壁の外面に沿って上下方向に延びるスクレーパを配置し、且つ該スクレーパを上記回転駆動軸に取り付けて、該回転駆動軸と一緒に回転できるようにした構成とすることにより、材料供給口より供給する材料が、ミキシング槽の内周側壁の外面に付着したとしても、該付着した材料を容易に掻き落として、ミキシング槽の内底部へ確実に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明のパン型ミキサへの材料供給方法及び装置の実施の一形態を示すもので、図3に示したパン型ミキサと同様に、円筒状パン型のミキシング槽1と、該ミキシング槽1の軸心部(中心部)に配置した回転駆動軸2と、該回転駆動軸2の上端側に径方向に所要寸法張り出すアーム3を介して取り付けた撹拌用の羽根4とを備えてなるパン型ミキサにおける上記ミキシング槽1の回転駆動軸2の近傍となる中央部に、ミキシング槽1の下方より材料9をミキシング槽1内へ供給できるように、上端が上記アーム3よりもやや低い位置に達するよう上下方向に延びる材料供給管8を備え、外部の図示しない材料供給部よりポンプ等の運転によって送出される材料9を、上記材料供給管8に下端側から押し込んで該材料供給管8を下方から上方へ経由させた後、材料供給管8の上端側に設けた材料供給口10よりミキシング槽1内の中央部付近へ押し出させて、該ミキシング槽1内への材料供給を実施するようにする。
【0017】
詳述すると、上記円筒状パン型のミキシング槽1は、円板状の底板11の外周縁部上に、所要の高さ寸法を有する円筒状の外周側壁12を水密に取り付け、且つ上記底板11の中央部に、後述する減速機15の外径よりもやや大きな径の開口13を設けると共に、該開口13の周縁部の底板11上に、所要の高さ寸法を有する円筒状の内周側壁(内筒部)14を水密に取り付けた構成としてある。
【0018】
上記ミキシング槽1の内周側壁14の内側には、上記回転駆動軸2となる出力軸を上端部より上向きに突出するように具備してなる減速機15を収容して、該減速機15を上記内周側壁14の上端に取り付けた支持部14aに支持させるようにする。更に、上記回転駆動軸2に、上記内周側壁14の上側に配置してある該内周側壁14の外径とほぼ同じ直径を有するロータ部材16を取り付け、該ロータ部材16の外周部における周方向の複数個所、たとえば、周方向120度間隔の3個所に、それぞれ放射方向に配置してある上記アーム3の内側端部を取り付け、該各アーム3の外側端部に、上記ミキシング槽1の底板11に下端側を近接させて配置してある撹拌用の羽根4を、それぞれ取付部材17を介し取り付ける。
【0019】
更に、上記内周側壁14の周方向所要個所における所要高さ位置、たとえば、上端部位置に、上記材料供給口10となる内外方向に貫通する開口部を設け、内周側壁14の内面における上記材料供給口10の周縁部に、該材料供給口10に連通する箱型のガイド部材18を水密に取り付ける。更に又、該ガイド部材18の下方位置となる内周側壁14の内面近傍位置に、上記ミキシング槽1の下方から底板11の開口13を通して上下方向に延びる材料供給管8を配置し、該材料供給管8の上端部を、上記ガイド部材18の底部に連通接続する。なお、上記ガイド部材18は、上記材料供給管8を通してミキシング槽1の底部側から垂直方向の上方へ流入する材料9の進行方向を90度横向きに変更させて上記材料供給口10へ円滑に導くことができるようにするために、エルボ管のように円弧状としてある。
【0020】
上記材料供給管8には、外部の材料供給部に接続されてミキシング槽1の下方へ導かれている材料配管20がエルボ22、ロータリージョイント21、ビクトリック形管継手23を介して接続してある。なお、上記材料配管20は、上記ミキシング槽1を支持するための図示しない支持部材や、上記減速機15へ動力を付与するための後述する駆動機構19等と干渉しないような所要の配管経路に配設してある。又、上記材料供給管8の下端部と材料配管20とを上述した如く、たとえば、ロータリージョイント21、エルボ22、ビクトリック形管継手23を介して接続するようにすると、上記材料供給管8の下端側に取り付けてあるエルボ22に対し、上記材料配管20を、水平面内のいかなる方向からでも接続可能となるため、上記材料配管20を実機に合わせて配設する際の配管経路の設定を容易なものとすることができる。
【0021】
なお、上記減速機15へ動力を付与するための駆動機構19は、ミキシング槽1の下方に備えるようにしてあり、図1に一例を示す如く、上記減速機15の下端側にミキシング槽1の下方へ突出するよう設けてある入力軸24に取り付けた動力伝達用プーリ25と、上記ミキシング槽1の外周側壁12の外面に支持部材26を介し下向きに設置したモータ27と、該モータ27の出力軸27aに取り付けた駆動プーリ28と、上記各プーリ25と28に無端状に掛け回した動力伝達用のベルト29とからなる構成として、上記モータ27より上記各プーリ25,28とベルト29を介して伝達される回転駆動力が、上記減速機15の入力軸24へ入力され、該減速機15にて、入力される回転数を減速させた状態で回転駆動軸2へ出力させて、該回転駆動軸2の回転により上記ロータ部材16及び各アーム3、取付部材17を介して各羽根4をミキシング槽1で水平方向に回転できるようにしてある。又、上記ミキシング槽1の内周側壁14に設ける材料供給口10の高さ位置は、パン型ミキサの通常運転時にミキシング槽1内で混練する材料9が達する高さレベルよりもやや上方となるように設定してあるものとする。更に、排出口は、図示してないが、ミキシング槽1の外周側壁12の所要高さ位置に設けるのみならず底板11に設けるようにしてもよい。
【0022】
上記の構成としてあるので、パン型ミキサの運転時にミキシング槽1内への材料9の供給を行なうときには、上記駆動機構19を介してミキシング槽1内で各羽根4を回転させた状態において、上記材料供給部より供給される混練すべき材料9を、材料配管20内から材料供給管8内を通してミキシング槽1の下方からミキシング槽1内へ導き、材料供給口10よりミキシング槽1内における内周側壁14の外面近傍位置へ投入させるようにする。この際、本発明のパン型ミキサへの材料供給方法及び装置においては、ミキシング槽1への材料9の供給を行う材料供給口10が、ミキシング槽1の内周側壁14の所要高さ位置、すなわち、該ミキシング槽1の中心部に配置する回転駆動軸2の近傍で且つパン型ミキサの運転時に常時回転させるアーム3よりも低い位置に設定されていることから、ミキシング槽1内へスラリ性状の材料9を供給する場合であっても、該スラリ性状の材料9が落下衝撃によって飛散する虞を未然に防止できる。又、上記材料供給口10より投入される材料9が回転するアーム3に付着する虞も未然に防止できる。
【0023】
更に、上記材料供給口10より、ミキシング槽1内の中央部付近へ材料を供給することにより、該ミキシング槽1内における材料9の移動性が低下する虞を解消できる。したがって、パン型ミキサにおいて材料9の良好な混練を実施することが可能になる。
【0024】
次に、図2は本発明の実施の他の形態として、図1の実施の形態の応用例を示すもので、図1に示したと同様の構成において、ミキシング槽1の内周側壁14の外面近傍位置に、該内周側壁14の外面に沿って上下方向に延びるスクレーパ30を配置し、且つ該スクレーパ30を、回転駆動軸2の回転に伴って回転させることができるように、たとえば、所要のアーム3に、上下方向の連結部材31を介して一体に取り付けたものである。
【0025】
その他の構成は図1に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0026】
本実施の形態によれば、図1に示したものと同様に、駆動機構19により回転駆動軸2を回転駆動させてミキシング槽1内で各羽根3を回転させた状態とすると、上記各羽根4と一緒に回転するアーム3のうち、所要のアーム3に連結部材31を介し取り付けられている上記スクレーパ30は、内周側壁14の外面の近傍位置に沿って周方向に回転するようになる。これにより、材料供給部より供給される混練すべき材料9を材料配管20、材料供給管8、ガイド部材18及び材料供給口10を順に経てミキシング槽1内へ供給するときに、上記材料供給口10より投入させる材料9が、万一、上記内周側壁14の外面に付着したとしても、該付着した材料9を上記スクレーパ30により掻き落として、ミキシング槽1の内底部へ確実に供給させることができる。
【0027】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、ミキシング槽1の中央部付近における回転するアーム3よりも低い位置に、材料供給口10をミキシング槽1の内部に臨むように設けることができれば、材料供給部より上記材料供給口10まで材料9を送るための材料配管20や材料供給管8の配管経路は、回転駆動軸2や減速機15、駆動機構19等の他の機器や、ミキシング槽1を支持する支持部と干渉しない範囲内であれば多少変更してもよい。材料供給管8の上端側と材料供給口10とをガイド部材18を介して接続する構成としたが、材料供給管8内を下方から上方へ経由して上端部より押し出される材料9を、漏れなく上記材料供給口10を経てミキシング槽1内へ供給させることができれば、材料供給管8の上端部と材料供給口10との接続部分はいかなる構成としてもよい。又、材料供給管8と材料配管20との接続部分は、エルボ22を介して溶接により一連に接続する等、接続部分はいかなる構成を採用してもよく、更には、材料供給管8内に下端側より順次材料9を押し込んで、該材料供給管8の上端部より押し出させることができるようにしてあれば、材料供給管8の下端側へ材料を供給するための手段は、任意の供給手段を採用してもよい。
【0028】
ミキシング槽1内で回転駆動軸2の上端側にアーム3を介して取り付けられた羽根4を回転させて該ミキシング槽1内の材料を混練することができるようにしてあるパン型ミキサであれば、ミキシング槽1の外周側壁12や内周側壁14の断面形状を多少変更したり、羽根4の枚数を変更したり、ミキシング槽1の外周側壁12の内面に付着する付着物を除去するためのスクレーパを設けたり、減速機15や駆動機構19を任意の形式とする等、いかなる形式のパン型ミキサにも適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のパン型ミキサへの材料供給方法及び装置の実施の一形態を示す概略切断側面図である。
【図2】本発明の実施の他の形態を示す概略切断側面図である。
【図3】従来のパン型ミキサの一例を示す概略斜視図である。
【図4】球状骨材を連続製造するために従来提案されているパン型ミキサを示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 ミキシング槽
2 回転駆動軸
3 アーム
4 羽根
8 材料供給管
9 材料
10 材料供給口
11 底板
12 外周側壁
13 開口
14 内周側壁
30 スクレーパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン型のミキシング槽の中心部に備えた回転駆動軸にアームを介して撹拌用の羽根を取り付け、上記ミキシング槽内へ供給される材料を上記回転駆動軸の回転駆動に伴い上記アームを介して回転させられる羽根により混練するようにしてあるパン型ミキサにおける上記ミキシング槽の中央部付近の上記アームよりも低い位置に、ミキシング槽の下方より材料を供給するようにすることを特徴とするパン型ミキサへの材料供給方法。
【請求項2】
ミキシング槽の中央部付近に、該ミキシング槽の下方より材料供給管を立上げて、該材料供給管の上端側の材料供給口をミキシング槽内に開口させ、該材料供給口を通して材料を投入するようにする請求項1記載のパン型ミキサへの材料供給方法。
【請求項3】
パン型のミキシング槽の中心部に備えた回転駆動軸にアームを介して撹拌用の羽根を取り付け、上記ミキシング槽内へ供給される材料を上記回転駆動軸の回転駆動に伴い上記アームを介して回転させられる羽根により混練するようにしてあるパン型ミキサにおける上記ミキシング槽の回転駆動軸の近傍となる中央部に、ミキシング槽の下方より該ミキシング槽内の上記アームよりも低い位置に材料を導くようにし、該ミキシング槽の下方よりミキシング槽内に導かれた材料をミキシング槽内へ供給できるようにしたことを特徴とするパン型ミキサへの材料供給装置。
【請求項4】
ミキシング槽の中央部に、該ミキシング槽の下方よりミキシング槽内に達するように上下方向に延びる材料供給管を設置し、且つ該材料供給管の上端側に設けた材料供給口を、ミキシング槽内に開口させた請求項3記載のパン型ミキサへの材料供給装置。
【請求項5】
ミキシング槽を、中央部に所要大きさの開口を設けた円板状の底板と、該底板の外周縁部に取り付けた外周側壁と、上記底板の開口の周縁部上に取り付けた内周側壁とからなる構成とし、且つ上記内周側壁の上端を回転駆動軸に取り付けたアームの位置よりも低い位置となるようにし、更に、上記内周側壁の所要高さ位置に、上記内周側壁の内側を通して上下方向に配置した材料供給管の上端側の材料供給口を、ミキシング槽内に臨んで開口させるようにした請求項4記載のパン型ミキサへの材料供給装置。
【請求項6】
内周側壁の外面近傍位置に、該内周側壁の外面に沿って上下方向に延びるスクレーパを配置し、且つ該スクレーパを上記回転駆動軸に取り付けて、該回転駆動軸と一緒に回転できるようにした請求項5記載のパン型ミキサへの材料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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