説明

パーツ供給品

【課題】 組立模型を組み立てるパーツをコンパクトに収容するパーツ供給品を提供する。
【解決手段】 組立模型11を組み立てるためのパーツ22が枝状ランナー23を介して取り付けられた複数のランナー20を接続することにより、円筒形状に組み立てることができる。また、複数のランナー20のうち、一方のランナーと他方のランナーとが接続され、一方のランナーの支持部にランナー接続用孔が形成され、他方のランナーの支持部のランナー接続用孔と対向する位置にランナー接続用ピンが形成される。また、複数のランナー20を円筒形状に接続した際に、隣接するランナー間に溝部13を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立模型を組み立てるためのパーツを供給するパーツ供給品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、組立模型の構成部位を組み立てる複数のパーツを枝状ランナーで接続したパーツ供給品が知られている(特許文献1参照)。図7に示すように、特許文献1に記載のパーツ供給品100は、完成品である人形体等の組立模型を構成するパーツの一部を供給するものである。例えば、左手を構成する各パーツ101,102,103および右手を構成する各パーツ104,105,106が、枝状ランナー108を介してランナー(支持部材)107により一体的に支持されて供給される。これにより、多数のパーツ101〜106が、ばらばらになることなく、整理されて供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−107275号公報(第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したような従来のパーツ供給品100においては、全体が平面的に形成されており、製品として販売する場合に、パーツ供給品100を単に重ねて箱に入れるのが一般的であり、かさばるという問題がある。
【0005】
本発明において、組立模型を組み立てるパーツをコンパクトに収容することが可能なパーツ供給品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパーツ供給品は、組立模型を組み立てるパーツを枝状ランナーで接続したランナーを少なくとも2つ有し、少なくとも2つのランナーを接続して、円筒形状に組み付けられる構成を有している。
【0007】
また、本発明のパーツ供給品は、少なくとも2つのランナーのうち、一方のランナーと他方のランナーとが接続され、一方のランナーの支持部にランナー接続用孔が形成され、他方のランナーの支持部のランナー接続用孔と対向する位置にランナー接続用ピンが形成されることが好ましい。
【0008】
また、本発明のパーツ供給品は、前記複数のランナーを円筒形状に接続した際に、隣接するランナー間に溝部を設けた構成を有していることが好ましい。
【0009】
また、本発明のパーツ供給品は、円筒形状に接続された前記各ランナーにおいて、円弧面を形成するためのガードランナーを有する構成を有していることが好ましい。
【0010】
また、本発明のパーツ供給品は、前記ランナーから前記パーツを切り離した後の使用済みランナーのみを用いて、前記パーツから組み立てられた組立模型を載置する台座が形成可能である構成を有していることが好ましい。
【0011】
また、本発明のパーツ供給品は、円筒形状に組み付けられたパーツ供給品の外周を覆う包装を有することが好ましい。また、包装の円筒形状に組み付けられたパーツ供給品と接する面に、組立て模型の組立て方が記載されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るパーツ供給品によれば、組立模型を組み立てるためのパーツをコンパクトに収容することができるパーツ供給品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(A)は本発明にかかる実施形態のパーツ供給品を包装した状態の斜視図であり、(B)は包装を取り除いた状態の斜視図である。
【図2】パーツ供給品のパーツにより組み立てられる組立模型である人形体の斜視図である。
【図3】(A)ないし(E)はパーツ供給品を構成する各ランナーの平面図である。
【図4】(A)はランナー同士を接合するランナー接続用孔およびランナー接続用ピンの斜視図であり、(B)および(C)はランナー接続用孔およびランナー接続用ピンの配置例を示す略図である。
【図5】使用済みランナーを用いて形成した台座の斜視図である。
【図6】使用済みランナーを用いて形成した台座に人形体を載置した状態を示す斜視図である。
【図7】従来のパーツ供給品の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1(A)は本発明にかかる実施形態のパーツ供給品を包装した状態の斜視図であり、(B)は包装を取り除いた状態の斜視図である。図2はパーツ供給品のパーツにより組み立てられる組立模型である人形体の斜視図である。図1に示すように、本発明にかかる実施形態のパーツ供給品10は、組立模型である例えば人形体11(図2参照)を組み立てるためのパーツを供給する複数のランナー20を有しており、複数のランナーを接続して、円筒形状に組み付けられている。パーツ供給品10は、通常はパーツ供給品を覆うように外側に包装12が施されて、販売等される(図1(A)参照)。なお、組立模型は、人形体11に限るものではない。
【0015】
図3(A)ないし(E)はパーツ供給品を構成する各ランナーの平面図である。
図3に示すように、パーツ供給品10は、例えば円柱形状の周面を構成する複数のランナー20を有する。ここでは、周面を4分割する場合が示されており、ランナー20A、20B、20C、20D、20Eおよび蓋部21を有する場合が示されている。なお、ランナーを総称する場合には「ランナー20」で表示する。また、図3(B)に示すランナー20B、20Cは、2つで周面の一部を構成する。
【0016】
図3(A)〜(D)に示すように、各ランナー20は略矩形状に一体成形されており、左右両側に支持部24を有する。両支持部24の間には、人形体11を構成するパーツ22が、枝状ランナー23により支持されている。また、所定のランナー20A、20Eには、パーツ供給品10を円柱形状に組み付けたときに、各ランナー20における両支持部24の間をスムーズな円柱形状に構成する(図1(B)参照)ために、部分円弧状の周面を有するガードランナー26が取り付けられている。
【0017】
本実施の形態において、ガードランナー26は、ランナー20A、20Eにおいて、一体成形により枝状ランナー23を介して接続されるものではなく、ランナー20A、20Eとは別部材として成形されている。ここで、ランナー20の一対の支持部24に設けられている切欠243に端部を係合して取り付けるようになっており、図3(A)に示すように、ガードランナー26の下側には、パーツ22が取り付けられている。また、図3(E)に示すように、蓋部21は円板状の部材であり、工具であるセパレータ25が取り外し可能に接続されている。ここで、セパレータ25は、湾曲した板状部材であり、一方の端部は二股に分かれていて隙間251が設けられており、隙間251を枝状ランナー23とパーツ22との間に挿入して、パーツ22を切り離すために使用される。
【0018】
図4(A)はランナー同士を接合するランナー接続用孔およびランナー接続用ピンの斜視図であり、(B)および(C)はランナー接続用孔およびランナー接続用ピンの配置例を示す略図である。図4(A)に示すように、ランナー20の支持部24の上端部および下端部には、ランナー接続用孔241またはランナー接続用ピン242が設けられている。ランナー接続用孔241およびランナー接続用ピン242の配置は種々考えられる。例えば、図4(B)に示すように、ランナー20における一方の支持部24の上下端にはランナー接続用孔241を設け、他方の支持部24の上下端にはランナー接続用ピン242を設けることができる。あるいは、図4(C)に示すように、あるランナー20(図4(C)において左側)には四隅にランナー接続用孔241を設け、他方のランナー20(図4(C)において右側)には四隅にランナー接続用ピン242を設けることができる。
【0019】
このように、一方のランナーにランナー接続用孔を設け、他方のランナーの該ランナー接続用孔に対向する位置にランナー接続用ピンを設けることにより、ランナー同士を接続して円筒形状に組み付ける際に、隙間なく重ね合わせて接合することができ、かさばらず、コンパクトに収容することができる。
【0020】
図1(B)に示すように、接続されるランナー20,20間には溝部13が形成されており、円柱形状に組み付けられているパーツ供給品10をばらしてランナー20を取り出す際には、溝部13にセパレータ25を挿入してこじ開けることにより、ランナー接続用ピン242をランナー接続用孔241から抜き出して、各ランナー20にばらすことができる。溝部13を設けることにより、容易に各ランナー20の接合を解除することができる。
【0021】
図5は使用済みランナーを用いて形成した台座の斜視図である。図6は使用済みランナーを用いて形成した台座に人形体を載置した状態を示す斜視図である。図5および図6に示すように、ランナー20からパーツ22を切り離した後の使用済みランナー27のみを用いて、パーツ22から組み立てられた人形体11を載置する台座28を形成することができる。このように、本実施の形態のパーツ供給品では、従来はゴミとして廃棄されるため、無駄の多かったパーツを取り出した後のランナーの有効利用を図ることができる。なお、図5および図6において、使用済みランナー27は、ランナー20に対応している。すなわち、ランナー20Aからパーツ22を取り去ったものが使用済みランナー27Aである。B〜Eについても同様である。
【0022】
以上、説明した実施形態にかかるパーツ供給品10によれば、人形体11を組み立てるためのパーツ22が枝状ランナー23を介して取り付けられた複数のランナー20を接続して、円筒形状に組み立てられるので、必要なパーツ22をコンパクトに収容することができる。
【0023】
また、隣接するランナー20間に溝部13を設けたので、溝部13にセパレータ25を挿入してこじることにより、円筒形状に接続されたランナー20を、容易に解体することができ、パーツ22を容易に取り出すことができる。
【0024】
また、円弧面を形成するガードランナー26を有するので、円弧形状に接続されたランナー20の高さ方向の途中位置に取り付けることにより、パーツ供給品10全体をなめらかな円柱形状とすることができる。よって、パーツ供給品の外周を覆う包装として軟質な部材(薄紙やゴム等)を用いた場合でも、包装が変形するのを防ぐことができる。
【0025】
さらに、ランナー20からパーツ22を取り出した後の使用済みランナー27のみを用いて、組み立てられた人形体11を載置する台座28を形成できるので、捨てる部分がなく、無駄のないパーツ供給品10となる。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係るパーツ供給品10は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。すなわち、前述した実施形態においては、組立模型として人形体11を採用した場合について説明したが、その他のものにも同様に適用できる。また、包装12の裏面(パーツ供給品と接する側)に、組立方等を記載することにより、包装12を有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
10 パーツ供給品
11 人形体(組立模型)
13 溝部
20 ランナー
22 パーツ
23 枝状ランナー
26 ガードランナー
27 使用済みランナー
28 台座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立模型を組み立てるパーツを枝状ランナーで接続したランナーを少なくとも2つ有し、
前記少なくとも2つのランナーを接続して、円筒形状に組み付けられるパーツ供給品。
【請求項2】
請求項1において、
前記少なくとも2つのランナーのうち、一方の前記ランナーと他方の前記ランナーとが接続され、
前記一方のランナーの支持部にランナー接続用孔が形成され、
前記他方のランナーの支持部の前記ランナー接続用孔と対向する位置にランナー接続用ピンが形成されるパーツ供給品。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記複数のランナーを円筒形状に接続した際に、隣接するランナー間に溝部を設けたパーツ供給品。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
円筒形状に接続された前記各ランナーにおいて、円弧面を形成するためのガードランナーを有するパーツ供給品。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記ランナーから前記パーツを切り離した後の使用済みランナーのみを用いて、前記パーツから組み立てられた組立模型を載置する台座が形成可能であるパーツ供給品。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記円筒形状に組み付けられたパーツ供給品の外周を覆う包装を有するパーツ供給品。
【請求項7】
請求項6において、
前記包装の前記円筒形状に組み付けられたパーツ供給品と接する面に、前記組立て模型の組立て方が記載されたパーツ供給品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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