説明

パーツフィーダ

【課題】小型化及び構成の簡単化を図りつつ、ワークの跳躍を抑えつつ搬送速度の向上を図るようにする。
【解決手段】パーツフィーダ1は、ベース2と、このベース2に振動励起部である第1の振動励起部3A、第2の振動励起部3B、第3の振動励起部3Cを介して取り付けられたトッププレート4と、このトッププレート4に取着されたボウル6とを備えて構成されている。加振ばね部7A〜7Cは、ばね板材からなるトッププレート4の周縁の均等ピッチ3箇所から一体に延出されており、各加振ばね部7A〜7Cの片部72両側面に圧電セラミックス板8a及び8bが取着され、片部73の両側面に圧電セラミックス板8c及び8dが取着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微小な搬送対象物を給送するのに好適する振動式のパーツフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、振動式のパーツフィーダで給送する搬送対象物(以下ワークという)としては、電子素子の小型化にみられるように、例えば0.2mmオーダーといった微小化がなされている。このような微小なワークに対応するパーツフィーダとしては、パーツフィーダ自体の大きさや構造を小型化及び簡単化する必要がある(例えば特許文献1)。このものでは、振動励起部として、ベース上に立設する板ばね部材に圧電セラミックス板を取着した構成を用い、直進型のパーツフィーダを構成している。しかし、このものでは、所要の搬送速度を得ようとして、走路の水平振動加速度成分を大きく取ると、鉛直方向成分が大きくなりすぎ、ワークが跳躍して搬送が不安定になってしまう。
【0003】
この対策として、パーツフィーダを、だ円振動方式とすることで、ワークの跳躍を押えながら搬送速度を大きくすることが考えられる。このだ円振動方式のパーツフィーダとしては、特許文献2に記載されたパーツフィーダがある。このものでは、ボウル取付のための可動台の下面に固定されたばね受け部材に、正方形に組まれた水平板ばねの中央部を固定し、四隅部を十字状の可動フレームの各アーム部に固定し、各アーム部先端部と貴台とを垂直板ばねで連結する構成である。さらに、ばね受け部材下方に、垂直方向の可動コアと電磁石を設け、また水平方向可動コアと電磁石とを設けた構成である。
【特許文献1】特許3558584号公報
【特許文献2】特開平10−203623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献2に記載のパーツフィーダでは、構成部品が大きく、しかも部品数も多く、パーツフィーダ自体の小型化及び構成の簡単化が図れないものであり、微小なワークを搬送するパーツフィーダへの応用は極めて困難であった。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化及び構成の簡単化を図りつつ、ワークの跳躍を抑えつつ搬送速度の向上を図り得、もって微小な部品の搬送に好適するパーツフィーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、ベースと、このベースに振動励起部を介して取り付けられるトッププレートとを備えたパーツフィーダにおいて、前記トッププレートをばね板材から構成すると共に、このトッププレートに複数の脚状の加振ばね部を一体に形成し、この加振ばね部を異なる方向の複数の片部に屈曲形成し、前記一つの加振ばね部において少なくとも異なる向きの2つの片部に圧電セラミックス板を取着して前記振動励起部を構成したところに特徴を有する。
【0007】
これによれば、パーツフィーダが、ばね板材からなるトッププレート及び加振ばね部と、圧電セラミックス板と、ベースを主体として構成されるから、構成が簡単でしかも小型化を図ることができる。特に、トッププレートと加振ばね部とが一体であるから、トッププレートと加振ばね部との間で接合部がなく、接合剛性を上げることができて固有振動数変動を抑え得る。また接合のための部品を省略できるから、付加慣性を無くし得て、寄生振動モードを排除でき、さらには部品数及び組立工数の削減を図り得て、構造の簡単化及び小型化を図ることができる。
【0008】
そして、加振ばね部の異なる方向の片部にそれぞれ圧電セラミックス板を取着して振動励起部を構成したから、一つの加振ばね部において異なる方向の振動モードを得ることができ、各圧電セラミックス板に印加する電流の位相を調整することにより、適正なだ円振動を得ることができて、ワークの跳躍を抑えながら搬送能力を向上させることができる。さらに、上記だ円振動の主軸(長軸)の傾斜に大きな影響を与えるばね傾斜角を、加振ばね部における片部の屈曲角度だけで設定することができ、極めて簡単になる。この結果、ボウル型のパーツフィーダに採用した場合には、現在では最小60mm前後の直径サイズのボウルを10mm直径サイズ程度に落とすことも可能となる。また、直進型のパーツフィーダに採用した場合には、加振ばね部高さを現在の最小40mm前後から10mm程度に短くすることも可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、型化及び構成の簡単化を図りつつ、ワークの跳躍を抑えつつ搬送速度の向上を図り得、もって微小な部品の搬送に好適するパーツフィーダを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施例について図1ないし図8を参照して説明する。この第1の実施例では、本発明をボウル型のパーツフィーダに適用した実施例としている。このパーツフィーダ1は、図1に基づいて、その全体構成について説明すると、ほぼ円形のベース2と、このベース2に振動励起部である第1の振動励起部3A、第2の振動励起部3B、第3の振動励起部3Cを介して取り付けられたトッププレート4と、このトッププレート4に締結具5により取着されたボウル6とを備えて構成されている。
【0011】
前記ボウル6は、浅底容器状をなし内周側にスパイラル状のトラック6aを形成し、図示しないワークを円周方向に搬送する。このボウル6取着用の前記締結具5としては、例えばボルト・ナット,ネジ、或は鋲のカシメなどがある。
【0012】
第1の振動励起部3Aは、加振ばね部7Aと圧電素子たる圧電セラミックス板8a〜8dとにより構成され、第2の振動励起部3Bは、加振ばね部7Bと圧電セラミックス板8a〜8dとにより構成され、第3の振動励起部3Cは、加振ばね部7Cと圧電セラミックス板8a〜8d(8a、8bについては図示していない)とにより構成されている。
【0013】
各加振ばね部7A〜7Cは、前記トッププレート4と一体に形成されたものであり、このトッププレート4及び加振ばね部7A〜7Cはばね板材Pを、図2に示すように例えば打ち抜くこと或いは切り出すことによって形成されている。この場合、ほぼ脚状をなす加振ばね部7A〜7Cは、上記図2の展開状態で、ほぼ円板状をなすトッププレート4の周縁の均等ピッチ3箇所から、ほぼ接線方向に延出した形態をなす。なお、トッププレート4には締結具挿通用の孔部4aが形成されている。
【0014】
この加振ばね部7A〜7Cは、図2の線K1、K2、K3部分で屈曲されており、すなわち各加振ばね部7A〜7Cは、それぞれ、異なる方向の複数の片部である第1の片部71、第2の片部72、第3の片部73を一体に有する。第1の片部71は、トッププレート4から垂下し、第2の片部72は該第1の片部71から水平に延び、第3の片部73はこの第2の片部72から垂下する形態である。この第3の片部73の先端部(下端部)は、前記ベース2の周縁部の等間隔位置に形成されたスリット2aに差し込み嵌合された上に接着されることにより取着されている。上記第2の片部72と第3の片部73とは隣合う関係にある(異なる向き関係にある)。
【0015】
前記各片部71〜73のうち、第2の片部72の両側面に圧電セラミックス板8a、8bが例えば接着により取着され(バイモルフ構造)、また、第3の片部73の両側面に圧電セラミックス板8c、8dが同様に接着により取着されている。
【0016】
各圧電セラミックス板8a〜8dに対して交流電源10(図6参照)を給電することにより、逆ピエゾ効果により加振ばね部7A〜7Cが励振される。
各振動励起部3A〜3Cの各圧電セラミックス板8a〜8dに対する給電制御装置9を備えており、この給電制御装置9は、上部の圧電セラミックス板8a、8bに給電する交流電源10の電圧を調節する電圧調節回路11と、下部の圧電セラミックス板8c、8dに給電する電圧調節回路12と、上部の圧電セラミックス板8a、8bと、下部の圧電セラミックス板8c、8dとの間の電流位相角を調節する位相調節回路13とを有して構成されている。この位相調節回路13により上記位相角φを調節することにより、図7に示すように、だ円振動の長軸及び短軸を変えることができる。なおφ=0°及び180°では直線振動となる。
【0017】
このように本実施例によれば、ばね板材からなるトッププレート4及び加振ばね部7A〜7Cと、圧電セラミックス板8a〜8dと、ベース2とを主体として構成されるから、構成が簡単でしかも小型化を図ることができる。特に、トッププレート4と加振ばね部7A〜7Cとが一体であるから、トッププレート4と加振ばね部7A〜7Cとの間で接合部がなく、接合剛性を上げることができて固有振動数変動を抑え得る。また接合のための部品を省略できるから、付加慣性を無くし得て、寄生振動モードを排除できる。トッププレート4及び加振ばね部7A〜7Cを形成するについて、打ち抜き加工や屈曲加工のみで形成することができ、製作の簡単化を図り得、さらには部品数及び組立工数の削減を図り得て、構造の簡単化及び小型化を図ることができる。
【0018】
そして、各加振ばね部7A〜7Cの異なる方向の片部72、73にそれぞれ圧電セラミックス板8a及び8b、8c及び8dを取着して振動励起部3A〜3Cを構成したから、一つの加振ばね部において異なる方向の振動モードを得ることができ、各圧電セラミックス板に印加する電流の位相を調整することにより、適正なだ円振動を得ることができて、ワークの跳躍を抑えながら搬送能力を向上させることができる。さらに、上記だ円振動の主軸(長軸)の傾斜に大きな影響を与えるばね傾斜角θ(図8参照)を、加振ばね部7A〜7Cにおける片部71、72、73間の屈曲角度だけで、容易に設定することができ、極めて簡単になる。この結果、ボウル型のパーツフィーダ1においては、現在では最小60mm前後の直径サイズのボウルを10mm直径サイズ程度に落とすことも可能となる。
【0019】
図9は本発明の第2の実施例を示しており、この実施例においては、前記トッププレート4に、スパイラル状のトラック4bが一体に形成されており、このトッププレート4がボウルを兼用する構成となっている。なお、締結具挿通用の孔部は無い。この第2の実施例によれば、さらに、製作の簡単化、部品数及び組立工数の削減を図り得る。
【0020】
なお、加振ばね部7A〜7Cのベース2に対する取着方式は、本発明の第3の実施例として示す図10のように、ねじ14によるねじ締め固定方式としても良い。
図11は本発明の第4の実施例を示しており、この実施例においては、第2の片部72と第3の片部73との屈曲角αを90°よりかなり小さくしている(鋭角、0°に近づけている)。図12の模式図には、便宜上、屈曲角αをさらに小さくして示している。この図12に示すように圧電セラミックス板8a〜8dによる点Oの変位ベクトルA及びB間の偏角が屈曲角αによって決まり、屈曲角αが小さくなるほど偏平なだ円振動となる。この実施例では、上下高さをさらに短くできる。
【0021】
図13は本発明の第5の実施例を示しており、この実施例においては、加振ばね部7A〜7Cの片部71、72の個数及び屈曲角が第1の実施例とは異なる。すなわち、第1の片部71に対して、第2の片部72を屈曲角α(α>90°、鈍角)としている。そして、第1の片部71に圧電セラミックス板8a、8bを取着し、第2の片部72に圧電セラミックス板8c、8dを取着している。この第5の実施例によると、高い振動周波数を得ることができる。なお、この第5の実施例においても、図2と同様のばね板材の打ち抜き形状となる。
【0022】
図14及び図15は本発明の第6の実施例を示しており、この実施例においては、次の点が第1の実施例と異なる。3つの加振ばね部7A〜7Cは、図15に示すように転回状態でL字状をなし、第1の片部71はトッププレート4に対して線K1で屈曲され(屈曲角α(α<90°))、第2の片部72は、線K2でこの第1の片部71から垂下する(鉛直)形態に屈曲されている。そして、第1の片部71に圧電セラミックス板8a、8bを取着し、第2の片部72に圧電セラミックス板8c、8dを取着している。
【0023】
ベース2は中央部に円弧状の柱部2bを有しており、この柱部2bに各第2の片部72の先端部が差し込まれて接着されている。
この第6の実施例によれば、第1〜第3の振動励起部3A〜3Cの上下寸法を小さくでき、柱部3aを短くするなどすれば、全体の小型化にさらに寄与できる。
また、トッププレート4と加振ばね部7A〜7Cとの打ち抜き形状において、加振ばね部7A〜7Cがトッププレート4側へ近接するL字状をなすので、材料取りが小さくてすみ、トッププレート4の広さも大きくできる。
【0024】
なお、上記第2の片部72は、本発明の第7の実施例として示す図16のように水平向きに屈曲する構成としても良い。
また、本発明の第8の実施例として示す図17のように、この場合第1の片部71は垂直向きとし、第2の片部72は水平向きとしても良い。
本発明の第9の実施例を示す図18は、図14(第6の実施例)と次の点が異なる。すなわち、図14の第2の片部72をそのまま下方へ押し下げた形態としている。この第9の実施例では、第2の片部72の長さを長くできる。
【0025】
また本発明の第10の実施例を示す図19は、図14(第6の実施例)と次の点が異なる。すなわち、図14の第2の片部72をそのまま上方へ押し上げた形態としている。これによれば、第2の片部72の長さを長くできる上に、上下寸法をさらに短くできて小型化をさらに促進できる。
図20は本発明の第11の実施例を示しており、図13(第5の実施例)と加振ばね部の数が異なる。すなわち、この第11の実施例においては、2つの加振ばね部7A、7Bをトッププレート4の周縁部に等間隔(180°離間)配置形態で形成している。これによっても図13の第5の実施例と同様の作用効果が得られる。
【0026】
図21及び図22は本発明の第12の実施例を示しており、この第12の実施例では、本発明を直進型のパーツフィーダ21に適用した実施例としている。
このパーツフィーダ21は、その全体構成について説明すると、細長状のベース22と、このベース22に振動励起部である第1の振動励起部23A、第2の振動励起部23Bを介して取り付けられた細長板状のトッププレート24と、このトッププレート24に図示しない締結具により取着されたシュート25とを備えて構成されている。
【0027】
前記シュート25は、直線状をなし内周側にトラック25aを形成し、図示しないワークを直線方向に搬送する。
第1の振動励起部23A及び第2の振動励起部23Bは、トッププレート24の両端部分に設けられている。第1の振動励起部23Aは、加振ばね部26Aと圧電セラミックス板8a〜8dとにより構成され、第2の振動励起部23Bは、加振ばね部26Bと圧電セラミックス板8a〜8dとにより構成されている。
【0028】
各加振ばね部26A、26Bは、前記トッププレート24の両端部に一体に形成されたものであり、このトッププレート4及び加振ばね部26A、26Bは、図22に示すように、細長板状に形成されたばね板材Pを、線K1、K2、K3、K1´、K2´、K3´で屈曲することにより形成されている。
【0029】
この加振ばね部26A、26Bは、それぞれ、異なる方向の複数の片部である第1の片部261、第2の片部262、第3の片部263を一体に有する。第1の片部261は、トッププレート24の一端部から垂下し、第2の片部262は該第1の片部261から水平に延び、第3の片部263はこの第2の片部262から垂下する形態である。この第3の片部263の先端部(下端部)は、前記ベース22に形成されたスリット22aに差し込み嵌合された上に接着されることにより取着されている。
【0030】
前記各片部261〜263のうち、第2の片部262の両側面に圧電セラミックス板8a、8bが例えば接着により取着され、また、第3の片部263の両側面に圧電セラミックス板8c、8dが同様に接着により取着されている。
【0031】
このような第12の実施例の直進型のパーツフィーダ21によれば、ばね板材からなるトッププレート24及び加振ばね部26A、26Bと、圧電セラミックス板8a〜8dと、ベース2とを主体として構成されるから、構成が簡単でしかも小型化を図ることができる。特に、トッププレート24と加振ばね部26A、26Bとが一体であるから、トッププレート24と加振ばね部26A、26Bとの間で接合部がなく、接合剛性を上げることができて固有振動数変動を抑え得る。また接合のための部品を省略できるから、付加慣性を無くし得て、寄生振動モードを排除できる。トッププレート24及び加振ばね部26A、26Bを形成するについて、打ち抜き加工や屈曲加工のみで形成することができ、製作の簡単化を図り得、さらには部品数及び組立工数の削減を図り得て、構造の簡単化及び小型化を図ることができる。
【0032】
そして、各加振ばね部26A、26Bの異なる方向の片部262、263にそれぞれ圧電セラミックス板8a及び8b、8c及び8dを取着して振動励起部23A、23Bを構成したから、一つの加振ばね部において異なる方向の振動モードを得ることができ、各圧電セラミックス板に印加する電流の位相を調整することにより、適正なだ円振動を得ることができて、ワークの跳躍を抑えながら搬送能力を向上させることができる。さらに、上記だ円振動の主軸(長軸)の傾斜に大きな影響を与えるばね傾斜角を、加振ばね部26A、26Bにおける片部261、262、263間の屈曲角度だけで、容易に設定することができ、極めて簡単になる。この結果、この直進型のパーツフィーダ21においては、加振ばね部26A、26Bの高さを、現在の最小40mm前後から10mm程度に短くすることも可能となる。
【0033】
この場合、本発明の第13の実施例を示す図23のように、搬送元側の加振ばね部26Aの第2の片部262aを、搬送先側の加振ばね部26Bの第2の片部262bより短くすることにより、跳躍抑止効果を高めることができる。
この場合、搬送元側の加振ばね部26Aの第2の片部262aを、搬送先側の加振ばね部26Bの第2の片部262bより長くしても良く、この場合、搬送元側での跳躍効果を高めてチップや粒状のワークを安定して定量給送する機能を得ることができる。
【0034】
図24は本発明の第14の実施例を示しており、この実施例においては、第2の片部262と第3の片部263との屈曲角αを90°よりかなり小さくしている(鋭角、0°に近づけている)。この場合、前記図11及び図12(第4の実施例)で述べたように、屈曲角αが小さくなるほど偏平なだ円振動となる。そして、この実施例では、上下高さをさらに短くできる。
【0035】
図25は本発明の第15の実施例を示し、この実施例においては、図21(第12の実施例)と次の点が異なる。すなわち、第1の片部261の両側面にも、圧電セラミックス板8e、8fを取着している。そして、圧電セラミックス板8c及び8dと、圧電セラミックス板8e及び8fとは、図26に示すように交流電源に対して並列接続としている。なお、この図26においては、電圧調節回路、位相調節回路は省略している。
【0036】
第1の片部261に圧電セラミックス板8e及び8fがない場合には、該第1の片部261の曲げ剛性を下げて振幅拡大を図るが、圧電セラミックス板8e及び8fを設けたこの実施例では、上述したように並列接続することで該圧電セラミックス板8e及び8fのパワーアップを図り、該第1の片部261部分でのたわみ方向の振幅を増大することができる。
【0037】
なおこの場合、図1ないし図8のボウル型のパーツフィーダにおいても、第1の片部71に圧電セラミックス板8e、8fを取着し、圧電セラミックス板8c及び8dと、圧電セラミックス板8e及び8fとを、交流電源に対して並列接続する構成としても良く、この場合も、同様の効果を得ることができる。
本発明の第16の実施例として示す図27は、前記図25(第15の実施例)での各片部261、262,263の屈曲角度αを90°未満(鋭角)としている。この場合も、前記図26と同様の電気接続構成としている。
【0038】
図28は本発明の第17の実施例を示しており、この実施例においては、加振ばね部26A、26Bの片部261、262の個数及び屈曲角が図21(第12の実施例)とは異なる。すなわち、第1の片部261に対して、第2の片部262を屈曲角α(α>90°)としている。そして、第1の片部261に圧電セラミックス板8a、8bを取着し、第2の片部262に圧電セラミックス板8c、8dを取着している。この第17の実施例によると、高い振動周波数を得ることができる。なお、シュート25は省略している。
【0039】
図29及び図30は本発明の第18の実施例を示しており、この実施例においては次の点が前記図21(第12の実施例)と異なる。この実施例の直進型のパーツフィーダ31は、ベース32に対して前記トッププレート33が該ベース21のほぼ側方に位置し、加振ばね部34A、34Bの先端部がベース32に対して横向きに取着されているところに特徴がある。すなわち、トッププレート33と加振ばね部34A、34Bは展開状態で図30に示すようにほぼコ字形に形成されたばね板材Pから構成されている。このトッププレート33及び加振ばね部34A、34Bは、図30に示すように、前記ばね板材Pを、線K1、K2、K1´、K2´で屈曲することにより形成されている。
【0040】
そして、加振ばね部34A、34Bは、トッププレート33から垂下する第1の片部341と、該第1の片部341から屈曲角α(α>90°)で屈曲する第2の片部342とからなる。加振ばね部34Aの前記第1の片部341の両側面に圧電セラミックス板8a、8bが例えば接着により取着され、該加振ばね部34Bの第2の片部342の両側面に圧電セラミックス板8c、8dが同様に接着により取着されており、これによりトッププレート33後端部側に振動励起部35Aが構成されている。また、同様にしてトッププレート33前端部側に振動励起部35Bが構成されている。
【0041】
そして、前記第2の片部342の先端部はベース32に差し込み嵌合及び接着されている。
このような第17の実施例によれば、例えば垂直面32aを備えたベース32から横に張出した形態にシュート25を配置させることができ、例えば壁などにパーツフィーダを取り付けることが可能となる。また、上下高さもさらに短くできる。
【0042】
この場合、本発明の第19の実施例として示す図31のように、各屈曲角を変更しても良い。
図32は本発明の第20の実施例を示し、この実施例におけるパーツフィーダ41は、トッププレート42が水平状でなく垂直状で前後に長い形態をなし、このトッププレート42の前後端部から横方向に加振ばね部43A、43Bの第1の片部431を突出し、この第1の片部431から第2の片部432が屈曲され、そしてこの第2の片部432の下端部が、ベース45に差し込み嵌合及び接着されて取着されている。そして、トッププレート42にシュート46が一体に形成されている。この実施例においてもシュート46がベース45からやや張出す形態となっている。
【0043】
図33〜図36は夫々本発明の第21の実施例〜第24の実施例を示しており、これらの実施例では、長い搬送路(シュート)対応の構成とした点が図21(第12の実施例)と異なる。すなわち、図33では加振ばね部26A、26B間を長くしている。そして、その中間部に補強兼用の加振ばね部51を取着している。この強兼用の加振ばね部51を設けることで、ブースタとして駆動パワーの支援ができるものとなる。図34では、加振ばね部52の形状が上記図34の加振ばね部51と異なる。この場合、さらに搬送路を長くできる。図35では、トッププレート53及び加振ばね部54並びに圧電セラミックス板8a´〜8d´を搬送方向に増設した形態である。図36ではトッププレート24及び振動励起部23A、23Bを二組搬送方向に並べ、そのトッププレート24、24中間を中間トッププレート55で繋いだ形態としている。この図35及び図36の構成では、振動励起部が増加されることで、ブースタとして駆動パワーの支援ができるものとなる。
【0044】
なお、本発明は上記した各実施例に限定されず種々変更して実施することが可能である。例えばトッププレートと加振ばね部との一体成形するときの打ち抜き形状は、本発明の第25の実施例として示す図37のような形状としても良い。この図37では、ばね板材Pで構成されるトッププレート56内に加振ばね部57A、57B、57Cが形成されている。その他、ベースの形状やトッププレート形状などについて種々変更して実施できるものである。また、圧電セラミックス板はバイモルフ構造でなく、片面側のみに取着する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施例を示すボウル型のパーツフィーダの全体斜視図
【図2】ばね板材の展開図
【図3】トッププレート及び振動励起部部分の斜視図
【図4】トッププレート及び振動励起部部分をベースに取り付けた状態の斜視図
【図5】加振ばね部のベース取付部分の縦断面図
【図6】電気的構成図
【図7】振動パターンを示す図
【図8】傾斜角θを説明するための側面図
【図9】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図10】本発明の第3の実施例を示す図5相当図
【図11】本発明の第4の実施例を示す図4相当図
【図12】振動のベクトル模式図
【図13】本発明の第5の実施例を示す図4相当図
【図14】本発明の第6の実施例を示す図4相当図
【図15】図2相当図
【図16】本発明の第7の実施例を示す図4相当図
【図17】本発明の第8の実施例を示す図4相当図
【図18】本発明の第9の実施例を示す図4相当図
【図19】本発明の第10の実施例を示す図4相当図
【図20】本発明の第11の実施例を示す図4相当図
【図21】本発明の第12の実施例を示す図1相当図
【図22】ばね板材の展開図
【図23】本発明の第13の実施例を示す概略構成図
【図24】本発明の第14の実施例を示す図1相当図
【図25】本発明の第15の実施例を示す図1相当図
【図26】圧電セラミックス板に対する給電を説明するための図
【図27】本発明の第16の実施例を示す図1相当図
【図28】本発明の第17の実施例を示す図4相当図
【図29】本発明の第18の実施例を示す図4相当図
【図30】ばね板材の展開図
【図31】本発明の第19の実施例を示す図4相当図
【図32】本発明の第20の実施例を示す図1相当図
【図33】本発明の第21の実施例を示す概略構成の側面図
【図34】本発明の第22の実施例を示す概略構成の側面図
【図35】本発明の第23の実施例を示す概略構成の側面図
【図36】本発明の第24の実施例を示す概略構成の側面図
【図37】本発明の第25の実施例を示すばね板材の展開図
【符号の説明】
【0046】
図面中、1はパーツフィーダ、2はベース、3A〜3Cは振動励起部、4はトッププレート、6はボウル、7A〜7Cは加振ばね部、8a〜8dは圧電セラミックス板、71は第1の片部、72は第2の片部、73は第3の片部、9は給電制御装置、10、11は電圧調節回路、13は位相調節回路、21はパーツフィーダ、23A、23Bは振動励起部、24はトッププレート、25はシュート、26A、26Bは加振ばね部、261は第1の片部、262は第2の片部、263は第3の片部、8e、8fは圧電セラミックス板、31はパーツフィーダ、32はベース、33はトッププレート、34A、34Bは加振ばね部、341は第1の片部、342は第2の片部、35はシュート、41はパーツフィーダ、42はトッププレート、43A、43Bは加振ばね部、45はベース、46はシュート、51、52は加振ばね部、53はトッププレート、54は加振ばね部、55は中間トッププレートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、このベースに振動励起部を介して取り付けられるトッププレートとを備えたものにおいて、
前記トッププレートをばね板材から構成すると共に、このトッププレートに複数の脚状の加振ばね部を一体に形成し、この加振ばね部を異なる方向の複数の片部に屈曲形成し、
前記一つの加振ばね部において少なくとも異なる向きの2つの片部に圧電セラミックス板を取着して前記振動励起部を構成したことを特徴とするパーツフィーダ。
【請求項2】
前記トッププレートはほぼ円板状をなし、該トッププレートにほぼ周縁部から前記加振ばね部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパーツフィーダ。
【請求項3】
前記トッププレートには、スパイラル状のトラックを備えたボウルが取り付けられることを特徴とする請求項2に記載のパーツフィーダ。
【請求項4】
前記トッププレートには、スパイラル状のトラックが一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のパーツフィーダ。
【請求項5】
前記トッププレートは細長板状をなし、両端部に前記加振ばね部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパーツフィーダ。
【請求項6】
前記トッププレートには、直線状のトラックを備えたシュートが取り付けられることを特徴とする請求項5に記載のパーツフィーダ。
【請求項7】
前記加振ばね部は2つの片部を有し、
前記振動励起部は、該2つの片部にそれぞれ圧電セラミックス板を取着して構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパーツフィーダ。
【請求項8】
前記加振ばね部は3つの片部を有し、
前記振動励起部は、少なくとも隣合う片部にそれぞれ圧電セラミックス板を取着して構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパーツフィーダ。
【請求項9】
前記加振ばね部は3つの片部を有し、
前記振動励起部は、該3つの片部にそれぞれ圧電セラミックス板を取着して構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパーツフィーダ。
【請求項10】
前記トッププレートの両端部に形成された前記加振ばね部は、トッププレートから垂下する第1の片部と、該第1の片部から水平に延びる第2の片部と、この第2の片部から垂下してベースに取着された第3の片部とを備え、
前記振動励起部は第2の片部及び第3の片部にそれぞれ圧電セラミックス板を取着して構成され、
搬送先側の加振ばね部の第2の片部の長さと、搬送元側の加振ばね部の第2の片部の長さとを異ならせたことを特徴とする請求項5に記載のパーツフィーダ。
【請求項11】
前記ベースに対して前記トッププレートが該ベースのほぼ側方に位置し、加振ばね部の先端部がベースに対して横向きに取着されていることを特徴とする請求項1に記載のパーツフィーダ。
【請求項12】
加振ばね部の片部間の屈曲角度は鋭角であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のパーツフィーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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