説明

ヒンジユニット及び電子機器

【課題】電子機器の操作性を損なうことなく、機器本体に対しモニタを適切にレイアウトすることができるヒンジユニット及び電子機器を提供する。
【解決手段】ヒンジユニットは、支持物が連結される連結部と、前記連結部を第1軸及び前記第1軸と直交する第2軸を中心にそれぞれ回動自在に支持するヒンジ部と、前記ヒンジ部の内部に配置され、前記連結部の第1軸を中心とする回動を検出する第1スイッチ及び前記連結部の第2軸を中心とする回動を検出する第2スイッチを有するヒンジ基板と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジユニット及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の電子機器において、可動型の液晶モニタを備えた機種がある。この種の電子機器において、可動型の液晶モニタは、ヒンジユニットを介して機器本体と連結されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−124710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記電子機器においては、携帯性を向上させるために更なる小型化が求められている。また、液晶モニタの表示画面をより大きくしたいという要望もある。しかし、機器本体を小型化すると、液晶モニタの表示画面を小さくせざるを得なくなる。一方、液晶モニタの表示画面を大きくすると、ボタンやダイアル等の操作部材を配置する領域に制約が生じる。このため、機器本体の外形寸法を大きくせざるを得なくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のヒンジユニットは、支持物が連結される連結部と、前記連結部を第1軸及び前記第1軸と直交する第2軸を中心にそれぞれ回動自在に支持するヒンジ部と、前記ヒンジ部の内部に配置され、前記連結部の第1軸を中心とする回動を検出する第1スイッチ及び前記連結部の第2軸を中心とする回動を検出する第2スイッチを有するヒンジ基板と、を備える。
【0006】
請求項10に記載の電子機器は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のヒンジユニットと、当該ヒンジユニットにより回動自在に支持される支持物と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態におけるカメラ1の背面側から見たときの斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は液晶モニタ6を回動させたときの様子を示す斜視図である。
【図3】カメラボディ2における液晶モニタ6及びヒンジユニット9の構成を示す斜視図である。
【図4】ヒンジユニット9の分解斜視図である。
【図5】(a)〜(c)はヒンジ基板部20の組み立て手順を示す分解斜視図である。
【図6】ヒンジ部10、ヒンジ基板部20及びメインホルダ30の組み立て状態を示す分解斜視図である。
【図7】ヒンジ部10、ヒンジ基板部20、メインホルダ30及びセンタカバー40の組み立て状態を示す分解斜視図である。
【図8】組み立てられたヒンジユニット9の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明に係るヒンジユニットをデジタルカメラに適用した場合の実施形態について説明する。
なお、以下に示す図面には、説明と理解とを容易にするために、必要に応じてXYZの直交座標系を設けた。この座標系では、撮影者が光軸Aを水平として横長の画像を撮影する場合のカメラ位置(以下、正位置という)において、撮影者から見て左側に向かう方向をX軸のプラス方向とする。また、正位置において上側に向かう方向をY軸のプラス方向とする。更に、正位置において被写体に向かう方向をZ軸のプラス方向とする。
【0009】
図1は、本実施形態におけるカメラ1の背面側から見たときの斜視図である。図2(a)〜(c)は、液晶モニタ6を回動させたときの様子を示す斜視図である。
【0010】
本実施形態のカメラ1は、図1に示すように、カメラボディ2と、レンズ鏡筒3と、を備える。カメラ1は、カメラボディ2にレンズ鏡筒3が着脱自在に装着されるレンズ交換式のデジタルカメラとして構成されている。
【0011】
レンズ鏡筒3は、結像光学系を構成するレンズ群(不図示)を備え、入射した被写体光をカメラボディ2の撮像部(不図示)に結像させる。
【0012】
カメラボディ2は、撮像部と、カメラ制御部と、を備える(いずれも不図示)。撮像部は、レンズ鏡筒3により結像された光学的な被写体像を撮像し、電気信号に変換するイメージセンサである。撮像部により変換された電気信号は、記憶媒体(不図示)に画像情報として記憶される。なお、記憶媒体は、カメラボディ2に内蔵された記憶装置や、カメラボディ2に着脱自在に装着される記憶装置である。カメラ制御部は、カメラ1を構成する各要素を統括的に制御するマイクロプロセッサである。
【0013】
カメラボディ2の上面には、表示パネル4、レリーズボタン5、及び撮影モードダイアルD1が設けられている。表示パネル4は、主に、撮影モード、絞り値、シャッタスピード等の撮影情報を表示する液晶表示装置である。レリーズボタン5及び撮影モードダイアルD1は、撮影者が操作する部材である。撮影者は、レリーズボタン5を操作することにより、カメラ制御部に対し撮影開始を指示することができる。また、撮影者は、撮影モードダイアルD1を操作することにより、撮影モードを選択することができる。
【0014】
一方、カメラボディ2の背面側には、メインダイアルD2、セレクタダイアルD3、及び液晶モニタ6が設けられている。また、カメラボディ2の前面側には、不図示のサブダイアルが設けられている。メインダイアルD2、サブダイアル及びセレクタダイアルD3は、撮影者が操作する部材である。撮影者は、メインダイアルD2及びサブダイアルを操作することにより、カメラ制御部に対し絞り値、シャッタスピード値、露出補正値等を入力することができる。また、撮影者は、セレクタダイアルD3を操作することにより、液晶モニタ6に表示されたメニュー項目に対する操作(設定/変更)を行なうことができる。
【0015】
その他、カメラボディ2には、ポップアップ式の閃光装置7、及び撮影者が被写体像を観察するためのファインダ8が設けられている。また、カメラボディ2には、カメラ1の電源をON又はOFFするための電源スイッチ(不図示)が設けられている。
【0016】
液晶モニタ6は、撮像部で撮影された画像(静止画、動画等)やメニュー画面を表示する液晶表示装置である。液晶モニタ6は、片側がヒンジユニット9により回動自在に支持されている。ヒンジユニット9は、カメラボディ2の背面側の左端に設けられている。ヒンジユニット9は、回転軸として、第1軸S1及び第2軸S2を有する。第1軸S1は、Y軸のプラス方向と同じ方向に設定された軸である。第2軸S2は、第1軸S1と直交する方向(X軸方向)に設定された軸である。液晶モニタ6は、第1軸S1を中心として180°回動することができる。また、液晶モニタ6は、第2軸S2を中心として270°回動することができる。
【0017】
次に、ヒンジユニット9による液晶モニタ6の回動について、図2を参照して説明する。図2(a)に示すように、カメラボディ2に収納された液晶モニタ6(図中、二点鎖線で示す)は、表示画面6aがカメラボディ2の側に向いている。すなわち、液晶モニタ6をカメラボディ2に収納した状態においては、液晶モニタ6の平面カバー6bが撮影者の側を向いている。
【0018】
カメラボディ2に収納された液晶モニタ6は、第1軸S1を中心として、矢印A1の方向に180°の範囲で回動することができる。液晶モニタ6は、上記角度範囲であれば、任意の位置で止めることができる。図2(a)に示すように、液晶モニタ6を180°回動することにより、液晶モニタ6はカメラボディ2の左側に移動する(以下、適宜に「開き位置」という)。この状態において、液晶モニタ6(図中、実線で示す)の表示画面6aは、撮影者の側を向く。
【0019】
また、図2(b)に示すように、カメラボディ2の左側に移動した液晶モニタ6は、第2軸S2を中心として270°の範囲で回動することができる。すなわち、図2(b)に示すように、液晶モニタ6は、開き位置から第2軸S2を中心として、矢印A2の方向に90°の範囲、且つ矢印A2方向に180°の範囲で回動することができる。液晶モニタ6は、上記角度範囲であれば、任意の位置で止めることができる。
【0020】
撮影者は、液晶モニタ6を開き位置から第2軸S2を中心として矢印A2の方向に90°回動することにより、表示画面6aを下向きにすることができる。撮影者は、この状態でカメラを頭上に差し上げることにより、ハイアングル撮影を行うことができる。
【0021】
また、撮影者は、液晶モニタ6を開き位置から第2軸S2を中心として矢印A3の方向に90°回動することにより、表示画面6aを上向きにすることができる。撮影者は、この状態でカメラ1を下方に降ろすことにより、ロウアングル撮影を行なうことができる。
【0022】
更に、液晶モニタ6を開き位置から第2軸S2を中心として矢印A3の方向に180°回動することにより、表示画面(図2(b)では図示を省略)を裏返しにすることができる。撮影者は、この状態でレンズ鏡筒3を自分の方向に向けることにより、自分の画像を撮影することができる。なお、上述した撮影形態は一例であり、この例に限定されない。
【0023】
また、図2(c)に示すように、液晶モニタ6を開き位置から第2軸S2を中心として矢印A3の方向に180°回動した状態において、更に第1軸S1を中心として矢印A4の方向に180°回動させることにより、液晶モニタ6をカメラボディ2に収納することができる。この状態において、液晶モニタ6の表示画面6aは、撮影者の側を向く。図2(a)又は(c)に示すように、液晶モニタ6の表示画面6aが撮影者の側を向いた状態において、撮影者は、例えば液晶モニタ6に表示された画像を見ながら静止画撮影やライブビュー撮影を行なうことができる。
【0024】
次に、ヒンジユニット9の構造について説明する。図3は、カメラボディ2における液晶モニタ6及びヒンジユニット9の構成を示す斜視図である。図4は、ヒンジユニット9の分解斜視図である。図5(a)〜(c)は、ヒンジ基板部20の組み立て手順を示す分解斜視図である。図6は、ヒンジ部10、ヒンジ基板部20及びメインホルダ30の組み立て状態を示す分解斜視図である。図7は、ヒンジ部10、ヒンジ基板部20、メインホルダ30及びセンタカバー40の組み立て状態を示す分解斜視図である。図8は、組み立てられたヒンジユニット9の斜視図である。
【0025】
図3に示すように、ヒンジユニット9は、カメラボディ2の左側の端部に設けられている。ヒンジユニット9は、モニタ連結プレート12(後述)が液晶モニタ6を回動自在に支持している。また、ヒンジユニット9は、ベースプレート13(後述)において、カメラボディ2と連結されている。ヒンジユニット9の両端部は、サイドカバー2a、2bにより覆われている。サイドカバー2a、2bは、カメラボディ2と一体に形成されている。また、ヒンジユニット9の中央部は、後述するセンタカバー40により覆われている。
【0026】
図4に示すように、ヒンジユニット9は、ヒンジ部10と、ヒンジ基板部20と、メインホルダ30と、センタカバー40と、を備える。
【0027】
まず、ヒンジ部10の構成について説明する。ヒンジ部10は、液晶モニタ(図3参照)を第1軸S1及び第2軸S2を中心にそれぞれ回動自在に支持する部分である。ヒンジ部10は、シャーシ11と、モニタ連結プレート12と、ベースプレート13,14と、センタシャフト15と、サイドシャフト16,17と、を備える。
【0028】
シャーシ11は、ヒンジ基板部20及びメインホルダ30を収納する部材である。また、シャーシ11は、ヒンジ部10の外装部品となる部材である。
【0029】
シャーシ11は、横長の箱枠形に形成されている。シャーシ11は、支持部111及び112と、当接部113と、回動規制部114と、押圧片115と、凹部116と、を備える。また、シャーシ11は、長手方向の中央部に、センタ軸孔(不図示)を備える。シャーシ11のセンタ軸孔には、センタシャフト15が連結されている。
【0030】
シャーシ11は、例えば、金属部材により作製することができる。その場合には、メタルインジェクションモールディング(MIM)等の手法を用いることができる。なお、シャーシ11において、図4に符号を付していない部分については、他の図面に符号を付して説明する。
【0031】
モニタ連結プレート12は、液晶モニタ6を支持する部材である。モニタ連結プレート12の長手方向の中央部は、センタシャフト15と連結されている。センタシャフト15は、モニタ連結プレート12と共に回動する。モニタ連結プレートは、例えば、金属部材により作製することができる。
【0032】
センタシャフト15は、シャーシ11に対し、モニタ連結プレート12を第2軸S2を中心に回動自在に支持する部品である。センタシャフト15は、中空の円筒形状に形成された金属部材により構成される。センタシャフト15は、中心部に貫通孔15aを有する。この貫通孔15aは、ハーネス71〜74(後述)を挿入する孔である。センタシャフト15、シャーシ11及びモニタ連結プレート12は、ワッシャ、スペーサ、スリーブ等(符号省略)を介して連結されている。
【0033】
シャーシ11は、長手方向の両端に支持部111,112を有する。支持部111,112は、シャーシ11の両端に形成された凸部であり、それぞれ軸孔(不図示)が形成されている。支持部111の軸孔には、サイドシャフト16が回動自在に連結されている。支持部111には、後述する押圧片115が設けられている。また、支持部112の軸孔には、サイドシャフト17が回動自在に連結されている。
【0034】
サイドシャフト16は、円筒形状に形成された金属部材により構成される。サイドシャフト16の端部は、ベースプレート13に回動自在に支持されている。サイドシャフト17は、中空の円筒形状に形成された金属部材により構成される。サイドシャフト17は、中心部に貫通孔17aを有する。この貫通孔17aは、ハーネス74(後述)を挿入する孔である。サイドシャフト17の端部は、ベースプレート14に回動自在に支持されている。サイドシャフト16,17は、シャーシ11を、第1軸S1を中心として回動自在に支持する部品である。
【0035】
支持部111(シャーシ11)、サイドシャフト16、ベースプレート13は、ワッシャ、スペーサ、スリーブ等(符号省略)を介して連結されている。同様に、支持部112(シャーシ11)、サイドシャフト17、ベースプレート14は、ワッシャ、スペーサ、スリーブ等(符号省略)を介して連結されている。
【0036】
凹部116は、シャーシ11の側面に設けられた切り欠きである。凹部116は、図4において、上下(Z軸方向)一対に設けられている。図4では、上側の凹部116のみを示す。凹部116は、メインホルダ30(後述)のガイド部32が係合する部分である。
【0037】
ベースプレート13及び14は、カメラボディ2に設けられたベース取り付けブラケット(不図示)に連結されている。ベースプレート13及び14は、例えば、金属部材により作製することができる。ベースプレート13及び14は、サイドカバー2a、2bにより覆われる(図3参照)。
【0038】
次に、シャーシ11及びモニタ連結プレート12の回り止め機構について説明する。
まず、シャーシ11の回り止め機構について説明する。図4に示すように、シャーシ11において、支持部112の根本部分には、当接部113が設けられている。当接部113は、平坦面を有する。
【0039】
また、サイドシャフト17において、ベースプレート14と反対側となる端部には、回動規制部171a、171b及び円弧部172が設けられている。回動規制部171a、171bは、平坦面を有する。円弧部172は、半円形の円弧面を有する。回動規制部171a、171b及び円弧部172は、一つのプレート部品として構成される。回動規制部171a、171b及び円弧部172は、図4に示す位置から回動しない。
【0040】
図4において、シャーシ11の当接部113と回動規制部171aとは、互いの平坦面で当接している。この状態においては、シャーシ11を、図中の矢印B1の方向に回動させる力が加わっても、当接部113は、回動規制部171aにより回動が規制される。このため、シャーシ11は、図4に示す位置から、更に矢印B1の方向に回動しない。
【0041】
一方、図4において、シャーシ11を、図中の矢印B2の方向に回動させる力が加わると、当接部113は、回動規制部171aから離れ、円弧部172と当接しながら、矢印B2の方向に回動する。更に、シャーシ11を同方向に回動させると、当接部113と回動規制部171bとが、互いの平坦面で当接する。この状態において、シャーシ11を、更に矢印B2の方向に回動させる力が加わっても、当接部113は、回動規制部171bにより回動が規制される。このため、シャーシ11は、当接部113と回動規制部171bとが当接した位置から、更に矢印B2の方向に回動しない。従って、モニタ連結プレート12を介してシャーシ11に連結された液晶モニタ6は、図2(a)に示すように、第1軸S1を中心として180°の範囲で回動することができる。
【0042】
続いて、モニタ連結プレート12の回り止め機構について説明する。図4に示すように、シャーシ11の長手方向における略中央部には、回動規制部114が設けられている。回動規制部114は、図4の上面側と下面側に、それぞれ当接面114a,114bを有する。回動規制部114は、シャーシ11において、図4に示す位置に固定されている。
【0043】
また、センタシャフト15において、モニタ連結プレート12と反対側となる端部には、当接片151が設けられている。当接片151は、センタシャフト15の軸方向に突出した凸形状を有する。当接片151は、センタシャフト15と共に回動する。センタシャフト15は、モニタ連結プレート12と連結されている。従って、当接片151は、モニタ連結プレート12と共に回動する。当接片151は、モニタ連結プレート12が第2軸S2を中心として回動した際の回り止め部材として機能する。また、当接片151は、モニタ連結プレート12が第2軸S2を中心として回動した際の角度を検出する部材としても機能する。
【0044】
以下、図2(b)に示すように、液晶モニタ6が第1軸S1を中心として180°回動した位置(開き位置)にある場合を例に説明する。
【0045】
モニタ連結プレート12を、図2(b)に示す開き位置から、第2軸S2を中心として矢印A2の方向(図4参照)に回転させると、センタシャフト15に設けられた当接片151は、モニタ連結プレート12と共に矢印A2の方向に回動する。そして、モニタ連結プレート12が、図2(b)に示す開き位置から、第2軸S2を中心として矢印A2の方向に90°回動すると、当接片151は、回動規制部114の当接面114bに当接する。この状態において、モニタ連結プレート12を、更に矢印A2の方向に回動させる力が加わっても、当接片151は、回動規制部114の当接面114bにより回動が規制される。このため、モニタ連結プレート12に連結された液晶モニタ6は、更に矢印A2の方向に回動しない。
【0046】
一方、モニタ連結プレート12を、図2(b)に示す開き位置から、第2軸S2を中心として矢印A3の方向(図4参照)に回転すると、センタシャフト15に設けられた当接片151は、モニタ連結プレート12と共に矢印A3の方向に回動する。そして、モニタ連結プレート12が、図2(b)に示す開き位置から、第2軸S2を中心として矢印A3の方向に180度回動すると、当接片151は、回動規制部114の当接面114aに当接する。この状態において、モニタ連結プレート12を、更に矢印A3の方向に回動させる力が加わっても、当接片151は、回動規制部114の当接面114aにより回動が規制される。このため、モニタ連結プレート12と連結された液晶モニタ6は、更に矢印A3の方向に回動しない。
【0047】
上述した回り止め機構を備えることにより、液晶モニタ6は、図2(b)に示すように、開き位置から第2軸S2を中心として矢印A1の方向に90°の範囲で回動することができる。また、液晶モニタ6は、図2(b)に示すように、矢印A2の方向に180°の範囲で回動することができる。
【0048】
次に、液晶モニタ6の第1軸S1及び第2軸S2を中心とする回動を検出する機構について説明する。
【0049】
図4に示すように、シャーシ11の支持部111は、押圧片115を備える。押圧片115は、シャーシ11の内側に向けて突出した凸形状を有する。押圧片115は、シャーシ11と共に回動する。シャーシ11が第1軸S1を中心として回動すると、押圧片115も第1軸S1を中心として回動する。ヒンジ基板部20がシャーシ11に収納された状態(図7参照)において、シャーシ11が設定角度の範囲を超えて回動すると、押圧片115が第1スイッチ50(後述)のスイッチ片51を押圧する。第1スイッチ50は、スイッチ片51が押圧されると、カメラ制御部(不図示)に第1検出信号を出力する。カメラ制御部は、第1検出信号を受信すると、液晶モニタ6のカメラボディ2に対する角度が設定角度の範囲を超えたと判断する。また、カメラ制御部は、第1検出信号を受信しなければ、液晶モニタ6のカメラボディ2に対する角度が設定角度の範囲内であると判断する。このように、カメラ制御部は、第1スイッチ50から出力される第1検出信号に基づいて、液晶モニタ6の第1軸S1を中心とする回動角度を判断することができる。カメラ制御部は、液晶モニタ6の第1軸S1を中心とする回動角度に応じて、液晶モニタ6の表示内容を変更する等の制御を行う。
【0050】
一方、上述したように、モニタ連結プレート12が第2軸S2を中心として回動すると、センタシャフト15に設けられた当接片151も第2軸S2を中心として回動する。ヒンジ基板部20がシャーシ11に収納された状態(図7参照)において、モニタ連結プレート12が設定角度の範囲を超えて回動すると、当接片151が第2スイッチ60(後述)のスイッチ片61を押圧する。第2スイッチ60は、スイッチ片61が押圧されると、カメラ制御部(不図示)に第2検出信号を出力する。カメラ制御部は、第2検出信号を受信すると、液晶モニタ6のシャーシ11に対する角度が設定角度の範囲を超えたと判断する。また、カメラ制御部は、第2検出信号を受信しなければ、液晶モニタ6のシャーシ11に対する角度が設定角度の範囲内であると判断する。カメラ制御部は、第2スイッチ60から出力される第2検出信号に基づいて、液晶モニタ6の第2軸S2回りの回動角度を判断することができる。カメラ制御部は、液晶モニタ6の第2軸S2を中心とする回動角度に応じて、液晶モニタ6の表示内容を変更する等の制御を行う。
【0051】
次に、ヒンジ基板部20及びメインホルダ30の構成と組み立てについて、図5(a)〜(d)を参照して説明する。
図5(a)に示すように、ヒンジ基板部20は、ヒンジ基板21と、ヒンジ基板ホルダ22と、を備える。ヒンジ基板21は、第1スイッチ50及び第2スイッチ60を備えた回路基板である。
【0052】
第1スイッチ50は、ヒンジ基板21の一方の基板面(以下、「第1基板面」という)に配置されている。第2スイッチ60は、ヒンジ基板21の他方の基板面(以下、「第2基板面」という)に配置されている。なお、「第1基板面」と「第2基板面」とは、互いに反対側となる基板面である。
【0053】
ヒンジ基板21は、基板本体の両側面(Z軸方向)に、凸部211を有する。凸部211は、後述するヒンジ基板ホルダ22のスリット部222と係合する部分である。
【0054】
第1スイッチ50は、液晶モニタ6の第1軸S1を中心とした回動を検出する電子部品である。第1スイッチ50は、側面にスイッチ片51を有する。スイッチ片51は、第1スイッチ50の状態(ON/OFF)を切り換える部品である。ヒンジ基板部20がシャーシ11に収納された状態(図7参照)において、シャーシ11が設定角度の範囲を超えて回動すると、シャーシ11の支持部111に設けられた押圧片115が第1スイッチ50のスイッチ片51を押圧する。第1スイッチ50は、スイッチ片51が押圧されるとON状態となり、カメラ制御部(不図示)に第1検出信号を出力する。
【0055】
第2スイッチ60は、液晶モニタ6の第2軸S2を中心とした回動を検出する電子部品である。第2スイッチ60は、側面にスイッチ片61を有する。スイッチ片61は、第2スイッチ60の状態(ON/OFF)を切り換える部品である。ヒンジ基板部20がシャーシ11に収納された状態(図7参照)において、モニタ連結プレート12が設定角度の範囲を超えて回動すると、センタシャフト15に設けられた当接片151が第2スイッチ60のスイッチ片61を押圧する。第2スイッチ60は、スイッチ片61が押圧されるとON状態となり、カメラ制御部に第2検出信号を出力する。
【0056】
第1スイッチ50には、信号伝達用のハーネス71が接続されている。第2スイッチ60には、信号伝達用のハーネス72が接続されている。また、第1スイッチ50及び第2スイッチ60には、アース用のハーネス73が共通に接続されている。ハーネス71〜73は、スイッチ用ハーネスである。
【0057】
図5(a)に示すように、ヒンジ基板ホルダ22は、凹形状に形成された部品である。ヒンジ基板ホルダ22は、両側端に側壁部221を有する。そして、ヒンジ基板ホルダ22は、それぞれの側壁部221の略中間部にスリット部222を有する。更に、ヒンジ基板ホルダ22は、それぞれのスリット部222の開口端に凹部223を有する。また、ヒンジ基板ホルダ22は、ネジ孔224を有する。ネジ孔224は、ヒンジ基板ホルダ22をシャーシ11に固定する際に用いる。ヒンジ基板ホルダ22は、例えば、金属部材により作製することができる。
【0058】
図5(a)に示すように、ヒンジ基板ホルダ22のスリット部222に、ヒンジ基板21の凸部211を挿入すると、ヒンジ基板ホルダ22のスリット部222とヒンジ基板21の凸部211とが係合する。このように、ヒンジ基板ホルダ22のスリット部222に、ヒンジ基板21の凸部211を挿入することにより、ヒンジ基板21をヒンジ基板ホルダ22に装着することができる。ヒンジ基板21をヒンジ基板ホルダ22に装着することによりヒンジ基板部20が完成する。
【0059】
なお、ヒンジ基板21をヒンジ基板ホルダ22に装着した状態において、ヒンジ基板21は、ヒンジ基板ホルダ22の内部において、他の部材から遊離した状態で支持される。
【0060】
図5(b)に示すメインホルダ30は、ヒンジ基板部20を支持する部品である。メインホルダ30は、凸部31と、ガイド部32と、ハーネス固定部33と、貫通孔34と、ボス挿入部35と、ハーネスフック36と、ハーネスガイド37と、を備える。メインホルダ30は、例えば、樹脂部材により作製することができる。
【0061】
凸部31は、ヒンジ基板ホルダ22の凹部223と係合する部分である。凸部31は、図5(b)において、上下(Z軸方向)一対に設けられている。図5(b)では、上側の凸部31のみを示す。
【0062】
ガイド部32は、シャーシ11の凹部116と係合する部分である。ガイド部32は、図5(b)において、上下(Z軸方向)一対に設けられている。
ハーネス固定部33は、ハーネス71〜73を固定する部分である。ハーネス固定部33は、細長い3つのスリットを有する。各スリットには、ハーネス71〜73をそれぞれ嵌め込むことができる。
【0063】
貫通孔34は、ハーネス71〜73及びハーネス74(後述)を挿入する孔である。貫通孔34は、メインホルダ30の略中間部に設けられている。
ボス挿入部35は、円柱形の切り欠きである。ボス挿入部35の底部には、取付け孔38が設けられている。ボス挿入部35には、センタカバー40に設けられたボス41(後述)が嵌合する。
【0064】
ハーネスフック36は、液晶モニタ6から延ばされたハーネス74(図7参照)を係止する部分である。また、ハーネスガイド37は、ハーネス74をメインホルダ30の外側に案内するU字形のスリットである。
【0065】
図5(b)に示すように、ヒンジ基板部20は、メインホルダ30の内側に装着される。このとき、図5(c)に示すように、ハーネス71〜73を、ハーネス固定部33のそれぞれのスリットに嵌め込む。これにより、ハーネス71〜73を、ハーネス固定部33に固定することができる。更に、ハーネス71〜73を、メインホルダ30の貫通孔34に挿入する。これにより、ハーネス71〜73を、メインホルダ30の表側(図5の手前側)から裏側に引き出すことができる。
【0066】
更に、図5(c)に示すように、メインホルダ30に対し、ヒンジ基板部20を矢印C方向に移動する。ヒンジ基板部20がメインホルダ30の端部まで移動すると、図5(d)に示すように、メインホルダ30の凸部31と、ヒンジ基板ホルダ22の凹部223とが係合する。これにより、メインホルダ30にヒンジ基板部20を固定することができる。以下の説明において、ヒンジ基板部20を備えたメインホルダ30を「メインホルダ30A」という。
【0067】
なお、メインホルダ30にヒンジ基板部20を固定した後に、ハーネス71〜73をハーネス固定部33へ嵌め込み、更に貫通孔34へ挿入する作業を行ってもよい。
【0068】
次に、ヒンジ部10及びメインホルダ30Aの組み立てについて、図6を参照して説明する。
図6に示すように、メインホルダ30Aの裏側と、ヒンジ部10のシャーシ11とが向かい合うように配置して、メインホルダ30Aをヒンジ部10のシャーシ11に嵌め込む。この嵌め込みの際に、メインホルダ30Aの裏側に引き出されたハーネス71〜73を、センタシャフト15の貫通孔15aに挿入する。
【0069】
メインホルダ30Aをヒンジ部10のシャーシ11に嵌め込むと、メインホルダ30Aのガイド部32とシャーシ11の凹部116とが係合する(図7参照)。このように、メインホルダ30Aをヒンジ部10のシャーシ11に嵌め込むことにより、メインホルダ30Aをシャーシ11の正しい位置に装着できる。
【0070】
更に、シャーシ11の側壁に設けられた取付け孔118にネジ101を挿入し、メインホルダ30A側に設けられたネジ孔(不図示)にねじ込む。同様に、シャーシ11の側壁に設けられた取付け孔119にネジ102を挿入し、ヒンジ基板ホルダ22(メインホルダ30A)のネジ孔224にねじ込む。これにより、メインホルダ30Aをシャーシ11に固定することができる。上記ねじ込み作業においては、モニタ連結プレート12を図6の位置から約90度程度回動させることにより、ネジ101,102をシャーシ11の裏側からねじ込むことができる。
【0071】
なお、図6において、シャーシ11の側壁に設けられた取付け孔120は、シャーシ11にセンタカバー40を取り付ける際に、ネジ103(後述)を挿入する孔である。
また、メインホルダ30Aをシャーシ11に固定する際(又は固定した後)に、液晶モニタ6から延ばされたハーネス74を、メインホルダ30Aに固定する。ハーネス74の固定については後述する。
【0072】
次に、メインホルダ30Aを備えたヒンジ部10とセンタカバー40との組み立てについて、図7を参照して説明する。
まず、ハーネス74の固定について説明する。
ハーネス74は、複数の信号線を束ねて、外装を被覆したケーブルである。ハーネス74は、液晶モニタ6とカメラボディ2に設けられた駆動回路及び電源回路(不図示)との間を接続する。すなわち、ハーネス74は、液晶モニタ6の制御用のハーネスである。
【0073】
図7において、液晶モニタ6から延ばされたハーネス74は、センタシャフト15の貫通孔15a(図4参照)からシャーシ11の表側(図7の手前側)に引き出される。そして、ハーネス74は、メインホルダ30Aの貫通孔34からメインホルダ30Aの表側(図7の手前側)に引き出される。続いて、ハーネス74は、ハーネスフック36の側に曲げられ、ハーネスフック36に引っ掛けられる。そして、ハーネス74は、ハーネスガイド37に挿入される。これにより、ハーネス74をメインホルダ30Aに固定することができる。
【0074】
ハーネス74をハーネスフック36に引っ掛け、ハーネスガイド37に挿入すると、ハーネス74は、ボス挿入部35を避けるように屈曲した状態で固定される。このような構成とすることにより、ハーネス74が屈曲した部分に、センタカバー40を取り付けるためのボス挿入部35を設けることができる。
【0075】
更に、ハーネス74は、サイドシャフト17の貫通孔17aに挿入され、ベースプレート14の外部に引き出される。そして、ハーネス74は、カメラボディ2に設けられた貫通孔(不図示)に挿入され、カメラボディ2の内部に引き込まれる。なお、先に説明したように、ヒンジユニット9の両端部は、サイドカバー2a、2bに覆われる。このため、ヒンジ部10から引き出されたハーネス74が、カメラボディ2の外部に露出することはない。
【0076】
次に、センタカバー40の取り付けについて説明する。
図7に示すように、シャーシ11において、支持部111,112の根本部分には、凸部121,122がそれぞれ設けられている。凸部121,122は、図7において、上下(Z軸方向)一対に設けられている。図7では、手前側の凸部121,122のみ示す。
【0077】
センタカバー40は、断面が略U字形に形成された部品である。センタカバー40の内側には、円柱形状のボス41が設けられている。ボス41には、ネジ孔42が形成されている。ボス41は、メインホルダ30Aのボス挿入部35と嵌合可能な形状を有する。
【0078】
また、センタカバー40の長手方向の両端部には、凹部43が設けられている。凹部43は、シャーシ11の凸部121,122と係合する部分である。凹部43は、図7において、上下(Z軸方向)一対に設けられている。図7では、センタカバー40の手前側において、上下一対に設けられた凹部43のみを示す。
【0079】
図7に示すように、センタカバー40のボス41とヒンジ部10のシャーシ11とが向かい合うように配置して、センタカバー40をヒンジ部10のシャーシ11に嵌め込む。センタカバー40をヒンジ部10のシャーシ11に嵌め込むと、図8に示すように、センタカバー40の凹部43と、シャーシ11側の凸部121(122)とが係合する。これにより、センタカバー40をシャーシ11に装着することができる。
【0080】
また、センタカバー40をヒンジ部10のシャーシ11に嵌め込むと、センタカバー40のボス41がメインホルダ30Aのボス挿入部35と嵌合する。この状態で、シャーシ11の側壁に設けられた取付け孔120(図6参照)にネジ103を挿入し(図7参照)、ボス41(センタカバー40)のネジ孔42にねじ込む。これにより、センタカバー40をシャーシ11に固定することができる。上記ねじ込み作業においては、液晶モニタ6を図7の位置から約90度程度回動させることにより、ネジ103をシャーシ11の裏側からねじ込むことができる。
【0081】
上記のように組み立てられたヒンジユニット9は、図3に示すように、カメラボディ2に取り付けられる。図3に示すように、ヒンジユニット9の両端部は、サイドカバー2a,2bにより覆われる。カメラボディ2に取り付けられたヒンジユニット9は、センタカバー40、及びサイドカバー2a,2bにより覆われる。液晶モニタ6が第1軸S1を中心として回動したときには、センタカバー40もシャーシ11と共に回動するため、ヒンジ部10の内部構造が露出することがない。
【0082】
上述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態のヒンジユニット9は、ヒンジ部10の内部に、第1スイッチ50及び第2スイッチ60を有するヒンジ基板21が配置される。この構成によれば、ヒンジ基板21が1枚で済むため、スイッチ毎にヒンジ基板を配置する構成に比べて、ヒンジ基板の数を減らすことができる。この結果、減らしたヒンジ基板の厚み分だけ、ヒンジユニット9の厚みt(図3参照)を少なくできる。このため、液晶モニタ6を小さくすることなしに、カメラボディ2を小型化できる。他方、カメラボディ2を大きくしたり、操作部材を配置する領域に制約を生じさせたりすることなしに、液晶モニタ6を大型化できる。従って、本実施形態のヒンジユニット9によれば、カメラボディ2の操作性を損なうことなしに、カメラボディ2に対し液晶モニタ6を適切にレイアウトできる。
【0083】
また、第1スイッチ50又は第2スイッチ60に不具合が生じた場合でも、一つのヒンジ基板21のみを検査すればよいため、検査時間を短縮できる。更に、第1スイッチ50及び第2スイッチ60が破損した場合に、一つのヒンジ基板21のみを交換すればよいため、修理時間を短縮できる。
【0084】
(2)本実施形態のヒンジユニット9は、ヒンジ基板21が、ヒンジ部10の内部において、他の部材から遊離した状態で支持される。このため、第1スイッチ50及び第2スイッチ60の各スイッチ片を押圧する部材(例えば、押圧片115、当接片151)の配置や組み合わせに自由度を持たせることができる。
【0085】
(3)本実施形態のヒンジユニット9は、ヒンジ基板ホルダ22のスリット部222とヒンジ基板21の凸部211との係合により、ヒンジ基板21がヒンジ基板ホルダ22に支持される。これによれば、ヒンジ基板ホルダ22において、ネジ等の部品を用いることなくヒンジ基板21を支持できる。このため、部品点数を削減できる。また、ヒンジ基板部20の組み立てが簡素化されるため、作業時間を短縮できる。
【0086】
(4)本実施形態のヒンジユニット9は、ヒンジ基板21において、第1基板面に第1スイッチ50が配置され、第1基板面の反対面となる第2基板面に第2スイッチ60が配置される。これによれば、シャーシ11の内部において、デットスペースを有効に利用できる。従って、ヒンジ部10の内部において、部品の配置をより高密度化できる。
【0087】
(5)本実施形態のヒンジユニット9は、ヒンジ基板ホルダ22の凹部223と、メインホルダ30の凹部223とが係合することによりヒンジ基板ホルダ22が支持される。これによれば、メインホルダ30において、ネジ等の部品を用いることなくヒンジ基板ホルダ22を支持できる。このため、部品点数を削減できる。また、メインホルダ30の組み立てが簡素化されるため、作業時間を短縮できる。
【0088】
(6)本実施形態のヒンジユニット9は、メインホルダ30のガイド部32と、シャーシ11の凹部116との係合により、メインホルダ30がシャーシ11に支持される。これによれば、メインホルダ30をシャーシ11に嵌め込むだけで、メインホルダ30をシャーシ11の正しい位置に装着できる。このため、シャーシ11におけるメインホルダ30の位置精度を高めることができる。また、メインホルダ30とシャーシ11との組み立てが簡素化されるため、作業時間を短縮できる。
【0089】
(7)本実施形態のヒンジユニット9は、メインホルダ30において、ハーネス71〜73を固定するハーネス固定部33と、ハーネス74を固定するハーネスフック36とを備える。このため、メインホルダ30において、ハーネス71〜73及びハーネス74を一括して固定できる。
【0090】
本実施形態のハーネス固定部33は、複数のスリットにハーネス71〜73を嵌め込むだけで、ハーネス71〜73を固定することができる。また、ハーネスフック36は、ハーネス74を引っ掛けるだけでハーネス74を固定できる。これによれば、各ハーネスを固定する作業が簡素化されるため、作業時間を短縮できる。
【0091】
(8)本実施形態のヒンジユニット9は、メインホルダ30及びシャーシ11の外側を覆うセンタカバー40を備える。センタカバー40は、メインホルダ30及びシャーシ11と共にねじ止めされる。このため、複数の部品を組み合わせてカバーとする構成に比べて、部品点数を削減できる。また、センタカバー40の組み立てが簡素化されるため、作業時間を短縮できる。
【0092】
また、本実施形態では、ヒンジ基板21の第1基板面に第1スイッチ50を配置し、第2基板面に第2スイッチ60を配置した。このため、シャーシ11の内部において、デットスペースを有効に利用できる。一例として、本実施形態では、第1スイッチ50及び第2スイッチ60を有するヒンジ基板21を、メインホルダ30の端部に配置した。このため、メインホルダ30において、ハーネス74を屈曲した状態で引き回すスペースを確保できる。
【0093】
(9)本実施形態のヒンジユニット9は、シャーシ11がヒンジ部10の外装部品となる。このため、センタカバー40と対になるカバーとを設ける構成と比べて、カバーの数を減らすことができる。この結果、減らしたカバーの厚み分だけ、ヒンジユニット9の厚みtを更に少なくできる。
【0094】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明は以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
【0095】
本実施形態において、ヒンジ基板21は、第1基板面に第1スイッチ50が配置され、第2基板面に第2スイッチ60が配置される。しかし、第1スイッチ50及び第2スイッチ60の配置は、この例に限定されない。例えば、ヒンジ基板21の第1基板面に第1スイッチ50及び第2スイッチ60を配置した構成としてもよい。また、ヒンジ基板21の第2基板面に第1スイッチ50及び第2スイッチ60を配置した構成としてもよい。
【0096】
本実施形態において、ヒンジ基板21の凸部211は、ヒンジ基板ホルダ22のスリット部222に挿入される(図5(a)参照)。しかし、ヒンジ基板21及びヒンジ基板ホルダ22の構成は、この例に限定されない。例えば、ヒンジ基板ホルダ22の側壁部221に矩形の開口部を形成し、この開口部にヒンジ基板21の凸部211を係合させる構成としてもよい。
【0097】
本実施形態において、メインホルダ30Aのガイド部32は、シャーシ11の凹部116と係合する(図6参照)。しかし、メインホルダ30Aとガイド部32の構成は、この例に限定されない。例えば、シャーシ11の凹部116の代わりに、矩形の開口部を形成し、この開口部にメインホルダ30Aのガイド部32を係合させる構成としてもよい。また、メインホルダ30Aに凹部116を設け、シャーシ11にガイド部32を設けた構成としてもよい。
【0098】
本実施形態は、本発明に係るヒンジユニットをデジタルカメラに適用した例について説明した。しかし、本発明の適用は、この例に限定されない。例えば、液晶モニタを備えたビデオカメラや携帯電話にも適用することができる。すなわち、本発明に係るヒンジユニットは、液晶モニタ等の支持物を備えた電子機器に適用することができる。
【0099】
また、上記実施形態及び変形形態は適宜に組み合わせて用いることができるが、各実施形態の構成は図示と説明により明らかであるため、詳細な説明を省略する。更に、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0100】
1:カメラ、2:カメラボディ、6:液晶モニタ、9:ヒンジユニット、10:ヒンジ部、11:シャーシ、12:モニタ連結プレート、20:ヒンジ基板部、21:ヒンジ基板、22:ヒンジ基板ホルダ、33:ハーネス固定部、36:ハーネスフック、50:第1スイッチ、60:第2スイッチ、40:センタカバー、71,72,73,74:ハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持物が連結される連結部と、
前記連結部を第1軸及び前記第1軸と直交する第2軸を中心にそれぞれ回動自在に支持するヒンジ部と、
前記ヒンジ部の内部に配置され、前記連結部の第1軸を中心とする回動を検出する第1スイッチ及び前記連結部の第2軸を中心とする回動を検出する第2スイッチを有するヒンジ基板と、
を備えるヒンジユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のヒンジユニットにおいて、
前記ヒンジ基板は、前記ヒンジ部の内部において、他の部材から遊離した状態で支持されるヒンジユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のヒンジユニットにおいて、
前記ヒンジ基板は、第1基板面に前記第1スイッチが配置され、前記第1基板面の反対面となる第2基板面に前記第2スイッチが配置されるヒンジユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒンジユニットにおいて、
前記ヒンジ基板は、第1係合部を有し、
前記ヒンジ基板の前記第1係合部と係合可能な第2係合部を有し、当該第2係合部に前記ヒンジ基板の前記第1係合部が係合することにより前記ヒンジ基板を支持するヒンジ基板ホルダを備えるヒンジユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のヒンジユニットにおいて、
前記ヒンジ基板ホルダは、第3係合部を有し、
前記ヒンジ基板ホルダの前記第3係合部と係合可能な第4係合部を有し、当該第4係合部に前記ヒンジ基板ホルダの前記第3係合部が係合することにより前記ヒンジ基板ホルダを支持するホルダ部を備えるヒンジユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のヒンジユニットにおいて、
前記ホルダ部は、第5係合部を有し、
前記ホルダ部の前記第5係合部と係合可能な第6係合部を有し、当該第6係合部に前記ホルダ部の前記第5係合部が係合することにより前記ホルダ部を支持するシャーシを備えるヒンジユニット。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載のヒンジユニットにおいて、
前記ホルダ部は、
前記第1スイッチ及び第2スイッチから延出された第1ハーネスを固定する第1固定部と、
前記支持物から延出された第2ハーネスを固定する第2固定部と、
を備えるヒンジユニット。
【請求項8】
請求項7に記載のヒンジユニットにおいて、
前記シャーシは、第1孔部を有し、
前記ホルダ部は、前記第2固定部により固定された前記第2ハーネスの一部を屈曲させる屈曲部と、当該屈曲部の近傍に形成された第2孔部と、を有し、
前記ホルダ部及び前記シャーシの外側を覆うカバーを備え、
前記カバーは、ネジ孔部を有し、前記シャーシの第1孔部に挿入されたネジが前記ホルダ部の前記第2孔部を介して前記ネジ孔部と係合することにより前記ホルダ部及び前記シャーシと共に固定されるヒンジユニット。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のヒンジユニットにおいて、
前記シャーシが、前記ヒンジ部の外装部品であるヒンジユニット。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のヒンジユニットと、
当該ヒンジユニットにより回動自在に支持される支持物と、
を備える電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器において、
前記支持物は、表示画面を備えたモニタである電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−216938(P2012−216938A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79770(P2011−79770)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】