説明

ヒューズユニット

【課題】車両の振動が作用しても、ヒューズユニットに作用する曲げモーメントを低減させて良好な電気的な接続性を維持することが可能なヒューズユニットを提供する。
【解決手段】バッテリ端子接続部13を通りバッテリ8の側壁8bに向う中心線27を中心とする左右の曲げモーメントが等しくなるようにヒューズユニット1の重心位置を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載のバッテリに直付けされてバッテリと車内の負荷とを接続するヒューズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒューズユニットは、車載のバッテリと車内の負荷からの電線とを接続してバッテリの電流を車内の負荷に分配供給するために用いられるものであり、バッテリに直付けされて用いられる。
【0003】
図6は、特許文献1に記載された従来のヒューズユニット100を示す。ヒューズユニット100は、略直角に屈曲されたL字形に形成されており、バッテリの上壁に載置される上壁側本体部110と、バッテリの側壁に沿って配置される側壁側本体部120と備えている。このヒューズユニット100においては、図示を省略した導電性のヒューズエレメント(バスバー)の略全体が絶縁性樹脂に覆われた状態となっている。
【0004】
ヒューズエレメントは、バッテリに接続されるバッテリ端子接続部を備えた上壁側エレメントと、車内の負荷からの電線に接続される側壁側エレメントとを備え、これらのエレメントが電気的に接続された状態となっている。上壁側エレメントは、上壁側本体部110の樹脂内に内蔵され、側壁側エレメントは、側壁側本体部の樹脂に内蔵されている。符号130は、上壁側エレメントのバッテリ端子接続部であり、ボルトからなるバッテリのバッテリポストが貫通するバッテリポスト孔131が形成されている。
【0005】
車内の負荷に接続される側壁側エレメントは、過電流によって溶断可能な複数の可溶体部(ヒューズ)と、それぞれの可溶体部の先端部分に接続された複数の負荷接続端子を有している。それぞれの可溶体部は、バッテリ側の上壁側エレメントに接続され、それぞれの負荷接続端子は車内の負荷側からの電線に接続される。この接続によってヒューズエレメントはバッテリからの電流を車内の負荷に分配供給する。符号150は、それぞれの負荷接続端子が内部に設けられる端子収容室であり、この端子収容室内に負荷からの電線端末の負荷側端子が挿入されて負荷接続端子との電気的な接続が行われる。
【0006】
以上のようなヒューズユニット100は、上壁側本体部120をバッテリの上壁に載置した状態でバッテリポスト孔131にバッテリポストを挿入し、バッテリポストにナットを締め付けることにより、上壁側本体部120をバッテリの上壁に固定する。これにより、ヒューズユニット100がバッテリに直付けされた状態で取り付けられる。すなわち、ヒューズユニット100のバッテリへの取り付けは、上壁側本体部120のバッテリ取付部130に対するバッテリポストの貫通だけでなされるものであり、負荷からの電線との接続が行われる側壁側本体部120は、バッテリの側壁に沿った吊り下げ状態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−329457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のヒューズユニット100においては、側壁側本体部120がバッテリの側壁に沿って吊り下げ状態となっているため、車両の振動が側壁側本体部120に作用すると、側壁側本体部120内の負荷接続端子に大きな曲げモーメント(回転モーメント)が作用する。これにより、負荷接続端子と電線との接続が切断され、信頼性が低下する問題が発生する場合がごく稀にあるかもしれない。この曲げモーメントは、負荷接続端子に接続された電線の重量に起因するものである。以下、この理由を図5により説明する。
【0009】
図5に示すように、上壁側本体部110内にはバッテリ端子接続部170が設けられ、側壁側本体部120内には複数の可溶体部190及び負荷接続端子200が設けられている。複数の可溶体部190はバッテリ端子接続部170と接続するように設けられ、それぞれの可溶体部190に負荷接続端子200が接続されている。可溶体部190は、許容電流値が設定されており、この許容電流値に合わせた電線210a〜210dが対応した負荷接続端子200に接続される。
【0010】
図5においては、オルタネータからのオルタネータ電線用電線250に接続されるオルタネータ端子接続部220と、オルタネータ端子接続部220が接続されるオルタネータ用可溶体部230とが設けられており、オルタネータ用可溶体部230がバッテリ端子接続部170に接続されている。
【0011】
負荷接続端子200に接続される図5の電線210a〜210dにおいては、電線210aがこの断面積が8mmとなる径寸法、電線210bがこの断面積が20mmとなる径寸法、電線210cがこの断面積が8mmとなる径寸法、電線210dがこの断面積が3mmとなる径寸法になっており、それぞれの電線210a〜210dは径寸法に相応した重量となっている。この電線210a〜210dの重量が曲げモーメントに寄与する。なお、これらの径からなる電線の配置は、製品品番に応じてなされるものである。
【0012】
図5のような製品品番に応じた電線210a〜210dの配置状態となっている側壁側本体部120に対して車両の振動が作用すると、電線210a〜210dの配置に基づいた曲げモーメントが側壁側本体部120の全体に作用する。この例では、バッテリ端子接続部170の延長線を境として電線210a、210b側が大きな曲げモーメントとなるのに対し、電線210c、210d側が小さな曲げモーメントとなっている。このような不均一な曲げモーメントが作用することにより接続の信頼性に悪影響を及ぼすこととなる。
【0013】
そこで、本発明は、車両の振動が作用しても、側壁側本体部に作用する曲げモーメントを低減させることができ、これにより良好な電気的な接続性を維持することが可能で信頼性が向上したヒューズユニットを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明のヒューズユニットは、バッテリの上壁に載置される上壁側本体部と、該上壁側本体部と一体に形成されバッテリの側壁に沿って配置される側壁側本体部とからなるユニット本体と、このユニット本体に内蔵されて前記上壁側本体部と共にバッテリの上壁に載置されてバッテリ端子と接続される上壁側エレメントと、前記ユニット本体に内蔵されて前記側壁側本体部と共にバッテリの側壁に沿って配置されて負荷側端子と接続される側壁側エレメントとからなる導電性のヒューズエレメントとを有するヒューズユニットであって、前記上壁側エレメントは、バッテリ端子と接続されるバッテリ端子接続部を備え、前記側壁側エレメントは電流供給端と、複数の負荷側端子がそれぞれ接続される複数の負荷接続端子からなる負荷側端子部と、前記電源供給端と前記負荷側端子部との間に設けられて過電流により溶断可能な可溶体部とを備え、前記バッテリ端子接続部を通り前記バッテリの前記側壁に向う中心線を中心とする左右の曲げモーメントが等しくなるように前記ヒューズユニットの重心位置を設定したことを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のヒューズユニットであって、前記中心線を挟んで左右の重量バランスが等しくなるように前記複数の負荷接続端子へそれぞれ接続される複数本の径寸法が異なる電線を接続することを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のヒューズユニットであって、オルタネータ用電線が接続されるオルタネータ端子接続部と、前記バッテリ端子接続部と前記オルタネータ端子接続部との間に配置され過電流により溶断可能なオルタネータ用可溶体部とが前記上壁側エレメントに設けられ、前記中心線を挟んで該オルタネータ端子接続部の反対側に位置する負荷接続端子に、他の電線より大径の電線端末の負荷側端子を接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、バッテリ端子接続部を通りバッテリの側壁に向かう中心線を中心とする左右の曲げモーメントが等しくなるようにヒューズユニットの重心位置を設定しているため、側壁側本体部がバッテリの側壁に沿った吊り下げ状態となるようにヒューズユニットをバッテリに取り付けた状態で車両の振動が作用しても、側壁側本体部に作用する曲げモーメントが低減する。このため、側壁側本体部の内部の側壁側エレメントへの曲げモーメントが低減し、側壁側エレメントから負荷側からの電線との接続が切断されることを抑制することができる。これにより、良好な電気的な接続性を維持することができ、信頼性が向上する。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、ヒューズユニットの左右の重量バランスが等しくなるように側壁側エレメントの負荷接続端子に電線が接続されるため、電線の接続を調整するだけでヒューズユニットの重心の設定が可能となる。このため、ヒューズユニットの重心の設定が簡単となり、接続の信頼性を容易に向上させることができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、請求項1及び2記載の発明の効果に加えて、オルタネータ端子接続部がヒューズユニットに設けられていても、オルタネータ接続部の反対側に大径の電線を接続するため、オルタネータに接続されるヒューズユニットであっても、ヒューズユニットの重心位置の設定を簡単に行うことができ、接続の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態のヒューズユニットにおけるユニット本体の斜視図である。
【図2】ヒューズエレメントの斜視図である。
【図3】ユニット本体の重心位置を説明する斜視図である。
【図4】一実施形態の電線の接続例を示す結線図である。
【図5】従来のヒューズユニットを示す結線図である。
【図6】従来のヒューズユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。
【0022】
図1〜図4は、本発明の一実施形態のヒューズユニット1を示し、図1はヒューズユニット1におけるユニット本体2の斜視図、図2はヒューズエレメント3の斜視図、図3は重心位置を説明する斜視図、図4は電線接続例を示す結線図である。
【0023】
ヒューズユニット1は、図1に示すユニット本体2と、図2に示すヒューズエレメント3(バスバー)とを備えている。
【0024】
図1に示すように、ユニット本体2は、上壁側本体部(たとえば平板状に形成された上壁側本体部)5及び側壁側本体部(たとえば平板状に形成された側壁側本体部)7を有し、これらの本体部5,7が略直角に屈曲した連続状態となっているL字形に形成されている。
【0025】
上壁側本体部5は車載のバッテリ(たとえば直方体状に形成されたバッテリ)8の上壁(たとえば矩形な平面状に形成された上壁)8aに載置された状態で上壁8aに固定される。側壁側本体部7は、上壁側本体部5がバッテリ8の上壁8aに固定されることにより、バッテリ8の側壁(たとえば矩形な平面状に形成された側壁)8bに沿って配置される。側壁側本体部7はバッテリ8の側壁8bに固定されることなく側壁8bに沿って吊り下げられた状態となる(側壁8bから僅かに離れもしくは側壁8bに接触して吊り下げられた状態となる)。
【0026】
なお、上壁側本体部5はバッテリ8の上壁8aに対してほぼ平行に展開しており(上壁側本体部5の厚さ方向が上壁8aと直交しており)、側壁側本体部7はバッテリ8の側壁8bに対してほぼ平行に展開している(側壁側本体部7の厚さ方向が側壁8bと直交している)。
【0027】
ユニット本体2は、ヒューズエレメント3を絶縁性樹脂にインサート成形することにより形成されており、ヒューズエレメント3の略全体が絶縁性樹脂に覆われた状態となっている。この場合、後述するヒューズエレメント3のバッテリ端子接続部13、オルタネータ端子接続部14及び負荷接続端子25は絶縁性樹脂から露出した状態となっている。
【0028】
ヒューズエレメント(バスバー)3は、板状の導電性金属をプレス加工することにより形成されており、図2に示すように、上壁側エレメント11と側壁側エレメント12とを有している。上壁側エレメント11は、矩形板状に形成されており、側壁側エレメント12は、上壁側エレメント11の一辺から直角状に折り曲げられて連設した状態となっている。
【0029】
上壁側エレメント11は、バッテリ8に接続されるバッテリ端子接続部13を備えている。バッテリ端子接続部13には、バッテリポスト用孔17が形成されており、このバッテリポスト用孔17にバッテリ8の上壁8aから突出しているバッテリポスト(バッテリ端子、図示省略)が貫通するように挿入される。貫通したバッテリポストに対し、ナット(図示省略)を螺合させる。この螺合によりヒューズユニット1の全体がバッテリ8の上壁8aに固定される。
【0030】
この実施形態において、上壁側エレメント11には、オルタネータ端子接続部14がバッテリ端子接続部13に並設された状態で設けられている。オルタネータ端子接続部14は、車載のオルタネータ(図示省略)からの電線端末が接続されるものであり、そのためのオルタネータ接続用ポスト15が取り付けられる。オルタネータ接続用ポスト15は、下端に接続板15aを有しており、この接続板15aがオルタネータ端子接続部14と接触するようにオルタネータ接続用ポスト15をオルタネータ端子接続部14に貫通させることにより、オルタネータ接続用ポスト15の取り付けが行われる。
【0031】
オルタネータ端子接続部14とバッテリ端子接続部13との間には、オルタネータ用可溶体部16が一体に設けられており、過電流がオルタネータから流れた場合に溶断するようになっている。
【0032】
側壁側エレメント12は、電源供給端20と、複数の可溶体部22と、負荷側端子部24とが一体に形成されている。電源供給端20は、上壁側エレメント11の一辺から直感状に折り曲げられることにより形成されている。
【0033】
複数の可溶体部22は、電源供給端20から垂下するように連続しており、それぞれの可溶体部22には、横並び状となって負荷側端子部24を構成する負荷接続端子25がそれぞれ連続するように形成されている。それぞれの負荷接続端子25には、車両の負荷からの電線端末に取り付けられた負荷側端子(図示省略)が接続される。可溶体部22は、バッテリ8から過電流が流れた場合に溶断し、この溶断により過電流による負荷の保護を行うようになっている。
【0034】
このようなヒューズユニット1においては、バッテリ端子接続部13を通りバッテリ8の側壁8bに向う中心線27を中心とする左右の曲げモーメントがほぼ等しくなるように(中心線27まわりの回転モーメントがほぼ「0」になるか僅かな値になるように)その重心位置29(図3参照)を設定するものである。
【0035】
なお、中心線27は、バッテリポスト用孔17の中心を通り、バッテリ8の側壁8bに対して直交する方向に延びているものである。重心位置39は、ヒューズユニット1そのものの重量と、ヒューズユニット1に接続されヒューズユニット1で支持されている電線31a〜31d等の重量(ヒューズユニット1で支持しているヒューズユニット1以外の物体の重量)との和における重心位置である。さらに、重心位置39は、図2や図3で示すX軸方向(バッテリ8の上壁8aとの側壁8bとに平行な方向)における位置である。
【0036】
バッテリ端子接続部13は、バッテリ8に対してヒューズユニット1を固定する固定基準となるものであり、車両からバッテリ8を介して伝達される振動がバッテリ端子接続部13からヒューズユニット1に伝達される。振動がヒューズユニット1に伝達されることにより、ヒューズユニット1には左右への曲げモーメントが発生するが、バッテリ端子接続部13を通る中心線27を中心とする左右の曲げモーメントが等しくなることにより、中心線27の左右に対する曲げモーメントを低減させることができる。このため、側壁側エレメント12への曲げモーメントが低減し、側壁側エレメント12の負荷接続端子25と負荷側からの負荷側端子との接続が切断されることを抑制することができる。これにより、良好な電気的な接続性を維持することができ、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0037】
図4は、以上のヒューズユニット1の重心位置の設定を示す。この実施形態では、負荷接続端子25に接続される電線の径寸法を調整して行うものである。図4に示すように、側壁側エレメント12には4本の可溶体部22が設けられ、それぞれの可溶体部22には負荷接続端子25が接続されており、それぞれの負荷接続端子25に負荷側端子(図示省略)を介して電線31a〜31dが接続される。ここで、電線31a、31bは、上述したバッテリ端子接続部13を通る中心線27の一側(例えば、右側;図3の手前側)に位置し、電線31c、31dは、中心線27を跨いだ他側(例えば、左側;図3の奥側)に位置している。
【0038】
このような場合、図3の表示とは電線の太さで異なるが、電線31aをこの断面積が8mmとなる径寸法にし、電線31bをこの断面積が8mmとなる径寸法にする一方、電線31cこの断面積が3mmとなる径寸法にし、電線31dをこの断面積が20mmとなる径寸法に設定する。電線31a〜31dの重量は、電線の径寸法に対応していることから、このように電線31a〜31dを配置することにより電線31a〜31dにおける中心線27を挟んだ左右の重量バランスが略等しくなる。このため、中心線27の左右の曲げモーメントを略等しくすることができ、側壁側エレメント12に作用する曲げモーメントを低減させることが可能となる。この場合、可溶体部22は、接続される電線の径寸法に応じた許容電流値となるように選択されるものである。
【0039】
ところで、この実施形態では、図3で示すように、バッテリ端子接続部13にオルタネータ端子接続部14が並設されており、このオルタネータ端子接続部14に対してもオルタネータからのオルタネータ用電線33の電線端末が接続される。オルタネータ用電線33は、電線31a、31bが設けられている中心線27の一側(例えば、右側;図3の手前側)でオルタネータ端子接続部14に接続される。オルタネータ用電線33はこの断面積が30mmである径寸法になっている。
【0040】
そして、図3では、中心線27を挟んだオルタネータ端子接続部14の反対側(図3の奥側)の負荷接続端子25に大径の電線31d(径寸法20mm)が接続されている。この大径の電線31dは、中心線27から最も離れた負荷接続端子25に接続されるものである。
【0041】
このように、中心線27を挟んでオルタネータ用電線33の反対側に大径の電線31dを接続することにより、オルタネータ用電線33を接続する構造においても、中心線27の左右の曲げモーメントを略等しくすることができ、側壁側エレメント12への曲げモーメントを低減させることができ、電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0042】
表1は、図5に示す従来の電線210a〜210dの配置と、図4に示すこの実施形態の電線31a〜31dの配置における重心位置29をお互いが直交しているXYZ軸の3次元座標で示している。この座標では、バッテリ端子接続部13を(0,0,0)の座標としており、XYZ軸は図2、図3に示す方向となっている。図2、図3に示すように、重心位置29が電線31a〜31dの並び方向(X方向)に移動し、この移動により曲げモーメントが低減される。なお、表1で示している数字の単位は「mm」である。表1に示したものでは、X軸方向の寸法が「5.13mm」になっているので、中心線27まわりの回転モーメントが極めて小さくなっている。なお、X軸方向の寸法は、「0mm」にすることが最も望ましい。
【表1】

【0043】
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、種々変形が可能である。上述した実施形態では、ヒューズエレメント3がオルタネータ接続部14を有し、このオルタネータ接続部14にオルタネータ用電線33を接続した場合を説明したが、オルタネータ用電線33を接続しないヒューズユニットにも同様に適用することができる。又、側壁側エレメント12の負荷接続端子25に接続される電線の径寸法が異なるように接続して重心位置29を調整したが、これに限らず、負荷接続端子25の長さや太さを調整して重心位置29を調整してもよい。さらには、既に理解されるように、ヒューズユニット1で支持する総ての物体の重量(ヒューズユニット1自身の重量も含む)と、ヒューズユニット1にかかる総ての力(回転モーメント)を調整して重心位置29を調整することが望ましい。
【符号の説明】
【0044】
1 ヒューズユニット
2 ユニット本体
3 ヒューズエレメント
5 上壁側本体部
7 側壁側本体部
8 バッテリ
8a 上壁
8b 側壁
11 上壁側エレメント
12 側壁側エレメント
13 バッテリ端子接続部
14 オルタネータ端子接続部
16 オルタネータ用可溶体部
20 電源供給端
22 可溶体部
24 負荷側端子部
25 負荷側端子
27 中心線
29 重心位置
31a〜31d 電線
33 オルタネータ用電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの上壁に載置される上壁側本体部と、該上壁側本体部と一体に形成されバッテリの側壁に沿って配置される側壁側本体部とからなるユニット本体と、
このユニット本体に内蔵されて前記上壁側本体部と共にバッテリの上壁に載置されてバッテリ端子と接続される上壁側エレメントと、前記ユニット本体に内蔵されて前記側壁側本体部と共にバッテリの側壁に沿って配置されて負荷側端子と接続される側壁側エレメントとからなる導電性のヒューズエレメントとを有するヒューズユニットであって、
前記上壁側エレメントは、バッテリ端子と接続されるバッテリ端子接続部を備え、
前記側壁側エレメントは、電流供給端と、複数の負荷側端子がそれぞれ接続される複数の負荷接続端子からなる負荷側端子部と、前記電源供給端と前記負荷側端子部との間に設けられて過電流により溶断可能な可溶体部とを備え、
前記バッテリ端子接続部を通り前記バッテリの前記側壁に向う中心線を中心とする左右の曲げモーメントが等しくなるように前記ヒューズユニットの重心位置を設定したことを特徴とするヒューズユニット。
【請求項2】
請求項1記載のヒューズユニットであって、
前記中心線を挟んで左右の重量バランスが等しくなるように前記複数の負荷接続端子へそれぞれ接続される複数本の径寸法が異なる電線を接続することを特徴とするヒューズユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載のヒューズユニットであって、
オルタネータ用電線が接続されるオルタネータ端子接続部と、前記バッテリ端子接続部と前記オルタネータ端子接続部との間に配置され過電流により溶断可能なオルタネータ用可溶体部とが前記上壁側エレメントに設けられ、前記中心線を挟んで該オルタネータ端子接続部の反対側に位置する負荷接続端子に、他の電線より大径の電線端末の負荷側端子を接続することを特徴とするヒューズユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−258488(P2011−258488A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133576(P2010−133576)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】